説明

キサンチンオキシダーゼ阻害剤

【課題】新規なキサンチンオキシダーゼ阻害剤及び高尿酸血症治療剤の提供。
【解決手段】一般式


(式中、R〜3、X、Yは特定の基。の縮合ピリミジン誘導体又はその塩を有効成分として含有するキサンチンオキシダーゼ阻害剤、及び高尿酸血症治療剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はキサンチンオキシダーゼ阻害剤に関する。
【背景技術】
【0002】
高尿酸血症は通風、腎不全をきたし、また冠動脈疾患の危険因子とも考えられ、高血圧症をはじめとする生活習慣病の発症進展とも密接な関わりが指摘されている。従って、高尿酸血症の治療は単に痛風の治療ばかりでなく、高齢化に伴う種々の生活習慣病の予防につながる。
現在、高尿酸血症の治療には、アロプリノールに代表される尿酸生成抑制剤とベンズブロマロンに代表される尿酸排泄促進剤が用いられている。ところで、アロプリノールは皮疹、肝障害、骨髄抑制等の副作用を有することが広く知られており、またアロプリノールとその代謝産物(オキシプリノール)は腎から排泄されるが、尿酸の排泄低下があると、これらの排泄も遅延して血中濃度が上昇しやすく、副作用の発現可能性が高まることが指摘されている。
一方、ベンズブロマロンについても、最近肝障害が報告されており、この分野では薬剤の選択枝を広げる意味からも新薬の開発が望まれている。
最近、プリン骨格を有さないキサンチンオキシダーゼ阻害剤としてTMX−67(帝人、特許文献1:WO 92/09279号公報)、Y−700(三菱ウエルファーマ、特許文献2:WO 98/18765号公報)、KT651(寿、特許文献3:特開平12−1431号公報)などが報告されている。
【0003】
【化1】

【0004】
【化2】

【0005】
本発明者らはこれらとは構造の異なる二環性のヘテロ縮合環に関する研究を行い、特許出願(特許文献4:WO 03/042185号公報)を行っている。
本発明者らはさらに研究を進め4−ヒドロキシ−2−フェニルチアゾロ[5,4−d]ピリミジン又は4−ヒドロキシ−2−フェニルオキサゾロ[5,4−d]ピリミジンのフェニル基の3位にシアノ基、そして4位にフェノキシ基等を有する下記一般式(I)で表される化合物が優れたキサンチンオキシダーゼ阻害作用を有することを見いだし、本発明を完成した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】WO 92/09279号公報
【特許文献2】WO 98/18765号公報
【特許文献3】特開平12−1431号公報
【特許文献4】WO 03/042185号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的はキサンチンオキシダーゼ(XOD)阻害作用を有する下記一般式(I)で表される化合物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
即ち、本発明は、次の一般式(I)、
【0009】
【化3】

【0010】
(式中、Rは、置換基として炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のハロゲン原子で置換されたアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数1〜8のアルコキシ基で置換された炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数2〜8のアルコキシカルボニル基、ホルミル基、カルボキシル基、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、炭素数6〜10のアリール基若しくは炭素数6〜10のアリールオキシ基から選ばれる基又は原子を有していても良い炭素数6〜10のアリール基若しくはヘテロアリール基を表し、
はシアノ基、ニトロ基、ホルミル基、カルボキシル基、カルバモイル基又は炭素数2〜8のアルコキシカルボニル基を表し、
は、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基、OR又はNHRを表し、ここで、R及びRは置換基としてハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、炭素数6〜10のアリール基若しくは炭素数6〜10のアリールオキシ基から選ばれる基又は原子を有していても良い炭素数1〜8のアルキル基を表し、
Xは酸素原子、−N(R)−又は−S(O)−を表し、ここでRは、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基を表すか又は前記のRと同じものを表し、nは0〜2の整数を表し、
そしてYは酸素原子又は硫黄原子を表す。)
で表される化合物又はその塩に関する。
また本発明は上記一般式(I)で表される化合物又はその塩を有効成分として含有するキサンチンオキシダーゼ阻害剤に関する。
さらにまた本発明は上記一般式(I)で表される化合物又はその塩を有効成分として含有する高尿酸血症治療剤に関する。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に本発明を詳細に説明する。
上記一般式(I)において、R,R,R、及びRの炭素数6〜10のアリール基若しくはヘテロアリール基が有していても良い置換基である炭素数1〜8のアルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基又はペンチル基等が挙げられる。
の炭素数6〜10のアリール基又はヘテロアリール基が有していても良い置換基である炭素数1〜8のハロゲン原子で置換されたアルキル基としては1〜3個のフッ素原子、塩素原子、又は臭素原子等を置換基として有するメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基又はペンチル基等が挙げられる。
の炭素数6〜10のアリール基又はヘテロアリール基が有していても良い置換基である炭素数1〜8のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブチルオキシ基、イソブチルオキシ基、t−ブチルオキシ基又はペンチルオキシ基等が挙げられる。
の炭素数6〜10のアリール基又はヘテロアリール基が有していても良い置換基である炭素数1〜8のアルコキシ基で置換された炭素数1〜8のアルコキシ基としては、メトキシメトキシ基等が挙げられる。
、及びRの炭素数6〜10のアリール基若しくはヘテロアリール基が有していても良い置換基である炭素数2〜8のアルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基又はプロピルオキシカルボニル基等が挙げられる。
の炭素数6〜10のアリール基又はヘテロアリール基が有していても良い置換基並びにR及びRの炭素数1〜8のアルキル基が有していても良い置換基であるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子若しくは臭素原子等が挙げられる。
、並びにRの炭素数6〜10のアリール基若しくはヘテロアリール基が有していても良い置換基、R及びRの炭素数1〜8のアルキル基が有していても良い置換基である炭素数6〜10のアリール基としては、フェニル基又はナフチル基等が挙げられる。
の炭素数6〜10のアリール基若しくはヘテロアリール基が有していても良い置換基、並びにR及びRの炭素数1〜8のアルキル基が有していても良い置換基である炭素数6〜10のアリールオキシ基としては、フェニルオキシ基又はナフチルオキシ基等が挙げられる。
のヘテロアリール基としては、フリル基、ピロリル基、チエニル基、イミダゾリル基、ピリミジニル基、チアゾリル基、ピリジル基、インドリル基又はキノリル基等が挙げられる。
そして、nは0が好ましい。

上記一般式(I)で表される化合物は、薬理学的に許容される塩であってもよく、例えばナトリウム、カリウム、又はリチウム等のアルカリ金属塩が挙げられる。

更に、本発明化合物としては、次に示す化合物又はその塩が好ましい。
(1)
本発明化合物としては、Rが、置換基として炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のハロゲン原子で置換されたアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数2〜8のアルコキシカルボニル基、ホルミル基、カルボキシル基、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、炭素数6〜10のアリール基若しくは炭素数6〜10のアリールオキシ基から選ばれる基又は原子を有していても良いフェニル基、ナフチル基、フリル基、ピロリル基、チエニル基、イミダゾリル基、ピリミジニル基、チアゾリル基、ピリジル基、インドリル基若しくはキノリル基であるである上記一般式(I)記載の化合物又はその塩が好ましい。
(2)
本発明化合物としては、Rが、置換基として炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のハロゲン原子で置換されたアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数2〜8のアルコキシカルボニル基、ホルミル基、カルボキシル基、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、炭素数6〜10のアリール基若しくは炭素数6〜10のアリールオキシ基から選ばれる基又は原子を有していても良いフェニル基である上記一般式(I)記載の化合物又はその塩が好ましい。
(3)
本発明化合物としては、Rが、置換基として炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のハロゲン原子で置換されたアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数2〜8のアルコキシカルボニル基、ホルミル基、カルボキシル基、ハロゲン原子、フェニル基若しくはフェノキシ基から選ばれる基又は原子を有していても良いフェニル基である上記一般式(I)記載の化合物又はその塩が好ましい。
(4)
本発明化合物としては、Rが、シアノ基又はニトロ基である上記一般式(I)記載の化合物若しくはその塩、又は上記(1)〜(3)の何れかに記載の化合物又はその塩が好ましい。
(5)
本発明化合物としては、Rが、シアノ基である上記一般式(I)記載の化合物若しくはその塩、又は上記(1)〜(3)の何れかに記載の化合物又はその塩が好ましい。
(6)
本発明化合物としては、Rが、水酸基である上記一般式(I)記載の化合物若しくはその塩、又は上記(1)〜(5)の何れかに記載の化合物又はその塩が好ましい。
(7)
本発明化合物としては、Rの置換位置が(二環性の)ヘテロ縮合環の4位である上記一般式(I)記載の化合物若しくはその塩、又は上記(1)〜(6)の何れかに記載の化合物又はその塩が好ましい。
(8)
本発明化合物としては、Xが、酸素原子、NH又は硫黄原子である上記一般式(I)記載の化合物若しくはその塩、又は上記(1)〜(7)の何れかに記載の化合物又はその塩が好ましい。
(9)
本発明化合物としては、Xが、酸素原子である上記一般式(I)記載の化合物若しくはその塩、又は上記(1)〜(7)の何れかに記載の化合物又はその塩が好ましい。
(10)
本発明化合物としては、Yが、硫黄原子である上記一般式(I)記載の化合物若しくはその塩、又は上記(1)〜(9)の何れかに記載の化合物又はその塩が好ましい。

次に上記一般式(I)で表される本発明化合物の合成方法を示す。
(合成方法1)
Y=Sの場合
【0012】
【化4】

【0013】
(式中Zは塩素原子等のハロゲン原子を表し、そしてR、R、R及びXは前記と同じ)

一般式(c)で表される本発明化合物は、一般式(a)で表される化合物と一般式(b)で表される2−フェニルチアゾロ[5,4−d]ピリミジン誘導体とを反応させることで得ることができる。
ここで、X=Oの場合は、水素化ナトリウム等の塩基の存在下、DMSO等の溶媒中で室温〜60℃で反応を行うことができる。
X=Sの場合は、炭酸カリウム等の塩基の存在下、エタノール等の溶媒中で加熱還流することで反応を行うことができる。
一方、X=NHの場合は酸化銅及び炭酸カリウム等の塩基の存在下、加熱還流することで反応を行うことができる。

ここで、原料である一般式(b)で表される2−フェニルチアゾロ[5,4−d]ピリミジン誘導体は例えば以下の方法等により得ることができる。

原料の合成方法(1)
【0014】
【化5】

【0015】
【化6】

【0016】

原料の合成方法(2)
【0017】
【化7】

【0018】
【化8】

【0019】

(合成方法2)
Y=Oの場合
【0020】
【化9】

【0021】
(式中、R、R、R及びXは前記と同じ)

一般式(f)で表される本発明化合物は、一般式(d)で表される安息香酸無水物と一般式(e)で表される5−アミノ−4−ヒドロキシピリミジン誘導体とを加熱反応に付すことにより得ることができる。

ここで、原料である一般式(d)で表される安息香酸無水物は、例えば以下の方法等により得ることができる。

原料の合成方法(3)
【0022】
【化10】

【0023】

上記一般式(I)で表される化合物の塩は、例えばRが水酸基である本発明化合物を、クロロホルム、メタノール等の溶媒中、水酸化カリウムと反応させることでR=OKである本発明化合物を得ることができる。

本発明化合物は、上記の合成方法1,2、後記の実施例、並びに特許文献1他、公知の方法を用いて製造することができる。

斯くして得られた本発明化合物例を表1〜10に示す。
【0024】
【化11】

【0025】
(R,R,R,X及びYは表1〜10記載)
【0026】
【表1】

【0027】
【表2】

【0028】
【表3】

【0029】
【表4】

【0030】
【表5】

【0031】
【表6】

【0032】
【表7】

【0033】
【表8】

【0034】
【表9】

【0035】
【表10】

【0036】

次に本発明の薬理効果について述べる。
本発明化合物がキサンチンオキシダーゼ阻害作用(in vitro試験)を有することは、実施例50記載のようにキサンチンオキシダーゼがキサンチンを酸化するのを抑制する阻害活性を測定することにより確認した。表11及び12から明らかなように本発明化合物は優れたキサンチンオキシダーゼ阻害作用を示した。
また、in vivoの試験としてマウスを用いた経口投与後の血漿中の尿酸値を求めた実験からも本発明化合物がキサンチンオキシダーゼ阻害作用を有することが確認されている。(実施例51,表11及び12参照)
従って、本発明の一般式(I)で表される化合物は高尿酸血症、痛風の予防、あるいは治療剤として期待される。

本発明化合物は、ヒトに対して一般的な経口投与又は非経口投与のような適当な投与方法によって投与することができる。
製剤化するためには、製剤の技術分野における通常の方法で錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤、懸濁剤、注射剤、坐薬等の剤型に製造することができる。
これらの調製には、通常の賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、色素、希釈剤などが用いられる。ここで、賦形剤としては、乳糖、D−マンニトール、結晶セルロース、ブドウ糖などが、崩壊剤としては、デンプン、カルボキシメチルセルロースカルシウム(CMC−Ca)などが、滑沢剤としては、ステアリン酸マグネシウム、タルクなどが、結合剤としては、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ゼラチン、ポリビニルピロリドン(PVP)などが挙げられる。

投与量は通常成人においては、注射剤で有効成分である本発明化合物を1日約0.1mg〜100mg,経口投与で1日1mg〜2000mgであるが、年齢、症状等により増減することができる。

次に、実施例、参考例を挙げ、本発明を更に詳細に説明するが本発明はこれらに限定されるものではない。
【実施例】
【0037】
参考例1
4−クロロ−N−(4−クロロ−6−メトキシ−5−ピリミジニル)−3−ニトロベンズアミド
4−クロロ−3−ニトロ安息香酸(30.2g,150mmol)を酢酸エチル(150mL)に懸濁し、塩化チオニル(22mL,300mmol)を加え5時間加熱還流した。この反応液を減圧下濃縮し、残渣を乾燥ベンゼンから2回、ジクロロメタンから2回減圧下濃縮した。得られた酸クロリドをジクロロメタン(20mL)に溶解し、5−アミノ−4−クロロ−6−メトキシピリミジン(16.0g,100mmol)のジクロロメタン(100mL)溶液に加え、16時間加熱還流した。室温まで冷却後、析出結晶を濾取し、ジクロロメタン(20mL)で4回洗って、34.3g(収率100%)の標題化合物を白色結晶として得た。
H−NMR(CDCl):δ=4.07(3H,s),7.35(1H,s),7.74(1H,d,J=8Hz),8.08(1H,dd,J=2Hz,8Hz),8.42(1H,d,J=2Hz),8.55(1H,s).

参考例2
2−(4−クロロ−3−ニトロフェニル)−4−メトキシチアゾロ[5,4−d]ピリミジン
上記4−クロロ−N−(4−クロロ−6−メトキシ−5−ピリミジニル)−3−ニトロベンズアミド(150.6g,439mmol)およびローソン試薬(133.4g,130mmol)をTHF(4.5L)に加え、8時間加熱還流し、減圧下溶媒を留去した。残渣に酢酸エチル(1.3L)を加え、1時間加熱還流し、ヘキサン(1.3L)を加えた後、室温まで冷却した。結晶を濾取し、酢酸エチル/ヘキサン=1/2混合溶媒(700mL)およびヘキサン(500mL)で順次洗浄後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム)に付した。得られた結晶を酢酸エチル/ヘキサン=1/4混合溶媒(500mL)に懸濁し、30分間加熱還流後、室温まで冷却した。結晶を濾取し、酢酸エチル/ヘキサン=1/4混合溶媒(50mL)で洗浄後、減圧下室温で乾燥して33.3g(収率24%)の標題化合物を淡黄色結晶として得た。
mp:235−238℃(分解).
H−NMR(CDCl,400MHz):δ=4.28(3H,s),7.71(1H,d,J=9Hz),8.22(1H,dd,J=2Hz,9Hz),8.61(1H,d,J=2Hz),8.72(1H,s).

参考例3
2−(4−クロロ−3−ニトロフェニル)−4−ヒドロキシチアゾロ[5,4−d]ピリミジン
上記2−(4−クロロ−3−ニトロフェニル)−4−メトキシチアゾロ[5,4−d]ピリミジン(33.3g,103mmol)をジクロロメタン(3L)に懸濁し、三臭化ホウ素(39mL,413mmol)のジクロロメタン(330mL)溶液を滴下した。室温で46時間、37−38℃で13時間撹拌し、氷(600g)を加えた後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液をpH3−4になるまで加え、30分間撹拌した。結晶を濾取し、水(500mL)、ジクロロメタン(500mL)、水(500mL)、ジクロロメタン(500mL)、アセトン(200mL)で順次洗浄後、風乾した。得られた結晶を酢酸エチル(160mL)に懸濁し、30分間加熱還流後、室温まで冷却した。結晶を濾取し、酢酸エチル(80mL)で洗浄後、減圧下50℃で乾燥して24.9g(収率78%)の標題化合物を淡黄色結晶として得た。
mp:325−327℃(分解).
H−NMR(DMSO−d,400MHz):δ=7.96(1H,d,J=8Hz),8.2−8.4(2H,m),8.65(1H,d,J=2Hz),12.95(1H,s).

参考例4
2−(4−クロロ−3−ニトロフェニル)−4−メルカプトチアゾロ[5,4−d]ピリミジン
4−クロロ−N−(4−クロロ−6−メトキシ−5−ピリミジニル)−3−ニトロベンズアミド(100mg,0.29mmol)およびローソン試薬(80mg,0.20mmol)をトルエン(2mL)に加え、5時間加熱還流し、減圧下溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)で精製して、10.2mg(収率11%)の標題化合物を黄色結晶として得た。
H−NMR(CDOD/CDCl=1/20,400MHz):δ=7.71(1H,d,J=8Hz),8.05(1H,s),8.28(1H,dd,J=2Hz,8Hz),8.32(1H,s),8.58(1H,d,J=2Hz).
【実施例1】
【0038】
2−[4−(4−クロロフェニルチオ)−3−ニトロフェニル]−4−メルカプトチアゾロ[5,4−d]ピリミジン
上記2−(4−クロロ−3−ニトロフェニル)−4−メルカプトチアゾロ[5,4−d]ピリミジン(10.2mg,0.031mmol)、炭酸カリウム(6.1mg,0.044mmol)および4−クロロチオフェノール(47mg,0.032mmol)をエタノール(2mL)に加え、2時間加熱還流し、減圧下溶媒を留去した。残渣に水(0.5mL)を加え、1M塩酸水溶液をpH2になるまで加えて酢酸エチルで抽出した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)で精製して、8.9mg(収率66%)の標題化合物を黄色結晶として得た。
H−NMR(CDOD/CDCl=1/20,400MHz):δ=7.07(1H,d,J=9Hz),7.6−7.8(4H,m),8.17(1H,dd,J=2Hz,9Hz),8.32(1H,s),8.81(1H,dd,J=2Hz,9Hz),14.31(1H,s).
FAB−MS(m/e):433(M+1).
【実施例2】
【0039】
2−[4−(4−クロロフェニルチオ)−3−ニトロフェニル]−4−ヒドロキシチアゾロ [5,4−d]ピリミジン
上述の2−(4−クロロ−3−ニトロフェニル)−4−ヒドロキシチアゾロ [5,4−d]ピリミジン (123mg,0.40mmol)、炭酸カリウム(77mg,0.56mmol)、4−クロロチオフェノール(64mg,0.44mmol)、及びエタノール(22mL)を混合し、窒素雰囲気下3時間加熱還流した。この反応混合物に、氷冷攪拌下2M塩酸(1mL)を加え、室温で30分間攪拌した。析出結晶を濾取し、エタノールで2回、水で3回洗って、132mg(収率79%)の標題化合物を黄色結晶として得た。
H−NMR(DMSO−d):δ=7.06(1H,d,J=8Hz),7.66(2H,d,J=7Hz),7.71(2H,d,J=7Hz),8.16(1H,d,J=8Hz),8.26(1H,s), 8.77(1H,s),12.95(1H,s).
FAB-MS(m/e):417(M+1).
【実施例3】
【0040】
2−[4−(4−クロロフェニルチオ)−3−ニトロフェニル]−4−ヒドロキシチアゾロ [5,4−d]ピリミジン カリウム塩
上記2−[4−(4−クロロフェニルチオ)−3−ニトロフェニル]−4−ヒドロキシチアゾロ [5,4−d]ピリミジン(42mg,0.10mmol)をクロロホルム(21mL)−メタノール(7mL)に溶解し、86%水酸化カリウム(7mg,0.11mmol)をメタノール(3.5mL)に溶解して加えた。この混合液を減圧下濃縮し、残渣をメタノール、次いでクロロホルムで洗って、24mg(収率53%)の標題化合物を黄色結晶として得た。
H−NMR(DMSO−d):δ=7.03(1H,d,J=8Hz),7.64(2H,d,J=9Hz),7.70(2H,d,J=9Hz),7.96(1H,s),8.05(1H,dd,J=2Hz,8Hz),8.69(1H,d,J=2Hz).
【実施例4】
【0041】
4−ヒドロキシ−2−(3−ニトロ−4−フェニルチオフェニル)チアゾロ[5,4−d]ピリミジン
上述の2−(4−クロロ−3−ニトロフェニル)−4−ヒドロキシチアゾロ[5,4−d]ピリミジン(15mg,0.049mmol)、炭酸カリウム(10mg,0.072mmol)およびチオフェノール1%エタノール溶液(0.7mL,0.064mmol)をエタノール(2mL)に加え、一晩加熱還流した。反応溶液に炭酸カリウム(10mg,0.072mmol)およびチオフェノール1%エタノール溶液(0.7mL,0.064mmol)を加え、さらに5時間加熱還流後、室温まで冷却した。水(3.4mL)を加え、1M塩酸水溶液をpH6−7になるまで加えて析出した結晶を濾取し、エタノール/水=1/1混合溶媒(1mL)、および水(0.5mL)で順次洗浄後、減圧下室温で乾燥して12.8mg(収率68%)の標題化合物を黄色結晶として得た。
H−NMR(DMSO−d,400MHz):δ=7.01(1H,d,J=9Hz),7.5−7.6(3H,m),7.6−7.8(2H,m),8.15(1H,dd,J=2Hz,9Hz),8.26(1H,s),8.78(1H,d,J=2Hz),12.94(1H,s).
FAB−MS(m/e):383(M+1).
【実施例5】
【0042】
2−[4−(4−クロロフェノキシ)−3−ニトロフェニル]−4−ヒドロキシチアゾロ[5,4−d]ピリミジン
4−クロロフェノール(1.80g,14.0mmol)をDMSO(36mL)に溶解し、水冷下、60%水素化ナトリウム(1.17g,29.3mmol)を加えて室温で30分間撹拌後、上述の2−(4−クロロ−3−ニトロフェニル)−4−ヒドロキシチアゾロ[5,4−d]ピリミジン(3.60g,11.7mmol)を加え、室温で24時間撹拌した。氷水(36mL)を加え、1M塩酸水溶液をpH4になるまで加えて析出した結晶を濾取し、水(50mL×2)で洗浄した。得られた結晶をエタノール/水=1/1混合溶媒(30mL)に懸濁し、室温で30分間撹拌後、結晶を濾取した。エタノール/水=1/1混合溶媒(20mL)および水(50mL)で順次洗浄し、減圧下室温で乾燥後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノール/クロロホルム)で精製を繰り返した。得られた結晶をエタノール(140mL)に懸濁し、10分間加熱還流後、室温まで冷却した。結晶を濾取し、エタノール(20mL)で洗浄後、減圧下室温で乾燥して2.65g(収率57%)の標題化合物を黄色結晶として得た。
mp:304−306℃(分解).
H−NMR(DMSO−d,400MHz):δ=7.22−7.27(2H,m),7.29(1H,d,J=9Hz),7.5−7.6(2H,m),8.2−8.3(2H,m),8.64(1H,d,J=2Hz),12.94(1H,s).
IR(KBr)cm−1:3066,2924,2345,1695,1616,1570,1537,1481,1456,1419,1352,1304,1265,1248,1223,1196,1159,1151,1128,1084,1014,978,850.
FAB−MS(m/e):401(M+1).

参考例5
4−(4−クロロフェニルチオ)−3−ニトロ安息香酸エチルエステル
4−クロロ−3−ニトロ安息香酸エチルエステル(1.10g,4.79mmol)、4−クロロチオフェノール(0.72g,4.98mmol)及び炭酸カリウム(0.95g,6.78mmol)をエタノール(15mL)に懸濁し、3時間加熱還流した。減圧下溶媒を留去後、水(100mL)を加え、酢酸エチル(100mLx2)で抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)で精製することにより、767mg(収率47%)の標題化合物を黄色結晶として得た。
H−NMR(CDCl,400MHz):δ=1.40(3H,t,J=7Hz),4.40(2H,q,J=7Hz),6.90(1H,d,J=9Hz),7.4−7.6(4H,m),7.97(1H,dd,J=2Hz,9Hz),8.86(1H,d,J=2Hz).

参考例6
4−(4−クロロフェニルチオ)−3−ニトロ安息香酸
上記4−(4−クロロフェニルチオ)−3−ニトロ安息香酸エチルエステル(760mg,2.25mmol)をエタノール(5mL)及びTHF(10mL)の混合溶媒に溶解後、2M水酸化ナトリウム水溶液(2.25mL,4.50mmol)を加え、室温で4時間撹拌した。減圧下溶媒を留去後、水(20mL)及び2M塩酸水溶液を加え、pH2とした。析出した結晶を濾過後、水(5mLx3)、エタノール/水=1/4混合溶液(5mL)及びヘキサン(5mLx2)で洗浄し、減圧下40℃で乾燥することにより、703mg(収率100%)の標題化合物を黄色結晶として得た。
H−NMR(CDCl,400MHz):δ=6.85(1H,d,J=9Hz),7.4−7.6(4H,m),7.96(1H,dd,J=2Hz,9Hz),8.82(1H,d,J=2Hz).

参考例7
4−(4−クロロフェニルチオ)−3−ニトロ安息香酸無水物
上記4−(4−クロロフェニルチオ)−3−ニトロ安息香酸(260mg,0.84mmol)を塩化チオニル(2mL)に懸濁後、乾燥DMF(1滴)を加え、1.5時間加熱還流した。減圧下溶媒を留去後、残渣に乾燥ベンゼンを加えて残存する塩化チオニルとともに減圧下乾燥ベンゼンを留去した。得られた残渣を乾燥THF(7mL)に溶解後、氷冷下、4−(4−クロロフェニルチオ)−3−ニトロ安息香酸(260mg,0.84mmol)及びトリエチルアミン(0.5mL,3.59mmol)を加え、18時間加熱還流した。室温まで冷却し、減圧下溶媒を留去後、得られた残渣をクロロホルム(50mL)に溶解した。0.5M塩酸水溶液(10mL)、飽和重曹水(10mL)及び飽和食塩水(10mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去することにより、417mg(83%)の標題化合物を褐色結晶として得た。
H−NMR(CDCl,400MHz):δ=6.99(2H,d,J=9Hz),7.4−7.6(8H,m),8.02(2H,dd,J=2Hz,9Hz),8.92(2H,d,J=2Hz).
【実施例6】
【0043】
2−[4−(4−クロロフェニルチオ)−3−ニトロフェニル]−4−ヒドロキシオキサゾロ[5,4−d]ピリミジン
上記4−(4−クロロフェニルチオ)−3−ニトロ安息香酸無水物(300mg,0.50mmol)及び5−アミノ−4,6−ジヒドロキシピリミジン塩酸塩(50mg,0.31mmol)を150℃で1時間加熱撹拌した。室温まで冷却後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノール/クロロホルム)で精製し、得られた粗体をクロロホルム(10mL)中で30分間撹拌した。結晶を濾過後、クロロホルムで洗浄することにより、21mg(収率13%)の標題化合物を黄色結晶として得た。
mp:>250℃.
H−NMR(DMSO−d,400MHz):δ=7.10(1H,d,J=9Hz),7.67(2H,d,J=8Hz),7.71(2H,d,J=8Hz),8.22(1H,dd,J=2Hz,9Hz),8.30(1H,s),8.79(1H,d,J=2Hz),13.04(1H,s).
IR(KBr,cm−1):3429,3076,1720,1612,1549,1522,1475,1458,1338,1298,1240,1207,1093,1066,1014,906,876,825,781,748,729.
FAB−MS(m/e):401(M+1).
【実施例7】
【0044】
4−ヒドロキシ−2−(3−ニトロ−4−フェノキシフェニル)チアゾロ [5,4−d]ピリミジン
60%水素化ナトリウム(360mg,9.00mmol)をDMSO(12mL)に懸濁し、水冷攪拌下フェノール(847mg,9.00mmol)を加え、室温で30分間、続いて50℃で1時間攪拌した。これに、水冷攪拌下、上述の2−(4−クロロ−3−ニトロフェニル)−4−ヒドロキシチアゾロ [5,4−d]ピリミジン(926mg,3.00mmol)を加え、室温で6時間攪拌した。この反応混合物に、水冷攪拌下2M塩酸(6mL)、及び水(18mL)を加え、30分間攪拌した。析出結晶を濾取し、水で数回洗った。一晩風乾後、エーテル(3mL)で3回、クロロホルム(6mL)で3回、次いでエタノール(9mL)で2回洗って、880mg(収率80%)の標題化合物を黄色結晶として得た。
mp:278−281℃(分解).
H−NMR(DMSO−d):δ=7.2−7.6(6H,m),8.25(1H,s),8.26(1H,dd,J=2Hz,8Hz),8.63(1H,d,J=2Hz),12.93(1H,s).
IR(KBr)cm−1:3070,1697,1616,1589,1570,1537,1489,1456,1350,1304,1265,1246,1221,1192,1161,760.
FAB−MS(m/e):367(M+1).
【実施例8】
【0045】
2−(3−ニトロ−4−フェノキシフェニル)―4―ヒドロキシチアゾロ[5,4−d]ピリミジン カリウム塩
上記2−(3−ニトロ−4−フェノキシフェニル)―4―ヒドロキシチアゾロ[5,4−d]ピリミジン(250mg,0.68mmol)をエタノール(10mL)に懸濁し、0.5mol/L水酸化カリウムのエタノール溶液(1.36mL,0.68mmol)を加え室温で3時間撹拌した。析出した固形物を濾取しエタノールにて洗浄後、減圧下、室温で乾燥し227mg(収率82%)の標題化合物を黄色結晶として得た。
mp:>260℃(分解).
H−NMR(DMSO−d,400MHz):δ=7.2−7.3(4H,m),7.4−7.5(2H,m),7.95(1H,s),8.15(1H,dd,J=2Hz,9Hz),8.52(1H,d,J=2Hz).
IR(KBr)cm−1:3421,1618,1577,1573,1481,1338,1294,1261,1192,1163,1081,1022,985,898,843,804,750,690.
FAB−MS(m/e):405(M+1).

参考例8
4−クロロ−3−シアノ安息香酸
亜硝酸ナトリウム(10.0g,145mmol)を0℃で濃硫酸(60mL)及び水(95mL)中の3−アミノ−4−クロロ安息香酸(10.0g,57.1mmol)の撹拌混合物に加えた。反応溶液を0℃で2時間撹拌し、次いで、水(250mL)及びベンゼン(175mL)中のシアン化銅(7.1g,79.3mmol)、シアン化カリウム(21.7g,333mmol)及び炭酸カリウム(285g,2.06mol)の撹拌混合物に15℃以下で加えた後、80℃で1時間加熱撹拌した。室温まで放冷し、氷冷下撹拌後、不溶物をセライト濾過した。ベンゼン(100mL)及びエーテル(100mL)で洗浄し、水層を分取後、氷冷下撹拌しながら濃塩酸でpH2とした。エーテル(200mLx2)で抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)で精製を繰り返すことにより、2.0g(収率19%)の標題化合物を淡褐色結晶として得た。
H−NMR(CDCl/CDOD=20/1,400MHz):δ=7.61(1H,d,J=9Hz),8.20(1H,dd,J=2Hz,9Hz),8.36(1H,d,J=2Hz).

参考例9
4−クロロ−N−(4−クロロ−6−メトキシ−5−ピリミジニル)−3−シアノベンズアミド
上記4−クロロ−3−シアノ安息香酸(1.20g,6.61mmol)を乾燥ベンゼン(10mL)に懸濁後、塩化チオニル(0.58mL,7.95mmol)を加え、4時間加熱還流した。減圧下溶媒を留去後、残渣に乾燥ジクロロメタン(10mL)を加えて残存する塩化チオニルとともに減圧下乾燥ジクロロメタンを留去した。残渣を乾燥ジクロロメタン(5mL)に溶解後、5−アミノ−4−クロロ−6−メトキシピリミジン(2.11g,13.2mmol)の乾燥ジクロロメタン(45mL)溶液に氷冷下5分間かけて滴下し、室温で115時間撹拌した。析出した結晶を濾過し、ジクロロメタン(5mLx2)で洗浄後、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノール/クロロホルム)で精製を繰り返すことにより、1.61g(収率75%)の標題化合物を淡褐色結晶として得た。
H−NMR(CDCl,400MHz):δ=4.07(3H,s),7.40(1H,s),7.69(1H,d,J=9Hz),8.09(1H,dd,J=2Hz,9Hz),8.23(1H,d,J=2Hz),8.54(1H,s).

参考例10
2−(4−クロロ−3−シアノフェニル)−4−メトキシシチアゾロ[5,4−d]ピリミジン
窒素雰囲気下、上記4−クロロ−N−(4−クロロ−6−メトキシ−5−ピリミジニル)−3−シアノベンズアミド(1.10g,3.40mmol)及びローソン試薬(1.03g,2.55mmol)を乾燥ベンゼン(40mL)に懸濁し、16時間加熱還流した。減圧下溶媒を留去後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム)で精製することにより、403mg(収率39%)の標題化合物を白色結晶として得た。
H−NMR(CDCl,400MHz):δ=4.28(3H,s),7.67(1H,d,J=9Hz),8.22(1H,dd,J=2Hz,9Hz),8.44(1H,d,J=2Hz),8.72(1H,s).

参考例11
2−(4−クロロ−3−シアノフェニル)−4−ヒドロキシチアゾロ[5,4−d]ピリミジン
窒素雰囲気下、上記2−(4−クロロ−3−シアノフェニル)−4−メトキシチアゾロ[5,4−d]ピリミジン(164mg,0.54mmol)を乾燥ジクロロメタン(15mL)に懸濁後、氷冷下、三臭化ホウ素(0.3mL,3.17mmol)の乾燥ジクロロメタン(15mL)溶液を加え、室温で16時間撹拌した。反応溶液に三臭化ホウ素(0.05mL,0.53mmol)の乾燥ジクロロメタン(2.5mL)溶液を追加し、室温で24時間撹拌した。更に、三臭化ホウ素(0.1mL,1.06mmol)の乾燥ジクロロメタン(5mL)溶液を追加し、室温で96時間撹拌した。減圧下溶媒を留去し、得られた残渣に氷水(20mL)を加え、結晶を濾過後、水(5mLx3)で洗浄した。得られた粗結晶をエタノール(20mL)に懸濁し、減圧下溶媒を留去後、クロロホルム(20mL)を加え、室温で20分間撹拌した。得られた結晶を濾過後、クロロホルム(5mLx3)で洗浄することにより、149mg(収率96%)の標題化合物を淡褐色結晶として得た。
H−NMR(DMSO−d,400MHz):δ=7.94(1H,d,J=8Hz),8.27(1H,d,J=4Hz),8.35(1H,dd,J=2Hz,8Hz),8.57(1H,d,J=2Hz),12.94(1H,s).
IR(KBr,cm−1):3427,3028,2933,2233,1714,1676,1601,1585,1570,1491,1489,1466,1392,1356,1286,1252,1174,1138,1059,1024,978,903,893,856,806.
【実施例9】
【0046】
2−[4−(4−クロロフェニルチオ)−3−シアノフェニル]−4−ヒドロキシチアゾロ[5,4−d]ピリミジン
窒素雰囲気下、上記2−(4−クロロ−3−シアノフェニル)−4−ヒドロキシチアゾロ[5,4−d]ピリミジン(60mg,0.21mmol)、4−クロロチオフェノール(34mg,0.24mmol)及び炭酸カリウム(41mg,0.30mmol)を乾燥エタノール(15mL)に懸濁し、5時間加熱還流した。次に4−クロロチオフェノール(34mg,0.24mmol)、炭酸カリウム(41mg,0.30mmol)及び乾燥エタノール(15mL)を追加し、3時間加熱還流した。更に4−クロロチオフェノール(34mg,0.24mmol)及び炭酸カリウム(41mg,0.30mmol)を追加し、3時間加熱還流した。室温まで冷却後、氷冷下、1M塩酸水溶液を加え、pH3とし、析出した結晶を濾過後、エタノール(5mLx2)及び水(5mLx3)で洗浄した。得られた結晶を減圧下50℃で乾燥することにより、60mg(収率75%)の標題化合物を淡褐色結晶として得た。
H−NMR(DMSO−d,400MHz):δ=7.31(1H,d,J=9Hz),7.59(4H,s),8.21(1H,dd,J=2Hz,9Hz),8.25(1H,s),8.48(1H,d,J=2Hz),12.92(1H,s).
IR(KBr,cm−1):3433,1680,1597,1572,1477,1462,1383,1356,1248,1178,1092,1059,1012,974,912,891,820,746,708.
FAB−MS(m/e):397(M+1).
【実施例10】
【0047】
2−[4−(4−クロロフェニルチオ)−3−シアノフェニル]−4−ヒドロキシチアゾロ[5,4−d]ピリミジン カリウム塩
上記2−[4−(4−クロロフェニルチオ)−3−シアノフェニル]−4−ヒドロキシチアゾロ[5,4−d]ピリミジン(120mg,0.30mmol)をエタノール(6mL)に懸濁し、0.5mol/L水酸化カリウム/エタノール溶液(0.7mL)を加え、室温で1時間撹拌した。結晶を濾取し、エタノール(5mL)で洗浄後、減圧下50℃で乾燥して126mg(収率97%)の標題化合物を黄色結晶として得た。
mp:290−295℃(分解).
H−NMR(DMSO−d,400MHz):δ=7.36(1H,d,J=8Hz),7.5−7.6(4H,m,),7.96(1H,s),8.13(1H,dd,J=2Hz,8Hz),8.35(1H,d,J=2Hz).
IR(KBr,cm−1):3421,3394,2225,1576,1468,1396,1389,1329,1298,1211,1136,1093,1065,1011,984.
FAB−MS(m/e):435(M+1).
【実施例11】
【0048】
2−[4−(4−クロロ−1−ナフトキシ)−3−ニトロフェニル]−4−ヒドロキシチアゾロ [5,4−d]ピリミジン
60%水素化ナトリウム(20mg,0.50mmol)をDMSO(3mL)に懸濁し、4−クロロ−1−ナフトール(71mg,0.40mmol)を加え、室温で30分間攪拌した。得られた暗緑色溶液に上述の2−(4−クロロ−3−ニトロフェニル)−4−ヒドロキシチアゾロ [5,4−d]ピリミジン(31mg,0.10mmol)を加え、室温で30分間、50℃で16時間、続いて60℃で24時間攪拌した。この反応混合物に水冷攪拌下、冷水(2.5mL)、及び2M塩酸(0.5mL)を加え、10分間攪拌した。析出結晶を濾取し、水、次いでエタノールで洗い、クロロホルムで抽出した。このクロロホルム溶液を減圧下濃縮して褐色固形物55mgを得た。シリカゲルカラムクロマトグラフィーに処し、ヘキサン/酢酸エチル=1/2の混合溶媒で溶出して、14mg(収率31%)の標題化合物を褐色結晶として得た。
H−NMR(CDCl3):δ=6.95(1H,d,J=9Hz),7.10(1H,d,J=8Hz),7.59(1H,d,J=9Hz),7.6−7.8(2H,m),8.1−8.2(2H,m),8.14(1H,s),8.34(1H,d,J=8Hz),8.71(1H,d,J=2Hz),11.68(1H,s).
FAB−MS(m/e):451(M+1).
【実施例12】
【0049】
2−[4−(4−フルオロフェノキシ)−3−ニトロフェニル]−4−ヒドロキシチアゾロ[5,4−d]ピリミジン
窒素雰囲気下、4−フルオロフェノール(1.09g,9.72mmol)をDMSO(25mL)に溶解後、氷冷下、60%水素化ナトリウム(810mg,20.3mmol)を加え、室温で30分間撹拌した。次に氷冷下、上述の2−(4−クロロ−3−ニトロフェニル)−4−ヒドロキシチアゾロ[5,4−d]ピリミジン(2.50g,8.10mmol)を加え、室温で24時間撹拌した。氷水(75mL)及び1M塩酸水溶液を加え、pH4とし、析出した結晶を濾過後、水(25mLx2)で洗浄した。得られた粗結晶をエタノール/水=1/1(75mL)に懸濁し、室温で30分間撹拌後、結晶を濾過した。減圧下乾燥後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノール/クロロホルム)及びメタノール/クロロホルム混合溶媒で洗浄を繰り返し精製した。得られた結晶をエタノール(93mL)に懸濁し、室温で6時間撹拌後、濾取した。エタノール(20mLx2)で洗浄後、減圧下40℃で乾燥することにより、2.03g(収率59%)の標題化合物を黄色結晶として得た。
mp:282−284℃(分解).
H−NMR(DMSO−d,400MHz):δ=7.19(1H,d,J=9Hz),7.2−7.4(4H,m),8.25(1H,dd,J=2Hz,9Hz),8.26(1H,s),8.62(1H,d,J=2Hz),12.92(1H,s).
IR(KBr,cm−1):2798,2345,1682,1618,1574,1535,1500,1470,1354,1265,1223,1184,1084,1014,970,908,839,837,816,766,708.
FAB−MS(m/e):385(M+1).
【実施例13】
【0050】
2−[4−(4−フルオロフェノキシ)−3−ニトロフェニル]―4―ヒドロキシチアゾロ[5,4−d]ピリミジン カリウム塩
上記2−[4−(4−フルオロフェノキシ)−3−ニトロフェニル]―4―ヒドロキシチアゾロ[5,4−d]ピリミジン(250mg,0.65mmol)をエタノール(10mL)に懸濁し、0.5mol/L水酸化カリウムのエタノール溶液(1.3mL, 0.65mmol)を加え室温で2.5時間撹拌した。析出した固形物を濾取しエタノールにて洗浄後、減圧下、室温で乾燥し257mg(収率94%)の標題化合物を黄色結晶として得た。
mp:>260℃(分解).
H−NMR(DMSO−d,400MHz):δ=7.16(1H,d,J=9Hz),7.3−7.4(4H,m),7.95(1H,s),8.13(1H,dd,J=2Hz,9Hz),8.51(1H,d,J=2Hz).
IR(KBr)cm−1:3398,1620,1570,1537,1500,1479,1340,1294,1267,1227,1221,1184,
899,850,818,816,764,760.
FAB−MS(m/e):423(M+1).
【実施例14】
【0051】
2−[4−(4−メトキシフェノキシ)−3−ニトロフェニル]−4−ヒドロキシチアゾロ[5,4−d]ピリミジン
4−メトキシフェノール(19mg,0.15mmol)をDMSO(2mL)に溶解し、水冷下、60%水素化ナトリウム(10mg,0.25mmol)を加えて室温で30分間撹拌後、上述の2−(4−クロロ−3−ニトロフェニル)−4−ヒドロキシチアゾロ[5,4−d]ピリミジン(40mg,0.13mmol)を加え、室温で21時間撹拌した。4−メトキシフェノール(10mg,0.081mmol)および60%水素化ナトリウム(5mg,0.13mmol)を加えてさらに18時間室温で撹拌を継続した。氷水(5mL)を加え、1M塩酸水溶液をpH4になるまで加えて析出した結晶を濾取し、水(5mL)、およびエーテル(5mL)で順次洗浄後、減圧下室温で乾燥した。得られた結晶をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノール/クロロホルム)で精製して、18.8mg(収率37%)の標題化合物を黄色結晶として得た。
H−NMR(CDOD/CDCl=1/10,400MHz):δ=3.85(3H,s),6.9−7.0(2H,m),7.01(1H,d,J=9Hz),7.06−7.11(2H,m),8.03(1H,s),8.15(1H,dd,J=2Hz,9Hz),8.60(1H,d,J=2Hz).
FAB−MS(m/e):397(M+1).
【実施例15】
【0052】
2−[4−(4−メトキシフェノキシ)−3−ニトロフェニル]―4―ヒドロキシチアゾロ[5,4−d]ピリミジン カリウム塩
上記2−[4−(4−メトキシフェノキシ)−3−ニトロフェニル]―4―ヒドロキシチアゾロ[5,4−d]ピリミジン(700mg,1.77mmol)をエタノール(40mL)に懸濁し、0.5mol/L水酸化カリウムのエタノール溶液(3.53mL, 1.77mmol)を加え室温で一夜撹拌した。析出した固形物を濾取しエタノールにて洗浄後、減圧下、室温で乾燥し730 mg(収率95%)の標題化合物を黄色結晶として得た。
mp:>260℃(分解).
H−NMR(DMSO−d,400MHz):δ=3.78(3H,s),7.04(2H,dd,J=2Hz,7Hz),7.05(1H,d,J=9Hz),7.17(2H,dd,J=2Hz,7Hz),7.93(1H,s),8.10(1H,dd,J=2Hz,9Hz),8.47(1H,d,J=2Hz).
IR(KBr)cm−1:1620,1571,1535,1502,1481,1344,1342,1295,1240,1191,1034,829,827,804.
FAB−MS(m/e):435(M+1).
【実施例16】
【0053】
4−ヒドロキシ−2−[3−ニトロ−4−[4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]フェニル]チアゾロ [5,4−d]ピリミジン
60%水素化ナトリウム(20mg,0.50mmol)をDMSO(3mL)に懸濁し、4−(トリフルオロメチル)フェノール(65mg,0.40mmol)を加え、室温で1時間攪拌した。これに上述の2−(4−クロロ−3−ニトロフェニル)−4−ヒドロキシチアゾロ [5,4−d]ピリミジン(31mg,0.10mmol)を加え、50℃で41時間攪拌した。この反応混合物に水冷攪拌下、冷水(2.5mL)、及び2M塩酸(0.5mL)を加え、30分間攪拌した。析出結晶を濾取し、水、エタノール、クロロホルム、エーテル、次いでヘキサンで洗って、3mg(収率7%)の標題化合物を黄色結晶として得た。
H−NMR(DMSO−d):δ=7.37(2H,d,J=9Hz),7.47(1H,d,J=9Hz),7.83(2H,d,J=9Hz),8.27(1H,s),8.33(1H,dd,J=2Hz,9Hz,),8.70(1H,d,J=2Hz),12.95(1H,s).
FAB−MS(m/e):435(M+1).
【実施例17】
【0054】
2−[4−(3−クロロフェノキシ)−3−ニトロフェニル]−4−ヒドロキシチアゾロ[5,4−d]ピリミジン
3−クロロフェノール(20mg,0.16mmol)をDMSO(2mL)に溶解し、水冷下、60%水素化ナトリウム(10mg,0.25mmol)を加えて室温で30分間撹拌後、上述の2−(4−クロロ−3−ニトロフェニル)−4−ヒドロキシチアゾロ[5,4−d]ピリミジン(40mg,0.13mmol)を加え、室温で21時間撹拌した。3−クロロフェノール(10mg,0.081mmol)および60%水素化ナトリウム(5mg,0.13mmol)を加えてさらに17時間室温で撹拌を継続した。氷水(5mL)を加え、1M塩酸水溶液をpH4になるまで加えて析出した結晶を濾取し、水(5mL)、およびエーテル(5mL)で順次洗浄後、減圧下室温で乾燥した。得られた結晶をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノール/クロロホルム)で精製して、10.1mg(収率19%)の標題化合物を淡橙色アモルファスとして得た。
H−NMR(CDCl,400MHz):δ=7.0−7.1(1H,m),7.1−7.2(1H,m),7.14(1H,d,J=9Hz),7.2−7.3(1H,m),7.37(1H,t,J=8Hz),8.11(1H,s),8.23(1H,dd,J=2Hz,9Hz),8.64(1H,d,J=2Hz).
FAB−MS(m/e):401(M+1).
【実施例18】
【0055】
2−[4−(2−クロロフェノキシ)−3−ニトロフェニル]−4−ヒドロキシチアゾロ[5,4−d]ピリミジン
60%水素化ナトリウム(1.54g,38.5mmol)をDMSO(60mL)に懸濁し、水冷攪拌下2−クロロフェノール(2.97g,23.1mmol)を5分要して加え、水冷下30分間、続いて室温で1時間攪拌した。これに、水冷攪拌下上述の2−(4−クロロ−3−ニトロフェニル)−4−ヒドロキシチアゾロ [5,4−d]ピリミジン(4.75g,15.4mmol)を5分要して加え、水冷下2時間、続いて室温で25時間攪拌した。この反応混合物に、水冷攪拌下、冷水(60mL) を加え、30分間攪拌した。続いて、氷冷攪拌下2M塩酸(20mL)を5分要して滴下後、氷冷下1時間攪拌した。析出結晶を濾取し、水(40mL)で5回、エーテル(20mL)で2回、次いでヘキサン(20mL)で2回洗って、黄色結晶5.6gを得た。シリカゲルカラムクロマトグラフィーに処し、メタノール/クロロホルム=1/20〜1/5の混合溶媒で溶出して黄色結晶5.2gを得た。これをメタノール/クロロホルム=1/10の混合溶媒(52mL)に懸濁し、室温で1時間攪拌後、濾取し、クロロホルムで2回洗った。さらに、エタノール(50mL)に懸濁し、室温で3時間攪拌後、濾取して、4.70gの標題化合物を黄色結晶として得た。メタノール−クロロホルム洗液とエタノール洗液を合わせ、減圧下濃縮して黄色結晶0.5gを得た。これをエタノール(50mL) に懸濁し、数分間加熱還流後、室温で3時間攪拌した。結晶を濾取し、エタノール(1mL)で2回洗って0.43gの標題化合物を黄色結晶として得た。合計5.13g(収率83%)。
mp:283−288℃(分解).
H−NMR(DMSO−d):δ=7.08(1H,d,J=9Hz), 7.3−7.5(3H,m),7.70(1H,d,J=9Hz), 8.25(1H,dd,J=2Hz,9Hz),8.26(1H,s),8.66(1H,d,J=2Hz),12.93(1H,s).
IR(KBr)cm−1:3078,1697,1618,1570,1535,1506,1473,1450,1348,1340,1306,1254,1246,1227,1225,1159,758.
FAB−MS(m/e):401(M+1).
【実施例19】
【0056】
2−[4−(2−クロロフェノキシ)−3−ニトロフェニル]−4−ヒドロキシチアゾロ[5,4−d]ピリミジン カリウム塩
上記2−[4−(2−クロロフェノキシ)−3−ニトロフェニル]−4−ヒドロキシチアゾロ[5,4−d]ピリミジン(800mg,2.00mol)をエタノール(32mL)に懸濁し、0.5mol/L水酸化カリウム/エタノール溶液(6mL)およびエタノール(8mL)を加え、室温で22時間撹拌した。結晶を濾取し、エタノール(6mL)で洗浄後、減圧下室温で乾燥して870mg(収率99%)の標題化合物をオレンジ色結晶として得た。
mp:195−205℃(分解).
H−NMR(DMSO−d,400MHz):δ=7.07(1H,d,J=9Hz),7.3−7.4(2H,m),7.4−7.5(1H,m),7.6−7.7(1H,m),7.96(1H,s),8.15(1H,dd,J=2Hz,9Hz),8.55(1H,d,J=2Hz).
IR(KBr,cm−1):3629,3388,3213,2347,1618,1578,1537,1508,1473,1338,1265,752.
FAB−MS(m/e):439(M+1).
【実施例20】
【0057】
2−[4−(3−フルオロフェノキシ)−3−ニトロフェニル]−4−ヒドロキシチアゾロ[5,4−d]ピリミジン
3−フルオロフェノール(18mg,0.16mmol)をDMSO(2mL)に溶解し、水冷下、60%水素化ナトリウム(13mg,0.33mmol)を加えて室温で30分間撹拌後、上述の2−(4−クロロ−3−ニトロフェニル)−4−ヒドロキシチアゾロ[5,4−d]ピリミジン(40mg,0.13mmol)を加え、室温で46時間撹拌した。氷水(5mL)を加え、1M塩酸水溶液をpH4になるまで加えて析出した結晶を濾取し、水(5mL)およびエーテル(5mL)で順次洗浄後、減圧下室温で乾燥した。得られた結晶をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノール/クロロホルム)で精製して、40.3mg(収率66%)の標題化合物を淡黄色結晶として得た。
H−NMR(DMSO−d,400MHz):δ=7.05(1H,dd,J=2Hz,8Hz),7.1−7.2(2H,m),7.35(1H,d,J=9Hz),7.4−7.6(1H,m),8.27(1H,s),8.30(1H,dd,J=2Hz,9Hz),8.66(1H,d,J=2Hz),12.94(1H,s).
FAB−MS(m/e):385(M+1).
【実施例21】
【0058】
2−[4−(2−フルオロフェノキシ)−3−ニトロフェニル]−4−ヒドロキシチアゾロ[5,4−d]ピリミジン
窒素雰囲気下、2−フルオロフェノール(1.47mL,16.0mmol)をDMSO(41mL)に溶解後、氷冷下、60%水素化ナトリウム(1.33g,33.3mmol)を加え、室温で45分間撹拌した。次に氷冷下、上述の2−(4−クロロ−3−ニトロフェニル)−4−ヒドロキシチアゾロ[5,4−d]ピリミジン(4.10g,13.3mmol)を加え、室温で40時間撹拌した。氷水(123mL)及び1M塩酸水溶液を加え、pH3とし、析出した結晶を濾過後、水(123mL)で洗浄した。得られた粗結晶を減圧下乾燥後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノール/クロロホルム)及びメタノール/クロロホルム混合溶媒で洗浄を繰り返し精製した。得られた結晶を減圧下40℃で乾燥することにより、2.31g(収率59%)の標題化合物を黄土色結晶として得た。
mp:279−281℃(分解).
H−NMR(DMSO−d,400MHz):δ=7.19(1H,d,J=9Hz),7.3−7.6(4H,m),8.25(1H,s),8.26(1H,dd,J=2Hz,9Hz),8.65(1H,d,J=2Hz),12.93(1H,s).
IR(KBr,cm−1):3039,2372,2345,1689,1622,1572,1535,1498,1473,1350,1284,1236,1176,1103,1080,1016,970,910,845,843,781,762,708.
FAB−MS(m/e):385(M+1).
【実施例22】
【0059】
2−[4−(2−フルオロフェノキシ)−3−ニトロフェニル]−4−ヒドロキシチアゾロ[5,4−d]ピリミジン カリウム塩
上記2−[4−(2−フルオロフェノキシ)−3−ニトロフェニル]−4−ヒドロキシチアゾロ[5,4−d]ピリミジン(206mg,0.54mol)をエタノール(8mL)に懸濁し、0.5mol/L水酸化カリウム/エタノール溶液(1.6mL)およびエタノール(2mL)を加え、室温で17時間撹拌した。結晶を濾取し、エタノール(6mL)で洗浄後、減圧下室温で乾燥して219mg(収率96%)の標題化合物を黄色結晶として得た。
mp:175−185℃(分解).
H−NMR(DMSO−d,400MHz):δ=7.17(1H,d,J=9Hz),7.3−7.4(3H,m),7.4−7.5(1H,m),7.95(1H,s),8.15(1H,dd,J=2Hz,9Hz),8.53(1H,d,J=2Hz).
IR(KBr,cm−1):3629,3107,1620,1574,1539,1498,1481,1346,1342,1282,1242,758.
FAB−MS(m/e):423(M+1).
【実施例23】
【0060】
2−[4−(4−クロロフェノキシ)−3−シアノフェニル]−4−ヒドロキシチアゾロ[5,4−d]ピリミジン
窒素雰囲気下、上述の2−(4−クロロ−3−シアノフェニル)−4−ヒドロキシチアゾロ[5,4−d]ピリミジン(30mg,0.10mmol)及び4−クロロフェノール(20mg,0.16mmol)をDMSO(5mL)に懸濁後、氷冷下、60%水素化ナトリウム(12mg,0.30mmol)を加え、室温で48時間撹拌した。次に氷冷下、4−クロロフェノール(15mg,0.12mmol)、DMSO(3mL)及び60%水素化ナトリウム(10mg,0.25mmol)を追加し、室温で18時間撹拌した。更に、氷冷下、4−クロロフェノール(15mg,0.12mmol)、DMSO(3mL)及び60%水素化ナトリウム(10mg,0.25mmol)を追加し、室温で18時間撹拌した。氷水(10mL)及び1M塩酸水溶液を加え、pH2とし、析出した結晶を濾過後、水(5mLx3)で洗浄した。得られた粗結晶をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノール/クロロホルム)で精製することにより、9mg(収率23%)の標題化合物を白色結晶として得た。
H−NMR(CDOD/CDCl=1/10,400MHz):δ=6.95(1H,d,J=9Hz),7.1−7.2(2H,m),7.4−7.5(2H,m),8.05(1H,s),8.18(1H,dd,J=2Hz,9Hz),8.38(1H,d,J=2Hz).
FAB−MS(m/e):381(M+1).
【実施例24】
【0061】
2−[4−(4−クロロフェノキシ)−3−シアノフェニル] ―4―ヒドロキシチアゾロ[5,4−d]ピリミジン カリウム塩
上記の方法で得た2−[4−(4−クロロフェノキシ)−3−シアノフェニル] ―4―ヒドロキシチアゾロ[5,4−d]ピリミジン(100mg,0.26mmol)をエタノール(2mL)に懸濁し、0.5mol/L水酸化カリウムのエタノール溶液(0.53mL, 0.26mmol)を加え室温で一夜撹拌した。析出した固形物を濾取しエタノールにて洗浄後、風乾し89mg(収率81%)の標題化合物を黄色結晶として得た。
mp:245℃(分解).
H−NMR(DMSO−d,400MHz):δ=7.09(1H,d,J=9Hz),7.30(2H,d,J=9Hz),7.56(2H,d,J=9Hz),8.07(1H,s),8.21(1H,dd,J=2Hz,9Hz),8.41(1H,d,J=2Hz).
IR(KBr)cm−1:2229,1697,1606,1568,1483,1456,1390,1333,1269,1198,1161,1130,1086,1014,982,895,849,825,802,694,
590,555,515,490.
FAB−MS(m/e):419(M+1).
【実施例25】
【0062】
4−ヒドロキシ−2−[4−(4−メトキシカルボニルフェノキシ)−3−ニトロフェニル]チアゾロ [5,4−d]ピリミジン
60%水素化ナトリウム(40mg,1.00mmol)をDMSO(2mL)に懸濁し、4−ヒドロキシ安息香酸メチル(122mg,0.80mmol)を加え、室温で1時間攪拌した。これに上述の2−(4−クロロ−3−ニトロフェニル)−4−ヒドロキシチアゾロ [5,4−d]ピリミジン(62mg,0.20mmol)を加え、室温で1時間半、続いて50℃で42時間攪拌した。この反応混合物に水冷下、2M塩酸(0.5mL)、及び水(1.5mL)を加え、水冷下1時間攪拌した。析出結晶を濾取し、水、次いでエーテルで洗って、73mg(収率85%)の標題化合物を淡褐色結晶として得た。
H−NMR(CDCl3):δ=3.93(3H,s),7.13(2H,d,J=9Hz),7.18(1H,d,J=9Hz),8.10(1H,s),8.11(2H,d,J=9Hz),8.27(1H,dd,J=2Hz,9Hz),8.67(1H,d,J=2Hz),10.33(1H,s).
IR(KBr)cm−1:3412,2927,1718,1685,1601,1572,1537,1502,1466,1433,1352,1282,1163,1117,766.
FAB−MS(m/e):425(M+1).
【実施例26】
【0063】
2−[4−(4−カルボキシフェノキシ)−3−ニトロフェニル]−4−ヒドロキシチアゾロ[5,4−d]ピリミジン
上記4−ヒドロキシ−2−[4−(4−メトキシカルボニルフェノキシ)−3−ニトロフェニル]チアゾロ [5,4−d]ピリミジン(42mg,0.10mmol)をメタノール(4mL)に懸濁し、1M水酸化ナトリウム水溶液(1mL)を加え、室温で19時間攪拌し、水(3mL)を加え、室温で4時間攪拌した。この反応液を酢酸エチルで洗い、2M塩酸(1mL)を加えた。析出結晶を濾取し、水、エタノール、アセトン、酢酸エチル、温クロロホルム、次いでヘキサンで洗って、20mg(収率48%)標題化合物を褐色結晶として得た。
H−NMR(DMSO−d):δ=7.25(2H,d,J=9Hz),7.44(1H,d,J=9Hz),8.02(2H,d,J=9Hz),8.27(1H,s),8.33(1H,dd,J=2Hz,9Hz),8.69(1H,d,J=2Hz),12.95(1H,s).
FAB−MS(m/e):411(M+1).
【実施例27】
【0064】
2−[4−(4−カルボキシフェノキシ)−3−ニトロフェニル]−4−ヒドロキシチアゾロ [5,4−d]ピリミジン ジカリウム塩
上記2−[4−(4−カルボキシフェノキシ)−3−ニトロフェニル]−4−ヒドロキシチアゾロ [5,4−d]ピリミジン(300mg,0.73mol)をエタノール(10mL)に懸濁し、0.5mol/L水酸化カリウム/エタノール溶液(3.0mL)およびエタノール(3mL)を加え、室温で1時間撹拌した。結晶を濾取し、エタノール(10mL)で洗浄後、減圧下室温で乾燥して345mg(収率97%)の標題化合物をオレンジ色結晶として得た。
mp:270℃(分解).
H−NMR(DMSO−d,400MHz):δ=7.02(2H,d,J=8Hz),7.17(1H,d,J=9Hz),7.91(2H,d,J=8Hz),7.96(1H,s),8.14(1H,dd,J=1Hz,9Hz),8.51(1H,d,J=1Hz),.
IR(KBr,cm−1):3381,3278,2345,1614,1564,1537,1481,1392,1350,1279,1227,1192,1161.
FAB−MS(m/e):487(M+1).
【実施例28】
【0065】
2−[3−ニトロ−4−(4−フェノキシフェノキシ)フェニル]−4−ヒドロキシチアゾロ[5,4−d]ピリミジン
窒素雰囲気下、4−フェノキシフェノール(32mg,0.17mmol)をDMSO(3mL)に溶解後、氷冷下、60%水素化ナトリウム(13mg,0.33mmol)を加え、室温で30分間撹拌した。次に氷冷下、2−(4−クロロ−3−ニトロフェニル)−4−ヒドロキシチアゾロ[5,4−d]ピリミジン(40mg,0.13mmol)を加え、室温で18時間撹拌した。氷水(10mL)及び1M塩酸水溶液加え、pH3とし、析出した結晶を濾過後、水(5mLx5)及びエーテル(5mLx5)で洗浄した。得られた粗結晶をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノール/クロロホルム)で精製することにより、35mg(収率59%)の標題化合物を黄色結晶として得た。
H−NMR(DMSO−d,400MHz):δ=7.0−7.3(8H,m),7.4−7.5(2H,m),8.25(1H,s),8.26(1H,dd,J=2Hz,9Hz),8.62(1H,d,J=2Hz),12.92(1H,s).
IR(KBr,cm−1):3423,3064,2927,2372,1686,1618,1572,1535,1487,1483,1466,1350,1267,1236,1186,1084,860,692.
FAB−MS(m/e):459(M+1).
【実施例29】
【0066】
2−(3−ニトロ−4−フェニルアミノフェニル)−4−ヒドロキシチアゾロ[5,4−d]ピリミジン
アニリン(0.5mL,5.5mmol)、2−(4−クロロ−3−ニトロフェニル)−4−ヒドロキシチアゾロ[5,4−d]ピリミジン(31mg,0.10mmol)、炭酸カリウム(28mg,0.20mmol)及び酸化銅(1mg)を2時間加熱還流した。室温まで冷却後、氷水(10mL)及び1M塩酸水溶液を加え、pH3とし、析出した結晶を濾過後、水(3mLx5)及びエーテル(3mLx2)で洗浄した。得られた結晶を減圧下50℃で乾燥することにより、33mg(収率89%)の標題化合物を褐色結晶として得た。
H−NMR(DMSO−d,400MHz):δ=7.26(1H,d,J=9Hz),7.3−7.5(5H,m),8.06(1H,dd,J=2Hz,9Hz),8.21(1H,d,J=4Hz),8.68(1H,d,J=2Hz),9.77(1H,s),12.85(1H,s).
IR(KBr,cm−1):3408,3064,2372,1686,1624,1595,1568,1533,1497,1475,1352,1263,1215,1153,1072,972,760,694.
FAB−MS(m/e):366(M+1).
【実施例30】
【0067】
4−ヒドロキシ−2−[4−(4−イソプロピルフェノキシ)−3−ニトロフェニル]チアゾロ [5,4−d]ピリミジン
60%水素化ナトリウム(10mg,0.25mmol)をDMSO(2mL)に懸濁し、4−イソプロピルフェノール(21mg,0.15mmol)を加え、室温で1時間攪拌した。これに上述の2−(4−クロロ−3−ニトロフェニル)−4−ヒドロキシチアゾロ [5,4−d]ピリミジン(31mg,0.1mmol)を加え、室温で21時間攪拌した。この反応混合物に水冷下、1M塩酸(0.5mL)、及び水(1.5mL)を加え、30分間攪拌した。析出結晶を濾取し、水、エーテル、次いでヘキサンで洗って、32mg(収率78%)の標題化合物を黄色結晶として得た。
H−NMR(DMSO−d):δ=1.23(6H,d,J=7Hz),2.9−3.0(1H,m),7.14(2H,d,J=9Hz),7.19(1H,d,J=9Hz),7.36(2H,d,J=9Hz),8.25(1H,dd,J=2Hz,9Hz),8.26(1H,s),8.62(1H,d,J=2Hz),12.92(1H,s).
IR(KBr)cm−1:2958,1697,1618,1599,1568,1537,1504,1454,1352,1302,1267,1248,1225,1200,1167,1165,850.
FAB−MS(m/e):409(M+1).
【実施例31】
【0068】
4−ヒドロキシ−2−[3−ニトロ−4−(4−フェニルフェノキシ)フェニル]チアゾロ [5,4−d]ピリミジン
60%水素化ナトリウム(10mg,0.25mmol)をDMSO(2mL)に懸濁し、4−フェニルフェノール(26mg,0.15mmol)を加え、室温で2時間攪拌した。これに上述の2−(4−クロロ−3−ニトロフェニル)−4−ヒドロキシチアゾロ [5,4−d]ピリミジン(31mg,0.1 mmol)を加え、室温で40時間攪拌した。この反応混合物に水冷下、1M塩酸(0.5mL)、及び水(1.5mL)を加え、30分間攪拌した。析出結晶を濾取し、水、エーテル、次いでヘキサンで洗って、34mg(収率77%)の標題化合物を黄色結晶として得た。
H−NMR(DMSO−d):δ=7.3−7.5(6H,m),7.69(2H,d,J=8Hz), 7.78(2H,d,J=8Hz),8.26(1H,s),8.29(1H,dd,J=2Hz,9Hz),8.66(1H,d,J=2Hz),12.93(1H,s).
IR(KBr)cm−1:3059,1676,1672,1618,1600,1571,1535,1514,1485,1466,1350,1250,1167,766.
FAB−MS(m/e):443(M+1).
【実施例32】
【0069】
4−ヒドロキシ−2−[3−ニトロ−4−(3−ピリジルオキシ)フェニル]チアゾロ [5,4−d]ピリミジン
60%水素化ナトリウム(26mg,0.65mmol)をDMSO(1mL)に懸濁し、3−ヒドロキシピリジン(62mg,0.65mmol)を加え、室温で1時間攪拌した。これに上述の2−(4−クロロ−3−ニトロフェニル)−4−ヒドロキシチアゾロ [5,4−d]ピリミジン(100mg,0.32mmol)を加え、室温で91時間30分攪拌した。この反応混合物に氷水(0.1mL)を加え、さらに1mol/L塩酸をpH7になるまで加えた。析出結晶を濾取し、水(3mL)で洗浄し、得られた粗結晶をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノール/クロロホルム)で精製することにより、100mg(収率85%)の標題化合物を黄色結晶として得た。
mp:276−280℃(分解).
H−NMR(DMSO−d,400MHz):δ=7.34(1H,d,J=9Hz),7.53(1H,dd,J=5Hz,8Hz),7.6−7.7(1H,m),8.26(1H,s),8.29(1H,dd,J=2Hz,9Hz),8.5−8.6(1H,m),8.55(1H,d,J=3Hz),8.67(1H,d,J=2Hz).
IR(KBr,cm−1):3055,2648,1701,1699,1616,1572,1570,1537,1466,1427,1350,1269,1219,1217,1215,1140.
FAB−MS(m/e):368(M+1).
【実施例33】
【0070】
4−ヒドロキシ−2−[3−ニトロ−4−(3−ピリジルオキシ)フェニル]チアゾロ [5,4−d]ピリミジン カリウム塩
上記4−ヒドロキシ−2−[3−ニトロ−4−(3−ピリジルオキシ)フェニル]チアゾロ [5,4−d]ピリミジン(50mg,0.14mol)をエタノール(2mL)に懸濁し、0.5mol/L水酸化カリウム/エタノール溶液(0.34mL)を加え、室温で4時間撹拌した。結晶を濾取し、エタノール(0.5mL×2)で洗浄後、減圧下室温で乾燥して50.5mg(収率89%)の標題化合物を淡黄色結晶として得た。
mp:236−240℃(分解).
H−NMR(DMSO−d,400MHz):δ=7.32(1H,d,J=9Hz),7.50(1H,dd,J=5Hz,8Hz),7.6−7.7(1H,m),7.95(1H,s),8.18(1H,dd,J=2Hz,9Hz),8.48(1H,dd,J=1Hz,5Hz),8.53(1H,d,J=3Hz),8.56(1H,d,J=2Hz).
IR(KBr,cm−1):3358,3064,1618,1574,1539,1477,1425,1344,1302,1296,1269,1207.
FAB−MS(m/e):406(M+1).

参考例12
4−メトキシメトキシフェノール
60%水素化ナトリウム(1.80g,45.0mmol)乾燥THF(20mL)を加え、−20℃に冷却し、ヒドロキノン(2.00g,18.2mmol)の乾燥THF(30mL)溶液を加えた。室温で1時間撹拌し、再び−20℃に冷却後、クロロメチルメチルエーテル(1.3mL,18.0mmol)を滴下した。ゆっくりと10℃まで昇温後、室温で1時間撹拌し、氷(500g)に注いだ。3mol/L塩酸水溶液をpH4−5になるまで加え、ジクロロメタン(100mL×2)で抽出し、水(100mL×2)および飽和食塩水(100mL)で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)で精製することにより、581mg(収率21%)の標題化合物を淡黄色油状物として得た。
H−NMR(CDCl,400MHz):δ=3.47(3H,s),5.09(2H,s),6.7−6.8(2H,m),6.9−7.0(2H,m).
【実施例34】
【0071】
4−ヒドロキシ−2−[4−(4−メトキシメトキシフェノキシ)−3−ニトロフェニル]チアゾロ [5,4−d]ピリミジン
60%水素化ナトリウム(26mg,0.65mmol)をDMSO(1mL)に懸濁し、上記4−メトキシメトキシフェノール(100mg,0.65mmol)を加え、室温で30分間攪拌した。これに上述の2−(4−クロロ−3−ニトロフェニル)−4−ヒドロキシチアゾロ [5,4−d]ピリミジン(100mg,0.32mmol)を加え、室温で72時間30分攪拌した。この反応混合物に氷水(1mL)を加え、さらに1mol/L塩酸をpH7になるまで加えた。析出結晶を濾取し、水(3mL)で洗浄し、得られた粗結晶をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノール/クロロホルム)で精製することにより、126mg(収率92%)の標題化合物を黄色結晶として得た。
mp:235−236℃.
H−NMR(DMSO−d,400MHz):δ=3.41(3H,s),5.21(2H,s),7.1−7.3(5H,m),8.2−8.3(2H,m),8.61(1H,d,J=1Hz),12.91(1H,s).
【実施例35】
【0072】
4−ヒドロキシ−2−[4−(4−ヒドロキシフェノキシ)−3−ニトロフェニル]チアゾロ [5,4−d]ピリミジン
上記4−ヒドロキシ−2−[4−(4−メトキシメトキシフェノキシ)−3−ニトロフェニル]チアゾロ [5,4−d]ピリミジン(75mg,0.18mmol)をTHF(18mL)に懸濁し、4mol/L塩酸/ジオキサン溶液(0.6mL,2.40mmol)および水(5滴)を加え、室温で41時間撹拌後、50℃で2時間撹拌、次いで1時間加熱還流した。減圧下溶媒を留去し、残渣にエタノール(1.5mL)を加え析出した結晶を濾取した。エタノール(0.5mL)およびヘキサン(2mL)で洗浄し、減圧下50℃で1時間乾燥して67mg(収率97%)の標題化合物を黄色結晶として得た。
mp:>300℃(分解).
H−NMR(DMSO−d,400MHz):δ=6.8−6.9(2H,m),7.0−7.1(3H,m),8.21(1H,dd,J=2Hz,9Hz),8.25(1H,s),8.59(1H,d,J=2Hz),9.59(1H,s),12.91(1H,s).
IR(KBr,cm−1):3207,2893,1682,1622,1570,1537,1508,1468,1443,1344,1306,1252,1228,1194,1101,1018,831.
FAB−MS(m/e):383(M+1).
【実施例36】
【0073】
2−[3−シアノ−4−(4−フルオロフェノキシ)フェニル]−4−ヒドロキシチアゾロ[5,4−d]ピリミジン
60%水素化ナトリウム(122mg,3.05mmol)をDMSO(4mL)に懸濁し、4−フルオロフェノール(342mg,3.05mmol)を加え、室温で1時間攪拌した。これに上述の2−(4−クロロ−3−シアノフェニル)−4−ヒドロキシチアゾロ [5,4−d]ピリミジン(400mg,1.39mmol)を加え、室温で46時間、次いで60℃で9時間攪拌した。氷冷下、1mol/L塩酸をpH3になるまで加え、析出した結晶を濾取し、水(10mL×3)、エタノール(5mL)およびエーテル(6mL×2)で順次洗浄後、減圧下50℃で1時間乾燥して、466mg(収率92%)の標題化合物を茶色がかった白色結晶として得た。
mp:>290℃(分解).
H−NMR(DMSO−d,400MHz):δ=7.03(1H,d,J=9Hz),7.3−7.4(4H,m),8.2−8.3(2H,m),8.50(1H,d,J=2Hz),12.91(1H,s).
IR(KBr,cm−1):2235,1678,1608,1577,1498,1477,1369,1354,1263,1221,1186,1111,1103,1016,972,906,854,841,839,796,794,764,710,677,648,611,565,507.
【実施例37】
【0074】
2−[3−シアノ−4−(4−フルオロフェノキシ)フェニル]−4−ヒドロキシチアゾロ[5,4−d]ピリミジン カリウム塩
上記2−[3−シアノ−4−(4−フルオロフェノキシ)フェニル]−4−ヒドロキシチアゾロ[5,4−d]ピリミジン(466mg,1.28mmol)をエタノール(14mL)に懸濁し、0.5mol/L水酸化カリウム/エタノール溶液(2.8mL)を加え、室温で1時間撹拌した。結晶を濾取し、エタノール(6mL)で洗浄後、減圧下室温で乾燥して411mg(収率80%)の標題化合物を淡黄色結晶として得た。
mp:257−262℃(分解).
H−NMR(DMSO−d,400MHz):δ=7.01(1H,d,J=9Hz),7.3−7.4(4H,m),7.93(1H,s),8.16(1H,dd,J=2Hz,9Hz),8.33(1H,d,J=2Hz).
IR(KBr,cm−1):2227,1641,1566,1481,1390,1331,1292,1275,1227,1188,1138,1107,1026,831,829.
FAB−MS(m/e):403(M+1).

参考例13
4−(4−フルオロフェノキシ)−3−ニトロ安息香酸無水物
4−(4−フルオロフェノキシ)−3−ニトロ安息香酸(8.0g,28.9mmol)、塩化チオニル(10.3g,86.6mmol)、DMF(2滴)及びジクロロメタン(80mL)の溶液を3時間加熱還流した。減圧下溶媒を留去し、ベンゼン及びトルエンにて濃縮乾固した。この残渣にジクロロメタン(50mL)と4−(4−フルオロフェノキシ)−3−ニトロ安息香酸(8.0g,28.9mmol)を加え、氷冷攪拌下、トリエチルアミン(5.84g,57.7mmol)とジクロロメタン(30mL)の溶液を滴下し、室温で一夜撹拌した。減圧下溶媒を留去し残渣に水を加え析出した固形物を濾取、減圧下乾燥し12.6g(収率81%)の標題化合物を黄色結晶として得た。
本成績体はこのまま次の反応に供した。
【実施例38】
【0075】
2−[4−(4−フルオロフェノキシ)−3−ニトロフェニル] ―4―ヒドロキシオキサゾロ[5,4−d]ピリミジン
5―アミノ―4,6−ジヒドロキシピリミジン塩酸塩(500mg,3.06mmol)と上記4−(4−フルオロフェノキシ)−3−ニトロ安息香酸無水物(8.2g,15.3mmol)の混合物を窒素気流下155℃の油浴中1.5時間加熱した。反応物にクロロホルムを加え室温で一夜撹拌、不溶物を濾別後、減圧下溶媒を留去した(本操作を2回繰り返した)。得られた粗体をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、クロロホルム/メタノール=100/1の溶出部より表題化合物部を分取、濃縮し、更にジエチルエーテルにて洗浄して420mg(収率82%)の標題化合物を白色結晶として得た。
H−NMR(DMSO−d,400MHz):δ=7.18(1H,d,J=9Hz),7.3−7.4(4H,m),8.30(1H,s),8.31(1H,dd,J=2Hz,9Hz),8.66(1H,d,J=2Hz),13.04(1H,s).
【実施例39】
【0076】
2−[4−(4−フルオロフェノキシ)−3−ニトロフェニル]―4―ヒドロキシオキサゾロ[5,4−d]ピリミジン カリウム塩
上記2−[4−(4−フルオロフェノキシ)−3−ニトロフェニル]―4―ヒドロキシオキサゾロ[5,4−d]ピリミジン(400mg,1.09mmol)をエタノール(8mL)に懸濁し、0.5mol/L水酸化カリウムのエタノール溶液(2.17mL, 1.09mmol)を加え室温で3時間撹拌した。析出した固形物を濾取しエタノールにて洗浄後、減圧下、40℃で一夜乾燥し420mg(収率95%)の標題化合物を黄色結晶として得た。
mp:>260℃(分解).
H−NMR(DMSO−d,400MHz):δ=7.17(1H,d,J=9Hz),7.2−7.4(4H,m),7.88(1H,s),8.22(1H,dd,J=2Hz,9Hz),8.56(1H,d,J=2Hz).
IR(KBr)cm−1:1625,1506,1533,1349,1275,1228,1188,1161,1014,908,848,817,815,782,727.
【実施例40】
【0077】
2−[3−シアノ−4−(4−フルオロフェノキシ)フェニル]−4−メトキシチアゾロ[5,4−d]ピリミジン
55%水素化ナトリウム(64mg,1.47mmol)をDMSO(2mL)に懸濁し、4−フルオロフェノール(163mg,1.45mmol)を加え、室温で1時間攪拌した。これに上述の2−(4−クロロ−3−シアノフェニル)−4−メトキシチアゾロ[5,4−d]ピリミジン(400mg,1.32mmol)、およびDMSO(2mL)を加え、室温で6時間30分、次いで50℃で16時間攪拌した。氷冷下、水(40mL)を加え、析出した結晶を濾取し、水(10mL)で洗浄後、得られた粗結晶をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)で精製した。得られた結晶を酢酸エチル/ヘキサン混合溶媒およびヘキサンで洗浄後、室温で風乾して、450mg(収率90%)の標題化合物を茶色がかった白色結晶として得た。
mp:205.6−206.6℃.
H−NMR(DMSO−d,400MHz):δ=4.27(3H,s),6.89(1H,d,J=9Hz),7.1−7.2(4H,m),8.15(1H,dd,J=2Hz,8Hz),8.44(1H,d,J=2Hz),8.83(1H,s).
IR(KBr,cm−1):2239,1612,1608,1568,1529,1500,1475,1414,1396,1534,1323,1263,1190,1163,1111,1109,1043.
FAB−MS(m/e):379(M+1).
【実施例41】
【0078】
2−[3−シアノ−4−(4−フルオロフェニルチオ)フェニル]−4−メトキシチアゾロ[5,4−d]ピリミジン
上述の2−(4−クロロ−3−シアノフェニル)−4−ヒドロキシチアゾロ [5,4−d]ピリミジン (200mg,0.66mmol)、炭酸カリウム(110mg,0.80mmol)、4−フルオロチオフェノール(0.084mL,0.78mmol)、及びエタノール(4
mL)を混合し、窒素雰囲気下6時間加熱還流した。減圧下溶媒を留去し、残渣に水(10mL)を加え、析出した結晶を濾取した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン、メタノール/クロロホルム)で精製後、得られた結晶を酢酸エチル/ヘキサン混合溶媒およびヘキサンで洗浄後、室温で風乾して、209mg(収率80%)の標題化合物を淡黄色結晶として得た。
mp:215℃.
H−NMR(CDCl,400MHz):δ=4.28(3H,s),7.01(1H,d,J=9Hz),7.1−7.3(2H,m),7.5−7.7(2H,m),8.01(1H,dd,J=2Hz,8Hz),8.40(1H,d,J=2Hz),8.82(1H,s).
【実施例42】
【0079】
2−[3−シアノ−4−(4−フルオロフェニルチオ)フェニル]−4−ヒドロキシチアゾロ[5,4−d]ピリミジン
上記2−[3−シアノ−4−(4−フルオロフェニルチオ)フェニル]−4−メトキシチアゾロ[5,4−d]ピリミジン(200g,0.51mmol)をジクロロメタン(8mL)に懸濁し、三臭化ホウ素(0.15mL,1.59mmol)を滴下した。40℃で4時間撹拌し、氷水(8.5mL)を加えた後、析出した結晶を濾取した。ジクロロメタン(4mL)および水(20mL)で順次洗浄後、減圧下室温で乾燥155mg(収率80%)の標題化合物を淡黄色結晶として得た。
mp:326−331℃.
H−NMR(DMSO−d,400MHz):δ=7.16(1H,d,J=8Hz),7.3−7.5(2H,m),7.6−7.8(2H,m),8.18(1H,dd,J=2Hz,8Hz),8.25(1H,d,J=3Hz),8.46(1H,d,J=2Hz),12.92(1H,s).
【実施例43】
【0080】
2−[3−シアノ−4−(4−フルオロフェニルチオ)フェニル]−4−ヒドロキシチアゾロ[5,4−d]ピリミジン カリウム塩
上記2−[3−シアノ−4−(4−フルオロフェニルチオ)フェニル]−4−ヒドロキシチアゾロ[5,4−d]ピリミジン(120mg,0.32mmol)をエタノール(6mL)に懸濁し、0.5mol/L水酸化カリウム/エタノール溶液(0.7mL)を加え、室温で22時間撹拌した。結晶を濾取し、エタノール(5mL)で洗浄後、減圧下室温で乾燥して127mg(収率89%)の標題化合物を淡黄色結晶として得た。
mp:293−298℃(分解).
H−NMR(DMSO−d,400MHz):δ=7.21(1H,d,J=9Hz),7.3−7.4(2H,m),7.6−7.7(2H,m),7.94(1H,s),8.09(1H,dd,J=2Hz,9Hz),8.31(1H,d,J=2Hz).
IR(KBr,cm−1):3396,3047,2227,1919,1653,1591,1567,1491,1470,1398,1329,1298,1225,1157,1065,984,827.
FAB−MS(m/e):419(M+1).
【実施例44】
【0081】
2−[3−シアノ−4−(2−フルオロフェノキシ)フェニル]−4−メトキシチアゾロ[5,4−d]ピリミジン
55%水素化ナトリウム(24mg,0.55mmol)をDMSO(0.7mL)に懸濁し、2−フルオロフェノール(62mg,0.55mmol)を加え、室温で30分間攪拌した。これに上述の2−(4−クロロ−3−シアノフェニル)−4−メトキシチアゾロ[5,4−d]ピリミジン(150mg,0.50mmol)、およびDMSO(0.7mL)を加え、50℃で15時間攪拌した。2−フルオロフェノール(31mg,0.27mmol)、55%水素化ナトリウム(12mg,0.27mmol)、およびDMSO(0.4mL)を加え、50℃で8時間攪拌後、氷冷下、水(9mL)を加え、析出した結晶を濾取し、水(4mL)で洗浄した。得られた結晶をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)で精製して、174mg(収率84%)の標題化合物を白色結晶として得た。
mp:250.4−253.4℃.
H−NMR(CDCl,400MHz):δ=4.27(3H,s),6.85(1H,dd,J=1Hz,9Hz),7.2−7.4(4H,m),8.15(1H,dd,J=2Hz,9Hz),8.45(1H,d,J=2Hz),8.69(1H,s).
【実施例45】
【0082】
2−[3−シアノ−4−(2−フルオロフェノキシ)フェニル]−4−ヒドロキシチアゾロ[5,4−d]ピリミジン
上記2−[3−シアノ−4−(2−フルオロフェノキシ)フェニル]−4−メトキシチアゾロ[5,4−d]ピリミジン(160g,0.42mmol)をジクロロメタン(6.4mL)に懸濁し、三臭化ホウ素(0.12mL,1.27mmol)を滴下した。40℃で18時間撹拌し、酢酸エチル(0.2mL)を加えて、同温度で更に8時間撹拌した。氷水(2mL)を加えた後、減圧下溶媒を留去し、残渣に水(20mL)を加え、室温で1時間撹拌した。析出した結晶を濾取し、水(10mL)で洗浄後、減圧下室温で乾燥した。得られた結晶をエタノール(15mL)に懸濁し、室温で1時間撹拌後、濾取した。エタノール(5mL)で洗浄後、減圧下室温で乾燥して、128mg(収率80%)の標題化合物を茶色がかった白色結晶として得た。
mp:288−293℃.
H−NMR(DMSO−d,400MHz):δ=7.04(1H,d,J=9Hz),7.3−7.6(4H,m),8.25(1H,d,J=4Hz),8.28(1H,dd,J=2Hz,9Hz),8.53(1H,d,J=2Hz),12.91(1H,s).
【実施例46】
【0083】
2−[3−シアノ−4−(2−フルオロフェノキシ)フェニル]−4−ヒドロキシチアゾロ[5,4−d]ピリミジン カリウム塩
上記2−[3−シアノ−4−(2−フルオロフェノキシ)フェニル]−4−ヒドロキシチアゾロ[5,4−d]ピリミジン(127mg,0.33mmol)をエタノール(3.5mL)に懸濁し、0.5mol/L水酸化カリウム/エタノール溶液(0.73mL)を加え、室温で4時間撹拌した。結晶を濾取し、エタノール(2mL)で洗浄後、減圧下室温で乾燥して117mg(収率88%)の標題化合物を白色結晶として得た。
mp:235−240℃(分解).
H−NMR(DMSO−d,400MHz):δ=7.00(1H,d,J=9Hz),7.3−7.6(4H,m),7.94(1H,s),8.17(1H,dd,J=2Hz,9Hz),8.35(1H,d,J=2Hz).
IR(KBr,cm−1):3115,2233,1570,1500,1483,1458,1412,1329,1279,1248,1186,1124,1105,1028,987.
FAB−MS(m/e):403(M+1).
【実施例47】
【0084】
2−(3−シアノ−4−フェノキシフェニル) ―4―メトキシチアゾロ[5,4−d]ピリミジン
フェノール(93mg,0.99mmol)と乾燥DMSO(2mL)の溶液に60%水素化ナトリウム(40mg,0.99mmol)を加え、50℃で20分間撹拌した。この溶液に上述の2−[4−クロロ−3−シアノフェニル]チアゾロ[5,4−d]ピリミジン(150mg,0.50mmol)と乾燥DMSO(4mL)の溶液を加え、室温で3時間撹拌、更に50℃で3時間過熱攪拌した。反応液に水を加え析出した固形物を濾取、水洗後、風乾して152mg(収率85%)の標題化合物を白色結晶として得た。
H−NMR(DMSO−d,400MHz):δ=4.15(3H,s),7.04(1H,d,J=9Hz),7.3−7.6(5H,m),8.35(1H,dd,J=2Hz,9Hz),8.60(1H,d,J=2Hz),8.76(1H,s).
【実施例48】
【0085】
2−(3−シアノ−4−フェノキシフェニル)―4―ヒドロキシチアゾロ[5,4−d]ピリミジン
上記2−(3−シアノ−4−フェノキシフェニル)―4―メトキシチアゾロ[5,4−d]ピリミジン(150mg,0.42mmol)と乾燥ジクロロメタン(10mL)の懸濁液に、三臭化ホウ素(313mg,1.25mmol)を加え、室温で66時間攪拌した。更に酢酸エチル(3mL)を加え50℃で3時間過熱攪拌した。反応液に氷水を加え析出した固形物を濾取、水及び酢酸エチルにて洗浄、風乾して87mg(収率61%)の標題化合物を白色結晶として得た。
H−NMR(DMSO−d,400MHz):δ=7.03(1H,d,J=9Hz),7.2−7.6(5H,m),8.2−8.3(1H,m),8.27(1H,dd,J=2Hz,9Hz),8.50(1H,d,J=2Hz),12.90(1H,s).
【実施例49】
【0086】
2−(3−シアノ−4−フェノキシフェニル)―4―ヒドロキシチアゾロ[5,4−d]ピリミジン カリウム塩
上記2−(3−シアノ−4−フェノキシフェニル)―4―ヒドロキシチアゾロ[5,4−d]ピリミジン(85mg,0.25mmol)をエタノール(2mL)に懸濁し、0.5mol/L水酸化カリウムのエタノール溶液(0.49mL, 0.25mmol)を加え室温で一夜撹拌した。析出した固形物を濾取しエタノールにて洗浄後、風乾し72mg(収率77%)の標題化合物を黄色結晶として得た。
mp:>260℃(分解).
H−NMR(DMSO−d,400MHz):δ=7.02(1H,d,J=9Hz),7.2−7.6(5H,m),8.01(1H,s),8.18(1H,dd,J=2Hz,9Hz),8.37(1H,d,J=2Hz).
IR(KBr)cm−1:2231,1668,1560,1481,1392,1331,1263,1192,1163,1113,1072,1020,984,895,858,804,787,690.
FAB−MS(m/e):385(M+1).

【実施例50】
【0087】
薬理実験1(in vitro測定方法)
(試験方法)
1.試験化合物の調製
試験化合物をジメチルスルホキシドに溶解後、50mMリン酸緩衝液(pH7.5)で希釈し、所定濃度の溶液を調製した。
2.測定方法
50mMリン酸緩衝液(pH7.5)で調製した250μM Xanthine(SIGMA)溶液1mLに種々の濃度に調製した試験化合物125μLを添加し、30℃で5分間 プレインキュベート(Pre incubate)した。その後50mMリン酸緩衝液(pH7.5)で70mU/mLに希釈した牛乳キサンチンオキシダーゼ(Cow milk Xanthine Oxidase)(Roche)125μLを加え、30℃で10分間反応させた後、1N塩酸(200μL)を加えて反応を停止させた。その後、分光光度計(Shimadzu UV−160A)を用いOD 290nmにおける吸光度を測定し、阻害率を算出した。得られた阻害率を用いてIC50を求めた。
なお、阻害率は下記の式より算出した。
阻害率(%)=[1−(B−C)/(A−C)]×100
A:対照の吸光度
B:試験物質を加えた場合の吸光度
C:Blank の吸光度
(試験結果)
下記の表11及び12に試験結果を示す
表11及び12から明らかなように本発明化合物はin vitroの薬理試験で、優れたキサンチンオキシダーゼ阻害作用を有することが明らかになった。
【実施例51】
【0088】
薬理実験2(in vivo測定方法)
(試験方法)
1%メチルセルロースで懸濁した試験化合物0.3mg/kg又は3mg/kgをICR系雄性マウス(7週齢)に、非絶食下で単回強制経口投与した。投与後1時間にエーテル麻酔下で後大静脈より採血を行い、常法に従って血漿を分離し、血漿中尿酸値を自動分析装置7060Eにて酵素法で測定し、Normal群に対する試験化合物投与群の血漿中尿酸値抑制率を求めた。
得られた血漿中尿酸値抑制率をもとに、同時に実施したTMX−67(0.3mg/kg)およびアロプリノール(3mg/kg)に対する同用量での相対活性比(%)を算出した。
(試験結果)
下記の表11及び12に試験結果を示す。
表11及び12から明らかなように本発明化合物はin vivoの薬理試験で、優れたキサンチンオキシダーゼ阻害作用を有することが明らかになった。
【0089】
【表11】

【0090】

表中、実施例Noは前記の実施例の番号と一致する。
【0091】
【表12】

【0092】

表中、実施例Noは前記の実施例の番号と一致する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の一般式で表される化合物又はその塩を有効成分として含有するキサンチンオキシダーゼ阻害剤。
【化1】

(式中、Rは、フッ素原子で置換されていても良いフェニル基を表し、
は、シアノ基又はニトロ基を表し、
は、水酸基を表し、
Xは、酸素原子を表し、
そしてYは、硫黄原子を表す。)
【請求項2】
がシアノ基である請求項1記載のキサンチンオキシダーゼ阻害剤。
【請求項3】
の置換位置が縮合環の4位である請求項1又は2記載のキサンチンオキシダーゼ阻害剤。
【請求項4】
2−(3−シアノ−4−フェノキシフェニル)−4−ヒドロキシチアゾロ[5.4−d]ピリミジン又はそのカリウム塩を有効成分として含有するキサンチンオキシダーゼ阻害剤。
【請求項5】
下記の一般式で表される化合物又はその塩を有効成分として含有する高尿酸血症治療剤。
【化2】

(式中、Rは、フッ素原子で置換されていても良いフェニル基を表し、
は、シアノ基又はニトロ基を表し、
は、水酸基を表し、
Xは、酸素原子を表し、
そしてYは、硫黄原子を表す。)
【請求項6】
がシアノ基である請求項5記載の高尿酸血症治療剤。
【請求項7】
の置換位置が縮合環の4位である請求項5又は6記載の高尿酸血症治療剤。
【請求項8】
2−(3−シアノ−4−フェノキシフェニル)−4−ヒドロキシチアゾロ[5.4−d]ピリミジン又はそのカリウム塩を有効成分として含有する高尿酸血症治療剤。

【公開番号】特開2012−92128(P2012−92128A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−276232(P2011−276232)
【出願日】平成23年12月16日(2011.12.16)
【分割の表示】特願2006−514620(P2006−514620)の分割
【原出願日】平成17年6月13日(2005.6.13)
【出願人】(000228590)日本ケミファ株式会社 (33)
【Fターム(参考)】