説明

アンダーカバーの取り付け構造

【課題】枠状フレームとアンダーカバーとの間の隙間に土砂が堆積しないようにして、電池パック部品全体の耐腐食性を高めるアンダーカバーの取り付け構造を提供する。
【解決手段】左右サイドメンバー間に配置され電池パックAを支持する枠状フレームをクロスメンバ3、5を用いて左右サイドメンバー2に一体結合し、枠状フレームに該枠状フレーム及び電池パックを下方より覆うアンダーカバーを取り付けたアンダーカバー取り付け構造において、アンダーカバーが枠状フレームの前部を覆う前アンダーカバー31と後部を覆う後アンダーカバー32とに分割して形成され、前後のアンダーカバーの各外周縁のフランジが対向する枠状フレームの前後左右の底壁面311,321に密着されると共に各底壁面の外周端より枠中央側にずれた位置に各フランジの外周端が位置するよう形成された。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車体下部に設けたアンダーカバーの取り付け構造、特に、左右のサイドメンバー間を結ぶ複数のクロスメンバにより支持された枠状フレームの下面を覆うアンダーカバーの取り付け構造に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の下面は道路上にある石や縁石等の異物接触から保護する必要があり、車体下面を成すフロアやフレーム部材にアンダーカバーが一体的に取り付け支持される。なお、車体下面に対し前部と後部に2分割された前後アンダーカバーを備え、取扱性や製造性を改善した車両用アンダーカバーの一例が特許文献1に、一体形成され低壁に水抜き孔を設けたアンダーカバーの一例が特許文献2に記載される。
【0003】
ところで、電気自動車では車両のフロアの直下に複数のバッテリユニットを収容する扁平箱状の電池パック(電池ユニット)が配設される。この電池パックは枠状フレームに載置された上で複数のクロスメンバを介して車体下部の左右サイドメンバーに一体結合されている。
このような電池パックはそれらの直下の道路上にある石や縁石等の異物接触から保護する必要があり、これらを隠す等の目的でアンダーカバーを設けており、その一例が特許文献3に記載される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−208578号公報
【特許文献2】特許第3853109号公報
【特許文献3】特開2009−83601号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、電池パックを支持する枠状フレームの下面にアンダーカバーを締結した場合、従来は、図9に示すように、枠状フレーム100の下面にアンダーカバー110のフランジ部111が重ねられるが、その際、枠状フレーム100の外周端側であるR状部(符号a参照)の直下にアンダーカバー110のフランジ部111の先端部(符号b参照)が達した状態で、締結される。
【0006】
しかし、電池パック120を支持する枠状フレーム100の外周端側とアンダーカバー110のフランジ部111との間に土砂等が堆積し(符号d参照)、これが経時的にアンダーカバー110の内部側にも侵入し易くなる。すると、これら土砂等が枠状フレーム100や電池パック120の腐食を引き起こす危険性があり、特に、土砂等が塩分を含んだ場合は腐食を引き起こす危険性がより高まる。
そこで、本来の機能を満足した上で、耐腐食性を損なうことのないアンダーカバーの取り付け構造が望まれている。
【0007】
本発明は以上のような課題を解決するため、枠状フレームとアンダーカバーとの間の隙間に土砂が堆積しないようにして、電池パック部品全体の耐腐食性を高め、腐食破損を抑制するアンダーカバーの取り付け構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願請求項1の発明は、車体の左右両側に配設された一対のサイドメンバー間に設けられた電池パックを下方から覆うアンダーカバーの取り付け構造において、前記電池パックの前記車体前後方向の前端を支持し、前記一対のサイドメンバー間に掛け渡された前端支持部材を有し、前記アンダーカバーの外周縁は、前記前端支持部材の底壁面の外周端とずれた位置で前記底壁面に接するように取り付けられることを特徴とする。
【0009】
本願請求項2の発明は、請求項1記載のアンダーカバーの取り付け構造において、前記電池パックの前記車体前後方向の前端と後端との間の底面を下から支える底面支持部材を備え、前記アンダーカバーは、前記車体前後方向で分割される前アンダーカバーと後アンダーカバーとを有し、前記底面支持部材の底壁面に前記後アンダーカバーが接するように取り付けられると共に前記底面支持部材の下方で前記後アンダーカバーとの隙間を確保して前記前アンダーカバーが取り付けられることを特徴とする。
【0010】
本願請求項3の発明は、請求項1又は2に記載のアンダーカバーの取り付け構造において、前記電池パックの前記車体前後方向の後端を支持し、前記一対のサイドメンバー間に掛け渡された後端支持部材を備え、前記後アンダーカバーは、前記電池パックを下方から覆うカバー本体部と前記後アンダーカバーの後縁との間に、前記カバー本体の後部と連続するように排出穴を設け、前記アンダーカバーの後縁は前記後端支持部材の底壁面に接するように取り付けられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1の発明は、前端支持部材とアンダーカバーとの間の隙間をゼロに設定し、しかも、前端支持部材の底壁面の外周端とずれた位置でアンダーカバーの外周縁が取り付けられるので、即ち、アンダーカバーの先端が前端支持部材のRエンドからはみ出さない形状としたので、底壁面の外周端のR状部とアンダーカバーの外周縁との間に土砂が堆積しないようにでき、電池パックの腐食を防止できる。
【0012】
請求項2の発明は、後アンダーカバーとその下方に隙間を保って前アンダーカバーが位置するので、前アンダーカバー内の土砂や埃等は空気流や雨水等により隙間を通り容易に外部に排出され、この際、底面支持部材の底壁面に後アンダーカバーが密着されることで後アンダーカバーの位置決めが行いやすく、後アンダーカバー内に前アンダーカバー内の土砂や埃等が流入することを防止できる。
【0013】
請求項3の発明は、電池パックを下方から覆うカバー本体部と後アンダーカバーとの間にカバー本体の後部と連続するように排出穴が設けられるため、後アンダーカバーに流入してしまった土砂や埃等を排出穴により外部に排出できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態としてのアンダーカバーの取り付け構造が適用された車両のフレーム及び電池パックの取付状態での要部平面図である。
【図2】図1に示すアンダーカバーの取り付け構造が適用された車両のフレーム、電池パック及びアンダーカバーの取付状態での要部側面図である。
【図3】図2に示す車両のフレーム、電池パック及びアンダーカバーの部分切欠断面図である。
【図4】図1に示すアンダーカバーの取り付け構造で用いる枠状フレームの拡大斜視図である。
【図5】図1に示すアンダーカバーの取り付け構造で用いるアンダーカバーの拡大斜視図である。
【図6】図3中の符号ASに示す部位の要部拡大断面図を(a)で示し、(b)は前部左右のフランジ部位の要部拡大断面図である。
【図7】図3中の符号BSに示す部位の要部拡大断面図を(a)で示し、(b)は後部左右のフランジ部位の要部拡大断面図である。
【図8】図3中の符号CSに示す部位の要部拡大断面図を示す。
【図9】従来の車両のフレームとアンダーカバーのフランジとの締結状態を示す部分切欠断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態であるアンダーカバーの取り付け構造について説明する。
図1は本発明のアンダーカバーの取り付け構造を備えた電気自動車(以後単に車両と記す)の後部のフレーム部を平面視で示し、図2は側面視で示した。
フレーム部1は左右一対のサイドメンバー2とこれら左右一対のサイドメンバー2間を互いに一体結合する前後に複数配備の溶着されるクロスメンバ3と、左右一対のサイドメンバー2間に配備され電池パックAを支持する矩形の枠状フレーム4と、この枠状フレーム4を左右一対のサイドメンバー2に一体的に締結する複数の枠側クロスメンバ5とを備える。更に、これらの下側全体を覆うよう配備される前後一対のアンダーカバー30(図5参照)を備える。
【0016】
左右サイドメンバー2は車体全体の主要剛性を確保するよう前後方向Xに延設され、不図示の車室直下部分は図1、2に示すように、前後に平行状態で延びる水平部201を備え、この水平部201の前部側である不図示のエンジンルーム側には車幅方向中央側に互いに傾斜した状態で延びる前縮幅部202が形成され、水平部201の後部側には傾斜部203が不図示のトランクルーム側に向けて延出形成されている。
左右サイドメンバー2の前部である前縮幅部202は、不図示のフロントサスペンションを介して前輪(不図示)を支持し、後部である傾斜部203側は不図示のリヤサスペンションを介して不図示の後輪を支持している。不図示のリヤサスペンションはトレーリングアーム式リヤサスペンションであり、そのアーム部(2点差線で示す)amの揺動基端が傾斜部203に溶着されたサスペンションアームサポートブラケット6の枢支部601に枢支されている。
【0017】
図4に示すように、矩形の枠状フレーム4は前後外枠部401(この内、車両前後方向前端の枠部を前端支持部材401fとし、後端の枠部を後端支持部材401rとする)と、前後外枠部401を互いに一体結合する左右外枠部402と、左右外枠部402の下面に重なり左右外枠部402の外壁に固定ブラケットbrを介して一体結合されると共に左右一対のサイドメンバー2に左右端が締結される枠側クロスメンバ5とを有する。また、前端の枠部や後端の枠部を直接サイドメンバー2に締結してもよい。更に、本実施例では、前端の枠部を前端支持部材401fとし、後端の枠部を後端支持部材401rとしたが、電池パックAの前端に配置されたクロスメンバを前端支持部材とし、電池パックの後端に配置されたクロスメンバを後端支持部材としてもよい。
【0018】
更に、図1に示すように、矩形の枠状フレーム4は複数の枠側クロスメンバ5を介して左右サイドメンバー2の前縮幅部202、水平部201及び傾斜部203側に重ねられ、ボルト締結される。
ここで、前側3箇所(図1で左側3箇所)の各枠側クロスメンバ5における各左右端は一対のサイドメンバー2の前縮幅部202及び水平部201に固定ブラケットbrと併せて直接ボルト締結されている。
一方、後側1箇所の枠状フレーム4における左右端は一対のサイドメンバー2の傾斜部203側に縦長ブラケット7を介してボルト締結されている。
【0019】
このように、左右一対のサイドメンバー2は矩形の枠状フレーム4及び複数の枠側クロスメンバ5を介して相互に溶着され、これによりフレーム部1は確実に剛性強化されている。
図1〜3に示すように、電池パックAはその外殻部として扁平箱状を成すバッテリケース8を備える。バッテリケース8はその内部空間(バッテリ収納部)を複数のバッテリモジュール収容域811〜815(図3の2点鎖線)に区分けしている。
【0020】
図2に示すように、扁平箱状のバッテリケース8は上下に分割形成された上下半部801,802を一体的に重ねて形成される。上下半部801,802はそれぞれ電気絶縁性を有する樹脂によって一体成形される。特に、閾壁821〜825(図3参照)が内部に突設され、これにより下半部802の補強がなされている。
上下半部801,802の材料である樹脂は、例えばポリプロピレンからなる基材を、数mm〜数cm程度の長さの短ガラス繊維によって強化したものである。
【0021】
これら上下半部801,802は互いの重合フランジ部831,832(図2、3参照)をシール材(不図示)を介して重ね、互いをボルトと埋め込みナット(不図示)の締結処理により水密に固着され、扁平箱状の筐体として形成されている。
なお、各バッテリモジュール収容域811〜815にはそれぞれバッテリモジュールBM(図1の2点鎖線参照)がずれなく支持される。このバッテリモジュールBMの一例はリチウムイオン電池からなる複数個のセルを直列に接続したもので、これらを接続する不図示の電気回路と、そこに設けられた不図示の開閉器とが内部に収容されている。
【0022】
この不図示の開閉器の直上位置にあたる上半部801の前側膨出壁には、開閉器操作用の上向き開口12(図2参照)と冷却風導入口171がそれぞれ形成されている。
【0023】
上向き開口12とフロア1側の作業穴である常閉口14とは縦向きで蛇腹状の弾性筒体18で連結される。冷却風導入口171はフロア1側の導通口172に達する弾性筒体19に連通している。これら弾性筒体18、19により電池パックAの外部に対する機密性が確保されている。
図2、図3、図5に示すように、矩形の枠状フレーム4の下面に締結されるアンダーカバー30は、取扱性や製造性を改善するため、電池パックの車両前後方向の前部を覆う前アンダーカバー31と後部を覆う後アンダーカバー32とに分割して形成される。
【0024】
図5に示すように、前アンダーカバー31は中央の低壁311と、その前及び左右に突き出し形成されたフランジ312と、後端側に突き出し形成された後方延出板部313(図8参照)とで形成される。
ここで、前及び左右に突き出し形成されたフランジ312は枠状フレーム4の前外枠部401及び左右外枠部402の前側域とに密に重ねられ、不図示の締結ボルトで枠状フレーム4側に締結される。
なお、図5で符号nはボルト穴を、符号hは低壁311と電池パックA下面の間の隙間確保用の膨出部を示す。
【0025】
ここで、図6(a)に示すように、前アンダーカバー31の前に突き出し形成されたフランジ312は、枠状フレーム4の前外枠部401fの底壁面に密着されると共に底壁面の外周端より枠中央側(矢印IN側)に所定量c1だけずれた位置にフランジ312の外周端が位置するよう形成された。即ち、前アンダーカバー31のフランジ312の先端が枠状フレーム4の前外枠部401f(前端支持部材)のRエンドreからはみ出さない形状とした。更に、図6(b)に示すように、枠状フレーム4の左右外枠部402(左右対称に形成される)の底壁面に密着されると共に底壁面の外周端より枠中央側(矢印IN側)に退却量c2だけずれた位置にフランジ312の外周端が位置するよう形成された。これによりフランジ312の先端が左右外枠部402のRエンドreからはみ出さない形状とした。
【0026】
次に、図5に示すように、後アンダーカバー32は中央の低壁321と、その後及び左右に突き出し形成されたフランジ322と、前端側に突き出し形成された前延出フランジ323と、で形成される。
ここで、図8に示すように、前に突き出し形成された前延出フランジ323は枠側クロスメンバ5(底面支持部材)に密着するよう不図示の締結ボルトで締結される。これにより枠側クロスメンバ5に密着する前延出フランジ323の下方に所定幅tの通気隙間Bを保って前アンダーカバー31側の後方延出板部313と対向配備される。
【0027】
更に、後アンダーカバー32の後及び左右に突き出し形成されたフランジ322は枠状フレーム4の後外枠部401r及び左右外枠部402の後側域に密に重ねられ、不図示の締結ボルトで枠状フレーム4側に締結される。
この際、図7(a)に示すように、後アンダーカバー32の中央の低壁321の後端と後部のフランジ322とは後方対向縦壁325を介して段差を保って連続形成される。後アンダーカバー32の後部に形成されたフランジ322は、枠状フレーム4の後外枠部401rの底壁面に密着されると共に底壁面の外周端より枠中央側(矢印IN側)に所定量c3だけずれた位置にフランジ322の外周端が位置するよう形成された。即ち、後アンダーカバー32のフランジ322の先端が枠状フレーム4の後外枠部401r(後端支持部材)のRエンドreからはみ出さない形状とした。
【0028】
更に、図7(b)に示すように、後アンダーカバー32の左右に突き出し形成されたフランジ322(左右対称に形成される)は、枠状フレーム4の左右外枠部402の底壁面に密着されると共に底壁面の外周端より枠中央側(矢印IN側)に所定量c2だけずれた位置にフランジ322の外周端が位置するよう形成された。即ち、後アンダーカバー32のフランジ322の先端が左右外枠部402のRエンドreからはみ出さない形状とした。
このように、前アンダーカバー31においては、図6(a)に示すように、枠状フレーム4の底壁面の外周端のRエンドreと前アンダーカバー31のフランジ312との間に土砂が堆積しないようにでき、電池パックAを支持する枠状フレーム4とアンダーカバー31との間の土砂による電池パックの腐食を確実に防止できる。
【0029】
更に、図5に示すように、前アンダーカバー31の左右に突き出し形成されたフランジ312には左右それぞれ凹部314が前後2箇所に形成される。この凹部314は前側2箇所の枠側クロスメンバ5との干渉を避けるとともに機密性を確保するように形成されている。更に、後アンダーカバー32の左右に突き出し形成されたフランジ322には左右それぞれ凹部324が1箇所に形成される。この凹部324は後側1箇所の枠側クロスメンバ5との干渉を避けるとともに機密性を確保するように形成されている。
更に、図5に示すように、通気隙間B(図3、8参照)と対向する位置にある前アンダーカバー31側の後方延出板部313の左右端部と、後アンダーカバー32側の前延出フランジ323の左右端部とは互いに重なる。その重合部の左右それぞれに枠側クロスメンバ5との干渉を避けるとともに機密性を確保するよう凹部305が形成される。
【0030】
次に、図5に示す前アンダーカバー31及び後アンダーカバー32の各中央の低壁311、321は、それぞれ前より後ろに向けて傾斜する傾斜壁として形成されている。
しかも、図5に示すように、それら各低壁311、321には複数の外部に向け開口する排出穴316,326が連続形成される。これら前後のアンダーカバーの排出穴316,326は、傾斜壁である各低壁311、321に達した土砂や埃等を傾斜壁に続く、後端側となる位置の排出穴316,326により容易に外部に排出できる。
次に、図5及び図7(a)に示すように、低壁321の後端側に連続して形成された後方対向縦壁325の下端には複数の排出穴327が形成される。
【0031】
この後アンダーカバーの排出穴327は、傾斜壁である低壁321の後端側となる位置に達した土砂や埃等を容易に確実に外部に排出できる。
このような図1等に示した一実施形態としてのアンダーカバーの取り付け構造によれば、車両の走行においては、前アンダーカバー31の前及び左右のフランジ312、314と枠状フレーム4の底壁面が密に接合し、後アンダーカバー32の前及び左右のフランジ323、322と枠状フレームの底壁面が密に接合するので、路面からの土砂の浸入は防止される。
【0032】
しかも、アンダーカバー31、32のフランジ312、322の先端が枠状フレーム4のRエンドreからはみ出さない形状としたので、底壁面の外周端のR状部reとアンダーカバー31、32のフランジとの間に土砂が堆積しないようにできる。
更に、前アンダーカバー31の内部に路面からの土砂の浸入があったとしても、図8に示すように,傾斜壁である前アンダーカバー31の低壁311を経て前アンダーカバー31側の後方延出板部313と前延出フランジ323の下方間の通気隙間Bに土砂等を容易に流動させて、外部に排出できる。
【0033】
更に、傾斜壁である前、後アンダーカバー31,32の中央の低壁311,321に設けた排出穴316,326や、後方対向縦壁325の下端の排出穴327によっても、低壁311,321に達した砂等を容易に流動させて、外部に排出できる。
【0034】
このように前、後アンダーカバー31,32の低壁311,321に土砂が堆積しないようにでき、しかも、電池パックAを支持する枠状フレーム4とアンダーカバー31、32のフランジ部との間に土砂等が堆積することにより電池パックA側の腐食を確実に防止できる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は係る実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0035】
2 左右サイドメンバー
3 クロスメンバ
5 枠側クロスメンバ(底面支持部材)
4 枠状フレーム
30 アンダーカバー
31 前アンダーカバー
32 後アンダーカバー
312,322 外周縁の左右のフランジ
311,321 前後左右の低壁面
325 後方対向縦壁
327 排出穴
A 電池パック

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体の左右両側に配設された一対のサイドメンバー間に設けられた電池パックを下方から覆うアンダーカバーの取り付け構造において、
前記電池パックの前記車体前後方向の前端を支持し、前記一対のサイドメンバー間に掛け渡された前端支持部材を有し、
前記後アンダーカバーの外周縁は、前記前端支持部材の底壁面の外周端とずれた位置で前記底壁面に接するように取り付けられる
ことを特徴とするアンダーカバーの取り付け構造。
【請求項2】
前記電池パックの前記車体前後方向の前端と後端との間の底面を下から支える底面支持部材を備え、
前記アンダーカバーは、前記車体前後方向で分割される前アンダーカバーと後アンダーカバーとを有し、
前記底面支持部材の底壁面に前記後アンダーカバーが接するように取り付けられると共に前記底面支持部材の下方で前記後アンダーカバーとの隙間を確保して前記前アンダーカバーが取り付けられる
ことを特徴とする請求項1に記載のアンダーカバーの取り付け構造。
【請求項3】
前記電池パックの前記車体前後方向の後端を支持し、前記一対のサイドメンバー間に掛け渡された後端支持部材を備え、
前記後アンダーカバーは、
前記電池パックを下方から覆うカバー本体部と前記後アンダーカバーの後縁との間に、前記カバー本体の後部と連続するように排出穴を設け、
前記アンダーカバーの後縁は前記後端支持部材の底壁面に接するように取り付けられる
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のアンダーカバーの取り付け構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−103575(P2013−103575A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−248066(P2011−248066)
【出願日】平成23年11月11日(2011.11.11)
【出願人】(000006286)三菱自動車工業株式会社 (2,892)
【Fターム(参考)】