説明

イグナイタ回路、高圧放電ランプ点灯装置、及びその制御方法

【課題】高圧放電ランプ用のイグナイタ回路において、パルストランスの巻数比を高くせず、かつ、点灯指令が発せられてからランプ放電開始までの時間の遅れを小さくする。
【解決手段】直流電圧からパルス電圧を生成して高圧放電ランプに印加するためのイグナイタ回路(600)において、第1の電圧を充電する第1の充電回路(610)、トリガ回路(628)からのトリガ信号に応じて第2の電圧を充電する第2の充電回路(620)、及びパルス出力回路(630)であってパルストランス(632)の1次巻線に第1の電圧と第2の電圧の合計電圧が第2の電圧の充電に応じて印加されるとともに2次巻線に発生するパルス電圧が高圧放電ランプに印加されるパルス出力回路を備える構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概略として、イグナイタ回路、高圧放電ランプ点灯装置、及びその制御方法に関し、具体的には、擬似太陽光を照射する擬似太陽光照射装置に用いるキセノンランプ用イグナイタ回路に関する。
【背景技術】
【0002】
太陽電池の光電変換特性などの各種太陽エネルギー利用機器の性能測定のために、自然太陽光のスペクトル分布を再現する擬似太陽光を被照射体に照射する擬似太陽光照射装置が知られている。この種の擬似太陽光照射装置においては、照射ボックスの内部にキセノンランプからなる光源が設置され、多層蒸着膜が形成されたスペクトル調整用の透過型の光学フィルタが設けられ、この光源からの光が光学フィルタを通過することで放射面から擬似太陽光が放射される。
【0003】
同装置では、例えば、発光長が1000mm以上のキセノンランプ(以下、「ランプ」という)が用いられ、直流のランプ電流が通電され、そのランプ電流値を点灯装置によって調整することにより照射面の照度が制御される。一般的には、点灯時のランプ電流は数十アンペア(例えば70A)、ランプ電圧は数百ボルト(例えば500V)程度であり、このランプ電流/電圧が、1回の点灯あたり数十mSecから数百mSecにわたって通電/印加される。この出力状態が定電流又は定電力で制御され、点灯期間中に被照射体の性能が測定される。
【0004】
上記の場合、ランプ電力が35kWとなり、瞬時(例えば100mSec)とはいえ、この電力を商用電源から直接供給すると、同じ商用電源の系統の周辺機器に障害を及ぼすことや、商用電源と照射装置の間に容量の大きい接点及び配線が必要となることが問題なる。そこで一般には、照射装置内に点灯装置を設け、点灯装置において電力を蓄積し、点灯指令に応じてその蓄積された電力をランプに供給する構成が採用される。
【0005】
図4に従来の点灯装置を示す。同図の点灯装置は、整流回路21及び平滑回路22からなる整流平滑回路2、2段の昇圧コンバータ31及び32からなる昇圧回路3、それぞれの昇圧コンバータの出力に接続され直列接続された主コンデンサ41及び42からなる直流出力部4、ランプ8への供給電力を制御するためにPWM制御される降圧チョッパ回路5、直流出力部4のA点(主コンデンサ41と42の中点)からの直流電圧を受けてランプ8を始動するためのイグナイタ回路6、並びに昇圧回路3、降圧チョッパ回路5のPWM回路56及びイグナイタ回路6のトリガ回路66を制御する制御回路7を備える。
【0006】
上記点灯装置の動作を説明する。整流平滑回路2及び昇圧回路3によって直流出力部4はランプ電圧よりも充分に高い設定電圧、例えば、900V(450V×2)まで充電され、昇圧回路3はこの電圧を維持するように制御又は停止される。この時、イグナイタ回路6においては、抵抗61を介してコンデンサ62が点Aの電圧(即ち450V)に充電され、この状態が維持される。なお、降圧チョッパ回路5は停止している。
【0007】
次に、点灯指令が制御回路7から発せられると、降圧チョッパ回路5の動作が開始され、直流出力部4とほぼ等しい直流電圧(900V)がランプ8両端に印加される。なお、この時点ではランプ8での絶縁破壊は起こっておらず無負荷状態に等しい。その後、制御回路7からの点灯指令を受けてトリガ回路66からサイリスタ63のゲートにトリガ信号が供給され、サイリスタ63が導通状態となる。これにより、コンデンサ62に充電された電圧(450V)がパルストランス64の1次巻線に印加され、パルストランス64の昇圧比(巻数比)に応じたパルス電圧(例えば30kV)が2次巻線に発生する。降圧チョッパ回路5の出力電圧にパルストランス64の2次巻線の電圧が重畳され、ランプ8は絶縁破壊を起こし、点灯を開始する。
【0008】
その後、降圧チョッパ回路5をPWM制御することにより、直流出力部4からの直流電力が定電力制御又は定電流制御されてランプ8に印加される。なお、本装置は短時間点灯を意図しているので、主コンデンサ41及び42に蓄えられた電圧が放電されてランプの放電維持電圧以下になると点灯は終了する。
【0009】
ところで、ランプ8が絶縁破壊を起こすのに印加するパルス電圧については、図5に示すように、ピーク30kV以上、パルス幅3μSec以上のパルスエネルギーが必要となる。即ち、始動時にパルストランス64の2次巻線側に上記程度のパルス電圧を発生させる必要がある。
しかし、点灯装置に用いる半導体部品(例えば、サイリスタ63、ダイオード65等)の耐圧を考慮すると、パルストランス64の1次巻線への印加は450V程度以下とすることが望ましく、パルストランス64が理想的な昇圧性能のものであったとしてもその巻数比を、例えば67倍(=30kV/450V)のように非常に高いものとしなければならない。このように2次巻線数を多くすると、2次巻線で抵抗成分による電圧降下が発生し、それによりランプ8に放電維持電圧が印加される時間が短縮されてしまう。即ち、必要なランプ点灯時間が確保できなくなってしまう。
【0010】
そこで、パルストランスの巻数比を減らす構成として、図6に示す回路が考えられる(例えば、特許文献1、特に図7参照)。図6では、点灯指令信号によってトランジスタ65がオンされると、抵抗61を介してコンデンサ62に点Aの電圧が充電され、充電電圧が電圧スイッチ素子66のブレークダウン電圧(例えば300V)を超えると電圧スイッチ素子66が導通し、トランス67の1次側にコンデンサ62からの放電電流が流れる。これに応じてトランス67の2次巻線に昇圧比に応じた電流が流れ、それを繰り返すことによりコンデンサ69が充電される。コンデンサ69の充電電圧が放電ギャップ63のブレークダウン電圧(例えば3kV)を超えると放電ギャップ63が導通し、パルストランス64の1次巻線にコンデンサ69からの放電電圧が印加される。ここで、パルストランス64の2次巻線側に30kVの電圧を発生させるためにはパルストランス64の巻数比は1:10とすればよい。巻数比が1:10程度であればパルストランス64の2次巻線側での電圧降下は問題とはならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2003−272881号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかし、図6の回路においては、点灯指令が発せられ、トランジスタ65がオンされてからパルストランス64の2次側にパルス電圧が発生するまで、コンデンサ62の充電時間(抵抗61とコンデンサ62の時定数)及びコンデンサ69の充電時間の合計時間を要する。従って、点灯指令が発せられてからランプ8が点灯するまでに時間遅れが生じてしまう。また、この時間遅れはイグナイタ回路を構成する各素子のバラつきによっても変動するため、被照射体の性能を測定するタイミングを所望のタイミングに合わせることが難しくなる。
【0013】
そこで、本発明は、ランプに接続されるパルストランスの巻数比を高くせず、かつ、点灯指令が発せられてからランプ放電開始までの時間の遅れが小さくなるようなイグナイタ回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の第1の側面は、直流電圧からパルス電圧を生成して高圧放電ランプに印加するためのイグナイタ回路(600)であって、第1の電圧を充電する第1の充電回路(610)、トリガ回路(628)からのトリガ信号に応じて第2の電圧を充電する第2の充電回路(620)、及びパルス出力回路(630)であってパルストランス(632)の1次巻線に第1の電圧と第2の電圧の合計電圧が第2の電圧の充電に応じて印加されるとともに2次巻線に発生するパルス電圧が高圧放電ランプに印加されるように構成されたパルス出力回路を備えたイグナイタ回路である。
【0015】
本発明の第2の側面は、直流電圧からパルス電圧を生成して高圧放電ランプに印加するためのイグナイタ回路(600)であって、第1のトランス(615)及び第1のトランスの2次巻線側に発生する電圧を充電する第1のコンデンサ(617)を備えた第1の充電回路(610)、及び第2のトランス(625)及びトリガ回路(628)からのトリガ信号に応じて第2のトランスの2次巻線側に発生する電圧を充電する第2のコンデンサ(627)を備えた第2の充電回路(620)を備え、第1の充電回路の1次巻線側及び第2の充電回路の1次巻線側が直流電圧の発生点に対して並列接続され、第1のコンデンサと第2のコンデンサが直列接続され、さらに、第3のトランス(632)及び第3のトランスの1次巻線に接続された放電ギャップ(631)を備え、第3のトランスの1次巻線及び放電ギャップが第1及び第2のコンデンサの直列回路に直列接続され、第3のトランスの2次巻線が高圧放電ランプに直列接続されるパルス出力回路(630)を備え、第1のコンデンサの充電電圧が放電ギャップのブレークダウン電圧未満であり、第1のコンデンサの充電電圧と第2のコンデンサの充電電圧の合計電圧が放電ギャップのブレークダウン電圧を超えるように構成されたイグナイタ回路である。
【0016】
上記第1又は第2の側面において、第2のコンデンサの充電後にトリガ信号が発生する構成としてもよい。
また、第2のコンデンサの充電電圧を第1のコンデンサの充電電圧よりも低くすることが望ましい。
また、第2のコンデンサの容量を第1のコンデンサの容量よりも低くすることが望ましい。
また、第2のトランスの2次/1次巻数比を第1のトランスの2次/1次巻数比よりも小さくすることが望ましい。
なお、上記イグナイタ回路はキセノンランプ用のイグナイタ回路に特に適している。
【0017】
本発明の第3の側面は、整流平滑回路(2)、昇圧回路(3)、昇圧回路の出力電圧を充電する直流出力部(4)、直流出力部の出力電圧を降圧して高圧放電ランプに印加する降圧チョッパ回路(5)、直流出力部の一部から直流電圧が供給される上記イグナイタ回路(600)、並びに昇圧回路、降圧チョッパ回路及びイグナイタ回路を制御する制御回路(7)を備えた高圧放電ランプ点灯装置である。
【0018】
本発明の第4の側面は、直流電圧からパルス電圧を生成して高圧放電ランプに印加するためのイグナイタ回路(600)を制御する方法であって、直流出力の発生点から第1の充電回路(610)に常時的に第1の電圧を充電しておくステップ、第2の充電回路(620)においてトリガ信号を受信するステップ、第2の充電回路においてトリガ信号に応じて瞬時的に第2の電圧を充電するステップ、及び、第2の電圧の充電に応じて、パルストランス(632)の1次巻線に第1の電圧と第2の合計電圧を印加するとともに2次巻線に発生するパルス電圧を高圧放電ランプに印加するステップを備える方法である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1A】高圧放電ランプの点灯装置を示すブロック図である。
【図1B】本発明のイグナイタ回路を示す回路構成図である。
【図2】本発明のイグナイタ回路の動作を説明する図である。
【図3】本発明のイグナイタ回路の制御方法を示すフローチャートである。
【図4】従来のキセノンランプ用イグナイタ回路を含む点灯装置の回路構成図である。
【図5】キセノンランプに必要な始動パルス電圧を示す図である。
【図6】従来のキセノンランプ用イグナイタ回路を示す回路構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1Aに高圧放電ランプ点灯装置のブロック図を示す。図において、整流平滑回路2、昇圧回路3、直流出力部4、降圧チョッパ回路5及び制御回路7は図4の従来例と同様である。本実施例では、高圧放電ランプ8(以下、「ランプ8」という)として擬似太陽光照射装置に用いるキセノンランプを想定している。
【0021】
図1Bに本発明のイグナイタ回路600を示す。イグナイタ回路600は、第1の充電回路610、第2の充電回路620及びパルス出力回路630からなる。第1の充電回路610及び第2の充電回路620は入力が直流出力部4の中間出力点Aと降圧チョッパ回路5の低電位側Bの間に並列接続され、出力が直列接続される。
【0022】
具体的には、第1の充電回路610はトランス615を備え、その1次巻線、コンデンサ612及び電圧スイッチ613でループが構成され、2次巻線、ダイオード616及びコンデンサ617でループが構成される。
第2の充電回路620はトランス625を備え、その1次巻線、コンデンサ622及びサイリスタ624でループが構成され、2次巻線、ダイオード626及びコンデンサ627でループが構成される。サイリスタ624にはダイオード623が逆並列に接続され、サイリスタ624のゲート端子にはトリガ回路628が接続される。トリガ回路628は制御回路7からの点灯指令信号(E)を受けてトリガ信号をサイリスタ624に供給するように構成されている。
第1及び第2の充電回路610及び620の出力、即ち、コンデンサ617とコンデンサ627は直列接続される。
【0023】
パルス出力回路630はパルストランス632を備え、その1次巻線、放電ギャップ631、コンデンサ617及び627でループが構成され、2次巻線側の出力端Cがランプ8に接続され、出力端Dが降圧チョッパ回路5の低電位側Bに接続される(図1A参照)。
【0024】
次に、図2を参照してイグナイタ回路600の動作を説明する。
図において、t1で点灯装置が起動し、t2で点灯指令が発せられるものとする(図2(a)及び(b)参照)。t1において、図2(a)に示すように昇圧回路3が動作し、図2(c)に示すように点Aの電位が上昇していき、一定(例えば450V)となる。図においては、昇圧回路3は点Aの電位が一定となった後は停止されているが、点Aの電位が一定となるように、例えば間欠的に動作されるようにしてもよい。
【0025】
図2(d)及び(e)に第1の充電回路610におけるコンデンサ612及びコンデンサ617の電圧の変化を示す。第1の充電回路610では点Aの電位が抵抗611を介してコンデンサ612に充電されていく。この充電電圧が電圧スイッチ613のブレークダウン電圧(例えば、300V)を超えると電圧スイッチ613が導通する。これによりコンデンサ612が放電されてトランス615の1次巻線に電流が流れ、2次巻線に巻数比に応じた電圧(後述するコンデンサ617が接続されていなかったとしたら、例えば2.5kVのピーク電圧)が発生する。2次巻線に発生した電圧がダイオード616によって整流されてコンデンサ617に充電される。この動作が繰り返されて、コンデンサ617の充電電圧が徐々に上昇し、トランス615の能力に応じた電圧(ここでは2.5kV)で一定となる。
【0026】
第2の充電回路620について、t1〜t2の間は、図2(f)に示すようにコンデンサ622に点Aの電位が充電されるが、サイリスタ624がオフとなっているので、2次巻線に電圧は発生しない。従って、この期間では、図2(g)及び(h)に示すように、コンデンサ627は充電されず、パルス出力回路630に入力される電圧はコンデンサ617の電圧に等しい。
【0027】
t2で点灯指令が発せられると、トリガ回路628からのトリガ信号によりサイリスタ624がオンする。これによりトランス625の1次巻線に電流が流れ、図2(g)に示すように、2次巻線に巻数比に応じた電圧が発生する。2次巻線に発生した電圧がダイオード626によって整流されてコンデンサ627に充電される。
【0028】
図2(h)及び(i)に示すように、コンデンサ627の充電電圧がコンデンサ617の充電電圧に重畳され、その合計電圧が放電ギャップ631のブレークダウン電圧(例えば3kV)を超えると、放電ギャップ631が導通し、パルストランス632の1次巻線に電流が流れ、巻数比(例えば、1:10)に応じて2次巻線にパルス電圧(例えば30kV)が発生する。
図2(j)に示すように、このパルス電圧によりt3でランプ8の絶縁破壊が起こり、ランプ電流が流れ始める。
【0029】
即ち、本発明では、第1の充電回路610のコンデンサ617にはベースとなる第1の電圧を長い時間をかけて常時的に充電しておき、第2の充電回路620のコンデンサ627にはトリガとなる第2の電圧を短時間で充電する。従って、上記第2の電圧は第1の電圧よりも小さく、第2の電圧の充電時間は第1の電圧の充電時間よりも短く、従って、コンデンサ627の容量はコンデンサ617の容量よりも小さく、トランス625の2次/1次巻数比はトランス615の2次/1次巻数比よりも小さくてよい。
【0030】
図3に上記動作を実行する方法のフローチャートを示す。
ステップS100で、所定の直流電圧を確保する。
ステップS102で、上記直流電圧から第1の充電回路610において常時的にベースとなる第1の電圧を充電しておく。
ステップS104で、第2の充電回路620においてトリガ回路628からのトリガ信号を受信する。
ステップS106で、トリガ信号に応じて瞬時的に第2の充電回路620においてトリガとなる第2の電圧を充電する。
ステップS108で、第2の電圧の充電に応じて、パルストランス632の1次巻線に第1の電圧と第2の電圧の合計電圧を印加して、2次巻線に発生するパルス電圧をランプ8に印加する。
ステップS110で、ランプ8が絶縁破壊されて放電を開始する。
【0031】
以上より、点灯指令が発せられてから実際にランプ電流が流れるまでに要する時間(t2〜t3)は、実質的にコンデンサ627を500Vまで充電する時間に相当し、従来例(例えば図6)の回路に比べて非常に短時間となる。即ち、点灯指令が発せられてから被照射体の性能を測定するタイミングまでの時間遅れが少なく、従ってそのタイミングを合わせ易い。
また、出力パルストランスの巻数比も1:10程度で済むので、その2次巻線での電圧降下も問題とならない。
【0032】
上記に本発明の最も好適な実施例を示したが、下記を注記しておく。
(1)各数値は例示であり、具体的数値は変更可能である。
(2)上記実施例では高圧放電ランプとしてキセノンランプを想定したが、本発明は、始動時にパルス電圧を印加する必要がある一般的な高圧放電ランプにも適用できる。
(3)各スイッチとして、電圧スイッチ613、サイリスタ624及び放電ギャップ631を示したが、それぞれはスイッチとして動作できれば耐圧等を考慮して他の種類の素子を用いてもよい。
【符号の説明】
【0033】
2.整流平滑回路
3.昇圧回路
4.直流出力部
5.降圧チョッパ回路
7.制御回路
8.ランプ
600.イグナイタ回路
610.第1の充電回路
611.抵抗
612.コンデンサ
613.電圧スイッチ
615.トランス
616.ダイオード
617.コンデンサ
620.第2の充電回路
621.抵抗
622.コンデンサ
623.サイリスタ
624.ダイオード
625.トランス
626.ダイオード
627.コンデンサ
628.トリガ回路
630.パルス出力回路
631.放電ギャップ
632.パルストランス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直流電圧からパルス電圧を生成して高圧放電ランプに印加するためのイグナイタ回路(600)であって、
第1の電圧を充電する第1の充電回路(610)、
トリガ回路(628)からのトリガ信号に応じて第2の電圧を充電する第2の充電回路(620)、及び
パルス出力回路(630)であって、パルストランス(632)の1次巻線に前記第1の電圧と前記第2の電圧の合計電圧が前記第2の電圧の充電に応じて印加され、2次巻線に発生するパルス電圧が前記高圧放電ランプに印加されるように構成されたパルス出力回路
を備えたイグナイタ回路。
【請求項2】
直流電圧からパルス電圧を生成して高圧放電ランプに印加するためのイグナイタ回路(600)であって、
第1のトランス(615)及び該第1のトランスの2次巻線側に発生する電圧を充電する第1のコンデンサ(617)を備えた第1の充電回路(610)、及び
第2のトランス(625)及びトリガ回路(628)からのトリガ信号に応じて該第2のトランスの2次巻線側に発生する電圧を充電する第2のコンデンサ(627)を備えた第2の充電回路(620)
を備え、前記第1の充電回路の1次巻線側及び前記第2の充電回路の1次巻線側が前記直流電圧の発生点に対して並列接続され、前記第1のコンデンサと前記第2のコンデンサが直列接続され、
さらに、
第3のトランス(632)及び該第3のトランスの1次巻線に接続された放電ギャップ(631)を備え、該第3のトランスの1次巻線及び該放電ギャップが前記第1及び第2のコンデンサの直列回路に直列接続され、前記第3のトランスの2次巻線が前記高圧放電ランプに直列接続されるパルス出力回路(630)
を備え、
前記第1のコンデンサの充電電圧が前記放電ギャップのブレークダウン電圧未満であり、前記第1のコンデンサの充電電圧と前記第2のコンデンサの充電電圧の合計電圧が前記放電ギャップのブレークダウン電圧を超えるように構成されたイグナイタ回路。
【請求項3】
請求項1又は2のイグナイタ回路において、前記第2のコンデンサの充電後に前記トリガ信号が発生するように構成されたイグナイタ回路。
【請求項4】
請求項1又は2のイグナイタ回路において、前記第2のコンデンサの充電電圧が前記第1のコンデンサの充電電圧よりも低い、イグナイタ回路。
【請求項5】
請求項1又は2のイグナイタ回路において、前記第2のコンデンサの容量が前記第1のコンデンサの容量よりも低い、イグナイタ回路。
【請求項6】
請求項1又は2のイグナイタ回路において、前記第2のトランスの2次/1次巻数比が前記第1のトランスの2次/1次巻数比よりも小さい、イグナイタ回路。
【請求項7】
請求項1又は2のイグナイタ回路において、前記高圧放電ランプがキセノンランプである、イグナイタ回路。
【請求項8】
整流平滑回路(2)、昇圧回路(3)、該昇圧回路の出力電圧を充電する直流出力部(4)、該直流出力部の出力電圧を降圧して前記高圧放電ランプに印加する降圧チョッパ回路(5)、該直流出力部の一部から直流電圧が供給される請求項1又は2記載の前記イグナイタ回路(600)、並びに前記昇圧回路、前記降圧チョッパ回路及び前記イグナイタ回路を制御する制御回路(7)を備えた高圧放電ランプ点灯装置。
【請求項9】
直流電圧からパルス電圧を生成して高圧放電ランプに印加するためのイグナイタ回路(600)を制御する方法であって、
前記直流出力の発生点から第1の充電回路(610)に常時的に第1の電圧を充電しておくステップ、
第2の充電回路(620)においてトリガ信号を受信するステップ、
前記第2の充電回路においてトリガ信号に応じて瞬時的に第2の電圧を充電するステップ、及び
前記第2の電圧の充電に応じて、パルストランス(632)の1次巻線に前記第1の電圧と前記第2の合計電圧を印加して、2次巻線に発生するパルス電圧を前記高圧放電ランプに印加するステップ
を備える方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−171048(P2011−171048A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−32356(P2010−32356)
【出願日】平成22年2月17日(2010.2.17)
【出願人】(000000192)岩崎電気株式会社 (533)
【Fターム(参考)】