ウェブ、特に紙または厚紙からなるウェブの表および裏をコーティングおよび乾燥する装置
【課題】ウェブ、特に紙または厚紙からなるウェブの両面のコーティングおよび乾燥を省空間的かつ省エネルギー的方法で可能にする。
【解決手段】該装置は、走行方向Lに移動するウェブ12、特に紙または厚紙からなるウェブ、の第1面12aに、液体またはペースト状の塗布媒体を塗布する第1塗布装置14を有する。前記コーティング/乾燥装置はさらに、第1面12aの反対側に位置するウェブ12の第2面12bに、液体またはペースト状の塗布媒体を塗布する第2塗布装置16を有し、並びに乾燥装置18を有する。本発明によると、第2塗布装置16はウェブと接触することなく作動する塗布装置であり、乾燥装置18はウェブ12の走行方向Lにおいて両方の塗布装置14、16より下流に配置される。
【解決手段】該装置は、走行方向Lに移動するウェブ12、特に紙または厚紙からなるウェブ、の第1面12aに、液体またはペースト状の塗布媒体を塗布する第1塗布装置14を有する。前記コーティング/乾燥装置はさらに、第1面12aの反対側に位置するウェブ12の第2面12bに、液体またはペースト状の塗布媒体を塗布する第2塗布装置16を有し、並びに乾燥装置18を有する。本発明によると、第2塗布装置16はウェブと接触することなく作動する塗布装置であり、乾燥装置18はウェブ12の走行方向Lにおいて両方の塗布装置14、16より下流に配置される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コーティング/乾燥装置に関するもので、該装置は、走行方向に移動する材料ウェブ、特に紙または厚紙、の第1面に液体またはペースト状の塗布媒体を塗布する第1塗布装置を有し、第1面とは反対側の材料ウェブの第2面に液体またはペースト状の塗布媒体を塗布する第2塗布装置を有し、乾燥装置を有する。
【背景技術】
【0002】
このタイプのコーティング/乾燥装置は、先行技術において周知である。これらの装置では、通常、塗布媒体の層は材料ウェブの片面に塗布され、次に乾燥装置の中で乾燥される。その後ようやく材料ウェブのもう一方の面に塗布媒体層が塗布され、同様に乾燥される。こうしたコーティング/乾燥装置の欠点は、第1に、2つの乾燥装置を備えなければならない点で、これは、これらの乾燥装置の購入および維持に関して費用がかかるだけでなく、さらに、より多くの全空間を必要とする。第2に、片面乾燥のエネルギー効率、すなわち適用されるエネルギーの単位当りの乾燥効果には、多くの要求すべき点を残している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
これに対して、本発明の目的は、材料ウェブの両面のコーティングおよび乾燥を省空間的かつ省エネルギー的方法で可能にする、冒頭で述べたタイプのコーティング/乾燥装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明によると、この目的は汎用タイプのコーティング/乾燥装置によって達成され、該装置における第2塗布装置は非接触で作動する塗布装置であり、また該装置における乾燥装置は材料ウェブの走行方向において2つの塗布装置の下流に配置される。本発明によると、従って、中間乾燥は行われず、換言すれば第1塗布装置の位置と第2塗布装置の位置との間に設けられる乾燥装置はない。これにより、第1に、そうでなければ第2乾燥装置用に要する全空間を省き、第2に、第2乾燥装置の購入および維持に要する費用を節約する。さらに、乾燥装置によりもたらされる熱は、1つの湿った塗布媒体層で吸収されるだけでなく、2つの湿った塗布媒体層で吸収できる。熱吸収は、結果としてより高い効率となり、先行技術によるコーティング/乾燥装置と比較した場合、本発明によるコーティング/乾燥装置のエネルギー効率を向上させる。
【0005】
本発明の別の態様によると、汎用タイプのコーティング/乾燥装置について、2つの塗布装置を材料ウェブの走行方向においてほぼ同じ位置に配置し、乾燥装置を材料ウェブの走行方向において2つの塗布装置の下流に配置することが提案される。塗布装置は、少なくとも1つ、好ましくは両方を、非接触で作動する塗布装置として有利に設計することとができる。しかし、少なくとも1つの塗布装置が、塗布媒体層の形で塗布媒体を搬送する移送要素、好ましくは移送ローラ、の移送表面を用いて、間接的に塗布媒体を移送する塗布装置となる場合を除外するものではない。
【0006】
第2の態様によるコーティング/乾燥装置の本発明による構成を用いると、材料ウェブの両面がコーティングされる場合に中間乾燥を省くことが同様に可能で、2つの塗布装置の配置が材料ウェブの走行方向においてほぼ同じ位置の場合、この中間乾燥の省略は、適切な場合材料ウェブに余分に塗布する、接触塗布にも全く適合する。
【0007】
既述の非接触塗布装置は、実質的に余分なく塗布媒体を材料ウェブに塗布する(「1対1塗布」)。従って、過剰塗布媒体の余分をかき取る必要はなく、材料ウェブとの物理的接触は起こらない。この結果、非接触塗布装置は材料ウェブに対して低い応力しか加えず、具体的には、塗布媒体に含まれる液体による材料ウェブの軟化によってもたらされるだけである。使用される非接触塗布装置としては、例えば、スプレー塗布装置、あるいはカーテン塗布装置も可能である。
【0008】
原理的には、第1塗布装置は材料ウェブと接触してコーティングする塗布装置にすることも可能で、例えばブレード塗布装置という、塗布媒体の塗布層を平坦化するおよび/または調量するドクターブレードを有する塗布装置や、フィルム塗布装置という、材料ウェブが2つのローラの間に形成されたロール間隙を通って走行し、このロール間隙の中で、ローラの1つの表面に塗布された塗布媒体のフィルムと接触するに至る塗布装置、等の塗布装置が考えられる。しかし、本発明によると、第1塗布装置も、非接触で作動する塗布装置、例えばカーテン塗布装置、であると好ましい。これに関連した材料ウェブの低い応力は、本発明に関しては重要で、特に、本発明によると、材料ウェブは2つの塗布装置の間の中間乾燥装置での湿気の回収を行うことでの中間圧密を経験しないからである。
【0009】
コーティング/乾燥装置の配置にとって利用可能な全空間および他の境界条件次第では、少なくとも1つのカーテン塗布装置は、塗布媒体を材料ウェブに上から重力によって塗布することができる。しかし、これに加えてまたは別の方法として、少なくとも1つのカーテン塗布装置に偏向装置を割り当てることも可能で、この偏向装置は、カーテン塗布装置からの塗布媒体カーテンを、重力による進路から偏向させる。塗布媒体カーテンの偏向は、例えば、塗布媒体カーテン内の塗布媒体と偏向装置との間に発生する静電気および/または電磁気の相互作用を基にすることができる。静電気および/または電磁気で作動するこのタイプの偏向装置は、先行技術において周知であり、従ってここではこれ以上の詳細については説明しない。
【0010】
上記によると、両方のカーテン塗布装置からの塗布媒体カーテンを、偏向装置を用いて、重力によるそれぞれの進路から偏向させることも可能である。例示的ウェブ進路によると、材料ウェブはほぼ垂直に下から上に走行可能で、2つの塗布装置はそれぞれ材料ウェブのどちらか一方の面に配置され、2つの塗布媒体カーテンは、偏向装置を始動することで、そのままでは材料ウェブを湿らせるには至らない重力による進路から、材料ウェブを湿らせる作動進路へと偏向される。
【0011】
特に両方の塗布媒体カーテンを偏向する場合、2つの塗布装置は材料ウェブの走行方向においてほぼ同じ位置に配置されると有利である。
【0012】
さらに、2つの塗布装置は、ほぼ垂直方向、好ましくは下から上、に走行する材料ウェブの切片上に配置されるよう提案される。ここで「ほぼ垂直方向に走行する」と言う場合、全体として、正確に垂直な進路に対するより大きい角度許容差、適切ならば±45度まで、を含む。しかし、正確に垂直な進路に対してはより小さい角度差、例えば±20度、の方がより適切であろう。
【0013】
しかし、原理的には、第2塗布装置は、材料ウェブの走行方向において第1塗布装置から所定の距離をおいた下流に配置することもできる。例えば、2つの塗布装置は、塗布媒体の上からの塗布を可能にするために、ほぼ水平に走行する材料ウェブの走行部分の切片に配置することもできる。これは、特にカーテン塗布装置が使用される場合に有利である。この「上から」の塗布は、材料ウェブの正確に水平な進路から45度までの許容差があっても依然として容易に可能なので、「ほぼ水平な走行」という表現は、相当広く解釈される。
【0014】
一つがもう一つの上にくる塗布装置の配置は、利用可能な全高を活用し、それによって全体長を節約するので、その結果として、例えば、ほぼ水平に走行する切片の間の材料ウェブは、少なくとも1つのウェブ偏向ユニットを用いて、ほぼ180度偏向される。「ほぼ180度偏向される」という表現もまた上記に従って広く解釈され、約140〜210度の偏向を対象として含むことができることは言うまでもない。
【0015】
塗布されたばかりで、従って未だ湿っている塗布媒体層の表面特性に対して、湾曲したウェブ進路をもたらすウェブ偏向ユニットによるあらゆる影響を防止できるようにするために、第1塗布装置と第2塗布装置との間のウェブ偏向ユニットは、材料ウェブの未コーティングの第2面上に配置する、という対応がとられる。しかし、「エアターン」として知られる装置が使用される場合、換言すると、材料ウェブはこれら「エアターン」から放出される圧縮エアクッション上を非接触で誘導されるので、第1塗布装置と第2塗布装置との間のウェブ偏向ユニットは、原理的には、材料ウェブのコーティングされた第1面上に配置することもできる。
【0016】
最後に、さらにウェブターニング装置(web turning device)を、第1塗布装置と第2塗布装置との間に配置することも可能である。このウェブターニング装置の偏向ユニットの軸もしくはシャフトは、それぞれの偏向ユニットに向かって走行する材料ウェブのウェブ切片に対して平行に、かつ走行するウェブ切片の横方向に対して所定の角度で、伸びている。この接続では、「エアターン」もウェブ偏向ユニットとして使用することができる。これらは、例えば穴の空いたパイプとして、構成可能で、この穿孔は、圧縮ガスクッションを形成する圧縮ガスを放出するのに使用される。
【0017】
しかし、2つの塗布装置の配置に関わらず、特に塗布媒体液滴等によってコーティング装置全体の汚染を防止するためには、2つの塗布装置を共通のハウジングに収容すると有利である。
【0018】
本発明の発展形態では、さらに、第1塗布装置と乾燥装置との間の材料ウェブのウェブ走行部分の湾曲した切片は、少なくとも300mmの湾曲率の半径を有することが提案される。湾曲のこの最低半径が認められる場合のみ、ウェブ走行部分の湾曲した切片の領域で、未だ湿っている塗布層に作用する遠心力が、塗布媒体液滴が遠心力によって飛び散るのを防げるくらい弱くなる状態が確保される。このことは特に、1000m/分を超えるウェブ速度で当てはまる。
【0019】
本発明によるコーティング/乾燥装置は、移動する材料ウェブを安定させるため、および/または、移動する材料ウェブのうねり、特に横方向のうねり、を回避もしくは軽減するために、少なくとも1つの非接触の装置を有利に備えることができる。例えば、少なくとも1つのコアンダ効果ノズル装置を有利に設けることができる。回避もしくは軽減すべきうねり、特に横方向のうねり、を打ち消す対抗するうねり、特に長手方向のうねり、を生成する少なくとも1つのノズル装置の使用も有効である。
【0020】
さらに、本発明によるコーティング/乾燥装置は、移動する材料ウェブに沿って引きずられる空気境界層を破壊し、好ましくは除去あるいは軽減するための装置を、少なくとも1つ有利に備えることができる。この装置は、塗布媒体の塗布が空気境界層によって阻害されないよう、理想的には、それぞれの塗布装置の上流の近くもしくは直近に配置されるべきで、それによって高度な品質要求に見合ったコーティングが達成される。
【0021】
本発明は、いくつかの例示的実施形態について、添付の図面を参照しつつ、以下の記述においてより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明によるコーティング/ 乾燥装置の実施形態における配置およびウェブの走行の概略図である。
【図2】本発明によるコーティング/ 乾燥装置の実施形態における配置およびウェブの走行の概略図である。おける別の例の図である。
【図3】本発明によるコーティング/ 乾燥装置の実施形態における配置およびウェブの走行の概略図である。おける別の例の図である。
【図4】本発明によるコーティング/ 乾燥装置の実施形態における配置およびウェブの走行の概略図である。
【図5】製紙機械の乾燥部門の下流に接続された、本発明によるコーティング装置における別の例の図である。
【図6】製紙機械のコーティング/ 乾燥装置における例の同様の図である。
【図7】本発明によるコーティング/ 乾燥装置の実施形態における配置およびウェブの走行の別の概略図である。
【図8】本発明によるコーティング/ 乾燥装置の実施形態における配置およびウェブの走行の別の概略図である。
【図9】本発明によるコーティング/ 乾燥装置の実施形態における配置およびウェブの走行の別の概略図である。
【図10】移動する材料ウェブに対する塗布媒体の接触塗布を伴う、本発明によるコーティング/ 乾燥装置の実施形態における配置およびウェブの走行の同様の概略図である。
【図11】移動する材料ウェブに対する塗布媒体の接触塗布を伴う、本発明によるコーティング/ 乾燥装置の実施形態における配置およびウェブの走行の同様の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1では、本発明によるコーティング/乾燥装置を全体として10で示す。この装置は、走行方向Lに移動する材料ウェブ12の第1面12aに塗布媒体の第1層を塗布する第1塗布装置14と、面12aの反対側の材料ウェブ12の面12bに塗布媒体の第2層を塗布する第2塗布装置16と、材料ウェブ12の走行方向Lにおいて2つの塗布装置14および16の下流に配置された乾燥装置18と、を備えている。本発明によると、2つの塗布装置14および16の間を走行するウェブに対しては、別の乾燥装置はない。つまり、材料ウェブ12は、塗布装置14と塗布装置16との間で中間乾燥されることはない。
【0024】
図1に示すとおり、本例示的実施形態における両塗布装置14および16は、カーテン塗布装置として構成されており、換言すれば、装置内部で塗布媒体が自給式塗布媒体カーテンとして塗布装置のノズルから出て、外部からの力、特に重力の影響を受けて材料ウェブ12に向けて自由空間を通って移動する塗布装置である。この材料ウェブ12に対する塗布媒体の非接触式塗布により、材料ウェブ12には確実にわずかしか応力がかからない。特に、材料ウェブと塗布装置の要素、例えばドクターブレード等、との間の物理的相互作用の結果として起こる損傷の危険性がない。しかし原理的には、塗布装置14、16はスプレー塗布装置として構成することも可能である。
【0025】
さらに、2つの塗布装置14、16は、材料ウェブ12の進路でほぼ水平に伸びる切片12'および12''に配置され、材料ウェブ12に対してほぼ上から塗布媒体を塗布することは注目すべきである。この配置を可能にするために、図1によると、偏向ローラ20が設けられ、2つの塗布装置14と16との間の材料ウェブ12を偏向させる。図1による例示的実施形態のこれら偏向ローラ20は、両方とも材料ウェブ12の未コーティング面12b上に配置されるので、塗布装置14によって材料ウェブ12の面12aに塗布された層を損なわずにすむ。これに加えて、2つの偏向ローラ20は、比較的大きい直径を有するので、材料ウェブ12を偏向する間、塗布装置14によって材料ウェブ12に塗布された層には弱い遠心力しかかからない。
【0026】
最後に、非接触で作動する偏向装置22も、塗布装置16と乾燥装置10との間に配置される。この偏向装置22は、例えば「エアターン」として知られる装置による形成が可能で、圧縮エアクッションの上で非接触で材料ウェブ12を誘導する。
【0027】
本発明によるコーティング/乾燥装置の別の実施形態で、図1による実施形態にほぼ一致するものを、図2に示す。従って、図2では、類似部分には図1と同じ符号表示で、但し100を足した数字が示されている。さらに、図2による実施形態については、図1による実施形態と異なり、図1の説明が別の方法でここに特に示される点についてのみ、以下の本文で述べる。
【0028】
図2によるコーティング/乾燥装置110は、第1カーテン塗布装置114と第2カーテン塗布装置116との間で材料ウェブ112を偏向させる偏向ローラ120の構造に関してのみ、図1によるコーティング/乾燥装置10とは異なる。具体的には、図2による偏向ローラ120は、最初にコーティングされた材料ウェブ112の面112a上に配置される。従ってそれらは、非接触の偏向装置、例えば「エアターン」として知られる装置、として構成され、図1による実施形態を参照して、偏向装置22の例を使用して説明したとおりである。図2による実施形態でもまた、非接触で作動する偏向装置122が、材料ウェブ112の第2面112bをコーティングする塗布装置116と乾燥装置118との間に設けられる。
【0029】
本発明によるコーティング/乾燥装置の別の実施形態で、図1にほぼ一致するものを、図3に示す。従って、図3では、類似部分には図1と同じ符号表示で、但し200を足した数字が示されている。さらに、図3による実施形態については、図1による実施形態と異なり、図1の説明が別の方法でここに特に示される点についてのみ、以下の本文で述べる。
【0030】
図3によるコーティング/乾燥装置210では、2つのカーテン塗布装置214および216は、ほぼ下から上に移動する材料ウェブ212のどちらか一方の面の上に配置される。概略的に明示されている偏向装置224を用いて、2つの塗布装置214および216からの2つの塗布媒体カーテン214aおよび216bは、図3に破線で示される純粋に重力による進路から、材料ウェブ212の表面212aおよび212bを湿らせる進路に偏向する。偏向装置224は、例えば塗布媒体との静電気相互作用に基づいて、作動することができる。
【0031】
本発明によるコーティング/乾燥装置の別の実施形態で、図1にほぼ一致するものを、図4に示す。従って、図4では、類似部分には図1と同じ符号表示で、但し300を足した数字が示されている。さらに、図4による実施形態については、図1による実施形態と異なり、図1の説明が別の方法でここに特に示される点についてのみ、以下の本文で述べる。
【0032】
図4によるコーティング/乾燥装置310は、第1カーテン塗布装置314と第2カーテン塗布装置316との間で材料ウェブ312が偏向される方法についてのみ、図1および図2による実施形態と異なり、具体的には、図3によると、ウェブターニング装置326がこのために使用される。このウェブターニング装置326の偏向ユニット328の軸もしくはシャフト328aは、各偏向ユニット328へと走行する材料ウェブ12のウェブ切片に平行に伸び、かつウェブ切片が走行する縦方向Qに対しては所定の角度で伸びている。
【0033】
これらの軸もしくはシャフトはパイプとして構成され、多数の開口部を有し、圧縮空気供給源と連動して、ウェブを搬送するエアクッションを形成する。
【0034】
図5は、製紙機械の乾燥部440の下流に接続された本発明によるコーティング装置410を示す。移動する材料ウェブ412は、ガイドローラ442を用いて行われるウェブの偏向によって、上からコーティング装置(塗工機)の中へ導かれる。第1カーテン塗布装置414および第2カーテン塗布装置416の下でのウェブ誘導装置のさらに進んだ進路は、図1の例示的実施形態にほぼ一致する。使用は2つの偏向ローラ420で形成される。しかし、各塗布装置の上流では、移動材料ウェブによって引きずられる空気境界層を除去あるいは少なくとも軽減するために、好ましくは、例えば吸引ボックス444または446のような要素が設けられる。
【0035】
双方向矢印で示されるように、2つの塗布装置414および416は、好ましくは垂直に調節できる。材料ウェブは各塗布装置414もしくは416と溝槽448もしくは450との間を通って走行し、この溝槽は過剰な塗布媒体を回収する。
【0036】
第2塗布装置の下を通過した後、材料ウェブ412はエアターン422の上を非接触で作動する乾燥装置(図示せず)へと導かれる。例えば、熱風乾燥機を設けることもできる。エアターン422の代わりに、あるいはそれに加えて、エアノズル452によって誘導装置をさらに設けることもできる。エアノズルを通る材料ウェブの例示的進路は、破線(412')で示される。移動する材料ウェブにおいて、波の底と波の頂点が材料ウェブの走行方向もしくは長手方向に交互に続く軽いうねりが生成されるにように、エアノズルを配置することができ、このうねりは波の頂点と波の底が横方向に交互に続く材料ウェブの望ましくない横方向のうねりを打ち消す。
【0037】
偏向ローラ420について、塗布媒体(コーティング色素)が外れるのを避けるため、比較的大きい、例えば600mmより大きい、直径を有するローラについてまず検討する。
【0038】
図から明らかにわかるとおり、本発明によると、第1塗布装置414による塗布と、第2塗布装置416による塗布との間には、材料ウェブの中間乾燥は用意されていない。図5に従って実施されるウェブ誘導装置の図の重要な点は、それぞれにコーティングされたウェブ面は、十分な乾燥が完了するまで、どのウェブガイドローラもしくはそれに類するものにも接触しないということである。
【0039】
図6による配置では、コーティング/乾燥装置は、同様に製紙機械の乾燥部540の下流に接続される。材料ウェブ512は下からコーティング装置の中へ導かれ、続いて複数のガイドローラを用いて機械の走行方向と逆向きにウェブの偏向が行われる。第1塗布装置514は、好ましくは、上流に接続された空気境界層を取り去るあるいは避けるための要素、例えば吸引ボックス544のような要素を有する。材料ウェブ512は、図2による配置と同様の方法で、2つのエアターン520を用いて偏向されるので、材料ウェブは再び機械の走行方向に偏向される。再び機械の走行方向に移動する材料ウェブ切片に対して、第2塗布装置516が塗布を行う。好ましくは、空気境界層を取り去る/避ける要素546が第2塗布装置516の上流にさらに接続される。
【0040】
2つのエアターン520は、第1塗布装置514によってコーティングされた材料ウェブの面の上で、ガイドエアを用いて作用する。安定した材料ウェブ誘導装置を確保するために、材料ウェブのもう一方の未だコーティングされていない面に、1つ以上の支持ローラを割り当てることが可能である。材料ウェブは、好ましくはカーテン塗布装置として設計される第2塗布装置516の下を通過した後、第1塗布装置514と全く同様に、安定化のために使用されるエアノズル552を通って走行する。その後別のエアターン522によって非接触乾燥装置518の中へと偏向され、その下流には通常の乾燥部門の方法で接触して作動する別の乾燥装置560が接続できる。
【0041】
各コーティング/乾燥装置に供給される材料ウェブは、図5および図6によると、最初に下面が、その次に上面がコーティングされる。反対ももちろん可能で、すなわち上面が最初にコーティングされ、次に下面がコーティングされる。図5および6による両方の解決策は、前述の例示的実施形態の解決策と全く同様に、大変コンパクトであり、従って、また既存の図解における再構築手段としても適している。従来の解決策と(例えば、施工するのに好ましいカーテンコーティングの代わりとして、ブレードコーティングやフィルムコーティング等)比較して、十分に低い投資コストを想定することが可能であり、この低コストは特に中間乾燥を省くことで、またこれに関連したコンパクト性によって達成される。
【0042】
図7によるコーティング/乾燥装置610は、図5による配置におおむね一致する。前述の例示的実施形態で今まで使用したように、類似または一致する構成要素には同一の符号表示が使用され、それぞれ100を加えた数字となる。機械走行方向とは逆向きの偏向をもたらす偏向ローラと、材料ウェブの下側用の第1カーテン塗布装置614で空気境界層の除去用に上流に接続した要素644(吸引ボックスの代わりに、例えばあるタイプのドクターブレードも適している)を備えたものと、再び機械の走行方向に偏向をもたらす偏向ローラ620と、第2カーテン塗布装置616で理想的には同様に空気境界層の除去用に上流に接続した要素646を備えたものと、エアターン622によって非接触乾燥装置618の中へ材料ウェブ612を誘導するさらなる誘導装置と、が参照できる。破線の円で示されたX領域には、コアンダ効果装置または安定化ノズル装置、例えば装置452または552に一致する装置、を適宜設けることができる。
【0043】
別の適切な配置を図8に示す。いずれの場合も、吸引ボックス744および746、または空気境界層の除去もしくは軽減用の別の要素が、カーテン塗布装置714および716の上流に接続されるのが好ましい。分割部分を備えた設計のエアターン装置720およびエアターン722はそれぞれ、第2カーテン塗布装置716および図示していない乾燥装置に向けて、非接触のウェブ偏向をもたらす。
【0044】
図6の配置に非常に類似した配置を、図9に概略的に示す。図示された構成要素のタイプおよび機能は、図6で使用された符号表示に一致する符号表示によってそのまま示されている。エアターン722は、図5のように下向きではなく、材料ウェブ712を斜め上方向に偏向する。
【0045】
カーテン塗布装置814および816を用いてコーティングフィルムがそれぞれローラに充填された、塗布ローラ860および862による両面への間接塗布を図10に示す。材料ウェブは、塗布ローラ460および462に属するロール間隙を通って走行する。従って、2つの塗布装置、片側の814、860と、もう一方の側の816、862とは、材料ウェブの走行方向において材料ウェブにとってほぼ同じ位置に配置される。カーテン塗布装置ヘッド814および816を用いてコーティングされるローラ表面には、好ましくはそれぞれに、空気境界層を除去するあるいは少なくとも軽減する要素で、例えばエアカットとして知られる、要素844および846が割り当てられる。相当する要素を、ロール間隙の中へと走行する材料ウェブの面に対して割り当てることもできる。
【0046】
図10の配置に非常に類似しているが、材料ウェブ912が片側のみコーティングされる配置を、図11に示す。コーティングローラ960は、従って、1つの支持およびガイドローラ962にのみ割り当てられ、このガイドローラは材料ウェブ912を偏向させ、ローラ960と共にコーティングロール間隙を形成する。ローラ962から遠ざかる材料ウェブは、非接触の誘導装置によって、別の塗布装置、例えばカーテン塗布装置で、材料ウェブのもう一方の面をコーティングする装置、に供給することができる。
【0047】
もう一度、構成要素または要素452、552および領域Xを参照し、さらに要素444、446、544、546、644、646、744、746、844、846、944を参照すると、価値の高いコーティング成果を得るには、うねりの回避、およびウェブ誘導装置の高度な安定性の達成、さらに塗布を阻害する空気境界層の回避または少なくとも軽減が、実践においては大変重要であることに注目すべきである。ウェブの安定化および阻害的うねりの回避のためには、既述のコアンダ効果エアノズル装置が有利で適しており、この装置は、真空の生成によって、ウェブ誘導装置を強制的に制御し、材料ウェブのあらゆるうねりを平坦化し、さらに既述の複数のノズルを有する塗布ノズル装置は、ウェブの異なる面上に走行方向に交互に配置され、所定の方法で材料ウェブに対し走行方向にうねりを与えて、このうねりが横方向の有害なうねりを打ち消す。
【技術分野】
【0001】
本発明は、コーティング/乾燥装置に関するもので、該装置は、走行方向に移動する材料ウェブ、特に紙または厚紙、の第1面に液体またはペースト状の塗布媒体を塗布する第1塗布装置を有し、第1面とは反対側の材料ウェブの第2面に液体またはペースト状の塗布媒体を塗布する第2塗布装置を有し、乾燥装置を有する。
【背景技術】
【0002】
このタイプのコーティング/乾燥装置は、先行技術において周知である。これらの装置では、通常、塗布媒体の層は材料ウェブの片面に塗布され、次に乾燥装置の中で乾燥される。その後ようやく材料ウェブのもう一方の面に塗布媒体層が塗布され、同様に乾燥される。こうしたコーティング/乾燥装置の欠点は、第1に、2つの乾燥装置を備えなければならない点で、これは、これらの乾燥装置の購入および維持に関して費用がかかるだけでなく、さらに、より多くの全空間を必要とする。第2に、片面乾燥のエネルギー効率、すなわち適用されるエネルギーの単位当りの乾燥効果には、多くの要求すべき点を残している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
これに対して、本発明の目的は、材料ウェブの両面のコーティングおよび乾燥を省空間的かつ省エネルギー的方法で可能にする、冒頭で述べたタイプのコーティング/乾燥装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明によると、この目的は汎用タイプのコーティング/乾燥装置によって達成され、該装置における第2塗布装置は非接触で作動する塗布装置であり、また該装置における乾燥装置は材料ウェブの走行方向において2つの塗布装置の下流に配置される。本発明によると、従って、中間乾燥は行われず、換言すれば第1塗布装置の位置と第2塗布装置の位置との間に設けられる乾燥装置はない。これにより、第1に、そうでなければ第2乾燥装置用に要する全空間を省き、第2に、第2乾燥装置の購入および維持に要する費用を節約する。さらに、乾燥装置によりもたらされる熱は、1つの湿った塗布媒体層で吸収されるだけでなく、2つの湿った塗布媒体層で吸収できる。熱吸収は、結果としてより高い効率となり、先行技術によるコーティング/乾燥装置と比較した場合、本発明によるコーティング/乾燥装置のエネルギー効率を向上させる。
【0005】
本発明の別の態様によると、汎用タイプのコーティング/乾燥装置について、2つの塗布装置を材料ウェブの走行方向においてほぼ同じ位置に配置し、乾燥装置を材料ウェブの走行方向において2つの塗布装置の下流に配置することが提案される。塗布装置は、少なくとも1つ、好ましくは両方を、非接触で作動する塗布装置として有利に設計することとができる。しかし、少なくとも1つの塗布装置が、塗布媒体層の形で塗布媒体を搬送する移送要素、好ましくは移送ローラ、の移送表面を用いて、間接的に塗布媒体を移送する塗布装置となる場合を除外するものではない。
【0006】
第2の態様によるコーティング/乾燥装置の本発明による構成を用いると、材料ウェブの両面がコーティングされる場合に中間乾燥を省くことが同様に可能で、2つの塗布装置の配置が材料ウェブの走行方向においてほぼ同じ位置の場合、この中間乾燥の省略は、適切な場合材料ウェブに余分に塗布する、接触塗布にも全く適合する。
【0007】
既述の非接触塗布装置は、実質的に余分なく塗布媒体を材料ウェブに塗布する(「1対1塗布」)。従って、過剰塗布媒体の余分をかき取る必要はなく、材料ウェブとの物理的接触は起こらない。この結果、非接触塗布装置は材料ウェブに対して低い応力しか加えず、具体的には、塗布媒体に含まれる液体による材料ウェブの軟化によってもたらされるだけである。使用される非接触塗布装置としては、例えば、スプレー塗布装置、あるいはカーテン塗布装置も可能である。
【0008】
原理的には、第1塗布装置は材料ウェブと接触してコーティングする塗布装置にすることも可能で、例えばブレード塗布装置という、塗布媒体の塗布層を平坦化するおよび/または調量するドクターブレードを有する塗布装置や、フィルム塗布装置という、材料ウェブが2つのローラの間に形成されたロール間隙を通って走行し、このロール間隙の中で、ローラの1つの表面に塗布された塗布媒体のフィルムと接触するに至る塗布装置、等の塗布装置が考えられる。しかし、本発明によると、第1塗布装置も、非接触で作動する塗布装置、例えばカーテン塗布装置、であると好ましい。これに関連した材料ウェブの低い応力は、本発明に関しては重要で、特に、本発明によると、材料ウェブは2つの塗布装置の間の中間乾燥装置での湿気の回収を行うことでの中間圧密を経験しないからである。
【0009】
コーティング/乾燥装置の配置にとって利用可能な全空間および他の境界条件次第では、少なくとも1つのカーテン塗布装置は、塗布媒体を材料ウェブに上から重力によって塗布することができる。しかし、これに加えてまたは別の方法として、少なくとも1つのカーテン塗布装置に偏向装置を割り当てることも可能で、この偏向装置は、カーテン塗布装置からの塗布媒体カーテンを、重力による進路から偏向させる。塗布媒体カーテンの偏向は、例えば、塗布媒体カーテン内の塗布媒体と偏向装置との間に発生する静電気および/または電磁気の相互作用を基にすることができる。静電気および/または電磁気で作動するこのタイプの偏向装置は、先行技術において周知であり、従ってここではこれ以上の詳細については説明しない。
【0010】
上記によると、両方のカーテン塗布装置からの塗布媒体カーテンを、偏向装置を用いて、重力によるそれぞれの進路から偏向させることも可能である。例示的ウェブ進路によると、材料ウェブはほぼ垂直に下から上に走行可能で、2つの塗布装置はそれぞれ材料ウェブのどちらか一方の面に配置され、2つの塗布媒体カーテンは、偏向装置を始動することで、そのままでは材料ウェブを湿らせるには至らない重力による進路から、材料ウェブを湿らせる作動進路へと偏向される。
【0011】
特に両方の塗布媒体カーテンを偏向する場合、2つの塗布装置は材料ウェブの走行方向においてほぼ同じ位置に配置されると有利である。
【0012】
さらに、2つの塗布装置は、ほぼ垂直方向、好ましくは下から上、に走行する材料ウェブの切片上に配置されるよう提案される。ここで「ほぼ垂直方向に走行する」と言う場合、全体として、正確に垂直な進路に対するより大きい角度許容差、適切ならば±45度まで、を含む。しかし、正確に垂直な進路に対してはより小さい角度差、例えば±20度、の方がより適切であろう。
【0013】
しかし、原理的には、第2塗布装置は、材料ウェブの走行方向において第1塗布装置から所定の距離をおいた下流に配置することもできる。例えば、2つの塗布装置は、塗布媒体の上からの塗布を可能にするために、ほぼ水平に走行する材料ウェブの走行部分の切片に配置することもできる。これは、特にカーテン塗布装置が使用される場合に有利である。この「上から」の塗布は、材料ウェブの正確に水平な進路から45度までの許容差があっても依然として容易に可能なので、「ほぼ水平な走行」という表現は、相当広く解釈される。
【0014】
一つがもう一つの上にくる塗布装置の配置は、利用可能な全高を活用し、それによって全体長を節約するので、その結果として、例えば、ほぼ水平に走行する切片の間の材料ウェブは、少なくとも1つのウェブ偏向ユニットを用いて、ほぼ180度偏向される。「ほぼ180度偏向される」という表現もまた上記に従って広く解釈され、約140〜210度の偏向を対象として含むことができることは言うまでもない。
【0015】
塗布されたばかりで、従って未だ湿っている塗布媒体層の表面特性に対して、湾曲したウェブ進路をもたらすウェブ偏向ユニットによるあらゆる影響を防止できるようにするために、第1塗布装置と第2塗布装置との間のウェブ偏向ユニットは、材料ウェブの未コーティングの第2面上に配置する、という対応がとられる。しかし、「エアターン」として知られる装置が使用される場合、換言すると、材料ウェブはこれら「エアターン」から放出される圧縮エアクッション上を非接触で誘導されるので、第1塗布装置と第2塗布装置との間のウェブ偏向ユニットは、原理的には、材料ウェブのコーティングされた第1面上に配置することもできる。
【0016】
最後に、さらにウェブターニング装置(web turning device)を、第1塗布装置と第2塗布装置との間に配置することも可能である。このウェブターニング装置の偏向ユニットの軸もしくはシャフトは、それぞれの偏向ユニットに向かって走行する材料ウェブのウェブ切片に対して平行に、かつ走行するウェブ切片の横方向に対して所定の角度で、伸びている。この接続では、「エアターン」もウェブ偏向ユニットとして使用することができる。これらは、例えば穴の空いたパイプとして、構成可能で、この穿孔は、圧縮ガスクッションを形成する圧縮ガスを放出するのに使用される。
【0017】
しかし、2つの塗布装置の配置に関わらず、特に塗布媒体液滴等によってコーティング装置全体の汚染を防止するためには、2つの塗布装置を共通のハウジングに収容すると有利である。
【0018】
本発明の発展形態では、さらに、第1塗布装置と乾燥装置との間の材料ウェブのウェブ走行部分の湾曲した切片は、少なくとも300mmの湾曲率の半径を有することが提案される。湾曲のこの最低半径が認められる場合のみ、ウェブ走行部分の湾曲した切片の領域で、未だ湿っている塗布層に作用する遠心力が、塗布媒体液滴が遠心力によって飛び散るのを防げるくらい弱くなる状態が確保される。このことは特に、1000m/分を超えるウェブ速度で当てはまる。
【0019】
本発明によるコーティング/乾燥装置は、移動する材料ウェブを安定させるため、および/または、移動する材料ウェブのうねり、特に横方向のうねり、を回避もしくは軽減するために、少なくとも1つの非接触の装置を有利に備えることができる。例えば、少なくとも1つのコアンダ効果ノズル装置を有利に設けることができる。回避もしくは軽減すべきうねり、特に横方向のうねり、を打ち消す対抗するうねり、特に長手方向のうねり、を生成する少なくとも1つのノズル装置の使用も有効である。
【0020】
さらに、本発明によるコーティング/乾燥装置は、移動する材料ウェブに沿って引きずられる空気境界層を破壊し、好ましくは除去あるいは軽減するための装置を、少なくとも1つ有利に備えることができる。この装置は、塗布媒体の塗布が空気境界層によって阻害されないよう、理想的には、それぞれの塗布装置の上流の近くもしくは直近に配置されるべきで、それによって高度な品質要求に見合ったコーティングが達成される。
【0021】
本発明は、いくつかの例示的実施形態について、添付の図面を参照しつつ、以下の記述においてより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明によるコーティング/ 乾燥装置の実施形態における配置およびウェブの走行の概略図である。
【図2】本発明によるコーティング/ 乾燥装置の実施形態における配置およびウェブの走行の概略図である。おける別の例の図である。
【図3】本発明によるコーティング/ 乾燥装置の実施形態における配置およびウェブの走行の概略図である。おける別の例の図である。
【図4】本発明によるコーティング/ 乾燥装置の実施形態における配置およびウェブの走行の概略図である。
【図5】製紙機械の乾燥部門の下流に接続された、本発明によるコーティング装置における別の例の図である。
【図6】製紙機械のコーティング/ 乾燥装置における例の同様の図である。
【図7】本発明によるコーティング/ 乾燥装置の実施形態における配置およびウェブの走行の別の概略図である。
【図8】本発明によるコーティング/ 乾燥装置の実施形態における配置およびウェブの走行の別の概略図である。
【図9】本発明によるコーティング/ 乾燥装置の実施形態における配置およびウェブの走行の別の概略図である。
【図10】移動する材料ウェブに対する塗布媒体の接触塗布を伴う、本発明によるコーティング/ 乾燥装置の実施形態における配置およびウェブの走行の同様の概略図である。
【図11】移動する材料ウェブに対する塗布媒体の接触塗布を伴う、本発明によるコーティング/ 乾燥装置の実施形態における配置およびウェブの走行の同様の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1では、本発明によるコーティング/乾燥装置を全体として10で示す。この装置は、走行方向Lに移動する材料ウェブ12の第1面12aに塗布媒体の第1層を塗布する第1塗布装置14と、面12aの反対側の材料ウェブ12の面12bに塗布媒体の第2層を塗布する第2塗布装置16と、材料ウェブ12の走行方向Lにおいて2つの塗布装置14および16の下流に配置された乾燥装置18と、を備えている。本発明によると、2つの塗布装置14および16の間を走行するウェブに対しては、別の乾燥装置はない。つまり、材料ウェブ12は、塗布装置14と塗布装置16との間で中間乾燥されることはない。
【0024】
図1に示すとおり、本例示的実施形態における両塗布装置14および16は、カーテン塗布装置として構成されており、換言すれば、装置内部で塗布媒体が自給式塗布媒体カーテンとして塗布装置のノズルから出て、外部からの力、特に重力の影響を受けて材料ウェブ12に向けて自由空間を通って移動する塗布装置である。この材料ウェブ12に対する塗布媒体の非接触式塗布により、材料ウェブ12には確実にわずかしか応力がかからない。特に、材料ウェブと塗布装置の要素、例えばドクターブレード等、との間の物理的相互作用の結果として起こる損傷の危険性がない。しかし原理的には、塗布装置14、16はスプレー塗布装置として構成することも可能である。
【0025】
さらに、2つの塗布装置14、16は、材料ウェブ12の進路でほぼ水平に伸びる切片12'および12''に配置され、材料ウェブ12に対してほぼ上から塗布媒体を塗布することは注目すべきである。この配置を可能にするために、図1によると、偏向ローラ20が設けられ、2つの塗布装置14と16との間の材料ウェブ12を偏向させる。図1による例示的実施形態のこれら偏向ローラ20は、両方とも材料ウェブ12の未コーティング面12b上に配置されるので、塗布装置14によって材料ウェブ12の面12aに塗布された層を損なわずにすむ。これに加えて、2つの偏向ローラ20は、比較的大きい直径を有するので、材料ウェブ12を偏向する間、塗布装置14によって材料ウェブ12に塗布された層には弱い遠心力しかかからない。
【0026】
最後に、非接触で作動する偏向装置22も、塗布装置16と乾燥装置10との間に配置される。この偏向装置22は、例えば「エアターン」として知られる装置による形成が可能で、圧縮エアクッションの上で非接触で材料ウェブ12を誘導する。
【0027】
本発明によるコーティング/乾燥装置の別の実施形態で、図1による実施形態にほぼ一致するものを、図2に示す。従って、図2では、類似部分には図1と同じ符号表示で、但し100を足した数字が示されている。さらに、図2による実施形態については、図1による実施形態と異なり、図1の説明が別の方法でここに特に示される点についてのみ、以下の本文で述べる。
【0028】
図2によるコーティング/乾燥装置110は、第1カーテン塗布装置114と第2カーテン塗布装置116との間で材料ウェブ112を偏向させる偏向ローラ120の構造に関してのみ、図1によるコーティング/乾燥装置10とは異なる。具体的には、図2による偏向ローラ120は、最初にコーティングされた材料ウェブ112の面112a上に配置される。従ってそれらは、非接触の偏向装置、例えば「エアターン」として知られる装置、として構成され、図1による実施形態を参照して、偏向装置22の例を使用して説明したとおりである。図2による実施形態でもまた、非接触で作動する偏向装置122が、材料ウェブ112の第2面112bをコーティングする塗布装置116と乾燥装置118との間に設けられる。
【0029】
本発明によるコーティング/乾燥装置の別の実施形態で、図1にほぼ一致するものを、図3に示す。従って、図3では、類似部分には図1と同じ符号表示で、但し200を足した数字が示されている。さらに、図3による実施形態については、図1による実施形態と異なり、図1の説明が別の方法でここに特に示される点についてのみ、以下の本文で述べる。
【0030】
図3によるコーティング/乾燥装置210では、2つのカーテン塗布装置214および216は、ほぼ下から上に移動する材料ウェブ212のどちらか一方の面の上に配置される。概略的に明示されている偏向装置224を用いて、2つの塗布装置214および216からの2つの塗布媒体カーテン214aおよび216bは、図3に破線で示される純粋に重力による進路から、材料ウェブ212の表面212aおよび212bを湿らせる進路に偏向する。偏向装置224は、例えば塗布媒体との静電気相互作用に基づいて、作動することができる。
【0031】
本発明によるコーティング/乾燥装置の別の実施形態で、図1にほぼ一致するものを、図4に示す。従って、図4では、類似部分には図1と同じ符号表示で、但し300を足した数字が示されている。さらに、図4による実施形態については、図1による実施形態と異なり、図1の説明が別の方法でここに特に示される点についてのみ、以下の本文で述べる。
【0032】
図4によるコーティング/乾燥装置310は、第1カーテン塗布装置314と第2カーテン塗布装置316との間で材料ウェブ312が偏向される方法についてのみ、図1および図2による実施形態と異なり、具体的には、図3によると、ウェブターニング装置326がこのために使用される。このウェブターニング装置326の偏向ユニット328の軸もしくはシャフト328aは、各偏向ユニット328へと走行する材料ウェブ12のウェブ切片に平行に伸び、かつウェブ切片が走行する縦方向Qに対しては所定の角度で伸びている。
【0033】
これらの軸もしくはシャフトはパイプとして構成され、多数の開口部を有し、圧縮空気供給源と連動して、ウェブを搬送するエアクッションを形成する。
【0034】
図5は、製紙機械の乾燥部440の下流に接続された本発明によるコーティング装置410を示す。移動する材料ウェブ412は、ガイドローラ442を用いて行われるウェブの偏向によって、上からコーティング装置(塗工機)の中へ導かれる。第1カーテン塗布装置414および第2カーテン塗布装置416の下でのウェブ誘導装置のさらに進んだ進路は、図1の例示的実施形態にほぼ一致する。使用は2つの偏向ローラ420で形成される。しかし、各塗布装置の上流では、移動材料ウェブによって引きずられる空気境界層を除去あるいは少なくとも軽減するために、好ましくは、例えば吸引ボックス444または446のような要素が設けられる。
【0035】
双方向矢印で示されるように、2つの塗布装置414および416は、好ましくは垂直に調節できる。材料ウェブは各塗布装置414もしくは416と溝槽448もしくは450との間を通って走行し、この溝槽は過剰な塗布媒体を回収する。
【0036】
第2塗布装置の下を通過した後、材料ウェブ412はエアターン422の上を非接触で作動する乾燥装置(図示せず)へと導かれる。例えば、熱風乾燥機を設けることもできる。エアターン422の代わりに、あるいはそれに加えて、エアノズル452によって誘導装置をさらに設けることもできる。エアノズルを通る材料ウェブの例示的進路は、破線(412')で示される。移動する材料ウェブにおいて、波の底と波の頂点が材料ウェブの走行方向もしくは長手方向に交互に続く軽いうねりが生成されるにように、エアノズルを配置することができ、このうねりは波の頂点と波の底が横方向に交互に続く材料ウェブの望ましくない横方向のうねりを打ち消す。
【0037】
偏向ローラ420について、塗布媒体(コーティング色素)が外れるのを避けるため、比較的大きい、例えば600mmより大きい、直径を有するローラについてまず検討する。
【0038】
図から明らかにわかるとおり、本発明によると、第1塗布装置414による塗布と、第2塗布装置416による塗布との間には、材料ウェブの中間乾燥は用意されていない。図5に従って実施されるウェブ誘導装置の図の重要な点は、それぞれにコーティングされたウェブ面は、十分な乾燥が完了するまで、どのウェブガイドローラもしくはそれに類するものにも接触しないということである。
【0039】
図6による配置では、コーティング/乾燥装置は、同様に製紙機械の乾燥部540の下流に接続される。材料ウェブ512は下からコーティング装置の中へ導かれ、続いて複数のガイドローラを用いて機械の走行方向と逆向きにウェブの偏向が行われる。第1塗布装置514は、好ましくは、上流に接続された空気境界層を取り去るあるいは避けるための要素、例えば吸引ボックス544のような要素を有する。材料ウェブ512は、図2による配置と同様の方法で、2つのエアターン520を用いて偏向されるので、材料ウェブは再び機械の走行方向に偏向される。再び機械の走行方向に移動する材料ウェブ切片に対して、第2塗布装置516が塗布を行う。好ましくは、空気境界層を取り去る/避ける要素546が第2塗布装置516の上流にさらに接続される。
【0040】
2つのエアターン520は、第1塗布装置514によってコーティングされた材料ウェブの面の上で、ガイドエアを用いて作用する。安定した材料ウェブ誘導装置を確保するために、材料ウェブのもう一方の未だコーティングされていない面に、1つ以上の支持ローラを割り当てることが可能である。材料ウェブは、好ましくはカーテン塗布装置として設計される第2塗布装置516の下を通過した後、第1塗布装置514と全く同様に、安定化のために使用されるエアノズル552を通って走行する。その後別のエアターン522によって非接触乾燥装置518の中へと偏向され、その下流には通常の乾燥部門の方法で接触して作動する別の乾燥装置560が接続できる。
【0041】
各コーティング/乾燥装置に供給される材料ウェブは、図5および図6によると、最初に下面が、その次に上面がコーティングされる。反対ももちろん可能で、すなわち上面が最初にコーティングされ、次に下面がコーティングされる。図5および6による両方の解決策は、前述の例示的実施形態の解決策と全く同様に、大変コンパクトであり、従って、また既存の図解における再構築手段としても適している。従来の解決策と(例えば、施工するのに好ましいカーテンコーティングの代わりとして、ブレードコーティングやフィルムコーティング等)比較して、十分に低い投資コストを想定することが可能であり、この低コストは特に中間乾燥を省くことで、またこれに関連したコンパクト性によって達成される。
【0042】
図7によるコーティング/乾燥装置610は、図5による配置におおむね一致する。前述の例示的実施形態で今まで使用したように、類似または一致する構成要素には同一の符号表示が使用され、それぞれ100を加えた数字となる。機械走行方向とは逆向きの偏向をもたらす偏向ローラと、材料ウェブの下側用の第1カーテン塗布装置614で空気境界層の除去用に上流に接続した要素644(吸引ボックスの代わりに、例えばあるタイプのドクターブレードも適している)を備えたものと、再び機械の走行方向に偏向をもたらす偏向ローラ620と、第2カーテン塗布装置616で理想的には同様に空気境界層の除去用に上流に接続した要素646を備えたものと、エアターン622によって非接触乾燥装置618の中へ材料ウェブ612を誘導するさらなる誘導装置と、が参照できる。破線の円で示されたX領域には、コアンダ効果装置または安定化ノズル装置、例えば装置452または552に一致する装置、を適宜設けることができる。
【0043】
別の適切な配置を図8に示す。いずれの場合も、吸引ボックス744および746、または空気境界層の除去もしくは軽減用の別の要素が、カーテン塗布装置714および716の上流に接続されるのが好ましい。分割部分を備えた設計のエアターン装置720およびエアターン722はそれぞれ、第2カーテン塗布装置716および図示していない乾燥装置に向けて、非接触のウェブ偏向をもたらす。
【0044】
図6の配置に非常に類似した配置を、図9に概略的に示す。図示された構成要素のタイプおよび機能は、図6で使用された符号表示に一致する符号表示によってそのまま示されている。エアターン722は、図5のように下向きではなく、材料ウェブ712を斜め上方向に偏向する。
【0045】
カーテン塗布装置814および816を用いてコーティングフィルムがそれぞれローラに充填された、塗布ローラ860および862による両面への間接塗布を図10に示す。材料ウェブは、塗布ローラ460および462に属するロール間隙を通って走行する。従って、2つの塗布装置、片側の814、860と、もう一方の側の816、862とは、材料ウェブの走行方向において材料ウェブにとってほぼ同じ位置に配置される。カーテン塗布装置ヘッド814および816を用いてコーティングされるローラ表面には、好ましくはそれぞれに、空気境界層を除去するあるいは少なくとも軽減する要素で、例えばエアカットとして知られる、要素844および846が割り当てられる。相当する要素を、ロール間隙の中へと走行する材料ウェブの面に対して割り当てることもできる。
【0046】
図10の配置に非常に類似しているが、材料ウェブ912が片側のみコーティングされる配置を、図11に示す。コーティングローラ960は、従って、1つの支持およびガイドローラ962にのみ割り当てられ、このガイドローラは材料ウェブ912を偏向させ、ローラ960と共にコーティングロール間隙を形成する。ローラ962から遠ざかる材料ウェブは、非接触の誘導装置によって、別の塗布装置、例えばカーテン塗布装置で、材料ウェブのもう一方の面をコーティングする装置、に供給することができる。
【0047】
もう一度、構成要素または要素452、552および領域Xを参照し、さらに要素444、446、544、546、644、646、744、746、844、846、944を参照すると、価値の高いコーティング成果を得るには、うねりの回避、およびウェブ誘導装置の高度な安定性の達成、さらに塗布を阻害する空気境界層の回避または少なくとも軽減が、実践においては大変重要であることに注目すべきである。ウェブの安定化および阻害的うねりの回避のためには、既述のコアンダ効果エアノズル装置が有利で適しており、この装置は、真空の生成によって、ウェブ誘導装置を強制的に制御し、材料ウェブのあらゆるうねりを平坦化し、さらに既述の複数のノズルを有する塗布ノズル装置は、ウェブの異なる面上に走行方向に交互に配置され、所定の方法で材料ウェブに対し走行方向にうねりを与えて、このうねりが横方向の有害なうねりを打ち消す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行方向(L)に移動する材料ウェブの、それぞれ一方の面及び前記一方の面とは反対側の他方の面に、塗布媒体を塗布する2つの塗布装置と、
前記材料ウェブの前記走行方向(L)において前記2つの塗布装置の間に配置され、前記材料ウェブを偏向する少なくとも1つの偏向ユニットと、
前記材料ウェブの前記走行方向(L)において前記2つの塗布装置及び前記偏向ユニットの下流に配置される乾燥装置とを含むコーティング/乾燥装置であって、
前記偏向ユニットのシャフトは、それぞれの偏向ユニットに向かって走行する前記材料ウェブのウェブ切片に対して平行に、かつ、走行するウェブ切片の横方向(Q)に対して所定の角度で伸びている、コーティング/乾燥装置。
【請求項2】
前記2つの塗布装置の少なくとも1つは、前記材料ウェブに非接触で作動する、請求項1に記載のコーティング/乾燥装置。
【請求項3】
前記2つの塗布装置のうち前記材料ウェブに非接触で作動する塗布装置は、スプレー塗布装置又はカーテン塗布装置である、請求項2に記載のコーティング/乾燥装置。
【請求項4】
前記2つの塗布装置の少なくとも1つは、カーテン塗布装置である、請求項1に記載のコーティング/乾燥装置。
【請求項5】
前記カーテン塗布装置の少なくとも1つに割当てられ、前記カーテン塗布装置からの塗布媒体カーテンを重力による進路から偏向させる偏向装置をさらに含む、請求項4に記載のコーティング/乾燥装置。
【請求項6】
前記2つの塗布装置の少なくとも1つは、塗布媒体を重力によって上から前記材料ウェブに塗布する、請求項1に記載のコーティング/乾燥装置。
【請求項7】
前記2つの塗布装置は、ほぼ水平に走行する前記材料ウェブの進路の切片に配置される、請求項1〜請求項6に記載のコーティング/乾燥装置。
【請求項8】
前記偏向ユニットは、前記材料ウェブの未コーティングの面上に配置される、請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載のコーティング/乾燥装置。
【請求項9】
前記2つの塗布装置を収容するハウジングをさらに含む、請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載のコーティング/乾燥装置。
【請求項10】
前記2つの塗布装置のうち前記材料ウェブの走行方向において上流に配置される塗布装置と前記乾燥装置との間の前記材料ウェブの前記ウェブ走行の湾曲した切片は、少なくとも300mmの湾曲率の半径を有する、請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載のコーティング/乾燥装置。
【請求項11】
前記移動する材料ウェブを安定させるための、及び/又は、前記移動する材料ウェブのうねり、特に横方向のうねりを回避又は軽減する少なくとも1つの非接触装置をさらに含む、請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載のコーティング/乾燥装置。
【請求項12】
前記材料ウェブに向けられた少なくとも1つのコアンダ効果ノズル装置をさらに含む、請求項11に記載のコーティング/乾燥装置。
【請求項13】
前記少なくとも1つのノズル装置は、対向するうねり及び長手方向のうねりの少なくとも1つを生成することによって、横方向のうねりを回避又は軽減する、請求項12に記載のコーティング/乾燥装置。
【請求項14】
前記移動する材料ウェブに沿って引きずられる空気境界層を破壊、除去、又は軽減する少なくとも1つの装置をさらに含む、請求項1〜請求項13のいずれか1項に記載のコーティング/乾燥装置。
【請求項1】
走行方向(L)に移動する材料ウェブの、それぞれ一方の面及び前記一方の面とは反対側の他方の面に、塗布媒体を塗布する2つの塗布装置と、
前記材料ウェブの前記走行方向(L)において前記2つの塗布装置の間に配置され、前記材料ウェブを偏向する少なくとも1つの偏向ユニットと、
前記材料ウェブの前記走行方向(L)において前記2つの塗布装置及び前記偏向ユニットの下流に配置される乾燥装置とを含むコーティング/乾燥装置であって、
前記偏向ユニットのシャフトは、それぞれの偏向ユニットに向かって走行する前記材料ウェブのウェブ切片に対して平行に、かつ、走行するウェブ切片の横方向(Q)に対して所定の角度で伸びている、コーティング/乾燥装置。
【請求項2】
前記2つの塗布装置の少なくとも1つは、前記材料ウェブに非接触で作動する、請求項1に記載のコーティング/乾燥装置。
【請求項3】
前記2つの塗布装置のうち前記材料ウェブに非接触で作動する塗布装置は、スプレー塗布装置又はカーテン塗布装置である、請求項2に記載のコーティング/乾燥装置。
【請求項4】
前記2つの塗布装置の少なくとも1つは、カーテン塗布装置である、請求項1に記載のコーティング/乾燥装置。
【請求項5】
前記カーテン塗布装置の少なくとも1つに割当てられ、前記カーテン塗布装置からの塗布媒体カーテンを重力による進路から偏向させる偏向装置をさらに含む、請求項4に記載のコーティング/乾燥装置。
【請求項6】
前記2つの塗布装置の少なくとも1つは、塗布媒体を重力によって上から前記材料ウェブに塗布する、請求項1に記載のコーティング/乾燥装置。
【請求項7】
前記2つの塗布装置は、ほぼ水平に走行する前記材料ウェブの進路の切片に配置される、請求項1〜請求項6に記載のコーティング/乾燥装置。
【請求項8】
前記偏向ユニットは、前記材料ウェブの未コーティングの面上に配置される、請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載のコーティング/乾燥装置。
【請求項9】
前記2つの塗布装置を収容するハウジングをさらに含む、請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載のコーティング/乾燥装置。
【請求項10】
前記2つの塗布装置のうち前記材料ウェブの走行方向において上流に配置される塗布装置と前記乾燥装置との間の前記材料ウェブの前記ウェブ走行の湾曲した切片は、少なくとも300mmの湾曲率の半径を有する、請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載のコーティング/乾燥装置。
【請求項11】
前記移動する材料ウェブを安定させるための、及び/又は、前記移動する材料ウェブのうねり、特に横方向のうねりを回避又は軽減する少なくとも1つの非接触装置をさらに含む、請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載のコーティング/乾燥装置。
【請求項12】
前記材料ウェブに向けられた少なくとも1つのコアンダ効果ノズル装置をさらに含む、請求項11に記載のコーティング/乾燥装置。
【請求項13】
前記少なくとも1つのノズル装置は、対向するうねり及び長手方向のうねりの少なくとも1つを生成することによって、横方向のうねりを回避又は軽減する、請求項12に記載のコーティング/乾燥装置。
【請求項14】
前記移動する材料ウェブに沿って引きずられる空気境界層を破壊、除去、又は軽減する少なくとも1つの装置をさらに含む、請求項1〜請求項13のいずれか1項に記載のコーティング/乾燥装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−17711(P2010−17711A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−219510(P2009−219510)
【出願日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【分割の表示】特願2004−514790(P2004−514790)の分割
【原出願日】平成15年6月18日(2003.6.18)
【出願人】(300080412)ボイス ペ−パ− パテント ゲ−エムベ−ハ− (25)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【分割の表示】特願2004−514790(P2004−514790)の分割
【原出願日】平成15年6月18日(2003.6.18)
【出願人】(300080412)ボイス ペ−パ− パテント ゲ−エムベ−ハ− (25)
【Fターム(参考)】
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