説明

ゲルマニウムを配合した有機化学繊維を含有する付属部分品及び該付属部分品が付設された下着

【課題】 細胞を活性化させて着用者の皮膚温度を上昇させ、血流を増加させることができるとともに、繰り返しの洗濯にも細胞賦活特性が低下しない耐洗濯性に優れ、しかも、肌触りが良好なゲルマニウムを配合した繊維を含有する下着の付属部分品を提供する。
【解決手段】 ゲルマニウムを配合した有機化学繊維が含有されることを特徴とする下着の付属部分品とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲルマニウムを配合した有機化学繊維を含有する付属部分及び該付属部分品が付設された下着に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、肩こりや腰痛、神経痛などの症状が増えている。これらの原因は、血行の不良による酸素不足に起因するもので、これら症状の改善には、温めて血行を良くする方法が考えられる。そこで、衣服などの繊維製品の生地に発熱機能を付与し、これら肩こりや腰痛、神経痛などの改善機能を付与した下着などが開発されている。
【0003】
発熱機能を付与した繊維製品の技術として、放湿放熱コントロール性能を有する布帛層に水分子吸着発熱性能を有する布帛層が積層された積層布帛からなる保温衣料(特許文献1)や、非弾性繊維と弾性繊維との複合糸を含む織物であって、定荷重伸長率が15%以上、定荷重回復率が35%以上、吸湿時織物表面上昇温度が0.5℃以上であり、布帛表面に長さ1mm以上の毛羽を10本/cm以上の密度で有する織物(特許文献2)などが開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開2002−180308号公報
【特許文献2】特開2004−156168号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1及び2に開示されている従来の発熱機能を付与した繊維製品は、繊維自体に発熱機能を与えたもので、体の表面を温めるのみであり、内部のこりなどを原因とする肩こりや腰痛、神経痛などの改善機能を十分満足するものではなかった。
さらに、これらのものはその構造に特徴があり、上述した効果は洗濯を繰り返すにつれてその機能が低下し、製品の機能性が大きく損なわれるという問題があった。
それに加え、だるさや疲れやすさといった体の不快感の改善において効果を奏するものでもなく、吸湿作用を持つものでもなかった。
【0006】
これら従来の発熱機能を付与した繊維製品は、下着として用いることを想定したものではなく、下着の特性として必要となるストレッチ性や、肌ざわりの良さなどを備えたものではなかった。
この為、肌に密着させる使用には適さず、不快感改善効果に優れるものでもなかった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解消するためになされたものであって、優れた細胞賦活特性を有し、細胞を活性化させて着用者の皮膚温度を上昇させ、血流を増加させることができるとともに、繰り返しの洗濯にも細胞賦活特性が低下しない耐洗濯性に優れ、しかも、肌触りが良好なゲルマニウムを配合した繊維を含有する付属部分品及び該付属部分品が付設された下着を提供することにある。
【0008】
即ち、請求項1に係る発明は、ゲルマニウムを配合した有機化学繊維が含有されることを特徴とする下着の付属部分品に関する。
請求項2に係る発明は、前記有機化学繊維が、再生繊維、半合成繊維または合成繊維のいずれかである請求項1に記載の下着の付属部分品に関する。
請求項3に係る発明は、パット、マチ部分、レース、コメット、ニードル又はブラジャーの肩ひも等の下着本体に付設する繊維構造物であることを特徴とする請求項1又は2に記載の下着の付属部分品に関する。
請求項4に係る発明は、前記ゲルマニウムを配合した有機化学繊維が、ゲルマニウム又はゲルマニウムを含む合金を含有した微粒子を繊維中に練り込む形態を有することを特徴とする請求項1乃至3に記載の下着の付属部分品に関する。
請求項5に係る発明は、前記ゲルマニウム又はゲルマニウムを含む合金を含有した微粒子の粒径が0.02〜0.2μmであることを特徴とする請求項4記載の下着の付属部分品に関する。
請求項6に係る発明は、前記ゲルマニウム又はゲルマニウムを含む合金を含有した微粒子は、ゲルマニウム又はゲルマニウムを含む合金を1〜2重量%含むことを特徴とする請求項4又は5に記載の下着の付属部分品に関する。
請求項7に係る発明は、前記ゲルマニウムを配合した有機化学繊維成分100重量部に対して前記ゲルマニウム又はゲルマニウムを含む合金を含有した微粒子が2重量部以下であることを特徴とする請求項4乃至6のいずれかに記載の下着の付属部分品に関する。
請求項8に係る発明は、前記ゲルマニウムを配合した有機化学繊維が、ゲルマニウム配合紡績糸を構成する一繊維として用いられることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の下着の付属部分品に関する。
請求項9に係る発明は、前記ゲルマニウムを配合した有機化学繊維が、ゲルマニウム配合フィラメント糸を構成する一繊維として用いられることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の下着の付属部分品に関する。
請求項10に係る発明は、前記ゲルマニウム配合紡績糸の番手が、30〜60番手、又は60/2〜120/2番手であることを特徴とする請求項8記載の下着の付属部分品に関する。
請求項11に係る発明は、前記ゲルマニウム配合フィラメント糸の総合番手が、50〜300デシテックス(dtex)であることを特徴とする請求項9記載の下着の付属部分品に関する。
請求項12に係る発明は、請求項1乃至11のいずれかに記載される下着の付属部分品が付設されることを特徴とする下着に関する。
【発明の効果】
【0009】
本発明にかかる下着の付属部分は、ゲルマニウムを配合した有機化学繊維を含有するので、該付属部分品が付設された下着はゲルマニウムの優れた細胞賦活特性により、細胞を活性化させて着用者の皮膚温度を上昇させ、血流を増加させることができる。
従って、肩こりや腰痛、神経痛、だるさ、つかれやすさなどの不快感の改善作用において優れたものとなる。
その上、繰り返しの洗濯にも細胞賦活特性が低下しない耐洗濯性にも優れ、肌触りも良好なものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明に係るゲルマニウムを含有する下着の付属部分品およびこれらが付設された下着について、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の一実施形態であるショーツを示し、図2は本発明の一実施形態であるインナーウェアを示す。
【0011】
本発明に係る下着の付属部分品は、図1に示すショーツのようなパンティ部を有する下着の股部内側に設けられたマチ部分(1)や、図2に示すインナーウェアのような上衣に汗を吸収する目的で取り付ける脇部分のパット(2)や肩部分のパット(3)、或いは装飾、補強、縁取り、ストレッチ性付与などを目的とし、特定の部分の効用を増すために使用するレース(4)、コメット(5)、ニードル(6)やブラジャーの肩ひも等の下着本体に付設する繊維構造物をいう。
【0012】
本発明において下着とは、図1及び2に示したショーツやインナーウェアのような下着の他、靴下、手袋、和装用下着、Tシャツ、サポーター、腹巻き等の肌に直接つける衣類と定義し、下着の付属部分品は該下着に付設する繊維構造物全てを含む。
【0013】
本発明に係るゲルマニウムを配合した有機化学繊維を含有する下着の付属部分品の作成に使用するゲルマニウムを配合した有機化学繊維は、ゲルマニウムを有機化学繊維に含有させることにより形成される。
【0014】
本発明に用いられる有機化学繊維として、特に限定されるものではないが、再生繊維、半合成繊維、合成繊維などを例示することができる。
再生繊維としては、レーヨン、キュプラ、ポリノジックなどが例示できる。
半合成繊維としては、アセテート、トリアセテート、プロミックスなどが例示できる。
合成繊維としては、ポリエステル、ナイロン、アクリル、ビニロン、ビニリデン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタンなどが例示できる。
【0015】
本発明においては、ポリエステルを用いることが好ましい。この理由は、ゲルマニウムを練り込み易く、且つ糸の強度が高いためである。
さらに、レーヨンを用いることがより好ましい。この理由は、ゲルマニウムを練り込み易く、天然素材の性質がある吸湿性及びソフトな風合があるためである。
【0016】
本発明において、上記の有機化学繊維にゲルマニウムを含有させる形態については、特に限定されず、繊維表面をゲルマニウムにより被覆する形態、ゲルマニウム粉体を繊維表面に付着させる形態、あるいはゲルマニウム又はゲルマニウムを含む合金を含有した微粒子を繊維中に練り込む形態などを用いることができるが、ゲルマニウム又はゲルマニウムを含む合金を含有した微粒子を繊維中に練り込む形態(以下、練り込み形態と称す)を用いることが好ましい。この理由は、使用によるゲルマニウム成分の脱落が無く、全体に均等な効果を持たせることができるからである。又、耐洗濯性も優れているからである。
【0017】
本発明のゲルマニウムを配合した有機化学繊維が前述の如き練り込み形態を有する場合、練り込むゲルマニウム又はゲルマニウムを含む合金を含有した微粒子の粒径は、0.02〜0.2μmであることが好ましい。
この理由は、0.02μmより小さいと微粉末化のコストが高くなるからであり、0.2μmを超えると繊維が紡糸中に切れやすくなるため、何れも好ましくないからである。
【0018】
本発明に用いられるゲルマニウムを配合した有機化学繊維は、前述の如き練り込み形態を有する場合には、以下の方法によって得ることができる。
【0019】
有機化学繊維として、溶融紡糸可能な繊維原料(ポリエステル、ナイロン、ポリプロピレン等)を用いる場合には、ゲルマニウム又はゲルマニウムを含む合金を含有した微粒子を混入してペレットを作製し、これを公知の方法で溶融紡糸すれば良い。
【0020】
有機化学繊維として、溶融紡糸不可能な繊維原料を用いる場合として、例えば再生繊維(レーヨン)の場合には、ビスコースにゲルマニウム又はゲルマニウムを含む合金を含有した微粒子を混入し、公知の方法でレーヨン繊維にすれば良い。
また、アクリル繊維等の場合には、アクリル原料(アクリロニトリル等のアクリルモノマー)中にゲルマニウム又はゲルマニウムを含む合金を含有した微粒子を混入し、これを合成して繊維化する。この手法は溶融紡糸可能な繊維原料にも適用可能である。
【0021】
さらに上記のゲルマニウム又はゲルマニウムを含む合金を含有した微粒子中、ゲルマニウム又はゲルマニウムを含む合金が1〜2重量%含まれていることが好ましい。
この理由は、1重量%より少ないとゲルマニウムの奏する効果が薄れるからであり、2重量%より多いと繊維強度が不足して紡糸できず、また紡糸できたとしても製編織できないからであっていずれの場合も好ましくないからである。
【0022】
前記微粒子は、本発明のゲルマニウムを配合した有機化学繊維成分100重量部に対して、2重量部以下であることが望ましい。
2重量部を超えると繊維が紡糸中に切れ易くなるからである。
前記微粒子は、例えば、爆発法によって微粉末化したものを用いる。
【0023】
ゲルマニウム原子は、摂氏32度以上の温度刺激により該原子核の最外殻にある4つの電子のうち1つが飛び出すと言われている。
本発明に係る下着の付属部分品は、ゲルマニウムの作用によって細胞を活性化し、これにより皮膚を内部から発熱させて温め、血流を増加させ、また体内の不調の原因となる異常電位を正常な状態に戻すことによって、肩こりや腰痛、神経痛などの症状を改善することができる。
【0024】
ゲルマニウムを配合した有機化学繊維を用いて下着の付属部分品を構成する場合、前記繊維を他の繊維と混紡してゲルマニウム配合紡績糸としてもよいが、前記繊維を中心に他の繊維により被覆を行い、ゲルマニウム配合フィラメント糸としてもよい。
【0025】
前記ゲルマニウム配合紡績糸の太さとしては特に限定されないが、30〜60番手、又は60/2〜120/2番手の糸を使用するのが好ましい。
番手とは糸の太さの単位のことをいい、番手数が大きくなるほどその糸は細くなる。
また、30〜60番手の糸は単糸であり、60/2〜120/2番手の糸は該単糸を2本撚ったものであり、双糸と呼ばれる。
双糸は単糸に比べて糸の太さが一定になるため丈夫な糸となる。本発明においては前記した太さの範囲の単糸、双糸とも好適に使用することができる。
尚、30番手又は60/2番手より太い糸を使用すると、下着の付属部分品がごわつく原因となり、肌ざわり等の風合いが劣化するため好ましくなく、60番手又は120/2番手より細い糸を使用すると、該付属部分品が薄くなりすぎるため破れやすくなり、耐洗濯性にも劣るため好ましくない。
【0026】
前記ゲルマニウム配合フィラメント糸の太さとしては特に限定されないが、総合番手50〜300デシテックス(dtex)、好ましくは100〜240デシテックス(dtex)の糸を使用するのが好ましい。番手(デシテックス(dtex))とは糸の太さの単位のことをいい、番手数が大きくなるほどその糸は太くなる。総合番手300デシテックス(dtex)より太い糸を使用すると、下着の付属部分がごわつく原因となり、肌ざわり等の風合いが劣化するため好ましくなく、総合番手50デシテックス(dtex)より細い糸を使用すると、該付属部分品が薄くなりすぎるため破れやすくなり、耐洗濯性にも劣るため好ましくない。
【0027】
本発明に用いられるゲルマニウムを配合した有機化学繊維は、上記のごとく、他の通常繊維と混紡あるいは他の通常繊維により被覆することによって、紡績糸あるいはフィラメント糸とすることが好ましい。
この理由は、ゲルマニウムを配合した有機化学繊維の細胞賦活特性あるいは血流増加などの効果と、下着の付属部分品などの肌に密着する部分に必要な吸湿性や吸水性といった機能特性を非常に良好に奏するという効果を同時に奏することが可能だからである。
上記効果は、ゲルマニウムを配合した有機化学繊維のみによって構成される糸を用いる構成においては期待できないものである。
【0028】
ゲルマニウムを配合した有機化学繊維を使用して下着の付属部分品を作成する場合、該有機化学繊維を100%使用して作成してもよく、また他の糸と混用しても良い。混用する場合、有機化学繊維を含む糸の形態としては前記した形態を例示することができる。他の糸と混用する場合、作成する付属部分品は交織あるいは交編して、全ての面にゲルマニウムを配合した繊維が織り込まれるようにする。
【0029】
上述した如く、本発明に係る下着の付属部分品は、使用する糸の繊維中にゲルマニウムを含有しているため、優れた細胞賦活効果を有する。また、繰り返しの洗濯にもその細胞賦活効果が低下しない耐洗濯性がある。更に、該下着の付属部分品を付設した下着は、こりや神経痛が起こりやすい付属部分品の部分に細胞賦活効果があるため、優れた細胞賦活効果を持たせることができる。
【0030】
尚、下着本体の生地は、他の製法で製造される繊維を用いても良いが、本発明において使用するゲルマニウムを配合した有機化学繊維を含む糸を使用して作成した生地を用いることもでき、その場合、下着の全ての生地に優れた細胞賦活効果があるため効果的に不快感改善効果に優れた下着とすることができる。また下着の生地は織機、編機(経編機、緯編機)で製造した織・編生地であることが望ましく、例えば、天竺編(平編)、経編、斜文編、リブ編、片袋編、パール編、コード編などが挙げられ、軽くて薄く、適度な伸縮性がある天竺編地、リブ編地、片袋編地を使用するのが好ましい。
【0031】
尚、本発明に係る下着の付属部分品は、下着に付設されるのみにおいて、ゲルマニウムを含む糸を生地全体に用いた下着と同様の細胞賦活・不快感改善効果を奏することを特徴とする。
【実施例】
【0032】
以下、本発明の実施例と比較例を比較することにより、本発明の効果をより明確なものとする。尚、本発明に係るゲルマニウムを配合した繊維を含有する下着の付属部分品及びこれらが付設されるゲルマニウムを配合した繊維を含有する下着は、以下の実施例に何ら限定されるものではない。
【0033】
(実施例1)
実施例1として、ゲルマニウムを含有するレーヨン繊維を製造した。
上記繊維(以下、「ゲルマニウム練り込み繊維」と称す)は、レーヨン繊維中にゲルマニウムを1重量%含む粒径0.02μmの微粒子を練り込むことによって得られ、前記微粒子は、ゲルマニウム練り込み繊維成分100重量部に対して、2重量部を占めていた。
このゲルマニウム練り込み繊維と綿繊維を混紡して形成した30番手のゲルマニウム配合紡績糸を用いて編機により製造した天竺編地を用いて、パットを作成した。
又、該紡績糸30%、ナイロン60%、ポリウレタン10%を混合してレースを製造し、綿繊維を100%用いて天竺編地を製造したシャツ本体に装着した。
【0034】
(実施例2)
実施例2として、実施例1と同一のゲルマニウム配合紡績糸30%、ナイロン60%、ポリウレタン10%を混合してレースコメット及びニードルを製造し、綿繊維を100%用いて天竺編地を製造したショーツに装着した。
【0035】
(実施例3)
実施例3として、ゲルマニウムを配合したポリエステル繊維を製造した。該繊維はポリエステル繊維中にゲルマニウムを1重量%含む粒径0.02μmの微粒子を練りこむことによって得られ、該微粒子はゲルマニウム練り込み繊維成分100重量部に対して2重量部を占めていた。このゲルマニウム練り込み繊維で50デシテックスのポリエステルフィラメントを製造し、このフィラメントを芯にして綿で紡績糸を製造し、この糸を用いて編機により製造した天竺編地を用いて、パットを作成した。
又、該紡績糸30%、ナイロン60%、ポリウレタン10%を混合してレースを製造し、綿繊維を100%用いて天竺編地を製造したシャツ本体に装着した。
【0036】
(比較例1)
比較例1として、綿繊維を100%用いた30番手の紡績糸を用いて編機により製造した天竺編地を用いてパット及びシャツ本体を製造した。又、レギュラー紡績糸30%、ナイロン60%、ポリウレタン10%を混合してレースを製造し、前記パット及びレースを前記シャツ本体に装着した。
【0037】
(比較例2)
比較例2として、綿繊維を100%用いた30番手の紡績糸を用いて編機により製造した天竺編地を用いてショーツ本体を製造した。又、レギュラー紡績糸30%、ナイロン60%、ポリウレタン10%を混合してレース、コメット及びニードルを製造し、前記レース、コメット、及びニードルを前記ショーツ本体に装着した。
【0038】
(比較例3)
比較例3として、50デシテックスのレギュラーポリエステルフィラメントを芯にして綿で紡績糸を製造し、この糸を用いて編機により製造した天竺編地を用いてパット及びシャツ本体を製造し、前記パット及びレースを前記シャツ本体に装着した。
【0039】
(試験例1:下着の血流増加効果の評価)
実施例1及び比較例1で作成したパット及びシャツ本体を用いて、血流増加効果について試験を行った。
被験者として24歳の女子一名について、「23.5±2℃、55±2%」の温湿度条件下で、試験品着用直後、及び着用30分後の血流量、血液量、血流速度、着圧について比較した。実施例1を試験品として行った例を表1に示す。比較例1を試験品として行った例を表2に示す。
【0040】
【表1】

【0041】
【表2】

【0042】
(試験例2:下着の衣服内気候の評価)
実施例1及び比較例1で作成したパット及びシャツ本体を用いて、衣服内気候について試験を行った。被験者として24歳の女子一名について、「23.5±2℃、55±2%」の温湿度条件下で、試験品着用直後から30分後まで5分ごとに衣服内温度、湿度を測定して比較した。実施例1を試験品として行った例及び比較例1を試験品として行った例を表3に示す。
【0043】
【表3】

【0044】
(試験例3:下着の皮膚温度上昇性の評価)
実施例1及び比較例1で作成したパット及びシャツ本体を用いて、皮膚温度上昇性効果について試験を行った。被験者として24歳の女子一名について、「23.5±2℃、55±2%」の温湿度条件下で、試験品着用直後及び30分後の表面皮膚温度、表面生地温度を実施例1及び比較例1それぞれについて測定して比較した。表面皮膚温度の結果を表4に、表面生地温度を表5に示す。
【0045】
【表4】

【0046】
【表5】

【0047】
(試験例4:保温下着の効果の評価)
実施例1乃至3、及び比較例1乃至5で作成したシャツ及びショーツを用い、肌ざわり、耐洗濯性について年齢25〜40才までの女性20人を無差別に選び、官能テストを行った。悪いを0、良いを5として数値評価させて、その平均値をとり、平均0〜3.9を×、4.0〜5.0を○として評価した。
尚、耐洗濯性については下着の着用と洗濯を5回繰り返して行い、その保温性について評価した。その結果を表6に示す。
【0048】
【表6】

【0049】
表1乃至6の結果から、本発明に係るゲルマニウムを配合した繊維を含有する下着の付属部分品及び、これらが付設される下着は、優れた保温・細胞賦活特性を有し、且つ肌ざわりの良いものであることが分かる。また、繰り返しの洗濯でもその保温・細胞賦活特性が低下せず、耐洗濯性をも有するものである。また、本発明に係るゲルマニウムを配合した繊維を含有する下着の付属部分品は、生地全体にゲルマニウムを配合した繊維使用した繊維と同様の効果をもたらすものであることが分かる。
【産業上の利用可能性】
【0050】
以上のように、本発明を用いることにより、優れた保温・細胞賦活特性を有し、且つ肌ざわりが良く、繰り返しの洗濯でも特性の劣化の無い下着を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明に係るショーツの斜視図である。
【図2】本発明に係るインナーウェアの正面図である。
【符号の説明】
【0052】
1 マチ部分
2 脇部分のパット
3 肩部分のパット
4 レース
5 コメット
6 ニードル


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲルマニウムを配合した有機化学繊維が含有されることを特徴とする下着の付属部分品。
【請求項2】
前記有機化学繊維が、再生繊維、半合成繊維または合成繊維のいずれかである請求項1に記載の下着の付属部分品。
【請求項3】
パット、マチ部分、レース、コメット、ニードル又はブラジャーの肩ひも等の下着本体に付設する繊維構造物であることを特徴とする請求項1又は2に記載の下着の付属部分品。
【請求項4】
前記ゲルマニウムを配合した有機化学繊維が、ゲルマニウム又はゲルマニウムを含む合金を含有した微粒子を繊維中に練り込む形態を有することを特徴とする請求項1乃至3に記載の下着の付属部分品。
【請求項5】
前記ゲルマニウム又はゲルマニウムを含む合金を含有した微粒子の粒径が0.02〜0.2μmであることを特徴とする請求項4記載の下着の付属部分品。
【請求項6】
前記ゲルマニウム又はゲルマニウムを含む合金を含有した微粒子は、ゲルマニウム又はゲルマニウムを含む合金を1〜2重量%含むことを特徴とする請求項4又は5に記載の下着の付属部分品。
【請求項7】
前記ゲルマニウムを配合した有機化学繊維成分100重量部に対して前記ゲルマニウム又はゲルマニウムを含む合金を含有した微粒子が2重量部以下であることを特徴とする請求項4乃至6のいずれかに記載の下着の付属部分品。
【請求項8】
前記ゲルマニウムを配合した有機化学繊維が、ゲルマニウム配合紡績糸を構成する一繊維として用いられることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の下着の付属部分品。
【請求項9】
前記ゲルマニウムを配合した有機化学繊維が、ゲルマニウム配合フィラメント糸を構成する一繊維として用いられることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の下着の付属部分品。
【請求項10】
前記ゲルマニウム配合紡績糸の番手が、30〜60番手、又は60/2〜120/2番手であることを特徴とする請求項8記載の下着の付属部分品。
【請求項11】
前記ゲルマニウム配合フィラメント糸の総合番手が、50〜300デシテックス(dtex)であることを特徴とする請求項9記載の下着の付属部分品。
【請求項12】
請求項1乃至11のいずれかに記載される下着の付属部分品が付設されることを特徴とする下着。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−204903(P2007−204903A)
【公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−28351(P2006−28351)
【出願日】平成18年2月6日(2006.2.6)
【出願人】(502218765)株式会社マルテン天満屋 (6)
【出願人】(593069897)モリリン株式会社 (29)
【Fターム(参考)】