アンテナ及びその通信デバイス
【課題】アンテナ及びその通信デバイスを提供する。
【解決手段】前記アンテナは、少なくとも1つのグランド及び少なくとも1つの放射部を含む。前記グランドは、誘電体基板上に配置され、前記放射部分は、少なくとも1つの信号源及び少なくとも1つの閉導体ループを含む。前記閉導体ループは、第1結合導体部及び第2結合導体部を有し、前記閉導体ループは、複数の屈曲部を有し、三次元構造を形成し、第1結合ギャップが前記第1結合導体部及び前記第2結合導体部の間に形成される。前記閉導体ループは、更に、フィーディング部及び短絡回路部を有し、前記フィーディング部及び前記短絡回路部の間に第2結合ギャップを形成する。前記フィーディング部は、前記少なくとも1つの信号源に電気接続又は結合され、前記短絡回路部は、前記グランドに電気接続又は結合される。
【解決手段】前記アンテナは、少なくとも1つのグランド及び少なくとも1つの放射部を含む。前記グランドは、誘電体基板上に配置され、前記放射部分は、少なくとも1つの信号源及び少なくとも1つの閉導体ループを含む。前記閉導体ループは、第1結合導体部及び第2結合導体部を有し、前記閉導体ループは、複数の屈曲部を有し、三次元構造を形成し、第1結合ギャップが前記第1結合導体部及び前記第2結合導体部の間に形成される。前記閉導体ループは、更に、フィーディング部及び短絡回路部を有し、前記フィーディング部及び前記短絡回路部の間に第2結合ギャップを形成する。前記フィーディング部は、前記少なくとも1つの信号源に電気接続又は結合され、前記短絡回路部は、前記グランドに電気接続又は結合される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンテナ及びその通信デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信の品質及び伝送速度に対する要求が高くなるに伴って、パターンダイバーシティアンテナシステム又はマルチ入力マルチ出力(MIMO)アンテナシステムのようなマルチアンテナシステムが急速に発展している。通信デバイスに広く適用されているシングルアンテナシステムに比較し、複数の送受信アンテナを有するよう設計されたMIMOアンテナシステムは、無線データ伝送速度を改善することができ、将来の通信デバイスにおける重要な発展傾向である。例えば、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)システム、ユニバーサルモバイルテレコミュニケーションシステム(UMTS)、ワイマックス(worldwide interoperability for microwave access = WIMAX)システム及びロングタームエボリューション(long term evolution = LTE)システムのような第4世代モバイル通信システムは、何れもMIMO通信技術の支援及び実装を可能にするよう開発されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
良好なエネルギー又はポートアイソレーションを有するマルチアンテナアーキテクチャを設計することは、容易に達成することができない技術的挑戦である。同一周波数帯域で動作されるマルチアンテナ部材により放射される電磁エネルギーは、強烈な相互間の結合効果を有し易くなるので、マルチアンテナ間の良好なエネルギー又はポートアイソレーションを達成することが困難である。従来は、例えば、隣接アンテナ部材を互いに直角となるよう設計するか、付近のアンテナ部材間のグランド(ground)エリア上に突出部又は開放スロット構造を設計するか、隣接アンテナ部材間の距離を増加させ、それらの間のエネルギー又はポートアイソレーションを改善させており、それによりマルチアンテナシステムの全体寸法を更に増加させている。従って、通信デバイスの制限された利用可能なアンテナ空間内でマルチアンテナアーキテクチャを如何に達成するかは、近年の重要な技術研究開発の課題である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、アンテナ及びその通信デバイスに関し、本発明の幾つかの好適実施形態は、関連技術に提示される技術的課題を解決することができる。
【0005】
好適実施形態に基づき、本発明は、少なくとも1つのグランド及び少なくとも1つの放射部を含むアンテナを提供する。前記グランドは、誘電体基板上に配置され、前記放射部分は、少なくとも1つの信号源及び閉導体ループを含む。前記閉導体ループは、第1結合導体部及び第2結合導体部を有する。前記閉導体ループは、複数の屈曲部を有し、三次元構造を形成し、第1結合ギャップが前記第1結合導体部及び前記第2結合導体部の間に形成される。前記閉導体ループは、更に、フィーディング部及び短絡回路部を有し、前記フィーディング部及び前記短絡回路部の間に第2結合ギャップを形成する。前記フィーディング部は、前記少なくとも1つの信号源に電気接続又は結合され、前記短絡回路部は、前記グランドに電気接続又は結合され、前記放射部は、前記アンテナに動作帯域(operating band)を生成させ、少なくとも1つの通信帯域の電磁信号を送信又は受信するよう構成される。
【0006】
もう1つの好適実施形態に基づき、本発明は、少なくとも1つのトランシーバモジュール及び少なくとも1つのアンテナを含む通信デバイスを提供する。前記トランシーバモジュールは、少なくとも1つの信号源となるよう構成される。前記アンテナは、前記トランシーバモジュールに電気接続又は結合され、少なくとも1つのグランド及び少なくとも1つの放射部を含む。前記グランドは、誘電体基板上に配置され、前記放射部は、閉導体ループを含み、前記グランドが印刷法又はエッチング法により前記誘電体基板上に形成される。前記閉導体ループが第1結合導体部及び第2結合導体部を有する。前記閉導体ループは、複数の屈曲部を有し、三次元構造を形成し、第1結合ギャップが前記第1結合導体部及び第2結合導体部の間に形成される。前記閉導体ループは、更に、フィーディング部及び短絡回路部を有し、前記フィーディング部及び前記短絡回路部の間に第2結合ギャップを形成する。前記フィーディング部は、前記少なくとも1つの信号源に電気接続又は結合され、前記短絡回路部は、前記グランドに電気接続又は結合される。前記放射部は、前記アンテナに動作帯域を生成させ、前記トランシーバモジュールは、前記アンテナを介し、少なくとも1つの通信帯域の電磁信号を送信又は受信するよう構成される。
【発明の効果】
【0007】
本発明の実施形態に基づき、前記提案のアンテナ構造において、前記閉導体ループは、概ね同等配列アンテナ構造又はアーキテクチャを形成することができ、前記アンテナの動作帯域のインピーダンス帯域幅を効果的に広げることができる。前記放射部は、前記アンテナに少なくとも1つの通信帯域の電磁信号を送信又は受信させるよう構成された動作帯域を生成させる。前記動作帯域は、シングル共振モード、デュアル共振モード、マルチ共振モードにより励起又は形成されることができる。前記第2結合ギャップは、前記フィーディング部及び前記短絡回路部に相互結合構造を形成させる。このように、より均一な励起電流分布が前記放射部の前記フィーディング部に生成されることができる。従って、前記動作帯域内の周波数に伴う前記アンテナの入力インピーダンスの変動度がより低くなり、前記動作帯域のインピーダンス整合を改善又は強化することができる。前記第1結合ギャップは、前記閉導体ループの路径上の電流ベクトルと、前記放射部の前記フィーディング部又は信号フィーディング端(signal feeding terminal)の電流ベクトルとの直交性を向上することができる。このように、前記放射部以外の近郊場の結合エネルギー強度が効果的に低減されることができる。従って、他の異なるタイプのアンテナ放射部が前記放射部の他に構成されることができる。更に、前記アンテナの前記動作帯域内で、前記放射部は、他の隣接アンテナ放射部と相対的により小さな相互結合効果を有することができる。このように、良好なエネルギー又はポートアイソレーション度を容易に達成し、マルチアンテナシステムの全体寸法を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1A】本発明の実施形態に基づくアンテナ1の構造概略図である。
【図1B】図1Aのアンテナ1のリターンロス測定図である。
【図2】本発明の実施形態に基づくアンテナ2の構造概略図である。
【図3A】本発明の実施形態に基づくアンテナ3の構造概略図である。
【図3B】本発明の実施形態に基づくアンテナ3のリターンロス測定図である。
【図4】本発明の実施形態に基づくアンテナ4の構造概略図である。
【図5】本発明の実施形態に基づくアンテナ5の構造概略図である。
【図6A】本発明の実施形態に基づくアンテナ6の構造概略図である。
【図6B】図6Aのアンテナ6の放射部12、放射部64及び放射部65のリターンロス測定図である。
【図6C】図6Aのアンテナ6の放射部12、放射部64及び放射部65のアイソレーション曲線測定図である。
【図7】本発明の実施形態に基づくアンテナ7の構造概略図である。
【図8】本発明の実施形態に基づくアンテナ8の構造概略図である。
【図9】本発明の実施形態に基づくアンテナ9の構造概略図である。
【図10】本発明の実施形態に基づくアンテナ10の構造概略図である。
【図11】本発明の実施形態に基づくアンテナ110の構造概略図である。
【図12】本発明の実施形態に基づくアンテナ120の構造概略図である。
【図13】本発明の実施形態に基づく通信デバイス130の機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の上記及び他の特徴と利点をより分かり易くするため、図面と併せた幾つかの実施形態を以下に説明する。
【0010】
本願の幾つかの実施形態を以下に図面と共に説明するが、本願の全ての実施形態を示すものではない。実際に、本願の多様な実施形態は、多くの異なる形式で実施されることができ、ここで記載する実施形態に限定して解釈されるべきものではない。むしろ、これら実施形態は、本発明が該当する法的要求を満たすよう提供される。全体を通じて、同一参照符号は、同一の要素を指す。
【0011】
本発明は、アンテナ構造を提供する。本発明の好適実施形態は、多様な通信デバイス、例えば、モバイル通信デバイス、無線通信デバイス、モバイルコンピューティングデバイス、コンピュータシステムに適用されることができ、或いは、テレコミュニケーション機器、通信機器、ネットワーク機器、又はコンピュータネットワークの周辺機器に適用されることができる。
【0012】
本発明の好適実施形態は、少なくとも1つのグランド及び少なくとも1つの放射部を含むアンテナを提供する。グランドは、誘電体基板上に配置され、放射部は、少なくとも1つの信号源および閉導体ループを含む。閉導体ループが第1結合導体部及び第2導体結合部を有する。前記閉導体ループは、複数の屈曲部を有し、三次元構造を形成し、第1結合ギャップが前記第1結合導体部及び前記第2結合導体部の間に形成される。前記閉導体ループは、更に、フィーディング部及び短絡回路部を有し、前記フィーディング部及び前記短絡回路部の間に第2結合ギャップを形成する。前記フィーディング部は、前記少なくとも1つの信号源に電気接続又は結合され、前記短絡回路部は、前記グランドに電気接続又は結合される。ここでは、前記閉導体ループは、概ね同等配列アンテナ構造又はアーキテクチャを形成し、前記アンテナの動作帯域のインピーダンスバンド幅を効率的に広げることができる。前記放射部は、前記アンテナに動作帯域を生成させ、少なくとも1つの通信帯域の電磁信号を送信又は受信するよう構成される。放射部は、前記アンテナに動作帯域を生成させ、少なくとも1つの通信帯域の電磁信号を送信又は受信するよう構成される。前記動作帯域は、シングル共振モード、デュアル共振モード、マルチ共振モードにより励起又は形成されることができる。前記閉導体ループは、長い導体路径を有し、その全路径の長さは、前記動作帯域の中心周波数の1.4波長〜4.2波長の間である。前記フィーディング部及び前記短絡部の間の前記導体路径の長さは、前記動作帯域の前記中心周波数の0.7波長〜2.1波長の間である。前記第1結合ギャップは、前記動作帯域の前記中心周波数の0.25波長以下である。前記第2結合ギャップは、前記フィーディング部及び前記短絡回路部に相互結合構造を形成させる。このように、より均一な励起電流分布が前記放射部の前記フィーディング部に生成されることができる。従って、前記動作帯域内の周波数に伴う前記アンテナの入力インピーダンスの変動度がより低くなり、前記動作帯域のインピーダンス整合を改善又は強化することができる。前記第2結合ギャップは、前記動作帯域の前記中心周波数の0.1波長以上ではない。前記第1結合ギャップは、前記閉導体ループの路径上の電流ベクトルと、前記フィーディング部又は前記放射部の信号フィーディング端の電流ベクトルとの直交性を向上することができる。このように、前記放射部以外の近郊場の結合エネルギー強度が効果的に低減されることができる。従って、他の異なるタイプのアンテナ放射部が前記放射部の他に構成されることができる。更に、前記アンテナの前記動作帯域内で、前記放射部は、他の隣接アンテナ放射部と相対的により小さな相互結合効果を有することができる。このように、良好なエネルギー又はポートアイソレーション度を容易に達成し、マルチアンテナシステムの全体寸法を低減することができる。
【0013】
前記するアンテナ放射部の他のタイプは、平板逆Fアンテナ(PIFA)タイプ、逆Fアンテナ(IFA)タイプ、モノポールアンテナタイプ、ダイポールアンテナタイプ、スロットアンテナタイプ、ループアンテナタイプ、へリカルアンテナタイプ、4線巻き(quadrifilar)ヘリカルアンテナ(QHA)タイプ、N線巻き(N-filar)ヘリカルアンテナ(NHA)タイプ、他のアンテナタイプのアンテナ放射部であるか、異なるアンテナタイプのアンテナ放射部の組み合わせであることができる。
【0014】
図1Aは、本発明の好適実施形態に基づくアンテナ1の構造概略図である。アンテナ1は、グランド11及び放射部12を含む。グランド11は、誘電体基板111上に配置され、放射部12は、少なくとも1つの信号源121及び閉導体ループ13を含む。閉導体ループ13は、第1結合導体部131及び第2結合導体部132を含む。閉導体ループ13は、複数の屈曲部を有し、三次元構造を形成し、第1結合導体部131及び第2結合導体部132は、異なる方向へ延伸し、第1結合導体部131及び第2結合導体部132の間に第1結合ギャップd1を形成する。閉導体ループ13は、更に、フィーディング部133及び短絡回路部134を有し、フィーディング部133及び短絡回路部134の間に第2結合ギャップd2を形成する。フィーディング部133は、少なくとも1つの信号源121に電気接続され、短絡回路134は、グランド11に電気接続される。ここでは、閉導体ループ13は、概ね同等配列アンテナ構造を形成し、アンテナ1の動作帯域のインピーダンス帯域幅を効率的に広げることができる。放射部12は、アンテナ1に動作帯域1211を生成させる(図1B参照)。
【0015】
図1Bは、図1Aのアンテナ1のリターンロス測定図であり、下記寸法は、実験の為に選択されたものである。グランド11の長さは、約80mmであり、その幅は、約50mmである。誘電体基板111の厚さは、約0.8mmである。閉導体ループ13の全路径135の長さは、約290mmであり、その幅は、約1mmである。第1結合導体部131及び第2結合導体部132の長さは、約10mmである。第1結合ギャップd1は、約10mmである。第2結合ギャップd2は、約1mmである。フィーディング部133及び短絡回路部134の長さは、約13mmである。放射部12は、アンテナ1に動作帯域1211を生成させ、動作帯域1211の中心周波数は、約2680MHzである。動作帯域1211は、シングル共振モードにより励起される。アンテナの放射部により生成される動作帯域は、シングル共振モード、デュアル共振モード又はマルチ共振モードにより励起されることができる。閉導体ループ13の全路径135の長さは、動作帯域1211の中心周波数の約2.6波長であり、フィーディング部133及び短絡回路部134の間の導体路径の長さは、動作帯域1211の中心周波数の約1.3波長である。第1結合ギャップd1は、動作帯域1211の中心周波数の0.25波長以下である。第2結合ギャップd2は、動作帯域1211の中心周波数の0.1波長以下である。閉導体ループ13の全路径135の長さは、動作帯域1211の中心周波数の1.4波長〜4.2波長の間である。フィーディング部133及び短絡回路部134の間の導体路径の長さは、動作帯域1211の中心周波数の0.7波長〜2.1波長の間である。第2結合ギャップd2は、フィーディング部133及び短絡回路部134に相互結合構造を形成させる。このように、より均一な励起電流分布が信号フィーディング端又は放射部12のフィーディング部133及び短絡回路部134に生成されることができる。従って、動作帯域1211内の周波数に伴うアンテナの入力インピーダンスの変動度がより低くなり、アンテナ1の動作帯域1211のインピーダンス整合を強化することができる。
【0016】
第1結合ギャップd1は、閉導体ループ13の路径上の電流ベクトルと、信号フィーディング端又は放射部12のフィーディング部133及び短絡回路部134の電流ベクトルとの直交性を向上することができる。このように、放射部12以外の結合エネルギー強度が効率的に低減されることができる。従って、更に異なるタイプのアンテナ放射部が放射部12以外に構成されることができる。更に、アンテナ1の動作帯域1211内において、放射部12は、他の隣接アンテナ放射部に相対的により低い相互結合効果を与えることができる。このように、良好なエネルギー又はポートアイソレーションが達成され、マルチアンテナシステムの全体の寸法を低減することができる。前記他の異なるタイプのアンテナ放射部は、PIFAタイプ、IFAタイプ、モノポールアンテナタイプ、ダイポールアンテナタイプ、スロットアンテナタイプ、ヘリカルアンテナタイプ、QHAタイプ、NHAタイプ、他のアンテナタイプの放射部又は異なるアンテナタイプのアンテナ放射部の組み合わせであることができる。幾つかの実施形態においては、1つ以上のグランドであることができる。他の幾つかの実施形態においては、1つ以上の放射部であることができる。
【0017】
更に、本実施形態において、閉導体ループ13は、異なる導体材質、例えば、金、銀、銅、鉄等の一般的に使用される導体材質で形成されることができるが、本発明は、これに限定するものではない。他の実施形態において、閉導体ループ13は、如何なる閉導体ループであってもよく、その導体材質は、金属、合金又は非金属、例えば、カーボンナノチューブ、又は他の適切な導体材質又は異なる導体材質の組み合わせであることができるが、本発明は、これに限定するものではない。また、単一の材質又は異なる材質の組み合わせが、閉導体ループを製造することに使用されることができる。
【0018】
図2は、本発明の好適実施形態に基づくアンテナ2の構造概略図である。アンテナ2は、グランド11及び放射部22を含む。グランド11は、誘電体基板111の表面上に配置され、放射部22は、少なくとも1つの信号源221及び閉導体ループ23を含む。閉導体ループ23は、第1結合導体部231及び第2結合導体部232を含む。閉導体ループ23は、複数の屈曲部を有し、三次元構造を形成し、第1結合導体部231及び第2結合導体部232は、異なる方向へ延伸し、第1結合導体部231及び第2結合導体部232の間に第1結合ギャップd1を形成する。閉導体ループ23は、更に、フィーディング部233及び短絡回路部234を有し、フィーディング部233及び短絡回路部234の間に第2結合ギャップd2を形成する。フィーディング部233は、整合回路222を介して、少なくとも1つの信号源221に電気接続又は結合され、短絡回路234は、グランド11に電気接続又は結合される。ここでは、閉導体ループ23は、概ね同等配列アンテナ構造を形成し、アンテナ2の動作帯域のインピーダンス帯域幅を効率的に広げることができる。放射部22は、アンテナ2に動作帯域を生成させ、動作帯域は、シングル共振モード、デュアル共振モード又はマルチ共振モードにより励起又は形成されることができる。整合回路222は、容量結合フィーディング、誘導結合フィーディング、ロー路径回路、ハイ路径回路、バンド路径回路、バンドリジェクト回路、L型回路又はπ型回路の構造又はアーキテクチャであることができる。第1結合ギャップd1は、動作帯域の中心周波数の0.25波長以下である。第2結合ギャップd2は、動作帯域の中心周波数の0.1波長以下である。閉導体ループ23は、長い導体路径を有し、その全路径235の長さは、動作帯域の中心周波数の1.4波長〜4.2波長の間である。フィーディング部233及び短絡回路部234の間の導体路径の長さは、動作帯域の中心周波数の0.7波長〜2.1波長の間である。
【0019】
アンテナ2及びアンテナ1の間の主な差異は、異なる屈曲方法が閉導体ループ23上に適用され、整合回路222がフィーディング部233及び信号源221の間に設計され、アンテナ2の動作帯域のインピーダンス帯域幅を更に調節することにある。更に、第2結合ギャップd2は、フィーディング部233及び短絡回路部234に相互結合構造を形成させることもできる。このように、より均一な励起電流分布が放射部22の信号フィーディング端に生成されることができる。従って、動作帯域内の周波数に伴うアンテナ2の入力インピーダンスの変動度を減少させ、アンテナ2の動作帯域のインピーダンス整合を強化することができる。第1結合ギャップd1は、閉導体ループ23の路径上の電流ベクトルと、放射部22の信号フィーディング端の電流ベクトルとの直交性を向上することができる。このように、放射部22以外の結合エネルギー強度が効率的に低減されることができる。従って、更に異なるタイプのアンテナ放射部が放射部22以外に構成されることができる。更に、アンテナ2の動作帯域内において、放射部22は、他の隣接アンテナ放射部に相対的により低い相互結合効果を与えることができる。このように、良好なエネルギー又はポートアイソレーションを達成し、マルチアンテナシステムの全体の寸法を低減することができる。前記他の異なるタイプのアンテナ放射部は、PIFAタイプ、IFAタイプ、モノポールアンテナタイプ、ダイポールアンテナタイプ、スロットアンテナタイプ、ループアンテナタイプ、ヘリカルアンテナタイプ、QHAタイプ、NHAタイプ、他のアンテナタイプの放射部又は異なるアンテナタイプのアンテナ放射部の組み合わせであることができる。幾つかの実施形態においては、1つ以上のグランドであることができる。他の幾つかの実施形態においては、1つ以上の放射部であることができる。
【0020】
図3Aは、本発明の好適実施形態に基づくアンテナ3の構造概略図である。アンテナ3は、グランド11及び放射部32を含む。グランド11は、誘電体基板111の表面上に配置され、放射部32は、少なくとも1つの信号源321及び閉導体ループ33を含む。閉導体ループ33は、第1結合導体部331及び第2結合導体部332を含む。閉導体ループ33は、複数の屈曲部を有し、三次元構造を形成し、第1結合導体部331及び第2結合導体部332は、異なる方向へ延伸し、第1結合導体部331及び第2結合導体部332の間に第1結合ギャップd1を形成する。閉導体ループ33は、更に、フィーディング部333及び短絡回路部334を有し、フィーディング部333及び短絡回路部334の間に第2結合ギャップd2を形成する。フィーディング部333は、少なくとも1つの信号源321に電気接続され、短絡回路334は、グランド11に電気接続される。ここでは、閉導体ループ33は、概ね同等配列アンテナ構造を形成し、アンテナ3の動作帯域のインピーダンス帯域幅を効率的に広げることができる。放射部32は、アンテナ3に動作帯域3211を生成させる(図3B参照)。更に、他の実施形態において、閉導体ループ33における複数の路径が異なる導体幅を有することができる。
【0021】
図3Bは、図3Aのアンテナ3のリターンロス測定図であり、下記寸法は、実験の為に選択されたものである。グランド11の長さは、約90mmであり、その幅は、約55mmである。誘電体基板111の厚さは、約0.8mmである。閉導体ループ33の全路径335の長さは、約320mmである。第1結合導体部331及び第2結合導体部332の長さは、約10mmであり、その幅は、約1mmである。第1結合ギャップd1は、約13mmである。フィーディング部333及び短絡回路部334の長さは、約12mmであり、その幅は、約1.5mmである。第2結合ギャップd2は、約0.8mmである。放射部32は、アンテナ3に対し動作帯域3211を生成し、動作帯域3211の中心周波数は、約2625MHzである。動作帯域3211は、デュアル共振モードにより励起される。アンテナの放射部により生成される動作帯域は、シングル共振モード、デュアル共振モード又はマルチ共振モードにより励起又は生成されることができる。閉導体ループ33の全路径335の長さは、動作帯域3211の中心周波数の約2.8波長である。第1結合ギャップd1は、動作帯域3211の中心周波数の0.25波長以下である。第2結合ギャップd2は、動作帯域3211の中心周波数の0.1波長以下である。閉導体ループ33の全路径335の長さは、動作帯域3211の中心周波数の1.4波長〜4.2波長の間である。フィーディング部333及び短絡回路部334の間の導体路径の長さは、動作帯域3211の中心周波数の0.7波長〜2.1波長の間である。アンテナ3及びアンテナ1の主な差異は、異なる屈曲方法が閉導体ループ33上に適用され、閉導体ループ33のループ導体路径が異なる幅を有するよう設計され、更に、動作帯域3211のインピーダンス整合を調節することにある。更に、第2結合ギャップd2は、フィーディング部333及び短絡回路部334に相互結合構造を形成させることもできる。このように、より均一な励起電流分布が放射部32の信号フィーディング端に生成又は形成されることができる。従って、動作帯域3211内の周波数に伴うアンテナ3の入力インピーダンスの変動度を低減し、アンテナ3の動作帯域3211のインピーダンス整合を強化することができる。第1結合ギャップd1は、閉導体ループ33の路径上の電流ベクトルと、フィーディング部333及び短絡回路部334又は放射部32の信号フィーディング端の電流ベクトルとの直交性を向上することもできる。このように、放射部32以外の結合エネルギー強度が効率的に低減されることができる。従って、更に異なるタイプのアンテナ放射部が放射部32以外に構成されることができる。更に、アンテナ3の動作帯域3211内において、放射部32は、他の隣接アンテナ放射部に相対的により低い相互結合効果を与えることができる。このように、良好なエネルギー又はポートアイソレーションを達成し、マルチアンテナシステムの全体の寸法を低減することができる。前記他の異なるタイプのアンテナ放射部は、PIFAタイプ、IFAタイプ、モノポールアンテナタイプ、ダイポールアンテナタイプ、スロットアンテナタイプ、ループアンテナタイプ、ヘリカルアンテナタイプ、QHAタイプ、NHAタイプ、他のアンテナタイプの放射部又は異なるアンテナタイプのアンテナ放射部の組み合わせであることができる。幾つかの実施形態においては、1つ以上のグランドであることができる。他の幾つかの実施形態においては、1つ以上の放射部であることができる。
【0022】
本実施形態において、アンテナ3の動作帯域3211は、ロングタームエボリューション(LTE)2500通信帯域の電磁信号を送信又は受信することに用いることができる。しかしながら、図3Bは、ここで、ただアンテナ3により生成される動作帯域が少なくとも1つの通信帯域における電磁信号を送信又は受信することに用いられる例を説明することに用いられ、本発明を制限することに用いるものではない。アンテナ3により生成される動作帯域は、モバイル通信に対するモバイル通信用グローバルシステム(global system for mobile communications = GSM)、ユニバーサル移動通信システム(universal mobile telecommunications system = UMTS)、ワイマックス(worldwide interoperability for microwave access = WiMAX)システム、デジタルテレビ(digital television = DTV)放送システム、全地球測位システム(global positioning system = GPS)、ワイヤレスワイドエリアネットワーク(WWLAN)システム、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)システム、ウルトラワイドバンド(UWB)システム、ワイヤレスパーソナルエリアネットワーク(WPAN)、衛星通信システム、他の適切なシステムタイプ又は他の無線又はモバイル通信帯域アプリケーションに適用される電磁信号を送信又は受信することに用いられることもできる。
【0023】
図4は、本発明の好適実施形態に基づくアンテナ4の構造概略図である。アンテナ4は、グランド11及び放射部42を含む。グランド11は、誘電体基板111の表面上に配置され、放射部42は、閉導体ループ43及び信号源421,422を含む。閉導体ループ43は、第1結合導体部431及び第2結合導体部432を含む。閉導体ループ43は、複数の屈曲部を有し、三次元構造を形成し、第1結合導体部431及び第2結合導体部432は、異なる方向へ延伸し、第1結合導体部431及び第2結合導体部432の間に第1結合ギャップd1を形成する。閉導体ループ43は、更に、フィーディング部433及び短絡回路部434を有し、フィーディング部433及び短絡回路部434の間に第2結合ギャップd2を形成する。フィーディング部433は、信号源421及び信号源422に電気接続又は結合され、短絡回路434は、グランド11に電気接続又は結合される。ここでは、閉導体ループ43は、概ね同等配列アンテナ構造を形成し、アンテナ4の動作帯域のインピーダンス帯域幅を効率的に広げることができる。放射部42は、アンテナ4に動作帯域を生成させ、動作帯域は、シングル共振モード、デュアル共振モード又はマルチ共振モードにより励起又は形成される。第1結合ギャップd1は、動作帯域の中心周波数の0.25波長以下である。第2結合ギャップd2は、動作帯域の中心周波数の0.1波長以下である。閉導体ループ43の全路径435の長さは、動作帯域の中心周波数の1.4波長〜4.2波長の間である。フィーディング部433及び短絡回路部434の間の導体路径の長さは、動作帯域の中心周波数の0.7波長〜2.1波長の間である。
【0024】
アンテナ4及びアンテナ1の主な差異は、異なる屈曲方法が閉導体ループ43上に適用され、集中チップインダクタ436が閉導体ループ43の導体路径上に配置され、アンテナ4の小型化を達成することにある。更に、フィーディング部433が2つの信号源421,422に同時に接続又は結合され、マルチ入力マルチ出力又はパターン空間ダイバーシティマルチアンテナシステムの動作を達成する。更に、第2結合ギャップd2は、フィーディング部433及び短絡回路部434に相互結合構造を形成させることもできる。このように、より均一な励起電流分布が放射部42上の信号源421,422の信号フィーディング端に生成されることができる。従って、動作帯域内の周波数に伴うアンテナ4の入力インピーダンスの変動度を減少させ、アンテナ4により生成される動作帯域のインピーダンス整合を強化することができる。第1結合ギャップd1は、閉導体ループ43の路径上の電流ベクトルと、放射部42の信号フィーディング端の電流ベクトルとの直交性を向上することができる。このように、放射部42以外の結合エネルギー強度が効率的に低減されることができる。従って、更に異なるタイプのアンテナ放射部が放射部42以外に構成されることができる。更に、アンテナ4の動作帯域内において、放射部42は、他の隣接アンテナ放射部に相対的により低い相互結合効果を与えることができる。このように、良好なエネルギー又はポートアイソレーションを達成し、マルチアンテナシステムの全体の寸法を低減することができる。前記他の異なるタイプのアンテナ放射部は、PIFAタイプ、IFAタイプ、モノポールアンテナタイプ、ダイポールアンテナタイプ、スロットアンテナタイプ、ループアンテナタイプ、ヘリカルアンテナタイプ、QHAタイプ、NHAタイプ、他のアンテナタイプの放射部又は異なるアンテナタイプのアンテナ放射部の組み合わせであることができる。幾つかの実施形態においては、1つ以上のグランドであることができる。他の幾つかの実施形態においては、1つ以上の放射部であることができる。集中チップインダクタ436は、放射部42により生成又は形成される動作帯域のインピーダンス整合を調節する集中チップコンデンサにより置き換えられることもできる。この他、集中チップインダクタ436は、分配タイプ又は集中タイプのインダクタ又はコンデンサにより置き換えられることもできる。
【0025】
図5は、本発明の好適実施形態に基づくアンテナ5の構造概略図である。アンテナ5は、グランド11及び放射部12を含む。グランド11は、誘電体基板111の表面上に配置され、放射部12は、閉導体ループ13及び少なくとも1つの信号源121を含む。閉導体ループ13は、第1結合導体部131及び第2結合導体部132を含む。閉導体ループ13は、複数の屈曲部を有し、三次元構造を形成し、第1結合導体部131及び第2結合導体部132は、異なる方向へ延伸し、第1結合導体部131及び第2結合導体部132の間に第1結合ギャップd1を形成する。閉導体ループ13は、更に、フィーディング部133及び短絡回路部134を有し、フィーディング部133及び短絡回路部134の間に第2結合ギャップd2を形成する。フィーディング部133は、少なくとも1つの信号源121に電気接続又は結合され、短絡回路134は、グランド11に電気接続又は結合される。ここでは、閉導体ループ13は、概ね同等の2つのアンテナ配列構造又はアーキテクチャを形成し、アンテナ5の動作帯域のインピーダンス帯域幅を効率的に広げることができる。放射部12は、アンテナ5に動作帯域を生成させ、動作帯域は、シングル共振モード、デュアル共振モード又はマルチ共振モードにより励起されることができる。第1結合ギャップd1は、動作帯域の中心周波数の0.25波長以下である。第2結合ギャップd2は、動作帯域の中心周波数の0.1波長以下である。閉導体ループ13の全路径135の長さは、動作帯域の中心周波数の1.4波長〜4.2波長の間である。フィーディング部133及び短絡回路部134の間の導体路径の長さは、動作帯域の中心周波数の0.7波長〜2.1波長の間である。
【0026】
アンテナ5及びアンテナ1の主な差異は、放射部14及び放射部15がそれぞれアンテナ5の放射部12の二側に設計され、MIMO又はパターン空間ダイバーシティマルチアンテナシステムを達成することにある。放射部14は、信号源141に電気接続又は結合され、放射部15は、信号源151に電気接続又は結合される。放射部12の第2結合ギャップd2は、フィーディング部133及び短絡回路部134に相互結合構造を形成させることができる。このように、より均一な励起電流分布が放射部12上の信号源121の信号フィーディング端に生成されることができる。従って、動作帯域内の周波数に伴う放射部12の入力インピーダンスの変動度を減少させ、アンテナ5の動作帯域のインピーダンス整合を強化することができる。第1結合ギャップd1は、閉導体ループ13の路径上の電流ベクトルと、フィーディング部133及び短絡回路部134又は放射部12の信号フィーディング端の電流ベクトルとの直交性を向上することができる。このように、放射部12以外の結合エネルギー強度が効率的に低減されることができる。従って、更に異なるタイプのアンテナ放射部が放射部12以外に構成されることができる。更に、アンテナ5の動作帯域内において、放射部12は、他の隣接アンテナ放射部に相対的により低い相互結合効果を与えることができる。このように、良好なエネルギー又はポートアイソレーションを達成し、マルチアンテナシステムの全体の寸法を低減することができる。前記他の異なるタイプのアンテナ放射部は、PIFAタイプ、IFAタイプ、モノポールアンテナタイプ、ダイポールアンテナタイプ、スロットアンテナタイプ、ループアンテナタイプ、ヘリカルアンテナタイプ、QHAタイプ、NHAタイプ、他のアンテナタイプの放射部又は異なるアンテナタイプのアンテナ放射部の組み合わせであることができる。幾つかの実施形態においては、1つ以上のグランドであることができる。他の幾つかの実施形態においては、1つ以上の放射部であることができる。
【0027】
図6Aは、本発明の好適実施形態に基づくアンテナ6の構造概略図である。アンテナ6は、グランド11及び放射部12を含む。グランド11は、誘電体基板111の表面上に配置され、放射部12は、閉導体ループ13及び少なくとも1つの信号源121を含む。閉導体ループ13は、第1結合導体部131及び第2結合導体部132を含む。閉導体ループ13は、複数の屈曲部を有し、三次元構造を形成し、第1結合導体部131及び第2結合導体部132は、異なる方向へ延伸し、第1結合導体部131及び第2結合導体部132の間に第1結合ギャップd1を形成する。閉導体ループ13は、更に、フィーディング部133及び短絡回路部134を有し、フィーディング部133及び短絡回路部134の間に第2結合ギャップd2を形成する。フィーディング部133は、少なくとも1つの信号源121に電気接続され、短絡回路134は、グランド11に電気接続される。ここでは、閉導体ループ13は、概ね同等配列アンテナ構造を形成し、動作帯域のインピーダンス帯域幅を効率的に広げることができる。放射部12は、アンテナ6に動作帯域1211を生成させ(図6B参照)、動作帯域1211は、デュアル共振モードにより励起されることができる。他の実施形態において、アンテナ5の動作帯域がシングル共振モード又はマルチ共振モードにより励起されることができる。第1結合ギャップd1は、動作帯域1211の中心周波数の0.25波長以下である。第2結合ギャップd2は、動作帯域1211の中心周波数の0.1波長以下である。閉導体ループ13の全路径135の長さは、動作帯域1211の中心周波数の1.4波長〜4.2波長の間である。フィーディング部133及び短絡回路部134の間の導体路径の長さは、動作帯域1211の中心周波数の0.7波長〜2.1波長の間である。
【0028】
アンテナ6及びアンテナ1の主な差異は、放射部64及び放射部65がそれぞれアンテナ6の放射部12の二側に設計され、MIMO又はパターン空間ダイバーシティマルチアンテナシステムを達成することにある。放射部64及び放射部65は、それぞれPIFA及びスロットアンテナのアンテナ放射部であり、それぞれ信号源641及び信号源651に電気接続又は結合される。放射部12の第2結合ギャップd2は、フィーディング部133及び短絡回路部134に相互結合構造を形成させることができる。このように、より均一な励起電流分布が放射部12上の信号源121の信号フィーディング端に生成されることができる。従って、動作帯域1211(図6B参照)内の周波数に伴う放射部12の入力インピーダンスの変動度を減少させ、動作帯域1211のインピーダンス整合を強化することができる。第1結合ギャップd1は、閉導体ループ13の路径上の電流ベクトルと、放射部12の信号フィーディング端の電流ベクトルとの直交性を向上することができる。このように、放射部12以外の結合エネルギー強度が効率的に低減されることができる。更に、動作帯域内において、放射部12は、隣接するアンテナ放射部64及びアンテナ放射部65に相対的により低い相互結合効果を与えることができるが、本発明は、これに限定するものではない。アンテナ放射部64及び65は、異なるタイプのアンテナのアンテナ放射部であることができ、例えば、PIFAタイプ、IFAタイプ、モノポールアンテナタイプ、ダイポールアンテナタイプ、スロットアンテナタイプ、ループアンテナタイプ、ヘリカルアンテナタイプ、QHAタイプ、NHAタイプ、他の適切なアンテナタイプの放射部又は異なるアンテナタイプのアンテナ放射部の組み合わせであることができる。幾つかの実施形態においては、1つ以上のグランドであることができる。他の幾つかの実施形態においては、1つ以上の放射部であることができる。
【0029】
図6Bは、図6Aの放射部12、放射部64及び放射部65のリターンロス測定図である。放射部12の実験寸法は、図1Aと同一である。放射部12は、アンテナ6に動作帯域1211を生成させ、放射部64は、アンテナ6に動作帯域6411を生成させ、放射部65は、アンテナ6に動作帯域6511を生成させる。図6Cは、図6Aの放射部12、放射部64及び放射部65のアイソレーション曲線測定図である。曲線1264は、放射部12及び放射部64の間のアイソレーション曲線であり、曲線1265は、放射部12及び放射部65の間のアイソレーション曲線であり、曲線6465は、放射部64及び放射部65の間のアイソレーション曲線である。図6Cに基づき、第1結合ギャップd1が放射部12以外の結合エネルギー強度を効率的に低減し、放射部12は、放射部12の側方に隣接して配置される放射部64及び放射部65と良好なアイソレーション性能を有することができる。例えば、放射部12により励起される動作帯域1211内において、放射部12と、放射部12の側方に隣接して配置される放射部64,65との間のアイソレーションは、15dBより良好である。
【0030】
本実施形態において、アンテナ6の放射部12動作帯域1211により生成される動作帯域1211は、LTE2500通信帯域の電磁信号を送信又は受信することに用いることができる。アンテナ6の放射部64及び放射部65によりそれぞれ生成される動作帯域6411及び動作帯域6511は、WLAN2400及びLTE2500通信帯域の電磁信号を送信又は受信することに用いることができる。図6Bは、ここで、ただアンテナ6の放射部12により生成される動作帯域が少なくとも1つの通信帯域における電磁信号を送信又は受信することに用いられる例を説明することに用いられ、本発明を制限することに用いるものではない。アンテナ6の放射部12により生成される動作帯域は、モバイル通信に対するGSMシステム、UMTS、WiMAXシステム、DTV放送システム、GPS、WWLANシステム、WLANシステム、UWBシステム、WPAN、衛星通信システム、他の適切なシステムタイプ又は他の無線又はモバイル通信帯域アプリケーションに適用される電磁信号を送信又は受信することに用いられることもできる。
【0031】
図7は、本発明の好適実施形態に基づくアンテナ7の構造概略図である。アンテナ7は、グランド11及び放射部12を含む。グランド11は、誘電体基板111の表面上に配置され、放射部12は、閉導体ループ13及び少なくとも1つの信号源121を含む。閉導体ループ13は、第1結合導体部131及び第2結合導体部132を含む。閉導体ループ13は、複数の屈曲部を有し、三次元構造を形成し、第1結合導体部131及び第2結合導体部132は、異なる方向へ延伸し、第1結合導体部131及び第2結合導体部132の間に第1結合ギャップd1を形成する。閉導体ループ13は、更に、フィーディング部133及び短絡回路部134を有し、フィーディング部133及び短絡回路部134の間に第2結合ギャップd2を形成する。フィーディング部133は、少なくとも1つの信号源121に電気接続され、短絡回路134は、グランド11に電気接続される。ここでは、閉導体ループ13は、配列アンテナ構造に略同等であり、動作帯域のインピーダンス帯域幅を効率的に増大することができる。放射部12は、アンテナ7に動作帯域を生成させ、動作帯域は、シングル共振モード、デュアル共振モード、又はマルチ共振モードにより励起されることができる。第1結合ギャップd1は、動作帯域の中心周波数の0.25波長以下である。第2結合ギャップd2は、動作帯域の中心周波数の0.1波長以下である。閉導体ループ13は、長い導体路径を有し、閉導体ループ13の全路径135の長さは、動作帯域の中心周波数の1.4波長〜4.2波長の間である。フィーディング部133及び短絡回路部134の間の導体路径の長さは、動作帯域の中心周波数の0.7波長〜2.1波長の間である。
【0032】
アンテナ7及びアンテナ1の主な差異は、放射部74及び放射部75がそれぞれアンテナ7の放射部12の二側に設計され、MIMO又はパターン空間ダイバーシティマルチアンテナシステムを達成することにある。放射部74及び放射部75は、何れもスロットアンテナのアンテナ放射部であり、それぞれ信号源741及び信号源751に電気接続される。放射部12の第2結合ギャップd2は、フィーディング部133及び短絡回路部134に相互結合構造を形成させることができる。このように、より均一な励起電流分布が放射部12上の信号源121の信号フィーディング端に生成されることができる。従って、動作帯域内の周波数に伴うアンテナ入力インピーダンスの変動度を減少させ、動作帯域のインピーダンス整合を強化することができる。第1結合ギャップd1は、閉導体ループ13の路径上の電流ベクトルと、放射部12の信号フィーディング端の電流ベクトルとの直交性を向上することができる。このように、放射部12以外の結合エネルギー強度が効率的に低減されることができる。従って、動作帯域内において、放射部12は、隣接するアンテナ放射部74及びアンテナ放射部75に相対的により低い相互結合効果を与えることができるが、本発明は、これに限定するものではない。アンテナ放射部74及び75は、異なるアンテナタイプのアンテナ放射部であることができ、例えば、PIFAタイプ、IFAタイプ、モノポールアンテナタイプ、ダイポールアンテナタイプ、スロットアンテナタイプ、ループアンテナタイプ、ヘリカルアンテナタイプ、QHAタイプ、NHAタイプ、他のアンテナタイプの放射部又は異なるアンテナタイプのアンテナ放射部の組み合わせであることができる。幾つかの実施形態においては、1つ以上のグランドであることができる。他の幾つかの実施形態においては、1つ以上の放射部であることができる。
【0033】
図8は、本発明の好適実施形態に基づくアンテナ8の構造概略図である。アンテナ8は、グランド11及び放射部22を含む。グランド11は、誘電体基板111の表面上に配置され、放射部22は、閉導体ループ23及び少なくとも1つの信号源221を含む。閉導体ループ23は、第1結合導体部231及び第2結合導体部232を含む。閉導体ループ23は、複数の屈曲部を有し、三次元構造を形成し、第1結合導体部231及び第2結合導体部232は、異なる方向へ延伸し、第1結合導体部231及び第2結合導体部232の間に第1結合ギャップd1を形成する。閉導体ループ23は、更に、フィーディング部233及び短絡回路部234を有し、フィーディング部233及び短絡回路部234の間に第2結合ギャップd2を形成する。フィーディング部233は、少なくとも1つの信号源221に電気接続され、短絡回路234は、グランド11に電気接続される。ここでは、閉導体ループ23は、配列アンテナ構造又はアーキテクチャに略同等であり、動作帯域のインピーダンス帯域幅を効率的に増大することができる。放射部22は、アンテナ8に動作帯域を生成させ、動作帯域は、シングル共振モード、デュアル共振モード、又はマルチ共振モードにより励起されることができる。第1結合ギャップd1は、動作帯域の中心周波数の0.25波長以下である。第2結合ギャップd2は、動作帯域の中心周波数の0.1波長以下である。閉導体ループ23の全路径235の長さは、動作帯域の中心周波数の1.4波長〜4.2波長の間である。フィーディング部233及び短絡回路部234の間の導体路径の長さは、動作帯域の中心周波数の0.7波長〜2.1波長の間である。
【0034】
アンテナ8及びアンテナ1の主な差異は、異なる屈曲方法が閉導体ループ23上に適用され、放射部84及び放射部85がそれぞれ放射部22の二側に設計され、MIMO又はパターン空間ダイバーシティマルチアンテナシステムを達成することにある。放射部84は、PIFAのアンテナ放射部であり、信号源841に電気接続又は結合される。放射部85は、ループアンテナのアンテナ放射部であり、信号源851に電気接続又は結合される。放射部22の第2結合ギャップd2は、フィーディング部233及び短絡回路部234に相互結合構造を形成させることができる。このように、より均一な励起電流分布が放射部22上の信号源221の信号フィーディング端に生成されることができる。従って、動作帯域内の周波数に伴うアンテナ入力インピーダンスの変動度を減少させ、動作帯域のインピーダンス整合を強化することができる。第1結合ギャップd1は、閉導体ループ23の路径上の電流ベクトルと、放射部22の信号フィーディング端の電流ベクトルとの直交性を向上することができる。このように、放射部22以外の結合エネルギー強度が効率的に低減されることができる。従って、動作帯域内において、放射部22は、隣接するアンテナ放射部84及びアンテナ放射部85に相対的により低い相互結合効果を与えることができるが、本発明は、これに限定するものではない。アンテナ放射部84及び85は、異なるアンテナタイプのアンテナ放射部であることができ、例えば、PIFAタイプ、IFAタイプ、モノポールアンテナタイプ、ダイポールアンテナタイプ、スロットアンテナタイプ、ループアンテナタイプ、ヘリカルアンテナタイプ、QHAタイプ、NHAタイプ、他のアンテナタイプの放射部又は異なるアンテナタイプのアンテナ放射部の組み合わせであることができる。幾つかの実施形態においては、1つ以上のグランドであることができる。他の幾つかの実施形態においては、1つ以上の放射部であることができる。
【0035】
図9は、本発明の好適実施形態に基づくアンテナ9の構造概略図である。アンテナ9は、グランド11及び放射部42を含む。グランド11は、誘電体基板111の表面上に配置され、放射部42は、閉導体ループ43及び少なくとも1つの信号源421を含む。閉導体ループ43は、第1結合導体部431及び第2結合導体部432を含む。閉導体ループ43は、複数の屈曲部を有し、三次元構造を形成し、第1結合導体部431及び第2結合導体部432は、異なる方向へ延伸し、第1結合導体部431及び第2結合導体部432の間に第1結合ギャップd1を形成する。閉導体ループ43は、更に、フィーディング部433及び短絡回路部434を有し、フィーディング部433及び短絡回路部434の間に第2結合ギャップd2を形成する。フィーディング部433は、少なくとも1つの信号源421に電気接続され、短絡回路434は、グランド11に電気接続される。ここでは、閉導体ループ43は、概ね同等配列アンテナ構造を形成することができ、動作帯域のインピーダンス帯域幅を効率的に広げることができる。放射部42は、アンテナ9に動作帯域を生成させ、動作帯域は、シングル共振モード、デュアル共振モード、又はマルチ共振モードにより励起されることができる。
【0036】
第1結合ギャップd1は、動作帯域の中心周波数の0.25波長以下である。第2結合ギャップd2は、動作帯域の中心周波数の0.1波長以下である。閉導体ループ43の全路径435の長さは、動作帯域の中心周波数の1.4波長〜4.2波長の間である。フィーディング部433及び短絡回路部434の間の導体路径の長さは、動作帯域の中心周波数の0.7波長〜2.1波長の間である。第2結合ギャップd2は、フィーディング部433及び短絡回路部434に相互結合構造を形成させる。このように、より均一な励起電流分布が放射部42の信号フィーディング端に生成されることができる。従って、動作帯域内の周波数に伴うアンテナ入力インピーダンスの変動度を低減し、動作帯域のインピーダンス整合を強化することができる。
【0037】
アンテナ9及びアンテナ1の主な差異は、異なる屈曲方法が閉導体ループ43上に適用され、放射部94が放射部42の一側に設計され、MIMO又はパターン空間ダイバーシティマルチアンテナシステムを達成することにある。放射部94は、モノポールアンテナのアンテナ放射部であり、信号源941に電気接続される。第1結合ギャップd1は、閉導体ループ43の路径上の電流ベクトルと、放射部42の信号フィーディング端の電流ベクトルとの直交性を向上することができる。このように、放射部42以外の結合エネルギー強度が効率的に低減されることができる。従って、動作帯域内において、放射部42は、隣接するアンテナ放射部94に相対的により低い相互結合効果を与えることができる。その結果、放射部42及び放射部94の間のより良好なアイソレーションを達成することができる。しかしながら、本発明は、これに限定するものではなく、アンテナ放射部94は、異なるタイプのアンテナのアンテナ放射部であることができ、例えば、PIFAタイプ、IFAタイプ、モノポールアンテナタイプ、ダイポールアンテナタイプ、スロットアンテナタイプ、ループアンテナタイプ、ヘリカルアンテナタイプ、QHAタイプ、NHAタイプ、他のアンテナタイプの放射部又は異なるアンテナタイプのアンテナ放射部の組み合わせであることができる。幾つかの実施形態においては、1つ以上のグランドであることができる。他の幾つかの実施形態においては、1つ以上の放射部であることができる。
【0038】
図10は、本発明の好適実施形態に基づくアンテナ10の構造概略図である。図10は、図1に類似し、図10は、アンテナ1の他の実装を提示する。アンテナ10は、グランド11及び放射部102を含む。グランド11は、誘電体基板111の表面上に配置され、放射部102は、少なくとも1つの信号源121及び閉導体ループ103を含む。閉導体ループ103は、第1結合導体部1031及び第2結合導体部1032を含む。閉導体ループ103は、複数の屈曲部を有し、三次元構造を形成し、第1結合導体部1031及び第2結合導体部1032は、異なる方向へ延伸し、第1結合導体部1031及び第2結合導体部1032の間に第1結合ギャップd1を形成する。また、閉導体ループ103は、更に、フィーディング部1033及び短絡回路部1034を有し、フィーディング部1033及び短絡回路部1034の間に第2結合ギャップd2を形成する。フィーディング部1033は、少なくとも1つの信号源121に電気接続され、短絡回路1034は、グランド11に電気接続される。ここでは、閉導体ループ103は、概ね同等配列アンテナ構造を形成することができ、動作帯域のインピーダンス帯域幅を効率的に広げることができる。放射部102は、アンテナ10に動作帯域を生成させる(図1Bの動作帯域1211に類似する)。更に、閉導体ループ103の完全路径上のコンポーネント間の導体部1035及び導体部1036は、互いに隣接し、導体部1035及び導体部1036の間の接続導体部1037は、円弧状路径を有する。
【0039】
図1Bの技術内容の説明は、グランド11の長さ、グランドの幅、誘電体基板111の厚さ、閉導体ループ103の全路径の長さ、閉導体ループ103の幅、第1結合導体部1031の長さ、第2結合導体部1032の長さ、第1結合ギャップd1の長さ、第2結合ギャップd2の長さ、フィーディング部1033の長さ及び短絡回路部1034の長さに対し参照されることができ、ここでは、詳細を再度記載しない。
【0040】
図10を参照し、放射部102は、アンテナ10に動作帯域を生成させる。動作帯域は、シングル共振モード、デュアル共振モード又はマルチ共振モードにより励起されることができる。第1結合ギャップd1は、動作帯域の中心周波数の0.25波長以下である。第2結合ギャップd2は、動作帯域の中心周波数の0.1波長以下である。閉導体ループ103の全路径の長さは、動作帯域の中心周波数の1.4波長〜4.2波長の間である。フィーディング部1033及び短絡回路部1034の間の導体路径の長さは、動作帯域の中心周波数の0.7波長〜2.1波長の間である。
【0041】
第2結合ギャップd2は、フィーディング部1033及び短絡回路部1034に相互結合構造を形成させる。このように、より均一な励起電流分布が放射部102上の信号源121の信号フィーディング端に形成されることができる。従って、動作帯域内の周波数に伴うアンテナ入力インピーダンスの変動度を低減し、動作帯域のインピーダンス整合を強化することができる。第1結合ギャップd1は、閉導体ループ103の路径上の電流ベクトルと、放射部102の信号フィーディング端の電流ベクトルとの直交性を向上することができる。このように、放射部102以外の結合エネルギー強度が効率的に低減されることができる。従って、他の異なるタイプのアンテナ放射部が放射部102以外に構成されることができる。更に、アンテナ10の動作帯域内において、放射部102は、他の隣接するアンテナ放射部に相対的により低い相互結合効果を与えることができる。このように、放射部102及び他の隣接するアンテナ放射部の間のより良好なエネルギー及びポートアイソレーションを達成することができ、マルチアンテナシステムの全体寸法を低減することができる。前記他のタイプのアンテナ放射部は、PIFAタイプ、IFAタイプ、モノポールアンテナタイプ、ダイポールアンテナタイプ、スロットアンテナタイプ、ループアンテナタイプ、ヘリカルアンテナタイプ、QHAタイプ、NHAタイプ、他のアンテナタイプのアンテナ放射部であるか、異なるアンテナタイプのアンテナ放射部の組み合わせであることができる。幾つかの実施形態においては、1つ以上のグランドであることができる。他の幾つかの実施形態においては、1つ以上の放射部であることができる。
【0042】
図11は、本発明の好適実施形態に基づくアンテナ110の構造概略図である。図11は、図1及び図2に類似し、アンテナ1及びアンテナ2の他の実装を提示する。アンテナ110は、グランド11及び放射部112を含む。グランド11は、誘電体基板111の表面上に配置され、放射部112は、少なくとも1つの信号源121及び閉導体ループ113を含む。閉導体ループ113は、第1結合導体部1131及び第2結合導体部1132を含む。閉導体ループ113は、複数の屈曲部を有し、三次元構造を形成し、第1結合導体部1131及び第2結合導体部1132は、異なる方向へ延伸し、第1結合導体部1131及び第2結合導体部1132の間に第1結合ギャップd1を形成する。また、閉導体ループ113は、更に、フィーディング部1133及び短絡回路部1134を有し、フィーディング部1133及び短絡回路部1134の間に第2結合ギャップd2を形成する。フィーディング部1133は、少なくとも1つの信号源121に電気接続され、短絡回路1134は、グランド11に電気接続される。ここでは、閉導体ループ113は、概ね同等配列アンテナ構造を形成することができ、動作帯域のインピーダンス帯域幅を効率的に広げることができる。放射部112は、アンテナ110に動作帯域を生成させる(図1Bの動作帯域1211に類似する)。動作帯域は、シングル共振モード、デュアル共振モード、又はマルチ共振モードにより励起されることができる。更に、閉導体ループ113の完全路径上のコンポーネント間の導体部1135及び導体部1136は、互いに隣接し、導体部1035及び導体部1036の間の接続角度は、直角でないことができる。他の実装において、導体部1135及び導体部1136の間の接続角度が鋭角及び鈍角を含むことができる。
【0043】
図1Bの技術内容の説明は、グランド11の長さ、グランドの幅、誘電体基板111の厚さ、閉導体ループ113の全路径の長さ、閉導体ループ113の幅、第1結合導体部1131の長さ、第2結合導体部1132の長さ、第1結合ギャップd1の長さ、第2結合ギャップd2の長さ、フィーディング部1133の長さ及び短絡回路部1134の長さに対し参照されることができ、ここでは、詳細を再度記載しない。
【0044】
図11を参照し、放射部112は、アンテナ110に動作帯域を生成させる。動作帯域は、シングル共振モード、デュアル共振モード又はマルチ共振モードにより励起されることができる。第1結合ギャップd1は、動作帯域の中心周波数の0.25波長以下である。第2結合ギャップd2は、動作帯域の中心周波数の0.1波長以下である。閉導体ループ113の全路径の長さは、動作帯域の中心周波数の1.4波長〜4.2波長の間である。フィーディング部1133及び短絡回路部1134の間の導体路径の長さは、動作帯域の中心周波数の0.7波長〜2.1波長の間である。第2結合ギャップd2は、フィーディング部1133及び短絡回路部1134に相互結合構造を形成させる。このように、より均一な励起電流分布が放射部112上の信号源121の信号フィーディング端に生成されることができる。従って、動作帯域内の周波数に伴うアンテナ入力インピーダンスの変動度を低減し、動作帯域のインピーダンス整合を強化することができる。
【0045】
第1結合ギャップd1は、閉導体ループの路径上の電流ベクトルと、放射部の信号フィーディング端の電流ベクトルとの直交性を向上することができる。このように、放射部112以外の付近の結合エネルギー強度が効率的に低減されることができる。従って、他の異なるタイプのアンテナ放射部が放射部112の側方に構成されることができる。更に、アンテナ110の動作帯域内において、放射部112は、他の隣接するアンテナ放射部に相対的により低い相互結合効果を与えることができる。このように、放射部112及び他の隣接するアンテナ放射部の間のより良好なエネルギーアイソレーションを達成することができ、マルチアンテナシステムの全体寸法を低減することができる。前記他のタイプのアンテナ放射部は、PIFAタイプ、IFAタイプ、モノポールアンテナタイプ、ダイポールアンテナタイプ、スロットアンテナタイプ、ループアンテナタイプ、ヘリカルアンテナタイプ、QHAタイプ、NHAタイプ、他のアンテナタイプのアンテナ放射部であるか、異なるアンテナタイプのアンテナ放射部の組み合わせであることができる。幾つかの実施形態においては、1つ以上のグランドであることができる。他の幾つかの実施形態においては、1つ以上の放射部であることができる。
【0046】
図12は、本発明の好適実施形態に基づくアンテナ120の構造概略図である。図12は、図1に類似し、アンテナ1の他の実装を提示する。アンテナ120は、グランド11及び放射部122を含む。グランド11は、誘電体基板111の表面上に配置され、放射部122は、少なくとも1つの信号源121及び閉導体ループ123を含む。閉導体ループ123は、微細な導体膜、導体細線、中実又は中空の細い導体管により実装されることができるが、これに限定するものではない。閉導体ループ123は、第1結合導体部1231及び第2結合導体部1232を含む。閉導体ループ123は、複数の屈曲部を有し、三次元構造を形成し、第1結合導体部1231及び第2結合導体部1232は、異なる方向へ延伸し、第1結合導体部1231及び第2結合導体部1232の間に第1結合ギャップd1を形成する。
【0047】
また、閉導体ループ123は、更に、フィーディング部1233及び短絡回路部1234を有し、フィーディング部1233及び短絡回路部1234の間に第2結合ギャップd2を形成する。フィーディング部1233は、少なくとも1つの信号源121に電気接続され、短絡回路1234は、グランド11に電気接続される。ここでは、閉導体ループ123は、概ね同等配列アンテナ構造を形成することができ、動作帯域のインピーダンス帯域幅を効率的に広げることができる。放射部122は、アンテナ120に動作帯域を生成させる(図1Bの動作帯域1211に類似する)。動作帯域は、シングル共振モード、デュアル共振モード、又はマルチ共振モードにより励起されることができる。更に、閉導体ループ123の完全路径上のコンポーネント間の導体部1235及び導体部1236は、互いに隣接し、導体部1236が隣接する導体部1237と交差する。更に、導体部1035及び導体部1036の間の接続角度は、直角、鋭角又は鈍角であることができる。
【0048】
図12を参照し、放射部122は、アンテナ110に動作帯域を生成させる。動作帯域は、シングル共振モード、デュアル共振モード又はマルチ共振モードにより励起されることができる。第1結合ギャップd1は、動作帯域の中心周波数の0.25波長以下である。第2結合ギャップd2は、動作帯域の中心周波数の0.1波長以下である。閉導体ループ123の全路径の長さは、動作帯域の中心周波数の1.4波長〜4.2波長の間である。フィーディング部1233及び短絡回路部1234の間の導体路径の長さは、動作帯域の中心周波数の0.7波長〜2.1波長の間である。第2結合ギャップd2は、フィーディング部1233及び短絡回路部1234に相互結合構造を形成させる。このように、より均一な励起電流分布が放射部122上の信号源121の信号フィーディング端に生成されることができる。従って、動作帯域内の周波数に伴うアンテナ入力インピーダンスの変動度を低減し、動作帯域のインピーダンス整合を強化することができる。
【0049】
第1結合ギャップd1は、閉導体ループの路径上の電流ベクトルと、放射部の信号フィーディング端の電流ベクトルとの直交性を向上することができる。このように、放射部122以外の結合エネルギー強度が効率的に低減されることができる。従って、他の異なるタイプのアンテナ放射部が放射部122以外に構成されることができる。更に、アンテナ120の動作帯域内において、放射部122は、他の隣接するアンテナ放射部に相対的により低い相互結合効果を与えることができる。このように、放射部122及び他の隣接するアンテナ放射部の間のより良好なエネルギーアイソレーションを達成することができ、マルチアンテナシステムの全体寸法を低減することができる。前記他のタイプのアンテナ放射部は、PIFAタイプ、IFAタイプ、モノポールアンテナタイプ、ダイポールアンテナタイプ、スロットアンテナタイプ、ループアンテナタイプ、ヘリカルアンテナタイプ、QHAタイプ、NHAタイプ、他のアンテナタイプのアンテナ放射部であるか、異なるアンテナタイプのアンテナ放射部の組み合わせであることができる。幾つかの実施形態においては、1つ以上のグランドであることができる。他の幾つかの実施形態においては、1つ以上の放射部であることができる。
【0050】
図13は、本発明の好適実施形態に関する通信デバイス130の機能ブロック図である。通信デバイス130は、少なくともアンテナ1301及びトランシーバモジュール1302を含む。トランシーバモジュール1302は、少なくとも1つの信号源を含み、図1Aの信号源121に類似する。アンテナ1301は、図1Aに示すアンテナ1に類似する。アンテナ1301は、トランシーバモジュール1302に電気接続又は結合され、少なくとも1つのグランド及び少なくとも1つの放射部を含む。
【0051】
図1Aは、アンテナ1301の詳細技術内容に対し参照されることができる。グランドは、誘電体基板上に配置され、放射部は、閉導体ループを含む。閉導体ループは、複数の屈曲部を有し、三次元構造を形成し、第1結合ギャップが第1結合導体及び第2結合導体の間に形成される。閉導体ループは、更にフィーディング部及び短絡回路部を有し、フィーディング部及び短絡回路部の間に第2結合ギャップを形成する。フィーディング部は、少なくとも1つの信号源に電気接続され、短絡回路部は、グランドに電気接続される。また、放射部は、アンテナに動作帯域を生成させ、トランシーバモジュール1302は、アンテナ1301を介し、少なくとも1つの通信帯域の電磁信号を送信又は受信するよう構成される。動作帯域は、シングル共振モード、デュアル共振モード又はマルチ共振モードにより励起されることができる。
【0052】
本発明の他の実装において、通信デバイス130は、他のデバイス(図13に示さず)、例えば、周波数変換ユニット、増幅器、アナログデジタルコンバータ、デジタルアナログコンバータ、変調器、復調器及びデジタル信号プロセッサを含むことができる。トランシーバモジュール1302は、少なくとも1つの通信帯域の送信又は受信される電磁信号上に、例えば、信号ゲイン、フィルタリング、周波数変換又は復調等の信号処理を行うことができる。しかしながら、本実施形態の技術的要点は、アンテナ1301及びアンテナ1301及びトランシーバモジュール1302の間の接続関係にあるので、通信デバイス130の他のコンポーネントの詳細な説明は、ここでは省略する。
【0053】
更に、本発明の全てのアンテナ実施形態において、閉導体ループ13,23,33,43,103,113,123は、異なる導体材質、例えば、金、銀、銅、鉄等の一般的に使用される導体材質で形成されることができるが、本発明は、これに限定するものではない。他の実施形態において、閉導体ループ13,23,33,43,10,113,123は、如何なる閉導体ループであってもよく、その導体材質は、金属、合金又は非金属、例えば、カーボンナノチューブ、又は他の適切な導体材質又は異なる導体材質の組み合わせであることができるが、本発明は、これに限定するものではない。また、単一の材質又は異なる材質の組み合わせが、閉導体ループを製造することに使用されることができる。
【0054】
以上のごとく、この発明を実施形態により開示したが、もとより、この発明を限定するためのものではなく、当業者であれば容易に理解できるように、この発明の技術思想の範囲内において、適当な変更ならびに修正が当然なされうるものであるから、その特許権保護の範囲は、特許請求の範囲および、それと均等な領域を基準として定めなければならない。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明の実施形態に基づくアンテナ及びその通信デバイスは、マルチアンテナシステムに適用されることができる。提示されるアンテナ構造において、前記閉導体ループは、概ね同等配列アンテナ構造又はアーキテクチャを形成することができ、前記アンテナの動作帯域のインピーダンス帯域幅を効果的に広げることができる。前記放射部は、前記アンテナに少なくとも1つの通信帯域の電磁信号を送信又は受信させるよう構成された動作帯域を生成させる。前記動作帯域は、シングル共振モード、デュアル共振モード、マルチ共振モードにより励起又は形成されることができる。前記第2結合ギャップは、前記フィーディング部及び前記短絡回路部に相互結合構造を形成させる。このように、より均一な励起電流分布が前記放射部の前記フィーディング部に生成されることができる。従って、前記動作帯域内の周波数に伴う前記アンテナの入力インピーダンスの変動度がより低くなり、前記動作帯域のインピーダンス整合を改善又は強化することができる。前記第1結合ギャップは、前記閉導体ループの路径上の電流ベクトルと、前記放射部の前記フィーディング部又は信号フィーディング端の電流ベクトルとの直交性を向上することができる。このように、前記放射部以外の近郊場の結合エネルギー強度が効果的に低減されることができる。従って、他の異なるタイプのアンテナ放射部が前記放射部の他に構成されることができる。更に、前記アンテナの前記動作帯域内で、前記放射部は、他の隣接アンテナ放射部と相対的により小さな相互結合効果を有することができる。このように、良好なエネルギー又はポートアイソレーション度を容易に達成し、マルチアンテナシステムの全体寸法を低減することができる。このように、提示されるアンテナ構造は、通信デバイスの制限された利用可能なアンテナ空間内でマルチアンテナアーキテクチャを達成することができる。
【符号の説明】
【0056】
1,2,3,4,7,8,9,10,110,120 アンテナ
11 グランド
111 基板
12,22,32,42,102,112,122 放射部
13,23,33,43,103,113,123 閉導体ループ
131,231,331,431,1031,1131,1231 第1結合導体部
132,232,332,432,1032,1132,1232 第2結合導体部
133,233,333,433,1033,1133,1233 第1結合ギャップ
134,234,334,434,1034,1134,1234 短絡回路部
135,235,335,435 閉導体ループの全路径
436 集中チップインダクタ
d2 第2結合ギャップ
121,141,151,221,321,421,422,641,651,741,751,841,851,941 信号源
1211,3211,6411,6511 動作帯域
1264,1265,6465 アイソレーション曲線
1035,1036,1037,1135,1136,1235,1236,1237 導体部
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンテナ及びその通信デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信の品質及び伝送速度に対する要求が高くなるに伴って、パターンダイバーシティアンテナシステム又はマルチ入力マルチ出力(MIMO)アンテナシステムのようなマルチアンテナシステムが急速に発展している。通信デバイスに広く適用されているシングルアンテナシステムに比較し、複数の送受信アンテナを有するよう設計されたMIMOアンテナシステムは、無線データ伝送速度を改善することができ、将来の通信デバイスにおける重要な発展傾向である。例えば、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)システム、ユニバーサルモバイルテレコミュニケーションシステム(UMTS)、ワイマックス(worldwide interoperability for microwave access = WIMAX)システム及びロングタームエボリューション(long term evolution = LTE)システムのような第4世代モバイル通信システムは、何れもMIMO通信技術の支援及び実装を可能にするよう開発されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
良好なエネルギー又はポートアイソレーションを有するマルチアンテナアーキテクチャを設計することは、容易に達成することができない技術的挑戦である。同一周波数帯域で動作されるマルチアンテナ部材により放射される電磁エネルギーは、強烈な相互間の結合効果を有し易くなるので、マルチアンテナ間の良好なエネルギー又はポートアイソレーションを達成することが困難である。従来は、例えば、隣接アンテナ部材を互いに直角となるよう設計するか、付近のアンテナ部材間のグランド(ground)エリア上に突出部又は開放スロット構造を設計するか、隣接アンテナ部材間の距離を増加させ、それらの間のエネルギー又はポートアイソレーションを改善させており、それによりマルチアンテナシステムの全体寸法を更に増加させている。従って、通信デバイスの制限された利用可能なアンテナ空間内でマルチアンテナアーキテクチャを如何に達成するかは、近年の重要な技術研究開発の課題である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、アンテナ及びその通信デバイスに関し、本発明の幾つかの好適実施形態は、関連技術に提示される技術的課題を解決することができる。
【0005】
好適実施形態に基づき、本発明は、少なくとも1つのグランド及び少なくとも1つの放射部を含むアンテナを提供する。前記グランドは、誘電体基板上に配置され、前記放射部分は、少なくとも1つの信号源及び閉導体ループを含む。前記閉導体ループは、第1結合導体部及び第2結合導体部を有する。前記閉導体ループは、複数の屈曲部を有し、三次元構造を形成し、第1結合ギャップが前記第1結合導体部及び前記第2結合導体部の間に形成される。前記閉導体ループは、更に、フィーディング部及び短絡回路部を有し、前記フィーディング部及び前記短絡回路部の間に第2結合ギャップを形成する。前記フィーディング部は、前記少なくとも1つの信号源に電気接続又は結合され、前記短絡回路部は、前記グランドに電気接続又は結合され、前記放射部は、前記アンテナに動作帯域(operating band)を生成させ、少なくとも1つの通信帯域の電磁信号を送信又は受信するよう構成される。
【0006】
もう1つの好適実施形態に基づき、本発明は、少なくとも1つのトランシーバモジュール及び少なくとも1つのアンテナを含む通信デバイスを提供する。前記トランシーバモジュールは、少なくとも1つの信号源となるよう構成される。前記アンテナは、前記トランシーバモジュールに電気接続又は結合され、少なくとも1つのグランド及び少なくとも1つの放射部を含む。前記グランドは、誘電体基板上に配置され、前記放射部は、閉導体ループを含み、前記グランドが印刷法又はエッチング法により前記誘電体基板上に形成される。前記閉導体ループが第1結合導体部及び第2結合導体部を有する。前記閉導体ループは、複数の屈曲部を有し、三次元構造を形成し、第1結合ギャップが前記第1結合導体部及び第2結合導体部の間に形成される。前記閉導体ループは、更に、フィーディング部及び短絡回路部を有し、前記フィーディング部及び前記短絡回路部の間に第2結合ギャップを形成する。前記フィーディング部は、前記少なくとも1つの信号源に電気接続又は結合され、前記短絡回路部は、前記グランドに電気接続又は結合される。前記放射部は、前記アンテナに動作帯域を生成させ、前記トランシーバモジュールは、前記アンテナを介し、少なくとも1つの通信帯域の電磁信号を送信又は受信するよう構成される。
【発明の効果】
【0007】
本発明の実施形態に基づき、前記提案のアンテナ構造において、前記閉導体ループは、概ね同等配列アンテナ構造又はアーキテクチャを形成することができ、前記アンテナの動作帯域のインピーダンス帯域幅を効果的に広げることができる。前記放射部は、前記アンテナに少なくとも1つの通信帯域の電磁信号を送信又は受信させるよう構成された動作帯域を生成させる。前記動作帯域は、シングル共振モード、デュアル共振モード、マルチ共振モードにより励起又は形成されることができる。前記第2結合ギャップは、前記フィーディング部及び前記短絡回路部に相互結合構造を形成させる。このように、より均一な励起電流分布が前記放射部の前記フィーディング部に生成されることができる。従って、前記動作帯域内の周波数に伴う前記アンテナの入力インピーダンスの変動度がより低くなり、前記動作帯域のインピーダンス整合を改善又は強化することができる。前記第1結合ギャップは、前記閉導体ループの路径上の電流ベクトルと、前記放射部の前記フィーディング部又は信号フィーディング端(signal feeding terminal)の電流ベクトルとの直交性を向上することができる。このように、前記放射部以外の近郊場の結合エネルギー強度が効果的に低減されることができる。従って、他の異なるタイプのアンテナ放射部が前記放射部の他に構成されることができる。更に、前記アンテナの前記動作帯域内で、前記放射部は、他の隣接アンテナ放射部と相対的により小さな相互結合効果を有することができる。このように、良好なエネルギー又はポートアイソレーション度を容易に達成し、マルチアンテナシステムの全体寸法を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1A】本発明の実施形態に基づくアンテナ1の構造概略図である。
【図1B】図1Aのアンテナ1のリターンロス測定図である。
【図2】本発明の実施形態に基づくアンテナ2の構造概略図である。
【図3A】本発明の実施形態に基づくアンテナ3の構造概略図である。
【図3B】本発明の実施形態に基づくアンテナ3のリターンロス測定図である。
【図4】本発明の実施形態に基づくアンテナ4の構造概略図である。
【図5】本発明の実施形態に基づくアンテナ5の構造概略図である。
【図6A】本発明の実施形態に基づくアンテナ6の構造概略図である。
【図6B】図6Aのアンテナ6の放射部12、放射部64及び放射部65のリターンロス測定図である。
【図6C】図6Aのアンテナ6の放射部12、放射部64及び放射部65のアイソレーション曲線測定図である。
【図7】本発明の実施形態に基づくアンテナ7の構造概略図である。
【図8】本発明の実施形態に基づくアンテナ8の構造概略図である。
【図9】本発明の実施形態に基づくアンテナ9の構造概略図である。
【図10】本発明の実施形態に基づくアンテナ10の構造概略図である。
【図11】本発明の実施形態に基づくアンテナ110の構造概略図である。
【図12】本発明の実施形態に基づくアンテナ120の構造概略図である。
【図13】本発明の実施形態に基づく通信デバイス130の機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の上記及び他の特徴と利点をより分かり易くするため、図面と併せた幾つかの実施形態を以下に説明する。
【0010】
本願の幾つかの実施形態を以下に図面と共に説明するが、本願の全ての実施形態を示すものではない。実際に、本願の多様な実施形態は、多くの異なる形式で実施されることができ、ここで記載する実施形態に限定して解釈されるべきものではない。むしろ、これら実施形態は、本発明が該当する法的要求を満たすよう提供される。全体を通じて、同一参照符号は、同一の要素を指す。
【0011】
本発明は、アンテナ構造を提供する。本発明の好適実施形態は、多様な通信デバイス、例えば、モバイル通信デバイス、無線通信デバイス、モバイルコンピューティングデバイス、コンピュータシステムに適用されることができ、或いは、テレコミュニケーション機器、通信機器、ネットワーク機器、又はコンピュータネットワークの周辺機器に適用されることができる。
【0012】
本発明の好適実施形態は、少なくとも1つのグランド及び少なくとも1つの放射部を含むアンテナを提供する。グランドは、誘電体基板上に配置され、放射部は、少なくとも1つの信号源および閉導体ループを含む。閉導体ループが第1結合導体部及び第2導体結合部を有する。前記閉導体ループは、複数の屈曲部を有し、三次元構造を形成し、第1結合ギャップが前記第1結合導体部及び前記第2結合導体部の間に形成される。前記閉導体ループは、更に、フィーディング部及び短絡回路部を有し、前記フィーディング部及び前記短絡回路部の間に第2結合ギャップを形成する。前記フィーディング部は、前記少なくとも1つの信号源に電気接続又は結合され、前記短絡回路部は、前記グランドに電気接続又は結合される。ここでは、前記閉導体ループは、概ね同等配列アンテナ構造又はアーキテクチャを形成し、前記アンテナの動作帯域のインピーダンスバンド幅を効率的に広げることができる。前記放射部は、前記アンテナに動作帯域を生成させ、少なくとも1つの通信帯域の電磁信号を送信又は受信するよう構成される。放射部は、前記アンテナに動作帯域を生成させ、少なくとも1つの通信帯域の電磁信号を送信又は受信するよう構成される。前記動作帯域は、シングル共振モード、デュアル共振モード、マルチ共振モードにより励起又は形成されることができる。前記閉導体ループは、長い導体路径を有し、その全路径の長さは、前記動作帯域の中心周波数の1.4波長〜4.2波長の間である。前記フィーディング部及び前記短絡部の間の前記導体路径の長さは、前記動作帯域の前記中心周波数の0.7波長〜2.1波長の間である。前記第1結合ギャップは、前記動作帯域の前記中心周波数の0.25波長以下である。前記第2結合ギャップは、前記フィーディング部及び前記短絡回路部に相互結合構造を形成させる。このように、より均一な励起電流分布が前記放射部の前記フィーディング部に生成されることができる。従って、前記動作帯域内の周波数に伴う前記アンテナの入力インピーダンスの変動度がより低くなり、前記動作帯域のインピーダンス整合を改善又は強化することができる。前記第2結合ギャップは、前記動作帯域の前記中心周波数の0.1波長以上ではない。前記第1結合ギャップは、前記閉導体ループの路径上の電流ベクトルと、前記フィーディング部又は前記放射部の信号フィーディング端の電流ベクトルとの直交性を向上することができる。このように、前記放射部以外の近郊場の結合エネルギー強度が効果的に低減されることができる。従って、他の異なるタイプのアンテナ放射部が前記放射部の他に構成されることができる。更に、前記アンテナの前記動作帯域内で、前記放射部は、他の隣接アンテナ放射部と相対的により小さな相互結合効果を有することができる。このように、良好なエネルギー又はポートアイソレーション度を容易に達成し、マルチアンテナシステムの全体寸法を低減することができる。
【0013】
前記するアンテナ放射部の他のタイプは、平板逆Fアンテナ(PIFA)タイプ、逆Fアンテナ(IFA)タイプ、モノポールアンテナタイプ、ダイポールアンテナタイプ、スロットアンテナタイプ、ループアンテナタイプ、へリカルアンテナタイプ、4線巻き(quadrifilar)ヘリカルアンテナ(QHA)タイプ、N線巻き(N-filar)ヘリカルアンテナ(NHA)タイプ、他のアンテナタイプのアンテナ放射部であるか、異なるアンテナタイプのアンテナ放射部の組み合わせであることができる。
【0014】
図1Aは、本発明の好適実施形態に基づくアンテナ1の構造概略図である。アンテナ1は、グランド11及び放射部12を含む。グランド11は、誘電体基板111上に配置され、放射部12は、少なくとも1つの信号源121及び閉導体ループ13を含む。閉導体ループ13は、第1結合導体部131及び第2結合導体部132を含む。閉導体ループ13は、複数の屈曲部を有し、三次元構造を形成し、第1結合導体部131及び第2結合導体部132は、異なる方向へ延伸し、第1結合導体部131及び第2結合導体部132の間に第1結合ギャップd1を形成する。閉導体ループ13は、更に、フィーディング部133及び短絡回路部134を有し、フィーディング部133及び短絡回路部134の間に第2結合ギャップd2を形成する。フィーディング部133は、少なくとも1つの信号源121に電気接続され、短絡回路134は、グランド11に電気接続される。ここでは、閉導体ループ13は、概ね同等配列アンテナ構造を形成し、アンテナ1の動作帯域のインピーダンス帯域幅を効率的に広げることができる。放射部12は、アンテナ1に動作帯域1211を生成させる(図1B参照)。
【0015】
図1Bは、図1Aのアンテナ1のリターンロス測定図であり、下記寸法は、実験の為に選択されたものである。グランド11の長さは、約80mmであり、その幅は、約50mmである。誘電体基板111の厚さは、約0.8mmである。閉導体ループ13の全路径135の長さは、約290mmであり、その幅は、約1mmである。第1結合導体部131及び第2結合導体部132の長さは、約10mmである。第1結合ギャップd1は、約10mmである。第2結合ギャップd2は、約1mmである。フィーディング部133及び短絡回路部134の長さは、約13mmである。放射部12は、アンテナ1に動作帯域1211を生成させ、動作帯域1211の中心周波数は、約2680MHzである。動作帯域1211は、シングル共振モードにより励起される。アンテナの放射部により生成される動作帯域は、シングル共振モード、デュアル共振モード又はマルチ共振モードにより励起されることができる。閉導体ループ13の全路径135の長さは、動作帯域1211の中心周波数の約2.6波長であり、フィーディング部133及び短絡回路部134の間の導体路径の長さは、動作帯域1211の中心周波数の約1.3波長である。第1結合ギャップd1は、動作帯域1211の中心周波数の0.25波長以下である。第2結合ギャップd2は、動作帯域1211の中心周波数の0.1波長以下である。閉導体ループ13の全路径135の長さは、動作帯域1211の中心周波数の1.4波長〜4.2波長の間である。フィーディング部133及び短絡回路部134の間の導体路径の長さは、動作帯域1211の中心周波数の0.7波長〜2.1波長の間である。第2結合ギャップd2は、フィーディング部133及び短絡回路部134に相互結合構造を形成させる。このように、より均一な励起電流分布が信号フィーディング端又は放射部12のフィーディング部133及び短絡回路部134に生成されることができる。従って、動作帯域1211内の周波数に伴うアンテナの入力インピーダンスの変動度がより低くなり、アンテナ1の動作帯域1211のインピーダンス整合を強化することができる。
【0016】
第1結合ギャップd1は、閉導体ループ13の路径上の電流ベクトルと、信号フィーディング端又は放射部12のフィーディング部133及び短絡回路部134の電流ベクトルとの直交性を向上することができる。このように、放射部12以外の結合エネルギー強度が効率的に低減されることができる。従って、更に異なるタイプのアンテナ放射部が放射部12以外に構成されることができる。更に、アンテナ1の動作帯域1211内において、放射部12は、他の隣接アンテナ放射部に相対的により低い相互結合効果を与えることができる。このように、良好なエネルギー又はポートアイソレーションが達成され、マルチアンテナシステムの全体の寸法を低減することができる。前記他の異なるタイプのアンテナ放射部は、PIFAタイプ、IFAタイプ、モノポールアンテナタイプ、ダイポールアンテナタイプ、スロットアンテナタイプ、ヘリカルアンテナタイプ、QHAタイプ、NHAタイプ、他のアンテナタイプの放射部又は異なるアンテナタイプのアンテナ放射部の組み合わせであることができる。幾つかの実施形態においては、1つ以上のグランドであることができる。他の幾つかの実施形態においては、1つ以上の放射部であることができる。
【0017】
更に、本実施形態において、閉導体ループ13は、異なる導体材質、例えば、金、銀、銅、鉄等の一般的に使用される導体材質で形成されることができるが、本発明は、これに限定するものではない。他の実施形態において、閉導体ループ13は、如何なる閉導体ループであってもよく、その導体材質は、金属、合金又は非金属、例えば、カーボンナノチューブ、又は他の適切な導体材質又は異なる導体材質の組み合わせであることができるが、本発明は、これに限定するものではない。また、単一の材質又は異なる材質の組み合わせが、閉導体ループを製造することに使用されることができる。
【0018】
図2は、本発明の好適実施形態に基づくアンテナ2の構造概略図である。アンテナ2は、グランド11及び放射部22を含む。グランド11は、誘電体基板111の表面上に配置され、放射部22は、少なくとも1つの信号源221及び閉導体ループ23を含む。閉導体ループ23は、第1結合導体部231及び第2結合導体部232を含む。閉導体ループ23は、複数の屈曲部を有し、三次元構造を形成し、第1結合導体部231及び第2結合導体部232は、異なる方向へ延伸し、第1結合導体部231及び第2結合導体部232の間に第1結合ギャップd1を形成する。閉導体ループ23は、更に、フィーディング部233及び短絡回路部234を有し、フィーディング部233及び短絡回路部234の間に第2結合ギャップd2を形成する。フィーディング部233は、整合回路222を介して、少なくとも1つの信号源221に電気接続又は結合され、短絡回路234は、グランド11に電気接続又は結合される。ここでは、閉導体ループ23は、概ね同等配列アンテナ構造を形成し、アンテナ2の動作帯域のインピーダンス帯域幅を効率的に広げることができる。放射部22は、アンテナ2に動作帯域を生成させ、動作帯域は、シングル共振モード、デュアル共振モード又はマルチ共振モードにより励起又は形成されることができる。整合回路222は、容量結合フィーディング、誘導結合フィーディング、ロー路径回路、ハイ路径回路、バンド路径回路、バンドリジェクト回路、L型回路又はπ型回路の構造又はアーキテクチャであることができる。第1結合ギャップd1は、動作帯域の中心周波数の0.25波長以下である。第2結合ギャップd2は、動作帯域の中心周波数の0.1波長以下である。閉導体ループ23は、長い導体路径を有し、その全路径235の長さは、動作帯域の中心周波数の1.4波長〜4.2波長の間である。フィーディング部233及び短絡回路部234の間の導体路径の長さは、動作帯域の中心周波数の0.7波長〜2.1波長の間である。
【0019】
アンテナ2及びアンテナ1の間の主な差異は、異なる屈曲方法が閉導体ループ23上に適用され、整合回路222がフィーディング部233及び信号源221の間に設計され、アンテナ2の動作帯域のインピーダンス帯域幅を更に調節することにある。更に、第2結合ギャップd2は、フィーディング部233及び短絡回路部234に相互結合構造を形成させることもできる。このように、より均一な励起電流分布が放射部22の信号フィーディング端に生成されることができる。従って、動作帯域内の周波数に伴うアンテナ2の入力インピーダンスの変動度を減少させ、アンテナ2の動作帯域のインピーダンス整合を強化することができる。第1結合ギャップd1は、閉導体ループ23の路径上の電流ベクトルと、放射部22の信号フィーディング端の電流ベクトルとの直交性を向上することができる。このように、放射部22以外の結合エネルギー強度が効率的に低減されることができる。従って、更に異なるタイプのアンテナ放射部が放射部22以外に構成されることができる。更に、アンテナ2の動作帯域内において、放射部22は、他の隣接アンテナ放射部に相対的により低い相互結合効果を与えることができる。このように、良好なエネルギー又はポートアイソレーションを達成し、マルチアンテナシステムの全体の寸法を低減することができる。前記他の異なるタイプのアンテナ放射部は、PIFAタイプ、IFAタイプ、モノポールアンテナタイプ、ダイポールアンテナタイプ、スロットアンテナタイプ、ループアンテナタイプ、ヘリカルアンテナタイプ、QHAタイプ、NHAタイプ、他のアンテナタイプの放射部又は異なるアンテナタイプのアンテナ放射部の組み合わせであることができる。幾つかの実施形態においては、1つ以上のグランドであることができる。他の幾つかの実施形態においては、1つ以上の放射部であることができる。
【0020】
図3Aは、本発明の好適実施形態に基づくアンテナ3の構造概略図である。アンテナ3は、グランド11及び放射部32を含む。グランド11は、誘電体基板111の表面上に配置され、放射部32は、少なくとも1つの信号源321及び閉導体ループ33を含む。閉導体ループ33は、第1結合導体部331及び第2結合導体部332を含む。閉導体ループ33は、複数の屈曲部を有し、三次元構造を形成し、第1結合導体部331及び第2結合導体部332は、異なる方向へ延伸し、第1結合導体部331及び第2結合導体部332の間に第1結合ギャップd1を形成する。閉導体ループ33は、更に、フィーディング部333及び短絡回路部334を有し、フィーディング部333及び短絡回路部334の間に第2結合ギャップd2を形成する。フィーディング部333は、少なくとも1つの信号源321に電気接続され、短絡回路334は、グランド11に電気接続される。ここでは、閉導体ループ33は、概ね同等配列アンテナ構造を形成し、アンテナ3の動作帯域のインピーダンス帯域幅を効率的に広げることができる。放射部32は、アンテナ3に動作帯域3211を生成させる(図3B参照)。更に、他の実施形態において、閉導体ループ33における複数の路径が異なる導体幅を有することができる。
【0021】
図3Bは、図3Aのアンテナ3のリターンロス測定図であり、下記寸法は、実験の為に選択されたものである。グランド11の長さは、約90mmであり、その幅は、約55mmである。誘電体基板111の厚さは、約0.8mmである。閉導体ループ33の全路径335の長さは、約320mmである。第1結合導体部331及び第2結合導体部332の長さは、約10mmであり、その幅は、約1mmである。第1結合ギャップd1は、約13mmである。フィーディング部333及び短絡回路部334の長さは、約12mmであり、その幅は、約1.5mmである。第2結合ギャップd2は、約0.8mmである。放射部32は、アンテナ3に対し動作帯域3211を生成し、動作帯域3211の中心周波数は、約2625MHzである。動作帯域3211は、デュアル共振モードにより励起される。アンテナの放射部により生成される動作帯域は、シングル共振モード、デュアル共振モード又はマルチ共振モードにより励起又は生成されることができる。閉導体ループ33の全路径335の長さは、動作帯域3211の中心周波数の約2.8波長である。第1結合ギャップd1は、動作帯域3211の中心周波数の0.25波長以下である。第2結合ギャップd2は、動作帯域3211の中心周波数の0.1波長以下である。閉導体ループ33の全路径335の長さは、動作帯域3211の中心周波数の1.4波長〜4.2波長の間である。フィーディング部333及び短絡回路部334の間の導体路径の長さは、動作帯域3211の中心周波数の0.7波長〜2.1波長の間である。アンテナ3及びアンテナ1の主な差異は、異なる屈曲方法が閉導体ループ33上に適用され、閉導体ループ33のループ導体路径が異なる幅を有するよう設計され、更に、動作帯域3211のインピーダンス整合を調節することにある。更に、第2結合ギャップd2は、フィーディング部333及び短絡回路部334に相互結合構造を形成させることもできる。このように、より均一な励起電流分布が放射部32の信号フィーディング端に生成又は形成されることができる。従って、動作帯域3211内の周波数に伴うアンテナ3の入力インピーダンスの変動度を低減し、アンテナ3の動作帯域3211のインピーダンス整合を強化することができる。第1結合ギャップd1は、閉導体ループ33の路径上の電流ベクトルと、フィーディング部333及び短絡回路部334又は放射部32の信号フィーディング端の電流ベクトルとの直交性を向上することもできる。このように、放射部32以外の結合エネルギー強度が効率的に低減されることができる。従って、更に異なるタイプのアンテナ放射部が放射部32以外に構成されることができる。更に、アンテナ3の動作帯域3211内において、放射部32は、他の隣接アンテナ放射部に相対的により低い相互結合効果を与えることができる。このように、良好なエネルギー又はポートアイソレーションを達成し、マルチアンテナシステムの全体の寸法を低減することができる。前記他の異なるタイプのアンテナ放射部は、PIFAタイプ、IFAタイプ、モノポールアンテナタイプ、ダイポールアンテナタイプ、スロットアンテナタイプ、ループアンテナタイプ、ヘリカルアンテナタイプ、QHAタイプ、NHAタイプ、他のアンテナタイプの放射部又は異なるアンテナタイプのアンテナ放射部の組み合わせであることができる。幾つかの実施形態においては、1つ以上のグランドであることができる。他の幾つかの実施形態においては、1つ以上の放射部であることができる。
【0022】
本実施形態において、アンテナ3の動作帯域3211は、ロングタームエボリューション(LTE)2500通信帯域の電磁信号を送信又は受信することに用いることができる。しかしながら、図3Bは、ここで、ただアンテナ3により生成される動作帯域が少なくとも1つの通信帯域における電磁信号を送信又は受信することに用いられる例を説明することに用いられ、本発明を制限することに用いるものではない。アンテナ3により生成される動作帯域は、モバイル通信に対するモバイル通信用グローバルシステム(global system for mobile communications = GSM)、ユニバーサル移動通信システム(universal mobile telecommunications system = UMTS)、ワイマックス(worldwide interoperability for microwave access = WiMAX)システム、デジタルテレビ(digital television = DTV)放送システム、全地球測位システム(global positioning system = GPS)、ワイヤレスワイドエリアネットワーク(WWLAN)システム、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)システム、ウルトラワイドバンド(UWB)システム、ワイヤレスパーソナルエリアネットワーク(WPAN)、衛星通信システム、他の適切なシステムタイプ又は他の無線又はモバイル通信帯域アプリケーションに適用される電磁信号を送信又は受信することに用いられることもできる。
【0023】
図4は、本発明の好適実施形態に基づくアンテナ4の構造概略図である。アンテナ4は、グランド11及び放射部42を含む。グランド11は、誘電体基板111の表面上に配置され、放射部42は、閉導体ループ43及び信号源421,422を含む。閉導体ループ43は、第1結合導体部431及び第2結合導体部432を含む。閉導体ループ43は、複数の屈曲部を有し、三次元構造を形成し、第1結合導体部431及び第2結合導体部432は、異なる方向へ延伸し、第1結合導体部431及び第2結合導体部432の間に第1結合ギャップd1を形成する。閉導体ループ43は、更に、フィーディング部433及び短絡回路部434を有し、フィーディング部433及び短絡回路部434の間に第2結合ギャップd2を形成する。フィーディング部433は、信号源421及び信号源422に電気接続又は結合され、短絡回路434は、グランド11に電気接続又は結合される。ここでは、閉導体ループ43は、概ね同等配列アンテナ構造を形成し、アンテナ4の動作帯域のインピーダンス帯域幅を効率的に広げることができる。放射部42は、アンテナ4に動作帯域を生成させ、動作帯域は、シングル共振モード、デュアル共振モード又はマルチ共振モードにより励起又は形成される。第1結合ギャップd1は、動作帯域の中心周波数の0.25波長以下である。第2結合ギャップd2は、動作帯域の中心周波数の0.1波長以下である。閉導体ループ43の全路径435の長さは、動作帯域の中心周波数の1.4波長〜4.2波長の間である。フィーディング部433及び短絡回路部434の間の導体路径の長さは、動作帯域の中心周波数の0.7波長〜2.1波長の間である。
【0024】
アンテナ4及びアンテナ1の主な差異は、異なる屈曲方法が閉導体ループ43上に適用され、集中チップインダクタ436が閉導体ループ43の導体路径上に配置され、アンテナ4の小型化を達成することにある。更に、フィーディング部433が2つの信号源421,422に同時に接続又は結合され、マルチ入力マルチ出力又はパターン空間ダイバーシティマルチアンテナシステムの動作を達成する。更に、第2結合ギャップd2は、フィーディング部433及び短絡回路部434に相互結合構造を形成させることもできる。このように、より均一な励起電流分布が放射部42上の信号源421,422の信号フィーディング端に生成されることができる。従って、動作帯域内の周波数に伴うアンテナ4の入力インピーダンスの変動度を減少させ、アンテナ4により生成される動作帯域のインピーダンス整合を強化することができる。第1結合ギャップd1は、閉導体ループ43の路径上の電流ベクトルと、放射部42の信号フィーディング端の電流ベクトルとの直交性を向上することができる。このように、放射部42以外の結合エネルギー強度が効率的に低減されることができる。従って、更に異なるタイプのアンテナ放射部が放射部42以外に構成されることができる。更に、アンテナ4の動作帯域内において、放射部42は、他の隣接アンテナ放射部に相対的により低い相互結合効果を与えることができる。このように、良好なエネルギー又はポートアイソレーションを達成し、マルチアンテナシステムの全体の寸法を低減することができる。前記他の異なるタイプのアンテナ放射部は、PIFAタイプ、IFAタイプ、モノポールアンテナタイプ、ダイポールアンテナタイプ、スロットアンテナタイプ、ループアンテナタイプ、ヘリカルアンテナタイプ、QHAタイプ、NHAタイプ、他のアンテナタイプの放射部又は異なるアンテナタイプのアンテナ放射部の組み合わせであることができる。幾つかの実施形態においては、1つ以上のグランドであることができる。他の幾つかの実施形態においては、1つ以上の放射部であることができる。集中チップインダクタ436は、放射部42により生成又は形成される動作帯域のインピーダンス整合を調節する集中チップコンデンサにより置き換えられることもできる。この他、集中チップインダクタ436は、分配タイプ又は集中タイプのインダクタ又はコンデンサにより置き換えられることもできる。
【0025】
図5は、本発明の好適実施形態に基づくアンテナ5の構造概略図である。アンテナ5は、グランド11及び放射部12を含む。グランド11は、誘電体基板111の表面上に配置され、放射部12は、閉導体ループ13及び少なくとも1つの信号源121を含む。閉導体ループ13は、第1結合導体部131及び第2結合導体部132を含む。閉導体ループ13は、複数の屈曲部を有し、三次元構造を形成し、第1結合導体部131及び第2結合導体部132は、異なる方向へ延伸し、第1結合導体部131及び第2結合導体部132の間に第1結合ギャップd1を形成する。閉導体ループ13は、更に、フィーディング部133及び短絡回路部134を有し、フィーディング部133及び短絡回路部134の間に第2結合ギャップd2を形成する。フィーディング部133は、少なくとも1つの信号源121に電気接続又は結合され、短絡回路134は、グランド11に電気接続又は結合される。ここでは、閉導体ループ13は、概ね同等の2つのアンテナ配列構造又はアーキテクチャを形成し、アンテナ5の動作帯域のインピーダンス帯域幅を効率的に広げることができる。放射部12は、アンテナ5に動作帯域を生成させ、動作帯域は、シングル共振モード、デュアル共振モード又はマルチ共振モードにより励起されることができる。第1結合ギャップd1は、動作帯域の中心周波数の0.25波長以下である。第2結合ギャップd2は、動作帯域の中心周波数の0.1波長以下である。閉導体ループ13の全路径135の長さは、動作帯域の中心周波数の1.4波長〜4.2波長の間である。フィーディング部133及び短絡回路部134の間の導体路径の長さは、動作帯域の中心周波数の0.7波長〜2.1波長の間である。
【0026】
アンテナ5及びアンテナ1の主な差異は、放射部14及び放射部15がそれぞれアンテナ5の放射部12の二側に設計され、MIMO又はパターン空間ダイバーシティマルチアンテナシステムを達成することにある。放射部14は、信号源141に電気接続又は結合され、放射部15は、信号源151に電気接続又は結合される。放射部12の第2結合ギャップd2は、フィーディング部133及び短絡回路部134に相互結合構造を形成させることができる。このように、より均一な励起電流分布が放射部12上の信号源121の信号フィーディング端に生成されることができる。従って、動作帯域内の周波数に伴う放射部12の入力インピーダンスの変動度を減少させ、アンテナ5の動作帯域のインピーダンス整合を強化することができる。第1結合ギャップd1は、閉導体ループ13の路径上の電流ベクトルと、フィーディング部133及び短絡回路部134又は放射部12の信号フィーディング端の電流ベクトルとの直交性を向上することができる。このように、放射部12以外の結合エネルギー強度が効率的に低減されることができる。従って、更に異なるタイプのアンテナ放射部が放射部12以外に構成されることができる。更に、アンテナ5の動作帯域内において、放射部12は、他の隣接アンテナ放射部に相対的により低い相互結合効果を与えることができる。このように、良好なエネルギー又はポートアイソレーションを達成し、マルチアンテナシステムの全体の寸法を低減することができる。前記他の異なるタイプのアンテナ放射部は、PIFAタイプ、IFAタイプ、モノポールアンテナタイプ、ダイポールアンテナタイプ、スロットアンテナタイプ、ループアンテナタイプ、ヘリカルアンテナタイプ、QHAタイプ、NHAタイプ、他のアンテナタイプの放射部又は異なるアンテナタイプのアンテナ放射部の組み合わせであることができる。幾つかの実施形態においては、1つ以上のグランドであることができる。他の幾つかの実施形態においては、1つ以上の放射部であることができる。
【0027】
図6Aは、本発明の好適実施形態に基づくアンテナ6の構造概略図である。アンテナ6は、グランド11及び放射部12を含む。グランド11は、誘電体基板111の表面上に配置され、放射部12は、閉導体ループ13及び少なくとも1つの信号源121を含む。閉導体ループ13は、第1結合導体部131及び第2結合導体部132を含む。閉導体ループ13は、複数の屈曲部を有し、三次元構造を形成し、第1結合導体部131及び第2結合導体部132は、異なる方向へ延伸し、第1結合導体部131及び第2結合導体部132の間に第1結合ギャップd1を形成する。閉導体ループ13は、更に、フィーディング部133及び短絡回路部134を有し、フィーディング部133及び短絡回路部134の間に第2結合ギャップd2を形成する。フィーディング部133は、少なくとも1つの信号源121に電気接続され、短絡回路134は、グランド11に電気接続される。ここでは、閉導体ループ13は、概ね同等配列アンテナ構造を形成し、動作帯域のインピーダンス帯域幅を効率的に広げることができる。放射部12は、アンテナ6に動作帯域1211を生成させ(図6B参照)、動作帯域1211は、デュアル共振モードにより励起されることができる。他の実施形態において、アンテナ5の動作帯域がシングル共振モード又はマルチ共振モードにより励起されることができる。第1結合ギャップd1は、動作帯域1211の中心周波数の0.25波長以下である。第2結合ギャップd2は、動作帯域1211の中心周波数の0.1波長以下である。閉導体ループ13の全路径135の長さは、動作帯域1211の中心周波数の1.4波長〜4.2波長の間である。フィーディング部133及び短絡回路部134の間の導体路径の長さは、動作帯域1211の中心周波数の0.7波長〜2.1波長の間である。
【0028】
アンテナ6及びアンテナ1の主な差異は、放射部64及び放射部65がそれぞれアンテナ6の放射部12の二側に設計され、MIMO又はパターン空間ダイバーシティマルチアンテナシステムを達成することにある。放射部64及び放射部65は、それぞれPIFA及びスロットアンテナのアンテナ放射部であり、それぞれ信号源641及び信号源651に電気接続又は結合される。放射部12の第2結合ギャップd2は、フィーディング部133及び短絡回路部134に相互結合構造を形成させることができる。このように、より均一な励起電流分布が放射部12上の信号源121の信号フィーディング端に生成されることができる。従って、動作帯域1211(図6B参照)内の周波数に伴う放射部12の入力インピーダンスの変動度を減少させ、動作帯域1211のインピーダンス整合を強化することができる。第1結合ギャップd1は、閉導体ループ13の路径上の電流ベクトルと、放射部12の信号フィーディング端の電流ベクトルとの直交性を向上することができる。このように、放射部12以外の結合エネルギー強度が効率的に低減されることができる。更に、動作帯域内において、放射部12は、隣接するアンテナ放射部64及びアンテナ放射部65に相対的により低い相互結合効果を与えることができるが、本発明は、これに限定するものではない。アンテナ放射部64及び65は、異なるタイプのアンテナのアンテナ放射部であることができ、例えば、PIFAタイプ、IFAタイプ、モノポールアンテナタイプ、ダイポールアンテナタイプ、スロットアンテナタイプ、ループアンテナタイプ、ヘリカルアンテナタイプ、QHAタイプ、NHAタイプ、他の適切なアンテナタイプの放射部又は異なるアンテナタイプのアンテナ放射部の組み合わせであることができる。幾つかの実施形態においては、1つ以上のグランドであることができる。他の幾つかの実施形態においては、1つ以上の放射部であることができる。
【0029】
図6Bは、図6Aの放射部12、放射部64及び放射部65のリターンロス測定図である。放射部12の実験寸法は、図1Aと同一である。放射部12は、アンテナ6に動作帯域1211を生成させ、放射部64は、アンテナ6に動作帯域6411を生成させ、放射部65は、アンテナ6に動作帯域6511を生成させる。図6Cは、図6Aの放射部12、放射部64及び放射部65のアイソレーション曲線測定図である。曲線1264は、放射部12及び放射部64の間のアイソレーション曲線であり、曲線1265は、放射部12及び放射部65の間のアイソレーション曲線であり、曲線6465は、放射部64及び放射部65の間のアイソレーション曲線である。図6Cに基づき、第1結合ギャップd1が放射部12以外の結合エネルギー強度を効率的に低減し、放射部12は、放射部12の側方に隣接して配置される放射部64及び放射部65と良好なアイソレーション性能を有することができる。例えば、放射部12により励起される動作帯域1211内において、放射部12と、放射部12の側方に隣接して配置される放射部64,65との間のアイソレーションは、15dBより良好である。
【0030】
本実施形態において、アンテナ6の放射部12動作帯域1211により生成される動作帯域1211は、LTE2500通信帯域の電磁信号を送信又は受信することに用いることができる。アンテナ6の放射部64及び放射部65によりそれぞれ生成される動作帯域6411及び動作帯域6511は、WLAN2400及びLTE2500通信帯域の電磁信号を送信又は受信することに用いることができる。図6Bは、ここで、ただアンテナ6の放射部12により生成される動作帯域が少なくとも1つの通信帯域における電磁信号を送信又は受信することに用いられる例を説明することに用いられ、本発明を制限することに用いるものではない。アンテナ6の放射部12により生成される動作帯域は、モバイル通信に対するGSMシステム、UMTS、WiMAXシステム、DTV放送システム、GPS、WWLANシステム、WLANシステム、UWBシステム、WPAN、衛星通信システム、他の適切なシステムタイプ又は他の無線又はモバイル通信帯域アプリケーションに適用される電磁信号を送信又は受信することに用いられることもできる。
【0031】
図7は、本発明の好適実施形態に基づくアンテナ7の構造概略図である。アンテナ7は、グランド11及び放射部12を含む。グランド11は、誘電体基板111の表面上に配置され、放射部12は、閉導体ループ13及び少なくとも1つの信号源121を含む。閉導体ループ13は、第1結合導体部131及び第2結合導体部132を含む。閉導体ループ13は、複数の屈曲部を有し、三次元構造を形成し、第1結合導体部131及び第2結合導体部132は、異なる方向へ延伸し、第1結合導体部131及び第2結合導体部132の間に第1結合ギャップd1を形成する。閉導体ループ13は、更に、フィーディング部133及び短絡回路部134を有し、フィーディング部133及び短絡回路部134の間に第2結合ギャップd2を形成する。フィーディング部133は、少なくとも1つの信号源121に電気接続され、短絡回路134は、グランド11に電気接続される。ここでは、閉導体ループ13は、配列アンテナ構造に略同等であり、動作帯域のインピーダンス帯域幅を効率的に増大することができる。放射部12は、アンテナ7に動作帯域を生成させ、動作帯域は、シングル共振モード、デュアル共振モード、又はマルチ共振モードにより励起されることができる。第1結合ギャップd1は、動作帯域の中心周波数の0.25波長以下である。第2結合ギャップd2は、動作帯域の中心周波数の0.1波長以下である。閉導体ループ13は、長い導体路径を有し、閉導体ループ13の全路径135の長さは、動作帯域の中心周波数の1.4波長〜4.2波長の間である。フィーディング部133及び短絡回路部134の間の導体路径の長さは、動作帯域の中心周波数の0.7波長〜2.1波長の間である。
【0032】
アンテナ7及びアンテナ1の主な差異は、放射部74及び放射部75がそれぞれアンテナ7の放射部12の二側に設計され、MIMO又はパターン空間ダイバーシティマルチアンテナシステムを達成することにある。放射部74及び放射部75は、何れもスロットアンテナのアンテナ放射部であり、それぞれ信号源741及び信号源751に電気接続される。放射部12の第2結合ギャップd2は、フィーディング部133及び短絡回路部134に相互結合構造を形成させることができる。このように、より均一な励起電流分布が放射部12上の信号源121の信号フィーディング端に生成されることができる。従って、動作帯域内の周波数に伴うアンテナ入力インピーダンスの変動度を減少させ、動作帯域のインピーダンス整合を強化することができる。第1結合ギャップd1は、閉導体ループ13の路径上の電流ベクトルと、放射部12の信号フィーディング端の電流ベクトルとの直交性を向上することができる。このように、放射部12以外の結合エネルギー強度が効率的に低減されることができる。従って、動作帯域内において、放射部12は、隣接するアンテナ放射部74及びアンテナ放射部75に相対的により低い相互結合効果を与えることができるが、本発明は、これに限定するものではない。アンテナ放射部74及び75は、異なるアンテナタイプのアンテナ放射部であることができ、例えば、PIFAタイプ、IFAタイプ、モノポールアンテナタイプ、ダイポールアンテナタイプ、スロットアンテナタイプ、ループアンテナタイプ、ヘリカルアンテナタイプ、QHAタイプ、NHAタイプ、他のアンテナタイプの放射部又は異なるアンテナタイプのアンテナ放射部の組み合わせであることができる。幾つかの実施形態においては、1つ以上のグランドであることができる。他の幾つかの実施形態においては、1つ以上の放射部であることができる。
【0033】
図8は、本発明の好適実施形態に基づくアンテナ8の構造概略図である。アンテナ8は、グランド11及び放射部22を含む。グランド11は、誘電体基板111の表面上に配置され、放射部22は、閉導体ループ23及び少なくとも1つの信号源221を含む。閉導体ループ23は、第1結合導体部231及び第2結合導体部232を含む。閉導体ループ23は、複数の屈曲部を有し、三次元構造を形成し、第1結合導体部231及び第2結合導体部232は、異なる方向へ延伸し、第1結合導体部231及び第2結合導体部232の間に第1結合ギャップd1を形成する。閉導体ループ23は、更に、フィーディング部233及び短絡回路部234を有し、フィーディング部233及び短絡回路部234の間に第2結合ギャップd2を形成する。フィーディング部233は、少なくとも1つの信号源221に電気接続され、短絡回路234は、グランド11に電気接続される。ここでは、閉導体ループ23は、配列アンテナ構造又はアーキテクチャに略同等であり、動作帯域のインピーダンス帯域幅を効率的に増大することができる。放射部22は、アンテナ8に動作帯域を生成させ、動作帯域は、シングル共振モード、デュアル共振モード、又はマルチ共振モードにより励起されることができる。第1結合ギャップd1は、動作帯域の中心周波数の0.25波長以下である。第2結合ギャップd2は、動作帯域の中心周波数の0.1波長以下である。閉導体ループ23の全路径235の長さは、動作帯域の中心周波数の1.4波長〜4.2波長の間である。フィーディング部233及び短絡回路部234の間の導体路径の長さは、動作帯域の中心周波数の0.7波長〜2.1波長の間である。
【0034】
アンテナ8及びアンテナ1の主な差異は、異なる屈曲方法が閉導体ループ23上に適用され、放射部84及び放射部85がそれぞれ放射部22の二側に設計され、MIMO又はパターン空間ダイバーシティマルチアンテナシステムを達成することにある。放射部84は、PIFAのアンテナ放射部であり、信号源841に電気接続又は結合される。放射部85は、ループアンテナのアンテナ放射部であり、信号源851に電気接続又は結合される。放射部22の第2結合ギャップd2は、フィーディング部233及び短絡回路部234に相互結合構造を形成させることができる。このように、より均一な励起電流分布が放射部22上の信号源221の信号フィーディング端に生成されることができる。従って、動作帯域内の周波数に伴うアンテナ入力インピーダンスの変動度を減少させ、動作帯域のインピーダンス整合を強化することができる。第1結合ギャップd1は、閉導体ループ23の路径上の電流ベクトルと、放射部22の信号フィーディング端の電流ベクトルとの直交性を向上することができる。このように、放射部22以外の結合エネルギー強度が効率的に低減されることができる。従って、動作帯域内において、放射部22は、隣接するアンテナ放射部84及びアンテナ放射部85に相対的により低い相互結合効果を与えることができるが、本発明は、これに限定するものではない。アンテナ放射部84及び85は、異なるアンテナタイプのアンテナ放射部であることができ、例えば、PIFAタイプ、IFAタイプ、モノポールアンテナタイプ、ダイポールアンテナタイプ、スロットアンテナタイプ、ループアンテナタイプ、ヘリカルアンテナタイプ、QHAタイプ、NHAタイプ、他のアンテナタイプの放射部又は異なるアンテナタイプのアンテナ放射部の組み合わせであることができる。幾つかの実施形態においては、1つ以上のグランドであることができる。他の幾つかの実施形態においては、1つ以上の放射部であることができる。
【0035】
図9は、本発明の好適実施形態に基づくアンテナ9の構造概略図である。アンテナ9は、グランド11及び放射部42を含む。グランド11は、誘電体基板111の表面上に配置され、放射部42は、閉導体ループ43及び少なくとも1つの信号源421を含む。閉導体ループ43は、第1結合導体部431及び第2結合導体部432を含む。閉導体ループ43は、複数の屈曲部を有し、三次元構造を形成し、第1結合導体部431及び第2結合導体部432は、異なる方向へ延伸し、第1結合導体部431及び第2結合導体部432の間に第1結合ギャップd1を形成する。閉導体ループ43は、更に、フィーディング部433及び短絡回路部434を有し、フィーディング部433及び短絡回路部434の間に第2結合ギャップd2を形成する。フィーディング部433は、少なくとも1つの信号源421に電気接続され、短絡回路434は、グランド11に電気接続される。ここでは、閉導体ループ43は、概ね同等配列アンテナ構造を形成することができ、動作帯域のインピーダンス帯域幅を効率的に広げることができる。放射部42は、アンテナ9に動作帯域を生成させ、動作帯域は、シングル共振モード、デュアル共振モード、又はマルチ共振モードにより励起されることができる。
【0036】
第1結合ギャップd1は、動作帯域の中心周波数の0.25波長以下である。第2結合ギャップd2は、動作帯域の中心周波数の0.1波長以下である。閉導体ループ43の全路径435の長さは、動作帯域の中心周波数の1.4波長〜4.2波長の間である。フィーディング部433及び短絡回路部434の間の導体路径の長さは、動作帯域の中心周波数の0.7波長〜2.1波長の間である。第2結合ギャップd2は、フィーディング部433及び短絡回路部434に相互結合構造を形成させる。このように、より均一な励起電流分布が放射部42の信号フィーディング端に生成されることができる。従って、動作帯域内の周波数に伴うアンテナ入力インピーダンスの変動度を低減し、動作帯域のインピーダンス整合を強化することができる。
【0037】
アンテナ9及びアンテナ1の主な差異は、異なる屈曲方法が閉導体ループ43上に適用され、放射部94が放射部42の一側に設計され、MIMO又はパターン空間ダイバーシティマルチアンテナシステムを達成することにある。放射部94は、モノポールアンテナのアンテナ放射部であり、信号源941に電気接続される。第1結合ギャップd1は、閉導体ループ43の路径上の電流ベクトルと、放射部42の信号フィーディング端の電流ベクトルとの直交性を向上することができる。このように、放射部42以外の結合エネルギー強度が効率的に低減されることができる。従って、動作帯域内において、放射部42は、隣接するアンテナ放射部94に相対的により低い相互結合効果を与えることができる。その結果、放射部42及び放射部94の間のより良好なアイソレーションを達成することができる。しかしながら、本発明は、これに限定するものではなく、アンテナ放射部94は、異なるタイプのアンテナのアンテナ放射部であることができ、例えば、PIFAタイプ、IFAタイプ、モノポールアンテナタイプ、ダイポールアンテナタイプ、スロットアンテナタイプ、ループアンテナタイプ、ヘリカルアンテナタイプ、QHAタイプ、NHAタイプ、他のアンテナタイプの放射部又は異なるアンテナタイプのアンテナ放射部の組み合わせであることができる。幾つかの実施形態においては、1つ以上のグランドであることができる。他の幾つかの実施形態においては、1つ以上の放射部であることができる。
【0038】
図10は、本発明の好適実施形態に基づくアンテナ10の構造概略図である。図10は、図1に類似し、図10は、アンテナ1の他の実装を提示する。アンテナ10は、グランド11及び放射部102を含む。グランド11は、誘電体基板111の表面上に配置され、放射部102は、少なくとも1つの信号源121及び閉導体ループ103を含む。閉導体ループ103は、第1結合導体部1031及び第2結合導体部1032を含む。閉導体ループ103は、複数の屈曲部を有し、三次元構造を形成し、第1結合導体部1031及び第2結合導体部1032は、異なる方向へ延伸し、第1結合導体部1031及び第2結合導体部1032の間に第1結合ギャップd1を形成する。また、閉導体ループ103は、更に、フィーディング部1033及び短絡回路部1034を有し、フィーディング部1033及び短絡回路部1034の間に第2結合ギャップd2を形成する。フィーディング部1033は、少なくとも1つの信号源121に電気接続され、短絡回路1034は、グランド11に電気接続される。ここでは、閉導体ループ103は、概ね同等配列アンテナ構造を形成することができ、動作帯域のインピーダンス帯域幅を効率的に広げることができる。放射部102は、アンテナ10に動作帯域を生成させる(図1Bの動作帯域1211に類似する)。更に、閉導体ループ103の完全路径上のコンポーネント間の導体部1035及び導体部1036は、互いに隣接し、導体部1035及び導体部1036の間の接続導体部1037は、円弧状路径を有する。
【0039】
図1Bの技術内容の説明は、グランド11の長さ、グランドの幅、誘電体基板111の厚さ、閉導体ループ103の全路径の長さ、閉導体ループ103の幅、第1結合導体部1031の長さ、第2結合導体部1032の長さ、第1結合ギャップd1の長さ、第2結合ギャップd2の長さ、フィーディング部1033の長さ及び短絡回路部1034の長さに対し参照されることができ、ここでは、詳細を再度記載しない。
【0040】
図10を参照し、放射部102は、アンテナ10に動作帯域を生成させる。動作帯域は、シングル共振モード、デュアル共振モード又はマルチ共振モードにより励起されることができる。第1結合ギャップd1は、動作帯域の中心周波数の0.25波長以下である。第2結合ギャップd2は、動作帯域の中心周波数の0.1波長以下である。閉導体ループ103の全路径の長さは、動作帯域の中心周波数の1.4波長〜4.2波長の間である。フィーディング部1033及び短絡回路部1034の間の導体路径の長さは、動作帯域の中心周波数の0.7波長〜2.1波長の間である。
【0041】
第2結合ギャップd2は、フィーディング部1033及び短絡回路部1034に相互結合構造を形成させる。このように、より均一な励起電流分布が放射部102上の信号源121の信号フィーディング端に形成されることができる。従って、動作帯域内の周波数に伴うアンテナ入力インピーダンスの変動度を低減し、動作帯域のインピーダンス整合を強化することができる。第1結合ギャップd1は、閉導体ループ103の路径上の電流ベクトルと、放射部102の信号フィーディング端の電流ベクトルとの直交性を向上することができる。このように、放射部102以外の結合エネルギー強度が効率的に低減されることができる。従って、他の異なるタイプのアンテナ放射部が放射部102以外に構成されることができる。更に、アンテナ10の動作帯域内において、放射部102は、他の隣接するアンテナ放射部に相対的により低い相互結合効果を与えることができる。このように、放射部102及び他の隣接するアンテナ放射部の間のより良好なエネルギー及びポートアイソレーションを達成することができ、マルチアンテナシステムの全体寸法を低減することができる。前記他のタイプのアンテナ放射部は、PIFAタイプ、IFAタイプ、モノポールアンテナタイプ、ダイポールアンテナタイプ、スロットアンテナタイプ、ループアンテナタイプ、ヘリカルアンテナタイプ、QHAタイプ、NHAタイプ、他のアンテナタイプのアンテナ放射部であるか、異なるアンテナタイプのアンテナ放射部の組み合わせであることができる。幾つかの実施形態においては、1つ以上のグランドであることができる。他の幾つかの実施形態においては、1つ以上の放射部であることができる。
【0042】
図11は、本発明の好適実施形態に基づくアンテナ110の構造概略図である。図11は、図1及び図2に類似し、アンテナ1及びアンテナ2の他の実装を提示する。アンテナ110は、グランド11及び放射部112を含む。グランド11は、誘電体基板111の表面上に配置され、放射部112は、少なくとも1つの信号源121及び閉導体ループ113を含む。閉導体ループ113は、第1結合導体部1131及び第2結合導体部1132を含む。閉導体ループ113は、複数の屈曲部を有し、三次元構造を形成し、第1結合導体部1131及び第2結合導体部1132は、異なる方向へ延伸し、第1結合導体部1131及び第2結合導体部1132の間に第1結合ギャップd1を形成する。また、閉導体ループ113は、更に、フィーディング部1133及び短絡回路部1134を有し、フィーディング部1133及び短絡回路部1134の間に第2結合ギャップd2を形成する。フィーディング部1133は、少なくとも1つの信号源121に電気接続され、短絡回路1134は、グランド11に電気接続される。ここでは、閉導体ループ113は、概ね同等配列アンテナ構造を形成することができ、動作帯域のインピーダンス帯域幅を効率的に広げることができる。放射部112は、アンテナ110に動作帯域を生成させる(図1Bの動作帯域1211に類似する)。動作帯域は、シングル共振モード、デュアル共振モード、又はマルチ共振モードにより励起されることができる。更に、閉導体ループ113の完全路径上のコンポーネント間の導体部1135及び導体部1136は、互いに隣接し、導体部1035及び導体部1036の間の接続角度は、直角でないことができる。他の実装において、導体部1135及び導体部1136の間の接続角度が鋭角及び鈍角を含むことができる。
【0043】
図1Bの技術内容の説明は、グランド11の長さ、グランドの幅、誘電体基板111の厚さ、閉導体ループ113の全路径の長さ、閉導体ループ113の幅、第1結合導体部1131の長さ、第2結合導体部1132の長さ、第1結合ギャップd1の長さ、第2結合ギャップd2の長さ、フィーディング部1133の長さ及び短絡回路部1134の長さに対し参照されることができ、ここでは、詳細を再度記載しない。
【0044】
図11を参照し、放射部112は、アンテナ110に動作帯域を生成させる。動作帯域は、シングル共振モード、デュアル共振モード又はマルチ共振モードにより励起されることができる。第1結合ギャップd1は、動作帯域の中心周波数の0.25波長以下である。第2結合ギャップd2は、動作帯域の中心周波数の0.1波長以下である。閉導体ループ113の全路径の長さは、動作帯域の中心周波数の1.4波長〜4.2波長の間である。フィーディング部1133及び短絡回路部1134の間の導体路径の長さは、動作帯域の中心周波数の0.7波長〜2.1波長の間である。第2結合ギャップd2は、フィーディング部1133及び短絡回路部1134に相互結合構造を形成させる。このように、より均一な励起電流分布が放射部112上の信号源121の信号フィーディング端に生成されることができる。従って、動作帯域内の周波数に伴うアンテナ入力インピーダンスの変動度を低減し、動作帯域のインピーダンス整合を強化することができる。
【0045】
第1結合ギャップd1は、閉導体ループの路径上の電流ベクトルと、放射部の信号フィーディング端の電流ベクトルとの直交性を向上することができる。このように、放射部112以外の付近の結合エネルギー強度が効率的に低減されることができる。従って、他の異なるタイプのアンテナ放射部が放射部112の側方に構成されることができる。更に、アンテナ110の動作帯域内において、放射部112は、他の隣接するアンテナ放射部に相対的により低い相互結合効果を与えることができる。このように、放射部112及び他の隣接するアンテナ放射部の間のより良好なエネルギーアイソレーションを達成することができ、マルチアンテナシステムの全体寸法を低減することができる。前記他のタイプのアンテナ放射部は、PIFAタイプ、IFAタイプ、モノポールアンテナタイプ、ダイポールアンテナタイプ、スロットアンテナタイプ、ループアンテナタイプ、ヘリカルアンテナタイプ、QHAタイプ、NHAタイプ、他のアンテナタイプのアンテナ放射部であるか、異なるアンテナタイプのアンテナ放射部の組み合わせであることができる。幾つかの実施形態においては、1つ以上のグランドであることができる。他の幾つかの実施形態においては、1つ以上の放射部であることができる。
【0046】
図12は、本発明の好適実施形態に基づくアンテナ120の構造概略図である。図12は、図1に類似し、アンテナ1の他の実装を提示する。アンテナ120は、グランド11及び放射部122を含む。グランド11は、誘電体基板111の表面上に配置され、放射部122は、少なくとも1つの信号源121及び閉導体ループ123を含む。閉導体ループ123は、微細な導体膜、導体細線、中実又は中空の細い導体管により実装されることができるが、これに限定するものではない。閉導体ループ123は、第1結合導体部1231及び第2結合導体部1232を含む。閉導体ループ123は、複数の屈曲部を有し、三次元構造を形成し、第1結合導体部1231及び第2結合導体部1232は、異なる方向へ延伸し、第1結合導体部1231及び第2結合導体部1232の間に第1結合ギャップd1を形成する。
【0047】
また、閉導体ループ123は、更に、フィーディング部1233及び短絡回路部1234を有し、フィーディング部1233及び短絡回路部1234の間に第2結合ギャップd2を形成する。フィーディング部1233は、少なくとも1つの信号源121に電気接続され、短絡回路1234は、グランド11に電気接続される。ここでは、閉導体ループ123は、概ね同等配列アンテナ構造を形成することができ、動作帯域のインピーダンス帯域幅を効率的に広げることができる。放射部122は、アンテナ120に動作帯域を生成させる(図1Bの動作帯域1211に類似する)。動作帯域は、シングル共振モード、デュアル共振モード、又はマルチ共振モードにより励起されることができる。更に、閉導体ループ123の完全路径上のコンポーネント間の導体部1235及び導体部1236は、互いに隣接し、導体部1236が隣接する導体部1237と交差する。更に、導体部1035及び導体部1036の間の接続角度は、直角、鋭角又は鈍角であることができる。
【0048】
図12を参照し、放射部122は、アンテナ110に動作帯域を生成させる。動作帯域は、シングル共振モード、デュアル共振モード又はマルチ共振モードにより励起されることができる。第1結合ギャップd1は、動作帯域の中心周波数の0.25波長以下である。第2結合ギャップd2は、動作帯域の中心周波数の0.1波長以下である。閉導体ループ123の全路径の長さは、動作帯域の中心周波数の1.4波長〜4.2波長の間である。フィーディング部1233及び短絡回路部1234の間の導体路径の長さは、動作帯域の中心周波数の0.7波長〜2.1波長の間である。第2結合ギャップd2は、フィーディング部1233及び短絡回路部1234に相互結合構造を形成させる。このように、より均一な励起電流分布が放射部122上の信号源121の信号フィーディング端に生成されることができる。従って、動作帯域内の周波数に伴うアンテナ入力インピーダンスの変動度を低減し、動作帯域のインピーダンス整合を強化することができる。
【0049】
第1結合ギャップd1は、閉導体ループの路径上の電流ベクトルと、放射部の信号フィーディング端の電流ベクトルとの直交性を向上することができる。このように、放射部122以外の結合エネルギー強度が効率的に低減されることができる。従って、他の異なるタイプのアンテナ放射部が放射部122以外に構成されることができる。更に、アンテナ120の動作帯域内において、放射部122は、他の隣接するアンテナ放射部に相対的により低い相互結合効果を与えることができる。このように、放射部122及び他の隣接するアンテナ放射部の間のより良好なエネルギーアイソレーションを達成することができ、マルチアンテナシステムの全体寸法を低減することができる。前記他のタイプのアンテナ放射部は、PIFAタイプ、IFAタイプ、モノポールアンテナタイプ、ダイポールアンテナタイプ、スロットアンテナタイプ、ループアンテナタイプ、ヘリカルアンテナタイプ、QHAタイプ、NHAタイプ、他のアンテナタイプのアンテナ放射部であるか、異なるアンテナタイプのアンテナ放射部の組み合わせであることができる。幾つかの実施形態においては、1つ以上のグランドであることができる。他の幾つかの実施形態においては、1つ以上の放射部であることができる。
【0050】
図13は、本発明の好適実施形態に関する通信デバイス130の機能ブロック図である。通信デバイス130は、少なくともアンテナ1301及びトランシーバモジュール1302を含む。トランシーバモジュール1302は、少なくとも1つの信号源を含み、図1Aの信号源121に類似する。アンテナ1301は、図1Aに示すアンテナ1に類似する。アンテナ1301は、トランシーバモジュール1302に電気接続又は結合され、少なくとも1つのグランド及び少なくとも1つの放射部を含む。
【0051】
図1Aは、アンテナ1301の詳細技術内容に対し参照されることができる。グランドは、誘電体基板上に配置され、放射部は、閉導体ループを含む。閉導体ループは、複数の屈曲部を有し、三次元構造を形成し、第1結合ギャップが第1結合導体及び第2結合導体の間に形成される。閉導体ループは、更にフィーディング部及び短絡回路部を有し、フィーディング部及び短絡回路部の間に第2結合ギャップを形成する。フィーディング部は、少なくとも1つの信号源に電気接続され、短絡回路部は、グランドに電気接続される。また、放射部は、アンテナに動作帯域を生成させ、トランシーバモジュール1302は、アンテナ1301を介し、少なくとも1つの通信帯域の電磁信号を送信又は受信するよう構成される。動作帯域は、シングル共振モード、デュアル共振モード又はマルチ共振モードにより励起されることができる。
【0052】
本発明の他の実装において、通信デバイス130は、他のデバイス(図13に示さず)、例えば、周波数変換ユニット、増幅器、アナログデジタルコンバータ、デジタルアナログコンバータ、変調器、復調器及びデジタル信号プロセッサを含むことができる。トランシーバモジュール1302は、少なくとも1つの通信帯域の送信又は受信される電磁信号上に、例えば、信号ゲイン、フィルタリング、周波数変換又は復調等の信号処理を行うことができる。しかしながら、本実施形態の技術的要点は、アンテナ1301及びアンテナ1301及びトランシーバモジュール1302の間の接続関係にあるので、通信デバイス130の他のコンポーネントの詳細な説明は、ここでは省略する。
【0053】
更に、本発明の全てのアンテナ実施形態において、閉導体ループ13,23,33,43,103,113,123は、異なる導体材質、例えば、金、銀、銅、鉄等の一般的に使用される導体材質で形成されることができるが、本発明は、これに限定するものではない。他の実施形態において、閉導体ループ13,23,33,43,10,113,123は、如何なる閉導体ループであってもよく、その導体材質は、金属、合金又は非金属、例えば、カーボンナノチューブ、又は他の適切な導体材質又は異なる導体材質の組み合わせであることができるが、本発明は、これに限定するものではない。また、単一の材質又は異なる材質の組み合わせが、閉導体ループを製造することに使用されることができる。
【0054】
以上のごとく、この発明を実施形態により開示したが、もとより、この発明を限定するためのものではなく、当業者であれば容易に理解できるように、この発明の技術思想の範囲内において、適当な変更ならびに修正が当然なされうるものであるから、その特許権保護の範囲は、特許請求の範囲および、それと均等な領域を基準として定めなければならない。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明の実施形態に基づくアンテナ及びその通信デバイスは、マルチアンテナシステムに適用されることができる。提示されるアンテナ構造において、前記閉導体ループは、概ね同等配列アンテナ構造又はアーキテクチャを形成することができ、前記アンテナの動作帯域のインピーダンス帯域幅を効果的に広げることができる。前記放射部は、前記アンテナに少なくとも1つの通信帯域の電磁信号を送信又は受信させるよう構成された動作帯域を生成させる。前記動作帯域は、シングル共振モード、デュアル共振モード、マルチ共振モードにより励起又は形成されることができる。前記第2結合ギャップは、前記フィーディング部及び前記短絡回路部に相互結合構造を形成させる。このように、より均一な励起電流分布が前記放射部の前記フィーディング部に生成されることができる。従って、前記動作帯域内の周波数に伴う前記アンテナの入力インピーダンスの変動度がより低くなり、前記動作帯域のインピーダンス整合を改善又は強化することができる。前記第1結合ギャップは、前記閉導体ループの路径上の電流ベクトルと、前記放射部の前記フィーディング部又は信号フィーディング端の電流ベクトルとの直交性を向上することができる。このように、前記放射部以外の近郊場の結合エネルギー強度が効果的に低減されることができる。従って、他の異なるタイプのアンテナ放射部が前記放射部の他に構成されることができる。更に、前記アンテナの前記動作帯域内で、前記放射部は、他の隣接アンテナ放射部と相対的により小さな相互結合効果を有することができる。このように、良好なエネルギー又はポートアイソレーション度を容易に達成し、マルチアンテナシステムの全体寸法を低減することができる。このように、提示されるアンテナ構造は、通信デバイスの制限された利用可能なアンテナ空間内でマルチアンテナアーキテクチャを達成することができる。
【符号の説明】
【0056】
1,2,3,4,7,8,9,10,110,120 アンテナ
11 グランド
111 基板
12,22,32,42,102,112,122 放射部
13,23,33,43,103,113,123 閉導体ループ
131,231,331,431,1031,1131,1231 第1結合導体部
132,232,332,432,1032,1132,1232 第2結合導体部
133,233,333,433,1033,1133,1233 第1結合ギャップ
134,234,334,434,1034,1134,1234 短絡回路部
135,235,335,435 閉導体ループの全路径
436 集中チップインダクタ
d2 第2結合ギャップ
121,141,151,221,321,421,422,641,651,741,751,841,851,941 信号源
1211,3211,6411,6511 動作帯域
1264,1265,6465 アイソレーション曲線
1035,1036,1037,1135,1136,1235,1236,1237 導体部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘電体基板上に配置され少なくとも1つのグランドと、
少なくとも1つの信号源及び閉導体ループを含む少なくとも1つの放射部を含み、
前記閉導体ループは、第1結合導体部、第2結合導体部、複数の屈曲部、フィーディング部及び短絡回路部を有し、前記複数の屈曲部が三次元構造を形成し、前記第1結合導体部および前記第2結合導体部の間に第1結合ギャップが形成され、
前記フィーディング部及び前記短絡回路部の間に第2結合ギャップを形成し、前記フィーディング部は、前記少なくとも1つの信号源に電気接続又は結合され、前記短絡回路部は、前記少なくとも1つのグランドに電気接続又は結合され、前記少なくとも1つの放射部が、前記アンテナに動作帯域を生成させ、少なくとも1つの通信帯域の電磁信号を送受信するよう構成されるアンテナ。
【請求項2】
前記第1結合ギャップが、前記動作帯域の中心周波数の0.25波長以下である請求項1に記載のアンテナ。
【請求項3】
前記第2結合ギャップが、前記動作帯域の中心周波数の0.1波長以下である請求項1に記載のアンテナ。
【請求項4】
前記閉動作ループの全路径の長さが、前記動作帯域の中心周波数の1.4波長〜4.2波長の間である請求項1に記載のアンテナ。
【請求項5】
前記フィーディング部及び前記短絡回路部の間の導体路径は、前記動作帯域の中心周波数の0.7波長〜2.1波長の間である請求項1に記載のアンテナ。
【請求項6】
整合回路が前記フィーディング部及び前記少なくとも1つの信号源の間に構成される請求項1に記載のアンテナ。
【請求項7】
前記整合回路が容量結合フィーディング、誘導結合フィーディング、ロー路径、ハイ路径、バンド路径、バンドリジェクト、L型回路又はπ型回路アーキテクチャである請求項6に記載のアンテナ。
【請求項8】
前記少なくとも1つのグランドが印刷法又はエッチング法により前記誘電体基板上に形成される請求項1に記載のアンテナ。
【請求項9】
前記閉導体ループが異なる導体幅を有する請求項1に記載のアンテナ。
【請求項10】
前記閉導体ループの路径がインダクタ又は分配又は集中タイプのコンデンサを有する請求項1に記載のアンテナ。
【請求項11】
異なるアンテナタイプの他のアンテナ放射部が、前記少なくとも1つの放射部以外に構成されることができる請求項1に記載のアンテナ。
【請求項12】
平板逆Fアンテナタイプ、逆Fアンテナタイプ、モノポールアンテナタイプ、ダイポールアンテナタイプ、スロットアンテナタイプ、ループアンテナタイプ、へリカルアンテナタイプ、4線巻きヘリカルアンテナタイプ、N線巻きヘリカルアンテナタイプ、又はそれらの異なるアンテナタイプのアンテナ放射部の組み合わせが前記少なくとも1つの放射部以外に構成されることができる請求項1に記載のアンテナ。
【請求項13】
少なくとも1つの信号源となるよう構成される少なくとも1つのトランシーバモジュールと、
前記トランシーバモジュールに電気接続又は結合され、少なくとも1つのグランド及び少なくとも1つの放射部を含み、前記少なくとも1つのグランドが誘電体基板上に配置される少なくとも1つのアンテナと、を含み、
前記少なくとも1つの放射部が、閉導体ループを含み、
前記閉導体ループは、第1結合導体部、第2結合導体部、三次元構造を形成する複数の屈曲部、フィーディング部及び短絡回路部を有し、前記第1結合導体部及び前記第2結合導体部の間に第1結合ギャップを形成され、前記フィーディング部及び前記短絡回路部の間に第2結合ギャップを形成し、
前記フィーディング部が、前記少なくとも1つの信号源に電気接続又は結合され、前記短絡回路部が、前記少なくとも1つのグランドに電気接続又は結合され、前記少なくとも1つの放射部が、前記アンテナに動作帯域を生成させ、前記トランシーバモジュールが、前記少なくとも1つのアンテナにより前記動作帯域を介して少なくとも1つの通信帯域の電磁信号を送信又は受信するよう構成される通信デバイス。
【請求項14】
前記第1結合ギャップが、前記動作帯域の中心周波数の0.25波長以下である請求項13に記載の通信デバイス。
【請求項15】
前記第2結合ギャップが、前記動作帯域の中心周波数の0.1波長以下である請求項13に記載の通信デバイス。
【請求項16】
前記閉動作ループの全路径の長さが、前記動作帯域の中心周波数の1.4波長〜4.2波長の間である請求項13に記載の通信デバイス。
【請求項17】
前記フィーディング部及び前記短絡回路部の間の導体路径は、前記動作帯域の中心周波数の0.7波長〜2.1波長の間である請求項13に記載の通信デバイス。
【請求項18】
整合回路が前記フィーディング部及び前記少なくとも1つの信号源の間に構成される請求項13に記載の通信デバイス。
【請求項19】
前記整合回路が容量結合フィーディング、誘導結合フィーディング、ロー路径、ハイ路径、バンド路径、バンドリジェクト、L型回路又はπ型回路アーキテクチャである請求項18に記載の通信デバイス。
【請求項20】
前記閉導体ループが異なる導体幅を有する請求項13に記載の通信デバイス。
【請求項21】
異なるアンテナタイプの他のアンテナ放射部が、前記少なくとも1つの放射部以外に構成されることができる請求項13に記載の通信デバイス。
【請求項22】
平板逆Fアンテナタイプ、逆Fアンテナタイプ、モノポールアンテナタイプ、ダイポールアンテナタイプ、スロットアンテナタイプ、ループアンテナタイプ、へリカルアンテナタイプ、4線巻きヘリカルアンテナタイプ、N線巻きヘリカルアンテナタイプ、又はそれらの異なるアンテナタイプのアンテナ放射部の組み合わせが前記少なくとも1つの放射部以外に構成されることができる請求項13に記載の通信デバイス。
【請求項23】
前記閉導体ループの路径がインダクタ又は分配又は集中タイプのコンデンサを有する請求項13に記載の通信デバイス。
【請求項1】
誘電体基板上に配置され少なくとも1つのグランドと、
少なくとも1つの信号源及び閉導体ループを含む少なくとも1つの放射部を含み、
前記閉導体ループは、第1結合導体部、第2結合導体部、複数の屈曲部、フィーディング部及び短絡回路部を有し、前記複数の屈曲部が三次元構造を形成し、前記第1結合導体部および前記第2結合導体部の間に第1結合ギャップが形成され、
前記フィーディング部及び前記短絡回路部の間に第2結合ギャップを形成し、前記フィーディング部は、前記少なくとも1つの信号源に電気接続又は結合され、前記短絡回路部は、前記少なくとも1つのグランドに電気接続又は結合され、前記少なくとも1つの放射部が、前記アンテナに動作帯域を生成させ、少なくとも1つの通信帯域の電磁信号を送受信するよう構成されるアンテナ。
【請求項2】
前記第1結合ギャップが、前記動作帯域の中心周波数の0.25波長以下である請求項1に記載のアンテナ。
【請求項3】
前記第2結合ギャップが、前記動作帯域の中心周波数の0.1波長以下である請求項1に記載のアンテナ。
【請求項4】
前記閉動作ループの全路径の長さが、前記動作帯域の中心周波数の1.4波長〜4.2波長の間である請求項1に記載のアンテナ。
【請求項5】
前記フィーディング部及び前記短絡回路部の間の導体路径は、前記動作帯域の中心周波数の0.7波長〜2.1波長の間である請求項1に記載のアンテナ。
【請求項6】
整合回路が前記フィーディング部及び前記少なくとも1つの信号源の間に構成される請求項1に記載のアンテナ。
【請求項7】
前記整合回路が容量結合フィーディング、誘導結合フィーディング、ロー路径、ハイ路径、バンド路径、バンドリジェクト、L型回路又はπ型回路アーキテクチャである請求項6に記載のアンテナ。
【請求項8】
前記少なくとも1つのグランドが印刷法又はエッチング法により前記誘電体基板上に形成される請求項1に記載のアンテナ。
【請求項9】
前記閉導体ループが異なる導体幅を有する請求項1に記載のアンテナ。
【請求項10】
前記閉導体ループの路径がインダクタ又は分配又は集中タイプのコンデンサを有する請求項1に記載のアンテナ。
【請求項11】
異なるアンテナタイプの他のアンテナ放射部が、前記少なくとも1つの放射部以外に構成されることができる請求項1に記載のアンテナ。
【請求項12】
平板逆Fアンテナタイプ、逆Fアンテナタイプ、モノポールアンテナタイプ、ダイポールアンテナタイプ、スロットアンテナタイプ、ループアンテナタイプ、へリカルアンテナタイプ、4線巻きヘリカルアンテナタイプ、N線巻きヘリカルアンテナタイプ、又はそれらの異なるアンテナタイプのアンテナ放射部の組み合わせが前記少なくとも1つの放射部以外に構成されることができる請求項1に記載のアンテナ。
【請求項13】
少なくとも1つの信号源となるよう構成される少なくとも1つのトランシーバモジュールと、
前記トランシーバモジュールに電気接続又は結合され、少なくとも1つのグランド及び少なくとも1つの放射部を含み、前記少なくとも1つのグランドが誘電体基板上に配置される少なくとも1つのアンテナと、を含み、
前記少なくとも1つの放射部が、閉導体ループを含み、
前記閉導体ループは、第1結合導体部、第2結合導体部、三次元構造を形成する複数の屈曲部、フィーディング部及び短絡回路部を有し、前記第1結合導体部及び前記第2結合導体部の間に第1結合ギャップを形成され、前記フィーディング部及び前記短絡回路部の間に第2結合ギャップを形成し、
前記フィーディング部が、前記少なくとも1つの信号源に電気接続又は結合され、前記短絡回路部が、前記少なくとも1つのグランドに電気接続又は結合され、前記少なくとも1つの放射部が、前記アンテナに動作帯域を生成させ、前記トランシーバモジュールが、前記少なくとも1つのアンテナにより前記動作帯域を介して少なくとも1つの通信帯域の電磁信号を送信又は受信するよう構成される通信デバイス。
【請求項14】
前記第1結合ギャップが、前記動作帯域の中心周波数の0.25波長以下である請求項13に記載の通信デバイス。
【請求項15】
前記第2結合ギャップが、前記動作帯域の中心周波数の0.1波長以下である請求項13に記載の通信デバイス。
【請求項16】
前記閉動作ループの全路径の長さが、前記動作帯域の中心周波数の1.4波長〜4.2波長の間である請求項13に記載の通信デバイス。
【請求項17】
前記フィーディング部及び前記短絡回路部の間の導体路径は、前記動作帯域の中心周波数の0.7波長〜2.1波長の間である請求項13に記載の通信デバイス。
【請求項18】
整合回路が前記フィーディング部及び前記少なくとも1つの信号源の間に構成される請求項13に記載の通信デバイス。
【請求項19】
前記整合回路が容量結合フィーディング、誘導結合フィーディング、ロー路径、ハイ路径、バンド路径、バンドリジェクト、L型回路又はπ型回路アーキテクチャである請求項18に記載の通信デバイス。
【請求項20】
前記閉導体ループが異なる導体幅を有する請求項13に記載の通信デバイス。
【請求項21】
異なるアンテナタイプの他のアンテナ放射部が、前記少なくとも1つの放射部以外に構成されることができる請求項13に記載の通信デバイス。
【請求項22】
平板逆Fアンテナタイプ、逆Fアンテナタイプ、モノポールアンテナタイプ、ダイポールアンテナタイプ、スロットアンテナタイプ、ループアンテナタイプ、へリカルアンテナタイプ、4線巻きヘリカルアンテナタイプ、N線巻きヘリカルアンテナタイプ、又はそれらの異なるアンテナタイプのアンテナ放射部の組み合わせが前記少なくとも1つの放射部以外に構成されることができる請求項13に記載の通信デバイス。
【請求項23】
前記閉導体ループの路径がインダクタ又は分配又は集中タイプのコンデンサを有する請求項13に記載の通信デバイス。
【図1A】
【図1B】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図1B】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−13084(P2013−13084A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−144456(P2012−144456)
【出願日】平成24年6月27日(2012.6.27)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(390023582)財團法人工業技術研究院 (524)
【住所又は居所原語表記】195 Chung Hsing Rd.,Sec.4,Chutung,Hsin−Chu,Taiwan R.O.C
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−144456(P2012−144456)
【出願日】平成24年6月27日(2012.6.27)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(390023582)財團法人工業技術研究院 (524)
【住所又は居所原語表記】195 Chung Hsing Rd.,Sec.4,Chutung,Hsin−Chu,Taiwan R.O.C
【Fターム(参考)】
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