説明

インクジェットヘッド

【課題】ヒートシンク部とマスクとの間の間隙からインクが侵入することのないインクジェットヘッドを提供する。
【解決手段】インクジェットヘッド11の外殻を形成し、その内部に設けられたドライブIC14の放熱部を兼ねる枠体部12の側壁の周縁端部と、インクジェットヘッド11のアクチュエータ部17の周囲を覆うマスク部28の周縁端部との間に間隙を設けると共に、この間隙を断熱性のシール剤35により一体的にシールした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、プリンターに用いられ、印字媒体に対してノズル孔からインクを吐出させるインクジェットヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のインクジェットヘッドは、インク室内に設けた圧電素子を駆動して、インク室内のインクを対応するノズル孔から吐出させるように構成されており、圧電素子を駆動させるためのドライブICを持っている。このドライブICは、動作量が多くなると発生熱量も多くなり、その熱が圧電素子などを有するアクチュエータ部に伝播するのを抑制する必要があり、そのための構造が種々提案されている。また、アクチュエータ部のインク室に供給され、ノズル孔から吐出されるインクが、アクチュエータ部の圧電素子との接続部や、配線基板などに付着することがあり、この付着を防止する構造も提案されている
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−288705号公報
【特許文献2】特開2006−156979号公報
【特許文献3】特開2002−355980号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
通常、ドライブICは、インクジェットヘッドの外殻を形成する枠体の側壁内面に接触する状態で取り付けられており、ドライブICで発生した熱を、これと接触するヒートシンクである枠体側壁を介して外部に放熱するように構成している。また、ノズル孔からインクを吐出させるアクチュエータ部は、枠体の端部に設けられており、その周囲はマスク部により覆われている。
【0005】
ところで、ドライブICの温度は、インクを連続で吐出する場合など、85℃程度まで上昇する。この熱がアクチュエータ部まで伝わると、インクの粘度が変化したり、アクチュエータの特性が変化するなどで、吐出特性が変化してしまう。このため、ドライブICの放熱を行なうヒートシンク(枠体側壁)と、アクチュエータ部を覆うマスク部との間に間隙を設け、ヒートシンクの熱がマスク部に伝わらないようにして、熱の影響を抑えていた。すなわち、仮にこの間隙が無い場合には、ドライブICの熱がマスクに伝わり、アクチュエータ部へと伝わってしまいアクチュエータ部に前述した熱の影響が生じてしまう。
【0006】
しかしながら、ヒートシンクとマスク部との間に間隙が存在すると、使用中のインクミストの侵入があったり、ヘッドメンテナンス(パージ・ワイプ等)のときに、インクがマスクの外面を這い上がったりして侵入するということが考えられる。このように、間隙からインク等が侵入すると、アクチュエータ部に信号を送る接続部やプリント基板などに付着し、接続部の剥がれや基板の故障などの問題が発生する。
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、ヒートシンク部とマスクとの間の間隙からインクが侵入することのないインクジェットヘッドを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実施の形態によるインクジェットヘッドは、放熱部を兼ねる側壁を有し角筒状に形成された枠体部と、この枠体部の一端開口を覆う蓋体を貫通して内部に挿通されるインク供給管と、前記枠体部の他端開口部に設けられ、内部には、前記インク供給管の先端部分に連通し、かつ一面が、ノズル孔を有するノズル板を介して外部と対面するインク室を有し、このインク室内の前記ノズル孔との対向位置に、外部からの信号に応動してインク室内のインクをノズル孔から吐出させる圧電素子を設けたアクチュエータ部と、前記放熱部を兼ねる側壁内面に伝熱構造で接触し、前記圧電素子と接続して外部からの信号に基づきこの圧電素子を駆動するドライブICと、前記アクチュエータ部の周囲を、前記ノズル孔を外部に露出させた状態で覆い、その周縁端部が、前記枠体部の他端開口周縁端部と間隙を保って対向するマスク部とを備え、このマスク部の周縁端部と前記枠体部の他端開口周縁端部との前記間隙を、断熱性を有するシール剤にて一体的にシールしたことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るインクジェットヘッドの断面図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態に係るインクジェットヘッドの断面図である。
【図3】本発明の第3の実施の形態に係るインクジェットヘッドの断面図である。
【図4】本発明の第4の実施の形態に係るインクジェットヘッドの断面図である。
【図5】本発明の第5の実施の形態に係るインクジェットヘッドの側面図である。
【図6】図5で示したインクジェットヘッドの圧力テスト状態を示す概念図である。
【図7】本発明の対象となるインクジェットヘッドの断面図である。
【図8】図7で示したインクジェットヘッドの改良案を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0011】
まず、インクジェットヘッドの基本的構成を、図7を用いて説明する。図7において、インクジェットヘッド11は、角筒状に形成された枠体部12を有し、その一端(図示上端)開口は蓋体13により閉止されている。枠体部12は、その側壁が、後述するドライブIC14の放熱部(ヒートシンク)を兼ねており、熱伝導率の優れたアルミ材などの金属により造られている。蓋体13には、インク供給管15及び外部との接続線16が貫通保持されており、それぞれ枠体部12の内部に挿通されている。
【0012】
枠体部12の他端(図示下端)開口部には、アクチュエータ部17が設けられている。このアクチュエータ部17は、インク供給管15の先端(図示下端)部分にコネクション部材18を介して一体的に連結されており、マニホールド部材19、枠部材20により形成されたインク室20a、圧電素子21、ノズル板22を有する。
【0013】
マニホールド部材19は、コネクション部材18の通路18aを通してインク供給管15と連通している。枠部材20は、図7の下面から見て、矩形状を成し、マニホールド部材18の下面に取り付けられている。この枠部材20の表面部(図示下面)にはノズル板22が接着されており、枠部材20の内側に、ノズル板22を介して一面が外部と対面するインク室20aを形成する。マニホールド部材19は、インク供給管15からのインクを、インク室20a内に分配供給する通路19aを有する。
【0014】
ノズル板22には、複数のノズル孔22aが形成されている。図の例では2個のノズル孔22aが示されているが、これらノズル孔22aは、紙面の奥行き方向に複数個配置されている。すなわち、図7は紙面の奥行き方向に複数のノズル孔22aを配列したノズル孔列を2列設けたことを表している。
【0015】
圧電素子21は、インク室20a内のノズル孔22aとの対向位置に設けられ、外部からの信号に応動してインク室20a内のインクをノズル孔22aから吐出させる。この圧電素子21は、紙面の奥行き方向に複数のノズル孔22aを配列した2列のノズル孔列に対向して、図7の紙面の奥行き方向に沿って2列設けられている。これら圧電素子21には紙面と平行な複数の溝が並設されており、外部から印字信号を受けることにより、ノズル孔22aに対向した溝部分が幅方向に変位することで、インク室20a内のインクをノズル孔22aから吐出させる。
【0016】
ドライブIC14は、圧電素子21を動作させるための電圧を供給するための信号変換部として機能するもので、TAB(Tape Automated Bonding)と呼ばれる電子回路基板(以下、TABと呼ぶ)25上に搭載されている。このドライブIC14は、コネクション部材18の側面との間に設けられたばね材26により、放熱部となる枠体部12の側壁内面に、図示しない伝熱シートを介した伝熱構造により、密着状態で接触している。
【0017】
TAB25の図示上端部はプリント配線基板27を介して外部との接続線16と接続しており、外部からの印字信号をドライブIC14に伝える。また、TAB25の図示下端部は、マニホールド部材19の下面に形成された図示しない配線部と接続しており、この配線部を介して圧電素子21に、ドライブIC14で信号変換された駆動電圧を印加する。
【0018】
前述したアクチュエータ部17には、ノズル孔22aを外部に露出させた状態でアクチュエータ部17の周囲を覆うマスク部28が設けられている。このマスク部28は、インク室20aを形成する枠部材20と図示のように接着され、TAB25との接続部分をカバーするように構成されている。このマスク部28の一部はインク等の液体と接することから、耐溶剤性にすぐれた材料である必要があり、成形の容易性から金属で造られる。また、このマスク部28の図示上部の周縁端部は、枠体部12の図示下端の周縁端部と間隙29を保って対向している。
【0019】
すなわち、ドライブIC14のヒートシンクである枠体部12の側壁と、インクジェットヘッドのアクチュエータ部17をカバーするマスク部28との間に、熱の影響を抑えるための間隙29を設けていた。この間隙が無い場合には、ドライブIC14の熱がマスク28を経てアクチュエータ部17へと伝わってしまい、インクの粘度が変化したり、アクチュエータの特性が変化したりして、吐出特性が変化してしまう。
【0020】
しかし、間隙29が存在すると、前述したように、使用中のインクミストの侵入や、ヘッドメンテナンス(パージ・ワイプ等)のときに、インクの這い上がりによる侵入が生じ、アクチュエータ部17に信号を送るTAB25やその接続部などに付着し、接続部の剥がれや故障などの問題が発生する。
【0021】
このため、図8のように、放熱部である枠体12の側壁下端部とマスク部28の上端縁部とを重複させ密着させた構造が考えられた。しかし、この構造では、インク等の侵入リスクは軽減するが、放熱部の熱がマスク部28に伝わりやすくなり、前述のように吐出特性への影響がおきる。
【0022】
また、枠体部12内には、コネクション部材18の上部に、紙面と直角方向に伸びる基準板31が接着剤32により一体に設けられている。この基準板32は、図5で示すように、その両端部が枠体部12の両端面から突出しており、インクジェットヘッド11を図示しないプリンター本体に取り付けるための位置決め基準として用いられる。このため基準板31の下面と、マスク部28の下面との距離は正確に寸法管理しなければならない。
【0023】
しかし、図7で示したように、枠体部12の側壁下端と、マスク部28の上端部との間に間隙29があると、基準板31の下面と、マスク部28の下面との間を正確な寸法に維持することが難しく、インクジェットヘッド11をプリンター本体に取り付けた後、再度の寸法調整が必要となるなど、組立作業の手間が増えてしまう。
【0024】
そこで、この図1で示す第1の実施の形態では、マスク部28の周縁端部(図示上端部)と枠体部12の他端(下端)開口周縁端部(図示下端部)との間の間隙29を、断熱性を有するシール剤35にて一体的にシールした。
【0025】
このように、ドライブIC14のヒートシンクである枠体部12の周縁下端部とマスク部28の周縁上端部との間隙29を、断熱性を有するシール剤35にて一体的にシールしたことにより、この間の熱の伝達を抑制することができる。このため、ドライブIC14からの熱が、マスク部28を経てアクチュエータ部17へと伝わってインクの粘度が変化したり、或いはアクチュエータ17の特性が変化して、インクの吐出特性が変化してしまうことを有効に防止できる。
【0026】
また、間隙29がシールされたことにより、使用中のインクミストの侵入や、ヘッドメンテナンス(パージ・ワイプ等)のときに、インクの這い上がりによる侵入を防止でき、アクチュエータ部17に信号を送るTAB25やその接続部などへの付着、接続部の剥がれや故障などの問題発生を確実に防止できる。
【0027】
さらに、枠体部12の側壁下端と、マスク部28の上端部との間隙29がシール剤35で一体的にシール(結合)されたので、基準板31の下面と、マスク部28の下面との間を正確な寸法に維持することができ、インクジェットヘッド11をプリンター本体に正しい位置関係で取り付けることができる。
【0028】
シール剤35は断熱性を有することから低熱伝導率の部材であることが望ましく、またインク等の液体に接する可能性が高い箇所であることがら、耐溶剤性にすぐれた材料である必要がある。このため、例えば低熱伝導のエポキシ樹脂などを用いればよい。低熱伝導のエポキシ樹脂の熱伝導率は0.2W/m・K程度であり、高熱伝導のエポキシ樹脂の熱伝導率:1.6W/m・K程度のものに比べ充分に低熱伝導であり、所謂断熱性を有する。このことから、前述したようにドライブIC14の熱をアクチュエータ部17に伝わりにくくし、インク吐出への影響を低減させることが出来る。
【0029】
シール剤35による枠体部12の側壁の周縁下端部とマスク部28の周縁上端部との間の封止方法は、まず、液性の熱硬化型エポキシ樹脂を、ディスペンサで空隙部に対し塗布する。塗布後、エポキシ樹脂の硬化温度に設定されたオーブン内でエポキシ樹脂を硬化させる。このようにして封止することにより、インク等がヘッド内部の電気部品等に付着することを防止でき、且つ、インク吐出時に発生するドライバIC14からの発熱を、インク室に伝えにくくすることができ、吐出特性が安定したインクジェットヘッド1が得られる。
【0030】
ところで、ドライバIC14は、インクを連続で吐出させる場合など、その温度は85℃程度まで上昇する。このとき、インクジェットヘッド11が外部に対して完全に密封状態であると、上述したドライバIC14の温度上昇などにより内部の圧力が上昇し、シール剤35による封止部での破壊などが生じることが考えられる。また、製造工程において、樹脂を塗布し硬化させるとき、120℃程度まで加熱させる場合があるので、製造工程上でも、温度変化による内部圧力の変動に対して考慮する必要がある。
【0031】
すなわち、インクジェットヘッド(以下、単にヘッドと呼ぶこともある)11は、ドライバIC14の発熱などで、ヘッド11内部が発熱したときに、内部空気の膨張により圧力が高まる。飛行機での輸送などまで考慮すると、温度変化は−10℃から85℃(連続使用での上限)まで変化しうる。このような温度変化では約1.4倍ほどの圧力変動が起こりうる。製造工程での最高温度120℃の場合は1.55倍の変動となる(ボイルシャルルの法則P=kT/Vより)。
【0032】
そこで、ドライブIC14などの発熱源があるインクジェットヘッド11のユニット内部の圧力を外部に放出する放圧部を設ける。放圧部はヘッド11外部と内部を連通させることが出来ればどこでもよいが、ヘッド11に対するインク供給系の取り付け・取り外し時にインク等が垂れてくることを考慮すると、ヘッド11の上部ではなく側面に設けるほうがよい。
【0033】
図2で示す第2の実施の形態では、放圧部として、枠体部12の側壁に、小孔37を形成した。この小孔37は小さいほうがよい。大きいとヘッド11の外部よりインク液などの侵入が容易になり、ヘッド11の故障に繋がる。したがって、直径1mm以下とし、例えば直径0.5mm程度でもよい。このような構造をとることにより、ヘッド11内部の温度変化による圧力の変動が生じても、内部圧力を逃がすことができ、封止部が破損するなど、ヘッド11の故障を防ぐことが出来る。
【0034】
図3で示す第3の実施の形態では、放圧部をねじ装置38とした。すなわち、枠体部12の側壁に設けたねじ孔38aとこのねじ孔38aに螺合したねじ38bとで構成する。このねじ装置38では、ねじの隙間により圧力調整(外部への放圧)ができ、しかもインク等の進入を防止することができる。また、ねじ装置38とすることによって、インクが侵入し難くなるため、ねじ孔38a自体の径は大きくてもよく、後述する圧力テストなどにも利用可能となる。
【0035】
図4で示す実施の形態では、ねじ装置38による放圧部(小孔37による放圧部でもよい)の周囲に、土手状の壁39を設けている。この壁39は、ヘッド11に対するインク供給系の取り付け・取り外し時に垂れたインクの侵入経路として考えられるねじ装置38の上部や、ヘッドメンテナンス(パージ・ワイプ等)のときに這い上がるインクの侵入経路として考えられるねじ装置38の下部などに設ける。このように土手状の壁39をインクの侵入経路と考えられる場所に設けることにより、ヘッド11へのインクに侵入リスクを軽減させることができる。
【0036】
また、この土手状の壁39は、図5で示すように、ねじ装置38による放圧部を取り囲むように環状に形成してもよい。このように環状に形成すると、ヘッド11へのインクに侵入リスクをより一層軽減させることができる。
【0037】
さらに、環状に形成した土手状の壁39の、頭頂部の高さは同一平面(均等な高さ)に形成するとよい。このような構造にすることにより、環状に形成した土手状の壁39に囲まれたねじ孔38aを利用して、前述した圧力テストにも利用することができる。すなわち、頭頂部の高さを同一平面とすることにより、この環状の土手壁39に囲まれたねじ孔38aを、ヘッド11の封止状態のチェックなどを行なうための検査穴として用いることが出来る。検査は、環状の土手壁39の頭頂部にゴムなどを押し当てて密封した状態で、内部の圧力を変動させたときの状態を調べる。頭頂部が同一平面であると、ゴムなどを押し当てたときに漏れなどが生じ難く、圧力テストに好適である。
【0038】
この圧力テストは、具体的には、まず、複数のねじ装置38のねじ38bをねじ孔38aから取り外し、ねじ装置38を開放する。開放された複数のねじ装置38のうち、特定の一つのねじ装置38以外の、他のすべてのねじ装置38の周囲の、環状の土手壁39の頭頂部に、図6で示すようにゴム材の板体40を押し当て、これらねじ装置38を密閉する。この状態で、密閉しなかった特定の一つのねじ装置38のねじ孔38aに、加圧・減圧機能を有する圧力テスト装置42を連結する。そして、この圧力テスト装置42によりヘッド11内部の空気を減圧若しくは加圧することにより、ヘッド11のリーク検査などを容易に行うことが可能となる。
【0039】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他のさまざまな形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0040】
11・・・インクジェットヘッド
12・・・枠体部
13・・・蓋体
14・・・ドライブIC
15・・・インク供給管
17・・・アクチュエータ部
19・・・マニホールド部材
20・・・枠部材
20a・・・インク室
21・・・圧電素子
22・・・ノズル板
22a・・・ノズル孔
25・・・電子回路基板
28・・・マスク部
29・・・間隙
35・・・断熱性のシール剤
37・・・小孔(放圧部)
38・・・ねじ装置(放圧部)
38a・・・ねじ孔
38b・・・ねじ
39・・・土手状の壁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放熱部を兼ねる側壁を有し角筒状に形成された枠体部と、
この枠体部の一端開口を覆う蓋体を貫通して内部に挿通されるインク供給管と、
前記枠体部の他端開口部に設けられ、内部には、前記インク供給管の先端部分に連通し、かつ一面が、ノズル孔を有するノズル板を介して外部と対面するインク室を有し、このインク室内の前記ノズル孔との対向位置に、外部からの信号に応動してインク室内のインクをノズル孔から吐出させる圧電素子を設けたアクチュエータ部と、
前記放熱部を兼ねる側壁内面に伝熱構造で接触し、前記圧電素子と接続して外部からの信号に基づきこの圧電素子を駆動するドライブICと、
前記アクチュエータ部の周囲を、前記ノズル孔を外部に露出させた状態で覆い、その周縁端部が、前記枠体部の他端開口周縁端部と間隙を保って対向するマスク部とを備え、
このマスク部の周縁端部と前記枠体部の他端開口周縁端部との前記間隙を、断熱性を有するシール剤にて一体的にシールした
ことを特徴とするインクジェットヘッド。
【請求項2】
前記枠体部の側壁に、内圧を外気に放出可能な放圧部を形成したことを特徴とする請求項1に記載のインクジェットヘッド。
【請求項3】
前記放圧部は、1mm以下の小孔であることを特徴とする請求項2に記載のインクジェットヘッド。
【請求項4】
前記放圧部は、ねじ孔とこのねじ孔に螺合したねじとで構成されたねじ装置であることを特徴とする請求項2に記載のインクジェットヘッド。
【請求項5】
前記放圧部の周囲には、土手状の壁が設けられていることを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載のインクジェットヘッド。
【請求項6】
前記土手状の壁は、前記放圧部を取り囲むように環状に形成されていることを特徴とする請求項5に記載のインクジェットヘッド。
【請求項7】
前記土手状の壁の頭頂部の高さは同一平面に形成されていることを特徴とする請求項6に記載のインクジェットヘッド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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