説明

コネクタおよびコネクタの製造方法

【課題】接続して使用するときの光導波路に対する光の出入りが確実に行なわれるコネクタ、および、かかるコネクタを製造する方法を提供すること。
【解決手段】コネクタ1は、帯状をなす光導波路20と、光導波路20の一端部の上面に当接して一端部を支持する支持板5aと、下面に当接して一端部を支持する支持板5bと、光導波路20の一端部の外周側を支持板5a、5bごと覆うように設けられ、支持板5a、5bの構成材料と異なる材料で構成された封止材2とを備えている。封止材2は、コネクタハウジングとして機能する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタおよびコネクタの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、光周波搬送波を使用してデータを移送する光通信がますます重要になっている。このような光通信において、信号伝搬光を、一地点から他地点に導くための手段として、光導波路がある。
【0003】
この光導波路は、例えば、一対のクラッド層の間に設けられたコア層を有して構成される。コア層は、線状のコア部とクラッド部とを有し、これらが交互に配列されている。なお、コア部はコア層内に概して複数存在するが、1本の場合もある。コア部は、光周波搬送波の光に対して実質的に透明な材料によって構成され、クラッド層およびクラッド部は、コア部より屈折率が低い材料によって構成されている。
【0004】
そして、このような光導波路は、その一端部にコネクタハウジング(フェルール)が装着されて、当該装着された部分がコネクタとして用いられる(例えば、特許文献1参照)。このコネクタには、例えば当該コネクタと同様の構成の他のコネクタを接続することができる。
【0005】
特許文献1に記載されているコネクタを製造する際には、筒状をなすコネクタハウジングに光導波路の一端部を挿入し、その挿入状態で、コネクタハウジングの内周部と光導波路の外周部との間に形成された間隙に接着剤を充填し、硬化させる。
【0006】
しかしながら、この特許文献1に記載されているコネクタでは、例えば接着剤が硬化する過程で当該接着剤の厚さに大小が生じ、その形状(厚さの大小)にならように、光導波路にしわ等の変形が生じることがある。このように変形した光導波路を有するコネクタに、他のコネクタを接続しても、光導波路同士間での光の出入り(行き来)が確実に行なうことができないと言う問題が生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−96669号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、接続して使用するときの光導波路に対する光の出入りが確実に行なわれるコネクタ、および、かかるコネクタを製造する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このような目的は、下記(1)〜(12)の本発明により達成される。
(1) 帯状をなす光導波路と、
前記光導波路の一端部の少なくとも一方の面に当接して前記一端部を支持し、第1の材料で構成された支持板と、
前記光導波路の一端部の外周側を前記支持板ごと覆うように設けられ、前記第1の材料と異なる第2の材料で構成された封止材とを備え、
前記封止材は、コネクタハウジングとして機能することを特徴とするコネクタ。
【0010】
(2) 前記支持板は、その全体が前記封止材内に埋設される上記(1)に記載のコネクタ。
【0011】
(3) 前記支持板は、その前記光導波路に当接する面と反対側の面が前記封止材から露出している上記(1)に記載のコネクタ。
【0012】
(4) 前記支持板は、前記光導波路の一端部の両面にそれぞれ配置されている上記(1)ないし(3)のいずれかに記載のコネクタ。
【0013】
(5) 前記支持板の幅は、前記光導波路の幅よりも大きい上記(1)ないし(4)のいずれかに記載のコネクタ。
【0014】
(6) 前記第1の材料および前記第2の材料は、それぞれ、樹脂材料である上記(1)ないし(5)のいずれかに記載のコネクタ。
【0015】
(7) 前記第1の材料は、無機材料であり、前記第2の材料は、有機材料である上記(6)に記載のコネクタ。
【0016】
(8) 当該コネクタは、光が通過する通過路と、接続された際に位置決めを行なうガイドピンとを備える相手体に接続されるものであり、
前記封止材には、前記ガイドピンが挿入されるガイド孔が形成されている上記(1)ないし(7)のいずれかに記載のコネクタ。
【0017】
(9) 前記光導波路は、少なくとも1本のコア部を有し、
前記ガイド孔は、前記コア部を基準として形成される上記(8)に記載のコネクタ。
【0018】
(10) 上記(9)に記載のコネクタを製造する方法であって、
前記ガイド孔を形成する際、前記コア部を基準として、その形成を行なうことを特徴とするコネクタの製造方法。
【0019】
(11) 前記光導波路の他端側から光を照射して、前記コア部の一端面を発光させ、その発光点を前記基準とする上記(10)に記載のコネクタの製造方法。
【0020】
(12) 前記ガイド孔の形成を切削加工で行なう上記(10)または(11)に記載のコネクタの製造方法。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、光導波路の一端部は、支持板に支持されるため補強されることとなり、封止材内での不本意な変形(例えばしわが生じる等)を確実に防止することができる。これにより、コネクタを例えば光ケーブル等に接続して使用するとき、光導波路に対する光の出入りを確実に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明のコネクタの第1実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1に示すコネクタを製造する各工程を順に説明するための正面図である。
【図3】図1に示すコネクタを製造する各工程を順に説明するための正面図である。
【図4】図1に示すコネクタを製造する各工程を順に説明するための正面図である。
【図5】図1に示すコネクタを製造する各工程を順に説明するための正面図である。
【図6】図1に示すコネクタを製造する各工程を順に説明するための正面図である。
【図7】図1に示すコネクタを製造する各工程を順に説明するための正面図である。
【図8】図1に示すコネクタを製造する各工程を順に説明するための正面図である。
【図9】本発明のコネクタの第2実施形態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明のコネクタおよびコネクタの製造方法を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0024】
<第1実施形態>
図1は、本発明のコネクタの第1実施形態を示す斜視図、図2〜図8は、それぞれ、図1に示すコネクタを製造する各工程を順に説明するための正面図である。なお、以下では、説明の都合上、図1〜図8中(図9についても同様)の上側を「上」または「上方」、下側を「下」または「下方」と言う。
【0025】
図1に示すコネクタ1は、帯状をなす光導波路20と、光導波路20の一端部を支持し合う一対の支持板5a、5bと、コネクタハウジングとして機能する封止材2とを備えている。また、コネクタ1には、その接続される相手体である光ケーブル90を接続することができる。以下、各部の構成について説明する。
【0026】
光導波路20は、平面視で長尺状(線状)をなすコア部(導波路チャンネル)201a、201b、201cと、クラッド部202a、202b、202c、202dとが形成され、これらが交互に配置されている。このように光導波路20は、複数のコア部を有するマルチチャンネルのものとなっている。そして、コア部201a〜201cの一端面は、それぞれ、光ケーブル90の光導波路(通過路)20’のコア部201a〜201cの一端面と接続される接続端となる。そして、光は、光導波路20、20’間でコア部201a〜201cをそれぞれ通過することができる。
【0027】
また、コア部201a〜201cとクラッド部202a〜202dとは、互いに光の屈折率が異なり、その屈折率の差は、0.5%以上であるのが好ましく、0.8%以上であるのがより好ましい。
【0028】
コア部201a〜201c、クラッド部202a〜202dの各構成材料は、それぞれ、屈折率に差が生じる材料であれば特に限定されないが、例えば、特開2010−090328号公報に記載されている「コア領域」や「クラッド領域」の構成材料、特開2010−189458号公報に記載されている「コア層(コア部、クラッド部)」、「第1クラッド層」、「第2クラッド層」の構成材料を用いることができる。
【0029】
また、光導波路20の厚さは、15〜200μm程度であるのが好ましく、30〜100μm程度であるのがより好ましい。
【0030】
このような構成により、光導波路20は、可撓性を有するものとなり、コネクタ1が設置される装置(例えばHPC(High Performance Computing Server)サーバ、ルータ・自動車など短・中距離ハーネス・汎用のパソコン、モバイルフォン内部配線)内での配線(ケーブリング)が容易となる。
【0031】
光導波路20の一端部には、当該一端部をその両面側から挟持する一対の支持板5a、5bが配置されている。支持板5aは、光導波路20の下面に当接しており、支持板5bは、光導波路20の上面に当接している。
【0032】
支持板5a、5bは、それぞれ、短冊状をなす小片(平板)で構成されている。そして、支持板5a、5bは、それぞれ、光導波路20よりも剛性が高いものであり、例えば厚さが0.01〜5.00mmであるのが好ましく、0.100〜1.0mmであるのがより好ましい。
【0033】
また、支持板5a、5bの幅は、光導波路20の幅よりも大きく設定されており、例えば、光導波路20の幅の1.01〜1.50倍であるのが好ましく、1.05〜1.20倍であるのがより好ましい。これにより、例えば支持板5aを光導波路20に設置する際に支持板5aが光導波路20に対しその幅方向に若干ズレたとしても、支持板5aの方が幅が大であるため、当該支持板5aと光導波路20の一端部の下面全体とが確実に当接することができる(支持板5bについても同様)。従って、支持板5a、5bの光導波路20の幅方向に対する位置決めを比較的ラフに行なうことができる。
【0034】
ところで、光導波路20は、可撓性を有するものであるため、コネクタ1を製造する際に、支持板5a、5bを省略した状態で一端部を成形型100内で封止材2で封止した(モールドした)場合、封止材2が硬化する過程で、当該封止材2の変化に追従して、不本意に変形する(例えばしわが生じる等)ことがある。しかしながら、コネクタ1では、光導波路20の一端部は、支持板5aと支持板5bとの間に挟持されているため、支持、補強されることとなり、前記不本意な変形を確実に防止することができる。これにより、コネクタ1を光ケーブル90に接続した状態では、光導波路20のコア部201aと光導波路20’のコア部201aとが確実に光学的に接続され、光導波路20のコア部201bと光導波路20’のコア部201bとが確実に光学的に接続され、光導波路20のコア部201cと光導波路20’のコア部201cとが確実に光学的に接続される。そして、このように接続されたコネクタ1と光ケーブル90との間では、光の出入り(行き来)を確実に行なうことができる。
【0035】
封止材2は、光導波路20の一端部の外周側を支持板5a、5bごと覆うように設けられている。この封止材2は、成形型100でブロック状に成形され(図4参照)、コネクタハウジングとなるものである。
【0036】
また、図1に示すように、コネクタ1では、封止材2内に、支持板5a、5bの全体がそれぞれ埋設されている。これにより、封止材2が硬化する過程で、当該封止材2により支持板5aと支持板5bとが互いに反対方向に向かって光導波路20を押圧することができる。よって、光導波路20は、支持板a、5bの平面形状に沿って矯正されることとなり、前記不本意な変形をより確実に防止することができる。
【0037】
封止材2の一端面21には、光ケーブル90の2本のガイドピン902がそれぞれ挿入されるガイド孔22が設けられている。各ガイド孔22は、それぞれ、その横断面形状が円形をなす。封止材2のガイド孔22に光ケーブル90のガイドピン902が挿入されることにより、光導波路20と光導波路20’との位置決めがなされ、よって、前述した光導波路20のコア部201a〜201cと光導波路20’のコア部201a〜201cとの光学的な接続を、より確実に行なうことができる。
【0038】
支持板5a、5bと、封止材2とは、それぞれ、樹脂材料で構成されているが、その組成は互いに異なる。
【0039】
支持板5a、5bを構成する第1の材料としては、例えば、無機材料である、アルミナのようなセラミックス材料、石英ガラス、ソーダガラスのようなガラス材料、アルミニウム、ステンレス鋼のような金属材料、その他、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、シクロオレフィンポリマー、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリアリレートのような樹脂材料等が用いられる。
【0040】
一方、封止材2を構成する第2の材料としては、例えば、無機充填物が充填された樹脂材料(有機材料)が挙げられ、この樹脂材料としては、例えば、熱硬化性エポキシ樹脂、PPS(ポリフェニレンサルファイド)が用いられる。また、無機充填物としては、例えば、粒状シリカやガラスフィラー、アルミナ、ホワイトカーボン、ベントナイト等が用いられる。
【0041】
このように互いに組成が異なる樹脂材料を用いることにより、例えば、支持板5a、5bおよび封止材2のそれぞれの成形に適した材料を用いることができる。
【0042】
図1に示すように、光ケーブル90は、コネクタ1の光導波路20と光学的に接続されるものである。この光ケーブル90は、光導波路20と同様に、コア部201a、201b、201cと、クラッド部202a、202b、202c、202dとを有する光導波路20’と、光導波路20’の一端部に装着されたコネクタハウジング(以下単に「ハウジング」と言う)901と、コネクタハウジング901に固定された2本のガイドピン902とを有している。
【0043】
光ケーブル90とコネクタ1とが接続された接続状態では、光ケーブル90の光導波路20’とコネクタ1の光導波路20との間で光通信を行なうことができる。
【0044】
ハウジング901は、筒体で構成され、その内側で光導波路20’の一端部を固定することができる。
【0045】
各ガイドピン902は、それぞれ、ハウジング901の一端面から突出しており、接続状態で、コネクタ1のコネクタハウジング(封止材2)に形成されたガイド孔22に挿入される。これにより、光導波路20、20’同士の位置決めがなされ、よって、光通信を円滑かつ確実に行なうことができる。なお、各ガイドピン203は、それぞれ、例えばステンレス鋼等のような金属材料で構成された円柱状の部材である。
【0046】
次に、コネクタ1を製造する方法(コネクタの製造方法)について、図2〜図8を参照しつつ説明する。
【0047】
この製造方法では、製造工程の途中で、図3、図4に示す成形型100を用いる。成形型100は、封止材2をブロック状に成形するためのキャビティ101を有する。キャビティ101内には、光導波路20が支持板5a、5bとともに載置される載置台(図示せず)が設けられている。また、成形型100には、封止材2となる液状材料2’が注入される湯口(口部)102が形成されている。湯口102は、キャビティ101と連通している。
【0048】
[1] まず、図2に示すように、1本の光導波路20と、支持板5a、5bとを用意する。そして、光導波路20の一端部の下面に支持板5aを当接させ、光導波路20の一端部の上面に支持板5bを当接させ、その状態を維持する。
【0049】
[2] 次に、図3に示すように、支持板5a、5bがそれぞれ当接した状態の光導波路20の一端部を成形型100のキャビティ101内に収納する。そのとき、光導波路20をキャビティ101内の前記載置台に載置する。
【0050】
[3] 次に、図4に示すように、成形型100の湯口102から液状材料2’を注入する。これにより、キャビティ101内全体が液状材料2’で満たされる。
【0051】
その後、冷却装置(図示せず)により、成形型100ごと冷却し、液状材料2’を硬化させる。これにより、ブロック状の封止材2が成形される。また、このとき、光導波路20は、その外周側の他、一端面までも支持板5a、5bともに封止材2で封止された状態となっている。
【0052】
[4] 次に、図5に示すように、離型する。
[5] 次に、図6に示すように、封止材2に対し、光導波路20の一端面が露出するまで、例えば切削加工や研磨加工を施す。
【0053】
[6] 次に、光導波路20の他端側からその方向に向かって、例えば面光源を用いて光を照射する。これにより、図7に示すように、光導波路20のコア部201a〜201cの一端面がそれぞれ発光する。
【0054】
さらに、この状態の光導波路20の一端面側の濃淡画像を、例えばCCD(Charge Coupled Device)カメラを用いて撮像する。これにより、コア部201a〜201cが発光している箇所、すなわち、3つの発光点を検出することができる。そして、これら3つの発光点のうちの最も左側に位置する発光点を抽出して、当該発光点(中心点)を、ガイド孔22を形成する際の基準Sとする。
【0055】
次に、基準Sから距離L左側に離間した位置にアライメントマークMを付し、基準Sから距離L右側に離間した位置にアライメントマークMを付す。アライメントマークM、Mは、それぞれ、ガイド孔22の形成位置(加工位置)の中心となるマークである。
【0056】
[7] 次に、アライメントマークM、Mに対し、切削工具を用いて、ガイド孔22を形成する加工を施す。この切削工具としては、特に限定されないが、例えば、ドリルを用いるのが好ましい。ドリルを用いることにより、ガイド孔22の形成を迅速かつ確実に行なうことができる。
【0057】
ところで、コネクタ1は、光ケーブル90との接続状態では、光導波路20のコア部201a〜201cと、光導波路20’のコア部201a〜201cとの位置決め、すなわち、接続が最も重要である。そこで、前述したようにコア部を基準Sとしてガイド孔22を形成すれば、当該ガイド孔22に、光ケーブル90のガイドピン902が挿入されるだけで、コア部201a〜201c同士の位置決めが確実に行なわれることとなる。従って、「コア部を基準Sとする」のは、ガイド孔22を形成する上で好ましいことが分かる。
【0058】
<第2実施形態>
図9は、本発明のコネクタの第2実施形態を示す斜視図である。
【0059】
以下、この図を参照して本発明のコネクタおよびコネクタの製造方法の第2実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
【0060】
本実施形態は、2枚の支持板のうちの一方の支持板の大きさおよび構成が異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
【0061】
図9に示すコネクタ1では、支持板5a’は、平面視で封止材2よりも大きいものである。そして、支持板5a’は、光導波路20側の面(上面)の一部が封止材2で覆われており、それ以外の部分は封止材2から露出している。また、支持板5a’の光導波路20に当接する面(上面)と反対側の面(下面)は、封止材2から露出している。このような支持板5a’には、例えば、導電性を有する例えば銅等のような金属材料で構成された電気回路(図示せず)が形成されている。この電気回路は、支持板5a’の一方の面に積層された金属箔をエッチングにより所定のパターンに形成したものである。
【0062】
従って、本実施形態のコネクタ1では、支持板5a’は、電気回路基板を兼ねたものとなっている。また、本実施形態のコネクタ1でも、前記第1実施形態のコネクタ1と同様に、光ケーブル90との接続状態で、光導波路20、20’に対する光の出入りを確実に行なうことができる。
【0063】
以上、本発明のコネクタおよびコネクタの製造方法を図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、コネクタを構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
【0064】
また、光導波路のコア部の本数は、前記各実施形態では3本であったが、これに限定されず、例えば、1本、2本または4本以上であってもよい。
【0065】
また、光導波路は、図示の構成では単層のものであるが、これに限定されず、例えば、積層体であってもよい。
【0066】
また、支持板は、前記各実施形態では光導波路の両面にそれぞれ当接するよう2枚設置されているが、これに限定されず、例えば、光導波路の片面(一方の面)に当接するよう1枚設置されていてもよい。
【0067】
また、支持板を構成する第1の材料としては、樹脂材料の他に、ステンレス鋼等のような金属材料も用いることができる。
【符号の説明】
【0068】
1 コネクタ
2 封止材
2’ 液状材料
21 一端面
22 ガイド孔
5a、5a’、5b 支持板
20、20’ 光導波路
201a、201b、201c コア部(導波路チャンネル)
202a、202b、202c、202d クラッド部
90 光ケーブル
901 コネクタハウジング(ハウジング)
902 ガイドピン
100 成形型
101 キャビティ
102 湯口(口部)
、L 距離
S 基準
、M アライメントマーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯状をなす光導波路と、
前記光導波路の一端部の少なくとも一方の面に当接して前記一端部を支持し、第1の材料で構成された支持板と、
前記光導波路の一端部の外周側を前記支持板ごと覆うように設けられ、前記第1の材料と異なる第2の材料で構成された封止材とを備え、
前記封止材は、コネクタハウジングとして機能することを特徴とするコネクタ。
【請求項2】
前記支持板は、その全体が前記封止材内に埋設される請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記支持板は、その前記光導波路に当接する面と反対側の面が前記封止材から露出している請求項1に記載のコネクタ。
【請求項4】
前記支持板は、前記光導波路の一端部の両面にそれぞれ配置されている請求項1ないし3のいずれかに記載のコネクタ。
【請求項5】
前記支持板の幅は、前記光導波路の幅よりも大きい請求項1ないし4のいずれかに記載のコネクタ。
【請求項6】
前記第1の材料および前記第2の材料は、それぞれ、樹脂材料である請求項1ないし5のいずれかに記載のコネクタ。
【請求項7】
前記第1の材料は、無機材料であり、前記第2の材料は、有機材料である請求項6に記載のコネクタ。
【請求項8】
当該コネクタは、光が通過する通過路と、接続された際に位置決めを行なうガイドピンとを備える相手体に接続されるものであり、
前記封止材には、前記ガイドピンが挿入されるガイド孔が形成されている請求項1ないし7のいずれかに記載のコネクタ。
【請求項9】
前記光導波路は、少なくとも1本のコア部を有し、
前記ガイド孔は、前記コア部を基準として形成される請求項8に記載のコネクタ。
【請求項10】
請求項9に記載のコネクタを製造する方法であって、
前記ガイド孔を形成する際、前記コア部を基準として、その形成を行なうことを特徴とするコネクタの製造方法。
【請求項11】
前記光導波路の他端側から光を照射して、前記コア部の一端面を発光させ、その発光点を前記基準とする請求項10に記載のコネクタの製造方法。
【請求項12】
前記ガイド孔の形成を切削加工で行なう請求項10または11に記載のコネクタの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−203277(P2012−203277A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−69159(P2011−69159)
【出願日】平成23年3月28日(2011.3.28)
【出願人】(000002141)住友ベークライト株式会社 (2,927)
【Fターム(参考)】