説明

グルタミンを提供するための組成物および方法

水ならびに肉および炭水化物を主に含む栄養ベースをグルタミンのペプチド源と接触させて湿性混合物を形成することと、その湿性混合物を約50℃〜約105℃の温度で栄養ベースを調理するのに十分な時間加熱することとによる、グルタミン補充食品の調製方法。この方法は、約60〜約85重量%の水を含む調理済食品組成物を形成する。本製品は、グルタミン吸収を増加させるため、または免疫機能を強化するために、動物に給餌することに役立つ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本出願は、その開示が本明細書で参照により組み込まれている、2005年6月9日に出願の米国特許仮出願第60/689126号への優先権を主張する。
【0002】
本発明は、一般に、栄養性組成物、特に補助的グルタミンを含む栄養性食品組成物、ならびにそのような組成物の調製および使用方法に関する。
【背景技術】
【0003】
グルタミンは、骨格筋、肝臓および脂肪組織など、様々な組織で合成することができる。しかし、グルタミンに対する代謝要求が遊離グルタミンプールで有効な量を超える場合に、グルタミンが条件つきで必須であり、それは新規合成によって提供することができることを研究は示す。例えば、運動または他の代謝ストレス(例えば空腹、重度の傷害、病気、その他)のときに、血漿グルタミンに対する要求は著しく増加する。例えば、リンパ球およびマクロファージなどの免疫系の様々な細胞は、一次燃料源としてグルタミンに依存し、したがって、グルタミンに対する要求は免疫学的応答が開始すると増加する。
【0004】
グルタミンの使用方法は、当技術分野で記載されている。欧州特許第672352号は、グルタミンの豊富なペプチド調製物を含む様々な溶液を記載している。米国特許第5,849,335号は、イナゴマメ胚芽タンパク質加水分解物を用いて、ヒトまたは動物にグルタミンを提供するための組成物および方法を提案する。
【0005】
遊離グルタミン(L−グルタミン)の入手可能性にもかかわらず、遊離グルタミンによる食品の補充にはいくつかの限界がある。例えば、遊離グルタミンは、高温または食品加工と関連する一定の条件の下で不安定である。遊離グルタミンを含む組成物は、遊離グルタミンを破壊することなく、例えば缶詰食品の形態で、高温および/または高圧で滅菌またはさらに加工することはできない。したがって、補助的グルタミンを提供する栄養性の食品組成物の必要性がある。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、約60〜約85重量%の量の水、肉および炭水化物を主に含む栄養ベース、ならびにグルタミンのペプチド源を含む、レトルト式調理済食品組成物を提供する。
【0007】
本発明は、そのような食品組成物を含む密封レトルト式容器を含む、グルタミン補充食品も提供する。
【0008】
本発明は、そのようなグルタミン補充食品の調製方法をさらに提供する。この方法は、(a)水ならびに肉および炭水化物を主に含む栄養ベースをグルタミンのペプチド源と接触させて湿性混合物を形成する工程と、(b)湿性混合物を約50℃〜約105℃の温度で、栄養ベースを調理するのに十分な時間加熱して、約60〜約85重量%の水を含む調理済食品組成物を形成する工程と、(c)調理済食品組成物を密封レトルト式容器で包装する工程と、および(d)包装組成物をレトルト手法によって殺菌して食品を形成する工程とを含む。
【0009】
本発明は、動物でグルタミン吸収を増加させる方法も提供する。この方法は、約60〜約85重量%の量の水、肉および炭水化物を主に含む栄養ベース、ならびにグルタミンのペプチド源を含む、調理済食品組成物を動物に給餌する工程を含む。
【0010】
本発明は、それを必要とする動物の免疫機能を強化する方法をさらに提供する。この方法は、約60〜約85重量%の量の水、肉および炭水化物を主に含む栄養ベース、ならびにグルタミンのペプチド源を含む少なくとも1つの調理済食品組成物を含む規定食で、免疫機能を強化するのに有効な期間、動物を維持する工程を含む。
【0011】
本発明の他のさらなる目的、特徴および利点は、当業者に容易に明らかとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
一態様では、本発明は、一般的に缶詰食品組成物の調製と関連するものなどの高温および/または高圧の加工条件の下で安定であるグルタミンの供与源を含む、食品組成物を提供する。本発明は一部、食品を調理および/または滅菌するために高温および/または高圧で加工する前に、グルタミンのペプチド源を高含水量の肉および炭水化物をベースにした食品組成物に加えることにより、遊離グルタミンがペプチド源の代わりに用いられる組成物よりもグルタミンが安定し、それでいてその食品を食する動物にとって容易に生物学的に利用可能であるとの知見に基づく。加熱すると、遊離グルタミンはグルタミン酸塩に容易に分解してアンモニアを放出するが、これは有毒となる可能性がある。したがって、本明細書で記載されるより安定したグルタミン源は、調理済食品の少なくとも2つの問題点、すなわち、グルタミンの損失およびアンモニア蓄積の可能性を克服する。
【0013】
本食品組成物は、本明細書で「レトルト式」と記載される。「レトルト式」食品組成物は密封容器内に直接入れることができるもの、または、すでにそのような容器内に入っているものであり、この組成物は、例えば、レトルト手法の場合のように組成物を高熱および/または高圧にさらすことによる滅菌に適当であるか、あるいは、例えば缶詰食品を滅菌するために通常用いられるように、すでにそのような滅菌処理を受けている。「レトルト式」容器は、例えば滅菌処理の場合のように熱の下で、または熱および圧の下での使用に適した容器であり、最も一般的には密封可能または密封された金属缶またはホイルパウチである。
【0014】
熱滅菌もしくは非熱的滅菌、無菌加工、超熱処理(UHT)および/または高圧を含む食品組成物を滅菌するための他の手段を使用すること自体は、所望により、動物による消費のための物理的または化学的な完全性または受容性を実質的に減少させることなく、組成物がレトルト手法によって滅菌することができるものである限り、その組成物を本範囲から除外するものではない。
【0015】
この食品組成物は、本明細書でさらに「調理済」と記載される。肉成分の(例えば、タンパク質変性による)軟化および/または褐変化、ならびに炭水化物成分の軟化、膨張および/またはゲル化を含め、調理は肉および炭水化物ベースの食品に様々な影響を及ぼすが、そのことは組成物のおおまかな検査によって容易に明白にされる。調理の方法および条件は本組成物に関して重要ではないものの、例示として、本発明の方法の実施形態に従って本明細書で記載されているものでよい。しかし、本明細書で記載されているように、ペプチド源成分を含む組成物全体が「調理された」組成物であること、すなわち、調理は栄養ベースへグルタミンのペプチド源を加えた後に起こることは理解されよう。
【0016】
本食品組成物は動物栄養分野で「湿性」または「含水性」の食品として知られる種類であり、一般的に約60〜約85重量%の水を含み、すなわち、約15〜約40重量%の乾燥分(DM)含有量を有する。一実施形態では、混合物は約65〜約80重量%の水、例えば約75重量%の水を含む。
【0017】
本発明の食品組成物の乾燥分の大部分は「栄養ベース」であり、それは、少なくとも一部、動物における代謝エネルギー(ME)およびタンパク質の食事所要量、ならびに任意選択で必須アミノ酸、必須脂肪酸、ビタミンおよびミネラルなどの、他の必須栄養素を供給する基本的食品成分を含む。栄養ベースは、主として(すなわち、50重量%を超える量の)肉成分および炭水化物成分を含む。特定の実施形態では、肉および炭水化物の成分は、栄養ベースの約75重量%を超えて含まれてもよい。
【0018】
肉成分は、任意の1つまたは複数の動物(例えば哺乳動物、鳥、魚または魚介類)の筋組織および/または臓物を含むタンパク性組織に由来してもよく、また、いかなる物理的形態、例えば容易に識別可能な部分もしくは塊、または、細かく切り刻まれた、粉砕された、もしくは再構成された形態であることができる。
【0019】
炭水化物成分はデンプン、糖および/またはセルロースを含むことができ、最も一般的には穀物(例えば小麦、トウモロコシ、米、その他)、豆類(例えばダイズ)、塊茎(例えばジャガイモ)および/または他の炭水化物の豊富な植物部分(例えばビートパルプ、サゴ、タピオカ、その他)に由来する。炭水化物成分は完全体形態(例えば全粒)、または粉砕もしくは製粉された形態(例えば小麦粉、オートブラン粉)であることができる。
【0020】
栄養ベースは、任意選択で脂肪もしくは油の成分および/または線維成分を含む。一実施形態では、栄養ベースは動物に実質的に栄養的に完全な規定食を提供する。「栄養的に完全な」規定食は、その規定食で維持される健康な動物の正常な健康の維持のために十分な栄養素を含むものである。他の実施形態では、栄養的に完全な食事を提供するために、栄養ベースは必須アミノ酸、必須脂肪酸、ビタミンおよびミネラルなど、さらなる栄養素の補充を必要とする。
【0021】
食品組成物は、グルタミンのペプチド源を少なくとも1つ含む。本明細書で用いられるように、グルタミンのペプチド源はオリゴペプチド、トリペプチドおよびジペプチドを含む様々なアミノ酸鎖長のポリペプチド断片、ならびに場合によっては遊離アミノ酸を含む。一実施形態では、グルタミンのペプチド源は、安定したグルタミンを含むタンパク質加水分解物を含む。加水分解物は、一般タンパク質栄養の供与源、およびグルタミンを含む特定のアミノ酸の供与源としての役目を果たすことができる。本明細書で用いられるように、「加水分解物」はタンパク源の加水分解生成物、または、それが作製される特定の方法に関係なく、そのような生成物の合成等価体を指す。加水分解物は、アミノ酸鎖長が比較的均一または不均一であり得る。
【0022】
例えば、ポリペプチドおよび断片の少なくとも約99重量%が約50kd(キロダルトン)未満の分子量を有するように、ペプチド源内の遊離アミノ酸を含むそのようなポリペプチドおよびその断片は、ある範囲の分子量を有することができる。一実施形態では、約10重量%以下が約10kd以上の分子量を有する。様々な実施形態において、ペプチド源内のポリペプチドおよびその断片の重量平均分子量は、約18kd以下、約12kd以下、約10kd以下、約8kd以下、約6kd以下、約4kd以下または約2kd以下である。
【0023】
重量平均分子量などの平均分子量を含むペプチド源の成分の分子量は、当業者に公知である任意の方法を用いて判定することができる。例えば、タンパク質加水分解物内のポリペプチドおよびその断片の分子量分布は、Sephadex(登録商標)(Pharmacia)などの媒体においてサイズ排除クロマトグラフィーを用いて、または、例えば、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動などのゲル電気泳動によって判定することができる。
【0024】
ペプチド源は、ポリペプチド、アミノ酸鎖断片および遊離アミノ酸に加えて他の化学物質を、例えば脂質、脂肪、油、ビタミンおよび炭水化物をさらに含むことができる。ペプチド源は、ペプチド源を生成するために用いられる生体物質に由来する成分、および/またはペプチド源製造業者によって加えられる化学物質を含むことができる。これらの物質は、例えば、ショ糖、タピオカデンプン、コーン甘味料、コーンスターチ、部分加水分解デンプン、セルロースまたは部分加水分解セルロースなどの炭水化物でよい。ペプチド源に存在してもよい成分のそれには限定されない他の例としては、有機油、例えばダイズ油、サフラワー油、パーム油、ヤシ油、ヒマワリ油、落花生油またはカノーラ油がある。
【0025】
ある実施形態では、グルタミンのペプチド源は、植物(すなわち植物タンパク質加水分解物)または動物(すなわち動物タンパク質加水分解物)に由来するタンパク質加水分解物を含むことができる。
【0026】
植物タンパク質加水分解物は、それらに限定されないが、例えば、作物、穀物、果物、根菜類、塊茎、茎、葉、野菜またはそれらの任意の組合せの食用組織から得られるタンパク質の加水分解物でよい。一実施形態では、タンパク質加水分解物は、少なくとも一部、大麦、オート麦、ライ麦、ライ小麦、小麦(パン用小麦、デュラム小麦、Kamut(登録商標)小麦およびスペルト(spelt)を含む)、ダイズおよびそれらの組合せなどの、作物の種子または穀物に由来する。有用な植物タンパク質加水分解物の具体例としては、ダイズグルテン加水分解物、小麦グルテン加水分解物およびそれらの組合せがある。
【0027】
動物タンパク質加水分解物は、それらに限定されないが、哺乳動物、鳥類、爬虫類、両生類、魚類、無脊椎動物、またはそれらの任意の組合せの組織から得られるタンパク質の加水分解物でよい。哺乳動物のタンパク質源の例としては、ウシ、ヒツジ、ブタ、ヤギ、シカ、ウサギ、ウマおよびカンガルーが挙げられ、特にそれらのミルク、凝乳、乳漿、血液ならびに内部の組織および臓器、例えば平滑筋、横紋筋、肝臓、腎臓、腸および心臓がある。鳥類のタンパク質源の例としては、ニワトリ、七面鳥、ガチョウ、カモ、ダチョウ、ウズラおよびハトがあり、特にそれらの卵ならびに内部の組織および臓器、例えば平滑筋、横紋筋、肝臓、腎臓、腸および心臓がある。爬虫類のタンパク質源の例としては、ワニ、トカゲ、カメおよびヘビがある。両生類のタンパク質源の例としては、カエルおよびサンショウウオがある。魚類タンパク質源の例としては、ナマズ、ニシン、サケ、マグロ、青魚、タラ、オヒョウ、マス、メカジキおよびそれらの卵がある。無脊椎動物のタンパク質源の例としては、ロブスター、カニ、ハマグリ、カラスガイ、カキおよびそれらの組合せがある。
【0028】
タンパク質加水分解物は市販されているか、または当業者に一般に知られている方法を用いて調製することができる。例えば、適当なタンパク質加水分解物は、タンパク質の生物的供与源を、プロテアーゼなどの1つまたは複数の酵素、例えばトリプシンまたはキモトリプシンで、1つまたは複数の非酵素的化学試薬、例えば酢酸などの酸で、あるいはそれらのある組合せで処理することにより調製することができる。したがって、タンパク質加水分解物は、例えば以下の特許および刊行物、すなわち、米国特許第5,589,357号、米国特許第4,879,131号、米国特許第5,039,532号、米国特許第6,403,142号、米国特許第6,589,574号、米国特許第6,455,273号、米国特許出願公開第2003/0035882号、および欧州特許公開第EP1236405号で開示されている方法などの、任意の公知の化学的または酵素的方法で生成することができる。
【0029】
本発明の目的のためのペプチド源は天然でもよく、または、例えば遊離アミノ酸および1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドなどのカップリング試薬を用いたランダムなペプチドポリマーの合成を通して、化学合成によって調製することができる。
【0030】
一実施形態では、ペプチド源は、DM換算で約0.5〜約5重量%のグルタミンの補助的量を提供する量で、組成物中に存在する。グルタミンは実質的に全てのタンパク質中に存在する天然アミノ酸であるので、食品組成物中のグルタミンには、ペプチド源成分だけでなく、肉成分も寄与することが理解される。しかし、組成物中のグルタミンの量が本明細書で指定される場合、それはペプチド源が寄与する補助的グルタミンだけを含む。様々な実施形態において、組成物の補助的グルタミンの含有量は、DM換算で約1〜約4重量%、例えば約1〜約3重量%である。
【0031】
理論によって束縛されないが、ペプチド源に存在するいかなる遊離グルタミンも、そのような遊離グルタミンの、特にその組成物が経る調理および/またはレトルト手法の間における劣った安定性のため、本発明の食品組成物を食する動物のグルタミン摂取量にほとんど寄与しないと思われる。したがって、一実施形態では、ペプチド源中のグルタミンの小さな割合だけが、例えば重量で約10%以下、約5%以下、約2%以下、または約1%以下が、遊離グルタミンの形態である。
【0032】
食品組成物に含まれるペプチド源の量は、とりわけペプチド源内のグルタミンの含有量によって決まる。比較的高い含有量の安定したグルタミンを有するペプチド源は、より低い含有量の安定したグルタミンを有するものよりも少ない量で含有させることができる。小さな割合のグルタミンだけが遊離型であるとして、例えば小麦グルテンに由来するものまたはグルタミンを強化したものなど、グルタミン含有量の高いペプチド源を選択することが、一般に最も効率的である。様々な実施形態において、ペプチド源は、重量で総グルタミンの少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、または少なくとも約25%、例えば約30%を含む。
【0033】
食品組成物は、水、栄養ベースおよびグルタミンのペプチド源に加えて、任意選択で1つまたは複数の補助成分を含む。そのような補助成分は、一部の構成では、例えば食品のかたさまたはテクスチャーなどの食品の物理的特性を変更し、食品の美味性を強化させ、かつ/または栄養補助剤の働きをすることができる。栄養補助剤の例としては、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、チアミン、リボフラビン、ナイアシン、ビタミンB、葉酸、ビタミンB12、ビオチンおよびパントテン酸などのビタミン類、タウリン、DL−メチオニン、塩化コリン、ならびに炭酸カルシウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、リン酸二カルシウム、塩化ナトリウム(ヨウ化)、硫酸カルシウム二水塩、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、硫酸第一鉄、酸化マンガン、硫酸銅、ヨウ素酸カルシウムおよびセレニウムなどのミネラルがある。
【0034】
他の態様では、本発明は、本明細書で記載する食品組成物を含む密封レトルト式容器を含む、グルタミン補充食品を提供する。本文脈との関連で、用語「グルタミン補充」は、食品の肉成分に天然に存在するもの以外のグルタミン源を有することを意味する。用語「食品」は、この関係において、容器および容器内の食品組成物を含む製造品または商品を意味する。
【0035】
それらに限定されないが、金属缶、レトルト式パウチもしくはトレイ、ビン、ジャーまたは積層ボール紙レトルト式カートン(例えば、Tetra Recart(商標)レトルト式カートン)を含む、任意の密封レトルト式容器を用いることができる。密封は、容器を気密にしなければならない。
【0036】
他の態様では、本発明は、グルタミン補充食品の調製方法を提供する。
【0037】
この方法の1工程では、水ならびに肉および炭水化物を主に含む栄養ベースをグルタミンのペプチド源と接触させて湿性混合物を形成する。水量は、最終製品で約60〜約85重量%の水を含む食品組成物を提供するのに十分である。一実施形態では、組成物は約65〜約80重量%の水、例えば約75重量%の水を含む。栄養ベースおよびグルタミンのペプチド源に関する詳細および選択肢は、本明細書で記載されているとおりである。本文脈と関連する用語「接触させる」または「接触させた」は、挙げた成分を接触させる任意の手法、例えば混合または表面施用手法を含む。
【0038】
理論によって束縛されないが、湿性混合物のpHは、ペプチド源によって提供されるグルタミンの生物学的利用能に影響を及ぼすことが可能であると思われている。湿性混合物は約2〜約8のpHを一般に有するが、ある状況によってはより低いまたはより高いpH値も許容することができる。一実施形態では、湿性混合物は約4〜約7、例えば約5.5〜約6.5のpHを有する。
【0039】
この方法の他の工程では、湿性混合物を約50℃〜約105℃の温度で栄養ベースを調理するのに十分な時間加熱して、調理済食品組成物を形成する。一実施形態では、調理温度は約65℃〜約90℃、例えば約80℃〜約85℃である。十分な調理時間は、一般に約5分〜約30分である。調理に必要な時間は、とりわけ栄養ベースの性質および組成、含水量、軟化、褐変および他の所望の調理効果の程度、ならびに調理温度によって決まることが理解される。より低い調理温度を用いる場合はより長い調理時間が、より高い調理温度を用いる場合はより短い調理時間が必要なこともある。
【0040】
混合および調理の工程は、バッチ加工または連続加工のいずれかによって実施することができる。例示的なバッチ処理では、組成物の全ての成分を撹拌釜などの混合および調理装置内で接触させて、湿性混合物を生成する。次いで、釜内の湿性混合物の温度をあるレベルに上昇させて、肉および炭水化物成分を調理するために有効な期間維持する。例示的な連続処理では、温度帯を制御するかまたはせずに成分を連続調理ユニット内で接触させて、湿性混合物を生成する。湿性混合物は、約1〜約65rpmの速度で撹拌システムを作動させながら、サイクル時間(逆方向、順方向、休止)を設けてまたは設けずに、所望の温度で調理する。
【0041】
この方法のさらなる工程において、調理済食品組成物をレトルト式容器、例えば、本明細書で指摘した種類のような任意の容器で包装して、容器を密封する。組成物がまだ高温である間に、包装をすることができる。一実施形態では、調理は、少なくとも一部、密封容器の中で起こる。他の実施形態では、調理した後、組成物を容器内に入れる前に、組成物を冷やすかまたは放冷させる。
【0042】
この方法のさらなる工程において、生じた包装組成物をレトルト手法によって滅菌して食品をつくる。任意のレトルト手法を、または実質的に同等の効果を有する手法を用いることができる。一実施形態では、満たして密封したレトルト式容器を連続式またはバッチ式のレトルト装置に入れ、約90℃〜約120℃の温度に約3分〜約80分間曝露させる。過度に高い温度または長い曝露時間は、製品の過剰調理となり有害となる可能性があり、約90℃未満の温度または約3分未満の曝露は、製品の不完全滅菌および容認できないほど短い有効期間をもたらすおそれがある。任意の特定の製品のための温度および曝露時間の適当な組合せは、当業者が容易に確立することができる。
【0043】
一実施形態では、食品は少なくとも約1カ月の有効期間を有する。本明細書で「有効期間」は、周囲条件で貯蔵後、密封製品がその使用目的のための適合性を保持する期間を指す。様々な実施形態において、食品は少なくとも約6カ月、少なくとも約1年または少なくとも約2年の有効期間を有する。
【0044】
他の態様では、本発明は、動物でグルタミン吸収を増加させる方法を提供する。この方法は、本明細書で記載されている調理済食品組成物を動物へ給餌する工程を含む。動物は、増加したグルタミン吸収が必要であってもよいが、そうである必要はない。例えば、グルタミン吸収の増加は動物の健康またはウェルネスに対して直接的または確実な利点は全くないかもしれないが、場合によっては良い予防措置となることがある。
【0045】
さらなる態様において、本発明は、それを必要とする動物の免疫機能を強化する方法を提供する。この方法は、免疫機能を強化するのに有効な期間、本発明の少なくとも1つの調理済食品組成物を含む規定食で動物を維持することを含む。
【0046】
免疫機能の強化を「必要とする」動物は、免疫系が任意の疾患、障害または傷害によって損なわれている動物でよい。様々な実施形態において、動物は、下痢、炎症性腸疾患、手術後の腸管機能低下、化学療法、火傷、疲労、癌、悪液質および敗血症からなる群から選択される少なくとも1つの状態の1つまたは複数の症状を患っているか、経験しているか、または経験した動物である。この方法の実施には、基本的に本明細書で記載されている1つまたは複数のグルタミン補充組成物からなる規定食で動物を維持することが含まれてもよい。あるいは、本明細書で記載されているグルタミン補充組成物を動物の通常食に加えて、または、その部分的代用品として動物に給餌することができる。
【0047】
何が「免疫機能を強化するのに有効な期間」を構成するかは、弱められた免疫機能が関係する特定の状態、その状態の重症度および他の要素によって決まる。一般的に、本明細書で記載されているグルタミンを補充した規定食で、少なくとも約1週間動物を維持しなければならない。様々な実施形態において、そのような維持は、少なくとも約1カ月、少なくとも約6カ月、少なくとも約1年または少なくとも約2年継続される。一実施形態では、動物は実質的にその動物の残りの生存期間、グルタミン補充規定食で維持される。
【0048】
動物はヒトまたはヒト以外でよい。様々な実施形態において、動物は脊椎動物、例えば魚類、鳥類、爬虫類または哺乳類である。哺乳動物の例としては、動物は、それらに限定されないがイヌ科およびネコ科の種を含む食肉目の動物でよい。
【0049】
特定の実施形態において、動物はコンパニオン動物である。本明細書で、「コンパニオン動物」は、ペットとしてヒト飼い主に飼われる任意の種の個体動物、または、個体動物が単にまたは一部親交のために飼われるかどうかに関係なく、イヌ(カニスファミリアリス)およびネコ(フェリスドメスティクス)を含めてペットとして広く飼いならされた様々な種の任意の個体動物である。したがって、本明細書で「コンパニオン動物」は、労働犬、齧歯類防除のために飼育される農場ネコ、その他、ならびにペットのイヌおよびネコを含む。
【0050】
これらの例示的実施形態にもかかわらず、本発明の方法は、ヒト以外の霊長類(例えばサル、チンパンジー、その他)、伴侶および労働動物(例えばウマ、その他)、畜産動物(例えばヤギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、その他)および野生および動物園の動物(例えばオオカミ、クマ、シカ、その他)などのヒト以外の哺乳動物を含む他の哺乳動物にも一般に適当であることが理解される。本発明の方法は、伴侶、農場、動物園および野生の鳥類(例えば、歌鳥、オウム、カモ、ガチョウ、ニワトリ、七面鳥、ダチョウ、その他を含む)などの非哺乳動物での使用にも一般に適当である。
【0051】
さらなる態様において、本発明は、レトルト式(例えば、缶詰の)食品組成物の調理および/または滅菌前に加える補助的グルタミンの安定性を増加させる方法を提供する。この方法は、本明細書で記載されているグルタミンのペプチド源の形態で補助的グルタミンを加える工程を含む。
【0052】
さらなる態様において、本発明は、本明細書で記載されている調理済食品組成物の給餌に関する情報または説明を伝達する手段を提供する。この手段には、それらの情報または説明を含む表示、パンフレット、広告、添付文書、コンピュータ可読のデジタルもしくは光学式の媒体、音声による提供、視覚的提供、または1頁もしくは複数頁のウェブサイトが含まれる。
【0053】
本発明は本明細書で記載の特定の方法、プロトコルおよび試薬は変更されることがあるので、それらには限定されない。さらに、本明細書で使われる専門用語は特定の実施形態を記載することだけが目的であり、本発明の範囲を限定するものではない。本明細書および添付の特許請求の範囲で用いるように、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈からそうでないことが明らかでない限り複数形も指し、例えば、「ある方法」または「ある食品」と言う場合はそのような方法または食品の複数形を含む。同様に、単語「含む(comprise)」、「含む(comprises)」および「含んでいる(comprising)」は、排他的ではなく包含的に解釈するべきである。
【0054】
特に定義されていない場合は、本明細書で用いられる全ての技術用語および科学的用語、ならびに略語は、本発明の分野の当業者が通常理解するのと同じ意味を有する。本明細書で記載されているものと類似または同等の任意の組成物、方法、製造品または他の手段もしくは材料を本発明の実施で用いることができるが、好ましい組成物、方法、製造品または他の手段もしくは材料が本明細書で記載されている。
【0055】
実施例を含む本明細書で用いられる全ての百分率は、特に明記しない限り乾燥分ベースでの重量百分率である。
【0056】
本明細書で引用または参照される全ての特許、特許出願、刊行物および他の参考文献は、法律によって許される程度まで本明細書で参照により組み込まれている。それらの参考文献の記載は、それらの主張を単に要約するだけのものである。そのような特許、特許出願、刊行物もしくは参考文献のいずれも、またはそのいずれの部分も、本発明に関連する先行技術であると認めることはなく、そのような特許、特許出願、刊行物および他の参考文献の正確性および適切性に対抗する権利を特に留保する。
【0057】
(実施例)
本発明を以下の実施例でさらに例示することができるが、これらの実施例は単に例示の目的だけのために含まれ、特に明記されていない限り、本発明の範囲を限定するものではないことが理解される。
【実施例1】
【0058】
この実施例は、缶詰のペット食品に組み込まれた、小麦グルテン加水分解物から得られた安定したグルタミン供与源の生物学的利用能を示す。
【0059】
24頭のイヌを、対照、A、BおよびCと命名された4群の1つに無作為に割り付けた。乾燥分ベースで0%、1%、2%および4%の添加グルタミン(30%グルタミンを含む小麦グルテン加水分解物供与源に由来する)を含むように配合した缶詰のペット食品組成物を、対照、A、BおよびC群にそれぞれ給餌した。組成物はDMベースで約75%の水および約50%の炭水化物、22%のタンパク質および14%の脂肪を含んでいた。組成物は約5.5〜6.5のpHを有し、調理のために82℃(180°F)に加熱した。缶詰食品は、レトルト処理を経た。
【0060】
缶詰めおよびレトルト滅菌の後、缶を10日間保存してから開缶し、それらの内容物をイヌに給餌した。その後、4群のイヌに、維持レベルの適当な食品組成物食品を21日間給餌した。1日目および21日目に、給餌から0(ベースライン)、30、60、120および180分後に、血漿グルタミンレベルを判定した。
【0061】
血漿中のグルタミンを分離、同定して、HPLCにより定量した。試料を室温に到達させ、次いで一部の試料を除タンパク溶液(13.5w/v%の5−スルホサリチル酸水和物)、内部標準液(グルコサミン酸(Glucosaminic Acid))、および、しばしば、開始溶離液リチウム緩衝液で希釈することによって分析のために調製した。次いで混合物を撹拌して、微量遠心分離を行い、注射器により0.2ミクロンフィルターで濾過した。次いで、試料注入待機中の自動ローダ/サンプラーに入れるまで、試料を冷蔵保存した。
【0062】
アミノ酸分析は、Beckman Instruments Model6300および7300専用のHPLCアミノ酸分析計で実施した。これらの機器は、10cmカチオン交換カラム、リチウムベースの4つの連続溶離液およびカラム再生のための水酸化リチウムを組み込む。吸光度は、ニンヒドリン試薬による131℃でのポストカラム発色現象に続いて、440および570nmで測定した。データ収集および管理は、コンピュータ上で作動するBeckman System Gold8.10クロマトグラフィーソフトウェアで達成された。Beckman標準液は、標準化要件を満たした。
【0063】
表1で示すように、1日目にA、BおよびC群の全てのイヌにおいて給餌の30分後に血漿グルタミンレベルの上昇があったが、対照食を給餌したイヌではそのような上昇は見られなかった。上昇は、1%または2%のグルタミン補充を受けた群でより4%のグルタミン補充食(C群)を受けた群で大きかった。血漿グルタミンは、対照食を受けた群で空腹時(給餌直前に測定されたベースライン)より120分および180分時に低かった。
【0064】
A〜Cの各群で、21日目には、30分時の血漿グルタミンレベルの上昇は1日目よりも高かった。血漿グルタミンは全ての群において、空腹時より30分時に高かった。対照群での血漿グルタミンの小さな上昇は、給餌した食品はグルタミンが十分であったことを示唆し、グルタミン補充によるより大きな上昇は、補充グルタミンが吸収可能であったことを示した。さらに、A〜C群における30分時の血漿グルタミンの上昇は全て21日目には類似していたが、これは、平衡が生じた可能性、および健常なグルタミン状態を維持するのに1%グルタミンの長期補充が十分である可能性を示唆する。
【表1】

【0065】
これらのデータは、加水分解物から得られたグルタミンの安定した給与源を缶詰ペット食品に組み込むことができること、その場合、その食品が例えば調理および滅菌のために高熱および高圧などの状態を経た場合でも、その食品を食する動物にとってそれが生物学的に利用可能であることを証明する。
【実施例2】
【0066】
この実施例は、異なるグルテン加水分解物源から得られたグルタミンの、生物学的利用能を示す。
【0067】
吸収のためのグルタミンの利用能に差があるかどうかを判定するために、3つの異なる小麦グルテン加水分解物(群をH1、H2およびH3と命名)および1つのダイズグルテン加水分解物(H4)を乾燥ペットフードに組み込んだ。5頭のイヌに、H1〜H4を含む食品をそれぞれ給餌し、血漿のグルタミンレベルを判定した。対照群のイヌには、グルテン加水分解物源で補充されていない乾燥ペットフードを給餌した。全てのイヌに早朝に給餌し、給餌の前、および給餌の30、60および120分後に採血した。
【0068】
表2で示すように、全ての4つのグルテン加水分解物源(H1〜H4群)は、給餌の30および60分後にグルタミンの吸収を示した。
【0069】
3つの小麦グルテン加水分解物源(H1〜H3)は吸収のための同等のグルタミン利用能を示したが、ダイズグルテン加水分解物源(H4)は僅かにより低いグルタミン吸収を示した。それでも、H1〜H4の各群のイヌの血漿グルタミンは対照よりも高かった。
【表2】

【実施例3】
【0070】
この実施例は、ペット食品を調製する際に用いた条件は遊離グルタミンに破壊的となるおそれがあることを示す。
【0071】
動物にグルタミンを供給するために遊離グルタミンを同様に用いることができるかどうか判定するために、遊離のL−グルタミンを1%および2%(それぞれ缶1および缶2)の濃度で缶詰ペットフードに組み込んだ。調理するために食品を82℃(180°F)に加熱して、缶詰食品はレトルト処理を受けた。
【0072】
L−グルタミン酸塩およびNAD(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)の間の反応によるホルマザンの形成に基づく比色法を用いて、最終食品中で生じた遊離グルタミンを測定した。ホルマザンは、492nmの可視領域で測定する。その反応は、L−グルタミン酸が元の反応で完全に使い果たされた後に、Lグルタミンを測定するために用いられた。次いで、グルタミンをグルタミン酸塩に変換するために食品試料にグルタミナーゼを加え、今度はグルタミンから変換されたグルタミン酸塩だけを測定するために反応を繰り返した。
【0073】
表3で示すように、遊離グルタミンは缶詰ペット食品(缶1および缶2)で検出不能であった。対照的に、遊離グルタミンを乾燥ペット食品に加えた場合(表中で示すように乾燥1〜4)、遊離グルタミンの回収率は約62%〜約86%であり、このことは、相対的に、缶詰め工程が遊離グルタミンにとって非常に破壊的であることを示す。
【表3】

【0074】
本明細書では本発明の典型的な好ましい実施形態が開示され、また特定の用語が使用されているが、それらは一般的および説明的な意味だけで用いられ、限定することが目的ではなく、本発明の範囲は特許請求の範囲で示される。上記教示に照らして、本発明の多くの修正や改変が明らかに可能である。したがって、添付の特許請求の範囲内で、具体的に記載されているもの以外で本発明を実施することができることを理解されたい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)約60〜約85重量%の量の水、(b)肉および炭水化物を主に含む栄養ベース、ならびに(c)グルタミンのペプチド源、を含むレトルト式調理済食品組成物。
【請求項2】
乾燥分ベースで組成物の約0.5〜約5重量%の、ペプチド源が寄与する補助的グルタミン含有量を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
補助的グルタミン含有量が乾燥分ベースで組成物の約1〜約4重量%である、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
水の量が約65〜約80重量%である、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
約2〜約8のpHを有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
約4〜約7のpHを有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
約5.5〜約6.5のpHを有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
グルタミンのペプチド源がタンパク質加水分解物を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
タンパク質加水分解物が少なくとも一部、植物源に由来する、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
植物源が大麦、オート麦、ライ麦、ライ小麦、小麦、ダイズおよびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
タンパク質加水分解物が少なくとも一部、小麦グルテン、ダイズグルテンおよびそれらの組合せに由来する、請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
請求項1に記載の組成物をを収容する密封レトルト式容器を含む、グルタミン補充食品。
【請求項13】
容器が金属缶、レトルト式パウチ、レトルト式トレイ、ビン、ジャーおよび積層ボール紙レトルト式カートンからなる群から選択される、請求項12に記載の食品。
【請求項14】
グルタミン補充食品の調製方法であって、(a)水ならびに肉および炭水化物を主に含む栄養ベースをグルタミンのペプチド源と接触させて湿性混合物を形成する工程と、(b)湿性混合物を約50℃〜約105℃の温度で栄養ベースを調理するのに十分な時間加熱して、約60〜約85重量%の水を含む調理済食品組成物を形成する工程と、(c)調理済食品組成物を密封レトルト式容器で包装する工程と、(d)包装組成物をレトルト手法によって滅菌して食品を形成する工程、とを含む前記方法。
【請求項15】
グルタミンのペプチド源が乾燥分ベースで組成物の約0.5〜約5重量%の補助的グルタミン量に寄与するのに十分な量で加えられる、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
補助的グルタミンの含有量が乾燥分ベースで組成物の約1〜約4重量%である、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
水の量が約65〜約80重量%である、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
湿性混合物が約2〜約8のpHを有する、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
湿性混合物が約4〜約7のpHを有する、請求項14に記載の方法。
【請求項20】
湿性混合物が約5.5〜約6.5のpHを有する、請求項14に記載の方法。
【請求項21】
グルタミンのペプチド源がタンパク質加水分解物を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項22】
タンパク質加水分解物が少なくとも一部、植物源に由来する、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
植物源が大麦、オート麦、ライ麦、ライ小麦、小麦、ダイズおよびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
タンパク質加水分解物が少なくとも一部、小麦グルテン、ダイズグルテンおよびそれらの組合せに由来する、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
湿性混合物が約65℃〜約90℃の温度に加熱される、請求項14に記載の方法。
【請求項26】
湿性混合物が約80℃〜約85℃の温度に加熱される、請求項14に記載の方法。
【請求項27】
容器が金属缶、レトルト式パウチ、レトルト式トレイ、ビン、ジャーおよび積層ボール紙レトルト式カートンからなる群から選択される、請求項14に記載の方法。
【請求項28】
約60〜約85重量%の量の水、肉および炭水化物を主に含む栄養ベース、ならびにグルタミンのペプチド源を含む調理済食品組成物を動物に給餌する工程を含む、動物におけるグルタミン吸収を増加させる方法。
【請求項29】
動物がイヌ科またはネコ科である、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
動物がコンパニオン動物である、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
約60〜約85重量%の量の水、肉および炭水化物を主に含む栄養ベース、ならびにグルタミンのペプチド源を含む少なくとも1つの調理済食品組成物を含む規定食で、免疫機能を強化するのに有効な期間、動物を維持する工程を含む、それを必要とする動物の免疫機能を強化する方法。
【請求項32】
動物が、下痢、炎症性腸疾患、手術後の腸管機能低下、化学療法、火傷、疲労、癌、悪液質および敗血症からなる群から選択される少なくとも1つの状態の症状を患っているか、経験しているか、または経験した、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
動物がイヌ科またはネコ科である、請求項31に記載の方法。
【請求項34】
動物がコンパニオン動物である、請求項31に記載の方法。
【請求項35】
グルタミンのペプチド源の形態で補助的グルタミンを加える工程を含む、レトルト式食品組成物の調理および/または滅菌の前に加えた補助的グルタミンの安定性を増加させる方法。
【請求項36】
グルタミンのペプチド源を含む調理済食品組成物の動物への給餌に関する情報または説明を伝達する手段であって、前記情報または説明を含む表示、パンフレット、広告、添付文書、コンピュータ可読のデジタルもしくは光学式の媒体、音声による提供、視覚的提供、または1頁もしくは複数頁のウェブサイトを含む手段。

【公表番号】特表2008−543287(P2008−543287A)
【公表日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−515965(P2008−515965)
【出願日】平成18年6月9日(2006.6.9)
【国際出願番号】PCT/US2006/022458
【国際公開番号】WO2006/135736
【国際公開日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【出願人】(502329223)ヒルズ・ペット・ニュートリシャン・インコーポレーテッド (138)
【Fターム(参考)】