説明

エタロンフィルタ

【課題】 波長温度特性を向上させ、また消光比の変化量が従来よりも少なくする。
【解決手段】 ガラス又は水晶からなる第一の透明部材及び第二の透明部材と、第一の透明部材と第二の透明部材との間に設けられる中空部材とを備え、第一の透明部材が中空部材と対向する面及びこの面と平行となる反対側の面に反射膜を備え、第二の透明部材が中空部材と対向する面及びこの面と平行となる反対側の面に反射膜を備え、第一の透明部材と中空部材とが接合され、第二の透明部材と中空部材とが接合され、第一の透明部材及び第二の透明部材の厚みをt、中空部材の開口幅をaとしたとき、t/a≧0.3で構成されることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザ装置に用いられるエタロンフィルタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、レーザ装置は、半導体レーザと、この半導体レーザから照射されるレーザ光を平行にする光学系と、レーザ光を2系統に分割するビームスプリッタと、分割された一方のレーザ光に所定の波長の共振をさせるファブリペロー共振器と、このレーザ光が入射される光検出器とから主に構成される。
【0003】
このように構成されるレーザ装置において、ファブリペロー共振器を2枚の反射板を用いた構造が知られている。この構造のファブリペロー共振器は、2枚の反射板の高い設置精度が求められる。例えば、2枚の反射板は、秒単位の平行度で設置しなければ、レーザ光の光透過特性が変わってしまうという問題があった(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
そこで、ファブリペロー共振器に代えてエタロンフィルタを用いたレーザ装置が提案されている。従来のエタロンフィルタには、例えば、ソリッド構造とエアギャップ構造の2種類のものが用いられている。
【0005】
ソリッド構造のエタロンフィルタは、例えば、四角柱形状の部材の平行となる2平面に反射膜を設けた構造となっている。反射膜を設けた2平面のうち、一方の平面側から他方の平面に向けて光が透過するようになっている(例えば、特許文献1参照)。
ここで、エタロンフィルタを透過する光の特性について説明する。例えば、図1(b)に示すように、エタロンフィルタを透過する光は、縦軸を透過強度T(λ)、横軸を波長λとしたとき、所定の間隔で透過強度T(λ)の強度が高くなるピークを複数生じさせる特性を有している。
【0006】
この複数のピークのうちの隣り合う2つのピークの間隔をFSR(フリー・スペクトラム・レンジ)という。
このFSRは、2平面に設けた反射膜の間をエタロンフィルタの光路の物理長数Lとしソリッドの屈折率をnとしたとき、光路の物理長数Lとソリッドの屈折率をnの積及び波長λによって決まる値でもある。
例えば、FSRは、以下の式で近似される。
FSR=λ/(2nL)
【0007】
エアギャップ構造のエタロンフィルタは、2つの平板状の透明部材の間に2つの板部材を挟み、これら2つの板部材を所定の間隔をあけて2つの透明部材の間に空間を形成した構造となっている(例えば、特許文献2参照)。ここで2つの平板状の透明部材には、互いに向かい合う平面に反射膜が設けられている。このようなエアギャップ構造のエタロンフィルタは、2つの板部材によって、2つの平板状の透明部材の距離を所定の間隔に保つことができるようになっている。
ここで、エアギャップ構造のエタロンフィルタは、2つの透明部材に設けられた反射膜の間を光路の物理長数Lとしている。この場合のFSRは、ソリッド構造のエタロンフィルタと同様に光路の物理長数Lとエアギャップ部の媒質の屈折率nの積によって決まる。
また、エアギャップ構造のエタロンフィルタは、2つの平板状の透明部材の間に設けられる板部材を接合するために、接着剤を用いている。エアギャップ構造のエタロンフィルタは、接合に接着剤を用いることで容易な製造を可能としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許2835068号公報
【特許文献2】特開2003−195031号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、エアギャップ構造のエタロンフィルタにおいて、接着剤を用いた接合状態では、製造の状況により接着剤の厚みにバラツキが生じる場合がある。このとき、接着剤の厚みのバラツキがエタロンフィルタの光路の物理長数Lを狂わせる原因となる。
また、接着剤でエアギャップ構造のエタロンフィルタを製造した場合、接着剤の厚みにより2つの平板状の透明部材が平行にならない状態で位置する場合がある。この場合もエタロンフィルタの光路の物理長数Lを狂わせる原因となる。
したがって、光路の物理長数Lと定めたエタロンフィルタが接着剤により異なる光路の物理長数L´となってしまう。
これにより、エタロンフィルタを透過する光の特性が、縦軸を透過強度T(λ)、横軸を波長λとしたとき、エタロンフィルタの光路の物理長数Lで定めたFSRとは異なる位置にずれて新たなFSR´となる(図1(b)参照)。
そのため、所定の透過強度T(λ)に対して波長λが異なった値を示すこととなり、光学装置で使用されている発振波長を正しく知ること、つまり、発振波長のモニターが正しくできなくなる恐れがある。
【0010】
また、2つの透明部材の所定の厚みによっては、波長温度特性が大きくなったり、外部の温度変化による波長温度特性の変動があった。
また、エアギャップ型のエタロンフィルタが、外部の空気を介在させる構造である場合、この外部から空気の影響で、例えば、波長190nm以下の光が吸収されさてしまう現象が発生することが懸念される。また、この空気より結露が生じる場合は、水分のOH基の影響で波長1400nm、2200nm、2700nmの光が吸収される現象が発生することが懸念される。そのため、消光比が悪化してしまう恐れがあった。
【0011】
そこで、本発明では、前記した問題を解決し、波長温度特性を向上させ、また消光比の変化量が従来よりも少ないエタロンフィルタを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記課題を解決するため、本発明は、エタロンフィルタであって、 第一の透明部材と、第二の透明部材と、前記第一の透明部材と前記第二の透明部材との間に設けられる中空部材と、を備え、前記第一の透明部材が、前記中空部材と対向する面に反射膜を備えつつ前記反射膜上に第一接合膜を備え、前記第二の透明部材が、前記中空部材と対向する面に反射膜を備えつつ前記反射膜上に第二接合膜を備え、前記中空部材が、中空部分の開口周囲であって前記第一の透明部材と対向する面及び前記第二の透明部材と対向する面に第三接合膜を備え、前記第一の透明部材の第一接合膜と前記中空部材の第三接合膜とがオプティカルコンタクトにより接合され、前記第二の透明部材の第二接合膜と前記中空部材の第三接合膜とがオプティカルコンタクトにより接合され、前記中空部材の中空の内部が気密状態となり、前記第一の透明部材及び前記第二の透明部材の厚みをt、前記中空部材の開口幅をaとしたとき、t/a≧0.3となるように構成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
このようなエタロンフィルタによれば、接着剤を用いずに第一の透明部材と中空部材と第二の透明部材とを接合でき、かつ、厚みのバラツキを軽減することができるので、エタロンフィルタの光路の物理長数Lの変化と透明部材の間に介在する媒質の屈折率nの変化を起こしにくくすることができる。また、前記第一の透明部材及び前記第二の透明部材の厚みをt、前記中空部材の開口幅をaとしたとき、t/a≧0.3となるように構成されるので、温度変化による中空部分の膨張や収縮の影響が小さくなり、前記第一の透明部材及び前記第二の透明部材の変形が軽減される。これにより、波長温度特性が向上し、また消光比の変化量が従来よりも少なくすることができる。
また、前記第一接合膜、前記第二接合膜、前記第三接合膜の膜厚が1nm以下となっているので、入射される光の屈折を考慮する必要がなく、また、前記第一接合膜と前記第三接合膜との接合、及び前記第二接合膜と前記第三接合膜との接合がオプティカルコンタクトにより接合されているので、熱環境による剥がれを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】(a)は本発明の実施形態に係るエタロンフィルタの一例を示す断面図であり、(b)は透過強度と波長の関係を示すグラフである。
【図2】(a)は第一ウェハと第二ウェハと第三ウェハの一例を示す模式図であり、(b)は、第一ウェハと第三ウェハと第二ウェハとを接合した状態を示す模式図であり、(c)は貫通孔の開口形状が円形となっている状態を示す模式図である。
【図3】波長温度特性の規格化厚みの依存性を示す図である。
【図4】(a)は、300℃の温度で5分間、加熱したときの消光比の変化量を示す図であり、(b)は、300℃の温度で5分間、加熱したときの波長温度特性を示す図である。
【図5】接着剤が用いられた場合とオプティカルコンタクトによる接合が用いられた場合とを比較した図であって、(a)は、FSRの値を比較した図であり、(b)は、消光比を比較した図であり、(c)は波長温度特性を比較した図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、本発明を実施するための最良の形態(以下、「実施形態」という。)について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各構成要素について、状態をわかりやすくするために、誇張して図示している。
【0016】
図1(a)に示すように、本発明の実施形態に係るエタロンフィルタ100は、第一の透明部材10と第二の透明部材20と中空部材30とから主に構成されている。
【0017】
第一の透明部材10は、透明部材であって例えばガラス又は結晶材料からなり、例えば四角柱形状に形成されている。この四角柱形状の第一の透明部材10は、所定の平行する2面間を光が透過するようになっている。この所定の平行する2面のうちの一方の面は、後述する中空部材30と対向している。また、この第一の透明部材10は、後述する中空部材30と対向する面に反射膜11
を備えている。
なお、第一の透明部材10には、中空部材30と対向する面と平行となる面に反射防止膜13を設けても良い。
ここで、この第一の透明部材10は、所定の厚みtで構成されている。
【0018】
第二の透明部材20は、透明部材であって、例えばガラス又は結晶材料からなり、例えば第一の透明部材10と同じ大きさで、かつ、四角柱形状に形成されている。この四角柱形状の第二の透明部材20は、所定の平行する2面間を光が透過するようになっている。この所定の平行する2面のうちの一方の面は、後述する中空部材30と対向している。また、この第二の透明部材20は、後述する中空部材30と対向する面に反射膜21
を備えている。
なお、第二の透明部材20には、中空部材30と対向する面と平行となる面に反射防止膜23を設けても良い。
ここで、この第二の透明部材20は、第一の透明部材10と同様の厚みであって、所定の厚みtで構成されている。
【0019】
中空部材30は、第一の透明部材10と第二の透明部材20との間に設けられるガラス又は結晶材料からなる。
この中空部材30は、壁部31を環状に形成して中空部分30aを形成した筒状となっており、壁部31に沿いつつ中空部分30aの中心を通る中心線Cに対して直交する方向の断面形状が四角形となっている。言い換えれば、中空部材30を輪切りにした場合の断面形状は、外形の輪郭形状が第一の透明部材10及び第二の透明部材20と同じ形状の四角形となり、中空部分30aの輪郭が外形形状よりも大きさが小さい四角形となっている。
ここで、四角形に開口した開口幅は、所定の開口幅aで構成されている。なお、本実施の形態では開口は四角形であるが、本発明はこれに限ることなく、円形の開口でも良い(図2(c)参照)。その場合、aは開口径とする。
【0020】
第一の透明部材10と中空部材30とは、オプティカルコンタクトにより接合されている。
同様に、第二の透明部材20と中空部材30とは、オプティカルコンタクトにより接合されている。
なお、第一の透明部材10と中空部材30との接合及び第二の透明部材20と中空部材30との接合の際は、例えば、大気圧雰囲気
中の環境で行われる。
これにより、中空部材30の中空部分30aは、例えば、大気圧雰囲気中で接合が行われた場合、大気圧の状態を維持した気密状態となる。
また例えば、中空部材30の中空部分30aは、大気圧の他に、真空雰囲気を維持した気密状態としても良いし、不活性ガス雰囲気中であって所定の圧力が維持された気密状態としても良い。
【0021】
このようなエタロンフィルタ100によれば、接着剤を用いずに第一の透明部材10と中空部材30と第二の透明部材20とを接合でき、かつ、厚みのバラツキが軽減してFSRのずれを防ぐことができ、エタロンフィルタ100の光路の物理長数Lと中空部の媒質の屈折率nの積の変化を起こしにくくすることができる。これにより、光学装置で使用されている発振波長のモニターを精度良く行うことができる。
また、第一の透明部材10と第二の透明部材20と中空部材30との接合がオプティカルコンタクトにより接合されているので、熱環境による剥がれを防ぐことができる。
また、第一の透明部材10と第二の透明部材20の厚みと中空部材30の開口幅との関係t/aを0.3以上としたことにより、温度変化による中空部分の膨張や収縮の影響が小さくなり、前記第一の透明部材及び前記第二の透明部材の変形が軽減される。これにより、波長温度特性が向上し、また消光比の変化量が従来よりも少なくすることができる。
【0022】
また、本発明の実施形態に係るエタロンフィルタ100は、以下のように製造することができる。
本発明の実施形態に係るエタロンフィルタを製造する際は、図2(a)に示すように、第一の透明部材となる第一ウェハ10Wと、第二の透明部材となる第二ウェハ20Wと、中空部材となる第三ウェハ30Wとを用意する。
なお、図2(a)及び(b)は、反射防止膜を省略して図示している。
【0023】
第一ウェハ10Wの一方の主面に例えばスパッタ等を用いて反射膜11を設ける。
同様に、第二ウェハ20Wの一方の主面に例えばスパッタ等を用いて反射膜21を設ける。なお、第二ウェハの他方の主面には、反射防止膜23(図1(a)参照)を設けておいても良い。
また、第三ウェハ30Wに厚み方向に貫通する貫通方向と直角になる方向で切断したときの断面が四角形状となる貫通孔30aを複数形成する。
【0024】
この状態において、 第一ウェハ10Wの反射膜11と第三ウェハ30Wの一方の主面とを重ね合わせてオプティカルコンタクトにより接合する。
ここで、前記オプティカルコンタクトとは、ウェハの表面同士を密着させた接合方法である。例えば、ウェハの表面を高精度に研磨し、洗浄したウェハの表面同士を密着させ、OH基の分子間力によって接合することもできる。なお、ウェハにエキシマ光を照射する前処理を行い接合すると接合強度が向上しより望ましい。
【0025】
第一ウェハ10Wと第三ウェハ30Wとが接合された状態において、 第二ウェハ20Wの反射膜21と第三ウェハ30Wの他方の主面とを重ね合わせてオプティカルコンタクトにより、例えば、大気圧雰囲気中で接合する。
【0026】
これにより、第一ウェハ10Wと第三ウェハ30Wと第二ウェハ20Wとが接合されて本発明の実施形態に係る複数のエタロンフィルタが連なった状態となる(図2(b)参照)。
この状態で、例えば、第三ウェハ30Wに設けた複数の貫通孔30aの間Bを目印にして、隣り合う貫通孔30aの間を切断することで、個々のエタロンフィルタ100を得ることができる。なお、このときの貫通孔30aは、図1における中空部材30の中空部分30aを指す。
【0027】
このように製造することにより、例えば、貫通孔30a内部、つまり中空部材30の中空部分30aを大気圧以外に真空の状態で気密することができ、又は、不活性ガスを所定の圧力で気密することができる。
【0028】
このようにすれば、本発明の実施形態に係るエタロンフィルタを容易に製造することができる。
【0029】
以上、本発明に係る実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。透明部材としては、反射膜を設けることができる耐熱性に優れた部材が好ましく、例えば、結晶材料である水晶や、ガラスや、ポリカーボネート等の樹脂を用いることができる。
なお、貫通孔の開口形状が円形となる場合は、第三ウェハ30W´を用いる(図2(c)参照)。
【実施例】
【0030】
次に、本発明のエタロンフィルタの実施例について説明する。
まず、波長温度特性の規格化厚みの依存性について説明する。図3は、波長温度特性の規格化厚みの依存性を示す図である。
なお、波長温度特性とは、温度変化に対するエタロンフィルタ透過波形のピークシフト量を示している。また、t/aを「規格化厚み」と呼称する。また、中空部の貫通孔の開口形状を円形とする。
ここでは、波長温度特性が1.000pm/℃以下の値となる場合を良好な値と評価する。また、エタロンフィルタの中空部の開口幅をa、第一の透明部材と第二の透明部材の厚みをtとする。
このとき、中空部の開口幅aと第一の透明部材と第二の透明部材の厚みtとを変化させて、それぞれのエタロンフィルタの波長温度特性の規格化厚みの依存性の確認を行った。
【0031】
なお、表1に示すように、サンプル番号1を比較例1、サンプル番号2を比較例2、サンプル番号3を比較例3とする。
また、サンプル番号4を実施例1、サンプル番号5を実施例2、サンプル番号6を実施例3、サンプル番号7を実施例4、サンプル番号8を実施例5、サンプル番号9を実施例6とする。
また、サンプル番号10を実施例7、サンプル番号11を実施例8、サンプル番号12を実施例9、サンプル番号13を実施例10、サンプル番号14を実施例11、サンプル番号15を実施例12、サンプル番号16を実施例13、サンプル番号17を実施例14、サンプル番号18を実施例15とする。
【0032】
サンプル番号1の比較例1は、中空部の開口幅a=1.2mm、第一の透明部材と第二の透明部材の厚みt=0.25mm、t/a=0.208で構成されたエタロンフィルタである。
波長温度特性の規格化厚みの依存性を調べたところ、図3及び表1に示すように、
比較例1のエタロンフィルタは、
波長温度特性が1.081pm/℃となり、評価基準の1.000pm/℃を超える結果となった。
【0033】
サンプル番号2の比較例2は、中空部の開口幅a=1.2mm、第一の透明部材と第二の透明部材の厚みt=0.25mm、t/a=0.208で構成されたエタロンフィルタである。
波長温度特性の規格化厚みの依存性を調べたところ、図3及び表1に示すように、
比較例2のエタロンフィルタは、
波長温度特性が1.095pm/℃となり、評価基準の1.000pm/℃を超える結果となった。
【0034】
サンプル番号3の比較例3は、中空部の開口幅a=1.2mm、第一の透明部材と第二の透明部材の厚みt=0.25mm、t/a=0.208で構成されたエタロンフィルタである。
波長温度特性の規格化厚みの依存性を調べたところ、図3及び表1に示すように、
比較例3のエタロンフィルタは、
波長温度特性が1.042pm/℃となり、評価基準の1.000pm/℃を超える結果となった。
【0035】
これにより、比較例1〜比較例3の規格化厚みt/a=0.208となる場合は、波長温度特性の評価基準1.000pm/℃以下を満たさない結果となった。
【0036】
サンプル番号4の実施例1は、中空部の開口幅a=1.2mm、第一の透明部材と第二の透明部材の厚みt=0.50mm、t/a=0.417で構成されたエタロンフィルタである。
波長温度特性の規格化厚みの依存性を調べたところ、図3及び表1に示すように、
実施例1のエタロンフィルタは、
波長温度特性が0.917pm/℃となり、評価基準の1.000pm/℃以下となる結果となった。
【0037】
サンプル番号5の実施例2は、中空部の開口幅a=1.2mm、第一の透明部材と第二の透明部材の厚みt=0.50mm、t/a=0.417で構成されたエタロンフィルタである。
波長温度特性の規格化厚みの依存性を調べたところ、図3及び表1に示すように、
実施例2のエタロンフィルタは、
波長温度特性が0.939pm/℃となり、評価基準の1.000pm/℃以下となる結果となった。
【0038】
サンプル番号6の実施例3は、中空部の開口幅a=1.2mm、第一の透明部材と第二の透明部材の厚みt=0.50mm、t/a=0.417で構成されたエタロンフィルタである。
波長温度特性の規格化厚みの依存性を調べたところ、図3及び表1に示すように、
実施例3のエタロンフィルタは、
波長温度特性が0.903pm/℃となり、評価基準の1.000pm/℃以下となる結果となった。
【0039】
サンプル番号7の実施例4は、中空部の開口幅a=1.2mm、第一の透明部材と第二の透明部材の厚みt=0.75mm、t/a=0.625で構成されたエタロンフィルタである。
波長温度特性の規格化厚みの依存性を調べたところ、図3及び表1に示すように、
実施例4のエタロンフィルタは、
波長温度特性が0.917pm/℃となり、評価基準の1.000pm/℃以下となる結果となった。
【0040】
サンプル番号8の実施例5は、中空部の開口幅a=1.2mm、第一の透明部材と第二の透明部材の厚みt=0.75mm、t/a=0.625で構成されたエタロンフィルタである。
波長温度特性の規格化厚みの依存性を調べたところ、図3及び表1に示すように、
実施例5のエタロンフィルタは、
波長温度特性が0.936pm/℃となり、評価基準の1.000pm/℃以下となる結果となった。
【0041】
サンプル番号9の実施例6は、中空部の開口幅a=1.2mm、第一の透明部材と第二の透明部材の厚みt=0.75mm、t/a=0.625で構成されたエタロンフィルタである。
波長温度特性の規格化厚みの依存性を調べたところ、図3及び表1に示すように、
実施例6のエタロンフィルタは、
波長温度特性が0.931pm/℃となり、評価基準の1.000pm/℃以下となる結果となった。
【0042】
サンプル番号10の実施例7は、中空部の開口幅a=0.8mm、第一の透明部材と第二の透明部材の厚みt=0.25mm、t/a=0.313で構成されたエタロンフィルタである。
波長温度特性の規格化厚みの依存性を調べたところ、図3及び表1に示すように、
実施例7のエタロンフィルタは、
波長温度特性が0.906pm/℃となり、評価基準の1.000pm/℃以下となる結果となった。
【0043】
サンプル番号11の実施例8は、中空部の開口幅a=0.8mm、第一の透明部材と第二の透明部材の厚みt=0.25mm、t/a=0.313で構成されたエタロンフィルタである。
波長温度特性の規格化厚みの依存性を調べたところ、図3及び表1に示すように、
実施例8のエタロンフィルタは、
波長温度特性が0.922pm/℃となり、評価基準の1.000pm/℃以下となる結果となった。
【0044】
サンプル番号12の実施例9は、中空部の開口幅a=0.8mm、第一の透明部材と第二の透明部材の厚みt=0.25mm、t/a=0.313で構成されたエタロンフィルタである。
波長温度特性の規格化厚みの依存性を調べたところ、図3及び表1に示すように、
実施例9のエタロンフィルタは、
波長温度特性が0.934pm/℃となり、評価基準の1.000pm/℃以下となる結果となった。
【0045】
サンプル番号13の実施例10は、中空部の開口幅a=0.8mm、第一の透明部材と第二の透明部材の厚みt=0.50mm、t/a=0.625で構成されたエタロンフィルタである。
波長温度特性の規格化厚みの依存性を調べたところ、図3及び表1に示すように、
実施例10のエタロンフィルタは、
波長温度特性が0.909pm/℃となり、評価基準の1.000pm/℃以下となる結果となった。
【0046】
サンプル番号14の実施例11は、中空部の開口幅a=0.8mm、第一の透明部材と第二の透明部材の厚みt=0.50mm、t/a=0.625で構成されたエタロンフィルタである。
波長温度特性の規格化厚みの依存性を調べたところ、図3及び表1に示すように、
実施例11のエタロンフィルタは、
波長温度特性が0.934pm/℃となり、評価基準の1.000pm/℃以下となる結果となった。
【0047】
サンプル番号15の実施例12は、中空部の開口幅a=0.8mm、第一の透明部材と第二の透明部材の厚みt=0.50mm、t/a=0.625で構成されたエタロンフィルタである。
波長温度特性の規格化厚みの依存性を調べたところ、図3及び表1に示すように、
実施例12のエタロンフィルタは、
波長温度特性が0.917pm/℃となり、評価基準の1.000pm/℃以下となる結果となった。
【0048】
サンプル番号16の実施例13は、中空部の開口幅a=0.8mm、第一の透明部材と第二の透明部材の厚みt=0.75mm、t/a=0.938で構成されたエタロンフィルタである。
波長温度特性の規格化厚みの依存性を調べたところ、図3及び表1に示すように、
実施例13のエタロンフィルタは、
波長温度特性が0.906pm/℃となり、評価基準の1.000pm/℃以下となる結果となった。
【0049】
サンプル番号17の実施例14は、中空部の開口幅a=0.8mm、第一の透明部材と第二の透明部材の厚みt=0.75mm、t/a=0.938で構成されたエタロンフィルタである。
波長温度特性の規格化厚みの依存性を調べたところ、図3及び表1に示すように、
実施例14のエタロンフィルタは、
波長温度特性が0.922pm/℃となり、評価基準の1.000pm/℃以下となる結果となった。
【0050】
サンプル番号18の実施例15は、中空部の開口幅a=0.8mm、第一の透明部材と第二の透明部材の厚みt=0.75mm、t/a=0.938で構成されたエタロンフィルタである。
波長温度特性の規格化厚みの依存性を調べたところ、図3及び表1に示すように、
実施例15のエタロンフィルタは、
波長温度特性が0.934pm/℃となり、評価基準の1.000pm/℃以下となる結果となった。
【0051】
これにより、実施例1〜実施例15の規格化厚みt/a=0.313〜0.938となる場合は、波長温度特性の評価基準1.000pm/℃以下を満たす結果となった。
したがって、規格化厚みt/a≧0.3となる場合に、波長温度特性を向上させることができる。
【表1】

【0052】
次に、エタロンフィルタを300℃の温度で5分間、加熱したときの消光比と波長温度特性の変化を確認した。
図4(a)は、300℃の温度で5分間、加熱したときの消光比の変化量を示す図であり、図4(b)は、300℃の温度で5分間、加熱したときの波長温度特性を示す図である。
消光比とは、図1(b)に示すように、エタロンフィルタの透過強度の最大値と最小値の差を示している。
なお、表2に示すように、サンプル番号19を比較例4、サンプル番号20を比較例5、サンプル番号21を比較例6とする。
また、サンプル番号22を実施例16、サンプル番号23を実施例17、サンプル番号24を実施例18、サンプル番号25を実施例19、サンプル番号26を実施例20、サンプル番号27を実施例21とする。
【0053】
サンプル番号19の比較例4は、比較例1と同様に、中空部の開口幅a=1.2mm、第一の透明部材と第二の透明部材の厚みt=0.25mm、t/a=0.208で構成されたエタロンフィルタである。
比較例4のエタロンフィルタは、
図4(a)及び表2に示すように、加熱試験前の消光比の値と加熱試験後の消光比の値との変化量が−0.12となった。
このように、加熱試験前の消光比の値と加熱試験後の消光比の値とに絶対値で0.12の変化量があったことを示しており、加熱前の状態が維持されにくいことを示唆していると考察される。
また、比較例4のエタロンフィルタは、
図4(b)及び表2に示すように、加熱試験前の波長温度特性の値が1.17pm/℃であり、加熱試験後の波長温度特性の値が1.37pm/℃であった。
評価基準を1.000pm/℃以下とした場合、加熱前、加熱後ともに、評価基準を満たさない結果となった。
【0054】
サンプル番号20の比較例5は、比較例1と同様に、中空部の開口幅a=1.2mm、第一の透明部材と第二の透明部材の厚みt=0.25mm、t/a=0.208で構成されたエタロンフィルタである。
比較例5のエタロンフィルタは、
図4(a)及び表2に示すように、加熱試験前の消光比の値と加熱試験後の消光比の値との変化量が−0.12となった。
このように、加熱試験前の消光比の値と加熱試験後の消光比の値とに絶対値で0.12の変化量があったことを示しており、加熱前の状態が維持されにくいことを示唆していると考察される。
また、比較例5のエタロンフィルタは、
図4(b)及び表2に示すように、加熱試験前の波長温度特性の値が1.07pm/℃であり、加熱試験後の波長温度特性の値が1.42pm/℃であった。
評価基準を1.000pm/℃以下とした場合、加熱前、加熱後ともに、評価基準を満たさない結果となった。
【0055】
サンプル番号21の比較例6は、比較例1と同様に、中空部の開口幅a=1.2mm、第一の透明部材と第二の透明部材の厚みt=0.25mm、t/a=0.208で構成されたエタロンフィルタである。
比較例6のエタロンフィルタは、
図4(a)及び表2に示すように、加熱試験前の消光比の値と加熱試験後の消光比の値との変化量が−0.16となった。
このように、加熱試験前の消光比の値と加熱試験後の消光比の値とに絶対値で0.16の変化量があったことを示しており、加熱前の状態が維持されにくいことを示唆していると考察される。
また、比較例6のエタロンフィルタは、
図4(b)及び表2に示すように、加熱試験前の波長温度特性の値が1.15pm/℃であり、加熱試験後の波長温度特性の値が1.50pm/℃であった。
評価基準を1.000pm/℃以下とした場合、加熱前、加熱後ともに、評価基準を満たさない結果となった。
【0056】
サンプル番号22の実施例16は、実施例1と同様に、中空部の開口幅a=1.2mm、第一の透明部材と第二の透明部材の厚みt=0.50mm、t/a=0.417で構成されたエタロンフィルタである。
実施例16のエタロンフィルタは、
図4(a)及び表2に示すように、加熱試験前の消光比の値と加熱試験後の消光比の値との変化量が0.01となった。
このように、加熱試験前の消光比の値と加熱試験後の消光比の値とに絶対値で0.01の変化量があったことを示しており、加熱前の状態と加熱後の状態との差が比較例より小さいことが確認された。
また、実施例16のエタロンフィルタは、
図4(b)及び表2に示すように、加熱試験前の波長温度特性の値が0.97pm/℃であり、加熱試験後の波長温度特性の値が1.01pm/℃であった。
評価基準を1.000pm/℃以下とした場合、加熱前は評価基準を満たし、加熱後は評価基準を満たさない結果となった。
ただし、加熱試験後の波長温度特性の値が1.01pm/℃で比較例よりも小さな変化であることが確認された。
【0057】
サンプル番号23の実施例17は、実施例1と同様に、中空部の開口幅a=1.2mm、第一の透明部材と第二の透明部材の厚みt=0.50mm、t/a=0.417で構成されたエタロンフィルタである。
実施例17のエタロンフィルタは、
図4(a)及び表2に示すように、加熱試験前の消光比の値と加熱試験後の消光比の値との変化量が0.02となった。
このように、加熱試験前の消光比の値と加熱試験後の消光比の値とに絶対値で0.02の変化量があったことを示しており、加熱前の状態と加熱後の状態との差が比較例より小さいことが確認された。
また、実施例17のエタロンフィルタは、
図4(b)及び表2に示すように、加熱試験前の波長温度特性の値が0.99pm/℃であり、加熱試験後の波長温度特性の値が1.04pm/℃であった。
評価基準を1.000pm/℃以下とした場合、加熱前は評価基準を満たし、加熱後は評価基準を満たさない結果となった。
ただし、加熱試験後の波長温度特性の値が1.04pm/℃で比較例よりも小さな変化であることが確認された。
【0058】
サンプル番号24の実施例18は、実施例1と同様に、中空部の開口幅a=1.2mm、第一の透明部材と第二の透明部材の厚みt=0.50mm、t/a=0.417で構成されたエタロンフィルタである。
実施例18のエタロンフィルタは、
図4(a)及び表2に示すように、加熱試験前の消光比の値と加熱試験後の消光比の値との変化量が0.02となった。
このように、加熱試験前の消光比の値と加熱試験後の消光比の値とに絶対値で0.02の変化量があったことを示しており、加熱前の状態と加熱後の状態との差が比較例より小さいことが確認された。
また、実施例18のエタロンフィルタは、
図4(b)及び表2に示すように、加熱試験前の波長温度特性の値が1.02pm/℃であり、加熱試験後の波長温度特性の値が1.07pm/℃であった。
評価基準を1.000pm/℃以下とした場合、加熱前、加熱後ともに評価基準を満たさない結果となった。
ただし、加熱試験後の波長温度特性の値が1.02pm/℃で比較例よりも小さな変化であることが確認された。
【0059】
サンプル番号25の実施例19は、実施例4と同様に、中空部の開口幅a=1.2mm、第一の透明部材と第二の透明部材の厚みt=0.75mm、t/a=0.625で構成されたエタロンフィルタである。
実施例19のエタロンフィルタは、
図4(a)及び表2に示すように、加熱試験前の消光比の値と加熱試験後の消光比の値との変化量が−0.01となった。
このように、加熱試験前の消光比の値と加熱試験後の消光比の値とに絶対値で0.01の変化量があったことを示しており、加熱前の状態と加熱後の状態との差が比較例より小さいことが確認された。
また、実施例19のエタロンフィルタは、
図4(b)及び表2に示すように、加熱試験前の波長温度特性の値が0.99pm/℃であり、加熱試験後の波長温度特性の値が1.02pm/℃であった。
評価基準を1.000pm/℃以下とした場合、加熱前は評価基準を満たし、加熱後は評価基準を満たさない結果となった。
ただし、加熱試験後の波長温度特性の値が1.02pm/℃で比較例よりも小さな変化であることが確認された。
【0060】
サンプル番号26の実施例20は、実施例4と同様に、中空部の開口幅a=1.2mm、第一の透明部材と第二の透明部材の厚みt=0.75mm、t/a=0.625で構成されたエタロンフィルタである。
実施例20のエタロンフィルタは、
図4(a)及び表2に示すように、加熱試験前の消光比の値と加熱試験後の消光比の値との変化量が0.00となった。
このように、加熱試験前の消光比の値と加熱試験後の消光比の値とに絶対値で0.00の変化しなかったことを示しており、加熱前の状態と加熱後の状態とが同じであることが確認された。
また、実施例20のエタロンフィルタは、
図4(b)及び表2に示すように、加熱試験前の波長温度特性の値が0.98pm/℃であり、加熱試験後の波長温度特性の値が1.00pm/℃であった。
評価基準を1.000pm/℃以下とした場合、加熱前、加熱後ともに評価基準を満たす結果となった。
ただし、加熱試験後の波長温度特性の値が1.00pm/℃で比較例よりも小さな変化であることが確認された。
【0061】
サンプル番号27の実施例21は、実施例4と同様に、中空部の開口幅a=1.2mm、第一の透明部材と第二の透明部材の厚みt=0.75mm、t/a=0.625で構成されたエタロンフィルタである。
実施例21のエタロンフィルタは、
図4(a)及び表2に示すように、加熱試験前の消光比の値と加熱試験後の消光比の値との変化量が−0.01となった。
このように、加熱試験前の消光比の値と加熱試験後の消光比の値とに絶対値で0.01の変化量があったことを示しており、加熱前の状態と加熱後の状態との差が比較例より小さいことが確認された。
また、実施例21のエタロンフィルタは、
図4(b)及び表2に示すように、加熱試験前の波長温度特性の値が0.96pm/℃であり、加熱試験後の波長温度特性の値が1.01pm/℃であった。
評価基準を1.000pm/℃以下とした場合、加熱前は評価基準を満たし、加熱後は評価基準を満たさない結果となった。
ただし、加熱試験後の波長温度特性の値が1.01pm/℃で比較例よりも小さな変化であることが確認された。
【0062】
このように、実施例16〜実施例21において、加熱試験前と加熱試験後の消光比の変化量は、比較例4〜比較例6と比較して小さな変化であることが確認された。
また、実施例16〜実施例21において、加熱試験前と加熱試験後の波長温度特性の変化は、比較例4〜比較例6と比較して小さな変化であることが確認された。
【表2】

【0063】
次に、接着剤を用いて構成したエタロンフィルタとオプティカルコンタクトを用いて構成したエタロンフィルタとの消光比と波長温度特性を確認した。
図5は、接着剤が用いられた場合とオプティカルコンタクトが用いられた場合とを比較した図であって、図5(a)は、FSRの値を比較した図であり、図5(b)は、消光比を比較した図であり、図5(c)は波長温度特性を比較した図である。
各実施例及び各比較例のエタロンフィルタは、実施例1と同様の、中空部の開口幅a=1.2mm、第一の透明部材と第二の透明部材の厚みt=0.50mm、t/a=0.417で構成されている。
ここで、接着剤で第一の透明部材10と第二の透明部材20と中空部材30とを接合したエタロンフィルタを比較例A〜比較例Iとし、オプティカルコンタクトで透明部材10と第二の透明部材20と中空部材30とを接合したエタロンフィルタを実施例A〜実施例Iとする。
【0064】
まず、各実施例及び各比較例のエタロンフィルタのFSRの値が、基準とする50±0.03GHzの範囲に収まっているか確認した。
比較例について説明すると、図5(a)及び表3に示すように、
比較例Aが49.945GHz、
比較例Bが49.948GHz、
比較例Cが49.959GHz、
比較例Dが49.947GHz、
比較例Eが49.950GHz、
比較例Fが49.960GHz、
比較例Gが49.962GHz、
比較例Hが49.964GHz、
比較例Iが49.968GHz
となり、基準とする50±0.03GHzの範囲に収まらない結果となった。
【0065】
次に実施例について説明すると、
実施例Aが49.984GHz、
実施例Bが49.982GHz、
実施例Cが49.984GHz、
実施例Dが49.983GHz、
実施例Eが49.983GHz、
実施例Fが49.984GHz、
実施例Gが49.983GHz、
実施例Hが49.984GHz、
実施例Iが49.984GHz
となり、基準とする50±0.03GHzの範囲に収まる結果となった。
【0066】
これにより、接着剤を用いたエタロンフィルタよりもオプティカルコンタクトを用いたエタロンフィルタのほうが、基準とする50±0.03GHzの範囲に収まっているため、FSRのずれが少ないことが確認できる。
【表3】

【0067】
次に、各実施例及び各比較例のエタロンフィルタの消光比の値が、基準とする7±0.3dBの範囲に収まっているか確認した。
比較例について説明すると、図5(b)及び表4に示すように、
比較例Aが7.037dB、
比較例Bが6.914dB、
比較例Cが6.266dB、
比較例Dが6.830dB、
比較例Eが6.926dB、
比較例Fが6.303dB、
比較例Gが6.297dB、
比較例Hが6.355dB、
比較例Iが6.115dB
となり、比較例Aを除いて基準とする7±0.3dBの範囲に収まらない結果となった。
【0068】
次に実施例について説明すると、
実施例Aが7.273dB、
実施例Bが7.286dB、
実施例Cが7.287dB、
実施例Dが7.175dB、
実施例Eが7.177dB、
実施例Fが7.191dB、
実施例Gが7.160dB、
実施例Hが7.153dB、
実施例Iが7.144dB
となり、基準とする7±0.3dBの範囲に収まる結果となった。
【0069】
これにより、接着剤を用いたエタロンフィルタよりもオプティカルコンタクトによる接合を用いたエタロンフィルタのほうが、基準とする7±0.3dBの範囲に収まっているため、消光比のばらつきが少なく安定した値が得られたことが確認できる。
【表4】

【0070】
各実施例及び各比較例のエタロンフィルタの波長温度特性の値が、基準とする1.000pm/℃以下となっているか確認した。
比較例について説明すると、図5(c)及び表5に示すように、
比較例Aが0.900pm/℃、
比較例Bが1.444pm/℃、
比較例Cが1.773pm/℃、
比較例Dが1.007pm/℃、
比較例Eが1.022pm/℃、
比較例Fが1.738pm/℃、
比較例Gが1.020pm/℃、
比較例Hが1.313pm/℃、
比較例Iが1.602pm/℃
となり、比較例Aを除いて基準とする1.000pm/℃以下にならない結果となった。
【0071】
次に実施例について説明すると、
実施例Aが0.945pm/℃、
実施例Bが0.935pm/℃、
実施例Cが0.905pm/℃、
実施例Dが0.900pm/℃、
実施例Eが0.945pm/℃、
実施例Fが0.931pm/℃、
実施例Gが0.906pm/℃、
実施例Hが0.922pm/℃、
実施例Iが0.944pm/℃
となり、基準とする1.000pm/℃以下となる結果となった。
【0072】
これにより、接着剤を用いたエタロンフィルタよりもオプティカルコンタクトを用いたエタロンフィルタのほうが、基準とする1.000pm/℃以下に収まっているため、波長温度特性のばらつきが少なく安定した値が得られたことが確認できる。
【表5】

【符号の説明】
【0073】
100 エタロンフィルタ
10 第一の透明部材
11 反射膜
20 第二の透明部材
21 反射膜
30 中空部材
30a 中空部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の透明部材と、
第二の透明部材と、
前記第一の透明部材と前記第二の透明部材との間に設けられる中空部材と、を備え、
前記第一の透明部材が、前記中空部材と対向する面に反射膜を備え、
前記第二の透明部材が、前記中空部材と対向する面に反射膜を備え、
前記第一の透明部材と前記中空部材とがオプティカルコンタクトにより接合され、
前記第二の透明部材と前記中空部材とがオプティカルコンタクトにより接合され、
前記第一の透明部材及び前記第二の透明部材の厚みをt、前記中空部材の開口幅をaとしたとき、
t/a≧0.3となるように構成されることを特徴とするエタロンフィルタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−97152(P2013−97152A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−239355(P2011−239355)
【出願日】平成23年10月31日(2011.10.31)
【出願人】(000104722)京セラクリスタルデバイス株式会社 (870)
【Fターム(参考)】