説明

イソチオシアネートを用いたヘリコバクターの治療方法

【課題】ヘリコバクターの増殖を予防または阻害する方法、持続的慢性胃炎、潰瘍、および/または胃癌の予防または治療するための組成物の提供。
【解決手段】グルコシノラート、イソチオシアネート、またはそれらの誘導体もしくは代謝産物を含有する組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
研究または開発の連邦に帰属すべき権利についての記述
本発明の開発時に行なわれた作業の一部は、米国政府基金を利用した。米国政府は、本発明に一定の権利を有するものである。
【0002】
発明の背景
発明の分野
本発明は、グルコシノラート、イソチオシアネート、またはそれらの誘導体もしくは代謝物を含有する組成物を使用して、ヘリコバクターの増殖を防止または阻害する方法に関する。本発明はさらに、持続的慢性胃炎、潰瘍、および/または胃癌のリスクのある対象または治療の必要のある対象において、これらを予防または治療する方法にも関する。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
胃癌は、世界中で二番目に多い癌の形態である。ヘリコバクターピロリ(Helicobacter pylori)は、持続的慢性胃炎を引き起す世界中に分布している微好気性のグラム陰性菌である。H.ピロリ保菌者(胃粘膜)は、胃癌(胃腺癌および粘膜に結合したリンパ組織リンパ腫)発症のリスクが非保菌者の3〜6倍である(J. Daneshら、Cancer Surveys, 33:263-289(1999)(非特許文献1);D. Formanら、Br Med Bull, 54:71-78(1998)(非特許文献2);S. Hansenら、Scand J Gastroenterol, 34:353-360(1999)(非特許文献3);J-Q Huangら、Gastroenterology, 114:1169-1179(1998)(非特許文献4))。H.ピロリは、保菌者の胃組織に炎症を引き起し、その結果血流増加、腫脹、刺激を生じる。保菌者の約10%において、胃底部の炎症が潰瘍へと至る。胃上部の炎症は、酸分泌不良および酸産生細胞の最終的な死滅につながり、胃機能の低下をもたらし、そして最終的には癌につながる。
【0004】
ヘリコバクターピロリは、1982年になって初めてヒト胃生検標本の培養後に報告された(J.R. Warrenら、Lancet, 1:1273-1275(1983)(非特許文献5);B.J. Marshallら、Microbios Lett., 25:83-88(1984)(非特許文献6))。この時から、26種もの関連のあるヘリコバクター種が、ヒトおよび他の動物の粘膜表面にコロニーを形成することが説明されている(J.V. Solnick、D.B. Schauer、Clin Microbial Rev, 14:59-97(2001)(非特許文献7))。これらの生物は、哺乳類の胃組織にコロニーを形成するのみではなく、ヒト、マウス、フェレット、アレチネズミ、イヌ、およびネコを含む哺乳類に加えトリの腸管および肝臓にも認められる。これらは、炎症、ならびに免疫適格性の宿主に加え免疫不全のヒトおよび動物における悪性変換に寄与する作用物質としての関与が示されている。しかし現在H.ピロリは、世界中に最も蔓延しているヒト病原体の一つとして(R.M. Gentaら、Virchows Arch, 425:339-347(1994)(非特許文献8))、ならびにほとんどの胃潰瘍および十二指腸潰瘍の起因物質に加え胃癌発生のリスク因子として(J. Danesh、Cancer Surveys, 33:263-289(1999)(非特許文献9))よく説明されている。H.ピロリの天然の貯蔵庫として唯一、ヒト胃が知られているが、多くの哺乳類種が関連種に感染され得る。H.ピロリの根絶を目的とした抗生物質療法(例えば、アモキシシリンおよびクラリスロマイシン+H2阻害薬オメプラゾールを、10〜14日間)が、胃または十二指腸の消化性潰瘍が証明されたもしくは胃粘膜に結合したリンパ組織リンパ腫を有する感染患者に対し推奨されており、その治癒率はほぼ90%である(Helicobacter Foundation、「ヘリコバクターピロリの治療(Treatment of Helicobacter pylori)」、1-5頁(1999)(非特許文献10))。しかし、前述のような複合抗生物質療法は、H.ピロリ感染率が人口の70%にも達する発展途上国においては利用できないことがある。
【0005】
従って、胃内腔およびH.ピロリが低レベルの慢性再感染保有体となり得る胃上皮細胞の両方におけるH.ピロリの増殖および/または感染率を自然に阻害する経済的な栄養補助食品、食品または医薬品の必要性が存在する。この根絶的阻害は、次に潰瘍および胃癌の発生率を低下するか、もしくはH.ピロリの再感染を予防することができる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】J. Daneshら、Cancer Surveys, 33:263-289(1999)
【非特許文献2】D. Formanら、Br Med Bull, 54:71-78(1998)
【非特許文献3】S. Hansenら、Scand J Gastroenterol, 34:353-360(1999)
【非特許文献4】J-Q Huangら、Gastroenterology, 114:1169-1179(1998)
【非特許文献5】J.R. Warrenら、Lancet, 1:1273-1275(1983)
【非特許文献6】B.J. Marshallら、Microbios Lett., 25:83-88(1984)
【非特許文献7】J.V. Solnick、D.B. Schauer、Clin Microbial Rev, 14:59-97(2001)
【非特許文献8】R.M. Gentaら、Virchows Arch, 425:339-347(1994)
【非特許文献9】J. Danesh、Cancer Surveys, 33:263-289(1999)
【非特許文献10】Helicobacter Foundation、「ヘリコバクターピロリの治療(Treatment of Helicobacter pylori)」、1-5頁(1999)
【発明の概要】
【0007】
発明の概要
本発明は、グルコシノラート、イソチオシアネート、またはそれらの誘導体を含有する組成物の抗菌的有効量を対象に投与することを含む、ヘリコバクターに感染した対象を治療する方法に関する。
【0008】
本発明はさらに、グルコシノラート、イソチオシアネート、またはそれらの誘導体を含有する組成物の抗菌的有効量を用いて対象を治療することを含む、対象においてヘリコバクター感染を予防する方法にも関する。
【0009】
本発明はさらに、グルコシノラート、イソチオシアネート、またはそれらの誘導体からなる群より選択される作用物質の抗菌的有効量を投与することを含む、ヘリコバクターの増殖を阻害する方法に関する。
【発明を実施するための形態】
【0010】
好ましい態様の詳細な説明
本発明は、グルコシノラート、イソチオシアネートまたはそれらの誘導体を含有する組成物の抗菌的有効量を対象に投与することを含む、ヘリコバクターに感染した対象を治療する方法に関する。
【0011】
ヘリコバクターは、エネルギー源として糖質を利用することができない、電子受容体として酸素を使用する、極に鞭毛を持つグラム陰性菌である。ヘリコバクター属は、Versalovicら(Manual of Clinical Microbiology、第7版、727-738頁(1999))およびPerez-Perezら(Medical Microbiology、第4版、311-322頁(1996)、これらは本明細書に参照として組入れられている)により完全に特徴が示されている。本明細書において、ヘリコバクターは「ヘリコバクター種」と互換可能に使用されている。
【0012】
本明細書において使用される対象または患者という用語は互換可能に使用され、あらゆる動物、好ましくはヒトおよびヒト以外の霊長類を含む哺乳類を意味するように使用される。本発明の一つの態様において、ヘリコバクター感染した対象は、消化性潰瘍に罹患している。本発明において考えられている消化性潰瘍は、胃腸管の粘膜層の連続性の限定的破壊を含むが、これらに制限されるものではない。これらの粘膜層の連続性の破壊は、上皮の下側に広がる破壊、またはしばしば「びらん」と称される上皮の下側に広がらない破壊を含むことがある。消化性潰瘍は、急性または慢性であり得る。さらに消化性潰瘍は、酸性ペプシン胃液に曝された、食道、胃、十二指腸、および胃腸吻合術後の空腸を含む胃腸管のあらゆる部位に位置し得る。
【0013】
別の本発明の態様において、ヘリコバクターに感染した対象は、胃腸管の癌に罹患しているか、もしくはその発症リスクがある。前述のように、癌が存在し得る胃腸管の部分は、食道、胃、十二指腸、および胃腸吻合術後の空腸を含む管が酸性ペプシン胃液に曝されているあらゆる領域である。本明細書において使用される癌という用語は、当業者がこの用語を理解しているのと同じように使用される。癌の例は、新生物形成(または新生物)、過形成、異形成、化生、肥大を含むが、これらに限定されるものではない。新生物形成は、良性であっても悪性であってもよく、これらは様々な器官の上皮細胞、筋細胞および内皮細胞を含むが、これらに限定されないあらゆる細胞種を起源とすることができる。
【0014】
本発明により構想される治療は、ヘリコバクター感染の既応のある患者、またはヘリコバクター感染の素因のある患者に使用することができる。加えて、本発明の方法は、患者にヘリコバクター感染への易罹患性をもたらすことに関連した細胞のまたは生理的異常を補正もしくは補償するために、および/または患者のヘリコバクター感染の症状を緩和するため、もしくは患者の予防的検査(measure)のために使用することができる。
【0015】
本明細書において使用されるヘリコバクター感染という語句は、ヘリコバクターと宿主生物(対象)との間の相互作用を意味するため使用される。この感染は、局所に制限され、ヘリコバクターが最初の相互作用地点の近傍において増殖・維持されることを意味する。この感染はさらに広がり、この場合はヘリコバクターは最初の相互作用地点を越えてより広い範囲におよび始め、これは周囲を取り囲む組織または器官への広がりを含み、さらには宿主生物全体に分布し増殖することさえある。本明細書において使用される(宿主および微生物の)相互作用という用語は、ヘリコバクターが特定の組織の中または周囲で増殖する過程を意味するように使用される。詳細に述べると、ヘリコバクターが特定の組織の細胞表面を侵入し且つ組織の細胞内で増殖するならば、この細菌は対象に感染したと考えられる。この種の感染の例は、胃腔内に整列している上皮細胞内に侵入および増殖するヘリコバクターを含むが、これに限定されるものではない。加えて、ヘリコバクターは、組織細胞の外側で増殖することにより宿主生物に感染するとも言われている。
【0016】
本発明の方法は、ヘリコバクター感染を治療するために抗菌的有効量の組成物を投与することを含む。本明細書において使用される「抗菌的有効量」とは、ヘリコバクターの増殖を予防、阻害、遅延または逆行するための有効量、および/または過剰なレベルの副作用を伴うことなく胃内または感染部位での生存ヘリコバクター細胞数を減少するための有効量を意味することが意図されている。「抗菌的有効量」は同じく、本発明において使用された組成物の投与前に感染が生じているような現存するヘリコバクター感染の殺傷、減少または改善するのに有効な量を意味するためにも使用される。従って本発明の企図として、本発明の組成物の抗菌的有効量は、既存のヘリコバクター感染の治療として使用することができる。これらの治療において使用する有効量は、既存の感染が周囲組織へまたはこれを超えて広がることを完全にまたは一部防ぐことができ、かつこれらはさらに対象におけるヘリコバクターの増殖および/または伝播速度を遅延するためにも使用することができる。さらに、本発明において使用される抗菌的有効量の組成物は、対象におけるヘリコバクター感染を予防することができる。本発明において使用される別の「抗菌的有効量」の局面は、対象へ投与される組成物が、ヘリコバクターにより産生された毒素により引き起された、感染組織または周囲の組織に対する細胞のまたは生理的損傷を予防または減少することが可能であることを意味する。さらに別の局面において、語句抗菌的有効量は、ヘリコバクターのビルレンスの形成または効力を低下または予防することができる投与された組成物量を意味するように使用することができる。ビルレンスとは、ヘリコバクターの、宿主生物または細胞の天然のヘリコバクター感染に対する防御と闘う能力を意味する。
【0017】
ヘリコバクターに感染した対象を治療する方法は、対象への組成物の投与を伴う。本明細書において使用される組成物は、純粋な化合物、作用物質、もしくは物質、または2種以上の化合物、作用物質、もしくは物質の混合物を意味することができる。本明細書において使用される作用物質、物質、または化合物という用語は、タンパク質、核酸、糖質、脂質、ポリマーまたは薬物などの小分子を意味することが意図されている。
【0018】
本発明において使用される組成物は、イソチオシアネート、グルコシノラート、またはニトリル、カルバメート、チオカルバメート、チオシアネートなどであるが、これらに限定されるものではない、それらの誘導体もしくは代謝産物を含む。本明細書において使用される誘導体は、イソチオシアネートまたはグルコシノラートの代謝産物および/または類似体を含む。誘導体という用語は、本明細書において、イソチオシアネートまたはグルコシノラートの誘導体、類似体、および代謝産物を包含するように使用される。加えて本発明の組成物は、さらに様々なイソチオシアネート、グルコシノラートもしくはそれらの誘導体の組合せ、または他の治療的残基もしくは作用物質とのそれらの組合せも含むことができる。イソチオシアネートは、イソチオシアネート(-NCS-)残基を含む化合物であり、および当業者はこれを容易に確定することができる。イソチオシアネートの例は、スルフォラファンまたはその類似体を含むが、これらに限定されるものではない。イソチオシアネート類似体に関する説明および調製は、再公布された米国特許第36,784号に開示されており、これはその全体が本明細書に参照として組入れられている。好ましい態様において、本発明において使用されるスルフォラファン類似体は、6-イソチオシアネート-2-ヘキサノン、エキソ-2-アセチル-6-イソチオシアネートノルボルナン、エキソ-2-イソチオシアネート-6-メチルスルホニルノルボルナン、6-イソチオシアネート-2-ヘキサノール、1-イソチオシアネート-4-ジメチルホスホニルブタン、エキソ-2-(1'-ヒドロキシエチル)-5-イソチオシアネートノルボルナン、エキソ-2-アセチル-5-イソチオシアネートノルボルナン、1-イソチオシアネート-5-メチルスルホニルペンタン、cis-3-(メチルスルホニル)シクロヘキシルメチルイソチオシアネート、およびtrans-3-(メチルスルホニル)シクロヘキシルメチルイソチオシアネートを含む。他のイソチオシアネート類は、とりわけグルタチオン-、システイニルグリシン-、システイニル-、およびN-アセチルシステイン-結合体を含むイソチオシアネートの結合体も含むが、これらに限定されるものではない。
【0019】
当技術分野において周知であるグルコシノラートは、イソチオシアネート前駆体である。グルコシノラートの例は、グルコラファニン、グルコエリソリン、グルコエルシン、グルコイベリン、グルコアリシン、グルコベルテロイン、グルコイベルベリン、グルコケイロリン、グルコラフェニン、5-メチルスルフィニルペンチルグルコシノラート、6-メチルスルフィニルヘキシルグルコシノラート、7-メチルスルフィニルヘプチルグルコシノラート、8-メチルスルフィニルオクチルグルコシノラート、9-メチルスルフィニルノニルグルコシノラート、10-メチルスルフィニルデシルグルコシノラート、フェニルエチルグルコシノラート、4-(α-L-ラムノピラノシルオキシ)ベンジルグルコシノラート、3-(α-L-ラムノピラノシルオキシ)ベンジルグルコシノラート、2-(α-L-ラムノピラノシルオキシ)ベンジルグルコシノラート、4-(4'-O-アセチル-α-L-ラムノピラノシルオキシ)ベンジルグルコシノラート、さらにはその全内容が本明細書に参照として組入れられているFaheyらの論文(Phytochemistry、56:5-51(2001))の表Iおよびその正誤表において検証されたもの、ならびにそれらのミロシナーゼが触媒した加水分解生成物(例えば、それらの同族(cognate)イソチオシアネート、チオシアネート、ニトリル、カルバメート、およびチオカルバメート)を含むが、これらに限定されるものではない。グルコシノラートは、当業者は容易に認識可能でありかつ理解され、これらはその全内容が本明細書に参照として組入れられているFaheyらの論文(Phytochemistry、56:5-51(2001))およびそれらの正誤表において検証されている。
【0020】
本発明の一つの態様において、本発明において使用するためのイソチオシアネートは、スルフォラファン、またはそれらの誘導体である。更なる態様において、イソチオシアネートはスルフォラファンである。
【0021】
スルフォラファン(4-メチルスルフィニルブチルイソチオシアネートまたは(-)-1-イソチオシアネート-4(R)-(メチルスルフィニル)ブタン)およびスルフォラフェン(4-メチルスルフィニルブテニルイソチオシアネート)ならびにそれらの同族グルコシノラート(各々、グルコラファニンおよびグルコラフェニン)は、カルダリアドラバ(hoary cress)、ラディッシュなどの植物およびその他の植物において生成されることがわかっている(Mislowら、J. Am. Chem. Soc.、87:665-666(1965);Schmidら、Helvet. Chim. Acta、31:1017-1028(1942);Hansenら、Acta Chem. Scand. Ser.、B28:418-424(1974))。本発明の目的のためには、これらは、植物から単離されるか、もしくは合成することができる。ベルトイン、アリシン、エルシン、エリソリン、イベルベリン、イベリン、およびケイロリンも植物から単離されており;これらの化合物は、少なくとも細胞培養物において、スルフォラファンおよびスルフォラフェンよりも誘導物質として活性が低いように見える。
【0022】
その他の合成類似体は、硫黄含有側鎖、オレフィン系側鎖、脂肪族側鎖および複数のグリコシル化された側鎖を持つ化合物を含む。
【0023】
具体的に示していないその他のスルフォラファン類似体を使用することもできる。この化合物のヘリコバクターの増殖を阻害または予防する相対的能力、またはヘリコバクター感染した患者を治療する相対的能力は、以下に示したように、細胞株または動物全体のいずれかにおける阻害を試験することにより、評価することができる。
【0024】
本発明は、本発明の組成物または作用物質により補助されている食料品を提供する。補助食品として使用される組成物または作用物質は、イソチオシアネート、グルコシノラートまたはそれらの誘導体を含有しなければならない。この補助食品は、植物から単離するかもしくは合成することができる。さらに本発明は、高レベルのグルコシノラートまたはイソチオシアネートを含有する食品および/または植物を提供する。グルコシノラートまたはイソチオシアネートを含有する植物の例は、アブラナ科(Brassicaceae(Cruciferae))、ワサビノキ科(Moringaceae)およびモクセイソウ科(Resedaceae)を含むが、これらに限定されるものではなく、これらは集合的にブロッコリ、ブロッコリスプラウト、芽キャベツ、キャベツ、カリフラワー、カリフラワースプラウト、ダイコン、西洋わさび、ケール、マスタード粒、ラディッシュ、ワサビ、西洋わさびツリー(Moringa oleifera)、キャベツツリー(M. stenopetala)、モクセイソウ(Reseda odorata)、ホザキモクセイソウ(R. luteola)を含むが、これらに限定されるものではない。グルコシノラートを含有する他の植物科は、バティス科(Bataceae)、ブレッシュネイデラ科(Bretschneideraceae)、フウチョウソウ科(Capparaceae)、パパイア科(Caricaceae)、トウダイグサ科(Euphorbiaceae)、ギロステモン科(Gyrostemonaceae)、リムナンテス科(Limnanthaceae)、ペンタジプランドラ科(Pentadiplandraceae)、ヤマゴボウ科(Phytolaccaceae)、トベラ科(Pittosporaceae)、サルウァドラ科(Salvadoraceae)、トウァリア科(Tovariaceae)およびノウゼンノルン科(Tropaeolaceae)を含むが、これらに限定されるものではない。これらは高レベルに天然に生じることができるか、または植物は高レベルのグルコシノラートもしくはイソチオシアネートを含有するように繁殖することができる。
【0025】
グルコシノラートおよび/またはイソチオシアネートは、当技術分野において周知の方法により種子または植物体の抽出物から精製することができる(Fenwickら、CRC Crit. Rev. Food Sci. Nutr.、18:123-201(1983)およびZhangら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、89:2399-2403(1992))。精製されたまたは一部精製されたグルコシノラート(複数)またはイソチオシアネート(複数)は、補助食品として食料品に添加することができる。食料品に添加されたグルコシノラートおよび/またはイソチオシアネートの用量は、好ましくは一人分(per serving)1μmol〜1,000μmolの範囲である。しかし食料品に栄養補助するグルコシノラートおよび/またはイソチオシアネートの用量は、より多いことができる。
【0026】
新芽、種子または他の植物部位に高レベルのグルコシノラートまたはイソチオシアネートを有する植物の選択は、アブラナ科育種プログラムに組込むことができる。加えてこれらの同じ育種プログラムは、グルコシノラートまたはイソチオシアネートの高レベルを有する品種の同定および選択を含むことができる。新規アブラナ科品種の交配、選択および育種の戦略は、当業者に周知である(Brassica Crops and Wild Allies: Biology & Breeding;S. Tsunodaら(編集)、Japan Scientific Societies Press、Tokyo、354頁(1980);Biology of Brassica Coenospecies; C. Gomez-Campo(編集)、Elsevier、アムステルダム、489頁(1999))。子孫植物は、特定植物の発生段階において生成された高レベルのグルコシノラートまたはイソチオシアネートについてスクリーニングされる。関心のある形質を有する植物が同定され、かつこの特徴は、植物の育種の技術分野において周知である育種技術を使用し、他の重要な農学的特性により増強されるかもしくはこれと組み合わされる。
【0027】
本発明の一つの態様において、ヘリコバクター感染の治療法において使用される組成物は、食品、補助食品、栄養補助食品または食品添加物の形で存在することができる。
【0028】
本発明の一つの態様において、対象へ投与される組成物は薬学的組成物である。さらにこの薬学的組成物は、経口、点鼻、非経口、経全身、腹腔内、局所的(滴下または経皮貼付剤により)、頬側、または経口もしくは点鼻スプレーにより投与することができる。本明細書において使用される「非経口」という用語は、静脈内、筋肉内、腹腔内、胸骨内、皮下および関節内への注射または注入を含む投与様式を意味する。本発明により企図された薬学的組成物は、薬学的に許容できる担体も含むことができる。
【0029】
「薬学的に許容できる担体」とは、無毒の固形、半固形または液体の充填剤、希釈剤、カプセル封入物質またはいずれかの種類の製剤のための助剤を意図しているが、これらに限定されるものではない。
【0030】
本発明の非経口注射のための薬学的組成物は、薬学的に許容できる滅菌した水性または非水性の溶液、分散液、懸濁液または乳液、さらには使用直前に無菌の注射可能な溶液または分散液を再構成するための滅菌した散剤を含むことができる。適当な水性および非水性の担体、希釈剤、溶媒またはビヒクルの例は、水、エタノール、ポリオール(例えばグリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなど)、カルボキシメチルセルロースおよびそれらの適当な混合物、植物油(オリーブ油など)、ならびにオレイン酸エチルのような注射可能な有機エステルを含む。適当な流動性は、例えばレシチンのようなコーティング材料の使用、分散剤の場合の必要な粒子サイズの維持、および界面活性剤の使用により維持することができる。
【0031】
本発明の組成物はさらに、保存剤、湿潤剤、乳化剤および分散剤を含むが、これらに限定されるものではない佐剤も含有することができる。微生物の作用の予防は、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸などのような、様々な抗菌剤および抗真菌剤を含有することにより確実にすることができる。糖質、塩化ナトリウムなどのような等張剤を含むことも望ましい。注射可能な薬学的剤形の持続吸収は、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンなどの吸収を遅延する作用物質の含有によりもたらすことができる。
【0032】
場合によっては、薬物の作用を延長するために、皮下または筋肉内注射からの吸収を遅くすることが望ましい。これは、水への溶解度が低い晶質または非晶質材料の液体懸濁液の使用により実現することができる。次に薬物の吸収速度は、その溶解率によって左右され、さらにこれは結晶の大きさおよび結晶の形状により左右される。あるいは、非経口投与された薬物型の遅延された吸収は、薬物の油性ビヒクルへの溶解または懸濁により実現される。
【0033】
注射用デポ剤の形状は、ポリラクチド-ポリグリコリドのような生分解性ポリマー中の薬物のマイクロカプセル型マトリックスの形成により作成される。薬物のポリマーに対する比および使用された具体的ポリマーの性質に応じて、薬物の放出速度を制御することができる。その他の生分解性ポリマーの例は、ポリ(オルトエステル)およびポリ(無水物)を含む。デポ剤の注射用処方も、生体組織と相溶性のあるリポソームまたはマイクロエマルジョン内への薬物の取り込みにより調製される。
【0034】
注射用製剤は、例えば細菌残留フィルターを通しての濾過、もしくは使用直前に滅菌水または他の滅菌注射用媒質中に溶解または分散することができる滅菌固形組成物の形状への滅菌剤の混入により滅菌することができる。
【0035】
経口投与のための固形剤形は、カプセル剤、錠剤、丸剤、散剤、および顆粒剤を含むが、これらに限定されるものではない。このような固形剤形において、有効化合物は、クエン酸ナトリウムまたはリン酸二カルシウムなどの少なくとも1商品の薬学的に許容できる賦形剤または担体、および/またはa)デンプン、乳糖、ショ糖、ブドウ糖、マンニトールおよびケイ酸のような、充填剤、b)例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸エステル、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、ショ糖およびアラビアゴムのような、結合剤、c)グリセロールのような、保湿剤、d)カンテン、炭酸カルシウム、ジャガイモもしくはタピオカデンプン、アルギン酸、ある種のケイ酸エステル、および炭酸ナトリウムのような、崩壊剤、e)パラフィンのような、液体吸収遅延(solution retarding)剤、f)4級アンモニウム化合物などの、吸収促進剤、g)例えば、アセチルアルコールおよびモノステアリン酸グリセロールのような、湿潤剤、h)カオリンおよびベントナイトクレーのような、吸着剤、ならびにi)タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固形ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウムのような、滑沢剤およびそれらの混合物と混合される。カプセル剤、錠剤および丸剤の場合、その剤形は緩衝剤も含有することができる。
【0036】
同様の型の固形組成物はさらに、乳糖またはミルクシュガー、さらには高分子量ポリエチレングリコールなどのような賦形剤を使用する軟および硬充填ゼラチンカプセルにおいて、充填剤として使用することができる。
【0037】
錠剤、糖衣錠、カプセル剤、丸剤および顆粒剤のような固形剤形は、腸溶性コーティングおよび製薬技術分野において周知の他のコーティングなどのコーティングおよびシェルを伴うように調製することができる。これらは任意に、不透明剤を含有することができ、その上任意に徐放型で、腸管の特定部位においてのみ、またはそこに優先的に活性成分(複数)を放出する組成物であることができる。使用することができる包埋型組成物の例は、高分子物質およびワックスを含み得る。
【0038】
これらの有効化合物は、適当であるならば、1種または複数種の前記賦形剤を伴う、マイクロカプセル型であることもできる。
【0039】
経口投与のための液体剤形は、薬学的に許容できる乳剤、液剤、懸濁剤、シロップ剤およびエリキシル剤を含むが、これらに限定されるものではない。液体剤形は、有効化合物に加え、通常当技術分野において使用される、例えば水または他の溶媒のような不活性希釈剤、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油(特に綿実油、落花生油、コーン油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油、ゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコールおよびソルビタンの脂肪酸エステル、ならびにそれらの混合物などの可溶化剤および乳化剤を含有することができる。
【0040】
経口組成物は、不活性希釈剤に加え、湿潤剤、乳化剤および懸濁化剤、甘味剤、矯味矯臭剤、および香料も含有することができる。
【0041】
懸濁剤は、有効化合物に加え、例えば、エトキシル化されたイソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールおよびソルビタンエステル、微晶質セルロース、メタ水酸化アルミニウム、ベントナイト、カンテンおよびトラガント、ならびにそれらの混合物などの懸濁化剤を含有することができる。
【0042】
あるいは、この組成物は加圧すること、および窒素または液化ガス噴射剤のような圧縮ガスを含有することができる。有効成分は実質的程度その中に溶解されないような、液化された噴射剤媒質および実際には全組成物が好ましい。加圧された組成物は、さらに界面活性剤を含有することもできる。界面活性剤は、液体または固体の非イオン性界面活性剤であるか、または固形のアニオン性界面活性剤であることができる。ナトリウム塩の形状においては、固形のアニオン性界面活性剤を使用することが好ましい。
【0043】
本発明の組成物は、リポソームの形状で投与することもできる。当技術分野において公知であるように、リポソームは、一般にリン脂質または他の脂質物質に由来している。リポソームは、水性媒質中に分散された単一-または複数の-層状の水和された液晶により形成されている。リポソームを形成することが可能である無毒の生理的に許容でき代謝可能な脂質を使用することができる。リポソームの形状の本組成物は、本発明の化合物に加え、安定化剤、保存剤、賦形剤などを含有することができる。好ましい脂質は、天然および合成の両方のリン脂質およびホスファチジルコリン(レシチン)である。リポソームを形成する方法は、当技術分野において公知である(例えば、Prescott編集、Meth. Cell Biol.、14:33(1976)など参照)。
【0044】
当業者は、本発明の作用物質の有効量は、経験的に決定することができ、かつ純粋な形状、またはそのような形状で存在する場合には薬学的に許容できる塩、エステルまたはプロドラッグの形状で使用することができることを理解すると思われる。これらの作用物質は、ヘリコバクター感染の治療が必要な対象へ、1種または複数の薬学的に許容できる賦形剤と組合わせた薬学的組成物として投与することができる。ヒト患者へ投与される場合、本発明の作用物質または組成物の全1日使用量は、推奨される(sound)医学的判断の範囲内で担当医師により決定されることは理解されるであろう。特定の患者に関する具体的な治療に有効な用量レベルは、以下の様々な要因によって決定される:達成されるべき細胞または生理的反応の種類および程度;具体的な使用される作用物質または組成物の活性;具体的な使用される作用物または組成物;患者の年齢、体重、全身の健康状態、性別および規定食;作用物質の投与時間、投与経路および排泄率;治療期間;具体的作用物質と併用されるまたは禁忌である薬物;などの医療技術分野において周知の要因。例えば、望ましい治療効果を達成するのに必要な用量よりも低いレベルの作用物質の用量で開始し、この用量を所望の効果が達成されるまで漸増することを、当業者はよく知っている。
【0045】
用量決定は、当技術分野において許容されかつ慣習的な技術により決定されるように、患者において予め定められた血中の作用物質濃度を提供するように特定の方法で変更することもできる。従って患者の用量決定は、HPLCにより測定しほぼ50〜1000ng/mlであるような、系統的かつ継続的(regular on-going)血液レベルを達成するように調節することができる。
【0046】
当業者には、本明細書において説明された方法および用途のその他の適当な変更および適合を、本発明の精神またはそれらのいずれかの態様を逸脱しない限りは行うことができることが容易に明らかである。
【0047】
本発明の一つの態様において、対象が罹患しているヘリコバクター感染は、ヘリコバクターピロリである。
【0048】
別の態様において、本発明の方法はさらに、抗生物質、抗生物質投薬法または他の薬物を対象またはヘリコバクターへ投与することを含んでも良い。H.ピロリを治療するための本薬学的投薬法は、抗生物質療法を含む。本明細書において使用される語句「抗生物質」または「抗生物質療法」は、当業者がこのような用語を認識するように使用される。本発明の組成物または作用物質と併用される抗生物質は、アモキシシリンおよびクラリスロマイシンを含むが、これらに限定されるものではない。他の本発明で併用することができる薬物は、オメプラゾールを含むが、これに限定されるものではない。
【0049】
本発明はさらに、対象を、グルコシノラート、イソチオシアネートまたはそれらの誘導体を含有する組成物の抗菌的有効量で治療することを含む、該対象におけるヘリコバクター感染を予防する方法にも関する。好ましくは、ヘリコバクター感染を予防する方法は、ヘリコバクターピロリについて行われる。
【0050】
本明細書において使用されるように、ヘリコバクター感染の予防法は、既に感染してしまった対象において、またはヘリコバクター感染の既応のない対象おいて行われる。
【0051】
一つの本発明の態様において、対象におけるヘリコバクター感染の予防に使用される組成物は、スルフォラファンまたはそれらの誘導体を含有する。更なる態様において、この組成物はスルフォラファンである。
【0052】
別の本発明の態様において、ヘリコバクターの予防に使用される組成物は、食品、補助食品、栄養補助食品または食品添加物である。さらに別の態様において、この組成物は、薬学的組成物である。好ましくはこの薬学的組成物は、経口投与される。
【0053】
本発明はさらに、ヘリコバクターへ、グルコシノラート、イソチオシアネートまたはそれらの誘導体からなる群より選択される作用物質を抗菌的有効量投与することを含む、このヘリコバクターの増殖を阻害する方法にも関する。好ましくはこのヘリコバクターはヘリコバクターピロリである。
【0054】
本明細書において使用されるように、増殖の阻害は、インビトロ、インビボまたはインサイチューの条件下での増殖を意味するように使用される。さらに増殖の阻害は、細菌細胞が、それらの有糸分裂の速度または正常な代謝過程を停止または遅らせるプロセスを意味するように使用される。増殖の阻害は、細胞死も意味する。様々な細胞死の形および徴候が当業者には明らかであり、細胞死の例は、プログラムされた細胞死(すなわちアポトーシス)、疾患状態において生じるような段階的細胞死(すなわち壊死)、および急性毒性のようなより迅速な細胞死を含むが、これらに限定されるものではない。本発明が提供するヘリコバクターの増殖の阻害は、完全なまたは部分的増殖の阻害であるか、もしくは完全なまたは部分的細胞死の因果関係である。
【0055】
本発明の一つの態様において、対象におけるヘリコバクター感染の増殖の阻害に使用される組成物は、スルフォラファンまたはそれらの誘導体を含有する。更なる態様において、この組成物はスルフォラファンである。
【0056】
別の本発明の態様において、ヘリコバクターの増殖の阻害に使用される組成物は、食品、補助食品、栄養補助食品または食品添加物である。さらに別の態様において、この組成物は薬学的組成物である。好ましくは、この薬学的組成物は経口投与される。
【0057】
別の態様において、本発明の組成物は、ヘリコバクターの増殖を妨害するために抗生物質または他の薬物と組合わせることができる。
【0058】
本発明はさらに、ヘリコバクターを該作用物質で処理し、該ヘリコバクターの増殖をアッセイする段階;該ヘリコバクターを公知のヘリコバクター増殖モジュレーターで処理してヘリコバクターの増殖をアッセイする段階であって、該公知のヘリコバクター増殖モジュレーターはグルコシノラート、イソチオシアネートおよびそれらの誘導体からなる群より選択される段階;ならびに、(a)および(b)におけるヘリコバクター増殖のレベルを比較し、該作用物質が該ヘリコバクター増殖を調節するかどうかを決定する段階を含む、ヘリコバクター増殖を調節する作用物質を同定する方法に関連している。好ましくは、ヘリコバクター増殖を調節する作用物質のスクリーニング法を用い、ヘリコバクターピロリの増殖を調節する作用物質がスクリーニングされる。
【0059】
一つの本発明の態様において、ヘリコバクター増殖を調節する作用物質を同定する方法は、細胞の単一集団において行われ、(b)は、(a)中の作用物質が除去された後に同じ集団について行われる。別の本発明の態様において、ヘリコバクター増殖を調節する作用物を同定する方法は、二つのほぼ同じ細胞集団において、同一条件下で行われ、ここで(a)は一つの集団で行われ、(b)は別の集団で行われ、かつ(c)は、これら二つの細胞集団間のヘリコバクター増殖レベルの比較である。好ましくは、ヘリコバクター増殖モジュレーターの同定法は、ヘリコバクターピロリにおいて行われる。
【0060】
別の本発明の態様において、ヘリコバクター増殖を調節する作用物質を同定する方法は、このアッセイ前にヘリコバクターで感染されているヘリコバクター細胞以外の細胞において行われる。ヘリコバクターは、これらの他の細胞内部に存在するか、もしくは細胞の周囲、または近傍に存在することができる。ヘリコバクターが他の細胞種の内部または周囲に存在し得る状況の例は、ヘリコバクターと細胞の同時培養、アッセイを行う前にヘリコバクターを他の細胞種に感染させることを含むが、これらに限定されるものではない。これらのその他の細胞は、原核細胞または真核細胞であることができるが、好ましくは真核細胞であり、さらにより好ましくは動物細胞である。本発明において使用するための動物細胞は、上皮細胞、神経細胞、内皮細胞および筋肉細胞を含むが、これらに限定されるものではない動物において認められるあらゆる細胞種であることができる。
【0061】
更に別の態様において、ヘリコバクターの増殖を調節する作用物質を同定する方法は、培養されている細胞、すなわちインビトロにおいて、またはインサイチューもしくはインビボで生じる細胞において行うことができる。これらの細胞は、組織の一部または器官全体であることができる。本明細書において使用される組織という用語は、当業者がその意味に理解するような組織を意味するように使用される。本明細書に構想されるように、組織はさらに、生体組織または体液(例えば血液細胞)の個々の細胞もしくは細胞群、または細胞培養物を意味するように使用される。さらに組織は、対象内にあるか、または対象から生検または摘出することができる。この組織はさらに、生体器官の全体または一部であることもできる。加えて組織は、組織が摘出と本発明の方法の間にいかなる保存段階も伴わずに対象から新たに摘出された点で「新鮮」であることができる。この組織は、本発明の方法の適用前に、凍結、急速凍結、パラフィン包埋および組織固定を含むが、これらに限定されるものではない標準組織調製技術により保存することもできる。さらにこの組織は、異種移植片または同系移植片であるか、もしくは別の宿主動物内であることができる。
【0062】
企図されている作用物質または化合物の種類は、ヘリコバクターの増殖を調節するそれらの能力によってのみ限定される。本発明の作用物質は、当業者に公知の方法および技術のいずれかに従い同定および/または調製することができる。好ましくは、本発明の作用物質は、無作為に選択およびスクリーニングされるか、または構造活性相関(SAR)を基にした化学モデリング技術を用い理論的に選択またはデザインされる。
【0063】
ランダムスクリーニングについて、候補となる作用物質は、無作為に選択され、それらのヘリコバクター増殖を調節する能力についてアッセイされる。当業者に公知の適当な方法および技術のいずれかを用い、候補作用物をアッセイすることができる。
【0064】
この作用物質は、理論的選択またはデザインについて、公知のヘリコバクター増殖モジュレーターの化学構造を基に選択される。当業者に公知のいずれか適当な方法および技術もしくはそれらの変法を、理論的選択またはデザインに使用することができる。例えば当業者は、ヘリコバクター増殖を調節することが可能であるペプチド、薬学的作用物質などの生成のために現在利用可能な手法を容易に適合させることができる。
【0065】
別の態様において、本発明のアッセイ法において使用するための公知のモジュレーターは、イソチオシアネート、スルフォラファン、スルフォラフェン、エリソリン、エルシン、イベリン、アリシン、ベルテロイン、イベルベリン、ケイロリン、5-メチルスルフィニルペンチルイソチオシアネート、6-メチルスルフィニルイソチオシアネート、7-メチルスルフィニルヘプチルイソチオシアネート、8-メチルスルフィニルオクチルイソチオシアネート、9-メチルスルフィニルノニルイソチオシアネート、10-メチルスルフィニルデシルイソチオシアネート、フェニルエチルイソチオシアネート、4-(α-L-ラムノピラノシルオキシ)ベンジルイソチオシアネート、3-(α-L-ラムノピラノシルオキシ)ベンジルイソチオシアネート、2-(α-L-ラムノピラノシルオキシ)ベンジルイソチオシアネート、4-(4'-O-アセチル-α-L-ラムノピラノシルオキシ)ベンジルイソチオシアネート、またはそれらの誘導体である。ヘリコバクター増殖のモジュレーターを同定する方法において使用するためのイソチオシアネート、グルコシノラートまたはそれらの誘導体は、本明細書において先に説明されている。さらに別の態様において、公知のモジュレーターはスルフォラファンである。
【0066】
下記の実施例は、本発明を説明するためのみに供され、いかなる意味においても本発明を限定するものではない。
【実施例】
【0067】
実施例
実施例1
H.ピロリに対するいくつかの抗生物質の作用を改善することが報告されている、ブロッコリスプラウト抽出物の調製物を、ウシ胎仔血清(FCS)を含むまたは含まない両方のH.ピロリ増殖培地に送達した。下記の第一欄は、使用したブロッコリスプラウト抽出物の希釈を示し、第二欄は、被験物質中の実際のスルフォラファン濃度を示している。
【0068】

(3.2μM=0.57ppmスルフォラファン)
【0069】
実施例2
従来の抗生物質療法と比べて、スルフォラファンのH.ピロリ増殖を阻害する能力を評価するために、数種類のH.ピロリ株を、スルフォラファンまたは抗生物質の存在または非存在下で培養し、各々の最小発育阻止濃度(MIC)を比較した。スルフォラファンと比較した抗生物質は、アモキシシリン、クラリスロマイシンおよびメトロニダゾールであった。下記データは、スルフォラファンが、H.ピロリ増殖の阻害において従来型の抗生物質よりも大きく有効ではないとしても、効果があることを示している。
【0070】
(表1) スルフォラファンのアモキシシリン/クラリスロマイシン/メトロニダゾール感受性のヘリコバクターピロリ株に対する静菌活性(n=32)


(表2) スルフォラファンのクラリスロマイシンおよび/またはメトロニダゾール-中間または耐性ヘリコバクターピロリ株に対する静菌活性(n=15)


(表3) ヘリコバクターピロリに対するスルフォラファン活性効率の時間経過

* 3連で試験した。
** 2連で試験し、最終結果は翌週入手できる。
a コロニー形成単位(CFU)の10,000倍未満(99.9%)の低下が、この菌株により認められた。この菌株に関する実際の低下(log10CFU)を下記に示す:

【0071】
実施例3
細菌は、ブロス培地中で対数期まで増殖し、遠心により収集し、かつPBS中に再懸濁した。動物群(マウスおよびアレチネズミ)に、PBS中のH.ピロリ109CFU/mlを、先丸カニューレにより送達される胃管強制栄養(100μL)によるか、または経口的接種(マイクロピペットによるPBS中のH.ピロリ30〜50μLの送達、それ以降3〜6時間の食品および水分摂取の制限)により投与した。動物群を、マイクロ隔離ケージ(microisolator cage)において飼育し、保護布を個別に纏うように操作した。異なる時点で動物をメタファンにより麻酔し、心臓穿刺により放血し、その後頸部脱臼により屠殺し、感染状態を評価した。感染状態は、直接培養、組織学、およびH.ピロリ存在の高度の指標である迅速ウレアーゼ試験により測定した(Y. Tokunagaら、J. Gastroenterol Hepatol、15:617-621(2000))。胃粘膜由来のH.ピロリを夾雑している生物の増殖を阻害するための抗生物質を含有する半固形培養培地上で培養し、コロニー形態および鏡検試験を基にコロニーを確認した。病理学者は、炎症および/またはびらんの顕微鏡的徴候について組織を試験し、固定した組織の顕微鏡分析を、変更ギムサおよび変更スタイナー法で染色したパラフィン切片について行い、0〜4の段階に等級化した(RK Vartanianら、Mod Pathol.、11:72-78(1998);0 Rotimiら、J. Clin Pathol.、53:756-759(2000))。これらの広範に使用される方法は、最初に感染技術を最適化し、およびその後の実験で使用される動物をどのH.ピロリ株が最良にコロニー形成するかどうかを決定するために使用した。うまく感染した動物に、次にスルフォラファンまたは本明細書に記された別の化合物を経口胃管強制栄養または規定食中の被験化合物の供給により投与した。用量の正当性を確認するために、心臓穿刺により得られた血液を、動物亜群の血清または血漿中のイソチオシアネートおよびそれらのジチオカルバメート代謝産物について定量測定するために処理した(Yeら、Clin. Chem. Acta、(2001)(印刷中))。炎症の程度を、病理学者および胃炎症の外観に詳しい医師の助けを借りて評価し、変更Sydneyシステムを用いてこのような胃炎を等級化し(CS Goodwin、J. Gastroenterol Hepatol、6:235-237(1991);XY Chenら、J. Clin. Pathol.、52:612-615(1993))、および急性炎症、慢性炎症および萎縮についてLeeらの論文(Zentalbl Bakteriol、280:38-50(1993))に記された0-3スケールを用い等級化した。
【0072】
インビトロ活性が同定されたならば、ワサビノキの葉または種子、ブロッコリもしくはカリフラワーのスプラウトまたは種子、もしくはこれらの商品からの抽出物による治療は、H.ピロリにより引き起された消化性潰瘍の改善または治癒のいずれかについて有用であることができる。抗-H.ピロリ抗生活性が存在するならば、前述の治療はさらに、H.ピロリ感染の予防およびH.ピロリ感染に関連した胃癌発生率の理論上の低下のために有用である。
【0073】
実施例4
ヘリコバクターピロリは、コロニー化された胃粘膜組織における酸化的ストレスの発生において直接の役割を有することが暗示されている。Shirinら(Cancer Letters、164:127-133(2001))は、ヘリコバクターピロリは、培養したAGS細胞においてグルタチオン(GSH)レベルの一過性の初期増加(1時間)を生じるが、細胞内GSH貯蔵は、その後24時間で完全に枯渇することを示している。さらに彼らは、洞(antral)生検で得た胃粘膜におけるGSH濃度は、H.ピロリでコロニー化されたヒト対象(n=19)において、健常対照(n=38)よりも、顕著に低下したことを示した。
【0074】
AGS細胞を、マイクロタイターウェルプレートにおいて培養し、48時間の時点で、未処理の対照よりも数倍多いQRレベルを誘導するように設定された濃度のスルフォラファン(SF)および4-(α-L-ラムノピラノシルオキシ)ベンジルイソチオシアネート(4RBITC)で処理した。低レベルの細菌H.ピロリ(Hp)を、誘導後1、4、および20時間の時点でプレートに導入した。キノンレダクターゼ(QR;重要な第二相解毒および抗酸化酵素)レベルを、誘導の1および2日目の両日評価した。細胞GSHおよびタンパク質レベルを、これらの時点で測定した。
【0075】


* 1-新鮮培地;2-新鮮培地+H.ピロリ;3-新鮮培地+熱で死滅させたH.ピロリ
【0076】
実施例5
H.ピロリ感染の動物モデルを用い、グルコシノラート、スルフォラファンを含むイソチオシアネート、またはそれらの誘導体の、インビボ状況におけるH.ピロリ増殖を阻害する効能について評価した。動物モデルは、Lozniewskiらの論文(Infect Immun.、67(4):1798-1805(1999))に記されており、これはその全体が本明細書に参照として組入れられている。簡単に述べると、ヒト胚の胃を、合法的堕胎後に入手し、ヌード(または重症複合免疫欠損症)マウスの腹部皮下に移植した。移植の8日後、腹部皮膚を再開腹し、胎児胃から胃液を吸引し、その酸性度について調べ、かつカテーテルを移植した胃に植え込んだ。カテーテル植え込み後、H.ピロリを移植した胃へとカテーテルを介して導入し、組織を感染させた。最初のH.ピロリ接種後様々な時点で、胃液の酸性度の試験および生検標本の組織学的評価により感染を評価した。
【0077】
うまく感染したことが確認された後、これらの胃に、例えばスルフォラファンを、カテーテルを介して投与し、様々な時点で感染を再評価し、H.ピロリ感染の治療におけるスルフォラファンの効能を決定した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
抗菌的に有効量の組成物を対象に投与することを含む、ヘリコバクターに感染した対象を治療する方法であって、該組成物が、グルコシノラート、イソチオシアネート、またはそれらの誘導体を含有する方法。
【請求項2】
前記イソチオシアネートが、スルフォラファン、スルフォラフェン、エリソリン、エルシン、イベリン、アリシン、ベルテロイン、イベルベリン、ケイロリン、5-メチルスルフィニルペンチルイソチオシアネート、6-メチルスルフィニルヘキシルイソチオシアネート、7-メチルスルフィニルヘプチルイソチオシアネート、8-メチルスルフィニルオクチルイソチオシアネート、9-メチルスルフィニルノニルイソチオシアネート、10-メチルスルフィニルデシルイソチオシアネート、フェニルエチルイソチオシアネート、4-(α-L-ラムノピラノシルオキシ)ベンジルイソチオシアネート、3-(α-L-ラムノピラノシルオキシ)ベンジルイソチオシアネート、2-(α-L-ラムノピラノシルオキシ)ベンジルイソチオシアネート、4-(4'-O-アセチル-α-L-ラムノピラノシルオキシ)ベンジルイソチオシアネート、またはそれらの誘導体である、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記イソチオシアネートがスルフォラファンである、請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記組成物が、食品、補助食品、栄養補助食品、または食品添加物である、請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記組成物が、グルコシノラートまたはそれらの誘導体を含有する、請求項4記載の方法。
【請求項6】
前記組成物が薬学的組成物である、請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記薬学的組成物が経口投与される、請求項6記載の方法。
【請求項8】
前記ヘリコバクターに感染した対象が、潰瘍に罹患している、請求項1記載の方法。
【請求項9】
前記対象が、胃癌に罹患しているまたは胃癌発症のリスクがある、請求項1記載の方法。
【請求項10】
前記ヘリコバクターがヘリコバクターピロリである、請求項1記載の方法。
【請求項11】
対象に抗生物質を投与することをさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項12】
前記抗生物質が、アモキシシリンおよびクラリスロマイシンからなる群より選択される、請求項11記載の方法。
【請求項13】
抗菌的有効量の組成物を用いて対象を治療することを含む、対象におけるヘリコバクター感染を予防する方法であって、該組成物がグルコシノラート、イソチオシアネート、またはそれらの誘導体を含有する方法。
【請求項14】
前記イソチオシアネートが、スルフォラファン、スルフォラフェン、エリソリン、エルシン、イベリン、アリシン、ベルテロイン、イベルベリン、ケイロリン、5-メチルスルフィニルペンチルイソチオシアネート、6-メチルスルフィニルヘキシルイソチオシアネート、7-メチルスルフィニルヘプチルイソチオシアネート、8-メチルスルフィニルオクチルイソチオシアネート、9-メチルスルフィニルノニルイソチオシアネート、10-メチルスルフィニルデシルイソチオシアネート、フェニルエチルイソチオシアネート、4-(α-L-ラムノピラノシルオキシ)ベンジルイソチオシアネート、3-(α-L-ラムノピラノシルオキシ)ベンジルイソチオシアネート、2-(α-L-ラムノピラノシルオキシ)ベンジルイソチオシアネート、4-(4'-O-アセチル-α-L-ラムノピラノシルオキシ)ベンジルイソチオシアネート、またはそれらの誘導体である、請求項13記載の方法。
【請求項15】
前記イソチオシアネートがスルフォラファンである、請求項14記載の方法。
【請求項16】
前記ヘリコバクターがヘリコバクターピロリである、請求項13記載の方法。
【請求項17】
前記組成物が、食品、補助食品、栄養補助食品、または食品添加物である、請求項13記載の方法。
【請求項18】
前記組成物が、グルコシノラートまたはそれらの誘導体を含有する、請求項17記載の方法。
【請求項19】
前記組成物が薬学的組成物である、請求項13記載の方法。
【請求項20】
前記薬学的組成物が経口投与される、請求項19記載の方法。
【請求項21】
グルコシノラート、イソチオシアネート、またはそれらの誘導体からなる群より選択される作用物質の抗菌的有効量をヘリコバクターへ投与することを含む、ヘリコバクターの増殖を阻害する方法。
【請求項22】
前記イソチオシアネートが、スルフォラファン、スルフォラフェン、エリソリン、エルシン、イベリン、アリシン、ベルテロイン、イベルベリン、ケイロリン、5-メチルスルフィニルペンチルイソチオシアネート、6-メチルスルフィニルヘキシルイソチオシアネート、7-メチルスルフィニルヘプチルイソチオシアネート、8-メチルスルフィニルオクチルイソチオシアネート、9-メチルスルフィニルノニルイソチオシアネート、10-メチルスルフィニルデシルイソチオシアネート、フェニルエチルイソチオシアネート、4-(α-L-ラムノピラノシルオキシ)ベンジルイソチオシアネート、3-(α-L-ラムノピラノシルオキシ)ベンジルイソチオシアネート、2-(α-L-ラムノピラノシルオキシ)ベンジルイソチオシアネート、4-(4'-O-アセチル-α-L-ラムノピラノシルオキシ)ベンジルイソチオシアネート、またはそれらの誘導体である、請求項21記載の方法。
【請求項23】
前記イソチオシアネートがスルフォラファンである、請求項21記載の方法。
【請求項24】
前記ヘリコバクターがヘリコバクターピロリである、請求項21記載の方法。
【請求項25】
前記作用物質が組成物として投与される、請求項21記載の方法。
【請求項26】
前記組成物が、食品、補助食品、栄養補助食品、または食品添加物である、請求項25記載の方法。
【請求項27】
前記組成物が、グルコシノラートまたはそれらの誘導体を含有する、請求項26記載の方法。
【請求項28】
前記組成物が薬学的組成物である、請求項25記載の方法。
【請求項29】
前記ヘリコバクターへ抗生物質を投与することをさらに含む、請求項21記載の方法。
【請求項30】
前記抗生物質が、アモキシシリンおよびクラリスロマイシンからなる群より選択される、請求項29記載の方法。
【請求項31】
下記の段階を含むヘリコバクターの増殖を調節する作用物質の同定方法:
a.ヘリコバクターを前記作用物質で処理し、該ヘリコバクターの増殖をアッセイする段階:
b.ヘリコバクター増殖の公知のモジュレーターを用いて該ヘリコバクターを処理し、ヘリコバクターの増殖をアッセイする段階であって、該公知のヘリコバクター増殖のモジュレーターが、イソチオシアネート、グルコシノラート、およびそれらの誘導体からなる群より選択される段階;ならびに
c.(a)および(b)におけるヘリコバクター増殖のレベルを比較し、該作用物質がヘリコバクター増殖を調節するか否か決定する段階。
【請求項32】
前記イソチオシアネートが、スルフォラファン、スルフォラフェン、エリソリン、エルシン、イベリン、アリシン、ベルテロイン、イベルベリン、ケイロリン、5-メチルスルフィニルペンチルイソチオシアネート、6-メチルスルフィニルヘキシルイソチオシアネート、7-メチルスルフィニルヘプチルイソチオシアネート、8-メチルスルフィニルオクチルイソチオシアネート、9-メチルスルフィニルノニルイソチオシアネート、10-メチルスルフィニルデシルイソチオシアネート、フェニルエチルイソチオシアネート、4-(α-L-ラムノピラノシルオキシ)ベンジルイソチオシアネート、3-(α-L-ラムノピラノシルオキシ)ベンジルイソチオシアネート、2-(α-L-ラムノピラノシルオキシ)ベンジルイソチオシアネート、4-(4'-O-アセチル-α-L-ラムノピラノシルオキシ)ベンジルイソチオシアネート、またはそれらの誘導体である、請求項31記載の方法。
【請求項33】
前記イソチオシアネートがスルフォラファンである、請求項32記載の方法。
【請求項34】
(a)において作用物質が取除かれた後、(b)が(a)のヘリコバクターについて実行される、請求項31記載の方法。
【請求項35】
前記ヘリコバクターがヘリコバクターピロリである、請求項31記載の方法。
【請求項36】
前記ヘリコバクターが動物細胞内またはその周囲に発生する、請求項31記載の方法。
【請求項37】
インビボで行われる、請求項31記載の方法。
【請求項38】
インビトロで行われる、請求項31記載の方法。

【公開番号】特開2013−6849(P2013−6849A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−183114(P2012−183114)
【出願日】平成24年8月22日(2012.8.22)
【分割の表示】特願2002−520645(P2002−520645)の分割
【原出願日】平成13年8月21日(2001.8.21)
【出願人】(503070753)
【Fターム(参考)】