インテリジェントフラッシングシステム
インテリジェントフラッシングシステム(02)は、臭気センサー(14)とカメラ(16、17、18、19)とを使用して、トイレ製品の内部状態を監視して、排泄物を検出する。処理したセンサーデータとカメラ取り込みイメージとを通して検出した状態および排泄物にしたがって、制御ユニット(01)により、フラッシュメカニズムを起動する必要性の認識を決定する。診断フラッシュ手順と予めインストールされているフラッシュ手順(32、33、34、35)とを制御されたフラッシュ量で実行することにより、水の節約を達成する。継続的な動作の改良のために、統計的解析と計算の微調整とに対して、フラッシュパフォーマンス評価結果および関連するデータをデータベース中に記憶する。制御方法とともに装置が、データおよび信号の処理と、フラッシュ起動と、データ記憶と、通信とを調整する。
【発明の詳細な説明】
【発明の背景】
【0001】
発明の分野
本発明は、インテリジェントフラッシングシステムおよび制御方法に関し、さらに詳細には、臭気センサーおよびカメラの使用により、トイレ製品を好ましい状態において維持することに関する。インテリジェントフラッシングシステムの使用および操作性に関する情報は、記憶され、インテリジェントフラッシングシステムのユーザ(ビル管理者)と、サプライヤー(インテリジェントフラッシングシステムの提供者)と、他の関係者とにより取得することができる。
【発明の概要】
【0002】
本発明の主な目的は、インテリジェントフラッシングシステムおよびその制御方法を提供することであり、ここで、インテリジェントフラッシングシステムは、トイレ製品を監視し、悪臭の検出と取り込んだイメージの解析とにより、ごみおよび排泄物の性質を識別する。水の節約を達成するために、インテリジェントフラッシングシステムは、処理したデータにしたがって、最低限のフラッシュ量の、診断フラッシュ手順と予めインストールされているフラッシュ手順との中から選択する。ここでは、トイレ製品は、典型的に次のものを示す。
【0003】
a)小便器、
b)フラッシュ便器、
c)和式便器。
【0004】
本発明の開示する実施形態では、制御方法は、トイレ製品中の監視しているエリアの、カメラで取り込んだイメージを解析するために、デジタル信号処理技術を用いる。排泄物の検出のために、トイレ製品の好ましい状態の取り込みイメージを記憶し、トイレ製品のリアルタイムイメージと比較する。その一方で、保護レンズと自己洗浄機能性とを含むセットアップにより、カメラの清浄度が維持される。汚れた流体が保護レンズを汚したり、保護レンズにしみをつけたりしないように、加圧水ジェットが使用され、汚れた流体が保護レンズを汚したり、保護レンズにしみをつけたりすることにより、取り込みイメージに歪みが生じることがある。
【0005】
カメラにより取り込んだリアルタイムイメージのデジタル信号処理の使用は、トイレ製品の状態の解析と、性質および大きさによる液体の排泄物あるいは固形の排泄物の検出とを提供する。必要とされるコンポーネントが含んでいるのは、次のものである。
【0006】
(a)トイレ製品の光学的状態を取り込むために、トイレ製品や、便座や、パーティションや、天井や、または周辺に組み込まれ、制御ユニットに結合されている(ccd−電荷結合素子の、cmos−相補型金属酸化膜半導体の)カメラ、または、他の光学的センサー、スペクトルセンサー、およびイメージ取り込みデバイス/システム。
【0007】
b)背景差分と、フィルタリングと、物体セグメンテーションと、フーリエ変換および圧縮と、排泄物の性質および大きさの識別とを含む2Dイメージ処理。2Dイメージ処理は、対応するフラッシュ手順を選択するために使用される。
【0008】
c)‘シードフィルアルゴリズム’や、面/物体認識や、または、他の技術を使用する3Dモデリング方法。3Dモデリング方法は、排泄物の3Dモデルの構築と大きさの計算のために、異なる視野からイメージを取り込むように複数のカメラに要求する。
【0009】
本発明における2Dイメージ処理および3Dモデリングの目的は、フラッシュメカニズムにおける、フラッシュ手順の選択と、必要とされるフラッシュ量の計算とを含む。
【0010】
リアルタイムイメージのデジタル信号処理により、早すぎるフラッシングおよびオーバーフローの防止が可能になる。フラッシュメカニズムが起動する前に、利用者がトイレ製品の周辺を離れるのに十分な時間が利用可能になる。一方、フラッシュメカニズムプロセスの間のトイレ製品中のオーバーフローが、リアルタイムイメージにより映された場合には、水のフローが止められる。
【0011】
カメラとデジタル信号処理技術との使用によって、トイレ製品の後の光学的状態のイメージとイメージ基準との比較による第1のフラッシュメカニズムの実行に関する評価も可能になる。制御ユニットは、比較を解析し、選択したフラッシュ手順により、後のフラッシュメカニズムを起動する必要性について決定する。
【0012】
2つ以上のフラッシュメカニズムが同時に起動するのを禁止することにより、各フラッシュ起動において十分な水圧が保証される。インテリジェントフラッシングシステムは、さまざまなフロータイミングを持つバルブを備える給水パイプライン装置を具備している。いくつかのトイレ製品をフラッシュする必要性を制御ユニットが決定したケースでは、1度に1つのフラッシュメカニズムを起動するために、対応するバルブをシーケンシャルに作動させる。
【0013】
本発明の別の目的は、情報ベースのインテリジェントフラッシングシステムを提供することである。さまざまなインテリジェントフラッシングシステムと他の情報システムとの間での効果的なデジタルデータ送信が、ネットワークリンクを通して実行され、ネットワークリンクは、ネットワーク中の固定ラインおよび/またはワイヤレスリンクの組み合わせを含む。
【0014】
情報ベースのインテリジェントフラッシングシステムは、アラートを送ることと、自己診断を実行することとが可能である。2〜3の連続的なフラッシュの後に、トイレ製品の光学的状態が満足の行くものではないように思われるならば、インテリジェントフラッシングシステムは、さらなるフラッシュの起動を停止し、留意した点検のために、ビル管理者にアラートを送る。そして、インテリジェントフラッシングシステム内で、機能停止しているコンポーネントまたは不十分な動作が検出されたときに、アラートが送られる。正常な動作間のコンポーネントの機能性の確認のために、および、異常が発生したときには、原因のルーツに対する点検のために、自己診断が実行される。識別された問題の原因を含む結果と、取り替えるための機能停止したコンポーネントを示唆するリストとが生成されてもよく、これらは、ビル管理者や、サプライヤーや、および/または他の関係者に送られる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1A】図1Aは、本発明のインテリジェントフラッシングシステムにより制御されている小便器の概略図である。
【図1B】図1Bは、本発明のインテリジェントフラッシングシステムにより制御されている便器の概略図である。
【図1C】図1Cは、便器中のカメラの保護レンズを洗浄するノズルを表している概略図である。
【図1D】図1Dは、本発明のインテリジェントフラッシングシステムにより制御されている和式便器の概略図である。
【図1E】図1Eは、和式便器中のカメラの保護レンズを洗浄するノズルを表している概略図である。
【図2】図2は、本発明のインテリジェントフラッシングシステムが備わっている商業用の化粧室プランの例示的な図である。
【図3】図3は、図1A、図1B、図1C、図1D、および図1Eの好ましい実施形態の例示的なインテリジェントフラッシングシステムの概略図である。
【図4】図4は、例示的な3Dモデル発生方法のフロー図である。
【図5A】図5Aは、2Dイメージ処理および3Dモデリングにおいてデジタルイメージ処理技術を使用する、便器アプリケーションにおける本発明の制御方法の一部を示しているフロー図である。
【図5B】図5Bは、2Dイメージ処理においてデジタルイメージ処理技術を使用する、小便器アプリケーションにおける本発明の制御方法の一部を示しているフロー図である。
【図6】図6は、図3で示されているものの代替的な実施形態として、pcと、サーバと、ビル管理システム(BMS)中のシミュレートされた制御装置との形態をとっている、インテリジェントフラッシングシステムの例示的な制御ユニット構成を表している。
【図7】図7は、本発明のインテリジェントフラッシングシステムに便器を接続する給水パイプラインセットアップの概略図である。
【図8】図8は、本発明の1つの実施形態中で使用されるネットワークリンクを介して共有メモリと結合されている、さまざまなインテリジェントフラッシングシステムの制御ユニットと、サプライヤーサーバとのネットワーク環境の概略図である。
【好ましい実施形態の詳細な説明】
【0016】
本発明のインテリジェントフラッシングシステム02は、トイレ製品の状態を監視し、実際の必要性にしたがって、フラッシュメカニズムを起動する。本発明のインテリジェントフラッシングシステム02は、最低限のフラッシュ量および電力消費量を使用する一方で、同時に、留意した注意についてビル管理者にアラートする。図1〜図8を参照して、本発明を容易に理解することができ、表されている例示的な実施形態を特定の状況で使用して、より正しく認識することができる。
【0017】
図1Aを参照すると、小便器91中に組み込まれているカメラ19と、バルブ71とが、制御ユニット01に接続されている。制御ユニット01により、コマンド41が送られ、フラッシュの起動のために開き、完了時に閉じるようにバルブ71を作動させる。図1Bでは、臭気センサー14と、便座93中および便器92中に組み込まれているカメラ16およびカメラ17と、パーティション94中および天井95中に組み込まれているカメラ18と、バルブ72とが、制御ユニット01に接続されている。制御ユニット01により、コマンド42が送られ、フラッシュの起動のために開き、完了時に閉じるようにバルブ72を作動させる。
【0018】
図1Cにおいて示されているように、汚れた便器流体がカメラ16を汚したり、カメラ16にしみをつけたりするのを防ぐ保護レンズ97が、便座93内に組み込まれている。ノズル84は、便座93の下部に位置している空洞チャネル82に取り付けられている。保護レンズ97を洗浄するように制御ユニット01が決定する一方で、コマンド43がバルブ73に送られ、これにより、加圧流体89を放出して、ノズル84を通して保護レンズ97上に吹きかける洗浄ジェット81にする。給水パイプライン80および/または液体洗剤ライン83を通して、給水に加圧流体89を接続してもよい。
【0019】
図1Dを参照すると、臭気センサー14と、カメラ16およびカメラ17とが、和式便器96の状態のデータを制御ユニット01に提供する。フラッシュメカニズムの起動について制御ユニット01が決定したときに、フラッシュの起動のために開き、完了時に閉じるようにバルブ72を作動させるために、コマンド42が送られる。
【0020】
図1Eを参照すると、保護レンズ97が、和式便器96中のカメラ16を、汚れた便器流体から保護している。レンズ洗浄プロセスでは、制御ユニット01により、コマンド43が送られ、給水パイプライン80および/または液体洗剤ライン83から空洞チャネル82へと、加圧された流体89を放出するためにバルブ73を作動させる。ノズル84からカメラ16の保護レンズ97に洗浄ジェット81が吹きかけられる。
【0021】
図2において表されているように、例示的な化粧室プランは、身体障害者用の化粧室50と、女性用の化粧室51と、男性用の化粧室52とを含んでいる。小便器91には、カメラ19が組み込まれているのに対し、便器92および便座93には、臭気センサー14と、カメラ16および/または17とが組み込まれており、パーティション94と天井95には、カメラ18が組み込まれている。カメラ16、17、18、および19により取り込んだイメージは、I/O(入力/出力)バス100を介して制御ユニット01に送られて処理される。バス110は、(示していない)バルブ71、72、および73の作動のためのコマンド41、42、および43を制御ユニット01から送信する。
【0022】
図3は、独立型のマルチコアプラットフォームモジュールである、制御ユニット01を含む例示的なインテリジェントフラッシングシステム02の好ましい実施形態を表している。GP(汎用)プロセッサ20と、オンボードメモリ21と、汎用入力/出力(GPIO)22と、臭気センサー14と、対応するdsp(デジタル信号プロセッサ)26、27、28、29にそれぞれ結合されているカメラ16、17、18、19とともに、バルブ71、72、および73とを含む複数のコンポーネントの中心に制御ユニット01がある。カメラ16〜19を使用して、トイレ製品のボウルエリアの光学的なイメージが、10〜40fps(1秒当たりのフレーム)において継続的に取り込まれ、制御ユニット01中の対応するdsp26、27、28、29による処理のために、I/Oバス100を介して送られる。トイレ製品の好ましい光学的状態を取り込んでいる選択されたイメージが、ユーザ特定の/周期的な更新により、オンボードメモリ21中におよび/または(示していない)外部メモリ23中にイメージ基準として記憶されてもよい。
【0023】
インテリジェントフラッシングシステム02が自動モード31において動作するときに、GPプロセッサ20は、臭気センサー14の信号の処理と、データ記憶およびアーカイブ化と、ネットワーク通信とを含むタスクを取り扱い、dsp26〜29は、カメラ16〜19からのデータを処理し、I/Oバス110を通して、フラッシュメカニズムの起動のためのコマンド41、42、43をバルブ71、72、および73に送る。一方、フラッシュメカニズムは、(示していない)オーバーライディングスイッチを押すことにより、手動モード30では、手動で起動されてもよい。ここでは、マルチコアイネーブル制御ユニット01には、オペレーティングシステム60と3Dモデル発生モジュール62とが予めインストールされており、マルチコアイネーブル制御ユニット01はまた、プロセッサ、オペレーティングシステム、相互接続、メモリ、およびプログラミング言語のような、コンピューティングコンポーネントにおいて、多次元の異種アーキテクチャを用いてもよい。他の実施形態では、GPプロセッサ20およびdsp26〜29は、これらに限定されないが、中央処理ユニット(CPU)と、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)と、マイクロ制御装置ユニット(MCU)と、特定用途向け集積回路(ASIC)等とを含む、他のプロセッサにより置き換えることができる。
【0024】
化粧室の使用に関する、時間、日付、温度、他のリアルタイム情報およびアーカイブ化情報のようなデータを含む情報45が、時計と、室内および屋外の温度と、モーションセンサー信号とともに、外部情報ソース等から、制御ユニット01に供給される。小便器が直ちに使用される確率の計算とそれゆえの最低限のフラッシュ量でのフラッシュ手順の選択のために、化粧室のトイレ製品の使用の記録との相互参照を提供する補足情報が使用される。使用頻度が低い期間または使用されない期間が予想されるときには、部分的なまたは総合的な電力セーブモードに入る決定をするためにも、化粧室の使用確率が、インテリジェントフラッシングシステム02により使用される。
【0025】
情報46は、臭気センサー14の信号と、カメラ16〜19によって取り込んだイメージと、イメージ基準と、予めインストールされているフラッシュ手順32〜35の選択および実行の使用の頻度と、診断フラッシュ手順36と、アラート40と、フラッシュ実行評価結果により計算された、排泄物の大きさに対するフラッシュ量と、水および電力の総消費量と、手動モード30と自動モード31との間での選択と、自己診断の結果等を含む、インテリジェントフラッシングシステム02の動作情報を含んでいる。ここで、フラッシュ手順の選択およびフラッシュ量計算における微調整のための情報46は、自己学習の目的を果たすために、(図6参照の)ネットワークリンク200および相互接続120−5を通して、オンボードメモリ21中におよび/または外部メモリ23中に記憶される。記録されたデータは、リアルタイム提示、統計的解析、およびアーカイブ化目的のためにも使用される。
【0026】
制御ユニット01には、ビル管理者、サプライヤー、および/または他の認可された関係者により、複数のフラッシュ手順が予めインストールされている。5つの例示的なフラッシュ手順は次のものを含む。
【表1】
【0027】
リアルタイムイメージまたは臭気センサー信号により、ごみや、液体または固形の排泄物が、トイレ製品中で検出されたときに、あるいは、取り込んだイメージが、イメージ基準中の好ましい状態と比較して、トイレ製品の状態におけるずれを示しているときに、制御ユニット01は、バルブ71および72の作動のためのコマンド41および42を送る。
【0028】
液体の排泄物のフラッシュ手順32を以下で詳述する。
【0029】
1.制御ユニット01が、コマンド42を送って、バルブ72を12秒間開き、トラップウェイを通して水を放出して液体の排泄物または少量のごみを排出し、便器の内面をすすぐ。
【0030】
2.バルブ72を閉じることにより、フラッシュフローを終了する。
【0031】
3.第1のフラッシュが完了したときに、フラッシュ実行評価のために、便器92の状態のイメージをカメラ16および/またはカメラ17および/またはカメラ18により取り込んで、制御ユニット01に送る。
【0032】
4.第1のフラッシュの不満足な評価結果は、便器92の識別した状態のイメージにしたがって、フラッシュ手順32、33の第2の実行にまたは診断フラッシュ手順36につながる。
【0033】
5.便器92の状態が満足の行くものになるまで、または、フラッシュ起動の回数が予めセットされた制限に達するまで、ステップ3およびステップ4を繰り返す。
【0034】
6.フラッシュ起動の回数が予めセットされた制限に達したケースでは、アラート40を送る。
【0035】
固形の排泄物のフラッシュ手順33を以下で詳述する。
【0036】
1.制御ユニット01が、コマンド42を送って、バルブ72を16秒間開き、トラップウェイを通して水を放出して固形の排泄物を排出し、便器の内面をすすぐ。
【0037】
2.バルブ72を閉じることにより、フラッシュフローを終了する。
【0038】
3.第1のフラッシュが完了したときに、フラッシュ実行評価のために、便器92の状態のイメージをカメラ16および/またはカメラ17および/またはカメラ18により取り込んで、制御ユニット01に送る。
【0039】
4.第1のフラッシュの不満足な評価結果は、便器92の識別した状態のイメージにしたがって、フラッシュ手順32、33の第2の実行にまたは診断フラッシュ手順36につながる。
【0040】
5.便器92の状態が満足の行くものになるまで、または、フラッシュ起動の回数が予めセットされた制限に達するまで、ステップ3およびステップ4を繰り返す。
【0041】
6.フラッシュ起動の回数が予めセットされた制限に達したケースでは、アラート40を送る。
【0042】
すすぎフラッシュ手順34を以下で詳述する。
【0043】
1.制御ユニット01が、コマンド41を送って、バルブ71を4秒間開き、より少ない量で水を放出して、小便器の内面をすすぐ。
【0044】
2.バルブ71を閉じることにより、フラッシュを終了する。
【0045】
3.第1のフラッシュが完了したときに、フラッシュ実行評価のために、小便器91の状態のイメージをカメラ19により取り込んで、制御ユニット01に送る。
【0046】
4.第1のフラッシュの不満足な評価結果は、小便器91の識別した状態のイメージにしたがって、フラッシュ手順34または35の第2の実行につながる。
【0047】
5.小便器91の状態が満足の行くものになるまで、または、フラッシュ起動の回数が予めセットされた制限に達するまで、ステップ3およびステップ4を繰り返す。
【0048】
6.フラッシュ起動の回数が予めセットされた制限に達したケースでは、アラート40を送る。
【0049】
通常のフラッシュ手順35を以下で詳述する。
【0050】
1.制御ユニット01が、コマンド41を送って、バルブ71を8秒間開き、より多い量で水を放出して、小便器の内面をすすぐ。
【0051】
2.バルブ71を閉じることにより、フラッシュを終了する。
【0052】
3.第1のフラッシュが完了したときに、フラッシュ実行評価のために、小便器91の状態のイメージをカメラ19により取り込んで、制御ユニット01に送る。
【0053】
4.第1のフラッシュの不満足な評価結果は、小便器91の識別した状態のイメージにしたがって、フラッシュ手順34または35の第2の実行につながる。
【0054】
5.小便器91の状態が満足の行くものになるまで、または、フラッシュ起動の回数が予めセットされた制限に達するまで、ステップ3およびステップ4を繰り返す。
【0055】
6.フラッシュ起動の回数が予めセットされた制限に達したケースでは、アラート40を送る。
【0056】
図3を参照すると、インテリジェントフラッシングシステム02は、好ましい状態を維持するために、臭気センサー14とカメラ16〜19とを使用して、ごみおよび排泄物を検出し、トイレ製品の状態を監視する。例示的なフラッシュメカニズム起動が表2に示されている。
【表2】
【0057】
メカニズム1:カメラ19により取り込んだリアルタイムイメージとイメージ基準との比較が、小便器91中の、光度の突然の低下や、流体の流れや、または汚点等を示しているときに、制御ユニット01は、すすぎフラッシュ手順34と通常のフラッシュ手順35との間で選択する。
【0058】
(a)制御ユニット01が、情報45にしたがって、利用者により小便器91が直ちに使用される確率が非常に高いと結論を出したときには、制御ユニット01は、光が回復してから6〜8秒以内に、または、小便器91の使用が終わったことをリアルタイムイメージが示しているときに、すすぎフラッシュ手順34を実行する。
【0059】
(b)制御ユニット01が、情報45にしたがって、デフォルトの時間期間内に利用者による小便器91の後続する使用の確率が低いと結論を出したときには、制御ユニット01は、光が回復してから6〜8秒以内に、または、小便器91の使用が終わったことをリアルタイムイメージが示しているときに、通常のフラッシュ手順35を実行する。
【0060】
(c)カメラ19により取り込んだリアルタイムイメージとイメージ基準との比較が、すすぎフラッシュ手順34の実行後、60秒よりも長い間、小便器91中に汚点が残っていることを示し、同時に、制御ユニット01が、情報45にしたがって、デフォルトの時間期間内に利用者による小便器91の後続する使用の確率が低いと結論を出したときには、制御ユニット01は、通常のフラッシュ手順35を実行する。
【0061】
メカニズム2:
(a)カメラ16、17、または18により取り込んだリアルタイムイメージとイメージ基準との比較が、便器92中の、液体の流れや、水の色の軽い変化や、軽い負荷のトイレットペーパーや、他の少量のごみ/排泄物、および/または、光度の突然の低下を示しているときに、排泄物の認識のために2Dイメージ処理を使用する。制御ユニット01は、光が回復してから6〜8秒以内に、または、取り込んだイメージが変化していない状態になったときに、液体の排泄物のフラッシュ手順32を実行する。
【0062】
(b)カメラ16、17、または18により取り込んだリアルタイムイメージとイメージ基準との比較が、便器92中の、水の色の著しい変化と固形の排泄物の累積、および/または、光度の突然の低下を示しているときに、排泄物の大きさの推定のために2Dイメージ処理を使用し、制御ユニット01は、光が回復してから6〜8秒以内に、固形の排泄物のフラッシュ手順33を実行する。
【0063】
(c)カメラ16および/または17により取り込んだリアルタイムイメージとイメージ基準との比較が、便器92中の固形の排泄物の累積、および/または、光度の突然の低下を示しているときに、3Dモデル発生モジュール62により、固形の排泄物の3Dモデルを構築し、排泄物の容積的な大きさを推定し、排泄物の容積的な大きさを使用して、光度が回復してから6〜8秒以内に、診断フラッシュ手順36を実行するために必要とされるフラッシュ量を計算する。
【0064】
メカニズム3:カメラ16、17、または18により取り込んだリアルタイムイメージとイメージ基準との比較が、便器92中の光度の突然の低下を示しているときに、および、臭気センサー14が悪臭を認識したときに、制御ユニット01は、便器92中の光が回復してから6〜8秒以内に、固形の排泄物のフラッシュ手順33を実行する。
【0065】
便器92中の光の低下が回復したことを取り込みイメージが示す場合には、使用が完了したときに、フラッシングの前に、利用者が便器92から物理的に離れていることが確実となる。フラッシュメカニズムプロセスの何らかの瞬間の間に、カメラ16〜19により取り込んだイメージにより、小便器91中または便器92中でオーバーフローが検出されたならば、バルブ71および72を閉じることにより、水のフローを速やかに終了する。
【0066】
アラート40は、次のようなときに、制御ユニット01により発生される。
【0067】
(a)制御ユニット01が、コマンド41、42、43を送り出したが、バルブ71、72、および73のうちの1つ以上が応答しないとき、
(b)フラッシュメカニズム起動が完了した際に、カメラ16〜19により取り込んだ小便器91または便器92のリアルタイムイメージが、光学的状態の変化がないことを示しているとき、
(c)フラッシュ実行の不満足な評価結果に起因する連続的なフラッシュ起動の回数が、予めセットされた制限に達したとき、
(d)インテリジェントフラッシングシステム02内で、機能停止しているコンポーネントまたは不十分な動作が検出されたとき、
(e)カメラ16〜19により取り込んだイメージ中で示されている、小便器91または便器92における進行中のオーバーフローが原因で、制御ユニット01がフラッシュメカニズムを終了したときである。
【0068】
インテリジェントフラッシングシステム02は、デフォルトにより、自動モード31で動作する。トイレ製品および/またはインテリジェントフラッシングシステム02の点検のリコメンデーションに対するアラート40が、1つ以上の宛先に送られるときに、制御ユニット01は、トイレ製品のフラッシュメカニズム自動化を停止して、デフォルトの自動モード31を一時的な手動モード30に切り替える。制御ユニット01に対する認可された入力により、手動で自動モード31を復元してもよく、または、制御ユニット01が、インテリジェントフラッシングシステム02において通常動作を管理することができるときには、自動的に復元してもよい。利用者が、利用者の利益のために、自動モード31に対して手動モード30を選択することが可能になるように、(示していない)手動オーバーライディングスイッチも利用可能であってもよい。
【0069】
図3を参照すると、制御ユニット01は、取り込んだイメージ中の物体の3Dモデルを自動的に発生させる3Dモデル発生モジュール62を備えている。図4は、3Dモデル発生プロセスを表している例示的なフローチャートである。ステップ1では、2つより多いカメラによって取り込んだイメージが、オンボードメモリ21にまたは外部メモリ23にロードされる。変化する背景をなくし、排泄物の境界を規定し、邪魔になるセクションの大きさを推定するために、上から見た整列がイメージ上で実行される(ステップ2)。ステップ3では、イメージ上にランドマークポイントを配置するために、いったん異なる物体の色および形状が識別されると、‘シードフィル’動作または3D面の再構築が開始される一方で、排泄物の範囲は、トイレ製品の大きさを使用することにより制限される。ステップ4に進むと、ピクセルのフィールドの統計的線形積分を実行することにより、ならびに/あるいは、オンボードメモリ21中および/または外部メモリ23中に記憶されている、データベース中の異なる排泄物の統計的プロパティを解析することにより、排泄物の大きさを推定してもよい。ステップ5では、物体の完全な形状を含む3Dモデルを再構築することができる。ステップ6では、排泄物の推定された容積的な大きさが、診断フラッシュ手順36において必要とされるフラッシュ量の計算と、予めインストールされているフラッシュ手順32および33の間の選択とのために使用される。ステップ7では、フラッシュメカニズムの起動において使用される3Dモデル構築の結果のデータは、進行中の計算における統計的解析および計算の精度向上のために、対応するフラッシュ手順/計算されたフラッシュ量と、フラッシュ実行評価結果とともに、オンボードメモリ21中および/または外部メモリ23中にセーブされる。
【0070】
3Dモデリング方法は、一連のイメージ処理技術を実行して、固形の排泄物の3Dモデルを発生させるためのガイドとしての役割を果たす1組のランドマークポイントを決定する。図4におけるステップは、制御ユニット01が、診断フラッシュ手順36を選択したときに、プロセス500のステップ530において使用され、3Dモデルは、フラッシュメカニズムの起動のために使用される。
【0071】
図5Aにおいて表されているように、インテリジェントフラッシングシステム02において使用される1つの制御方法が、プロセス500である。化粧室50、51、および52中の便器92から取り込まれたリアルタイムイメージが、フラッシュメカニズム起動の決定のために処理される。処理されたリアルタイム取り込みイメージおよび/または情報45にしたがって、便器92が直ちに使用される確率が高いことを制御ユニット01が認識したときに、ステップ510においてプロセス500が始まる。1つ以上の認可された関係者により予めセットされた命令の通りに、異なる時間の間にステップ515において取り込まれた、便器92の好ましい便器ボウルの状態の選択されたリアルタイムイメージが、ステップ525においてイメージ基準として記憶され、特定的に/周期的に新しくされる。ステップ530では、ステップ515において取り込まれたリアルタイムイメージが、固形の排泄物の状態における相違、固形の排泄物の汚点、ごみ、およびサイズの検出等に関して、イメージ基準と比較される。フラッシュに対する必要性を認識したときに、制御ユニット01は、便器92の光学的状態の性質にしたがって、フラッシュ手順32および33の中から選択する。診断フラッシュ手順36の実行において、制御ユニット01は、3Dモデル発生モジュール62を使用して、固形の排泄物に対する3Dモデルを生成させ、推定された大きさに基づいて、排泄物の総量を除去するのに必要とされるフラッシュ量を計算する。プロセス500は、ステップ535に進み、ここで、不満足なフラッシュ実行評価結果が原因の連続的なフラッシュ起動の回数に対するカウントが追跡される。連続的なフラッシュ起動の回数が、予めセットされた制限を超えていなかった場合に、プロセス500はフラッシュメカニズムの起動のためにステップ540に進む。連続的なフラッシュ起動がステップ535において制限を超えていた場合に、あるいは、ステップ515においてイメージが取り込まれなかったときに、インテリジェントフラッシングシステム02および/または便器92の点検のためのアラート40が、ビル管理者に送られる。図4における3Dモデリングステップは、診断フラッシュ手順36が実行されるときに、プロセス500のステップ530において使用される。
【0072】
図5Bにおいて表されているように、インテリジェントフラッシングシステム02は、化粧室52中の小便器91のフラッシュ起動のためのプロセス550にしたがう。カメラ19により取り込まれた、処理されたリアルタイムイメージおよび/または情報45が、小便器91が直ちに使用される確率が高いことを示しているときに、ステップ510においてプロセス550が始まる。小便器91のリアルタイムイメージは、ステップ555において継続的に取り込まれる。小便器91の好ましい状態を示すと考えられる、取り込まれたイメージは、ステップ560においてイメージ基準として記憶され、ステップ565において、特定的に/周期的に新しくされる。リアルタイムイメージは、汚点、流体の流れまたはごみ等の検出のために、イメージ基準と比較される。ステップ570において、フラッシュに対する必要性が認識されたときに、プロセス550は、ステップ575に進む。連続的なフラッシュ起動の回数が、予めセットされた制限を超えていなかった場合に、制御ユニット01は、ステップ580において、フラッシュ手順34および35の間で選択する。情報45を参照して、利用者がデフォルトの時間期間内に小便器91を使用しそうなことを、または、化粧室52にもうすぐ人が訪れそうなことを、制御ユニット01が認識した場合に、すすぎフラッシュ手順34を実行するためにステップ585が選択される。化粧室52が空いていることを、または、デフォルトの時間期間内に小便器91に近づく人がその後続けて訪れる確率が低いことを、情報45が示しているときには、通常のフラッシュ手順35を実行するためにステップ590が選択される。ステップ595においてフラッシュメカニズムを起動した後に、制御ユニット01は、ステップ555に戻る。ステップ555においてイメージが取り込まれなかった場合に、または、連続的なフラッシュ起動の回数がステップ575において制限を超えていた場合に、インテリジェントフラッシングシステム02の点検のためのアラート40が、ビル管理者に送られる。
【0073】
図3において示されたような独立型のモジュールの代わりに、制御ユニット01が他の構造の形態で機能してもよい。さらに、インテリジェントフラッシングシステム02は、インターフェース03および08、I/Oバス100および110を備えている。図6を参照すると、制御ユニット01は、オンサイトPCステーション04と、オフサイトサーバ05と、BMS06内のシミュレートされた制御装置との形態で機能する。ここで、インターフェース03は、相互接続120−0を通して、臭気センサー14、カメラ16〜19をネットワークリンク200に結合させる。データ47は、臭気センサー14、カメラ16〜19からの、すべての取り込まれたセンサー信号とデータとを含み、処理や、リアルタイム提示や、記憶や、または配信等のために、対応する相互接続120−1、120−2、および120−3を介して、オンサイトPCステーション04や、オフサイトサーバ05や、または、BMS06内のシミュレートされた制御装置に伝送される。外部メモリ23中に記憶されている情報46は、相互接続120−5およびネットワークリンク200を通して、オンサイトPCステーション04と、オフサイトサーバ05と、BMS06内のシミュレートされた制御装置と、サプライヤーサーバ07との間で伝送されてもよい。
【0074】
サプライヤーにより動作されているサプライヤーサーバ07は、ビル管理者により認可されたものとして、相互接続120−4を介して情報46を受信する。フラッシュに対する必要性を認識したときに、制御ユニット01は、相互接続120−6およびI/Oバス110を通して、バルブ71、72、または73の起動のためのコマンド41、42、あるいは43をインターフェース08に送る。ネットワークリンク200は、これらに限定されないが、LAN(ローカルエリアネットワーク)、インターネット、イントラネット等を含む、1つ以上の従来の固定回線ネットワークまたはワイヤレスネットワークの組み合わせを含んでいてもよい。‘N’個の相互接続120−n(ここで、n=0〜6)とともに、ネットワークリンク200、I/Oバス100および110は、さまざまな通信媒体を含んでいてもよい。このような通信媒体は、これらに限定されないが、同軸ワイヤ、イーサネット(登録商標)ケーブル、ISDN(統合サービスデバイスネットワーク)回線、PSTN(公衆電話交換ネットワーク)回線、光ファイバ回線、およびPLC(電力回線通信)等を含んでいる。ネットワーク中のワイヤレス通信媒体により、赤外線および無線周波数、ZigBee(登録商標)、ブルートゥース(登録商標)、WiFi(登録商標)、WiMax等において信号を伝播することが可能になる。
【0075】
図7を参照すると、給水パイプライン80は、本発明のインテリジェントフラッシングシステム02により制御されている複数の便器に接続している。給水パイプライン80は、複数の送水路を通してフラッシュの水を供給し、そのそれぞれは、個別のバルブにより制御されている:バルブ71は、小便器へのフラッシュフローを制御し、バルブ72は、便器へのフラッシュフローを制御し、バルブ73は、カメラレンズに対する洗浄ジェットを制御する。インテリジェントフラッシングシステム02は、2つ以上のフラッシュメカニズムの同時起動を常に防ぐことにより、フラッシュにおける十分な水圧を保証する。便器92.51.1、92.52.1、および92.50をフラッシュする必要性を認識した例では、制御ユニット01が、各フラッシュにおいて十分な水圧を提供するために、対応するバルブをシーケンシャルに作動させる。
【0076】
1.制御ユニット01が、便器92.51.1、92.52.1、および92.50に対する、フラッシュメカニズムの起動の優先度の例示的な順序を確立する。
【0077】
2.液体の排泄物のフラッシュ手順32、固形の排泄物のフラッシュ手順33、および診断フラッシュ手順36の実行が、便器92.51.1、92.52.1、および92.50に対してそれぞれ必要とされる。
【0078】
3.制御ユニット01は、バルブ72.51.1を開けるためのコマンド42を送り出す。フラッシュメカニズムが完了したときに、バルブ72.51.1は閉じられる。
【0079】
4.制御ユニット01は、バルブ72.52.1を開けるためのコマンド42を送り出す。フラッシュメカニズムが完了したときに、バルブ72.52.1は閉じられる。
【0080】
5.制御ユニット01は、バルブ72.50を開けるためのコマンド42を送り出す。フラッシュメカニズムが完了したときに、バルブ72.50は閉じられる。
【0081】
図8は、本発明の1つの実施形態において使用されるネットワーク環境を示している。ネットワーク環境800は、複数のノードを含んでいる。独立的に動作可能な制御ユニット01は、オンサイトPCステーション04や、オフサイトサーバ05や、BMS06内のシミュレートされた制御装置の形態で、サプライヤーサーバ07と外部メモリ23とともに機能し、ノード810、820、830、840、および850により、それぞれ表される。ノード810〜850は、ネットワークリンク200を介して互いに結合されており、ネットワークリンク200は、相互接続120−0~120−6を通して、すべてのノード間の継続的なオープン通信リンクとしての役割を果たす。ビル管理者、サプライヤー、または他の認可された関係者により指示されたように、さまざまなインテリジェントフラッシングシステム02の情報45および情報46とともに、他のデータのアーカイブ化、送信、および取得が処理されて、ノード810〜850間で送られてもよい。ネットワークリンク200を介して、ノード840は、仕様および計算方法を新しくし、これらに限定されないが、プロセス500および550、フラッシュ手順32〜35、オペレーティングシステム60、イメージ処理アルゴリズムおよび他のものを含む、ノード810〜830中のソフトウェアを更新してもよい。ネットワーク環境800は、共有メモリシステムを提供する:ノード810〜840は、外部メモリ23中のまたはノード850中の利用可能なデータに直接アクセスすることができる。
【0082】
本発明の目的を詳細に説明してきたが、上記の図面および説明において示されたような特定の実施形態は、このような機能的および構造的な原理から逸脱することなく変更を被ることを当業者は理解するだろう。それゆえ、本発明の修正およびバリエーションが、添付された特許請求の範囲ならびにそれらの均等物の精神および範囲の内に入っている場合に、本発明がそれらをカバーすることが意図されている。
【発明の背景】
【0001】
発明の分野
本発明は、インテリジェントフラッシングシステムおよび制御方法に関し、さらに詳細には、臭気センサーおよびカメラの使用により、トイレ製品を好ましい状態において維持することに関する。インテリジェントフラッシングシステムの使用および操作性に関する情報は、記憶され、インテリジェントフラッシングシステムのユーザ(ビル管理者)と、サプライヤー(インテリジェントフラッシングシステムの提供者)と、他の関係者とにより取得することができる。
【発明の概要】
【0002】
本発明の主な目的は、インテリジェントフラッシングシステムおよびその制御方法を提供することであり、ここで、インテリジェントフラッシングシステムは、トイレ製品を監視し、悪臭の検出と取り込んだイメージの解析とにより、ごみおよび排泄物の性質を識別する。水の節約を達成するために、インテリジェントフラッシングシステムは、処理したデータにしたがって、最低限のフラッシュ量の、診断フラッシュ手順と予めインストールされているフラッシュ手順との中から選択する。ここでは、トイレ製品は、典型的に次のものを示す。
【0003】
a)小便器、
b)フラッシュ便器、
c)和式便器。
【0004】
本発明の開示する実施形態では、制御方法は、トイレ製品中の監視しているエリアの、カメラで取り込んだイメージを解析するために、デジタル信号処理技術を用いる。排泄物の検出のために、トイレ製品の好ましい状態の取り込みイメージを記憶し、トイレ製品のリアルタイムイメージと比較する。その一方で、保護レンズと自己洗浄機能性とを含むセットアップにより、カメラの清浄度が維持される。汚れた流体が保護レンズを汚したり、保護レンズにしみをつけたりしないように、加圧水ジェットが使用され、汚れた流体が保護レンズを汚したり、保護レンズにしみをつけたりすることにより、取り込みイメージに歪みが生じることがある。
【0005】
カメラにより取り込んだリアルタイムイメージのデジタル信号処理の使用は、トイレ製品の状態の解析と、性質および大きさによる液体の排泄物あるいは固形の排泄物の検出とを提供する。必要とされるコンポーネントが含んでいるのは、次のものである。
【0006】
(a)トイレ製品の光学的状態を取り込むために、トイレ製品や、便座や、パーティションや、天井や、または周辺に組み込まれ、制御ユニットに結合されている(ccd−電荷結合素子の、cmos−相補型金属酸化膜半導体の)カメラ、または、他の光学的センサー、スペクトルセンサー、およびイメージ取り込みデバイス/システム。
【0007】
b)背景差分と、フィルタリングと、物体セグメンテーションと、フーリエ変換および圧縮と、排泄物の性質および大きさの識別とを含む2Dイメージ処理。2Dイメージ処理は、対応するフラッシュ手順を選択するために使用される。
【0008】
c)‘シードフィルアルゴリズム’や、面/物体認識や、または、他の技術を使用する3Dモデリング方法。3Dモデリング方法は、排泄物の3Dモデルの構築と大きさの計算のために、異なる視野からイメージを取り込むように複数のカメラに要求する。
【0009】
本発明における2Dイメージ処理および3Dモデリングの目的は、フラッシュメカニズムにおける、フラッシュ手順の選択と、必要とされるフラッシュ量の計算とを含む。
【0010】
リアルタイムイメージのデジタル信号処理により、早すぎるフラッシングおよびオーバーフローの防止が可能になる。フラッシュメカニズムが起動する前に、利用者がトイレ製品の周辺を離れるのに十分な時間が利用可能になる。一方、フラッシュメカニズムプロセスの間のトイレ製品中のオーバーフローが、リアルタイムイメージにより映された場合には、水のフローが止められる。
【0011】
カメラとデジタル信号処理技術との使用によって、トイレ製品の後の光学的状態のイメージとイメージ基準との比較による第1のフラッシュメカニズムの実行に関する評価も可能になる。制御ユニットは、比較を解析し、選択したフラッシュ手順により、後のフラッシュメカニズムを起動する必要性について決定する。
【0012】
2つ以上のフラッシュメカニズムが同時に起動するのを禁止することにより、各フラッシュ起動において十分な水圧が保証される。インテリジェントフラッシングシステムは、さまざまなフロータイミングを持つバルブを備える給水パイプライン装置を具備している。いくつかのトイレ製品をフラッシュする必要性を制御ユニットが決定したケースでは、1度に1つのフラッシュメカニズムを起動するために、対応するバルブをシーケンシャルに作動させる。
【0013】
本発明の別の目的は、情報ベースのインテリジェントフラッシングシステムを提供することである。さまざまなインテリジェントフラッシングシステムと他の情報システムとの間での効果的なデジタルデータ送信が、ネットワークリンクを通して実行され、ネットワークリンクは、ネットワーク中の固定ラインおよび/またはワイヤレスリンクの組み合わせを含む。
【0014】
情報ベースのインテリジェントフラッシングシステムは、アラートを送ることと、自己診断を実行することとが可能である。2〜3の連続的なフラッシュの後に、トイレ製品の光学的状態が満足の行くものではないように思われるならば、インテリジェントフラッシングシステムは、さらなるフラッシュの起動を停止し、留意した点検のために、ビル管理者にアラートを送る。そして、インテリジェントフラッシングシステム内で、機能停止しているコンポーネントまたは不十分な動作が検出されたときに、アラートが送られる。正常な動作間のコンポーネントの機能性の確認のために、および、異常が発生したときには、原因のルーツに対する点検のために、自己診断が実行される。識別された問題の原因を含む結果と、取り替えるための機能停止したコンポーネントを示唆するリストとが生成されてもよく、これらは、ビル管理者や、サプライヤーや、および/または他の関係者に送られる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1A】図1Aは、本発明のインテリジェントフラッシングシステムにより制御されている小便器の概略図である。
【図1B】図1Bは、本発明のインテリジェントフラッシングシステムにより制御されている便器の概略図である。
【図1C】図1Cは、便器中のカメラの保護レンズを洗浄するノズルを表している概略図である。
【図1D】図1Dは、本発明のインテリジェントフラッシングシステムにより制御されている和式便器の概略図である。
【図1E】図1Eは、和式便器中のカメラの保護レンズを洗浄するノズルを表している概略図である。
【図2】図2は、本発明のインテリジェントフラッシングシステムが備わっている商業用の化粧室プランの例示的な図である。
【図3】図3は、図1A、図1B、図1C、図1D、および図1Eの好ましい実施形態の例示的なインテリジェントフラッシングシステムの概略図である。
【図4】図4は、例示的な3Dモデル発生方法のフロー図である。
【図5A】図5Aは、2Dイメージ処理および3Dモデリングにおいてデジタルイメージ処理技術を使用する、便器アプリケーションにおける本発明の制御方法の一部を示しているフロー図である。
【図5B】図5Bは、2Dイメージ処理においてデジタルイメージ処理技術を使用する、小便器アプリケーションにおける本発明の制御方法の一部を示しているフロー図である。
【図6】図6は、図3で示されているものの代替的な実施形態として、pcと、サーバと、ビル管理システム(BMS)中のシミュレートされた制御装置との形態をとっている、インテリジェントフラッシングシステムの例示的な制御ユニット構成を表している。
【図7】図7は、本発明のインテリジェントフラッシングシステムに便器を接続する給水パイプラインセットアップの概略図である。
【図8】図8は、本発明の1つの実施形態中で使用されるネットワークリンクを介して共有メモリと結合されている、さまざまなインテリジェントフラッシングシステムの制御ユニットと、サプライヤーサーバとのネットワーク環境の概略図である。
【好ましい実施形態の詳細な説明】
【0016】
本発明のインテリジェントフラッシングシステム02は、トイレ製品の状態を監視し、実際の必要性にしたがって、フラッシュメカニズムを起動する。本発明のインテリジェントフラッシングシステム02は、最低限のフラッシュ量および電力消費量を使用する一方で、同時に、留意した注意についてビル管理者にアラートする。図1〜図8を参照して、本発明を容易に理解することができ、表されている例示的な実施形態を特定の状況で使用して、より正しく認識することができる。
【0017】
図1Aを参照すると、小便器91中に組み込まれているカメラ19と、バルブ71とが、制御ユニット01に接続されている。制御ユニット01により、コマンド41が送られ、フラッシュの起動のために開き、完了時に閉じるようにバルブ71を作動させる。図1Bでは、臭気センサー14と、便座93中および便器92中に組み込まれているカメラ16およびカメラ17と、パーティション94中および天井95中に組み込まれているカメラ18と、バルブ72とが、制御ユニット01に接続されている。制御ユニット01により、コマンド42が送られ、フラッシュの起動のために開き、完了時に閉じるようにバルブ72を作動させる。
【0018】
図1Cにおいて示されているように、汚れた便器流体がカメラ16を汚したり、カメラ16にしみをつけたりするのを防ぐ保護レンズ97が、便座93内に組み込まれている。ノズル84は、便座93の下部に位置している空洞チャネル82に取り付けられている。保護レンズ97を洗浄するように制御ユニット01が決定する一方で、コマンド43がバルブ73に送られ、これにより、加圧流体89を放出して、ノズル84を通して保護レンズ97上に吹きかける洗浄ジェット81にする。給水パイプライン80および/または液体洗剤ライン83を通して、給水に加圧流体89を接続してもよい。
【0019】
図1Dを参照すると、臭気センサー14と、カメラ16およびカメラ17とが、和式便器96の状態のデータを制御ユニット01に提供する。フラッシュメカニズムの起動について制御ユニット01が決定したときに、フラッシュの起動のために開き、完了時に閉じるようにバルブ72を作動させるために、コマンド42が送られる。
【0020】
図1Eを参照すると、保護レンズ97が、和式便器96中のカメラ16を、汚れた便器流体から保護している。レンズ洗浄プロセスでは、制御ユニット01により、コマンド43が送られ、給水パイプライン80および/または液体洗剤ライン83から空洞チャネル82へと、加圧された流体89を放出するためにバルブ73を作動させる。ノズル84からカメラ16の保護レンズ97に洗浄ジェット81が吹きかけられる。
【0021】
図2において表されているように、例示的な化粧室プランは、身体障害者用の化粧室50と、女性用の化粧室51と、男性用の化粧室52とを含んでいる。小便器91には、カメラ19が組み込まれているのに対し、便器92および便座93には、臭気センサー14と、カメラ16および/または17とが組み込まれており、パーティション94と天井95には、カメラ18が組み込まれている。カメラ16、17、18、および19により取り込んだイメージは、I/O(入力/出力)バス100を介して制御ユニット01に送られて処理される。バス110は、(示していない)バルブ71、72、および73の作動のためのコマンド41、42、および43を制御ユニット01から送信する。
【0022】
図3は、独立型のマルチコアプラットフォームモジュールである、制御ユニット01を含む例示的なインテリジェントフラッシングシステム02の好ましい実施形態を表している。GP(汎用)プロセッサ20と、オンボードメモリ21と、汎用入力/出力(GPIO)22と、臭気センサー14と、対応するdsp(デジタル信号プロセッサ)26、27、28、29にそれぞれ結合されているカメラ16、17、18、19とともに、バルブ71、72、および73とを含む複数のコンポーネントの中心に制御ユニット01がある。カメラ16〜19を使用して、トイレ製品のボウルエリアの光学的なイメージが、10〜40fps(1秒当たりのフレーム)において継続的に取り込まれ、制御ユニット01中の対応するdsp26、27、28、29による処理のために、I/Oバス100を介して送られる。トイレ製品の好ましい光学的状態を取り込んでいる選択されたイメージが、ユーザ特定の/周期的な更新により、オンボードメモリ21中におよび/または(示していない)外部メモリ23中にイメージ基準として記憶されてもよい。
【0023】
インテリジェントフラッシングシステム02が自動モード31において動作するときに、GPプロセッサ20は、臭気センサー14の信号の処理と、データ記憶およびアーカイブ化と、ネットワーク通信とを含むタスクを取り扱い、dsp26〜29は、カメラ16〜19からのデータを処理し、I/Oバス110を通して、フラッシュメカニズムの起動のためのコマンド41、42、43をバルブ71、72、および73に送る。一方、フラッシュメカニズムは、(示していない)オーバーライディングスイッチを押すことにより、手動モード30では、手動で起動されてもよい。ここでは、マルチコアイネーブル制御ユニット01には、オペレーティングシステム60と3Dモデル発生モジュール62とが予めインストールされており、マルチコアイネーブル制御ユニット01はまた、プロセッサ、オペレーティングシステム、相互接続、メモリ、およびプログラミング言語のような、コンピューティングコンポーネントにおいて、多次元の異種アーキテクチャを用いてもよい。他の実施形態では、GPプロセッサ20およびdsp26〜29は、これらに限定されないが、中央処理ユニット(CPU)と、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)と、マイクロ制御装置ユニット(MCU)と、特定用途向け集積回路(ASIC)等とを含む、他のプロセッサにより置き換えることができる。
【0024】
化粧室の使用に関する、時間、日付、温度、他のリアルタイム情報およびアーカイブ化情報のようなデータを含む情報45が、時計と、室内および屋外の温度と、モーションセンサー信号とともに、外部情報ソース等から、制御ユニット01に供給される。小便器が直ちに使用される確率の計算とそれゆえの最低限のフラッシュ量でのフラッシュ手順の選択のために、化粧室のトイレ製品の使用の記録との相互参照を提供する補足情報が使用される。使用頻度が低い期間または使用されない期間が予想されるときには、部分的なまたは総合的な電力セーブモードに入る決定をするためにも、化粧室の使用確率が、インテリジェントフラッシングシステム02により使用される。
【0025】
情報46は、臭気センサー14の信号と、カメラ16〜19によって取り込んだイメージと、イメージ基準と、予めインストールされているフラッシュ手順32〜35の選択および実行の使用の頻度と、診断フラッシュ手順36と、アラート40と、フラッシュ実行評価結果により計算された、排泄物の大きさに対するフラッシュ量と、水および電力の総消費量と、手動モード30と自動モード31との間での選択と、自己診断の結果等を含む、インテリジェントフラッシングシステム02の動作情報を含んでいる。ここで、フラッシュ手順の選択およびフラッシュ量計算における微調整のための情報46は、自己学習の目的を果たすために、(図6参照の)ネットワークリンク200および相互接続120−5を通して、オンボードメモリ21中におよび/または外部メモリ23中に記憶される。記録されたデータは、リアルタイム提示、統計的解析、およびアーカイブ化目的のためにも使用される。
【0026】
制御ユニット01には、ビル管理者、サプライヤー、および/または他の認可された関係者により、複数のフラッシュ手順が予めインストールされている。5つの例示的なフラッシュ手順は次のものを含む。
【表1】
【0027】
リアルタイムイメージまたは臭気センサー信号により、ごみや、液体または固形の排泄物が、トイレ製品中で検出されたときに、あるいは、取り込んだイメージが、イメージ基準中の好ましい状態と比較して、トイレ製品の状態におけるずれを示しているときに、制御ユニット01は、バルブ71および72の作動のためのコマンド41および42を送る。
【0028】
液体の排泄物のフラッシュ手順32を以下で詳述する。
【0029】
1.制御ユニット01が、コマンド42を送って、バルブ72を12秒間開き、トラップウェイを通して水を放出して液体の排泄物または少量のごみを排出し、便器の内面をすすぐ。
【0030】
2.バルブ72を閉じることにより、フラッシュフローを終了する。
【0031】
3.第1のフラッシュが完了したときに、フラッシュ実行評価のために、便器92の状態のイメージをカメラ16および/またはカメラ17および/またはカメラ18により取り込んで、制御ユニット01に送る。
【0032】
4.第1のフラッシュの不満足な評価結果は、便器92の識別した状態のイメージにしたがって、フラッシュ手順32、33の第2の実行にまたは診断フラッシュ手順36につながる。
【0033】
5.便器92の状態が満足の行くものになるまで、または、フラッシュ起動の回数が予めセットされた制限に達するまで、ステップ3およびステップ4を繰り返す。
【0034】
6.フラッシュ起動の回数が予めセットされた制限に達したケースでは、アラート40を送る。
【0035】
固形の排泄物のフラッシュ手順33を以下で詳述する。
【0036】
1.制御ユニット01が、コマンド42を送って、バルブ72を16秒間開き、トラップウェイを通して水を放出して固形の排泄物を排出し、便器の内面をすすぐ。
【0037】
2.バルブ72を閉じることにより、フラッシュフローを終了する。
【0038】
3.第1のフラッシュが完了したときに、フラッシュ実行評価のために、便器92の状態のイメージをカメラ16および/またはカメラ17および/またはカメラ18により取り込んで、制御ユニット01に送る。
【0039】
4.第1のフラッシュの不満足な評価結果は、便器92の識別した状態のイメージにしたがって、フラッシュ手順32、33の第2の実行にまたは診断フラッシュ手順36につながる。
【0040】
5.便器92の状態が満足の行くものになるまで、または、フラッシュ起動の回数が予めセットされた制限に達するまで、ステップ3およびステップ4を繰り返す。
【0041】
6.フラッシュ起動の回数が予めセットされた制限に達したケースでは、アラート40を送る。
【0042】
すすぎフラッシュ手順34を以下で詳述する。
【0043】
1.制御ユニット01が、コマンド41を送って、バルブ71を4秒間開き、より少ない量で水を放出して、小便器の内面をすすぐ。
【0044】
2.バルブ71を閉じることにより、フラッシュを終了する。
【0045】
3.第1のフラッシュが完了したときに、フラッシュ実行評価のために、小便器91の状態のイメージをカメラ19により取り込んで、制御ユニット01に送る。
【0046】
4.第1のフラッシュの不満足な評価結果は、小便器91の識別した状態のイメージにしたがって、フラッシュ手順34または35の第2の実行につながる。
【0047】
5.小便器91の状態が満足の行くものになるまで、または、フラッシュ起動の回数が予めセットされた制限に達するまで、ステップ3およびステップ4を繰り返す。
【0048】
6.フラッシュ起動の回数が予めセットされた制限に達したケースでは、アラート40を送る。
【0049】
通常のフラッシュ手順35を以下で詳述する。
【0050】
1.制御ユニット01が、コマンド41を送って、バルブ71を8秒間開き、より多い量で水を放出して、小便器の内面をすすぐ。
【0051】
2.バルブ71を閉じることにより、フラッシュを終了する。
【0052】
3.第1のフラッシュが完了したときに、フラッシュ実行評価のために、小便器91の状態のイメージをカメラ19により取り込んで、制御ユニット01に送る。
【0053】
4.第1のフラッシュの不満足な評価結果は、小便器91の識別した状態のイメージにしたがって、フラッシュ手順34または35の第2の実行につながる。
【0054】
5.小便器91の状態が満足の行くものになるまで、または、フラッシュ起動の回数が予めセットされた制限に達するまで、ステップ3およびステップ4を繰り返す。
【0055】
6.フラッシュ起動の回数が予めセットされた制限に達したケースでは、アラート40を送る。
【0056】
図3を参照すると、インテリジェントフラッシングシステム02は、好ましい状態を維持するために、臭気センサー14とカメラ16〜19とを使用して、ごみおよび排泄物を検出し、トイレ製品の状態を監視する。例示的なフラッシュメカニズム起動が表2に示されている。
【表2】
【0057】
メカニズム1:カメラ19により取り込んだリアルタイムイメージとイメージ基準との比較が、小便器91中の、光度の突然の低下や、流体の流れや、または汚点等を示しているときに、制御ユニット01は、すすぎフラッシュ手順34と通常のフラッシュ手順35との間で選択する。
【0058】
(a)制御ユニット01が、情報45にしたがって、利用者により小便器91が直ちに使用される確率が非常に高いと結論を出したときには、制御ユニット01は、光が回復してから6〜8秒以内に、または、小便器91の使用が終わったことをリアルタイムイメージが示しているときに、すすぎフラッシュ手順34を実行する。
【0059】
(b)制御ユニット01が、情報45にしたがって、デフォルトの時間期間内に利用者による小便器91の後続する使用の確率が低いと結論を出したときには、制御ユニット01は、光が回復してから6〜8秒以内に、または、小便器91の使用が終わったことをリアルタイムイメージが示しているときに、通常のフラッシュ手順35を実行する。
【0060】
(c)カメラ19により取り込んだリアルタイムイメージとイメージ基準との比較が、すすぎフラッシュ手順34の実行後、60秒よりも長い間、小便器91中に汚点が残っていることを示し、同時に、制御ユニット01が、情報45にしたがって、デフォルトの時間期間内に利用者による小便器91の後続する使用の確率が低いと結論を出したときには、制御ユニット01は、通常のフラッシュ手順35を実行する。
【0061】
メカニズム2:
(a)カメラ16、17、または18により取り込んだリアルタイムイメージとイメージ基準との比較が、便器92中の、液体の流れや、水の色の軽い変化や、軽い負荷のトイレットペーパーや、他の少量のごみ/排泄物、および/または、光度の突然の低下を示しているときに、排泄物の認識のために2Dイメージ処理を使用する。制御ユニット01は、光が回復してから6〜8秒以内に、または、取り込んだイメージが変化していない状態になったときに、液体の排泄物のフラッシュ手順32を実行する。
【0062】
(b)カメラ16、17、または18により取り込んだリアルタイムイメージとイメージ基準との比較が、便器92中の、水の色の著しい変化と固形の排泄物の累積、および/または、光度の突然の低下を示しているときに、排泄物の大きさの推定のために2Dイメージ処理を使用し、制御ユニット01は、光が回復してから6〜8秒以内に、固形の排泄物のフラッシュ手順33を実行する。
【0063】
(c)カメラ16および/または17により取り込んだリアルタイムイメージとイメージ基準との比較が、便器92中の固形の排泄物の累積、および/または、光度の突然の低下を示しているときに、3Dモデル発生モジュール62により、固形の排泄物の3Dモデルを構築し、排泄物の容積的な大きさを推定し、排泄物の容積的な大きさを使用して、光度が回復してから6〜8秒以内に、診断フラッシュ手順36を実行するために必要とされるフラッシュ量を計算する。
【0064】
メカニズム3:カメラ16、17、または18により取り込んだリアルタイムイメージとイメージ基準との比較が、便器92中の光度の突然の低下を示しているときに、および、臭気センサー14が悪臭を認識したときに、制御ユニット01は、便器92中の光が回復してから6〜8秒以内に、固形の排泄物のフラッシュ手順33を実行する。
【0065】
便器92中の光の低下が回復したことを取り込みイメージが示す場合には、使用が完了したときに、フラッシングの前に、利用者が便器92から物理的に離れていることが確実となる。フラッシュメカニズムプロセスの何らかの瞬間の間に、カメラ16〜19により取り込んだイメージにより、小便器91中または便器92中でオーバーフローが検出されたならば、バルブ71および72を閉じることにより、水のフローを速やかに終了する。
【0066】
アラート40は、次のようなときに、制御ユニット01により発生される。
【0067】
(a)制御ユニット01が、コマンド41、42、43を送り出したが、バルブ71、72、および73のうちの1つ以上が応答しないとき、
(b)フラッシュメカニズム起動が完了した際に、カメラ16〜19により取り込んだ小便器91または便器92のリアルタイムイメージが、光学的状態の変化がないことを示しているとき、
(c)フラッシュ実行の不満足な評価結果に起因する連続的なフラッシュ起動の回数が、予めセットされた制限に達したとき、
(d)インテリジェントフラッシングシステム02内で、機能停止しているコンポーネントまたは不十分な動作が検出されたとき、
(e)カメラ16〜19により取り込んだイメージ中で示されている、小便器91または便器92における進行中のオーバーフローが原因で、制御ユニット01がフラッシュメカニズムを終了したときである。
【0068】
インテリジェントフラッシングシステム02は、デフォルトにより、自動モード31で動作する。トイレ製品および/またはインテリジェントフラッシングシステム02の点検のリコメンデーションに対するアラート40が、1つ以上の宛先に送られるときに、制御ユニット01は、トイレ製品のフラッシュメカニズム自動化を停止して、デフォルトの自動モード31を一時的な手動モード30に切り替える。制御ユニット01に対する認可された入力により、手動で自動モード31を復元してもよく、または、制御ユニット01が、インテリジェントフラッシングシステム02において通常動作を管理することができるときには、自動的に復元してもよい。利用者が、利用者の利益のために、自動モード31に対して手動モード30を選択することが可能になるように、(示していない)手動オーバーライディングスイッチも利用可能であってもよい。
【0069】
図3を参照すると、制御ユニット01は、取り込んだイメージ中の物体の3Dモデルを自動的に発生させる3Dモデル発生モジュール62を備えている。図4は、3Dモデル発生プロセスを表している例示的なフローチャートである。ステップ1では、2つより多いカメラによって取り込んだイメージが、オンボードメモリ21にまたは外部メモリ23にロードされる。変化する背景をなくし、排泄物の境界を規定し、邪魔になるセクションの大きさを推定するために、上から見た整列がイメージ上で実行される(ステップ2)。ステップ3では、イメージ上にランドマークポイントを配置するために、いったん異なる物体の色および形状が識別されると、‘シードフィル’動作または3D面の再構築が開始される一方で、排泄物の範囲は、トイレ製品の大きさを使用することにより制限される。ステップ4に進むと、ピクセルのフィールドの統計的線形積分を実行することにより、ならびに/あるいは、オンボードメモリ21中および/または外部メモリ23中に記憶されている、データベース中の異なる排泄物の統計的プロパティを解析することにより、排泄物の大きさを推定してもよい。ステップ5では、物体の完全な形状を含む3Dモデルを再構築することができる。ステップ6では、排泄物の推定された容積的な大きさが、診断フラッシュ手順36において必要とされるフラッシュ量の計算と、予めインストールされているフラッシュ手順32および33の間の選択とのために使用される。ステップ7では、フラッシュメカニズムの起動において使用される3Dモデル構築の結果のデータは、進行中の計算における統計的解析および計算の精度向上のために、対応するフラッシュ手順/計算されたフラッシュ量と、フラッシュ実行評価結果とともに、オンボードメモリ21中および/または外部メモリ23中にセーブされる。
【0070】
3Dモデリング方法は、一連のイメージ処理技術を実行して、固形の排泄物の3Dモデルを発生させるためのガイドとしての役割を果たす1組のランドマークポイントを決定する。図4におけるステップは、制御ユニット01が、診断フラッシュ手順36を選択したときに、プロセス500のステップ530において使用され、3Dモデルは、フラッシュメカニズムの起動のために使用される。
【0071】
図5Aにおいて表されているように、インテリジェントフラッシングシステム02において使用される1つの制御方法が、プロセス500である。化粧室50、51、および52中の便器92から取り込まれたリアルタイムイメージが、フラッシュメカニズム起動の決定のために処理される。処理されたリアルタイム取り込みイメージおよび/または情報45にしたがって、便器92が直ちに使用される確率が高いことを制御ユニット01が認識したときに、ステップ510においてプロセス500が始まる。1つ以上の認可された関係者により予めセットされた命令の通りに、異なる時間の間にステップ515において取り込まれた、便器92の好ましい便器ボウルの状態の選択されたリアルタイムイメージが、ステップ525においてイメージ基準として記憶され、特定的に/周期的に新しくされる。ステップ530では、ステップ515において取り込まれたリアルタイムイメージが、固形の排泄物の状態における相違、固形の排泄物の汚点、ごみ、およびサイズの検出等に関して、イメージ基準と比較される。フラッシュに対する必要性を認識したときに、制御ユニット01は、便器92の光学的状態の性質にしたがって、フラッシュ手順32および33の中から選択する。診断フラッシュ手順36の実行において、制御ユニット01は、3Dモデル発生モジュール62を使用して、固形の排泄物に対する3Dモデルを生成させ、推定された大きさに基づいて、排泄物の総量を除去するのに必要とされるフラッシュ量を計算する。プロセス500は、ステップ535に進み、ここで、不満足なフラッシュ実行評価結果が原因の連続的なフラッシュ起動の回数に対するカウントが追跡される。連続的なフラッシュ起動の回数が、予めセットされた制限を超えていなかった場合に、プロセス500はフラッシュメカニズムの起動のためにステップ540に進む。連続的なフラッシュ起動がステップ535において制限を超えていた場合に、あるいは、ステップ515においてイメージが取り込まれなかったときに、インテリジェントフラッシングシステム02および/または便器92の点検のためのアラート40が、ビル管理者に送られる。図4における3Dモデリングステップは、診断フラッシュ手順36が実行されるときに、プロセス500のステップ530において使用される。
【0072】
図5Bにおいて表されているように、インテリジェントフラッシングシステム02は、化粧室52中の小便器91のフラッシュ起動のためのプロセス550にしたがう。カメラ19により取り込まれた、処理されたリアルタイムイメージおよび/または情報45が、小便器91が直ちに使用される確率が高いことを示しているときに、ステップ510においてプロセス550が始まる。小便器91のリアルタイムイメージは、ステップ555において継続的に取り込まれる。小便器91の好ましい状態を示すと考えられる、取り込まれたイメージは、ステップ560においてイメージ基準として記憶され、ステップ565において、特定的に/周期的に新しくされる。リアルタイムイメージは、汚点、流体の流れまたはごみ等の検出のために、イメージ基準と比較される。ステップ570において、フラッシュに対する必要性が認識されたときに、プロセス550は、ステップ575に進む。連続的なフラッシュ起動の回数が、予めセットされた制限を超えていなかった場合に、制御ユニット01は、ステップ580において、フラッシュ手順34および35の間で選択する。情報45を参照して、利用者がデフォルトの時間期間内に小便器91を使用しそうなことを、または、化粧室52にもうすぐ人が訪れそうなことを、制御ユニット01が認識した場合に、すすぎフラッシュ手順34を実行するためにステップ585が選択される。化粧室52が空いていることを、または、デフォルトの時間期間内に小便器91に近づく人がその後続けて訪れる確率が低いことを、情報45が示しているときには、通常のフラッシュ手順35を実行するためにステップ590が選択される。ステップ595においてフラッシュメカニズムを起動した後に、制御ユニット01は、ステップ555に戻る。ステップ555においてイメージが取り込まれなかった場合に、または、連続的なフラッシュ起動の回数がステップ575において制限を超えていた場合に、インテリジェントフラッシングシステム02の点検のためのアラート40が、ビル管理者に送られる。
【0073】
図3において示されたような独立型のモジュールの代わりに、制御ユニット01が他の構造の形態で機能してもよい。さらに、インテリジェントフラッシングシステム02は、インターフェース03および08、I/Oバス100および110を備えている。図6を参照すると、制御ユニット01は、オンサイトPCステーション04と、オフサイトサーバ05と、BMS06内のシミュレートされた制御装置との形態で機能する。ここで、インターフェース03は、相互接続120−0を通して、臭気センサー14、カメラ16〜19をネットワークリンク200に結合させる。データ47は、臭気センサー14、カメラ16〜19からの、すべての取り込まれたセンサー信号とデータとを含み、処理や、リアルタイム提示や、記憶や、または配信等のために、対応する相互接続120−1、120−2、および120−3を介して、オンサイトPCステーション04や、オフサイトサーバ05や、または、BMS06内のシミュレートされた制御装置に伝送される。外部メモリ23中に記憶されている情報46は、相互接続120−5およびネットワークリンク200を通して、オンサイトPCステーション04と、オフサイトサーバ05と、BMS06内のシミュレートされた制御装置と、サプライヤーサーバ07との間で伝送されてもよい。
【0074】
サプライヤーにより動作されているサプライヤーサーバ07は、ビル管理者により認可されたものとして、相互接続120−4を介して情報46を受信する。フラッシュに対する必要性を認識したときに、制御ユニット01は、相互接続120−6およびI/Oバス110を通して、バルブ71、72、または73の起動のためのコマンド41、42、あるいは43をインターフェース08に送る。ネットワークリンク200は、これらに限定されないが、LAN(ローカルエリアネットワーク)、インターネット、イントラネット等を含む、1つ以上の従来の固定回線ネットワークまたはワイヤレスネットワークの組み合わせを含んでいてもよい。‘N’個の相互接続120−n(ここで、n=0〜6)とともに、ネットワークリンク200、I/Oバス100および110は、さまざまな通信媒体を含んでいてもよい。このような通信媒体は、これらに限定されないが、同軸ワイヤ、イーサネット(登録商標)ケーブル、ISDN(統合サービスデバイスネットワーク)回線、PSTN(公衆電話交換ネットワーク)回線、光ファイバ回線、およびPLC(電力回線通信)等を含んでいる。ネットワーク中のワイヤレス通信媒体により、赤外線および無線周波数、ZigBee(登録商標)、ブルートゥース(登録商標)、WiFi(登録商標)、WiMax等において信号を伝播することが可能になる。
【0075】
図7を参照すると、給水パイプライン80は、本発明のインテリジェントフラッシングシステム02により制御されている複数の便器に接続している。給水パイプライン80は、複数の送水路を通してフラッシュの水を供給し、そのそれぞれは、個別のバルブにより制御されている:バルブ71は、小便器へのフラッシュフローを制御し、バルブ72は、便器へのフラッシュフローを制御し、バルブ73は、カメラレンズに対する洗浄ジェットを制御する。インテリジェントフラッシングシステム02は、2つ以上のフラッシュメカニズムの同時起動を常に防ぐことにより、フラッシュにおける十分な水圧を保証する。便器92.51.1、92.52.1、および92.50をフラッシュする必要性を認識した例では、制御ユニット01が、各フラッシュにおいて十分な水圧を提供するために、対応するバルブをシーケンシャルに作動させる。
【0076】
1.制御ユニット01が、便器92.51.1、92.52.1、および92.50に対する、フラッシュメカニズムの起動の優先度の例示的な順序を確立する。
【0077】
2.液体の排泄物のフラッシュ手順32、固形の排泄物のフラッシュ手順33、および診断フラッシュ手順36の実行が、便器92.51.1、92.52.1、および92.50に対してそれぞれ必要とされる。
【0078】
3.制御ユニット01は、バルブ72.51.1を開けるためのコマンド42を送り出す。フラッシュメカニズムが完了したときに、バルブ72.51.1は閉じられる。
【0079】
4.制御ユニット01は、バルブ72.52.1を開けるためのコマンド42を送り出す。フラッシュメカニズムが完了したときに、バルブ72.52.1は閉じられる。
【0080】
5.制御ユニット01は、バルブ72.50を開けるためのコマンド42を送り出す。フラッシュメカニズムが完了したときに、バルブ72.50は閉じられる。
【0081】
図8は、本発明の1つの実施形態において使用されるネットワーク環境を示している。ネットワーク環境800は、複数のノードを含んでいる。独立的に動作可能な制御ユニット01は、オンサイトPCステーション04や、オフサイトサーバ05や、BMS06内のシミュレートされた制御装置の形態で、サプライヤーサーバ07と外部メモリ23とともに機能し、ノード810、820、830、840、および850により、それぞれ表される。ノード810〜850は、ネットワークリンク200を介して互いに結合されており、ネットワークリンク200は、相互接続120−0~120−6を通して、すべてのノード間の継続的なオープン通信リンクとしての役割を果たす。ビル管理者、サプライヤー、または他の認可された関係者により指示されたように、さまざまなインテリジェントフラッシングシステム02の情報45および情報46とともに、他のデータのアーカイブ化、送信、および取得が処理されて、ノード810〜850間で送られてもよい。ネットワークリンク200を介して、ノード840は、仕様および計算方法を新しくし、これらに限定されないが、プロセス500および550、フラッシュ手順32〜35、オペレーティングシステム60、イメージ処理アルゴリズムおよび他のものを含む、ノード810〜830中のソフトウェアを更新してもよい。ネットワーク環境800は、共有メモリシステムを提供する:ノード810〜840は、外部メモリ23中のまたはノード850中の利用可能なデータに直接アクセスすることができる。
【0082】
本発明の目的を詳細に説明してきたが、上記の図面および説明において示されたような特定の実施形態は、このような機能的および構造的な原理から逸脱することなく変更を被ることを当業者は理解するだろう。それゆえ、本発明の修正およびバリエーションが、添付された特許請求の範囲ならびにそれらの均等物の精神および範囲の内に入っている場合に、本発明がそれらをカバーすることが意図されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インテリジェントフラッシングシステムにおいて、
a)排出物の検出のために便器中または便座中に組み込まれている臭気センサーと、
b)トイレ製品中の光学的状態および光度を監視するとともに、ごみと、液体および固形の排泄物との視覚的なイメージを検出する1つ以上のカメラと、
c)汚れた便器流体が、関係するカメラを汚したり、しみをつけたりするのを防ぐ保護レンズと、加圧されたジェットを放射することによりレンズを洗浄するノズルと、
d)フラッシュに対する必要性を決定し、フラッシュ手順を選択し、フラッシュメカニズムを起動するために、リアルタイム臭気センサー信号と、カメラ取り込みイメージとを処理する制御ユニットと、
e)制御ユニットのコマンドに応答して、フラッシュ手順と保護レンズの洗浄とを実行するためのバルブと、
f)ビル管理者と他の関係者との間とともに、異なる制御ユニットと情報システムとの間で、アラートを受信して、データにアクセスするためのネットワーク環境とを具備するインテリジェントフラッシングシステム。
【請求項2】
自動モードでのフラッシュメカニズムに適応された制御方法において、
a)臭気センサーにより排出物を検出し、信号にしたがって、予めインストールされているフラッシュ手順を選択して実行するステップと、
b)1つ以上のカメラにより、トイレ製品のボウル/排水エリアの光学的状態のイメージを取り込んで処理するステップと、
c)選択したイメージを、トイレ製品の好ましい状態を表すイメージ基準として記憶するステップと、
d)トイレ製品中の、状態、光度、および、ごみ/排泄物を検出するために、リアルタイムイメージとイメージ基準とを比較するステップと、
e)排泄物の性質と、固形の排泄物の寸法と、フラッシュに対する必要性と、必要とされるフラッシュ量とを決定するために、2Dイメージ処理および3Dモデリング技術を適用するステップと、
f)イメージ処理結果にしたがって、予めインストールされているフラッシュ手順および診断フラッシュ手順とを選択して実行するステップと、
g)トイレ製品の光学的状態にしたがって、フラッシュメカニズムパフォーマンスを評価し、後のフラッシュメカニズムを起動するステップと、
h)トイレ製品の状態を解析し、利用者が使用を終えて、トイレ製品から物理的に離れ、フラッシュの水によって濡れるリスクがないことが決定されたときに、フラッシュメカニズムを起動するステップと、
i)これらに限定されないが、ビル管理者および製品サプライヤーのような認可された関係者により予め規定されている動作状態の通りに、処理して、割り当てられている宛先にアラートを送るステップとを含む方法。
【請求項3】
小便器に対しては、すすぎフラッシュ手順と通常のフラッシュ手順との中から選択し、便器に対しては、液体の排泄物のフラッシュ手順と、固形の排泄物のフラッシュ手順と、計算されたフラッシュ量による診断フラッシュ手順との中から選択することにより、水の節約のためのフラッシュメカニズムを提供するステップをさらに含む請求項2記載の方法。
【請求項4】
請求項2のステップ(a)、(b)、(d)、(e)、(f)、(g)、(h)をディセーブルし、前記制御ユニットをディセーブルして、フラッシュ起動が利用者により制御されるように、フラッシングの機械的な方法を提供する請求項2記載の方法。
【請求項5】
請求項2のステップ(a)、(b)、(d)、(e)、(f)、(g)、(h)をディセーブルし、前記制御ユニットをディセーブルして、フラッシュ起動が利用者により制御されるように、フラッシングの機械的な方法を提供する請求項3記載の方法。
【請求項6】
給水パイプラインセットアップ中のすべてのバルブを制御して、トイレ製品へのフラッシュフローを制御し、
給水パイプライン内の過度の圧力低下により生じる不十分なフラッシュパフォーマンスに結果としてなる2つ以上のフラッシュメカニズムの同時起動を防ぎ、
各フラッシュメカニズムにおける十分な水圧は、配列されている起動の優先順位にしたがったシーケンシャルな起動により保証される請求項1および請求項2記載のインテリジェントフラッシングシステム。
【請求項7】
取り込んだイメージが、フラッシュメカニズムプロセスの間の進行中のオーバーフローを示しているときに、インテリジェントフラッシングシステムが、直ちに水のフローを終了させ、指定された関係者にアラートを送る。
【請求項8】
カメラまたは光度センサーを使用して、光の低下を検出してもよく、
トイレ製品において、利用者が、監視しているエリアに影を落とし、光度の低下を生じさせ、
トイレ製品中で、光の低下と光の回復とを検出したときに、フラッシュメカニズムが開始される請求項1および請求項2記載のインテリジェントフラッシングシステム。
【請求項9】
情報ベースのインテリジェントフラッシングシステムにおいて、
‘インテリジェントエージェント’を具備し、
‘インテリジェントエージェント’は、
a)トイレ製品の使用の期間と頻度とを記録することと、
b)インテリジェントフラッシングシステム中のコンポーネントの動作を監視し、提示、統計学的な解析のための記憶、およびアーカイブ化のために、結果のデータを送ることと、
c)選択されたフラッシュ手順に対する、イメージ解析の結果と認識された排泄物と、診断フラッシュ手順において計算されたフラッシュ量に対する、識別された排泄物の寸法と、完了したフラッシュメカニズムに関するフラッシュパフォーマンス評価結果とともに、インテリジェントフラッシングシステム動作の他のデータとを記憶して、取り出し、このような情報は、進行中の計算におけるさらなる正確さと、必要とされるフラッシュ量の正確な推定における自己学習とにおいて、知識の増強のために使用されることと、
d)本発明の他の情報ベースのインテリジェントフラッシングシステムの制御ユニットによりアクセス可能な共有メモリユニットに対して、インテリジェントフラッシングシステムのデータをエクスポートするか、または、制御ユニットに対して直接エクスポートするとともに、サプライヤーにより動作されているものを含む他の情報システムに対してエクスポートすることと、
e)これらに限定されないが、リアルタイム給水圧と、規定された時間期間内に累積された水の消費量と、ターゲットにされている水の総消費量とを含む、さまざまな形態のデータを含む情報ソースを、水の節約のために最小のフラッシュ量を使用するフラッシュメカニズムを実行するための基準として使用することと、
f)電力の節約のために、部分的な電力セーブモードにまたは総合的な電力セーブモードに一時的に入ることを決定するために、情報ソースを使用し、情報は、これらに限定されないが、リアルタイムの化粧室の占有期間と、結合されているセンサーからまたは他の外部システムから取得したデータと、人間のオペレータからの入力と、アーカイブ化されたデータと、予めセットされた仕様およびタイマー等とを含むさまざまなソースを含むことと、
g)機能停止したコンポーネントを検出することと、システムの機能不全が実際に発生する前に、予測できる不備を予想することとのために、インテリジェントフラッシングシステム全体を自己診断し、取り替えが示唆されているコンポーネントのリストを含む結果が、修理の位置とともに生成され、指定された関係者に送られることとにより、
内部情報、外部情報、およびアーカイブ化された情報を送信ならびに取得する情報ベースのインテリジェントフラッシングシステム。
【請求項10】
インテリジェントフラッシングシステムにおいて、
データの伝送および交換と、通信と、ソフトウェアのアップロードおよびダウンロードとのために、他のフラッシングシステムおよびサーバとの、インターネット、イントラネット、またはLANのようなネットワークリンクに結合されていてもよく、
ネットワークリンクを介して、別の情報サーバからインテリジェントフラッシングシステムにソフトウェアをダウンロードして、制御方法と、フラッシュ手順と、イメージ処理アルゴリズムと、オペレーティングシステムとともに、他のソフトウェアおよび仕様とを更新してもよいインテリジェントフラッシングシステム。
【請求項1】
インテリジェントフラッシングシステムにおいて、
a)排出物の検出のために便器中または便座中に組み込まれている臭気センサーと、
b)トイレ製品中の光学的状態および光度を監視するとともに、ごみと、液体および固形の排泄物との視覚的なイメージを検出する1つ以上のカメラと、
c)汚れた便器流体が、関係するカメラを汚したり、しみをつけたりするのを防ぐ保護レンズと、加圧されたジェットを放射することによりレンズを洗浄するノズルと、
d)フラッシュに対する必要性を決定し、フラッシュ手順を選択し、フラッシュメカニズムを起動するために、リアルタイム臭気センサー信号と、カメラ取り込みイメージとを処理する制御ユニットと、
e)制御ユニットのコマンドに応答して、フラッシュ手順と保護レンズの洗浄とを実行するためのバルブと、
f)ビル管理者と他の関係者との間とともに、異なる制御ユニットと情報システムとの間で、アラートを受信して、データにアクセスするためのネットワーク環境とを具備するインテリジェントフラッシングシステム。
【請求項2】
自動モードでのフラッシュメカニズムに適応された制御方法において、
a)臭気センサーにより排出物を検出し、信号にしたがって、予めインストールされているフラッシュ手順を選択して実行するステップと、
b)1つ以上のカメラにより、トイレ製品のボウル/排水エリアの光学的状態のイメージを取り込んで処理するステップと、
c)選択したイメージを、トイレ製品の好ましい状態を表すイメージ基準として記憶するステップと、
d)トイレ製品中の、状態、光度、および、ごみ/排泄物を検出するために、リアルタイムイメージとイメージ基準とを比較するステップと、
e)排泄物の性質と、固形の排泄物の寸法と、フラッシュに対する必要性と、必要とされるフラッシュ量とを決定するために、2Dイメージ処理および3Dモデリング技術を適用するステップと、
f)イメージ処理結果にしたがって、予めインストールされているフラッシュ手順および診断フラッシュ手順とを選択して実行するステップと、
g)トイレ製品の光学的状態にしたがって、フラッシュメカニズムパフォーマンスを評価し、後のフラッシュメカニズムを起動するステップと、
h)トイレ製品の状態を解析し、利用者が使用を終えて、トイレ製品から物理的に離れ、フラッシュの水によって濡れるリスクがないことが決定されたときに、フラッシュメカニズムを起動するステップと、
i)これらに限定されないが、ビル管理者および製品サプライヤーのような認可された関係者により予め規定されている動作状態の通りに、処理して、割り当てられている宛先にアラートを送るステップとを含む方法。
【請求項3】
小便器に対しては、すすぎフラッシュ手順と通常のフラッシュ手順との中から選択し、便器に対しては、液体の排泄物のフラッシュ手順と、固形の排泄物のフラッシュ手順と、計算されたフラッシュ量による診断フラッシュ手順との中から選択することにより、水の節約のためのフラッシュメカニズムを提供するステップをさらに含む請求項2記載の方法。
【請求項4】
請求項2のステップ(a)、(b)、(d)、(e)、(f)、(g)、(h)をディセーブルし、前記制御ユニットをディセーブルして、フラッシュ起動が利用者により制御されるように、フラッシングの機械的な方法を提供する請求項2記載の方法。
【請求項5】
請求項2のステップ(a)、(b)、(d)、(e)、(f)、(g)、(h)をディセーブルし、前記制御ユニットをディセーブルして、フラッシュ起動が利用者により制御されるように、フラッシングの機械的な方法を提供する請求項3記載の方法。
【請求項6】
給水パイプラインセットアップ中のすべてのバルブを制御して、トイレ製品へのフラッシュフローを制御し、
給水パイプライン内の過度の圧力低下により生じる不十分なフラッシュパフォーマンスに結果としてなる2つ以上のフラッシュメカニズムの同時起動を防ぎ、
各フラッシュメカニズムにおける十分な水圧は、配列されている起動の優先順位にしたがったシーケンシャルな起動により保証される請求項1および請求項2記載のインテリジェントフラッシングシステム。
【請求項7】
取り込んだイメージが、フラッシュメカニズムプロセスの間の進行中のオーバーフローを示しているときに、インテリジェントフラッシングシステムが、直ちに水のフローを終了させ、指定された関係者にアラートを送る。
【請求項8】
カメラまたは光度センサーを使用して、光の低下を検出してもよく、
トイレ製品において、利用者が、監視しているエリアに影を落とし、光度の低下を生じさせ、
トイレ製品中で、光の低下と光の回復とを検出したときに、フラッシュメカニズムが開始される請求項1および請求項2記載のインテリジェントフラッシングシステム。
【請求項9】
情報ベースのインテリジェントフラッシングシステムにおいて、
‘インテリジェントエージェント’を具備し、
‘インテリジェントエージェント’は、
a)トイレ製品の使用の期間と頻度とを記録することと、
b)インテリジェントフラッシングシステム中のコンポーネントの動作を監視し、提示、統計学的な解析のための記憶、およびアーカイブ化のために、結果のデータを送ることと、
c)選択されたフラッシュ手順に対する、イメージ解析の結果と認識された排泄物と、診断フラッシュ手順において計算されたフラッシュ量に対する、識別された排泄物の寸法と、完了したフラッシュメカニズムに関するフラッシュパフォーマンス評価結果とともに、インテリジェントフラッシングシステム動作の他のデータとを記憶して、取り出し、このような情報は、進行中の計算におけるさらなる正確さと、必要とされるフラッシュ量の正確な推定における自己学習とにおいて、知識の増強のために使用されることと、
d)本発明の他の情報ベースのインテリジェントフラッシングシステムの制御ユニットによりアクセス可能な共有メモリユニットに対して、インテリジェントフラッシングシステムのデータをエクスポートするか、または、制御ユニットに対して直接エクスポートするとともに、サプライヤーにより動作されているものを含む他の情報システムに対してエクスポートすることと、
e)これらに限定されないが、リアルタイム給水圧と、規定された時間期間内に累積された水の消費量と、ターゲットにされている水の総消費量とを含む、さまざまな形態のデータを含む情報ソースを、水の節約のために最小のフラッシュ量を使用するフラッシュメカニズムを実行するための基準として使用することと、
f)電力の節約のために、部分的な電力セーブモードにまたは総合的な電力セーブモードに一時的に入ることを決定するために、情報ソースを使用し、情報は、これらに限定されないが、リアルタイムの化粧室の占有期間と、結合されているセンサーからまたは他の外部システムから取得したデータと、人間のオペレータからの入力と、アーカイブ化されたデータと、予めセットされた仕様およびタイマー等とを含むさまざまなソースを含むことと、
g)機能停止したコンポーネントを検出することと、システムの機能不全が実際に発生する前に、予測できる不備を予想することとのために、インテリジェントフラッシングシステム全体を自己診断し、取り替えが示唆されているコンポーネントのリストを含む結果が、修理の位置とともに生成され、指定された関係者に送られることとにより、
内部情報、外部情報、およびアーカイブ化された情報を送信ならびに取得する情報ベースのインテリジェントフラッシングシステム。
【請求項10】
インテリジェントフラッシングシステムにおいて、
データの伝送および交換と、通信と、ソフトウェアのアップロードおよびダウンロードとのために、他のフラッシングシステムおよびサーバとの、インターネット、イントラネット、またはLANのようなネットワークリンクに結合されていてもよく、
ネットワークリンクを介して、別の情報サーバからインテリジェントフラッシングシステムにソフトウェアをダウンロードして、制御方法と、フラッシュ手順と、イメージ処理アルゴリズムと、オペレーティングシステムとともに、他のソフトウェアおよび仕様とを更新してもよいインテリジェントフラッシングシステム。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図1E】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【図8】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図1E】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【図8】
【公表番号】特表2012−507646(P2012−507646A)
【公表日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−533914(P2011−533914)
【出願日】平成21年11月2日(2009.11.2)
【国際出願番号】PCT/IB2009/054851
【国際公開番号】WO2010/049913
【国際公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【出願人】(511099700)
【氏名又は名称原語表記】CHAN, Dennis Hong Ming
【住所又は居所原語表記】Flat E, 12/F, Block 1, Ronsdale Garden, 25 Tai Hang Drive, Hong Kong, nil, Hong Kong, China
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月2日(2009.11.2)
【国際出願番号】PCT/IB2009/054851
【国際公開番号】WO2010/049913
【国際公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【出願人】(511099700)
【氏名又は名称原語表記】CHAN, Dennis Hong Ming
【住所又は居所原語表記】Flat E, 12/F, Block 1, Ronsdale Garden, 25 Tai Hang Drive, Hong Kong, nil, Hong Kong, China
【Fターム(参考)】
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