説明

インモールドラベル容器および飲食品包装体

【課題】インモールドラベル容器を充填システムの搬送ライン上で、転倒することなくスムースに搬送させる。
【解決手段】ラベルを含む合成樹脂製のインモールドラベル容器10は、胴部11と、底部12とを備え、このうち胴部11はその下方に、ラベル1の下端に対応する水平面15aを含む水平部15を有している。底部12はその周縁に接地部17を有し、水平部15と接地部17との間に垂直方向に延びる円周段部16が形成されている。接地部17は円周状突起18からなり、円周状突起18の外周断面は半径R=0.3〜1.5mmの湾曲面18aを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はガスバリアー性ラベルを含む合成樹脂製のインモールドラベル容器および飲食品包装体に係り、とりわけ容器を容易に製造することができ、かつ容器の搬送が容易となるインモールドラベル容器および飲食品包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より飲料水等の内容物を充填するため、ガスバリアー性ラベルを含む合成樹脂製のインモールドラベル容器が開発されている。
【0003】
このようなインモールドラベル容器は、フランジを含む胴部と、胴部に連結された底部とを備え、底部はその周縁に接地部が形成されている。
【0004】
インモールドラベル容器は製造後に充填システムの搬送ラインへ送られる。そしてこの充填システムの搬送ラインにおいて、インモールドラベル容器が順次搬送され、この間インモールドラベル容器内へ内容物が充填され、次にインモールドラベル容器のフランジに蓋材が装着される。
【0005】
ところで搬送ラインは多数の搬送要素、例えばさしみ状の多数の搬送板、あるいは多数の搬送チェン等を有し、インモールドラベル容器がこれらの搬送要素によって搬送される場合、搬送要素間の段差によりインモールドラベル容器が転倒することがある。
【0006】
搬送ラインにおけるインモールドラベル容器の転倒は、内容物の充填前あるいは内容物の充填後にも発生するが、いずれの場合もインモールドラベル容器に対する充填作業に支障が生じてしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平11−227733号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、インモールドラベル容器に対して内容物を充填する充填システムの搬送ラインにおいて、インモールドラベル容器の転倒を未然に防止することができるインモールドラベル容器および飲食品包装体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、ラベルを含む合成樹脂製のインモールドラベル容器において、胴部と、胴部に連結された底部とを備え、胴部は、その下方にラベルの下端に対応する水平面を含む水平部を有し、底部はその周縁に接地部を有し、胴部の水平部と底部の接地部との間に垂直方向に延びる円周段部が形成され、接地部の外周断面は、半径R=0.3〜1.5mmの湾曲面を含むことを特徴とするインモールドラベル容器である。
【0010】
本発明は、接地部は円周状突起からなり、当該円周状突起の外周断面は半径R=0.3〜1.5mmの湾曲面を含むことを特徴とするインモールドラベル容器である。
【0011】
本発明は、接地部は円周状平坦部からなり、当該円周状平坦部の外周断面は半径R=0.3〜1.5mmの湾曲面を含むことを特徴とするインモールドラベル容器である。
【0012】
接地部は円周方向に沿って所定間隔をおいて配置された複数の半球状突部からなり、各半球状突部の断面は半径R=0.3〜1.5mmの湾曲面を含むことを特徴とするインモールドラベル容器である。
【0013】
本発明は、接地部の外周断面は、半径R=0.5〜1.0mmの湾曲面を含むことを特徴とするインモールドラベル容器である。
【0014】
本発明は、上記記載のインモールドラベル容器に、飲食品を充填密封してなる飲食品包装体である。
【発明の効果】
【0015】
以上のように本発明によれば、接地部の外周断面は、半径R=0.3〜1.5mmの湾曲面を含む。このため、搬送ラインにおいて、インモールドラベル容器は搬送ラインの搬送要素間に形成された段差をスムースに乗り越えることができ、このためインモールドラベル容器の転倒を確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は本発明によるインモールドラベル容器の一実施の形態を示す断面図。
【図2】図2は図1に示すインモールドラベル容器の接地部を示す拡大断面図。
【図3】図3は図1に示すインモールドラベル容器の全体側面図。
【図4】図4は搬送ラインにより搬送されるインモールドラベル容器を示す図。
【図5】図5は本発明によるインモールドラベル容器の変形例を示す断面図。
【図6】図6(a)(b)は本発明によるインモールドラベル容器の更なる変形例を示す図。
【図7】図7(a)(b)は本発明によるインモールドラベル容器の更なる変形例を示す図。
【発明の実施の形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1乃至図4は本発明によるインモールドラベル容器の一実施の形態を示す図である。
【0018】
図1乃至図4に示すように、本発明によるラベルを含む合成樹脂製のインモールドラベル容器10は、ガスバリアー性のラベル1と、このラベル1上に射出された合成樹脂2とからなっている。
【0019】
このようなインモールドラベル容器10は、フランジ13を含む略円筒状胴部11と、胴部11に連結された円形状底部12とを備えている。
【0020】
このうち胴部11はその下方にラベル1の下端に対応する(下端に一致する)水平面15aを含む水平部15を有している。また胴部11は水平部15の上方に位置するとともに内方へ突出する円周リブ19を有している。
【0021】
このうち円周リブ19は、インモールドラベル容器10同士を重ねた場合に、上方に位置するインモールドラベル容器10の水平部15を支持するものである(図1参照)。
【0022】
また底部12はその周縁に設けられた接地部17を有している。さらに胴部11の水平部15と底部12の接地部17との間に垂直方向に延びる円周段部16が形成されている。
【0023】
インモールドラベル容器10を製造する場合、予め金型(図示せず)内にガスバリアー性のラベル1が載置されるが、ラベル1は金型のうち水平面15aに対応する金型載置面に載置され、その後金型内に合成樹脂が射出されるため、ラベル1の下端は水平面15aに一致することになる。このようにインモールドラベル容器10の製造時にラベル1は金型の金型載置面に載置され、この状態で金型内に合成樹脂が射出されるため、金型内でラベルを安定化させることができ、インモールドラベル容器10を金型内で容易かつ精度良く製造することができる。
【0024】
さらに底部12の接地部17は、周縁に設けられ下方に突出する円周状突起18からなっている。
【0025】
そしてこの円周状突起18の外周断面は湾曲面18aを含み、この湾曲面18aは半径R=0.3mm〜1.5mmとなっている。
【0026】
このように接地部17を構成する円周状突起18の外周断面は、半径R=0.3mm〜1.5mmの湾曲面18aを含んでいるので、インモールドラベル容器10を充填システムの搬送ライン21上で搬送させた場合、後述のようにインモールドラベル容器10の転倒を抑えることができる(図4参照)。
【0027】
この場合、インモールドラベル容器10は、円筒状突起18下面からフランジ13までの全高が70〜130mmとなっており、底部12の外径が40〜120mmとなっている。
【0028】
次にインモールドラベル容器10を構成する材料について以下述べる。
【0029】
インモールドラベル容器10を構成する合成樹脂射出樹脂2としては、例えば、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状(直鎖状)低密度ポリエチレン等のポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン、その共重合体等のポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ブタジエン−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、(メタ)アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカ−ボネ−ト系樹脂、その他等の各種の成形用樹脂を使用することができる。
【0030】
本発明においては、乳および乳製品を充填包装に適し、乳および乳製品の成分規格などに関する省令(略称、乳等省令)の衛生基準に適合するために、上記のような成形用樹脂としてのポリエチレン系樹脂には、添加物は無添加であることが望ましい。
【0031】
しかし、例外として、上記の乳等省令で認められているステアリン酸カルシウム2.5g/Kg以下、又は、グリセリン脂肪エステル0.3Kg/Kg以下を使用することは可能である。更に、本発明においては、包装用容器としての機能、強度等を充足するために、上記のようなポリエチレン系樹脂の中でも、特に、添加物無添加の成形用高密度ポリエチレン樹脂を使用することが最も好ましい。
【0032】
またラベル1はバリアー性基材層と、このバリアー性基材層の内面に設けられた最内層と、バリアー性基材層の外面に設けられた最外層とを有している。このうち最内層を構成する材料としては、例えば、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状(直鎖状)低密度ポリエチレン、その他等の各種のポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、その他等の樹脂のフィルムないしシ−トを使用することができる。なお、上記のポリエチレン系樹脂においては、こられの共押し出しされたフィルムないしシ−トも使用することができる。上記のような樹脂のフィルムないしシ−トとしては、未延伸、あるいは、一軸若しくは二軸方向に延伸した延伸フィルムないしシ−トを使用することができ、その厚さとしては、6〜100μm位、好ましくは、12〜50μm位の範囲内のものを使用することが望ましい。
【0033】
本発明において、最内層を構成する材料としては、上記の射出成形容器を構成する成形用樹脂が射出されて押し出されてラベルと接触した時に、ヒ−トシ−ル性等を有して、相互に溶融し、密接着する性質を有する樹脂のフィルムないしシ−トを使用することが望ましい。なお、本発明においては、上記の最内層を構成する最内層面には、例えば、ラベルを積み重ねて保存し、それを使用する時に、そのブロッキングを防止するために、例えば、最内層面に微細な凹凸等を形成して、そのブロッキング防止を行うこともできる。
【0034】
最外層は最内層と同一材料により構成されており、最外層と最内層はいずれもラベルを構成する基本素材となることから、剛性を有し、機械的、物理的、化学的、その他等において優れた性質を有するものを使用することが望ましく、具体的には、例えば、ポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタレ−ト系樹脂)、ポリアミド系樹脂、ポリアラミド系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリカ−ボネ−ト系樹脂、ポリアセタ−ル系樹脂、その他等の強靱な樹脂のフィルムないしシ−トを使用することができる。上記の樹脂のフィルムないしシ−トとしては、二軸方向に延伸した延伸フィルムを使用することが望ましい。
【0035】
また、本発明において、その樹脂のフィルムないしシ−トの厚さとしては、強度、剛性等について必要最低限に保持され得る厚さであればよく、厚すぎると、ラベルコストを上昇するという欠点があり、逆に、薄すぎると、強度、剛性等が低下して好ましくないものである。本発明においては、上記のような理由から、約10μmないし50μm位、好ましくは、約12μmないし30μm位が最も望ましい。而して、本発明において、ラベル1はその層構造中に対称型の、同材質からなる最内層と最外層を含むため、ラベル1を製造したときに、該ラベルのカ−ルを防止することができる。
【0036】
本発明において、上記の最内層と最外層を構成する素材は、ラベルとしての腰、強度等を保持することができる材料を使用することが望ましいものであり、更に、ヤング率5.000Kg/cm2 以上の剛性を有するものを使用することが望ましい。なお、本発明においては、上記のその層構造中に対称型であって、同材質からなる2層を構成する一方の素材としては、前述のラベルの最内層を構成する樹脂のフィルムないしシ−トであってもよい。
【0037】
次にまた、本発明において、ラベル1を構成するバリア−性基材層としては、太陽光等の光を遮光する性質、あるいは水蒸気、水、ガス等を透過しない性質等を有する材料を使用することができ、これは、単体の基材でもよく、あるいは二種以上の基材を組み合わせてなる複合基材等であってもよい。具体的には、例えば、遮光性とバリア−性を有するアルミニュウム箔またはその蒸着膜を有する樹脂のフィルム、バリア−性を有する酸化珪素、酸化アルミニウム等の無機酸化物の蒸着膜を有する樹脂のフィルム、水蒸気、水等のバリア−性を有する低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体等の樹脂のフィルムないしシ−ト、ガスバリア−性を有するポリエステル系樹脂、ポリカ−ボネ−ト系樹脂、ナイロン系樹脂(ポリアミド系樹脂)、アクリルニトリル系樹脂、ポリビニルアルコ−ル、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、その他等の樹脂のフィルムないしシ−ト、樹脂に顔料等の着色剤を、その他、所望の添加剤を加えて混練してフィルム化してなる遮光性を有する各種の着色樹脂のフィルムないしシ−ト等を使用することができる。
【0038】
これらの材料は、一種ないしそれ以上を組み合わせて使用することができる。上記のフィルムないしシ−トの厚さとしては、任意であるが、通常、6μmないし100μm位、更には、7μmないし30μm位が望ましい。更に、上記において、アルミニウム箔としては、6μmないし50μm位の厚さのもの、また、アルミニウムまたは無機酸化物の蒸着膜としては、厚さ50Åないし1000Å位のものを使用することができる。また、上記の蒸着膜を支持する樹脂のフィルムとしては、例えば、ポリエステルフィルム、ポリアミドフィルム、ポリオレフィンフィルム、ポリカ−ボネ−トフィルム、ポリビニルアルコ−ルフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物フィルム、その他等を使用することができる。
【0039】
次にこのような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。
【0040】
上述のような構造をもつインモールドラベル容器10が製造されると、このインモールドラベル容器10は充填システムの搬送ライン21へ送られる。そして搬送ライン21上で搬送される間に、搬送ライン21上のインモールドラベル容器10に対して内容物(飲食物)が充填され、内容物が充填されたインモールドラベル容器10のフランジ13に蓋材20が装着されて密閉される。このようにしてインモールドラベル容器10に、飲食物を充填密封してなる飲食品包装体が得られる。
【0041】
搬送ライン21は多数の搬送コンベア(搬送要素)21aを有し、各搬送コンベア21a間に段差22が形成されている。
【0042】
搬送ライン21によりインモールドラベル容器10が搬送される間、インモールドラベル容器10は各搬送コンベア21a間の段差22をスムースに乗り越える必要がある。
【0043】
本発明によれば、接地部17は円周状突起18からなり、この円周状突起18の外周断面は半径R=0.3mm〜1.5mmの湾曲面18aを含むため、この湾曲面18aを含む円周状突起18によりスムースに搬送コンベア21a間の段差22を乗り越えることができる。
【0044】
次に図5により本発明の変形例について説明する。図1乃至図4に示す実施の形態において、接地部17が円周状突起18からなり、円周状突起18の外周断面は半径R=0.3mm〜1.5mmの湾曲面18aを有する例を示したが、これに限らず、図5に示すように接地部17が円周状平坦部22からなっていてもよい。
【0045】
図5に示す変形例は底部12の接地部17の構造が異なるのみであり、他の構造は図1乃至図4に示す実施の形態と同一である。
【0046】
図5において、図1乃至図4に示す実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0047】
図5に示すように、底部12の接地部17は円周状平坦部22からなり、当該円周状平坦部22の外周断面は半径R=0.3mm〜1.5mmの湾曲面22aを有している。
【0048】
次に図6(a)(b)により本発明の更なる変形例について説明する。図1乃至図4に示す実施の形態において、接地部17が円周状突起18からなり、円周状突起18の外周断面は半径R=0.3mm〜1.5mmの湾曲面18aを有する例を示したが、これに限らず、図6(a)(b)に示すように接地部17が円周方向に沿って所定間隔をおいて配置された複数の半球状突部25からなっていてもよい。
【0049】
ここで図6(a)は本発明によるインモールドラベル容器の変形例を示す拡大断面図、図6(b)はインモールドラベル容器を示す底面図である。
【0050】
図6(a)(b)に示す変形例は底部12の接地部17の構造が異なるのみであり、他の構造は図1乃至図4に示す実施の形態と同一である。
【0051】
図6(a)(b)において、図1乃至図4に示す実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0052】
図6(a)(b)に示すように、胴部12の接地部17は2本の円周方向線26a,26bに沿って所定間隔をおいて配置された複数の半球状突部25からなっている。そして各半球状突部25の断面は半径R=0.3mm〜1.5mmの湾曲面25aを有している。
【0053】
なお、図6(b)において、2本の円周方向線26a,26bは、外周円周方向線26aと内側円周方向線26bとからなっている。
【0054】
次に図7(a)(b)により本発明の更なる変形例について説明する。図1乃至図4に示す実施の形態において、接地部17が円周状突起18からなり、円周状突起18の外周断面は半径R=0.3mm〜1.5mmの湾曲面18aを有する例を示したが、これに限らず、図7(a)(b)に示すように接地部17が円周方向に沿って所定間隔をおいて配置された複数の半球状突部25からなっていてもよい。
【0055】
ここで図7(a)は本発明によるインモールドラベル容器の変形例を示す拡大図、図7(b)はインモールドラベル容器を示す底面図である。
【0056】
図7(a)(b)に示す変形例は底部12の接地部17の構造が異なるのみであり、他の構造は図1乃至図4に示す実施の形態と同一である。
【0057】
図7(a)(b)において、図1乃至図4に示す実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0058】
図7(a)(b)に示すように、胴部12の接地部17は1本の円周方向線26に沿って所定間隔をおいて配置された複数の半球状突部25からなっている。そして各半球状突部25の断面は半径R=0.3mm〜1.5mmの湾曲面25aを有している。
【実施例】
【0059】
次に、本発明の具体的実施例について、説明する。
【0060】
本発明の具体的実施例は、図1乃至図4に示す実施の形態において、内容物が充填されフランジ13に蓋材20が装着されたインモールドラベル容器10に対して転倒試験を行なったものである。
【0061】
ここでインモールドラベル容器10の円周状突起18からフランジ13までの全高は_107mm、底部12の外径は54mmとなっている。
【0062】
このとき円周状突起18の湾曲面18aの半径Rを0.3mm〜1.5mmまで変化させ、各々のインモールドラベル容器10を多数の搬送コンベア21aを含む搬送ライン21により搬送させた。
【0063】
このときのインモールドラベル容器10の転倒試験結果は以下の表1のとおりである。
【表1】

【0064】
表1より明らかなとおり、湾曲面18aの半径Rが0.3mm〜1.5mmの場合、インモールドラベル容器10の転倒はほとんどみられず、とりわけ湾曲面18aの半径Rが0.5mm〜1.0mmの場合、インモールドラベル容器10は全く転倒しなかった。
【0065】
ところで円筒状突起18の湾曲面18aの半径が0.3mm以下の場合、インモールドラベル容器10は搬送コンベア21a間の段差22をスムースに乗り越えることができず、搬送コンベア21a間の段差22において転倒がみられた。
【0066】
他方、円筒状突起18の湾曲面18aの半径が1.5mm以上の場合、搬送ライン21の停止時にインモールドラベル容器10が停留した際、インモールドラベル容器10同士が押し合って傾き、搬送ライン21の再起動時にインモールドラベル容器10が搬送ライン21の搬送コンベア21a上で転倒してしまった。
【符号の説明】
【0067】
1 ラベル
2 合成樹脂
10 インモールドラベル容器
11 胴部
12 底部
13 フランジ
15 水平部
15a 水平面
16 円周段部
17 接地部
18 円周状突起
18a 湾曲面
22 円周状平坦部
22a 湾曲面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラベルを含む合成樹脂製のインモールドラベル容器において、
胴部と、
胴部に連結された底部とを備え、
胴部は、その下方にラベルの下端に対応する水平面を含む水平部を有し、
底部はその周縁に接地部を有し、
胴部の水平部と底部の接地部との間に垂直方向に延びる円周段部が形成され、
接地部の外周断面は、半径R=0.3〜1.5mmの湾曲面を含むことを特徴とするインモールドラベル容器。
【請求項2】
接地部は円周状突起からなり、当該円周状突起の外周断面は半径R=0.3〜1.5mmの湾曲面を含むことを特徴とする請求項1記載のインモールドラベル容器。
【請求項3】
接地部は円周状平坦部からなり、当該円周状平坦部の外周断面は半径R=0.3〜1.5mmの湾曲面を含むことを特徴とする請求項1記載のインモールドラベル容器。
【請求項4】
接地部は円周方向に沿って所定間隔をおいて配置された複数の半球状突部からなり、各半球状突部の断面は半径R=0.3〜1.5mmの湾曲面を含むことを特徴とする請求項1記載のインモールドラベル容器。
【請求項5】
接地部の外周断面は、半径R=0.5〜1.0mmの湾曲面を含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載のインモールドラベル容器。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか記載のインモールドラベル容器に、飲食品を充填密封してなる飲食品包装体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−12099(P2012−12099A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−152064(P2010−152064)
【出願日】平成22年7月2日(2010.7.2)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【出願人】(000006127)森永乳業株式会社 (269)
【Fターム(参考)】