説明

アンテナ用筐体

【課題】アンテナ放射素子12を覆うレドームとしてのアンテナ用筐体20で、低仰角方向の感度を改善したアンテナ用筐体を提供する。
【解決手段】アンテナ放射素子12を天頂側から低仰角側まで覆うアンテナ用筐体20であって、少なくとも低仰角側の部分で、アンテナ放射素子12から放射された電波がアンテナ用筐体20を構成する誘電体部材内に入射する入射位置Aにおけるアンテナ用筐体20の内周面20aの天頂方向を含む縦断面上の接線の入射位置Aより下部分と電波が入射する方向との角度(θ1)が、誘電体部材内に入射した電波が誘電体部材からアンテナ用筐体20の外方に放射される放射位置Bにおけるアンテナ用筐体20の外周面20bの天頂方向を含む縦断面上の接線の放射位置Bより下部分と電波が誘電体部材内に入射した方向との角度(θ2)よりも、小さく(θ1<θ2)なるように、内周面20aと外周面20bを構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、GPSアンテナまたは移動体通信用アンテナ等の平面型のアンテナ放射素子を覆うアンテナ用筐体により、低仰角方向のアンテナ感度を改善するようにしたアンテナ用筐体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
GPSアンテナまたは移動体通信用アンテナ等の平面型のアンテナ放射素子として、誘電体基板上に放電電極を設けたマイクロストリップアンテナが汎用されている。このアンテナ放射素子にあっては、天頂方向の感度は優れているが、低仰角方向の感度は天頂方向に比べて低くなる問題点がある。そこで、この低仰角方向の感度を向上させることを図った技術が、特開平05−199032号公報で提案されている。この技術は、マイクロストリップアンテナの外周端の周囲に環状に、断面が三角形状の誘電体を配設したものである。この断面が三角形状の誘電体によるプリズム効果で、電波を低仰角方向に屈折させて、低仰角方向のアンテナ感度を向上させたものである。
【特許文献1】特開平05−199032号公報
【0003】
ところで、GPSアンテナまたは移動体通信用アンテナ等の平面型のアンテナ放射素子にあっては、これを機械的に保護するために、一般的に、天頂方向から低仰角方向までを覆うレドームが配設される。従来のレド−ムにあっては、図8および図9に示すごとく、そのレドームとしてのアンテナ用筐体10の断面は一定の厚さで、ABS樹脂やASA樹脂などで形成され、機械的強度が強くかつ耐候性があり、しかもアンテナ放射素子12のアンテナ特性になるべく影響がないように、比誘電率の小さい誘電体材料(εγ=2〜3)が用いられていた。なお、図8は、従来のアンテナ用筐体の外観斜視図であり、図9は、図8の従来のアンテナ用筐体でアンテナ放射素子を覆った状態のA−A縦断面図である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の特開平05−199032号公報で提案された技術にあっては、低仰角方向の電波を高い感度で送受信できる優れたものである。しかるに、マイクロストリップアンテナの外周端の周囲に、断面が三角形状の誘電体を環状に配設しているので、この誘電体の影響を受ける仰角と影響を全く受けない仰角との間で感度に大きな相違を生ずる虞がある。また、このマイクロストリップアンテナを保護するためのレドームが別途に必要となる。そこで、発明者らは、レドームとしてのアンテナ用筐体を単にアンテナ放射素子を保護するための部材として用いるだけでなく、アンテナ放射素子のアンテナ特性を改善するためにも用いることを考えた。
【0005】
本発明は、上述のごとき事情により発明されたもので、アンテナ放射素子を覆うレドームとしてのアンテナ用筐体により、低仰角方向の感度を改善するようにしたアンテナ用筐体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる目的を達成するために、本発明のアンテナ用筐体は、アンテナ放射素子を天頂側から低仰角側まで覆うアンテナ用筐体であって、前記アンテナ用筐体の少なくとも前記低仰角側の部分で、前記アンテナ放射素子から放射された電波が前記アンテナ用筐体を構成する誘電体部材内に入射する入射位置における前記アンテナ用筐体の内周面の天頂方向を含む縦断面上の接線の前記入射位置より下部分と前記電波が入射する方向との角度(θ1)が、前記誘電体部材内に入射した前記電波が前記誘電体部材から前記アンテナ用筐体の外方に放射される放射位置における前記アンテナ用筐体の外周面の前記天頂方向を含む縦断面上の接線の前記放射位置より下部分と前記電波が前記誘電体部材内に入射した方向との角度(θ2)よりも、小さく(θ1<θ2)なるように前記アンテナ用筐体の前記内周面と前記外周面が構成されている。
【0007】
そして、前記アンテナ用筐体の前記誘電体部材が、アンテナとして動作が必要とされる低仰角側の部分で、より低仰角となる下側ほど厚くなるように構成しても良い。
【0008】
また、前記アンテナ放射素子から放射された電波が前記誘電体部材内に入射する入射位置における前記内周面の傾きより、前記電波が前記誘電体部材から外方に放射される放射位置における前記外周面の傾きが、より水平方向に近くなるように前記アンテナ用筐体の前記内周面と前記外周面を構成しても良い。
【0009】
さらに、前記アンテナ用筐体の前記内周面と前記外周面を、いずれも球面または楕円状球面で構成しても良い。
【0010】
そしてまた、前記アンテナ用筐体を構成する誘電体部材を、比誘電率が10以上でしかも誘電正接が0.001以下の素材で構成しても良い。
【発明の効果】
【0011】
請求項1ないし3記載のアンテナ用筐体にあっては、アンテナ用筐体の少なくとも低仰角側の部分で、アンテナ用筐体を構成する誘電体部材内に入射する入射位置におけるアンテナ用筐体の内周面と電波が入射する方向との角度(θ1)が、誘電体部材から外方に放射される放射位置における外周面と電波が誘電体部材内に入射した方向との角度(θ2)よりも、小さく(θ1<θ2)構成されているので、内周面と外周面が電波の入射した方向に対する角度が同じものと比較して、より低い仰角で放射される。もって、低仰角方向の感度が向上する。しかも、アンテナ放射素子を覆うレド−ムとしてのアンテナ用筐体を用いて低仰角方向の感度を改善するので、部品点数は従来と同じである。
【0012】
そして、請求項4記載のアンテナ用筐体にあっては、内周面と外周面が球面または楕円状球面としたので、天頂方向から低仰角方向までアンテナ用筐体の断面形状が連続して変化し、アンテナ用筐体によりアンテナ特性の感度が急激に変化するような仰角を生じさせない。
【0013】
さらに、請求項5記載のアンテナ用筐体にあっては、アンテナ用筐体を構成する誘電体部材の比誘電率が大きいので、誘電体部材内に入射もしくは誘電体内から放射される際の電波の屈折する角度が大きく、より低仰角方向に電波を放射することができる。しかも、実験によれば、天頂方向の感度も改善しており、アンテナ用筐体もアンテナ放射素子として作用し、放射面積が広がった分だけ感度が改善したと考えられる。そして、誘電正接の小さい素材を用いることで、アンテナ用筐体による損失をできるだけ小さなものとすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の第1実施例を図1ないし図3を参照して説明する。図1は、本発明のアンテナ用筐体の第1実施例の外観斜視図である。図2は、図1のアンテナ用筐体でアンテナ放射素子を覆った状態の図1のB−B縦断面図である。図3は、図1のアンテナ用筐体の構造で低仰角方向の感度が向上することを説明するための図である。
【0015】
図1ないし図3において、本発明の第1実施例のアンテナ用筐体20は、平面形状が円形のお椀を伏せたような形状で、その内周面20aと外周面20bがともに球面または楕円状球面に構成され、その内周面20aの曲率よりも、外周面20bの曲率が大きくなるような形状である。そして、一例として、PPS樹脂等の比誘電率が大きく(εγ=10以上)て誘電正接の小さい(0.001以下)誘電体部材で構成されている。さらに、その内部に、平面型等のアンテナ放射素子12が配設され、アンテナ用筐体20によりアンテナ放射素子12が天頂側から低仰角側まで覆われる。しかも、アンテナ用筐体20の少なくとも低仰角側の部分で、アンテナ放射素子12から放射された電波がアンテナ用筐体20を構成する誘電体部材内に入射する入射位置Aにおけるアンテナ用筐体の内周面20aの天頂方向を含む縦断面上の接線の入射位置Aより下部分と電波が入射する方向との角度をθ1とし、誘電体部材内に入射した電波が誘電体部材からアンテナ用筐体20の外方に放射される放射位置Bにおけるアンテナ用筐体20の外周面20bの天頂方向を含む縦断面上の接線の放射位置Bより下部分と電波が誘電体部材内に入射した方向との角度をθ2とすると、角度θ1が角度θ2よりも小さく(θ1<θ2)なるように、アンテナ用筐体20の内周面20aと外周面20bが構成されている。かかる構造は、アンテナ用筐体20の誘電体部材が、アンテナとして動作が必要とされる低仰角側の部分で、より低仰角となる下側ほど厚くなるように構成されたものでもある。また、アンテナ放射素子12から放射された電波がアンテナ用筐体20の誘電体部材内に入射する入射位置Aにおける内周面20aの傾きより、電波が誘電体部材から外方に放射される放射位置Bにおける外周面20bの傾きが、より水平方向に近くなるようにアンテナ用筐体20の内周面20aと外周面20bとが構成されたものでもある。
【0016】
かかる構成からなる第1実施例のアンテナ用筐体20にあっては、外周面20bの放射位置Bから外方に放射される電波の放射方向は、内周面20aの入射位置Aに入射する電波の入射方向よりも、低くい仰角方向となる。そこで、アンテナ用筐体20により低仰角側のアンテナの感度の向上が図られる。これは、アンテナ用筐体20の内方と外方がともに比誘電率が1の空気であり、アンテナ用筐体20の誘電体部材は空気よりも遙かに大きな比誘電率であるために、誘電体部材に入射および放射される際に、スネルの法則により、電波の方向が屈折され、入射位置Aでの内周面20aと電波が入射する方向との角度(θ1)を、放射位置Bでの外周面20bと電波が誘電体部材内に入射した方向との角度(θ2)よりも小さく(θ1<θ2)することで、入射位置Aに入射する電波の入射方向よりも、放射位置Bから放射される電波の放射方向が、低くい仰角方向となる。
【0017】
ここで、入射位置Aに入射する電波の入射方向よりも、放射位置Bから放射される電波の放射方向が、より低くい仰角方向となることを簡単に説明する。まず、図3において、入射位置Aで内周面20aの接線に対する垂直線と電波の入射方向の角度をα1とし、誘電体部材内に入射して屈曲されて進む方向の角度をγ1とし、放射位置Bで外周面20bの接線に対する垂直線と電波の入射方向の角度をα2とし、誘電体部材内から放射されて屈曲されて進む方向の角度をγ2とする。また、内周面20aと外周面20bの傾きの違いの角度をβとする。この角度βは、内周面20aと外周面20bのそれぞれの接線に対する垂直線のなす角度でもある。さらに、内周面20aの接線に対する垂直線と平行な線に対して、放射位置Bから放射される電波の放射方向のなす角度をγ2’とする。すると、θ1=α1+90°であり、θ2=θ1+βである。そして、スネルの法則により、γ1/α1=α2/γ2である。さらに、α2=γ1+βである。そして、γ2’=γ2−βである。これらの式から、γ2’=α1+β・α1/γ1−βとなる。そして、α1>γ1であるために、γ2’>α1となり、入射位置Aに入射する電波の入射方向よりも、放射位置Bから放射される電波の放射方向が、より低くい仰角方向となる。
【0018】
本発明者らは、実験により本発明の第1実施例のアンテナ用筐体20と従来のアンテナ用筐体10によるアンテナ特性を比較した。まず、アンテナ用筐体10、20をいずれも比誘電率が3の同じ誘電部材で構成して測定した。なお、本発明のアンテナ用筐体20にあっては、平面寸法が46mmの直径を有する円形で高さが12mmであり、従来のアンテナ用筐体10は図8および図9に示す形状で、平面寸法が35.5×30.4mmで高さが11.5mmである。測定結果は、本発明のアンテナ用筐体20が天頂方向で0.6dBicで+10度の低仰角方向で−4.2dBicであったのに対して、従来のアンテナ用筐体10では天頂方向で0.6dBicで+10度の低仰角方向で−5.6dBicであった。したがって、低仰角方向にて感度の向上が図られている。さらに、本発明のアンテナ用筐体20を比誘電率が20の誘電部材で構成して測定した。すると、比誘電率が20の本発明のアンテナ用筐体20では、天頂方向で1.1dBicで+10度の低仰角方向で−3.8dBicとなり、比誘電率の大きな誘電部材に変更することにより、全体的にあらゆる仰角方向で感度が向上した。これは、アンテナ用筐体20もアンテナ放射素子として作用し、放射面積が広がった分だけ感度が改善したと考えられる。なお、比誘電率が高く誘電正接が0.001以下と小さい素材を用いることで、アンテナ用筐体20による損失をできるだけ小さなものとしている。さらに、発明者らは、本発明の第1実施例のアンテナ用筐体20を比誘電率が3、5、10、20、25、30の誘電部材でそれぞれに構成して、アンテナ特性をそれぞれに測定した。すると、+10度の低仰角方向で−2.3dBic、−2.1dBic、−1.8dBic、−1.5dBic、−1.5dBic、−1.3dBicとそれぞれの感度が得られた。これらの測定結果から、比誘電率が10以上の誘電体部材を用いると、より感度が向上することが分かった。
【0019】
次に、本発明の第2実施例を図4および図5を参照して説明する。図4は、第2実施例のアンテナ用筐体でアンテナ放射素子を覆った状態の縦断面図である。図5は、図4のアンテナ用筐体の構造で低仰角方向の感度が向上することを説明するための図である。図4および図5において、図1ないし図3と同じまたは均等な部材には、同じ符号を付けて重複説明を省略する。
【0020】
図4および図5において、本発明の第2実施例のアンテナ用筐体30は、その外観は図8に示す従来のものとほぼ外観が同じで、断面形状が略台形であるが、アンテナとして動作が必要とされる低仰角側の部分で、より低仰角となる下側ほど厚くなるように構成されており、アンテナ放射素子12から放射された電波がアンテナ用筐体30の誘電体部材内に入射する入射位置Aにおける内周面30aの傾きより、電波が誘電体部材から外方に放射される放射位置Bにおける外周面30bの傾きが、より水平方向に近くなるようにアンテナ用筐体30の内周面30aと外周面30bが構成されている。そして、その内部に、平面型等のアンテナ放射素子12が配設され、アンテナ用筐体30によりアンテナ放射素子12が天頂側から低仰角側まで覆われる。もって、アンテナ放射素子12から放射された電波がアンテナ用筐体30を構成する誘電体部材内に入射する入射位置Aにおけるアンテナ用筐体の内周面30aの天頂方向を含む縦断面上の接線の入射位置Aより下部分と電波が入射する方向との角度をθ1とし、誘電体部材内に入射した電波が誘電体部材からアンテナ用筐体30の外方に放射される放射位置Bにおけるアンテナ用筐体30の外周面30bの天頂方向を含む縦断面上の接線の放射位置Bより下部分と電波が誘電体部材内に入射した方向との角度をθ2とすると、角度θ1が角度θ2よりも小さく(θ1<θ2)なるように、アンテナ用筐体30の内周面30aと外周面30bが構成されている。
【0021】
かかる構成からなる第2実施例のアンテナ用筐体30にあっても、第1実施例と同様に、外周面30bの放射位置Bから外方に放射される電波の放射方向は、内周面30aの入射位置Aに入射する電波の入射方向よりも、低くい仰角方向となり、アンテナ用筐体30により低仰角側のアンテナの感度の向上が図られる。
【0022】
なお、低仰角方向の部分であっても、アンテナとしての動作が必要とされない低仰角部分では、図6に示すごとく、アンテナ用筐体40の外周面40bの外縁部40cが縦方向に切断されたものであっても良い。図6は、第3実施例のアンテナ用筐体40でアンテナ放射素子12を覆った状態の縦断面図である。アンテナとしての動作が必要とされる低仰角側の部分では、アンテナ用筐体40の内周面40aと外周面40bの傾きが、第1および第2実施例と同様に設定されることは勿論である。
【0023】
また、低仰角方向の部分であっても、アンテナとしての動作が必要とされない低仰角部分では、図7に示すごとく、アンテナ用筐体50の外周面50bの外縁部50cが下側が内側に食い込む傾斜面で切断されたものであっても良い。図7は、第4実施例のアンテナ用筐体50でアンテナ放射素子12を覆った状態の縦断面図である。アンテナとしての動作が必要とされる低仰角側の部分では、アンテナ用筐体50の内周面50aと外周面50bの傾きが、第1および第2実施例と同様に設定されることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明のアンテナ用筐体の第1実施例の外観斜視図である。
【図2】図1のアンテナ用筐体でアンテナ放射素子を覆った状態の図1のB−B縦断面図である。
【図3】図1のアンテナ用筐体の構造で低仰角方向の感度が向上することを説明するための図である。
【図4】第2実施例のアンテナ用筐体でアンテナ放射素子を覆った状態の縦断面図である。
【図5】図4のアンテナ用筐体の構造で低仰角方向の感度が向上することを説明するための図である。
【図6】第3実施例のアンテナ用筐体でアンテナ放射素子を覆った状態の縦断面図である。
【図7】第4実施例のアンテナ用筐体でアンテナ放射素子を覆った状態の縦断面図である。
【図8】従来のアンテナ用筐体の外観斜視図である。
【図9】図8の従来のアンテナ用筐体でアンテナ放射素子を覆った状態のA−A縦断面図である。
【符号の説明】
【0025】
10、20、30、40、50 アンテナ用筐体
12 アンテナ放射素子
20a、30a、40a、50a 内周面
20b、30b、40b、50b 外周面
θ1 入射位置Aでの内周面の接線と電波が入射する方向との角度
θ2 放射位置Bでの外周面の接線と電波が誘電体部材内に入射した方向との角度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナ放射素子を天頂側から低仰角側まで覆うアンテナ用筐体であって、前記アンテナ用筐体の少なくとも前記低仰角側の部分で、前記アンテナ放射素子から放射された電波が前記アンテナ用筐体を構成する誘電体部材内に入射する入射位置における前記アンテナ用筐体の内周面の天頂方向を含む縦断面上の接線の前記入射位置より下部分と前記電波が入射する方向との角度(θ1)が、前記誘電体部材内に入射した前記電波が前記誘電体部材から前記アンテナ用筐体の外方に放射される放射位置における前記アンテナ用筐体の外周面の前記天頂方向を含む縦断面上の接線の前記放射位置より下部分と前記電波が前記誘電体部材内に入射した方向との角度(θ2)よりも、小さく(θ1<θ2)なるように前記アンテナ用筐体の前記内周面と前記外周面を構成したことを特徴とするアンテナ用筐体。
【請求項2】
請求項1記載のアンテナ用筐体において、前記アンテナ用筐体の前記誘電体部材が、アンテナとして動作が必要とされる低仰角側の部分で、より低仰角となる下側ほど厚くなるように構成したことを特徴とするアンテナ用筐体。
【請求項3】
請求項1記載のアンテナ用筐体において、前記アンテナ放射素子から放射された電波が前記誘電体部材内に入射する入射位置における前記内周面の傾きより、前記電波が前記誘電体部材から外方に放射される放射位置における前記外周面の傾きが、より水平方向に近くなるように前記アンテナ用筐体の前記内周面と前記外周面を構成したことを特徴とするアンテナ用筐体。
【請求項4】
請求項1記載のアンテナ用筐体において、前記アンテナ用筐体の前記内周面と前記外周面を、いずれも球面または楕円状球面で構成したことを特徴とするアンテナ用筐体。
【請求項5】
請求項1ないし4記載のいずれかのアンテナ用筐体において、前記アンテナ用筐体を構成する誘電体部材を、比誘電率が10以上でしかも誘電正接が0.001以下の素材で構成したことを特徴とするアンテナ用筐体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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