説明

エアゾール散布器

エアゾール散布器は、エアゾール容器(2)に取り付けるように構成された散布ヘッド(1)を含む。散布ヘッド(1)は、実行メカニズム(8)及び連結メカニズム(9)を含み、容器(2)は、実行突起(3)及び連結突起(10)を含む。連結メカニズム(9)が解除可能に連結突起(10)と係合して散布ヘッド(1)を容器(2)に取り付けることによって、実行突起(3)が実行メカニズム(8)と係合してエアゾール散布器を作動可能状態にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアゾール散布器に関し、より詳細には、選択的に起動されて自動的にエアゾールを散布することのできるエアゾール散布器に関するが、これに限定されない。
【背景技術】
【0002】
様々な形態のエアゾール散布器が知られている。例えば、国際公開第95/19304号には、流体で供給される流動性物質(例えば、防虫剤、空気清浄剤、又は消臭剤)を散布する自動エアゾール散布器について報告されている。一般的に、このような散布器は、散布ヘッドと、流動性物質を収容する詰め替え容器との、少なくとも2つの部分から形成されている。
【0003】
このようなエアゾール散布器は、いったん起動されると、停止されるまで、又は充電が切れるまで、又は流動性材料がなくなるまで、蒸気の噴出として、流動性物質を断続的に放出する。
【0004】
しかしながら、この散布メカニズムは、いったん起動されると、詰め替え容器が散布ヘッドに取り付けられているかいないかに関わらず、周期的に起動する。これは、起動手段(例えば、スイッチ又はボタン)が誤って押された場合に起こり得る。この結果、散布メカニズムは時間と共に損耗し、詰め替え容器だけでなくユニット全体の交換が必要となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第95/19304号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、上記欠点のうちのいくつかを克服する、若しくは少なくとも改善する、或いは少なくとも一般の人々に有用な選択肢を与える、エアゾール散布器を提供することにある。
【0007】
本発明の他の目的は、単なる例として述べられる以下の説明から明らかとなり得る。
【課題を解決するための手段】
【0008】
広義には、本発明の一態様は、加圧容器と結合させるのに適した散布ヘッドを備え、この加圧容器には、自動エアゾール散布器を起動することのできる作動可能状態にする環状部(collar)が嵌合される。
【0009】
広義には、本発明の一態様は、散布ヘッドに取り付けて加圧された中身を放出する加圧容器を備え、この容器は、
容器の頂面から延出しており、散布ヘッドが容器に連結されて起動されると、散布ヘッドの制御下において中身が通過して放出される且つ放出され得る、散布ヘッド連結突起と、
容器の頂面から延出しており、作動可能状態にあるとき、或いは、他の制御入力によって、散布ヘッドが起動されると、容器の中身が散布ヘッドを介して容器から散布され得るように、散布ヘッドの実行メカニズムを作動させるよう意図された且つ作動させることのできる、実行突起と、
を備える。
【0010】
一実施形態では、連結突起は、容器の頂面から突出しており、散布ヘッドの連結メカニズムの相補的開口部と噛合する。連結メカニズムのこの相補的開口部は、ねじ切りを含むのが好ましい。この連結突起は、弁を備えるのがより好ましい。
【0011】
一実施形態では、実行突起は、連結突起を少なくとも部分的に包囲する。この実行突起は、連結突起を完全に包囲するのが好ましい。この実行突起は、連結突起を曲線状に包囲するのがより好ましい。
【0012】
一実施形態では、実行突起は、弁キャップと一体形成されている。
【0013】
一実施形態では、実行突起は、加圧容器の頂面上に嵌合される。この実行突起は、連結突起によって、所定位置に固定されるのが好ましい。この実行突起は、連結突起によって、加圧容器の頂面上に固定されるのがより好ましい。
【0014】
一実施形態では、実行メカニズムは、加圧容器が散布ヘッドと完全に連結すると、直接的に或いは間接的に実行突起に接触する。この連結によって実行メカニズムが移動することにより、散布ヘッドが作動可能状態になるのが好ましい。この実行メカニズムは、カムであり、移動するとスイッチを作動させて散布ヘッドを作動可能状態にするのがより好ましい。
【0015】
一実施形態では、実行メカニズムスイッチは、直接的に或いは間接的に印刷回路基板に接続されており、加圧容器が連結された後、カムが移動することによって、この実行メカニズムスイッチは、横方向に移動され、散布ヘッドをオン位置にする。カムは、下方に付勢されるのが好ましい。このカムは、バネによって下方に付勢されるのがより好ましい。
【0016】
一実施形態では、散布ヘッドは、実行メカニズムとは別のスイッチ、ボタン、又はレバーによって起動される。この散布ヘッドは、スイッチによって起動されるのが好ましい。
【0017】
広義には、本発明の一態様は、連結メカニズムと、この連結メカニズムを貫通するように設けられて流動性物質の制御放出を可能とする流体通路とを有する、散布ヘッドを、アセンブリ、コンビネーション、又はキットとして備える。加圧容器は、連結メカニズム内に連結されるか、若しくは連結メカニズム内に連結することができ、起動されると、この容器から流動性物質を放出する。散布ヘッド及び容器は、容器の連結突起から始まり散布ヘッドと連動する連動機構を有し、この連動によって直接的に容器からの流動性物質を散布するか、或いは、散布ヘッドへの他の制御入力によって容器からの流動性物質を散布ヘッドから放出する。
【0018】
一実施形態では、容器の連結突起は、散布ヘッドと相補的に連動して連結する。加圧容器連結突起と散布ヘッド連結メカニズムとは、相補的なねじ結合によって連結されるのが好ましい。
【0019】
一実施形態では、加圧容器の頂面からの実行突起は、散布ヘッドの対応する機構と噛合する。この実行突起は、連結突起を部分的に或いは完全に包囲し、直接的に或いは間接的に散布ヘッドの実行メカニズムに接触するのが好ましい。この実行突起は、加圧容器が散布ヘッドと連結されると、散布ヘッド実行メカニズムを上方に移動させるのがより好ましい。
【0020】
一実施形態では、加圧容器が散布ヘッドと連結することによって、散布ヘッド及び加圧容器の連動機構が接触し、アセンブリが作動可能状態になる。
【0021】
一実施形態では、実行メカニズムは可動スイッチである。このスイッチは、散布ヘッドが加圧容器と連結すると、加圧容器の実行突起によって上方に移動される、この実行メカニズムは、(好ましくはバネによって)下方に付勢されるのが好ましい。この実行メカニズムは、カム及びスイッチを備えるのがより好ましい。
【0022】
一実施形態では、実行メカニズムは、カム及び起動可能スイッチである。加圧容器が散布ヘッドと連結することによってカムが移動すると、実行突起がカムを上方に移動させ、これにより、スイッチが横方向に移動して、アセンブリが作動可能状態になる。スイッチは、印刷回路基板に接続された移動可能部材を備えるのが好ましい。カムは、上方に移動するとスイッチに接触し、スイッチを横方向に移動させるのがより好ましい。
【0023】
広義には、本発明の一態様は、相補的な加圧容器の連結機構を備える。この連結機構は、連結された容器から散布ヘッドの制御下において放出された流体を通すことができる。加圧容器には、少なくとも1つの実行機構が設けられており、この実行機構は、散布ヘッドの部分と連動することに依存している容器の連結機構を包囲するよう曲線状にされている。
【0024】
広義には、本発明の一態様は、
1.連結メカニズム、流体通路、及び実行メカニズムを備える散布ヘッドと、流動性材料を収容し連結突起及び実行突起を備える加圧容器とを、始動させる若しくは連結するステップと、
2.散布ヘッドと加圧容器とを連結すると、実行突起が直接的に或いは間接的に実行メカニズムに接触し、これにより、実行メカニズムが上方に移動するステップと、
3.実行メカニズムが上方に移動することによって、スイッチが起動して散布ヘッドを作動可能状態にするステップと、
4.散布ヘッドが起動して、流体通路を介して散布ヘッドから流動性材料を放出させるステップと、
を備える、加圧容器から環境中へ流動性材料を導く方法を備える。
【0025】
一実施形態では、実行メカニズムは、スイッチを起動させるカムである。カムは、スイッチを横方向に移動させるのが好ましい。このカムは、直接的に実行突起に接触するのがより好ましい。一実施形態では、散布ヘッドと加圧容器は、ねじ切りを用いて連結する。
【0026】
一実施形態では、カムが上方に移動することによって、印刷回路基板に接続されたスイッチが横方向に移動する。スイッチが移動することによって、散布ヘッドが作動可能状態になる。一実施形態では、加圧容器は、散布ヘッドと完全に連結されたときのみ、散布ヘッドを作動可能状態にする。加圧容器が連結突起及び連結メカニズムを介して散布ヘッドに完全に螺合されたときに、完全連結がもたらされるのが好ましい。
【0027】
一実施形態では、カムは、下方に付勢される。この付勢は、バネ作用によって調整されるのが好ましい。
【0028】
本発明の他の態様は、単なる例として、添付の図面を参照しながら述べられる、以下の説明から明らかとなり得る。
【0029】
本明細書中で用いられている「及び/又は」という語は、「及び」、「又は」、或いはその両方を意味する。
【0030】
本明細書中で用いられている名詞の後の「(複数の場合あり)((s))」は、その名詞の複数形及び/又は単数形を意味する。
【0031】
本明細書中で用いられている「備えている(comprising)」という語は、「〜で少なくとも一部が構成されている(consisting at least in part of)」を意味する。この語を含む本明細書中の記述を解釈する際、各記述においてこの語の後にくる機構は全てなくてはならないが、他の機構もあってよい。「備える(comprise)」及び「備えられる(comprised)」のような関連語も、同様に解釈されるべきである。
【0032】
また、本発明は、広く、本出願の本明細書中で個別に又はまとめて言及した若しくは示した部分、要素、及び機構、並びに、これらの部分、要素、又は機構のうちのいずれか2つ以上から成るいずれか若しくは全ての組み合わせで構成されると見なされてもよく、本明細書中では、本発明が関連する当業界では既知の等価物を有する特定の完全体(integers)について述べたが、このような既知の等価物は、個別に説明されたかのように本明細書中に組み込まれると考えられる。
【0033】
次に、本発明を、単なる例として、以下の図面を参照しながら説明する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1A】従来技術の加圧容器の等角図である。
【図1B】加圧容器の一実施形態の等角図である。
【図2】加圧容器の一実施形態に連結された散布ヘッドの一実施形態の部分断面略図である。
【図3】加圧容器の別の実施形態と連結関係にある、図2の散布ヘッドの部分断面略図である。
【図4】加圧容器の更に別の実施形態と連結関係にある、図2の散布ヘッドの部分断面略図である。
【図5】図2の加圧容器と連結関係にある、散布ヘッドの別の実施形態の部分断面略図である。
【図6A】作動不可能状態にある実行メカニズム及び実行突起を示す略図である。
【図6B】作動可能状態にある実行メカニズム及び実行突起を示す略図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
加圧容器2と結合させるのに適した散布ヘッド1について広く述べる。この加圧容器2には、散布ヘッド1を起動することのできる作動可能状態にする環状の実行突起3が嵌合される。
【0036】
散布ヘッド1に取り付けて加圧された中身を放出する加圧容器2について、本明細書中に説明する。この容器2は、
容器2の頂面6から延出しており、散布ヘッド1が加圧容器2に連結されて起動されると、散布ヘッド1の制御下において中身が通過して放出される且つ放出され得る、散布ヘッド連結突起10と、
加圧容器2の頂面6から延出しており、作動可能状態にあるとき、或いは、他の制御入力によって、散布ヘッド1が起動されると、容器2の中身が散布ヘッド1を介して容器2から散布され得るように、散布ヘッド1の実行メカニズム8を作動させるよう意図された且つ作動させることのできる、実行突起3と、
を備える。
【0037】
一実施形態では、連結突起10は、容器2の頂面6から突出しており、散布ヘッド1の相補的連結メカニズム9と噛合する。この相補的連結メカニズム9は、ねじ切りであるのが好ましい。この連結メカニズム9は、弁4を備えるのがより好ましい。
【0038】
一実施形態では、実行突起3は、連結突起10を少なくとも部分的に包囲する。この実行突起3は、連結突起10を完全に包囲するのが好ましい。この実行突起3は、連結突起10を曲線状に包囲するのがより好ましい。
【0039】
一実施形態では、実行突起3は、加圧容器2の頂面6上に嵌合される。この実行突起3は、連結突起10によって、所定位置に固定されるのが好ましい。この実行突起3は、連結突起10によって、加圧容器2の頂面6上に固定されるのがより好ましい。
【0040】
一実施形態では、実行突起3は、弁キャップ16と一体形成されている。
【0041】
一実施形態では、実行メカニズム8は、加圧容器2が散布ヘッド1と完全に連結すると、直接的に或いは間接的に実行突起3に接触する。この連結によって実行メカニズム8が移動することにより、散布ヘッド1が作動可能状態になるのが好ましい。この実行メカニズム8は、カム5を備え、移動するとスイッチ11を作動させて散布ヘッド1を作動可能状態にするのがより好ましい。
【0042】
一実施形態では、実行メカニズムスイッチ11は、直接的に或いは間接的に印刷回路基板12に接続されており、加圧容器2が連結された後、カム5が移動することによって、この実行メカニズムスイッチ11は、横方向に移動され、散布ヘッド1を作動可能状態にする。カム5は、下方に付勢されるのが好ましい。このカム5は、バネ(図示せず)によって下方に付勢されるのがより好ましい。
【0043】
一実施形態では、散布ヘッド1は、実行メカニズム8のものとは別個のスイッチ、ボタン、又はレバー13などによって起動される。この散布ヘッド1は、スイッチ13によって起動されるのが好ましい。
【0044】
連結メカニズム9と、それを貫通するように設けられて流動性物質の制御放出を可能とする流体通路とを有する、散布ヘッド1を含むアセンブリ、コンビネーション、又はキットについて、本明細書中に説明する。加圧容器2は、連結メカニズム9内に連結されるか、若しくは連結メカニズム9内に連結することができ、起動されると、この容器2から流動性物質を放出する。散布ヘッド1及び容器2は、連結突起10から始まり散布ヘッド1と連動する連動機構を有し、この連動によって直接的に容器2からの流動性物質を散布するか、或いは、散布ヘッド1への他の制御入力によって容器2からの流動性物質を散布ヘッド1から放出する。
【0045】
一実施形態では、連結突起10は、散布ヘッド1と相補的に連動して連結する。加圧容器連結可能突起10と散布ヘッド連結メカニズム9とは、相補的なねじ結合によって連結するのが好ましい。
【0046】
一実施形態では、連動機構は、加圧容器2の頂面6から延出し散布ヘッド1と噛合する、実行突起3を備える。この実行突起3は、直接的に或いは間接的に散布ヘッド1の連結メカニズム9に接触する、連結突起10を部分的に或いは完全に包囲するのが好ましい。この実行突起3は、加圧容器2が散布ヘッド1と連結されると、実行メカニズム8を上方に移動させるのがより好ましい。
【0047】
一実施形態では、加圧容器2が散布ヘッド1と連結することによって、散布ヘッド1及び加圧容器2の連動機構が接触し、アセンブリが作動可能状態になる。
【0048】
一実施形態では、散布ヘッド実行メカニズム8は、散布ヘッド1が加圧容器2と連結すると、加圧容器2の実行突起3によって上方に移動される、可動スイッチである。この実行メカニズム8は、(好ましくはバネによって)下方に付勢されるのが好ましい。この実行メカニズム8は、カム5及びスイッチ11を備えるのがより好ましい。
【0049】
一実施形態では、散布ヘッド1の実行メカニズム8は、カム5及び起動可能スイッチ11である。加圧容器2が散布ヘッド1と連結することによってカム5が移動すると、実行突起3によってカム5が上方に移動し、これにより、スイッチ11が横方向に移動して、アセンブリが作動可能状態になる。スイッチ11は、印刷回路基板12に接続された移動可能部材を備えるのが好ましい。カム5は、上方に移動するとスイッチ11に接触し、スイッチ11を横方向に移動させるのがより好ましい。
【0050】
連結された容器から散布ヘッド1の制御下において放出された流体を通すことのできる、加圧容器2の連結突起10について、本明細書中に説明する。散布ヘッド1は、少なくとも1つの連結メカニズム9を含む。加圧容器2は、その連結可能機構10を包囲する曲線部分によって散布ヘッド1の部分と連動することに依存している。
【0051】
1.連結メカニズム9、流体通路(図示せず)、及び実行メカニズム8を備える散布ヘッド1と、流動性材料を収容し連結突起10及び実行突起3を備える加圧容器2とを、始動させる若しくは連結するステップと、
2.散布ヘッド1と加圧容器2とを連結すると、実行突起3が直接的に或いは間接的に実行メカニズム8に接触し、これにより、実行メカニズム8が上方に移動するステップと、
3.実行メカニズム8が上方に移動することによって、スイッチ11が起動して散布ヘッド1を作動可能状態にするステップと、
4.散布ヘッド1が起動して、流体通路を介して散布ヘッド1から流動性材料を放出させるステップと、
を備える、加圧容器2から環境中へ流動性材料を導く方法について、本明細書中に説明する。
【0052】
一実施形態では、実行メカニズム8は、スイッチ11を起動させるカム5を備える。カム5は、スイッチ11を横方向に移動させるのが好ましい。このカム5は、直接的に実行突起3に接触するのがより好ましい。一実施形態では、散布ヘッド1と加圧容器2は、ねじ切りを用いて連結する。
【0053】
一実施形態では、カム5が上方に移動することによって、印刷回路基板12に接続されたスイッチ11が横方向に移動する。スイッチ11が横方向に移動することによって、散布ヘッド1が作動可能状態になる。
【0054】
一実施形態では、加圧容器2は、散布ヘッド1と完全に連結されたときのみ、散布ヘッド1を作動可能状態にする。加圧容器2が連結突起10及び連結メカニズム9を介して散布ヘッド1に完全に螺合されたときに、完全連結がもたらされるのが好ましい。
【0055】
一実施形態では、カム5は、下方に付勢される。この付勢は、バネ作用によって調整されるのが好ましい。
【0056】
本発明の利点の1つは、確実に、実行突起3が嵌合されていない加圧容器2は、散布ヘッド1を起動させることができない、という点である。また、これにより、確実に、加圧容器2が正しく嵌合されたときのみ、散布ヘッド1は作動し、加圧容器2が取り付けられなければ、散布ヘッド1は不用意に且つ無駄に作動せず、実行突起3を備えた特別構成の加圧容器2のみを散布ヘッド1と組み合わせて用いることによって、散布ヘッド1を化学反応又は機械的損傷から保護することができる。
【0057】
図2は、本発明の散布ヘッド1及び加圧容器2を示している。図1Bに示されているように、この加圧容器2は、その上面6上に配置された環状の実行突起3を含む。
【0058】
図1Bに示されているように、この実行突起3は、容器弁4の周囲に配置され得る。当然のことながら、実行メカニズム8を起動させるのに、環状部が示されているが、他のメカニズムを用いてもよい。例えば、部分的包囲部若しくは直立部、傾斜部、又は突起であってよい。
【0059】
図2は、実行突起3を含む加圧容器2に嵌合されて結合された、散布ヘッド1の部分断面図である。図2は、更に散布ヘッド1の実行メカニズム8を示している。
【0060】
この実行メカニズム8は、カム動作として、図2〜図6に示されている。しかし、当然のことながら、これは本発明を実施することのできる単なる一実施形態にすぎない。他の実行メカニズム8は、スイッチ11に接触することによって、或いは、スイッチ11が実行突起3に直接的に取り付けられていることによって、直接的にスイッチ11を起動させる実行突起3を含む。
【0061】
図2〜図6に示されているように、この実行メカニズム8は、例えばバネによって下方位置に付勢されているカム5を備える。このカム5は、加圧容器2が散布ヘッド1に取り付けられると、上方に移動する。取り付け方法の1つとしては、ねじ切りが用いられる。カム5が上方に移動すると、スイッチ11が横方向に移動する。カム5は、上方に移動するとスイッチ11を内側へオン状態に移動させるように設計されている。スイッチ11は、内側へ移動されると、電気回路基板12を起動させて自動散布器電磁弁14に電力を供給し、次に、この電磁弁14によって、容器2の中身が噴霧ノズル15を通って噴霧物若しくは霧状のものとして大気中に流れる。
【0062】
図3は、加圧容器2の頂部上に嵌合されるキャップ16の部分断面図である。このキャップ16は、実行メカニズム8を起動させて散布ヘッド1を作動可能状態にする似たような実行突起3が、その設計に組み込まれている。
【0063】
図4は、本発明の別の実施形態の部分断面図であり、この実施形態では、実行突起3が容器2と一体形成されている。この実行突起3も、実行メカニズム8を起動させて散布ヘッド1を作動可能状態にする。
【0064】
図5は、別のスイッチメカニズムの部分断面図であり、このスイッチメカニズムによって、カム5はスイッチ11に対して垂直に上方に移動され、これにより、散布ヘッド1が作動可能状態にされる。
【0065】
図6は、実行突起3の動作が実行メカニズム8に与える影響を明示している略図である。図6Aでは、加圧容器2が散布ヘッド1に完全には螺合されておらず、実行突起3はスイッチ11を起動させていない。図6Bでは、加圧容器2が散布ヘッド1に完全に螺合されており、実行突起3は上方に移動されてスイッチ11を起動させている。
【0066】
各加圧容器2は、流動性材料が通過することのできる開口部を有する。一実施形態では、加圧容器2の弁4が、この開口部の外側に嵌合され、圧迫処理によって加圧容器2上に固定される。
【0067】
散布ヘッド1は、いったん起動されると、噴霧手順を自動的に繰り返すことができ、これにより、流動性材料は、加圧容器2から散布ヘッド1内へ連続的に流れることができる。
【0068】
本発明は、以下のような、互いに独立していても同時並行していてもよい、いくつかの利点をユーザにもたらす。
1.この自動散布器は、容器2がなければ作動しない。本発明がなければ、自動散布器は、容器2が結合されていない状態で作動し続けることができ、ユーザに利点をもたらさない。ゆえに、電池エネルギーが不必要に使用され、散布メカニズムが余分に且つ不必要に損耗する。
2.この散布器を作動させるには、容器2を散布ヘッド1に正しく且つ完全に螺合させることも必要とされる。容器2は、散布ヘッド1に完全に螺合されていない場合、誤って嵌合されて、その中身を環境中へ漏出させる可能性がある。
3.本発明は、この自動エアゾール散布器に未承認のエアゾール容器が嵌合できることを制限する。未承認エアゾール容器の中身は、この自動エアゾール散布器の正しい動作及び/又は性能に損傷を与え得る若しくは影響を及ぼし得る。
4.本発明は、コストが低く、充填作業中にエアゾール容器に容易に嵌合される。
【0069】
上記説明において、既知の等価物を有する要素又は完全体について言及したが、このような等価物は、個別に説明されたかのように含まれる。
【0070】
例として且つ特定の実施形態に関して本発明を説明してきたが、当然のことながら、本発明の範囲又は精神を逸脱しない限り、修正及び/又は改良を行ってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0071】
適切に構成されたエアゾール容器が完全に装填されているときのみ作動する、エアゾール散布器を提示してきた。このエアゾール散布器は、エアゾール容器がないと作動不可能状態のままであるため、使用するエネルギーがより少なく、散布メカニズムの余分な損耗を制限する。
【0072】
上記説明を考慮すれば、本発明に対する多数の修正点が当業者には明らかであろう。従って、この説明は、単なる例示と見なされ、当業者が本発明を行って使用すると共に本発明を実施する最良の形態を教示することができるようにする目的で提示されている。添付の特許請求の範囲内における全ての修正点に対する独占権は、明白に留保される。本明細書中に引用された特許、公開特許及び特許出願、並びにその他の参照文献は、参照によりその全体が本明細書中に組み込まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
実行メカニズム(8)及び連結メカニズム(9)を含む、散布ヘッド(1)と、
実行突起(3)及び連結突起(10)を含む、容器(2)と、
を備える、エアゾール散布器であって、
前記連結メカニズム(9)が解除可能に前記連結突起(10)と係合して前記散布ヘッド(1)を前記容器(2)に取り付けることによって、前記実行突起(3)が前記実行メカニズム(8)と係合してエアゾール散布器を作動可能状態にすることを特徴とする、
エアゾール散布器。
【請求項2】
前記実行メカニズム(8)が、下方に付勢されたカム(5)、スイッチ(11)、及び制御回路(12)を備え、
前記散布ヘッド(1)が前記容器(2)に取り付けられると、前記カム(5)が上方に移動されて前記スイッチ(11)と係合する、請求項1に記載のエアゾール散布器。
【請求項3】
前記カム(5)が上方に移動されることによって前記スイッチ(11)と横方向に係合することにより、エアゾール散布器を作動可能状態にする、請求項2に記載のエアゾール散布器。
【請求項4】
前記カム(5)が上方に移動されることによって前記スイッチ(11)と縦方向に係合することにより、エアゾール散布器を作動可能状態にする、請求項2に記載のエアゾール散布器。
【請求項5】
前記連結突起(10)が弁(4)を備える、請求項1〜4のいずれか一項に記載のエアゾール散布器。
【請求項6】
前記散布ヘッド(1)が、前記散布ヘッド(1)が前記容器(2)に取り付けられると前記弁(4)と流体連通するように構成された電磁弁(14)を更に備える、請求項5に記載のエアゾール散布器。
【請求項7】
前記散布ヘッド(1)が、前記電磁弁(14)を作動させる手動スイッチ(13)を更に備える、請求項6に記載のエアゾール散布器。
【請求項8】
前記実行突起(3)が、前記容器(2)に取り付けられるキャップ(16)を備える、請求項1〜7のいずれか一項に記載のエアゾール散布器。
【請求項9】
前記連結突起(10)が、前記実行突起(3)によって少なくとも部分的に包囲されていると共に、前記連結メカニズム(9)の対応するねじ切りに取り付けるためのねじ切りを含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載のエアゾール散布器。
【請求項10】
下方に付勢されたカム(5)、スイッチ(11)、及び制御回路(12)を含む、実行メカニズム(8)と、連結メカニズム(9)とを含む、散布ヘッド(1)、
を備える、エアゾール散布器であって、
前記連結メカニズム(9)が解除可能に容器(2)上の連結突起(10)と係合して前記散布ヘッド(1)を前記容器(2)に取り付けるように構成されていることによって、前記容器(2)上の実行突起(3)が前記カム(5)を上方に移動させることを特徴とする、
エアゾール散布器。
【請求項11】
前記カム(5)が上方に移動されることによって前記スイッチ(11)と係合することにより、エアゾール散布器を作動可能状態にする、請求項10に記載のエアゾール散布器。
【請求項12】
前記カム(5)が、前記容器(2)が取り外されると、前記スイッチ(11)から離れるように構成されていることによって、エアゾール散布器を作動不可能状態にする、請求項11に記載のエアゾール散布器。
【請求項13】
前記容器(2)を更に含む、請求項10〜12のいずれか一項に記載のエアゾール散布器。
【請求項14】
前記連結突起(10)が、弁(4)を備えると共に、前記実行突起(3)によって少なくとも部分的に包囲されている、請求項13に記載のエアゾール散布器。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【公表番号】特表2011−515285(P2011−515285A)
【公表日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−500807(P2011−500807)
【出願日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際出願番号】PCT/US2009/001718
【国際公開番号】WO2009/117113
【国際公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【出願人】(500106743)エス.シー. ジョンソン アンド サン、インコーポレイテッド (168)
【Fターム(参考)】