説明

クランプホルダを設けたクランプ装置

【課題】
簡潔な構造を有し,低コストで生産でき,しかも容易に操作可能とするクランプホルダを設けたクランプ装置を提供する。
【解決手段】
クランプ装置は着脱自在に取り付け可能なパレット2とクランプホルダ1を有する。クランプホルダは,確定的に位置決めされた状態でクランプホルダに取り付けられているパレットに対応する第2心出し要素と協働する第1心出し要素を設けている。クランプホルダは,パレットに取り付けている2つのクランプ要素を設けている。各のクランプ要素は,傾斜スラスト面を設け,クランプホルダ上に固定し,パレットは,クランプホルダの第1心出し要素上で静止するためにX, Y平面を移動すると同時に,クランプホルダに向けてZ方向にパレットを引き寄せ固定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,パレットまたは工作機械を挟持するためのクランプ装置に関し,特に,第1心出し要素および少なくとも1つのクランプ要素を設けたクランプホルダと,確定的に位置決めされた状態でクランプホルダに挟持可能とされ,かつ第2心出し要素を設けた挟持対象とを設けたクランプ装置に関する。第1および第2心出し要素は,クランプホルダのクランプ要素によって,パレットまたはワークピースをクランプホルダに挟持した際,X, Y方向および角度方向に対して協働する。クランプホルダの第1心出し要素は,クランプホルダに,パレットまたはワークピースを整合させるため,クランプホルダに取り付けたパレットまたはワークピースをX, Y平面の範囲内で動かすことによって,第2心出し要素に係合する。
【背景技術】
【0002】
上述した形式のクランプ装置は,パレット,ワークピース,工具および類似要素が適切な位置に,厳格な状態で,工作機械に取り付けることに役立つ。通常,工具またはワークピースをクランプホルダに取り付ける際,最初はパレットに固定し,その後,クランプホルダに取り付ける。ほとんどの場合,クランプホルダは,通常,手動で電気機械的に,空圧的に,または油圧的に操作する。
【0003】
既知のクランプ装置において,クランプホルダは,通常,4つの心出しピンを設けており,それぞれ,2つの円錐形となる側面を設けている。例えばパレットとして構成されたカウンター部分は、位置および形状において,心出しピンに対応する4本の溝が設けられている。パレットの中央部には牽引棒が設けられ,この牽引棒によりパレットをクランプホルダのクランプ機構に取り付け可能とする。クランプホルダにパレットを取り付け挟持する際に,心出しピンが心出し溝に入り,クランプホルダのX, Y方向において,並びにZ軸周りの角度方向についてパレットを整合させる。
【0004】
特許文献1(ドイツ特許DE-C-42 13 770号明細書)では,工作機械に関するワークピースまたは,工具の位置決めにおける装置が開示されている。該装置は,工作機械に取り付けるホルダアダプタ,並びに工具または加工したワークピースを受け取るための支持部材を設けている。このホルダに関して位置する支持部材は,2つの円筒形のピンを設け,一方このホルダは,2つの基準面部を有している。該基準面部の1つは,V字形状であり,もう1つの基準面部は,真直な側面となっている。特定の円筒形のピンおよび設定された基準面部との間で線接触が生じると記載されている。円筒形のピンを有する支持部材をホルダおよび2つの基準面部分に対してそれぞれX方向およびY方向に押圧するためにばね負荷されたクランプ ジョーを設けている。さらに,3本の個別的なねじによる支持部材をホルダのZ方向に固定的に押圧する。
【特許文献1】ドイツ特許DE-C-42 13 770号明細書
【0005】
特許文献2(ヨーロッパ特許 EP 0 255 042号公報)は,機械に工具またはワークピースが取り付けるための装置が記載されている。該装置は,クランプホルダと,牽引棒を有するワークピースホルダとを含んでいる。該ワークピースホルダの頂側部には,牽引棒を設けたワークピースホルダを設けている。ワークピースホルダの頂点側には,Z軸周りに90°間隔に配置された4本の溝が設けられている。各溝の各側面の溝に,Z方向に弾性リップを構成するための,狭いスロットを設けている。クランプホルダの底面には,ワークピースホルダの位置および形状においてワークピースホルダの4つの溝に対応する4つのリッジを設けている。クランプホルダの角領域においては,4つのピンがZ基準の機能となる。クランプホルダにワークピースホルダを挟持する際に,4本のリッジに弾性リップが係合し,Z基準としての4本のピンがクランプホルダにおいて,対応する表面部分に接触するまで弾性リップをZ方向で軸線方向内向きに変形させ,その結果としてクランプホルダに関するワークピースホルダのZ方向位置を決定する。弾性リップがリッジに係合することによりワークピースホルダは,クランプホルダのX, Y方向,並びにZ軸周りの角度方向に関して位置決めする。クランプホルダからワークピースホルダを取りはずすには,ワークピースホルダを,ワークピースホルダの表面より突出する牽引棒の所定の長さよりも大きな距離だけ持ち上げる必要がある。
【特許文献2】ヨーロッパ特許 EP 0 255 042号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は,簡潔な構造を有し,低コストで生産でき,しかも容易に操作可能とするクランプ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するため,本発明は,パレットまたは工作機械上のワークピースを挟持するためのクランプ装置であって,第1心出し要素および少なくとも1つのクランプ要素を設けたクランプホルダと,確定的に位置決めされた状態でクランプホルダに挟持可能とされるパレットまたはワークピース,かつ第2心出し要素を設けたものである。第1および第2心出し要素は,クランプホルダのクランプ要素によりクランプホルダにパレットまたはワークピースを挟持する際,心出しホルダのX方向およびY方向の両方向,かつ角度方向に関してパレットまたはワークピースが整合するように協働する。さらに、前記クランプホルダの第1心出し要素が前記挟持対象の第2心出し要素と係合し,前記挟持対象が,パレットまたはワークピースをクランプホルダに取り付ける際にX, Y面内で動くことによりクランプホルダに関して整合する。
【0008】
本発明では更に,クランプホルダのクランプ要素に傾斜スラスト面を設けると共に,パレットまたはワークピースは,傾斜スラスト面に対応する傾斜クランプ面を設け,クランプホルダの第1心出し要素に対してX, Y面内で押圧され,かつクランプホルダにパレットまたなワークピースを取り付けた際にクランプホルダのZ方向に引き寄せる。
【0009】
本発明によれば,クランプホルダの個々のクランプ要素が傾斜スラスト面を有し,さらに,パレットまたはワークピースが傾斜スラスト面と対応する傾斜クランプ面を有し,パレットまたはワークピースの第2心出し要素が,クランプホルダに対してX, Y平面内で作用し,かつパレットまたはワークピースをクランプホルダに取り付けた際,クランプホルダのZ方向で作用することによって,別体の固定要素を省略することができる。これは,クランプ要素がパレットまたはワークピースをX, Y面内で整合させるにとどまらず,パレットまたはワークピースをZ方向において,クランプホルダに整合させ,かつ固定する機能を同時に発揮するからである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下,本発明に係るクランプ装置の実施形態を添付図面を参照しながら詳細に記載する。図1の斜視図は,クランプホルダ1とパレット2を設けたクランプ装置の分解図であり,クランプホルダ1を部分的に分解した状態を示したものである。クランプホルダ1は,軸継手面3の上に位置する引抜植込みボルト4, 5の形をした2つのクランプ要素を有し,パレット2を表層面に取り付けて固定するのに役立つ。引抜植込みボルト4,5は,それぞれ,傾斜スラスト面8,9を設けており,パレット2の対応するクランプ面と係合するのに適し,以下に詳細を説明する。
【0011】
各引抜植込みボルト4,5の端部に,押さえバネ12,13を設けており,その静止位置から上方へ引抜植込みボルト4,5のそれぞれを押すのに適する。各々の引抜植込みボルト4,5は,横平坦部の形をした整合面10, 11を設けており,スラスト面8, 9から離れた引抜植込みボルト4, 5の端部に位置する。引抜植込みボルト4,5は容器14,15に受け,整合面10,11が,所定の角度方向を保ち続けることを保証し,すなわち,容器14,15の内部では,回転することができない。これらの目的を補助するために,容器14,15には,それぞれ,スロット16を設けており,前述した2つの整合面10, 11間にて測定した幅と整合ピンの端部幅に対応する幅を設けている。整合ピン4,5の端部は,ソケットの頭部ネジ18,19を受けるのに適する雌ネジの穴を設けており,特定の引抜植込みボルト4,5を用いて,操作状況内の下方に引き出すことが可能である。
【0012】
クランプホルダ1の軸継手面3は,第1心出しピン20,21を設けており,軸継手面3の表面を突出している。そして,クランプホルダ1の各々の角は,わずかに浮彫りした接触面22a, 22b, 22c, 22dを設け,クランプホルダ1がパレット2を挟持することによって,Z方向内の支持面を構成する。クランプホルダ1の後側は,取付板24を設けており,心出し要素を示すものではないが,支持ピン26と引き棒25を設けている。その取付板は,工作機械上に設けたチャックシステム(図示せず)にクランプホルダ1を固定するのに役立つ。図に示された取付板は,省略することも可能ではあるが,適切な支持として,例えば,機械テーブルなどに直接固定することが好ましい。
【0013】
平坦な後面を設けたパレット2は,2つの縦の定着開口28,29を有している。これらの側面のうちの1つは,前述したクランプ面30, 31の形状と対応する形状を有し,特定の引抜植込みボルト4, 5がスラスト面8, 9に係合するのに適する。さらにパレット2は,2つの心出し開口33, 34にて構成される更なる心出し要素を有している。これらの心出し開口33, 34の位置,大きさおよび形状は,クランプホルダ1の特定の心出しネジ20,21に対応する。''+''記号で示す第1の心出し開口33は,パレット2のX, Y方向における心出しに役立っており,さらに,"―"記号で示す第2の心出し開口34は,Z軸周りの位置方向に関してパレット2の心出しに役立つ。第1心出し開口33は,係合する固定開口28に面してV字状の側面35を有し,第2心出し開口34は,係合する固定開口29に面して真直な横側面 36を有している。この2つの心出し開口33, 34は,係合する固定開口28, 29の縦の中心軸上に概略に置き,固定開口28の縦の中心軸は,もう一つの固定開口29の縦の中心軸と平行である。加えて,パレット2は,ワークピースを取り付けるために役立つ複数の固定穴38,またはいくつかのワークピースを有している。クランプホルダ1は,凹部の形状をした空隙39を有しており,これらの空隙は,ネジの頭部のように,固定手段として受けることが出来,パレットに取り付ける工具またはワークピースおよび,パレット2の固定穴38の中に差し込むこと等に使用する。
【0014】
2つの心出し開口33, 34の直径と,2つの心出し開口33,34の間の距離は,一度,クランプホルダ1に緩く取り付け,パレット2がX, Y平面を移動することで選択できる。パレット2をクランプホルダに取り付可能とするためには,2つの引抜植込みボルト4, 5が2つの心出し開口上に静止姿勢となっていなければならない。これは,2つのソケットネジ18, 19を緩めることによってなされる。この2つの引抜植込みボルト4, 5が2つの心出し開口上で静止姿勢となることよって,特定の引抜植込みボルト4, 5のスラスト面8, 9の上方の縁は,パレット2を横に滑らせながら,大きく広がるように遠くに旋回を可能とし,特定の心出しピン20, 21の上側部にそれぞれ設置している。この2つの引抜植込みボルト4, 5が2つの心出し開口上で静止姿勢となっていることは,上記よりパレット2がクランプホルダ上に設置してあるからであり,2つの引抜植込みボルト4, 5は対応する固定開口28, 29を通過する。そして,パレット2が側面に沿って位置を変え広がるように2つの心出し開口33, 34は,クランプホルダ1の2つの心出しピン20, 21上に設置し,パレット2がクランプホルダの下方に向かって押圧した結果,クランプホルダ1の心出しピン20, 21が,対応するパレットの心出し開口33, 34に入る。
【0015】
既に前述したとおり,パレット2はクランプホルダ1に緩く取り付けている限り,X, Y平面内の側面を移動することが可能であり,このように,クランプホルダ1に設けたパレット2の心合わせは,クランプホルダ1の心出しピン20, 21が,対応するパレット2の心出し開口33, 34に係合したとき機能する。好ましくは,パレット2の心出し開口33, 34が前述の心出し要素20, 21; 33, 34の間に所定の間隔を設け,クランプホルダの心出しピン20, 21を係合させることであり,その結果,クランプホルダ1に関して,パレット2がクランプホルダ1に緩く取り付けてある限り,パレット2がX, Y平面内の側面を移動することが出来る。
【0016】
2つの引抜植込みボルト4, 5がしっかりと締まることで,スラスト面8, 9は,パレット2がクランプホルダ1を下方に向かって引き寄せるために,対応する固定開口28, 29の対応する挟持面30, 31と係合する。一方,クランプ表面30, 31の傾斜形状とスラスト面8, 9の傾斜は,パレット2がX, Y平面内を移動する要因となり,2つの心出しピン20, 21に対して押すことになる。そのため,心出しピン20, 21の1つである心出しピン20は,パレットのX, Y方向で整合するために,第1心出し開口のV字形状の横方向の表面部上35a, 35bに静止し,一方,第2の心出しピン21は第2の心出し開口の横面36上に静止する。すなわち,係合する固定開口29の表面によって,Z軸周りの角度方向に関してパレットが整合する。前述したように,クランプホルダ1に関して,パレット2の側面の移動において,平坦な後面37は,クランプホルダ1の接触面22a, 22b, 22c, 22d上で,すでに静止していることが好ましい。
【0017】
さらに,2つのソケット頭部ネジを形成して手動で操作する代わりに,2つの引抜植込みネジ4, 5を設けて空圧,油圧または電磁気的に操作することが可能であることは言うまでもない。
【0018】
図2に,クランプホルダ1に取り付けたパレット2の平面図を示す。2つの引抜植込みボルト4, 5の傾斜スラスト面8, 9の影響においては,パレット2のクランプ表面30, 31のそれぞれに対応する場合に係合し,パレット2は,ソケットの頭部ネジ18, 19をしっかりと締めたことで,クランプホルダ1のZ方向の下方に向かって引き寄せ,かつ同時に,2つの心出しピン20, 21に対してPの矢印の方向に押し,側面を移動する。結局,心出しピン20, 21のうちの1つの心出しピン20は,V字形状に狭くした心出し開口表面33の側面34a, 35上に静止し,それにより,クランプホルダ1のX, Y方向に関して,パレット2の位置を整合する。もう1つの心出しピン21も結局は,第2の心出し開口34の真直ぐな側面に静止し,それによって,Z方向周りの角度方向に関して,パレット2の位置が確定する。2つのソケット18, 19が最終的にしっかりと締められた際,パレット2の平坦な後面は,クランプホルダ1の4つの接触面22a, 22b, 22c, 22d上に静止する(図1)。それにより,パレット2の位置もまた,クランプホルダ1のZ方向に関して確定する。クランプホルダ1に関して,パレット2の位置の反復精度と絶対的な精度の両方は,わずか,±1/1000mmオーダの領域である。
【0019】
図3に,図2のA-A線に沿うクランプホルダ1およびパレット2の横断面図である。該図では,パレット2のクランプ表面30に対応する,引抜植込みボルト4の傾斜スラスト面8がどのように係合するのか,特に詳細に説明する。クランプホルダにおいて,この引抜植込みボルト4の傾斜スラスト面8は,中央の縦軸から約45°の角度(α)とZ方向で囲む。しかしながら,状況および必要条件によっては,角度(α)を,30°と60°の間にすることもできる。この図における引抜棒25は,心出しピン20と同様に4つの支持ピン26のうちの2つであり,プレスばめの手段によってクランプホルダ1が静止する。
【0020】
図4は,固定されたホルダ1に係合するカウンター部2aとクランプホルダ1の斜視図である。このカウンター部2aは,ワークピースや,アダプタ,パレット等のワークピースホルダとすることも可能である。しかしながら,以下においては,説明 を簡潔にするため,ワークピース2aを用いる場合について言及する。
【0021】
図4に示すワークピース2aの事例において,クランプホルダに関して,ワークピース2aの正確な位置に固定するのに不可欠の要素は,ワークピース2aの平らな後部面40の2つの向かい合った縁部を直接設けているため,パレットを除外することが可能である。それにより,2つの固定開口28, 29は,割り当てた引抜植込みボルト4, 5が,その中で受け取れるように,その頭部を設計している。固定開口28, 29の各々は,割り当てた引抜植込みボルト4, 5のスラスト面8, 9が係合するのに適した傾斜クランプ面30, 31を設けている。また,心出し開口の1つ,すなわち第一の心出し開口33は,係合する固定開口28の側面に面した側壁部35のV字形状を設け,一方,もう1つの心出し開口34は,係合する固定開口29の側面に面した真直な側面36を設けている。
【0022】
該クランプ装置は,上記における方法によって,確実な反復性,高度の信頼性および高精度を提供するように,設計されている。その上,クランプ装置は比較的単純な形状であり,低コストでの生産が可能である。挟持方法の操作も簡単であり,すなわち,引抜植込みボルトは,パレットおよびワークピース,両方の位置の整合をもたらし,クランプホルダのX, Y平面内,パレットおよびワークピースの整合に関しても同様に,クランプホルダのZ方向内,およびパレットおよびワークピースを確実に固定することもクランプホルダにもたらす。
【0023】
結局,ワークピースとパレットの後側のそれぞれに注目し,作業台に容易に置くか,または平坦に保たれた結果,機械工具の機械テーブルに固定する。さらに,大変有利となるには,実際に示したとおり,ワークピースとパレットのそれぞれは,上記に記載されている4つの様々な開口を設けなければならないものであり,すなわち,2つの固定開口と2つの心出し開口を,固定するためにクランプホルダの明確な位置にそれを設けなければならない。パレットおよびワークピースの特定の心出し要素は,それぞれ,上記に記載した,2つの心出し開口33, 34によって本発明の実施例を構成し,加工速度の上昇,簡単で低コストが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】パレットとクランプホルダの概観を部分的に分解した斜視図である。
【図2】クランプホルダに固定されるパレットの平面図である。
【図3】図2におけるA―A線に沿うパレットおよびクランプホルダの横断面図である。
【図4】図4はクランプホルダと,そのクランプホルダに固定可能なワークピースの斜視図である。
【符号の説明】
【0025】
1 クランプホルダ
2 パレット
2a ワークピース
3 軸継手面
4 引抜植込みボルト
5 引抜植込みボルト
8 スラスト面
9 スラスト面
10 整合面
11 整合面
12 押さえバネ
13 押さえバネ
14 容器
15 容器
16 スロット
18 頭部ネジ
19 頭部ネジ
20 第1心出しピン
21 第1心出しピン
22a 接触面
22b 接触面
22c 接触面
22d 接触面
24 取付板
25 引き棒
26 支持ピン
28 固定開口
29 固定開口
30 クランプ面
31 クランプ面
33 第1心出し開口
34 第2心出し開口
35 側面に沿った壁部分
35a 側面
35b 側面
36 横側面
37 平坦な後面
38 固定穴
39 凹部の形状をした空隙
40 平坦な後部面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パレットまたは工作機械上のワークピースを挟持するためのクランプ装置であって,
第1心出し要素および少なくとも1つのクランプ要素を設けたクランプホルダと,
確定的に位置決めされた状態でクランプホルダに挟持可能とされ,かつ第2心出し要素を設けた挟持対象とを含み,
前記第1および第2心出し要素は,前記クランプホルダの少なくとも1つのクランプ要素によりクランプホルダに前記挟持対象を挟持する際に互いに協働して,前記挟持対象を前記クランプホルダに対しX, Yの両方向および角度方向において整合させ,
前記クランプホルダの第1心出し要素が前記挟持対象の第2心出し要素と係合し,前記挟持対象が,前記挟持対象をクランプホルダに取り付ける際にX, Y面内で動くことにより前記クランプホルダに関して整合するクランプ装置において,
前記クランプホルダの少なくとも1つのクランプ要素に傾斜スラスト面を設けると共に,前記挟持対象に前記傾斜スラスト面と協働する傾斜クランプ面を設け,
前記挟持対象を前記クランプホルダに挟持する際に,前記挟持対象の前記第2心出し要素を,前記クランプホルダの前記第1心出し要素に対してX, Y面内で押圧すると同時に前記クランプホルダに向けてZ方向に引き寄せることを特徴とするクランプ装置。
【請求項2】
請求項1記載のクランプ装置において,クランプホルダにおける少なくとも1つのクランプ要素に設けた前記傾斜スラスト面は,クランプホルダのZ軸方向中央軸線に対して30°〜60°の角度で配置したことを特徴とするクランプ装置。
【請求項3】
請求項1記載のクランプ装置において,クランプホルダにおける少なくとも1つのクランプ要素に設けた前記傾斜スラスト面は,クランプホルダのZ軸方向中央軸線に対して40°〜60°の角度で配置したことを特徴とするクランプ装置。
【請求項4】
請求項1記載のクランプ装置において,前記クランプホルダの前記第1心出し要素は,前記挟持対象を前記クランプホルダに対して緩く取り付ける際に,前記挟持対象の前記第2心出し要素と前記クランプホルダの前記第1心出し要素との間にX, Y平面内で所定の間隔が生じるように,前記挟持対象の前記第2心出し要素と係合させ,
前記挟持対象の前記第1心出し要素を,前記挟持対象をX, Y平面内で変位させることにより,前記挟持対象の前記第2心出し要素に対して静止させることを特徴とするクランプ装置。
【請求項5】
請求項1記載のクランプ装置において,前記クランプホルダの前記第1心出し要素に少なくとも2つの心出しピンを設けると共に,前記挟持対象の前記第2心出し要素に少なくとも2つの開口を設け,前記心出し開口の1つに,前記クランプホルダに関して前記挟持対象をX, Y方向において整合させるために互いにオフセットした2つの静止面を設け,前記心出し開口の他の1つには,Z軸周りの角度方向に関して,前記挟持対象を整合させるための1つの静止面を設けたことを特徴とするクランプ装置。
【請求項6】
請求項5記載のクランプ装置において,前記クランプホルダに2つの心出しピンを設けると共に前記挟持対象に2つの心出し開口を設け,前記クランプホルダに2つのクランプ要素を設け,前記2つのクランプ要素の一方により,前記クランプホルダにおける2つの心出しピンのうちの第1の心出しピンに向かう力を前記挟持対象に作用させ,前記2つのクランプ要素の他方により,前記クランプホルダにおける2つの心出しピンのうちの第2の心出しピンに向かう力を前記挟持対象に作用させることを特徴とするクランプ装置。
【請求項7】
請求項1記載のクランプ装置において,前記挟持対象に平坦な後面を設けると共に前記クランプホルダに少なくとも3つの接触面を設け,前記挟持対象がクランプホルダに取り付けられたときに前記平坦な後面を前記接触面に静止させることを特徴とするクランプ装置。
【請求項8】
請求項1記載のクランプ装置において,前記クランプホルダに2つのクランプ要素を設けると共に前記挟持対象には前記クランプホルダにおける2つのクランプ要素を収める2つの取り付け開口を設け,前記前記挟持対象の前記各取り付け開口に傾斜クランプ面のうちの1つを配置し,その1つの傾斜クランプ面を,前記クランプホルダの前記2つのクランプ要素における前記傾斜スラスト面の1つに係合させることを特徴とするクランプ装置。
【請求項9】
請求項6記載のクランプ装置において,前記挟持対象における前記2つの心出し開口のうちの1つにV字状の側面を設け,前記クランプホルダに前記挟持対象を挟持する際に前記クランプホルダにおける前記2つの心出しピンの一方を前記V字状の側面上に静止させて,前記挟持対象を前記クランプホルダに関してX, Y方向に整合させることを特徴とするクランプ装置。
【請求項10】
請求項1記載のクランプ装置において,前記挟持対象は,パレットにより構成することを特徴とするクランプ装置。
【請求項11】
請求項1記載のクランプ装置において,前記挟持対象は,加工物により構成することを特徴とするクランプ装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−83391(P2007−83391A)
【公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−254776(P2006−254776)
【出願日】平成18年9月20日(2006.9.20)
【出願人】(506317244)エフ―ツール インターナツィオナール アーゲー (4)
【Fターム(参考)】