オーディオ機器の載置用家具
【課題】上面に載置された薄型テレビの配線を容易に行なうことができるようにしたオーディオ機器の載置用家具を提供することにある。
【解決手段】前面が開口し前後方向の後方に収容部13を有する家具本体1と、家具本体の上面に前後方向に沿って移動可能に設けられ上面が薄型テレビを載置することが可能な載置面となっていて、前方へ移動させたときに収容部の上面を開放する可動載置板31と、可動載置板の前後方向の後端部に設けられ載置面に載置される薄型テレビに接続された給電コード41を収容部に挿通する挿通孔39を具備する。
【解決手段】前面が開口し前後方向の後方に収容部13を有する家具本体1と、家具本体の上面に前後方向に沿って移動可能に設けられ上面が薄型テレビを載置することが可能な載置面となっていて、前方へ移動させたときに収容部の上面を開放する可動載置板31と、可動載置板の前後方向の後端部に設けられ載置面に載置される薄型テレビに接続された給電コード41を収容部に挿通する挿通孔39を具備する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はたとえば薄型テレビなどのオーディオ機器を載置するための載置用家具に関する。
【背景技術】
【0002】
最近ではオーディオ機器であるテレビが薄型化する傾向にあり、それに伴ってテレビを載置するための載置用家具の形状も変化してきている。すなわち、従来の載置用家具は上面にテレビを単に載置することができるだけのものであったが、最近ではテレビを載置するだけでなく、家具として外観を損なうことのないよう、上記テレビを載置することができるようにすることが要求されている。
【0003】
家具としての外観を損なうことがないようにするためには、たとえば薄型テレビに接続される給電コードができるだけ載置用家具の前面に露出しないようにする構成が望まれている。そのような載置用家具としては特許文献1に示される構成が知られている。
【0004】
特許文献1に示された載置用家具は、背板を家具後端よりやや前方に配置し、その家具を壁面に当接させて載置し、壁面に設けたコンセントを背板との間の隙間に収め、背板のコンセントに対向する箇所にコンセントよりも大きい開口を形成するようにしている。上記家具の天板には上記開口に近い部分に配線孔を設ける。
【0005】
それによって、天板に載置された薄型テレビに接続された電気コードを上記配線孔から上記背板に形成された開口を通すことで、この背板の背面側に位置するコンセントに接続することができる。
【特許文献1】特開2001―8754号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような構成によれば、上記コンセントに接続された電気コードは上記背板と上記壁面との間の空間部に収容され、載置用家具の前面にはほとんど露出することがないため、外観的には良好である。
【0007】
しかしながら、上記背板と壁面との間の空間部は側方が上記載置用家具の左右一対の側板によって閉塞され、上面が天板によって閉塞されている。そのため、コンセントに対して電気コードを接続したり、取り外す場合、載置家具をその背面が壁面から所定間隔で離れる位置まで移動させなければならないから、載置用家具の上面に薄型テレビを設置する際の作業性が非常に悪いということがあった。
【0008】
とくに、載置用家具に載置される薄型テレビが大型化すると、それに伴って載置用家具も大型化するから、薄型テレビが載置された載置家具を移動させることが容易でないということがある。しかも、特許文献1の構成では壁面に設けたコンセントを載置用家具の背板との間に収めなければならないから、壁面のコンセントが設けられていない箇所には載置用家具を設置し難いということになる。
【0009】
この発明は、オーディオ機器に接続される電気コードが外部に露出することがほとんどなく、しかもオーディ機器に対する電気コードの接続や取り外しを容易に行なうことができるようにしたオーディオ機器の載置用家具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明は、オーディオ機器を載置するための載置用家具であって、
前後方向の後方に収容部が形成された家具本体と、
この家具本体の上面に前後方向に沿って移動可能に設けられ上面が上記オーディオ機器を載置することが可能な載置面となっていて、前方へ移動させたときに上記収容部の上面を開放する可動載置板と、
この可動載置板の前後方向の後端部に設けられ上記載置面に載置される上記オーディオ機器に接続された第1の電気コードを上記収容部に挿通する挿通部と
を具備したことを特徴とするオーディオ機器の載置用家具にある。
【0011】
上記家具本体は背面板を有し、上記収容部は上記背面板の後方に形成されることが好ましい。
【0012】
上記家具本体は背面板を有し、上記収容部は上記背面板の前方に形成されることが好ましい。
【0013】
上記収容部には上記第1の電気コードが接続されるコンセントが設けられていることが好ましい。
【0014】
上記家具本体は、
上記可動載置板と幅寸法及び前後方向に沿う奥行き寸法がほぼ同じに設定された底板と、
この底板の前後方向の後部に幅方向に沿って設けられた背面板と、
上記底板の幅方向の両端部に立設された一対の側板と、
この側板よりも奥行き寸法が小さく設定され上記一対の側板間にこれら側板と前端面を一致させるとともに、後端面を上記収容部に露出させて立設された仕切り板と、
上記側板、仕切り板及び背面板によって区画された空間部の上面開口を閉塞するよう設けられその上面に上記可動載置板が前後方向に沿って移動可能に設けられる上板とによって構成されていて、
上記仕切り板の後端面には上記第1の電気コードが接続されるコンセントが設けられることが好ましい。
【0015】
上記コンセントには第2の電気コードが接続されていて、上記側板の上記収容部に対応する箇所には上記第2の電気コードを上記収容部から導出するための導出孔が形成されていることが好ましい。
【0016】
上記挿通部は挿通孔であって、上記上面板の上記挿通孔と対応する部位には、上記可動載置板を前方に移動させたときに上記第1の電気コードの上記挿通孔から導出された部分が入り込む逃げ溝が上面及び後端面に開放して形成されていることが好ましい。
【0017】
上記家具本体の上面には前後方向に沿う長孔が形成され、上記可動載置板には上記長孔に係合して上記可動載置板の前後方向の移動をガイドするとともに移動範囲を制限するガイド部材が設けられていることが好ましい。
【0018】
上記家具本体は、
上記可動載置板と幅寸法及び前後方向に沿う奥行き寸法がほぼ同じに設定され前後方向の後端に背面板が幅方向に沿って設けられた底板と、
この底板の幅方向の両端部に立設された一対の側板と、
この側板と奥行き寸法がほぼ同じに設定され上記一対の側板間に所定間隔で設けられた一対の仕切り板と、
上記一対の仕切り板間の前後方向中途部に幅方向に沿って架設され一対の仕切り板間の上記背面板の前面との間に上記収容部を区画形成した隔別板と、
上記一対の側板間に形成された空間部のうち、少なくとも上記収容部の上面開口を除く部分を閉塞して設けられその上面に上記可動載置板が前後方向に沿って移動可能に設けられた上板によって構成されていることがこのましい。
【発明の効果】
【0019】
この発明によれば、可動載置板を家具本体の上面に前後方向に沿って移動可能に設け、この可動載置板を前方へ移動させることで、家具本体の後方に形成された収容部の上面を開放することができる。そのため、可動載置板にオーディオ機器を載置した場合、家具本体を移動させることなく、上記オーディオ機器に接続された第1の電気コードを上記収容部に対して容易に出し入れすることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、この発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
図1乃至図8はこの発明の第1の実施の形態を示す。図1は載置用家具を示す斜視図であって、この載置用家具は家具本体1を有する。この家具本体1は平面形状が矩形状の底板2を備えている。この底板2の下面の幅方向両端部には底板2を支持する脚部材3が設けられている。
【0021】
この底板2の幅方向両端部には、図2に示すように後端面を上記底板2の後端面に一致させ、前端面が底板2の前端面よりもわずかに後方に位置する奥行き寸法の一対の側板4が立設されている。一対の側板4間には、側板4よりも奥行き寸法が小さい仕切り板5が前端面を側板4の前端面に一致させて立設されている。
【0022】
上記仕切り板5の後端と各側板4の後端よりも所定寸法前方の内面との間にはそれぞれ背面板7が設けられ、さらに側板4、仕切り板5及び背面板7との上部にはこれらによって区画された空間部9の上面を閉塞する上板8が設けられている。
【0023】
それによって、家具本体1は前面が開放するとともに内部が仕切り板5によって2つの空間部9に区画された箱型状に形成されている。なお、家具本体1の前面には扉を開閉可能に設けるようにしてもよい。
【0024】
上記一対の側板4の上記仕切り板5の後端面よりも後方に突出した後端間には覆い板12が架設されている。それによって、上記背面板7の背面側には上記底板2、一対の側板4、背面板4及び覆い板12によって底面及び周囲が囲まれた収容部13が形成される。
【0025】
なお、一対の側板4の後端間に覆い板12を設けたが、覆い板12を設けずに、収容部13の後端面は開放したままとしてもよい。
【0026】
図2と図3に示すように、一対の空間部9を形成する上記側板4の内面及び仕切り板5の両側面には、それぞれ複数の係止ピン14が上下方向の取付け位置の調整可能に設けられている。そして、上記空間部9には棚板15が幅方向の両端部を上記係止ピン14に係合させて水平に架設されていて、上記棚板15の後端には図5に示すように挿通溝16が形成されている。
【0027】
上記空間部9には棚板15や底板2の上面に各種のオーディオ機器、図1や図5に示すようにたとえばDVD17やビデオデッキ18などが載置される。これらDVD17とビデオデッキ18を図5に示すように接続コード19で接続する場合、その接続コード19は上記挿通溝16を通したり、上記背面板7に形成された挿通孔21に通される。
【0028】
図8に示すように上記仕切り板5は中空状のフラッシュ構造になっていて、その後端面にはコンセント23が設けられている。このコンセント23の接続面23aには複数の接続部(図示せず)が形成されていて、その接続面23aは上記仕切り板5の後端面に露出させている。
【0029】
上記コンセント23に接続された電気コード(第2の電気コード)24は上記仕切り板5の後端面に開放した導出孔25から上記家具本体1の背面板7の後方に形成された収容部13に導出され、この収容部13から図1乃至図3に示すように上記側板4の後端部の下端に形成された挿通孔26を通されて外部に導出されている。
【0030】
図1に示すように、上記収容部13から家具本体1の外部に導出された電気コード24は、その先端に設けられたプラグ27を壁面28に設けられた埋め込みコンセント29に接続される。それによって、上記仕切り板5の後端に設けられたコンセント23に給電されるようになっている。
【0031】
上記家具本体1の上面には、上記底板2よりも幅寸法がわずかに小さく、前後方向の奥行き寸法がほぼ同じ大きさの矩形状に形成された可動載置板31が上記家具本体1の前後方向に沿って移動可能に設けられている。
【0032】
すなわち、図2や図6(a)に示すように上記上板8の上記家具本体1の幅方向両端部に対応する部位には長孔32が前後方向に沿って穿設されている。上記可動載置板31の下面の上記一対の長孔32に対応する部分には図6(a)に示すように一対のナット33が前後方向に沿って所定間隔で埋設されている。これらナット33にはガイド部材としての一対のねじ軸34が上記長孔32にワッシャ34aを介して挿通されて螺合されている。
【0033】
それによって、上記可動載置板31は図6(a)に実線で示すように一方のねじ軸34が長孔32の後端に当たった後退位置と、他方のねじ軸34が上記長孔32の前端に当たる前進位置との間で上記家具本体1の前後方向に沿って移動させることができるようになっている。そして、上記可動載置板31を図7に実線で示す前進位置に移動させれば、家具本体1の背面側に形成された収容部13の上面が開放される。
なお、可動載置板31を後退させた位置で上記ねじ軸34を締め込めば、この可動載置板31を移動不能に固定することができる。
【0034】
図3に示すように、上記移動載置板31の幅方向の両端部の下面には、上記側板4の外面に対して隙間のない状態で対向位置する桟状の規制部材35が前後方向に沿って設けられている。それによって、上記移動載置板31は幅方向にずれ動くことがなく、前後方向に移動させることができるようになっている。
なお、上記可動載置板31が前後方向に移動し易いようにするため、一対の側板4と仕切り板5の上端面には滑沢性の樹脂製テープを貼着するようにしてもよい。
【0035】
図1と図4に示すように、上記移動載置板31の載置面となる上面にはオーディオ機器としての、たとえば薄型テレビ37及び一対のスピーカ38が載置される。上記移動載置板31の幅方向中央部の後端部には挿通部としての一対の挿通孔39が厚さ方向に貫通して形成されている。上記移動載置板31が後退位置にあるとき、上記挿通孔39は上記収容部13の上面に対向位置している。
【0036】
図4に示すように、上記薄型テレビ37には電気コード(第1の電気コード)41とアンテナコード42が接続されている。これらのコード41,42は上記挿通孔39に通されて上記収容部13に導入される。上記電気コード41の先端にはプラグ43が設けられ、このプラグ43は上記仕切り板5の後端面に設けられたコンセント23に接続される。それによって、上記薄型テレビ37に給電できるようになっている。
【0037】
上記アンテナコード42は、上記側板4の上記収容部13を形成する部分である、後端部に形成された挿通孔26に挿通されて家具本体1の外部に導出される。そして、図示しないアンテナ端子に接続される。
なお、収容部13の背面側を覆う覆い板12に、上記第2の電気コード24やアンテナコード42を挿通する挿通孔或いは挿通溝を形成するようにしてもよい。
【0038】
図2と図7に示すように、上記家具本体1の上板8の上面には、上記可動載置板31に形成された挿通孔39と対応する位置に逃げ溝43が形成されている。この逃げ溝43は上記上板8の上面及び後端面に開放している。
【0039】
そのため、上記可動載置板31を図7に示すように前方へ移動させたとき、上記給電コード41やアンテナコード42の上記可動載置板31の挿通孔39から導出された部分が上記逃げ溝43に入り込むから、上記上板8と上記可動載置板31との間に挟まれるのが防止される。
【0040】
このような構成のオーディオ機器の載置用家具によれば、家具本体1の上面に可動載置板31を前後方向に沿って移動可能に設け、この可動載置板31の上面にオーディオ機器である、薄型テレビ37を載置するようにした。
【0041】
そのため、薄型テレビ37を設置する場合には、まず、載置用家具を室内の所定の位置に設置してから可動載置板31上に薄型テレビ37を載置する。ついで、薄型テレビ37に接続された給電コード41を上記可動載置板31に形成された挿通孔39に通して家具本体1の背面側に形成された収容部13に導出したならば、上記可動載置板31を前方に移動させて収容部13の上面を開放する。
【0042】
収容部13の上面を開放したならば、作業者はこの収容部13に手を入れて収容部13に露出したコンセント23に上記電気コード41の先端に設けられたプラグ44を接続する。それによって、上記薄型テレビ37に給電されることになる。
【0043】
上記コンセント23に接続された電気コード24は作業者が収容部13に手を入れて側板4に形成された挿通孔26に通して収容部13から家具本体1の外部に導出することができる。そして、電気コード24の先端に設けられたプラグ27を壁面に設けられた埋め込みコンセント29に接続すれば、収容部13に設けられたコンセント23を介して上記薄型テレビ37に給電することができる。
【0044】
すなわち、予め家具本体1を室内の所定の場所に設置したならば、可動載置板31を前方へ移動させて収容部13の上面を開放することで、家具本体1を最初の設置場所から動かすことなく、作業者が収容部13に手を入れて薄型テレビ37の電気コード41を収容部13に設けられたコンセント23に接続したり、このコンセント23に接続された電気コード24を室内の壁面に設けられた埋め込みコンセント29に接続することができる。それによって、これらの作業を容易かつ迅速に行なうことができる。
【0045】
上記薄型テレビ37にはアンテナコード42が接続される。上記薄型テレビ37に一端が接続されたアンテナコード42は給電コード41と同様、可動載置板31の挿通孔39を通して収容部13に導入する。
【0046】
ついで、側板4に形成された挿通孔26を通して外部に導出したならば、壁面に設けられたアンテナ端子(図示せず)に接続すればよく、これらの作業は収容部13を開放して作業者が収容部13に手を入れることで、家具本体1を動かすことなく容易に行なうことができる。
【0047】
なお、アンテナコード42は他端を室内の壁面28に設けられた図示しないアンテナ端子に接続してから一端を薄型テレビ37のアンテナ端子に接続することがある。そのような場合、上記アンテナコード42を側板4に形成された挿通孔26から収容部13に導入し、ついで収容部13を開放した状態で可動載置板31の挿通孔39を通してその上面側に導出してから、一端を上記薄型テレビ37のアンテナ端子に接続すればよい。
【0048】
アンテナコード42の接続も、可動載置板31を前方へ移動させて収容部13を開放しておくことで、家具本体1を最初の設置場所から動かすことなく、容易に行なうことができる。
【0049】
上記収容部13に複数の接続口を有するコンセント23を設けるようにした。そのため、家具本体1の空間部にDVD17やビデオデッキ18などの他のオーディオ機器を載置した場合であっても、これらの電気コードを背面板7に形成された挿通孔21を通して収容部13に導出すれば、上記コンセント23に接続して給電することができる。つまり、DVD17やビデオデッキ18などの電気コードを家具本体1の外部に導出せずに給電できるから、外観的に良好となる。
【0050】
上記第1の実施の形態では収容部にコンセントを設け、このコンセントに薄型テレビの電気コードを接続したが、薄型テレビの電気コードを収容部から外部に導出し、壁面に設けられた埋め込みコンセントに接続するようにしてもよい。
【0051】
可動載置板に挿通部として挿通孔を形成したが、挿通部は挿通孔に代わって可動載置板の後端面に開放する溝であってもよい。挿通部が溝であると、可動載置板を前方へ移動させたとき、その溝に挿通された電気コードやアンテナコードは溝から外れるから、家具本体の上板に逃げ溝を形成しなくとも、可動載置板を移動させることが可能となる。
【0052】
図9乃至図15はこの発明の第2の実施の形態であって、第1の実施の形態の家具本体1と異なる構成の家具本体1Aが用いられている。以下、第2の実施の形態の家具本体1Aを説明する。なお、第1の実施の形態の家具本体1と同一部分には同一記号を付して説明を省略する。
【0053】
第2の実施の形態の家具本体1Aは、底板2の幅方向両端に立設された一対の側板4の前後方向後端間に背面板7が架設されている。さらに、底板2には、上記一対の側板4間に一対の仕切り板5Aは後端を背面板7の前面に接触させて設けられている。各仕切り板5Aの下端部には図14に示すように挿通孔51が形成されている。
なお、側板4の外面には図10と図13に示すように上下方向に所定間隔で複数の溝4aが形成され、その側板4の意匠的か外観の向上が図られている。
【0054】
上記一対の仕切り板5A間の前後方向中途部には、この仕切り板5A間の空間部を前後方向2つの空間部に隔別する隔別板52が架設されている。この隔別板52によって隔別された2つの空間部のうち、隔別板52の背面と背面板7の前面との間に形成された後方の空間部は上記第1の実施の形態の収容部13と同様、第1の電気コード41やアンテナコード42(第1の実施の形態に示す)が挿通される収容部13Aとなっていて、前方はたとえば薄型テレビ37のスピーカシステム53(図10に鎖線で示す)を収容する空間部9Aとなっている。
【0055】
家具本体1Aを構成する上板8Aは、この家具本体1Aの後端部側の上面を除く部分を閉塞するように設けられている。この実施の形態では上記収容部13Aの後端部側の上面を家具本体1Aの幅方向全体にわたって開放するよう設けられている。
【0056】
なお、上記上板8Aは少なくとも上記収容部13Aの後端部側の上面を開放していればよく、他の部分である、一対の仕切り板5Aと一対の側板4との間の空間部9の後端側の上面は開放してもよく、閉塞してもよい。
【0057】
上記上板8Aの上面には上記第1の実施の形態と同様、可動載置板31が前後方向に沿って移動可能に設けられる。上記上板8Aの上面には、図11に示すように上記可動載置板31を円滑に移動させることができるようにするためのフェルトや合成樹脂などで作られたシート状部材53が前後方向に沿って貼着されている。
【0058】
なお、図15(a),(b)に示すように、可動載置板31の下面には、上記上板8の幅方向両端部に前後方向に沿って形成された長孔32にスライド可能に係合するガイド部材54がねじ止め固定されている。
【0059】
図9に示すように、このガイド部材54は上記長孔54の約半分の長さに形成されている。それによって、上記可動載置板31は上記ガイド部材54が長孔32内で移動する範囲で前後方向に移動させることができるようになっている。
【0060】
上記可動載置板31の上面には第1の実施の形態に示す薄型テレビ37が載置され、上記仕切り板5Aと側板4との間の一対の空間部9Bには同じく第1の実施の形態に示すDVD17とビデオデッキ18が収容載置される。
【0061】
上記隔別板52には矩形状の一対の挿通孔55が形成されている。この挿通孔55には、上記スピーカシステム53と上記薄型テレビ37を接続する電気コード(図示せず)が挿通される。
【0062】
詳細は図示しないが、上記仕切り板5Aの収容部13A側を向いた面あるいは上記隔別板52の収容部13A側を向いた面には第1の実施の形態に示されるコンセント23が設けられる。このコンセント23に給電する第2のコード24は仕切り板5Aの挿通孔51及び側板4の挿通孔26を通されて外部に導出される。
なお、図示しないが、上記背面板7の上記収容部13Aを形成する部分に上記第2の電気コード24を外部に導出するための挿通孔を形成するようにしてもよい。
【0063】
このような構成によれば、第1の実施の形態1と同様、家具本体1Aの上板8に載置された可動載置板31を前方へスライドさせれば、収容部13Aの上面開口を開放することができる。
【0064】
そのため、家具本体1Aが室内の壁面28に接近して設置された状態であっても、上記収容部13Aの開口した上面からその内部に手を入れて薄型テレビ37の第1の電気コード41に設けられたプラグ44を、給電用の第2の電気コード24に設けられたコンセント23に接続することができる。
【0065】
同様に、上記仕切り板5Aと側板4との間の一対の空間部9Bに設けられDVD17やビデオデッキ18に対する配線も、仕切り板5Aに形成された挿通孔51から収容部13Aに通すことで、上記収容部13Aの開口した上面から容易に行うことができる。
【0066】
家具本体1Aの一対の側板4間に仕切り板5Aを設け、この仕切り板5A間の空間部を隔別板52によって前後方向に隔別し、その後方側の空間部を収容部13Aとして用いるようにした。
【0067】
そのため、収容部13Aを背面板7の後方に形成した第1の実施の形態に比べて装置本体1Aの奥行き寸法を小さくすることができる。つまり、装置本体1Aの大型化を招くことなく、薄型テレビ37、DVD17、ビデオデッキ18或いはスピーカシステム53に対する配線を容易に行うことができるようにするための収容部13Aを形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】この発明の第1の実施の形態を示す載置用家具の斜視図。
【図2】可動載置板の長手方向一端側を除去した載置用家具の平面図。
【図3】載置用家具の正面図。
【図4】載置用家具の側面図。
【図5】載置用家具の縦断面図。
【図6】(a)は家具本体の上板に可動載置板が移動可能に設けられた部分の断面図、(b)は上記上板を内面側から見た平面図。
【図7】上板と可動載置板の逃げ溝が形成された部分の断面図。
【図8】(a)〜(c)はそれぞれ家具本体に設けられる仕切り板を示す図。
【図9】この発明の第2の実施の形態を示す家具本体の平面図。
【図10】同じく正面図。
【図11】家具本体の上面板を半断面した平面図。
【図12】可動載置板を除いた家具本体の正面図。
【図13】家具本体の側面図。
【図14】可動載置板を除いた家具本体の長手方向中途部の縦断面図。
【図15】(a)は可動載置板の正面図、(b)は同じく内面を示す平面図。
【符号の説明】
【0069】
1…家具本体、2…底板、4…側板、5…仕切り板、8…上板、13…収容部、31…可動載置板、34…ねじ軸(ストッパ)、37…薄型テレビ(オーディオ機器)。
【技術分野】
【0001】
この発明はたとえば薄型テレビなどのオーディオ機器を載置するための載置用家具に関する。
【背景技術】
【0002】
最近ではオーディオ機器であるテレビが薄型化する傾向にあり、それに伴ってテレビを載置するための載置用家具の形状も変化してきている。すなわち、従来の載置用家具は上面にテレビを単に載置することができるだけのものであったが、最近ではテレビを載置するだけでなく、家具として外観を損なうことのないよう、上記テレビを載置することができるようにすることが要求されている。
【0003】
家具としての外観を損なうことがないようにするためには、たとえば薄型テレビに接続される給電コードができるだけ載置用家具の前面に露出しないようにする構成が望まれている。そのような載置用家具としては特許文献1に示される構成が知られている。
【0004】
特許文献1に示された載置用家具は、背板を家具後端よりやや前方に配置し、その家具を壁面に当接させて載置し、壁面に設けたコンセントを背板との間の隙間に収め、背板のコンセントに対向する箇所にコンセントよりも大きい開口を形成するようにしている。上記家具の天板には上記開口に近い部分に配線孔を設ける。
【0005】
それによって、天板に載置された薄型テレビに接続された電気コードを上記配線孔から上記背板に形成された開口を通すことで、この背板の背面側に位置するコンセントに接続することができる。
【特許文献1】特開2001―8754号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような構成によれば、上記コンセントに接続された電気コードは上記背板と上記壁面との間の空間部に収容され、載置用家具の前面にはほとんど露出することがないため、外観的には良好である。
【0007】
しかしながら、上記背板と壁面との間の空間部は側方が上記載置用家具の左右一対の側板によって閉塞され、上面が天板によって閉塞されている。そのため、コンセントに対して電気コードを接続したり、取り外す場合、載置家具をその背面が壁面から所定間隔で離れる位置まで移動させなければならないから、載置用家具の上面に薄型テレビを設置する際の作業性が非常に悪いということがあった。
【0008】
とくに、載置用家具に載置される薄型テレビが大型化すると、それに伴って載置用家具も大型化するから、薄型テレビが載置された載置家具を移動させることが容易でないということがある。しかも、特許文献1の構成では壁面に設けたコンセントを載置用家具の背板との間に収めなければならないから、壁面のコンセントが設けられていない箇所には載置用家具を設置し難いということになる。
【0009】
この発明は、オーディオ機器に接続される電気コードが外部に露出することがほとんどなく、しかもオーディ機器に対する電気コードの接続や取り外しを容易に行なうことができるようにしたオーディオ機器の載置用家具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明は、オーディオ機器を載置するための載置用家具であって、
前後方向の後方に収容部が形成された家具本体と、
この家具本体の上面に前後方向に沿って移動可能に設けられ上面が上記オーディオ機器を載置することが可能な載置面となっていて、前方へ移動させたときに上記収容部の上面を開放する可動載置板と、
この可動載置板の前後方向の後端部に設けられ上記載置面に載置される上記オーディオ機器に接続された第1の電気コードを上記収容部に挿通する挿通部と
を具備したことを特徴とするオーディオ機器の載置用家具にある。
【0011】
上記家具本体は背面板を有し、上記収容部は上記背面板の後方に形成されることが好ましい。
【0012】
上記家具本体は背面板を有し、上記収容部は上記背面板の前方に形成されることが好ましい。
【0013】
上記収容部には上記第1の電気コードが接続されるコンセントが設けられていることが好ましい。
【0014】
上記家具本体は、
上記可動載置板と幅寸法及び前後方向に沿う奥行き寸法がほぼ同じに設定された底板と、
この底板の前後方向の後部に幅方向に沿って設けられた背面板と、
上記底板の幅方向の両端部に立設された一対の側板と、
この側板よりも奥行き寸法が小さく設定され上記一対の側板間にこれら側板と前端面を一致させるとともに、後端面を上記収容部に露出させて立設された仕切り板と、
上記側板、仕切り板及び背面板によって区画された空間部の上面開口を閉塞するよう設けられその上面に上記可動載置板が前後方向に沿って移動可能に設けられる上板とによって構成されていて、
上記仕切り板の後端面には上記第1の電気コードが接続されるコンセントが設けられることが好ましい。
【0015】
上記コンセントには第2の電気コードが接続されていて、上記側板の上記収容部に対応する箇所には上記第2の電気コードを上記収容部から導出するための導出孔が形成されていることが好ましい。
【0016】
上記挿通部は挿通孔であって、上記上面板の上記挿通孔と対応する部位には、上記可動載置板を前方に移動させたときに上記第1の電気コードの上記挿通孔から導出された部分が入り込む逃げ溝が上面及び後端面に開放して形成されていることが好ましい。
【0017】
上記家具本体の上面には前後方向に沿う長孔が形成され、上記可動載置板には上記長孔に係合して上記可動載置板の前後方向の移動をガイドするとともに移動範囲を制限するガイド部材が設けられていることが好ましい。
【0018】
上記家具本体は、
上記可動載置板と幅寸法及び前後方向に沿う奥行き寸法がほぼ同じに設定され前後方向の後端に背面板が幅方向に沿って設けられた底板と、
この底板の幅方向の両端部に立設された一対の側板と、
この側板と奥行き寸法がほぼ同じに設定され上記一対の側板間に所定間隔で設けられた一対の仕切り板と、
上記一対の仕切り板間の前後方向中途部に幅方向に沿って架設され一対の仕切り板間の上記背面板の前面との間に上記収容部を区画形成した隔別板と、
上記一対の側板間に形成された空間部のうち、少なくとも上記収容部の上面開口を除く部分を閉塞して設けられその上面に上記可動載置板が前後方向に沿って移動可能に設けられた上板によって構成されていることがこのましい。
【発明の効果】
【0019】
この発明によれば、可動載置板を家具本体の上面に前後方向に沿って移動可能に設け、この可動載置板を前方へ移動させることで、家具本体の後方に形成された収容部の上面を開放することができる。そのため、可動載置板にオーディオ機器を載置した場合、家具本体を移動させることなく、上記オーディオ機器に接続された第1の電気コードを上記収容部に対して容易に出し入れすることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、この発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
図1乃至図8はこの発明の第1の実施の形態を示す。図1は載置用家具を示す斜視図であって、この載置用家具は家具本体1を有する。この家具本体1は平面形状が矩形状の底板2を備えている。この底板2の下面の幅方向両端部には底板2を支持する脚部材3が設けられている。
【0021】
この底板2の幅方向両端部には、図2に示すように後端面を上記底板2の後端面に一致させ、前端面が底板2の前端面よりもわずかに後方に位置する奥行き寸法の一対の側板4が立設されている。一対の側板4間には、側板4よりも奥行き寸法が小さい仕切り板5が前端面を側板4の前端面に一致させて立設されている。
【0022】
上記仕切り板5の後端と各側板4の後端よりも所定寸法前方の内面との間にはそれぞれ背面板7が設けられ、さらに側板4、仕切り板5及び背面板7との上部にはこれらによって区画された空間部9の上面を閉塞する上板8が設けられている。
【0023】
それによって、家具本体1は前面が開放するとともに内部が仕切り板5によって2つの空間部9に区画された箱型状に形成されている。なお、家具本体1の前面には扉を開閉可能に設けるようにしてもよい。
【0024】
上記一対の側板4の上記仕切り板5の後端面よりも後方に突出した後端間には覆い板12が架設されている。それによって、上記背面板7の背面側には上記底板2、一対の側板4、背面板4及び覆い板12によって底面及び周囲が囲まれた収容部13が形成される。
【0025】
なお、一対の側板4の後端間に覆い板12を設けたが、覆い板12を設けずに、収容部13の後端面は開放したままとしてもよい。
【0026】
図2と図3に示すように、一対の空間部9を形成する上記側板4の内面及び仕切り板5の両側面には、それぞれ複数の係止ピン14が上下方向の取付け位置の調整可能に設けられている。そして、上記空間部9には棚板15が幅方向の両端部を上記係止ピン14に係合させて水平に架設されていて、上記棚板15の後端には図5に示すように挿通溝16が形成されている。
【0027】
上記空間部9には棚板15や底板2の上面に各種のオーディオ機器、図1や図5に示すようにたとえばDVD17やビデオデッキ18などが載置される。これらDVD17とビデオデッキ18を図5に示すように接続コード19で接続する場合、その接続コード19は上記挿通溝16を通したり、上記背面板7に形成された挿通孔21に通される。
【0028】
図8に示すように上記仕切り板5は中空状のフラッシュ構造になっていて、その後端面にはコンセント23が設けられている。このコンセント23の接続面23aには複数の接続部(図示せず)が形成されていて、その接続面23aは上記仕切り板5の後端面に露出させている。
【0029】
上記コンセント23に接続された電気コード(第2の電気コード)24は上記仕切り板5の後端面に開放した導出孔25から上記家具本体1の背面板7の後方に形成された収容部13に導出され、この収容部13から図1乃至図3に示すように上記側板4の後端部の下端に形成された挿通孔26を通されて外部に導出されている。
【0030】
図1に示すように、上記収容部13から家具本体1の外部に導出された電気コード24は、その先端に設けられたプラグ27を壁面28に設けられた埋め込みコンセント29に接続される。それによって、上記仕切り板5の後端に設けられたコンセント23に給電されるようになっている。
【0031】
上記家具本体1の上面には、上記底板2よりも幅寸法がわずかに小さく、前後方向の奥行き寸法がほぼ同じ大きさの矩形状に形成された可動載置板31が上記家具本体1の前後方向に沿って移動可能に設けられている。
【0032】
すなわち、図2や図6(a)に示すように上記上板8の上記家具本体1の幅方向両端部に対応する部位には長孔32が前後方向に沿って穿設されている。上記可動載置板31の下面の上記一対の長孔32に対応する部分には図6(a)に示すように一対のナット33が前後方向に沿って所定間隔で埋設されている。これらナット33にはガイド部材としての一対のねじ軸34が上記長孔32にワッシャ34aを介して挿通されて螺合されている。
【0033】
それによって、上記可動載置板31は図6(a)に実線で示すように一方のねじ軸34が長孔32の後端に当たった後退位置と、他方のねじ軸34が上記長孔32の前端に当たる前進位置との間で上記家具本体1の前後方向に沿って移動させることができるようになっている。そして、上記可動載置板31を図7に実線で示す前進位置に移動させれば、家具本体1の背面側に形成された収容部13の上面が開放される。
なお、可動載置板31を後退させた位置で上記ねじ軸34を締め込めば、この可動載置板31を移動不能に固定することができる。
【0034】
図3に示すように、上記移動載置板31の幅方向の両端部の下面には、上記側板4の外面に対して隙間のない状態で対向位置する桟状の規制部材35が前後方向に沿って設けられている。それによって、上記移動載置板31は幅方向にずれ動くことがなく、前後方向に移動させることができるようになっている。
なお、上記可動載置板31が前後方向に移動し易いようにするため、一対の側板4と仕切り板5の上端面には滑沢性の樹脂製テープを貼着するようにしてもよい。
【0035】
図1と図4に示すように、上記移動載置板31の載置面となる上面にはオーディオ機器としての、たとえば薄型テレビ37及び一対のスピーカ38が載置される。上記移動載置板31の幅方向中央部の後端部には挿通部としての一対の挿通孔39が厚さ方向に貫通して形成されている。上記移動載置板31が後退位置にあるとき、上記挿通孔39は上記収容部13の上面に対向位置している。
【0036】
図4に示すように、上記薄型テレビ37には電気コード(第1の電気コード)41とアンテナコード42が接続されている。これらのコード41,42は上記挿通孔39に通されて上記収容部13に導入される。上記電気コード41の先端にはプラグ43が設けられ、このプラグ43は上記仕切り板5の後端面に設けられたコンセント23に接続される。それによって、上記薄型テレビ37に給電できるようになっている。
【0037】
上記アンテナコード42は、上記側板4の上記収容部13を形成する部分である、後端部に形成された挿通孔26に挿通されて家具本体1の外部に導出される。そして、図示しないアンテナ端子に接続される。
なお、収容部13の背面側を覆う覆い板12に、上記第2の電気コード24やアンテナコード42を挿通する挿通孔或いは挿通溝を形成するようにしてもよい。
【0038】
図2と図7に示すように、上記家具本体1の上板8の上面には、上記可動載置板31に形成された挿通孔39と対応する位置に逃げ溝43が形成されている。この逃げ溝43は上記上板8の上面及び後端面に開放している。
【0039】
そのため、上記可動載置板31を図7に示すように前方へ移動させたとき、上記給電コード41やアンテナコード42の上記可動載置板31の挿通孔39から導出された部分が上記逃げ溝43に入り込むから、上記上板8と上記可動載置板31との間に挟まれるのが防止される。
【0040】
このような構成のオーディオ機器の載置用家具によれば、家具本体1の上面に可動載置板31を前後方向に沿って移動可能に設け、この可動載置板31の上面にオーディオ機器である、薄型テレビ37を載置するようにした。
【0041】
そのため、薄型テレビ37を設置する場合には、まず、載置用家具を室内の所定の位置に設置してから可動載置板31上に薄型テレビ37を載置する。ついで、薄型テレビ37に接続された給電コード41を上記可動載置板31に形成された挿通孔39に通して家具本体1の背面側に形成された収容部13に導出したならば、上記可動載置板31を前方に移動させて収容部13の上面を開放する。
【0042】
収容部13の上面を開放したならば、作業者はこの収容部13に手を入れて収容部13に露出したコンセント23に上記電気コード41の先端に設けられたプラグ44を接続する。それによって、上記薄型テレビ37に給電されることになる。
【0043】
上記コンセント23に接続された電気コード24は作業者が収容部13に手を入れて側板4に形成された挿通孔26に通して収容部13から家具本体1の外部に導出することができる。そして、電気コード24の先端に設けられたプラグ27を壁面に設けられた埋め込みコンセント29に接続すれば、収容部13に設けられたコンセント23を介して上記薄型テレビ37に給電することができる。
【0044】
すなわち、予め家具本体1を室内の所定の場所に設置したならば、可動載置板31を前方へ移動させて収容部13の上面を開放することで、家具本体1を最初の設置場所から動かすことなく、作業者が収容部13に手を入れて薄型テレビ37の電気コード41を収容部13に設けられたコンセント23に接続したり、このコンセント23に接続された電気コード24を室内の壁面に設けられた埋め込みコンセント29に接続することができる。それによって、これらの作業を容易かつ迅速に行なうことができる。
【0045】
上記薄型テレビ37にはアンテナコード42が接続される。上記薄型テレビ37に一端が接続されたアンテナコード42は給電コード41と同様、可動載置板31の挿通孔39を通して収容部13に導入する。
【0046】
ついで、側板4に形成された挿通孔26を通して外部に導出したならば、壁面に設けられたアンテナ端子(図示せず)に接続すればよく、これらの作業は収容部13を開放して作業者が収容部13に手を入れることで、家具本体1を動かすことなく容易に行なうことができる。
【0047】
なお、アンテナコード42は他端を室内の壁面28に設けられた図示しないアンテナ端子に接続してから一端を薄型テレビ37のアンテナ端子に接続することがある。そのような場合、上記アンテナコード42を側板4に形成された挿通孔26から収容部13に導入し、ついで収容部13を開放した状態で可動載置板31の挿通孔39を通してその上面側に導出してから、一端を上記薄型テレビ37のアンテナ端子に接続すればよい。
【0048】
アンテナコード42の接続も、可動載置板31を前方へ移動させて収容部13を開放しておくことで、家具本体1を最初の設置場所から動かすことなく、容易に行なうことができる。
【0049】
上記収容部13に複数の接続口を有するコンセント23を設けるようにした。そのため、家具本体1の空間部にDVD17やビデオデッキ18などの他のオーディオ機器を載置した場合であっても、これらの電気コードを背面板7に形成された挿通孔21を通して収容部13に導出すれば、上記コンセント23に接続して給電することができる。つまり、DVD17やビデオデッキ18などの電気コードを家具本体1の外部に導出せずに給電できるから、外観的に良好となる。
【0050】
上記第1の実施の形態では収容部にコンセントを設け、このコンセントに薄型テレビの電気コードを接続したが、薄型テレビの電気コードを収容部から外部に導出し、壁面に設けられた埋め込みコンセントに接続するようにしてもよい。
【0051】
可動載置板に挿通部として挿通孔を形成したが、挿通部は挿通孔に代わって可動載置板の後端面に開放する溝であってもよい。挿通部が溝であると、可動載置板を前方へ移動させたとき、その溝に挿通された電気コードやアンテナコードは溝から外れるから、家具本体の上板に逃げ溝を形成しなくとも、可動載置板を移動させることが可能となる。
【0052】
図9乃至図15はこの発明の第2の実施の形態であって、第1の実施の形態の家具本体1と異なる構成の家具本体1Aが用いられている。以下、第2の実施の形態の家具本体1Aを説明する。なお、第1の実施の形態の家具本体1と同一部分には同一記号を付して説明を省略する。
【0053】
第2の実施の形態の家具本体1Aは、底板2の幅方向両端に立設された一対の側板4の前後方向後端間に背面板7が架設されている。さらに、底板2には、上記一対の側板4間に一対の仕切り板5Aは後端を背面板7の前面に接触させて設けられている。各仕切り板5Aの下端部には図14に示すように挿通孔51が形成されている。
なお、側板4の外面には図10と図13に示すように上下方向に所定間隔で複数の溝4aが形成され、その側板4の意匠的か外観の向上が図られている。
【0054】
上記一対の仕切り板5A間の前後方向中途部には、この仕切り板5A間の空間部を前後方向2つの空間部に隔別する隔別板52が架設されている。この隔別板52によって隔別された2つの空間部のうち、隔別板52の背面と背面板7の前面との間に形成された後方の空間部は上記第1の実施の形態の収容部13と同様、第1の電気コード41やアンテナコード42(第1の実施の形態に示す)が挿通される収容部13Aとなっていて、前方はたとえば薄型テレビ37のスピーカシステム53(図10に鎖線で示す)を収容する空間部9Aとなっている。
【0055】
家具本体1Aを構成する上板8Aは、この家具本体1Aの後端部側の上面を除く部分を閉塞するように設けられている。この実施の形態では上記収容部13Aの後端部側の上面を家具本体1Aの幅方向全体にわたって開放するよう設けられている。
【0056】
なお、上記上板8Aは少なくとも上記収容部13Aの後端部側の上面を開放していればよく、他の部分である、一対の仕切り板5Aと一対の側板4との間の空間部9の後端側の上面は開放してもよく、閉塞してもよい。
【0057】
上記上板8Aの上面には上記第1の実施の形態と同様、可動載置板31が前後方向に沿って移動可能に設けられる。上記上板8Aの上面には、図11に示すように上記可動載置板31を円滑に移動させることができるようにするためのフェルトや合成樹脂などで作られたシート状部材53が前後方向に沿って貼着されている。
【0058】
なお、図15(a),(b)に示すように、可動載置板31の下面には、上記上板8の幅方向両端部に前後方向に沿って形成された長孔32にスライド可能に係合するガイド部材54がねじ止め固定されている。
【0059】
図9に示すように、このガイド部材54は上記長孔54の約半分の長さに形成されている。それによって、上記可動載置板31は上記ガイド部材54が長孔32内で移動する範囲で前後方向に移動させることができるようになっている。
【0060】
上記可動載置板31の上面には第1の実施の形態に示す薄型テレビ37が載置され、上記仕切り板5Aと側板4との間の一対の空間部9Bには同じく第1の実施の形態に示すDVD17とビデオデッキ18が収容載置される。
【0061】
上記隔別板52には矩形状の一対の挿通孔55が形成されている。この挿通孔55には、上記スピーカシステム53と上記薄型テレビ37を接続する電気コード(図示せず)が挿通される。
【0062】
詳細は図示しないが、上記仕切り板5Aの収容部13A側を向いた面あるいは上記隔別板52の収容部13A側を向いた面には第1の実施の形態に示されるコンセント23が設けられる。このコンセント23に給電する第2のコード24は仕切り板5Aの挿通孔51及び側板4の挿通孔26を通されて外部に導出される。
なお、図示しないが、上記背面板7の上記収容部13Aを形成する部分に上記第2の電気コード24を外部に導出するための挿通孔を形成するようにしてもよい。
【0063】
このような構成によれば、第1の実施の形態1と同様、家具本体1Aの上板8に載置された可動載置板31を前方へスライドさせれば、収容部13Aの上面開口を開放することができる。
【0064】
そのため、家具本体1Aが室内の壁面28に接近して設置された状態であっても、上記収容部13Aの開口した上面からその内部に手を入れて薄型テレビ37の第1の電気コード41に設けられたプラグ44を、給電用の第2の電気コード24に設けられたコンセント23に接続することができる。
【0065】
同様に、上記仕切り板5Aと側板4との間の一対の空間部9Bに設けられDVD17やビデオデッキ18に対する配線も、仕切り板5Aに形成された挿通孔51から収容部13Aに通すことで、上記収容部13Aの開口した上面から容易に行うことができる。
【0066】
家具本体1Aの一対の側板4間に仕切り板5Aを設け、この仕切り板5A間の空間部を隔別板52によって前後方向に隔別し、その後方側の空間部を収容部13Aとして用いるようにした。
【0067】
そのため、収容部13Aを背面板7の後方に形成した第1の実施の形態に比べて装置本体1Aの奥行き寸法を小さくすることができる。つまり、装置本体1Aの大型化を招くことなく、薄型テレビ37、DVD17、ビデオデッキ18或いはスピーカシステム53に対する配線を容易に行うことができるようにするための収容部13Aを形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】この発明の第1の実施の形態を示す載置用家具の斜視図。
【図2】可動載置板の長手方向一端側を除去した載置用家具の平面図。
【図3】載置用家具の正面図。
【図4】載置用家具の側面図。
【図5】載置用家具の縦断面図。
【図6】(a)は家具本体の上板に可動載置板が移動可能に設けられた部分の断面図、(b)は上記上板を内面側から見た平面図。
【図7】上板と可動載置板の逃げ溝が形成された部分の断面図。
【図8】(a)〜(c)はそれぞれ家具本体に設けられる仕切り板を示す図。
【図9】この発明の第2の実施の形態を示す家具本体の平面図。
【図10】同じく正面図。
【図11】家具本体の上面板を半断面した平面図。
【図12】可動載置板を除いた家具本体の正面図。
【図13】家具本体の側面図。
【図14】可動載置板を除いた家具本体の長手方向中途部の縦断面図。
【図15】(a)は可動載置板の正面図、(b)は同じく内面を示す平面図。
【符号の説明】
【0069】
1…家具本体、2…底板、4…側板、5…仕切り板、8…上板、13…収容部、31…可動載置板、34…ねじ軸(ストッパ)、37…薄型テレビ(オーディオ機器)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オーディオ機器を載置するための載置用家具であって、
前後方向の後方に収容部が形成された家具本体と、
この家具本体の上面に前後方向に沿って移動可能に設けられ上面が上記オーディオ機器を載置することが可能な載置面となっていて、前方へ移動させたときに上記収容部の上面を開放する可動載置板と、
この可動載置板の前後方向の後端部に設けられ上記載置面に載置される上記オーディオ機器に接続された第1の電気コードを上記収容部に挿通する挿通部と
を具備したことを特徴とするオーディオ機器の載置用家具。
【請求項2】
上記家具本体は背面板を有し、上記収容部は上記背面板の後方に形成されることを特徴とする請求項1記載のオーディオ機器の載置用家具。
【請求項3】
上記家具本体は背面板を有し、上記収容部は上記背面板の前方に形成されることを特徴とする請求項1記載のオーディオ機器の載置用家具。
【請求項4】
上記収容部には上記第1の電気コードが接続されるコンセントが設けられていることを特徴とする請求項1記載のオーディオ機器の載置用家具。
【請求項5】
上記家具本体は、
上記可動載置板と幅寸法及び前後方向に沿う奥行き寸法がほぼ同じに設定された底板と、
この底板の前後方向の後部に幅方向に沿って設けられた背面板と、
上記底板の幅方向の両端部に立設された一対の側板と、
この側板よりも奥行き寸法が小さく設定され上記一対の側板間にこれら側板と前端面を一致させるとともに、後端面を上記収容部に露出させて立設された仕切り板と、
上記側板、仕切り板及び背面板によって区画された空間部の上面開口を閉塞するよう設けられその上面に上記可動載置板が前後方向に沿って移動可能に設けられる上板とによって構成されていて、
上記仕切り板の後端面には上記第1の電気コードが接続されるコンセントが設けられることを特徴とする請求項1記載のオーディオ機器の載置用家具。
【請求項6】
上記コンセントには第2の電気コードが接続されていて、上記側板の上記収容部に対応する箇所には上記第2の電気コードを上記収容部から導出するための導出孔が形成されていることを特徴とする請求項4又は請求項5記載のオーディオ機器の載置用家具。
【請求項7】
上記挿通部は挿通孔であって、上記上面板の上記挿通孔と対応する部位には、上記可動載置板を前方に移動させたときに上記第1の電気コードの上記挿通孔から導出された部分が入り込む逃げ溝が上面及び後端面に開放して形成されていることを特徴とする請求項5記載のオーディオ機器の載置用家具。
【請求項8】
上記家具本体の上面には前後方向に沿う長孔が形成され、上記可動載置板には上記長孔に係合して上記可動載置板の前後方向の移動をガイドするとともに移動範囲を制限するガイド部材が設けられていることを特徴とする請求項1記載のオーディオ機器の載置用家具。
【請求項9】
上記家具本体は、
上記可動載置板と幅寸法及び前後方向に沿う奥行き寸法がほぼ同じに設定され前後方向の後端に背面板が幅方向に沿って設けられた底板と、
この底板の幅方向の両端部に立設された一対の側板と、
この側板と奥行き寸法がほぼ同じに設定され上記一対の側板間に所定間隔で設けられた一対の仕切り板と、
上記一対の仕切り板間の前後方向中途部に幅方向に沿って架設され一対の仕切り板間の上記背面板の前面との間に上記収容部を区画形成した隔別板と、
上記一対の側板間に形成された空間部のうち、少なくとも上記収容部の上面開口を除く部分を閉塞して設けられその上面に上記可動載置板が前後方向に沿って移動可能に設けられた上板によって構成されていることを特徴とする請求項1記載のオーディオ機器の載置用家具。
【請求項1】
オーディオ機器を載置するための載置用家具であって、
前後方向の後方に収容部が形成された家具本体と、
この家具本体の上面に前後方向に沿って移動可能に設けられ上面が上記オーディオ機器を載置することが可能な載置面となっていて、前方へ移動させたときに上記収容部の上面を開放する可動載置板と、
この可動載置板の前後方向の後端部に設けられ上記載置面に載置される上記オーディオ機器に接続された第1の電気コードを上記収容部に挿通する挿通部と
を具備したことを特徴とするオーディオ機器の載置用家具。
【請求項2】
上記家具本体は背面板を有し、上記収容部は上記背面板の後方に形成されることを特徴とする請求項1記載のオーディオ機器の載置用家具。
【請求項3】
上記家具本体は背面板を有し、上記収容部は上記背面板の前方に形成されることを特徴とする請求項1記載のオーディオ機器の載置用家具。
【請求項4】
上記収容部には上記第1の電気コードが接続されるコンセントが設けられていることを特徴とする請求項1記載のオーディオ機器の載置用家具。
【請求項5】
上記家具本体は、
上記可動載置板と幅寸法及び前後方向に沿う奥行き寸法がほぼ同じに設定された底板と、
この底板の前後方向の後部に幅方向に沿って設けられた背面板と、
上記底板の幅方向の両端部に立設された一対の側板と、
この側板よりも奥行き寸法が小さく設定され上記一対の側板間にこれら側板と前端面を一致させるとともに、後端面を上記収容部に露出させて立設された仕切り板と、
上記側板、仕切り板及び背面板によって区画された空間部の上面開口を閉塞するよう設けられその上面に上記可動載置板が前後方向に沿って移動可能に設けられる上板とによって構成されていて、
上記仕切り板の後端面には上記第1の電気コードが接続されるコンセントが設けられることを特徴とする請求項1記載のオーディオ機器の載置用家具。
【請求項6】
上記コンセントには第2の電気コードが接続されていて、上記側板の上記収容部に対応する箇所には上記第2の電気コードを上記収容部から導出するための導出孔が形成されていることを特徴とする請求項4又は請求項5記載のオーディオ機器の載置用家具。
【請求項7】
上記挿通部は挿通孔であって、上記上面板の上記挿通孔と対応する部位には、上記可動載置板を前方に移動させたときに上記第1の電気コードの上記挿通孔から導出された部分が入り込む逃げ溝が上面及び後端面に開放して形成されていることを特徴とする請求項5記載のオーディオ機器の載置用家具。
【請求項8】
上記家具本体の上面には前後方向に沿う長孔が形成され、上記可動載置板には上記長孔に係合して上記可動載置板の前後方向の移動をガイドするとともに移動範囲を制限するガイド部材が設けられていることを特徴とする請求項1記載のオーディオ機器の載置用家具。
【請求項9】
上記家具本体は、
上記可動載置板と幅寸法及び前後方向に沿う奥行き寸法がほぼ同じに設定され前後方向の後端に背面板が幅方向に沿って設けられた底板と、
この底板の幅方向の両端部に立設された一対の側板と、
この側板と奥行き寸法がほぼ同じに設定され上記一対の側板間に所定間隔で設けられた一対の仕切り板と、
上記一対の仕切り板間の前後方向中途部に幅方向に沿って架設され一対の仕切り板間の上記背面板の前面との間に上記収容部を区画形成した隔別板と、
上記一対の側板間に形成された空間部のうち、少なくとも上記収容部の上面開口を除く部分を閉塞して設けられその上面に上記可動載置板が前後方向に沿って移動可能に設けられた上板によって構成されていることを特徴とする請求項1記載のオーディオ機器の載置用家具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
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【公開番号】特開2008−142513(P2008−142513A)
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−37069(P2007−37069)
【出願日】平成19年2月16日(2007.2.16)
【出願人】(000010032)フランスベッド株式会社 (95)
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年2月16日(2007.2.16)
【出願人】(000010032)フランスベッド株式会社 (95)
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