説明

カートニングマシン及び被収容物入りカートンの製造方法

【課題】被収容物が収容されていないカートンが流通してしまうことを阻止する。
【解決手段】カートニングマシンは、カートンCを搬送するカートンコンベア31と、カートンコンベア31に沿って被収容物Rを搬送する被収容物コンベア21と、被収容物RをカートンCに挿入する挿入装置41と、被収容物RのカートンCへの挿入完了地点EPよりも上流側に設けられてカートンC及び被収容物Rの検知を同時に行う相互検査センサ51と、仮想直交線VSLから挿入完了地点EPまでのカートンCの有無を検知するエリアセンサ55と、一旦停止した後はエリアセンサ55でカートンCが無いことが検知されるまではカートンコンベア31及び被収容物コンベア21の再起動を許可しない制御をする制御装置とを備える。而して、カートンCに対応する被収容物Rが被収容物コンベア21に存在しない状態でラインが稼働することを確実に回避できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はカートニングマシン及び被収容物入りカートンの製造方法に関し、特に被収容物が収容されていないカートンが流通してしまうことを阻止するカートニングマシン及び被収容物入りカートンの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
食品包装等に用いられる合成樹脂製のラップフィルムやアルミホイル等の長尺物は、巻回されたうえで紙製の直方体形状のカートンに収容されて販売されている。長尺物の巻回体を収容するカートンとして、長方形の底板と、底板の4辺に立設された前板、後板及び2枚の脇板とを有し、一面が開口された箱本体と、後板に回動可能に連接されて箱本体の開口を塞ぐ蓋板と、蓋板に対して直角に折り曲げられた掩蓋片及び掩蓋片の先端に連続して設けられて使用時に除去される切取片であって販売時は箱本体の前板を覆っている掩蓋片及び切取片とを備えるものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−280076号公報(段落0013−0023等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の巻回体が収容されたカートンは、カートニングマシンによって、脇板が開口したカートンに対して巻回体を開口から挿入した後に脇板を閉じて製造することができる。カートニングマシンでは、脇板が開口した筒状のカートンをカートンコンベアによって適宜間隔を空けて複数連続して搬送すると共に、カートンに収容される巻回体をカートンコンベアに並走する被収容物コンベアによって適宜間隔を空けて複数連続して搬送し、被収容物コンベアで搬送されている巻回体を挿入装置によってカートンに挿入した後、脇板を閉じることで、製品とすることができる。
【0005】
上述のカートニングマシンによって巻回体が収容されたカートンを製造する際、コンベアに搬送されているカートンに対応する巻回体が存在しないままラインが流れてしまうと、巻回体が収容されていないカートンが市場に流通してしまうおそれがある。このような不都合を回避するため、巻回体のカートンへの挿入を開始する前に、搬送されているカートンに対応する巻回体が存在することを相互検査センサで検知することが考えられる。しかしながら、何らかの不都合が生じてラインが停止した際に、相互検査センサの下流側で巻回体がコンベアから取り除かれてしまい、そのまま再起動された際には、カートンに対応する巻回体が存在しないままラインが再開されることとなり、巻回体が収容されていないカートンが市場に流通してしまうこととなる。
【0006】
本発明は上述の課題に鑑み、被収容物が収容されていないカートンが流通してしまうことを阻止するカートニングマシン及び被収容物入りカートンの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様に係るカートニングマシンは、例えば図2に示すように、カートンCに、カートンCの開口面から被収容物Rを挿入するカートニングマシン1(例えば図1参照)であって;カートンCを、開口面が搬送方向Dに対して側面となる状態で搬送するカートンコンベア31と;開口面側のカートンコンベア31に沿って配置され、カートンコンベア31の搬送方向Dと同じ方向に被収容物Rを搬送する被収容物コンベア21と;移動している被収容物コンベア21上の被収容物Rを、移動しているカートンコンベア31上のカートンCに挿入する挿入装置41と;挿入装置41による被収容物RのカートンCへの挿入が完了する挿入完了地点EPよりも搬送方向D上流側に設けられた相互検査センサ51であって、カートンCの存在を検知するカートンセンサ53と、搬送方向Dにおけるカートンセンサ53からの乖離が被収容物Rの搬送方向Dにおける長さRa未満の範囲に配置された、被収容物Rの存在を検知する被収容物センサ52と、を有する相互検査センサ51と;カートンセンサ53及び被収容物センサ52のうち搬送方向D下流側に配設された方のセンサを通り搬送方向Dに直交する仮想直交線VSLから挿入完了地点EPまでのカートンコンベア31上のカートンCの有無を検知するエリアセンサ55と;カートンセンサ53によるカートンCの検知と被収容物センサ52による被収容物Rの検知とが連続しなかったときにカートンコンベア31及び被収容物コンベア21を停止すると共に、エリアセンサ55によりカートンCが無いことが検知されるまではカートンコンベア31及び被収容物コンベア21の再起動を許可しないように制御する制御装置60(例えば図1参照)とを備える。
【0008】
ここで、カートンセンサによるカートンの検知と被収容物センサによる被収容物の検知とが連続しないとは、カートン及び被収容物のどちらか一方の存在の検知が行われた後、当該一方の存在が無くなることを検知するまでの間に他方の存在を検知できない場合をいう。逆にいえば、カートン及び被収容物の一方の存在を検知している間に他方の存在を検知することができたときは、カートンセンサによるカートンの検知と被収容物センサによる被収容物の検知とが連続していることとなる。典型的には、カートンセンサ及び被収容物センサの両方が仮想直交線上に配置され、この場合は、搬送方向におけるカートンセンサと被収容物センサとの乖離が0(ゼロ)となる。
【0009】
このように構成すると、仮想直交線から挿入完了地点までにカートンが残存しているときはカートンコンベア及び被収容物コンベアの再起動がなされないこととなるため、カートンに対応する被収容物が被収容物コンベアに存在しない状態でラインが稼働することを確実に回避することができ、被収容物が収容されていないカートンが流通してしまうことを阻止することができる。
【0010】
上記目的を達成するために、本発明の第2の態様に係るカートニングマシンは、例えば図2に示すように、カートンCに、カートンCの開口面から被収容物Rを挿入するカートニングマシン1(例えば図1参照)であって;カートンCを、開口面が搬送方向Dに対して側面となる状態で搬送するカートンコンベア31と;開口面側のカートンコンベア31に沿って配置され、カートンコンベア31の搬送方向Dと同じ方向に被収容物Rを搬送する被収容物コンベア21と;移動している被収容物コンベア21上の被収容物Rを、移動しているカートンコンベア31上のカートンCに挿入する挿入装置41と;挿入装置41による被収容物RのカートンCへの挿入が完了する挿入完了地点EPよりも搬送方向D上流側に設けられた相互検査センサ51であって、搬送方向Dに直交する仮想直交線VSL上に配置され、カートンCの存在を検知するカートンセンサ53と、仮想直交線VSL上に配置され、被収容物Rの存在を検知する被収容物センサ52と、を有する相互検査センサ51と;仮想直交線VSLから挿入完了地点EPまでのカートンコンベア31上のカートンCの有無を検知するエリアセンサ55と;相互検査センサ51によるカートンCの検知及び被収容物Rの検知が同時に行われないときにカートンコンベア31及び被収容物コンベア21を停止すると共に、エリアセンサ55によりカートンCが無いことが検知されるまではカートンコンベア31及び被収容物コンベア21の再起動を許可しないように制御する制御装置60(例えば図1参照)とを備える。
【0011】
このように構成すると、仮想直交線から挿入完了地点までにカートンが残存しているときはカートンコンベア及び被収容物コンベアの再起動がなされないこととなるため、カートンに対応する被収容物が被収容物コンベアに存在しない状態でラインが稼働することを確実に回避することができ、被収容物が収容されていないカートンが流通してしまうことを阻止することができる。
【0012】
また、本発明の第3の態様に係るカートニングマシンは、例えば図2に示すように、上記本発明の第1の態様又は第2の態様に係るカートニングマシンにおいて、相互検査センサ51が、挿入装置41による被収容物RのカートンCへの挿入が開始される挿入開始地点SP又は挿入開始地点SPの近傍に配置されている。
【0013】
このように構成すると、相互検査センサを通過した後に相互対応の不都合が生じること、及び対応する被収容物が被収容物コンベアに存在しない状態でカートンが挿入完了地点に近づいてしまうことを回避することができる。
【0014】
上記目的を達成するために、本発明の第4の態様に係る被収容物入りカートンの製造方法は、例えば図2及び図4を参照して示すと、所定の搬送方向Dに搬送されているカートンCの存在をカートン検知点53で検知するカートン有無検知工程(St1)と;搬送されているカートンCに並走して搬送方向Dに搬送されている被収容物Rの存在を、搬送方向Dにおけるカートン検知点53からの乖離が被収容物Rの搬送方向Dにおける長さRa未満の範囲にある被収容物検知点52で検知する被収容物有無検知工程(St2、St3)と;カートンCの存在を検知している間に被収容物Rの存在を検知することができなかったとき又は被収容物Rの存在を検知している間にカートンCの存在を検知することができなかったときにカートンCの搬送及び被収容物Rの搬送を停止する搬送停止工程(St4)と;カートン検知点53及び被収容物検知点52のうち搬送方向D下流側にある検知点を通り搬送方向Dに直交する仮想直交線VSLから、仮想直交線VSLよりも搬送方向D下流側にあるカートンCへの被収容物Rの挿入が完了する挿入完了地点EPまでのエリアのカートンCの有無を検知するエリア検知工程(St6)と;搬送停止工程(St4)後、エリア検知工程(St6)でカートンCが無いことが検知されるまではカートンCの搬送及び被収容物Rの搬送の再開を許可しない再起動不許可工程とを備える。
【0015】
このように構成すると、仮想直交線から挿入完了地点までにカートンが残存しているときはカートン及び被収容物の搬送が再開されないこととなるため、カートンに対応する被収容物が搬送路上に存在しない状態でラインが稼働することを確実に回避することができ、被収容物が収容されていないカートンが流通してしまうことを阻止することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、カートンに対応する被収容物が被収容物の搬送路上(被収容物コンベア)に存在しない状態でラインが稼働することを確実に回避することができ、被収容物が収容されていないカートンが流通してしまうことを阻止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施の形態に係るカートニングマシンの概略構成を示す概念図である。
【図2】ロールがカートンに挿入されるエリアまわりのカートンコンベア、ロールコンベア、及び挿入装置の部分平面図である。
【図3】(A)はカートンコンベアの部分側面図、(B)はロールコンベアの部分側面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るカートニングマシンの制御の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、各図において互いに同一又は相当する部材には同一あるいは類似の符号を付し、重複した説明は省略する。
【0019】
まず図1を参照して、本発明の実施の形態に係るカートニングマシン1の概略構成を説明する。図1は、カートニングマシン1の概略構成を示す概念図である。カートニングマシン1は、扁平に折り畳まれたカートン(以下「扁平カートンCf」という。)を所定の場所に搬送する搬送コンベア13と、扁平カートンCfが広げられて形成されたカートンCを搬送するカートンコンベア31と、カートンCに挿入される被収容物としてのロールRを搬送する被収容物コンベアとしてのロールコンベア21と、ロールRをカートンCに挿入する挿入装置41と、制御装置60とを備えている。
【0020】
搬送コンベア13は、扁平カートンCfを筒状に広げる場所の近傍まで搬送する装置である。搬送コンベア13は、2つのプーリ13pに張架された無端ベルト13vを有している。本実施の形態では、プーリ13pとしてスプロケットが、無端ベルト13vとしてローラーチェーンが、それぞれ用いられている。無端ベルト13vには、突起としての爪13cが、無端ベルト13vの外側に突き出る態様で、所定の間隔ごとに複数設けられている。本実施の形態では、扁平カートンCfが搬送される方向(以下「搬送方向D」という。)に直交する方向に間を空けて無端ベルト13vが2つ対になって設けられており、一対の無端ベルト13vの爪13cを結んだ仮想線が、搬送方向Dに直交するように調節されている。無端ベルト13vは、プーリ13pが駆動源(不図示)に回転させられることにより、扁平カートンCfが載置される面が搬送方向Dに移動するように構成されている。
【0021】
搬送コンベア13の、搬送方向D上流側の端部の上方には、扁平カートンCfを上下に重ねて収容するカートンマガジン11が配設されている。カートンマガジン11は、鉛直線に対して搬送方向D上流側に傾いて設置されている。カートンマガジン11の下方には、カートンマガジン11の底部から扁平カートンCfを取り出して搬送コンベア13に載置するサクションカップ12が配設されている。サクションカップ12は、上下に揺動運動をすることで、カートンマガジン11内に収容されている最下部の扁平カートンCfを取り出して搬送コンベア13に載置するように構成されている。
【0022】
搬送コンベア13に対して搬送方向D下流には、位置決めガイド14が設けられている。位置決めガイド14は、搬送コンベア13によって直線運動させられてきた扁平カートンCfの移動を止めて、扁平カートンCfを筒状に広げる位置を決定する部品である。位置決めガイド14は、断面が矩形(長方形又は正方形)の四角柱状に形成された柱部14bと、梁状に形成された突部14pとを有している。位置決めガイド14は、2つの柱部14bが搬送方向Dに直交する水平方向に間隔を空けてそれぞれ鉛直に延びるように設けられており、突部14pが2つの柱部14bの下端をつなぐように水平に延びている。突部14pは、柱部14bよりも搬送コンベア13側に突き出る態様で取り付けられている。突部14pは、柱部14bよりも搬送コンベア13側に突き出た部分の上側が、面取りされている。位置決めガイド14は、搬送方向D下流側の搬送コンベア13の末端(搬送方向末端)から、扁平カートンCfの幅以上搬送方向Dに離れて設けられている。このように設けられることにより、搬送コンベア13により搬送されてきた扁平カートンCfが、搬送コンベア13と位置決めガイド14とに挟まれて詰まりを起こすことが回避される。また、扁平カートンCfが位置決めガイド14に衝突した位置における扁平カートンCfの下方には、扁平カートンCfを吸着可能で上下に往復動する吸引棒(不図示)が配設されている。扁平カートンCfは、位置決めガイド14に衝突したときに上昇した吸引棒(不図示)に吸着され、吸引棒(不図示)の下降に伴って下方に引かれる際に、位置決めガイド14の突部14pに引っかかった部分が残ろうとすることにより、箱形(筒状)に開くこととなる。
【0023】
カートンコンベア31は、扁平カートンCfが箱形に開かれたカートンCを搬送する装置であり、扁平カートンCfが位置決めガイド14に衝突する位置の下方から、搬送方向Dに水平に延びている。カートンコンベア31は、搬送コンベア13よりも低い位置で、吸引棒(不図示)を跨ぐように配設されている。カートンコンベア31は、カートンCの搬送速度(コンベアの移動速度)が可変に構成されており、あらかじめ定められた範囲内で任意の搬送速度に設定することができるように構成されている。カートンコンベア31に搬送されるカートンCは、筒状の両端面が開口している。カートンコンベア31は、カートンCの開口面が搬送方向Dに対して側面となる状態でカートンCを搬送するように、カートン抑え32が設けられている。カートン抑え32は、カートンCの幅(長手方向に直交する方向の距離)よりも少し広い所定のピッチで設けられている。図1では、便宜上、搬送方向Dに隣接するカートン抑え32の間に形成される空間ごとにカートンCが入るように示されているが、本実施の形態では、搬送方向Dに隣接するカートン抑え32の間に形成される空間の1つ置きにカートンCが入ることを前提にしている(図2参照)。
【0024】
ロールコンベア21は、ロールRが前工程で準備される場所(不図示)からカートンコンベア31の側近までロールRを搬送する装置である。ロールコンベア21は、少なくとも位置決めガイド14の下方の位置から所定の距離は、カートンコンベア31と並走するように設けられている。ここでの所定の距離は、ロールRをカートンCに挿入するのに必要な距離である。ロールコンベア21は、カートンコンベア31と並走する部分はカートンコンベア31と同じ高さに設けられている。ロールコンベア21には、ロールRが落ち込むことによりロールRの揺れを防ぐ支持窪み22dが形成されている。支持窪み22dは、カートンコンベア31に載置されるカートンCのピッチと同じピッチで形成されている。ロールコンベア21の表面(ロールRが載置される面)には、ロールRの損傷を防ぎつつロールRの意図しない軸回りの回転を抑制するために、モケットが貼付されている。ロールコンベア21は、ロールRの搬送速度(コンベアの移動速度)が可変に構成されており、あらかじめ定められた範囲内で任意の搬送速度に設定することができるように構成されている。本実施の形態では、ロールコンベア21とカートンコンベア31とが、同一の駆動軸(不図示)にそれぞれ取り付けられた同一規格かつ同一歯数のスプロケット(不図示)でそれぞれ駆動されるように構成されていることにより、同じ搬送速度でかつ同期するようになっている。
【0025】
挿入装置41は、ロールコンベア21に搬送されているロールRを、カートンコンベア31に搬送されているカートンCに挿入する装置である。挿入装置41は、ロールRをカートンCに向けて押す挿入棒42を有している。図1では、挿入棒42が、二次元の紙面に表している都合上、上下に延びるように示されているが、実際には、ロールR及びカートンCの長手方向に対して平行で、水平に延びるように配設されている。挿入棒42は、環状に周回する周回チェーン(不図示)に、支持窪み22dのピッチと同じピッチで取り付けられている。挿入棒42は、カートンコンベア31との間にロールコンベア21を挟むように配設されている。挿入棒42は、ロールコンベア21とカートンコンベア31とが並走する部分では、ロールコンベア21に並走する軌跡を描くように設けられている。挿入装置41は、周回チェーン(不図示)の移動速度が、あらかじめ定められた範囲内で任意に設定することができるように可変に構成されており、本実施の形態では、ロールコンベア21及びカートンコンベア31の搬送速度と同じ移動速度でかつ同期するように設定されている。
【0026】
ここで図2及び図3を参照して、カートンコンベア31、ロールコンベア21、挿入装置41の構成をより詳細に説明する。図2は、ロールRがカートンCに挿入されるエリアまわりのカートンコンベア31、ロールコンベア21、及び挿入装置41の部分平面図である。図3(A)は、カートンコンベア31の部分側面図、図3(B)はロールコンベア21の部分側面図である。カートンコンベア31のカートン抑え32は、長方形の板状部材が直交して側面視L字型に形成されている。カートン抑え32は、搬送方向Dに直交する方向に、カートンCの長さよりも短い間隔で2つ設けられており、この2つ1組のカートン抑え32が搬送方向Dに所定のピッチで設けられている。側面視L字型のカートン抑え32は、一方の面が底面32bとして水平になるように、かつ、底面32bに直交する背面32rが搬送方向D上流側で直立するように、接続部材32jを介してチェーン33に取り付けられている。底面32bの中央にはボルト孔が形成されており、このボルト孔に上方からボルトを挿通して底面32bより下方の接続部材32jに締結することによりカートン抑え32がチェーン33に取り付けられている。カートン抑え32の取り付け態様は、ボルトの上端が底面32bの上端より引っ込んだ状態と、ボルトの上端が底面32bの上端より出っ張った状態とが、搬送方向Dで交互に現れるようになっている。カートンCは、ボルトの上端が引っ込んだ底面32bに載置され、隣接する背面32rに挟まれることにより、移動するチェーン33に対して搬送方向Dへの移動が規制されることとなる。
【0027】
ロールコンベア21の支持窪み22dは、支持部材22に形成されている。支持部材22は、ロールRの長さの概ね1/3〜1/2の幅(搬送方向Dに直交する方向の水平長さ)に形成されている。支持部材22は、長方形の板状部材が折り曲げられて形成されており、底板22b、前板22f、後板22r、前傾斜板22s、後傾斜板22tを有している。底板22bは、長方形の短辺が搬送方向Dに平行になるように水平に設けられている。前板22fは底板22bの搬送方向D下流側の辺から、後板22rは底板22bの搬送方向D上流側の辺から、それぞれ垂直上方に延びるように立設されている。前傾斜板22sは、前板22fの上端から搬送方向D下流側斜め上方に向けて延びている。後傾斜板22tは、後板22rの上端から搬送方向D上流側斜め上方に向けて延びている。前傾斜板22sの上端と後傾斜板22tの上端とは同じ高さになっている。
【0028】
支持部材22は、搬送方向Dに直交する方向に、ロールRの中央に相当する位置に隙間を空けるように2つ設けられており、この2つ1組の支持部材22が、搬送方向Dにおけるカートンコンベア31に載置されるカートンCのピッチと同じピッチで設けられている。支持部材22が配設されるピッチは、支持窪み22dの中心間の距離を基準にしている。このように支持部材22が配設されたとき、搬送方向Dに隣接する支持部材22の後傾斜板22tと前傾斜板22sとは近接しており、少なくともロールRの直径以上の隙間とならないようにして、支持部材22の隙間からロールRが落下しないようになっている。支持部材22は、前板22f及び後板22rの下方にそれぞれ設けられた接続部材22jを介してチェーン23に取り付けられている。
【0029】
図2に示すように、挿入装置41は、周回チェーン(不図示)が動いて挿入棒42がロールコンベア21と並走する際に、挿入棒42が搬送方向Dに移動するに連れてカートンコンベア31に近づくように構成されている。これにより、搬送方向Dに移動するに連れて、ロールRが挿入棒42に押されてカートンCに挿入されることとなる。搬送方向Dにおいて、挿入棒42がロールRを押す方向に動き出す位置、すなわちカートンCへのロールRの挿入が開始される位置を「挿入開始地点SP」といい、ロールRがカートンCに完全に入った位置、すなわちカートンCへのロールRの挿入が完了する位置を「挿入完了地点EP」ということとする。挿入棒42は、挿入開始地点SPから挿入完了地点EPまで搬送方向Dに移動する間に、ロールRをカートンCに挿入することとなる。挿入棒42は、搬送方向Dに挿入完了地点EPを超えると、カートンコンベア31から離れる方向に動くように構成されている。
【0030】
挿入開始地点SPよりも搬送方向Dにわずかに下流側(本実施の形態では前述した「所定のピッチ」程度)には、カートンコンベア31に搬送されているカートンCの存在を検知するカートンセンサ53が設けられている。カートンセンサ53は、典型的には光電型のセンサであり、図3(A)に示すように、赤外線を投光するカートン投光部53fと、カートン投光部53fから投光された赤外線を受光するカートン受光部53rとを有している。カートン投光部53fは、平面視においては搬送方向Dに直交する方向に離れた2つのカートン抑え32の間に、側面視においてはカートンコンベア31に搬送されているカートンCの上端よりも上方に配設されている。カートン受光部53rは、カートン投光部53fの鉛直下方、かつ、カートン抑え32の下端よりも下方に配設されている。カートンセンサ53は、カートン投光部53fとカートン受光部53rとの間に、カートンCが存在しないときはカートン受光部53rが赤外線を受光し、カートンCが存在するときは赤外線が遮られてカートン受光部53rが赤外線を受光しないことで、カートンCの有無を検知することができるように構成されている。
【0031】
平面視(図2参照)において、カートンセンサ53を通り、搬送方向Dに直交する仮想線である仮想直交線VSL上には、ロールコンベア21に搬送されているロールRの存在を検知する被収容物センサとしてのロールセンサ52が設けられている。ロールセンサ52は、典型的には光電型のセンサであり、図3(B)に示すように、赤外線を投光するロール投光部52fと、ロール投光部52fから投光された赤外線を受光するロール受光部52rとを有している。ロール投光部52fは、平面視においては搬送方向Dに直交する方向に離れた2つの支持部材22の間に、側面視においてはロールコンベア21に搬送されているロールRの上端よりも上方に配設されている。ロール受光部52rは、ロール投光部52fの鉛直下方、かつ、支持部材22の下端よりも下方に配設されている。ロールセンサ52は、カートンセンサ53と同様、ロール投光部52fとロール受光部52rとの間に、ロールRが存在しないときはロール受光部52rが赤外線を受光し、ロールRが存在するときは赤外線が遮られてロール受光部52rが赤外線を受光しないことで、ロールRの有無を検知することができるように構成されている。
【0032】
上述のカートンセンサ53とロールセンサ52とで相互検査センサ51を構成している。上述のように、カートンセンサ53及びロールセンサ52は、平面視において、共に仮想直交線VSL上に配置されているので、相互検査センサ51は仮想直交線VSL上に配置されていることとなる。このように構成されていることにより、相互検査センサ51は、カートンCに収容されるロールRが存在するか否かを検知することができるように構成されている。つまり、カートンコンベア31及びロールコンベア21が同じ搬送速度で同期して動いている状況において、カートンセンサ53によるカートンCの検知とロールセンサ52によるロールRの検知が同時に行われない場合は、製品を構成するカートンC及びロールRのうち一方が存在しないこととなり、相互対応の不都合が生じることとなる。
【0033】
カートンコンベア31の上下には、仮想直交線VSLから挿入完了地点EPにわたって、カートンコンベア31上のカートンCの存在を検知するエリアセンサ55が設けられている。エリアセンサ55は、典型的には細長い棒状の外観を呈した光電型のセンサであり、赤外線を投光するエリア投光部55fと、エリア投光部55fから投光された赤外線を受光するエリア受光部55rとを有している。エリア投光部55f及びエリア受光部55rは、それぞれ、平面視においては搬送方向Dに直交する方向に離れた2つのカートン抑え32の間に配設されている。側面視においては、エリア投光部55fはカートンコンベア31上のカートンCの上端よりも上方に、エリア受光部55rはカートン抑え32の下端よりも下方に、それぞれ配設されている。エリアセンサ55は、エリア投光部55fとエリア受光部55rとの間に、カートンCが存在しないときはエリア受光部55rが赤外線を受光し、カートンCが存在するときは赤外線が遮られてエリア受光部55rが赤外線を受光しないことで、カートンCの有無を検知することができるように構成されている。
【0034】
制御装置60(図1参照)は、カートニングマシン1の作動を制御する装置であり、搬送コンベア13、カートンコンベア31、ロールコンベア21、挿入装置41の発停及び移動速度を制御することができるように構成されている。また、制御装置60は、カートンセンサ53、ロールセンサ52、エリアセンサ55とそれぞれ信号ケーブルで接続されており、各センサの検知範囲におけるカートンC又はロールRの有無の検知結果を受信することができるように構成されている。また、制御装置60は、カートンコンベア31及びロールコンベア21が停止しているときに、エリアセンサ55がカートンCを検知している間はカートンコンベア31及びロールコンベア21を起動させないインターロックが設けられている。
【0035】
引き続き図1乃至図3を参照してカートニングマシン1の作用を説明する。カートニングマシン1を作動させるに際し、カートンマガジン11に扁平カートンCfを充填しておく。搬送コンベア13が搬送方向Dに動いている状態で、サクションカップ12が上下に揺動することにより、カートンマガジン11の最下部にある扁平カートンCfが、カートンマガジン11から取り出され、搬送コンベア13に載置される。このとき、扁平カートンCfが、搬送方向Dに所定の間隔で設けられている爪13cの間に順次載置されるように、サクションカップ12の揺動の周期及びタイミングが調節されている。搬送コンベア13に載置された扁平カートンCfは、爪13cによって搬送方向Dに押される。
【0036】
扁平カートンCfが搬送コンベア13の末端に至ると、扁平カートンCfから爪13cが外れ、位置決めガイド14へ向けて慣性で送り出される。扁平カートンCfは、位置決めガイド14の柱部14bに当接すると、下方から上昇してきた吸引棒(不図示)に吸着されて下方に引き寄せられる。そして、吸引棒(不図示)によって下方へ引かれた扁平カートンCfは、搬送方向D下流側の端部が突部14pに当たることで下降を阻害されるため、搬送方向D上流側の端部片側が下方に移動することで、箱形に開かれてカートンCとなる。カートンCは、カートンコンベア31に載置され、搬送方向Dに搬送される。
【0037】
カートンコンベア31に搬送されるカートンCの横には、ロールRがロールコンベア21に搬送されて来ている。搬送されているロールR及びカートンCは、挿入装置41の位置まで来ると、挿入棒42によってロールRがカートンCの方向に押され、カートンCの側面の開口からロールRが挿入される。ロールRが挿入されたカートンCは、さらに搬送方向D下流側に搬送される際に、側面の開口が糊付けされて閉じられて(不図示)、製品となる。
【0038】
ところで、カートンコンベア31で搬送されているカートンCに、ロールコンベア21で搬送されているロールRが挿入される工程において、仮に、カートンCに対応するロールRが存在しないにもかかわらずラインが流れてしまうと、ロールRが挿入されていないカートンCが生じ得る。カートンCの側面の開口が閉じられてしまうと、外観からはロールRの有無を判断することができず、そのまま出荷されてしまうと、ロールRの入っていないカートンCが店頭に陳列されてしまう可能性も否定できなくなる。カートニングマシン1では、このような不都合を回避するために、相互検査センサ51及びエリアセンサ55が設けられており、以下のような制御が行われる。
【0039】
図4は、カートニングマシン1の制御の一例を示すフローチャートである。なお、以下の説明においてカートニングマシン1の構成に言及しているときは、適宜図1乃至図3を参照することとする。カートニングマシン1では、上述のように、同様の構成のカートンセンサ53及びロールセンサ52が共に仮想直交線VSL上に配設されている。カートニングマシン1が稼働しているとき、制御装置60は、カートンセンサ53がカートンCの存在を検知したか否かを判断する(St1)。カートンCの存在を検知したか否かを判断したら、カートンCの存在を検知した場合もしない場合も、次にロールセンサ52がロールRの存在を検知したか否かを判断するのであるが(St2、St3)、カートンCの存在を検知した場合の後は工程(St2)に進み、カートンCの存在を検知しなかった場合の後は工程(St3)に進む。
【0040】
カートンCの存在を検知(St1でYes)した後のロールRの存在を検知したか否かを判断する工程(St2)において、ロールセンサ52がロールRの存在を検知した場合は、カートンCに対応するロールRが存在することから異常は生じていないと判断し、次の組のカートンCとロールRとの対応を確認する準備のため、再びカートンセンサ53がカートンCの存在を検知したか否かを判断する工程(St1)に戻る。他方、カートンCの存在が不検知(St1でNo)だった後のロールRの存在を検知したか否かを判断する工程(St3)において、ロールセンサ52がロールRの存在を検知しなかった場合は、カートンC及びロールRがまだ相互検査センサ51に到達していないと判断し、来るべきカートンC及びロールRに備えて、再びカートンセンサ53がカートンCの存在を検知したか否かを判断する工程(St1)に戻る。
【0041】
カートンCの存在を検知(St1でYes)した後のロールRの存在を検知したか否かを判断する工程(St2)においてロールセンサ52がロールRの存在を検知しなかった場合、及びカートンCの存在が不検知(St1でNo)だった後のロールRの存在を検知したか否かを判断する工程(St3)において、ロールセンサ52がロールRの存在を検知した場合は、制御装置60は、カートンCとロールRとが対応して存在しないために、カートンCに収容されていないロールRあるいは空のカートンCが下流に流れると推定して、カートンコンベア31及びロールコンベア21を停止する(St4)と同時にカートンコンベア31及びロールコンベア21の再起動を許可しない状態とする(St5)。制御装置60は、その後、エリアセンサ55の検知範囲のカートンCがすべて取り除かれたことを確認するために、エリアセンサ55がカートンCが無いことを検知したか否かを判断する(St6)。エリアセンサ55がカートンCが無いことを検知しないときは、再びエリアセンサ55がカートンCが無いことを検知したか否かを判断する工程(St6)に戻る。他方、エリアセンサ55がカートンCが無いことを検知したときは、制御装置60は、カートンコンベア31及びロールコンベア21の再起動不許可状態を解除する(St7)。なお、再起動を許可しない状態としてから(St5)再起動不許可状態の解除(St7)の直前までが、再起動不許可工程に相当する。
【0042】
再起動不許可状態の解除(St7)が行われたら、制御装置60は、カートンコンベア31及びロールコンベア21の再起動が行われたか否かを判断する(St8)。カートンコンベア31及びロールコンベア21の再起動が行われないときは、再びカートンコンベア31及びロールコンベア21の再起動が行われたか否かを判断する工程(St8)に戻る。他方、カートンコンベア31及びロールコンベア21の再起動が行われたときは、カートンセンサ53がカートンCの存在を検知したか否かを判断する工程(St1)に戻り、以降、上述のフローを繰り返す。
【0043】
以上の制御フローを、以下に要約する。つまり、カートニングマシン1では、カートンセンサ53によるカートンCの検知と、ロールセンサ52によるロールRの検知とが同時に行われなかったときに、制御装置60が、カートンコンベア31及びロールコンベア21を含むカートニングマシン1の作動を停止する。カートニングマシン1が一旦停止すると、典型的には、保守担当者が異常の有無を点検して異常の原因を取り除く。このとき、仮に、相互検査センサ51よりも搬送方向D下流側で、カートンCに対応するロールRが存在しない状態でカートニングマシン1の再起動を許容すると、ロールRが挿入されていないカートンCがラインの下流側に流れてしまい、前述の不都合が生じるおそれがある。
【0044】
そこで、カートニングマシン1では、エリアセンサ55を設け、カートニングマシン1が一旦停止した後は、エリアセンサ55がカートンCを検知しなくなるまで、カートンコンベア31及びロールコンベア21を含むカートニングマシン1の再起動を許可しないようになっている。換言すれば、カートニングマシン1が一旦停止したら、エリアセンサ55の検知範囲のカートンコンベア31上のカートンCを取り除かないと、カートニングマシン1を再起動することができない。エリアセンサ55は、仮想直交線VSLから挿入完了地点EPまでを検知するので、カートンCとロールRとの対応の不備が、仮想直交線VSLよりも搬送方向D上流側で生じた場合は相互検査センサ51で検知することができ、挿入完了地点EPよりも搬送方向D下流側では既にカートンCへのロールRの挿入が完了しているので空の(ロールRが挿入されていない)カートンCが生じることはない。したがって、カートニングマシン1では、空のカートンCが流通してしまうことを確実に阻止することができる。
【0045】
エリアセンサ55の検知範囲のカートンコンベア31上のカートンCを取り除き、カートニングマシン1を再起動すると、上述したカートニングマシン1の作用が再開される。なお、通常、保守担当者は、エリアセンサ55の検知範囲のカートンコンベア31上のカートンCを取り除く際に、これに対応するロールコンベア21上のロールRも取り除く。本実施の形態では、カートニングマシン1の構成の簡素化の観点から、エリアセンサ55に対応するロールコンベア21上のロールRを検知するセンサを設けていない。しかしながら、仮に、エリアセンサ55の検知範囲のカートンコンベア31上のカートンCが存在せずに、これに対応するロールコンベア21上のロールRが存在する場合は、カートンCに覆われていないむき出しのロールRが挿入完了地点EPよりも下流側に流れる場合があり得るが、むき出しのロールRは、異常であることが一目瞭然であるため、この状態で店頭に陳列されることはない。しかしながら、装置構成上許容できる場合は、エリアセンサ55に対応するロールコンベア21上のロールRを検知するセンサを設けてもよい。
【0046】
以上で説明したように、本実施の形態に係るカートニングマシン1によれば、相互検査センサ51の設置位置である仮想直交線VSLから挿入完了地点EPまでを検知範囲とするエリアセンサ55を備え、制御装置60が、カートニングマシン1が一旦停止した後は、エリアセンサ55の検知範囲のカートンコンベア31上にカートンCが存在しなくなるまではカートンコンベア31及びロールコンベア21を含むカートニングマシン1の再起動を許可しないように制御するので、ロールRが収容されていないカートンCが流通してしまうことを確実に回避することができる。
【0047】
以上の説明では、相互検査センサ51が、挿入開始地点SPよりも搬送方向Dにわずかに下流側に配設されているとしたが、挿入完了地点EPよりも搬送方向D上流側に配設されていればよい。しかしながら、相互の対応が取れなかった場合にロールRの無いカートンCが挿入完了地点EPよりも搬送方向D下流側に流れてしまうことを回避する確率を上昇させる観点からは、挿入完了地点EPよりも搬送方向D上流側に離れていることが好ましく、エリアセンサ55の小型化を図る観点からは、挿入完了地点EPに近い方がよいところ、挿入開始地点SP又は挿入開始地点SPの近傍に相互検査センサ51が配設されていることがより好ましい。ここで、挿入開始地点SPの近傍とは、典型的には、相互検査センサ51を通過した後に相互対応の不都合が生じることを回避でき、対応するロールRがロールコンベア21に存在しない状態でカートンCが挿入完了地点EPに近づくことを許容できる範囲である。また、エリアセンサ55は、少なくとも仮想直交線VSLと挿入完了地点EPとの間のカートンCの有無を検知することができればよく、この範囲に加えて仮想直交線VSLよりも搬送方向D上流側に延びていてもよい。
【0048】
以上の説明では、カートンセンサ53及びロールセンサ52が共に仮想直交線VSL上に配設されていることとしたが、搬送方向DにおけるロールRの長さRa(すなわちロールRの直径)未満の範囲であればカートンセンサ53とロールセンサ52とが搬送方向Dに離れていてもよい。カートンセンサ53とロールセンサ52との搬送方向Dのずれが、搬送方向Dにおける長さがカートンCよりも短いロールRの範囲内であれば、カートンCとロールRとが対応して存在する場合にカートンセンサ53によるカートンCの検知とロールセンサ52によるロールRの検知とが同時に行われる瞬間があることとなり、逆にカートンCの検知とロールセンサ52によるロールRの検知とが同時に行われる瞬間がない場合はカートンCとロールRとが対応して存在していないことを検知できることとなり、相互検査センサ51の機能を担保することができる。
【0049】
以上の説明では、カートンセンサ53、ロールセンサ52、エリアセンサ55が、それぞれ、投光部側の下方に受光部側が配設されているとしたが、各センサ個別に、投光部側と受光部側とが上下逆に配設されていてもよい。
【0050】
以上の説明では、カートンセンサ53がカートンCの存在を検知したか否かを判断する工程(St1)の後に、ロールセンサ52がロールRの存在を検知したか否かを判断する工程(St2、St3)に進むこととしたが、これらの順番を入れ替えて、最初にロールセンサ52がロールRの存在を検知したか否かを判断する工程を行い、次いでカートンセンサ53がカートンCの存在を検知したか否かを判断する工程を行うこととしてもよい。この場合も、ロールセンサ52がロールRの存在を検知したか否かを判断する工程からカートンセンサ53がカートンCの存在を検知したか否かを判断する工程まで行った結果、ロールR及びカートンCの両方の存在を検知した場合あるいは両方とも存在を検知しなかった場合に、再びロールセンサ52がロールRの存在を検知したか否かを判断する工程に戻り、他方、ロールR及びカートンCのいずれか一方の存在のみを検知した場合は、カートンCとロールRとが対応して存在していないと判断して、カートンコンベア31及びロールコンベア21を停止する工程(St4)に進むこととなる。
【0051】
以上の説明では言及していないが、相互検査センサ51よりも搬送方向D上流側に、相互検査センサ51と同様の構成の予備相互センサを設け、カートンCとロールRとの対応を、重畳して確認することとしてもよい。また、カートンコンベア31まわりの構成として、カートンCを上方から押さえるトップガイド、あるいは埃の侵入等を防ぐ扉等を設け、トップガイドや扉等を開けないとカートンコンベア31からカートンCを取り出すことができないように設置したうえで、さらなる安全装置として、トップガイドや扉等を開閉させないと再起動不許可状態の解除(St7)を行うことができないように構成してもよい。
【符号の説明】
【0052】
1 カートニングマシン
21 ロールコンベア
31 カートンコンベア
41 挿入装置
51 相互検査センサ
52 ロールセンサ
53 カートンセンサ
55 エリアセンサ
60 制御装置
C カートン
R ロール
D 搬送方向
EP 挿入完了地点
SP 挿入開始地点
VSL 仮想直交線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カートンに、前記カートンの開口面から被収容物を挿入するカートニングマシンであって;
前記カートンを、前記開口面が搬送方向に対して側面となる状態で搬送するカートンコンベアと;
前記開口面側の前記カートンコンベアに沿って配置され、前記カートンコンベアの搬送方向と同じ方向に前記被収容物を搬送する被収容物コンベアと;
移動している前記被収容物コンベア上の前記被収容物を、移動している前記カートンコンベア上の前記カートンに挿入する挿入装置と;
前記挿入装置による前記被収容物の前記カートンへの挿入が完了する挿入完了地点よりも前記搬送方向上流側に設けられた相互検査センサであって、前記カートンの存在を検知するカートンセンサと、前記搬送方向における前記カートンセンサからの乖離が前記被収容物の前記搬送方向における長さ未満の範囲に配置された、前記被収容物の存在を検知する被収容物センサと、を有する相互検査センサと;
前記カートンセンサ及び前記被収容物センサのうち前記搬送方向下流側に配設された方のセンサを通り前記搬送方向に直交する仮想直交線から前記挿入完了地点までの前記カートンコンベア上の前記カートンの有無を検知するエリアセンサと;
前記カートンセンサによる前記カートンの検知と前記被収容物センサによる前記被収容物の検知とが連続しなかったときに前記カートンコンベア及び前記被収容物コンベアを停止すると共に、前記エリアセンサにより前記カートンが無いことが検知されるまでは前記カートンコンベア及び前記被収容物コンベアの再起動を許可しないように制御する制御装置とを備える;
カートニングマシン。
【請求項2】
カートンに、前記カートンの開口面から被収容物を挿入するカートニングマシンであって;
前記カートンを、前記開口面が搬送方向に対して側面となる状態で搬送するカートンコンベアと;
前記開口面側の前記カートンコンベアに沿って配置され、前記カートンコンベアの搬送方向と同じ方向に前記被収容物を搬送する被収容物コンベアと;
移動している前記被収容物コンベア上の前記被収容物を、移動している前記カートンコンベア上の前記カートンに挿入する挿入装置と;
前記挿入装置による前記被収容物の前記カートンへの挿入が完了する挿入完了地点よりも前記搬送方向上流側に設けられた相互検査センサであって、前記搬送方向に直交する仮想直交線上に配置され、前記カートンの存在を検知するカートンセンサと、前記仮想直交線上に配置され、前記被収容物の存在を検知する被収容物センサと、を有する相互検査センサと;
前記仮想直交線から前記挿入完了地点までの前記カートンコンベア上の前記カートンの有無を検知するエリアセンサと;
前記相互検査センサによる前記カートンの検知及び前記被収容物の検知が同時に行われないときに前記カートンコンベア及び前記被収容物コンベアを停止すると共に、前記エリアセンサにより前記カートンが無いことが検知されるまでは前記カートンコンベア及び前記被収容物コンベアの再起動を許可しないように制御する制御装置とを備える;
カートニングマシン。
【請求項3】
前記相互検査センサが、前記挿入装置による前記被収容物の前記カートンへの挿入が開始される挿入開始地点又は前記挿入開始地点の近傍に配置された;
請求項1又は請求項2に記載のカートニングマシン。
【請求項4】
所定の搬送方向に搬送されているカートンの存在をカートン検知点で検知するカートン有無検知工程と;
前記搬送されているカートンに並走して前記搬送方向に搬送されている被収容物の存在を、前記搬送方向における前記カートン検知点からの乖離が前記被収容物の前記搬送方向における長さ未満の範囲にある被収容物検知点で検知する被収容物有無検知工程と;
前記カートンの存在を検知している間に前記被収容物の存在を検知することができなかったとき又は前記被収容物の存在を検知している間に前記カートンの存在を検知することができなかったときに前記カートンの搬送及び前記被収容物の搬送を停止する搬送停止工程と;
前記カートン検知点及び前記被収容物検知点のうち前記搬送方向下流側にある検知点を通り前記搬送方向に直交する仮想直交線から、前記仮想直交線よりも搬送方向下流側にある前記カートンへの前記被収容物の挿入が完了する挿入完了地点までのエリアの前記カートンの有無を検知するエリア検知工程と;
前記搬送停止工程後、前記エリア検知工程で前記カートンが無いことが検知されるまでは前記カートンの搬送及び前記被収容物の搬送の再開を許可しない再起動不許可工程とを備える;
被収容物入りカートンの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−218805(P2012−218805A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−89920(P2011−89920)
【出願日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【出願人】(000001100)株式会社クレハ (477)
【Fターム(参考)】