カートリッジベースの清掃システムを備えた表面処理装置
ハンドヘルド式又はロボット清掃装置で使用するための、オープンリール式ロール状清掃材料を有するカートリッジが開示される。このカートリッジは、静電除塵布又は湿式モップのいずれかを提供し、使用中に湿式モップ布を維持するための液体リザーバを含んでいる。ゴミ容器はまた、カートリッジに設けられ、該容器内部の埃塵に選択的にアクセスできるようにするためのヒンジ式蓋を含む。清掃装置内部のモータ、光センサ、及び液体ポンプは、オープンリール式布材の動作を制御し、湿り布への液体の供給を制御する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、米国仮出願番号第60/542,115(2004年2月4日)に対する優先権を主張する。
【0002】
連邦政府の後援による調査/経緯に関する報告
適用せず。
【背景技術】
【0003】
居住空間及び商業用空間を維持し清掃するのに消費される人間の労働量を最小限度にすることが望ましい。従って、その技術が開発したロボット装置は、装置の動作中に人間がそこに居なくても床、カーペットなどを清掃し、又は維持若しくは処理することができる。この種類の最も一般的なロボット装置は、雑きん、緩衝器、吸引掃除機、床掃き機、及び床つや出し機である。
【0004】
このような装置は、一般に、好ましい動作パターンを指示するためにコンピュータ制御プログラムを有する。この制御はステアリング装置に連結され、同様にモータもまた車輪に接続される。これらの装置の多くは、プリセット経路に対する装置の初期位置とその後の位置を確認するためにセンサをさらに含む。これらの装置の最も高性能なものは予想外の障害の存在を検出するためのセンサを含み、同様に、それが発生した場合に経路を変更するためのオプションを与えるためのプログラミングも含んでいる。このようなロボット装置のための従来技術の制御システムの例が米国特許第4,119,900号に開示されている(特許文献1)。さらに、米国特許第6,594,844号も参照されたい(特許文献2)。
【0005】
こうした装置が自律的に且つかなりの期間にわたって作動されることが意図されると、再生可能であると共に大幅なメンスナンスを必要としない清掃材料を提供することが望ましい。単一の装置から複数の清掃機能を提供するために、種々のタイプの清掃表面及び床表面用の各種のクリーニング用品を提供可能とすることもまた望ましい。各種の清掃が利用可能であるだけでなく、自律(走行)式清掃装置上でも容易に実施されるはずである。
【0006】
オープンリール構成における清掃材料の長さを供給するための種々の方法は、従来から周知である。米国特許第4,433,451号は、例えば、使用中に前進されるオープンリール式布33を有するように設計される床清掃装置を示している(特許文献3)。この布は、床を清掃し、及び/又は乾燥させるために使用され、不織布であってもよい。弾性圧縮要素41は布を床に押しつける。このシステムは、液体を供給できるものとしても記載されている。
【0007】
別のこうしたシステムが米国特許第4,510,642号に開示され、これは、1種のフローリング、ここではボーリングのレーンに使用されるオープンリール式システムに雑きんを締め付けるためのメカニズムの使用について述べている(特許文献4)。
【0008】
さらに、取り外し可能な清掃要素がまた、従来から周知である。米国特許第5,933,900号は、例えば、取り外し可能な塵埃受け(ダストパン)を含み得る床清掃機を開示している(特許文献5)。
【0009】
最小限のメンテナンスで清掃装置内部に清掃材料を前進させるための種々の装置が周知であるが、こうした装置はそれぞれ、ユーザ及び集塵材料間に大きな相互作用を必要とする。さらに、いったんこうした装置が設置されると、例えば、異なるタイプの清掃や異なる床面に出くわしたとき、あるいは清掃材料を使い切ってしまったり、若しくは効果がないとする程度まで汚損されたりしたとき、こうした装置の交換は容易でない。
【特許文献1】米国特許第4,119,900号
【特許文献2】米国特許第6,594,844号
【特許文献3】米国特許第4,433,451号
【特許文献4】米国特許第4,510,642号
【特許文献5】米国特許第5,933,900号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
要するに、改良型表面処理装置、特に、多様な清掃を容易且つ有効に提供することができ、異なるタイプの清掃が要求されるとき、容易且つ有効に取り外しや交換ができる装置の必要性が依然として存在する。こうしたタイプの装置は、ロボット又はその他の自律式用途での使用に特に望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、自律型/ロボット表面処理装置を提供する。この表面処理装置は一般に、清掃カートリッジを収容するような大きさ及び寸法の開口を有するハウジングと、該ハウジングに連結されるスイーパー・ブラシと、表面が処理されるとカートリッジ上の一巻きの清掃用シート材料を駆動するための開口に隣接して配置されるモータと、を含む。
【0012】
本発明の別の態様において、表面処理装置は、一巻きの清掃用シート材料上に液体を供給するためのポンプを含む。あるいはまた、液体を被清掃表面に付着させることもできる。この装置はまた、清掃装置内を駆動されると一巻きの清掃用シート材料をモニタするための光センサも含むこともできる。モータ及びポンプを駆動し、光センサをモニタするためのコントローラをさらに設けることもできる。
【0013】
本発明の更に別の態様において、清掃装置に使用するためのカートリッジが提供される。このカートリッジは、ハウジング、該ハウジングの機軸と連結される抵抗供給リール、及びハウジングの機軸と連結される巻き取りリールを含む。ゴミ容器(ダスト・ビン)は、ハウジングのエッジに隣接して配置され、清掃材料はハウジングに設けられ、清掃材料の第1の端部は抵抗供給リールに連結され、他方の端部は巻き取りリールに連結されている。
【0014】
本発明のまた別の態様において、カートリッジは、ハウジングの底面から被清掃表面に向かって延出するプラテンを更に含む。一巻きの清掃材料の一部は、供給リール及び巻き取りリール間でプラテン全体にわたって延出し、清掃表面となる。このプラテンはコンプライアンスがあればよい。カートリッジは、特に湿式モップに使用するためにポンプ式液体供給源を収容するための液体ポート、及び、液体を一巻きの清掃材料に供給するための液体リザーバをさらに含むこともできる。
【0015】
本発明の更にもう一つの態様において、カートリッジは、ゴミ容器上に設けられた蓋を含むこともできる。この蓋は、カートリッジが使用中であるとき開放され、ゴミや埃がゴミ容器から溢れないようにするためにカートリッジが取り外されている場合は、閉じられている。この蓋はヒンジ式機能を付与するために蝶番で動作されることができる。フレキシブル・ブレードは、ゴミ容器に隣接して設けられ、塵埃をゴミ容器に導くためにゴミ容器に方向付けされることもできる。
【0016】
本発明のカートリッジはまた、カートリッジの一巻きの清掃材料を目視するための窓を含むこともできる。
【0017】
本発明のなおまたもう一つの態様において、カートリッジは、手動装置、又は自律型/ロボット装置のいずれかにおいて使用されることもできる。
【0018】
本発明の他の態様において、カートリッジは、エレクトレット若しくは静電防塵材料、あるいはまた、湿式モップ材料を含む清掃材料を有することもできる。さらにまた、清掃材料は、清掃材料の不織布シートの蛇腹状に折り曲げられたスタックなどの折りたたまれた備品として設けられることもでき、該材料は使用するために引き出され、手動又は機械的手段のいずれかによって操作位置に配置される。清掃材料はまた、巻物(ロール)の状態で設けられることもできる。
【0019】
この発明の概要は、発明の概略的特徴が理解され易いように示されている。しかしながら、この概要や添付図面、あるいは付随する好ましい実施の形態の説明も、発明を限定するように構成されるものではない。むしろ、特許請求の範囲は発明の範囲全体を評価するために意図されるべきである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図面、特に図1及び図3を参照すると、清掃装置12に挿入するための清掃カートリッジ10から成る清掃システムが示される。清掃カートリッジ10は、後述するように、清掃カートリッジ10においてオープンリール式構成で設けられている一巻きの清掃用シート材料44を含む。一巻きの清掃用シート材料の一部は、動作中に清掃装置12の下にある表面と接触した状態で維持される。モータ52は清掃装置12に設けられ、清掃システムが使用されるときに有効な清掃プロセスを維持するために、使用済みの清掃シート材料を被清掃表面と接触しないように確実に駆動する。
【0021】
なおまた図1及び図3、さらに図2及び図4を参照すると、清掃装置12は、図のように、清掃カートリッジ10を収容するような大きさ及び寸法の開口14を有するハウジング13を含む自律型器具又はロボットから構成される。ハウジング13において開口14の上に配置されている2つの窓22及び24により、ユーザは、清掃カートリッジ10及びその内部に保持される一巻きの清掃用シート材料44を目視することができる。開口26はまた、カートリッジ10上のラッチング装置27と関連して設けられ、カートリッジ10を清掃装置12に選択的に接続するためのラッチとなる。図8に示すように、清掃装置12はさらに、大きな煤塵を掃き取るスイーパー又はビーター・ブラシ60を含む。清掃用シート材料44はブラシ60に追随し、一般に、ブラシ60によってピックアップされない髪の毛や埃などのより小さな煤塵を清掃する。
【0022】
さらにまた図1及び図2を参照すると、カートリッジ10は窓26及び28を含み、これらは、清掃装置12内に位置付けられると、清掃装置12のハウジング13における窓22及び24と位置合わせされ、それによって、カートリッジ10内の清掃用シート材料44に対しユーザが視覚的にアクセスすることを可能にする。種々の材料を使用することができるが、カートリッジは、洗浄液と適合できる射出成形されたポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)などの低コスト樹脂から構成されることが好ましい。窓26及び28は、透明材料で封止されることが好ましい。
【0023】
ゴミ容器30は、清掃装置12のハウジング13内部に収容されるカートリッジの端部において、清掃カートリッジ10内に設けられ、所定の位置にあるとき、ゴミ容器30は、清掃装置12内でブラシ60(図8)に隣接して設けられている。ゴミ容器30は、ヒンジ式蓋38によって選択的に被覆され、清掃カートリッジ10が清掃装置12内に移動されるときに強制的に開放されるが、瞬間的に閉じられ、それゆえ通常は、このカートリッジが清掃装置12から取り出されるときに閉じられ、それによって、カートリッジの清掃、交換、あるいは廃棄処分のために、清掃装置12によって集塵されたゴミをゴミ容器30内に保持する。任意選択的に、ゴミ容器は、清掃装置によって集塵されたゴミの蓄積及び廃棄処分用のゴミ袋を備えていてもよい。例えば、ゴムや軟質プラスチック、あるいは当業者に周知である他の材料から構成され得るフレキシブル・ブレード32は、ゴミ容器30の前で、ゴミ容器30の上縁からカートリッジ10の下にある表面に方向付けられるように設けられる。後述されるように、作動中に、フレキシブル・ブレード32は、清掃装置12のブラシ60によって集塵されたゴミをゴミ容器30に導く。本発明の別の実行できる実施の形態において、このゴミ容器は、清掃カートリッジではなく、装置の本体内部に位置付けられることもできる。さらに、ヒンジ式蓋が述べられているが、ロボットへの挿入によって動作可能となり、ロボットから取り外されると閉鎖可能となるスライド式蓋又は他のタイプの蓋もまた、使用できる。
【0024】
さらにまた図1乃至図4を参照すると、カートリッジ10に設けられるオープンリール式装置は、使用済み清掃用シート材料44が方向付けられる巻き取りリール34と、未使用の一巻きの清掃用シート材料が接続される供給リール36との両方を含む。巻き取りリール34(図5)は、使用済みの清掃用シート材料44が被清掃表面上で後方に導かれるのを防止するために歯止めされ、一方、供給リール36(図6)は、例えばステッピング・モータ52によって駆動されなければ、シートの転動を制限する抵抗力を付与する。巻き取りリール34の歯35は、バネ付き歯33と噛み合わされて、リールの歯止めをし、動作を制限する。
【0025】
清掃用シート材料44は、例えば、静電材料又はエレクトレット材料から構成することができる。このような材料の例は、WO02/00819、即ち、2001年6月22日出願のPCT/US00/20074号に対する公開公報に記載されたものである。この開示は、この種の材料の説明のために参考のために本明細書中に組み込まれる。清掃用シート材料は、織布若しくは不織布のいずれであってもよく、除塵材料として使用するための非吸収体、若しくは、湿式洗浄剤などで使用するための吸収体であってもよい。さらに、清掃用シート材料は、材料の厚さが、装置の駆動輪の牽引を妨害することなく被清掃表面に対する装置のコンプライアンス性を向上させ得る程度の好適な厚さがあればよい。また、装置が硬質表面に対して使用されることになる場合、スリップ防止ルーチンをロボット制御に設けることによって、表面が湿っているときの車輪の牽引を確実に行なうものとする。清掃用シート材料44はまた、処理又は散布機能を提供することもできる。たとえば、清掃布は、床面を処理する洗浄液やみがき剤、殺虫剤、防虫剤、及び部屋に対して散布される芳香剤、あるいは、これらの処理成分の組み合わせによって処理されることができる。さらにまた、清掃布44の各部は、異なるタイプの材料から構成することができ、例えば、清掃部分及びつや出し部分を設けている。その他の組合せは明らかである。
【0026】
さらに図1乃至図4を参照すると、カートリッジ10は、動作中に、清掃用シート材料44に液体を供給するための液体リザーバ42を更に含むことができる。あるいはまた、清掃用シート材料に対してではなく、液体を処理表面に直接散布してもよく、この散布は液体量の測定を行なって有効性を最適化する。上述のように、液体は、水、洗浄液、みがき剤、殺虫剤、その他種々の材料、又はこうした材料の組み合わせでもよい。リザーバ42内に設けられた液体供給源は、カートリッジ10上に設けられる液体出口48、及び清掃装置12上に設けられる液体入口40を介して、清掃装置12に設けられるポンプ50に接続されることが好ましい。したがって、作動中、清掃用シート材料44に対する液体の流れは、清掃装置12によって制御され、後述されるように、カートリッジの寿命を超えて選択された湿度のレベルを維持するためにシート材料に提供される。別の方法として、液体の使用量は、ユーザによって制御することもできる。リザーバのサイズは一般に用途に応じて決定されるが、本明細書中に示される用途では、流体リザーバ42は450mlである。本発明の別の実施の形態において、シート材料は、液体がしみ込んだシート材料となるように液体のリザーバから分配されることもでき、このシート材料は、次にピンチローラやスクイージー手段などの方法によって引き出されて、シート材料が清掃表面と接触する前に該シート材料内の液体量を適切に制限する。湿式清掃材料が用いられる場合、該材料が使用するために通過する開閉可能な開口を付与するように注意しなければならず、これによって使用前に材料が乾き切ってしまうことを防止する。巻物又は個別のシートとしてのシート材料の進行程度は、例えば駆動輪やブラシ機構上の測定手段によって機械的に制御されることができる。巻き取りリールは、カートリッジ内、又はその外側に配置することもできる。さらに、シート材料は、清掃材料の使用済み部分が、例えばミシン目で引き離すことなどによって除去されるようにして設けられ、これによって湿式シート材料がカートリッジ若しくは清掃装置の本体内に保持されて、かびの発生などを生じることを防止する。こうした除去は、ユーザによって手動で行なわれ、又は、装置によって自動的に制御されることもできる。さらに、清掃材料は、使用後、ユーザの都合で廃棄するためにカートリッジ若しくはクリーニング装置の本体のいずれか内部の容器に保持されることもできる。
【0027】
また図3及び更にまた図4を参照すると、バッテリー54の列が清掃装置に電力を供給し、この清掃装置は、該清掃装置12に設けられたスイッチ18(図1)によって、選択的に作動される。バッテリーは再充電可能であることが好ましく、清掃装置12(図2)のハウジングの側面に設けられたポート55から操作される。
【0028】
布供給リール36は清掃装置に設けられたステッピング・モータ52によって駆動され、動作中に巻き戻される一巻きのシート材料44の量は光センサ46等のセンサによってモニタされ、該センサもまた、清掃装置12に設けられている。ステッピング・モータ52、光センサ46、及びポンプ50はそれぞれ、マイクロプロセッサ制御ボード又はコントローラ(図示されてないが、一般にバッテリパックの上に位置付けられる)によって駆動されるが、これは実験で決定されたタイミングに基づいており、該タイミングは、ステッピング・モータを駆動して必要に応じてシート材料を交換し、シートの実際の動作をモニタしながら清掃動作中に適切な清掃プロセスを維持する。同様に、コントローラは、ポンプ50を駆動して、清掃中に必要に応じて一巻きのシート材料44に液体を供給し、液体源の補充のためのタイミングはまた、用いられる材料及び液体の種類、及び一巻きの清掃用シート材料44の期待耐用年数に基づいて実験的に決定される。コントローラは、一定張力で清掃シート材料44を維持することが好ましく、使用中に、カートリッジの寿命にわたって、一例としておよそ5分ごとに0.75インチの所定率で指標付けをする。
【0029】
ステッピング・モータ52は、一組のギアを介して巻き取りリール34と連結され、一方、供給リールは、供給車輪の回転量を検出する光センサと連結される。供給リールから巻き取りリールへと前進される布の量を測定し制御するようにして清掃材料を前進させ、材料が一方のリールから他方に転送されながら、異なる進行率を補正する手段を設けることもできる。このような手段は自動的であってもよく、又は、ユーザによって調節可能であるように手動式でもよい。
【0030】
図8及び図9を参照すると、清掃装置12に挿入されているカートリッジ10の平面図及び一部切取側面図がそれぞれ示されている。上述のように、清掃装置12は、ビータ又は掃引ブラシ60を含む。清掃装置12の前面の車輪62は、少なくとも2つの位置間でスイッチ20の起動によって調整可能である。これら2つの位置の一方は、カーペットでの使用に選択され、他方は、硬質床面での使用に選択される。カートリッジ10がロボット12に挿入されると、フレキシブル・ブレード32は、メインブラシ60に隣接配置され、清掃装置12が床面全体にわたって作動されるとブラシによって収集された比較的大きな煤塵を収容する。煤塵は、上記のようにメインブラシ60によってフレキシブル・ブレード32上で、ゴミ容器30内に方向付けられ、動作中にヒンジ式蓋38は、塵埃がゴミ容器30内に容易に導かれ得るように開放位置に固定される。メインブラシ60の後部に、清掃シート材料44を含むカートリッジ10が追随する。清掃シート材料44は、被清掃表面と清掃布44との接触を確実にする、リーフスプリング64を含むプラテン66によって被清掃表面に対して保持される。先にも述べたように、リザーバ42は、清掃材料44に隣接して設けられているので、湿式又は湿ったモップ布が清掃装置12で用いられるときに、液体をこの布に補給するように適用されることができる。プラテン66がプロスチックやゴムエッジなどの材料を貼り付けた状態で組み込み、被清掃表面に対する清掃材料のコンプライアンス性を向上させ得ることもまた留意されたい。さらに、プラテンは剛性である必要はないが、浮き上がっていたり、又は、装置の車輪に対して前記表面から高さ変更したりすることもできる。
【0031】
硬質表面上で使用するための清掃シート材料44を用いるカートリッジが図示され説明されているが、カーペットなどの軟質表面に使用するためのカートリッジ10もまた提供することができる。次に図10及び図11を参照すると、カーペット清掃用のカートリッジが示されている。ここで、カートリッジは、カバーなしで示されているより大きい塵埃封じ込め容器30を含み、清掃動作中に直立位置で、清掃表面に対して清掃装置12を維持するように適切に加重される。
【0032】
カートリッジ10は、異なる清掃プロセスが要求されるときに容易に取り外し及び交換が可能な交換可能なカートリッジにおいて種々の清掃動作が実施できるという点において従来技術に優る利点を付与する。また、こうしたカートリッジは、一巻きの清掃用シート材料44及び/又は流体リザーバ42における液体が使用済みになったときに廃棄することができる。さらにまた、清掃材料が使用済みになる前でも、カートリッジ10を取り外すことができ、ゴミ容器30は、埃の分散を最小限にしてユーザによって空にされる。
【0033】
上述のように、清掃装置12は自律ロボットから構成される。ロボット12は、前端においてバンパー15、及び清掃プロセスに役立つサイド・ブラシ16を含んでいる。ロボット装置は起動スイッチ18を更に含み、これは、被清掃表面の周囲にロボットを導くためのナビゲーション・システムを作動させる。ロボット装置を図示し述べてきたが、図示且つ説明されたカートリッジ装置10もまた、手動装置において使用されてもよいことは明らかである。
【0034】
さらに、液体供給及びポンプのための特定の構成が図示されているが、ポンプがカートリッジに設けられてもよいことは明らかである。さらにまた、長期間にわたって液体を維持することができるウェットタイプの材料を交互に使用することもできる。ここで、たとえば、湿り布は、エラストマー材料に形成されたきつめのスロットに保持されることもでき、これにより、湿式ロール内部の水分を保持するのに役立ち、極度に湿った布が離散されるのを防止することになる。
【0035】
防塵及び掃き取りを組み合わせた装置が示されているが、本発明の原理は、雑きん、モップ、吸引掃除機、床つや出し剤、及び様々な種類の表面処理機器にも適用する。掃き取り装置(スイーパー)が除塵又はモップかけ要素と組み合わされて図示され説明されているが、この防塵又はモップかけ要素をスイーパーから切り離して使用されてもよいことは明らかである。それゆえ、本発明の特定の実施の形態が詳述されているが、この説明が例示の目的のためにすぎないことを理解されたい。
【0036】
これらの実施の形態の種々の変形例は、発明の精神又は添付された特許請求の範囲から逸脱することなく実施することもできる。したがって、これら特許請求の範囲は、発明の範囲全体を評価するために意図されるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0037】
ロボットシステム又は手持ち式(ハンドヘルド)システムのいずれかにおける、改良型表面処理装置、該装置を使用するための方法、及び種々の清掃要素を提供するためのカートリッジ装置が開示される。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】図1は、本発明の自律型清掃装置の後端に挿入されている、本発明によって構成される清掃カートリッジを示す分解図である。
【図2】図2は、自律型清掃装置の前方上部左側から見た、図1を参照して述べたような分解図である。
【図3】図3は、図1において、上部ハウジングが自律型清掃装置及びカートリッジから取り外された状態を示す図である。
【図4】図4は、図2において、上部ハウジングが自律型清掃装置及びカートリッジからそれぞれ取り外された状態を示す図である。
【図5】図5は、ラチェット式巻き取りリールを示すカートリッジの切取詳細図である。
【図6】図6は、供給リールを示すカートリッジの切取詳細図である。
【図7】図7は、カートリッジが挿入された自律型清掃装置の平面図である。
【図8】図8は、図7のライン8−8に沿った断面図である。
【図9】図9は、図8の切取図であり、カートリッジ内の清掃シート材料のオープンリール式スプーリングを示す図である。
【図10】図10は、カーペット清掃用のカートリッジの平面図である。
【図11】図11は、上部ハウジングが取り外された状態の図10のカートリッジの平面図である。
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、米国仮出願番号第60/542,115(2004年2月4日)に対する優先権を主張する。
【0002】
連邦政府の後援による調査/経緯に関する報告
適用せず。
【背景技術】
【0003】
居住空間及び商業用空間を維持し清掃するのに消費される人間の労働量を最小限度にすることが望ましい。従って、その技術が開発したロボット装置は、装置の動作中に人間がそこに居なくても床、カーペットなどを清掃し、又は維持若しくは処理することができる。この種類の最も一般的なロボット装置は、雑きん、緩衝器、吸引掃除機、床掃き機、及び床つや出し機である。
【0004】
このような装置は、一般に、好ましい動作パターンを指示するためにコンピュータ制御プログラムを有する。この制御はステアリング装置に連結され、同様にモータもまた車輪に接続される。これらの装置の多くは、プリセット経路に対する装置の初期位置とその後の位置を確認するためにセンサをさらに含む。これらの装置の最も高性能なものは予想外の障害の存在を検出するためのセンサを含み、同様に、それが発生した場合に経路を変更するためのオプションを与えるためのプログラミングも含んでいる。このようなロボット装置のための従来技術の制御システムの例が米国特許第4,119,900号に開示されている(特許文献1)。さらに、米国特許第6,594,844号も参照されたい(特許文献2)。
【0005】
こうした装置が自律的に且つかなりの期間にわたって作動されることが意図されると、再生可能であると共に大幅なメンスナンスを必要としない清掃材料を提供することが望ましい。単一の装置から複数の清掃機能を提供するために、種々のタイプの清掃表面及び床表面用の各種のクリーニング用品を提供可能とすることもまた望ましい。各種の清掃が利用可能であるだけでなく、自律(走行)式清掃装置上でも容易に実施されるはずである。
【0006】
オープンリール構成における清掃材料の長さを供給するための種々の方法は、従来から周知である。米国特許第4,433,451号は、例えば、使用中に前進されるオープンリール式布33を有するように設計される床清掃装置を示している(特許文献3)。この布は、床を清掃し、及び/又は乾燥させるために使用され、不織布であってもよい。弾性圧縮要素41は布を床に押しつける。このシステムは、液体を供給できるものとしても記載されている。
【0007】
別のこうしたシステムが米国特許第4,510,642号に開示され、これは、1種のフローリング、ここではボーリングのレーンに使用されるオープンリール式システムに雑きんを締め付けるためのメカニズムの使用について述べている(特許文献4)。
【0008】
さらに、取り外し可能な清掃要素がまた、従来から周知である。米国特許第5,933,900号は、例えば、取り外し可能な塵埃受け(ダストパン)を含み得る床清掃機を開示している(特許文献5)。
【0009】
最小限のメンテナンスで清掃装置内部に清掃材料を前進させるための種々の装置が周知であるが、こうした装置はそれぞれ、ユーザ及び集塵材料間に大きな相互作用を必要とする。さらに、いったんこうした装置が設置されると、例えば、異なるタイプの清掃や異なる床面に出くわしたとき、あるいは清掃材料を使い切ってしまったり、若しくは効果がないとする程度まで汚損されたりしたとき、こうした装置の交換は容易でない。
【特許文献1】米国特許第4,119,900号
【特許文献2】米国特許第6,594,844号
【特許文献3】米国特許第4,433,451号
【特許文献4】米国特許第4,510,642号
【特許文献5】米国特許第5,933,900号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
要するに、改良型表面処理装置、特に、多様な清掃を容易且つ有効に提供することができ、異なるタイプの清掃が要求されるとき、容易且つ有効に取り外しや交換ができる装置の必要性が依然として存在する。こうしたタイプの装置は、ロボット又はその他の自律式用途での使用に特に望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、自律型/ロボット表面処理装置を提供する。この表面処理装置は一般に、清掃カートリッジを収容するような大きさ及び寸法の開口を有するハウジングと、該ハウジングに連結されるスイーパー・ブラシと、表面が処理されるとカートリッジ上の一巻きの清掃用シート材料を駆動するための開口に隣接して配置されるモータと、を含む。
【0012】
本発明の別の態様において、表面処理装置は、一巻きの清掃用シート材料上に液体を供給するためのポンプを含む。あるいはまた、液体を被清掃表面に付着させることもできる。この装置はまた、清掃装置内を駆動されると一巻きの清掃用シート材料をモニタするための光センサも含むこともできる。モータ及びポンプを駆動し、光センサをモニタするためのコントローラをさらに設けることもできる。
【0013】
本発明の更に別の態様において、清掃装置に使用するためのカートリッジが提供される。このカートリッジは、ハウジング、該ハウジングの機軸と連結される抵抗供給リール、及びハウジングの機軸と連結される巻き取りリールを含む。ゴミ容器(ダスト・ビン)は、ハウジングのエッジに隣接して配置され、清掃材料はハウジングに設けられ、清掃材料の第1の端部は抵抗供給リールに連結され、他方の端部は巻き取りリールに連結されている。
【0014】
本発明のまた別の態様において、カートリッジは、ハウジングの底面から被清掃表面に向かって延出するプラテンを更に含む。一巻きの清掃材料の一部は、供給リール及び巻き取りリール間でプラテン全体にわたって延出し、清掃表面となる。このプラテンはコンプライアンスがあればよい。カートリッジは、特に湿式モップに使用するためにポンプ式液体供給源を収容するための液体ポート、及び、液体を一巻きの清掃材料に供給するための液体リザーバをさらに含むこともできる。
【0015】
本発明の更にもう一つの態様において、カートリッジは、ゴミ容器上に設けられた蓋を含むこともできる。この蓋は、カートリッジが使用中であるとき開放され、ゴミや埃がゴミ容器から溢れないようにするためにカートリッジが取り外されている場合は、閉じられている。この蓋はヒンジ式機能を付与するために蝶番で動作されることができる。フレキシブル・ブレードは、ゴミ容器に隣接して設けられ、塵埃をゴミ容器に導くためにゴミ容器に方向付けされることもできる。
【0016】
本発明のカートリッジはまた、カートリッジの一巻きの清掃材料を目視するための窓を含むこともできる。
【0017】
本発明のなおまたもう一つの態様において、カートリッジは、手動装置、又は自律型/ロボット装置のいずれかにおいて使用されることもできる。
【0018】
本発明の他の態様において、カートリッジは、エレクトレット若しくは静電防塵材料、あるいはまた、湿式モップ材料を含む清掃材料を有することもできる。さらにまた、清掃材料は、清掃材料の不織布シートの蛇腹状に折り曲げられたスタックなどの折りたたまれた備品として設けられることもでき、該材料は使用するために引き出され、手動又は機械的手段のいずれかによって操作位置に配置される。清掃材料はまた、巻物(ロール)の状態で設けられることもできる。
【0019】
この発明の概要は、発明の概略的特徴が理解され易いように示されている。しかしながら、この概要や添付図面、あるいは付随する好ましい実施の形態の説明も、発明を限定するように構成されるものではない。むしろ、特許請求の範囲は発明の範囲全体を評価するために意図されるべきである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図面、特に図1及び図3を参照すると、清掃装置12に挿入するための清掃カートリッジ10から成る清掃システムが示される。清掃カートリッジ10は、後述するように、清掃カートリッジ10においてオープンリール式構成で設けられている一巻きの清掃用シート材料44を含む。一巻きの清掃用シート材料の一部は、動作中に清掃装置12の下にある表面と接触した状態で維持される。モータ52は清掃装置12に設けられ、清掃システムが使用されるときに有効な清掃プロセスを維持するために、使用済みの清掃シート材料を被清掃表面と接触しないように確実に駆動する。
【0021】
なおまた図1及び図3、さらに図2及び図4を参照すると、清掃装置12は、図のように、清掃カートリッジ10を収容するような大きさ及び寸法の開口14を有するハウジング13を含む自律型器具又はロボットから構成される。ハウジング13において開口14の上に配置されている2つの窓22及び24により、ユーザは、清掃カートリッジ10及びその内部に保持される一巻きの清掃用シート材料44を目視することができる。開口26はまた、カートリッジ10上のラッチング装置27と関連して設けられ、カートリッジ10を清掃装置12に選択的に接続するためのラッチとなる。図8に示すように、清掃装置12はさらに、大きな煤塵を掃き取るスイーパー又はビーター・ブラシ60を含む。清掃用シート材料44はブラシ60に追随し、一般に、ブラシ60によってピックアップされない髪の毛や埃などのより小さな煤塵を清掃する。
【0022】
さらにまた図1及び図2を参照すると、カートリッジ10は窓26及び28を含み、これらは、清掃装置12内に位置付けられると、清掃装置12のハウジング13における窓22及び24と位置合わせされ、それによって、カートリッジ10内の清掃用シート材料44に対しユーザが視覚的にアクセスすることを可能にする。種々の材料を使用することができるが、カートリッジは、洗浄液と適合できる射出成形されたポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)などの低コスト樹脂から構成されることが好ましい。窓26及び28は、透明材料で封止されることが好ましい。
【0023】
ゴミ容器30は、清掃装置12のハウジング13内部に収容されるカートリッジの端部において、清掃カートリッジ10内に設けられ、所定の位置にあるとき、ゴミ容器30は、清掃装置12内でブラシ60(図8)に隣接して設けられている。ゴミ容器30は、ヒンジ式蓋38によって選択的に被覆され、清掃カートリッジ10が清掃装置12内に移動されるときに強制的に開放されるが、瞬間的に閉じられ、それゆえ通常は、このカートリッジが清掃装置12から取り出されるときに閉じられ、それによって、カートリッジの清掃、交換、あるいは廃棄処分のために、清掃装置12によって集塵されたゴミをゴミ容器30内に保持する。任意選択的に、ゴミ容器は、清掃装置によって集塵されたゴミの蓄積及び廃棄処分用のゴミ袋を備えていてもよい。例えば、ゴムや軟質プラスチック、あるいは当業者に周知である他の材料から構成され得るフレキシブル・ブレード32は、ゴミ容器30の前で、ゴミ容器30の上縁からカートリッジ10の下にある表面に方向付けられるように設けられる。後述されるように、作動中に、フレキシブル・ブレード32は、清掃装置12のブラシ60によって集塵されたゴミをゴミ容器30に導く。本発明の別の実行できる実施の形態において、このゴミ容器は、清掃カートリッジではなく、装置の本体内部に位置付けられることもできる。さらに、ヒンジ式蓋が述べられているが、ロボットへの挿入によって動作可能となり、ロボットから取り外されると閉鎖可能となるスライド式蓋又は他のタイプの蓋もまた、使用できる。
【0024】
さらにまた図1乃至図4を参照すると、カートリッジ10に設けられるオープンリール式装置は、使用済み清掃用シート材料44が方向付けられる巻き取りリール34と、未使用の一巻きの清掃用シート材料が接続される供給リール36との両方を含む。巻き取りリール34(図5)は、使用済みの清掃用シート材料44が被清掃表面上で後方に導かれるのを防止するために歯止めされ、一方、供給リール36(図6)は、例えばステッピング・モータ52によって駆動されなければ、シートの転動を制限する抵抗力を付与する。巻き取りリール34の歯35は、バネ付き歯33と噛み合わされて、リールの歯止めをし、動作を制限する。
【0025】
清掃用シート材料44は、例えば、静電材料又はエレクトレット材料から構成することができる。このような材料の例は、WO02/00819、即ち、2001年6月22日出願のPCT/US00/20074号に対する公開公報に記載されたものである。この開示は、この種の材料の説明のために参考のために本明細書中に組み込まれる。清掃用シート材料は、織布若しくは不織布のいずれであってもよく、除塵材料として使用するための非吸収体、若しくは、湿式洗浄剤などで使用するための吸収体であってもよい。さらに、清掃用シート材料は、材料の厚さが、装置の駆動輪の牽引を妨害することなく被清掃表面に対する装置のコンプライアンス性を向上させ得る程度の好適な厚さがあればよい。また、装置が硬質表面に対して使用されることになる場合、スリップ防止ルーチンをロボット制御に設けることによって、表面が湿っているときの車輪の牽引を確実に行なうものとする。清掃用シート材料44はまた、処理又は散布機能を提供することもできる。たとえば、清掃布は、床面を処理する洗浄液やみがき剤、殺虫剤、防虫剤、及び部屋に対して散布される芳香剤、あるいは、これらの処理成分の組み合わせによって処理されることができる。さらにまた、清掃布44の各部は、異なるタイプの材料から構成することができ、例えば、清掃部分及びつや出し部分を設けている。その他の組合せは明らかである。
【0026】
さらに図1乃至図4を参照すると、カートリッジ10は、動作中に、清掃用シート材料44に液体を供給するための液体リザーバ42を更に含むことができる。あるいはまた、清掃用シート材料に対してではなく、液体を処理表面に直接散布してもよく、この散布は液体量の測定を行なって有効性を最適化する。上述のように、液体は、水、洗浄液、みがき剤、殺虫剤、その他種々の材料、又はこうした材料の組み合わせでもよい。リザーバ42内に設けられた液体供給源は、カートリッジ10上に設けられる液体出口48、及び清掃装置12上に設けられる液体入口40を介して、清掃装置12に設けられるポンプ50に接続されることが好ましい。したがって、作動中、清掃用シート材料44に対する液体の流れは、清掃装置12によって制御され、後述されるように、カートリッジの寿命を超えて選択された湿度のレベルを維持するためにシート材料に提供される。別の方法として、液体の使用量は、ユーザによって制御することもできる。リザーバのサイズは一般に用途に応じて決定されるが、本明細書中に示される用途では、流体リザーバ42は450mlである。本発明の別の実施の形態において、シート材料は、液体がしみ込んだシート材料となるように液体のリザーバから分配されることもでき、このシート材料は、次にピンチローラやスクイージー手段などの方法によって引き出されて、シート材料が清掃表面と接触する前に該シート材料内の液体量を適切に制限する。湿式清掃材料が用いられる場合、該材料が使用するために通過する開閉可能な開口を付与するように注意しなければならず、これによって使用前に材料が乾き切ってしまうことを防止する。巻物又は個別のシートとしてのシート材料の進行程度は、例えば駆動輪やブラシ機構上の測定手段によって機械的に制御されることができる。巻き取りリールは、カートリッジ内、又はその外側に配置することもできる。さらに、シート材料は、清掃材料の使用済み部分が、例えばミシン目で引き離すことなどによって除去されるようにして設けられ、これによって湿式シート材料がカートリッジ若しくは清掃装置の本体内に保持されて、かびの発生などを生じることを防止する。こうした除去は、ユーザによって手動で行なわれ、又は、装置によって自動的に制御されることもできる。さらに、清掃材料は、使用後、ユーザの都合で廃棄するためにカートリッジ若しくはクリーニング装置の本体のいずれか内部の容器に保持されることもできる。
【0027】
また図3及び更にまた図4を参照すると、バッテリー54の列が清掃装置に電力を供給し、この清掃装置は、該清掃装置12に設けられたスイッチ18(図1)によって、選択的に作動される。バッテリーは再充電可能であることが好ましく、清掃装置12(図2)のハウジングの側面に設けられたポート55から操作される。
【0028】
布供給リール36は清掃装置に設けられたステッピング・モータ52によって駆動され、動作中に巻き戻される一巻きのシート材料44の量は光センサ46等のセンサによってモニタされ、該センサもまた、清掃装置12に設けられている。ステッピング・モータ52、光センサ46、及びポンプ50はそれぞれ、マイクロプロセッサ制御ボード又はコントローラ(図示されてないが、一般にバッテリパックの上に位置付けられる)によって駆動されるが、これは実験で決定されたタイミングに基づいており、該タイミングは、ステッピング・モータを駆動して必要に応じてシート材料を交換し、シートの実際の動作をモニタしながら清掃動作中に適切な清掃プロセスを維持する。同様に、コントローラは、ポンプ50を駆動して、清掃中に必要に応じて一巻きのシート材料44に液体を供給し、液体源の補充のためのタイミングはまた、用いられる材料及び液体の種類、及び一巻きの清掃用シート材料44の期待耐用年数に基づいて実験的に決定される。コントローラは、一定張力で清掃シート材料44を維持することが好ましく、使用中に、カートリッジの寿命にわたって、一例としておよそ5分ごとに0.75インチの所定率で指標付けをする。
【0029】
ステッピング・モータ52は、一組のギアを介して巻き取りリール34と連結され、一方、供給リールは、供給車輪の回転量を検出する光センサと連結される。供給リールから巻き取りリールへと前進される布の量を測定し制御するようにして清掃材料を前進させ、材料が一方のリールから他方に転送されながら、異なる進行率を補正する手段を設けることもできる。このような手段は自動的であってもよく、又は、ユーザによって調節可能であるように手動式でもよい。
【0030】
図8及び図9を参照すると、清掃装置12に挿入されているカートリッジ10の平面図及び一部切取側面図がそれぞれ示されている。上述のように、清掃装置12は、ビータ又は掃引ブラシ60を含む。清掃装置12の前面の車輪62は、少なくとも2つの位置間でスイッチ20の起動によって調整可能である。これら2つの位置の一方は、カーペットでの使用に選択され、他方は、硬質床面での使用に選択される。カートリッジ10がロボット12に挿入されると、フレキシブル・ブレード32は、メインブラシ60に隣接配置され、清掃装置12が床面全体にわたって作動されるとブラシによって収集された比較的大きな煤塵を収容する。煤塵は、上記のようにメインブラシ60によってフレキシブル・ブレード32上で、ゴミ容器30内に方向付けられ、動作中にヒンジ式蓋38は、塵埃がゴミ容器30内に容易に導かれ得るように開放位置に固定される。メインブラシ60の後部に、清掃シート材料44を含むカートリッジ10が追随する。清掃シート材料44は、被清掃表面と清掃布44との接触を確実にする、リーフスプリング64を含むプラテン66によって被清掃表面に対して保持される。先にも述べたように、リザーバ42は、清掃材料44に隣接して設けられているので、湿式又は湿ったモップ布が清掃装置12で用いられるときに、液体をこの布に補給するように適用されることができる。プラテン66がプロスチックやゴムエッジなどの材料を貼り付けた状態で組み込み、被清掃表面に対する清掃材料のコンプライアンス性を向上させ得ることもまた留意されたい。さらに、プラテンは剛性である必要はないが、浮き上がっていたり、又は、装置の車輪に対して前記表面から高さ変更したりすることもできる。
【0031】
硬質表面上で使用するための清掃シート材料44を用いるカートリッジが図示され説明されているが、カーペットなどの軟質表面に使用するためのカートリッジ10もまた提供することができる。次に図10及び図11を参照すると、カーペット清掃用のカートリッジが示されている。ここで、カートリッジは、カバーなしで示されているより大きい塵埃封じ込め容器30を含み、清掃動作中に直立位置で、清掃表面に対して清掃装置12を維持するように適切に加重される。
【0032】
カートリッジ10は、異なる清掃プロセスが要求されるときに容易に取り外し及び交換が可能な交換可能なカートリッジにおいて種々の清掃動作が実施できるという点において従来技術に優る利点を付与する。また、こうしたカートリッジは、一巻きの清掃用シート材料44及び/又は流体リザーバ42における液体が使用済みになったときに廃棄することができる。さらにまた、清掃材料が使用済みになる前でも、カートリッジ10を取り外すことができ、ゴミ容器30は、埃の分散を最小限にしてユーザによって空にされる。
【0033】
上述のように、清掃装置12は自律ロボットから構成される。ロボット12は、前端においてバンパー15、及び清掃プロセスに役立つサイド・ブラシ16を含んでいる。ロボット装置は起動スイッチ18を更に含み、これは、被清掃表面の周囲にロボットを導くためのナビゲーション・システムを作動させる。ロボット装置を図示し述べてきたが、図示且つ説明されたカートリッジ装置10もまた、手動装置において使用されてもよいことは明らかである。
【0034】
さらに、液体供給及びポンプのための特定の構成が図示されているが、ポンプがカートリッジに設けられてもよいことは明らかである。さらにまた、長期間にわたって液体を維持することができるウェットタイプの材料を交互に使用することもできる。ここで、たとえば、湿り布は、エラストマー材料に形成されたきつめのスロットに保持されることもでき、これにより、湿式ロール内部の水分を保持するのに役立ち、極度に湿った布が離散されるのを防止することになる。
【0035】
防塵及び掃き取りを組み合わせた装置が示されているが、本発明の原理は、雑きん、モップ、吸引掃除機、床つや出し剤、及び様々な種類の表面処理機器にも適用する。掃き取り装置(スイーパー)が除塵又はモップかけ要素と組み合わされて図示され説明されているが、この防塵又はモップかけ要素をスイーパーから切り離して使用されてもよいことは明らかである。それゆえ、本発明の特定の実施の形態が詳述されているが、この説明が例示の目的のためにすぎないことを理解されたい。
【0036】
これらの実施の形態の種々の変形例は、発明の精神又は添付された特許請求の範囲から逸脱することなく実施することもできる。したがって、これら特許請求の範囲は、発明の範囲全体を評価するために意図されるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0037】
ロボットシステム又は手持ち式(ハンドヘルド)システムのいずれかにおける、改良型表面処理装置、該装置を使用するための方法、及び種々の清掃要素を提供するためのカートリッジ装置が開示される。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】図1は、本発明の自律型清掃装置の後端に挿入されている、本発明によって構成される清掃カートリッジを示す分解図である。
【図2】図2は、自律型清掃装置の前方上部左側から見た、図1を参照して述べたような分解図である。
【図3】図3は、図1において、上部ハウジングが自律型清掃装置及びカートリッジから取り外された状態を示す図である。
【図4】図4は、図2において、上部ハウジングが自律型清掃装置及びカートリッジからそれぞれ取り外された状態を示す図である。
【図5】図5は、ラチェット式巻き取りリールを示すカートリッジの切取詳細図である。
【図6】図6は、供給リールを示すカートリッジの切取詳細図である。
【図7】図7は、カートリッジが挿入された自律型清掃装置の平面図である。
【図8】図8は、図7のライン8−8に沿った断面図である。
【図9】図9は、図8の切取図であり、カートリッジ内の清掃シート材料のオープンリール式スプーリングを示す図である。
【図10】図10は、カーペット清掃用のカートリッジの平面図である。
【図11】図11は、上部ハウジングが取り外された状態の図10のカートリッジの平面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
清掃カートリッジを収容するような大きさ及び寸法を有する開口を含むハウジングと、
該ハウジングと連結されるスイーパー・ブラシと、
前記ハウジングのエッジに隣接して配置されるゴミ容器、シート清掃材料、及び被清掃表面に対して前記清掃材料を移動させるための手段を含む、清掃カートリッジと、
を含む、ロボット表面処理装置。
【請求項2】
シート清掃材料上に液体を供給するためのポンプを更に含む、請求項1に記載のロボット表面処理装置。
【請求項3】
一巻きの清掃用シート材料をモニタするためのセンサを更に含む、請求項1に記載のロボット表面処理装置。
【請求項4】
モータ及びポンプを駆動するために制御信号を付与し、フィードバックに基づいて制御信号を調整するためにセンサをモニタするためのコントローラを更に含む、請求項1に記載のロボット表面処理装置。
【請求項5】
ハウジングと、
前記ハウジングの機軸に連結される抵抗供給リールと、
前記ハウジングの機軸に連結される巻き取りリールと、
前記ハウジングのエッジに隣接して配置されるゴミ容器と、
清掃材料の第1の端部が前記抵抗供給リールに連結され、他方の端部が前記巻取りリールに連結される、清掃材料と、
を含む、清掃装置に使用するためのカートリッジ。
【請求項6】
前記ハウジングの底面から延出するプラテンを更に含み、一巻きの清掃材料がプラテンによって供給リールと巻き取りリールとの間に延出する、
請求項5に記載のカートリッジ。
【請求項7】
液体供給源を収容するための液体入口ポートを更に含む、請求項6に記載のカートリッジ。
【請求項8】
前記ゴミ容器上に設けられる蓋を更に含む、請求項6に記載のカートリッジ。
【請求項9】
前記ゴミ容器に隣接して設けられ、塵埃をゴミ容器内に導くようにゴミ容器に方向付けられるフレキシブル・ブレードを更に含む、請求項6に記載のカートリッジ。
【請求項10】
前記カートリッジ内の一巻きの清掃材料を目視するための窓を更に含む、請求項5に記載のカートリッジ。
【請求項11】
液体を一巻きの清掃材料に付与するための液体リザーバを更に含む、請求項5に記載のカートリッジ。
【請求項12】
前記カートリッジを清掃装置にラッチするためのラッチング装置を更に含む、請求項5に記載のカートリッジ。
【請求項13】
前記清掃装置が手動装置である、請求項12に記載のカートリッジ。
【請求項14】
前記清掃装置が自律ロボット装置である、請求項12に記載のカートリッジ。
【請求項15】
前記清掃材料が静電除塵材料を含む、請求項5に記載のカートリッジ。
【請求項16】
前記清掃材料が湿式モップ材料を含む、請求項5に記載のカートリッジ。
【請求項17】
前記カバーがヒンジ式である、請求項8に記載のカートリッジ。
【請求項18】
前記プラテンがコンプライアンス性を有する、請求項6に記載のカートリッジ。
【請求項19】
前記清掃材料がロール状に設けられる、請求項5に記載のカートリッジ。
【請求項20】
前記清掃材料が折りたたまれた布を含む、請求項5に記載のカートリッジ。
【請求項1】
清掃カートリッジを収容するような大きさ及び寸法を有する開口を含むハウジングと、
該ハウジングと連結されるスイーパー・ブラシと、
前記ハウジングのエッジに隣接して配置されるゴミ容器、シート清掃材料、及び被清掃表面に対して前記清掃材料を移動させるための手段を含む、清掃カートリッジと、
を含む、ロボット表面処理装置。
【請求項2】
シート清掃材料上に液体を供給するためのポンプを更に含む、請求項1に記載のロボット表面処理装置。
【請求項3】
一巻きの清掃用シート材料をモニタするためのセンサを更に含む、請求項1に記載のロボット表面処理装置。
【請求項4】
モータ及びポンプを駆動するために制御信号を付与し、フィードバックに基づいて制御信号を調整するためにセンサをモニタするためのコントローラを更に含む、請求項1に記載のロボット表面処理装置。
【請求項5】
ハウジングと、
前記ハウジングの機軸に連結される抵抗供給リールと、
前記ハウジングの機軸に連結される巻き取りリールと、
前記ハウジングのエッジに隣接して配置されるゴミ容器と、
清掃材料の第1の端部が前記抵抗供給リールに連結され、他方の端部が前記巻取りリールに連結される、清掃材料と、
を含む、清掃装置に使用するためのカートリッジ。
【請求項6】
前記ハウジングの底面から延出するプラテンを更に含み、一巻きの清掃材料がプラテンによって供給リールと巻き取りリールとの間に延出する、
請求項5に記載のカートリッジ。
【請求項7】
液体供給源を収容するための液体入口ポートを更に含む、請求項6に記載のカートリッジ。
【請求項8】
前記ゴミ容器上に設けられる蓋を更に含む、請求項6に記載のカートリッジ。
【請求項9】
前記ゴミ容器に隣接して設けられ、塵埃をゴミ容器内に導くようにゴミ容器に方向付けられるフレキシブル・ブレードを更に含む、請求項6に記載のカートリッジ。
【請求項10】
前記カートリッジ内の一巻きの清掃材料を目視するための窓を更に含む、請求項5に記載のカートリッジ。
【請求項11】
液体を一巻きの清掃材料に付与するための液体リザーバを更に含む、請求項5に記載のカートリッジ。
【請求項12】
前記カートリッジを清掃装置にラッチするためのラッチング装置を更に含む、請求項5に記載のカートリッジ。
【請求項13】
前記清掃装置が手動装置である、請求項12に記載のカートリッジ。
【請求項14】
前記清掃装置が自律ロボット装置である、請求項12に記載のカートリッジ。
【請求項15】
前記清掃材料が静電除塵材料を含む、請求項5に記載のカートリッジ。
【請求項16】
前記清掃材料が湿式モップ材料を含む、請求項5に記載のカートリッジ。
【請求項17】
前記カバーがヒンジ式である、請求項8に記載のカートリッジ。
【請求項18】
前記プラテンがコンプライアンス性を有する、請求項6に記載のカートリッジ。
【請求項19】
前記清掃材料がロール状に設けられる、請求項5に記載のカートリッジ。
【請求項20】
前記清掃材料が折りたたまれた布を含む、請求項5に記載のカートリッジ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2007−520323(P2007−520323A)
【公表日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−552233(P2006−552233)
【出願日】平成17年2月4日(2005.2.4)
【国際出願番号】PCT/US2005/003380
【国際公開番号】WO2005/077244
【国際公開日】平成17年8月25日(2005.8.25)
【出願人】(500106743)エス.シー. ジョンソン アンド サン、インコーポレイテッド (168)
【公表日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年2月4日(2005.2.4)
【国際出願番号】PCT/US2005/003380
【国際公開番号】WO2005/077244
【国際公開日】平成17年8月25日(2005.8.25)
【出願人】(500106743)エス.シー. ジョンソン アンド サン、インコーポレイテッド (168)
[ Back to top ]