説明

インクジェットプリンタ

【課題】ノズルの配列方向や被記録媒体の搬送方向が傾いた場合に、記録される画質を向上させる。
【解決手段】搬送方向に搬送される記録用紙に、キャリッジとともに主走査方向に往復移動するインクジェットヘッドからインクを吐出することによって、記録用紙に画像の記録を行うインクジェットプリンタにおいて、画像の記録を行う際に、ノズルの配列方向あるいは記録用紙の搬送方向が、副走査方向に対して傾いている場合、画像記録領域の中央部については、ノズルの配列方向及び記録用紙の搬送方向のいずれもが、副走査方向と平行である場合の吐出タイミング(基準タイミング)でインクを吐出させる。画像記録領域の中央部よりも搬送方向の上流側の部分、及び、下流側の部分については、吐出タイミングを基準タイミングよりも早める又は遅らせて、インクの着弾位置を主走査方向にずらす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ノズルからインクを吐出することによって被記録媒体に画像の記録を行うインクジェットプリンタに関する。
【0002】
ノズルからインクを吐出することによって被記録媒体に画像の記録を行うインクジェットプリンタとして、特許文献1には、キャリッジとともに主走査方向に往復移動するインクジェットヘッドの、副走査方向に配列された複数のノズルからインクを吐出することによって副走査方向と平行に搬送される被記録媒体に画像の記録を行うインクジェットプリンタが記載されている。特許文献1に記載のインクジェットプリンタでは、ノズルの位置精度が悪く、ノズルの配列方向が副走査方向に対して傾いている場合に、1走査目においては、ノズルの配列方向が副走査方向と平行な場合と同じ吐出タイミングでノズルからインクを吐出させ、2走査目以降において、ノズルからのインクの吐出タイミングを、ノズルの配列方向の傾きに応じて早めるあるいは遅らせることによって、2走査目以降におけるインクの着弾位置を主走査方向にずらしている。
【0003】
このとき、仮に、インクの着弾位置をずらさないとすると、ある走査において搬送方向の下流側の端に位置するノズルから吐出されたインクの着弾位置と、次の走査において搬送方向の上流側の端に位置するノズルから吐出されたインクの着弾位置とが主走査方向にずれ、記録される画像の画質が低下してしまう。そこで、特許文献1では、上述したようにインクの着弾位置を主走査方向にずらすことにより、上記インクの着弾位置のずれをなくし、これにより、記録される画像の画質を向上させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−254303号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、特許文献1では、2走査目以降において、後の走査ほどインクの着弾位置をずらす量が大きくなる。そのため、記録される画像のうち、1走査目に記録される部分については、被記録媒体の主走査方向に関する略中央部に記録され、後の走査によって記録される部分ほど、被記録媒体の主走査方向に関して中央部から片側に偏った位置に記録されることとなり、被記録媒体に記録される画像の主走査方向に関する両側の余白の主走査方向に関する長さに大きな差が生じてしまう。
【0006】
本発明の目的は、記録される画像の画質を向上させつつも、画像が記録された被記録媒体の余白の長さの差が小さくなるように画像の記録を行うことが可能なインクジェットプリンタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明に係るインクジェットプリンタは、インク吐出面に形成された複数のノズルからインクを吐出するインクジェットヘッドと、前記インクジェットヘッドを搭載しており、前記インク吐出面と平行な主走査方向に往復移動するキャリッジと、前記複数のノズルから吐出されたインクが着弾する被記録媒体を、前記主走査方向と交差する搬送方向に搬送する搬送手段と、前記複数のノズルからのインクの吐出の制御を行う吐出制御手段と、を備え、前記複数のノズルは、前記主走査方向と交差する配列方向に並ぶことによりノズル列を形成しており、前記吐出制御手段は、前記配列方向が前記インク吐出面と平行で且つ前記主走査方向と直交する副走査方向と平行であるとした場合よりも、前記ノズル列に属する複数のノズルの内、前記搬送方向の上流側のノズルが下流側のノズルに対して前記主走査方向の一方側に位置するように、前記配列方向が前記副走査方向に対して傾いている場合に、前記複数のノズルからのインクの吐出タイミングを補正する補正制御を行い、前記補正制御は、インクの吐出タイミングを補正しない基準タイミングにてインクを吐出した場合の、前記被記録媒体の画像が記録される画像記録領域におけるインクの着弾位置を基準着弾位置として、前記画像記録領域のうち、前記副走査方向に関する中央部におけるインクの着弾位置を、前記基準着弾位置にさせるように、前記複数のノズルからのインクの吐出タイミングを前記基準タイミングとし、前記画像記録領域のうち、前記中央部よりも前記搬送方向の上流側に位置する上流側部分におけるインクの着弾位置を、前記基準着弾位置から前記主走査方向の前記一方側にずれさせ、前記画像記録領域のうち、前記中央部よりも前記搬送方向の下流側に位置する下流側部分におけるインクの着弾位置を、前記基準着弾位置から前記主走査方向の前記一方側と反対側にずれさせるように、前記複数のノズルからのインクの吐出タイミングを前記基準タイミングからずらす制御であることを特徴とする。
【0008】
第4の発明に係るインクジェットプリンタは、インク吐出面に形成された複数のノズルからインクを吐出するインクジェットヘッドと、前記インクジェットヘッドを搭載しており、前記インク吐出面と平行な主走査方向に往復移動するキャリッジと、前記複数のノズルから吐出されたインクが着弾する被記録媒体を、前記主走査方向と交差する搬送方向に搬送する搬送手段と、前記複数のノズルからのインクの吐出の制御を行う吐出制御手段と、を備え、前記複数のノズルは、前記主走査方向と交差する配列方向に並ぶことによりノズル列を形成しており、前記吐出制御手段は、前記搬送方向が前記インク吐出面と平行で且つ前記主走査方向と直交する副走査方向と平行であるとした場合よりも、前記搬送方向の上流側が下流側に対して前記主走査方向の一方側に位置するように、前記搬送方向が前記副走査方向に対して傾いた状態で前記被記録媒体が搬送されている場合に、前記複数のノズルからのインクの吐出タイミングを補正する補正制御を行い、前記補正制御は、インクの吐出タイミングを補正しない基準タイミングにてインクを吐出した場合の、前記被記録媒体の画像が記録される画像記録領域におけるインクの着弾位置を基準着弾位置として、前記画像記録領域のうち、前記副走査方向に関する中央部におけるインクの着弾位置を、前記基準着弾位置にさせるように、前記複数のノズルからのインクの吐出タイミングを前記基準タイミングとし、前記画像記録領域のうち、前記中央部よりも前記搬送方向の上流側に位置する上流側部分におけるインクの着弾位置を、前記基準着弾位置から前記主走査方向の前記一方側と反対側にずれさせ、前記画像記録領域のうち、前記中央部よりも前記搬送方向の下流側に位置する下流側部分におけるインクの着弾位置を、前記基準着弾位置から前記主走査方向の前記一方側にずれさせるように、前記複数のノズルの吐出タイミングを前記基準タイミングからずらす制御であることを特徴とする。
【0009】
これらの発明によると、被記録媒体に画像の記録を行うために繰り返される、キャリッジを移動させつつインクジェットヘッドからインクを吐出する動作(以下、走査とする)のうち、ある走査において、搬送方向の下流側の端に位置するノズルから吐出されるインクの着弾位置と、次の走査において、搬送方向の上流側の端に位置するノズルから吐出されるインクの着弾位置との、主走査方向に関するずれがなくなる、あるいは、当該ずれが小さくなる。したがって、記録される画像の画質を向上させることができる。さらに、画像記録領域の中央部については着弾位置をずらさず、上流側部分及び下流側部分における着弾位置を主走査方向にずらしているため、着弾位置をずらしたことによって生じる、記録された画像の主走査方向に関する両側の余白の、主走査方向に関する長さの差を小さくすることができる。
【0010】
第2の発明に係るインクジェットプリンタは、第1の発明に係るインクジェットプリンタにおいて、前記吐出制御手段は、前記キャリッジが前記主走査方向の前記一方側に移動するときと、前記反対側に移動するときに、前記ノズルからインクを吐出させるように制御を行い、前記補正制御は、前記キャリッジが前記主走査方向の前記一方側に移動する際に、前記複数のノズルからインクを吐出する場合には、前記上流側部分に着弾させるインクの吐出タイミングを前記基準タイミングよりも遅らせるとともに、前記下流側部分に着弾させるインクの吐出タイミングを、前記基準タイミングよりも早め、前記キャリッジが前記主走査方向の前記一方側と反対側に移動する際に、前記複数のノズルからインクを吐出する場合には、前記上流側部分に着弾させるインクの吐出タイミングを前記基準タイミングよりも早めるとともに、前記下流側部分に着弾させるインクの吐出タイミングを、前記基準タイミングよりも遅らせる制御であることを特徴とする。
【0011】
本発明によると、配列方向が副走査方向と平行であるとした場合よりも、搬送方向の上流側のノズルが下流側のノズルに対して主走査方向の一方側に位置するように、配列方向が副走査方向に対して傾いている場合、キャリッジが主走査方向の一方側に移動する際にノズルからインクを吐出させる場合には、上流側部分については、インクの吐出タイミングを基準タイミングよりも遅らせることにより、インクの着弾位置を主走査方向の一方側にずれさせることができ、下流側部分については、インクの吐出タイミングを基準タイミングよりも早めることにより、インクの着弾位置を主走査方向の一方側と反対側にずれさせることができる。一方、キャリッジが主走査方向の一方側と反対側に移動する際にノズルからインクを吐出させる場合には、上流側部分については、インクの吐出タイミングを基準タイミングよりも早めることにより、インクの着弾位置を主走査方向の一方側にずれさせることができ、下流側部分については、インクの吐出タイミングを基準タイミングよりも遅らせることにより、インクの着弾位置を主走査方向の一方側と反対側にずれさせることができる。
【0012】
第3の発明に係るインクジェットプリンタは、第1又は第2の発明に係るインクジェットプリンタにおいて、前記搬送手段は、前記搬送方向が前記副走査方向に沿うように、前記被記録媒体を搬送し、前記吐出制御手段は、前記搬送方向が前記副走査方向に対して傾いた状態で前記被記録媒体が搬送されている場合には、前記上流側部分及び前記下流側部分におけるインクの着弾位置を、前記搬送方向の傾きに応じて、前記上流側部分及び前記下流側部分に着弾させるインクの吐出タイミングを前記補正制御の吐出タイミングと変えることを特徴とする。
【0013】
本発明によると、搬送方向が副走査方向に対して傾いている場合に、その傾斜に応じて、上流側部分及び下流側部分において、インクの吐出タイミングを補正制御での吐出タイミングと変えることによって、記録される画像の画質をさらに向上させることができる。
【0014】
第5の発明に係るインクジェットプリンタは、第4の発明に係るインクジェットプリンタにおいて、前記吐出制御手段は、前記キャリッジが前記主走査方向の前記一方側に移動するときと、前記反対側に移動するときに、前記ノズルからインクを吐出させるように制御を行い、前記補正制御は、前記キャリッジが前記主走査方向の前記一方側に移動する際に、前記複数のノズルからインクを吐出する場合には、前記上流側部分に着弾させるインクの吐出タイミングを前記基準タイミングよりも早めるとともに、前記下流側部分に着弾させるインクの吐出タイミングを、前記基準タイミングよりも遅らせ、前記キャリッジが前記主走査方向の前記一方側と反対側に移動する際に、前記複数のノズルからインクを吐出する場合には、前記上流側部分に着弾させるインクの吐出タイミングを前記基準タイミングよりも遅らせるとともに、前記下流側部分に着弾させるインクの吐出タイミングを、前記基準タイミングよりも早める制御であることを特徴とする。
【0015】
本発明によると、搬送方向が副走査方向と平行であるとした場合よりも、搬送方向の上流側が下流側に対して主走査方向の一方側に位置するように、搬送方向が副走査方向に対して傾いた状態で被記録媒体が搬送されている場合、キャリッジが主走査方向の一方側に移動する際にノズルからインクを吐出させる場合には、上流側部分については、インクの吐出タイミングを基準タイミングよりも遅らせることにより、インクの着弾位置を主走査方向の一方側にずれさせることができ、下流側部分については、インクの吐出タイミングを基準タイミングよりも早めることにより、インクの着弾位置を主走査方向の一方側と反対側にずれさせることができる。一方、キャリッジが主走査方向の一方側と反対側に移動する際にノズルからインクを吐出させる場合には、上流側部分については、インクの吐出タイミングを基準タイミングよりも早めることにより、インクの着弾位置を主走査方向の一方側にずれさせることができ、下流側部分については、インクの吐出タイミングを基準タイミングよりも遅らせることにより、インクの着弾位置を主走査方向の一方側と反対側にずれさせることができる。
【0016】
第6の発明に係るインクジェットプリンタは、第1〜第3のいずれか発明に係るインクジェットプリンタにおいて、前記吐出制御手段は、前記補正制御において、前記上流側部分及び前記下流側部分におけるインクの着弾位置を、前記副走査方向に関する前記中央部からの距離と、前記配列方向の前記副走査方向に対する傾斜角度の応じた所定ずれ量だけずれさせることを特徴とする。
【0017】
第7の発明に係るインクジェットプリンタは、第4又は第5の発明に係るインクジェットプリンタにおいて、前記吐出制御手段は、前記補正制御において、前記上流側部分及び前記下流側部分におけるインクの着弾位置を、前記副走査方向に関する前記中央部からの距離と、前記搬送方向の前記副走査方向に対する傾斜角度の応じた所定ずれ量だけずれさせることを特徴とする。
【0018】
これらの発明によると、記録される画像の画質を確実に向上させることができる。
【0019】
第8の発明に係るインクジェットプリンタは、第6又は第7の発明に係るインクジェットプリンタにおいて、前記吐出制御手段は、前記配列方向と前記搬送方向とが為す角度が、所定角度以下の場合には、前記上流側部分及び前記下流側部分におけるインクの着弾位置を、前記所定ずれ量だけずれさせ、前記配列方向と前記搬送方向とが為す角度が、前記所定角度よりも大きい場合には、前記上流側部分及び前記下流側部分におけるインクの着弾位置を、前記所定ずれ量よりも小さい量だけずれさせることを特徴とする。
【0020】
本発明によると、ノズルの配列方向と搬送方向とが為す角度が小さい場合には、上流側部分及び下流側部分におけるインクの着弾位置を、所定ずれ量だけずらすことにより、記録される画像の画質を向上させることができる。一方、ノズルの配列方向と搬送方向とが為す角度が大きい場合には、上流側部分及び下流側部分におけるインクの着弾位置を所定ずれ量よりも小さい量だけずれさせることにより、記録される画像の画質は多少低下してしまうものの、走査方向に関する余白の長さの差を小さくすることができる。
【0021】
第9の発明に係るインクジェットプリンタは、第6又は第7の発明に係るインクジェットプリンタにおいて、前記吐出制御手段は、前記主走査方向に関して、前記被記録媒体が配置されている範囲よりも広い範囲にわたって前記複数のノズルからインクを吐出させることによって、前記被記録媒体の前記走査方向に関する全長にわたって延びた前記画像記録領域に画像の記録を行う縁なし記録、及び、前記主走査方向に関する長さが前記被記録媒体よりも短く、前記主走査方向に関する両側に余白がある前記画像記録領域に画像の記録を行う縁あり記録のいずれかを選択的に行わせ、前記縁なし記録を行わせる場合には、前記上流側部分及び前記下流側部分におけるインクの着弾位置を、前記所定ずれ量だけずれさせ、前記縁あり記録を行わせる場合には、前記上流側部分及び前記下流側部分におけるインクの着弾位置を、前記所定ずれ量よりも小さい量だけずれさせることを特徴とする。
【0022】
本発明によると、被記録媒体に余白ができず、走査方向に関する余白の長さの差が問題とならない縁なし記録を行う場合には、上流側部分及び下流側部分におけるインクの着弾位置を所定ずれ量だけずらすことにより、記録される画像の画質を向上させることができる。一方、被記録媒体に余白ができ、走査方向に関する余白の長さの差が問題となる縁あり記録を行う場合には、上流側部分及び下流側部分におけるインクの着弾位置を所定ずれ量よりも小さい量だけずらすことにより、記録される画像の画質は多少低下してしまうものの、走査方向に関する余白の長さの差を小さくすることができる。
【0023】
第10の発明に係るインクジェットプリンタは、第6又は第7の発明に係るインクジェットプリンタにおいて、前記吐出制御手段は、前記副走査方向に関する長さが所定長さ以下の前記画像記録領域に画像の記録を行う短領域記録、及び、前記副走査方向に関する長さが前記所定長さよりも長い前記画像記録領域に画像の記録を行う長領域記録、のいずれかを選択的に行わせ、前記短領域記録を行わせる場合には、前記上流側部分及び前記下流側部分におけるインクの着弾位置を、前記所定ずれ量だけずれさせ、前記長領域記憶を行わせる場合には、前記上流側部分及び前記下流側部分におけるインクの着弾位置を、前記所定ずれ量よりも小さい量だけずれさせることを特徴とする。
【0024】
本発明によると、副走査方向に関する長さが短い画像記録領域に画像の記録を行う短領域記録では、被記録媒体の部分毎の主走査方向に関する余白の長さの差はそれほど大きくはならない。したがって、短領域記録では、インクの着弾位置を上記所定ずれ量だけずらすことにより、記録される画像の画質を向上させることができる。一方、副走査方向に関する長さが長い画像記録領域に画像の記録を行う長領域記録では、ノズルの配列方向と搬送方向とが為す角度が小さくても、走査方向に関する余白の長さの差が大きくなってしまう。したがって、長領域記録では、インクの着弾位置を所定ずれ量よりも小さい量だけずらすことにより、記録される画像の画質は多少低下してしまうものの、走査方向に関する余白の長さの差を極力小さくすることができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、記録される画像の画質を向上させることができる。さらに、記録された画像の主走査方向に関する両側の余白の、主走査方向に関する長さの差を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施の形態に係るプリンタの概略構成図である。
【図2】図1の制御装置の機能ブロック図である。
【図3】図1のプリンタにおいて画像の記録を行う際の制御を示すフローチャートである。
【図4】図2の第1補正制御の流れを示すフローチャートである。
【図5】図2の第2補正制御の流れを示すフローチャートである。
【図6】配列方向が傾いた場合に記録される画像を示す図であり、(a)が吐出タイミングの補正を行わなかった場合、(b)が実施の形態の場合を示している。
【図7】配列方向が大きく傾いた場合に記録される画像を示す図であり、(a)が図6(b)と同様の補正を行った場合、(b)が実施の形態の場合を示している。
【図8】副走査方向に長い記録用紙に記録された画像を示す図であり、(a)が図6(b)と同様の補正を行った場合、(a)が実施の形態の場合を示している。
【図9】縁なし記録を示す図である。
【図10】搬送方向が傾いた場合に記録される画像を示す図であり、(a)が吐出タイミングの補正を行わなかった場合、(b)が実施の形態の場合を示している。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1に示すように、本実施の形態に係るインクジェットプリンタ1は、キャリッジ2、インクジェットヘッド3、用紙搬送ローラ4などを備えている。また、インクジェットプリンタ1の動作は、制御装置50によって制御されている。なお、以下では、図1に示すように、後述する主走査方向の右側及び左側を定義して説明を行う。
【0028】
キャリッジ2は、2本のガイドレール5に沿って主走査方向に往復移動する。インクジェットヘッド3は、キャリッジ2に搭載されており、その下面である、主走査方向、及び、平面視で主走査方向と直交する副走査方向に延びたインク吐出面3aに形成された複数のノズル15からインクを吐出する。
【0029】
複数のノズル15は、副走査方向と平行な配列方向に配列されることによってノズル列14を形成しており、インクジェットヘッド3は、主走査方向に沿って配列された4つのノズル列14を有している。
【0030】
用紙搬送ローラ4は、副走査方向と平行な搬送方向に記録用紙P(被記録媒体)を搬送する。ここで、用紙搬送ローラ4は、記録用紙Pとして、例えばA4サイズの記録用紙、及び、A3サイズの記録用紙Pを含む複数種類の記録用紙を搬送することができるようになっている。このとき、A4サイズの記録用紙は、図1に実線で示すように、その長辺方向が主走査方向と平行となる向きで搬送され、A3サイズの記録用紙Pは、図1に一点鎖線で示すように、その短辺方向が主走査方向と平行となる向きで搬送される。なお、A4サイズの記録用紙の長辺方向の長さと、A3サイズの記録用紙の短辺方向の長さとは、実際には同じ長さであるが図1では、図面をわかりやすくするために、A3サイズの記録用紙を一回り小さく図示している。
【0031】
そして、インクジェットプリンタ1においては、キャリッジ2が主走査方向の右側に移動する間、及び、左側に移動する間に、インクジェットヘッド3の複数のノズル15からインクを吐出する動作(走査)を繰り返し行うとともに、走査が完了する毎に、用紙搬送ローラ4により記録用紙Pを、副走査方向に関するノズル列14の長さTずつ搬送方向に搬送することによって、記録用紙Pに画像の記録を行う。また、画像の記録が完了した記録用紙Pは、用紙搬送ローラ4によって排出される。
【0032】
次に、インクジェットプリンタ1の動作を制御する制御装置50について説明する。制御装置50は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等からなり、これらが、図2に示すように、ヘッド制御部51、搬送制御部52、傾き記憶部53、位置取得部54、補正量決定部55などとして動作する。ヘッド制御部51は、ノズル15からのインクの吐出など、インクジェットヘッド3の動作を制御する。搬送制御部52は、用紙搬送ローラ4の動作を制御する。
【0033】
傾き記憶部53は、ノズル列14を構成する複数のノズル15の配列方向、及び、用紙搬送ローラ4による記録用紙Pの搬送方向の副走査方向に対する傾きを記憶する。より詳細に説明すると、ノズル15の配列方向や、記録用紙Pの搬送方向は、本来、上述したように、いずれも副走査方向と平行となるべきものである。しかしながら、ノズル15の配列方向や、記録用紙Pの搬送方向は、実際には、インクジェットプリンタ1を構成する部品の公差や、インクジェットプリンタ1の製造時の部品の取り付け誤差などにより、副走査方向に対して傾いていることがある。そして、傾き記憶部53は、ノズル15の配列方向、及び、記録用紙Pの搬送方向の副走査方向に対する角度をそれぞれ記憶する。なお、ノズル15の配列方向や、記録用紙Pの搬送方向の副走査方向に対する角度は、例えば、インクジェットプリンタ1の製造時に、記録用紙にテスト用の画像を記録することによって取得することができる。
【0034】
位置取得部54は、記録用紙Pの位置を取得する。具体的には、位置取得部54は、記録用紙Pが用紙搬送ローラ4により搬送された距離などから、記録用紙Pのどの部分がインクジェットヘッド3と対向しているかを取得する。補正量決定部55は、傾き記憶部53に記憶されたノズル15の配列方向、及び、記録用紙Pの搬送方向の傾き、及び、位置取得部54において取得された記録用紙Pの位置に基づいて、複数のノズル15からのインクの吐出タイミングの補正量を決定する。
【0035】
なお、本実施の形態では、ヘッド制御部51、傾き記憶部53、位置取得部54及び補正量決定部55を合わせたものが、本発明に係る吐出制御手段に相当する。
【0036】
次に、インクジェットプリンタ1において、画像の記録を行う際の制御について、図3〜図5のフローチャートを用いて説明する。インクジェットプリンタ1において画像の記録を行う際には、まず、図3に示すように、用紙搬送ローラ4により記録用紙Pを搬送することにより(ステップS101:以下、単にS101などとする)、記録用紙Pを、インクジェットヘッド3から吐出されたインクを着弾させる部分がインクジェットヘッド3と対向する位置まで搬送する。
【0037】
次に、ノズル15からのインクの吐出タイミングを、ノズル15の配列方向、及び、記録用紙Pの搬送方向のいずれもが副走査方向と平行であるとした場合の吐出タイミングである基準タイミングに設定する(S102)。そして、ノズル15の配列方向が副走査方向と平行である場合には(S103:NO)、そのまま後述のS105に進み、ノズル15の配列方向が副走査方向に対して傾いている場合には(S103:YES)、次に説明する第1補正制御を行ってから(S104)、後述のS105に進む。
【0038】
第1補正制御では、図4に示すように、記録用紙Pのインクジェットヘッド3と対向している部分が、画像が記録される画像記録領域の副走査方向に関する中央部である場合には(S201:YES)、以下に説明するような吐出タイミングの補正を行わず、そのまま後述のS105に進む。
【0039】
記録用紙Pのインクジェットヘッド3と対向している部分が、画像記録領域の、記録用紙Pの搬送方向に関して上記中央部よりも上流側の部分(上流側部分)である場合(S201:NO、S202:YES)、当該領域に着弾させるインクを吐出する際のキャリッジ2の移動方向が右側であれば(S203:YES)、後述するS205に進み、当該領域に着弾させるインクを吐出する際のキャリッジ2の移動方向が左側であれば(S203:NO)、後述するS208に進む。
【0040】
記録用紙Pのインクジェットヘッド3と対向している部分が、画像記録領域の、記録用紙Pの搬送方向に関して上記中央部よりも下流側の部分(下流側部分)である場合(S201:NO、S202:NO)、当該領域に着弾させるインクを吐出する際のキャリッジ2の移動方向が右側であれば(S204:YES)、後述するS208に進み、当該領域に着弾させるインクを吐出する際のキャリッジ2の移動方向が左側であれば(S204:NO)、後述するS205に進む。
【0041】
S205では、ノズル15の配列方向が副走査方向に対してどちら側に傾いているかが判定される。具体的には、上流側のノズル15が下流側のノズル15よりも右側及び左側のどちらに側に位置するように副走査方向に対して傾いているか、すなわち、ノズル15の配列方向が副走査方向と平行である場合よりも、上流側のノズル15が下流側のノズル15に対して右側及び左側のどちら側に位置しているかが判断される。
【0042】
そして、上流側のノズル15が下流側のノズル15よりも右側に位置するように副走査方向に対して傾いている場合には(S205:YES)、ノズル15からのインクの吐出タイミングを現在の吐出タイミング、すなわち、基準タイミングよりも遅れたタイミングに設定し、S105に進む(S206)。
【0043】
一方、ノズル15の配列方向が、上流側のノズル15が下流側のノズル15よりも左側に位置するように副走査方向に対して傾いている場合には(S205:NO)、ノズル15からのインクの吐出タイミングを現在の吐出タイミング、すなわち、基準タイミングよりも早いタイミングに設定し(S207)、S105に進む。
【0044】
S208でも、S205と同様、ノズル15の配列方向がどちらに副走査方向に対してどちら側に傾いているかが判定される。そして、上流側のノズル15が下流側のノズル15よりも右側に位置するように副走査方向に対して傾いている場合には(S208:YES)、ノズル15からのインクの吐出タイミングを現在の吐出タイミング、すなわち、基準タイミングよりも早いタイミングに設定し(S209)、S105に進む。
【0045】
一方、ノズル15の配列方向が、上流側のノズル15が下流側のノズル15よりも左側に位置するように副走査方向に対して傾いている場合には(S208:NO)、ノズル15からのインクの吐出タイミングを現在の吐出タイミング、すなわち、基準タイミングよりも遅れたタイミングに設定し(S210)、S105に進む。
【0046】
なお、S206、S210において、インクの吐出タイミングをどの程度遅らせるか、及び、S207、S209において、インクの吐出タイミングをどの程度早めるかについては、後程詳細に説明する。
【0047】
S105においては、記録用紙Pの搬送方向が副走査方向に対して傾いているか否かを判断し、記録用紙Pの搬送方向が副走査方向と平行である場合は(S105:NO)には、後述するS107に進み、記録用紙Pの搬送方向が副走査方向に対して傾いている場合には(S105:YES)には、以下に説明する第2補正制御を行ってから(S106)、S107に進む。
【0048】
第2補正制御では、図5に示すように、記録用紙Pのインクジェットヘッド3と対向している部分が、画像記録領域の副走査方向に関する中央部である場合には(S301:YES)、以下に説明するような吐出タイミングの補正を行わず、そのままS107に進む。
【0049】
記録用紙Pのインクジェットヘッド3と対向している部分が上流側部分である場合(S301:NO、S302:YES)、当該領域に着弾させるインクを吐出する際のキャリッジ2の移動方向が右側であれば(S303:YES)、後述するS305に進み、当該領域に着弾させるインクを吐出する際のキャリッジ2の移動方向が左側であれば(S303:NO)、後述するS308に進む。
【0050】
記録用紙Pのインクジェットヘッド3と対向している部分が下流側部分である場合(S301:NO、S302:NO)、当該領域に着弾させるインクを吐出する際のキャリッジ2の移動方向が右側であれば(S304:YES)、後述するS308に進み、当該領域に着弾させるインクを吐出する際のキャリッジ2の移動方向が左側であれば(S304:NO)、後述するS305に進む。
【0051】
S305では、S205、S208と同様、記録用紙Pの搬送方向が副走査方向に対してどちら側に傾いているかが判定される。そして、記録用紙Pの搬送方向が、その上流側が下流側よりも右側に位置するように副走査方向に対して傾いている場合には(S305:YES)、ノズル15からのインクの吐出タイミングを現在の吐出タイミングよりも早いタイミングに設定し(S306)、S107に進む。一方、記録用紙Pの搬送方向が、その上流側が下流側よりも左側に位置するように副走査方向に対して傾いている場合には(S305:NO)、ノズル15からのインクの吐出タイミングを現在の吐出タイミングよりも遅れたタイミングに設定し(S307)、S107に進む。
【0052】
S308では、S205、S208、S305と同様、記録用紙Pの搬送方向が副走査方向に対してどちら側に傾いているかが判定される。そして、記録用紙Pの搬送方向が、その上流側が下流側よりも右側に位置するように副走査方向に対して傾いている場合には(S308:YES)、ノズル15からのインクの吐出タイミングを現在の吐出タイミングよりも遅れたタイミングに設定し(S309)、S107に進む。一方、記録用紙Pの搬送方向が、その上流側が下流側よりも左側に位置するように副走査方向に対して傾いている場合には(S308:NO)、ノズル15からのインクの吐出タイミングを現在の吐出タイミングよりも早いタイミングに設定し(S310)、S107に進む。
【0053】
ここで、S306、S307、S309、S310でいう現在の吐出タイミングとは、第1補正制御を行わなかった場合には基準タイミングのことであり、第1補正制御を行った場合には第1補正制御により補正された後の吐出タイミングのことである。なお、S306、S310において吐出タイミングをどの程度早めるか、及び、S307、S309において吐出タイミングをどの程度遅らせるかについては、後程詳細に説明する。
【0054】
S107においては、記録用紙Pへの画像の記録が縁なし記録か、縁あり記録であるかが判断され、縁なし記録の場合には(S107:YES)、S111に進み、縁あり記録の場合には(S107:NO)、S108に進む。ここで、縁なし記録とは、主走査方向に関して記録用紙Pよりもはみ出した領域にわたってインクジェットヘッド3からインクを吐出させることにより、記録用紙Pに余白のない画像の記録を行うことであり、縁あり記録とは、主走査方向に関して記録用紙Pが配置されている範囲よりも狭い範囲でインクジェットヘッド3からインクを吐出させることにより、記録用紙Pの記録された画像の主走査方向に関する両側に余白のある画像の記録を行うことである。そして、インクジェットプリンタ1では、縁なし記録及び縁あり記録のいずれかを選択的に行うことができる。
【0055】
S108においては、ノズル15の配列方向と記録用紙Pの搬送方向とが為す角度γが所定角度γ1よりも大きいか否かが判断され、角度γが所定角度γ1よりも大きい場合には(S108:YES)、後述するS110に進み、角度γが所定角度γ1以下の場合には(S108:NO)、次に説明するS109に進む。
【0056】
S109においては、画像記録領域の副走査方向に関する長さLが所定長さL1よりも長いか否かが判断される。ここで、所定長さL1は、例えば、記録用紙PがA3サイズの記録用紙である場合には長さLが所定長さL1よりも長くなり、例えば、記録用紙PがA4サイズの記録用紙あるいはそれよりも小さい記録用紙である場合には、長さLが所定長さL1以下となるような長さに設定されている。そして、長さLが所定長さL1よりも長い場合には(S109:YES)、後述するS110に進み、長さLが所定長さL1以下の場合には(S109:NO)、後述するS111に進む。
【0057】
S110においては、吐出タイミングの補正量を、現在の補正量よりも小さくし、S111に進む。具体的には、上述の第1補正制御(S104)及び第2補正制御(S107)の少なくともいずれか一方により、インクの吐出タイミングが、基準タイミングよりも遅れたタイミングあるいは基準タイミングよりも早いタイミングとなっている場合に、吐出タイミングを遅らせる量あるいは早める量を設定された量よりも小さくする。
【0058】
S111においては、S101〜S110において決定された吐出タイミングで、ノズル15からインクを吐出させることにより、記録用紙Pのインクジェットヘッド3と対向している領域にインクを着弾させる。そして、画像の記録が完了するまで、上述のS101〜S111を繰り返し(S112:NO)、画像の記録が完了したときに(S112:YES)、用紙搬送ローラ4により記録用紙Pを排出させ(S113)、動作を終了する。
【0059】
次に、インクジェットプリンタ1により記録用紙Pに記録される画像について説明する。ここで、インクジェットプリンタ1では、実際には、走査が多数回繰り返し行われることによって、記録用紙Pに1つの画像の記録が記録される。しかしながら、以下では、これを簡略化して、図6に示すように、A4サイズの記録用紙に、5回の走査により、記録用紙Pの副走査方向に並んだ画像記録領域Rを構成する5つの部分R1〜R5に順にインクを着弾させることによって画像形成領域Rに画像の記録を行う場合を例について説明する。このとき、部分R1〜R5には、下流側の部分から順(部分R5、R4、R3、R2、R1の順)に画像の記録が行われる。
【0060】
なお、この例では、5つの部分R1〜R5のうち、副走査方向に関する中央部に位置する部分R3が、本発明に係る中央部に相当し、搬送方向に関して部分R3よりも上流側に位置する部分R1、R2が、本発明に係る上流側部分に相当し、搬送方向に関して部分R3よりも下流側に位置する部分R4、R5が、本発明に係る下流側部分に相当する。
【0061】
図6の例では、ノズル15の配列方向が、上流側のノズル15が下流側のノズル15よりも右側(一方側)に位置するように、副走査方向に対して角度αだけ傾いており、記録用紙Pの搬送方向が副走査方向と平行になっている。したがって、このような場合には、上述の第1補正制御のみによって、吐出タイミングの補正が行われる。
【0062】
ここで、仮に、第1補正制御が行われないとすると、ある走査において、搬送方向の下流側の端に位置するノズル15から吐出されたインクの着弾位置と、次の走査において、搬送方向の上流側の端に位置するノズル15から吐出されるインクの着弾位置とが、主走査方向にTtanαだけずれる。これにより、図6(a)に示すように、記録用紙Pに記録される画像において、部分R1〜R4に着弾するインクによって形成される部分の搬送方向に関する下流側の端と、各部分R1〜R4のすぐ下流側に位置する部分R2〜R5に着弾するインクによって形成される部分の搬送方向に関する上流側の端とが、主走査方向にずれ、記録される画像の画質が低下してしまう。
【0063】
これに対して、本実施の形態では、第1補正制御により、図6(b)に示すように、部分R1〜R5のうち、部分R3については、上記基準タイミングでインクを吐出させる。また、部分R1、R2については、インクの吐出タイミングを基準タイミングよりも早める又は遅らせることによって、副走査方向に関する部分R3からの距離をDとしたときに、基準着弾位置からDtanαだけ右側(一方側)にずれた位置に着弾させる。また、部分R4、R5については、インクの吐出タイミングを基準タイミングよりも早める又は遅らせることによって、基準着弾位置からDtanαだけ左側(一方側と反対側)にずれた位置に着弾させる。なお、本実施の形態では、Dtanαによって算出される量が、本発明に係る所定ずれ量に相当し、Dの値は、部分R1、R5については2T、部分R2、R4についてはTとなる。
【0064】
これにより、記録される画像において、上述したような部分R1〜R5の間でのずれがなくなり、記録される画像の画質が向上する。
【0065】
さらに、画像記録領域Rのうち、副走査方向に関する中央部である部分R3については、基準着弾位置にインクを着弾させているため、記録用紙Pの主走査方向に関する略中央部にインクが着弾する。また、上流側部分である部分R1、R2及び下流側部分である部分R4、R5については、基準着弾位置から、主走査方向に関して互いに反対側にずれた位置にインクが着弾する。したがって、例えば、特許文献1に記載されているのと同様の制御により、最初に画像の記録が行われる部分R5において基準着弾位置にインクを着弾させ、部分R5よりも搬送方向の上流側の部分R1〜R4におけるインクの着弾位置を右側にずらした場合と比較して、記録用紙Pの各部分R1〜R5の主走査方向に関する両側の余白の、主走査方向に関する長さの差を小さくすることができる。
【0066】
また、別の例として、図7に示すように、ノズル15の配列方向と記録用紙Pの搬送方向とが為す角度γ(この例の場合には、搬送方向が副走査方向と平行であるためαとなる)が所定角度γ1よりも大きい場合について説明する。この場合には、上述したように、部分R3においては基準着弾位置にインクを着弾させ、部分R1、R2、R4、R5において上記所定ずれ量だけずれた位置にインクを着弾させると、図7(a)に示すように、上流側部分及び下流側部分における上記余白の長さの差が大きくなってしまう。
【0067】
そこで、本実施の形態では、ノズル15の配列方向と記録用紙Pの搬送方向とが為す角度γ(=α)が所定角度γ1よりも大きい場合には、インクの着弾位置をずらす量を、上記所定ずれ量よりも小さくする。これにより、図7(b)に示すように、部分R1〜R5の間での上記ずれは多少残るものの、上述した余白の長さの差を小さくすることができる。
【0068】
また、別の例として、図8に示すように、A3サイズの記録用紙に画像の記録を行う場合、すなわち、画像記録領域の副走査方向に関する長さLが所定長さL1よりも長く、例えば、9つの部分R1〜R9にインクを着弾させて画像の記録を行う例について説明する。この場合には、部分R5が本発明に係る中央部、部分R1〜R4が本発明に係る上流側部分、部分R6〜R9が本発明に係る下流側部分となる。そして、このような場合には、ノズル15の配列方向の副走査方向に対する角度αが小さくても、上述したのと同様にして、部分R5においては基準着弾位置にインクを着弾させ、部分R1〜R4、R6〜R9において上記所定ずれ量だけずれた位置にインクを着弾させると、図8(a)に示すように、部分R5から副走査方向に大きく離れた部分(部分R1、R9など)において、上記余白の長さの差が大きくなってしまう。
【0069】
そこで、本実施の形態では、長さLが所定長さL1よりも長い場合には、インクの着弾位置をずらす量を、上述の所定ずれ量よりも小さくする。これにより、図8(b)に示すように、部分R1〜R9の間での上記ずれは多少残るものの、上述した余白の長さの差を小さくすることができる。
【0070】
なお、本実施の形態では、A3サイズの記録用紙への画像の記録など、長さLが所定長さL1よりも長い画像記録領域Rへの画像の記録が、本発明に係る長領域記録に相当する。一方、A4サイズの記録用紙への画像の記録など、長さLが所定長さL1以下の画像記録領域Rへの画像の記録が、本発明に係る長領域記録に相当する。
【0071】
また、別の例として、図9に示すような、縁なし記録を行った例について説明する。図6〜図8の例のような縁あり記録では、上述したように、主走査方向に関する余白の長さの差が問題となるため、角度γ(=α)が所定角度γ1よりも大きい場合や、長さLが所定長さL1よりも長い場合に、着弾位置をずらす量を所定ずれ量よりも小さくしていた。しかしながら、図9に示すような縁なし記録では、記録用紙Pの記録された画像の主走査方向に関する両側に余白ができないため、このような余白の長さの差は問題とならない。したがって、縁なし記録の場合には、角度αや長さLに関わらず、着弾位置をずらす量を所定ずれ量とし、これにより、記録される画像の画質を確実に向上させることができる。
【0072】
また、別の例として、例えば、図10に示すように、搬送方向が、その上流側が下流側よりも右側(一方側)に位置するように副走査方向に対して角度βだけ傾いており、ノズル15の配列方向が副走査方向と平行になっている例について説明する。この場合には、上述の第2補正制御のみによって吐出タイミングの補正が行われる。
【0073】
ここで、仮に、第2補正制御が行われないとすると、ある走査において、搬送方向の下流側の端に位置するノズル15から吐出されたインクの着弾位置と、次の走査において、搬送方向の上流側の端に位置するノズル15から吐出されるインクの着弾位置とが、主走査方向にTtanβだけずれる。これにより、図10(a)に示すように、記録用紙Pに記録される画像において、部分R1〜R4に着弾するインクによって形成される部分の搬送方向に関する下流側の端と、各部分R1〜R4のすぐ下流側に位置する部分R2〜R5に着弾するインクによって形成される部分の搬送方向に関する上流側の端とが、主走査方向にずれ、記録される画像の画質が低下してしまう。
【0074】
これに対して、本実施の形態では、第2補正制御により、図10(b)に示すように、部分R3においては、上記基準着弾位置にインクが着弾し、部分R1、R2においては、基準着弾位置からDtanβだけ左側(一方側と反対側)にずれた位置に着弾する。また、部分R4、R5に着弾するインクについては、基準着弾位置からDtanβだけ右側(一方側)にずれた位置に着弾する。なお、この場合には、Dtanβが、本発明に係る所定ずれ量に相当する。
【0075】
これにより記録される画像において、上述したような部分R1〜R5の間でのずれがなくなり、記録される画像の画質が向上する。
【0076】
さらに、画像記録領域Rのうち、副走査方向に関する中央部である部分R3については、基準着弾位置にインクを着弾させているため、記録用紙Pの主走査方向に関する略中央部にインクが着弾する。また、上流側部分である部分R1、R2及び下流側部分である部分R4、R5については、基準着弾位置から、主走査方向に関して互いに反対側にずれた位置にインクが着弾する。したがって、例えば、特許文献1に記載されているのと同様の制御により、最初に画像の記録が行われる部分R5において基準着弾位置にインクを着弾させ、部分R5よりも搬送方向の上流側の部分R1〜R4におけるインクの着弾位置を左側にずらした場合と比較して、記録用紙Pの各部分R1〜R5の主走査方向に関する両側の余白の、主走査方向に関する長さの差を小さくすることができる。
【0077】
また、搬送方向が副走査方向に対して傾いている場合においても、縁あり記録を行う場合には、ノズル15の配列方向と搬送方向とが為す角度γ(この場合には、ノズルの配列方向が副走査方向と平行であるのでβとなる)が所定角度γ1よりも大きいとき、又は、長さLが所定長さL1よりも大きいときに、着弾位置をずらす量を上述の所定ずれ量よりも小さくし、縁なし記録を行う場合には、角度γや長さLによらず、上記所定ずれ量だけインクの着弾位置をずらす。
【0078】
また、ノズル15の配列方向が、上流側のノズル15が下流側のノズルよりも左側に位置するように傾いている場合、あるいは、搬送方向が、その上流側が下流側よりも左側に位置するように傾いている場合には、上述したのと反対側にインクの着弾位置をずらす。なお、これらの場合には、左側が本発明に係る一方側に相当する。
【0079】
また、ノズル15の配列方向と搬送方向の両方が副走査方向に対して傾いている場合には、ノズル15の配列方向だけが副走査方向に対して傾いている場合のインクの着弾位置から、さらに、搬送方向だけが副走査方向に対して傾いている場合と同じだけインクの着弾位置をずらす。この場合も、縁あり記録を行う場合には、角度γ(ノズル15の配列方向と搬送方向とが互いに反対側に傾いていればα+β、同じ側に傾いていればα−βとなる)が所定角度γ1よりも大きいとき、又は、長さLが所定長さL1よりも長いときには、着弾位置をずらす量を上述の所定ずれ量よりも小さくし、縁なし記録を行う場合には、角度γや長さLに関わらず、所定ずれ量だけインクの着弾位置をずらす。
【0080】
次に、本実施の形態に種々の変更を加えた変形例について説明する。ただし、本実施の形態と同様の構成を有するものについては、適宜その説明を省略する。
【0081】
上述の実施の形態では、縁なし記録であるか否か、角度γが所定角度γ1よりも大きいか否か、及び、長さLが所定長さL1よりも長いか否かに応じて、着弾位置をずらす量を所定ずれ量とするか、所定ずれ量よりも小さい量とするかを判断していたが、これら3つの条件のうち1つ又は2つに応じて、着弾位置をずらす量を所定ずれ量とするか、所定ずれ量よりも小さい量とするかの判断を行ってもよい。
【0082】
さらには、これらの条件に応じて、インクの着弾位置をずらす量を所定ずれ量とするか、所定ずれ量よりも小さい量とするかを決めることにも限られない。すなわち、上流側部分及び下流側部分のインクの着弾位置を、これらの条件とは関係なく、常に所定ずれ量だけずらしてもよい。
【0083】
また、上述の実施の形態では、キャリッジ2が右側及び左側のいずれの方向に移動する際にも、ノズル15からインクを吐出させたが、これには限られず、キャリッジ2が右側に移動するときのみ、あるいは、左側に移動するときにのみ、ノズル15からインクを吐出させてもよい。
【0084】
また、上述の実施の形態では、インクジェットプリンタ1が第1補正制御と第2補正制御の両方を行うことができるものであったが、これには限られない。すなわち、インクジェットプリンタ1は、第1補正制御及び第2補正制御のいずれか一方のみを行うことができるものであってもよい。
【0085】
また、上述の実施の形態では、記録用紙Pに、そのほぼ全域にわたって延びた1つの画像記録領域Rが存在していたが、これには限られない。例えば、記録用紙Pに複数の画像記録領域が存在していてもよい。この場合には、例えば、各画像記録領域について、上述したのと同様の制御により、画像の記録を行うなどすればよい。
【符号の説明】
【0086】
1 インクジェットプリンタ
2 キャリッジ
3 インクジェットヘッド
4 用紙搬送ローラ
15 ノズル
51 ヘッド制御部
53 位置取得部
54 傾き記憶部
55 補正量決定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インク吐出面に形成された複数のノズルからインクを吐出するインクジェットヘッドと、
前記インクジェットヘッドを搭載しており、前記インク吐出面と平行な主走査方向に往復移動するキャリッジと、
前記複数のノズルから吐出されたインクが着弾する被記録媒体を、前記主走査方向と交差する搬送方向に搬送する搬送手段と、
前記複数のノズルからのインクの吐出の制御を行う吐出制御手段と、を備え、
前記複数のノズルは、前記主走査方向と交差する配列方向に並ぶことによりノズル列を形成しており、
前記吐出制御手段は、
前記配列方向が前記インク吐出面と平行で且つ前記主走査方向と直交する副走査方向と平行であるとした場合よりも、前記ノズル列に属する複数のノズルの内、前記搬送方向の上流側のノズルが下流側のノズルに対して前記主走査方向の一方側に位置するように、前記配列方向が前記副走査方向に対して傾いている場合に、前記複数のノズルからのインクの吐出タイミングを補正する補正制御を行い、
前記補正制御は、
インクの吐出タイミングを補正しない基準タイミングにてインクを吐出した場合の、前記被記録媒体の画像が記録される画像記録領域におけるインクの着弾位置を基準着弾位置として、
前記画像記録領域のうち、前記副走査方向に関する中央部におけるインクの着弾位置を、前記基準着弾位置にさせるように、前記複数のノズルからのインクの吐出タイミングを前記基準タイミングとし、
前記画像記録領域のうち、前記中央部よりも前記搬送方向の上流側に位置する上流側部分におけるインクの着弾位置を、前記基準着弾位置から前記主走査方向の前記一方側にずれさせ、前記画像記録領域のうち、前記中央部よりも前記搬送方向の下流側に位置する下流側部分におけるインクの着弾位置を、前記基準着弾位置から前記主走査方向の前記一方側と反対側にずれさせるように、前記複数のノズルからのインクの吐出タイミングを前記基準タイミングからずらす制御であることを特徴とするインクジェットプリンタ。
【請求項2】
前記吐出制御手段は、
前記キャリッジが前記主走査方向の前記一方側に移動するときと、前記反対側に移動するときに、前記ノズルからインクを吐出させるように制御を行い、
前記補正制御は、
前記キャリッジが前記主走査方向の前記一方側に移動する際に、前記複数のノズルからインクを吐出する場合には、前記上流側部分に着弾させるインクの吐出タイミングを前記基準タイミングよりも遅らせるとともに、前記下流側部分に着弾させるインクの吐出タイミングを、前記基準タイミングよりも早め、
前記キャリッジが前記主走査方向の前記一方側と反対側に移動する際に、前記複数のノズルからインクを吐出する場合には、前記上流側部分に着弾させるインクの吐出タイミングを前記基準タイミングよりも早めるとともに、前記下流側部分に着弾させるインクの吐出タイミングを、前記基準タイミングよりも遅らせる制御であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタ。
【請求項3】
前記搬送手段は、前記搬送方向が前記副走査方向に沿うように、前記被記録媒体を搬送し、
前記吐出制御手段は、
前記搬送方向が前記副走査方向に対して傾いた状態で前記被記録媒体が搬送されている場合には、前記上流側部分及び前記下流側部分におけるインクの着弾位置を、前記搬送方向の傾きに応じて、前記上流側部分及び前記下流側部分に着弾させるインクの吐出タイミングを前記補正制御の吐出タイミングと変えることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェットプリンタ。
【請求項4】
インク吐出面に形成された複数のノズルからインクを吐出するインクジェットヘッドと、
前記インクジェットヘッドを搭載しており、前記インク吐出面と平行な主走査方向に往復移動するキャリッジと、
前記複数のノズルから吐出されたインクが着弾する被記録媒体を、前記主走査方向と交差する搬送方向に搬送する搬送手段と、
前記複数のノズルからのインクの吐出の制御を行う吐出制御手段と、を備え、
前記複数のノズルは、前記主走査方向と交差する配列方向に並ぶことによりノズル列を形成しており、
前記吐出制御手段は、
前記搬送方向が前記インク吐出面と平行で且つ前記主走査方向と直交する副走査方向と平行であるとした場合よりも、前記搬送方向の上流側が下流側に対して前記主走査方向の一方側に位置するように、前記搬送方向が前記副走査方向に対して傾いた状態で前記被記録媒体が搬送されている場合に、前記複数のノズルからのインクの吐出タイミングを補正する補正制御を行い、
前記補正制御は、
インクの吐出タイミングを補正しない基準タイミングにてインクを吐出した場合の、前記被記録媒体の画像が記録される画像記録領域におけるインクの着弾位置を基準着弾位置として、
前記画像記録領域のうち、前記副走査方向に関する中央部におけるインクの着弾位置を、前記基準着弾位置にさせるように、前記複数のノズルからのインクの吐出タイミングを前記基準タイミングとし、
前記画像記録領域のうち、前記中央部よりも前記搬送方向の上流側に位置する上流側部分におけるインクの着弾位置を、前記基準着弾位置から前記主走査方向の前記一方側と反対側にずれさせ、前記画像記録領域のうち、前記中央部よりも前記搬送方向の下流側に位置する下流側部分におけるインクの着弾位置を、前記基準着弾位置から前記主走査方向の前記一方側にずれさせるように、前記複数のノズルの吐出タイミングを前記基準タイミングからずらす制御であることを特徴とするインクジェットプリンタ。
【請求項5】
前記吐出制御手段は、
前記キャリッジが前記主走査方向の前記一方側に移動するときと、前記反対側に移動するときに、前記ノズルからインクを吐出させるように制御を行い、
前記補正制御は、
前記キャリッジが前記主走査方向の前記一方側に移動する際に、前記複数のノズルからインクを吐出する場合には、前記上流側部分に着弾させるインクの吐出タイミングを前記基準タイミングよりも早めるとともに、前記下流側部分に着弾させるインクの吐出タイミングを、前記基準タイミングよりも遅らせ、
前記キャリッジが前記主走査方向の前記一方側と反対側に移動する際に、前記複数のノズルからインクを吐出する場合には、前記上流側部分に着弾させるインクの吐出タイミングを前記基準タイミングよりも遅らせるとともに、前記下流側部分に着弾させるインクの吐出タイミングを、前記基準タイミングよりも早める制御であることを特徴とする請求項4に記載のインクジェットプリンタ。
【請求項6】
前記吐出制御手段は、前記補正制御において、前記上流側部分及び前記下流側部分におけるインクの着弾位置を、前記副走査方向に関する前記中央部からの距離と、前記配列方向の前記副走査方向に対する傾斜角度の応じた所定ずれ量だけずれさせることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のインクジェットプリンタ。
【請求項7】
前記吐出制御手段は、前記補正制御において、前記上流側部分及び前記下流側部分におけるインクの着弾位置を、前記副走査方向に関する前記中央部からの距離と、前記搬送方向の前記副走査方向に対する傾斜角度の応じた所定ずれ量だけずれさせることを特徴とする請求項4又は5に記載のインクジェットプリンタ。
【請求項8】
前記吐出制御手段は、
前記配列方向と前記搬送方向とが為す角度が、所定角度以下の場合には、前記上流側部分及び前記下流側部分におけるインクの着弾位置を、前記所定ずれ量だけずれさせ、
前記配列方向と前記搬送方向とが為す角度が、前記所定角度よりも大きい場合には、前記上流側部分及び前記下流側部分におけるインクの着弾位置を、前記所定ずれ量よりも小さい量だけずれさせることを特徴とする請求項6又は7に記載のインクジェットプリンタ。
【請求項9】
前記吐出制御手段は、
前記主走査方向に関して、前記被記録媒体が配置されている範囲よりも広い範囲にわたって前記複数のノズルからインクを吐出させることによって、前記被記録媒体の前記走査方向に関する全長にわたって延びた前記画像記録領域に画像の記録を行う縁なし記録、及び、前記主走査方向に関する長さが前記被記録媒体よりも短く、前記主走査方向に関する両側に余白がある前記画像記録領域に画像の記録を行う縁あり記録のいずれかを選択的に行わせ、
前記縁なし記録を行わせる場合には、前記上流側部分及び前記下流側部分におけるインクの着弾位置を、前記所定ずれ量だけずれさせ、
前記縁あり記録を行わせる場合には、前記上流側部分及び前記下流側部分におけるインクの着弾位置を、前記所定ずれ量よりも小さい量だけずれさせることを特徴とする請求項6又は7に記載のインクジェットプリンタ。
【請求項10】
前記吐出制御手段は、
前記副走査方向に関する長さが所定長さ以下の前記画像記録領域に画像の記録を行う短領域記録、及び、前記副走査方向に関する長さが前記所定長さよりも長い前記画像記録領域に画像の記録を行う長領域記録、のいずれかを選択的に行わせ、
前記短領域記録を行わせる場合には、前記上流側部分及び前記下流側部分におけるインクの着弾位置を、前記所定ずれ量だけずれさせ、
前記長領域記憶を行わせる場合には、前記上流側部分及び前記下流側部分におけるインクの着弾位置を、前記所定ずれ量よりも小さい量だけずれさせることを特徴とする請求項6又は7に記載のインクジェットプリンタ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate