説明

カメラ、プラグインユニットおよびカメラシステム

【目的】取り扱いと保守が容易であって、また、バックフォーカスの調整を必要とせず、一般のユーザもレンズの交換が手軽に行えるような撮像素子を適用するタイプのカメラシステムを提供すること。
【構成】CCD16等と撮影レンズ15等を内蔵する筐体14等とカメラ本体1側のコネクタ2に接続され、信号の授受および機械的結合を得るコネクタ17,21,25とを有する交換レンズ11,12,13と、これらの交換レンズのコネクタ17,21,25に接続されるコネクタ2により信号の授受および機械的結合を得て、上記CCD16等により生成される画像情報を受けることが可能となるカメラ本体1とにより構成されるカメラシステム。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カメラ、プラグインユニットおよびカメラシステム、詳しくは、撮像素子と撮影光学系を有するプラグインユニット、また、該プラグインユニットが接続可能なカメラ、および、上記プラグインユニットとカメラで構成されるカメラシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】撮像素子としてCCDとその駆動回路と光学的フィルタ等が内蔵されたカメラ本体、および、そのカメラ本体に対して着脱可能な撮影光学系を有する交換レンズにより構成されるカメラシステムが従来より提案されている。図15は、上述のような従来のカメラシステムの一例を示すレンズ装着前の斜視図である。本図に示されるカメラ本体201内には、光学フィルタ(光学LPF)202,CCD203,周辺駆動回路等が内蔵されている。また、交換レンズ装着部にはCマウント,バヨネットマウント等のマウント部201aが設けられている。カメラ本体201の側面には入出力端子列203が配設されている。
【0003】カメラ本体201には上記マウント部201aを介して交換レンズである単焦点レンズ210、または、ズームレンズ220が装着可能である。なお、上記ズームレンズ220がフォーカシングやズーミング、また、絞りが電動式である場合、該ズームレンズ220にはレンズ制御用ケーブル221が取り付けられており、コネクタを介して上記本体側の端子列204の1つに接続される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述のような構成の従来のカメラにおいては、まず、図15に示すようにマウント部201aが開口状態になっており、内部に配設されているCCD部に塵埃等が入りやすく、保守が困難であるといった不具合があった。また、上述のカメラ本体201に対して、各種の交換レンズが装着可能であるが、それらの交換レンズ装着毎にバックフォーカス調整が必要となってくることからレンズの交換が簡単にできないという不具合もあった。なお、上記マウント部をネジマウントとして、レンズ装着時にそのネジの回転量により上記バックフォーカス調整を行うものもある。
【0005】上述のように従来のカメラは、レンズの交換に際して熟練性が要求されることから、一般のユーザが利用することは難しく、このようなレンズ交換タイプの撮像素子内蔵カメラ、例えば、レンズ交換式ビデオカメラは業務用、または、産業用にその用途が限られていた。したがって、一般ユーザ向けのビデオカメラとして、レンズ交換が可能なものは市販されていない状況にある。
【0006】また、上述の図15に示す交換レンズ220のように制御用ケーブル221が配設されているものにあっては、レンズ装着後、さらに、ケーブルの接続を行う必要があり、実際に撮影状態になるまで手間がかかってしまう。さらに、撮影状態においては、上記ケーブル221が邪魔になって、撮影操作に支障をきたすという不具合もあった。
【0007】また、図15に示すカメラでは、単焦点レンズ210、または、ズームレンズ220が装着された状態では、上記レンズ部が外方に突出してしまうことになり、カメラの携帯性がよくなかった。
【0008】本発明は、上述の不具合を解決するためになされたものであり、撮像素子を適用するカメラにおいて、取り扱いと保守が容易であって、また、バックフォーカスの調整を必要とせず、一般のユーザもレンズの交換が手軽に行えるようなレンズ交換式のカメラシステムを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段および作用】本発明のカメラシステムは、撮像素子と該撮像素子に対する光学系とを所定の関係に維持し得るようになされた筐体と自己の適合するカメラ本体に設けられた接続手段に接続されたときには所定の信号の授受および所定の機械的結合を得べく上記筐体と一定の位置関係を維持するように構成された接続手段とを有するプラグインユニットと、このプラグインユニットの上記接続手段が自己の対応する接続手段に接続されたときには、所定の信号の授受および所定の機械的結合を得て該プラグインユニットの上記撮像素子により生成される画像情報を受けることが可能になされたカメラ本体とを含んでなる。
【0010】上記カメラシステムにおいては、上記カメラ本体に対して上記プラグインユニットを上記接続手段を介して装着することによって、電気的に接続され、かつ、機械的にも結合され、撮影可能状態とすることができる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例を図に基づいて説明する。図1は、本発明の第1実施例のカメラシステムの交換レンズ装着前を示す斜視図であり、図2は、上記カメラシステムのカメラ本体に交換レンズを装着した状態の斜視図である。上記カメラシステムは、図1に示すようにカメラ、即ち、カメラ本体1と該カメラ本体1に着脱可能なプラグインユニットである交換レンズ群11,12,13とで構成される。
【0012】上記交換レンズ11,12,13は、それぞれズームレンズ,広角レンズ,パンフォーカスレンズの交換レンズであって、後述するように撮像素子と光学系を内蔵するパッケージ化されたカートリッジ構造を有しており、この交換レンズをを上記カメラ本体1の交換レンズ挿入用開口部1aに挿入して装着し、撮影が行われる。上記交換レンズ11,12,13は、それぞれ後述する撮像素子のCCDに対して各撮影レンズを所定の位置関係に維持し、さらに、交換レンズ装着時の位置決め用としての機械的接続手段でもある筐体14,18,22と、該筐体に内蔵される撮像素子としてのCCD16,20,24および光学的LPF(ローパスフィルタ)と、光学系としての撮影レンズ15,19,23と、上記カメラ本体1に対しての撮像信号、撮像制御信号、光学系の制御等に関する電気信号の授受、また、電力の授受、および、機械的結合を行うための接続手段としてのコネクタ部17,21,25とにより構成されている。
【0013】上記交換レンズ11,12,13のコネクタ部17,21,25によりカメラ本体1との間で授受される電気信号としては、例えば、合焦判定信号,フォーカスアクチュエータ駆動信号,測光判定信号,焦点距離情報信号,ズームアクチュエータ駆動信号,アイリスアクチュエータ駆動信号等がある。なお、上記交換レンズ11,12,13にそれぞれ制御手段としてのCPUを搭載し、撮影に関する制御、例えば、合焦制御,露出制御,ズーム制御等を交換レンズ内で完了させ、合焦完了信号,露光制御完了信号,焦点距離情報等の信号をカメラ本体1へ送信することによって、撮影動作に移行させることも可能である。
【0014】そして、上記交換レンズ11,12,13において、上記CCD16,20,24等の光学系は密閉された状態で筐体14,18,22に収納されており、塵埃等から保護されている。さらに、上記CCDが筐体内に内蔵されることから、当然ながらそれぞれバックフォーカスの調整がなされた状態で組み込まれている。
【0015】一方、上記カメラ本体1には、上記交換レンズ11,12,13が挿入可能であって、該交換レンズを位置決めする機械的結合のための接続手段としての上記開口部1aが配設されている。その開口部1aの内部には上記交換レンズに対しての撮像信号、撮像制御信号、光学系の制御等に関する電気信号の授受、また、電力の授受、および、上記交換レンズの機械的結合を行うための接続手段としてのコネクタ2が配設されている。
【0016】さらに、上記カメラ本体1には、装着された上記ズームレンズ,広角レンズ,パンフォーカスレンズなど各種の交換レンズに対応できるように各レンズ形式を認識し、撮影動作を行うための制御手段であるマイクロコンピュータのCPUと、上記交換レンズからの撮像信号処理回路部、および、記録,再生処理回路部を内蔵している。また、カメラ本体の外装部には、ストロボ発光窓3,カメラ操作スイッチ群4,5、撮影情報表示部6,入出力端子列7等が配設されている。
【0017】また、上記カメラ本体1に上記各交換レンズ11、または、12、または、13を装着した場合、図2に示すように交換レンズの筐体部は上記カメラ本体内に収容され、交換レンズのレンズ面はカメラ本体1の前面部に対して突出しない状態となる。
【0018】以上のように構成された本実施例のカメラシステムを撮影可能な状態にするには、まず、上記カメラ本体1の開口部1aに上記交換レンズ11,12,13の1つを挿入し、コネクタ2に対してコネクタ17、21、または、25を接続して装着状態とする。この状態でカメラ本体の操作スイッチ群4,5を操作することによって、上記交換レンズで取り込まれた被写体像の撮像データがカメラ本体1側で記録、または、外部に撮像信号として出力される。
【0019】本実施例のカメラシステムによると、各交換レンズのプラグインユニットを装着するだけで接続手段である上記コネクタが嵌入し、機械的結合のみならず電気的接続もワンタッチで行うことができる。また、上述したように装着可能な交換レンズは、すでにバックフォーカス調整がなされていることから、従来のカメラシステムのように交換レンズの装着に伴うバックフォーカスの調整が不要となる。したがって、レンズ交換が極めて容易となり、交換レンズの装着のみで撮影可能状態にセットすることができる。
【0020】また、交換レンズが上述のように密封状態でパッケージ化されていることからレンズ内部やCCD等に塵埃等の付着が防止できる。また、交換レンズがカメラ本体に装着された状態では、突出した状態にならず、交換レンズとカメラ本体間の接続ケーブルもないことから撮影可能状態での携帯性がよくなる。また、カメラ本体に装着可能な各種交換レンズを用意することにより、撮影者の用途に合わせたレンズの選択が可能となり、例えば、撮影領域の拡大が図れる。そして、接続手段であるコネクタを共通化することにより、例えば、種々の大きさの撮像素子、あるいは、画素数の撮像素子に対応可能な構成も可能となる。
【0021】上記第1実施例のカメラシステムに適用したカメラ本体1の応用例として、プラグインユニットとして撮像素子,光学LPFまでを内蔵した変換アダプタを用いることによって、撮像素子を持たないような従来の交換レンズを装着可能なカメラシステムを提案することができる。図3は、上記カメラ本体1と上記変換アダプタ、および、従来の交換レンズの装着前の斜視図である。
【0022】上記図3に示すカメラ本体1は、前述の第1実施例に適用したカメラ本体と同一のものであり、前記第1実施例に適用した交換レンズが挿入可能な開口部1aと、開口部内に配設される接続手段としてのコネクタ2が同様にカメラ本体1に配設されている。その他の構成も同様である。
【0023】また、プラグインユニットとしての変換アダプタ31は、その筐体32に図15に示した交換レンズ210と同様にCCDを持たない従来の交換レンズがマウント可能な従来のCマウント32aが設けられている。該マウントは、従来のバヨネットマウントでもよい。さらに、上記筐体32には光学LPF33と、撮像素子としてのCCD34と、カメラ本体1に対する接続手段としてのコネクタ35が所定の関係位置にそれぞれパッケージ化されて配設されている。
【0024】上述のような変換アダプタ31を前記カメラ本体1に装着することによって従来の交換レンズ38,39を使用して撮影することが可能になる。図4は、上記従来の交換レンズの装着状態を示すカメラシステムの斜視図である。
【0025】次に、本発明の第2実施例のカメラシステムについて、図5のカメラ本体と交換レンズの装着前状態を示す斜視図により説明する。本実施例のカメラシステムを構成するプラグインユニットである交換レンズ44には、その筐体45の一部に、例えば、交換するレンズがズームレンズであるか広角レンズであるか、あるいは、パンフォーカスレンズであるかのレンズ種別情報や、レンズの明るさ情報、あるいは、内蔵する撮像素子の種類を示す情報などの当該交換レンズの仕様に係る情報を示す標識である仕様情報保持手段としての標識用凹凸部45a,45b,45c,45dが設けられている。勿論、この交換レンズ44には、前記第1実施例の場合の交換レンズ11等と同様に撮影レンズ46,撮像素子47を内蔵し、接続手段としてのコネクタ48が配設されているものとする。
【0026】そして、上記交換レンズ44が装着されるカメラ本体41側には、上記凹凸部45a,45b,45c,45dの保持情報を読み取るための情報受け取り手段としての光学センサ43が開口部41aの内部の対応位置に配設されている。さらに、光学センサ43の出力から装着された交換レンズの仕様等を識別する情報識別手段を有するCPUも内蔵されている。なお、上記カメラ本体41には、前記第1実施例に適用されたカメラ本体1と同様に、交換レンズに対する接続手段としてのコネクタ42や撮像処理回路等同様な構成部材を内蔵しているものとする。
【0027】以上のように構成された本実施例のカメラシステムにおいては、交換レンズ44がカメラ本体41に装着されることによって、装着された交換レンズの種類が自動的に識別される。したがって、撮影者は撮影条件の設定のミスや誤操作、さらには、撮影ミスを未然に防止することができる。勿論、前記第1実施例のシステムのものと同一の効果も有している。
【0028】上述の第2実施例に適用された交換レンズ44にて、交換レンズの仕様情報保持手段として設けられた標識用凹凸部45a,45b,45c,45dに代わるものとして、バーコードを採用した交換レンズを変形例として提案することもできる。図6は、上記変形例の交換レンズの斜視図であって、交換レンズ51の筐体52には同様に撮影レンズ53,CCD54が内蔵され、カメラ本体との接続手段としてのコネクタ55が配設されている。そして、上記筐体52の側面には交換レンズの仕様情報保持手段として設けられたバーコードパターン56が配設されている。
【0029】上記交換レンズ51が装着されるカメラ本体側には、装着状態での上記バーコードパターン56の対向位置に情報受け取り手段としてのバーコード検出用の光学センサが配設されるものとする。上記カメラ本体のその他の構成は前記第2実施例のカメラ本体41の構成と同一である。このようにすれば、交換レンズを装着する動作と同時にバーコード情報を読み取ることができる。本変形例の交換レンズ51、および、それに対応するカメラ本体を用いた場合、交換レンズの詳細な仕様をカメラ本体で判別することが可能であり、より細かい撮影条件の自動設定等が可能となる。
【0030】上述の第2実施例に適用された交換レンズ44の仕様情報保持手段、および、カメラ本体の情報受け取り手段の別の変形例として、接続手段として適用されるピン式コネクタの接続部のうち、数本の接続片、および、接続ピンを仕様情報保持手段、および、情報受け取り手段用として適用する変形例を提案することも可能である。
【0031】図7は、上記変形例の交換レンズとカメラ本体のコネクタ部と関連する回路の模式的ブロック構成図である。本変形例のものでは、上記図7に示すようにカメラ本体側の雄コネクタ61の中の3本の接続ピン61bと、それに対応する交換レンズ側雌コネクタ65の中の3つの接続片65bを交換レンズの情報受け取り手段と仕様情報保持手段として用いる。上記接続ピン61bには電源ラインが抵抗を介して接続される。接続片65bの3つは、それぞれ交換レンズの仕様に基づいてオン状態、または、オフ状態に交換レンズ内で設定されている。
【0032】上記接続ピン61bのオンオフ出力は、カメラ本体側の制御手段としてのCPU62に入力され、装着された交換レンズの種類を判別する。CPU62は、識別した交換レンズの仕様に応じて、自動焦点調整回路63、または、露出制御回路64をコントロールし、撮影を実行することになる。
【0033】本変形例のものは、3本の接続ピンを仕様情報保持用、または、情報受け取り用として適用するため、2の3乗、即ち、8通りの交換レンズの仕様を識別することが可能となる。そして、上記仕様情報保持手段、または、情報受け取り手段を接続手段のコネクタに合わせて組込んでいるため、それらの手段を別途に配設する必要がなく、スペ−ス上もコスト上も有利なものとなる。
【0034】次に、本発明の第3実施例のカメラシステムについて、図8のカメラ本体と交換レンズの装着前の斜視図により説明する。本実施例のカメラシステムでは、プラグインユニットである交換レンズ75の筐体76の外形が前記第1実施例等の交換レンズの筐体の4角柱の形状に対して、挿入方向に沿った下方側面がカットされた6角柱となっており、カメラ本体71の開口部71aも交換レンズの筐体76の6角柱に合致した形状となっており、両者は正規の姿勢でのみ結合が可能であるので、例えば、撮像素子を上下逆に配置して、モニタ上に逆転した像を再生するという不都合がなくなる。その他の構成としては、前記第1実施例のものと同様に、交換レンズ筐体76には撮影レンズ77,CCD78、および、カメラ本体との接続手段としてのコネクタ79が配設されており、カメラ本体71には上記コネクタ79と対応する接続手段としてのコネクタ72、また、ストロボ73等が配設されている。
【0035】以上のように構成された本実施例のカメラシステムにおいては、交換レンズ75がカメラ本体71に対して相対的に正規の姿勢でのみ挿入、コネクタ結合が可能である。したがって、交換レンズ75の誤挿入は発生せず、誤挿入によるコネクタ部の破損事故も防止でき、円滑な交換レンズの装着がなされる。
【0036】上記図8のような形状が鏡枠の部品構成上、不可能な場合は、次の変形例でも同様な効果が得られる。すなわち、図9は、上記第3実施例のカメラシステムに対する交換レンズ挿入部の変形例における交換レンズ装着前の斜視図であり、図10は、上記図9の開口部のA矢視図であって、この変形例のカメラシステムにおいては、交換レンズ85の筐体86に被案内手段としてのガイド溝86bが挿入方向に沿って設けられており、カメラ本体81側の開口部81aには上記ガイド溝86bに摺動可能に嵌入可能な案内手段としてのガイドレール81bが設けられている。
【0037】そして、上記ガイド溝とガイドレールの位置関係は、ガイドレール81bが図10に示すように開口部81aの中心Cに対して非対称に設けられており、一定方向にのみ挿入可能となっている。なお、このガイド溝とガイドレールの関係は、逆にカメラ本体側にガイド溝を、また、交換レンズ側にガイドレールを設けるようにしてよい。
【0038】その他の構成としては、前記第1実施例のものと同様に、交換レンズ筐体86には撮影レンズ87,CCD88が内蔵され、カメラ本体81との接続手段としてのコネクタ89が配設されている。また、カメラ本体81には上記コネクタ89と対応する接続手段としてのコネクタ82、また、ストロボ83等が配設されている。
【0039】以上のように構成された本変形例のカメラシステムにおいても、前記第3実施例のものと同様な効果を得ることができる。すなわち、交換レンズ85がカメラ本体81に対して相対的に正規の姿勢でのみ挿入でき、コネクタも同様に結合できる。したがって、交換レンズ85の誤挿入は、勿論、発生しないし、誤挿入によるコネクタ部の破損事故が防止できる。
【0040】次に、本発明の第4実施例のカメラシステムについて、図11の交換レンズ、および、メモリカ−ド装着前の斜視図により説明する。本実施例のカメラシステムは、カメラ本体91の交換レンズ挿入開口部91aに反対の背面上に、プラグインユニットである交換レンズ95のカメラ本体への挿入方向と平行方向であって、対向する方向にカ−ド状情報記録媒体としてのメモリカ−ド100が挿入される情報記録媒体装着手段としてのカ−ド挿入口91cが設けられていることを特徴とする。また、カ−ド挿入口91cの内側には情報記録媒体装着手段としてのメモリカ−ド用コネクタ101が配設されている。
【0041】さらに、カメラ本体91の側面には、図11のA矢視図である図12に示すように上記挿入方向と平行なD方向にスライド可能な、交換レンズ、および、情報記録媒体のメモリカ−ド用の操作部材であるイジェクト操作ツマミ102が配設されている。
【0042】本実施例のカメラシステムのその他の構成としては、前記第1実施例のものと同様に、交換レンズ95の筐体96には撮影レンズ97,CCD98、および、カメラ本体91との接続手段としてのコネクタ99が配設されており、カメラ本体91には上記コネクタ99と対応する接続手段としてのコネクタ92、また、ストロボ93等が配設されている。
【0043】上述のようにカメラ本体91において、交換レンズ挿入方向に対向した方向にメモリカ−ド100を挿入するようにしたことによって、カメラ本体91内のレイアウト効率が向上する。また、上記イジェクト操作ツマミ102の操作方向を上記挿入方向と平行なD方向に採る構造が容易に採用できる。また、単一部材である上記イジェクト操作ツマミ102を中立位置から上記D方向に沿って前方、または、後方に操作することによって、交換レンズ95、または、メモリカ−ド100のコネクタを解放状態とし、上記交換レンズ95、または、メモリカ−ド100を簡単に排出することができ、操作部材の簡素化が図れ、低コスト化が実現できる。
【0044】次に、本発明の第5実施例のカメラシステムとして、図13の交換レンズ装着前の斜視図と、図14の装着状態の斜視図により説明する。本実施例のカメラシステムにおいては、カメラ本体91の交換レンズ挿入部上面に光透過窓91dを設け、また、プラグインユニットである交換レンズ95の上面側に自己のレンズ仕様、例えば、焦点距離,明るさ,口径,オート/マニュアルフォーカスの別等の情報を表記した仕様等表記部103を設ける。
【0045】上記仕様等表記部103は、交換レンズ95装着状態では、上記カメラ本体の光透過窓91dに位置しており、撮影者は、装着された交換レンズの仕様を確認する場合、従来のように交換レンズ側から覗く必要もなく、また、カメラ本体91を持ち変えることなく、撮影状態と同じ姿勢で目視確認することができ、撮影に都合がよい。なお、本実施例のカメラシステムのその他の構成は、前記第4実施例のものと同様とする。
【0046】
【発明の効果】上述のように本発明の請求項1,2,3に記載のカメラシステム、プラグインユニット、または、カメラにおいては、プラグインユニット装着時のバックフォーカスの調整を不要とし、また、装着されるプラグインユニットがパッケージ化されることからレンズ,撮像素子等に塵埃が付着せず、保守が簡単である。さらに、プラグインユニットは、接続手段によりカメラ本体と接続され、機械的保持と同時に電気的接続もなされるので、装着動作が簡単である。また、プラグインユニット内の撮像素子についてもあらゆるサイズのものが適用可能となる。
【0047】本発明の請求項4,5に記載のプラグインユニット、または、カメラによると、撮影者の用途に合わせたレンズの選択が間違いなく行え、撮影領域の拡大が図れる。また、撮影条件の設定ミス、または、誤操作,撮影ミス等も未然に防ぐことができる。
【0048】本発明の請求項6,7,8,9に記載のプラグインユニット、または、カメラによると、プラグインユニット交換時における着脱ミス、または、プラグインユニットの誤挿入によるプラグインユニット、または、カメラの接続手段の破壊が未然に防止できる。しかも、プラグインユニットの挿入を円滑に行うことができる。
【0049】本発明の請求項10,11に記載のプラグインユニット、または、カメラによると、プラグインユニット装着状態での携帯性が向上するとともに、デザインの自由度が大きくなる。また、装着状態での携帯時のカメラ、または、プラグインユニットの破損事故も防止できる。
【0050】本発明の請求項12,13に記載のカメラによると、情報記録媒体着脱手段の操作性が向上し、構成部材の共通化もでき、コスト的に有利となる。プラグインユニットと記録媒体の着脱方向が平行であることからカメラ内の各構成部材の実装効率が向上する。
【0051】本発明の請求項14,15のプラグインユニット、または、カメラによると、プラグインユニットの交換の際、カメラを持ちかえることなく、プラグインユニットの仕様を確認することができる。また、カメラを持ちかえることなくプラグインユニットが装着されているかどうかが容易に確認できる。
【0052】本発明の請求項16のプラグインユニットによると、接続手段における電気的情報伝達要素の数を減じることができ、接続手段がコンパクト化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例のカメラシステムの交換レンズ装着前を示す斜視図。
【図2】上記図1のカメラシステムの交換レンズ装着状態の斜視図。
【図3】上記図1のカメラシステムのカメラ本体に対して、変換アダプタを介して従来の交換レンズを装着する場合の装着前の斜視図。
【図4】上記図3のカメラ本体に対して従来の交換レンズを装着した状態の斜視図。
【図5】本発明の第2実施例のカメラシステムの交換レンズ装着前を示す斜視図。
【図6】上記図5のカメラシステムの交換レンズにおける交換レンズ仕様情報保持手段の変形例としてバーコードパターンを適用した交換レンズの斜視図。
【図7】上記図5のカメラシステムの交換レンズにおける交換レンズ仕様情報保持手段の別の変形例としてコネクタピンと接続片を適用した場合のコネクタ部、および、それに関連する回路のブロック構成図。
【図8】本発明の第3実施例のカメラシステムの交換レンズ装着前を示す斜視図。
【図9】上記図8のカメラシステムの交換レンズ挿入部の変形例における交換レンズ装着前を示す斜視図。
【図10】上記図9のA矢視図。
【図11】本発明の第4実施例のカメラシステムの交換レンズとメモリカ−ド装着前を示す斜視図。
【図12】上記図11のA矢視図。
【図13】本発明の第5実施例のカメラシステムの交換レンズ装着前を示す斜視図。
【図14】上記図12のカメラシステムの交換レンズ装着状態での斜視図。
【図15】従来のカメラシステムの交換レンズ装着前を示す斜視図。
【符号の説明】
1,41,71,81,91………カメラ、または、カメラ本体
1a,41a,71a,81a,91a………開口部(カメラ本体に設けられた接続手段)
2,42,61,72,82,92………コネクタ(カメラ本体に設けられた接続手段)
11,12,13,44,51,75,85,95………交換レンズ(プラグインユニット)
14,18,22,32,45,52,76,86,96………筐体(プラグインユニットに設けられた接続手段)
15,19,23,46,53,77,87,97………撮影レンズ(光学系)
16,20,24,34,47,54,78,88,98………CCD(撮像素子)
17,21,25,35,48,55,65,79,89,99………コネクタ(プラグインユニットに設けられた接続手段)
31 ………変換アダプタ(プラグインユニット)
34 ………光学LPF(光学系)
45a,45b,45c,45d………標識用凹凸部(仕様情報保持手段)
56 ………バーコードパターン(仕様情報保持手段)
61b………接続ピン(情報受け取り手段)
65b………接続片(仕様情報保持手段)
81b………ガイドレール(案内手段)
86b………ガイド溝(被案内手段)
91c………カ−ド挿入口(情報記録媒体装着手段)
91d………光透過窓(光透過部)
100………メモリカ−ド(情報記録媒体)
101………メモリカ−ド用コネクタ(情報記録媒体装着手段)
102………イジェクト操作ツマミ(操作部材)
103………仕様等表記部

【特許請求の範囲】
【請求項1】 撮像素子と該撮像素子に対する光学系とを所定の関係に維持し得るようになされた筐体と、自己の適合するカメラ本体に設けられた接続手段に接続されたときには所定の信号の授受および所定の機械的結合を得べく上記筐体と一定の位置関係を維持するように構成された接続手段とを有するプラグインユニットと、このプラグインユニットの上記接続手段が自己の対応する接続手段に接続されたときには、所定の信号の授受および所定の機械的結合を得て該プラグインユニットの上記撮像素子により生成される画像情報を受けることが可能になされたカメラ本体と、を含んでなることを特徴とするカメラシステム。
【請求項2】 撮像素子と該撮像素子に対する光学系とを所定の関係に維持し得るようになされた筐体と、自己の適合するカメラ本体に設けられた接続手段に接続されたときには、所定の信号の授受および所定の機械的結合を得べく上記筐体と一定の位置関係を維持するように構成された接続手段と、を有することを特徴とするプラグインユニット。
【請求項3】 撮像素子と該撮像素子に対する光学系とを所定の関係に維持し得るようになされた筐体と自己の適合する当該カメラ本体に接続されたときには所定の信号の授受および所定の機械的結合を得べく上記筐体と一定の位置関係を維持するように構成された接続手段とを有するプラグインユニットの、上記接続手段に対応する接続手段を備え、このプラグインユニットの接続手段が自己の上記接続手段に接続されたときには所定の信号の授受および所定の機械的結合を得て該プラグインユニットの上記撮像素子により生成される画像情報を受けることが可能になされたことを特徴とするカメラ。
【請求項4】 撮像素子と該撮像素子に対する光学系とを所定の関係に維持し得るようになされた筐体と、自己の適合するカメラ本体に設けられた接続手段に接続されたときには、所定の信号の授受および所定の機械的結合を得べく上記筐体と一定の位置関係を維持するように構成された接続手段と、自己の仕様に係る情報を上記カメラ本体側に認識可能な形態で提供し得るように保持する仕様情報保持手段と、を有すことを特徴とするプラグインユニット。
【請求項5】 撮像素子と該撮像素子に対する光学系とを所定の関係に維持し得るようになされた筐体と、自己の適合するカメラ本体に設けられた接続手段に接続されたときには、所定の信号の授受および所定の機械的結合を得べく上記筐体と一定の位置関係を維持するように構成された接続手段と、自己の仕様に係る情報を上記カメラ本体側に認識可能な形態で提供し得るように保持する仕様情報保持手段とを有するプラグインユニットが自己の対応する接続手段に接続されたときには、このプラグインユニットと所定の信号の授受および所定の機械的結合を得て該プラグインユニットの上記撮像素子により生成される画像情報を受けるとともに、上記仕様情報保持手段によるプラグインユニットの仕様に係る情報を受けるようになされた情報受け取り手段を有することを特徴とするカメラ。
【請求項6】 上記接続手段は、所定の正規の関係でのみ、自己の適合するカメラ本体に設けられた接続手段との接続が許容されるようになされたものである請求項2に記載のプラグインユニット。
【請求項7】 上記接続手段は、所定の正規の関係でのみ、自己の適合するプラグインユニットに設けられた接続手段との接続が許容されるようになされたものである請求項3に記載のカメラ。
【請求項8】 上記接続手段は、自己の適合するカメラ本体に設けられた接続手段との接続が確立する過程で自己と該カメラ本体との相対位置関係が規制されることにより当該接続の案内を受けるための被案内手段を設けられてなるものである請求項2に記載のプラグインユニット。
【請求項9】 上記接続手段は、自己に適合するプラグインユニットに設けられた接続手段との接続が確立する過程で自己と該プラグインユニットとの相対位置関係を規制して当該接続を案内するための案内手段が設けられてなるものである請求項3に記載のカメラ。
【請求項10】 上記筐体は、当該接続手段により自己に適合するカメラ本体との接続が確立した状態では上記光学系の前群レンズ外面と筐体前面とが略同一面内に位置するように形成されてなるものである請求項2に記載のプラグインユニット。
【請求項11】 当該接続手段により自己に適合するプラグインユニットとの接続が確立した状態では該プラグインユニットの上記光学系の前群レンズ外面と自己の前面とが略同一面内に位置するように形成されてなる筐体を有する請求項3に記載のカメラ。
【請求項12】 当該接続手段により自己に適合するプラグインユニットとの接続が確立される過程乃至接続が解除される過程での自己と該プラグインユニットとの相対変位方向と平行な方向への当該相対変位によって、当該適合するカ−ド状情報記録媒体の着脱を可能ならしめるようになされた情報記録媒体装着手段が設けられてなる請求項3に記載のカメラ。
【請求項13】 当該プラグインユニットとの接続を解除するための操作部材が、当該カ−ド状情報記録媒体の装着を解除するための操作部材を兼ねるように構成されたものである請求項12に記載のカメラ。
【請求項14】 当該接続手段により自己の適合するカメラ本体に接続されたときには、このカメラ本体所定部の設けられた光透過部を通して視認可能な状態で自己の仕様等に係る情報を表記した仕様等表記部が筐体外面の所定部に設定されてなるものである請求項2に記載のプラグインユニット。
【請求項15】 当該接続手段により自己の適合するプラグインユニットが接続されたときには、このプラグインユニットの筐体外面の所定部に設定されてなる該プラグインユニットの仕様等に係る情報を表記した仕様等表記部が、自己の筐体所定部に設けられた光透過部を通過して視認可能になされてなるものである請求項3に記載のカメラ。
【請求項16】 撮影に係る所定の制御動作については、自己の筐体内に設けられた制御手段によって当該動作が完了した旨の制御信号のみを出力するようになされたものである請求項2に記載のプラグインユニット。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図10】
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【図3】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図12】
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【図11】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開平8−172561
【公開日】平成8年(1996)7月2日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平6−315000
【出願日】平成6年(1994)12月19日
【出願人】(000000376)オリンパス光学工業株式会社 (11,466)