説明

ウェイト含有および/または振動減衰インサート部材を有するアイアンタイプゴルフクラブおよびゴルフクラブヘッド

アイアンゴルフクラブヘッドおよびクラブは、(a)ボール打撃面;(b)反対側のリア表面;(c)ボール打撃面からリア方向に伸びて、開いた上部を有するキャビティを定めるソール部分;(d)少なくとも1つのウェイトポートを含む、キャビティに取り付けられるインサート要素;および(e)ポートに取り付けられるウェイト部材、を含む。インサート要素は、ボールを打つ際の振動および/またはノイズを減衰するために、キャビティを実質的に埋めてもよい。加えて、インサート要素によって、クラブヘッドの総重量をカスタマイズおよび調整することができるように(たとえば、スイング重量配分の目的のために、ボール飛翔制御の目的のため等)、ウェイトを選択的に置くことが許容されうる。そのようなクラブヘッドおよびクラブを作製する方法も同様に記述される。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、アイアンタイプゴルフクラブおよびゴルフクラブヘッドに関する。本発明の特定の例の局面は、振動/ノイズの減衰目的、および/または選択的な重量配分の目的のためにキャビティ内にインサート部材を有するゴルフクラブおよびゴルフクラブヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
背景
ゴルフボールを打つ際にクラブヘッドフェースが直角となるようにゴルファーを補助することによって、ゴルファーの精度を改善するために様々なゴルフクラブヘッドが設計されている。多くのゴルフクラブヘッドは、クラブヘッドの重心の位置を変更するために、ゴルフクラブヘッドのウェイトの配置を変えている。ゴルフクラブヘッドの重心の位置は、意図される方向にゴルフボールが推進されるか否かを決定する1つの要因である。重心が接触表面での係合点の後に位置する場合、ゴルフボールは一般的に直線的な経路をたどる。しかし、重心が係合点の側面から離れている場合、ゴルフボールは意図されない方向に飛ぶ可能性があるか、および/または左もしくは右に曲がる経路をたどる可能性があり、これはしばしば「プル」、「プッシュ」、「ドロー」、「フェード」、「フック」、または「スライス」と呼ばれるボールの飛翔である。同様に、重心が係合点より上または下に離れている場合、ゴルフボールの飛翔はそれぞれ、より風を切り裂く(boring)または上昇する軌道を示す可能性がある。
【0003】
周辺重量配分およびキャビティバッククラブヘッドなどのゴルフクラブヘッドは、ゴルフクラブヘッド周辺部の周囲にゴルフクラブヘッドのウェイトを多く配置することによってゴルファーを補助する。一般的に、これらのゴルフクラブヘッドは、ノンキャビティバックゴルフクラブヘッド(たとえば、従来の「ブレード」タイプアイアン)よりも許容が大きく、それによってゴルフボールが幾分中心を外れて打たれることまたはミスヒットを許容して、それでもなお比較的良好な距離および精度を提供する。周辺重量配分およびキャビティバッククラブヘッドは、平均的なゴルファーがミスヒットの影響を低減させて、スコアを改善するために役立っている。
【0004】
ゴルファーは、ゴルフクラブの「感触」に対して敏感である傾向がある。ゴルフクラブの「感触」は、クラブの様々な構成要素パーツと、ボールが打たれる、および/または打ちあてられる際にプレーヤーが経験する知覚感覚を生じるクラブに関連する様々な特色との組み合わせを含む。クラブの重量、重量配分、スイングウェイト、空気力学、スイングスピード等は全て、クラブがスイングしてボールを打つ際のゴルフクラブの「感触」に影響を及ぼす可能性がある。「感触」はまた、クラブヘッドがボールを打ってボールを動き出させる場合に生じる音に関連することも見いだされている。クラブヘッドが、衝撃時に不快な、望ましくない、または驚くような音を出せば、ユーザーは、たじろぎ、ユーザーはスイングをあきらめ、スイングを減速させ、意欲を失い、および/またはスイングを完全に振り切らない可能性があり、それによってスイングの距離、方向、および/または他の動作の局面、ならびに得られたボールの動きに影響を及ぼす可能性がある。この不快で、望ましくない、または驚くような音をユーザーが予想することは、ボールを打つ前であってもスイングに影響を及ぼしうる。
【0005】
したがって、ゴルフクラブの「感触」の局面を改善すること、およびゴルフクラブセット(たとえば、アイアンセット)全体の一貫した「感触」を生じるために、容易で有効なやり方を提供することは、当技術分野において歓迎される特色であろう。
【発明の概要】
【0006】
本発明の少なくともいくつかの例の局面に従うアイアンタイプゴルフクラブヘッドには、(a)ボール打撃面;(b)ボール打撃面と反対側のリア表面;(c)ソール部分およびリア表面が開いた上部を有するキャビティを定める、ボール打撃面からリア方向に伸びるソール部分;(d)インサート要素が、キャビティの開いた上部に露出される上表面および反対側の下表面を含み、かつ、下表面が少なくとも第一のウェイトポートをその中に含む、キャビティに取り付けられるインサート要素;ならびに(e)第一のウェイトポートに取り付けられる第一のウェイト部材、が含まれる。インサート要素は、多数のウェイトポート(たとえば、トウ先端に1つまたは複数、ヒール先端に1つまたは複数、中心領域に1つまたは複数等)を含んでもよく、かつ、1つまたは複数のウェイトをこれらのウェイトポートの任意の所望の数に取り付けてもよい。インサート要素は、適した材料から作製されてもよく、および/またはボール(または他の物体)を打つ際の振動を減衰するためおよび/または生じる音に影響を及ぼすために、および/またはクラブヘッドの総重量のカスタマイズおよび/または調整を可能にするために(たとえば、スイング重量配分の目的、ボール飛翔制御の目的のために(たとえば、クラブをドローバイアスする、クラブをフェードバイアスする、フックを生じるスイングの欠点を代償するために役立つ、スライスを生じるスイングの欠点を代償するために役立つ等)等)クラブヘッドキャビティ内に位置してもよい。
【0007】
本発明の追加の局面は、アイアンタイプゴルフクラブ、ならびに先に記述したタイプのインサート部材を有するクラブヘッドを含む、アイアンゴルフクラブヘッドおよびゴルフクラブを産生するための方法に関する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明は、例によって説明され、添付の図面に限定されない。これらの図面において、類似の参照番号は全体を通して類似の要素を示す。
【図1】本発明に従う例としてのゴルフクラブヘッドを有する例としてのゴルフクラブの図を示す。
【図2】図2A〜2Cは、本発明に従う例としてのゴルフクラブヘッドの様々な図を示す。
【図3】図3Aおよび3Bは、本発明に従う例としてのインサート部材構造の様々な図を示す;ならびに
【図4】図4Aおよび4Bは、本発明に従う例としてのゴルフクラブヘッド構造のアセンブリおよび最終構造を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
詳細な説明
以下の説明および添付の図面は、本発明に従うゴルフクラブヘッドおよびゴルフクラブ(たとえば、アイアンまたはアイアンタイプハイブリッドゴルフクラブおよびゴルフクラブヘッド)の特色を開示する。
【0010】
I.本発明に従う例としてのゴルフクラブヘッド、ゴルフクラブ、および方法の全般的説明
本発明の局面は一般的に、アイアンタイプゴルフクラブヘッドおよびそのようなクラブヘッドを含むゴルフクラブ(たとえば、アイアンタイプハイブリッドクラブ、ドライビングアイアン、0〜9番アイアン、ピッチングウェッジ、サンドウェッジ、ギャップウェッジ、ロフトウェッジ等)に関するが、本発明の局面は、たとえばパター、ドライバー、ウッド等の他のクラブヘッド構造において用いるために拡大されてもよい。本発明の少なくともいくつかの例としての局面に従うアイアンタイプゴルフクラブヘッドには、(a)ボール打撃面;(b)ボール打撃面と反対側のリア表面(たとえば、ボール打撃面の実際の裏側表面またはクラブヘッドのもう1つの構造部材);(c)ソール部分およびリア表面が開いた上部を有するキャビティを定める、ボール打撃面からリア方向に伸びるソール部分;(d)インサート要素が、キャビティの開いた上部に露出される上表面および反対側の下表面を含み、下表面が少なくとも第一のウェイトポートをその中に含む、キャビティに取り付けられるインサート要素;ならびに(e)第一のウェイトポートに係合した第一のウェイト部材、が含まれてもよい。インサート要素は、多数のウェイトポート(たとえば、トウ先端に1つまたは複数、ヒール先端に1つまたは複数、中心領域に1つまたは複数等)を含んでもよく、かつ、1つまたは複数のウェイトをこれらのウェイトポートの任意の望ましい数に取り付けてもよい。ゴルフクラブヘッドは、当技術分野において公知であるまたは用いられるように、一般的な周辺重量配分および/またはキャビティバックタイプ構造(たとえば、ソール部分がリア方向に伸びて周辺重量配分部材構造の一部を形成する)を有してもよい。
【0011】
インサート要素は、多様な異なる構築の多様な材料から作製されてもよいが、本発明に従う少なくともいくつかの例としての構造において、適した材料で作製され、および/または、ボール(または他の物体)を打った場合に生じる振動を減衰するおよび/または音を変更するために、および/またはクラブヘッドの総重量のカスタマイズおよび調整を可能にするために(たとえば、スイング重量配分の目的、ボール飛翔制御の目的のために(たとえば、クラブをドローバイアスする、クラブをフェードバイアスする、フックを生じるスイングの欠点を代償するために役立つ、スライスを生じるスイングの欠点を代償するために役立つ等)等)、クラブヘッドキャビティ内の適した位置に位置するであろう。いくつかのより特異的な例として、望ましければ、キャビティおよびインサート要素は、クラブヘッドのヒールからトウ方向に伸びるように形成されてもよい(たとえば、キャビティおよび/またはインサート要素が、フェースからリア方向のその全幅寸法の少なくとも2倍である、またはさらにその全幅寸法の少なくとも3倍であるクラブヘッドのヒールからトウ方向の全長寸法を有するように)。このようにして、ウェイトポートおよびウェイト部材を、クラブを適切にスイングウェイトさせるためにおよび/または特異的なボール飛翔特徴にとって望ましいようにクラブをバイアスするために、インサート要素のトウ先端に、そのヒール先端に、中心領域等に選択的に配置してもよい。
【0012】
いくつかの追加の例としての特色として、インサート要素は、キャビティ開口部に露出される上部ポリマー(または他の材料)部材、およびキャビティ内部に隠れる(およびウェイト部材を含有する)下部ポリマー(または他の材料)部材などの、共に結合された1つまたは複数の個別の部材から作製されてもよい。上部ポリマー(または他の材料)部材は、比較的硬くおよび/または薄くてもよいが(たとえば、厚さ2ミリメートル未満の基部を有する、85 Shore Aまたはそれを超える硬度を有する等)、下部ポリマー(または他の材料)部材は比較的柔らかくて厚くてもよい(たとえば、少なくとも高さ5ミリメートル、硬度70 Shore Aまたはそれ未満を有する等)。このようにして、下部部材は、ボール打撃面が構築される金属または金属合金材料より柔らかく、クラブヘッドがボールまたは他の物体を打つ場合に作られる振動を減衰するおよび/または音に影響を及ぼすであろう。
【0013】
本発明に従う少なくともいくつかの例としてのゴルフクラブヘッド構造において、インサート要素はソール部分とボール打撃面のリア表面とによって定められるキャビティを実質的に埋めるであろう(必ずしも、キャビティバッククラブの周辺重量配分によって定められるキャビティ全体である必要はない)。ゆえに、下部(より柔らかい)部材のサイド表面の少なくとも一部は、ボール打撃面のリア表面にすぐ隣に、および/または接して存在するであろう。この特色はまた、ボールを打った場合の振動の減衰を補助する。少なくとも、インサート部材の上端部分は、キャビティの開いた上部を実質的に埋めるような大きさであってよい(またはインサートの少なくともいくつかの部分はキャビティを実質的に埋めるであろう)。
【0014】
望ましければ、インサート要素は、ソール部分によって定められるキャビティに取り外し可能に取り付けられてもよく、および/またはウェイト部材は、インサート要素のウェイトポートに取り外し可能に取り付けられてもよい。または望ましければ、インサート要素は、キャビティに永続的に固定されてもよく、および/またはウェイト部材はウェイトポートに永続的に固定されてもよいが(たとえば、接着剤またはセメントを用いて、融合技術を用いて等)、クラブの望ましいスイングウェイトまたは他の重量配分特徴を生じるように、製造元、クラブフィッター、または他のユーザーが1つまたは複数のウェイトを望ましいポートに置くことができるように、インサート要素にはそれでもなお多数のウェイトポートが含まれてもよい。
【0015】
本発明の追加の局面は、アイアンタイプゴルフクラブ(たとえば、アイアンタイプハイブリッドクラブ、ドライビングアイアン、0〜9番アイアン、ピッチングウェッジ、サンドウェッジ、ギャップウェッジ、ロフトウェッジ等)に関する。そのようなクラブには、たとえば(a)先に記述したタイプのアイアンゴルフクラブヘッド;(b)ゴルフクラブヘッドに係合したシャフト部材(たとえば、ホーゼルまたは他のヘッド接続領域で);および/または(c)シャフト部材に係合したグリップ部材、が含まれてもよい。クラブヘッド、そのインサート要素、および/またはそのウェイト部材は、上記の様々な特徴または特性の任意の1つまたは複数を有してもよい。クラブは、当技術分野において公知で用いられる従来のクラブヘッドの特色および/または特徴が含まれる追加の特色および特徴も同様に有してもよい。
【0016】
本発明のさらに追加の局面は、たとえば先に記述したタイプのアイアンゴルフクラブヘッドを産生する方法に関する。そのような方法には:(a)ボール打撃面、ボール打撃面と反対側のリア表面、およびソール部分およびリア表面が開いた上部を有するキャビティを定める、ボール打撃面からリア方向に伸びるソール部分を含む、クラブヘッド本体を提供する段階(たとえば、それを製造することによって、構築することによって、第三者の供給源からそれを得ることによって等);(b)下表面が少なくとも第一のウェイトポートをその中に含む、上表面および反対側の下表面を含むインサート要素を提供する段階;(c)第一のウェイト部材を第一のウェイトポートに挿入する段階;および(d)インサート要素の上表面がキャビティの開いた上部に露出されるように(およびウェイト部材およびウェイトポートが、キャビティの底に配置されて、インサート部材に埋もれるように)、インサート要素をキャビティに挿入する段階、が含まれてもよい。クラブヘッド、そのインサート要素、および/またはそのウェイト部材は、先に記述した様々な特徴または特性の任意の1つまたは複数を有するように形成されてもよい。
【0017】
または望ましければ、本発明の少なくともいくつかの例に従う方法には、以下の追加の段階の1つまたは複数が含まれてもよい:(a)インサート要素をキャビティから取り外す段階;(b)第一のウェイト部材を第一のウェイトポートから取り外す段階;(c)第二のウェイト部材を第一のウェイトポートに挿入する段階;(d)第一のウェイト部材を、インサート要素の下表面において定められる第二のウェイトポート分に挿入する段階;(e)第二のウェイト部材を、インサート要素の下表面において定められる第二のウェイトポートに挿入する段階;(f)インサート要素をキャビティに再度挿入する段階;および/または(g)新しいインサート要素をキャビティに挿入する段階。
【0018】
本発明の少なくともいくつかの例としての局面に従うアイアンタイプゴルフクラブを産生する方法には:たとえば、ゴルフクラブヘッドを製造することによってまたはそうでなければ作製することによって、これを第三者の供給源から得ること等によって、上記のタイプのゴルフクラブヘッド(たとえば、インサート要素、1つまたは複数のウェイト部材等の、先に記述した様々な構造、特色、および/または取り合わせの任意または全てが含まれる)を提供する段階;(b)シャフト部材をゴルフクラブヘッドに係合させる段階;および/または(c)グリップ部材をシャフト部材に係合させる段階、が含まれてもよい。このクラブヘッドにより、製造元、クラブフィッター、ユーザー、または他の人は、たとえば先に記述したようにおよび以下により詳細に記述されるように、クラブヘッドの重量配分、ウェイトの位置、および/または他の特色をカスタマイズすることが可能であろう。
【0019】
先に提供した本発明の局面の全般的説明を考慮して、本発明に従うゴルフクラブおよびゴルフクラブヘッド構造の様々な特異的な例の、より詳細な説明を以下に提供する。
【0020】
II.本発明に従う例としてのゴルフクラブヘッド、ゴルフクラブ構造、および方法の詳細な説明
以下の考察および添付の図面は、本発明の例に従う様々なゴルフクラブおよびゴルフクラブヘッド構造を記述する。
【0021】
図1を参照して、本発明に従うアイアンタイプゴルフクラブ100には、シャフト102およびシャフト102に付属するゴルフクラブヘッド104が含まれる。図1のゴルフクラブヘッド104は、たとえばアイアンタイプハイブリッドクラブ、ドライビングアイアン、0〜9番アイアン、ピッチングウェッジ、サンドウェッジ、ギャップウェッジ、ロフトウェッジ等の任意のアイアンまたはハイブリッドタイプゴルフクラブヘッドを表してもよい。ゴルフクラブ100のシャフト102は、スチール、アルミニウム、チタン、グラファイト、または複合材料と共に、当技術分野において従来から公知で用いられている材料が含まれる合金および/またはその組み合わせなどの様々な材料で作製されてもよい。加えて、シャフト102は、当技術分野において公知で用いられる従来の様式(たとえば、ホーゼル要素で接着剤またはセメントによって、融合技術によって(たとえば、溶接、ろう着、はんだづけ等)、ねじまたは他の機械的コネクタによって、摩擦嵌合によって、保持要素構造によって、解放可能な機械的接続によって等)が含まれる、任意の望ましい様式でクラブヘッド104に付属してもよい。グリップまたは他のハンドル要素106は、ゴルフクラブシャフト102をつかむための滑り止め表面をゴルファーに提供するためにシャフト102上に位置する。グリップ要素106は、当技術分野において公知で用いられる従来の様式(接着剤またはセメントによって、ねじまたは他の機械的コネクタによって、融合技術によって、摩擦嵌合によって、保持要素構造等によって)が含まれる、任意の望ましい様式でシャフト102に付属してもよい。グリップ要素106は、当技術分野において従来から公知で用いられる材料が含まれる、任意の望ましい材料から作製されてもよい。
【0022】
図2Aは、本発明に従うゴルフクラブヘッド104の一例をより詳細に説明する。図に示すように、この例のゴルフクラブヘッド104には、ヒール部分204およびトウ部分206を有する本体部材202が含まれる。ヒール部分204は、シャフト102をクラブヘッド本体部材202に接続するために、ホーゼル208に付属する、および/または、ホーゼル208から伸びる(たとえば、単一のまたは一体型ワンピース構築として、個別に接続された要素として等)。本体部材202にはまた、上端部分210およびソール部分212が含まれる。ボール打撃面214は、上端部分210とソール部分212のあいだ、およびトウ206とヒール204のあいだで提供される。打撃面214は、ゴルフボールを意図する方向に係合および発射するための接触領域を提供する。打撃面214には、ボール打撃の際に打撃面214とゴルフボールのあいだから水および/または草を除去するための溝216(たとえば、説明された例においてフェース214を超えて伸びる一般的に水平な溝216)が含まれてもよい。従来の溝パターンおよび/または構築が含まれる任意の数の溝、望ましい溝パターン、および/または溝の構築が提供されてもよく(または望ましければ、溝がなくてもよく)、それらも本発明に含まれる。打撃面214は、クラブヘッド本体部材202の残りの部分と共に単一のワンピース構築として一体形成されてもよく、またはそれはクラブヘッド本体部材202に付属する(たとえば、接着剤またはセメントによって、溶接、ろう着、はんだづけまたは他の融合技術によって、機械的コネクタによって、摩擦嵌合によって、保持要素構造等によって)個別のパーツであってもよい。
【0023】
ゴルフクラブヘッド104の本体部材202および/または打撃面214は、スチール、チタン、アルミニウム、マグネシウム、タングステン、これらの金属の合金、グラファイト、ポリマー、ファイバー強化材料、もしくは複合材料、またはその組み合わせなどの、当技術分野において従来から公知で用いられている材料が含まれる、広く多様な異なる材料から構築されてもよい。同様に、望ましければ、クラブヘッド104は、任意の数のピース(たとえば、個別のフェースプレートを有する等)から、および/またはたとえば鋳造、鍛造、溶接、および/または当技術分野において公知で用いられる他の方法が含まれる任意の構築技術によって作製されてもよい。
【0024】
図2Bは、本発明の少なくともいくつかの例に従うアイアンタイプゴルフクラブヘッド104のリアまたはバックサイドの図を説明し、図2Cは、そのようなクラブヘッドの一般的断面図を説明する(たとえば、図2Bにおける線2C-2Cに沿って得た)。図に示すように、本例の構造において、クラブヘッド104のリアは、周辺重量配分(周辺のウェイト部材220に注目)キャビティバック(リアキャビティ222に注目)構築を形成する。クラブヘッド104のソール部分212は、クラブヘッドフェース214の周囲にそこから伸びて、クラブヘッド構造104の一番底を形成し、そこから上に伸びて、周辺ウェイト部材220の最も下の部分およびクラブヘッド構造104のリアまたはバックサイドの一部を形成する。
【0025】
この説明される例におけるクラブヘッド104のソール部分212(周辺ウェイト部材220の底を形成する上に伸びる部分が含まれる)は、その中に定められる一般的に下方向に伸びるキャビティ224を有する。この下方向に伸びるキャビティ224には、露出された開いた上端表面が含まれる。キャビティ224の最も前方の壁は、ボール打撃面214のリア表面によって定められ(望ましければ、もう1つの要素がボール打撃面214とリアキャビティ224のあいだに配列されてもよく、それらも本発明に含まれる)、およびキャビティ224のサイドおよびリアウォールは本体部材202のソール部分212によって定められる。
【0026】
特に、図2Bおよび2Cにおいて説明されるように、キャビティ224の縦方向の全長L(ヒールからトウ方向、たとえばキャビティ224のトウの先端からヒールの先端までの最大寸法)は、その全幅寸法W(フェースからリア方向において、たとえばボール打撃面214のリアからソール部分212におけるキャビティ224のバックサイド表面までの最大寸法)よりかなり大きくてもよい。最大全長寸法L対最大全幅Wの比(L/W)は、少なくとも2/1であってもよく、または少なくとも3/1でさえあってもよい。
【0027】
本発明の例に従うゴルフクラブヘッド構造(たとえば、クラブヘッド104)において、下位ソール部材キャビティ224は、インサート構造300によって埋められる(少なくとも実質的に埋められる)。インサート構造は、全キャビティ224の体積の少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも90%、または少なくとも95%さえを埋めてもよい。図3Aおよび3Bは、本発明のいくつかの例に従う例としてのインサート構造300を説明する。インサート構造300はおそらく多様な機能を実行する可能性がある。たとえば、インサート構造300は、ゴルフクラブヘッド104が、ゴルフボールなどのもう1つの物体に接触する場合に生じる振動を減衰する可能性があり、それによって音を変更させて、および/またはユーザーの手に伝えられる振動反応を低減させる可能性がある。もう1つの例として、インサート構造300には、インサート300における1つまたは複数のウェイト部材304の取り付けを可能にする1つまたは複数のウェイトポート302が含まれてもよい。この特色はたとえば、セットを通して一貫したクラブの「スイングウェイト」を生じるために、ドローバイアスクラブを生じるために、フェードバイアスクラブを生じるために、フックするボール飛翔を生じる傾向があるスイング欠点を代償するために役立つように、スライスするボール飛翔を生じる傾向があるスイング欠点を代償するために役立つように、クラブヘッド構造104においてウェイトを選択的に変更する、位置する、カスタマイズする、および「微調整」するために用いることができる。インサート構造300の様々な可能性がある構造特色および特徴を以下により詳細に記述する。
【0028】
望ましければ、インサート部材300の少なくともいくつか(たとえば主要な部分)は、ボール打撃面214が作製される材料より柔らかい材料から作製されるであろう。いくつかの例としての構造300において、インサート部材は、下部分306が比較的柔らかく柔軟な材料で作製されたマルチピース構築を有するであろう(たとえば、ゴム、ビニル、ポリウレタン、または他の比較的柔らかく柔軟な材料などの、Shore A硬度85もしくはそれ未満、およびいくつかの例において、80もしくはそれ未満、75もしくはそれ未満、70もしくはそれ未満、65もしくはそれ未満、または60もしくはそれ未満を有するポリマー)。この特色によって、一般的に、ゴルフボールまたは他の物体を打った場合に引き起こされる振動をインサート部材300の下部分306が減衰するであろう。この下部分306は、インサート構造300の大部分を構成してもよい。
【0029】
マルチピース構築で作製される場合、インサート部材300の上部分308は、インサート部材300の下部分306を構成する材料より硬い材料で作製されてもよい。より特異的な例として、インサート部材300の上部分308は、たとえば熱可塑性材料(たとえば、TPU)、熱硬化性材料、PEBAX材料等の、少なくとも75、およびいくつかの例において少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、または少なくとも95でさえのShore A硬度を有するポリマーから作製されてもよい。この特色は、インサート部材300の強く、硬くおよび安定に露出される表面を提供して、基礎となる、より柔らかい下部分306に対する望ましくない変形、損傷等を防止するために役立つ。異なる硬度を有する多数の材料で作製される場合、このマルチピース構築(たとえば、より柔らかい下部分306、および、より硬い上部分308を有する)は、本明細書において「デュアルデュロメーター」構築または「マルチデュロメーター」構築と呼ばれることがある。
【0030】
デュアルまたはマルチデュロメーターインサート部材300の構造のいかなる望ましい比率も、この説明される例の構造300におけるより柔らかい部分306とより硬い部分308から作製されてもよいが、より柔らかい部分306は、より硬い部分308がより柔らかい部分306の上の実質的に薄いカバー層を構成するように、全構造300の大部分を構成する。望ましければ、この薄いカバー層308の少なくともいくつかの部分は厚さが5 mm未満であってもよく、いくつかの例において、厚さ2 mm未満、または厚さ1 mm未満でさえあってもよい。より柔らかい部分306は、インサート部材300の全体積の少なくとも75%、および全体積の少なくとも80%または85%でさえ構成してもよい。1つのより特異的な例において、より柔らかい部分306は、硬度約50〜55 Shore Aを有し、より硬い部分308は硬度約80〜85 Shore Aを有するであろう。
【0031】
もう1つの例として、望ましければインサート部材300は、単一のピース構築から、および/または単一の硬度レベル(たとえば、約75 Shore Aが含まれる硬度およそ70〜80 Shore A)を有する材料から作製されてもよい。なおもう1つの例として、望ましければ、単一ピース(または単一材料)インサート部材300の一部を、その硬度を変更するように、たとえばインサート部材300の1つまたは複数の表面において化学物質または放射線処置(たとえば、レーザー処置)を用いることによって、インサート部材300の1つまたは複数の表面をコーティングもしくは含浸することによって、インサート部材300の1つまたは複数の表面に基板基層を適用すること等によって、1つの部分をもう1つの部分より硬くまたは柔らかくするように、処置してもよい。
【0032】
図3Bは、インサート部材300の下面(たとえば、より柔らかい部分306において)に、その中に1つまたは複数のウェイト部材304が取り付けられてもよい1つまたは複数のウェイトポート302が含まれることを説明している。インサート部材構造300には、インサート部材300に沿って任意の所望の位置で、任意の数のウェイトポート302が提供されてもよく、それらも本発明に含まれる。その上、任意の数のウェイト部材304を様々なウェイトポート302における任意の所望の数の位置に取り付けてもよく、それらも本発明に含まれる。たとえば、任意の個々のウェイトポート302は、その中に取り付けられる1つまたは複数のウェイト部材304を有してもよく、または個々のウェイトポート302は空のままであってもよい。ウェイト部材304はウェイトポート302に永続的に取り付けられてもよく(たとえば、セメントまたは接着剤を用いて、融合技術を用いて等)、またはそれらはウェイトポート302に取り外し可能に取り付けられてもよい(たとえば、摩擦嵌合を用いて、ねじまたは他の機械的コネクタを用いて等)。
【0033】
ウェイト部材304は、任意の所望の質量または構築の部材であってもよく、それらは望ましい効果を生じるためにポート302における任意の望ましい位置に選択的に置かれてもよい。たとえば、本発明に従ういくつかのゴルフクラブヘッド構造において、ウェイト部材304は、比較的軽量であってもよく(たとえば1グラムまたは2グラム)、望ましい「スイングウェイト」を有するクラブを生じるために、ウェイトポート302において選択的に位置可能であってもよい。セットにおけるあらゆるアイアンクラブは、同じ「スイングウェイト」を有するように選択的に重量配分されてもよく、このことはセット全体に関してユーザーにより一貫したスイング感触を提供するために役立つ。
【0034】
しかし、望ましければ、ウェイト部材304はまた、ボールの飛翔に影響を及ぼすように選択的に配置されてもよい(選択された質量で)。たとえば、クラブヘッドのトウ先端に追加のウェイトを提供すると(インサート部材300のトウ先端310に向けて配置されるウェイトポート304を用いることによって)、より「フェードする」ボール飛翔を生じるようにクラブヘッドをバイアスさせることができ、および/またはクラブヘッドを、「フックする」ボール飛翔を生じる傾向があるスイング欠点を代償するために役立つように設計することができる。一方、クラブヘッドのヒール先端に追加のウェイトを提供することによって(インサート部材300のヒール先端312に向けて配置されるウェイトポート304を用いることによって)、より「ドローする」ボール飛翔を生じるようにクラブヘッドをバイアスさせることができ、および/またはクラブヘッドを、「スライスする」ボール飛翔を生じる傾向があるスイング欠点を代償するために役立つように設計することができる。先に記述したタイプのウェイト部材およびウェイトポートが含まれるインサート部材は、望ましければ、スイングの重量配分およびボール飛翔バイアス目的の双方において用いられうる。
【0035】
本発明に従う少なくともいくつかの例の構造において、インサート300には、ボール打撃面214(または他の部材)のリア表面に隣接して(および任意で接して)存在することが意図される主要なサイド表面316が含まれるであろう。このサイド表面316の全てまたは実質的に全て(たとえば、少なくとも75%、または少なくとも80%、85%、もしくは90%でさえ)は、振動/ノイズ減衰特徴において役立つように、ボール打撃面214より柔らかい露出される材料(たとえば、材料306)であってもよい。
【0036】
図4Aは、本発明の一例に従うインサート部材300が含まれるゴルフクラブヘッド104のアセンブリの例を説明する。図に示すように、インサート部材300は、インサート部材構造300の底表面に提供されるウェイトポート302の1つまたは複数において1つまたは複数のウェイト部材304が含まれるように装備される(任意で、先に記述したように、解放可能なまたは取り外し可能な様式で)。次に、インサート部材300を、ソール部分212とボール打撃面214のリア表面によってクラブヘッド本体部材202において定められるキャビティ224へのアクセスを提供する開いた上端表面に挿入する。
【0037】
図4Aの右手側に示されるように、インサート部材300は、インサート部材300の比較的大きい主表面316がボール打撃面214のバックサイドのすぐ隣に(および任意で直接接して)存在するように、キャビティ224内で嵌合してもよい。先に注目したように、部分306の比較的柔らかで柔軟な材料は、ボールがボール打撃面214を打つ場合に引き起こされる振動を減衰するために利用可能であることから、この特色は、振動の減衰に役立つように比較的大きい接触表面を提供する。任意で、望ましければ、主表面316とボール打撃面214のリア表面のあいだに接着剤の層(キャビティ224においてインサート部材300を固定するため)が存在してもよい。または、インサート部材300は、ねじ、保持部材、摩擦嵌合、または他の機械的もしくは解放可能なコネクタを用いることを通してなどの、任意で取り外し可能なまたは解放可能な様式で、もう1つの様式でキャビティ224に固定されてもよい。
【0038】
図4Bは、クラブヘッド本体202およびその中に提供されたインサート部材300が含まれるクラブヘッド構造104の完成されたリアの例を説明する。この説明された例の構造104において示されるように、インサート部材300の比較的硬い上端表面308だけが依然として、キャビティ224へのアクセスを提供するソール部分212における開口部を経て露出されている(およびより柔らかい下部分306は、キャビティ224の壁(たとえば、ソール部分212およびボール打撃面214の裏側表面において)、およびインサート部材300の上端表面308によって保護される)。しかし、特に、周辺重量配分アイアン構造のキャビティバック222全体は、インサート部材300によって埋められない(むしろ、ボール打撃面214のリア表面の比較的大きい部分が依然としてキャビティ222に露出されている)。この特色は、インサート部材300とクラブヘッド本体部材202の総重量を低減させるために役立ち、これは全クラブヘッド構造104の重心を構造において低く維持するために役立つ。インサート部材300の大きさ(キャビティ222を完全に覆わないように)はまた、ソール部分212において定められたキャビティ224の中へのインサート部材300のより容易な挿入を許容する。本発明に従ういくつかの構造において、本体部材202におけるボール打撃面214(またはキャビティバックアイアンのリアキャビティを定める他の表面)の露出されたリア表面の少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、または少なくとも75%は、クラブヘッドソール部分212において定められたキャビティ224にインサート部材300が挿入された後でも露出されたままであろう。
【0039】
クラブヘッドおよび/またはインサート部材構造における多くのさらなるバリエーションが提供され、それらも本発明に含まれる。たとえば、望ましければ、インサート部材300は、キャビティ224において個別に導入されて固定される多数の独立したパーツを構成してもよい。もう1つの例として、望ましければ、ウェイトポートおよび/またはその開口部が、インサート部材300および/またはクラブヘッド本体部材構造202の他のパーツにおいて提供されてもよく、それらも本発明に含まれる。たとえば、望ましければ、その上端表面308を通して提供される1つまたは複数の開口部を通して、ウェイトをインサート部材300に挿入することができる。もう1つの例として、望ましければ、ウェイト部材を、サイド表面316またはそれと反対の表面を通して、インサート部材300に挿入することができるであろう。他の構造の取り合わせが可能であり、それらも本発明に含まれる。
【0040】
先に言及したように、本発明の例に従うゴルフクラブヘッドは、セット、たとえばアイアンおよび/またはハイブリッドタイプゴルフクラブのセットに組み入れられてもよい。たとえば、本発明の局面は、たとえば2つまたはそれより多いハイブリッドタイプクラブ、ドライビングアイアン、0番アイアン、1番アイアン、2番アイアン、3番アイアン、4番アイアン、5番アイアン、6番アイアン、7番アイアン、8番アイアン、9番アイアン、10番アイアン、ピッチングウェッジ、ロブウェッジ、ギャップウェッジ、サンドウェッジ等の、番号が増加したアイアンゴルフクラブを有するクラブセットを提供するために用いられてもよい。本発明によって、ゴルファー、クラブデザイナー、および/またはクラブフィッターは、プレーヤーの独自の要求、熟練、またはプレースタイルを満たすように各ゴルフクラブに関して、スイングウェイトおよび/または重心の位置を改変してもよい(たとえば、セットを通して一貫したスイングの「感触」を提供するために、一定の望ましいボール飛翔特徴のためにバイアスするために、等)。セットにおける各クラブに関して、インサート部材(および/またはたとえば周辺重量配分部材、重量配分部材等のクラブヘッドの他の特色)は、1つのクラブ部材の重心をセットにおける他のクラブに関連して変更するために、任意で特定のゴルファーが使用するためにカスタマイズされた特定のクラブの使用に重心をよりよく適合させるために、段階的に変化させてもよい。クラブの様々な「感触」特徴はまた、先に記述したように制御されてもよい。
【0041】
同様に、本発明は、アイアンタイプゴルフクラブヘッド(アイアンタイプハイブリッドゴルフクラブヘッドが含まれる)の使用に関して主に記述してきたが、当業者は、本発明の局面および特色が、アイアンタイプゴルフクラブヘッドの使用に限定されないことを認識するであろう。たとえば望ましければ、パタータイプおよび/またはウッドタイプ本体部材を、図1〜図4Bにおいて説明されるアイアンタイプクラブヘッド本体部材の代わりに用いてもよく、同じまたは類似の特色および/または構造がパターまたはウッド構造に含まれることが可能で、それらも本発明に含まれる。
【0042】
III.結論
本発明は、多様な例としての構造、特色、要素、ならびに構造、特色、および要素の組み合わせを参照して、上記でおよび添付の図面において説明される。しかし、本開示によって供給される目的は、本発明に関連する様々な特色および概念の例を提供することであり、本発明の範囲を制限することではない。当業者は多数のバリエーションおよび改変を上記の態様に行ってもよく、それらも添付の特許請求の範囲によって定められる本発明の範囲に含まれることを認識するであろう。たとえば、図1〜4Bに関連して先に記述した様々な特色および概念は、個々におよび/または任意の組み合わせもしくは小組み合わせで用いられてもよく、それらも本発明に含まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボール打撃面;
ボール打撃面と反対側のリア表面;
ソール部分およびリア表面が開いた上部を有するキャビティを定める、ボール打撃面からリア方向に伸びるソール部分;
インサート要素が、キャビティの開いた上部に露出される上表面および反対側の下表面を含み、下表面が少なくとも第一のウェイトポートをその中に含む、キャビティに取り付けられるインサート要素;および
第一のウェイトポートに取り付けられる第一のウェイト部材
を含む、アイアンゴルフクラブヘッド。
【請求項2】
下表面が第二のウェイトポートを含み、かつ第一のウェイトポートまたは第二のウェイトポートの1つがインサート要素のトウ先端に配置され、ならびに他のウェイトポートがインサート要素のヒール先端に配置される、請求項1記載のアイアンゴルフクラブヘッド。
【請求項3】
下表面が第二のウェイトポートを含み、かつゴルフクラブヘッドが、第二のウェイトポートに取り付けられる第二のウェイト部材をさらに含む、請求項1記載のアイアンゴルフクラブヘッド。
【請求項4】
インサート要素が、その中で第一のウェイトポートが形成される第一のポリマー部材、およびそこから上表面が形成される第二のポリマー部材を含み、かつ第一のポリマー部材が第二のポリマー部材より柔らかい、請求項1記載のアイアンゴルフクラブヘッド。
【請求項5】
インサート要素がキャビティを実質的に埋めて、かつ第一のポリマー部材のサイド表面の少なくとも一部がリア表面のすぐ隣であるかまたは接して存在する、請求項4記載のアイアンゴルフクラブヘッド。
【請求項6】
第一のポリマー部材が70 Shore Aまたはそれ未満の硬度を有し、かつ第二のポリマー部材が85 Shore Aまたはそれを超える硬度を有する、請求項4記載のアイアンゴルフクラブヘッド。
【請求項7】
キャビティが、フェースからリア方向のその全幅寸法の少なくとも2倍であるクラブヘッドのヒールからトウ方向の全長寸法を有する、請求項1記載のアイアンゴルフクラブヘッド。
【請求項8】
第一のウェイトポートがインサート要素のトウ先端に配置される、請求項1記載のアイアンゴルフクラブヘッド。
【請求項9】
第一のウェイトポートがインサート要素のヒール先端に配置される、請求項1記載のアイアンゴルフクラブヘッド。
【請求項10】
(a)ボール打撃面、(b)ボール打撃面と反対側のリア表面、(c)ソール部分およびリア表面が開いた上部を有するキャビティを定める、ボール打撃面からリア方向に伸びるソール部分、(d)インサート要素が、キャビティの開いた上部に露出される上表面および反対側の下表面を含み、下表面が少なくとも第一のウェイトポートをその中に含む、キャビティに取り付けられるインサート要素、および(e)第一のウェイトポートに取り付けられる第一のウェイト部材を含むゴルフクラブヘッド、ならびに
ゴルフクラブヘッドに係合したシャフト部材、
を含む、アイアンゴルフクラブ。
【請求項11】
下表面が第二のウェイトポートを含み、かつ第一のウェイトポートまたは第二のウェイトポートの1つがインサート要素のトウ先端に配置され、ならびに他のウェイトポートがインサート要素のヒール先端に配置される、請求項10記載のアイアンゴルフクラブ。
【請求項12】
下表面が第二のウェイトポートを含み、かつゴルフクラブヘッドが第二のウェイトポートに取り付けられる第二のウェイト部材をさらに含む、請求項10記載のアイアンゴルフクラブ。
【請求項13】
インサート要素が、その中に第一のウェイトポートが形成される第一のポリマー部材、およびそこから上表面が形成される第二のポリマー部材を含み、かつ第一のポリマー部材が第二のポリマー部材より柔らかい、請求項10記載のアイアンゴルフクラブ。
【請求項14】
第一のポリマー部材が70 Shore Aまたはそれ未満の硬度を有し、および第二のポリマー部材が85 Shore Aまたはそれを超える硬度を有する、請求項13記載のアイアンゴルフクラブ。
【請求項15】
キャビティが、フェースからリア方向のその全幅寸法の少なくとも2倍であるクラブヘッドのヒールからトウ方向の全長寸法を有する、請求項10記載のアイアンゴルフクラブ。
【請求項16】
第一のウェイトポートがインサート要素のトウ先端に配置される、請求項10記載のアイアンゴルフクラブ。
【請求項17】
第一のウェイトポートがインサート要素のヒール先端に配置される、請求項10記載のアイアンゴルフクラブ。
【請求項18】
シャフト部材に係合するグリップ部材をさらに含む、請求項10記載のアイアンゴルフクラブ。
【請求項19】
ボール打撃面、ボール打撃面と反対側のリア表面、およびボール打撃面からリア方向に伸びるソール部分を含むクラブヘッド本体を提供する段階であって、ソール部分およびリア表面が開いた上部を有するキャビティを定める、段階;
上表面および反対側の下表面を含むインサート要素を提供する段階であって、下表面が少なくとも第一のウェイトポートをその中に含む、段階;
第一のウェイト部材を第一のウェイトポートに挿入する段階;ならびに
インサート要素の上表面がキャビティの開いた上部で露出するように、インサート要素をキャビティに挿入する段階、
を含む、アイアンゴルフクラブヘッドを産生するための方法。
【請求項20】
インサート要素が、その中に第一のウェイトポートが形成される第一のポリマー部材、およびそこから上表面が形成される第二のポリマー部材を含み、かつ第一のポリマー部材が第二のポリマー部材より柔らかい、請求項19記載の方法。
【請求項21】
キャビティからインサート要素を取り外す段階;
第一のウェイトポートから第一のウェイト部材を取り外す段階;
第二のウェイト部材を第一のウェイトポートに挿入する段階;および
第二のウェイト部材を有するインサート要素をキャビティに挿入する段階、
をさらに含む、請求項19記載の方法。
【請求項22】
キャビティからインサート要素を取り外す段階;
第一のウェイトポートから第一のウェイト部材を取り外す段階;
インサート要素の下表面において定められる第二のウェイトポートに第一のウェイト部材を挿入する段階;および
第二のウェイトポートにおいて第一のウェイト部材を有するインサート要素をキャビティに挿入する段階、
をさらに含む、請求項19記載の方法。
【請求項23】
キャビティからインサート要素を取り外す段階;
第一のウェイトポートから第一のウェイト部材を取り外す段階;
第二のウェイト部材をインサート要素の下表面において定められる第二のウェイトポートに挿入する段階;および
第二のウェイトポートにおいて第二のウェイト部材を有するインサート要素をキャビティに挿入する段階、
をさらに含む、請求項19記載の方法。
【請求項24】
インサート要素の下表面において定められる第二のウェイトポートに第二のウェイト部材を挿入する段階;および
第二のウェイトポートにおいて第二のウェイト部材を有するインサート要素をキャビティに挿入する段階、
をさらに含む、請求項19記載の方法。
【請求項25】
(a)ボール打撃面、(b)ボール打撃面と反対側のリア表面、(c)ソール部分およびリア表面が開いた上部を有するキャビティを定める、ボール打撃面からリア方向に伸びるソール部分、(d)インサート要素が、上表面および反対側の下表面を含み、下表面が少なくとも第一のウェイトポートをその中に含み、かつインサート部材の上表面がキャビティの開いた上部に露出される、キャビティにおいて提供されたインサート要素、および(e)第一のウェイトポートに含まれる第一のウェイト部材、を含むゴルフクラブヘッドを提供する段階;ならびに
シャフト部材をゴルフクラブヘッドに係合させる段階、
を含む、アイアンゴルフクラブを産生するための方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【公表番号】特表2010−537731(P2010−537731A)
【公表日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−523055(P2010−523055)
【出願日】平成20年8月22日(2008.8.22)
【国際出願番号】PCT/US2008/073977
【国際公開番号】WO2009/032557
【国際公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【出願人】(505087849)ナイキ インコーポレーティッド (123)
【Fターム(参考)】