説明

コンテンツ配信システムおよびコンテンツ配信方法

【課題】コンテンツ配信の料金設定を動的に管理し、ユーザの利便性を高めると伴に、再配信時の二重課金等の問題を防止すること。
【解決手段】 コンテンツ配信システムは、クライアントと、コンテンツを配信するセンターサーバと、センターサーバからコンテンツ配信履歴および設定料金テーブルを管理する管理サーバとを備え、クライアントはセンターサーバへユーザIDおよびコンテンツIDを含む料金情報要求を通知し、センターサーバはクライアントからの料金情報要求を受けて管理サーバへ料金情報を問い合わせる処理を実行し、管理サーバは料金情報要求とコンテンツ配信履歴と、設定料金テーブルとに基づいて、料金設定IDおよび料金額を含む料金情報を決定してセンターサーバへ通知する処理を実行し、センターサーバは、通知された料金情報をクライアントへ通知する処理を実行し、クライアントは料金情報に含まれる料金額を表示する処理を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツを配信するコンテンツ配信システム、並びに、これらを構成するクライアント、センターサーバ、および、管理サーバ、ならびに、これらに用いられるプログラム、および、コンテンツ配信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザが購入する、代表的には映像もしくは音声を含むコンテンツを、インターネット等のネットワークを通じて配信するコンテンツ配信システムにおいては、配信側の管理者とユーザとの間でコンテンツを提供する/提供される対価としての料金設定がなされる。この料金設定では、ペイパービューに代表される配信されるコンテンツ単位に課金するものや、一定期間または一定量のコンテンツに定額料金を設ける、もしくは、これらを組み合わせるものが、一般的である。従来には、コンテンツによらず一律な料金設定がなされることが多いため、管理者とユーザとの間では、配信状況やコンテンツの内容を反映した柔軟な料金設定が求められている。
【0003】
また、ダウンロード型、もしくは、ストリーミング型のコンテンツ配信システムにおいては、ダウンロードの完了時、もしくは、ストリーミングの開始時または完了時に、コンテンツの提供が完了したとして課金することがある。管理者とユーザとの間で定める料金設定によっては、一定の条件下でユーザが同一のコンテンツを複数回配信、または、再配信されても二重課金にならないようにする場合がある。一定の条件下とは、例えば、コンテンツのデータの不備等を原因として再度ダウンロードが必要な場合であり、また、視聴可能な期限や期間であり、回数である。
【0004】
従来には、コンテンツを提供する管理者は、コンテンツ配信サーバ、もしくは、管理サーバでコンテンツ配信履歴を管理することにより、二重課金の問題に対応する場合がある。コンテンツを配信された端末が、サーバが発行する電子レシートを保持し、コンテンツの再配信を要求するときに、この電子レシートをサーバに送るようにするものがある(特許文献1)。
【0005】
【特許文献1】特開2002−334173号公報 (第1図)
【0006】
しかしながら、従来技術のコンテンツ配信システムに関しては、電子レシートを使ってコンテンツ配信履歴を管理するのでは、不十分な点がある。すなわち、電子レシートには、視聴限度数や視聴期限などの情報が既に記録されており、これらの情報に基づいて課金がなされるので、電子レシートのデータの改ざんにより、不正な課金がなされるおそれがある。また、電子レシートでは、電子レシート自体に情報が多く組み入れられるので、コンテンツを配信する管理者側においてサービス体制や料金設定を柔軟に変更するのに、支障がある。一定の条件下でユーザが同一のコンテンツを複数回配信、または、再配信されても二重課金にならないようにするかどうかを含め、管理者がユーザの利便を考えたコンテンツの内容を反映した料金設定にするにも、限度がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記の従来技術が有する問題を解決するためになされたものであり、その目的は、コンテンツを配信するコンテンツ配信システム、並びに、これらを構成するクライアント、センターサーバ、および、管理サーバ、ならびに、これらに用いられるプログラムに関し、ユーザからコンテンツ配信を要求された場合に、そのユーザへのコンテンツ配信履歴のみならず、コンテンツに係るその時点での各種パラメータを随時参照してコンテンツ配信の料金設定を動的に管理し、ユーザの利便性を高めると伴に、再配信時の二重課金等の問題を防止する、コンテンツ配信システムおよびコンテンツ配信方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のコンテンツ配信システムは、配信されるコンテンツを再生するクライアントと、クライアントへコンテンツを配信するセンターサーバと、センターサーバからクライアントへのコンテンツ配信履歴および設定料金テーブルを管理する管理サーバと、を備え、クライアントは、センターサーバへユーザIDおよびコンテンツIDを含む料金情報要求を通知する処理を実行し、センターサーバは、クライアントからの料金情報要求を受けて管理サーバへ料金情報を問い合わせる処理を実行し、管理サーバは、料金情報要求と、コンテンツ配信履歴と、設定料金テーブルと、に基づいて、料金設定IDおよび料金額を含む料金情報を決定してセンターサーバへ通知する処理を実行し、センターサーバは、通知された料金情報をクライアントへ通知する処理を実行し、クライアントは、料金情報に含まれる料金額を表示する処理を実行する。
【0009】
好ましくは、本発明のコンテンツ配信システムは、料金情報を通知されたクライアントが、料金設定IDと、コンテンツIDとを関連して保持するとともに、センターサーバへユーザIDおよびコンテンツIDを含む配信要求を通知する処理を実行し、センターサーバは、クライアントからの配信要求を受信した際に、コンテンツの配信を開始する処理を実行し、クライアントは、コンテンツの配信が完了した場合に料金設定IDを、センターサーバへ通知する処理を実行し、センターサーバは、通知された料金設定IDを管理サーバへ通知する処理を実行し、管理サーバは、通知された料金設定IDに基づいてコンテンツ配信履歴を更新する処理を実行する。
【0010】
好ましくは、本発明のコンテンツ配信システムは、クライアントが、コンテンツの再生エラーに関連して設定されるエラーフラグを含む料金情報要求を通知する処理を実行し、管理サーバが、エラーフラグが設定された料金情報要求を受けたときに、コンテンツ配信履歴に基づいて、無償の料金情報を決定する処理を実行する。
【0011】
好ましくは、本発明のコンテンツ配信システムは、料金情報を決定する設定料金テーブルが、管理サーバによって管理されるコンテンツ配信履歴に基づいて変動する料金パラメータにより決定される。
【0012】
また、本発明のプログラムは、上記のコンテンツ配信システムのクライアントの制御部において実行される。あるいは、本発明のプログラムは、上記のコンテンツ配信システムの管理サーバとしてコンピュータを機能させる。
【0013】
また、本発明のコンテンツ配信方法は、クライアントにコンテンツを配信するセンターサーバへユーザIDおよびコンテンツIDを含む料金情報要求を通知するステップと、クライアントからの料金情報要求を受けてセンターサーバからクライアントへのコンテンツ配信履歴および設定料金テーブルを管理する管理サーバへ料金情報を問い合わせるステップと、料金情報要求と、コンテンツ配信履歴と、設定料金テーブルと、に基づいて、料金設定IDおよび料金額を含む料金情報を決定してセンターサーバへ通知するステップと、通知された料金情報をセンターサーバからクライアントへ通知するステップと、クライアントが料金情報に含まれる料金額を表示するステップと、を含む。
【0014】
また、本発明のコンテンツ配信方法は、料金情報を通知されたクライアントが料金設定IDとコンテンツIDとを関連して保持するステップと、センターサーバへユーザIDおよびコンテンツIDを含む配信要求を通知するステップと、クライアントからの配信要求を受信した際に、センターサーバからコンテンツの配信を開始するステップと、コンテンツの配信が完了した場合に、料金設定IDをクライアントからセンターサーバへ通知するステップと、通知された料金設定IDをセンターサーバから管理サーバへ通知するステップと、通知された料金設定IDに基づいて管理サーバのコンテンツ配信履歴を更新するステップと、を含む。
【0015】
好ましくは、本発明のコンテンツ配信方法は、クライアントにおけるコンテンツの再生エラーに関連して設定されるエラーフラグを含む料金情報要求を管理サーバに通知するステップと、エラーフラグが設定された料金情報要求を受けたときに、コンテンツ配信履歴に基づいて、無償の料金情報を決定するステップと、を含む。
【0016】
また、好ましくは、本発明のコンテンツ配信方法は、料金情報を決定する設定料金テーブルが、管理サーバによって管理されるコンテンツ配信履歴に基づいて変動する料金パラメータにより決定される
【0017】
以下、本発明の作用について説明する。
【0018】
本発明のコンテンツ配信システムは、コンテンツが配信されるクライアントと、クライアントへコンテンツを配信するセンターサーバと、センターサーバからクライアントへのコンテンツ配信履歴を管理する管理サーバと、を備える。例えば、クライアントは、コンテンツをダウンロードする視聴端末であり、専用機器もしくはパーソナルコンピュータでよい。クライアントの制御部を構成するマイコンもしくはCPU(中央演算回路)では、本発明のプログラムが実行される。センターサーバおよび管理サーバは、コンピュータもしくはサーバであり、本発明のプログラムが、コンピュータもしくはサーバを管理サーバとして機能させる。センターサーバおよび管理サーバは、別個であってもよく、一のサーバで兼用されていてもよい。
【0019】
最初に、クライアントは、センターサーバへユーザIDおよびコンテンツIDを含む料金情報要求を通知する処理を実行する。センターサーバは、クライアントからの料金情報要求を受けて、ユーザ認証を行い、管理サーバへ料金情報を問い合わせる処理を実行する。管理サーバは、料金情報要求と、コンテンツ配信履歴と、設定料金テーブルと、に基づいて、料金設定IDおよび料金額を含む料金情報を決定してセンターサーバへ通知する処理を実行する。
【0020】
本発明のコンテンツ配信システムでは、クライアントからのセンターサーバおよび管理サーバへ通知する料金情報要求が、コンテンツの再生エラーに関連して設定されるエラーフラグを含む。エラーフラグは、コンテンツの再生エラーに関連してクライアントにより自動的に設定される。管理サーバは、エラーフラグが設定された料金情報要求を受けたときに、コンテンツ配信履歴に基づいて、無償の料金情報を決定する。したがって、視聴端末において何らかのトラブルによりコンテンツを再生することができず、再生時にエラーが判明したとしても、再びダウンロードが可能であり二重課金等の問題を生じない。
【0021】
センターサーバは、通知された料金情報をクライアントへ通知し、クライアントは、料金情報に含まれる料金額を表示する処理を実行する。したがって、ユーザからコンテンツ料金情報要求が成された際に、そのユーザへのコンテンツ配信履歴のみならず、コンテンツに係るその時点での各種パラメータを随時参照してコンテンツ配信の料金設定を動的に管理して料金を表示できる。また、クライアントにおける再生エラーに対応して無償の料金情報も表示できる。さらに、センターサーバからクライアントへは、多くのパラメータを含む従来からの電子レシートのような情報ではなく、料金設定IDおよび料金額を含む料金情報のみを通知するので、管理サーバ側で柔軟な料金設定が可能となり、電子レシートの改ざん等による不正な課金がなされにくい。
【0022】
料金情報を通知されたクライアントは、料金設定IDと、コンテンツIDを関連して保持するとともに、センターサーバへユーザIDおよびコンテンツIDを含む配信要求を通知する処理を実行し、センターサーバは、クライアントからの配信要求を受信した後、コンテンツの配信を開始する処理を実行し、クライアントは、コンテンツの配信が完了した場合に料金設定IDを、センターサーバへ通知する処理を実行し、センターサーバは、通知された料金設定IDを管理サーバへ通知する処理を実行し、管理サーバは、通知された料金設定IDに基づいてコンテンツ配信履歴を更新する処理を実行する。したがって、コンテンツの配信が完了したら料金設定IDが管理サーバへ通知されるので、管理サーバは、事前に設定した料金設定IDと照合するだけで、コンテンツ配信履歴を更新することができる。
【0023】
好ましくは、このコンテンツ配信システムは、料金情報を決定する設定料金テーブルが、管理サーバによって管理されるコンテンツ配信履歴に基づいて変動する料金パラメータにより決定される。したがって、管理サーバの管理者は、そのユーザへのコンテンツ配信履歴のみならず、コンテンツに係るその時点での各種パラメータを随時参照してコンテンツ配信の料金設定を動的に管理して料金を設定することができ、ユーザに柔軟なサービスを提供できる。
【発明の効果】
【0024】
本発明のコンテンツ配信システムおよびコンテンツ配信方法は、ユーザからコンテンツ料金情報要求が成された際に、そのユーザへのコンテンツ配信履歴のみならず、コンテンツに係るその時点での各種パラメータを随時参照してコンテンツ配信の料金設定を動的に管理し、ユーザの利便性を高めると伴に、再配信時の二重課金等の問題を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明のコンテンツ配信システムおよびコンテンツ配信方法は、コンテンツ配信の料金設定を動的に管理し、ユーザの利便性を高めると伴に、再配信時の二重課金等の問題を防止するという目的を、配信されるコンテンツを再生するクライアントと、クライアントへコンテンツを配信するセンターサーバと、センターサーバからクライアントへのコンテンツ配信履歴および設定料金テーブルを管理する管理サーバと、を備え、クライアントは、センターサーバへユーザIDおよびコンテンツIDを含む料金情報要求を通知する処理を実行し、センターサーバは、クライアントからの料金情報要求を受けて管理サーバへ料金情報を問い合わせる処理を実行し、管理サーバは、料金情報要求と、コンテンツ配信履歴と、設定料金テーブルと、に基づいて、料金設定IDおよび料金額を含む料金情報を決定してセンターサーバへ通知する処理を実行し、センターサーバは、通知された料金情報をクライアントへ通知する処理を実行し、クライアントは、料金情報に含まれる料金額を表示する処理を実行することにより、実現した。
【0026】
以下、本発明の好ましい実施形態によるコンテンツ配信システム並びにこれらに用いられるプログラム、およびコンテンツ配信方法について説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。
【実施例1】
【0027】
図1は、本発明の好ましい実施形態によるコンテンツ配信システム1について説明する図である。コンテンツ配信システム1は、インターネット等のネットワーク10に接続されて映像、音楽等のコンテンツが配信されるクライアント2と、ネットワーク10を介してクライアント2へコンテンツを配信するセンターサーバ3と、センターサーバ3からクライアント2へのコンテンツ配信履歴を管理する管理サーバ4と、を備える。クライアント2を使用するユーザは、センターサーバ3および管理サーバ4の管理者との契約の下でコンテンツを利用した場合、コンテンツ利用に対応した課金がなされる。
【0028】
クライアント2は、ユーザが視聴する映像、音楽等のコンテンツを、ネットワーク10を通じて配信を受け、コンテンツを視聴可能とする視聴端末器である。代表的には、PC(パーソナルコンピュータ)、専用レシーバ、または、携帯端末であり、少なくとも、マイコンおよびメモリ等を含む制御部21と、コンテンツを記録し再生する記録再生部22と、コンテンツもしくは制御情報ならびに料金情報を表示する表示部23と、ユーザが操作する操作部24と、ネットワーク10に接続するネットワーク接続部25と、を備え、これらは内部の制御バス20により接続されている。例えば、記録再生部22はHDD(ハードディスクドライブ)であり、表示部23はクライアント2に内蔵するFL管による表示窓でもよく、また、クライアント2に接続するディスプレイ等の外部表示機器であってもよい。クライアント2を制御するプログラムは、制御部21のメモリもしくは記録再生部22に記憶されており、制御部21のマイコンにおいて実行される。
【0029】
センターサーバ3は、配信システム1において、コンテンツを提供する管理者が設置するサーバであり、コンテンツのライブラリ情報や、それぞれのクライアント2が備えるクライアント情報をデータベースで集中管理するサーバである。センターサーバ3は、少なくとも、CPU(中央演算回路)およびメモリ等を含む制御部31と、コンテンツを記録し配信するコンテンツデータベースを含む配信蓄積部32と、ネットワーク接続部33と、を備え、これらは内部の制御バス30により接続されている。なお、センターサーバ3は、例えば、コンテンツおよびライブラリ情報を含むコンテンツサーバと、クライアント情報を含むクライアント管理サーバと、等の複数のサーバから構成されていてもよい。
【0030】
管理サーバ4は、配信システム1において、コンテンツを提供する、もしくは、課金を管理する管理者が設置するサーバ(もしくはコンピュータ)であり、コンテンツの料金データベースと料金設定用の各種パラメータ及びコンテンツ配信履歴を管理し、料金情報要求のあったコンテンツに対して動的に料金を設定し、各クライアントの課金状況を集中管理し、課金管理者に課金情報を提供するサーバである。管理サーバ4は、少なくとも、CPU(中央演算回路)およびメモリ等を含む制御部41と、料金データベースと料金設定用の各種パラメータ及びコンテンツ配信履歴を含む記録蓄積部42と、ネットワーク接続部43と、配信システム1の管理サーバ4としてサーバを機能させるためのプログラムを保持する記憶部44と、管理者が各種パラメータを設定する入力部45と、各種情報を表示する表示部46を備え、これらは内部の制御バス40により接続されている。制御部41は、記憶部44に保持されたプログラムを実行することにより、管理サーバ4としてサーバ(もしくはコンピュータ)を機能させる。
【0031】
なお、管理サーバ4は、センターサーバ3と接続されていればよく、ネットワーク10を介して接続されていてもよい。また、センターサーバ3と管理サーバ4とは、共通のサーバ上に設けられていてもよく、さらに複数のサーバから構成されていてもよい。また、ネットワーク10は、インターネット等のネットワークであればよく、LANを含んでいてもよい。クライアント2は、複数でも一つのみでもよい。
【0032】
<コンテンツ配信の料金情報要求>
図2は、配信システム1におけるコンテンツ配信の課金の方法を示すフローチャートである。クライアント2は、コンテンツの視聴に際して、センターサーバ3から供給されたコンテンツリスト(図示しない)から選択されたコンテンツの配信を受けるための料金について、センターサーバ3に料金情報要求する(S201)。この料金情報要求には、クライアント2を識別するユーザIDと、コンテンツを識別するコンテンツIDと、エラーフラグとが含まれる。エラーフラグは、クライアント2がコンテンツを再生する際に生じる再生エラーに関連して設定されるフラグであり、フラグがセットされた場合とは、例えば、クライアント2が既にコンテンツを保持しているにも関わらず、コンテンツのデータの破損等により再生ができずに、クライアント2からセンターサーバ3へコンテンツを再配信するように要求する場合である。また、料金情報要求にエラーフラグがセットされていない状態は、コンテンツの再生エラーを伴わないコンテンツを配信させる要求の場合や、クライアント2がそのコンテンツを保持していないか、既に再生可能なコンテンツを保持している場合、つまり通常のコンテンツ配信の要求の場合である。
【0033】
クライアント2からの料金情報要求を受けたセンターサーバ3は、料金情報要求に含まれるユーザIDにより、ユーザ認証を行う(S301)。なお、このユーザ認証は、センターサーバ3とは別の認証用サーバが行ってもよい。ユーザ認証により、料金情報要求が適正なクライアント2からの料金情報要求であると判断した場合には、センターサーバ3は、管理サーバ4に配信を要求されたコンテンツの料金を問い合わせる料金情報要求を行う(S302)。料金情報要求には、ユーザIDと、コンテンツを識別するコンテンツIDと、エラーフラグとが含まれる。したがって、クライアント2からの料金情報要求にエラーフラグがセットされている場合には、管理サーバ4には、この料金情報要求がコンテンツの再配信の要求であることが通知される。
【0034】
センターサーバ3からの料金情報要求を受けた管理サーバ4は、コンテンツの料金データベースと料金設定用の各種パラメータ及びコンテンツ配信履歴から、料金情報要求のあったコンテンツに対して後述する方法により料金を設定し、料金情報を決定する(S401)。この料金情報は、料金設定IDおよび料金額を含み、例えば、クライアント2からの料金情報要求にエラーフラグが含まれている場合には、料金額が「無料」もしくは0(ゼロ)とされる。管理サーバ4は、決定した料金情報をユーザIDとともにセンターサーバ3へ通知する(S402)。管理サーバ4から料金情報を受けたセンターサーバ3は、ユーザIDから料金情報を通知するクライアント2を特定し(S303)、料金設定IDおよび料金額を含む料金情報をクライアント2へ通知する(S304)。なお、センターサーバ3と管理サーバ4との間での上記セッションが別の手段で特定される場合には、管理サーバ4は、決定した料金情報のみをセンターサーバ3へ通知してもよい。
【0035】
センターサーバ3からの料金情報を受けたクライアント2は、制御部21が料金情報に含まれる料金額を、表示部23に表示する(S202)。つまり、クライアント2は、自らの料金情報要求に基づくコンテンツの配信に対して、コンテンツを提供する管理者が設定する料金額を表示する。その結果、例えば、エラーフラグがセットされている再配信の料金情報要求である場合には、クライアントを使用するユーザには、「無料」もしくは0(ゼロ)の料金額が表示される。このとき、クライアント2の制御部21は、料金設定IDと、ユーザIDおよびコンテンツIDを関連して保持するとともに、もしくは、メモリに記憶するとともに、必要に応じて記録再生部22に料金情報を記録する。
【0036】
<料金情報の設定>
図3は、管理サーバ4における制御部21が、料金情報を決定する処理(S401)から決定した料金情報をセンターサーバ3へ通知する処理(S402)までを説明するフローチャートである。まず、管理サーバ4は、センターサーバ3からの料金情報要求を受けて(S401)、料金情報要求にエラーフラグがセット:ONされているかどうかを判定する(S501)。つまり、管理サーバ4は、その料金情報要求が、クライアント2でのコンテンツ再生エラーに基づくコンテンツの再料金情報要求であるのか(S501:Yes)、または、通常のコンテンツ配信の要求であるのか(S501:No)を判定する。
【0037】
エラーフラグがセット:ONされていれば(S501:Yes)、管理サーバ4の制御部41は、記録蓄積部42に設けられているコンテンツ配信履歴(後述する)を参照して、クライアント2のユーザからの料金情報要求の対象となるコンテンツの配信が、過去のコンテンツ配信履歴に記録されているかどうかを調べる(S502)。このとき、コンテンツの視聴期限内かどうかも調べるのが好ましい。エラーフラグがセットされているにもかかわらずコンテンツ配信履歴に記録がなければ(S502:No)、料金設定エラーと判断して(S503)、管理サーバ4は、料金エラーを含む料金情報をセンターサーバ3へ通知する(S402)。
【0038】
エラーフラグがセットされており、コンテンツ配信履歴に記録があり、視聴期限内であれば(S502:Yes)、管理サーバ4の制御部41は、その料金情報要求が、クライアント2でのコンテンツ再生エラーに基づくコンテンツの再配信要求であるとして、コンテンツの配信に係る料金額を「無料」もしくは0(ゼロ)と設定し(S504)、ユーザへの二重課金を防止する。管理サーバ4は、後述する料金設定IDおよび料金額を含む料金情報を管理サーバ4の料金設定テーブルに登録するステップ(S505)を経て、料金情報をセンターサーバ3へ通知する(S402)。
【0039】
一方で、エラーフラグがセットされていなければ(S501:No)、管理サーバ4の制御部41は、コンテンツの料金データベースと料金設定用の各種パラメータ及びコンテンツ配信履歴を参照して、クライアント2で再生するコンテンツの料金を動的に設定する。ここで、料金データベースと料金設定用の各種パラメータは、管理サーバ4の管理者によって設定されるパラメータであり、コンテンツの料金は、例えば、以下のステップを経ることにより決定される。
【0040】
まず、ユーザと管理者の間で定めるコンテンツの提供に係る基本料金を取得し(S506)、当該コンテンツのコンテンツ配信履歴の記録があるかどうかを調べる(S507)。クライアント2からの料金情報要求には、ユーザIDおよびコンテンツを識別するコンテンツIDが含まれているので、これらを管理サーバ4が記録するコンテンツ配信履歴と照合する。図4(a)は、管理サーバ4のコンテンツ配信履歴の一例であり、ユーザIDと、コンテンツIDと、基本料金等から算出される料金額と、料金額に伴い当該コンテンツが視聴可能な期間を示す視聴期限と、配信時の状態を示す配信ステータスと、配信日時を示すタイムスタンプと、を含み、履歴ナンバー毎にこれらが逐次記録されていくものである。なお、好ましくは、一定期間を経過したコンテンツ配信履歴については、順次クリアしてもよい。コンテンツ配信履歴との照合の結果、料金情報要求のユーザIDおよびコンテンツIDと、コンテンツ配信履歴のユーザIDおよびコンテンツIDとが一致すれば(S507:Yes)、設定されていた視聴期限が無期限であるか否かを判断する(S508)。例えば、視聴期限が無期限である場合には(S508:Yes)、適正な再配信の要求であると判断して、二重課金を防止するためにコンテンツの配信に係る料金額を「無料」もしくは0(ゼロ)と設定する(S504)。
【0041】
また、視聴期限が無期限でない場合には(S508:No)、管理サーバ4の制御部41は、コンテンツの料金データベースと料金設定用の各種パラメータから、再配信パラメータを取得する(S509)。再配信パラメータは、過去に何回当該コンテンツが配信されたかをカウントした数値であればよく、再配信パラメータに基づいて基本料金からの割引を設定することができる。例えば、再配信パラメータが、過去に2回以上の配信を示す値の場合には、コンテンツの料金額に50%割引を適用する、または、一定額を減額するなどのユーザへのサービスが提供されうる。
【0042】
次に、管理サーバ4の制御部41は、コンテンツ毎に異なるコンテンツ料金パラメータを取得する(S510)。コンテンツ料金パラメータは、コンテンツの内容、質、時間、その他コンテンツを提供する者との契約によって変動する、それぞれのコンテンツに固有のパラメータである。コンテンツ料金パラメータと基本料金とから、当該コンテンツの料金額が算定され、例えば、コンテンツ料金パラメータは、基本料金に加算もしくは減額する金額や、一定の割増もしくは割引の割合であってもよい。
【0043】
次に、管理サーバ4の制御部41は、料金情報要求に含まれるユーザIDから、ユーザパラメータを取得する(S511)。ユーザパラメータは、管理者とユーザとの契約タイプ情報の他、年齢、性別、居住地域、誕生日などユーザ毎に設定されるパラメータであって、契約タイプに応じた料金設定の他にも、これらの値から割引キャンペーンなどを設けられるパラメータである。例えば、管理者が、管理サーバ4のユーザパラメータを設定するのに際し、特定の年代層のユーザに向けたコンテンツを推奨するにために、他の年代層に対して割引を設定するものであってもよい。
【0044】
次に、管理サーバ4の制御部41は、管理サーバ4のランキングデータベースを参照して、ランキングパラメータを取得する(S512)。ランキングパラメータは、コンテンツ毎の配信回数をカウントしてつけた順位(ランキング)に係るパラメータであって、コンテンツの人気度に応じて料金を設定可能なパラメータである。例えば、管理者が、コンテンツの人気度が高ければ高い金額を設定し、反対にコンテンツの人気度が低ければ低い金額を設定し、人気のないコンテンツであっても、安い料金設定を吸引力にして利用を促進するようにしてもよい。
【0045】
次に、管理サーバ4の制御部41は、センターサーバ3のコンテンツデータベースを参照して、コンテンツ毎に設定される鮮度パラメータを取得する(S513)。鮮度パラメータは、コンテンツの創作時期もしくは公開時期に起因する新作コンテンツと旧作コンテンツとの間で、異なる料金を設定可能なパラメータである。例えば、管理者が、人気度が高い新作コンテンツには高い金額を設定し、反対に、公開から時間が経った旧作コンテンツには低い金額を設定し、配信要求が集中すると予測される新作コンテンツの利用を抑え、旧作コンテンツの安い料金設定を吸引力にして利用を促進するようにしてもよい。
【0046】
次に、管理サーバ4の制御部41は、配信要求を受けているコンテンツに関連するコンテンツのリストを関連コンテンツテーブルから取得した上で、コンテンツ配信履歴を再度参照して過去に関連したコンテンツのコンテンツ配信履歴があるかどうかを検索し(S514)、過去に関連したコンテンツのコンテンツ配信履歴があれば、関連コンテンツパラメータを取得する(S515)。関連するコンテンツとは、ドラマ等のシリーズコンテンツや、同じ監督による映画コンテンツ、特定のアーティストによる音楽コンテンツなどの関連づけでよい。図5は、関連コンテンツテーブルの一例であり、関連する複数のコンテンツIDが関連シリーズ毎に、その関連シリーズに適用される料金パラメータと伴に記録されている。例えば、SeriesAは、コンテンツIDがCID2と、CID3と、CID6とが関連づけられており、料金パラメータには「0.8^個数」が設定されている。検索した結果、関連するコンテンツが複数見つかった場合には、その個数に応じて料金パラメータを設定してもよい。例えば、SeriesAに含まれるCID2およびCID3の2個のコンテンツについての配信がコンテンツ配信履歴にあれば、新たなCID6の配信に際しては、料金パラメータ「0.8^2」=「0.64」を適用してもよい。また、複数の関連シリーズに適応することが判明すれば、複数の割引を設定してもよい。
【0047】
次に、管理サーバ4の制御部41は、配信要求を受けているコンテンツ毎に、管理者から設定される視聴期限に基づく視聴期限パターンを設定する(S516)。例えば、あるコンテンツに無期限の視聴期限を設定する場合には、管理者は、期限があるコンテンツに比べて割高な料金設定とする視聴期限パターンを設定できる。また、期限付きの場合であっても、ユーザが選択する視聴期限の長さに応じて複数のパラメータで重み付けを行い、それぞれに異なる料金設定にしてもよい。
【0048】
管理サーバ4の制御部41は、上記のステップを経て料金を計算するために必要な各パラメータを取得し、コンテンツの料金情報要求に応える料金額を計算する(S517)。エラーフラグがセットされていない通常のコンテンツ配信要求の場合には、管理サーバの管理者は、そのユーザへのコンテンツ配信履歴のみならず、コンテンツに係るその時点での各種パラメータを随時参照してコンテンツ配信の料金設定を動的に管理して料金を設定することができ、ユーザに柔軟なサービスを提供できる。また、各パラメータの設定の組み合わせから、複数の料金額が計算され得る場合には、これら複数の料金額を計算してもよい。
【0049】
管理サーバ4の制御部41は、各種パラメータにより料金額が計算(S517)されれば、あるいは、料金額を「無料」もしくは0(ゼロ)と設定され(S504)れば、料金設定IDおよび料金額を含む料金情報を設定する(S505)。複数の料金額が計算され得る場合には、複数の料金情報を設定してもよい。図6は、これら料金情報を記録する管理サーバ4が保持する料金設定テーブルの一例である。料金設定IDは、設定した料金額と、ユーザIDと、コンテンツIDと、配信ステータスと、タイムスタンプと、を識別するコードであり、これらのデータとともに料金設定テーブルに登録される。料金設定テーブルは、クライアント2が、コンテンツを実際に視聴する際にコンテンツ配信履歴に登録するための料金情報を一時的に保存する。最終的に決定された料金設定IDおよび料金額を含む料金情報は、管理サーバ4からセンターサーバ3へ通知される(S402)。
【0050】
<料金表示後の配信要求>
図2に戻って、配信システム1において、クライアント2が料金情報に含まれる料金額を表示部23に表示するステップ(S202)以後の動作、つまり、料金額を通知されたクライアント2からコンテンツの配信を要求し、センターサーバ3からコンテンツが配信されて、管理サーバ4のコンテンツ配信履歴が更新されるまで、を説明する。
【0051】
クライアント2が、自らの料金情報要求に基づくコンテンツの配信に対して、コンテンツを提供する管理者が設定する料金額を表示すると、ユーザは、料金額に同意する場合には、センターサーバ3へコンテンツの配信を要求する(S203)。複数の料金額がある場合には、ユーザがその中から一つを選択すると、クライアント2の制御部41は、その中から最も希望する料金額に対応する料金情報(料金設定IDおよび料金額を含む)を記憶し、その後にコンテンツの配信を要求する。この配信要求には、ユーザIDとコンテンツIDとが含まれ、配信要求を受信したセンターサーバ3は、ユーザ認証を行い(S305)、ユーザIDとコンテンツIDとを確認したらクライアント2へコンテンツIDおよびコンテンツを配信する(S306)。
【0052】
コンテンツの配信を受けたクライアント2は、コンテンツの受信が完了した際に受信完了通知をセンターサーバ3に送信する(S204)。受信完了通知には、料金設定IDが含まれていればよく、料金額を含む料金情報であってもよい。受信完了通知を受信したセンターサーバ3は、受信完了通知を管理サーバ4に転送して、管理サーバ4が備えるコンテンツ配信履歴へ登録を依頼する(S307)。
【0053】
<コンテンツ配信履歴登録>
コンテンツ配信履歴へ登録を依頼された管理サーバ4は、例えば、図4(a)に示したコンテンツ配信履歴へ登録する(S403)。コンテンツ配信履歴には、ユーザIDと、コンテンツIDと、基本料金等から算出される料金額と、料金額に伴い当該コンテンツが視聴可能な期間を示す視聴期限と、配信時の状態を示す配信ステータスと、配信日時を示すタイムスタンプと、を含む。具体的には、通知された料金設定IDに基づいて、コンテンツ配信履歴を参照して新たな履歴の登録を追加する。
【0054】
図4(b)は、図4(a)に示したコンテンツ配信履歴(履歴ナンバー005まで)に、新たな履歴ナンバー006および007が登録された場合の一例を説明する図である。例えば、履歴ナンバー006が新たに登録される場合を説明する。この場合は、user2がコンテンツCID1について、再生エラーに伴う再配信(置換)要求を行った場合、つまり、エラーフラグがセットされた料金情報要求である場合(S501:Yes)である。user2は、履歴ナンバー002に、視聴期限:無期限のコンテンツCID1を料金額500円で2004年4月22日10:15に配信したことが記録されているので(S502:Yes)、管理サーバ4は再生エラーに伴う再配信要求であると判断して料金額を0(ゼロ)に設定(S504)し、これに伴う料金情報として料金設定ID004が料金設定テーブルに登録される(S505)。したがって、管理サーバ4は、センターサーバ3から料金設定ID004を受信したら、料金設定テーブル(図6)を参照してコンテンツ配信履歴に履歴ナンバー006およびユーザID等他のパラメータを登録する(S403)。
【0055】
次に、例えば、履歴ナンバー007が新たに登録される場合を説明する。この場合は、user1が過去に配信済み(履歴ナンバー001)のコンテンツCID1について、視聴期限を経過した後に再配信(追加)要求を行った場合、つまり、エラーフラグがセットされていない料金情報要求である場合(S501:No)である。まず、コンテンツ基本料金(例えば500円)が取得される(S506)。user1は、履歴ナンバー001に、視聴期限:72時間のコンテンツCID1を料金額500円で2004年4月20日18:30に配信したことが記録されているので(S507:Yes、S508:No)、管理サーバ4の制御部41は、コンテンツの料金データベースと料金設定用の各種パラメータから、再配信パラメータ(例えば、2回目の配信であるため−100円)を取得する(S509)。続いて、各種パラメータのうち適用のあるパラメータを取得して料金額を計算する(S510〜S516)。例えば、ランキングパラメータ(S512)と、視聴期限パターン設定(S516)とが適用されるとすると、コンテンツCID1が上位100位に入っているので−100円を適用し、さらに、視聴期限:24時間と短くされるので−100円を適用する。その結果、再配信要求に係る料金額は200円と計算されて(S517)、これに伴う料金情報として料金設定ID005が料金設定テーブルに登録される(S505)。したがって、管理サーバ4は、センターサーバ3から料金設定ID005を受信したら、料金設定テーブル(図6)を参照して、コンテンツ配信履歴に履歴ナンバー007およびユーザID等他のパラメータを登録する(S403)。
【0056】
他のパラメータの一つである配信ステータスは、コンテンツ配信履歴と料金設定テーブルが含んでいて、コンテンツ配信時の状態を示し、New:新規配信、Replace:再配信(置換)、Further−Purchase:再配信(追加)、等が記録される。上記履歴ナンバー006および007の場合には、それぞれ再配信(置換)および再配信(追加)が記録される。なお、コンテンツ配信履歴に新たな履歴を登録(S403)した場合には、その後に、記録した履歴に対応する料金設定テーブルの登録は、削除してもよい。
【0057】
管理サーバ4の管理者は、コンテンツの利用に応じてコンテンツ配信履歴が更新されると、コンテンツ配信履歴のタイムスタンプを参照して、契約対象期間のコンテンツ配信履歴を基に、各ユーザに課金、つまり、実際の料金の徴収をすることができる。配信システム1のユーザからコンテンツ配信要求が成された際には、再生エラーを伴う場合には再配信時の二重課金等の問題を防止することができる。また、そのユーザへのコンテンツ配信履歴のみならず、コンテンツに係るその時点での各種パラメータを随時参照してコンテンツ配信の料金設定を動的に管理することができるので、ユーザの利便性を高めると伴に、管理者にとっても配信状況やコンテンツの内容を反映した柔軟な料金設定が可能になる。
【0058】
また、配信システム1においては、クライアント2におけるコンテンツの要求がある時点での料金設定に応じた料金情報が決定され、この料金情報は料金設定IDおよび料金額を含む最小限のデータである。したがって、配信システム1においては、電子レシートを使ってコンテンツ配信履歴を管理する場合に比べて、電子レシートに含まれている視聴限度数や視聴期限などの情報が改ざんされて不正な課金がされるようなことがない。
【0059】
なお、管理サーバ4のコンテンツ配信履歴へ登録(S403)させるタイミングは、上記のクライアント2が受信完了通知をセンターサーバ3に送信する場合(S204)以外にも、クライアント2がコンテンツを再生するために最初に開封した時点で、コンテンツ配信履歴へ登録を依頼してもよい。また、上記実施例の配信システム1は、ユーザがコンテンツリストからコンテンツを選択してからコンテンツを配信する場合であるが、自動的にコンテンツが既にダウンロードされているような配信システムの場合であっても、コンテンツ配信のタイミングが異なるだけであり、その他の動作フローは同様に設定できる。
【0060】
なお、本発明の配信システム1は、上記のシステム構成に限定されるものではない。コンテンツを配信するコンテンツ配信方法として、上記実施例のコンテンツ配信方法を実施するものであればよい。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明のコンテンツ配信システムは、家庭に設置される映像視聴端末のようなクライアントだけでなく、携帯電話や、車載用機器等のモバイル機器へのコンテンツ配信システムにも適用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の好ましい実施形態によるコンテンツ配信システム1について説明する図である。(実施例1)
【図2】本発明の好ましい実施形態による配信システム1におけるコンテンツ配信の課金の方法を示すフローチャートである。(実施例1)
【図3】本発明の好ましい実施形態による管理サーバ4における処理を説明するフローチャートである。(実施例1)
【図4】本発明の好ましい実施形態による管理サーバ4のコンテンツ配信履歴の一例を説明する図である。(実施例1)
【図5】本発明の好ましい実施形態による管理サーバ4における関連コンテンツテーブルの一例を説明する図である。(実施例1)
【図6】本発明の好ましい実施形態による管理サーバ4における料金設定テーブルの一例を説明する図である。(実施例1)
【符号の説明】
【0063】
1 配信システム
2 クライアント
3 センターサーバ
4 管理サーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
配信されるコンテンツを再生するクライアントと、
該クライアントへコンテンツを配信するセンターサーバと、
該センターサーバから該クライアントへのコンテンツ配信履歴および設定料金テーブルを管理する管理サーバと、を備え、
該クライアントは、該センターサーバへユーザIDおよびコンテンツIDを含む料金情報要求を通知する処理を実行し、
該センターサーバは、該クライアントからの該料金情報要求を受けて該管理サーバへ料金情報を問い合わせる処理を実行し、
該管理サーバは、該料金情報要求と、該コンテンツ配信履歴と、該設定料金テーブルと、に基づいて、料金設定IDおよび料金額を含む該料金情報を決定して該センターサーバへ通知する処理を実行し、
該センターサーバは、通知された該料金情報を該クライアントへ通知する処理を実行し、
該クライアントは、該料金情報に含まれる料金額を表示する処理を実行する、
コンテンツ配信システム。
【請求項2】
前記料金情報を通知された前記クライアントは、前記料金設定IDと、前記コンテンツIDとを関連して保持するとともに、前記センターサーバへ前記ユーザIDおよび該コンテンツIDを含む配信要求を通知する処理を実行し、
該センターサーバは、該クライアントからの該配信要求を受信した際に、該コンテンツの配信を開始する処理を実行し、
該クライアントは、該コンテンツの配信が完了した場合に該料金設定IDを、該センターサーバへ通知する処理を実行し、
該センターサーバは、通知された該料金設定IDを該管理サーバへ通知する処理を実行し、
該管理サーバは、通知された該料金設定IDに基づいて前記コンテンツ配信履歴を更新する処理を実行する、
請求項1に記載のコンテンツ配信システム。
【請求項3】
前記クライアントが、コンテンツの再生エラーに関連して設定されるエラーフラグを含む料金情報要求を通知する処理を実行し、
前記管理サーバが、該エラーフラグが設定された前記料金情報要求を受けたときに、前記コンテンツ配信履歴に基づいて、無償の料金情報を決定する処理を実行する、
請求項1または2に記載のコンテンツ配信システム。
【請求項4】
前記料金情報を決定する前記設定料金テーブルが、
前記管理サーバによって管理される前記コンテンツ配信履歴に基づいて変動する料金パラメータにより決定される、
請求項1から3のいずれかに記載のコンテンツ配信システム。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載のコンテンツ配信システムの前記クライアントの制御部において実行されるプログラム。
【請求項6】
請求項1から4のいずれかに記載のコンテンツ配信システムの前記管理サーバとしてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項7】
クライアントにコンテンツを配信するセンターサーバへユーザIDおよびコンテンツIDを含む料金情報要求を通知するステップと、
該クライアントからの該料金情報要求を受けて該センターサーバから該クライアントへのコンテンツ配信履歴および設定料金テーブルを管理する管理サーバへ料金情報を問い合わせるステップと、
該料金情報要求と、該コンテンツ配信履歴と、該設定料金テーブルと、に基づいて、料金設定IDおよび料金額を含む該料金情報を決定して該センターサーバへ通知するステップと、
通知された該料金情報を該センターサーバから該クライアントへ通知するステップと、
該クライアントが該料金情報に含まれる料金額を表示するステップと、
を含むコンテンツ配信方法。
【請求項8】
前記料金情報を通知された前記クライアントが前記料金設定IDと前記コンテンツIDとを関連して保持するステップと、
前記センターサーバへ前記ユーザIDおよび該コンテンツIDを含む配信要求を通知するステップと、
該クライアントからの該配信要求を受信した際に、該センターサーバから該コンテンツの配信を開始するステップと、
該コンテンツの配信が完了した場合に、該料金設定IDを該クライアントから該センターサーバへ通知するステップと、
通知された該料金設定IDを該センターサーバから前記管理サーバへ通知するステップと、
通知された該料金設定IDに基づいて該管理サーバの前記コンテンツ配信履歴を更新するステップと、
を含む請求項7に記載のコンテンツ配信方法。
【請求項9】
前記クライアントにおけるコンテンツの再生エラーに関連して設定されるエラーフラグを含む料金情報要求を前記管理サーバに通知するステップと、
該エラーフラグが設定された該料金情報要求を受けたときに、前記コンテンツ配信履歴に基づいて、無償の料金情報を決定するステップと、
を含む請求項7または8に記載のコンテンツ配信方法。
【請求項10】
前記料金情報を決定する前記設定料金テーブルが、
前記管理サーバによって管理される前記コンテンツ配信履歴に基づいて変動する料金パラメータにより決定される、
請求項7から9のいずれかに記載のコンテンツ配信方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−344107(P2006−344107A)
【公開日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−170493(P2005−170493)
【出願日】平成17年6月10日(2005.6.10)
【出願人】(000000273)オンキヨー株式会社 (502)
【Fターム(参考)】