説明

インドールキノリン誘導体、該誘導体の製造方法、ならびに該誘導体を含有する抗マラリア剤および抗がん剤

【課題】抗マラリア活性が高く(特にクロロキン抵抗性のマラリア原虫にも有効であり)かつ安全性の高い抗マラリア剤の有効成分となり得る化合物、および抗腫瘍活性が高くかつ正常細胞に対する毒性の低い抗がん剤の有効成分となり得る化合物を提供する。
【解決手段】下記式(A)で表わされることを特徴とするインドールキノリン誘導体(A)またはその製薬学的に許容される塩。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(A)で表わされることを特徴とするインドールキノリン誘導体(A)またはその製薬学的に許容される塩。
【化1】

(式(A)中、
1はハロゲン原子、アルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基またはニトロ基であり、nは0〜4の整数であり、
2は下記式(R2)で表される基であり:
【化2】

式(R2)中、xは1または0であり、Z1、Z2、およびZ1とZ2の間の結合に係る一点鎖線は下記[R2−I]または[R2−II]の通りである。
[R2−I]Z1およびZ2の一点鎖線による結合は存在せず、Z1は水素原子であり、Z2は下記式(Z2)で表される基、あるいは置換基を有していてもよいアリール基、アルケニル基またはアルキニル基である。
【化3】

式(Z2)中、Z3は炭素原子数が1〜12の直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基であり、Z4は置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよい含窒素ヘテロアリール基、またはヒドロキシ基である。
[R2−II]Z1およびZ2は一点鎖線によって結合しており、それらが結合している窒素原子と一体となって、置換されていてもよい3〜8員環構造を形成する原子群を表す。
3はハロゲン原子、カルボキシ基、またはアルコキシカルボニル基であり、mは0〜4の整数であり、
4、R5、破線(i)および破線(ii)は下記[R4−I]または[R4−II]の通りである。
[R4−I]R4は存在せず、R5はアルキル基であり、破線(i)は二重結合であり、破線(ii)は単結合である。
[R4−II]R4はアルキル基であり、R5は存在せず、破線(i)は単結合であり、破線(ii)は二重結合である。
【請求項2】
前記式(R2)の定義が前記[R2−I]の通りである場合において、前記式(Z2)中のZ4が下記式(Z4)で表される基である、請求項1に記載のインドールキノリン誘導体(A)またはその製薬学的に許容される塩。
【化4】

式(Z4)中、Z5、Z6、およびZ5とZ6の間の結合に係る一点鎖線は下記[Z4−I]、[Z4−II]または[Z4−III]の通りである。
[Z4−I]Z5およびZ6の一点鎖線による結合は存在せず、Z5は水素原子であり、Z6は置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基またはアルキル基を含む基である。
[Z4−II]Z5およびZ6は一点鎖線によって結合しており、それらが結合している窒素原子と一体となって、置換基を有していてもよいアリール基を置換基として有する、5員環構造または6員環構造を形成する原子群を表す。
[Z4−III]Z5およびZ6の一点鎖線による結合は存在せず、Z5およびZ6は互いに独立したアルキル基である。
【請求項3】
前記式(Z4)の定義が前記[Z4−I]の通りである場合において、前記Z6が下記式(Z6)で表される基である、請求項1に記載のインドールキノリン誘導体(A)またはその製薬学的に許容される塩。
【化5】

式(Z6)中、Z7は下記式(Z71)、(Z72)、(Z73)または(Z74)で表される二価の基であり、Z8は置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基、またはアルキル基である。)
【化6】

【請求項4】
前記Z8が置換基を有していてもよいフェニル基、または置換基を有していてもよいピリジル基、チエニル基もしくはインドリル基である、請求項3に記載のインドールキノリン誘導体(A)またはその製薬学的に許容される塩。
【請求項5】
前記式(Z4)の定義が前記[Z4−II]の通りである場合において、前記5員環構造または6員環構造が下記式(Z42)で表される基である、請求項1に記載のインドールキノリン誘導体(A)またはその製薬学的に許容される塩。
【化7】

式(Z42)中、Z9は下記式(Z91)または(Z92)で表わされる二価の基であり、Z10は置換基を有していてもよいアリール基である。
【化8】

式(Z91)中、R91はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、カルボキシ基、またはアルコキシカルボニル基であり、pは1または2である。
式(Z92)中、R92はハロゲン原子、アルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、またはニトロ基であり、qは0〜4の整数である。
【請求項6】
前記Z10が置換基を有していてもよいフェニル基である、請求項5に記載のインドールキノリン誘導体(A)またはその製薬学的に許容される塩。
【請求項7】
前記式(A)で表わされるインドールキノリン誘導体(A)またはその製薬学的に許容される塩の製造方法であって、下記工程[1]を含むことを特徴とする製造方法。
工程[1]
下記式(A0)で表されるインドールキノリン母核構造を有する化合物と、下記式(r2)で表されるアミン化合物とを反応させて、下記式(A1)で表される化合物を得る工程。
【化9】

式(A0)中、R1、n、R3、m、R4、R5、iおよびiiは前記式(A)と同義であり、Xはハロゲン原子または低級アシロキシ基である。
【化10】

式(r2)中、Z1およびZ2は前記式(R2)と同義である。
【化11】

式(A1)中、R1、n、R3、m、R4、R5、iおよびiiは前記式(A0)と同義であり、Z1およびZ2は前記式(r2)と同義である。
【請求項8】
前記式(A)で表わされるインドールキノリン誘導体(A)またはその製薬学的に許容される塩の製造方法であって、下記工程[1’]を含むことを特徴とする製造方法。
工程[1’]
下記式(A0)で表されるインドールキノリン母核構造を有する化合物に、ニトロメタンを付加して、下記式(A0’)で表される化合物を得るステップ、
下記式(A0’)で表される化合物から、Nef反応を酸化的条件で行って、下記式(A0’’)で表される化合物を得るステップ、および
下記式(A0’’)で表される化合物から、下記式(r2)で表されるアミン化合物を用いた還元的アミノ化により、下記式(A1’)で表される化合物を得るステップ
を含む工程。
【化12】

式(A0)中、R1、n、R3、m、R4、R5、iおよびiiは前記式(A)と同義であり、Xはハロゲン原子または低級アシロキシ基である。
式(A0’)および(A0’’)中、R1、n、R3、m、R4、R5、iおよびiiは前記式(A)と同義である。
式(r2)中、Z1およびZ2は前記式(R2)と同義である。
式(A1’)中、R1、n、R3、m、R4、R5、iおよびiiは前記式(A0)と同義であり、Z1およびZ2は前記式(r2)と同義である。
【請求項9】
前記インドールキノリン誘導体(A)として下記式(A11)で表される化合物を製造する場合の製造方法であって、
前記工程[1]または[1’]が、前記アミン化合物(r2)として下記式(r21)で表される化合物を用いることにより、下記式(A10)で表される化合物を得る工程であり、
当該工程[1]の後に下記工程[2]を含む、請求項7または8に記載の製造方法。
【化13】

式(A11)中、R1、n、x、R3、m、R4、R5、iおよびiiは前記式(A)と同義であり、Z3は前記式(Z2)と同義であり、Z5およびZ6は、前記[Z4−III]をとらないことを除き、前記式(Z4)と同義である。
【化14】

式(r21)中、Z3は前記式(Z2)と同義である。
【化15】

式(A10)中、R1、n、x、R3、m、R4、R5、iおよびiiは前記式(A)と同義であり、Z3は前記式(Z2)と同義である。
工程[2]
前記工程[1]で得られた化合物(A10)と、当該化合物(A10)の末端のアミノ基と反応しうる化合物(z4)とを反応させて、前記化合物(A11)を得る工程。
【請求項10】
前記インドールキノリン誘導体(A11)として下記式(A111)で表される化合物を製造する場合の製造方法であって、
前記工程[2]が、前記化合物(z4)として下記式(z611)〜(z614)のいずれかで表される化合物を用いることにより、前記化合物(A111)を得る工程である、請求項9に記載の製造方法。
【化16】

式(A112)中、R1、x、n、R3、m、R4、R5、iおよびiiは前記式(A)と同義であり、Z3は前記式(Z2)と同義であり、Z7およびZ8は前記式(Z6)と同義である。
【化17】

式(z611)〜(z614)中、Z8は前記式(Z6)と同義であり、Xはハロゲン原子である。
【請求項11】
前記Z8が置換基を有していてもよいフェニル基、または置換基を有していてもよいピリジル基、チエニル基もしくはインドリル基である、請求項10に記載の製造方法。
【請求項12】
前記インドールキノリン誘導体(A11)として下記式(A112)で表される化合物を製造する場合の方法であって、
前記工程[2]が、前記化合物(z4)として、下記式(z91)または(z92)のいずれかで表される化合物と、下記式(z10)で表される化合物とを用いることにより、前記化合物(A112)を得る工程である、請求項9に記載の製造方法。
【化18】

式(A112)中、R1、n、x、R3、m、R4、R5、iおよびiiは前記式(A)と同義であり、Z3は前記式(Z2)と同義であり、Z9およびZ10は前記式(Z42)と同義である。
【化19】

式(z91)中、R91およびpは前記式(Z91)と同義である。
式(z92)中、R92およびqは前記式(Z92)と同義である。
【化20】

式(z10)中、Z10は前記式(Z42)と同義である。
【請求項13】
前記Z10が置換基を有していてもよいフェニル基である、請求項12に記載の製造方法。
【請求項14】
請求項1〜6のいずれかに記載のインドールキノリン誘導体(A)またはその製薬学的に許容される塩を有効成分として含むことを特徴とする抗マラリア剤。
【請求項15】
請求項1〜6のいずれかに記載のインドールキノリン誘導体(A)またはその製薬学的に許容される塩を有効成分として含むことを特徴とする抗がん剤。

【公開番号】特開2013−107869(P2013−107869A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−136013(P2012−136013)
【出願日】平成24年6月15日(2012.6.15)
【出願人】(504147243)国立大学法人 岡山大学 (444)
【Fターム(参考)】