説明

ガラス板に連結する連結具とこの連結具を備える連結装置

【課題】連結具と被固定材を簡単にガラス板に確実に抜けないように連結する。
【解決手段】連結具は、ゴム状弾性体のパッキンを介して外周を枠体に固定してなるガラス板に連結される。この連結具は、パッキンとガラス板の間に挿入でき、かつパッキンとガラス板の間に挿入して回転できる太さの線材からなり、この線材は先端部をL字状としてガラス板の外周縁に係止されるガラス周縁係止部を有し、さらに線材は、パッキンからの露出部に被連結材を連結する連結部を有する。L字状の先端部がパッキンとガラス板の間に挿入される状態で回転されて、ガラス周縁係止部がガラス板の外周縁に係止され、ゴム状弾性体のパッキンでもってガラス板の表面に向かって押圧されてガラス板に連結状態に保持される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラス板にシート材などをセットする連結具と、この連結具を備える連結装置に関する。
【背景技術】
【0002】
窓ガラスは、シートを貼り付け、あるいは塗装することで、光を遮断し、又は光を乱反射して目隠しできる。これらの方法で処理された窓ガラスは、長期に使うと紫外光の影響で色合いが変化、退色したり、窓拭きの影響ではげたりする欠点がある。さらに、この構造は、薄いシート等を粘着テープや糊を用いて貼り付けるが、貼り付けに手間と技術を必要とする。それは、シートの全面をシワができないように均等に貼り付けるのが難しいからである。また、粘着テープや糊で付着されたシートは、剥離に手間がかかる欠点もある。さらに、引き違い戸の窓ガラスは、内鍵の受け金具等が板ガラスの上に突き出ていることから、シート材の貼り付けがさらに難しくなる。金具を避けながら、狭い隙間に潜らせてシートを貼り付けるからである。
【0003】
以上の欠点は、窓ガラスの外周にフックを係止し、このフックを介して装飾具などを連結する構造で解消できる。(特許文献1参照)
【特許文献1】実用新案登録第3137288号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の装飾フックを図1に示す。この図の装飾フックは、公報の要約に以下のように記載される。吊り下げフックは、窓ガラス対向ツメ210とサッシ対向ツメ220とブリッジ213を備えている。サッシ枠体に対向するサッシ対向ツメ220はサッシ枠体200の下端部の返し211に引っ掛ける引っ掛け形状221を備えている。窓ガラス300に対向する窓ガラス対向ツメ210はサッシ枠体200側に盛り上がった突起形状212を備えている。ブリッジ213から下方に延びるワイヤー250の先端には装飾物を挟持する挟持フック260が取り付けられている。窓ガラス対向ツメ210とサッシ対向ツメ220によりゴムビート230を挟み噛ませつつ窓ガラス300とサッシ枠体200との間に押し入れて装着・係止する。
【0005】
図1の装飾フックは、それ自体の弾性で、サッシ枠体に設けているガラス板に向かって突出する引っ掛け形状に係止する。この構造の装飾フックは、ガラス板とサッシ枠体との間にスムーズに挿入できず、また挿入した状態で確実に抜けないように係止するのが難しい欠点がある。
【0006】
本発明は、この欠点を解決することを目的に開発されたものである。本発明の重要な目的は、極めて簡単な構造としながら、ガラス板に確実に抜けないように連結でき、さらに誰もが簡単かつ容易に、しかも速やかにガラス板にセットできる連結具とこの連結具を使用する連結装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段及び効果】
【0007】
本発明は、前述の目的を達成するために以下の構成を備える。
連結具は、ゴム状弾性体のパッキンを介して外周を枠体に固定してなるガラス板に連結される。この連結具は、パッキンとガラス板の間に挿入でき、かつパッキンとガラス板の間に挿入して回転できる太さの線材からなる。連結具の線材は、先端部をL字状としてガラス板の外周縁に係止されるガラス周縁係止部を設けている。さらに線材は、パッキンからの露出部に被連結材を連結する連結部を設けている。この連結具は、L字状の先端部がパッキンとガラス板の間に挿入される状態で回転されて、ガラス周縁係止部をガラス板の外周縁に係止し、ゴム状弾性体のパッキンでもってガラス板の表面に押圧されてガラス板に連結状態に保持される。
【0008】
この連結具は、極めて簡単な構造としながら、ガラス板に確実に抜けないように連結できる。また、誰もが簡単かつ容易に、しかも速やかにガラス板にセットできる特徴がある。それは、ガラス周縁係止部をガラス板とパッキンとの間に挿入して回転することで、ガラス板の外周縁に係止できるからである。また、ガラス周縁係止部をガラス板の外周縁に係止し、さらにゴム状弾性体のパッキンに弾性的にガラス板に向かって押圧されることから、ガラス周縁係止部は確実にガラス板の外周縁に係止されて、抜けないようにガラス板に連結される。また、ガラス周縁係止部をガラス板の外周縁に係止することから、引き抜き強度を極めて強くできる。パッキンのゴム状弾性体を利用してガラス板に押圧されることから、全体の構造を極めて簡単にしながら、抜けないようにガラス板に連結できる。
【0009】
本発明の請求項2の連結具は、ガラス板から外部に露出する露出部に、ガラス周縁係止部がガラス板の外周縁に係止される状態で、ガラス板の表面に沿う回転阻止部を設けている。この回転阻止部は、ガラス板の表面に沿う状態で、ガラス周縁係止部をガラス板の外周縁の係止位置に保持する。
【0010】
この構造の連結具は、回転阻止部でもつて、ガラス周縁係止部をガラス板の外周縁の係止位置に保持する。このため、ガラス周縁係止部がガラス板の外周縁から外れることがなく、確実にガラス板に連結できる。また、ガラス周縁係止部をガラス板とバッテリとの間に挿入する状態で、回転阻止部をつかんで簡単に回転して、ガラス周縁係止部をガラス板の外周縁に係止できる特徴もある。
【0011】
また、本発明の請求項3の連結具は、ガラス周縁係止部の先端部を内側に折曲してロック片を設けている。この連結具は、ロック片によってガラス周縁係止部を溝形として、この溝部にガラス板の外周縁部を案内して係止するので、ガラス周縁係止部をより確実にガラス板の外周縁に係止して、ガラス周縁係止部を抜けないように係止できる。
【0012】
さらに、本発明の請求項4の連結装置は、ゴム状弾性体のパッキンを介して外周を枠体に固定してなるガラス板の対向部に連結される一対の連結具と、一対の連結具に両端が連結される連結線とを備える。連結具は、パッキンとガラス板の間に挿入でき、かつパッキンとガラス板の間に挿入して回転できる太さの線材からなり、この線材は先端部をL字状としてガラス板の外周縁に係止されるガラス周縁係止部を有し、さらに線材はパッキンからの露出部に連結線を連結する連結部を設けている。この連結具は、L字状の先端部がパッキンとガラス板の間に挿入される状態で回転されて、ガラス周縁係止部がガラス板の外周縁に係止され、ゴム状弾性体のパッキンでもってガラス板の表面に押圧されてガラス板に連結状態に保持される。さらに、連結装置は、一対の連結具がガラス板の対向部に連結され、この連結具に連結線が連結されて、ガラス板と連結線との間に被固定材を挟着する。
【0013】
この連結装置は、極めて簡単な構造としながら、ガラス板に確実に抜けないように連結でき、さらに誰もが簡単かつ容易に、しかも速やかにガラス板にセットできる連結具でもって、ガラス板の表面にシート材等を簡単に取り付けできる。
【0014】
また、本発明の請求項5の連結装置の連結具は、ガラス板から外部に露出する露出部に、ガラス周縁係止部がガラス板の外周縁に係止される状態で、ガラス板の表面に沿う回転阻止部を設けている。この回転阻止部がガラス板の表面に沿う状態で、ガラス周縁係止部をガラス板の外周縁の係止位置に保持する。したがって、この連結装置は、連結具に設けた回転阻止部でもって、ガラス周縁係止部をガラス板の外周縁に係止できる位置に保持して、連結具をガラス板に確実に抜けないように連結し、この連結具と連結線とが被固定材を確実に外れないようにガラス板に取り付けできる。
【0015】
また、本発明の請求項6の連結装置は、ガラス周縁係止部の先端部が内側に折曲されてロック片を設けている。この連結具は、ロック片によってガラス周縁係止部を溝形として、この溝部にガラス板の外周縁部を案内して係止するので、ガラス周縁係止部をより確実にガラス板の外周縁に係止して、ガラス周縁係止部を抜けないように係止できる。このため、ガラス板に確実に抜けないように連結される連結具と、これに連結する連結線とでもって、被固定材を確実に外れないようにガラス板に取り付けできる。
【0016】
さらにまた、本発明の請求項7の連結装置は、被固定材を、透明シート、半透明シート、不透明シートのいずれかとする。これ等のシートをガラス板に固定することで、ガラス板を断熱し、遮光し、あるいは目隠しすることができる。
【0017】
また、本発明の請求項8の連結装置は連結線を伸縮性のある線材とし、請求項9の連結装置は、伸縮性のある連結線をゴム糸やスプリング線とする。連結線を伸縮性のある線材とする連結装置は、連結線の伸縮性でもって、被固定材をガラス板に密着できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するためのガラス板に連結される連結具とこの連結具を使用する連結装置を例示するものであって、本発明は連結具と連結装置を以下のものに特定しない。
【0019】
さらに、この明細書は、特許請求の範囲を理解しやすいように、実施例に示される部材に対応する番号を、「特許請求の範囲」および「課題を解決するための手段の欄」に示される部材に付記している。ただ、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に特定するものでは決してない。
【0020】
図2に示す連結装置は、ゴム状弾性体のパッキン1を介して外周を枠体2に固定しているガラス板3の対向部に連結される一対の連結具4と、この連結具4に両端を連結している連結線5とで被固定材6のシート材を窓ガラスの室内側の表面に固定している。この図に示すように、本発明の連結具4は、主としてガラス板3の室内側からパッキン1の間に挿入されて、ガラス板3の室内側に被固定材6のシート材等を固定する。ただ、本発明の連結具と連結装置は、ガラス板の室外側の表面からパッキンとの間に連結具を挿入して、ガラス板の室外側に被固定材のシート材などを固定することもできる。
【0021】
連結具4は、パッキン1とガラス板3の間に挿入でき、かつパッキン1とガラス板3の間に挿入して回転できる太さの線材からなる。この線材は、好ましくはピアノ線、ステンレス製のバネ線等の弾性金属線が使用される。ただ、弾性のない金属線も使用できる。さらに、金属線は、表面を被覆してさびない処理をし、あるいはSUS304等の錆ないバネ線を使用することもできる。さらに、連結具4の線材は、硬質プラスチック製の線材も使用できる。線材は、ガラス板3とパッキン1との間にスムーズに挿入して回転できる太さとする。線材が太すぎると、ガラス板3とパッキン1との間に挿入するのが難しくなる。したがって、線材の太さは、たとえば1.5mm以下、好ましくは1.2mm以下、さらに好ましくは1mm以下とする。線材は細すぎると十分な強度を実現できない。したがって、線材の太さは、たとえば0.3mm以上、好ましくは0.5mm以上とする。線材の太さは、材質と用途を考慮して最適値に設定されるが、たとえば約1mmとして、ガラス板3とパッキン1の間にスムーズに挿入しながら十分な強度にできる。
【0022】
連結具4は、線材の先端部をL字状としてガラス板3の外周縁に係止されるガラス周縁係止部7を設けている。さらに、線材の後端部は、パッキン1からの露出部に連結線5を連結する連結部8を設けている。
【0023】
図2の連結具4は、ガラス周縁係止部7の先端部を内側に折曲する形状として、先端にロック片を設けている。ロック片9は図2に示すように、ガラス板3の外側面に係止されて、ガラス周縁係止部7を抜けないようにガラス板3の外周縁に係止する。このガラス周縁係止部7はロック片9で溝形に形成されるが、溝の内幅をガラス板3の厚さとして、ロック片9の内側にガラス板3を案内して、ガラス周縁係止部7を抜けないようにガラス板3の外周縁に引っかけて連結できる。とくに、本発明の連結具4は、パッキン1の弾性でもって、ガラス板3の表面に向かって弾性的に押圧されるので、ガラス周縁係止部7は抜けないようにガラス板3の外周縁に係止される。
【0024】
さらに、図2の連結具4は、線材の後端部に設けている連結部8を、回転阻止部10に併用している。回転阻止部10は、パッキン1から外部に露出する露出部、図2において線材の後端部に、ガラス周縁係止部7をガラス板3の外周縁に係止される状態で、ガラス板3の表面に沿うように設けられる。すなわち、回転阻止部10はガラス周縁係止部7を含む面内に対して直交する面内にあって所定の幅を有する形状とされる。回転阻止部10がガラス板3の内面に沿う状態となって、ガラス板3の外周縁に係止されるガラス周縁係止部7の回転が阻止される。したがって、回転阻止部10を有する連結具4は、ガラス周縁係止部7をガラス板3の外周縁に係止する状態で回転して、ガラス周縁係止部7の係止状態が解除される、いいかえるとガラス周縁係止部7がガラス板3の表面と平行な状態となることがない。このため、ガラス周縁係止部7がガラス板3の外周縁に係止する状態に保持して、抜けないようにガラス板3に連結できる。
【0025】
図2の連結具4は、線材の後端部をループ状として、回転阻止部10に併用される連結部8を設けている。この連結部8は、ループに連結線5を挿入して結束し、あるいは引っかけて連結することができる。また、ループをガラス板3の表面に接近して沿う状態として、線材の回転を阻止してガラス周縁係止部7を係止位置に保持できる。
【0026】
以上の連結具4は、後端の連結部8や回転阻止部10をつかんで、図2の鎖線で示すように、L字状の先端部をパッキン1とガラス板3の間に挿入する。このとき、ガラス周縁係止部7をガラス板3と平行な姿勢として、ガラス板3とパッキン1との間に通過させる。ゴム状弾性体からなるパッキン1は変形して、ガラス周縁係止部7をスムーズにガラス板3との間に通過させる。ガラス周縁係止部7をガラス板3の外周縁まで挿入する状態で、回転阻止部10や連結部8をつかんで90度回転させると、ガラス周縁係止部7がガラス板3の外周縁に係止される状態になる。この状態で、ゴム状弾性体のパッキン1は、線材をガラス板3の表面に向かって押圧する。この連結状態にある連結具4は、パッキン1を室内側から室外側には貫通せず、パッキン1がガラス板3の防水を阻害することはない。
【0027】
図2に示すように、一対の連結具4がガラス板3の対向部に連結されて、連結具4に連結線5を連結して、ガラス板3と連結線5との間に被固定材6を挟着する。図2はガラス板3の上下に連結具4を連結し、上下の連結具4に連結線5の両端を連結して、連結線5とガラス板3の間にシート材を挟んで固定している。さらに、図2の連結装置は、ガラス板3の上下に各々2組の連結具4を連結して、2本の連結線5で被固定材6のシート材をガラス板3の表面に挟着している。
【0028】
連結線5は、ゴム糸やスプリング線等の伸縮性を有する連結線5が適している。また、スプリング線は弾性線材からなるコイルスプリングが使用できる。伸縮性のある連結線5は、伸長する状態で両端を連結具4に連結して、被固定材6をガラス板3の表面に密着状態で固定できる。それは、弾性収縮力で連結線5がガラス板3の表面に接近するからである。連結線5は、結束して連結具4の連結部8に連結し、あるいは図示しないが端部に連結フック(図示せず)などを連結して、簡単に連結部に連結できる。
【0029】
図3ないし図12は、異なる形状の連結具4の具体例を示している。
これ等の図に示す連結具4は、先端のガラス周縁係止部7と、パッキン挟着部11と、パッキン1から外部に引き出される延長部12と、後端の連結部8とからなる。これらの連結具4は、線材の先端部をL字状としてガラス周縁係止部7を設けており、さらにガラス周縁係止部7の先端にはロック片9を設けている。連結部8はループ状であるが、ループ状以外の形状であっても、連結線5を連結できる全ての形状、たとえば図示しないがフック状とすることもできる。
【0030】
図3と図4の連結具4は、延長部12の中間をガラス板3に向かって折曲している。この連結具は、パッキンがパッキン挟着部11をガラス板に押圧することで、ガラス周縁係止部7をガラス板の外周縁に確実に係止できる。このため、ガラス周縁係止部7をより確実にガラス板の外周縁に係止状態に保持できる。
【0031】
図5と図6の連結具4は、両側に突出する回転阻止部10を延長部12に設けている。回転阻止部10は、両側に突出している。この回転阻止部はプラスチック板の内部に線材を埋設している。この連結具4は、両側に突出する回転阻止部10でもって回転を確実に阻止できる。このため、ガラス周縁係止部7をガラス板の外周縁に確実に係止できる。
【0032】
さらに、図7と図8の連結具4は、パッキン挟着部11に先端に向かって次第に薄くなるテーパー状の回転阻止部10を両側に突出するように設けている。この連結具4は、テーパー状の回転阻止部10をパッキンとガラス板に挟着して、パッキンで回転阻止部10をガラス板の表面に密着できる。このため、ガラス周縁係止部7の回転が確実に阻止されると共に、ガラス周縁係止部7をガラス板の外周縁に確実に係止する状態に保持する。
【0033】
さらにまた、図9と図10の連結具4は、パッキン挟着部11と延長部12との境界に段差ができる形状として、延長部12をガラス板の表面から離す形状としている。この連結具4は、断熱材のように厚い被固定材をガラス板3の表面に挟着するのに適している。延長部12とガラス板との間に被固定材6を挟着できる隙間ができるからである。
【0034】
また、図11と図12の連結具4は、線材を分岐して複数のガラス周縁係止部7を設けている。さらにこの連結具4は、分岐部にプレート状の回転阻止部10を設けている。分岐した線材はそれ自体で回転が阻止されるので、回転阻止部10を設けることなく回転を阻止できる。また、複数のガラス周縁係止部7を備えるので、ガラス板に強固に連結できる。このため、線材を細くして、ガラス板に十分な強度で連結できる。この連結具4は、各々のガラス周縁係止部7をガラス板の外周縁に係止してガラス板に連結する。最初に一方のガラス周縁係止部7をガラス板の外周縁に連結した後、他方のガラス周縁係止部7は線材をねじってパッキンとガラス板との間に挿入する。ガラス周縁係止部7がガラス板の外周縁まで挿入されると、線材の弾性で回転されて、ガラス周縁係止部7はガラス板の外周縁に係止される。
【0035】
本発明の連結装置は、シート材などの被固定材6をガラス板3の表面に連結線5で挟んで固定できるが、本発明の固定する被固定材6を特定しない。被固定材6には、たとえば、透明シート、半透明シート、不透明シート材等のシート材が使用され、または所定の厚さの断熱シートなども使用できる。
【0036】
さらに、本発明の連結装置は、複数枚のシート材を積層してガラス板3の表面に連結線5とガラス板3とで挟んで互いに相対的にずらせることができる状態で挟着することができる。被固定材6である複数枚のシート材は、たとえば、図13に示すように、同じピッチで複数の貫通孔13のあるシート材を積層して、光や視認性をコントロールすることができる。それは、積層しているシート材の相対位置をずらせて、貫通孔13を一致し、あるいは貫通孔13の位置を異なる位置とて、他方のシートで貫通孔を閉塞できるからである。
【0037】
連結線5が被固定材をガラス板の表面に挟着する具体例を図14ないし図19に示している。図14と図15は、複数組の連結具をガラス板の上下の対向位置に連結して、上下に伸びる複数の連結線5で被固定材6をガラス板の表面に挟着している。図16と図17は、複数組の連結具4をガラス板の左右の対向位置に連結して、水平方向にのびる複数の連結線5で被固定材6をガラス板の表面に挟着している。さらに、図18の連結装置は、ガラス板の上下と左右の対向位置に複数組の連結具4を連結して、上下左右に伸びる複数の連結線5で被固定材6をガラス板の表面に挟着する。さらにまた、図19の連結装置は、ガラス板の隅部に対向して複数組の連結具4を連結して、ガラス板3の四隅部に連結線5を張りめぐらして、被固定材6をガラス板の表面に挟着する。以上の具体例は、種々の方向に連結線5を張り巡らせて被固定材6をガラス板の表面に挟着するが、本発明の連結装置は、連結線5が被固定材6をガラス板の表面に挟着する状態を特定するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明の連結具は、ガラス板の外周に連結されて、窓ガラスなどの表面に、透過光の調整シート、窓ガラスの装飾材、広告媒体、種々の表示、断熱シートなどを固定するのに使用される。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】ガラス板に係止される従来の装飾フックを示す断面図である。
【図2】本発明の実施例にかかる連結装置の一部断面斜視図及び拡大斜視図である。
【図3】図2に示す連結具の正面図である。
【図4】図3に示す連結具の平面図である。
【図5】本発明の他の実施例にかかる連結具の正面図である。
【図6】図5に示す連結具の平面図である。
【図7】本発明の他の実施例にかかる連結具の正面図である。
【図8】図7に示す連結具の平面図である。
【図9】本発明の他の実施例にかかる連結具の正面図である。
【図10】図9に示す連結具の平面図である。
【図11】本発明の他の実施例にかかる連結具の正面図である。
【図12】図11に示す連結具の平面図である。
【図13】ガラス板の表面に挟着される被固定材の具体例を示す正面図
【図14】連結線が被固定材をガラス板に挟着する一例を示す正面図である。
【図15】連結線が被固定材をガラス板に挟着する他の具体例を示す正面図である。
【図16】連結線が被固定材をガラス板に挟着する他の具体例を示す正面図である。
【図17】連結線が被固定材をガラス板に挟着する他の具体例を示す正面図である。
【図18】連結線が被固定材をガラス板に挟着する他の具体例を示す正面図である。
【図19】連結線が被固定材をガラス板に挟着する他の具体例を示す正面図である。
【符号の説明】
【0040】
1…パッキン
2…枠体
3…ガラス板
4…連結具
5…連結線
6…被固定材
7…ガラス周縁係止部
8…連結部
9…ロック片
10…回転阻止部
11…パッキン挟着部
12…延長部
13…貫通孔
200…サッシ枠体
210…窓ガラス対向ツメ
211…下端部の返し
212…突起形状
213…ブリッジ
220…サッシ対向ツメ
221…引っ掛け形状
230…ゴムビート
250…ワイヤー
260…挟持フック
300…窓ガラス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴム状弾性体のパッキンを介して外周を枠体に固定してなるガラス板に連結される連結具であって、
前記パッキンとガラス板の間に挿入でき、かつパッキンとガラス板の間に挿入して回転できる太さの線材からなり、この線材は先端部をL字状としてガラス板の外周縁に係止されるガラス周縁係止部を有し、さらに線材は、パッキンからの露出部に被連結材を連結する連結部を有し、
L字状の先端部がパッキンとガラス板の間に挿入される状態で回転されて、ガラス周縁係止部がガラス板の外周縁に係止され、ゴム状弾性体のパッキンでもってガラス板の表面に押圧されてガラス板に連結状態に保持されるようにしてなるガラス板に連結される連結具。
【請求項2】
パッキンの外部に露出する露出部に、ガラス周縁係止部がガラス板の外周縁に係止される状態で、ガラス板の表面に沿う回転阻止部を備え、この回転阻止部がガラス板の表面に沿う状態で、ガラス周縁係止部をガラス板の外周縁の係止位置に保持するようにしてなる請求項1に記載されるガラス板に連結される連結具。
【請求項3】
ガラス周縁係止部の先端部が内側に折曲されてロック片を設けている請求項1に記載されるガラス板に連結される連結具。
【請求項4】
ゴム状弾性体のパッキンを介して外周を枠体に固定してなるガラス板の対向部に連結される一対の連結具と、一対の連結具に両端が連結される連結線とを備え、
前記連結具は、パッキンとガラス板の間に挿入でき、かつパッキンとガラス板の間に挿入して回転できる太さの線材からなり、この線材は先端部をL字状としてガラス板の外周縁に係止されるガラス周縁係止部を有し、さらに線材はパッキンからの露出部に連結線を連結する連結部を有し、
L字状の先端部がパッキンとガラス板の間に挿入される状態で回転されて、ガラス周縁係止部がガラス板の外周縁に係止され、ゴム状弾性体のパッキンでもってガラス板の表面に押圧されてガラス板に連結状態に保持されるようにしており、
一対の連結具がガラス板の対向部に連結され、この連結具に連結線を連結して、ガラス板と連結線との間に被固定材を挟着するようにしてなるガラス板に被固定材を装着する連結装置。
【請求項5】
前記連結具が、ガラス板から外部に露出する露出部に、ガラス周縁係止部がガラス板の外周縁に係止される状態で、ガラス板の表面に沿う回転阻止部を備え、この回転阻止部がガラス板の表面に沿う状態で、ガラス周縁係止部をガラス板の外周縁の係止位置に保持するようにしてなる請求項4に記載されるガラス板に被固定材を装着する連結装置。
【請求項6】
ガラス周縁係止部の先端部が内側に折曲されてロック片を設けている請求項4に記載されるガラス板に被固定材を装着する連結装置。
【請求項7】
前記被固定材が、透明シート、半透明シート、不透明シート材のいずれかである請求項4に記載されるガラス板に被固定材を装着する連結装置。
【請求項8】
前記連結線が伸縮性を有する請求項4に記載されるガラス板に被固定材を装着する連結装置。
【請求項9】
前記連結線がゴム糸、スプリング線のいずれかからなる伸縮性を有する連結線である請求項8に記載されるガラス板に被固定材を装着する連結装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2009−195323(P2009−195323A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−37903(P2008−37903)
【出願日】平成20年2月19日(2008.2.19)
【出願人】(508052167)
【Fターム(参考)】