説明

インナーロータ型回転電機用固定子

【課題】分割コアどうしをリベット等の締結手段により連結することなく、電機子鉄心を組み立てることができるインナーロータ型回転電機用固定子を提供する。
【解決手段】円弧状の分割コア1を複数個周方向に並べた構造を有する環状の電機子鉄心2と、電機子鉄心に被せて取りつけた円弧状の分割ボビン300を電機子鉄心の周方向に沿って複数個並べた構造を有するボビン組立体3と、電機子鉄心の各突極部にボビン組立体のコイル巻回用胴部を介して巻回されたコイルとを備えたインナーロータ型回転電機用固定子において、各分割ボビン300を、隣り合う分割コアに跨って配置し、複数の分割ボビン300を電機子鉄心に被せてボビン組立体3を組み立てた際に、ボビン組立体により電機子鉄心を構成する複数の分割コアが拘束されて保持されるように構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、円弧状に形成された複数の分割コアを周方向に並べて突き合わせることにより構成された電機子鉄心を用いたインナーロータ型回転電機用固定子に関するものである。
【背景技術】
【0002】
磁石式交流発電機や、ブラシレスモータ等のインナーロータ型の回転電機に用いる固定子は、環状のヨークから径方向の内側に多数の突極部を突出させた構造を有する電機子鉄心と、この電機子鉄心の突極部にボビンを介して巻回されたコイルとにより構成される。回転電機のロータ(回転子)は、固定子の内側に配置されて、その磁極が電機子鉄心の各突極部の先端に形成された磁極面にエアギャップを介して対向させられる。
【0003】
通常電機子鉄心は、ヨークと突極部とを形成する部分を有する形状に打ち抜かれた鋼板を多数枚積層して、リベットや、順送り積層法等の適宜の手段により締結することにより製造される。
【0004】
なお順送り積層法は、鋼板を打ち抜く工程で、打ち抜かれた鋼板の一部に平行な切れ目を入れて切れ目の間の部分をへの字形に折り曲げる等の方法により、鋼板の一方の面側に凸部を有し、他方の面側に凹部を有する結合部を形成しておいて、後から打ち抜かれた鋼板に形成された結合部の凸部を、先に打ち抜かれた鋼板の結合部の凹部に圧入しながら、順次打ち抜かれる鋼板を積層していく周知の方法である。
【0005】
回転電機が比較的小型である場合には、電機子鉄心の径が小さく、電機子鉄心を打ち抜くために用いる型も小型のものでよいため、電機子鉄心全体の輪郭形状に相応した輪郭形状を有する形に打ち抜かれた環状の鋼板を積層していくだけで電機子鉄心を構成することができる。しかしながら、大出力を発生させるために、回転電機を大型に構成する必要がある場合には、電機子鉄心の径が非常に大きくなるため、電機子鉄心を構成する環状の鋼板を一度に打ち抜こうとすると、大型の打ち抜き型を扱える大型の鋼板打ち抜き装置を用意することが必要になり、製造コストが非常に高くなってしまう。
【0006】
そこで、固定子が大型である場合には、電機子鉄心を周方向に複数に分割した分割構造を採用することが行われている。分割構造の電機子鉄心は、円弧状のヨークから複数の突極部を径方向の内側に突出させた形状を有する円弧状の分割コアを複数個周方向に並べて、それぞれの分割コアのヨークの隣り合う端部どうしを突き合わせた構造を有している。図7は、分割構造の電機子鉄心の半部の構成を示したもので、同図において、1は環状の電機子鉄心を4分割したものに相当する分割コアである。図7においては、合計4個設けられる分割コア1の内の2つが示されている。各分割コア1は、所定の形状に打ち抜かれた鋼板の積層体からなっていて、極弧角が90°の円弧状のヨーク101と、ヨーク101の内周部から径方向の内側に突出した複数(図示の例では6個)の突極部102とを有している。
【0007】
図示の例では、各分割コア1が軸線方向に積層された3つのブロックB1乃至B3からなっている。中央のブロックB2のヨーク部分は、その周方向の一端が他の2つのブロックB1及びB3の周方向端部よりも突出し、他方の周方向端部が他の2つのブロックの周方向端部よりも内側に退避した位置に配置されるように設けられている。これにより、分割コアの周方向の一方の端部側に凸部103が、また他方の端部側に凹部104がそれぞれ形成されている。図示してないが、同様に構成された分割コア1が更に2つ設けられ、これら4個の分割コアが周方向に並べられて隣り合う分割コアの端部どうしが突き合わされ、隣り合う各2つの分割コアの一方の凸部103が他方の凹部104に嵌合されて、環状の電機子鉄心2が構成される。図示の例では、隣り合う分割コア同士がリベットや通しボルトからなる鉄製の締結手段105により締結されて、分割コアが分離することがないように結合されている。
【0008】
図7において、3は電機子鉄心2のコイルが巻回される部分(突極部102のコイル巻回部)を絶縁するために電機子鉄心に取りつけられたボビン組立体である。ボビン組立体3は、電機子鉄心の各分割コア毎に設けられて、軸線方向の一方の側(図7の例では同図において上側)から対応する分割コアに被せた状態で配置された円弧状の第1の分割ボビン半部300Aと、対応する分割コアの軸線方向の他方の側から該分割コアに被せた状態で配置された円弧状の第2の分割ボビン半部300Bとからなる分割ボビン300を、分割コアと同数(図示の例では4個)有していて、これらの分割ボビンが電機子鉄心の周方向に沿って並べられて、隣り合う端部どうしが突き合わされることにより、ボビン組立体3が構成されている。ボビン組立体3の電機子鉄心の各突極部に被さった部分がコイル巻回用胴部301を構成しており、各コイル巻回用胴部に図示しないコイルが巻回される。
【0009】
分割構造の電機子鉄心は、特許文献1や特許文献2に記載されているように、本来は、多数の突極部へのコイルの巻回を容易にするために提案されたものであるが、この構造は、大形の回転電機用固定子において、電機子鉄心の製造を容易にするためにも有用である。各突極へのコイルの巻回を容易にする目的で分割コアの構造を採用する場合には、各突極にコイルが巻回された後に、分割コアが相互に結合されて環状の電機子鉄心が組み立てられる。しかし、大形の電機子鉄心を製造し易くするために分割コアの構造を採用する場合には、必ずしもコイルの巻回を先に行う必要はなく、電機子鉄心を組み立てた後にコイルを巻回してもよい。大形の電機子鉄心が用いられる場合には、その内側に巻線機のフライヤーを挿入することが容易であるので、電機子鉄心を組み立てた後でもコイルの巻回作業を行うことができる。
【特許文献1】特開平10−234144号公報
【特許文献2】特開2002−262496号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従来の分割コア構造の電機子鉄心を用いたインナーロータ型の回転電機用固定子においては、隣り合う分割コアどうしをリベットなどの締結手段105により連結していたが、鉄製のリベット等により分割コアを連結すると、分割コアを構成する鋼板が積層方向につながってしまうため、渦電流損が生じやすくなって、回転電機の損失が増えるという問題があった。
【0011】
また隣り合う分割コアどうしを締結手段により締結するようにすると、締結作業を行う分だけ電機子鉄心の組み立て作業の工数が増えるため、製造コストが高くなるのを避けられなかった。
【0012】
本発明の目的は、隣り合う分割コアどうしをリベット等の締結手段により連結することなく、電機子鉄心を組み立てることができるようにしたインナーロータ型回転電機用固定子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、円弧状のヨークから複数の突極部を径方向の内側に突出させた形状を有する円弧状の分割コアを複数個周方向に並べてそれぞれのヨークの隣り合う端部どうしを突き合わせた構造を有する環状の電機子鉄心と、電機子鉄心に被せた状態で配置された円弧状の分割ボビンを複数個電機子鉄心の周方向に沿って並べた構造を有して電機子鉄心の各突極部に被さった部分がコイル巻回用胴部を構成しているボビン組立体と、電機子鉄心の各突極部にボビン組立体のコイル巻回用胴部を介して巻回されたコイルとを備えたインナーロータ型回転電機用固定子を対象とする。
【0014】
本発明においては、各分割ボビンを、隣り合う分割コアに跨って配置し、複数の分割ボビンを電機子鉄心に被せてボビン組立体を組み立てた際に、該ボビン組立体により電機子鉄心を構成する複数の分割コアが拘束されて環状に並ぶ状態に保持されるようにした。
【0015】
通常ボビン組立体としては、電機子鉄心の軸線方向に分割された分割構造のものが用いられる。分割構造のボビン組立体は、電機子鉄心の軸線方向の一方の側から電機子鉄心に被せた状態で配置された円弧状の第1の分割ボビン半部と電機子鉄心の軸線方向の他方の側から電機子鉄心に被せた状態で配置された円弧状の第2の分割ボビン半部とからなる分割ボビンを複数個電機子鉄心の周方向に沿って並べた構造を有して、電機子鉄心の各突極部に被さった部分がコイル巻回用胴部を構成する。この場合も、各分割ボビンを、隣り合う分割コアに跨って配置して、各分割ボビンを構成する第1及び第2の分割ボビン半部を電機子鉄心に被せてボビン組立体を組み立てた際に、該ボビン組立体により電機子鉄心を構成する分割コアが拘束されて環状に並ぶ状態に保持されるようにする。
【0016】
上記のように、各分割ボビンを、隣り合う分割コアに跨って配置して、複数の分割ボビンを電機子鉄心に被せてボビン組立体を組み立てた際に、該ボビン組立体により電機子鉄心を構成する複数の分割コアが拘束されて環状に並ぶ状態に保持されるようにしておくと、リベット等の締結手段を用いて隣り合う分割コアどうしを連結する必要がないため、電機子鉄心を構成する鋼板がリベット等の締結手段により積層方向に接続されて渦電流損が増加するのを防ぐことができ、回転電機の損失の低減を図ることができる。
【0017】
また上記のように構成すると、分割コアどうしを締結するための工程を行う必要がないため、製造工数を削減して製造コストの低減を図ることができる。
【発明の効果】
【0018】
以上にように、本発明によれば、各分割ボビンを、隣り合う分割コアに跨って配置して、複数の分割ボビンを電機子鉄心に被せてボビン組立体を組み立てた際に、該ボビン組立体により電機子鉄心を構成する複数の分割コアが拘束されて環状に並ぶ状態に保持されるようにしたので、従来分割コアを連結するために用いていたリベット等の締結手段を省略することができる。従って、電機子鉄心を構成する鋼板がリベット等の締結手段により積層方向に接続されて渦電流損が増加するのを防ぐことができ、回転電機の損失の低減を図ることができる。また分割コアどうしを締結するための工数を行う必要がないため、製造工数を削減して製造コストの低減を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下図1ないし図6を参照して本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。
図1は本実施形態で用いる電機子鉄心の構造を示した斜視図で、同図において、1は環状の電機子鉄心を4分割したものに相当する分割コアである。各分割コア1は、図2に示したように所定の形状に打ち抜かれた鋼板の積層体からなっていて、極弧角が90°の円弧状のヨーク101と、ヨーク101の内周部から径方向の内側に突出した複数(図示の例では6個)の突極部102とを有している。各突極部102の先端には図示しない回転子の磁極に対向する磁極部102aが形成されている。
【0020】
各分割コア1は軸線方向に積層された3つのブロックB1乃至B3からなっていて、中央のブロックB2のヨーク部分は、その周方向の一端が他の2つのブロックB1及びB3の周方向端部よりも突出し、他方の周方向端部が他の2つのブロックの周方向端部よりも内側に退避した位置に配置されるように設けられている。これにより、分割コアの周方向の一方の端部側に凸部103が、また他方の端部側に凹部104がそれぞれ形成されている。4個の分割コア1は、周方向に並べられて隣り合う分割コアの端部どうしが突き合わされ、隣り合う各2つの分割コアの一方の凸部103が他方の凹部104に嵌合されて、24極の環状の電機子鉄心2が構成されている。従来の固定子において、隣り合う分割コア同士を連結するために用いられていたリベットや通しボルトからなる鉄製の締結手段は省略されている。
【0021】
電機子鉄心2のコイルが巻回される部分(突極部102のコイル巻回部)を絶縁するため、電機子鉄心2に、図3及び図4に示されたような分割構造のボビン組立体3が取りつけられる。ボビン組立体3は、電機子鉄心2の軸線方向の一方の側から電機子鉄心2に被せた状態で配置された円弧状の第1の分割ボビン半部300Aと、電機子鉄心2の軸線方向の他方の側から該電機子鉄心に被せた状態で配置された円弧状の第2の分割ボビン半部300B(図4参照)とからなる円弧状の分割ボビン300を、4個周方向に並べた構造を有している。
【0022】
第1の分割ボビン半部300Aは、図3に示したように、電機子鉄心のヨークの内周面に当接した状態で配置される周壁部310と、電機子鉄心のヨークの軸線方向の端面の内周寄りの部分に当接した状態で配置されるつば板部311と、つば板部311の周壁部310と反対側の端部から軸線方向に突出した起立壁部312と、断面がコの字形を呈するように形成されて周壁部310から径方向の内側に突出したコイル巻回用胴部形成部313と、コイル巻回用胴部形成部311の先端に形成されたつば板部314とを一体に有している。第2の分割ボビン半部300Bは、第1の分割ボビン半部300Aとほぼ対称な形状に形成され、第1の分割ボビン半部300Aと第2の分割ボビン半部300Bとを電機子鉄心に被せてそれぞれのコイル巻回用胴部形成部313を突き合わせた際に、両分割ボビン半部のコイル巻回用胴部形成部によりコイル巻回用銅部が構成されるようになっている。
【0023】
本発明においては、各分割ボビン300が、隣り合う分割コアに跨って配置され、各分割ボビン300を構成する第1及び第2の分割ボビン半部300A及び300Bを電機子鉄心2に被せてボビン組立体3を組み立てた際に、該ボビン組立体3により電機子鉄心2を構成する分割コア1,1,…が拘束されて環状に並ぶ状態に保持されるようになっている。
【0024】
図4は、2つの分割コア1,1からなる電機子鉄心の半部に2つの分割ボビン300を取りつけた状態を示したもので、この状態では、同図において右側に配置された分割コア1の左半部と左側に配置された分割コア1の右半部とに跨って1つの分割ボビン300が配置され、左側の分割コア1の左半部に他の分割ボビン300の半部が被されている。図4においては分割コア1が2つしか図示されていないため、左側に配置された分割コア1の左半部に被された分割ボビン300の左半部は分割コアに被さっていないが、実際には、左側に配置された分割コア1の左半部に被された分割ボビン300の左半部が更に他の分割コアに被せた状態で配置される。
【0025】
上記のように、本発明では、各分割ボビンを、隣り合う分割コアに跨って配置して、複数の分割ボビンを電機子鉄心に被せてボビン組立体を組み立てた際に、該ボビン組立体により電機子鉄心を構成する複数の分割コアが拘束されて環状に並ぶ状態に保持されるようにたので、リベット等の締結手段を用いることなく、電機子鉄心を組み立てることができる。
【0026】
上記のようにして組み立てられ、ボビン組立体3が取りつけられた電機子鉄心2の各突極部102に、ボビン組立体3により構成されたコイル巻回用胴部を介してコイルが巻回されて、回転電機用固定子が完成される。
【0027】
図5は、24極の電機子鉄心に巻回されたコイルの結線例を示したもので、この例では、1番から24番の番号が付された突極部にそれぞれコイルL1ないしL24が巻回され、これらのコイルが渡り線を介して接続されることにより、図6に示すように3相星形結線された電機子コイル5が構成されている。図示の例では、コイルL1ないしL6により星形結線された第1の3相コイルA1が構成され、コイルL7ないしL12により星形結線された第2の3相コイルA2が構成されている。またコイルL13ないしL18により星形結線された第3の3相コイルA3が、コイルL19ないしL24により星形結線された第4の3相コイルA4がそれぞれ構成され、第1ないし第4の3相コイルA1ないしA4が並列接続されて、UないしWの端子が引き出された3相の電機子コイル5が構成されている。
【0028】
なお電機子コイルの結線は上記の例に限られるものではなく、回転電機の用途に応じて適宜の結線が採用される。
【0029】
上記の例では、電機子鉄心が24極に構成されているが、電機子鉄心に設ける突極部の数は任意である。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の実施形態で用いる電機子鉄心を示した斜視図である。
【図2】図1の電機子鉄心を構成する分割コアの1つを示した斜視図である。
【図3】図1の電機子鉄心に取りつける分割ボビンの半部の構造を示した斜視図である。
【図4】本発明の実施形態において、分割ボビンの配置の仕方を説明するために、2つの分割コアに2つの分割ボビンを取り付け状態を示した斜視図である。
【図5】本発明の実施形態において電機子鉄心に巻回された巻線の結線の一例を示した巻線図である。
【図6】図5の結線により構成される電機子コイルの電気的な構成を示した回路図である。
【図7】従来の固定子で用いられていた電機子鉄心とボビン組立体の半部の構成を示した斜視図である。
【符号の説明】
【0031】
1 分割コア
101 ヨーク
102 突極部
2 電機子鉄心
3 ボビン組立体
300 分割ボビン
300A 第1の分割ボビン半部
300B 第2の分割ボビン半部
5 電機子コイル
L1ないしL24 コイル
A1ないしA4 3相コイル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
円弧状のヨークから複数の突極部を径方向の内側に突出させた形状を有する円弧状の分割コアを複数個周方向に並べてそれぞれのヨークの隣り合う端部どうしを突き合わせた構造を有する環状の電機子鉄心と、前記電機子鉄心に被せた状態で配置された円弧状の分割ボビンを複数個前記電機子鉄心の周方向に沿って並べた構造を有して前記電機子鉄心の各突極部に被さった部分がコイル巻回用胴部を構成しているボビン組立体と、前記電機子鉄心の各突極部に前記ボビン組立体のコイル巻回用胴部を介して巻回されたコイルとを備えたインナーロータ型回転電機用固定子において、
前記各分割ボビンは、隣り合う分割コアに跨って配置され、
前記複数の分割ボビンを前記電機子鉄心に被せて前記ボビン組立体を組み立てた際に、該ボビン組立体により前記電機子鉄心を構成する複数の分割コアが拘束されて環状に並ぶ状態に保持されるように構成されていること、
を特徴とするインナーロータ型回転電機用固定子。
【請求項2】
円弧状のヨークから複数の突極部を径方向の内側に突出させた形状を有する円弧状の分割コアを複数個周方向に並べてそれぞれのヨークの隣り合う端部どうしを突き合わせた構造を有する環状の電機子鉄心と、前記電機子鉄心の軸線方向の一方の側から前記電機子鉄心に被せた状態で配置された円弧状の第1の分割ボビン半部と前記電機子鉄心の軸線方向の他方の側から前記電機子鉄心に被せた状態で配置された円弧状の第2の分割ボビン半部とからなる分割ボビンを複数個前記電機子鉄心の周方向に沿って並べた構造を有して前記電機子鉄心の各突極部に被さった部分がコイル巻回用胴部を構成しているボビン組立体と、前記電機子鉄心の各突極部に前記ボビン組立体のコイル巻回用胴部を介して巻回されたコイルとを備えたインナーロータ型回転電機用固定子において、
前記各分割ボビンは、隣り合う分割コアに跨って配置され、
前記各分割ボビンを構成する第1及び第2の分割ボビン半部を前記電機子鉄心に被せて前記ボビン組立体を組み立てた際に、該ボビン組立体により前記電機子鉄心を構成する分割コアが拘束されて環状に並ぶ状態に保持されるように構成されていること、
を特徴とするインナーロータ型回転電機用固定子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−306636(P2007−306636A)
【公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−129141(P2006−129141)
【出願日】平成18年5月8日(2006.5.8)
【出願人】(000001340)国産電機株式会社 (191)
【Fターム(参考)】