カートリッジの流れ制御システム
装置は、ポンプ(158、161、162)、圧力室(167、171)、容器(165)、流れセンサ(163、164)、流れチャネル(50)、およびカートリッジでの流体動作を有するマイクロ流体回路を含む、使い捨て可能なサイトメータカートリッジ(14)を有する。回路は、チップ、カード、またはカートリッジ(14)に埋め込まれる中間ポンプ(137)および中間弁(138)を含むことができる。装置は、血液または対象の他の流体の複数の検出、解析、および識別能力を有することができる。試験されるべき試料は、使い捨て可能なマイクロ流体カートリッジに入れられることができ、使い捨て可能なマイクロ流体カートリッジは、次に、手で保持可能または可搬サイトメータ機器(12)に挿入可能である。この装置は、生物学戦剤検出、水解析、環境検査、血液学、ならびに他の臨床および研究分野で有意な適用を有することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、現在、米国特許第6597438B1号である、2000年8月2日に出願された米国特許出願第09/630924号の一部継続出願である、2002年11月26日に出願された米国特許出願第10/304773号の一部継続出願であり、その利益を主張する。また本出願は、現在、米国特許第6837476号である、2002年6月19日に出願された米国特許出願第10/174851号の分割出願である、2004年11月3日に出願された米国特許出願第10/980685号の一部継続出願であり、その利益を主張する。また本出願は、現在、米国特許第6568286B1である、2000年6月2日に出願された米国特許出願第09/586093号の分割出願である、2003年1月10日に出願された米国特許出願第10/340231号の一部継続出願であり、その利益を主張する。上述の全ての特許文献は、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、参照によって本明細書に組み込まれる、名称「Mesovalve Modulator」のCabuzらによる、2005年1月28日に出願された米国特許出願第10/905995号に関連する。また、本発明は、参照によって本明細書に組み込まれる、名称「Media Isolated Electrostatically Actuated Valve」のCabuzらによる、2004年12月21日に出願された米国特許出願第11/018799号に関連する。これらの出願は、本発明を所有する同一の企業体によって所有される。
【0003】
本発明は、また、名称「Optical Detection System for Flow Cytometry」のCabuzらによる、2003年4月15日に発行された米国特許第6549275B1号、名称「Fluid Driving System for Flow Cytometry」のCabuzらによる、2002年5月7日に発行された米国特許第6382228B1号、名称「Optical Detection System for Flow Cytometry」のFritzによる、2004年3月2日に発行された米国特許第6700130B1号、名称「Electrostatically Actuated Pump with Elastic Restoring Forces」のCabuzらによる、2004年5月4日に発行された米国特許第6729856B2号、名称「Polymer Microactuator Array with Macroscopic Force and Displacement」のCabuzらによる、2001年7月3日に発行された米国特許第6255758B1号、名称「Addressable Valve Arrays for Proportional Pressure or Flow Control」のOhnsteinらによる、2001年6月5日に発行された米国特許第6240944B1号、名称「Dual Diaphragm, Single Chamber Mesopump」のHerbらによる、2001年1月30日に発行された米国特許第6179586B1号、および名称「Electrostatically Actuated Mesopump Having a Plurality of Elementary Cells」のCabuzによる、1998年11月17日に発行された米国特許第5836750号に関連し、これら全ては、参照によって本明細書に組み込まれる。これらの特許は、本発明を所有する同一の企業体によって所有される。
【背景技術】
【0004】
本発明は、全体としてフローサイトメータに関する。より詳細には、本発明は、流れストリーム内の微視的な生物学粒子または構成要素の光学特性を検知するための、可搬フローサイトメータに関連する。
【0005】
フローサイトメトリは、粒子または構成要素の所定の光学特性を検知することによって、微視的な生物学粒子または構成要素の所定の物理的および化学的な特性を決定するために使用される技術である。これを行うために、例えば、粒子は、流体力学的収束を利用してシース流体内の単一の列として配列されることができる。粒子は、次に、光ビームによって個別に応答させられる。各粒子は、光ビームを散乱し、散乱プロファイルを生成する。散乱プロファイルは、しばしば、異なる散乱角度での光強度を測定することによって識別される。各粒子の所定の物理的および/または化学的特性は、次に散乱プロファイルから決定されることができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
フローサイトメトリは、いくつかの例を挙げれば、血液学、免疫学、遺伝学、食品科学、薬理学、微生物学、寄生虫学、腫瘍学、生物学薬剤検出、および環境科学を含む広範な適用分野で現在使用されている。市販で入手可能な多くのフローサイトメータシステムに課せられる制限は、それらが、中央実験室環境のような施設に置かなければならない比較的大きなベンチトップ機器であることにある。したがって、そのようなフローサイトメータの使用は、しばしば、遠い出先での、つまりはそういった場所での連続する血液学監視のための利用には適していない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、家庭または現地などの遠隔場所で使用可能である、非常に小型化された可搬または着用可能な装置(例えば、サイトメータ)を提供することによって、当技術の多くの欠点を解消することができる。装置は、流体デバイスを内蔵することもでき、また、使い捨てカートリッジ、チップ、またはカードに記録する形で動作情報を内蔵することもできる。さらに、カートリッジの外部に光学および電気インタフェースを取り付けることもできる。かかる装置は、詳細な個々の血液学的評価を提供しかつ統計傾向を明らかにすることによって、患者の健康管理を改善することを助けることができる。早期の感染を検知することによって、感染症は、より容易に治療可能であり得る。装置は、様々な環境および工業領域における適用など、非医療適用でも使用することができる。
【0008】
軍事適用において、装置は、生物学薬剤による感染のより早期の検出を提供することによって、生物を守ることに助力を与えることができる、本発明の可搬の小型化されたサイトメータとすることができる。生物学科学における拡大した活動において、危険な生物学薬剤に偶然露呈される確率が増していることが知られている。そのような薬剤の製造が容易であることは、テロリスト、地域勢力、または発展途上国によるそれらの使用の重大な脅威も強める。生物学戦を禁止する国際的な合意による保護が欠如していること、および、それらの合意が守られていなかったであろうと考えざるを得ないことが、生物学的防御のための高い能力の必要性を強める。曝露後の感染の兆しの検出はもちろんのこと、曝露前における病原体薬剤の検出は、生物学戦における有効な保護を確実にするために協働して行うことができる。
【0009】
抗原に対する身体の自然防御の一部として、白血球の計数は、感染の始まりで増大する。好中球、リンパ球、単球、好酸球、および好塩基球を含むいくつかのタイプの白血球が存在する。リンパ球は、侵入物を攻撃しかつ好中球および大食球による破壊のためにそれらを標識付ける抗体を生成する。慢性疾患(結核または癌など)がない個人において、全体の白血球の計数におけるリンパ球のパーセンテージの増大は、ウイルス感染の指標である。他方、好中球のパーセンテージの増大は、発達するバクテリア感染の指標である。好中球およびリンパ球の計数を知ることにより、明らかな感染の兆候を知ることができ、それがウイルスによるものか、またはバクテリアによるものかという、原因間の差別を知ることもできる。
【0010】
バチルス炭疸熱などのいくつかのバクテリア薬剤からの感染の最初の臨床兆候は、1日から6日後に現れる。99パーセントの場合、炭疸熱からの兆候を示す患者は、治療することができず、ほぼ死亡する。しかしながら、最初の兆候が現れる前に治療が行われると、ほとんどの患者は、治療が成功する。したがって、兆候が現れる前に、血液学的異常性に関する早期の警報を提供すること、および、可能性がある治療行為を提供することが、非常に望ましい。多くの場合、そのような早期の警報および治療は、多くの患者に関する結果を大いに改善することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の例示的な実施例において、可搬の小型化されたサイトメータは、血液試料などの流体試料における選択された粒子の識別および/または計数のために提供されることができる。1つの例示的な小型化された可搬サイトメータは、流体試料を受けるための流体受容器を含む。1つ以上の容器は、溶解およびシース流体などの支持流体を格納するために提供される。多くの市販の流れサイトメータシステムにとって、正確な流体駆動システムが、流体に正確な圧力を提供するために使用される。この解決方法の問題は、正確な流体駆動システムは、嵩張り、複雑であることがあり、著しい電力を必要とすることである。
【0012】
これらの問題の多くを避けるために、例示的な実施例においては、閉鎖ループ帰還経路によって制御される非精密な流体駆動装置が使用される。非精密な流体駆動装置は、流体受容器および様々な支持流体容器に結合され、試料流体および支持流体に個別の圧力を印加する。試料流体および支持流体の速度を制御するために、1つ以上の弁は、流体駆動装置に結合される。弁は、非精密な流体駆動装置によって試料流体および支持流体に印加される非精密な圧力を調整するために使用される。
【0013】
帰還ループを完成するために、流れセンサは、試料流体および支持流体の流体速度を測定すべく流体駆動装置の下流側に設けられる。制御装置またはプロセッサは、流れセンサから信号を受け、試料流体および支持流体の所望の流体速度が達成されるように適切な弁を調整する。流れセンサは、好ましくは熱風速計タイプの流れセンサである。
【0014】
例示的な一実施例において、非精密な流体駆動装置は、手動で給電される。手動で給電される流体駆動装置は、例えば逆止め弁(check valve)を有するバルブ(bulb、球状部材)またはプランジャを含むことができる。いずれの場合でも、手動で生成される圧力は、好ましくは第1の圧力室に提供される。第1の弁が、第1の圧力室の圧力を第2の圧力室へ制御可能に解放するために設けられる。第2の弁を、第2の圧力室の圧力を制御可能に放出するために第2の圧力室に設けてもよい。制御装置は、下流側流体ストリームにおける流体流れが第1の所定値未満に低下するとき、第1の弁を開放し、かつ下流側流体ストリームにおける流体流れが第2の所定値を超えて増大するとき、第2の弁を開放する。各弁は、好ましくは、個別にアドレス可能かつ制御可能な静電作動マイクロ(微小)弁を配列したものである。
【0015】
制御された試料流体および支持流体は、流体回路に提供される。流体回路は、流体力学的収束を実行することができ、それによって、所望の粒子が、シース流体に囲まれたコアストリームに沿う単一の配列となる。1つ以上の光源または光源構成が、流れストリームを通る光を提供し、1つ以上の光検出器または光検出器装置が、流れストリームにおける粒子の散乱プロファイルおよび蛍光を検出する。装置が、1つ以上の光源および/または1つ以上の光検出器を有することができる。装置が、単一の光デバイスまたは要素あるいはそのようなアイテムの複数の配列(アレイ)を含むことができる。処理ブロックが、コアストリームにおいて選択された粒子を識別および/または計数するために、光検出器からの出力信号を使用する。
【0016】
小型化された可搬サイトメータは、個人に適切にかつ快適に「着用可能」であるように十分に小さいハウジング内に設けることができる。本発明の一例示的な実施例において、ハウジングは、腕時計より小さい寸法にされる。着用可能なハウジングは、ベース、カバー、およびベースをカバーに固定する蝶番を含むことができる。非精密な流体駆動装置および調整弁が、カバーに組み込まれることができ、一方、流体容器、流れセンサ、および流体回路は、ハウジング内に挿入される取り外し可能なカートリッジ(またはしばしば「カード」と呼ばれる)に組み込まれることができる。流体回路は、液体試料を希釈し、赤血球の溶解を実行し、かつ流れおよびコアストリーム形成のための流体力学的な収束を実行することができる。光源は、ベースまたはカバーのいずれかに位置づけることができ、取り外し可能なカートリッジの流れストリームと整合させることができる。光検出器は、好ましくは、一般に光源に対向して設けられる。プロセッサおよび電池は、ハウジングのベースまたはカバーのいずれかに設けることができる。
【0017】
光源は、第1の光源軸に沿った1つの第1の光源または第1の光源の直線配列を含むことができる。第1の光源軸は、流れストリームの中心軸に対して回転されることができる。レンズは、コアストリーム内の粒子に光を収束するために、各光源に隣接して設けることができる。一つの検出器または一組の光検出器は、次に、光源または各光源とインラインに配置されることができる。そのように配置することにより、例えば、流れストリーム内でコアストリームの整合位置を決定したり、コアストリームの幅を決定することができる。粒子のコアストリームが、適正に整合されないなら、制御装置は、コアストリームを整合させるために、試料流体または1つの支持流体の流体速度を調整することができる。光検出器または一組の光検出器は、各粒子の速度および寸法ならびに粒子の数を検出するために使用することもできる。
【0018】
他の光源または一組の光源は、第2の光源軸に沿って設けることができる。レンズは、コアストリーム内の粒子に光を収束するために、各光源に隣接して設けることができる。一つの第2の検出器または一組の第2の光検出器は、次に、流れストリーム内の選択された粒子によって生成される小角度散乱(Small Angle Scattering(SALS))を測定するために、各光源のインライン位置の片側に配置することができる。
【0019】
一つの第2の光源または一組の第2の光源は、流れストリーム内の粒子の飛行時間または速度を決定するために、第1組の光源とともに使用することもできる。粒子の速度を知ることによって、流体駆動装置によって引き起こされる流量におけるわずかな変動は、制御装置によって最小化する、または取り除かれることができる。
【0020】
一つの第3の光源または一組の第3の光源は、第3の光源軸に沿って設けられることができる。レンズは、流れストリームにコリメートされた光を提供するために、各光源に隣接して設けられることができる。1つまたは複数の環状光検出器は、次に、流れストリーム内の選択された粒子によって生成される前方角度散乱(Forward Angle Scattering(FALS))を測定するために、1つまたは複数の光源と対向して配置されることができる。各第1、第2、および第3の光源または一組の光源は、共通基板上に製造された垂直空洞表面発光レーザ(Vertical Cavity Surface Emitting Laser(VCSEL))などのレーザの配列を含むことができる。各第1、第2、および第3の検出器または一組の検出器は、p−i−n光ダイオード、集積FET回路を有するGaAs光ダイオード、共振空洞光検出器(Resonant Cavity Photo Detector(RCPD))、または任意の他の適切な光検出器を含むことができる。
【0021】
選択された粒子は、好ましくは、好中球および/またはリンパ白血球である。各粒子の散乱プロファイルを検査することによって、本発明の小型化された可搬サイトメータは、血液試料内の好中球およびリンパ球を識別しかつ計数し、かつウイルスとバクテリア原因との差異で明らかな感染警告を提供する。
【0022】
本発明の他の観点においては、様々な白血球をさらに識別しかつ解析するために蛍光を使用する。抗体は、特定の白血球に関連づけられる。抗体は、それらに付けられた標識またはタグを有する。これら白血球は、それら関連づけられた標識またはタグが蛍光を発しかつ光を放出させる光に当てられることができる。光は、収集され、必要に応じてフィルタリングされ、かつ1つ以上の光検出器に向けられることができる。この検出は、とりわけ白血球および血液ベースの蛋白質の特定の下位分類を識別しかつ監視するために使用されることができる。
【0023】
この小型化された可搬サイトメータは、2つの光学検出、すなわち散乱および蛍光サブシステムを有することができる。その小型化された可搬サイトメータは、低電力電子システム、小型流体駆動システムも有し、直接/処理されていない血液試料および使い捨て可能なマイクロ流体カートリッジを使用することができる。
【0024】
図1は、本発明による例示的な小型化された可搬サイトメータの斜視図である。サイトメータは、全体的に10で示され、かつハウジング12および取り外し可能または置き換え可能なカートリッジ14を含む。例示的なハウジング12は、ベース16、カバー18、およびベース16をカバー18に取り付ける蝶番20を含む。ベース16は、サイトメータの動作のための光学機器および必要な電子機器に関連づけられる光源22aおよび22bを含む。カバー12は、手動加圧要素、制御マイクロ弁を有する圧力室、および関連づけられる光学機器を有する光検出器24aおよび24bを含む。
【0025】
取り外し可能なカートリッジ14は、好ましくは、試料収集口32を介して試料流体を受ける。蓋38は、取り外し可能なカートリッジ14が使用されないとき、試料収集口32を保護するために使用されることができる。取り外し可能なカートリッジ14は、血液希釈、赤血溶解剤、およびコア形成のための流体力学的収束を実行することができる。取り外し可能なカートリッジ14は、そのいくつかが、エッチングされたチャネルを有する積層された構造を使用して製造される、Microics Technologiesから利用可能な流体回路に類似して構成されることができる。
【0026】
取り外し可能な構造またはカートリッジ14は、カバー18が開放位置にあるとき、ハウジングに挿入される。取り外し可能なカートリッジ14は、機器の異なる部品間の整合および結合を提供することを助ける、ベース16内に位置合わせピン28aおよび28bを受けるための孔26aおよび26bを含むことができる。取り外し可能なカートリッジ14は、また好ましくは、光源22aおよび22bならびに光検出器24aおよび24bの配列と整合する透明流れストリーム窓30aおよび30bを含む。カバーが閉鎖位置へ移動され、かつシステムが加圧されるとき、カバー18は、それぞれ圧力提供口36a、36b、および36cを介して、取り外し可能なカートリッジ14内の圧力受容口34a、34b、および34cに制御された圧力を提供する。
【0027】
試験を開始するために、カバー18は、持ち上げられ、新たなカートリッジ14は、ベース16上に配置されかつ整合される。血液試料は、試料収集器32内に導入される。カバー18は、閉鎖され、システムは、手動で加圧される。一旦加圧されると、機器は、白血球サイトメータ測定を実行する。取り外し可能なカートリッジ14は、血液希釈、赤血球溶解剤、およびコア形成のための流体力学的収束を提供することができる。光源22aおよび22b、光検出器24aおよび24b、ならびにこれらに関連する制御および処理電子機器は、光散乱蛍光信号に基づき白血球の区別および計数を実行することができる。ハウジング12のために蝶番構造を使用するより、滑動カートリッジスロットまたは任意の他の適切な構造が、使用されることができることが想定される。
【0028】
図2は、図1の例示的な可搬サイトメータの概略図である。上述のように、ベース16は、光源22aおよび22b、サイトメータの動作のための関連光学機器ならびに必要な制御および処理電子機器40を含むことができる。ベース16は、サイトメータを給電するための電池42も含むことができる。カバー12は、手動加圧要素44、制御マイクロ弁を有する圧力室46a、46b、および46c、ならびに関連光学機器を有する光検出器24aおよび24bを有して示される。
【0029】
取り外し可能なカートリッジ14は、試料収集器口32を介して試料流体を受けることができる。カバー18によって加圧されると、取り外し可能なカートリッジ14は、本発明のデバイス内で、血液希釈、赤血球溶解、およびコア形成のための流体力学的収束を行うことができる。コアは、一旦形成されると、図1の流れストリーム窓30aおよび30bを通過する流れストリーム経路50の下に設けられることができる。光源22aおよび22bならびにベース内の関連光学機器は、流れストリーム窓30aおよび30bを介してコアストリームを通る光を提供する。光検出器24aおよび24bならびに関連する光学機器は、それぞれ流れストリーム窓30aおよび30bを介して、コアからの散乱光および非散乱光を受ける。制御装置またはプロセッサ40は、検出器24aおよび24bからの出力信号を受け、コアストリーム内に存在する選択された白血球を区別し、識別し、かつ計数する。
【0030】
取り外し可能なカートリッジ14は、各流体の速度の制御を助けるために流体制御ブロック48を含むことができる。例示される実施例において、流体制御ブロック48は、様々な流体の速度を検知するための流れセンサを含み、制御装置またはプロセッサ40へ速度を報告する。制御装置またはプロセッサ40は、次に、所望の圧力およびしたがってサイトメータの適正な動作の所望の流体速度を達成するために、圧力室46a、46b、および46cに関連づけられたマイクロ弁を調整することができる。
【0031】
血液または他の生物学的廃棄物は、病気を蔓延させることがあるので、取り外し可能なカートリッジ14は、好ましくは、流れストリーム窓30aおよび30bの下流側に廃棄物容器52を有するものとする。廃棄物容器52は、取り外し可能なカートリッジ14内の流れストリームの流体を受けかつ格納する。試験が完了すると、取り外し可能なカートリッジは、取り除かれ、かつ好ましくは生物学的廃棄物に適合可能な容器内に処分される。
【0032】
図3は、カバー18がまだ押し下げられていない状態における図2のサイトメータを示すより詳細な概略図である。図4は、カバーが押し下げられた状態における図2のサイトメータを示すより詳細な概略図である。カバー18は、手動加圧要素44、圧力室46a、46b、および46c、ならびに全体的に60で示される制御マイクロ弁を有している。光源および検出器は、これらの図には示されていない。
【0033】
各流体の1つがそれぞれ加圧されるところの3つの圧力室46a、46b、および46cが存在する。例示的な実施例において、圧力室46aは、血液試料容器62に圧力を与え、圧力室46bは、溶解剤容器64に圧力を与え、かつ圧力室46cは、シース容器66に圧力を与える。各圧力室46a、46b、および46cの寸法および形状は、所望の圧力特徴を対応する流体に与えるために合わせて作ることができる。
【0034】
圧力室46aは、第1の圧力室70および第2の圧力室72を含む。第1の弁74は、第1の圧力室70内の圧力を第2の圧力室72へと制御可能に解放するために、第1の圧力室70と第2の圧力室72との間に設けられる。第2の圧力室72と流体連通する第2の弁76は、第2の圧力室72内の圧力を制御可能に放出する。各弁は、好ましくは、例えば参照によって本明細書に組み込まれる、名称「Addressable Valve Arrays for Proportional Pressure or Flow Control」の同時係属米国特許出願第09/404560号に記載されるように、個別にアドレス可能および制御可能な静電作動マイクロ弁の配列である。圧力室46bおよび46cは、それぞれ溶解剤容器64およびシース容器66に印加される圧力を制御するための類似する弁を含む。代わりに、各弁は、制御された「有効」流れまたは漏洩レートを達成するために、制御可能なデューティサイクルでパルス変調された静電作動マイクロ弁の配列とすることができる。
【0035】
取り外し可能なカートリッジ14は、カバー18から制御された圧力を受けるために圧力受け口34a、34b、および34cを有する。制御された圧力は、図示するように、血液容器62、溶解剤容器64、およびシース容器66に与えられる。溶解剤容器64およびシース容器66は、好ましくは、取り外し可能なカートリッジ14が使用のために出荷される前に、充填される。一方、血液容器62は、試料収集口32から充填される。血液試料は、試料収集口32に与えられることができ、毛細管作用を介して、血液試料は、血液容器62に吸い込まれる。いったん血液試料が血液容器62内に入ると、カバー18を閉鎖することができ、システムを加圧することができる。
【0036】
流れセンサは、流体力学的収束の前に、各流体とインラインで、すなわち整合した状態で設けられることができる。各流れセンサ80、100、および102は、対応する流体の速度を測定することができる。流れセンサは、熱風速計タイプの流れセンサおよび/またはマイクロブリッジタイプの流れセンサであり得る。マイクロブリッジタイプの流れセンサは、例えば、全て参照によって本明細書に組み込まれる、米国特許第4478076号、米国特許第4478077号、米国特許第4501144号、米国特許第4651564号、米国特許第4683159号、および米国特許第5050429号に記載される。各流れセンサ80、100、および102からの出力信号は、制御装置またはプロセッサ40に与えられる。
【0037】
制御装置またはプロセッサ40は、血液試料の速度が第1の所定値未満に低下すると、第1の弁74を開放し、かつ血液試料の速度が第2の所定値を超えて増大すると、第2の弁76を開放する。弁84、86、94、および96は、溶解剤およびシース流体の速度を制御するのと類似する方法で動作する。
【0038】
動作中に、また、システムを加圧するために、手動の加圧要素44が押し下げられる。図示実施例において、手動の加圧要素44は、3つのプランジャを含み、各プランジャは、第1の圧力室の対応する1つで受けられる。プランジャは、第1の圧力室内の比較的高い非精密な圧力を生成する。より低い、制御された圧力は、二次室内への制御可能な漏洩を生じさせる第1の弁70、84、および94を開放することによって二次室に構築される。高すぎる圧力が二次圧力室に構築されるなら、対応する通気弁76、86、および96は、圧力を放出するために開放される。
【0039】
カバー18を閉鎖すると、通常開放の第1の弁74、84、および94が閉鎖され、一方、通気弁76、86、および96は開放される。所定の圧力Pが、第1の圧力室で達成されるとき、通気弁76、86、および96が閉鎖され、第1の弁74、84、および94は、二次圧力室でより低い圧力P’を構築するために開放される。二次圧力室内の制御された圧力は、血液、溶解剤、およびシースのために流体流れを生成すべく、取り外し可能なカートリッジ14の流体回路に必要な圧力を与える。流体流れの速度は、次に、下流側の流れセンサ80、100、および102によって測定される。各流れセンサは、対応する第1の弁および通気弁の動作を制御することにより各流体に関して所望の一定流量を提供するように、制御装置またはプロセッサ40によって使用される出力信号を与える。
【0040】
全体的に110で示される下流側弁を設けられることもできる。制御装置またはプロセッサ40は、システムが加圧されるまで、下流側弁110を閉鎖することができる。これは、回路が加圧される前、血液、溶解剤、およびシースが流体回路内に流れるのを妨げることを助けることができる。本発明の他の例示的な実施例において、下流側弁110は、カバーが閉鎖されるとき、機械作用によって開放される。
【0041】
図5は、バルブ(bulb、球状部材)100および逆止め弁102を有する例示的な手動流体駆動装置を示す概略図である。逆止め弁102は、好ましくは、空気が第1の圧力室104へ入るのではなく第1の圧力室104から出ることを可能にする一方向弁である。バルブ100が押し下げられるとき、バルブ100の内部106の空気は、逆止め弁102を通り、第1の圧力室104へ押し出される。好ましくは、空気が雰囲気からではなくバルブ100の内部106から出ることを可能にする他の一方向弁105が設けられる。したがって、バルブが解放されるとき、一方向弁105は、バルブ100内へ流れるために空気を置き換えることを可能にすることができる。
【0042】
手動で動作する流体駆動装置を使用するよりむしろ、例えば静電作動の中間ポンプ(mesopump)を含む、任意の比較的小さい圧力源が使用可能であることが考えられる。1つのそのような中間ポンプは、参照によって本明細書に組み込まれる、Cabuzへの米国特許第5836750号に記載される。
【0043】
図6は、マイクロ弁の8×7のアドレス指定可能な配列の比例圧力制御を示すグラフである。図6に示されるグラフを作成するために、第1の圧力室120に約45kPa(6.5psi)が印加される。小さな開口が、第2の圧力室122に設けられる。マイクロ弁が、124で示されかつ第2の圧力室122内の圧力を逃す。閉鎖されるアドレス可能なマイクロ弁の数を変更することによって、第2の圧力室の圧力が、変更されかつ制御されることができる。示されるグラフにおいて、第2の圧力室122内の圧力は、マイクロ弁の8×7の配列のいずれも閉鎖されていないときの約4kPa(0.6psi)から、全てのマイクロ弁の8×7の配列が閉鎖されるときの約45kPa(6.5psi)まで変更されることができる。これらの低い電力の微細機械加工されたシリコンマイクロ弁が、約69kPa(10psi)を超えるまでの圧力を制御するために使用されることができる。
【0044】
図7は、流体力学的収束を提供することができる、図3の流れ機構部ブロック88によって流れストリームおよびコアの形成を示す概略図である。ブロック88は、流体駆動装置から制御された速度で、血液、溶解剤、およびシースを受けることができる。血液は、溶解剤と混合されることができ、それによって赤血球が取り除かれる。溶解溶液は、赤血球のpHより小さいpHを有することができる。これは、しばしば赤血球溶解または溶解剤飛行と称される。残る白血球は、流れストリーム50を生成するためにシース流体によって囲まれる中央内腔150下方へ提供される。流れストリーム50は、シース流体152によって囲まれたコアストリーム160を含む。チャネルの寸法は、図示されるように低減され、白血球154および156が単一配列となっている。シース流体の速度は、好ましくは、コアストリーム160の速度の9倍である。しかしながら、シース流体およびコアストリーム160の速度は、流れチャネルにおける層流を維持するために十分に低いままである。
【0045】
光発光器22aおよび22b、ならびにこれらに関連する光学機器は、好ましくは流れストリーム50の一方側に隣接して設けられる。光検出器24aおよび24b、ならびにこれらに関連する光学機器は、光発光器22aからの光および流れストリーム50を介して蛍光発光粒子からの光を受けるために、流れストリーム50の他方側に設けられる。光検出器24aおよび24bからの出力信号は、制御装置またはコントローラ40に提供され、それらは、コアストリーム160内の選択された白血球を識別しかつ/または計数するために解析される。
【0046】
図8は、図7の散乱を介するコアストリーム160の解析のための光源の配列22aおよび光検出器の配列24bを示す概略図である。光源は、「+」符号として示され、検出器は、ボックスで示される。図示される実施例において、光源の配列は、流れストリーム50の一方側に隣接して設けられ、光検出器の配列は、流れストリームの反対側に隣接して設けられる。各光検出器は、好ましくは、対応する1つの光源と整合される。光源の配列および光検出器の配列は、流れストリーム50の軸202に対してわずかに回転される光源軸200に沿って配置されるよう示されている。
【0047】
光源の配列22aは、好ましくは、共通基板上に製造された垂直空洞表面発光レーザ(VCSEL)などのレーザの配列である。それらの垂直発光のために、VCSELは、小型化された可搬サイトメータなどの小型機器内にパッキングするのに理想的に最適である。そのようなサイトメータは、個人の人体に着用可能である。VCSELは、従来の850nm未満、およびより好ましくは670nmから780nm範囲の波長で動作する「赤」VCSELである。赤VCSELは、散乱測定に理想的に最適である波長、パワー、および偏光特徴を有することができる。
【0048】
いくつかの従来のサイトメータベンチモデルは、650nmの波長を有する単一の9mWの縁部発光レーザを使用する。ビームは、整合ずれによる粒子位置における不正確さおよびコアストリームの幅を包含するために、10×100ミクロンの細長い形状に収束される。対照的に、670nmで動作する本発明の赤VCSELの出力パワーは、典型的に10×10ミクロン発光器および100ミクロン間隔に対してほぼ1mWである。したがって、10個の赤VCSELの線形配列からの光の全強度は、本質的にいくつかの従来技術ベンチモデルの光の全強度と本質的に同一である。
【0049】
流れ軸202に対してある角度に向けられたレーザの線形配列の使用は、従来技術の単一光源構成を超える多数の重要な利点を提供する。例えば、レーザの線形配列は、コアストリーム内の粒子の経路の側方整合を決定するために使用されることができる。粒子ストリームの整合における不確定性の1つの源は、粒子経路位置における統計的変動を導くコア流れの幅である。これらの変動は、検出器データの解析から決定されることができ、また、制御装置またはプロセッサ40によって使用されることができる。それによって、流体駆動装置の弁を調整し、試料流体および支持流体に印加される相対圧力を変化させ、流れストリーム内の選択された粒子の位置合わせ(整合度)を変更することができる。
【0050】
流体ストリーム50内の細胞の側方整合を決定するために、細胞は、VCSELの線形配列によって生成されるいくつかの収束されたスポットを通過する。細胞は、対応するインライン参照検出器の信号における低下を生成する。信号の相対強度は、粒子経路の中心および粒子幅の測定値を決定するために制御装置またはプロセッサ40によって使用される。
【0051】
粒子経路および寸法を決定するために、レーザ22aは、好ましくは、コア流れの平面内の一連のガウシアンスポット214(1000W/cm2程度の強度)に収束される。スポット214は、好ましくはほぼ白血球と同一の寸法(10〜12μm)である。例示的なガウシアンスポット214が図9に示される。検出器の配列24aおよびそれらの収束光学機器は、流体ストリーム50の反対側に設けられる。かなり大きなF数を有するレンズは、取り外し可能なカートリッジサイトメータ部分のための数百ミクロンの動作空間を提供するために使用される。
【0052】
単一レーザの構成よりむしろレーザの線形配列22aを使用する他の利点は、各細胞の速度が決定wされることができることである。粒子速度は、光散乱信号からの粒子寸法の推定における重要なパラメータであり得る。従来のサイトメータにおいて、粒子速度は、ポンプ流量から外挿される。この解決方法の制限は、ポンプが、非常に正確でなければならず、サイトメータ流れ室の公差が、厳密に制御されなければならず、漏洩などの流体の停止が発生することが無く、かつマイクロ泡などの障害物が、流れまたはコア形成を妨げるように導入されることが無いことである。
【0053】
各細胞の速度を決定するために、システムは、2つの隣接または連続するスポット間を各細胞が通過するために必要な時間を測定することができる。例えば、図8を参照すると、細胞は、検出器208を次に検出器210を通過することができる。検出器208から検出器210へ移動するのに細胞が必要な時間を測定し、かつ検出器208から検出器210の距離を知ることによって、制御装置またはプロセッサ40は、細胞の速度を計算することができる。これは、ほぼ速度測定値である。これは、しばしば飛行時間測定と呼ばれる。一旦速度が知られると、粒子が中心合わせされるスポットを通って移動する時間(数マイクロ秒)は、粒子長さおよび寸法の測定値を提供することができる。
【0054】
粒子速度は、流体駆動装置の制御を助けるためにも使用できることが想定される。本発明の寸法、価格、および複雑性を低減するために、図1の取替え可能なカートリッジは、プラスチック積層物または成形部品から製造されることができる。そのような製造技術は、安価な部品を提供することができるが、それらは、典型的に、より少ない寸法精度、および非対称次元およびより広い公差断面を有して繰り返し可能である。これらのより広い公差は、特にカートリッジ毎に粒子速度における変動を生成することがある。これらのより広い公差に関する補償を助けるために、上述された飛行時間測定値は、コアストリームにおける粒子が、比較的一定速度を有するように、血液、溶解剤、およびシース流体ストリームに印加される制御された圧力を調整するために制御装置またはプロセッサ40によって使用されることができる。
【0055】
細胞寸法をさらに評価するために、レーザビームは、細胞経路に沿っておよび細胞経路を横切っての両方の方向で収束されることができることが想定される。さらに、細胞を横切る複数の試料は、他の細胞タイプに形態学的特徴を補正するために、組織特徴が解析されることができる。これは、細胞タイプを他の細胞タイプから分離することを助けることができる、細胞寸法に関する複数のパラメータを提供することができる。
【0056】
単一層構成よりむしろレーザの線形配列22aを使用する他の利点は、比較的一定の光照明が、流れチャネルを横切って提供されることができることである。これは、図9に示されるように、隣接するVCSEL22aからガウシアンビーム214を重ねることによって達成される。従来技術の単一レーザシステムにおいて、流れチャネルを横切る光照明は、典型的にチャネルを横切って変化する。このように、粒子が流れチャネルの中心にないなら、後続の測定値の精度は、低減されることがある。
【0057】
上述の測定を実行するために、図8における各検出器24aは、単一のインライン検出器とすることができる。しかしながら、FALSおよびSALS散乱を測定するために、各検出器24aは、図10に示されるように、インライン検出器の周囲に配置された2つの環状検出器をさらに含むことができる。図10を参照すると、VCSEL218が示され、上方方向に光を提供する。光は、コア流れの平面のガウシアンスポットに光を収束するレンズ220を介して提供される。レンズ220は、VCSEL218とは別個にまたはVCSEL218に集積されるマイクロレンズなどとすることができる。光は、コア流れを通過し、回折光学素子など他のレンズ222によって受けられる。レンズ222は、インライン検出器226ならびに環状検出器228および230に光を提供する。インライン検出器226は、コアストリーム内の粒子によって著しく散乱されてない光を検出する。環状検出器228は、前方散乱(FALS)光を検出し、かつ環状検出器230は、小角度散乱(SALS)光を検出する。
【0058】
図11は、光源および検出器の3つの別個の配列を含む本発明の他の例示的な実施例を示す。光源および検出器の各配列は、流れストリームの中心流れ軸に対してわずかに回転される異なる光源軸に沿って配置される。3つの配列を使用することによって、各配列に結合される光学機器は、特定の適用または機能に関して最適化されることができる。小角度散乱(SALS)を検出するために、コア流れの平面に良好に収束されたレーザ光が望ましい。前方散乱(FALS)を検出するために、コリメートされた光が望ましい。
【0059】
特に図11を参照すると、光源および光検出器の第1の配列は、300で示される。光源および光検出器は、第1の光源軸に沿った線形配列に配置される。第1の光源軸は、流れストリームの流れ軸に対して回転される。光源および光検出器は、図8に関連して上述された光源および光検出器に類似することができ、好ましくは、例えば、流れストリーム内の細胞の側方整合、粒子寸法、および粒子の速度を測定するために使用される。
【0060】
図11aは、流れストリーム359の中心流れ軸に対して平行ではない(すなわち、静的に回転される)、それぞれ光源軸355および検出器軸357に沿って配置された、光源351の配列および光検出器353の配列の三次元図示である。軸355、357、および361は、典型的には互いに対して平行である。ライン361は、流れストリーム359を横切る光スポットの軸である。
【0061】
図12は、図11に示される第1の配列300の例示的な光源および検出器対を示す概略図である。VCSEL302が示され、上方方向に光を提供する。光は、コア流れの平面のガウシアンスポットに光を収束するレンズ304を介して提供される。光は、コア流れを通過し、他のレンズ306によって受けられる。レンズ306は、インライン検出器308に光を提供する。インライン検出器308は、コアストリーム内の粒子によって著しく散乱されてない光を検出する。
【0062】
光源および光検出器の第2の配列は、310で示される。光源は、流れストリームの流れ軸に対して回転された第2の光源軸に沿った線形配列に配置される。光検出器は、光検出器の3つの線形配列を含む。検出器の1つの配列は、光源の線形配列とインラインに配置される。光検出器の他の2つの線形配列は、光検出器のインライン配列の両側に配置され、流れストリーム内の選択された粒子によって生成される小角度散乱(SALS)を測定するために使用される。
【0063】
図13は、図11に示される第2の配列の例示的な光源および対応する検出器を示す概略図である。VCSEL320が示され、上方方向に光を提供する。光は、コア流れの平面のガウシアンスポットに光を収束するレンズ322を介して提供される。光は、コア流れを通過し、回折光学素子(Diffractive Optical Element(DOE))324など他のレンズ324によって受けられる。レンズ324は、インライン検出器326、およびインライン光検出器326の両側に配置される対応する2つの光検出器328および330に光を提供する。
【0064】
インライン検出器326は、コアストリーム内の粒子によって著しく散乱されてない光を検出するために使用されることができる。したがって、第2の配列302の光検出器のインライン線形配列は、第1の配列300の検出器のインライン配列と同一の測定値を提供するために使用されることができる。両方の検出器のインライン配列の測定値は、より正確な結果を提供するために比較されまたは組み合わされることができる。代わりに、または追加して、第2の配列302のインライン検出器は、サイトメータの信頼性を改善するために、冗長の検出器の組として使用されることができる。
【0065】
第2の配列302のインライン検出器は、流れストリームにおける粒子の飛行時間または速度をより正確に決定するために、第1の配列300のインライン検出器と組み合わせて使用されることもできる。検出器間の距離がより大きいことがあるので、測定値は、より正確であり得る。上記で示されたように、粒子の速度を知ることによって、流体駆動装置によって引き起こされる流量におけるわずかな変動は、制御装置によって最小化されまたは取り除かれることができる。
【0066】
図13の光検出器328および330は、流れストリーム内の選択された粒子によって生成される小角度散乱(SALS)を測定するために使用される。したがって、光検出器328および330は、好ましくは、流れストリーム内の選択された粒子によって生成される小角度散乱(SALS)を妨害するためにインライン検出器326から十分に離間される。
【0067】
図11に戻って参照すると、光源および光検出器の第3の配列350は、好ましくは、流れストリーム内の選択された粒子によって生成される前方角度散乱(FALS)を測定するために提供される。光源は、流れストリームの流れ軸に対して回転される第3の光源軸に沿った線形配列に配置される。各光源は、好ましくは、対応する光検出器を有し、各光検出器は、中間で非感受性領域または別個のインライン検出器を有して環状に形成される。環状に形成された光検出器は、好ましくは、流れストリーム内の選択された粒子によって生成される前方角度散乱(FALS)を妨害しかつ測定するような寸法にされる。
【0068】
図14は、図11に示される光源および光検出器の第3の配列350の例示的な光源および検出器対を示す概略図である。VCSEL360が示され、上方方向に光を提供する。光は、コア流れに実質的にコリメートされた光を提供するコリメーティングレンズなどのレンズ362を介して提供される。上記で示されたように、コリメートされた光は、前方散乱(FALS)光を検出することが望ましい。光は、コア流れを通過し、他のレンズ364によって受けられる。レンズ364は、環状に形成された検出器368へ受けられた光を提供する。
【0069】
環状に形成された光検出器368は、好ましくは、流れストリーム内の選択された粒子によって生成される前方角度散乱(FALS)を妨害しかつ測定するような寸法にされる。非感受性領域または別個のインライン検出器370は、環状に形成された光検出器368の中間に設けることができる。別個のインライン検出器370が設けられる場合、第1の配列300および/または第2の配列302のインライン検出器と同一の測定値を提供するために使用されることができる。そのように提供されるとき、第1の配列300、第2の配列302、および第3の配列350の検出器の全ての3つのインライン配列からの測定値は、より正確な結果を提供するために比較されまたは組み合わされることができる。第3の配列302のインライン検出器は、サイトメータの信頼性を改善するために他のレベルまたは代理機能性のものとして使用されることもできる。
【0070】
第3の配列350のインライン検出器は、流れストリーム内の粒子の飛行時間または速度をより正確に決定するために、第1の配列300および/または第2の配列302におけるインライン検出器とともに使用されることもできる。検出器間の距離がより大きいことがあるので、測定値は、より正確である。上記で示されたように、粒子の速度を知ることによって、流体駆動装置によって引き起こされる流量におけるわずかな変動は、制御装置によって最小化されまたは取り除かれることができる。
【0071】
光源および検出器の3つの別個の配列を使用することによって、各配列に関連する光学機器は、所望の適用に関して最適化されることができる。理解されるように、第1の配列300に関連する光学機器は、コア流れの平面に良好に収束されたレーザ光を提供するように設計される。これは、第1の配列300によって実行される整合、寸法、および粒子速度測定値への解像度を提供することを助ける。同様に、第2の配列302に関連する光学機器は、コア流れの平面に良好に収束されたレーザ光を提供するように設計される。良好に収束された光は、流れストリーム内の選択された粒子によって生成される小角度散乱(SALS)を測定するときに望ましい。最後に、第3の配列350に関連する光学機器は、コア流れへコリメートされた光を提供するように設計される。上記で示されたように、コリメートされた光は、流れストリーム内の選択された粒子によって生成される前方角度散乱(FALS)を測定するときに望ましい。
【0072】
図15は、手首の周りに着用されるように構成された本発明の小型化された可搬サイトメータの例示的な実施例の斜視図である。このサイトメータ400は、図1に示されるサイトメータに類似することができる。帯402は、使用者の手首へサイトメータ400を固定する。
【0073】
上記で示されるように、使用者は、取り外し可能なカートリッジを得て、取り外し可能なカートリッジの試料収集口32(図1を参照)へ血液試料を提供することができる。血液試料は、例えば指を刺すことによって収集されることができる。使用者は、次にハウジング内へ取り外し可能なカートリッジを挿入し、かつ手動でシステムを加圧することができる。小型化された可搬サイトメータは、次に、使用者が医療処置を求めなければならないなら、その指示の読み取りを提供することができる。読み取りは、視角読み取り、可聴音、または任意の他の適切な指示器であり得る。
【0074】
指を刺すことなどによる血液試料を得ることよりむしろ、カテーテル404などが、使用者の静脈に挿入され、かつ試料収集器口32に取り付けられることができることが想定される。これは、読み取りが望ましいときはいつでも、システムが、使用者から血液試料を自動的に収集することを可能にする。代わりに、小型化された可搬サイトメータが、適切な血液供給源に接続された試料収集器口32を用いて、使用者に埋め込まれることができることが想定される。
【0075】
図16は、ポンプ、圧力室、容器、流れセンサ、および流れチャネルを有する流れ機構部を含む使い捨てサイトメータカートリッジ14を示す。流れ機構部は、流体力学的収束を実行することができる。カートリッジへの外部流体接続が存在しないことがある。カートリッジ14から制御装置、計算機、またはプロセッサ40へ(以降プロセッサと呼ばれる)の外部電気接続が存在することがある。しかしながら、プロセッサ40またはプロセッサ40の一部は、カートリッジ14内に含まれることができる。プロセッサ40またはプロセッサ40の一部は、チップの形態であり得る。カートリッジ14の流れチャネルに結合される1つまたは複数の光源および1つまたは複数の検出器が、カートリッジ14への外部にあり得る。全ての液体は、口32を介してカートリッジへ直接入力される解析されるべき血液試料を除いて、カートリッジ内に内蔵される。
【0076】
ポンプ81は、圧力室70内に空気をポンプ給送することができる。ポンプ81は、米国特許第5836750号による例示的な実施例として記載される中間ポンプであり得る。ポンプ81は、ライン89および接続ブロック87を介してプロセッサ40によって制御されることができる。空気は、弁74を介して制御された圧力室72に入ることができる。室72内の空気は、中間弁または他のマイクロ弁74および76を用いてある所定の圧力にあるように制御されることができる。空気は、血液容器62内に進むことができる。より高い空気圧力が室72内に必要であるとき、弁74が開放されることができ、弁76が閉鎖されることができる。室72内の空気圧力が低減される必要があるなら、弁74が閉鎖されることができ、弁76が開放されることができる。弁74および76は、ライン91および接続ブロック60を介してプロセッサ40によって制御されることができる。ブロック60は、ライン91から室72の弁への適切な接続を表す。空気は、血液容器62の多孔性フィルタ61を通して進むことができる。フィルタ61は、空気の通過を許容するが、液体の通過を妨げることができる。空気は、容器62内の液体血液に制御された圧力を及ぼすことができる。血液は、流れセンサ80を介して容器62から流れることができる。流れセンサ80は、接続ブロック48およびライン93を介してセンサを通って流れる血液の量に関する情報を、プロセッサ40に提供することができる。検知された血液流れ情報を用いて、プロセッサ40は、流れチャネルおよび流体力学的収束を有することができる流れ機構部88内への所定流量の血液を結果として生じるように、容器62内の液体への空気圧力を制御するために、弁74および76に制御信号を送ることができる。
【0077】
血液準備に関する同様の方法で、溶解剤準備が、圧力室71に空気をポンプ給送するポンプ83を有することができる。ポンプ83は、ポンプ81に類似することができる。ポンプ83は、ライン89および接続ブロック87を介してプロセッサ40によって制御されることができる。空気は、制御された圧力室75に入ることができる。室75内の空気は、弁84および86を用いてある所定の圧力にあるように制御されることができる。空気は、溶解剤容器64へ多孔性フィルタ63を通って進むことができる。より高い空気圧力が室75内に必要であるとき、弁84が開放されることができ、弁86が閉鎖されることができる。室75内の空気圧力が低減される必要があるなら、弁84が閉鎖されることができ、弁86が開放されることができる。弁84および86は、ライン91および接続ブロック60を介してプロセッサ40によって制御されることができる。ブロック60は、ライン91から室75の弁への適切な接続を表す。空気は、溶解剤容器64の多孔性フィルタ63を通して進むことができる。フィルタ63は、空気の通過を許容するが、液体の通過を妨げることができる。空気は、容器64内の液体溶解剤に制御された圧力を及ぼすことができる。溶解剤は、流れセンサ100を介して容器から流れることができる。流れセンサ100は、接続ブロック48およびライン93を介してセンサを通って流れる溶解剤の量に関する情報を、プロセッサ40に提供することができる。検知された溶解剤流れ情報を用いて、プロセッサ40は、流れ収束機構部88内への所定流量の溶解剤を結果として生じるように、容器64内の液体への空気圧力を制御するために、弁84および86に制御信号を送ることができる。
【0078】
血液および溶解剤準備に関して同様の方法で、シース準備は、圧力室73に空気をポンプ給送するポンプ85を有することができる。ポンプ85は、ポンプ81および83に類似するポンプであり得る。ポンプ85は、ライン89および接続ブロック87を介してプロセッサ40によって制御されることができる。空気は、室73から制御された圧力室75に入ることができる。室77内の空気は、弁94および96を用いてある所定の圧力にあるように制御されることができる。空気は、室77からシース容器66へ多孔性フィルタ65を通って進むことができる。より高い空気圧力が室77内に必要であるとき、弁94が開放されることができ、弁96が閉鎖されることができる。室77内の空気圧力が低減される必要があるなら、弁94が閉鎖されることができ、弁96が開放されることができる。弁94および96は、ライン91および接続ブロック60を介してプロセッサ40によって制御されることができる。ブロック60は、ライン91から室77の弁への適切な接続を表す。空気は、容器66内の液体シースに制御された圧力を及ぼすことができる。シースは、流れセンサ102を介して容器から流れることができる。流れセンサ102は、接続ブロック48およびライン93を介してセンサ102を通って流れるシースの量に関する情報を、プロセッサ40に提供することができる。検知されたシース流れ情報を用いて、プロセッサは、流れ機構部88内への所定流量のシースを結果として生じるように、容器66内のシース液体への空気圧力を制御するために、ポンプ85ならびに弁94および96に制御信号を送ることができる。外部の加圧空気供給源に接続された口が、図16のカートリッジ14のポンプ81、83、および85の代わりに実装されることができる。
【0079】
流れ機構部88において、容器62からの血液は、その赤血球を溶解されることができ、単一ファイルで血液中の白血球(残り)のストリームの周りのシース液体を有する流れチャネル(50)で挿入されることができる。白血球および他の粒子が、光源によって照明されることができ、流れチャネルからの光は、検出器によって検出されることができる。光源および検出器は、制御されることができ、情報は、プロセッサ40と機構部88との間のライン97での接続を介してそれらから得られることができる。機構部88および流れチャネルは、本記載の他の場所で記載された。シースに沿った血液試料が、機構部の流れチャネルから離れた後、それは、廃棄物容器52内へ進むことができる。
【0080】
カートリッジ14が使用される前、およびそのシステムが加圧されるまで、容器62、64、および66と機構部88との間の一組の下流側弁110が、閉鎖されることができる。それらの閉鎖および開放状態は、ライン95および接続ブロック110を介してプロセッサ40によって制御されることができる。
【0081】
図17aは、液体デバイスおよび動作の全てがカートリッジで生じるカートリッジ14の他の態様である。図17bは、プロセッサ40の一部または全てが、カートリッジ14内に位置することができることを除いて、図17aの態様と同一の態様を表す。図17bにおけるプロセッサ40は、ライン155を介してカートリッジ14から外部通信することができる。図17aおよび図17bにおけるカートリッジ14は、カートリッジ14が使用されない間に、容器64および66内の流体を密閉するために閉鎖される一組の弁を有することができる。弁は、中間弁であり得る。プロセッサ40は、ライン113、および弁からライン113への接続を提供する接続ブロック111を介して弁を制御することができる。また、入力32は、弁109を用いて血液容器62から閉鎖されることができる。弁109は、中間弁またはプロセッサ40に接続された他のマイクロ弁であり得る。カートリッジ14が使用されない間に、流れセンサと機構部88との間の下流側弁は閉鎖されることができる。カートリッジ14が使用される前、およびそのシステムが加圧されるまで、下流側弁が閉鎖されることができる。下流側弁の閉鎖および開放状態は、ライン95および接続ブロック110を介してプロセッサ40によって制御されることができる。多孔性フィルタ61、63、および65は、それぞれ容器62、64、および65への液体の通過を妨げることができるが、ブロック110の弁が開放されると仮定すると、容器62、64、および66へ入る空気の通過を許容し、液体がそれぞれの容器からポンプ給送されて出るときに、取り除かれた液体は、真空が容器内に展開されないように空気で置き換えられることができる。
【0082】
血液試料は、口32を介して血液容器62内に入れられることができる。ポンプ81は、流れセンサ80を通って容器62から流れ機構部88へ血液をポンプ給送することができる。流れセンサ80は、接続ブロック48およびライン93を介する血液の流れのレートを示す信号をプロセッサ40に提供する。プロセッサ40は、ライン89および接続ブロック87を介するポンプ81への制御信号によって、センサ80を通る流れの量を制御することができる。
【0083】
溶解剤容器64内の溶解剤液体は、ポンプ83によって流れセンサ100を通ってポンプ給送されることができる。流れセンサ100は、センサを通って流れ機構部88内への溶解剤の流れのレートを示す信号をプロセッサ40に送ることができる。この信号は、接続ブロック48およびライン93を介してプロセッサ40へ進むことができる。プロセッサ40は、ライン89および接続ブロック87を介するポンプ83へ送られる信号によって、センサ100を通る溶解剤の流れのレートを調整することができる。
【0084】
シース流体は、ポンプ85によって流れセンサ102を通ってシース容器66から流れ機構部88へポンプ給送されることができる。流れセンサ102は、センサ102を通過するシース液体の流れの量を示す信号を送ることができる。この信号は、接続ブロック48およびライン93を介してプロセッサ40へ進むことができる。プロセッサ40は、ライン89および接続ブロック87を介するポンプ83へ送られる信号によって、センサ102を通り機構部88へのシース液体の流れの量またはレートを調整することができる。
【0085】
試料血液は、機構部88に入ることができ、かつ赤血球を取り除くために、センサ100を通って容器64からポンプ給送される液体で溶解されることができる。溶解された血液は、血液中の白血球を単一ファイルで流れチャネルを通って進ませる、血液の周りのシース液体を有する流れチャネル(50)を進むことができる。白血球および他の粒子が、光源からの光で照明されることができ、流れチャネルからの光は、検出器によって検出されることができる。光源は、ライン97を介して機構部88へプロセッサ40によって制御されることができる。検出器は、ライン97を介してプロセッサ40に情報信号を提供することができる。流れ機構部88およびその光学機器を有する流れチャネルは、本記載の他の場所で記載された。シース液体に沿った血液試料が、機構部の流れチャネルから離れた後、それは、廃棄物容器52内へ進むことができる。
【0086】
図18a〜図18dは、迅速な試作形成するレーザ切断積層技術で製造されることができるマイクロ流体カートリッジまたはチップ14を示す。単一タイプの反応剤は、使用されることができるが、駆動の便宜のために、3つの反応剤容器が、廃棄物容器52とともに流体カートリッジまたはチップ14に含まれることができる。また、試料収集毛細管32がチップ上にあることができる。反応剤容器62、64、および66は、流体チップ13の内側の流体の駆動を確実にすることができる、サイトメータのカバーと空気圧/流体圧インタフェースを有することができる。インタフェースは、空気が通って移動することを許容するが、液体が失われることを妨げる可撓性膜または多孔性栓(多孔性栓が示される)61、63、および65のいずれかであり得る。栓61、63、および65は、それぞれ口123、125、および126に配置されることができる。流体駆動システムの一部として、流れセンサダイ80、100、および120は、流体チップに含まれることができる。電気接続は、カートリッジ14に堆積されかつ外部保持器に接続された金属ラインを介して達成されることができる。
【0087】
格納の間、取り外し可能な蓋114は、チップ14のマイクロ流体回路に取り付けられることができる。溶解剤は、容器64に搭載されて格納されることができる。弁115および116は、開放されることができる。弁117、118、119、および121は、閉鎖されることができる。カートリッジ14で解析または試験を行うことができる。
【0088】
蓋114は、取り除かれることができ、血液の滴が、試料入口32に置かれることができる。毛細管作用が、試料格納副回路内に血液を引き込むことができる。蓋114は、試料入口32にスナップ止めされることができ、カートリッジ14は、サイトメータケースまたはベンチ装置内に配置されることができる。
【0089】
チップ、カード、またはカートリッジ14保持器のカバーを閉鎖することによって、図18bのように、弁115および116は閉鎖されることができ、弁117、118、119、および121は開放されることができる。容器62、64、および66は、対応する流体ラインにおける異なる流量を生成するために、それぞれ口123、125、および126で異なる圧力によって駆動されることができる。全血は、1秒当たりほぼ0.1マイクロリットルの流量で、弁121、ライン128、弁117、およびライン127を介して血液駆動装置/容器62によって試料注入器129内に押し込まれることができる。並列に、容器64からの溶解剤は、1秒当たりほぼ1マイクロリットルの流量で、図18bの弁118およびライン131を介して試料注入器129内に押し込まれることができる。図18cにおいて、溶解剤および全血は、約10対1の希釈された血液(すなわち試料)を全体で約13マイクロリットル生成するために、混合および溶解チャネル133にともに逃れることができる。赤血球は溶解され、試料内に白血球を残したままにする。図18dにおいて、シース流体は、1秒当たりほぼ7マイクロリットルの流量で、弁119およびライン132を介して収束室134内に押し込まれることができる。血液流れは、容器62内の圧力負荷をゼロに低減して停止されることができ、一方、容器64内の圧力負荷は、1秒当たりほぼ0.5マイクロリットルの流量で、試料(溶解された血液)を生成するために調整される。室134内のシース流体は、血液試料の白血球が、流れチャネル50を通って流すために、単一ファイルのコアストリームに領域135に流体力学的に収束されるなどを引き起こすことができる。これらの流量は、サイトメータ流れチャネル50内に約10×5ミクロンの寸法を有するコアストリームを生成するために必要であり得る。
【0090】
流れチャネル50内の粒子または細胞は、光源および検出器システム136を通過することができる。流れストリーム内の粒子によって引き起こされる小角度散乱(SALS)、前方角度散乱(FALS)、および大角度散乱(Large Angle Scattering(LALS))が検出されることができる。光源および検出器の配列が使用されることができる。また、直接光の遮断が検出されることができる。粒子幅、長さ、中心、および速度が決定されることができる。粒子の様々な他の特性および識別情報は、光学システムで得られることができる。
【0091】
以前のサイトメータシステムは、全ての反応剤および試料をカートリッジ14のマイクロ流体回路を通して駆動するために、ステッパモータまたは手動で駆動される小型シリンジポンプによって生成される、いわゆる容積制御流れを使用した。システムは、正確であり得るが、非常に嵩張り、著しい電力を使用する。流体駆動システムを小型しかつエネルギー効率を高めるために、開ループの非常に正確であって安定しているが嵩張りかつ高価な流体駆動要素は、流体回路の臨界点で一定の所望の流れ速度を維持するために閉ループ構成で調整されることができる、より正確でなくかつより不安定な圧力源と置き換えられることができる。この解決方法の実施は、ミリメートル未満のチャネルで1秒当たり10ナノリットルまで低い流量の測定のための小さく感受性がある流体流れセンサ、および閉ループ圧力制御のための高速で小さな作動器によることができる。
【0092】
本記載の他の場所で記載された手動で加圧されるシステムが、存在することができる。他の解決方法は、中間ポンプチャネルを用いて達成される活性ポンプ給送を含むことができる。図19aおよび図19bは、チップ、カード、またはカートリッジ14に埋め込まれた中間ポンプ137および中間弁138の適用を明らかにする。チップ14内に埋め込まれた流れセンサ139も存在することができる。図19aおよび図19bは、埋め込まれた構成要素を有する製造されたチップまたはカートリッジ14の一部の例示的な実施例を示す。図19bは、サイトメータの一部の上面図であり、図19aは、チップ14に対する構成要素の構造的関係を示す切り欠き側面図である。例示的な実施例のように、図16、図17a、および図17bに示されるカートリッジの構成は、ポンプ81、83、および85などの埋め込まれた中間ポンプ137、図16、図17a、および図17bのブロック110および111内の弁などの中間弁138、および図16の圧力室72、75、および77の弁74、76、84、86、94、および96などの中間弁138を有することができる。システムにおける他の弁は、埋め込まれた中間弁138であり得る。同様に、図18a〜図18dのカートリッジ14の弁115〜119および121は、埋め込まれた中間弁138であり得る。図16、図17a、図17b、図18a〜図18d、図19a、および図19bのカートリッジ14の流れセンサ80、100、および102は、埋め込まれた流れセンサ139であり得る。しかしながら、ポンプおよび弁は、他の種類の小型弁およびポンプであり得る。
【0093】
中間ポンプ137は、実施例のために、参照によって本明細書に組み込まれる、2001年1月30日に発行された米国特許第6179586B1号に記載される原理である二重膜ポンプであり得る。また、中間ポンプおよび弁に関連する情報は、参照によって本明細書に組み込まれる、1998年11月17日に発行された米国特許第5836750号に開示されることができる。米国特許第6179586B1号および米国特許第5836750号は、本発明を所有する実体によって所有される。
【0094】
図20aおよび図20bは、それぞれ閉鎖状態および開放状態の中間弁141の例示的な実施例を表す。図20aにおいて、下部構造145の弁状座144で出力口149を閉鎖する膜142が存在し得る。膜142は、その上に被覆された第1の電極146を有することができる。上部構造148の内部空洞151の表面は、それらの上に被覆された第2の電極147を有することができる。下部構造145は、中間弁141への入力口143を有することができる。膜142は、上部構造と下部構造との間に保持される膜142の張力から出力口149を封止することができる。弁座144の上部表面は、膜142を固定する下部構造145の周囲の表面よりわずかに高いことができる。また、弁状座144に対して膜102を押圧する、電極146と電極147との間に反発静電力が存在することがある。
【0095】
図20bにおいて、膜142は、膜142に取り付けられた電極146と上部構造148の内部表面に接着された電極147との間の吸引静電力を用いて、弁状座144を持ち上げることができる。表面または座144から持ち上げられた膜142を用いて、流体153は、空洞を通って膜142の下の空洞153内の輸送口142から、座表面144を通過して出力口149内へ流れることができる。電極146および147を吸引する静電力は、電極146および147に電圧を印加することによって引き起こされることができる。電極146および147を横切る電圧が取り除かれたとき、膜142と上部構造143の内部表面との間の静電吸引は消え、膜142は、中間弁141を通る流体153の流れを停止するために出力口149を密閉する表面144に対するその元の位置に落ちかつ戻ることができる。
【0096】
図21は、弁に接続されたカートリッジから外れた制御装置40を有するカートリッジ14に位置する、または埋め込まれる流体マイクロ弁または中間弁159を示す。弁159は、カートリッジ内に位置する他の種類の弁であり得る。図22は、それに埋め込まれたまたは構築された流体ポンプ158を有するカートリッジ14を示す。ポンプ158は、一方向性または二方向性流れを提供することができる。ポンプは、中間ポンプまたは他の種類のポンプであり得る。ポンプは、気体または液体のための利用されることができる。ポンプ158は、制御40によって制御される開ループであり得る。制御40は、プロセッサおよび/または制御装置であり得る。本記載で議論される本ポンプおよび弁は、低減されることができる0.8mmから1.0mmの厚みを有することができる。しかしながら、ポンプおよび弁は、0.2mmほど薄いことができる。様々な技術の適用は、厚みをより薄く低減することができる。ポンプおよび弁は、約10mmの直径を有することができる。ポンプおよび弁は、それらが互いに接続されても接続されなくとも、互いに積層されることができる。カートリッジ14の厚みの範囲は、それは1mmより薄いことができるが、約1mmから5mm、すなわち一般的に6mm未満の厚みであることができるが、10mm未満であるべきである。カートリッジ14の側方寸法は、5cm×7cm未満であることができるが、10cm×15cm未満であるべきであり、150cm2未満の面積であるべきである。カートリッジは、ほぼ典型的なクレジットカードの寸法であり得る。所定の適用において、カートリッジは、10mmを超える厚み、10cm×15cmより大きく、150cm2を超える面積であり得る。このより大きな寸法のカートリッジは、非常により複雑なマイクロ流体素子を包含することができる。ポンプおよび弁は、積層技術を使用してカートリッジ14に包含されることができる。カートリッジ内に配置される、またはカートリッジの層の一部として構築されるポンプおよび弁などの埋め込まれた構成要素が存在することができる。カートリッジ14は、流れセンサ、圧力センサ、通路、液体の流れを妨げるためのデバイス、チャネル、および流体およびそれらの流れのための容器を含む他の構成要素も有することができる。これらの構成要素は、中間ポンプおよび中間弁を含むマイクロ構成要素であり得る。ポンプは、一方向性または二方向性であり得る。これら構成要素のいくつかは、カートリッジ上に配置されることができ、かついくつかは、カートリッジ14から外れて配置されることができる。カートリッジ上およびカートリッジから外れた構成要素の組み合わせは、カートリッジの適用に応じて変わることができる。カートリッジ上およびカートリッジから外れた構成要素の組み合わせは、必ずしも本記載の図に示される必要はない。カートリッジ14は、使用後に使い捨て可能または使い捨て可能ではないアイテムとして取り扱われることができる。血液解析のために使用されるとき、カートリッジ14は、衛生上の理由のために廃棄される可能性がある。カートリッジが、水、環境、汚染物質などの解析に使用されるなら、カートリッジ14は、再使用可能であることができる。
【0097】
図22の構成における流体の流れは、流れの単位溶液当たりのポンプ158のサイクル数を注目することによって決定されることができる。流れの量は、ポンプの制御40によって設定されることができる。図23は、カートリッジ14の液体ポンプ161を示す。ポンプ161は、一方向性または二方向性であり得る。液体は、液体流れセンサ163を通過していずれかの方向にポンプ161によってポンプ給送されることができる。センサ163は、カートリッジ14に埋め込まれる、または構築されることもできる。流れセンサ163は、流れの量および方向を示すために制御40に帰還信号を提供することができる。制御40は、カートリッジ14に特定の流れを提供するようにポンプ161の閉ループ制御を維持することができる。図24は、それが、カートリッジ14内に一方向または二方向に気体をポンプ給送するように設計されることができる気体ポンプを示すことを除いて、図23における流体回路に類似するタイプの流体回路を示す。本記載の様々な構成におけるポンプは、中間ポンプまたは他の種類のマイクロポンプであり得る。また、複数の構成の弁は、中間弁または他の種類のマイクロ弁であり得る。これらポンプのいくつかは、気体および液体の両方をポンプ給送することができる。気体流れセンサ164は、カートリッジ14の流れの方向および量を示すことができる。気体流れ指示は、所望の流れを与えるようにポンプ162への入力を次に提供する制御40に送られることができる。
【0098】
図25は、カートリッジ14の容器165から液体を提供する、または取り除くための他のポンプ給送構成を示す。ポンプ162、制御40によって制御される開ループは、容器165へ圧力を印加するための(圧力室に類似することができる)緩衝装置166を介して気体を提供することができる。緩衝装置166は、気体ポンプ162によって引き起こされる気体流れにおける脈動を平滑にすることができる。気体が通過することを許容するが、液体が通過しないデバイスまたは膜157が存在することができる。緩衝装置166は、いくつかの構成で必ずしも必要でないことがある。気体は、液体容器165に進むことができ、容器165内の液体上の気体圧力の構築は、容器から外に液体を押し出す。図26は、カートリッジ14上にはない類似する構成を示す。この構成の所定部分は、カートリッジ14上にある、またはカートリッジ14から外れることができる。
【0099】
図27は、図27の構成が流れセンサ163を用いる閉ループ制御を有することを除いて、図25に類似する。気体ポンプ162は、緩衝装置166を介して液体容器165へ気体をポンプ給送することができる。ポンプ162は、一方向性または二方向性であり得る。容器165への気体は、それを、容器165から液体流れセンサ163を通って動かすために、流体に圧力を与えることができる。デバイス157は、液体が緩衝装置166に戻って流れることを妨げることができるが、いずれかの方向に通って気体を進める。流れセンサ163は、容器からの液体流れの量を示す信号を制御40に送ることができる。制御40は、制御40へのおよび制御40からの閉ループ接続を介して、適切な気体圧力および/または容器163からの液体の所望の流れを維持するようにポンプ給送される気体の量を制御するために、気体ポンプ162に信号を送ることができる。図28は、それがカートリッジ14に全体的にまたは部分的に外れることができることを除いて、図27の構成と類似する構成を表す。
【0100】
図29は、カートリッジ14に挿入されることができる他の構成を表す。気体ポンプ162は、緩衝装置166を通って、弁168を有する入力で圧力室167に気体をポンプ給送することができる。また、室167は、逃し状の弁169を有することができる。弁168および169は、個別に開放または閉鎖するように制御40によって作動されることができる。ポンプ162は、一方向性または二方向性であり得る。気体は、容器内の液体への気体圧力は、液体流れセンサ163を通って液体を押し出すことができる液体容器165へ室167から進められることができる。流れセンサ163は、カートリッジ14から外れることができるが、まだカートリッジのマイクロ流体回路に結合されることができる。流れセンサ163は、制御40への流れを示す信号を送ることができる。制御40は、ポンプ162が十分な気体をポンプ給送することを確実にすることができる。しかしながら、流れセンサ163を通る液体の量は、室167内の圧力量によって制御されることができる。より高い圧力が、センサ163を通る増大した流れを必要とするなら、制御40は、弁168を開放しかつ弁169を閉鎖することができる。圧力が、センサ163を通る液体流れを低減するために減少される必要があるなら、制御40は、弁168を閉鎖しかつ弁169を開放することができる。弁168および169は、カートリッジ14に埋め込まれたまたは構築された中間弁であり得る。閉ループ制御は、丁度流れセンサおよび弁動作に制限されることができる。いずれかの構成でのポンプ162は、中間ポンプまたは他のマイクロポンプであり得る。図30は、図29の構成にある程度の類似性を有するカートリッジ14への他の構成を示すが、流れセンサ163は、カートリッジ14上にあることができる。
【0101】
図31は、図29および図30の室167とは異なって制御される圧力室176を有する構成を示す。気体ポンプ162は、弁172を介して緩衝装置166を通って圧力室171へ気体をポンプ給送する。圧力下の気体は、液体容器165に進むことができる。容器内の液体上の気体は、流れセンサ163を通って容器の外に液体を押し出す。液体流れを示す信号は、センサ163から制御40へ送られることができる。制御40は、ポンプ162が十分な量の気体をポンプ給送することを確実にする。しかしながら、流れセンサを通る液体流れの量は、室167内の気体上の圧力量によって制御されることができる。圧力の量は、室171内の圧力センサ173によって検出されることができ、圧力の量を示す信号は、センサ173から制御40へ送られることができる。より多い液体の流れが、流れセンサ163を通って進むなら、弁172は、少なくとも部分的に開放されることができ、より少ない液体の流れが、流れセンサを通って進むなら、弁172は、より閉鎖されるが完全に閉鎖される必要はない位置に移動されることができる。弁172の開放および閉鎖は、制御40からの信号によって制御されることができる。図31のように逃し弁169の代わりに、制御装置174が、室171からの気体のある程度の漏洩または逃しを提供するために、圧力室171に配置されることができる。弁172は、カートリッジ14に埋め込まれる、または構築される中間弁であり得る。同様に、制限装置またはオリフィス174は、カートリッジ14に構築されることができる。圧力センサ173は、カートリッジ14に埋め込まれる、または構築されることができる、図32は、図32の構成がカートリッジから外れて示されることを除いて、図31の構成と類似する構成を有することができる。また、図33は、図30の構成がカートリッジから外れて示されることを除いて、図30の構成と類似する構成を有することができる。いずれかの構成の所定の部分は、カートリッジ上にある、またはカートリッジから外れることができる。
【0102】
図29〜図33の構成は、別個にまたは組み合わせて実施されることができるいくつかの閉ループ制御構成を有することができる。互いに組み合わせて流れセンサおよび気体ポンプは、十分な閉ループ制御を提供することができる。圧力室および流れセンサを有するその弁は、十分な閉ループ制御を提供することができる。図31および図32において、圧力センサおよび弁を有する圧力室は、別個に十分な閉ループ制御を提供することができる。
【0103】
制御40を除いて図21〜図33で議論されるいくつかの構成要素は、カートリッジ14上の載ることができるが、構成要素のいくつかは、カートリッジから外れて配置されることができる。さらに制御40は、制御40またはその一部が、しばしばカートリッジから外れて配置されることがあるが、カートリッジ14に埋め込まれたまたは構築されたチップであり得る。図27および図29〜図31において、気体ポンプ162および/または緩衝装置166は、カートリッジ14から外れて配置されることができる。それらは、カートリッジが、カートリッジ14のための流体および電気接続、ならびに光学インタフェースを容易にする保持器内に配置されるとき、口および配管またはカートリッジ14への他の配管を介して接続されることができる。図21〜図25、図27、および図29〜図31のようにカートリッジ14は、単に一部が示されることができる。これらのカートリッジは、特定の適用に関連して追加の構成要素を有することができる。
【0104】
液体流れセンサ163は、カートリッジ14に埋め込まれまたは構築されることができ、またはそれは、使用後に廃棄されかつ他のカートリッジ14で再使用されることができるカートリッジから取り外されることができる。液体流れセンサ163は、類似するスロットまたは保持器を有する他のカートリッジにおける再使用性のために、1つのカートリッジ14におけるスロットまたは保持器から取り外されることができる。同様のことは、気体流れセンサ164に適用することができる。様々なカートリッジから外れた構成要素は、適切な配管を介してカートリッジ14上の構成要素に接続されることができる。
【0105】
図21〜図33は、カートリッジ14のための1つのチャネルを示すが、カートリッジ14は、類似する、または異なる構成を有する2つ以上のチャネルを有することができる。また、カートリッジ14は、図21〜図33の構成に関連する流れチャネルなどの機構部を有することができる。流れチャネルおよび追加の構成要素は、カートリッジから外されるそれぞれの図に示されるいくつかのまたは全ての構成要素を表す図面における構成でもカートリッジ14上にあることができる。
【0106】
本明細書において、いくつかの事項は、他の方法または時制で述べられたが、仮定の性質または予想される性質であり得る。
本発明は、少なくとも1つの例示的な実施例に関して記載されたが、多くの変形例および修正例が、本明細書を読むと当業者には明らかになる。したがって、添付の請求項は、そのような全ての変形例および修正例を含むように、従来技術を鑑み可能な限り広く解釈されることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0107】
【図1】本発明による例示的な可搬サイトメータの斜視図である。
【図2】図1の例示的な可搬サイトメータの概略図である。
【図3】カバーがまだ押し下げられていない図2のサイトメータを示すより詳細な概略図である。
【図4】カバーが押し下げられた図2のサイトメータを示すより詳細な概略図である。
【図5】バルブおよび逆止め弁を有する例示的な手動流体駆動装置を示す概略図である。
【図6】マイクロ弁のアドレス可能な配列の比例圧力制御を示すグラフである。
【図7】図3の流れ機構部ブロック88によって流れストリームの形成を示す概略図である。
【図8】図7のコアストリームの解析のための光源の配列および光検出器の配列を示す概略図である。
【図9】図8の光源軸に沿って生成される光強度を示すグラフである。
【図10】図8の例示的な光源および検出器対を示す概略図である。
【図11】光源および検出器の3つの別個の配列を示す概略図であり、各配列は、図7の流れストリームの中心流れ軸に対してわずかに回転される異なる光源軸に沿って配置される。
【図11a】流れストリームの中心流れ軸に対して平行ではない光源および検出器軸に沿って配置された、光源の配列および光検出器の配列の三次元図である。
【図12】図11に示される第1の配列の例示的な光源および検出器対を示す概略図である。
【図13】図11に示される第2の配列の例示的な光源および検出器対を示す概略図である。
【図14】図11に示される第3の配列の例示的な光源および検出器対を示す概略図である。
【図15】手首の周りに着用されるように構成された小型化された可搬サイトメータの例示的な実施例の斜視図である。
【図16】ポンプ、圧力室、容器、流れセンサ、およびカートリッジ上の流れチャネルを有する流れ機構部を含む使い捨てサイトメータカートリッジを示す図である。
【図17A】液体デバイスおよび動作がカートリッジで生じるカートリッジの他の態様を示す図である。
【図17B】プロセッサがカートリッジ内に位置することを除いて図17aの態様に類似する図である。
【図18A】カートリッジまたはチップ内のマイクロ流体回路の流体流れの様々な段階を示す図である。
【図18B】カートリッジまたはチップ内のマイクロ流体回路の流体流れの様々な段階を示す図である。
【図18C】カートリッジまたはチップ内のマイクロ流体回路の流体流れの様々な段階を示す図である。
【図18D】カートリッジまたはチップ内のマイクロ流体回路の流体流れの様々な段階を示す図である。
【図19A】チップ、カード、またはカートリッジ14に埋め込まれた中間ポンプおよび中間弁のマイクロ流体回路への適用を表す図である。
【図19B】チップ、カード、またはカートリッジ14に埋め込まれた中間ポンプおよび中間弁のマイクロ流体回路への適用を表す図である。
【図20A】閉鎖状態の中間弁の例示的な実施例を表す図である。
【図20B】開放状態の中間弁の例示的な実施例を表す図である。
【図21】開ループ制御の中間弁を有するカートリッジの図である。
【図22】開ループ制御を有するカートリッジの流体ポンプの図である。
【図23】閉ループを有するカートリッジの液体ポンプおよび流れセンサを示す図である。
【図24】閉ループを有するカートリッジの気体ポンプおよび流れセンサを示す図である。
【図25】開ループ制御を有するカートリッジの気体ポンプ、緩衝装置、および液体容器を示す図である。
【図26】構成要素がカートリッジから外れたことを除いて、図25に類似する図である。
【図27】流れセンサおよび閉ループ制御を含むことを除いて、図25に類似する図である。
【図28】構成要素がカートリッジから外れたことを除いて、図27に類似する図である。
【図29】流れセンサがカートリッジから外れ、かつ圧力室を有することを除いて、図27に類似する図である。
【図30】流れセンサがカートリッジ上にあることを除いて、図29に類似する図である。
【図31】圧力室が、異なる構成を有することを除いて、図30に類似する図である。
【図32】構成要素が、カートリッジから外れて示されることを除いて、図31に類似する図である。
【図33】構成要素が、カートリッジから外れて示されることを除いて、図30に類似する図である。
【技術分野】
【0001】
本出願は、現在、米国特許第6597438B1号である、2000年8月2日に出願された米国特許出願第09/630924号の一部継続出願である、2002年11月26日に出願された米国特許出願第10/304773号の一部継続出願であり、その利益を主張する。また本出願は、現在、米国特許第6837476号である、2002年6月19日に出願された米国特許出願第10/174851号の分割出願である、2004年11月3日に出願された米国特許出願第10/980685号の一部継続出願であり、その利益を主張する。また本出願は、現在、米国特許第6568286B1である、2000年6月2日に出願された米国特許出願第09/586093号の分割出願である、2003年1月10日に出願された米国特許出願第10/340231号の一部継続出願であり、その利益を主張する。上述の全ての特許文献は、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、参照によって本明細書に組み込まれる、名称「Mesovalve Modulator」のCabuzらによる、2005年1月28日に出願された米国特許出願第10/905995号に関連する。また、本発明は、参照によって本明細書に組み込まれる、名称「Media Isolated Electrostatically Actuated Valve」のCabuzらによる、2004年12月21日に出願された米国特許出願第11/018799号に関連する。これらの出願は、本発明を所有する同一の企業体によって所有される。
【0003】
本発明は、また、名称「Optical Detection System for Flow Cytometry」のCabuzらによる、2003年4月15日に発行された米国特許第6549275B1号、名称「Fluid Driving System for Flow Cytometry」のCabuzらによる、2002年5月7日に発行された米国特許第6382228B1号、名称「Optical Detection System for Flow Cytometry」のFritzによる、2004年3月2日に発行された米国特許第6700130B1号、名称「Electrostatically Actuated Pump with Elastic Restoring Forces」のCabuzらによる、2004年5月4日に発行された米国特許第6729856B2号、名称「Polymer Microactuator Array with Macroscopic Force and Displacement」のCabuzらによる、2001年7月3日に発行された米国特許第6255758B1号、名称「Addressable Valve Arrays for Proportional Pressure or Flow Control」のOhnsteinらによる、2001年6月5日に発行された米国特許第6240944B1号、名称「Dual Diaphragm, Single Chamber Mesopump」のHerbらによる、2001年1月30日に発行された米国特許第6179586B1号、および名称「Electrostatically Actuated Mesopump Having a Plurality of Elementary Cells」のCabuzによる、1998年11月17日に発行された米国特許第5836750号に関連し、これら全ては、参照によって本明細書に組み込まれる。これらの特許は、本発明を所有する同一の企業体によって所有される。
【背景技術】
【0004】
本発明は、全体としてフローサイトメータに関する。より詳細には、本発明は、流れストリーム内の微視的な生物学粒子または構成要素の光学特性を検知するための、可搬フローサイトメータに関連する。
【0005】
フローサイトメトリは、粒子または構成要素の所定の光学特性を検知することによって、微視的な生物学粒子または構成要素の所定の物理的および化学的な特性を決定するために使用される技術である。これを行うために、例えば、粒子は、流体力学的収束を利用してシース流体内の単一の列として配列されることができる。粒子は、次に、光ビームによって個別に応答させられる。各粒子は、光ビームを散乱し、散乱プロファイルを生成する。散乱プロファイルは、しばしば、異なる散乱角度での光強度を測定することによって識別される。各粒子の所定の物理的および/または化学的特性は、次に散乱プロファイルから決定されることができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
フローサイトメトリは、いくつかの例を挙げれば、血液学、免疫学、遺伝学、食品科学、薬理学、微生物学、寄生虫学、腫瘍学、生物学薬剤検出、および環境科学を含む広範な適用分野で現在使用されている。市販で入手可能な多くのフローサイトメータシステムに課せられる制限は、それらが、中央実験室環境のような施設に置かなければならない比較的大きなベンチトップ機器であることにある。したがって、そのようなフローサイトメータの使用は、しばしば、遠い出先での、つまりはそういった場所での連続する血液学監視のための利用には適していない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、家庭または現地などの遠隔場所で使用可能である、非常に小型化された可搬または着用可能な装置(例えば、サイトメータ)を提供することによって、当技術の多くの欠点を解消することができる。装置は、流体デバイスを内蔵することもでき、また、使い捨てカートリッジ、チップ、またはカードに記録する形で動作情報を内蔵することもできる。さらに、カートリッジの外部に光学および電気インタフェースを取り付けることもできる。かかる装置は、詳細な個々の血液学的評価を提供しかつ統計傾向を明らかにすることによって、患者の健康管理を改善することを助けることができる。早期の感染を検知することによって、感染症は、より容易に治療可能であり得る。装置は、様々な環境および工業領域における適用など、非医療適用でも使用することができる。
【0008】
軍事適用において、装置は、生物学薬剤による感染のより早期の検出を提供することによって、生物を守ることに助力を与えることができる、本発明の可搬の小型化されたサイトメータとすることができる。生物学科学における拡大した活動において、危険な生物学薬剤に偶然露呈される確率が増していることが知られている。そのような薬剤の製造が容易であることは、テロリスト、地域勢力、または発展途上国によるそれらの使用の重大な脅威も強める。生物学戦を禁止する国際的な合意による保護が欠如していること、および、それらの合意が守られていなかったであろうと考えざるを得ないことが、生物学的防御のための高い能力の必要性を強める。曝露後の感染の兆しの検出はもちろんのこと、曝露前における病原体薬剤の検出は、生物学戦における有効な保護を確実にするために協働して行うことができる。
【0009】
抗原に対する身体の自然防御の一部として、白血球の計数は、感染の始まりで増大する。好中球、リンパ球、単球、好酸球、および好塩基球を含むいくつかのタイプの白血球が存在する。リンパ球は、侵入物を攻撃しかつ好中球および大食球による破壊のためにそれらを標識付ける抗体を生成する。慢性疾患(結核または癌など)がない個人において、全体の白血球の計数におけるリンパ球のパーセンテージの増大は、ウイルス感染の指標である。他方、好中球のパーセンテージの増大は、発達するバクテリア感染の指標である。好中球およびリンパ球の計数を知ることにより、明らかな感染の兆候を知ることができ、それがウイルスによるものか、またはバクテリアによるものかという、原因間の差別を知ることもできる。
【0010】
バチルス炭疸熱などのいくつかのバクテリア薬剤からの感染の最初の臨床兆候は、1日から6日後に現れる。99パーセントの場合、炭疸熱からの兆候を示す患者は、治療することができず、ほぼ死亡する。しかしながら、最初の兆候が現れる前に治療が行われると、ほとんどの患者は、治療が成功する。したがって、兆候が現れる前に、血液学的異常性に関する早期の警報を提供すること、および、可能性がある治療行為を提供することが、非常に望ましい。多くの場合、そのような早期の警報および治療は、多くの患者に関する結果を大いに改善することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の例示的な実施例において、可搬の小型化されたサイトメータは、血液試料などの流体試料における選択された粒子の識別および/または計数のために提供されることができる。1つの例示的な小型化された可搬サイトメータは、流体試料を受けるための流体受容器を含む。1つ以上の容器は、溶解およびシース流体などの支持流体を格納するために提供される。多くの市販の流れサイトメータシステムにとって、正確な流体駆動システムが、流体に正確な圧力を提供するために使用される。この解決方法の問題は、正確な流体駆動システムは、嵩張り、複雑であることがあり、著しい電力を必要とすることである。
【0012】
これらの問題の多くを避けるために、例示的な実施例においては、閉鎖ループ帰還経路によって制御される非精密な流体駆動装置が使用される。非精密な流体駆動装置は、流体受容器および様々な支持流体容器に結合され、試料流体および支持流体に個別の圧力を印加する。試料流体および支持流体の速度を制御するために、1つ以上の弁は、流体駆動装置に結合される。弁は、非精密な流体駆動装置によって試料流体および支持流体に印加される非精密な圧力を調整するために使用される。
【0013】
帰還ループを完成するために、流れセンサは、試料流体および支持流体の流体速度を測定すべく流体駆動装置の下流側に設けられる。制御装置またはプロセッサは、流れセンサから信号を受け、試料流体および支持流体の所望の流体速度が達成されるように適切な弁を調整する。流れセンサは、好ましくは熱風速計タイプの流れセンサである。
【0014】
例示的な一実施例において、非精密な流体駆動装置は、手動で給電される。手動で給電される流体駆動装置は、例えば逆止め弁(check valve)を有するバルブ(bulb、球状部材)またはプランジャを含むことができる。いずれの場合でも、手動で生成される圧力は、好ましくは第1の圧力室に提供される。第1の弁が、第1の圧力室の圧力を第2の圧力室へ制御可能に解放するために設けられる。第2の弁を、第2の圧力室の圧力を制御可能に放出するために第2の圧力室に設けてもよい。制御装置は、下流側流体ストリームにおける流体流れが第1の所定値未満に低下するとき、第1の弁を開放し、かつ下流側流体ストリームにおける流体流れが第2の所定値を超えて増大するとき、第2の弁を開放する。各弁は、好ましくは、個別にアドレス可能かつ制御可能な静電作動マイクロ(微小)弁を配列したものである。
【0015】
制御された試料流体および支持流体は、流体回路に提供される。流体回路は、流体力学的収束を実行することができ、それによって、所望の粒子が、シース流体に囲まれたコアストリームに沿う単一の配列となる。1つ以上の光源または光源構成が、流れストリームを通る光を提供し、1つ以上の光検出器または光検出器装置が、流れストリームにおける粒子の散乱プロファイルおよび蛍光を検出する。装置が、1つ以上の光源および/または1つ以上の光検出器を有することができる。装置が、単一の光デバイスまたは要素あるいはそのようなアイテムの複数の配列(アレイ)を含むことができる。処理ブロックが、コアストリームにおいて選択された粒子を識別および/または計数するために、光検出器からの出力信号を使用する。
【0016】
小型化された可搬サイトメータは、個人に適切にかつ快適に「着用可能」であるように十分に小さいハウジング内に設けることができる。本発明の一例示的な実施例において、ハウジングは、腕時計より小さい寸法にされる。着用可能なハウジングは、ベース、カバー、およびベースをカバーに固定する蝶番を含むことができる。非精密な流体駆動装置および調整弁が、カバーに組み込まれることができ、一方、流体容器、流れセンサ、および流体回路は、ハウジング内に挿入される取り外し可能なカートリッジ(またはしばしば「カード」と呼ばれる)に組み込まれることができる。流体回路は、液体試料を希釈し、赤血球の溶解を実行し、かつ流れおよびコアストリーム形成のための流体力学的な収束を実行することができる。光源は、ベースまたはカバーのいずれかに位置づけることができ、取り外し可能なカートリッジの流れストリームと整合させることができる。光検出器は、好ましくは、一般に光源に対向して設けられる。プロセッサおよび電池は、ハウジングのベースまたはカバーのいずれかに設けることができる。
【0017】
光源は、第1の光源軸に沿った1つの第1の光源または第1の光源の直線配列を含むことができる。第1の光源軸は、流れストリームの中心軸に対して回転されることができる。レンズは、コアストリーム内の粒子に光を収束するために、各光源に隣接して設けることができる。一つの検出器または一組の光検出器は、次に、光源または各光源とインラインに配置されることができる。そのように配置することにより、例えば、流れストリーム内でコアストリームの整合位置を決定したり、コアストリームの幅を決定することができる。粒子のコアストリームが、適正に整合されないなら、制御装置は、コアストリームを整合させるために、試料流体または1つの支持流体の流体速度を調整することができる。光検出器または一組の光検出器は、各粒子の速度および寸法ならびに粒子の数を検出するために使用することもできる。
【0018】
他の光源または一組の光源は、第2の光源軸に沿って設けることができる。レンズは、コアストリーム内の粒子に光を収束するために、各光源に隣接して設けることができる。一つの第2の検出器または一組の第2の光検出器は、次に、流れストリーム内の選択された粒子によって生成される小角度散乱(Small Angle Scattering(SALS))を測定するために、各光源のインライン位置の片側に配置することができる。
【0019】
一つの第2の光源または一組の第2の光源は、流れストリーム内の粒子の飛行時間または速度を決定するために、第1組の光源とともに使用することもできる。粒子の速度を知ることによって、流体駆動装置によって引き起こされる流量におけるわずかな変動は、制御装置によって最小化する、または取り除かれることができる。
【0020】
一つの第3の光源または一組の第3の光源は、第3の光源軸に沿って設けられることができる。レンズは、流れストリームにコリメートされた光を提供するために、各光源に隣接して設けられることができる。1つまたは複数の環状光検出器は、次に、流れストリーム内の選択された粒子によって生成される前方角度散乱(Forward Angle Scattering(FALS))を測定するために、1つまたは複数の光源と対向して配置されることができる。各第1、第2、および第3の光源または一組の光源は、共通基板上に製造された垂直空洞表面発光レーザ(Vertical Cavity Surface Emitting Laser(VCSEL))などのレーザの配列を含むことができる。各第1、第2、および第3の検出器または一組の検出器は、p−i−n光ダイオード、集積FET回路を有するGaAs光ダイオード、共振空洞光検出器(Resonant Cavity Photo Detector(RCPD))、または任意の他の適切な光検出器を含むことができる。
【0021】
選択された粒子は、好ましくは、好中球および/またはリンパ白血球である。各粒子の散乱プロファイルを検査することによって、本発明の小型化された可搬サイトメータは、血液試料内の好中球およびリンパ球を識別しかつ計数し、かつウイルスとバクテリア原因との差異で明らかな感染警告を提供する。
【0022】
本発明の他の観点においては、様々な白血球をさらに識別しかつ解析するために蛍光を使用する。抗体は、特定の白血球に関連づけられる。抗体は、それらに付けられた標識またはタグを有する。これら白血球は、それら関連づけられた標識またはタグが蛍光を発しかつ光を放出させる光に当てられることができる。光は、収集され、必要に応じてフィルタリングされ、かつ1つ以上の光検出器に向けられることができる。この検出は、とりわけ白血球および血液ベースの蛋白質の特定の下位分類を識別しかつ監視するために使用されることができる。
【0023】
この小型化された可搬サイトメータは、2つの光学検出、すなわち散乱および蛍光サブシステムを有することができる。その小型化された可搬サイトメータは、低電力電子システム、小型流体駆動システムも有し、直接/処理されていない血液試料および使い捨て可能なマイクロ流体カートリッジを使用することができる。
【0024】
図1は、本発明による例示的な小型化された可搬サイトメータの斜視図である。サイトメータは、全体的に10で示され、かつハウジング12および取り外し可能または置き換え可能なカートリッジ14を含む。例示的なハウジング12は、ベース16、カバー18、およびベース16をカバー18に取り付ける蝶番20を含む。ベース16は、サイトメータの動作のための光学機器および必要な電子機器に関連づけられる光源22aおよび22bを含む。カバー12は、手動加圧要素、制御マイクロ弁を有する圧力室、および関連づけられる光学機器を有する光検出器24aおよび24bを含む。
【0025】
取り外し可能なカートリッジ14は、好ましくは、試料収集口32を介して試料流体を受ける。蓋38は、取り外し可能なカートリッジ14が使用されないとき、試料収集口32を保護するために使用されることができる。取り外し可能なカートリッジ14は、血液希釈、赤血溶解剤、およびコア形成のための流体力学的収束を実行することができる。取り外し可能なカートリッジ14は、そのいくつかが、エッチングされたチャネルを有する積層された構造を使用して製造される、Microics Technologiesから利用可能な流体回路に類似して構成されることができる。
【0026】
取り外し可能な構造またはカートリッジ14は、カバー18が開放位置にあるとき、ハウジングに挿入される。取り外し可能なカートリッジ14は、機器の異なる部品間の整合および結合を提供することを助ける、ベース16内に位置合わせピン28aおよび28bを受けるための孔26aおよび26bを含むことができる。取り外し可能なカートリッジ14は、また好ましくは、光源22aおよび22bならびに光検出器24aおよび24bの配列と整合する透明流れストリーム窓30aおよび30bを含む。カバーが閉鎖位置へ移動され、かつシステムが加圧されるとき、カバー18は、それぞれ圧力提供口36a、36b、および36cを介して、取り外し可能なカートリッジ14内の圧力受容口34a、34b、および34cに制御された圧力を提供する。
【0027】
試験を開始するために、カバー18は、持ち上げられ、新たなカートリッジ14は、ベース16上に配置されかつ整合される。血液試料は、試料収集器32内に導入される。カバー18は、閉鎖され、システムは、手動で加圧される。一旦加圧されると、機器は、白血球サイトメータ測定を実行する。取り外し可能なカートリッジ14は、血液希釈、赤血球溶解剤、およびコア形成のための流体力学的収束を提供することができる。光源22aおよび22b、光検出器24aおよび24b、ならびにこれらに関連する制御および処理電子機器は、光散乱蛍光信号に基づき白血球の区別および計数を実行することができる。ハウジング12のために蝶番構造を使用するより、滑動カートリッジスロットまたは任意の他の適切な構造が、使用されることができることが想定される。
【0028】
図2は、図1の例示的な可搬サイトメータの概略図である。上述のように、ベース16は、光源22aおよび22b、サイトメータの動作のための関連光学機器ならびに必要な制御および処理電子機器40を含むことができる。ベース16は、サイトメータを給電するための電池42も含むことができる。カバー12は、手動加圧要素44、制御マイクロ弁を有する圧力室46a、46b、および46c、ならびに関連光学機器を有する光検出器24aおよび24bを有して示される。
【0029】
取り外し可能なカートリッジ14は、試料収集器口32を介して試料流体を受けることができる。カバー18によって加圧されると、取り外し可能なカートリッジ14は、本発明のデバイス内で、血液希釈、赤血球溶解、およびコア形成のための流体力学的収束を行うことができる。コアは、一旦形成されると、図1の流れストリーム窓30aおよび30bを通過する流れストリーム経路50の下に設けられることができる。光源22aおよび22bならびにベース内の関連光学機器は、流れストリーム窓30aおよび30bを介してコアストリームを通る光を提供する。光検出器24aおよび24bならびに関連する光学機器は、それぞれ流れストリーム窓30aおよび30bを介して、コアからの散乱光および非散乱光を受ける。制御装置またはプロセッサ40は、検出器24aおよび24bからの出力信号を受け、コアストリーム内に存在する選択された白血球を区別し、識別し、かつ計数する。
【0030】
取り外し可能なカートリッジ14は、各流体の速度の制御を助けるために流体制御ブロック48を含むことができる。例示される実施例において、流体制御ブロック48は、様々な流体の速度を検知するための流れセンサを含み、制御装置またはプロセッサ40へ速度を報告する。制御装置またはプロセッサ40は、次に、所望の圧力およびしたがってサイトメータの適正な動作の所望の流体速度を達成するために、圧力室46a、46b、および46cに関連づけられたマイクロ弁を調整することができる。
【0031】
血液または他の生物学的廃棄物は、病気を蔓延させることがあるので、取り外し可能なカートリッジ14は、好ましくは、流れストリーム窓30aおよび30bの下流側に廃棄物容器52を有するものとする。廃棄物容器52は、取り外し可能なカートリッジ14内の流れストリームの流体を受けかつ格納する。試験が完了すると、取り外し可能なカートリッジは、取り除かれ、かつ好ましくは生物学的廃棄物に適合可能な容器内に処分される。
【0032】
図3は、カバー18がまだ押し下げられていない状態における図2のサイトメータを示すより詳細な概略図である。図4は、カバーが押し下げられた状態における図2のサイトメータを示すより詳細な概略図である。カバー18は、手動加圧要素44、圧力室46a、46b、および46c、ならびに全体的に60で示される制御マイクロ弁を有している。光源および検出器は、これらの図には示されていない。
【0033】
各流体の1つがそれぞれ加圧されるところの3つの圧力室46a、46b、および46cが存在する。例示的な実施例において、圧力室46aは、血液試料容器62に圧力を与え、圧力室46bは、溶解剤容器64に圧力を与え、かつ圧力室46cは、シース容器66に圧力を与える。各圧力室46a、46b、および46cの寸法および形状は、所望の圧力特徴を対応する流体に与えるために合わせて作ることができる。
【0034】
圧力室46aは、第1の圧力室70および第2の圧力室72を含む。第1の弁74は、第1の圧力室70内の圧力を第2の圧力室72へと制御可能に解放するために、第1の圧力室70と第2の圧力室72との間に設けられる。第2の圧力室72と流体連通する第2の弁76は、第2の圧力室72内の圧力を制御可能に放出する。各弁は、好ましくは、例えば参照によって本明細書に組み込まれる、名称「Addressable Valve Arrays for Proportional Pressure or Flow Control」の同時係属米国特許出願第09/404560号に記載されるように、個別にアドレス可能および制御可能な静電作動マイクロ弁の配列である。圧力室46bおよび46cは、それぞれ溶解剤容器64およびシース容器66に印加される圧力を制御するための類似する弁を含む。代わりに、各弁は、制御された「有効」流れまたは漏洩レートを達成するために、制御可能なデューティサイクルでパルス変調された静電作動マイクロ弁の配列とすることができる。
【0035】
取り外し可能なカートリッジ14は、カバー18から制御された圧力を受けるために圧力受け口34a、34b、および34cを有する。制御された圧力は、図示するように、血液容器62、溶解剤容器64、およびシース容器66に与えられる。溶解剤容器64およびシース容器66は、好ましくは、取り外し可能なカートリッジ14が使用のために出荷される前に、充填される。一方、血液容器62は、試料収集口32から充填される。血液試料は、試料収集口32に与えられることができ、毛細管作用を介して、血液試料は、血液容器62に吸い込まれる。いったん血液試料が血液容器62内に入ると、カバー18を閉鎖することができ、システムを加圧することができる。
【0036】
流れセンサは、流体力学的収束の前に、各流体とインラインで、すなわち整合した状態で設けられることができる。各流れセンサ80、100、および102は、対応する流体の速度を測定することができる。流れセンサは、熱風速計タイプの流れセンサおよび/またはマイクロブリッジタイプの流れセンサであり得る。マイクロブリッジタイプの流れセンサは、例えば、全て参照によって本明細書に組み込まれる、米国特許第4478076号、米国特許第4478077号、米国特許第4501144号、米国特許第4651564号、米国特許第4683159号、および米国特許第5050429号に記載される。各流れセンサ80、100、および102からの出力信号は、制御装置またはプロセッサ40に与えられる。
【0037】
制御装置またはプロセッサ40は、血液試料の速度が第1の所定値未満に低下すると、第1の弁74を開放し、かつ血液試料の速度が第2の所定値を超えて増大すると、第2の弁76を開放する。弁84、86、94、および96は、溶解剤およびシース流体の速度を制御するのと類似する方法で動作する。
【0038】
動作中に、また、システムを加圧するために、手動の加圧要素44が押し下げられる。図示実施例において、手動の加圧要素44は、3つのプランジャを含み、各プランジャは、第1の圧力室の対応する1つで受けられる。プランジャは、第1の圧力室内の比較的高い非精密な圧力を生成する。より低い、制御された圧力は、二次室内への制御可能な漏洩を生じさせる第1の弁70、84、および94を開放することによって二次室に構築される。高すぎる圧力が二次圧力室に構築されるなら、対応する通気弁76、86、および96は、圧力を放出するために開放される。
【0039】
カバー18を閉鎖すると、通常開放の第1の弁74、84、および94が閉鎖され、一方、通気弁76、86、および96は開放される。所定の圧力Pが、第1の圧力室で達成されるとき、通気弁76、86、および96が閉鎖され、第1の弁74、84、および94は、二次圧力室でより低い圧力P’を構築するために開放される。二次圧力室内の制御された圧力は、血液、溶解剤、およびシースのために流体流れを生成すべく、取り外し可能なカートリッジ14の流体回路に必要な圧力を与える。流体流れの速度は、次に、下流側の流れセンサ80、100、および102によって測定される。各流れセンサは、対応する第1の弁および通気弁の動作を制御することにより各流体に関して所望の一定流量を提供するように、制御装置またはプロセッサ40によって使用される出力信号を与える。
【0040】
全体的に110で示される下流側弁を設けられることもできる。制御装置またはプロセッサ40は、システムが加圧されるまで、下流側弁110を閉鎖することができる。これは、回路が加圧される前、血液、溶解剤、およびシースが流体回路内に流れるのを妨げることを助けることができる。本発明の他の例示的な実施例において、下流側弁110は、カバーが閉鎖されるとき、機械作用によって開放される。
【0041】
図5は、バルブ(bulb、球状部材)100および逆止め弁102を有する例示的な手動流体駆動装置を示す概略図である。逆止め弁102は、好ましくは、空気が第1の圧力室104へ入るのではなく第1の圧力室104から出ることを可能にする一方向弁である。バルブ100が押し下げられるとき、バルブ100の内部106の空気は、逆止め弁102を通り、第1の圧力室104へ押し出される。好ましくは、空気が雰囲気からではなくバルブ100の内部106から出ることを可能にする他の一方向弁105が設けられる。したがって、バルブが解放されるとき、一方向弁105は、バルブ100内へ流れるために空気を置き換えることを可能にすることができる。
【0042】
手動で動作する流体駆動装置を使用するよりむしろ、例えば静電作動の中間ポンプ(mesopump)を含む、任意の比較的小さい圧力源が使用可能であることが考えられる。1つのそのような中間ポンプは、参照によって本明細書に組み込まれる、Cabuzへの米国特許第5836750号に記載される。
【0043】
図6は、マイクロ弁の8×7のアドレス指定可能な配列の比例圧力制御を示すグラフである。図6に示されるグラフを作成するために、第1の圧力室120に約45kPa(6.5psi)が印加される。小さな開口が、第2の圧力室122に設けられる。マイクロ弁が、124で示されかつ第2の圧力室122内の圧力を逃す。閉鎖されるアドレス可能なマイクロ弁の数を変更することによって、第2の圧力室の圧力が、変更されかつ制御されることができる。示されるグラフにおいて、第2の圧力室122内の圧力は、マイクロ弁の8×7の配列のいずれも閉鎖されていないときの約4kPa(0.6psi)から、全てのマイクロ弁の8×7の配列が閉鎖されるときの約45kPa(6.5psi)まで変更されることができる。これらの低い電力の微細機械加工されたシリコンマイクロ弁が、約69kPa(10psi)を超えるまでの圧力を制御するために使用されることができる。
【0044】
図7は、流体力学的収束を提供することができる、図3の流れ機構部ブロック88によって流れストリームおよびコアの形成を示す概略図である。ブロック88は、流体駆動装置から制御された速度で、血液、溶解剤、およびシースを受けることができる。血液は、溶解剤と混合されることができ、それによって赤血球が取り除かれる。溶解溶液は、赤血球のpHより小さいpHを有することができる。これは、しばしば赤血球溶解または溶解剤飛行と称される。残る白血球は、流れストリーム50を生成するためにシース流体によって囲まれる中央内腔150下方へ提供される。流れストリーム50は、シース流体152によって囲まれたコアストリーム160を含む。チャネルの寸法は、図示されるように低減され、白血球154および156が単一配列となっている。シース流体の速度は、好ましくは、コアストリーム160の速度の9倍である。しかしながら、シース流体およびコアストリーム160の速度は、流れチャネルにおける層流を維持するために十分に低いままである。
【0045】
光発光器22aおよび22b、ならびにこれらに関連する光学機器は、好ましくは流れストリーム50の一方側に隣接して設けられる。光検出器24aおよび24b、ならびにこれらに関連する光学機器は、光発光器22aからの光および流れストリーム50を介して蛍光発光粒子からの光を受けるために、流れストリーム50の他方側に設けられる。光検出器24aおよび24bからの出力信号は、制御装置またはコントローラ40に提供され、それらは、コアストリーム160内の選択された白血球を識別しかつ/または計数するために解析される。
【0046】
図8は、図7の散乱を介するコアストリーム160の解析のための光源の配列22aおよび光検出器の配列24bを示す概略図である。光源は、「+」符号として示され、検出器は、ボックスで示される。図示される実施例において、光源の配列は、流れストリーム50の一方側に隣接して設けられ、光検出器の配列は、流れストリームの反対側に隣接して設けられる。各光検出器は、好ましくは、対応する1つの光源と整合される。光源の配列および光検出器の配列は、流れストリーム50の軸202に対してわずかに回転される光源軸200に沿って配置されるよう示されている。
【0047】
光源の配列22aは、好ましくは、共通基板上に製造された垂直空洞表面発光レーザ(VCSEL)などのレーザの配列である。それらの垂直発光のために、VCSELは、小型化された可搬サイトメータなどの小型機器内にパッキングするのに理想的に最適である。そのようなサイトメータは、個人の人体に着用可能である。VCSELは、従来の850nm未満、およびより好ましくは670nmから780nm範囲の波長で動作する「赤」VCSELである。赤VCSELは、散乱測定に理想的に最適である波長、パワー、および偏光特徴を有することができる。
【0048】
いくつかの従来のサイトメータベンチモデルは、650nmの波長を有する単一の9mWの縁部発光レーザを使用する。ビームは、整合ずれによる粒子位置における不正確さおよびコアストリームの幅を包含するために、10×100ミクロンの細長い形状に収束される。対照的に、670nmで動作する本発明の赤VCSELの出力パワーは、典型的に10×10ミクロン発光器および100ミクロン間隔に対してほぼ1mWである。したがって、10個の赤VCSELの線形配列からの光の全強度は、本質的にいくつかの従来技術ベンチモデルの光の全強度と本質的に同一である。
【0049】
流れ軸202に対してある角度に向けられたレーザの線形配列の使用は、従来技術の単一光源構成を超える多数の重要な利点を提供する。例えば、レーザの線形配列は、コアストリーム内の粒子の経路の側方整合を決定するために使用されることができる。粒子ストリームの整合における不確定性の1つの源は、粒子経路位置における統計的変動を導くコア流れの幅である。これらの変動は、検出器データの解析から決定されることができ、また、制御装置またはプロセッサ40によって使用されることができる。それによって、流体駆動装置の弁を調整し、試料流体および支持流体に印加される相対圧力を変化させ、流れストリーム内の選択された粒子の位置合わせ(整合度)を変更することができる。
【0050】
流体ストリーム50内の細胞の側方整合を決定するために、細胞は、VCSELの線形配列によって生成されるいくつかの収束されたスポットを通過する。細胞は、対応するインライン参照検出器の信号における低下を生成する。信号の相対強度は、粒子経路の中心および粒子幅の測定値を決定するために制御装置またはプロセッサ40によって使用される。
【0051】
粒子経路および寸法を決定するために、レーザ22aは、好ましくは、コア流れの平面内の一連のガウシアンスポット214(1000W/cm2程度の強度)に収束される。スポット214は、好ましくはほぼ白血球と同一の寸法(10〜12μm)である。例示的なガウシアンスポット214が図9に示される。検出器の配列24aおよびそれらの収束光学機器は、流体ストリーム50の反対側に設けられる。かなり大きなF数を有するレンズは、取り外し可能なカートリッジサイトメータ部分のための数百ミクロンの動作空間を提供するために使用される。
【0052】
単一レーザの構成よりむしろレーザの線形配列22aを使用する他の利点は、各細胞の速度が決定wされることができることである。粒子速度は、光散乱信号からの粒子寸法の推定における重要なパラメータであり得る。従来のサイトメータにおいて、粒子速度は、ポンプ流量から外挿される。この解決方法の制限は、ポンプが、非常に正確でなければならず、サイトメータ流れ室の公差が、厳密に制御されなければならず、漏洩などの流体の停止が発生することが無く、かつマイクロ泡などの障害物が、流れまたはコア形成を妨げるように導入されることが無いことである。
【0053】
各細胞の速度を決定するために、システムは、2つの隣接または連続するスポット間を各細胞が通過するために必要な時間を測定することができる。例えば、図8を参照すると、細胞は、検出器208を次に検出器210を通過することができる。検出器208から検出器210へ移動するのに細胞が必要な時間を測定し、かつ検出器208から検出器210の距離を知ることによって、制御装置またはプロセッサ40は、細胞の速度を計算することができる。これは、ほぼ速度測定値である。これは、しばしば飛行時間測定と呼ばれる。一旦速度が知られると、粒子が中心合わせされるスポットを通って移動する時間(数マイクロ秒)は、粒子長さおよび寸法の測定値を提供することができる。
【0054】
粒子速度は、流体駆動装置の制御を助けるためにも使用できることが想定される。本発明の寸法、価格、および複雑性を低減するために、図1の取替え可能なカートリッジは、プラスチック積層物または成形部品から製造されることができる。そのような製造技術は、安価な部品を提供することができるが、それらは、典型的に、より少ない寸法精度、および非対称次元およびより広い公差断面を有して繰り返し可能である。これらのより広い公差は、特にカートリッジ毎に粒子速度における変動を生成することがある。これらのより広い公差に関する補償を助けるために、上述された飛行時間測定値は、コアストリームにおける粒子が、比較的一定速度を有するように、血液、溶解剤、およびシース流体ストリームに印加される制御された圧力を調整するために制御装置またはプロセッサ40によって使用されることができる。
【0055】
細胞寸法をさらに評価するために、レーザビームは、細胞経路に沿っておよび細胞経路を横切っての両方の方向で収束されることができることが想定される。さらに、細胞を横切る複数の試料は、他の細胞タイプに形態学的特徴を補正するために、組織特徴が解析されることができる。これは、細胞タイプを他の細胞タイプから分離することを助けることができる、細胞寸法に関する複数のパラメータを提供することができる。
【0056】
単一層構成よりむしろレーザの線形配列22aを使用する他の利点は、比較的一定の光照明が、流れチャネルを横切って提供されることができることである。これは、図9に示されるように、隣接するVCSEL22aからガウシアンビーム214を重ねることによって達成される。従来技術の単一レーザシステムにおいて、流れチャネルを横切る光照明は、典型的にチャネルを横切って変化する。このように、粒子が流れチャネルの中心にないなら、後続の測定値の精度は、低減されることがある。
【0057】
上述の測定を実行するために、図8における各検出器24aは、単一のインライン検出器とすることができる。しかしながら、FALSおよびSALS散乱を測定するために、各検出器24aは、図10に示されるように、インライン検出器の周囲に配置された2つの環状検出器をさらに含むことができる。図10を参照すると、VCSEL218が示され、上方方向に光を提供する。光は、コア流れの平面のガウシアンスポットに光を収束するレンズ220を介して提供される。レンズ220は、VCSEL218とは別個にまたはVCSEL218に集積されるマイクロレンズなどとすることができる。光は、コア流れを通過し、回折光学素子など他のレンズ222によって受けられる。レンズ222は、インライン検出器226ならびに環状検出器228および230に光を提供する。インライン検出器226は、コアストリーム内の粒子によって著しく散乱されてない光を検出する。環状検出器228は、前方散乱(FALS)光を検出し、かつ環状検出器230は、小角度散乱(SALS)光を検出する。
【0058】
図11は、光源および検出器の3つの別個の配列を含む本発明の他の例示的な実施例を示す。光源および検出器の各配列は、流れストリームの中心流れ軸に対してわずかに回転される異なる光源軸に沿って配置される。3つの配列を使用することによって、各配列に結合される光学機器は、特定の適用または機能に関して最適化されることができる。小角度散乱(SALS)を検出するために、コア流れの平面に良好に収束されたレーザ光が望ましい。前方散乱(FALS)を検出するために、コリメートされた光が望ましい。
【0059】
特に図11を参照すると、光源および光検出器の第1の配列は、300で示される。光源および光検出器は、第1の光源軸に沿った線形配列に配置される。第1の光源軸は、流れストリームの流れ軸に対して回転される。光源および光検出器は、図8に関連して上述された光源および光検出器に類似することができ、好ましくは、例えば、流れストリーム内の細胞の側方整合、粒子寸法、および粒子の速度を測定するために使用される。
【0060】
図11aは、流れストリーム359の中心流れ軸に対して平行ではない(すなわち、静的に回転される)、それぞれ光源軸355および検出器軸357に沿って配置された、光源351の配列および光検出器353の配列の三次元図示である。軸355、357、および361は、典型的には互いに対して平行である。ライン361は、流れストリーム359を横切る光スポットの軸である。
【0061】
図12は、図11に示される第1の配列300の例示的な光源および検出器対を示す概略図である。VCSEL302が示され、上方方向に光を提供する。光は、コア流れの平面のガウシアンスポットに光を収束するレンズ304を介して提供される。光は、コア流れを通過し、他のレンズ306によって受けられる。レンズ306は、インライン検出器308に光を提供する。インライン検出器308は、コアストリーム内の粒子によって著しく散乱されてない光を検出する。
【0062】
光源および光検出器の第2の配列は、310で示される。光源は、流れストリームの流れ軸に対して回転された第2の光源軸に沿った線形配列に配置される。光検出器は、光検出器の3つの線形配列を含む。検出器の1つの配列は、光源の線形配列とインラインに配置される。光検出器の他の2つの線形配列は、光検出器のインライン配列の両側に配置され、流れストリーム内の選択された粒子によって生成される小角度散乱(SALS)を測定するために使用される。
【0063】
図13は、図11に示される第2の配列の例示的な光源および対応する検出器を示す概略図である。VCSEL320が示され、上方方向に光を提供する。光は、コア流れの平面のガウシアンスポットに光を収束するレンズ322を介して提供される。光は、コア流れを通過し、回折光学素子(Diffractive Optical Element(DOE))324など他のレンズ324によって受けられる。レンズ324は、インライン検出器326、およびインライン光検出器326の両側に配置される対応する2つの光検出器328および330に光を提供する。
【0064】
インライン検出器326は、コアストリーム内の粒子によって著しく散乱されてない光を検出するために使用されることができる。したがって、第2の配列302の光検出器のインライン線形配列は、第1の配列300の検出器のインライン配列と同一の測定値を提供するために使用されることができる。両方の検出器のインライン配列の測定値は、より正確な結果を提供するために比較されまたは組み合わされることができる。代わりに、または追加して、第2の配列302のインライン検出器は、サイトメータの信頼性を改善するために、冗長の検出器の組として使用されることができる。
【0065】
第2の配列302のインライン検出器は、流れストリームにおける粒子の飛行時間または速度をより正確に決定するために、第1の配列300のインライン検出器と組み合わせて使用されることもできる。検出器間の距離がより大きいことがあるので、測定値は、より正確であり得る。上記で示されたように、粒子の速度を知ることによって、流体駆動装置によって引き起こされる流量におけるわずかな変動は、制御装置によって最小化されまたは取り除かれることができる。
【0066】
図13の光検出器328および330は、流れストリーム内の選択された粒子によって生成される小角度散乱(SALS)を測定するために使用される。したがって、光検出器328および330は、好ましくは、流れストリーム内の選択された粒子によって生成される小角度散乱(SALS)を妨害するためにインライン検出器326から十分に離間される。
【0067】
図11に戻って参照すると、光源および光検出器の第3の配列350は、好ましくは、流れストリーム内の選択された粒子によって生成される前方角度散乱(FALS)を測定するために提供される。光源は、流れストリームの流れ軸に対して回転される第3の光源軸に沿った線形配列に配置される。各光源は、好ましくは、対応する光検出器を有し、各光検出器は、中間で非感受性領域または別個のインライン検出器を有して環状に形成される。環状に形成された光検出器は、好ましくは、流れストリーム内の選択された粒子によって生成される前方角度散乱(FALS)を妨害しかつ測定するような寸法にされる。
【0068】
図14は、図11に示される光源および光検出器の第3の配列350の例示的な光源および検出器対を示す概略図である。VCSEL360が示され、上方方向に光を提供する。光は、コア流れに実質的にコリメートされた光を提供するコリメーティングレンズなどのレンズ362を介して提供される。上記で示されたように、コリメートされた光は、前方散乱(FALS)光を検出することが望ましい。光は、コア流れを通過し、他のレンズ364によって受けられる。レンズ364は、環状に形成された検出器368へ受けられた光を提供する。
【0069】
環状に形成された光検出器368は、好ましくは、流れストリーム内の選択された粒子によって生成される前方角度散乱(FALS)を妨害しかつ測定するような寸法にされる。非感受性領域または別個のインライン検出器370は、環状に形成された光検出器368の中間に設けることができる。別個のインライン検出器370が設けられる場合、第1の配列300および/または第2の配列302のインライン検出器と同一の測定値を提供するために使用されることができる。そのように提供されるとき、第1の配列300、第2の配列302、および第3の配列350の検出器の全ての3つのインライン配列からの測定値は、より正確な結果を提供するために比較されまたは組み合わされることができる。第3の配列302のインライン検出器は、サイトメータの信頼性を改善するために他のレベルまたは代理機能性のものとして使用されることもできる。
【0070】
第3の配列350のインライン検出器は、流れストリーム内の粒子の飛行時間または速度をより正確に決定するために、第1の配列300および/または第2の配列302におけるインライン検出器とともに使用されることもできる。検出器間の距離がより大きいことがあるので、測定値は、より正確である。上記で示されたように、粒子の速度を知ることによって、流体駆動装置によって引き起こされる流量におけるわずかな変動は、制御装置によって最小化されまたは取り除かれることができる。
【0071】
光源および検出器の3つの別個の配列を使用することによって、各配列に関連する光学機器は、所望の適用に関して最適化されることができる。理解されるように、第1の配列300に関連する光学機器は、コア流れの平面に良好に収束されたレーザ光を提供するように設計される。これは、第1の配列300によって実行される整合、寸法、および粒子速度測定値への解像度を提供することを助ける。同様に、第2の配列302に関連する光学機器は、コア流れの平面に良好に収束されたレーザ光を提供するように設計される。良好に収束された光は、流れストリーム内の選択された粒子によって生成される小角度散乱(SALS)を測定するときに望ましい。最後に、第3の配列350に関連する光学機器は、コア流れへコリメートされた光を提供するように設計される。上記で示されたように、コリメートされた光は、流れストリーム内の選択された粒子によって生成される前方角度散乱(FALS)を測定するときに望ましい。
【0072】
図15は、手首の周りに着用されるように構成された本発明の小型化された可搬サイトメータの例示的な実施例の斜視図である。このサイトメータ400は、図1に示されるサイトメータに類似することができる。帯402は、使用者の手首へサイトメータ400を固定する。
【0073】
上記で示されるように、使用者は、取り外し可能なカートリッジを得て、取り外し可能なカートリッジの試料収集口32(図1を参照)へ血液試料を提供することができる。血液試料は、例えば指を刺すことによって収集されることができる。使用者は、次にハウジング内へ取り外し可能なカートリッジを挿入し、かつ手動でシステムを加圧することができる。小型化された可搬サイトメータは、次に、使用者が医療処置を求めなければならないなら、その指示の読み取りを提供することができる。読み取りは、視角読み取り、可聴音、または任意の他の適切な指示器であり得る。
【0074】
指を刺すことなどによる血液試料を得ることよりむしろ、カテーテル404などが、使用者の静脈に挿入され、かつ試料収集器口32に取り付けられることができることが想定される。これは、読み取りが望ましいときはいつでも、システムが、使用者から血液試料を自動的に収集することを可能にする。代わりに、小型化された可搬サイトメータが、適切な血液供給源に接続された試料収集器口32を用いて、使用者に埋め込まれることができることが想定される。
【0075】
図16は、ポンプ、圧力室、容器、流れセンサ、および流れチャネルを有する流れ機構部を含む使い捨てサイトメータカートリッジ14を示す。流れ機構部は、流体力学的収束を実行することができる。カートリッジへの外部流体接続が存在しないことがある。カートリッジ14から制御装置、計算機、またはプロセッサ40へ(以降プロセッサと呼ばれる)の外部電気接続が存在することがある。しかしながら、プロセッサ40またはプロセッサ40の一部は、カートリッジ14内に含まれることができる。プロセッサ40またはプロセッサ40の一部は、チップの形態であり得る。カートリッジ14の流れチャネルに結合される1つまたは複数の光源および1つまたは複数の検出器が、カートリッジ14への外部にあり得る。全ての液体は、口32を介してカートリッジへ直接入力される解析されるべき血液試料を除いて、カートリッジ内に内蔵される。
【0076】
ポンプ81は、圧力室70内に空気をポンプ給送することができる。ポンプ81は、米国特許第5836750号による例示的な実施例として記載される中間ポンプであり得る。ポンプ81は、ライン89および接続ブロック87を介してプロセッサ40によって制御されることができる。空気は、弁74を介して制御された圧力室72に入ることができる。室72内の空気は、中間弁または他のマイクロ弁74および76を用いてある所定の圧力にあるように制御されることができる。空気は、血液容器62内に進むことができる。より高い空気圧力が室72内に必要であるとき、弁74が開放されることができ、弁76が閉鎖されることができる。室72内の空気圧力が低減される必要があるなら、弁74が閉鎖されることができ、弁76が開放されることができる。弁74および76は、ライン91および接続ブロック60を介してプロセッサ40によって制御されることができる。ブロック60は、ライン91から室72の弁への適切な接続を表す。空気は、血液容器62の多孔性フィルタ61を通して進むことができる。フィルタ61は、空気の通過を許容するが、液体の通過を妨げることができる。空気は、容器62内の液体血液に制御された圧力を及ぼすことができる。血液は、流れセンサ80を介して容器62から流れることができる。流れセンサ80は、接続ブロック48およびライン93を介してセンサを通って流れる血液の量に関する情報を、プロセッサ40に提供することができる。検知された血液流れ情報を用いて、プロセッサ40は、流れチャネルおよび流体力学的収束を有することができる流れ機構部88内への所定流量の血液を結果として生じるように、容器62内の液体への空気圧力を制御するために、弁74および76に制御信号を送ることができる。
【0077】
血液準備に関する同様の方法で、溶解剤準備が、圧力室71に空気をポンプ給送するポンプ83を有することができる。ポンプ83は、ポンプ81に類似することができる。ポンプ83は、ライン89および接続ブロック87を介してプロセッサ40によって制御されることができる。空気は、制御された圧力室75に入ることができる。室75内の空気は、弁84および86を用いてある所定の圧力にあるように制御されることができる。空気は、溶解剤容器64へ多孔性フィルタ63を通って進むことができる。より高い空気圧力が室75内に必要であるとき、弁84が開放されることができ、弁86が閉鎖されることができる。室75内の空気圧力が低減される必要があるなら、弁84が閉鎖されることができ、弁86が開放されることができる。弁84および86は、ライン91および接続ブロック60を介してプロセッサ40によって制御されることができる。ブロック60は、ライン91から室75の弁への適切な接続を表す。空気は、溶解剤容器64の多孔性フィルタ63を通して進むことができる。フィルタ63は、空気の通過を許容するが、液体の通過を妨げることができる。空気は、容器64内の液体溶解剤に制御された圧力を及ぼすことができる。溶解剤は、流れセンサ100を介して容器から流れることができる。流れセンサ100は、接続ブロック48およびライン93を介してセンサを通って流れる溶解剤の量に関する情報を、プロセッサ40に提供することができる。検知された溶解剤流れ情報を用いて、プロセッサ40は、流れ収束機構部88内への所定流量の溶解剤を結果として生じるように、容器64内の液体への空気圧力を制御するために、弁84および86に制御信号を送ることができる。
【0078】
血液および溶解剤準備に関して同様の方法で、シース準備は、圧力室73に空気をポンプ給送するポンプ85を有することができる。ポンプ85は、ポンプ81および83に類似するポンプであり得る。ポンプ85は、ライン89および接続ブロック87を介してプロセッサ40によって制御されることができる。空気は、室73から制御された圧力室75に入ることができる。室77内の空気は、弁94および96を用いてある所定の圧力にあるように制御されることができる。空気は、室77からシース容器66へ多孔性フィルタ65を通って進むことができる。より高い空気圧力が室77内に必要であるとき、弁94が開放されることができ、弁96が閉鎖されることができる。室77内の空気圧力が低減される必要があるなら、弁94が閉鎖されることができ、弁96が開放されることができる。弁94および96は、ライン91および接続ブロック60を介してプロセッサ40によって制御されることができる。ブロック60は、ライン91から室77の弁への適切な接続を表す。空気は、容器66内の液体シースに制御された圧力を及ぼすことができる。シースは、流れセンサ102を介して容器から流れることができる。流れセンサ102は、接続ブロック48およびライン93を介してセンサ102を通って流れるシースの量に関する情報を、プロセッサ40に提供することができる。検知されたシース流れ情報を用いて、プロセッサは、流れ機構部88内への所定流量のシースを結果として生じるように、容器66内のシース液体への空気圧力を制御するために、ポンプ85ならびに弁94および96に制御信号を送ることができる。外部の加圧空気供給源に接続された口が、図16のカートリッジ14のポンプ81、83、および85の代わりに実装されることができる。
【0079】
流れ機構部88において、容器62からの血液は、その赤血球を溶解されることができ、単一ファイルで血液中の白血球(残り)のストリームの周りのシース液体を有する流れチャネル(50)で挿入されることができる。白血球および他の粒子が、光源によって照明されることができ、流れチャネルからの光は、検出器によって検出されることができる。光源および検出器は、制御されることができ、情報は、プロセッサ40と機構部88との間のライン97での接続を介してそれらから得られることができる。機構部88および流れチャネルは、本記載の他の場所で記載された。シースに沿った血液試料が、機構部の流れチャネルから離れた後、それは、廃棄物容器52内へ進むことができる。
【0080】
カートリッジ14が使用される前、およびそのシステムが加圧されるまで、容器62、64、および66と機構部88との間の一組の下流側弁110が、閉鎖されることができる。それらの閉鎖および開放状態は、ライン95および接続ブロック110を介してプロセッサ40によって制御されることができる。
【0081】
図17aは、液体デバイスおよび動作の全てがカートリッジで生じるカートリッジ14の他の態様である。図17bは、プロセッサ40の一部または全てが、カートリッジ14内に位置することができることを除いて、図17aの態様と同一の態様を表す。図17bにおけるプロセッサ40は、ライン155を介してカートリッジ14から外部通信することができる。図17aおよび図17bにおけるカートリッジ14は、カートリッジ14が使用されない間に、容器64および66内の流体を密閉するために閉鎖される一組の弁を有することができる。弁は、中間弁であり得る。プロセッサ40は、ライン113、および弁からライン113への接続を提供する接続ブロック111を介して弁を制御することができる。また、入力32は、弁109を用いて血液容器62から閉鎖されることができる。弁109は、中間弁またはプロセッサ40に接続された他のマイクロ弁であり得る。カートリッジ14が使用されない間に、流れセンサと機構部88との間の下流側弁は閉鎖されることができる。カートリッジ14が使用される前、およびそのシステムが加圧されるまで、下流側弁が閉鎖されることができる。下流側弁の閉鎖および開放状態は、ライン95および接続ブロック110を介してプロセッサ40によって制御されることができる。多孔性フィルタ61、63、および65は、それぞれ容器62、64、および65への液体の通過を妨げることができるが、ブロック110の弁が開放されると仮定すると、容器62、64、および66へ入る空気の通過を許容し、液体がそれぞれの容器からポンプ給送されて出るときに、取り除かれた液体は、真空が容器内に展開されないように空気で置き換えられることができる。
【0082】
血液試料は、口32を介して血液容器62内に入れられることができる。ポンプ81は、流れセンサ80を通って容器62から流れ機構部88へ血液をポンプ給送することができる。流れセンサ80は、接続ブロック48およびライン93を介する血液の流れのレートを示す信号をプロセッサ40に提供する。プロセッサ40は、ライン89および接続ブロック87を介するポンプ81への制御信号によって、センサ80を通る流れの量を制御することができる。
【0083】
溶解剤容器64内の溶解剤液体は、ポンプ83によって流れセンサ100を通ってポンプ給送されることができる。流れセンサ100は、センサを通って流れ機構部88内への溶解剤の流れのレートを示す信号をプロセッサ40に送ることができる。この信号は、接続ブロック48およびライン93を介してプロセッサ40へ進むことができる。プロセッサ40は、ライン89および接続ブロック87を介するポンプ83へ送られる信号によって、センサ100を通る溶解剤の流れのレートを調整することができる。
【0084】
シース流体は、ポンプ85によって流れセンサ102を通ってシース容器66から流れ機構部88へポンプ給送されることができる。流れセンサ102は、センサ102を通過するシース液体の流れの量を示す信号を送ることができる。この信号は、接続ブロック48およびライン93を介してプロセッサ40へ進むことができる。プロセッサ40は、ライン89および接続ブロック87を介するポンプ83へ送られる信号によって、センサ102を通り機構部88へのシース液体の流れの量またはレートを調整することができる。
【0085】
試料血液は、機構部88に入ることができ、かつ赤血球を取り除くために、センサ100を通って容器64からポンプ給送される液体で溶解されることができる。溶解された血液は、血液中の白血球を単一ファイルで流れチャネルを通って進ませる、血液の周りのシース液体を有する流れチャネル(50)を進むことができる。白血球および他の粒子が、光源からの光で照明されることができ、流れチャネルからの光は、検出器によって検出されることができる。光源は、ライン97を介して機構部88へプロセッサ40によって制御されることができる。検出器は、ライン97を介してプロセッサ40に情報信号を提供することができる。流れ機構部88およびその光学機器を有する流れチャネルは、本記載の他の場所で記載された。シース液体に沿った血液試料が、機構部の流れチャネルから離れた後、それは、廃棄物容器52内へ進むことができる。
【0086】
図18a〜図18dは、迅速な試作形成するレーザ切断積層技術で製造されることができるマイクロ流体カートリッジまたはチップ14を示す。単一タイプの反応剤は、使用されることができるが、駆動の便宜のために、3つの反応剤容器が、廃棄物容器52とともに流体カートリッジまたはチップ14に含まれることができる。また、試料収集毛細管32がチップ上にあることができる。反応剤容器62、64、および66は、流体チップ13の内側の流体の駆動を確実にすることができる、サイトメータのカバーと空気圧/流体圧インタフェースを有することができる。インタフェースは、空気が通って移動することを許容するが、液体が失われることを妨げる可撓性膜または多孔性栓(多孔性栓が示される)61、63、および65のいずれかであり得る。栓61、63、および65は、それぞれ口123、125、および126に配置されることができる。流体駆動システムの一部として、流れセンサダイ80、100、および120は、流体チップに含まれることができる。電気接続は、カートリッジ14に堆積されかつ外部保持器に接続された金属ラインを介して達成されることができる。
【0087】
格納の間、取り外し可能な蓋114は、チップ14のマイクロ流体回路に取り付けられることができる。溶解剤は、容器64に搭載されて格納されることができる。弁115および116は、開放されることができる。弁117、118、119、および121は、閉鎖されることができる。カートリッジ14で解析または試験を行うことができる。
【0088】
蓋114は、取り除かれることができ、血液の滴が、試料入口32に置かれることができる。毛細管作用が、試料格納副回路内に血液を引き込むことができる。蓋114は、試料入口32にスナップ止めされることができ、カートリッジ14は、サイトメータケースまたはベンチ装置内に配置されることができる。
【0089】
チップ、カード、またはカートリッジ14保持器のカバーを閉鎖することによって、図18bのように、弁115および116は閉鎖されることができ、弁117、118、119、および121は開放されることができる。容器62、64、および66は、対応する流体ラインにおける異なる流量を生成するために、それぞれ口123、125、および126で異なる圧力によって駆動されることができる。全血は、1秒当たりほぼ0.1マイクロリットルの流量で、弁121、ライン128、弁117、およびライン127を介して血液駆動装置/容器62によって試料注入器129内に押し込まれることができる。並列に、容器64からの溶解剤は、1秒当たりほぼ1マイクロリットルの流量で、図18bの弁118およびライン131を介して試料注入器129内に押し込まれることができる。図18cにおいて、溶解剤および全血は、約10対1の希釈された血液(すなわち試料)を全体で約13マイクロリットル生成するために、混合および溶解チャネル133にともに逃れることができる。赤血球は溶解され、試料内に白血球を残したままにする。図18dにおいて、シース流体は、1秒当たりほぼ7マイクロリットルの流量で、弁119およびライン132を介して収束室134内に押し込まれることができる。血液流れは、容器62内の圧力負荷をゼロに低減して停止されることができ、一方、容器64内の圧力負荷は、1秒当たりほぼ0.5マイクロリットルの流量で、試料(溶解された血液)を生成するために調整される。室134内のシース流体は、血液試料の白血球が、流れチャネル50を通って流すために、単一ファイルのコアストリームに領域135に流体力学的に収束されるなどを引き起こすことができる。これらの流量は、サイトメータ流れチャネル50内に約10×5ミクロンの寸法を有するコアストリームを生成するために必要であり得る。
【0090】
流れチャネル50内の粒子または細胞は、光源および検出器システム136を通過することができる。流れストリーム内の粒子によって引き起こされる小角度散乱(SALS)、前方角度散乱(FALS)、および大角度散乱(Large Angle Scattering(LALS))が検出されることができる。光源および検出器の配列が使用されることができる。また、直接光の遮断が検出されることができる。粒子幅、長さ、中心、および速度が決定されることができる。粒子の様々な他の特性および識別情報は、光学システムで得られることができる。
【0091】
以前のサイトメータシステムは、全ての反応剤および試料をカートリッジ14のマイクロ流体回路を通して駆動するために、ステッパモータまたは手動で駆動される小型シリンジポンプによって生成される、いわゆる容積制御流れを使用した。システムは、正確であり得るが、非常に嵩張り、著しい電力を使用する。流体駆動システムを小型しかつエネルギー効率を高めるために、開ループの非常に正確であって安定しているが嵩張りかつ高価な流体駆動要素は、流体回路の臨界点で一定の所望の流れ速度を維持するために閉ループ構成で調整されることができる、より正確でなくかつより不安定な圧力源と置き換えられることができる。この解決方法の実施は、ミリメートル未満のチャネルで1秒当たり10ナノリットルまで低い流量の測定のための小さく感受性がある流体流れセンサ、および閉ループ圧力制御のための高速で小さな作動器によることができる。
【0092】
本記載の他の場所で記載された手動で加圧されるシステムが、存在することができる。他の解決方法は、中間ポンプチャネルを用いて達成される活性ポンプ給送を含むことができる。図19aおよび図19bは、チップ、カード、またはカートリッジ14に埋め込まれた中間ポンプ137および中間弁138の適用を明らかにする。チップ14内に埋め込まれた流れセンサ139も存在することができる。図19aおよび図19bは、埋め込まれた構成要素を有する製造されたチップまたはカートリッジ14の一部の例示的な実施例を示す。図19bは、サイトメータの一部の上面図であり、図19aは、チップ14に対する構成要素の構造的関係を示す切り欠き側面図である。例示的な実施例のように、図16、図17a、および図17bに示されるカートリッジの構成は、ポンプ81、83、および85などの埋め込まれた中間ポンプ137、図16、図17a、および図17bのブロック110および111内の弁などの中間弁138、および図16の圧力室72、75、および77の弁74、76、84、86、94、および96などの中間弁138を有することができる。システムにおける他の弁は、埋め込まれた中間弁138であり得る。同様に、図18a〜図18dのカートリッジ14の弁115〜119および121は、埋め込まれた中間弁138であり得る。図16、図17a、図17b、図18a〜図18d、図19a、および図19bのカートリッジ14の流れセンサ80、100、および102は、埋め込まれた流れセンサ139であり得る。しかしながら、ポンプおよび弁は、他の種類の小型弁およびポンプであり得る。
【0093】
中間ポンプ137は、実施例のために、参照によって本明細書に組み込まれる、2001年1月30日に発行された米国特許第6179586B1号に記載される原理である二重膜ポンプであり得る。また、中間ポンプおよび弁に関連する情報は、参照によって本明細書に組み込まれる、1998年11月17日に発行された米国特許第5836750号に開示されることができる。米国特許第6179586B1号および米国特許第5836750号は、本発明を所有する実体によって所有される。
【0094】
図20aおよび図20bは、それぞれ閉鎖状態および開放状態の中間弁141の例示的な実施例を表す。図20aにおいて、下部構造145の弁状座144で出力口149を閉鎖する膜142が存在し得る。膜142は、その上に被覆された第1の電極146を有することができる。上部構造148の内部空洞151の表面は、それらの上に被覆された第2の電極147を有することができる。下部構造145は、中間弁141への入力口143を有することができる。膜142は、上部構造と下部構造との間に保持される膜142の張力から出力口149を封止することができる。弁座144の上部表面は、膜142を固定する下部構造145の周囲の表面よりわずかに高いことができる。また、弁状座144に対して膜102を押圧する、電極146と電極147との間に反発静電力が存在することがある。
【0095】
図20bにおいて、膜142は、膜142に取り付けられた電極146と上部構造148の内部表面に接着された電極147との間の吸引静電力を用いて、弁状座144を持ち上げることができる。表面または座144から持ち上げられた膜142を用いて、流体153は、空洞を通って膜142の下の空洞153内の輸送口142から、座表面144を通過して出力口149内へ流れることができる。電極146および147を吸引する静電力は、電極146および147に電圧を印加することによって引き起こされることができる。電極146および147を横切る電圧が取り除かれたとき、膜142と上部構造143の内部表面との間の静電吸引は消え、膜142は、中間弁141を通る流体153の流れを停止するために出力口149を密閉する表面144に対するその元の位置に落ちかつ戻ることができる。
【0096】
図21は、弁に接続されたカートリッジから外れた制御装置40を有するカートリッジ14に位置する、または埋め込まれる流体マイクロ弁または中間弁159を示す。弁159は、カートリッジ内に位置する他の種類の弁であり得る。図22は、それに埋め込まれたまたは構築された流体ポンプ158を有するカートリッジ14を示す。ポンプ158は、一方向性または二方向性流れを提供することができる。ポンプは、中間ポンプまたは他の種類のポンプであり得る。ポンプは、気体または液体のための利用されることができる。ポンプ158は、制御40によって制御される開ループであり得る。制御40は、プロセッサおよび/または制御装置であり得る。本記載で議論される本ポンプおよび弁は、低減されることができる0.8mmから1.0mmの厚みを有することができる。しかしながら、ポンプおよび弁は、0.2mmほど薄いことができる。様々な技術の適用は、厚みをより薄く低減することができる。ポンプおよび弁は、約10mmの直径を有することができる。ポンプおよび弁は、それらが互いに接続されても接続されなくとも、互いに積層されることができる。カートリッジ14の厚みの範囲は、それは1mmより薄いことができるが、約1mmから5mm、すなわち一般的に6mm未満の厚みであることができるが、10mm未満であるべきである。カートリッジ14の側方寸法は、5cm×7cm未満であることができるが、10cm×15cm未満であるべきであり、150cm2未満の面積であるべきである。カートリッジは、ほぼ典型的なクレジットカードの寸法であり得る。所定の適用において、カートリッジは、10mmを超える厚み、10cm×15cmより大きく、150cm2を超える面積であり得る。このより大きな寸法のカートリッジは、非常により複雑なマイクロ流体素子を包含することができる。ポンプおよび弁は、積層技術を使用してカートリッジ14に包含されることができる。カートリッジ内に配置される、またはカートリッジの層の一部として構築されるポンプおよび弁などの埋め込まれた構成要素が存在することができる。カートリッジ14は、流れセンサ、圧力センサ、通路、液体の流れを妨げるためのデバイス、チャネル、および流体およびそれらの流れのための容器を含む他の構成要素も有することができる。これらの構成要素は、中間ポンプおよび中間弁を含むマイクロ構成要素であり得る。ポンプは、一方向性または二方向性であり得る。これら構成要素のいくつかは、カートリッジ上に配置されることができ、かついくつかは、カートリッジ14から外れて配置されることができる。カートリッジ上およびカートリッジから外れた構成要素の組み合わせは、カートリッジの適用に応じて変わることができる。カートリッジ上およびカートリッジから外れた構成要素の組み合わせは、必ずしも本記載の図に示される必要はない。カートリッジ14は、使用後に使い捨て可能または使い捨て可能ではないアイテムとして取り扱われることができる。血液解析のために使用されるとき、カートリッジ14は、衛生上の理由のために廃棄される可能性がある。カートリッジが、水、環境、汚染物質などの解析に使用されるなら、カートリッジ14は、再使用可能であることができる。
【0097】
図22の構成における流体の流れは、流れの単位溶液当たりのポンプ158のサイクル数を注目することによって決定されることができる。流れの量は、ポンプの制御40によって設定されることができる。図23は、カートリッジ14の液体ポンプ161を示す。ポンプ161は、一方向性または二方向性であり得る。液体は、液体流れセンサ163を通過していずれかの方向にポンプ161によってポンプ給送されることができる。センサ163は、カートリッジ14に埋め込まれる、または構築されることもできる。流れセンサ163は、流れの量および方向を示すために制御40に帰還信号を提供することができる。制御40は、カートリッジ14に特定の流れを提供するようにポンプ161の閉ループ制御を維持することができる。図24は、それが、カートリッジ14内に一方向または二方向に気体をポンプ給送するように設計されることができる気体ポンプを示すことを除いて、図23における流体回路に類似するタイプの流体回路を示す。本記載の様々な構成におけるポンプは、中間ポンプまたは他の種類のマイクロポンプであり得る。また、複数の構成の弁は、中間弁または他の種類のマイクロ弁であり得る。これらポンプのいくつかは、気体および液体の両方をポンプ給送することができる。気体流れセンサ164は、カートリッジ14の流れの方向および量を示すことができる。気体流れ指示は、所望の流れを与えるようにポンプ162への入力を次に提供する制御40に送られることができる。
【0098】
図25は、カートリッジ14の容器165から液体を提供する、または取り除くための他のポンプ給送構成を示す。ポンプ162、制御40によって制御される開ループは、容器165へ圧力を印加するための(圧力室に類似することができる)緩衝装置166を介して気体を提供することができる。緩衝装置166は、気体ポンプ162によって引き起こされる気体流れにおける脈動を平滑にすることができる。気体が通過することを許容するが、液体が通過しないデバイスまたは膜157が存在することができる。緩衝装置166は、いくつかの構成で必ずしも必要でないことがある。気体は、液体容器165に進むことができ、容器165内の液体上の気体圧力の構築は、容器から外に液体を押し出す。図26は、カートリッジ14上にはない類似する構成を示す。この構成の所定部分は、カートリッジ14上にある、またはカートリッジ14から外れることができる。
【0099】
図27は、図27の構成が流れセンサ163を用いる閉ループ制御を有することを除いて、図25に類似する。気体ポンプ162は、緩衝装置166を介して液体容器165へ気体をポンプ給送することができる。ポンプ162は、一方向性または二方向性であり得る。容器165への気体は、それを、容器165から液体流れセンサ163を通って動かすために、流体に圧力を与えることができる。デバイス157は、液体が緩衝装置166に戻って流れることを妨げることができるが、いずれかの方向に通って気体を進める。流れセンサ163は、容器からの液体流れの量を示す信号を制御40に送ることができる。制御40は、制御40へのおよび制御40からの閉ループ接続を介して、適切な気体圧力および/または容器163からの液体の所望の流れを維持するようにポンプ給送される気体の量を制御するために、気体ポンプ162に信号を送ることができる。図28は、それがカートリッジ14に全体的にまたは部分的に外れることができることを除いて、図27の構成と類似する構成を表す。
【0100】
図29は、カートリッジ14に挿入されることができる他の構成を表す。気体ポンプ162は、緩衝装置166を通って、弁168を有する入力で圧力室167に気体をポンプ給送することができる。また、室167は、逃し状の弁169を有することができる。弁168および169は、個別に開放または閉鎖するように制御40によって作動されることができる。ポンプ162は、一方向性または二方向性であり得る。気体は、容器内の液体への気体圧力は、液体流れセンサ163を通って液体を押し出すことができる液体容器165へ室167から進められることができる。流れセンサ163は、カートリッジ14から外れることができるが、まだカートリッジのマイクロ流体回路に結合されることができる。流れセンサ163は、制御40への流れを示す信号を送ることができる。制御40は、ポンプ162が十分な気体をポンプ給送することを確実にすることができる。しかしながら、流れセンサ163を通る液体の量は、室167内の圧力量によって制御されることができる。より高い圧力が、センサ163を通る増大した流れを必要とするなら、制御40は、弁168を開放しかつ弁169を閉鎖することができる。圧力が、センサ163を通る液体流れを低減するために減少される必要があるなら、制御40は、弁168を閉鎖しかつ弁169を開放することができる。弁168および169は、カートリッジ14に埋め込まれたまたは構築された中間弁であり得る。閉ループ制御は、丁度流れセンサおよび弁動作に制限されることができる。いずれかの構成でのポンプ162は、中間ポンプまたは他のマイクロポンプであり得る。図30は、図29の構成にある程度の類似性を有するカートリッジ14への他の構成を示すが、流れセンサ163は、カートリッジ14上にあることができる。
【0101】
図31は、図29および図30の室167とは異なって制御される圧力室176を有する構成を示す。気体ポンプ162は、弁172を介して緩衝装置166を通って圧力室171へ気体をポンプ給送する。圧力下の気体は、液体容器165に進むことができる。容器内の液体上の気体は、流れセンサ163を通って容器の外に液体を押し出す。液体流れを示す信号は、センサ163から制御40へ送られることができる。制御40は、ポンプ162が十分な量の気体をポンプ給送することを確実にする。しかしながら、流れセンサを通る液体流れの量は、室167内の気体上の圧力量によって制御されることができる。圧力の量は、室171内の圧力センサ173によって検出されることができ、圧力の量を示す信号は、センサ173から制御40へ送られることができる。より多い液体の流れが、流れセンサ163を通って進むなら、弁172は、少なくとも部分的に開放されることができ、より少ない液体の流れが、流れセンサを通って進むなら、弁172は、より閉鎖されるが完全に閉鎖される必要はない位置に移動されることができる。弁172の開放および閉鎖は、制御40からの信号によって制御されることができる。図31のように逃し弁169の代わりに、制御装置174が、室171からの気体のある程度の漏洩または逃しを提供するために、圧力室171に配置されることができる。弁172は、カートリッジ14に埋め込まれる、または構築される中間弁であり得る。同様に、制限装置またはオリフィス174は、カートリッジ14に構築されることができる。圧力センサ173は、カートリッジ14に埋め込まれる、または構築されることができる、図32は、図32の構成がカートリッジから外れて示されることを除いて、図31の構成と類似する構成を有することができる。また、図33は、図30の構成がカートリッジから外れて示されることを除いて、図30の構成と類似する構成を有することができる。いずれかの構成の所定の部分は、カートリッジ上にある、またはカートリッジから外れることができる。
【0102】
図29〜図33の構成は、別個にまたは組み合わせて実施されることができるいくつかの閉ループ制御構成を有することができる。互いに組み合わせて流れセンサおよび気体ポンプは、十分な閉ループ制御を提供することができる。圧力室および流れセンサを有するその弁は、十分な閉ループ制御を提供することができる。図31および図32において、圧力センサおよび弁を有する圧力室は、別個に十分な閉ループ制御を提供することができる。
【0103】
制御40を除いて図21〜図33で議論されるいくつかの構成要素は、カートリッジ14上の載ることができるが、構成要素のいくつかは、カートリッジから外れて配置されることができる。さらに制御40は、制御40またはその一部が、しばしばカートリッジから外れて配置されることがあるが、カートリッジ14に埋め込まれたまたは構築されたチップであり得る。図27および図29〜図31において、気体ポンプ162および/または緩衝装置166は、カートリッジ14から外れて配置されることができる。それらは、カートリッジが、カートリッジ14のための流体および電気接続、ならびに光学インタフェースを容易にする保持器内に配置されるとき、口および配管またはカートリッジ14への他の配管を介して接続されることができる。図21〜図25、図27、および図29〜図31のようにカートリッジ14は、単に一部が示されることができる。これらのカートリッジは、特定の適用に関連して追加の構成要素を有することができる。
【0104】
液体流れセンサ163は、カートリッジ14に埋め込まれまたは構築されることができ、またはそれは、使用後に廃棄されかつ他のカートリッジ14で再使用されることができるカートリッジから取り外されることができる。液体流れセンサ163は、類似するスロットまたは保持器を有する他のカートリッジにおける再使用性のために、1つのカートリッジ14におけるスロットまたは保持器から取り外されることができる。同様のことは、気体流れセンサ164に適用することができる。様々なカートリッジから外れた構成要素は、適切な配管を介してカートリッジ14上の構成要素に接続されることができる。
【0105】
図21〜図33は、カートリッジ14のための1つのチャネルを示すが、カートリッジ14は、類似する、または異なる構成を有する2つ以上のチャネルを有することができる。また、カートリッジ14は、図21〜図33の構成に関連する流れチャネルなどの機構部を有することができる。流れチャネルおよび追加の構成要素は、カートリッジから外されるそれぞれの図に示されるいくつかのまたは全ての構成要素を表す図面における構成でもカートリッジ14上にあることができる。
【0106】
本明細書において、いくつかの事項は、他の方法または時制で述べられたが、仮定の性質または予想される性質であり得る。
本発明は、少なくとも1つの例示的な実施例に関して記載されたが、多くの変形例および修正例が、本明細書を読むと当業者には明らかになる。したがって、添付の請求項は、そのような全ての変形例および修正例を含むように、従来技術を鑑み可能な限り広く解釈されることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0107】
【図1】本発明による例示的な可搬サイトメータの斜視図である。
【図2】図1の例示的な可搬サイトメータの概略図である。
【図3】カバーがまだ押し下げられていない図2のサイトメータを示すより詳細な概略図である。
【図4】カバーが押し下げられた図2のサイトメータを示すより詳細な概略図である。
【図5】バルブおよび逆止め弁を有する例示的な手動流体駆動装置を示す概略図である。
【図6】マイクロ弁のアドレス可能な配列の比例圧力制御を示すグラフである。
【図7】図3の流れ機構部ブロック88によって流れストリームの形成を示す概略図である。
【図8】図7のコアストリームの解析のための光源の配列および光検出器の配列を示す概略図である。
【図9】図8の光源軸に沿って生成される光強度を示すグラフである。
【図10】図8の例示的な光源および検出器対を示す概略図である。
【図11】光源および検出器の3つの別個の配列を示す概略図であり、各配列は、図7の流れストリームの中心流れ軸に対してわずかに回転される異なる光源軸に沿って配置される。
【図11a】流れストリームの中心流れ軸に対して平行ではない光源および検出器軸に沿って配置された、光源の配列および光検出器の配列の三次元図である。
【図12】図11に示される第1の配列の例示的な光源および検出器対を示す概略図である。
【図13】図11に示される第2の配列の例示的な光源および検出器対を示す概略図である。
【図14】図11に示される第3の配列の例示的な光源および検出器対を示す概略図である。
【図15】手首の周りに着用されるように構成された小型化された可搬サイトメータの例示的な実施例の斜視図である。
【図16】ポンプ、圧力室、容器、流れセンサ、およびカートリッジ上の流れチャネルを有する流れ機構部を含む使い捨てサイトメータカートリッジを示す図である。
【図17A】液体デバイスおよび動作がカートリッジで生じるカートリッジの他の態様を示す図である。
【図17B】プロセッサがカートリッジ内に位置することを除いて図17aの態様に類似する図である。
【図18A】カートリッジまたはチップ内のマイクロ流体回路の流体流れの様々な段階を示す図である。
【図18B】カートリッジまたはチップ内のマイクロ流体回路の流体流れの様々な段階を示す図である。
【図18C】カートリッジまたはチップ内のマイクロ流体回路の流体流れの様々な段階を示す図である。
【図18D】カートリッジまたはチップ内のマイクロ流体回路の流体流れの様々な段階を示す図である。
【図19A】チップ、カード、またはカートリッジ14に埋め込まれた中間ポンプおよび中間弁のマイクロ流体回路への適用を表す図である。
【図19B】チップ、カード、またはカートリッジ14に埋め込まれた中間ポンプおよび中間弁のマイクロ流体回路への適用を表す図である。
【図20A】閉鎖状態の中間弁の例示的な実施例を表す図である。
【図20B】開放状態の中間弁の例示的な実施例を表す図である。
【図21】開ループ制御の中間弁を有するカートリッジの図である。
【図22】開ループ制御を有するカートリッジの流体ポンプの図である。
【図23】閉ループを有するカートリッジの液体ポンプおよび流れセンサを示す図である。
【図24】閉ループを有するカートリッジの気体ポンプおよび流れセンサを示す図である。
【図25】開ループ制御を有するカートリッジの気体ポンプ、緩衝装置、および液体容器を示す図である。
【図26】構成要素がカートリッジから外れたことを除いて、図25に類似する図である。
【図27】流れセンサおよび閉ループ制御を含むことを除いて、図25に類似する図である。
【図28】構成要素がカートリッジから外れたことを除いて、図27に類似する図である。
【図29】流れセンサがカートリッジから外れ、かつ圧力室を有することを除いて、図27に類似する図である。
【図30】流れセンサがカートリッジ上にあることを除いて、図29に類似する図である。
【図31】圧力室が、異なる構成を有することを除いて、図30に類似する図である。
【図32】構成要素が、カートリッジから外れて示されることを除いて、図31に類似する図である。
【図33】構成要素が、カートリッジから外れて示されることを除いて、図30に類似する図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カートリッジと、
前記カートリッジ内に位置している静電作動弁と、
前記静電作動弁に接続された制御装置とを備える流れ制御システム。
【請求項2】
前記静電作動弁は、中間弁(mesovalve)である請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
カートリッジと、
前記カートリッジ内に位置しているポンプと、
前記ポンプに接続された制御装置とを備える流れ制御システム。
【請求項4】
前記ポンプは、二方向ポンプである請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記ポンプおよび前記制御装置に接続された流れセンサをさらに備える請求項3に記載のシステム。
【請求項6】
前記ポンプは、液体ポンプであり、
前記流れセンサは、液体流れセンサである請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記ポンプは、気体ポンプである請求項5に記載のシステム。
【請求項8】
前記ポンプは、静電作動ポンプである請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
気体ポンプに接続された容器をさらに備える請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記容器および前記制御装置に接続された流れセンサをさらに備える請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記ポンプに接続された緩衝装置と、
前記緩衝装置に接続された容器とをさらに備える請求項3に記載のシステム。
【請求項12】
前記容器に接続された流れセンサをさらに備える請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記ポンプは、気体ポンプであり、
前記容器は、液体容器である請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記ポンプに接続された圧力室と、
前記圧力室に接続された容器とをさらに備える請求項3に記載のシステム。
【請求項15】
前記圧力室は、
前記制御装置に接続された入口弁と、
逃がし弁とを備える請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記ポンプは、静電作動ポンプであり、
前記弁は、静電作動弁である請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記液体容器および前記制御装置に接続された液体流れセンサをさらに備える請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
前記ポンプおよび前記制御装置に接続された圧力室と、
前記圧力室に接続された液体容器とをさらに備える請求項3に記載のシステム。
【請求項19】
前記カートリッジは、10mm未満の厚みおよび150cm2未満の面積を有する請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記圧力室は、
前記制御装置に接続された入口弁と、
前記制御装置に接続された圧力センサとをさらに備える請求項18に記載のシステム。
【請求項21】
前記容器および前記制御装置に接続された流れセンサをさらに備える請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記ポンプと前記圧力室との間に接続された緩衝装置さらに備える請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記ポンプは、気体ポンプであり、
前記容器は、液体容器である請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記ポンプは、静電作動ポンプであり、
前記弁は、静電作動弁である請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
前記流れセンサは、前記カートリッジから外れて位置する請求項21に記載のシステム。
【請求項1】
カートリッジと、
前記カートリッジ内に位置している静電作動弁と、
前記静電作動弁に接続された制御装置とを備える流れ制御システム。
【請求項2】
前記静電作動弁は、中間弁(mesovalve)である請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
カートリッジと、
前記カートリッジ内に位置しているポンプと、
前記ポンプに接続された制御装置とを備える流れ制御システム。
【請求項4】
前記ポンプは、二方向ポンプである請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記ポンプおよび前記制御装置に接続された流れセンサをさらに備える請求項3に記載のシステム。
【請求項6】
前記ポンプは、液体ポンプであり、
前記流れセンサは、液体流れセンサである請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記ポンプは、気体ポンプである請求項5に記載のシステム。
【請求項8】
前記ポンプは、静電作動ポンプである請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
気体ポンプに接続された容器をさらに備える請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記容器および前記制御装置に接続された流れセンサをさらに備える請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記ポンプに接続された緩衝装置と、
前記緩衝装置に接続された容器とをさらに備える請求項3に記載のシステム。
【請求項12】
前記容器に接続された流れセンサをさらに備える請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記ポンプは、気体ポンプであり、
前記容器は、液体容器である請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記ポンプに接続された圧力室と、
前記圧力室に接続された容器とをさらに備える請求項3に記載のシステム。
【請求項15】
前記圧力室は、
前記制御装置に接続された入口弁と、
逃がし弁とを備える請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記ポンプは、静電作動ポンプであり、
前記弁は、静電作動弁である請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記液体容器および前記制御装置に接続された液体流れセンサをさらに備える請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
前記ポンプおよび前記制御装置に接続された圧力室と、
前記圧力室に接続された液体容器とをさらに備える請求項3に記載のシステム。
【請求項19】
前記カートリッジは、10mm未満の厚みおよび150cm2未満の面積を有する請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記圧力室は、
前記制御装置に接続された入口弁と、
前記制御装置に接続された圧力センサとをさらに備える請求項18に記載のシステム。
【請求項21】
前記容器および前記制御装置に接続された流れセンサをさらに備える請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記ポンプと前記圧力室との間に接続された緩衝装置さらに備える請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記ポンプは、気体ポンプであり、
前記容器は、液体容器である請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記ポンプは、静電作動ポンプであり、
前記弁は、静電作動弁である請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
前記流れセンサは、前記カートリッジから外れて位置する請求項21に記載のシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図11A】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17A】
【図17B】
【図18A】
【図18B】
【図18C】
【図18D】
【図19A】
【図19B】
【図20A】
【図20B】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図11A】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17A】
【図17B】
【図18A】
【図18B】
【図18C】
【図18D】
【図19A】
【図19B】
【図20A】
【図20B】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【公表番号】特表2008−539425(P2008−539425A)
【公表日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−508856(P2008−508856)
【出願日】平成18年3月24日(2006.3.24)
【国際出願番号】PCT/US2006/010834
【国際公開番号】WO2006/115663
【国際公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【出願人】(500575824)ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド (1,504)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年3月24日(2006.3.24)
【国際出願番号】PCT/US2006/010834
【国際公開番号】WO2006/115663
【国際公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【出願人】(500575824)ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド (1,504)
【Fターム(参考)】
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