ガラス仮固定用クリップ及びウインドウガラス
【課題】本発明は、取付けのための工数が少なく、修理時に容易にハーネス又はコネクタを移動させることができる技術の提供を課題とする。
【解決手段】ウインドウガラス11に貼付けられるベース部12と、このベース部12から延ばされボディ25に設けられている孔26に挿入されるピン部17とからなる、ガラス仮固定用クリップ10において、ベース部12からウインドウガラス11の面に沿って延ばされハーネス14を弾性的に押さえるばね片13が付設されていることを特徴とする。
【効果】ハーネス14を押さえるためのばね片13は、ベース部12に一体的に設けられる。即ち、ハーネス14が押さえられるばね片13を固定するために、ボディ25に孔を開ける必要がなくなる。ハーネス14を押さえるための孔を開ける作業がない分、工数が減少し有益である。
【解決手段】ウインドウガラス11に貼付けられるベース部12と、このベース部12から延ばされボディ25に設けられている孔26に挿入されるピン部17とからなる、ガラス仮固定用クリップ10において、ベース部12からウインドウガラス11の面に沿って延ばされハーネス14を弾性的に押さえるばね片13が付設されていることを特徴とする。
【効果】ハーネス14を押さえるためのばね片13は、ベース部12に一体的に設けられる。即ち、ハーネス14が押さえられるばね片13を固定するために、ボディ25に孔を開ける必要がなくなる。ハーネス14を押さえるための孔を開ける作業がない分、工数が減少し有益である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボディにウインドウガラスを仮固定するために用いられ、且つウインドウガラス面に配置されるハーネス又はコネクタを押さえることができる仮固定用クリップに関する。
【背景技術】
【0002】
車両を製造する工程で、ウインドウガラスがボディに取付けられる。取付けを行う場合は、ウインドウガラスの主表面上に配置されるガラス仮固定用クリップをボディに設けられた穴に挿入することで仮止めを行う。この後、ウインドウガラスとボディの間のスペースに配置された接着剤が凝固することでウインドウガラスがボディに取付けられる。
【0003】
一方、ウインドウガラスの主表面には、アンテナやデフォッガなどの導電体が形成されることがあり、この導電体の給電部やバスバーには、車内の電気部品に繋がれるハーネスやコネクタが配置される。ハーネスやコネクタを所定の位置に配置するために、種々のハーネス用クリップが提案されている(例えば、特許文献1図1、特許文献2図1、図9、特許文献3図1参照。)。
【0004】
特許文献1を次図に基づいて説明する。
図9に示すように、ハーネス用クリップ100は、複数のハーネス101でハーネス固定部102が挟込まれ、この固定部102の両端に配置されるハーネステープ止め部103、103で、ハーネス101がテープ104、104によって束ねられる。
このようにして配置されたハーネス101は、ボディ固定部105を被固定部材106に開けられた孔107に差込むことで固定される。
【0005】
しかし、このようなハーネス用クリップ100によれば、ハーネス101を固定するために、予め被固定部材106に孔107を開けておく必要があり、工数が増加する。
続いて特許文献2を次図に基づいて説明する。
【0006】
図10に示すように、ハーネス用クリップ110は、車両用ミラーをボディへ仮固定するための爪部111と、ハーネス112をベース113に固定するためのクリップ部114とが一体的に構成される。ハーネス112をベース113に形成されるU字溝に配置し、このU字溝内に埋め込まれたハーネス112の上面からハーネス用クリップ110を配置する。ビス115を用いてハーネス用クリップ110をベース113のボス部(図示せず)に固定することにより、ハーネス112がベース部113とハーネス用クリップ110との間で固定される。
続いて特許文献3を次図に基づいて説明する。
【0007】
図11に示すように、車両のボディフランジ120に取り付けられたコイルばね121を有するコネクタ122に、ガラス面123のバスバー部124を押し付け、コイルばね121の反力によりバスバー部124と強固に接触させることにより電気的に接続させる。
【0008】
図10に戻り、このようなハーネス用クリップ110をウインドウガラスに適用した場合、ベース113に相当するウインドウガラスにビス(ねじ)止め用の孔加工やハーネス配置用のU字溝加工を行う必要がある。ウインドウガラスにこのような加工を行うことは、生産性の低下を招く原因となる。そして、一旦ウインドウガラスをボディに取付けると、ハーネス112はビス115を外さなければ移動させることができないため、修理時に不便である。
【0009】
また、図11に示すように特許文献3の発明に係るようなコネクタ122は、ボディフランジ120に取り付けるため、ボディーパネル125の形状が複雑になり、ボディパネル125の加工の工数も増大しコスト高となる。
【0010】
この問題を解決する手段として、取付けのための工数が少なく、修理時に容易にハーネスを移動させることができる技術の提供が望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開平11−344157号公報
【特許文献2】特開2005−53406号公報
【特許文献3】米国特許第4707591号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、取付けのための工数が少なく、修理時に容易にハーネスを移動させることができる技術の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
請求項1に係るガラス仮固定用クリップは、車両のボディにウインドウガラスを取付ける作業に用いるために、前記ウインドウガラスの主表面に配置されるガラス仮固定用クリップであって、
このガラス仮固定用クリップは、前記車両内に配置される電気部品に対して電気的に接続されるハーネス又はこのハーネスが接続されるコネクタを固定するための押さえ部材が備えられていることを特徴とする。
【0014】
請求項2に係るガラス仮固定用クリップは、請求項1記載のガラス仮固定用クリップであって、ウインドウガラスに貼付けられるベース部と、このベース部から延ばされボディに設けられている孔に挿入されるピン部とからなり、押さえ部材は、ベース部から付設されることを特徴とする。
【0015】
請求項3に係るガラス仮固定用クリップは、請求項1又は請求項2記載のガラス仮固定用クリップであって、ボディにウインドガラスを固定する接着剤が凝固するまでの間、ボディにウインドウガラスを仮固定し、接着剤が凝固した後も車両に残されることを特徴とする。
【0016】
請求項4に係るガラス仮固定用クリップは、押さえ部材が、ウインドウガラスとの間で、ハーネス又はコネクタを弾性的に押さえるばね片であることを特徴とする。
【0017】
請求項5に係るガラス仮固定用クリップは、ばね片に、ハーネスの少なくとも一部又は前記コネクタの少なくとも一部を収納する収納凹部が設けられていることを特徴とする。
【0018】
請求項6に係るウインドウガラスは、請求項1〜請求項5いずれか1項記載のガラス仮固定用クリップを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
請求項1に係る発明は、ハーネス又はコネクタを固定するための押さえ部材が備えられている。前記押さえ部材を固定するために、ウインドウガラス又はボディに孔を開ける必要がなくなる。ハーネス又はコネクタを押さえるための孔を開ける作業がない分、工数が減少し有益である。
【0020】
請求項2に係る発明は、押さえ部材は、ベース部に付設される。ベース部に付設されることにより、押さえ部材を、ガラスに固定するための両面テープや接着剤が不要になる。
【0021】
請求項3に係る発明は、ガラス仮固定用クリップは、接着剤が凝固した後も車両に残される。車両走行時の振動によるハーネスからの異音を防止することができる。
【0022】
請求項4に係る発明は、押さえ部材は、ウインドウガラスとの間で、ハーネス又はコネクタを弾性的に押さえるばね片である。ばね片がウインドウガラスに向かって付勢する力で、ハーネス又はコネクタを押さえる。このため、ばね片を取外すことなくハーネス又はコネクタを移動させることができる。即ち、容易にハーネス又はコネクタを移動させることができる。
【0023】
請求項5に係る発明は、ばね片には、ハーネスの少なくとも一部又はコネクタの少なくとも一部を収納する収納凹部が設けられている。収納凹部があることにより、ハーネス又はコネクタを保持しやすくなる。このため、ウインドウガラスの取付後であっても、容易にハーネス又はコネクタを固定することができる。このことにより、作業性が向上する。
【0024】
請求項6に係る発明は、ガラス仮固定用クリップに、ハーネス又はコネクタを固定するための押さえ部材が備えられている。前記押さえ部材を固定するために、ウインドウガラス又はボディに孔を開ける必要がなくなる。ハーネス又はコネクタを押さえるための孔を開ける作業がない分、工数が減少し有益である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明に係るガラス仮固定用クリップが配置されたウインドウガラスを説明する図である。
【図2】図1の2矢視図である。
【図3】図2の3−3線断面図である。
【図4】ウインドウガラスの取付け作業を説明する図である。
【図5】第2実施例を説明する図である。
【図6】第3実施例を説明する図である。
【図7】第4実施例を説明する図である。
【図8】図7の8矢視図である。
【図9】特許文献1に係る技術の基本構成を説明する図である。
【図10】特許文献2に係る技術の基本構成を説明する図である。
【図11】特許文献3に係る技術の基本構成を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
【実施例1】
【0027】
先ず、本発明の実施例1を図面に基づいて説明する。
図1に示されるように、ガラス仮固定用クリップ10は、ウインドウガラス11の車内側の主表面に接着剤や両面テープを介してベース部12が接着されることで配置される。ベース部12から延ばされる押さえ部材としてのばね片13によって、ハーネス14はウインドウガラス11に押さえられる。
次図でガラス仮固定用クリップの詳細を説明する。
【0028】
図2に示すように、ガラス仮固定用クリップ10は、ウインドウガラス11に貼付けられるベース部12と、このベース部12の上方に一体的に設けられボディの孔(図4、符号26)に挿入されるピン部17と、ベース部12からウインドウガラス11の面に沿って延ばされハーネス14を押さえるばね片13とからなる。
【0029】
このガラス仮固定用クリップ10は、樹脂を用いてベース部12、ピン部17、ばね片13を一体的に成形することが望ましい。このように成形した場合、ガラス仮固定用クリップ10を短時間で製造することができ、有益である。
【0030】
ばね片(押さえ部材)13は、ベース部12に付設される。ベース部12に付設されることにより、ばね片13を、ウインドウガラス11に固定するための両面テープや接着剤が不要になる。
次図でばね片の作用について説明する。
【0031】
図3に示すように、ウインドウガラス11上に付設されるハーネス14は、ばね片13の収納凹部18で弾性的に押さえられている。即ち、矢印(1)で示すように、ばね片13はウインドウガラス11に向かって力を付勢し、この力によりハーネス14が押さえられる。
【0032】
また、ピン部17には断面視でL字状の中空部19が形成される。中空部19の周りに配置される弾性部20が、ボディへの取付けの中空部19に押し込まれ、孔を通過後に元に戻ることで、ウインドウガラス11の仮止めを容易に行うことができる。
【0033】
ガラス仮固定用クリップ10の底面には突起部21が設けられ、ウインドウガラス11とガラス仮固定用クリップ10の底面に所定の間隔を空ける。この間隔に接着層22が配置されるため、接着層22の配置を容易に行うことができる。
【0034】
ウインドウガラス11の面沿い方向に付設されたばね片13が、ウインドウガラス11にハーネス14を押さえている。ばね片13を固定するために、ウインドウガラス又はボディに別の孔を開ける必要がない分、工数が減少し有益である。
【0035】
加えて、ばね片13は、ハーネス14を弾性的に押さえる。ばね片13がウインドウガラス11に向かって付勢する力で、ハーネス14を押さえる。このため、ばね片13をずらすだけで取外すことなく容易にハーネス14を移動させることができる。
【0036】
ばね片13には、ハーネス14の一部を収納する収納凹部18が設けられている。収納凹部18があることにより、より安定してハーネス14を押さえることができる。
【0037】
次図でボディにウインドウガラスを取付ける作業について説明する。
図4(a)に示すように、ウインドウガラス11を矢印(2)で示すように、ピン部17をボディ25に設けられている孔26に挿入し仮止めを行う。即ち、この孔26は、ウインドウガラスの仮止めのためにあけられている。
【0038】
図4(b)に示すように、ピン部17を孔26に挿入することで、仮止めが終了し、この状態のまま想像線で示される接着剤が凝固する。ガラス仮固定用クリップ10は、接着剤28が凝固した後も車両30に残される。なお接着剤は、仮固定前にウインドウガラス又はボディに予め塗布されていてもよい。若しくは、ウインドウガラス仮固定の後にウインドウガラスとボディの間に注入してもよい。
ガラス仮固定用クリップ10は、接着剤28が凝固した後も車両30に残され、ハーネス14を固定するので、車両走行時の振動によるハーネス14からの異音を防止することができる。
【0039】
本発明に係るガラス仮固定用クリップ10は、以下のようにいうことができる。車両30のボディ25にウインドウガラス11を取付ける作業に用いるクリップであって、ウインドウガラス11に貼付けられるベース部12と、このベース部12から延ばされボディ25に設けられている孔26に挿入されるピン部17とからなり、ボディ25にウインドガラス11を固定する接着剤28が凝固するまでの間、ボディ25にウインドウガラス11を仮固定し、接着剤28が凝固した後も車両30に残されるガラス仮固定用クリップ10にであって、ベース部12からウインドウガラス11の面に沿って延ばされウインドウガラス11上に付設されるハーネス14を弾性的に押さえるばね片13が付設されていることを特徴とする。
【実施例2】
【0040】
次に、本発明の実施例2を図面に基づいて説明する。
図5に示されるように、ガラス仮固定用クリップ40は、複数のばね片41、41がベース部12より延ばされる。
【0041】
このような場合であっても、ハーネス14を押さえるための孔を開ける作業がない分、工数が減少するという本発明の効果を得ることができる。
また、複数のばね片41を配置することにより、ハーネス14を押さえる力が増す。
【実施例3】
【0042】
図6に示すように、ガラス仮固定用クリップ50は、ベース部51に差込み穴52を配置し、この差込み穴52にばね片53を差込む分割型である。
【0043】
このような場合であっても、ハーネスを押さえるために孔を開ける必要がなく、工数が減少するという本発明の効果を得ることができる。
【0044】
また、ばね片53は、ベース部51と同じ素材の他、金属等を選択することもできる。即ち、ばね片53を差込み式とすることにより、ばね片53の材料の選択の幅が広がる。
なお、差込み穴52は、射出成形等によりベース部51と同時に形成することができる。従って、ばね片53を差込むために別途穴を開ける工程を行わずに済む。
【実施例4】
【0045】
図7に示すように、ガラス仮固定用クリップ60で、ハーネス14が繋がれるコネクタ61を固定する。
ウインドウガラス11の主表面上には、アンテナ等の役割を果たす銀プリント62と、この銀プリント62に電気的に繋がれ主表面上にコネクタ61が配置されるバスバー63とが配置されている。
コネクタ61の配置の仕方は、前述したハーネス14の配置の仕方と同様である。
【0046】
コネクタ61を固定するための押さえ部材(ばね片13)が備えられている。前記押さえ部材を固定するために、ウインドウガラス又はボディ(図4、符号25)に孔を開ける必要がなくなる。コネクタ61を取り付ける孔を開ける作業がない分、工数が減少し有益である。
【0047】
押さえ部材は、コネクタ61を弾性的に押さえるばね片13である。ばね片13は、コネクタ61を弾性的に押さえる。ばね片13がウインドウガラス11に向かって付勢する力で、コネクタ61を押さえる。このため、ばね片13をずらすだけで取外すことなくコネクタ61を容易に移動させることができる。
【0048】
ばね片には、コネクタ61の一部を収納する収納凹部18が設けられている。収納凹部18があることにより、コネクタ61の収まりがよくなる。即ち、コネクタ61が収納凹部18とばね片13との間でよく固定されることで、コネクタ61が移動されにくくなり、有益である。
【0049】
コネクタ61の両端を押さえ部材(ばね片13)で押さえることで、例えば中央付近のみで押さえる場合に比べコネクタ61とバスバー63とをより強固に接触させることができる。
また、バスバー63に対向して押さえ部材を設けることで、さらにコネクタ61をバスバー63に対して強固に接触させることができる。
【0050】
図8に示すように、コネクタ61には、弾性を有する弾性導電材64が設けられ、この弾性導電材64がバスパー63に接触する。
【0051】
弾性導電材64は弾性を有するため、ばね片13の付勢する力で、バスバー63によく接触される。また、ボディの振動によるばね片13とウインドウガラス11との間隔の増減を弾性導電材64で緩和することができるので、コネクタ61に対する導電性が高まる。
【0052】
なお、バスバー63を設けず、銀プリント62の上面に、直接コネクタ61を配置してもよい。
【0053】
尚、ガラス仮固定用クリップに用いられる樹脂は、熱可塑性、熱硬化性のどちらでも用いることができ、樹脂の種類に制限はない。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明のガラス仮固定用クリップ及びウインドウガラスは、車両に好適である。
【符号の説明】
【0055】
10、40、50、60…ガラス仮固定用クリップ、11…ウインドウガラス、12…ベース部、13、41、53…ばね片(押さえ部材)、14…ハーネス、17…ピン部、25…ボディ、26…孔、28…接着剤、30…車両。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボディにウインドウガラスを仮固定するために用いられ、且つウインドウガラス面に配置されるハーネス又はコネクタを押さえることができる仮固定用クリップに関する。
【背景技術】
【0002】
車両を製造する工程で、ウインドウガラスがボディに取付けられる。取付けを行う場合は、ウインドウガラスの主表面上に配置されるガラス仮固定用クリップをボディに設けられた穴に挿入することで仮止めを行う。この後、ウインドウガラスとボディの間のスペースに配置された接着剤が凝固することでウインドウガラスがボディに取付けられる。
【0003】
一方、ウインドウガラスの主表面には、アンテナやデフォッガなどの導電体が形成されることがあり、この導電体の給電部やバスバーには、車内の電気部品に繋がれるハーネスやコネクタが配置される。ハーネスやコネクタを所定の位置に配置するために、種々のハーネス用クリップが提案されている(例えば、特許文献1図1、特許文献2図1、図9、特許文献3図1参照。)。
【0004】
特許文献1を次図に基づいて説明する。
図9に示すように、ハーネス用クリップ100は、複数のハーネス101でハーネス固定部102が挟込まれ、この固定部102の両端に配置されるハーネステープ止め部103、103で、ハーネス101がテープ104、104によって束ねられる。
このようにして配置されたハーネス101は、ボディ固定部105を被固定部材106に開けられた孔107に差込むことで固定される。
【0005】
しかし、このようなハーネス用クリップ100によれば、ハーネス101を固定するために、予め被固定部材106に孔107を開けておく必要があり、工数が増加する。
続いて特許文献2を次図に基づいて説明する。
【0006】
図10に示すように、ハーネス用クリップ110は、車両用ミラーをボディへ仮固定するための爪部111と、ハーネス112をベース113に固定するためのクリップ部114とが一体的に構成される。ハーネス112をベース113に形成されるU字溝に配置し、このU字溝内に埋め込まれたハーネス112の上面からハーネス用クリップ110を配置する。ビス115を用いてハーネス用クリップ110をベース113のボス部(図示せず)に固定することにより、ハーネス112がベース部113とハーネス用クリップ110との間で固定される。
続いて特許文献3を次図に基づいて説明する。
【0007】
図11に示すように、車両のボディフランジ120に取り付けられたコイルばね121を有するコネクタ122に、ガラス面123のバスバー部124を押し付け、コイルばね121の反力によりバスバー部124と強固に接触させることにより電気的に接続させる。
【0008】
図10に戻り、このようなハーネス用クリップ110をウインドウガラスに適用した場合、ベース113に相当するウインドウガラスにビス(ねじ)止め用の孔加工やハーネス配置用のU字溝加工を行う必要がある。ウインドウガラスにこのような加工を行うことは、生産性の低下を招く原因となる。そして、一旦ウインドウガラスをボディに取付けると、ハーネス112はビス115を外さなければ移動させることができないため、修理時に不便である。
【0009】
また、図11に示すように特許文献3の発明に係るようなコネクタ122は、ボディフランジ120に取り付けるため、ボディーパネル125の形状が複雑になり、ボディパネル125の加工の工数も増大しコスト高となる。
【0010】
この問題を解決する手段として、取付けのための工数が少なく、修理時に容易にハーネスを移動させることができる技術の提供が望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開平11−344157号公報
【特許文献2】特開2005−53406号公報
【特許文献3】米国特許第4707591号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、取付けのための工数が少なく、修理時に容易にハーネスを移動させることができる技術の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
請求項1に係るガラス仮固定用クリップは、車両のボディにウインドウガラスを取付ける作業に用いるために、前記ウインドウガラスの主表面に配置されるガラス仮固定用クリップであって、
このガラス仮固定用クリップは、前記車両内に配置される電気部品に対して電気的に接続されるハーネス又はこのハーネスが接続されるコネクタを固定するための押さえ部材が備えられていることを特徴とする。
【0014】
請求項2に係るガラス仮固定用クリップは、請求項1記載のガラス仮固定用クリップであって、ウインドウガラスに貼付けられるベース部と、このベース部から延ばされボディに設けられている孔に挿入されるピン部とからなり、押さえ部材は、ベース部から付設されることを特徴とする。
【0015】
請求項3に係るガラス仮固定用クリップは、請求項1又は請求項2記載のガラス仮固定用クリップであって、ボディにウインドガラスを固定する接着剤が凝固するまでの間、ボディにウインドウガラスを仮固定し、接着剤が凝固した後も車両に残されることを特徴とする。
【0016】
請求項4に係るガラス仮固定用クリップは、押さえ部材が、ウインドウガラスとの間で、ハーネス又はコネクタを弾性的に押さえるばね片であることを特徴とする。
【0017】
請求項5に係るガラス仮固定用クリップは、ばね片に、ハーネスの少なくとも一部又は前記コネクタの少なくとも一部を収納する収納凹部が設けられていることを特徴とする。
【0018】
請求項6に係るウインドウガラスは、請求項1〜請求項5いずれか1項記載のガラス仮固定用クリップを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
請求項1に係る発明は、ハーネス又はコネクタを固定するための押さえ部材が備えられている。前記押さえ部材を固定するために、ウインドウガラス又はボディに孔を開ける必要がなくなる。ハーネス又はコネクタを押さえるための孔を開ける作業がない分、工数が減少し有益である。
【0020】
請求項2に係る発明は、押さえ部材は、ベース部に付設される。ベース部に付設されることにより、押さえ部材を、ガラスに固定するための両面テープや接着剤が不要になる。
【0021】
請求項3に係る発明は、ガラス仮固定用クリップは、接着剤が凝固した後も車両に残される。車両走行時の振動によるハーネスからの異音を防止することができる。
【0022】
請求項4に係る発明は、押さえ部材は、ウインドウガラスとの間で、ハーネス又はコネクタを弾性的に押さえるばね片である。ばね片がウインドウガラスに向かって付勢する力で、ハーネス又はコネクタを押さえる。このため、ばね片を取外すことなくハーネス又はコネクタを移動させることができる。即ち、容易にハーネス又はコネクタを移動させることができる。
【0023】
請求項5に係る発明は、ばね片には、ハーネスの少なくとも一部又はコネクタの少なくとも一部を収納する収納凹部が設けられている。収納凹部があることにより、ハーネス又はコネクタを保持しやすくなる。このため、ウインドウガラスの取付後であっても、容易にハーネス又はコネクタを固定することができる。このことにより、作業性が向上する。
【0024】
請求項6に係る発明は、ガラス仮固定用クリップに、ハーネス又はコネクタを固定するための押さえ部材が備えられている。前記押さえ部材を固定するために、ウインドウガラス又はボディに孔を開ける必要がなくなる。ハーネス又はコネクタを押さえるための孔を開ける作業がない分、工数が減少し有益である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明に係るガラス仮固定用クリップが配置されたウインドウガラスを説明する図である。
【図2】図1の2矢視図である。
【図3】図2の3−3線断面図である。
【図4】ウインドウガラスの取付け作業を説明する図である。
【図5】第2実施例を説明する図である。
【図6】第3実施例を説明する図である。
【図7】第4実施例を説明する図である。
【図8】図7の8矢視図である。
【図9】特許文献1に係る技術の基本構成を説明する図である。
【図10】特許文献2に係る技術の基本構成を説明する図である。
【図11】特許文献3に係る技術の基本構成を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
【実施例1】
【0027】
先ず、本発明の実施例1を図面に基づいて説明する。
図1に示されるように、ガラス仮固定用クリップ10は、ウインドウガラス11の車内側の主表面に接着剤や両面テープを介してベース部12が接着されることで配置される。ベース部12から延ばされる押さえ部材としてのばね片13によって、ハーネス14はウインドウガラス11に押さえられる。
次図でガラス仮固定用クリップの詳細を説明する。
【0028】
図2に示すように、ガラス仮固定用クリップ10は、ウインドウガラス11に貼付けられるベース部12と、このベース部12の上方に一体的に設けられボディの孔(図4、符号26)に挿入されるピン部17と、ベース部12からウインドウガラス11の面に沿って延ばされハーネス14を押さえるばね片13とからなる。
【0029】
このガラス仮固定用クリップ10は、樹脂を用いてベース部12、ピン部17、ばね片13を一体的に成形することが望ましい。このように成形した場合、ガラス仮固定用クリップ10を短時間で製造することができ、有益である。
【0030】
ばね片(押さえ部材)13は、ベース部12に付設される。ベース部12に付設されることにより、ばね片13を、ウインドウガラス11に固定するための両面テープや接着剤が不要になる。
次図でばね片の作用について説明する。
【0031】
図3に示すように、ウインドウガラス11上に付設されるハーネス14は、ばね片13の収納凹部18で弾性的に押さえられている。即ち、矢印(1)で示すように、ばね片13はウインドウガラス11に向かって力を付勢し、この力によりハーネス14が押さえられる。
【0032】
また、ピン部17には断面視でL字状の中空部19が形成される。中空部19の周りに配置される弾性部20が、ボディへの取付けの中空部19に押し込まれ、孔を通過後に元に戻ることで、ウインドウガラス11の仮止めを容易に行うことができる。
【0033】
ガラス仮固定用クリップ10の底面には突起部21が設けられ、ウインドウガラス11とガラス仮固定用クリップ10の底面に所定の間隔を空ける。この間隔に接着層22が配置されるため、接着層22の配置を容易に行うことができる。
【0034】
ウインドウガラス11の面沿い方向に付設されたばね片13が、ウインドウガラス11にハーネス14を押さえている。ばね片13を固定するために、ウインドウガラス又はボディに別の孔を開ける必要がない分、工数が減少し有益である。
【0035】
加えて、ばね片13は、ハーネス14を弾性的に押さえる。ばね片13がウインドウガラス11に向かって付勢する力で、ハーネス14を押さえる。このため、ばね片13をずらすだけで取外すことなく容易にハーネス14を移動させることができる。
【0036】
ばね片13には、ハーネス14の一部を収納する収納凹部18が設けられている。収納凹部18があることにより、より安定してハーネス14を押さえることができる。
【0037】
次図でボディにウインドウガラスを取付ける作業について説明する。
図4(a)に示すように、ウインドウガラス11を矢印(2)で示すように、ピン部17をボディ25に設けられている孔26に挿入し仮止めを行う。即ち、この孔26は、ウインドウガラスの仮止めのためにあけられている。
【0038】
図4(b)に示すように、ピン部17を孔26に挿入することで、仮止めが終了し、この状態のまま想像線で示される接着剤が凝固する。ガラス仮固定用クリップ10は、接着剤28が凝固した後も車両30に残される。なお接着剤は、仮固定前にウインドウガラス又はボディに予め塗布されていてもよい。若しくは、ウインドウガラス仮固定の後にウインドウガラスとボディの間に注入してもよい。
ガラス仮固定用クリップ10は、接着剤28が凝固した後も車両30に残され、ハーネス14を固定するので、車両走行時の振動によるハーネス14からの異音を防止することができる。
【0039】
本発明に係るガラス仮固定用クリップ10は、以下のようにいうことができる。車両30のボディ25にウインドウガラス11を取付ける作業に用いるクリップであって、ウインドウガラス11に貼付けられるベース部12と、このベース部12から延ばされボディ25に設けられている孔26に挿入されるピン部17とからなり、ボディ25にウインドガラス11を固定する接着剤28が凝固するまでの間、ボディ25にウインドウガラス11を仮固定し、接着剤28が凝固した後も車両30に残されるガラス仮固定用クリップ10にであって、ベース部12からウインドウガラス11の面に沿って延ばされウインドウガラス11上に付設されるハーネス14を弾性的に押さえるばね片13が付設されていることを特徴とする。
【実施例2】
【0040】
次に、本発明の実施例2を図面に基づいて説明する。
図5に示されるように、ガラス仮固定用クリップ40は、複数のばね片41、41がベース部12より延ばされる。
【0041】
このような場合であっても、ハーネス14を押さえるための孔を開ける作業がない分、工数が減少するという本発明の効果を得ることができる。
また、複数のばね片41を配置することにより、ハーネス14を押さえる力が増す。
【実施例3】
【0042】
図6に示すように、ガラス仮固定用クリップ50は、ベース部51に差込み穴52を配置し、この差込み穴52にばね片53を差込む分割型である。
【0043】
このような場合であっても、ハーネスを押さえるために孔を開ける必要がなく、工数が減少するという本発明の効果を得ることができる。
【0044】
また、ばね片53は、ベース部51と同じ素材の他、金属等を選択することもできる。即ち、ばね片53を差込み式とすることにより、ばね片53の材料の選択の幅が広がる。
なお、差込み穴52は、射出成形等によりベース部51と同時に形成することができる。従って、ばね片53を差込むために別途穴を開ける工程を行わずに済む。
【実施例4】
【0045】
図7に示すように、ガラス仮固定用クリップ60で、ハーネス14が繋がれるコネクタ61を固定する。
ウインドウガラス11の主表面上には、アンテナ等の役割を果たす銀プリント62と、この銀プリント62に電気的に繋がれ主表面上にコネクタ61が配置されるバスバー63とが配置されている。
コネクタ61の配置の仕方は、前述したハーネス14の配置の仕方と同様である。
【0046】
コネクタ61を固定するための押さえ部材(ばね片13)が備えられている。前記押さえ部材を固定するために、ウインドウガラス又はボディ(図4、符号25)に孔を開ける必要がなくなる。コネクタ61を取り付ける孔を開ける作業がない分、工数が減少し有益である。
【0047】
押さえ部材は、コネクタ61を弾性的に押さえるばね片13である。ばね片13は、コネクタ61を弾性的に押さえる。ばね片13がウインドウガラス11に向かって付勢する力で、コネクタ61を押さえる。このため、ばね片13をずらすだけで取外すことなくコネクタ61を容易に移動させることができる。
【0048】
ばね片には、コネクタ61の一部を収納する収納凹部18が設けられている。収納凹部18があることにより、コネクタ61の収まりがよくなる。即ち、コネクタ61が収納凹部18とばね片13との間でよく固定されることで、コネクタ61が移動されにくくなり、有益である。
【0049】
コネクタ61の両端を押さえ部材(ばね片13)で押さえることで、例えば中央付近のみで押さえる場合に比べコネクタ61とバスバー63とをより強固に接触させることができる。
また、バスバー63に対向して押さえ部材を設けることで、さらにコネクタ61をバスバー63に対して強固に接触させることができる。
【0050】
図8に示すように、コネクタ61には、弾性を有する弾性導電材64が設けられ、この弾性導電材64がバスパー63に接触する。
【0051】
弾性導電材64は弾性を有するため、ばね片13の付勢する力で、バスバー63によく接触される。また、ボディの振動によるばね片13とウインドウガラス11との間隔の増減を弾性導電材64で緩和することができるので、コネクタ61に対する導電性が高まる。
【0052】
なお、バスバー63を設けず、銀プリント62の上面に、直接コネクタ61を配置してもよい。
【0053】
尚、ガラス仮固定用クリップに用いられる樹脂は、熱可塑性、熱硬化性のどちらでも用いることができ、樹脂の種類に制限はない。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明のガラス仮固定用クリップ及びウインドウガラスは、車両に好適である。
【符号の説明】
【0055】
10、40、50、60…ガラス仮固定用クリップ、11…ウインドウガラス、12…ベース部、13、41、53…ばね片(押さえ部材)、14…ハーネス、17…ピン部、25…ボディ、26…孔、28…接着剤、30…車両。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のボディにウインドウガラスを取付ける作業に用いるために、前記ウインドウガラスの主表面に配置されるガラス仮固定用クリップであって、
このガラス仮固定用クリップは、前記車両内に配置される電気部品に対して電気的に接続されるハーネス又はこのハーネスが接続されるコネクタを固定するための押さえ部材が備えられていることを特徴とするガラス仮固定用クリップ。
【請求項2】
請求項1記載のガラス仮固定用クリップであって、
前記ウインドウガラスに貼付けられるベース部と、このベース部から延ばされ前記ボディに設けられている穴に挿入されるピン部とからなり、前記押さえ部材は、前記ベース部から付設されることを特徴とするガラス仮固定用クリップ。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載のガラス仮固定用クリップであって、
前記ボディに前記ウインドガラスを固定する接着剤が凝固するまでの間、前記ボディに前記ウインドウガラスを仮固定し、接着剤が凝固した後も車両に残されることを特徴とするガラス仮固定用クリップ。
【請求項4】
前記押さえ部材は、前記ウインドウガラスとの間で、前記ハーネス又は前記コネクタを弾性的に押さえるばね片であることを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3記載のガラス仮固定用クリップ。
【請求項5】
前記ばね片には、前記ハーネスの少なくとも一部又は前記コネクタの少なくとも一部を収納する収納凹部が設けられていることを特徴とする請求項4記載のガラス仮固定用クリップ。
【請求項6】
請求項1〜請求項5いずれか1項記載のガラス仮固定用クリップを備えることを特徴とするウインドウガラス。
【請求項1】
車両のボディにウインドウガラスを取付ける作業に用いるために、前記ウインドウガラスの主表面に配置されるガラス仮固定用クリップであって、
このガラス仮固定用クリップは、前記車両内に配置される電気部品に対して電気的に接続されるハーネス又はこのハーネスが接続されるコネクタを固定するための押さえ部材が備えられていることを特徴とするガラス仮固定用クリップ。
【請求項2】
請求項1記載のガラス仮固定用クリップであって、
前記ウインドウガラスに貼付けられるベース部と、このベース部から延ばされ前記ボディに設けられている穴に挿入されるピン部とからなり、前記押さえ部材は、前記ベース部から付設されることを特徴とするガラス仮固定用クリップ。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載のガラス仮固定用クリップであって、
前記ボディに前記ウインドガラスを固定する接着剤が凝固するまでの間、前記ボディに前記ウインドウガラスを仮固定し、接着剤が凝固した後も車両に残されることを特徴とするガラス仮固定用クリップ。
【請求項4】
前記押さえ部材は、前記ウインドウガラスとの間で、前記ハーネス又は前記コネクタを弾性的に押さえるばね片であることを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3記載のガラス仮固定用クリップ。
【請求項5】
前記ばね片には、前記ハーネスの少なくとも一部又は前記コネクタの少なくとも一部を収納する収納凹部が設けられていることを特徴とする請求項4記載のガラス仮固定用クリップ。
【請求項6】
請求項1〜請求項5いずれか1項記載のガラス仮固定用クリップを備えることを特徴とするウインドウガラス。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−20583(P2011−20583A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−167992(P2009−167992)
【出願日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【出願人】(000004008)日本板硝子株式会社 (853)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【出願人】(000004008)日本板硝子株式会社 (853)
【Fターム(参考)】
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