説明

グラウト組成物およびそれを用いたグラウトモルタル

【課題】 無収縮性を有し、良好な流動性を保持し、ブリーディングや材料分離を発生せず、水和熱抑制により温度ひび割れを防止し、乾燥収縮の低減によりひび割れ防止性能を有する土木・建築分野において使用されるグラウト組成物およびそれを用いたグラウトモルタルを提供する。
【解決手段】 セメント、膨張材、収縮低減剤、繊維、減水剤、発泡物質、及び細骨材からなり、膨張材が、セメント100部に対して、2〜20部であるグラウト組成物、セメント100部に対し、収縮低減剤が1〜6部である該グラウト組成物、繊維が、グラウト組成物100容量部中、0.01〜1容量部である、細骨材が、セメントと膨張材からなる結合材100部に対して、90〜250部である該グラウト組成物、該グラウト組成物と水とを配合してなるグラウトモルタル、並びに、水が、結合材100部に対して、30〜55部である該グラウトモルタルを構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に、土木・建築分野において使用されるグラウト組成物およびそれを用いたグラウトモルタルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、グラウト用のセメント混和材あるいはセメント系グラウト組成物としては、膨張物質と減水剤を主成分とするものが提案されている(特許文献1、特許文献2参照)。
これらの材料は、いずれも作業性や充填性に優れ、グラウト工事を円滑に完了させる材料であった。
【0003】
最近では、グラウト材料に要求される性能は益々高まってきている。
グラウト材料の要求物性としては、(1)無収縮であること、(2)流動性が良好でその保持性が優れること、(3)ブリーディングや材料分離がないこと、及び(4)水和熱抑制による温度ひび割れがないことなどが挙げられる。
【0004】
さらに最近では、コンクリート構造物の補修・補強工事における断面修復や断面の増し打ち部に使用されることが多くなる傾向にあり、(5)乾燥収縮の低減によるひび割れ防止も求められるようになり、これら全ての要求性能を満足することが必要とされている。
【0005】
しかしながら、従来のグラウト材料は、上記(1)〜(4)については要求を満たすものの、(5)の乾燥収縮の低減によるひび割れ防止についてはあまり検討がされず、性能をまだ充分に満足していないのが現状である。
【0006】
また、充填箇所によっては、さらなる高流動化が要求される場合もあり、特に高温下では著しく泡が発生することがある。
【0007】
多量に泡が発生するとコンクリートとの付着がとれなくなるだけではなく、材料分離を起こす可能性があり、コンクリートとの間に間隙が生じることが考えられ、施工上の課題となっている(非特許文献1参照)。
【0008】
【特許文献1】特開2003−171162号公報
【特許文献2】特開2001−329263号公報
【非特許文献1】「高強度グラウト材の充填性に関する実験研究」、日本建築学会大会学術講演梗概集、No.1313、1995年8月
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明者は、前記課題を解決すべく種々検討を重ねた結果、特定のグラウト組成物を採用することにより前記課題が解決できるとの知見を得て本発明を完成するに至った。
【課題を解決するための手段】
【0010】
即ち、本発明は、セメント、膨張材、収縮低減剤、繊維、減水剤、発泡物質、及び細骨材からなり、膨張材が、セメント100部に対して、2〜20部であるグラウト組成物であり、収縮低減剤が、セメント100部に対し、1〜6部である該グラウト組成物であり、繊維が、グラウト組成物100容量部中、0.01〜1容量部である該グラウト組成物であり、減水剤が、セメント100部に対し、0.05〜4部である該グラウト組成物であり、発泡物質が、セメント100部に対し、0.0001〜0.003部である該グラウト組成物であり、細骨材が、セメントと膨張材からなる結合材100部に対して、90〜250部である該グラウト組成物であり、さらに、デキストリンを含有してなる該グラウト組成物であり、該グラウト組成物と水とを配合してなるグラウトモルタルであり、水が、結合材100部に対して、30〜55部である該グラウトモルタルである。
【発明の効果】
【0011】
本発明のグラウト組成物を使用することにより、無収縮性を有し、良好な流動性を保持し、ブリーディングや材料分離を発生せず、水和熱抑制により温度ひび割れを防止し、乾燥収縮の低減によりひび割れ防止性能を有するグラウトモルタルを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明を詳細に説明する。
なお、本発明で使用する部や%は特に規定のない限り質量規準である。
【0013】
本発明では、セメント、膨張材、収縮低減剤、繊維、減水剤、発泡物質、及び細骨材からなり、膨張材が、セメント100部に対して、2〜20部であるグラウト組成物と水とを混練りして、グラウトモルタルを調製するものである。
【0014】
本発明で使用するセメントとしては、普通、早強、超早強、低熱、及び中庸熱等の各種ポルトランドセメント、これらポルトランドセメントに、高炉スラグ、フライアッシュ、シリカ、又は石灰石粉末等を混合した各種混合セメント、並びに、廃棄物利用型セメント、いわゆるエコセメントなどが挙げられる。
【0015】
本発明で使用する膨張材は特に限定されるものではなく、一般に市販されているものが使用可能であり、カルシウムサルホアルミネート系膨張材、カルシウムアルミノフェライト系膨張材、及び石灰系膨張材のいずれも使用可能である。
膨張材の使用量は、セメント100部に対して、2〜20部が好ましく、4〜15部がより好ましい。2部未満では収縮低減効果が小さい場合があり、20部を超えても収縮低減効果が期待できないばかりか、圧縮強度が小さくなる場合がある。
【0016】
本発明で使用する収縮低減剤は、硬化後のグラウトモルタルの乾燥収縮を抑制し、ひび割れの発生を抑制するもので、構成する収縮低減成分としては、R0(A0)nH(ただし、Rは炭素数4〜6のアルキル基、Aは炭素数2〜3の一種又は二種以上のアルキレン基、nは1〜10の整数)で示される低級アルコールのアルキレンオキサイド付加物を主体としたものや、一般式X{0(A0)nR}m(ただし、Xは2〜8個の水素基を有する化合物の残基、A0は炭素数2〜18のオキシアルキレン基、Rは水素原子、炭素数1〜18の炭化水素基、又は炭素数2〜18のアシル基、nは30〜1,000、mは2〜8)で示され、そのオキシアルキレン基の60モル%以上はオキシエチレン基であるポリオキシアルキレン誘導体等を使用することが可能である。
収縮低減剤の使用量は、セメント100部に対して、1〜6部が好ましく、2〜5部がより好ましい。1部未満では乾燥収縮低減効果が小さい場合があり、6部を超えると強度発現性が低下する場合がある。
【0017】
本発明で使用する繊維は、繊維を混入していないモルタルでは引張強度が圧縮強度に比して小さいこと、そのため、ひび割れが発生しやすいこと、さらに、破壊時の挙動が脆性的になることなどを改善する目的で使用するもので、特に限定されるものではなく、一般に市販されているものが使用可能であり、具体的には、高強度のビニロン繊維やポリエチレン繊維等が挙げられる。
繊維の使用量は、グラウト組成物100容量部中、0.01〜1.0容量部が好ましく、0.05〜0.5容量部がより好ましい。0.01容量部未満ではひび割れ抑制効果が得られない場合があり、1.0容量部を超えると流動性が低下する場合があるだけでなく不経済である。
【0018】
本発明で使用する減水剤は、セメントに対する分散作用や空気連行作用を有し、流動性改善や強度増進するものであり、具体的には、ポリアルキルアリルスルホン酸塩の縮合物、ナフタレンスルホン酸塩の縮合物、リグニンスルホン酸塩の縮合物、メラミンスルホン酸塩の縮合物、及びポリカルボン酸塩の縮合物等が挙げられる。これらの減水剤は全て粉末状で使用することができ、本発明ではこれらのうちの一種又は二種以上が使用可能である。
減水剤の使用量は、セメント100部に対して、0.05〜4部が好ましい。0.05部未満では所定の流動性が得られず、4部を超えると材料分離の発生や圧縮強度が低下する場合がある。
【0019】
本発明で使用する発泡物質は特に限定されるものではないが、グラウトモルタルの初期膨張性を得るため、水と混練後に、気体を発生する物質であり、この作用によりグラウトモルタルの沈下現象を防止し、構造物との一体化を図る目的で使用される。その具体例としては、例えば、金属粉末や過酸化物質等が挙げられる。なかでもアルミニウム粉末が好ましいが、アルミニウム粉末の表面は酸化されやすく酸化皮膜で覆われると反応性が低下するため、植物油、鉱物油、又はステアリン酸等で表面処理したアルミニウム粉末が好ましい。
発泡物質の使用量は、セメント100部に対して、0.0001〜0.003部が好ましい。0.0001部未満では膨張量が極めて少なくなる場合があり、0.003部を超えると膨張量が大きく強度が低下する場合がある。
【0020】
本発明で使用する細骨材としては特にその材質は限定されるものではないが、通常使用されている川砂、海砂、砕砂、及び珪砂等が使用可能であり、プレミックス製品として使用する際にはそれらの乾燥砂が好ましく、その最大粒径は5.0mm以下であることが好ましい。
細骨材の使用量は、セメントと膨張材からなる結合材100部に対して、90〜250部が好ましい。90部未満では収縮量が多くなる場合があり、250部を超えると強度や流動性が低下する場合がある。
【0021】
本発明では、部材断面の大きい箇所へ多量のグラウトを行う際に発生する水和熱を抑制する目的でデキストリンを使用することが好ましい。
【0022】
本発明で使用するデキストリンとは、デンプンを酸と共に加熱分解して得られる可溶性デンプンを総称するものであり、別名ばい焼デンプンとも呼ばれている。特に、冷水可溶分5〜55%のものが好ましく、10〜50%のものがより好ましい。冷水可溶分が10%未満では充分な水和熱抑制効果が得られない場合があり、55%を超えると強度発現性が低下する場合がある。
【0023】
本発明で言う冷水可溶分とは、デキストリンが温度21℃の蒸留水に溶解した量を意味するものであり、具体的には、デキストリン10gを200mlのフラスコに入れ、温度21℃の蒸留水150mlを加えて1時間後にろ別し、そのろ液を蒸留乾固して得られたデキストリンを供試デキストリンに対する割合で示したものである。
【0024】
デキストリンの使用量は、セメント100部に対して、0.05〜1.5部が好ましく、0.1〜1.0部がより好ましい。0.05部未満では充分な水和熱抑制効果が発揮できない場合があり、1.5部を超えると強度発現性が低下する場合がある。
【0025】
本発明で使用する練混ぜ水量は特に限定されるものではないが、結合材100部に対して、30〜55部が好ましく、35〜50部がより好ましい。この範囲外では、流動性の低下や材料分離が発生する場合があり、強度発現性が低下する場合もある。
【0026】
本発明では、消泡剤、増粘剤、防錆剤、防凍剤、セメント急硬材、及び凝結調整剤のうちの一種又は二種以上を、また、高分子エマルジョン、ポゾラン微粉末、ベントナイトなどの粘土鉱物、及びハイドロタルサイトなどのアニオン交換体等のうちの一種又は二種以上を、本発明の目的を実質的に阻害しない範囲で使用することが可能である。
【0027】
本発明では、各材料の混合方法は特に限定されるものではなく、それぞれの材料を施工時に混合してもよく、また、あらかじめその一部あるいは全部を混合しておいてもよい。
【0028】
混合装置としては、既存のいかなる装置の使用可能であり、例えば、傾胴ミキサ、オムニミキサ、ヘンシェルミキサ、V型ミキサ、及びナウターミキサなどが使用可能である。
【実施例】
【0029】
以下に実験例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実験例に限定されるものではない。
【0030】
実験例1
セメント100部に対し、表1に示す膨張材、収縮低減剤3部、減水剤1.5部、及び発泡物質0.0016部、結合材100部に対して、細骨材180部と水43部、並びに、グラウト組成物100容量部中、繊維0.15容量部を添加して、高速ハンドミキサを用い練り混ぜしグラウトモルタルを作製し、その流動性、ブリーディング率、長さ変化率、体積膨張率、及び圧縮強度を測定した。結果を表1に併記する。
【0031】
<使用材料>
セメント :普通ポルトランドセメント、密度3.15g/cm3、市販品
膨張材 :カルシウムサルフォアルミネート系膨張材、密度2.83g/cm3、市販品
収縮低減剤:粉末収縮低減剤、市販品
繊維 :ビニロン繊維、密度1.30g/cm3、市販品
減水剤 :ナフタレンスルホン酸系減水剤、市販品
発泡物質 :アルミニウム粉末、市販品
細骨材 :石灰石砕砂、密度2.62g/cm3
【0032】
<測定方法>
流動性 :土木学会標準示方書(JSCE-F541-1999)「充てんモルタルの流動性試験方法」に準じてJ14漏斗流下値を測定
ブリーディング率:土木学会標準示方書(JSCE-F542-1999)「充てんモルタルのブリーディング率および膨張率試験方法」に準じてブリーディング率を測定
長さ変化率:日本道路公団試験方法(JHS 416 1999)「断面修復材の品質規格試験方法」に準じて、グラウトモルタルを、20℃、80%RHの恒温恒湿室で型枠に打設し、2日脱型後、20℃、50%RHの気中養生として測定
体積膨張率:土木学会標準示方書(JSCE-F542-1999)「充てんモルタルのブリーディング率および膨張率試験方法」に準じて、グラウトモルタルを、20℃、80%RHの恒温恒湿室で型枠に打設し、打設後1日に測定
圧縮強度 :土木学会標準示方書(JSCE-G541-1999) 「充てんモルタルの圧縮強度試験方法」に準じて、グラウトモルタルを、20℃、80%RHの恒温恒湿室で型枠に打設し、1日後からの養生を20℃水中養生として、材齢28日の圧縮強度を測定
【0033】
【表1】

【0034】
実験例2
セメント100部に対し、膨張材10部、表2に示す収縮低減剤、減水剤1.5部、及び発泡物質0.0016部、結合材100部に対し、細骨材180部と水43部、並びに、グラウト組成物100容量部中、繊維0.15容量部を添加したこと以外は実験例1と同様に行った。結果を表2に併記する。
【0035】
【表2】

【0036】
実験例3
セメント100部に対し、膨張材10部、収縮低減剤3部、減水剤1.5部、及び発泡物質0.0016部、結合材100部に対し、細骨材180部と水43部、並びに、グラウト組成物100容量部中、表3に示す繊維を添加してグラウトモルタルを作製し、その流動性、ブリーディング率、長さ変化率、体積膨張率、及び圧縮強度を測定し、ひび割れ抵抗性の評価を行ったこと以外は実験例1と同様に行った。結果を表3に併記する。
【0037】
<測定方法>
ひび割れ抵抗性:日本工業規格JIS A 1132「コンクリートの強度試験用供試体の作り方」記載の直径10cm×高さ20cmの円柱鋼製型枠に外径6cm、内径5.2cmの鋼製円筒管を中心にセットし、円柱鋼製型枠と鋼製円筒管の間隙に調整したグラウトモルタルを流し込み、翌日に脱型後20℃、50%RHの気中養生でひび割れ発生の観察を行った。材齢91日後の観察時にひび割れ発生がないものを良、材齢28日後の観察時にひび割れ発生があるものを可、材齢7日後の観察時にひび割れ発生があるものを不可として評価した。
【0038】
【表3】

【0039】
実験例4
セメント100部に対し、膨張材10部、収縮低減剤3部、表4に示す減水剤、及び発泡物質0.0016部、結合材100部に対し、細骨材180部と水43部、並びに、グラウト組成物100容量部中、繊維0.15容量部を添加したこと以外は実験例1と同様に行った。結果を表4に併記する。
【0040】
【表4】

【0041】
実験例5
セメント100部に対し、膨張材10部、収縮低減剤3部、減水剤1.5部、及び表5に示す発泡物質、結合材100部に対し、細骨材180部と水43部、並びに、グラウト組成物100容量部中、繊維0.15容量部を添加したこと以外は実験例1と同様に行った。結果を表5に併記する。
【0042】
【表5】

【0043】
実験例6
セメント100部に対し、膨張材10部、収縮低減剤3部、減水剤1.5部、及び発泡物質0.0016部、結合材100部に対し、表6に示す細骨材と水43部、並びに、グラウト組成物100容量部中、繊維0.15容量部を添加したこと以外は実験例1と同様に行った。結果を表6に併記する。
【0044】
【表6】

【0045】
実験例7
セメント100部に対し、膨張材10部、収縮低減剤3部、減水剤1.5部、及び発泡物質0.0016部、結合材100部に対し、細骨材180部、表7に示すデキストリン、及び水温30℃の水43部、並びに、グラウト組成物100容量部中、繊維0.15容量部を添加して、グラウトモルタルを作製し、その流動性、ブリーディング率、長さ変化率、体積膨張率、圧縮強度、及び断熱温度上昇量を測定したこと以外は実験例1と同様に行った。結果を表7に併記する。
【0046】
<使用材料>
デキストリンA:冷水可溶分5%
デキストリンB:冷水可溶分10%
デキストリンC:冷水可溶分30%
デキストリンD:冷水可溶分50%
デキストリンE:冷水可溶分65%
【0047】
<測定方法>
断熱温度上昇量:試料容量0.01m3の断熱ポットを小型の変温室に入れ、モルタル温度と変温室の温度が常に同じになるように制御する東京理工社製の断熱温度上昇量測定装置を用いて測定した。
【0048】
【表7】

【0049】
実験例8
セメント100部に対し、膨張材10部、収縮低減剤3部、減水剤1.5部、及び発泡物質0.0016部、結合材100部に対し、細骨材180部と表9に示す水、並びに、グラウト組成物100容量部中、繊維0.15容量部を添加したこと以外は実験例1と同様に行った。結果を表8に併記する。
【0050】
【表8】

【0051】
表1〜表8より本発明のグラウト組成物は、適切な体積膨張率を保持し、優れた流動性を得て、ブリーディングの発生もなく、水和熱抑制効果があり、低収縮性であり、高いひび割れ抵抗性を有することが分かる。
本発明のグラウト組成物を使用することにより従来にない低収縮性、高いひび割れ抵抗性を付与することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明のグラウト組成物を用いることにより、無収縮性を有し、流動性が良好で、ブリーディングや材料分離がなく、水和熱抑制効果が大きく、しかも、乾燥収縮量が小さく、ひび割れ抵抗性の高いグラウト材料が得られ、土木・建築構造物の一般工事から補修工事の広範囲の用途に利用可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
セメント、膨張材、収縮低減剤、繊維、減水剤、発泡物質、及び細骨材からなり、膨張材が、セメント100部に対して、2〜20部であるグラウト組成物。
【請求項2】
収縮低減剤が、セメント100部に対し、1〜6部である請求項1に記載のグラウト組成物。
【請求項3】
繊維が、グラウト組成物100容量部中、0.01〜1容量部である請求項1又は請求項2に記載のグラウト組成物。
【請求項4】
減水剤が、セメント100部に対し、0.05〜4部である請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のグラウト組成物。
【請求項5】
発泡物質が、セメント100部に対し、0.0001〜0.003部である請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のグラウト組成物。
【請求項6】
細骨材が、セメントと膨張材からなる結合材100部に対して、90〜250部である請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載のグラウト組成物。
【請求項7】
さらに、デキストリンを含有してなる請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載のグラウト組成物。
【請求項8】
請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載のグラウト組成物と水とを配合してなるグラウトモルタル。
【請求項9】
水が、結合材100部に対して、30〜55部である請求項8に記載のグラウトモルタル。

【公開番号】特開2007−238745(P2007−238745A)
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−62491(P2006−62491)
【出願日】平成18年3月8日(2006.3.8)
【出願人】(000003296)電気化学工業株式会社 (1,539)
【Fターム(参考)】