キャディバッグ用ハンドル
【課題】 ゴルフプレーヤやキャディが、立てて置かれた状態のキャディバッグをスムーズに把持して吊下げできるようにしたキャディバッグ用ハンドルを提供することにある。
【解決手段】
キャディバッグBの外側面に取り付けられる取付部4,5と、使用時において手によって握り締められるグリップ部6とを備えたキャディバッグ用ハンドル1であって、当該ハンドル1の使用時において手の人指指が常時当接する位置から小指が常時当接する位置までが傾斜しており、当該傾斜がグリップ部6の内側面9とキャディバッグBの外側面8との成す角度が30度を中心として前後10度の範囲内のいずれかの角度になるように設定されていることを特徴とするものである。
【解決手段】
キャディバッグBの外側面に取り付けられる取付部4,5と、使用時において手によって握り締められるグリップ部6とを備えたキャディバッグ用ハンドル1であって、当該ハンドル1の使用時において手の人指指が常時当接する位置から小指が常時当接する位置までが傾斜しており、当該傾斜がグリップ部6の内側面9とキャディバッグBの外側面8との成す角度が30度を中心として前後10度の範囲内のいずれかの角度になるように設定されていることを特徴とするものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャディバッグ用ハンドルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
図23は、特許文献1に記載のキャディバッグ用ハンドルをゴルフプレーヤやキャディが手で把持した状態の側面図を示す。該キャディバッグ用ハンドル100は両端が取付部101になって、キャディバッグBの外側面に螺子等によって取り付けられると共に、該各取付部101,101に連設した立上り部102,102と、両立上り部102,102の間に設けられたグリップ部103とから構成されている。同図示のように、ゴルフプレーヤやキャディは前記グリップ部103を把持して、キャディバッグを吊下げることができるものである。
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3006852号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来技術のキャディバッグ用ハンドル100においては、以下のような問題があった。即ち、図24に示すように、立てて置かれた状態のキャディバッグBのキャディバッグ用ハンドル100を、同図24に示すように、ゴルフプレーヤやキャディが手Hで把持して吊下げる際、ゴルフプレーヤやキャディの肘Xを略直角に曲げ、且つ、腰を曲げながら手Hでキャディバッグ用ハンドル100のグリップ部103を把持しなければならないか、又は、図25に示すように、腕の手首Yを大きく曲げながら前記グリップ部103を把持しなければならないため、ゴルフプレーヤやキャディは無理な姿勢を採らなければ、キャディバッグ用ハンドル100を把持してキャディバッグBを吊下げることができなかった。このため、ゴルフプレーヤやキャディは、立てて置かれた状態のキャディバッグBのキャディバッグ用ハンドル100をスムーズに把持することができないという問題があった。
【0005】
ところで、一般に、キャディバッグBについては、ゴルフクラブのクラブヘッドの位置する側に重心が位置するため、図26に示すように、ゴルフプレーヤやキャディが該グリップ部103を把持して吊下げた場合、キャディバッグBは、当該重心に作用するキャディバッグBの自重やゴルフクラブの荷重に基づくモーメントによって、図26中、矢示方向の縦振れを起こし易い。
【0006】
しかし、前記グリップ部103はキャディバッグBの外側面に対して約10度前後傾斜しているが、図26に示すように、ゴルフプレーヤやキャディが該グリップ部103を把持して吊下げた場合、同図26に示すように、キャディバッグBは地面に対して略水平になる。このため、従来のキャディバッグBにおいては、前記モーメントによって縦方向へ大きく振れ易いという問題がある。その結果、図24,又は図25に示すように、垂直に立てて置かれたキャディバッグのキャディバッグ用ハンドルを把持して同図に示すように吊下げた場合、その際の反動によって、キャディバッグBは大きく縦振れを起こして、ゴルフプレーヤやキャディの姿勢が安定しないという問題があった。又、ゴルフプレーヤやキャディがキャディバッグを把持して歩行する場合、歩行に合わせて縦振れが増幅し、歩行がし難い場合があるという問題があった。
【0007】
本発明は、前述の従来技術の問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、ゴルフプレーヤやキャディが、立てて置かれた状態のキャディバッグをスムーズに把持して吊下げできるようにし、しかも、キャディバッグの縦振れを抑制できるようにしたキャディバッグ用ハンドルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の発明は、キャディバッグの外側面に取り付けられる取付部と、使用時において手によって握り締められるグリップ部とを備えたキャディバッグ用ハンドルであって、当該ハンドルの使用時において手の人差指が常時当接する位置から小指が常時当接する位置までが傾斜しており、当該傾斜がグリップ部の内側面とキャディバッグの外側面との成す角度が30度を中心として前後10度の範囲内のいずれかの角度になるように設定されていることを特徴とするものである。
【0009】
請求項2に記載の発明は、キャディバッグの外側面に取り付けられる取付部と、使用時において手によって握り締められるグリップ部とを備えたキャディバッグ用ハンドルであって、当該ハンドルの使用時において手の人差指が常時当接する位置から小指が常時当接する位置までが傾斜しており、当該傾斜がグリップ部の外側面とキャディバッグの外側面との成す角度が35度から80度の範囲内のいずれかの角度になるように設定されていることを特徴とするものである。
【0010】
請求項3に記載の発明は、キャディバッグの外側面に取り付けられる取付部と、使用時において手によって握り締められるグリップ部とを備えたキャディバッグ用ハンドルであって、当該ハンドルの使用時において手の人差指が常時当接する位置から小指が常時当接する位置までが傾斜しており、当該傾斜がグリップ部の内側面とキャディバッグの外側面との成す角度が30度を中心として前後10度の範囲内のいずれかの角度になるように設定され、且つ、前記傾斜がグリップ部の外側面とキャディバッグの外側面との成す角度が35度から80度の範囲内のいずれかの角度になるように設定されていることを特徴とするものである。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の発明において、グリップ部の外側面には、手の小指丘(小指のつけ根から手首にかけての間)に当接してキャディバッグの縦振れを抑制するための凸部が形成されていることを特徴とするものである。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の発明において、グリップ部の内側面が、上端側から下端側へ向けて直線状、又はなだらかな曲面で形成されていることを特徴とするものである。
【0013】
請求項6に記載の発明において、請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の発明において、グリップ部の内側面には、手の親指を除く四指が位置決めされる凹凸が形成されていることを特徴とするものである。
【0014】
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の発明において、グリップ部は、上端側から下端側へ向けて把持断面積が拡大する形状であることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に記載の発明によれば、グリップ部の内側面がキャディバッグの外側面に対して、30度を中心にして前後10度の範囲内に収まるように形成されているため、ゴルフプレーヤやキャディは、立てて置かれた状態のキャディバッグのキャディバッグ用ハンドルを腕の肘を曲げたり、腰を曲げることなく、更には、手首を大きく曲げることなく、容易に、且つ、自然に把持することができる。又、キャディバッグに作用するモーメントが小さくなって、該キャディバッグの縦振れを抑制できる。
【0016】
請求項2に記載の発明によれば、グリップ部の外側面がキャディバッグの外側面に対して、35度乃至80度の範囲内に収まるように形成されているため、ゴルフプレーヤやキャディは、立てて置かれた状態のキャディバッグのキャディバッグ用ハンドルを腕の肘を曲げたり、腰を曲げることなく、更には、手首を大きく曲げることなく、且つ、手首を曲げることなく、容易に、且つ、自然に把持することができる。又、キャディバッグに作用するモーメントが小さくなって、該キャディバッグの縦振れを抑制できる。
【0017】
請求項3に記載の発明によれば、グリップ部の内側面がキャディバッグの外側面に対して、30度を中心にして前後10度の範囲内に収まるように形成され、且つ、グリップ部の外側面がキャディバッグの外側面に対して、35度乃至80度の範囲内に収まるように形成されているため、ゴルフプレーヤやキャディは、立てて置かれた状態のキャディバッグのキャディバッグ用ハンドルを腕の肘を曲げたり、腰を曲げることなく、更には、手首を大きく曲げることなく、容易に、且つ、一層自然に把持することができる。又、キャディバッグに作用するモーメントが小さくなって、該キャディバッグの縦振れを一層効果的に抑制できる。
【0018】
請求項4に記載の発明によれば、請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の発明の有する効果を奏する上に、手の小指丘がグリップ部の凸部を下方へ押し圧することにより、グリップ部を強固に把持していなくてもキャディバッグの縦振れを抑制することができる。
【0019】
請求項5に記載の発明によれば、請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の発明が有する効果を奏する上に、キャディバッグ用ハンドルの内側面は、上端側から下端側へ向けて直線状、又は、なだらかな曲線状に伸びる面で形成されたため、キャディバッグ用ハンドルを把持した際に、手の親指を除く他の四指同士の間には窮屈感がな
い。
【0020】
請求項6に記載の発明によれば、請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の発明が有する効果を奏する上に、キャディバッグ用ハンドルを把持した際に、手の親指を除く他の四指の位置決めが確固としてなされ、手によるハンドルの把持感に優れたものとなる。
【0021】
請求項7に記載の発明によれば、請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の発明が有する効果を奏する上に、キャディバッグ用ハンドルが上端側から下端側へ向けて拡大する形状のため、手とキャディバッグ用ハンドルとの間に隙間が生じ難い。当該隙間は、キャディバッグ用ハンドルを把持して吊下げた場合に、縦振れの原因となるものであるが、請求項5に記載の発明によれば、このような隙間が生じ難いないため、キャディバッグを把持して吊下げた際に、ハンドルを強固に把持していなくても、縦振れを抑制できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
図1乃至図14は第1実施形態を示す。図1はキャディバッグ用ハンドル1がキャディバッグBに取付けられた状態の側面図を示し、図2はキャディバッグ用ハンドル1がキャディバッグBに取付けられた状態の縦断面図を示す。図3は図2のP―P線断面図を示し、図4は図2のQ―Q線断面図を示す。図5は、キャディバッグ用ハンドル1が変形する状態を示し、図6乃至図14は作用を説明するための図である。ここで、図6に示すように、キャディバッグB内にゴルフクラブKを収容してキャディバッグBを垂直に立てて置いた場合、クラブヘッドの位置する側が上側となるため、クラブヘッドの位置する側のキャディバッグBの部位を上側とし、その反対側を下側とする。
【0023】
図1,図2に示すように、キャディバッグ用ハンドル1の上端側2と下端側3には取付部4,5が設けられ、これら二つの取付部4,5の間の特に上部がグリップ部6になっている。キャディバッグ用ハンドル1は、取付部4,5によってキャディバッグBの外側面8に螺子止め等される。又、図1に示すように、グリップ部6は、ゴルフプレーヤやキャディの手Hによって把持される部位である。
【0024】
図2に示すように、キャディバッグ用ハンドル1は、内側面9と外側面10と左右の横側面11と後側面12によって囲まれた形状である。
【0025】
グリップ部6の内側面9は、キャディバッグBの外側面8に対して30度を中心にして前後10度の範囲内の何れか角度に形成されるものであり、特に、本実施形態では約30度に形成されている。
【0026】
又、グリップ部6の外側面10は、キャディバッグBの外側面8に対して略35度乃至80度の範囲内の何れかの角度に形成されるものであり、特に、本実施形態では約55度に形成されている。
【0027】
前記グリップ部6の内側面9、又は外側面10が、キャディバッグBの外側面8に対して前述の角度を成す範囲内のいずれかの角度に形成されることにより、図2に示すように、グリップ部6を横方向から観たグリップ部6の横側面11の形状は、キャディバッグ用ハンドル1の上端側13から後端側14へ進むに従って、その横断面積、即ち、把持断面積が徐々に拡大するように略三角形状になっている。図3はグリップ部6の上端側13の断面図であり、図4はグリップ部6の下端側14の断面図であって、図4に示す、グリップ部6の下端側14の断面形状が、図3に示す、グリップ部6の上端側13の断面形状よりも拡大していることを示す。
【0028】
又、前記グリップ部6は、先端側において6.4cm2以上の断面積の多角形で、後端側において7.2cm2以上の断面積の多角形に形成することができる。尚、このように、グリップ部6の断面形状を多角形にした場合、角部に丸みを設けることにより、手Hとの当たりを滑らかにしてもよい。
【0029】
グリップ部6の断面形状、例えば、図3に示すように、図2のP―P線断面形状,又は、図4に示すように、図2のQ―Q線断面形状は、該グリップ部6の内側面9において幅方向(矢示方向)に平坦であって、外側面10において弧状で、且つ、縦方向には縦長の形状に形成することができる。グリップ部6の断面形状をこのような略卵形に形成することにより、手Hの親指を除く他の四指は内側面9をフィット感良く把持することができ、又、掌は外側面10にフィット感良く当接できるものである。尚、グリップ部6の断面形状を多角形にすることにより、グリップ部6は不用意に横方向へ回転することなく、安定感良く把持されるものである。
【0030】
又、同図2に示すように、グリップ部6の内側面9には、ゴルフプレーヤやキャディの手Hの親指を除く四指を位置決めするための凹凸16が形成されている。
【0031】
前記グリップ部6の内側面9は、上端側13から下端側14へ向けて直線状、又は、なだらかな曲線状に伸びる面で形成されることにより、グリップ部6を手Hで把持した際に、手の親指を除く他の四指同士が隙間を開けることができるようにすることにより、当該四指同士の間に窮屈感を生じないようにしても良い。
【0032】
図2に示すように、キャディバッグ用ハンドル1の外側面10は、キャディバッグ用ハンドル1の上端側13から下端側14に亘って、なだらかなS字状に起伏して形成されることにより、グリップ部6を把持した際に、該グリップ部6の外側面10が掌に馴染み易くなっている。又、該グリップ部6の外側面10の下端側14には、凸部15が設けられている。該凸部15には、ゴルフプレーヤやキャディがグリップ部6を把持した際に、ゴルフプレーヤやキャディの手Hの小指丘17の側部が当接する当接面15aが設けられている。ここで、小指丘17とは、手の小指のつけ根から手首にかけての部分である。図1,図2に示すように、前記当接面15aは、手の小指丘17の側部が馴染み感良く密接できるように湾曲面で形成されている。前記凸部15は、手の小指丘17の側部が当接できるように、小指丘17の側部の厚さの少なくとも半分以上の高さに突出することが好ましい。具体的には、前記凸部15は、1.0cm以上であって、3.0cm以下の高さの範囲内の寸法に形成することが好ましいが、略1.5cmの高さの半球、円柱、又は円錐形に形成することが好ましい。
【0033】
図2に示すように、前述の形状のグリップ部6は硬質の素材で形成され、且つ、グリップ部6の周囲を軟質の被覆材6aで被覆するようにすれば、前記凸部15は変形し難い上に、凸部15が軟質の素材で覆われることにより、凸部15が手の小指丘17に馴染み易く当接できる。この場合、グリップ部6はABS,PC,POM,PA,PP等の硬質樹脂等によって形成される。又、被覆材6aは熱可塑性エラストマやラバーなどの、シェアA45〜A90の素材によって形成することができる。該被覆材6aの厚さは、2mmから10mmの範囲内から選択されるが、4mmから5mmの範囲内から選択されることが好ましい。尚、図2中,一点鎖線で示すように、グリップ部6の中央に硬質の心材21を設け、該心材21の上下両端に取付部4,5を設けた構成にするこも可能である。この場合、心材21はアルミニウム等の金属によって形成することができる。即ち、グリップ部6の中央に心材21を設け、周囲が被覆材6aで被覆された3層構造にすることができるものである。このように構成した場合、グリップ部6の強度を更に強めることができる。
【0034】
次ぎに、図1に基づき、ゴルフプレーヤやキャディがグリップ部6を把持する際におけるゴルフプレーヤやキャディの手Hと、前記凸部15との位置関係について説明する。図1は、キャディやプレーヤがグリップ部6を把持した状態を示している。同図1において、ゴルフプレーヤやキャディの手Hの指の内、親指がグリップ部6の外側面9に当接し、且つ、親指を除く四指がグリップ部6の内表面10に当接している。そして、このような状態において、手の小指丘17の側部または表面、即ち、小指のつけ根から手首にかけての部分の側部または表面が、前記凸部15に当接する位置関係にある。つまり、グリップ部6の長さLは掌の幅と略同じ長さであって、男性用のキャディバッグ用ハンドル1の場合、前記凸部15は、実施例ではグリップ部6の上端側13から略43mm後方の上端側13aから略80mm乃至100mmの範囲内で選択された位置に形成されるが、グリップ部6の上端側13aから略87mmの位置に形成されることが好ましい。又、女性用のキャディバッグ用ハンドル1の場合には、前記凸部15は、実施例ではグリップ部6の上端側13から略43mm後方の上端側13aから略70mm乃至90mmの範囲内で選択された位置に形成されるが、グリップ部6の上端側13aから略79mmの位置に形成されることが好ましい。
【0035】
図1,図2,図5に示すように、前記凸部15の後側の裾部15bは、内側へ凹んだ凹部になっている。又、グリップ部6の後端側14には、該グリップ部6の横側面11,11間を貫通するように窓部18が設けられている。該窓部18の側面形状は、グリップ部6の上端側13から下端側14へ向けて拡大するように略三角形をなしている。前記裾部15bおよび窓部18によって、グリップ部6は弾性を付与されることができるものである。即ち、図5に示すように、グリップ部6がゴルフプレーヤやキャディによって把持されて大きな荷重とともに把持力Fが作用した場合、同図5中、一点鎖線で示すように、前記裾部15bが内側へ凹み、且つ、窓部18の幅が狭まるように変形することにより、同図5中、一点鎖線で示すように、グリップ部6の外側面10と内側面9とが互いに接近するように変形する一方、該グリップ部6の素材が有する弾性によってグリップ部6が外向きに復元しようとする反撥力によって、グリップ部6の外側面10は、キャディやプレーヤ等の掌に密着するものである。
【0036】
次ぎに、作用について説明する。本実施形態の効果について、従来技術と比較しながら説明する。先ず、従来技術においては、図6に示すように、キャディバッグBが垂直に立てられた状態において、ゴルフプレーヤやキャディがキャディバッグ用ハンドル100を把持する場合、従来では、図6に示すように、ゴルフプレーヤやキャディは腕の肘Xを曲げた状態でキャディバッグ用ハンドル100を把持しなければならない。このため、ゴルフプレーヤやキャディは腕の肘Xに違和感を感じたり、腰をかがめる必要があった。
【0037】
しかし、本実施形態においては、図1,図2に示すように、キャディバッグ用ハンドル1のグリップ部6の内側面9が、キャディバッグBの外側面8に対して30度を中心として前後10度の範囲から選択される角度をなすように形成されている。このため、図8に示すように、垂直に立てて置かれたキャディバッグBのキャディバッグ用ハンドル1を把持する際、ゴルフプレーヤやキャディは腕の肘Xを曲げたり、腰をかがめることなくキャディバッグ用ハンドル1を把持することができる。このため、ゴルフプレーヤやキャディは、肘に違和感を感じたり、腰に負担をかける虞が少ない。
【0038】
又、図25に示すように、垂直に立てて置かれた従来技術のキャディバッグBのキャディバッグ用ハンドル100を把持する際、ゴルフプレーヤやキャディは手首Yを大きく曲げながらキャディバッグ用ハンドル100を把持しなければならない場合もあった。
【0039】
しかし、本実施形態においては、図1,図2に示すように、キャディバッグ用ハンドル1のグリップ部6の内側面9がキャディバッッグBの外側面8に対して30度を中心として前後10度の範囲内の角度を成すように形成されているため、図8に示すように、ゴルフプレーヤやキャディは腕の肘Xや手首Yを大きく曲げることなく、しかも、腰を曲げることなく、キャディバッグ用ハンドル1のグリップ部6を把持することができる。
【0040】
更に、本実施形態においては、図1,図2に示すように、キャディバッグ用ハンドル1のグリップ部6の外側面10がキャディバッッグBの外側面8に対して35度から80度の範囲内の何れかの角度を成すように形成されているため、図8に示すように、ゴルフプレーヤやキャディは腕の肘Xや手首Yを大きく曲げることなく、しかも、腰を曲げることなく、キャディバッグ用ハンドル1のグリップ部6を把持することができる。
【0041】
又、従来技術の場合、図6に示すように、垂直に立てられた状態のキャディバッグBをゴルフプレーヤやキャディが把持して図7に示すように、水平に吊下げた状態においては、キャディバッグBは垂直に立てられた状態から回転して略水平の状態にまで変動するため、キャディバッグBは当該回転に伴った反動によって、キャディバッグBの上下方向(矢示方向)の縦振れ、いわゆる、初動が生じる結果、ゴルフプレーヤやキャディがキャディバッグBを吊下げた際に大きな力を受けて違和感を感じたり、内部のゴルフクラブKが飛び出しそうになり易かった。
【0042】
しかし、本実施形態においては、キャディバッグ用ハンドル1の内側面9がキャディバッグBの外側面8に対して30度を中心として前後10度の範囲内のいずれかの角度を成すように形成されている。このため、図8に示すように垂直に立てられたキャディバッグBを、ゴルフプレーヤやキャディが吊下げる際、図9に示すように、垂直に立てられた状態のキャディバッグBは、略50度乃至70度の範囲だけ回転して吊下げられるため、ゴルフプレーヤやキャディがキャディバッグBを吊下げる際に生じる初動は、従来技術のキャディバッグを吊下げる場合よりも少ない。
【0043】
このため、本実施形態のキャディバッグBを把持して吊下げたゴルフプレーヤやキャディには、キャディバッグ1の倒れるような姿勢の変動による大きな荷重を受けることがなく、ゴルフプレーヤやキャディは安定した姿勢でキャディバッグBを把持することができる。
【0044】
更に、本実施形態においては、図9に示すように、ゴルフプレーヤやキャディがキャディバッグを吊下げた状態において、該キャディバッグに作用するモーメントについて以下の作用効果を奏することができるものである。本実施形態の特徴を明らかにするために、先ず、従来技術のキャディバッグBに作用するモーメントについて説明する。図10に示すように、従来技術のキャディバッグBは略水平の状態で吊下げられる。
【0045】
このように、略水平に吊下げられたキャディバッグBにおいて、ゴルフプレーヤやキャディの手に作用するモーメントL1は以下の数1によって求められる。同数1中、Fはキャディバッグ用ハンドル1を中心とした回転力である。キャディバッグBにゴルフクラブを収容した状態においては、キャディバッグBの重心は、クラブヘッドの近傍にあって、該重心に作用する加重をMgとすると、回転力Fと荷重Mgとは等しい。
【0046】
(数1)
L1=F×R=Mg×R
但し、Rは、キャディバッグ用ハンドル100から重心までの距離とする。
【0047】
一方、本実施形態のキャディバッグBのキャディバッグ用ハンドル1のグリップ部6の内側面9は、図2に示すように、キャディバッグBの外側面8に対して約30度を中心にして前後に10度の範囲内のいずれかの角度θに設定されている。このため、図11に示すように、ゴルフプレーヤやキャディがキャディバッグBを把持して吊下げた場合、キャディバッグBは地面に対して角度θを成す。この状態において、キャディバッグ用ハンドル1を中心とした回転力FはMgcosθである。従って、キャディバッグ用ハンドル1に作用するモーメントL2は以下の数2で求められる。
【0048】
(数2)
L2=F×R=Mgcosθ×R
そして、図12を参酌すると、cosθはθ=30度を中心として前後10度の範囲内で大きく変化するという特性がある。このため、本実施形態のキャディバッグ用ハンドル1に作用するモーメントL2は、従来技術のキャディバッグ用ハンドル100に作用するモーメントL1に比較して、格別に小さく成るものである。本実施形態においては、このように、キャディバッグ用ハンドル1に作用するモーメントL2が小さくなることによって、図9に示すように、ゴルフプレーヤやキャディがキャディバッグ用ハンドル1を吊下げた際に、キャディバッグBは縦振れを起こし難い。このため、ゴルフプレーヤやキャディは図8に示すように、立てて置かれたキャディバッグBのキャディバッグ用ハンドル1を把持して吊下げた際にゴルフプレーヤやキャディは安定感良く、キャディバッグBを吊下げできる。又、ゴルフプレーヤやキャディがキャディバッグBを吊下げて歩行する際にも、ゴルフプレーヤやキャディはキャディバッグBを吊下げて安定感良く歩行することができる。
【0049】
一方、前記θを大きくすると、キャディバッグ用ハンドル1に作用するモーメントL2は小さくなるが、キャディバッグBが垂直に近づくように立ち上がるため、ゴルフプレーヤやキャディがキャディバッグ用ハンドル1を把持し難いという実情がある。
【0050】
このため、前述のように、キャディバッグ用ハンドル1に作用するモーメントL2、及びキャディバッグBの把持し易さを考慮した場合、キャディバッグBと地面との成す角度θは、30度の近傍に設定することが好ましい。
【0051】
従って、本実施形態のように、キャディバッグ用ハンドル1のグリップ部6の内側面9と、キャディバッグBの外側面10との成す角度を30度の近傍に設定することは、以上のように、キャディバッグBの縦振れを抑制しつつキャディバッグBを把持し易くすることを考慮した場合、格別の作用効果を奏するものである。
【0052】
又、本実施形態においては、図1に示すように、グリップ部6の外側面10の後端側14には、凸部15が形成されている。このため、図1に示すように、ゴルフプレーヤやキャディが手の小指丘17で該凸部15を下方へ押え付けることにより、キャディバッグBのクラブヘッド側を上げるようにして、キャディバッグBの縦振れを効果的に易しく、且つ、自然に抑制させることができる。その結果、キャディバッグBの初動を抑制できる上に、キャディバッグBの運搬が容易となり、ゴルフプレーヤやキャディの姿勢が安定することができる。
【0053】
更に、図13に示すように、従来においては、ゴルフプレーヤやキャディがグリップ部102を把持する場合、親指と人指指によってグリップ部102を把持しているが、親指,及び人指指を除く他の三指と小指丘との間には隙間Sが生じる。この隙間Sが、いわゆる、グリップ部102の縦方向の振れに対する遊びとなるため、キャディバッグBは一層、縦振れし易かった。このため、従来技術においては、縦振れを無くそうとする場合には、前記隙間Sが生じないように、手の小指丘と小指とでグリップ部102を強く握り締めなければならない。
【0054】
しかし、本実施形態においては、図1,図2に示すように、グリップ部6は上端側13から下端側14へ進むにつれて拡大した形状であって、手の小指丘17がグリップ部6に当接する形状であるため、従来技術のようには、グリップ部6を強く握り締めなくても、手の五指によってグリップ部6を自然に把持することができる。このように、本実施形態においては、図13に示す従来技術のように隙間Sが生じないため、当該隙間Sの発生に伴った、キャディバッグBの縦振れを抑制することができる。
【0055】
又、従来技術においては、図7に示すように、ゴルフプレーヤやキャディがキャディバッグBを手に吊下げて持った状態から、図6に示すように、該キャディバッグBを垂直に立てて置く場合には、ゴルフプレーヤやキャディは、腕の肘Xを略直角に曲げながら、手の小指丘でキャディバッグ用ハンドル100を前方に押さなければ、キャディバッグBを垂直に立てた状態に置くことができない。このように、従来技術においては、キャディバッグBを手で把持したまま、腕の肘Xや手首Yを大きく曲げることは肘Xや手首Y、又は腰に相当の負担をかけるものであった。
【0056】
しかし、本実施形態においては、図9に示すように、ゴルフプレーヤやキャディがキャディバッグ用ハンドル1を手で把持してキャディバッグBを吊下げた状態から、図8に示すように、キャディバッグBを垂直に立てて置く場合、ゴルフプレーヤやキャディは、図1に示すように、手の小指丘17で、キャディバッグ用ハンドル1の凸部15を下方へ押圧することにより、図8に示すように、腕の肘Yや手首Yを大きく曲げることなく、又は、腰を曲げることなくキャディバッグBを図8に示すように垂直に立てた状態で置くことができる。
【0057】
ところで、図14に示すように、仮に、グリップ部Gの内側面αが曲率半径の小さな湾曲面で形成された場合には、ゴルフプレーヤやキャディがグリップ部Gを把持してキャディバッグを吊下げた際に、ゴルフプレーヤやキャディの親指を除く他の四指には、中指Nに向けて集まる方向の力F1が作用するため、四指には窮屈な感じが生じる。又、このように、グリップ部Gの内側面αを曲率半径の小さな湾曲面で形成した場合には、ゴルフプレーヤやキャディがグリップ部Gを把持してキャディバッグを吊下げた際に、該キャディバッグの荷重は、中指Nに中心に加わるため、ゴルフプレーヤやキャディがキャディバッグを長時間、把持し続けることにより、中指Nに痛みを覚える場合がある。
【0058】
しかし、本実施形態においては、図1,図2に示すように、グリップ部6の内側面9をなだらかな湾曲面、又は、平坦面で形成した場合には、ゴルフプレーヤやキャディは、親指を除く他の四指は互いに間隔を空けた状態で、グリップ部6を把持してキャディバッグBを吊下げることができる。このため、親指を除く他の四指には、図14に示す従来技術のように、中指Nに向けて集まる方向の力F1は作用しない。従って、親指を除く他の四指には、窮屈感は生じない。このため、ゴルフプレーヤやキャディは、キャディバッグBを長時間、吊下げる場合であっても、耐え得ることができる。又、本実施形態のキャディバッグ用ハンドル1のグリップ部6の内側面9は、平坦面、又は、なだらかな湾曲面で形成されているため、グリップ部6を把持した場合、キャディバッグBの荷重は、親指を除く他の四指に略均等に加わることができるため、従来技術のように、中指のみに痛みを感じる虞が少ない。
【0059】
図15,図16は、第二実施形態を示す。第二実施形態の特徴は、キャディバッグ用ハンドル51の一部をキャディバッグB内に収容可能にした状態を示す構成図である。図15は、キャディバッグ用ハンドル51の使用状態を示し、図16は、キャディバッグ用ハンドル51の一部をキャディバッグB内に収容した状態を示す。
【0060】
この第二実施形態においては、キャディバッグ用ハンドル51の一端側は、取付部52になって、該取付部52は、キャディバッグBの外側面8に固着された取付部材53に回転軸54によって回転自在に取付けられている。又、該キャディバッグ用ハンドル51の他端側は出没部55になって、案内筒56内に出没可能になっている。該案内筒56はキャディバッグB内に収容されて設けられ,且つ、該キャディバッグBの外側面に開口している。
【0061】
前記案内筒56の開口縁には、該案内筒56の軸方向に沿って互いに間隔を隔てて第一,第二係合片57,58が設けられている。該第一,第二係合片57,58は、案内筒56の周縁から案内筒56の中心に向けて突出し、且つ、中心には挿通孔59が形成されることにより、該第一,第二係合片57,58はリング状に形成されている。これら第一,第二係合片57,58の間は、係合溝60になっている。前記第一係合片57の部位における前記挿通孔59の径は、前記第二係合片58の部位における前記挿通孔59の径よりも小径になっている。又、案内筒56の縁部には、第三係合片61が回転可能に設けられている。該第三係合片61は、その基端側がビス等によって前記案内筒56の縁部に回転可能に取り付けられると共に、該第三係合片61の先端側は、バネ部材(図示せず)のバネ力によって、前記案内筒56の開口側ヘ向けて付勢されている。
【0062】
前記キャディバッグ用ハンドル51の出没部55の太さは、前記第一,第二係合片57,58の挿通孔59を挿通できる太さである。又、キャディバッグ用ハンドル51の出没部55の先端部には、外方へ向けて拡径する係合受部62が設けられている。該係合受部62の厚さは、前記係合溝60の溝幅と略同様であって、該係合受部62が係合溝60に係合可能になっている。又、前記出没部55の基端側には、ストッパ部63が設けられている。該ストッパ部63は前記通孔59を挿通できない太さである。該ストッパ部63の近傍には、係合孔64が形成されている。
【0063】
図15に示すように、キャディバッグ用ハンドル51が外方へ突出して、該キャディバッグ用ハンドル51の係合受部62が、案内筒56の係合溝59に係合した状態が、キャディバッグ用ハンドル51の使用状態である。この使用状態においては、第三係合片61は出没部55の側面に触れている。当該使用状態においては、ゴルフプレーヤやキャディは、キャディバッグ用ハンドル51を把持することができる。
【0064】
次ぎに、キャディバッグ用ハンドル51をキャディバッグB内に収容する場合には、キャディバッグ用ハンドル51の出没部55を下方へ強く押圧すると、該出没部55の先端の係合受部62が、案内筒56の第二係合片58を下方へ押し曲げるようにして係合溝59から脱出することにより、図16に示すように、出没部55が、案内筒56内に収容される。この際、第三係合片61は、キャディバッグ用ハンドル51に設けられた係合孔64に係合している。この状態が収容状態である。この収容状態においては、同図16に示すように、キャディバッグ用ハンドル51の外方への突出量が、図12に示す状態よりも少ない。このため、図16に示す状態のキャディバッグは、狭いスペース内に収容することができる。
【0065】
図17乃至図22は第三実施形態を示す。この第三実施形態の特徴は、図17に示すキャディバッグ用ハンドル81が矢示方向へ横倒しにされて、図20に示すように折畳み可能に構成された点にある。図17は、キャディバッグ用ハンドル81の使用状態であって、キャディバッグ用ハンドル81を真上から観た状態の図である。図20はキャディバッグ用ハンドル81を横倒しにして折畳んだ状態であって、折畳んだ状態のキャディバッグ用ハンドル81を真上から観た状態の図である。図18は、図17のA―A線矢示方向断面図である。図19は、図17のB―B線矢示方向断面図である。図21は、図20のC―C線矢示方向断面図である。図22は、図20のD―D線矢示方向断面図である。
【0066】
キャディバッグ用ハンドル81は軸82によってキャディバッグに横倒し可能に取り付けられている。
【0067】
該キャディバッグ用ハンドル81の一端側には第一係合部83が設けられると共に、キャディバッグには該第一係合部83が係合する第一係合受部84が設けられている。又、該キャディバッグ用ハンドル81の他端側には第二係合部85が設けられると共に、キャディバッグには該第二係合部85が係合する第二係合受部86が設けられている。
【0068】
前記第一係合部83は、図18,図21に示すように、キャディバッグ用ハンドル81の側面から突出した突起によって構成される。又、前記第一係合受部84は、キャディバッグの表面に設けられているトグルクランプのような二つの安定な保持位置を有する保持装置によって構成される。該トグルクランプは、クランプ片87と、巻きバネ(図示せず)とを備えている。クランプ片87は、一端がレバー部になり、他端には凹部88が形成されている。そして、該トグルクランプ片87は、巻きバネによってトグル的に作動して、図18に示す状態と、図21に示す状態との二つの位置に保持されるようになっている。図21に示す状態においては、凹部88は上を向くように開口し、図15に示す状態においては、凹部88は下を向くように開口して、第一係合部83が係合している。
【0069】
図22に示すように、前記第二係合部85はキャディバッグ用ハンドル81が横倒しにされて折畳まれた場合に下位になる側面に形成された突起によって構成される。又、前記第二係合受部86は、該キャディバッグ用ハンドル81が折畳まれた場合に該第一係合部85が係合するようにキャディバッグに設けられた係合孔によって構成される。
【0070】
このように構成された第三実施形態において、キャディバッグ用ハンドル81の使用時においては、図17に示すように、該キャディバッグ用ハンドル81は起立し、図18に示すように、第一係合部83は第一係合受部84に係合している。第一係合部83が第一係合受部84に係合することにより、キャディバッグ用ハンドル81は起立したままの姿勢に保持される。
次ぎに、キャディバッグ用ハンドル81を横倒しにして折畳む場合には、図18において、第一係合受部87のレバー部を下方へ押し下げると、図21に示すように、該第一係合受部84の凹部88が上を向いた姿勢になる。この状態において、キャディバッグ用ハンドル81を横方向へ押し倒すと、第一係合部83と第一係合受部84との係合が解除されて、図20に示すように、キャディバッグ用ハンドル81は横倒しになる。この横倒しの状態においては、図22に示すように、キャディバッグ用ハンドル81の第二係合部85がキャディバッグの第二係合受部86に係合することにより、キャディバッグ用ハンドル81が横倒しになった状態が保持される。このように、キャディバッグ用ハンドル81が横倒しになることにより、キャディバッグは狭いスペース内に収容されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】キャディバッグ用ハンドルを手で把持した状態の側面図である。(第一実施形態)
【図2】キャディバッグ用ハンドルの縦断面図である。(第一実施形態)
【図3】図2のP―P線断面図である。(第一実施形態)
【図4】図2のQ―Q線断面図である。(第一実施形態)
【図5】グリップ部が変形する状態を示すキャディバッグ用ハンドルの側面図である。(第一実施形態)
【図6】作用を説明するキャディバッグ用ハンドルの側面図である。
【図7】作用を説明するキャディバッグ用ハンドルの側面図である。
【図8】作用を説明するキャディバッグ用ハンドルの側面図である。
【図9】作用を説明するキャディバッグ用ハンドルの側面図である。
【図10】キャディバッグ用ハンドルに作用するモーメントを説明する図である。
【図11】キャディバッグ用ハンドルに作用するモーメントを説明する図である。
【図12】角度θとSinθとの関係を示す図表である。
【図13】従来技術のグリップ部を手で把持した状態の図である。
【図14】作用を説明するキャディバッグ用ハンドルの側面図である。
【図15】キャディバッグ用ハンドルの使用状態を示すキャディバッグ用ハンドルの側面図である。(第二実施形態)
【図16】キャディバッグ用ハンドルの収容状態を示すキャディバッグ用ハンドルの側面図である。(第二実施形態)
【図17】使用状態のキャディバッグ用ハンドルを真上から観た状態の図である。(第三実施形態)
【図18】図14のA―A線断面図である。(第三実施形態)
【図19】図14のB―B線断面図である。(第三実施形態)
【図20】キャディバッグ用ハンドルを横倒しにしてキャディバッグ用ハンドルを真上から観た状態の図である。(第三実施形態)
【図21】図17のC―C線断面図である。(第三実施形態)
【図22】図17のD―D線断面図である。(第三実施形態)
【図23】キャディバッグ用ハンドルの斜視図である。(従来技術)
【図24】作用を説明する図である。(従来技術)
【図25】作用を説明する図である。(従来技術)
【図26】作用を説明する図である。(従来技術)
【符号の説明】
【0072】
1 キャディバッグ用ハンドル
4 取付部
5 取付部
6 グリップ部
9 内側面
10 外側面
15 凸部
15a 当接面
15b 裾部
16 凹凸
18 窓部
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャディバッグ用ハンドルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
図23は、特許文献1に記載のキャディバッグ用ハンドルをゴルフプレーヤやキャディが手で把持した状態の側面図を示す。該キャディバッグ用ハンドル100は両端が取付部101になって、キャディバッグBの外側面に螺子等によって取り付けられると共に、該各取付部101,101に連設した立上り部102,102と、両立上り部102,102の間に設けられたグリップ部103とから構成されている。同図示のように、ゴルフプレーヤやキャディは前記グリップ部103を把持して、キャディバッグを吊下げることができるものである。
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3006852号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来技術のキャディバッグ用ハンドル100においては、以下のような問題があった。即ち、図24に示すように、立てて置かれた状態のキャディバッグBのキャディバッグ用ハンドル100を、同図24に示すように、ゴルフプレーヤやキャディが手Hで把持して吊下げる際、ゴルフプレーヤやキャディの肘Xを略直角に曲げ、且つ、腰を曲げながら手Hでキャディバッグ用ハンドル100のグリップ部103を把持しなければならないか、又は、図25に示すように、腕の手首Yを大きく曲げながら前記グリップ部103を把持しなければならないため、ゴルフプレーヤやキャディは無理な姿勢を採らなければ、キャディバッグ用ハンドル100を把持してキャディバッグBを吊下げることができなかった。このため、ゴルフプレーヤやキャディは、立てて置かれた状態のキャディバッグBのキャディバッグ用ハンドル100をスムーズに把持することができないという問題があった。
【0005】
ところで、一般に、キャディバッグBについては、ゴルフクラブのクラブヘッドの位置する側に重心が位置するため、図26に示すように、ゴルフプレーヤやキャディが該グリップ部103を把持して吊下げた場合、キャディバッグBは、当該重心に作用するキャディバッグBの自重やゴルフクラブの荷重に基づくモーメントによって、図26中、矢示方向の縦振れを起こし易い。
【0006】
しかし、前記グリップ部103はキャディバッグBの外側面に対して約10度前後傾斜しているが、図26に示すように、ゴルフプレーヤやキャディが該グリップ部103を把持して吊下げた場合、同図26に示すように、キャディバッグBは地面に対して略水平になる。このため、従来のキャディバッグBにおいては、前記モーメントによって縦方向へ大きく振れ易いという問題がある。その結果、図24,又は図25に示すように、垂直に立てて置かれたキャディバッグのキャディバッグ用ハンドルを把持して同図に示すように吊下げた場合、その際の反動によって、キャディバッグBは大きく縦振れを起こして、ゴルフプレーヤやキャディの姿勢が安定しないという問題があった。又、ゴルフプレーヤやキャディがキャディバッグを把持して歩行する場合、歩行に合わせて縦振れが増幅し、歩行がし難い場合があるという問題があった。
【0007】
本発明は、前述の従来技術の問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、ゴルフプレーヤやキャディが、立てて置かれた状態のキャディバッグをスムーズに把持して吊下げできるようにし、しかも、キャディバッグの縦振れを抑制できるようにしたキャディバッグ用ハンドルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の発明は、キャディバッグの外側面に取り付けられる取付部と、使用時において手によって握り締められるグリップ部とを備えたキャディバッグ用ハンドルであって、当該ハンドルの使用時において手の人差指が常時当接する位置から小指が常時当接する位置までが傾斜しており、当該傾斜がグリップ部の内側面とキャディバッグの外側面との成す角度が30度を中心として前後10度の範囲内のいずれかの角度になるように設定されていることを特徴とするものである。
【0009】
請求項2に記載の発明は、キャディバッグの外側面に取り付けられる取付部と、使用時において手によって握り締められるグリップ部とを備えたキャディバッグ用ハンドルであって、当該ハンドルの使用時において手の人差指が常時当接する位置から小指が常時当接する位置までが傾斜しており、当該傾斜がグリップ部の外側面とキャディバッグの外側面との成す角度が35度から80度の範囲内のいずれかの角度になるように設定されていることを特徴とするものである。
【0010】
請求項3に記載の発明は、キャディバッグの外側面に取り付けられる取付部と、使用時において手によって握り締められるグリップ部とを備えたキャディバッグ用ハンドルであって、当該ハンドルの使用時において手の人差指が常時当接する位置から小指が常時当接する位置までが傾斜しており、当該傾斜がグリップ部の内側面とキャディバッグの外側面との成す角度が30度を中心として前後10度の範囲内のいずれかの角度になるように設定され、且つ、前記傾斜がグリップ部の外側面とキャディバッグの外側面との成す角度が35度から80度の範囲内のいずれかの角度になるように設定されていることを特徴とするものである。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の発明において、グリップ部の外側面には、手の小指丘(小指のつけ根から手首にかけての間)に当接してキャディバッグの縦振れを抑制するための凸部が形成されていることを特徴とするものである。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の発明において、グリップ部の内側面が、上端側から下端側へ向けて直線状、又はなだらかな曲面で形成されていることを特徴とするものである。
【0013】
請求項6に記載の発明において、請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の発明において、グリップ部の内側面には、手の親指を除く四指が位置決めされる凹凸が形成されていることを特徴とするものである。
【0014】
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の発明において、グリップ部は、上端側から下端側へ向けて把持断面積が拡大する形状であることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に記載の発明によれば、グリップ部の内側面がキャディバッグの外側面に対して、30度を中心にして前後10度の範囲内に収まるように形成されているため、ゴルフプレーヤやキャディは、立てて置かれた状態のキャディバッグのキャディバッグ用ハンドルを腕の肘を曲げたり、腰を曲げることなく、更には、手首を大きく曲げることなく、容易に、且つ、自然に把持することができる。又、キャディバッグに作用するモーメントが小さくなって、該キャディバッグの縦振れを抑制できる。
【0016】
請求項2に記載の発明によれば、グリップ部の外側面がキャディバッグの外側面に対して、35度乃至80度の範囲内に収まるように形成されているため、ゴルフプレーヤやキャディは、立てて置かれた状態のキャディバッグのキャディバッグ用ハンドルを腕の肘を曲げたり、腰を曲げることなく、更には、手首を大きく曲げることなく、且つ、手首を曲げることなく、容易に、且つ、自然に把持することができる。又、キャディバッグに作用するモーメントが小さくなって、該キャディバッグの縦振れを抑制できる。
【0017】
請求項3に記載の発明によれば、グリップ部の内側面がキャディバッグの外側面に対して、30度を中心にして前後10度の範囲内に収まるように形成され、且つ、グリップ部の外側面がキャディバッグの外側面に対して、35度乃至80度の範囲内に収まるように形成されているため、ゴルフプレーヤやキャディは、立てて置かれた状態のキャディバッグのキャディバッグ用ハンドルを腕の肘を曲げたり、腰を曲げることなく、更には、手首を大きく曲げることなく、容易に、且つ、一層自然に把持することができる。又、キャディバッグに作用するモーメントが小さくなって、該キャディバッグの縦振れを一層効果的に抑制できる。
【0018】
請求項4に記載の発明によれば、請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の発明の有する効果を奏する上に、手の小指丘がグリップ部の凸部を下方へ押し圧することにより、グリップ部を強固に把持していなくてもキャディバッグの縦振れを抑制することができる。
【0019】
請求項5に記載の発明によれば、請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の発明が有する効果を奏する上に、キャディバッグ用ハンドルの内側面は、上端側から下端側へ向けて直線状、又は、なだらかな曲線状に伸びる面で形成されたため、キャディバッグ用ハンドルを把持した際に、手の親指を除く他の四指同士の間には窮屈感がな
い。
【0020】
請求項6に記載の発明によれば、請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の発明が有する効果を奏する上に、キャディバッグ用ハンドルを把持した際に、手の親指を除く他の四指の位置決めが確固としてなされ、手によるハンドルの把持感に優れたものとなる。
【0021】
請求項7に記載の発明によれば、請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の発明が有する効果を奏する上に、キャディバッグ用ハンドルが上端側から下端側へ向けて拡大する形状のため、手とキャディバッグ用ハンドルとの間に隙間が生じ難い。当該隙間は、キャディバッグ用ハンドルを把持して吊下げた場合に、縦振れの原因となるものであるが、請求項5に記載の発明によれば、このような隙間が生じ難いないため、キャディバッグを把持して吊下げた際に、ハンドルを強固に把持していなくても、縦振れを抑制できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
図1乃至図14は第1実施形態を示す。図1はキャディバッグ用ハンドル1がキャディバッグBに取付けられた状態の側面図を示し、図2はキャディバッグ用ハンドル1がキャディバッグBに取付けられた状態の縦断面図を示す。図3は図2のP―P線断面図を示し、図4は図2のQ―Q線断面図を示す。図5は、キャディバッグ用ハンドル1が変形する状態を示し、図6乃至図14は作用を説明するための図である。ここで、図6に示すように、キャディバッグB内にゴルフクラブKを収容してキャディバッグBを垂直に立てて置いた場合、クラブヘッドの位置する側が上側となるため、クラブヘッドの位置する側のキャディバッグBの部位を上側とし、その反対側を下側とする。
【0023】
図1,図2に示すように、キャディバッグ用ハンドル1の上端側2と下端側3には取付部4,5が設けられ、これら二つの取付部4,5の間の特に上部がグリップ部6になっている。キャディバッグ用ハンドル1は、取付部4,5によってキャディバッグBの外側面8に螺子止め等される。又、図1に示すように、グリップ部6は、ゴルフプレーヤやキャディの手Hによって把持される部位である。
【0024】
図2に示すように、キャディバッグ用ハンドル1は、内側面9と外側面10と左右の横側面11と後側面12によって囲まれた形状である。
【0025】
グリップ部6の内側面9は、キャディバッグBの外側面8に対して30度を中心にして前後10度の範囲内の何れか角度に形成されるものであり、特に、本実施形態では約30度に形成されている。
【0026】
又、グリップ部6の外側面10は、キャディバッグBの外側面8に対して略35度乃至80度の範囲内の何れかの角度に形成されるものであり、特に、本実施形態では約55度に形成されている。
【0027】
前記グリップ部6の内側面9、又は外側面10が、キャディバッグBの外側面8に対して前述の角度を成す範囲内のいずれかの角度に形成されることにより、図2に示すように、グリップ部6を横方向から観たグリップ部6の横側面11の形状は、キャディバッグ用ハンドル1の上端側13から後端側14へ進むに従って、その横断面積、即ち、把持断面積が徐々に拡大するように略三角形状になっている。図3はグリップ部6の上端側13の断面図であり、図4はグリップ部6の下端側14の断面図であって、図4に示す、グリップ部6の下端側14の断面形状が、図3に示す、グリップ部6の上端側13の断面形状よりも拡大していることを示す。
【0028】
又、前記グリップ部6は、先端側において6.4cm2以上の断面積の多角形で、後端側において7.2cm2以上の断面積の多角形に形成することができる。尚、このように、グリップ部6の断面形状を多角形にした場合、角部に丸みを設けることにより、手Hとの当たりを滑らかにしてもよい。
【0029】
グリップ部6の断面形状、例えば、図3に示すように、図2のP―P線断面形状,又は、図4に示すように、図2のQ―Q線断面形状は、該グリップ部6の内側面9において幅方向(矢示方向)に平坦であって、外側面10において弧状で、且つ、縦方向には縦長の形状に形成することができる。グリップ部6の断面形状をこのような略卵形に形成することにより、手Hの親指を除く他の四指は内側面9をフィット感良く把持することができ、又、掌は外側面10にフィット感良く当接できるものである。尚、グリップ部6の断面形状を多角形にすることにより、グリップ部6は不用意に横方向へ回転することなく、安定感良く把持されるものである。
【0030】
又、同図2に示すように、グリップ部6の内側面9には、ゴルフプレーヤやキャディの手Hの親指を除く四指を位置決めするための凹凸16が形成されている。
【0031】
前記グリップ部6の内側面9は、上端側13から下端側14へ向けて直線状、又は、なだらかな曲線状に伸びる面で形成されることにより、グリップ部6を手Hで把持した際に、手の親指を除く他の四指同士が隙間を開けることができるようにすることにより、当該四指同士の間に窮屈感を生じないようにしても良い。
【0032】
図2に示すように、キャディバッグ用ハンドル1の外側面10は、キャディバッグ用ハンドル1の上端側13から下端側14に亘って、なだらかなS字状に起伏して形成されることにより、グリップ部6を把持した際に、該グリップ部6の外側面10が掌に馴染み易くなっている。又、該グリップ部6の外側面10の下端側14には、凸部15が設けられている。該凸部15には、ゴルフプレーヤやキャディがグリップ部6を把持した際に、ゴルフプレーヤやキャディの手Hの小指丘17の側部が当接する当接面15aが設けられている。ここで、小指丘17とは、手の小指のつけ根から手首にかけての部分である。図1,図2に示すように、前記当接面15aは、手の小指丘17の側部が馴染み感良く密接できるように湾曲面で形成されている。前記凸部15は、手の小指丘17の側部が当接できるように、小指丘17の側部の厚さの少なくとも半分以上の高さに突出することが好ましい。具体的には、前記凸部15は、1.0cm以上であって、3.0cm以下の高さの範囲内の寸法に形成することが好ましいが、略1.5cmの高さの半球、円柱、又は円錐形に形成することが好ましい。
【0033】
図2に示すように、前述の形状のグリップ部6は硬質の素材で形成され、且つ、グリップ部6の周囲を軟質の被覆材6aで被覆するようにすれば、前記凸部15は変形し難い上に、凸部15が軟質の素材で覆われることにより、凸部15が手の小指丘17に馴染み易く当接できる。この場合、グリップ部6はABS,PC,POM,PA,PP等の硬質樹脂等によって形成される。又、被覆材6aは熱可塑性エラストマやラバーなどの、シェアA45〜A90の素材によって形成することができる。該被覆材6aの厚さは、2mmから10mmの範囲内から選択されるが、4mmから5mmの範囲内から選択されることが好ましい。尚、図2中,一点鎖線で示すように、グリップ部6の中央に硬質の心材21を設け、該心材21の上下両端に取付部4,5を設けた構成にするこも可能である。この場合、心材21はアルミニウム等の金属によって形成することができる。即ち、グリップ部6の中央に心材21を設け、周囲が被覆材6aで被覆された3層構造にすることができるものである。このように構成した場合、グリップ部6の強度を更に強めることができる。
【0034】
次ぎに、図1に基づき、ゴルフプレーヤやキャディがグリップ部6を把持する際におけるゴルフプレーヤやキャディの手Hと、前記凸部15との位置関係について説明する。図1は、キャディやプレーヤがグリップ部6を把持した状態を示している。同図1において、ゴルフプレーヤやキャディの手Hの指の内、親指がグリップ部6の外側面9に当接し、且つ、親指を除く四指がグリップ部6の内表面10に当接している。そして、このような状態において、手の小指丘17の側部または表面、即ち、小指のつけ根から手首にかけての部分の側部または表面が、前記凸部15に当接する位置関係にある。つまり、グリップ部6の長さLは掌の幅と略同じ長さであって、男性用のキャディバッグ用ハンドル1の場合、前記凸部15は、実施例ではグリップ部6の上端側13から略43mm後方の上端側13aから略80mm乃至100mmの範囲内で選択された位置に形成されるが、グリップ部6の上端側13aから略87mmの位置に形成されることが好ましい。又、女性用のキャディバッグ用ハンドル1の場合には、前記凸部15は、実施例ではグリップ部6の上端側13から略43mm後方の上端側13aから略70mm乃至90mmの範囲内で選択された位置に形成されるが、グリップ部6の上端側13aから略79mmの位置に形成されることが好ましい。
【0035】
図1,図2,図5に示すように、前記凸部15の後側の裾部15bは、内側へ凹んだ凹部になっている。又、グリップ部6の後端側14には、該グリップ部6の横側面11,11間を貫通するように窓部18が設けられている。該窓部18の側面形状は、グリップ部6の上端側13から下端側14へ向けて拡大するように略三角形をなしている。前記裾部15bおよび窓部18によって、グリップ部6は弾性を付与されることができるものである。即ち、図5に示すように、グリップ部6がゴルフプレーヤやキャディによって把持されて大きな荷重とともに把持力Fが作用した場合、同図5中、一点鎖線で示すように、前記裾部15bが内側へ凹み、且つ、窓部18の幅が狭まるように変形することにより、同図5中、一点鎖線で示すように、グリップ部6の外側面10と内側面9とが互いに接近するように変形する一方、該グリップ部6の素材が有する弾性によってグリップ部6が外向きに復元しようとする反撥力によって、グリップ部6の外側面10は、キャディやプレーヤ等の掌に密着するものである。
【0036】
次ぎに、作用について説明する。本実施形態の効果について、従来技術と比較しながら説明する。先ず、従来技術においては、図6に示すように、キャディバッグBが垂直に立てられた状態において、ゴルフプレーヤやキャディがキャディバッグ用ハンドル100を把持する場合、従来では、図6に示すように、ゴルフプレーヤやキャディは腕の肘Xを曲げた状態でキャディバッグ用ハンドル100を把持しなければならない。このため、ゴルフプレーヤやキャディは腕の肘Xに違和感を感じたり、腰をかがめる必要があった。
【0037】
しかし、本実施形態においては、図1,図2に示すように、キャディバッグ用ハンドル1のグリップ部6の内側面9が、キャディバッグBの外側面8に対して30度を中心として前後10度の範囲から選択される角度をなすように形成されている。このため、図8に示すように、垂直に立てて置かれたキャディバッグBのキャディバッグ用ハンドル1を把持する際、ゴルフプレーヤやキャディは腕の肘Xを曲げたり、腰をかがめることなくキャディバッグ用ハンドル1を把持することができる。このため、ゴルフプレーヤやキャディは、肘に違和感を感じたり、腰に負担をかける虞が少ない。
【0038】
又、図25に示すように、垂直に立てて置かれた従来技術のキャディバッグBのキャディバッグ用ハンドル100を把持する際、ゴルフプレーヤやキャディは手首Yを大きく曲げながらキャディバッグ用ハンドル100を把持しなければならない場合もあった。
【0039】
しかし、本実施形態においては、図1,図2に示すように、キャディバッグ用ハンドル1のグリップ部6の内側面9がキャディバッッグBの外側面8に対して30度を中心として前後10度の範囲内の角度を成すように形成されているため、図8に示すように、ゴルフプレーヤやキャディは腕の肘Xや手首Yを大きく曲げることなく、しかも、腰を曲げることなく、キャディバッグ用ハンドル1のグリップ部6を把持することができる。
【0040】
更に、本実施形態においては、図1,図2に示すように、キャディバッグ用ハンドル1のグリップ部6の外側面10がキャディバッッグBの外側面8に対して35度から80度の範囲内の何れかの角度を成すように形成されているため、図8に示すように、ゴルフプレーヤやキャディは腕の肘Xや手首Yを大きく曲げることなく、しかも、腰を曲げることなく、キャディバッグ用ハンドル1のグリップ部6を把持することができる。
【0041】
又、従来技術の場合、図6に示すように、垂直に立てられた状態のキャディバッグBをゴルフプレーヤやキャディが把持して図7に示すように、水平に吊下げた状態においては、キャディバッグBは垂直に立てられた状態から回転して略水平の状態にまで変動するため、キャディバッグBは当該回転に伴った反動によって、キャディバッグBの上下方向(矢示方向)の縦振れ、いわゆる、初動が生じる結果、ゴルフプレーヤやキャディがキャディバッグBを吊下げた際に大きな力を受けて違和感を感じたり、内部のゴルフクラブKが飛び出しそうになり易かった。
【0042】
しかし、本実施形態においては、キャディバッグ用ハンドル1の内側面9がキャディバッグBの外側面8に対して30度を中心として前後10度の範囲内のいずれかの角度を成すように形成されている。このため、図8に示すように垂直に立てられたキャディバッグBを、ゴルフプレーヤやキャディが吊下げる際、図9に示すように、垂直に立てられた状態のキャディバッグBは、略50度乃至70度の範囲だけ回転して吊下げられるため、ゴルフプレーヤやキャディがキャディバッグBを吊下げる際に生じる初動は、従来技術のキャディバッグを吊下げる場合よりも少ない。
【0043】
このため、本実施形態のキャディバッグBを把持して吊下げたゴルフプレーヤやキャディには、キャディバッグ1の倒れるような姿勢の変動による大きな荷重を受けることがなく、ゴルフプレーヤやキャディは安定した姿勢でキャディバッグBを把持することができる。
【0044】
更に、本実施形態においては、図9に示すように、ゴルフプレーヤやキャディがキャディバッグを吊下げた状態において、該キャディバッグに作用するモーメントについて以下の作用効果を奏することができるものである。本実施形態の特徴を明らかにするために、先ず、従来技術のキャディバッグBに作用するモーメントについて説明する。図10に示すように、従来技術のキャディバッグBは略水平の状態で吊下げられる。
【0045】
このように、略水平に吊下げられたキャディバッグBにおいて、ゴルフプレーヤやキャディの手に作用するモーメントL1は以下の数1によって求められる。同数1中、Fはキャディバッグ用ハンドル1を中心とした回転力である。キャディバッグBにゴルフクラブを収容した状態においては、キャディバッグBの重心は、クラブヘッドの近傍にあって、該重心に作用する加重をMgとすると、回転力Fと荷重Mgとは等しい。
【0046】
(数1)
L1=F×R=Mg×R
但し、Rは、キャディバッグ用ハンドル100から重心までの距離とする。
【0047】
一方、本実施形態のキャディバッグBのキャディバッグ用ハンドル1のグリップ部6の内側面9は、図2に示すように、キャディバッグBの外側面8に対して約30度を中心にして前後に10度の範囲内のいずれかの角度θに設定されている。このため、図11に示すように、ゴルフプレーヤやキャディがキャディバッグBを把持して吊下げた場合、キャディバッグBは地面に対して角度θを成す。この状態において、キャディバッグ用ハンドル1を中心とした回転力FはMgcosθである。従って、キャディバッグ用ハンドル1に作用するモーメントL2は以下の数2で求められる。
【0048】
(数2)
L2=F×R=Mgcosθ×R
そして、図12を参酌すると、cosθはθ=30度を中心として前後10度の範囲内で大きく変化するという特性がある。このため、本実施形態のキャディバッグ用ハンドル1に作用するモーメントL2は、従来技術のキャディバッグ用ハンドル100に作用するモーメントL1に比較して、格別に小さく成るものである。本実施形態においては、このように、キャディバッグ用ハンドル1に作用するモーメントL2が小さくなることによって、図9に示すように、ゴルフプレーヤやキャディがキャディバッグ用ハンドル1を吊下げた際に、キャディバッグBは縦振れを起こし難い。このため、ゴルフプレーヤやキャディは図8に示すように、立てて置かれたキャディバッグBのキャディバッグ用ハンドル1を把持して吊下げた際にゴルフプレーヤやキャディは安定感良く、キャディバッグBを吊下げできる。又、ゴルフプレーヤやキャディがキャディバッグBを吊下げて歩行する際にも、ゴルフプレーヤやキャディはキャディバッグBを吊下げて安定感良く歩行することができる。
【0049】
一方、前記θを大きくすると、キャディバッグ用ハンドル1に作用するモーメントL2は小さくなるが、キャディバッグBが垂直に近づくように立ち上がるため、ゴルフプレーヤやキャディがキャディバッグ用ハンドル1を把持し難いという実情がある。
【0050】
このため、前述のように、キャディバッグ用ハンドル1に作用するモーメントL2、及びキャディバッグBの把持し易さを考慮した場合、キャディバッグBと地面との成す角度θは、30度の近傍に設定することが好ましい。
【0051】
従って、本実施形態のように、キャディバッグ用ハンドル1のグリップ部6の内側面9と、キャディバッグBの外側面10との成す角度を30度の近傍に設定することは、以上のように、キャディバッグBの縦振れを抑制しつつキャディバッグBを把持し易くすることを考慮した場合、格別の作用効果を奏するものである。
【0052】
又、本実施形態においては、図1に示すように、グリップ部6の外側面10の後端側14には、凸部15が形成されている。このため、図1に示すように、ゴルフプレーヤやキャディが手の小指丘17で該凸部15を下方へ押え付けることにより、キャディバッグBのクラブヘッド側を上げるようにして、キャディバッグBの縦振れを効果的に易しく、且つ、自然に抑制させることができる。その結果、キャディバッグBの初動を抑制できる上に、キャディバッグBの運搬が容易となり、ゴルフプレーヤやキャディの姿勢が安定することができる。
【0053】
更に、図13に示すように、従来においては、ゴルフプレーヤやキャディがグリップ部102を把持する場合、親指と人指指によってグリップ部102を把持しているが、親指,及び人指指を除く他の三指と小指丘との間には隙間Sが生じる。この隙間Sが、いわゆる、グリップ部102の縦方向の振れに対する遊びとなるため、キャディバッグBは一層、縦振れし易かった。このため、従来技術においては、縦振れを無くそうとする場合には、前記隙間Sが生じないように、手の小指丘と小指とでグリップ部102を強く握り締めなければならない。
【0054】
しかし、本実施形態においては、図1,図2に示すように、グリップ部6は上端側13から下端側14へ進むにつれて拡大した形状であって、手の小指丘17がグリップ部6に当接する形状であるため、従来技術のようには、グリップ部6を強く握り締めなくても、手の五指によってグリップ部6を自然に把持することができる。このように、本実施形態においては、図13に示す従来技術のように隙間Sが生じないため、当該隙間Sの発生に伴った、キャディバッグBの縦振れを抑制することができる。
【0055】
又、従来技術においては、図7に示すように、ゴルフプレーヤやキャディがキャディバッグBを手に吊下げて持った状態から、図6に示すように、該キャディバッグBを垂直に立てて置く場合には、ゴルフプレーヤやキャディは、腕の肘Xを略直角に曲げながら、手の小指丘でキャディバッグ用ハンドル100を前方に押さなければ、キャディバッグBを垂直に立てた状態に置くことができない。このように、従来技術においては、キャディバッグBを手で把持したまま、腕の肘Xや手首Yを大きく曲げることは肘Xや手首Y、又は腰に相当の負担をかけるものであった。
【0056】
しかし、本実施形態においては、図9に示すように、ゴルフプレーヤやキャディがキャディバッグ用ハンドル1を手で把持してキャディバッグBを吊下げた状態から、図8に示すように、キャディバッグBを垂直に立てて置く場合、ゴルフプレーヤやキャディは、図1に示すように、手の小指丘17で、キャディバッグ用ハンドル1の凸部15を下方へ押圧することにより、図8に示すように、腕の肘Yや手首Yを大きく曲げることなく、又は、腰を曲げることなくキャディバッグBを図8に示すように垂直に立てた状態で置くことができる。
【0057】
ところで、図14に示すように、仮に、グリップ部Gの内側面αが曲率半径の小さな湾曲面で形成された場合には、ゴルフプレーヤやキャディがグリップ部Gを把持してキャディバッグを吊下げた際に、ゴルフプレーヤやキャディの親指を除く他の四指には、中指Nに向けて集まる方向の力F1が作用するため、四指には窮屈な感じが生じる。又、このように、グリップ部Gの内側面αを曲率半径の小さな湾曲面で形成した場合には、ゴルフプレーヤやキャディがグリップ部Gを把持してキャディバッグを吊下げた際に、該キャディバッグの荷重は、中指Nに中心に加わるため、ゴルフプレーヤやキャディがキャディバッグを長時間、把持し続けることにより、中指Nに痛みを覚える場合がある。
【0058】
しかし、本実施形態においては、図1,図2に示すように、グリップ部6の内側面9をなだらかな湾曲面、又は、平坦面で形成した場合には、ゴルフプレーヤやキャディは、親指を除く他の四指は互いに間隔を空けた状態で、グリップ部6を把持してキャディバッグBを吊下げることができる。このため、親指を除く他の四指には、図14に示す従来技術のように、中指Nに向けて集まる方向の力F1は作用しない。従って、親指を除く他の四指には、窮屈感は生じない。このため、ゴルフプレーヤやキャディは、キャディバッグBを長時間、吊下げる場合であっても、耐え得ることができる。又、本実施形態のキャディバッグ用ハンドル1のグリップ部6の内側面9は、平坦面、又は、なだらかな湾曲面で形成されているため、グリップ部6を把持した場合、キャディバッグBの荷重は、親指を除く他の四指に略均等に加わることができるため、従来技術のように、中指のみに痛みを感じる虞が少ない。
【0059】
図15,図16は、第二実施形態を示す。第二実施形態の特徴は、キャディバッグ用ハンドル51の一部をキャディバッグB内に収容可能にした状態を示す構成図である。図15は、キャディバッグ用ハンドル51の使用状態を示し、図16は、キャディバッグ用ハンドル51の一部をキャディバッグB内に収容した状態を示す。
【0060】
この第二実施形態においては、キャディバッグ用ハンドル51の一端側は、取付部52になって、該取付部52は、キャディバッグBの外側面8に固着された取付部材53に回転軸54によって回転自在に取付けられている。又、該キャディバッグ用ハンドル51の他端側は出没部55になって、案内筒56内に出没可能になっている。該案内筒56はキャディバッグB内に収容されて設けられ,且つ、該キャディバッグBの外側面に開口している。
【0061】
前記案内筒56の開口縁には、該案内筒56の軸方向に沿って互いに間隔を隔てて第一,第二係合片57,58が設けられている。該第一,第二係合片57,58は、案内筒56の周縁から案内筒56の中心に向けて突出し、且つ、中心には挿通孔59が形成されることにより、該第一,第二係合片57,58はリング状に形成されている。これら第一,第二係合片57,58の間は、係合溝60になっている。前記第一係合片57の部位における前記挿通孔59の径は、前記第二係合片58の部位における前記挿通孔59の径よりも小径になっている。又、案内筒56の縁部には、第三係合片61が回転可能に設けられている。該第三係合片61は、その基端側がビス等によって前記案内筒56の縁部に回転可能に取り付けられると共に、該第三係合片61の先端側は、バネ部材(図示せず)のバネ力によって、前記案内筒56の開口側ヘ向けて付勢されている。
【0062】
前記キャディバッグ用ハンドル51の出没部55の太さは、前記第一,第二係合片57,58の挿通孔59を挿通できる太さである。又、キャディバッグ用ハンドル51の出没部55の先端部には、外方へ向けて拡径する係合受部62が設けられている。該係合受部62の厚さは、前記係合溝60の溝幅と略同様であって、該係合受部62が係合溝60に係合可能になっている。又、前記出没部55の基端側には、ストッパ部63が設けられている。該ストッパ部63は前記通孔59を挿通できない太さである。該ストッパ部63の近傍には、係合孔64が形成されている。
【0063】
図15に示すように、キャディバッグ用ハンドル51が外方へ突出して、該キャディバッグ用ハンドル51の係合受部62が、案内筒56の係合溝59に係合した状態が、キャディバッグ用ハンドル51の使用状態である。この使用状態においては、第三係合片61は出没部55の側面に触れている。当該使用状態においては、ゴルフプレーヤやキャディは、キャディバッグ用ハンドル51を把持することができる。
【0064】
次ぎに、キャディバッグ用ハンドル51をキャディバッグB内に収容する場合には、キャディバッグ用ハンドル51の出没部55を下方へ強く押圧すると、該出没部55の先端の係合受部62が、案内筒56の第二係合片58を下方へ押し曲げるようにして係合溝59から脱出することにより、図16に示すように、出没部55が、案内筒56内に収容される。この際、第三係合片61は、キャディバッグ用ハンドル51に設けられた係合孔64に係合している。この状態が収容状態である。この収容状態においては、同図16に示すように、キャディバッグ用ハンドル51の外方への突出量が、図12に示す状態よりも少ない。このため、図16に示す状態のキャディバッグは、狭いスペース内に収容することができる。
【0065】
図17乃至図22は第三実施形態を示す。この第三実施形態の特徴は、図17に示すキャディバッグ用ハンドル81が矢示方向へ横倒しにされて、図20に示すように折畳み可能に構成された点にある。図17は、キャディバッグ用ハンドル81の使用状態であって、キャディバッグ用ハンドル81を真上から観た状態の図である。図20はキャディバッグ用ハンドル81を横倒しにして折畳んだ状態であって、折畳んだ状態のキャディバッグ用ハンドル81を真上から観た状態の図である。図18は、図17のA―A線矢示方向断面図である。図19は、図17のB―B線矢示方向断面図である。図21は、図20のC―C線矢示方向断面図である。図22は、図20のD―D線矢示方向断面図である。
【0066】
キャディバッグ用ハンドル81は軸82によってキャディバッグに横倒し可能に取り付けられている。
【0067】
該キャディバッグ用ハンドル81の一端側には第一係合部83が設けられると共に、キャディバッグには該第一係合部83が係合する第一係合受部84が設けられている。又、該キャディバッグ用ハンドル81の他端側には第二係合部85が設けられると共に、キャディバッグには該第二係合部85が係合する第二係合受部86が設けられている。
【0068】
前記第一係合部83は、図18,図21に示すように、キャディバッグ用ハンドル81の側面から突出した突起によって構成される。又、前記第一係合受部84は、キャディバッグの表面に設けられているトグルクランプのような二つの安定な保持位置を有する保持装置によって構成される。該トグルクランプは、クランプ片87と、巻きバネ(図示せず)とを備えている。クランプ片87は、一端がレバー部になり、他端には凹部88が形成されている。そして、該トグルクランプ片87は、巻きバネによってトグル的に作動して、図18に示す状態と、図21に示す状態との二つの位置に保持されるようになっている。図21に示す状態においては、凹部88は上を向くように開口し、図15に示す状態においては、凹部88は下を向くように開口して、第一係合部83が係合している。
【0069】
図22に示すように、前記第二係合部85はキャディバッグ用ハンドル81が横倒しにされて折畳まれた場合に下位になる側面に形成された突起によって構成される。又、前記第二係合受部86は、該キャディバッグ用ハンドル81が折畳まれた場合に該第一係合部85が係合するようにキャディバッグに設けられた係合孔によって構成される。
【0070】
このように構成された第三実施形態において、キャディバッグ用ハンドル81の使用時においては、図17に示すように、該キャディバッグ用ハンドル81は起立し、図18に示すように、第一係合部83は第一係合受部84に係合している。第一係合部83が第一係合受部84に係合することにより、キャディバッグ用ハンドル81は起立したままの姿勢に保持される。
次ぎに、キャディバッグ用ハンドル81を横倒しにして折畳む場合には、図18において、第一係合受部87のレバー部を下方へ押し下げると、図21に示すように、該第一係合受部84の凹部88が上を向いた姿勢になる。この状態において、キャディバッグ用ハンドル81を横方向へ押し倒すと、第一係合部83と第一係合受部84との係合が解除されて、図20に示すように、キャディバッグ用ハンドル81は横倒しになる。この横倒しの状態においては、図22に示すように、キャディバッグ用ハンドル81の第二係合部85がキャディバッグの第二係合受部86に係合することにより、キャディバッグ用ハンドル81が横倒しになった状態が保持される。このように、キャディバッグ用ハンドル81が横倒しになることにより、キャディバッグは狭いスペース内に収容されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】キャディバッグ用ハンドルを手で把持した状態の側面図である。(第一実施形態)
【図2】キャディバッグ用ハンドルの縦断面図である。(第一実施形態)
【図3】図2のP―P線断面図である。(第一実施形態)
【図4】図2のQ―Q線断面図である。(第一実施形態)
【図5】グリップ部が変形する状態を示すキャディバッグ用ハンドルの側面図である。(第一実施形態)
【図6】作用を説明するキャディバッグ用ハンドルの側面図である。
【図7】作用を説明するキャディバッグ用ハンドルの側面図である。
【図8】作用を説明するキャディバッグ用ハンドルの側面図である。
【図9】作用を説明するキャディバッグ用ハンドルの側面図である。
【図10】キャディバッグ用ハンドルに作用するモーメントを説明する図である。
【図11】キャディバッグ用ハンドルに作用するモーメントを説明する図である。
【図12】角度θとSinθとの関係を示す図表である。
【図13】従来技術のグリップ部を手で把持した状態の図である。
【図14】作用を説明するキャディバッグ用ハンドルの側面図である。
【図15】キャディバッグ用ハンドルの使用状態を示すキャディバッグ用ハンドルの側面図である。(第二実施形態)
【図16】キャディバッグ用ハンドルの収容状態を示すキャディバッグ用ハンドルの側面図である。(第二実施形態)
【図17】使用状態のキャディバッグ用ハンドルを真上から観た状態の図である。(第三実施形態)
【図18】図14のA―A線断面図である。(第三実施形態)
【図19】図14のB―B線断面図である。(第三実施形態)
【図20】キャディバッグ用ハンドルを横倒しにしてキャディバッグ用ハンドルを真上から観た状態の図である。(第三実施形態)
【図21】図17のC―C線断面図である。(第三実施形態)
【図22】図17のD―D線断面図である。(第三実施形態)
【図23】キャディバッグ用ハンドルの斜視図である。(従来技術)
【図24】作用を説明する図である。(従来技術)
【図25】作用を説明する図である。(従来技術)
【図26】作用を説明する図である。(従来技術)
【符号の説明】
【0072】
1 キャディバッグ用ハンドル
4 取付部
5 取付部
6 グリップ部
9 内側面
10 外側面
15 凸部
15a 当接面
15b 裾部
16 凹凸
18 窓部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャディバッグの外側面に取り付けられる取付部と、使用時において手によって握り締められるグリップ部とを備えたキャディバッグ用ハンドルであって、
当該ハンドルの使用時において手の人差指が常時当接する位置から小指が常時当接する位置までが傾斜しており、当該傾斜がグリップ部の内側面とキャディバッグの外側面との成す角度が30度を中心として前後10度の範囲内のいずれかの角度になるように設定されていることを特徴とするキャディバッグ用ハンドル。
【請求項2】
キャディバッグの外側面に取り付けられる取付部と、使用時において手によって握り締められるグリップ部とを備えたキャディバッグ用ハンドルであって、
当該ハンドルの使用時において手の人差指が常時当接する位置から小指が常時当接する位置までが傾斜しており、当該傾斜がグリップ部の外側面とキャディバッグの外側面との成す角度が35度から80度の範囲内のいずれかの角度になるように設定されていることを特徴とするキャディバッグ用ハンドル。
【請求項3】
キャディバッグの外側面に取り付けられる取付部と、使用時において手によって握り締められるグリップ部とを備えたキャディバッグ用ハンドルであって、
当該ハンドルの使用時において手の人差指が常時当接する位置から小指が常時当接する位置までが傾斜しており、当該傾斜がグリップ部の内側面とキャディバッグの外側面との成す角度が30度を中心として前後10度の範囲内のいずれかの角度になるように設定され、且つ、前記傾斜がグリップ部の外側面とキャディバッグの外側面との成す角度が35度から80度の範囲内のいずれかの角度になるように設定されていることを特徴とするキャディバッグ用ハンドル。
【請求項4】
グリップ部の外側面には、手の小指丘(小指のつけ根から手首にかけての間)に当接してキャディバッグの縦振れを抑制するための凸部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載のキャディバッグ用ハンドル。
【請求項5】
グリップ部の内側面が、上端側から下端側へ向けて直線状、又はなだらかな曲面で形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載のキャディバッグ用ハンドル。
【請求項6】
グリップ部の内側面には、手の親指を除く四指が位置決めされる凹凸が形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載のキャディバッグ用ハンドル。
【請求項7】
グリップ部は、上端側から下端側へ向けて把持断面積が拡大する形状であることを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載のキャディバッグ用ハンドル。
【請求項1】
キャディバッグの外側面に取り付けられる取付部と、使用時において手によって握り締められるグリップ部とを備えたキャディバッグ用ハンドルであって、
当該ハンドルの使用時において手の人差指が常時当接する位置から小指が常時当接する位置までが傾斜しており、当該傾斜がグリップ部の内側面とキャディバッグの外側面との成す角度が30度を中心として前後10度の範囲内のいずれかの角度になるように設定されていることを特徴とするキャディバッグ用ハンドル。
【請求項2】
キャディバッグの外側面に取り付けられる取付部と、使用時において手によって握り締められるグリップ部とを備えたキャディバッグ用ハンドルであって、
当該ハンドルの使用時において手の人差指が常時当接する位置から小指が常時当接する位置までが傾斜しており、当該傾斜がグリップ部の外側面とキャディバッグの外側面との成す角度が35度から80度の範囲内のいずれかの角度になるように設定されていることを特徴とするキャディバッグ用ハンドル。
【請求項3】
キャディバッグの外側面に取り付けられる取付部と、使用時において手によって握り締められるグリップ部とを備えたキャディバッグ用ハンドルであって、
当該ハンドルの使用時において手の人差指が常時当接する位置から小指が常時当接する位置までが傾斜しており、当該傾斜がグリップ部の内側面とキャディバッグの外側面との成す角度が30度を中心として前後10度の範囲内のいずれかの角度になるように設定され、且つ、前記傾斜がグリップ部の外側面とキャディバッグの外側面との成す角度が35度から80度の範囲内のいずれかの角度になるように設定されていることを特徴とするキャディバッグ用ハンドル。
【請求項4】
グリップ部の外側面には、手の小指丘(小指のつけ根から手首にかけての間)に当接してキャディバッグの縦振れを抑制するための凸部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載のキャディバッグ用ハンドル。
【請求項5】
グリップ部の内側面が、上端側から下端側へ向けて直線状、又はなだらかな曲面で形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載のキャディバッグ用ハンドル。
【請求項6】
グリップ部の内側面には、手の親指を除く四指が位置決めされる凹凸が形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載のキャディバッグ用ハンドル。
【請求項7】
グリップ部は、上端側から下端側へ向けて把持断面積が拡大する形状であることを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載のキャディバッグ用ハンドル。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図2】
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【図13】
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【図16】
【図17】
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【図19】
【図20】
【図21】
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【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【公開番号】特開2006−230562(P2006−230562A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−46920(P2005−46920)
【出願日】平成17年2月23日(2005.2.23)
【出願人】(303011275)株式会社ジャパーナ (43)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年2月23日(2005.2.23)
【出願人】(303011275)株式会社ジャパーナ (43)
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