説明

エンコーダ装置

【課題】本発明は、ディスクマウントを曲折させてキャップ状とすることにより、輪状ディスクの位置を軸受と重合する位置に設けることにより、装置全体を薄型化することを目的とする。
【解決手段】本発明によるエンコーダ装置は、基台(1)に軸受(2)を介して回転自在に設けた中空軸(4)の端部(4a)にキャップ型をなすディスクマウント(5)を儲け、このディスクマウント(5)の外周の鍔部(5a)に輪状ディスク(6)を取付け、この輪状ディスク(6)が軸受(2)に対して径方向に重合し、薄型化されている構成である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンコーダ装置に関し、特に、ディスクマウントをキャップ状として軸受等を覆う形状とすることにより、軸方向高さを低くして薄形化するための新規な改良に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、用いられていたこの種のエンコーダ装置としては、特許文献としては挙げていないが、図3及び図4で示される構成を挙げることができる。
すなわち、図3及び図4において符号1で示されるものは所定の厚さを有し軸受2を保持するための軸受孔3を備えた基台であり、この軸受2の内側には、中空軸4が回転自在に支持されている。
【0003】
前記中空軸4の端部4aの外周位置には、輪状のディスクマウント5を介して輪状ディスク6が設けられており、前記基台1の上面には、発光用の第1光学素子10及び受光用の第2光学素子11を有する光学ユニット12が取付けられている。
【0004】
前記光学ユニット12に形成された溝部13内には前記輪状ディスク6が重合する状態で挿入されており、前記各光学素子10、11は前記輪状ディスク6を挟持する状態で構成されている。前記基台1には中空軸4及び光学ユニット12等を覆うためのキャップ状のカバー14が設けられている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のエンコーダ装置は、以上のように構成されていたため、次のような課題が存在していた。
すなわち、軸受の端面側に設けられたディスクマウントの端面上に輪状ディスクが取付けられ、この輪状ディスクを挟持する状態の光学ユニットが基台の端面位置に設けられているため、軸方向の高さを低くすることが難しく、いわゆる薄型のエンコーダ装置を得ることが困難であった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によるエンコーダ装置は、基台に軸受を介して回転自在に設けられた中空軸と、前記基台側に位置する第1光学素子と、前記中空軸の端部に設けられたディスクマウントと、前記ディスクマウントに設けられた輪状ディスクと、前記第1光学素子に対向して設けられた第2光学素子とよりなるエンコーダ装置において、前記軸受は断面形状がL字型をなすL字型部に保持され、前記輪状ディスクは断面形状がキャップ型をなす前記ディスクマウントの鍔部に設けられ、前記ディスクマウントは前記軸受及び前記L字型部を覆うと共に、前記ディスクマウントの外端面は前記L字型部の外周面よりも外側に位置している構成であり、また、前記第2光学素子は、前記基台に取付ねじを介して取付けられ前記輪状ディスクの外側に位置する支持板に設けられ、前記基台にはキャップ状のカバーが設けられている構成である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によるエンコーダ装置は、以上のように構成されているため、次のような効果を得ることができる。
すなわち、輪状ディスクを外周側に有するキャップ状のディスクマウントが軸受の外輪を保持するL字型部の外側を覆っているため、中空軸の軸方向における輪状ディスクの位置を移動させて軸受と径方向において互いに重合することができ、装置全体の軸方向長さ、すなわち、全高さを大幅に短くし、薄型のエンコーダ装置を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明は、輪状ディスクを有するディスクマウントをキャップ状として軸受の外輪側を覆うことにより、エンコーダ装置の高さを低くし、薄型とするための新規な改良に関する。
【実施例】
【0009】
以下、図面と共に本発明によるエンコーダ装置の好適な実施の形態について説明する。
尚、従来例と同一又は同等部分には同一符号を用いて説明する。
図1及び図2において符号1で示されるものは全体形状が肉厚の板形状をなす基台であり、この基台1の中心部の軸受孔3には軸受2を介して筒状をなす中空軸4が回転自在に設けられている。
【0010】
前記中空軸4の端部4aには、全体の断面形状がキャップ型をなすディスクマウント5が一体状に設けられており、このディスクマウント5の外周に形成された鍔部5aには輪状ディスク6が設けられ、このディスクマウント5は前記軸受2及び基台1の軸受2を保持するための断面形状がL字型をなすL字型部20を覆うように構成されている。
【0011】
前記ディスクマウント5の前記鍔部5aの外端面5bは、前記軸受2の外側のL字型部20の外周面1aよりも外側に位置している。
前記基台1上には、複数の取付ねじ21とカラー22を介して支持板23が固定され、この支持板23に形成された開口24には前記ディスクマウント5が回転自在に貫通している。
【0012】
前記基台1の底面1b上には、発光体からなる第1光学素子10が設けられていると共に、前記支持板23の内面には前記第1光学素子10と直接対抗する状態で受光体からなる第2光学素子11が設けられている。
【0013】
前記各光学素子10、11は、発光体と受光体を、前述とは逆の構成として取付けることもできる。
また、前記基台1上には、全体形状がキャップ型をなすカバー14が設けられ、このカバー14は、前記中空軸4、ディスクマウント5、輪状ディスク6及び支持板23を覆うように構成されている。
【0014】
尚、前記ディスクマウント5の曲折部5cが、図2で示されるように、前記L字型部20の外周面1aに沿って延設されており、この鍔部5aに輪状ディスク6が設けられていることにより、輪状ディスク6の取付位置を前記軸受2に対して中空軸4の径方向において互いに重合するように構成されている。
従って、輪状ディスク6が軸受2と重なる位置で保持されることにより、基台1の薄肉化、中空軸4の軸方向長さの短縮化、軸受2の小型化等を達成し、エンコーダ装置50全体の薄型化を達成している。
【産業上の利用可能性】
【0015】
本発明は、エンコーダ装置に限ることなく、巻線型のセンサにも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明によるエンコーダ装置を示す断面図である。
【図2】図1の要部の拡大断面図である。
【図3】従来のエンコーダ装置の断面図である。
【図4】図3の要部の拡大断面図である。
【符号の説明】
【0017】
1 基台
2 軸受
4 中空軸
5 ディスクマウント
5a 鍔部
5b 外端面
6 輪状ディスク
10 第1光学素子
11 第2光学素子
14 カバー
20 L字型部
23 支持板
50 エンコーダ装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基台(1)に軸受(2)を介して回転自在に設けられた中空軸(4)と、前記基台(1)側に位置する第1光学素子(10)と、前記中空軸(4)の端部(4a)に設けられたディスクマウント(5)と、前記ディスクマウント(5)に設けられた輪状ディスク(6)と、前記第1光学素子(10)に対向して設けられた第2光学素子(11)とよりなるエンコーダ装置において、
前記軸受(2)は断面形状がL字型をなすL字型部(20)に保持され、前記輪状ディスク(6)は断面形状がキャップ型をなす前記ディスクマウント(5)の鍔部(5a)に設けられ、前記ディスクマウント(5)は前記軸受(2)及び前記L字型部(20)を覆うと共に、前記ディスクマウント(5)の外端面(5b)は前記L字型部(20)の外周面(1a)よりも外側に位置している構成としたことを特徴とするエンコーダ装置。
【請求項2】
前記第2光学素子(11)は、前記基台(1)に取付ねじ(21)を介して取付けられ前記輪状ディスク(6)の外側に位置する支持板(23)に設けられ、前記基台(1)にはキャップ状のカバー(14)が設けられていることを特徴とする請求項1記載のエンコーダ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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