説明

アミノ−s−トリアジン系化合物を分解する新規微生物

【課題】アミノ−s−トリアジン系化合物、特にメラミンやその水酸基置換体を完全分解する方法、及びこの分解方法に使用可能な新規な微生物の提供。
【解決手段】アミノ−s−トリアジン系化合物の分解能を有するノカルディオイデス属の細菌、又は、当該細菌とベータプロテオバクテリアに属する細菌、ブラディリゾビウム属の細菌及びベータプロテオバクテリアに属する細菌を使用したメラミン、アンメリン、又はアンメリドであるアミノ−s−トリアジン系化合物の分解方法、および、該細菌を有効成分として含有する微生物製剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アミノ−s−トリアジン、特にメラミン、アンメリン及びアンメリドからなる群から選ばれる少なくとも1種の物質を分解する能力を有する新規なノカルディオイデス属に属する微生物及び当該微生物を含む複合微生物系に関し、さらに当該微生物又は当該複合微生物系を用いてアミノ−s−トリアジン系化合物を分解する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
s−トリアジン系化合物は、炭素3、窒素3原子よりなる対称型のトリアジン環を基本骨格として持つ化合物の総称であり、樹脂、塗料、肥料、除草剤および殺菌剤等といった広範囲な用途に製造・利用されている。これらの物質は、環境中で比較的安定であり、使用に伴い環境中へ蓄積する。また、メラミン、アトラジン、およびシメトリン等のいくつかのs−トリアジン系化合物は環境省(旧環境庁)の「水環境保全に向けた取組のための要調査項目リスト(平成10年6月5日報道発表)」にも挙げられている。
【0003】
環境中に蓄積したs−トリアジン系化合物による被害例として、たとえば米国国内では、アトラジンの大量使用による飲料用地下水の汚染が報告されている。また、近年、メラミンが混入したペットフードを食べた犬や猫が腎不全を起こして死亡する事件、およびメラミンが混入したミルクを飲んだ乳幼児が腎臓結石を発症した事件等、人畜への健康被害例が多数報告されている。また、これらの健康被害はメラミン並びにその代謝物であるシアヌール酸との複合的な作用により生じるものと推定されている。このような点から、s−トリアジン系化合物が肥料、飼料や食品に添加され、あるいは残存し、土壌や水域等の環境中に大量排出された場合、深刻な問題となる可能性がある。
【0004】
s−トリアジン系の化合物、特にメラミンおよびその水酸基置換体であるシアヌール酸は、他のs−トリアジン系化合物と比較して工業的に大量に製造されており、工業廃棄物に含まれ、また、難分解性であることから水域および土壌環境中に放出された場合、蓄積する可能性が高いといえる。
【0005】
メラミンおよびその水酸基置換体を含むs−トリアジン化合物がいったん環境中に放出された場合には、これを回収して通常の化学反応によって分解するという方法は現実的ではない。そこで、環境中に放出されたこれらの化合物を微生物等により生分解する手段が試みられてきた。このような方法として、特許文献1には、メラミンの水溶液または懸濁液を嫌気条件下でメラミナーゼ活性を持つ微生物又は酵素剤に接触させることによってメラミンを生物学的に減成する方法が開示されている。また、特許文献2には、シュードモナス属の特定の菌株に好気条件下で接触させることによってアンメリンまたはアンメリドをシアヌール酸に分解する方法が開示されている。特許文献3には、ロドコッカス属の特定の菌株に好気条件下で接触させることにより塩素化トリアジンまたはヒドロキシトリアジンを対応するアンメリドへ生分解する方法が開示されている。さらに、特許文献4及び5には、トリアジン系農薬を好気条件下で分解する方法が開示されている。さらに、特許文献6にはアグロバクテリウム属、ミクロバクテリウム属、オクロバクトラム属、フィロバクテリウム属に属する菌株によりメラミンを分解する方法が示されている。
【0006】
しかしながら、これらの文献記載の細菌並びに方法は、メラミンをシアヌール酸に加水分解することができない、あるいはメラミンをシアヌール酸に分解するもののシアヌール酸を分解することができず、シアヌール酸が蓄積する、もしくは分解物の残存、残留が懸念される等の問題点がある。
【特許文献1】特開昭54−163892
【特許文献2】特開昭57−86293
【特許文献3】特開昭60−114191
【特許文献4】特開2005−27536
【特許文献5】特開2007−6714
【特許文献6】特開2007−282631
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、本発明の目的は、肥料、飼料、工業廃材、工場排水、環境水、又は土壌中に含まれるアミノ−s−トリアジン系化合物、特にメラミンやその水酸基置換体を資化分解する方法、及びこの分解方法に使用可能な新規な微生物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは水田土壌からアミノ−s−トリアジン系化合物の分解能を有するノカルディオイデス属の細菌を単離して、本発明に到達した。この細菌は16S rRNA遺伝子配列解析および菌学的性質から新規な細菌であった。この細菌は、単一の細菌でメラミンをアンメリン、アンメリドを経てシアヌール酸まで分解する能力があり、さらに、本菌株は、既知のシマジン分解細菌と共存培養した複合微生物系とすることにより、メラミンをシアヌール酸を経て完全に分解可能な能力を有していること、このような複合微生物系とすることでシアヌール酸分解速度の著しい向上が可能なことを見出して、本発明を完成した。
【0009】
従って、本発明は、次の[1]〜[18]にある。
[1]
アミノ−s−トリアジン系化合物の分解能を有することを特徴とするノカルディオイデス属の細菌。
[2]
アミノ−s−トリアジン系化合物が、メラミン、アンメリン、又はアンメリドである[1]記載の細菌。
[3]
ノカルディオイデス属の細菌が、次の(A)又は(B):
(A)配列番号1に記載の塩基配列からなるDNA
(B)配列番号1に記載の塩基配列と95%以上の同一性を有するDNA、
を含む16S rRNA遺伝子を有する、[1]又は[2]記載の細菌。
[4]
ノカルディオイデス属の細菌が、ノカルディオイデス sp. ATD6(受託番号FERM P−21710)又はその変異株である[1]〜[3]の何れか1項に記載の細菌。
[5]
[1]〜[4]の何れか1項記載の細菌を有効成分として含有する、アミノ−s−トリアジン系化合物の分解のための微生物製剤。
[6]
アミノ−s−トリアジンン系化合物が、メラミン、アンメリン、又はアンメリドである[5]記載の微生物製剤
[7]
[1]〜[4]の何れか1項記載の細菌と、1種類以上の共存菌とを、有効成分として含有する、アミノ−s−トリアジン系化合物の分解のための複合微生物製剤。
[8]
共存菌として、次の(C)又は(D):
(C)配列番号2に記載の塩基配列からなるDNA
(D)配列番号2に記載の塩基配列と95%以上の同一性を有するDNA、
を含む16S rRNA遺伝子を有するベータプロテオバクテリアに属する細菌を含む、[7]に記載の複合微生物製剤。
[9]
共存菌として、次の(C)又は(D):
(C)配列番号2に記載の塩基配列からなるDNA
(D)配列番号2に記載の塩基配列と95%以上の同一性を有するDNA、
を含む16S rRNA遺伝子を有するベータプロテオバクテリアに属する細菌、
及び、次の(E)又は(F):
(E)配列番号3に記載の塩基配列からなるDNA
(F)配列番号3に記載の塩基配列と95%以上の同一性を有するDNA、
を含む16S rRNA遺伝子を有するブラディリゾビウム属の細菌を含む、[7]に記載の複合微生物製剤。
[10]
ベータプロテオバクテリアに属する細菌が、ベータプロテオバクテリアCDB21(受託番号FERM P−19395;受託番号FERM BP−10403)又はその変異株である、[8]又は[9]に記載の複合微生物製剤。
[11]
ブラディリゾビウム属の細菌が、ブラディリゾビウムジャポニカムCSB1(受託番号FERM P−19394; 受託番号FERM BP−10402)又はその変異株である、[9]又は[10]に記載の複合微生物製剤。
[12]
アミノ−s−トリアジン系化合物がメラミン、アンメリン、又はアンメリドである[7]〜[11]の何れか1項に記載の複合微生物製剤。
[13]
[1]〜[4]の何れか1項に記載した細菌を使用することを特徴とするアミノ−s−トリアジン系化合物の分解方法。
[14]
[5]〜[6]の何れか1項に記載した微生物製剤を使用することを特徴とするアミノ−s−トリアジン系化合物の分解方法。
[15]
[7]〜[12]の何れか1項に記載した複合微生物製剤を使用することを特徴とするアミノ−s−トリアジン系化合物の分解方法。
[16]
アミノ−s−トリアジン系化合物を分解するための、[1]〜[4]の何れか1項に記載した細菌の使用。
[17]
アミノ−s−トリアジン系化合物を分解するための、[5]〜[6]の何れか1項に記載した微生物製剤の使用。
[18]
アミノ−s−トリアジン系化合物を分解するための、[7]〜[12]の何れか1項に記載した複合微生物製剤の使用。
【0010】
本発明は、上記細菌を含有する、微生物製剤、複合微生物製剤にも関し、さらに、アミノ−s−トリアジン系化合物分解用微生物製剤、及びアミノ−s−トリアジン系化合物分解用複合微生物製剤にも関し、さらに、アミノ−s−トリアジン系化合物分解剤にも関し、さらに、アミノ−s−トリアジン系化合物分解用微生物触媒、及びアミノ−s−トリアジン系化合物分解用複合微生物触媒にも関する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、肥料、飼料、工業廃材、工場排水、環境水、及び土壌中に含まれるトリアジン系化合物、特にメラミン及びその水酸基置換体を速やかに分解することができる。さらに本発明の複合微生物を用いることにより広範囲な条件下で速やかに完全な分解が可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下に本発明の実施の形態を例示して、本発明を詳細に説明する。
本発明はアミノ−s−トリアジン系化合物、より好ましくはメラミン、アンメリン、又はアンメリドの分解能を有するノカルディオイデス属の細菌に関し、当該細菌を有効成分として含有するアミノ−s−トリアジン系化合物分解用微生物製剤にも関する。
【0013】
好適な実施の態様において、本発明に係るノカルディオイデス属の細菌は、16S rRNA遺伝子が配列表の配列番号1に記載する塩基配列、又はメラミン、アンメリン、及びアンメリドの分解能力を損なわないことを限度として1個若しくは複数個の塩基が欠失、置換、若しくは付加することにより配列表の配列番号1に記載された塩基配列と95%以上、好ましくは96%以上、さらに好ましくは96.5%以上、さらに好ましくは97%以上、さらに好ましくは98%以上、さらに好ましくは99%以上、さらに好ましくは99.5%以上、さらに好ましくは99.8%以上、さらに好ましくは99.9%以上の相同性を有する塩基配列を有し、アミノ−s−トリアジン系化合物、より好ましくはメラミン、アンメリン、又はアンメリド分解能を有するノカルディオイデス属の細菌とすることができる。
【0014】
好適な実施の態様において、当該ノカルディオイデス属に属するアミノ−s−トリアジン分解菌の具体例としては、ノカルディオイデス sp. ATD6(受託番号 FERM P−21710)又はその変異株が挙げられ、好ましくはノカルディオイデス sp. ATD6(受託番号 FERM P−21710)である。
【0015】
また、本発明は、上述のノカルディオイデス属に属するアミノ−s−トリアジン分解菌と、1種以上の共存菌とを含有してなる、アミノ−s−トリアジン系化合物を分解するための複合微生物、及び複合微生物系にも関し、アミノ−s−トリアジン系化合物分解用複合微生物製剤にも関する。このような複合微生物系又は複合微生物製剤とすることによって、アミノ−s−トリアジン系化合物に加えて、その水酸基置換体化合物をも分解できるために、アミノ−s−トリアジン系化合物の完全な分解を促進することができる。
【0016】
共存菌としては、シアヌール酸分解能を有する菌株やその生育を助ける菌株が挙げられる。好適な実施の一態様において、共存菌として、例えば、ベータプロテオバクテリアに属するシマジン分解細菌を含有させることができる。別な好適な実施の一態様において、共存菌として、例えば、ベータプロテオバクテリアに属するシマジン分解細菌に加えて、ブラディリゾビウム属細菌、ロドコッカス ロドクラウス、ノカルディオイデス ジェンセニ、ノカルディオイデス フルブス、ノカルディオイデス シンプレックス、シュードモナス エルギノーサ、及びスフィンゴモナス エスピーからなる群より選択された1種以上の細菌を含有させることができ、好ましくは、ベータプロテオバクテリアに属するシマジン分解細菌に加えて、ブラディリゾビウム属の細菌を含有させることができる。
【0017】
好適な実施の態様において、本発明に係るベータプロテオバクテリアに属するシマジン分解細菌は、16S rRNA遺伝子が配列表の配列番号2に記載する塩基配列、又は複合微生物系のメラミン、アンメリン、及びアンメリドの分解能力を損なわないことを限度として1個若しくは複数個の塩基が欠失、置換、若しくは付加することにより配列表の配列番号2に記載された塩基配列と95%以上、好ましくは96%以上、さらに好ましくは96.5%以上、さらに好ましくは97%以上、さらに好ましくは98%以上、さらに好ましくは99%以上、さらに好ましくは99.5%以上、さらに好ましくは99.8%以上、さらに好ましくは99.9%以上の相同性を有する塩基配列を有するベータプロテオバクテリアに属するシマジン分解細菌とすることができる。ノカルディオイデス属に属する細菌に加えて、ベータプロテオバクテリアに属するシマジン分解細菌を含有してなる複合微生物系及び複合微生物製剤は、アミノ−s−トリアジン系化合物に加えて、その水酸基置換体化合物をも分解できるために、アミノ−s−トリアジン系化合物の完全な分解を促進することができる。
【0018】
好適な実施の態様において、ベータプロテオバクテリアに属するシマジン分解細菌として、ロドサイクラーレス科の細菌を挙げることができ、具体例としては、公知のベータプロテオバクテリアCDB21(独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター(茨城県つくば市東1丁目1番地1中央第6)に平成15年(2003年)6月13日に寄託し、平成17年(2005年)8月22日に国際寄託へ移管した; 国内寄託 受託番号 FERM P−19395; 国際寄託 受託番号 FERM BP−10403)又はその変異株が挙げられ、好ましくはベータプロテオバクテリアCDB21(FERM P−19395; FERM BP−10403)である。
【0019】
好適な実施の態様において、本発明に係るブラディリゾビウム属の細菌は、16S rRNA遺伝子が配列表の配列番号3に記載する塩基配列、又は複合微生物系のメラミン、アンメリン、及びアンメリドの分解能力を損なわないことを限度として1個若しくは複数個の塩基が欠失、置換、若しくは付加することにより配列表の配列番号3に記載された塩基配列と95%以上、好ましくは96%以上、さらに好ましくは96.5%以上、さらに好ましくは97%以上、さらに好ましくは98%以上、さらに好ましくは99%以上、さらに好ましくは99.5%以上、さらに好ましくは99.8%以上、さらに好ましくは99.9%以上の相同性を有する塩基配列を有するブラディリゾビウム属の細菌とすることができる。ブラディリゾビウム属の細菌を添加することによって、ベータプロテオバクテリアに属するシマジン分解細菌の生育を助けて、本発明に係る複合微生物系及び複合微生物製剤によるアミノ−s−トリアジン系化合物の完全な分解を促進することができる。
【0020】
好適な実施の態様において、ブラディリゾビウム属に属する細菌の具体例としては、ブラディリゾビウムジャポニカムCSB1(独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター(茨城県つくば市東1丁目1番地1中央第6)に平成15年(2003年)6月13日に寄託し、平成17年(2005年)8月22日に国際寄託へ移管した; 国内寄託 受託番号 FERM P−19394; 国際寄託 受託番号 FERM BP−10402)又はその変異株が挙げられ、好ましくはブラディリゾビウムジャポニカムCSB1(FERM P−19394; FERM BP−10402)である。ブラディリゾビウムジャポニカムCSB1(FERM P−19394; FERM BP−10402)は、シマジン分解菌として公知のベータプロテオバクテリアCDB21(FERM P−19395; FERM BP−10403)の生育を助けて、本発明に係る複合微生物系及び複合微生物製剤によるアミノ−s−トリアジン系化合物の完全な分解を促進することができる。ベータプロテオバクテリアCDB21及びブラディリゾビウムジャポニカムCSB1の使用については、特開2005−27536号公報に記載されており、この記載を本明細書の一部として取り込む。
【0021】
本発明において、アミノ−s−トリアジン系化合物とは、次の式(I):
【化1】


で表される化合物である。
式Iにおいて、X1は、アミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、ヒドロキシアルキルアミノ基、ビス(ヒドロキシアルキル)アミノ基からなる群から選択される基であり、特に好ましくはアミノ基であり、
X2、X3は、それぞれ独立に、アミノ基、水酸基、ハロゲン原子、水素原子、アルキル基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アミノアルキル基、ヒドロキシアルキルアミノ基、ビス(ヒドロキシアルキル)アミノ基からなる群から選択される基である。
【0022】
アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロパン−1−イル基、プロパン−2−イル基(イソプロピル基)、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基を例示することができ、好ましくはメチル基、エチル基、特に好ましくはメチル基を挙げることができる。
アルキルチオ基としては、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基を例示することができ、好ましくはメチルチオ基を挙げることができる。
アルキルアミノ基としては、例えば、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロパン−1−イルアミノ基、プロパン−2−イルアミノ基(イソプロピルアミノ基)、イソブチルアミノ基、sec−ブチルアミノ基、tert−ブチルアミノ基を例示することができ、好ましくはエチルアミノ基を挙げることができる。
ジアルキルアミノ基としては、例えば、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基を例示することができ、好ましくはジメチルアミノ基を挙げることができる。
アミノアルキル基としては、例えば、アミノメチル基、アミノエチル基、アミノプロパン−1−イル基、アミノプロパン−2−イル(アミノイソプロピル基)、アミノイソブチル基、アミノsec−ブチル基、アミノtert−ブチル基を例示することができ、好ましくはアミノメチル基を挙げることができる。
ヒドロキシアルキルアミノ基としては、例えば、ヒドロキシメチルアミノ基、ヒドロキシエチルアミノ基を例示することができ、好ましくはヒドロキシメチルアミノ基を挙げることができる。
ビス(ヒドロキシアルキル)アミノ基としては、例えば、ビス(ヒドロキシメチル)アミノ基、ビス(ヒドロキシエチル)アミノ基を例示することができ、好ましくはビス(ヒドロキシメチル)アミノ基を挙げることができる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子又は塩素原子、好ましくは塩素原子を挙げることができる。
【0023】
好適な実施の一態様において、X1はアミノ基とすることができ、X2、X3は、それぞれ独立に、アミノ基、水酸基、ハロゲン原子、アミノアルキル基、ヒドロキシアルキルアミノ基、ビス(ヒドロキシアルキル)アミノ基、又は水素原子とすることができ、好ましくは、アミノ基、水酸基、ハロゲン原子、又は水素原子、さらに好ましくはアミノ基、水酸基、又は水素原子、さらに好ましくは、アミノ基又は水酸基とすることができる。
【0024】
好適な実施の一態様において、アミノ−s−トリアジン系化合物は、上記式Iにおいて、X1、X2及びX3がアミノ基である化合物(メラミン)、X1及びX2がアミノ基であり且つX3が水酸基である化合物(アンメリン)、X1がアミノ基であり且つX2及びX3が水酸基である化合物(アンメリド)とすることができる。
【0025】
また、本発明は、アミノ−s−トリアジン分解能を有するノカルディオイデス属に属する細菌、及び当該細菌を有効成分として含有する微生物製剤を使用することによってアミノ−s−トリアジン系化合物を分解する方法にも関する。
【0026】
また、本発明は、ノカルディオイデス属に属するアミノ−s−トリアジン分解菌と、1種以上の共存菌とを有する複合微生物製剤を使用することを特徴とするアミノ−s−トリアジン系化合物の分解方法に関する。当該アミノ−s−トリアジン系化合物としては、好ましくはメラミン、アンメリン、及びアンメリドを挙げることができる。このような複合微生物製剤は、アミノ−s−トリアジン系化合物に加えてその水酸基置換体化合物をも分解することができるために、アミノ−s−トリアジン系化合物の完全な分解を促進することができる。アミノ−s−トリアジン系化合物の水素置換体化合物として、例えば、シアヌール酸が挙げられる。
【0027】
また、本発明の複合微生物製剤とは、アミノ−s−トリアジン分解能を有するノカルディオイデス属に属する細菌、及びアミノ−s−トリアジン系化合物の水酸基置換体の分解菌やその分解菌の生育を助ける菌を含んでいる製剤であればよく、当該複合微生物系の生育が許容される担体を含有していることが好ましい。当該担体としては、土壌、活性汚泥、培地、木炭、竹炭等が挙げられる。このような担体に、本発明に係る細菌類を添加、混合又は付着させて、飼料や肥料、土壌や水系に添加又は散布することによって、本発明に係る分解方法を、好適に実施することができる。
【0028】
本発明のアミノ−s−トリアジン、好ましくはメラミン、アンメリン、又はアンメリド分解能を有するノカルディオイデス属に属する細菌には、下記の菌学的特徴を有するものが含まれる。
【0029】
A.形態学的性質(使用培地:R2A寒天(ダイゴ、日本)、培養温度30℃、培養時間48時間)
(1) 細胞形態: 多形態桿菌
(2) 大きさ : 0.8−1.0×2.0−4.0μm
(3) 胞子 : −
(4) 運動性 : −
【0030】
B.コロニー形態(使用培地:R2A寒天、培養温度30℃、培養時間48時間)
(1) コロニー直径:1.0mm以下
(2) 色調 : クリーム色
(3) 形 : 円形
(4) 隆起状態 : 凸レンズ状
(5) 周縁 : 全縁
(6) 表面の形状 : スムーズ
(7) 透明度 : 不透明
(8) 粘稠度 : バター様
【0031】
C.生理学的性質
(1) グラム染色 : +(不定あり)
(2) 37℃における生育 : +
(3) 45℃における生育 : −
(4) カタラーゼ : +
(5) オキシダーゼ : −
(6) グルコースからの酸/ガス産生 : −/−
(7) O/Fテスト : −/−
(8) 嫌気条件下での生育 : −
(9) 気菌糸の形成 : −
(10) 抗酸染色 : −
【0032】
D.生化学的性状試験(ビオメリュー製API Coryneによる)
(1) 硝酸塩還元 : −
(2) ピラジンアミダーゼ : −
(3) ピロリドニルアリルアミダーゼ : −
(4) アルカリフォスファターゼ : −
(5) β−グルクロニダーゼ : −
(6) β−ガラクトシダーゼ : −
(7) α−グルコシダーゼ : +
(8) N−アセチル−β−グルコサミニダーゼ : +
(9) エスクリン : −
(10) ウレアーゼ : −
(11) ゼラチン加水分解 : −
(12) グルコース資化性 : −
(13) リボース資化性 : −
(14) キシロース資化性 : −
(15) マンニトール資化性 : −
(16) マルトース資化性 : −
(17) 乳糖資化性 : −
(18) 白糖資化性 : −
(19) グリコーゲン資化性 : −
【0033】
対象とするアミノ−s−トリアジン分解菌の具体的な例として新規分離菌株であるノカルディオイデス sp. ATD6がある。ノカルディオイデス sp. ATD6は、独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センターに微生物の表示(寄託者が付した識別のための表示)「Nocardioides sp. ATD6」、受託番号「FERM P−21710」として寄託されている
【0034】
本発明者らは、後記する実施例1に記載の方法により、新規なアミノ−s−トリアジン分解菌株ATD6を見出した。この微生物が各アミノ−s−トリアジンを分解するのに適した培地を実験的に検索したところ、次の表1に示した培地であることが判明した。
【0035】
【表1】

【0036】
前記の表1中の微量元素溶液は、次の表2に示される組成からなるものである。
【0037】
【表2】

【0038】
[実施例]
以下、本発明のメラミン分解菌の単離培養、分類同定、更に本発明分解菌及び本発明複合微生物系を用いたメラミンを始めとするアミノ−s−トリアジン系化合物の実験例を示して、本発明を更に詳細かつ具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【実施例1】
【0039】
実施例1メラミン分解菌の単離及び同定
発明者らは、以下の様にして、本発明に係わる新規メラミン分解菌ノカルディオイデス sp. ATD6株を単離した。図1は、菌の集積に利用した還流装置の概略図である。土壌層タンク1に木質炭化素材を3g、および日本国内の水田土壌を1g入れ、さらにトリアジン系農薬分解関連菌として、ベータプロテオバクテリアCDB21、ブラディリゾビウムジャポニカムCSB1、ノカルディオイデス sp. MTD22(FERM P−20989; FERM BP−10849)、ロドコッカス SP. FJ1117YT(FERM P−20535)等を接種した。5mg/L、20mg/L、又は40mg/Lのメラミンを炭素源及び窒素源として加えた滅菌済の表1に示す培地200mlを還流液として貯液タンク2から土壌層タンク1にポンプ3を用いて還流させた。
【0040】
還流開始後の還流液中のメラミン濃度をHPLCで測定した。結果を図2に示す。図2は、菌の集積過程でのメラミン濃度の変遷を示す図である。図2の縦軸は還流液中のメラミン濃度(mg/L)を示し、横軸は還流時間(日)を示す。図2の下向き矢印は還流液を全量、新鮮なものと交換した時点(還流液交換時期)を示す。図2で認められるように還流開始から21日目以降、還流液中のメラミン濃度の減少が認められた。このメラミン濃度の速やかな減少は還流液の交換後も認められた。
【0041】
そこで、表1に示す培地(メラミン濃度20mg/L)が20ml入った100ml容三角フラスコに還流装置より取り出した還流液を1ml接種し、30℃、210rpmで振とう培養を行ったところ、メラミン濃度の減少とアンメリン濃度の上昇が認められた。そこで培養液中のメラミン分解能を持つ細菌の構成比を上げることを目的として、培養液を限界希釈法により継代した。すなわち、培養液の1部を9倍量の培地で希釈し、さらにその希釈された培養液の1部を9倍量の培地で希釈するといった操作を繰り返し、10の7乗倍まで段階希釈した各希釈系列から0.9mlを新しい表1に示す培地20ml(メラミン濃度10mg/L、39mg/L、又は50mg/L)に接種し、210rpm、30℃で振とう培養した。適宜HPLCを用いて培養液中のメラミン濃度を測定し、メラミンの分解が認められた最も高い希釈系列を接種した培養液から培養液の一部を採取し同様の操作で希釈後植え継ぎを行った。上記操作を概ね10日おきに3回繰り返した。
限界希釈法による継代培養操作を繰り返すことにより高次希釈の継代培養液においても速やかにメラミン濃度の減少が認められたことから、培養液中に存在するメラミン分解菌の構成比があがったと考えられたため、寒天培地を用いた単離作業に移行した。
【0042】
すなわち、メラミンの分解が認められた培養液のうち、最も高い希釈系列を接種した培養液を前述の方法により10の7乗倍まで段階希釈し、各希釈液をR2A寒天培地(BD−Difco製)上にコンラージ棒を用いて100μLずつ塗布し30℃で2日間静置培養した。寒天培地上に生じた単コロニーをニードルで釣菌し、表1に示す培地(メラミン濃度40mg/L)10mlの入ったL字管に接種後、室温で振とう培養すると共に、新しいR2A寒天培地に画線し、30℃で静置培養した。HPLCでL字管の培養液中のメラミン濃度を測定したところ、7日後にメラミン濃度の減少と共にアンメリン、アンメリド及びシアヌール酸濃度の上昇が認められた。しかし、まだ分解菌の単離が不十分であると考えられたため、R2A寒天培地上に生じたメラミン分解能を持つコロニーを新しいR2A寒天培地に塗布し培養後単コロニー分離を行った。この単コロニーの釣菌作業をさらに3回繰り返しコロニーを十分に純化した。純化した単コロニーについて、表1に示す培地(メラミン濃度20mg/L)20mlの入った100ml容三角フラスコに接種後、30℃で旋回培養し、メラミンの分解が認められた株をメラミン分解菌の単離株とし、ATD6株と名づけた。
【実施例2】
【0043】
ATD6株の菌学的検討
実施例1にて単離したATD6株の菌学的位置づけを行うために、ATD6株の形態学的性質、培地における生育の様相、生理学的性質、生化学的性状について分析を行った。その結果、次の菌学的性質が認められた。
【0044】
【表3】

【0045】
【表4】

【0046】
【表5】

【0047】
【表6】

【0048】
結果を元にバージーのマニュアル(Bergey‘s Manual of Systematic Bacteriology Vol.2(1984))に従って同定を行ったところ、本発明のATD6株はcoryneform型細菌の一種であると推定された。coryneform型細菌は多様な細菌群で、上記の菌学的性質の試験結果のみから本株を分類同定することは困難であった。そこで、以下の手順に則り、ATD6株の16S rRNA遺伝子の塩基配列に基づいた遺伝子分類学的な検討を行った。
【0049】
(1) DNeasy Tissue Kit(キアゲン製)を用いてATD6株の菌体からゲノムDNAを調製した。
(2) 上記DNAを鋳型DNAとして公知のユーバクテリア16S rRNA遺伝子増幅用プライマー(Pest Manag. Sci. 63:261−268, 2007)を用いてPCR法によりATD6株の16S rRNA遺伝子断片を増幅し、QIAquick PCR Purification Kit(キアゲン製)を用いてDNAを精製した。
(3) 上記精製DNAを鋳型DNAとして蛍光ラベルした公知のユーバクテリア16S rRNA遺伝子の塩基配列解析用プライマー(Pest Manag. Sci. 63:261−268, 2007)を用いてサイクルシーケンス反応を行い、DNAシーケンサーSQ5500E(日立製)により塩基配列を決定した。
以上の操作により決定されたATD6株の16S rRNA遺伝子の部分塩基配列、1474塩基を配列番号1に示す。ジェネティクスPDB(ジェネティクス製)を用いて配列番号1に示したATD6株の16S rRNA遺伝子部分塩基配列と、DNA塩基配列データベース(GenBank)に登録された他の微生物の16S rRNA遺伝子の配列をFASTA法により相同性比較を行った。その結果、ATD6株はノカルディオイデス ニトロフェノリカス NSP41株と96.4%、ノカルディオイデス シンプレックス ATCC15799株と96.1%の相同性を示した。しかし、ATD6株は気菌糸を形成しないため、既知のノカルディオイデス属細菌の特徴と異なった。以上の結果より、発明者らは本菌株を新規なノカルディオイデス sp. ATD6と同定し、独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター(茨城県つくば市東1丁目1番地1中央第6)に平成20年(2008年)10月29日に受託番号 FERM P−21710 として寄託した。
【実施例3】
【0050】
ノカルディオイデス sp. ATD6、又はノカルディオイデス sp. ATD6を含む複合微生物系によるメラミンの分解
ノカルディオイデス sp. ATD6、ベータプロテオバクテリアCDB21、及びブラディリゾビウムジャポニカムCSB1をそれぞれ個別にR2A寒天培地を用いて30℃で平板培養し、表1に示す液体培地(メラミン濃度5mg/L)20mlを含む100ml容三角フラスコに接種し、30℃、210rpm、暗所で旋回培養を行い、経時的にHPLCを用いてメラミン、アンメリン、アンメリド、及びシアヌール酸の濃度を測定した。結果を図3に示す。図3は、実施例3におけるメラミン分解菌、複合微生物系によるメラミンの分解過程でのメラミン及びその代謝物の経時変化を示すグラフである。図3において、メラミン及び代謝物の濃度は標本数3の平均値を示し、ブランクは微生物を接種していないフラスコの結果を示す。ノカルディオイデス sp. ATD6を単独で接種した培地ではメラミン濃度の減少と共にアンメリン、アンメリド、及びシアヌール酸濃度の増加及び蓄積が認められた。一方、ノカルディオイデス sp. ATD6及びベータプロテオバクテリアCDB21を接種した培地ではメラミン濃度の減少に伴い、アンメリン、アンメリド、及びシアヌール酸濃度が一旦上昇し、培養時間経過に伴い減少し、更には消失する様子が認められた。また、各物質が消失するまでの期間はブラディリゾビウムジャポニカムCSB1を共存させることにより短縮された。これらのことから、ノカルディオイデス sp. ATD6、ベータプロテオバクテリアCDB21、及びブラディリゾビウムジャポニカムCSB1よりなる複合微生物系はメラミン、アンメリン、アンメリド、及びシアヌール酸を完全分解する能力を持つことが判明した。ベータプロテオバクテリアCDB21単独、又はベータプロテオバクテリアCDB21及びブラディリゾビウムジャポニカムCSB1のみからなる複合微生物系はメラミンを分解しなかった。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明は、樹脂、塗料、肥料、除草剤および殺菌剤といった広範囲な用途に製造・利用されているメラミンを主とするアミノトリアジン系化合物を分解する新規な細菌、当該細菌を含む複合微生物系、当該細菌又は当該複合微生物系を用いたメラミンを主とするアミノトリアジン系化合物を分解する方法、を提供するものであり、肥料、飼料、工業廃材、工場排水、環境水、土壌中に含まれるメラミンを主とするアミノトリアジン系化合物を分解して無害化し、資材や環境の浄化に寄与するものであり、混入物や残留物を除去して清浄な水や土壌を提供することを可能とするものであり、産業上の利用可能性を有する。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】図1は実施例1の新規メラミン分解菌の集積に利用した装置の概略図である。
【図2】図2は実施例1における新規メラミン分解菌の集積過程でのメラミン濃度の変動を示すグラフである。
【図3】図3は実施例3におけるメラミン分解菌、複合微生物系によるメラミンの分解過程でのメラミン及びその代謝物の経時変化を示すグラフである。
【符号の説明】
【0053】
1 土壌層タンク
2 還流液
3 ポンプ
【配列表フリーテキスト】
【0054】
[配列表の説明]
配列表の配列番号1は、本発明に係るノカルディオイデス sp. ATD6(Nocardioides sp. ATD6)の16S rRNA遺伝子の1474塩基である。
配列表の配列番号2は、本発明に係るベータプロテオバクテリアCDB21(beta proteobacterium CDB21)の16S rRNA遺伝子の1488塩基である。
配列表の配列番号3は、本発明に係るブラディリゾビウムジャポニカムCSB1(Bradyrhizobium japonicum CSB1)の16S rRNA遺伝子の1462塩基である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アミノ−s−トリアジン系化合物の分解能を有することを特徴とするノカルディオイデス属の細菌。
【請求項2】
アミノ−s−トリアジン系化合物が、メラミン、アンメリン、又はアンメリドである請求項1に記載の細菌。
【請求項3】
ノカルディオイデス属の細菌が、次の(A)又は(B):
(A)配列番号1に記載の塩基配列からなるDNA
(B)配列番号1に記載の塩基配列と95%以上の同一性を有するDNA、
を含む16S rRNA遺伝子を有する、請求項1又は2記載の細菌。
【請求項4】
ノカルディオイデス属の細菌が、ノカルディオイデス sp. ATD6(受託番号FERM P−21710)又はその変異株である請求項1〜3の何れか1項に記載の細菌。
【請求項5】
請求項1〜4の何れか1項記載の細菌を有効成分として含有する、アミノ−s−トリアジン系化合物の分解のための微生物製剤。
【請求項6】
アミノ−s−トリアジン系化合物が、メラミン、アンメリン、又はアンメリドである請求項5記載の微生物製剤
【請求項7】
請求項1〜4の何れか1項記載の細菌と、1種類以上の共存菌とを、有効成分として含有する、アミノ−s−トリアジン系化合物の分解のための複合微生物製剤。
【請求項8】
共存菌として、次の(C)又は(D):
(C)配列番号2に記載の塩基配列からなるDNA
(D)配列番号2に記載の塩基配列と95%以上の同一性を有するDNA、
を含む16S rRNA遺伝子を有するベータプロテオバクテリアに属する細菌を含む、請求項7に記載の複合微生物製剤。
【請求項9】
共存菌として、次の(C)又は(D):
(C)配列番号2に記載の塩基配列からなるDNA
(D)配列番号2に記載の塩基配列と95%以上の同一性を有するDNA、
を含む16S rRNA遺伝子を有するベータプロテオバクテリアに属する細菌、
及び、次の(E)又は(F):
(E)配列番号3に記載の塩基配列からなるDNA
(F)配列番号3に記載の塩基配列と95%以上の同一性を有するDNA、
を含む16S rRNA遺伝子を有するブラディリゾビウム属の細菌を含む、請求項7に記載の複合微生物製剤。
【請求項10】
ベータプロテオバクテリアに属する細菌が、ベータプロテオバクテリアCDB21(受託番号FERM P−19395;受託番号FERM BP−10403)又はその変異株である、請求項8又は9に記載の複合微生物製剤。
【請求項11】
ブラディリゾビウム属の細菌が、ブラディリゾビウムジャポニカムCSB1(受託番号FERM P−19394; 受託番号FERM BP−10402)又はその変異株である、請求項9又は10に記載の複合微生物製剤。
【請求項12】
アミノ−s−トリアジン系化合物がメラミン、アンメリン、又はアンメリドである請求項7〜11の何れか1項に記載の複合微生物製剤。
【請求項13】
請求項1〜4の何れか1項に記載した細菌を使用することを特徴とするアミノ−s−トリアジン系化合物の分解方法。
【請求項14】
請求項5〜6の何れか1項に記載した微生物製剤を使用することを特徴とするアミノ−s−トリアジン系化合物の分解方法。
【請求項15】
請求項7〜12の何れか1項に記載した複合微生物製剤を使用することを特徴とするアミノ−s−トリアジン系化合物の分解方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−130965(P2010−130965A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−311318(P2008−311318)
【出願日】平成20年12月5日(2008.12.5)
【出願人】(501245414)独立行政法人農業環境技術研究所 (60)
【出願人】(000163006)興和株式会社 (618)
【Fターム(参考)】