説明

ゲームシステム

【課題】キャラクタを成長させる場合の興趣性を高める。
【解決手段】ゲームシステム1は、キャラクタの属性についての複数種類の属性パラメータを担持する複数種類のカード2と、キャラクタの育成ゲームを実行するゲーム機3とを備える。ゲーム機3は、ディスプレイ30と、カード2から複数種類の属性パラメータを読み取るカードリーダ31と、読み取られた属性パラメータを種類別に加算して記憶するパラメータ記憶部35と、複数の閾値ごとに属性パラメータの各種類に対応付けて複数のキャラクタの形態を記憶するキャラクタ記憶部36と、パラメータ記憶部35における属性パラメータの総計値が閾値に達した場合に、当該閾値と、パラメータ記憶部35における最大属性パラメータの種類とに対応付けられたキャラクタの形態を、成長先のキャラクタの形態として表示内容を更新する制御部37とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ゲームシステムの一種として、バーコードの付されたカードと、バーコードを読取可能なゲーム機とを備えたものが開発されている。
【0003】
このようなゲームシステムでは、例えばカードに付されたバーコードをゲーム機で読み取ることにより、ゲーム機内でキャラクタを成長させることができるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−317035号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のゲームシステムでは、キャラクタの成長の方向が単純なため、興趣性に乏しいという問題がある。この点、キャラクタをランダムに成長させることも考えられるが、この場合にはユーザが自分の意図通りにキャラクタを成長させることができず、やはり興趣性に乏しくなってしまう。
【0006】
本発明の課題は、キャラクタを成長させる場合の興趣性を従来よりも高めることができるゲームシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の発明は、
キャラクタの属性についての複数種類の属性パラメータを担持する複数種類のカードと、
キャラクタの育成ゲームを実行するゲーム機と、を備えるゲームシステムにおいて、
前記ゲーム機は、
キャラクタを表示する表示部と、
前記カードから複数種類の属性パラメータを読み取るパラメータ読取部と、
前記パラメータ読取部によって読み取られた複数種類の属性パラメータを、属性パラメータの種類別に加算して記憶するパラメータ記憶部と、
複数の所定の閾値ごとに、属性パラメータの各種類に対応付けて、複数のキャラクタの形態を記憶するキャラクタ記憶部と、
前記パラメータ記憶部における複数種類の属性パラメータの総計値が前記所定の閾値に達した場合に、当該閾値と、前記パラメータ記憶部における複数種類の属性パラメータのうち、最も値の大きい属性パラメータの種類とに対応付けられたキャラクタの形態を、成長先のキャラクタの形態として、前記表示部による表示内容を更新する制御部と、
を有することを特徴とする。
【0008】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のゲームシステムにおいて、
前記カードは、前記複数種類の属性パラメータをバーコードとして担持することを特徴とする。
【0009】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載のゲームシステムにおいて、
前記キャラクタ記憶部は、
前記複数の所定の閾値のうち、最も値の大きい閾値については、属性パラメータの各種類に共通して対応する1種類のキャラクタの形態のみを記憶することを特徴とする。
【0010】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載のゲームシステムにおいて、
前記キャラクタ記憶部は、
デフォルトのキャラクタとして、1種類のキャラクタの形態のみを記憶することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1記載の発明によれば、カードから読み取られた複数種類の属性パラメータが種類別に加算されてパラメータ記憶部に記憶されるとともに、複数のキャラクタの形態が複数の所定の閾値ごとに属性パラメータの各種類に対応付けられてキャラクタ記憶部に記憶され、パラメータ記憶部における複数種類の属性パラメータの総計値が前記所定の閾値に達した場合に、当該閾値と、パラメータ記憶部における複数種類の属性パラメータのうち、最も値の大きい属性パラメータの種類とに対応付けられたキャラクタの形態が成長先のキャラクタの形態とされて、表示部による表示内容が更新されるので、ユーザがカードから属性パラメータを読み取らせると、パラメータ記憶部内に各属性パラメータが累積して記憶され、属性パラメータの総計値が閾値を超えると、当該閾値と、最も値の大きい属性パラメータの種類とに対応付けられた形態にキャラクタが成長することとなる。従って、カードに担持される属性パラメータの値によって成長先のキャラクタが変化するので、キャラクタを成長させる場合の興趣性を従来よりも高めることができる。
【0012】
請求項3記載の発明によれば、キャラクタ記憶部には、前記複数の所定の閾値のうち、最も値の大きい閾値については、属性パラメータの各種類に共通して対応する1種類のキャラクタの形態のみが記憶されるので、最終的なキャラクタの形態が1種類となる。従って、成長過程の形態によらず、1種類の形態にキャラクタを成長させることができるため、カードの種類が少ないユーザであっても、カードの種類が多いユーザと同様に遊ぶことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係るゲームシステムの概略構成を示す外観図である。
【図2】カードの一例を示す正面図である。
【図3】コードによって表される情報を説明するための図である。
【図4】ゲーム機の概略構成を示すブロック図である。
【図5】キャラクタの成長過程を説明するための図である。
【図6】キャラクタを成長させる場合にゲームシステムで実行される処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して説明する。
図1は、本実施の形態におけるゲームシステム1の全体構成を示す正面図である。
【0015】
この図に示すように、ゲームシステム1は、表面にキャラクタのイメージや説明が記載された複数種類のカード2と、キャラクタの育成ゲームを実行するゲーム機3とを備えている。
【0016】
カード2は、例えば図2に示すように、表面にコード20を担持している。
このコード20は、図3に示すように、カード2に表示されたキャラクタについての種々の情報を表すものであり、本実施の形態においては、キャラクタの識別番号と、複数種類の属性パラメータから構成されるキャラクタ度と、属性パラメータの総計値(キャラ度総計)等とを表している。ここで、本実施の形態においては、キャラクタ度を構成する複数種類の属性パラメータとして、キャラクタの「クール度」、「カワイイ度」、「ギャグ度」及び「ホラー度」が用いられている。これらの属性パラメータは、ゲーム機3で育成されるキャラクタについての成長の方向(成長先の属性)を決定する処理に用いられるものである。具体的には、「クール度」の属性パラメータはキャラクタを格好良い形態、つまり「クール属性」の形態に成長させるようになっており、「カワイイ度」の属性パラメータはキャラクタを可愛い形態、つまり「カワイイ属性」の形態に成長させるようになっており、「ギャグ度」の属性パラメータはキャラクタをコミカルな形態、つまり「ギャグ属性」の形態に成長させるようになっており、「ホラー度」の属性パラメータはキャラクタを不気味な形態、つまり「ホラー属性」の形態に成長させるようになっている。これら属性パラメータの値は、カード2のキャラクタの種類によって異なっている。但し、本実施の形態においては、各属性パラメータの値は、0以上の整数となっている。
【0017】
なお、本実施の形態においては、このようなコード20として、バーコードが用いられているが、QRコードやドットコード等、他の種類のコードとしても良い。また、カード2の表面には、特に限定はされないが、これらの属性パラメータに対応するマーク21が記載されており、各属性パラメータの概略値が外観から識別できるようになっている。
【0018】
続いて、ゲーム機3の外観構成について説明する。
ゲーム機3は、図1に示すように、キャラクタを表示するディスプレイ30と、カード2のコード20から複数種類のパラメータを読み取るカードリーダ31と、ゲーム機3を操作するためのキー群32とを備えている。
【0019】
ディスプレイ30は、LCD等によって構成されており、育成対象のキャラクタのイメージ等を表示出力するようになっている。
【0020】
カードリーダ31は、カード2を挿入するためのスリット部310と、当該スリット部310に挿入されたカード2のコード20に当接する磁気ヘッド311(図4参照)とを有している。なお、このようなカードリーダ31としては、従来より公知のものを用いることができる。また、カードリーダ31は、磁気ヘッド311の代わりに公知のフォトリフレクターを有することとしても良い。このフォトリフレクターは、赤外線をコード20に照射して反射光を検出し、コード20の領域内における反射率の差に基づいて当該コード20の情報を読み取る。
【0021】
キー群32は、複数の操作キー320を有しており、これらの操作キー320に対するユーザからの指示入力を後述の制御部37(図4参照)に出力するようになっている。
【0022】
続いて、ゲーム機3の機能構成について説明する。
図4は、ゲーム機3の機能構成を示すブロック図である。
【0023】
この図に示すように、ゲーム機3は、上述のディスプレイ30やキー群32、カードリーダ311に加え、種々の情報を記憶する記憶部34と、ゲーム機3の各部を制御する制御部37等とを有している。
【0024】
記憶部34は、ハードディスクやIC等により構成されており、カードリーダ31によって読み取られた属性パラメータを記憶するパラメータ記憶部35と、複数のキャラクタの形態を記憶するキャラクタ記憶部36とを有している。
【0025】
パラメータ記憶部35は、カードリーダ31によって読み取られた複数種類の属性パラメータを種類別、つまり「カワイイ度」や「クール度」、「ギャグ度」、「ホラー度」の種類毎に加算して記憶するようになっている。また、このパラメータ記憶部35は、属性パラメータの総計値を合わせて記憶するようになっている。
【0026】
キャラクタ記憶部36は、図5に示すように、複数の所定の閾値ごとに、属性パラメータの各種類に対応付けて、複数のキャラクタの形態を記憶するようになっており、具体的には、「500」、「1000」、「1500」、「2000」及び「2500」の閾値ごとに、「クール度」、「カワイイ度」、「ギャグ度」及び「ホラー度」の属性パラメータの種類に対応付けて、キャラクタの形態を記憶している。また、このキャラクタ記憶部36は、未成長のデフォルトのキャラクタとして、1種類のキャラクタの形態を記憶している(図中、最上段のキャラクタ参照)。
【0027】
なお、本実施の形態においては、対応する閾値の値が大きいほど、キャラクタが成長していることを意味している。また、「クール度」の属性パラメータに対応するキャラクタの形態では、対応する閾値の大きさに応じて格好良さの度合いが大きくなるよう、「冠」や「盾」、「剣」、「マント(鎧)」等のアイテムが追加・変更されている。同様に、「カワイイ度」,「ギャグ度」,「ホラー度」の属性パラメータに対応するキャラクタの形態では、対応する閾値の大きさに応じて可愛さ,滑稽さ、不気味さの度合いが大きくなるよう、「冠」や「盾」、「剣」、「マント(鎧)」等のアイテムが追加・変更されている。
【0028】
制御部37は、ゲーム機3内で育成ゲームを実行するものであり、キー群32やカードリーダ31等からの信号に基づいて、キャラクタの各種属性パラメータを増加させるとともに、キャラクタの形態を成長させるようになっている。
【0029】
続いて、ゲームシステム1の動作について説明する。
図6は、キャラクタを成長させる場合にゲームシステム1で実行される処理の流れを示すフローチャートである。
【0030】
この図に示すように、まず、ユーザが任意のカード2をカードリーダ31のスリット部310に挿入すると(ステップS1)、磁気ヘッド311がコード20から「カワイイ度」、「クール度」、「ギャグ度」及び「ホラー度」の属性パラメータを読み取る(ステップS2)。
【0031】
次に、制御部37は、読み取られた各属性パラメータ値を、属性パラメータの種類ごとにパラメータ記憶部35に記憶させる(ステップS3)。このとき、パラメータ記憶部35に既に属性パラメータが記憶されている場合には、制御部37は、属性パラメータの種類別、つまり「カワイイ度」、「クール度」、「ギャグ度」及び「ホラー度」の種類毎に各属性パラメータの値を加算してパラメータ記憶部35に記憶させる。
【0032】
次に、制御部37は、パラメータ記憶部35における「カワイイ度」、「クール度」、「ギャグ度」及び「ホラー度」の属性パラメータの総計値を算出してパラメータ記憶部35に記憶させる(ステップS4)。
【0033】
次に、制御部37は、属性パラメータの総計値が閾値「500」、「1000」、「1500」、「2000」及び「2500」の何れかに達したか否かを判定し(ステップS5)、達していないと判定した場合(ステップS5;No)には、上述のステップS1に移行し、改めてカード2がスリット部310に挿入されるまで待機する。なお、本実施の形態においては、同種類のカードを複数回、スリット部310に挿入しても良い。
【0034】
また、以上のステップS1〜S4を繰り返すことによりステップS5において属性パラメータの総計値が閾値に達したと判定した場合(ステップS5;Yes)には、制御部37は、パラメータ記憶部35に記憶されている複数の属性パラメータ(「カワイイ度」、「クール度」、「ギャグ度」及び「ホラー度」)のうち、最も値の大きい属性パラメータ(以下、最大属性パラメータとする)の種類を検出する(ステップS6)。
【0035】
次に、制御部37は、上述のステップS5で属性パラメータの総計値が到達した閾値の値と、最大属性パラメータの種類とに対応付けられたキャラクタの形態をキャラクタ記憶部36から検出する(ステップS7)。
【0036】
次に、制御部37は、検出したキャラクタの形態を成長先のキャラクタの形態としてディスプレイ30による表示内容を更新することで、ディスプレイ30内のキャラクタを成長させ(ステップS8)、処理を終了する。これにより、例えば図5に矢印線で示したように、可愛い形態や不気味な形態、コミカルな形態、格好良い形態など、多様な形態を経てキャラクタが成長することとなる。
【0037】
以上のように、本実施の形態におけるゲームシステム1によれば、ユーザがカード2のコード20から属性パラメータを読み取らせると、パラメータ記憶部35内に各属性パラメータが累積して記憶され、属性パラメータの総計値が閾値を超えると、当該閾値と、最大属性パラメータの種類とに対応付けられた形態にキャラクタが成長することとなる。従って、カード2に担持される属性パラメータの値によって成長先のキャラクタが変化するので、キャラクタを成長させる場合の興趣性を従来よりも高めることができる。
【0038】
なお、上記実施の形態においては、キャラクタ記憶部36では最も値の大きい閾値「2500」について、属性パラメータの種類別に複数のキャラクタの形態が対応付けられて記憶されていることとして説明したが、属性パラメータの各種類に共通して対応する1種類のキャラクタ形態のみが記憶されることとしても良い。この場合には、最終的なキャラクタの形態が1種類となるため、成長過程の形態によらず、1種類の形態にキャラクタを成長させることができるため、カードの種類が少ないユーザであっても、カードの種類が多いユーザと同様に遊ぶことができる。
【0039】
また、カード2はキャラクタについての情報をコード20として担持することとして説明したが、RFIDによって読取可能な電子情報としてRFタグ内に担持することとしても良い。この場合には、カードリーダ31は、RFIDによってカード2のRFタグから情報を読み取ることとなる。
【0040】
また、その他の点についても、本発明は上記実施の形態及びその変形例に限定されるものではなく、適宜変更可能であるのは勿論である。
【符号の説明】
【0041】
1 ゲームシステム
2 カード
3 ゲーム機
31 カードリーダ(パラメータ読取部)
35 パラメータ記憶部
36 キャラクタ記憶部
37 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャラクタの属性についての複数種類の属性パラメータを担持する複数種類のカードと、
キャラクタの育成ゲームを実行するゲーム機と、を備えるゲームシステムにおいて、
前記ゲーム機は、
キャラクタを表示する表示部と、
前記カードから複数種類の属性パラメータを読み取るパラメータ読取部と、
前記パラメータ読取部によって読み取られた複数種類の属性パラメータを、属性パラメータの種類別に加算して記憶するパラメータ記憶部と、
複数の所定の閾値ごとに、属性パラメータの各種類に対応付けて、複数のキャラクタの形態を記憶するキャラクタ記憶部と、
前記パラメータ記憶部における複数種類の属性パラメータの総計値が前記所定の閾値に達した場合に、当該閾値と、前記パラメータ記憶部における複数種類の属性パラメータのうち、最も値の大きい属性パラメータの種類とに対応付けられたキャラクタの形態を、成長先のキャラクタの形態として、前記表示部による表示内容を更新する制御部と、
を有することを特徴とするゲームシステム。
【請求項2】
請求項1記載のゲームシステムにおいて、
前記カードは、前記複数種類の属性パラメータをバーコードとして担持することを特徴とするゲームシステム。
【請求項3】
請求項1または2記載のゲームシステムにおいて、
前記キャラクタ記憶部は、
前記複数の所定の閾値のうち、最も値の大きい閾値については、属性パラメータの各種類に共通して対応する1種類のキャラクタの形態のみを記憶することを特徴とするゲームシステム。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか一項に記載のゲームシステムにおいて、
前記キャラクタ記憶部は、
デフォルトのキャラクタとして、1種類のキャラクタの形態のみを記憶することを特徴とするゲームシステム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2011−110307(P2011−110307A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−270993(P2009−270993)
【出願日】平成21年11月30日(2009.11.30)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(000003584)株式会社タカラトミー (248)
【Fターム(参考)】