コンデンサ装置
【課題】 一方の導電体箔を巻回方向に対して分断することにより、一つのコンデンサ素子で直列段数を増やした構成を実現容易にする。
【解決手段】 二枚の導電体箔2,4,5を一対の電極として二枚の導電体箔2,4,5の間を誘電体シートにより絶縁した状態で所定のターン数巻回し、二枚の導電体箔2,4,5のうち、一方の導電体箔4,5の巻回側部4a,5aを巻回方向の一方の側方に誘電体シートよりも突出させて一方の電極として引き出し、他方の導電体箔2の巻回側部2aを巻回方向の他方の側方に誘電体シートよりも突出させて他方の電極として引き出したコンデンサ素子1を有するコンデンサ装置であって、二枚の導電体箔2,4,5のうち、少なくとも一方の導電体箔4,5を巻回方向に対して分断し、その分断端部4b,5b間に、コンデンサ素子1を内部で複数の容量単位に分割する絶縁体シート8を介在させて巻回し、その絶縁体シート8の巻回側部8aを巻回方向の一方の側方に導電体箔4,5の巻回側部4a,5a間に介在させる。
【解決手段】 二枚の導電体箔2,4,5を一対の電極として二枚の導電体箔2,4,5の間を誘電体シートにより絶縁した状態で所定のターン数巻回し、二枚の導電体箔2,4,5のうち、一方の導電体箔4,5の巻回側部4a,5aを巻回方向の一方の側方に誘電体シートよりも突出させて一方の電極として引き出し、他方の導電体箔2の巻回側部2aを巻回方向の他方の側方に誘電体シートよりも突出させて他方の電極として引き出したコンデンサ素子1を有するコンデンサ装置であって、二枚の導電体箔2,4,5のうち、少なくとも一方の導電体箔4,5を巻回方向に対して分断し、その分断端部4b,5b間に、コンデンサ素子1を内部で複数の容量単位に分割する絶縁体シート8を介在させて巻回し、その絶縁体シート8の巻回側部8aを巻回方向の一方の側方に導電体箔4,5の巻回側部4a,5a間に介在させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、電力用コンデンサなどのように、二枚の導電体箔を一対の電極として導電体箔の間を誘電体シートにより絶縁した状態で巻回し、その電極間の静電容量によりコンデンサ素子を形成したコンデンサ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電力用として使用されるコンデンサ装置には、二枚の導電体箔を一対の電極としてそれら導電体箔の間を誘電体シートにより絶縁した状態で導電体箔と誘電体シートとを重合して巻回し、その電極間の静電容量によりコンデンサ素子を形成し、このコンデンサ素子をケースに収容して絶縁油に浸漬した構造を具備した電力用コンデンサがある(例えば、特許文献1,2参照)。
【0003】
この種のコンデンサ装置に組み込まれるコンデンサ素子101を図10〜図13に示す。図10は従来のコンデンサ素子101を示す斜視図、図11は図10のD方向矢視図、図12は図10のE−E線に沿う断面図、図13は図10のF−F線に沿う断面図である。なお、各図では、導電体箔102,104および誘電体シート107の巻回状態やコンデンサ素子101の厚みなどを誇張して図示している。また、最外側に位置する誘電体シートを図示省略している。
【0004】
このコンデンサ素子101は、同図に示すように、例えばアルミニウムなどの導電体箔102,104とプラスチックフィルムなどの誘電体シート107とを交互に重ね合わせて巻回した構造を具備する。これら導電体箔102,104と誘電体シート107とを巻回したターン数によって、図14の等価回路で示すように、二枚の導電体箔102,104で構成した一対の電極間の静電容量を持つコンデンサ素子101を形成している。
【0005】
このコンデンサ素子101では、一対の電極を構成する二枚の導電体箔102,104のうち、一方の導電体箔102の巻回側部102aを巻回方向の一方の側方に誘電体シート107よりも突出させて一括して加締め接続することにより一方の電極として引き出し、他方の導電体箔104の巻回側部104aを巻回方向の他方の側方に誘電体シート107よりも突出させて一括して加締め接続することにより他方の電極として引き出した構造を具備する。なお、図では、前述した加締め接続状態を図示省略して電極の引き出しを模式的に表している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平8−167539号公報
【特許文献2】特開2000−306768号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、前述した従来のコンデンサ装置では、コンデンサ素子101が、一方の導電体箔104の巻回側部104aを巻回方向の一方の側方に突出させて一括して加締め接続することにより一方の電極として引き出し、他方の導電体箔102の巻回側部102aを巻回方向の他方の側方に突出させて一括して加締め接続することにより他方の電極として引き出した構造を具備することから、以下のような課題を備えていた。
【0008】
つまり、一つのコンデンサ素子101で直列段数を増やした構成を得ようとした場合、一方の導電体箔104を巻回方向に対して分断し、その分断された導電体箔のそれぞれから別々の電極を引き出す構造が考えられる。
【0009】
しかしながら、前述のように一方の導電体箔104を巻回方向に対して分断したとしても、その分断された導電体箔のそれぞれは、その巻回側部104aを巻回方向の一方に突出させた構造であるため、分断された前後で二つの導電体箔が接触したり、あるいは、分断された二つの導電体箔が加締め接続により接触したりして電気的に接続された短絡状態となる。従って、一方の導電体箔104を巻回方向に対して分断することにより、一つのコンデンサ素子101で直列段数を増やした構成とすることができなかった。
【0010】
そこで、本発明は前述した課題に鑑みて提案されたもので、その目的とするところは、一方の導電体箔を巻回方向に対して分断することにより、一つのコンデンサ素子で直列段数を増やした構成とすることを実現容易にし得るコンデンサ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前述の目的を達成するための技術的手段として、本発明は、二枚の導電体箔を一対の電極としてその導電体箔間を誘電体シートにより絶縁した状態で所定のターン数巻回し、二枚の導電体箔のうち、一方の導電体箔の巻回側部を巻回方向の一方の側方に誘電体シートよりも突出させて一方の電極として引き出し、他方の導電体箔の巻回側部を巻回方向の他方の側方に誘電体シートよりも突出させて他方の電極として引き出したコンデンサ素子を有するコンデンサ装置であって、二枚の導電体箔のうち、少なくとも一方の導電体箔を巻回方向に対して分断し、その分断端部間に、コンデンサ素子を内部で複数の容量単位に分割する絶縁体シートを介在させて導電体箔と共に巻回し、その絶縁体シートの巻回側部を巻回方向の一方の側方で導電体箔の巻回側部間に介在させたことを特徴とする。
【0012】
本発明では、二枚の導電体箔のうち、少なくとも一方の導電体箔を巻回方向に対して分断し、その分断端部間に絶縁体シートを介在させて巻回し、その絶縁体シートの巻回側部を巻回方向の一方の側方で導電体箔の巻回側部間に介在させたことにより、コンデンサ素子を内部で複数の容量単位に分割することができる。その結果、一つのコンデンサ素子で直列段数を増やした構成とすることを実現容易となる。なお、前述のコンデンサ素子を内部で複数の容量単位に分割することで、直列段数を増やした構成以外に三相スター結線などの構成も可能である。
【0013】
なお、「少なくとも一方の導電体箔を巻回方向に対して分断」は、一方の導電体箔と他方の導電体箔の両方を分断することも含むことを意味し、このように一方の導電体箔と他方の導電体箔の両方を分断した場合、一つのコンデンサ素子で直列段数をより一層増やすことができる。
【0014】
本発明における絶縁体シートは、一方の導電体箔の分断端部を離隔配置し、その分断端部間で絶縁体シートの全部を一方の導電体箔と並置した構造が望ましい。このようにすれば、離隔配置された分断端部間に絶縁体シートの全部が介在することから、コンデンサ素子を内部で複数の容量単位に分割することが確実となり、また、導電体箔と絶縁体シートとを分離して巻回できるので巻回作業が容易となる。
【0015】
この場合、一方の導電体箔と同一分断位置で他方の導電体箔を巻回方向に対して分断し、その分断端部間の導電体箔を除去した構造が望ましい。このようにすれば、一方の導電体箔と他方の導電体箔の両方を同時に分断することができるので、分断作業の簡略化が図れてコスト低減が容易となる。
【0016】
本発明は、コンデンサ素子をケース内に収容して絶縁媒体に浸漬した構造のコンデンサ装置、つまり、電力用コンデンサに適用可能である。なお、本発明は、コンデンサ素子をケース内に収容して絶縁媒体に浸漬した電力量コンデンサ以外の構造を具備したコンデンサ装置にも適用可能である。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、二枚の導電体箔のうち、少なくとも一方の導電体箔を巻回方向に対して分断し、その分断端部間に絶縁体シートを介在させて導電体箔と共に巻回し、その絶縁体シートの巻回側部を巻回方向の一方の側方で導電体箔の巻回側部間に介在させたことにより、コンデンサ素子を内部で複数の容量単位に分割することができる。その結果、一つのコンデンサ素子で直列段数を増やした構成などにすることが実現容易となる。
【0018】
つまり、二枚の導電体箔のうち、一方の導電体箔の巻回側部を巻回方向の一方の側方に誘電体シートよりも突出させて一方の電極として引き出し、他方の導電体箔の巻回側部を巻回方向の他方の側方に誘電体シートよりも突出させて他方の電極として引き出した構造を有するコンデンサ素子であっても、一つのコンデンサ素子を内部で複数の容量単位に分割することが実現でき、コンデンサ素子の耐電圧向上などのニーズに対応することが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施形態で、コンデンサ素子を示す斜視図である。
【図2】図1のA方向矢視図である。
【図3】図1のB−B線に沿う断面図である。
【図4】図1のC−C線に沿う断面図である。
【図5】図1の実施形態で、絶縁体シートの一部を一方の導電体箔間に介挿した二直列のコンデンサ素子を示す等価回路図である。
【図6】本発明の他の実施形態で、絶縁体シートの一部を一方の導電体箔間に介挿した三相スター結線のコンデンサ素子を示す等価回路図である。
【図7】本発明の他の実施形態で、絶縁体シートの全部を一方の導電体箔間に配置した二直列のコンデンサ素子を示す等価回路図である。
【図8】本発明の他の実施形態で、絶縁体シートの全部を一方の導電体箔間に配置して他方の導電体箔を除去した二直列のコンデンサ素子を示す等価回路図である。
【図9】本発明の他の実施形態で、絶縁体シートの一部を両方の導電体箔間に配置した四直列のコンデンサ素子を示す等価回路図である。
【図10】従来のコンデンサ素子を示す斜視図である。
【図11】図10のD方向矢視図である。
【図12】図10のE−E線に沿う断面図である。
【図13】図10のF−F線に沿う断面図である。
【図14】図10のコンデンサ素子を示す等価回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明に係るコンデンサ装置の実施形態を以下に詳述する。なお、以下の実施形態では、コンデンサ素子をケース内に収容して絶縁媒体である絶縁油に浸漬した構造のコンデンサ装置、つまり、電力用コンデンサに適用した場合について説明するが、本発明は、コンデンサ素子をケース内に収容して絶縁油に浸漬した電力量コンデンサ以外の構造を具備したコンデンサ装置にも適用可能である。
【0021】
実施形態における電力用コンデンサに組み込まれるコンデンサ素子を図1〜図4に示す。図1はこの実施形態のコンデンサ素子を示す斜視図、図2は図1のA方向矢視図、図3は図1のB−B線に沿う断面図、図4は図1のC−C線に沿う断面図である。なお、各図では、導電体箔2,4,5および誘電体シート7の巻回状態やコンデンサ素子1の厚みなどを誇張して図示している。また、最外側に位置する誘電体シートを図示省略している。
【0022】
このコンデンサ素子1は、同図に示すように、例えばアルミニウムなどの導電体箔2,4,5とプラスチックフィルムなどの誘電体シート7とを交互に重ね合わせて巻回した構造を具備する。これら導電体箔2,4,5と誘電体シート7とを巻回したターン数によって、導電体箔2,4,5で構成した電極間の静電容量を持つコンデンサ素子1を形成している。
【0023】
このコンデンサ素子1では、電極を構成する導電体箔2,4,5のうち、一方の導電体箔4,5の巻回側部4a,5aを巻回方向の一方の側方に誘電体シート7よりも突出させて一括して加締め接続することにより一方の電極として引き出し、他方の導電体箔2の巻回側部2aを巻回方向の他方の側方に誘電体シート7よりも突出させて一括して加締め接続することにより他方の電極として引き出した構造を具備する。なお、図では、前述した加締め接続状態を図示省略して電極の引き出しを模式的に表している。
【0024】
ここで、導電体箔2,4,5のうち、一方の導電体箔4,5を巻回方向に対して分断し、その分断端部4b,5b間に、コンデンサ素子1を内部で複数の容量単位に分割する絶縁体シート8(図中一点鎖線参照)を介在させて巻回し、その絶縁体シート8の巻回側部8aを一方の導電体箔4,5と同様に巻回方向の一方の側方に誘電体シート7よりも突出させる。つまり、絶縁体シート8の巻回側部8aを巻回方向の一方の側方で導電体箔4,5の巻回側部4a,5a間に介在させる。なお、絶縁体シート8の巻回側部8aは、図4に示すように導電体箔4,5の巻回側部4a,5aよりも若干長く突出させることにより、加締め接続時の短絡を確実に防止する。
【0025】
このように、一方の導電体箔4,5を巻回方向に対して分断し、その分断端部4b,5b間に、コンデンサ素子1を内部で複数の容量単位に分割する絶縁体シート8を介在させて巻回し、その絶縁体シート8の巻回側部8aを巻回方向の一方の側方で導電体箔4,5の巻回側部4a,5a間に介在させたことにより、その導電体箔4,5の巻回側部4a,5aを巻回方向の一方の側方に突出させて導電体箔4の巻回端部4a同士を加締め接続すると共に導電体箔5の巻回端部5a同士を加締め接続すれば、絶縁体シート8が介在することから、分断された前後で二つの導電体箔4,5が接触したり、あるいは、分断された導電体箔4と導電体箔5とが加締め接続により接触したりして電気的に接続された短絡状態となることはない。
【0026】
この絶縁体シート8は、導電体箔4,5の1ターン以上の巻回長さを有し、一方の導電体箔4,5の分断端部4b,5b間に絶縁体シート8の一部を介挿し、その残部を導電体箔4,5と共に巻回させる。このように、絶縁体シート8が導電体箔4,5の1ターン以上の巻回長さを有することにより、絶縁体シート8の一部を導電体箔4,5の分断端部4b,5b間に介挿するだけで、絶縁体シート8の巻回側部8aを巻回方向の一方の側方で導電体箔4,5の巻回側部4a,5a間に介在させることができ、導電体箔4と導電体箔5とに確実に分断することができる。
【0027】
このように、二枚の導電体箔2,4,5のうち、一方の導電体箔4,5を巻回方向に対して一箇所で分断し、その分断端部4b,5b間に絶縁体シート8を介在させたことにより、図5の等価回路で示すように、コンデンサ素子1を二つのコンデンサ要素1a,1bに分割し、一つのコンデンサ素子1で直列段数を増やして二つのコンデンサ要素1a,1bを直列接続した構成と等価なものにすることができる。
【0028】
前述のように、一方の導電体箔4,5を巻回方向に対して一箇所で分断し、その分断端部4b,5b間に絶縁体シート8を介在させて巻回した場合、二つのコンデンサ要素1a,1bを直列接続した構成が可能であるが、図6の等価回路で示すように、この一方の導電体箔4,5,6を巻回方向に対して二箇所で分断し、それぞれの分断端部間に絶縁体シート8を介在させて巻回すれば、三つのコンデンサ要素1a,1b,1cを三相スター結線で接続した構成と等価なものが可能となる。
【0029】
以上の実施形態では、一方の導電体箔4,5の分断端部間に絶縁体シート8の一部を介挿し、その残部を導電体箔4,5と共に巻回させる構造としたが、このような構造以外に、図7の等価回路で示すように、一方の導電体箔4,5の分断端部を離隔配置し、その分断端部間で絶縁体シート8の全部を一方の導電体箔4,5と並置して巻回した構造が可能である。このように絶縁体シート8を配置することにより、離隔配置された分断端部間に絶縁体シート8の全部が介在することから、コンデンサ素子1を複数のコンデンサ要素1a,1bに分割することが確実となり、また、導電体箔4,5と絶縁体シート8とを分離して巻回できるので巻回作業が容易となる。なお、この場合も、絶縁体シート8の巻回側部8aを巻回方向の一方の側方で導電体箔4,5の巻回側部4a,5a間に介在させるため、絶縁体シート8が導電体箔4,5の1ターン以上の巻回長さを有する必要がある。
【0030】
この場合、図8の等価回路で示すように、一方の導電体箔4,5と同一分断位置で他方の導電体箔2,3を巻回方向に対して分断し、その分断端部間の導電体箔を除去した構造も可能である。このように分断端部間の導電体箔を除去することにより、コンデンサ素子1を製造するに際して、一方の導電体箔4,5と他方の導電体箔2,3の両方を同時に分断することができるので、分断作業の簡略化が図れてコスト低減が容易となる。
【0031】
以上の実施形態では、一方の導電体箔4,5のみを巻回方向に対して分断した場合について説明したが、一方の導電体箔4,5と他方の導電体箔2,3の両方を分断し、それぞれの分断端部間に絶縁体シート8を介在させることも可能である。例えば、図9の等価回路で示すように、一方の導電体箔4,5を巻回方向に対して二箇所で分断し、他方の導電体箔2,3を巻回方向に対して一箇所で分断する。このように一方の導電体箔4,5と他方の導電体箔2,3の両方を分断し、それぞれの分断端部間に絶縁体シート8を介在させることにより、一つのコンデンサ素子1で直列段数をより一層増やして四つのコンデンサ要素1a〜1dを直列接続した構成と等価なものにすることができる。
【0032】
本発明は前述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
【符号の説明】
【0033】
1 コンデンサ素子
2 他方の導電体箔
4,5 一方の導電体箔
7 誘電体シート
8 絶縁体シート
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、電力用コンデンサなどのように、二枚の導電体箔を一対の電極として導電体箔の間を誘電体シートにより絶縁した状態で巻回し、その電極間の静電容量によりコンデンサ素子を形成したコンデンサ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電力用として使用されるコンデンサ装置には、二枚の導電体箔を一対の電極としてそれら導電体箔の間を誘電体シートにより絶縁した状態で導電体箔と誘電体シートとを重合して巻回し、その電極間の静電容量によりコンデンサ素子を形成し、このコンデンサ素子をケースに収容して絶縁油に浸漬した構造を具備した電力用コンデンサがある(例えば、特許文献1,2参照)。
【0003】
この種のコンデンサ装置に組み込まれるコンデンサ素子101を図10〜図13に示す。図10は従来のコンデンサ素子101を示す斜視図、図11は図10のD方向矢視図、図12は図10のE−E線に沿う断面図、図13は図10のF−F線に沿う断面図である。なお、各図では、導電体箔102,104および誘電体シート107の巻回状態やコンデンサ素子101の厚みなどを誇張して図示している。また、最外側に位置する誘電体シートを図示省略している。
【0004】
このコンデンサ素子101は、同図に示すように、例えばアルミニウムなどの導電体箔102,104とプラスチックフィルムなどの誘電体シート107とを交互に重ね合わせて巻回した構造を具備する。これら導電体箔102,104と誘電体シート107とを巻回したターン数によって、図14の等価回路で示すように、二枚の導電体箔102,104で構成した一対の電極間の静電容量を持つコンデンサ素子101を形成している。
【0005】
このコンデンサ素子101では、一対の電極を構成する二枚の導電体箔102,104のうち、一方の導電体箔102の巻回側部102aを巻回方向の一方の側方に誘電体シート107よりも突出させて一括して加締め接続することにより一方の電極として引き出し、他方の導電体箔104の巻回側部104aを巻回方向の他方の側方に誘電体シート107よりも突出させて一括して加締め接続することにより他方の電極として引き出した構造を具備する。なお、図では、前述した加締め接続状態を図示省略して電極の引き出しを模式的に表している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平8−167539号公報
【特許文献2】特開2000−306768号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、前述した従来のコンデンサ装置では、コンデンサ素子101が、一方の導電体箔104の巻回側部104aを巻回方向の一方の側方に突出させて一括して加締め接続することにより一方の電極として引き出し、他方の導電体箔102の巻回側部102aを巻回方向の他方の側方に突出させて一括して加締め接続することにより他方の電極として引き出した構造を具備することから、以下のような課題を備えていた。
【0008】
つまり、一つのコンデンサ素子101で直列段数を増やした構成を得ようとした場合、一方の導電体箔104を巻回方向に対して分断し、その分断された導電体箔のそれぞれから別々の電極を引き出す構造が考えられる。
【0009】
しかしながら、前述のように一方の導電体箔104を巻回方向に対して分断したとしても、その分断された導電体箔のそれぞれは、その巻回側部104aを巻回方向の一方に突出させた構造であるため、分断された前後で二つの導電体箔が接触したり、あるいは、分断された二つの導電体箔が加締め接続により接触したりして電気的に接続された短絡状態となる。従って、一方の導電体箔104を巻回方向に対して分断することにより、一つのコンデンサ素子101で直列段数を増やした構成とすることができなかった。
【0010】
そこで、本発明は前述した課題に鑑みて提案されたもので、その目的とするところは、一方の導電体箔を巻回方向に対して分断することにより、一つのコンデンサ素子で直列段数を増やした構成とすることを実現容易にし得るコンデンサ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前述の目的を達成するための技術的手段として、本発明は、二枚の導電体箔を一対の電極としてその導電体箔間を誘電体シートにより絶縁した状態で所定のターン数巻回し、二枚の導電体箔のうち、一方の導電体箔の巻回側部を巻回方向の一方の側方に誘電体シートよりも突出させて一方の電極として引き出し、他方の導電体箔の巻回側部を巻回方向の他方の側方に誘電体シートよりも突出させて他方の電極として引き出したコンデンサ素子を有するコンデンサ装置であって、二枚の導電体箔のうち、少なくとも一方の導電体箔を巻回方向に対して分断し、その分断端部間に、コンデンサ素子を内部で複数の容量単位に分割する絶縁体シートを介在させて導電体箔と共に巻回し、その絶縁体シートの巻回側部を巻回方向の一方の側方で導電体箔の巻回側部間に介在させたことを特徴とする。
【0012】
本発明では、二枚の導電体箔のうち、少なくとも一方の導電体箔を巻回方向に対して分断し、その分断端部間に絶縁体シートを介在させて巻回し、その絶縁体シートの巻回側部を巻回方向の一方の側方で導電体箔の巻回側部間に介在させたことにより、コンデンサ素子を内部で複数の容量単位に分割することができる。その結果、一つのコンデンサ素子で直列段数を増やした構成とすることを実現容易となる。なお、前述のコンデンサ素子を内部で複数の容量単位に分割することで、直列段数を増やした構成以外に三相スター結線などの構成も可能である。
【0013】
なお、「少なくとも一方の導電体箔を巻回方向に対して分断」は、一方の導電体箔と他方の導電体箔の両方を分断することも含むことを意味し、このように一方の導電体箔と他方の導電体箔の両方を分断した場合、一つのコンデンサ素子で直列段数をより一層増やすことができる。
【0014】
本発明における絶縁体シートは、一方の導電体箔の分断端部を離隔配置し、その分断端部間で絶縁体シートの全部を一方の導電体箔と並置した構造が望ましい。このようにすれば、離隔配置された分断端部間に絶縁体シートの全部が介在することから、コンデンサ素子を内部で複数の容量単位に分割することが確実となり、また、導電体箔と絶縁体シートとを分離して巻回できるので巻回作業が容易となる。
【0015】
この場合、一方の導電体箔と同一分断位置で他方の導電体箔を巻回方向に対して分断し、その分断端部間の導電体箔を除去した構造が望ましい。このようにすれば、一方の導電体箔と他方の導電体箔の両方を同時に分断することができるので、分断作業の簡略化が図れてコスト低減が容易となる。
【0016】
本発明は、コンデンサ素子をケース内に収容して絶縁媒体に浸漬した構造のコンデンサ装置、つまり、電力用コンデンサに適用可能である。なお、本発明は、コンデンサ素子をケース内に収容して絶縁媒体に浸漬した電力量コンデンサ以外の構造を具備したコンデンサ装置にも適用可能である。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、二枚の導電体箔のうち、少なくとも一方の導電体箔を巻回方向に対して分断し、その分断端部間に絶縁体シートを介在させて導電体箔と共に巻回し、その絶縁体シートの巻回側部を巻回方向の一方の側方で導電体箔の巻回側部間に介在させたことにより、コンデンサ素子を内部で複数の容量単位に分割することができる。その結果、一つのコンデンサ素子で直列段数を増やした構成などにすることが実現容易となる。
【0018】
つまり、二枚の導電体箔のうち、一方の導電体箔の巻回側部を巻回方向の一方の側方に誘電体シートよりも突出させて一方の電極として引き出し、他方の導電体箔の巻回側部を巻回方向の他方の側方に誘電体シートよりも突出させて他方の電極として引き出した構造を有するコンデンサ素子であっても、一つのコンデンサ素子を内部で複数の容量単位に分割することが実現でき、コンデンサ素子の耐電圧向上などのニーズに対応することが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施形態で、コンデンサ素子を示す斜視図である。
【図2】図1のA方向矢視図である。
【図3】図1のB−B線に沿う断面図である。
【図4】図1のC−C線に沿う断面図である。
【図5】図1の実施形態で、絶縁体シートの一部を一方の導電体箔間に介挿した二直列のコンデンサ素子を示す等価回路図である。
【図6】本発明の他の実施形態で、絶縁体シートの一部を一方の導電体箔間に介挿した三相スター結線のコンデンサ素子を示す等価回路図である。
【図7】本発明の他の実施形態で、絶縁体シートの全部を一方の導電体箔間に配置した二直列のコンデンサ素子を示す等価回路図である。
【図8】本発明の他の実施形態で、絶縁体シートの全部を一方の導電体箔間に配置して他方の導電体箔を除去した二直列のコンデンサ素子を示す等価回路図である。
【図9】本発明の他の実施形態で、絶縁体シートの一部を両方の導電体箔間に配置した四直列のコンデンサ素子を示す等価回路図である。
【図10】従来のコンデンサ素子を示す斜視図である。
【図11】図10のD方向矢視図である。
【図12】図10のE−E線に沿う断面図である。
【図13】図10のF−F線に沿う断面図である。
【図14】図10のコンデンサ素子を示す等価回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明に係るコンデンサ装置の実施形態を以下に詳述する。なお、以下の実施形態では、コンデンサ素子をケース内に収容して絶縁媒体である絶縁油に浸漬した構造のコンデンサ装置、つまり、電力用コンデンサに適用した場合について説明するが、本発明は、コンデンサ素子をケース内に収容して絶縁油に浸漬した電力量コンデンサ以外の構造を具備したコンデンサ装置にも適用可能である。
【0021】
実施形態における電力用コンデンサに組み込まれるコンデンサ素子を図1〜図4に示す。図1はこの実施形態のコンデンサ素子を示す斜視図、図2は図1のA方向矢視図、図3は図1のB−B線に沿う断面図、図4は図1のC−C線に沿う断面図である。なお、各図では、導電体箔2,4,5および誘電体シート7の巻回状態やコンデンサ素子1の厚みなどを誇張して図示している。また、最外側に位置する誘電体シートを図示省略している。
【0022】
このコンデンサ素子1は、同図に示すように、例えばアルミニウムなどの導電体箔2,4,5とプラスチックフィルムなどの誘電体シート7とを交互に重ね合わせて巻回した構造を具備する。これら導電体箔2,4,5と誘電体シート7とを巻回したターン数によって、導電体箔2,4,5で構成した電極間の静電容量を持つコンデンサ素子1を形成している。
【0023】
このコンデンサ素子1では、電極を構成する導電体箔2,4,5のうち、一方の導電体箔4,5の巻回側部4a,5aを巻回方向の一方の側方に誘電体シート7よりも突出させて一括して加締め接続することにより一方の電極として引き出し、他方の導電体箔2の巻回側部2aを巻回方向の他方の側方に誘電体シート7よりも突出させて一括して加締め接続することにより他方の電極として引き出した構造を具備する。なお、図では、前述した加締め接続状態を図示省略して電極の引き出しを模式的に表している。
【0024】
ここで、導電体箔2,4,5のうち、一方の導電体箔4,5を巻回方向に対して分断し、その分断端部4b,5b間に、コンデンサ素子1を内部で複数の容量単位に分割する絶縁体シート8(図中一点鎖線参照)を介在させて巻回し、その絶縁体シート8の巻回側部8aを一方の導電体箔4,5と同様に巻回方向の一方の側方に誘電体シート7よりも突出させる。つまり、絶縁体シート8の巻回側部8aを巻回方向の一方の側方で導電体箔4,5の巻回側部4a,5a間に介在させる。なお、絶縁体シート8の巻回側部8aは、図4に示すように導電体箔4,5の巻回側部4a,5aよりも若干長く突出させることにより、加締め接続時の短絡を確実に防止する。
【0025】
このように、一方の導電体箔4,5を巻回方向に対して分断し、その分断端部4b,5b間に、コンデンサ素子1を内部で複数の容量単位に分割する絶縁体シート8を介在させて巻回し、その絶縁体シート8の巻回側部8aを巻回方向の一方の側方で導電体箔4,5の巻回側部4a,5a間に介在させたことにより、その導電体箔4,5の巻回側部4a,5aを巻回方向の一方の側方に突出させて導電体箔4の巻回端部4a同士を加締め接続すると共に導電体箔5の巻回端部5a同士を加締め接続すれば、絶縁体シート8が介在することから、分断された前後で二つの導電体箔4,5が接触したり、あるいは、分断された導電体箔4と導電体箔5とが加締め接続により接触したりして電気的に接続された短絡状態となることはない。
【0026】
この絶縁体シート8は、導電体箔4,5の1ターン以上の巻回長さを有し、一方の導電体箔4,5の分断端部4b,5b間に絶縁体シート8の一部を介挿し、その残部を導電体箔4,5と共に巻回させる。このように、絶縁体シート8が導電体箔4,5の1ターン以上の巻回長さを有することにより、絶縁体シート8の一部を導電体箔4,5の分断端部4b,5b間に介挿するだけで、絶縁体シート8の巻回側部8aを巻回方向の一方の側方で導電体箔4,5の巻回側部4a,5a間に介在させることができ、導電体箔4と導電体箔5とに確実に分断することができる。
【0027】
このように、二枚の導電体箔2,4,5のうち、一方の導電体箔4,5を巻回方向に対して一箇所で分断し、その分断端部4b,5b間に絶縁体シート8を介在させたことにより、図5の等価回路で示すように、コンデンサ素子1を二つのコンデンサ要素1a,1bに分割し、一つのコンデンサ素子1で直列段数を増やして二つのコンデンサ要素1a,1bを直列接続した構成と等価なものにすることができる。
【0028】
前述のように、一方の導電体箔4,5を巻回方向に対して一箇所で分断し、その分断端部4b,5b間に絶縁体シート8を介在させて巻回した場合、二つのコンデンサ要素1a,1bを直列接続した構成が可能であるが、図6の等価回路で示すように、この一方の導電体箔4,5,6を巻回方向に対して二箇所で分断し、それぞれの分断端部間に絶縁体シート8を介在させて巻回すれば、三つのコンデンサ要素1a,1b,1cを三相スター結線で接続した構成と等価なものが可能となる。
【0029】
以上の実施形態では、一方の導電体箔4,5の分断端部間に絶縁体シート8の一部を介挿し、その残部を導電体箔4,5と共に巻回させる構造としたが、このような構造以外に、図7の等価回路で示すように、一方の導電体箔4,5の分断端部を離隔配置し、その分断端部間で絶縁体シート8の全部を一方の導電体箔4,5と並置して巻回した構造が可能である。このように絶縁体シート8を配置することにより、離隔配置された分断端部間に絶縁体シート8の全部が介在することから、コンデンサ素子1を複数のコンデンサ要素1a,1bに分割することが確実となり、また、導電体箔4,5と絶縁体シート8とを分離して巻回できるので巻回作業が容易となる。なお、この場合も、絶縁体シート8の巻回側部8aを巻回方向の一方の側方で導電体箔4,5の巻回側部4a,5a間に介在させるため、絶縁体シート8が導電体箔4,5の1ターン以上の巻回長さを有する必要がある。
【0030】
この場合、図8の等価回路で示すように、一方の導電体箔4,5と同一分断位置で他方の導電体箔2,3を巻回方向に対して分断し、その分断端部間の導電体箔を除去した構造も可能である。このように分断端部間の導電体箔を除去することにより、コンデンサ素子1を製造するに際して、一方の導電体箔4,5と他方の導電体箔2,3の両方を同時に分断することができるので、分断作業の簡略化が図れてコスト低減が容易となる。
【0031】
以上の実施形態では、一方の導電体箔4,5のみを巻回方向に対して分断した場合について説明したが、一方の導電体箔4,5と他方の導電体箔2,3の両方を分断し、それぞれの分断端部間に絶縁体シート8を介在させることも可能である。例えば、図9の等価回路で示すように、一方の導電体箔4,5を巻回方向に対して二箇所で分断し、他方の導電体箔2,3を巻回方向に対して一箇所で分断する。このように一方の導電体箔4,5と他方の導電体箔2,3の両方を分断し、それぞれの分断端部間に絶縁体シート8を介在させることにより、一つのコンデンサ素子1で直列段数をより一層増やして四つのコンデンサ要素1a〜1dを直列接続した構成と等価なものにすることができる。
【0032】
本発明は前述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
【符号の説明】
【0033】
1 コンデンサ素子
2 他方の導電体箔
4,5 一方の導電体箔
7 誘電体シート
8 絶縁体シート
【特許請求の範囲】
【請求項1】
二枚の導電体箔を一対の電極として前記導電体箔の間を誘電体シートにより絶縁した状態で所定のターン数巻回し、前記二枚の導電体箔のうち、一方の導電体箔の巻回側部を巻回方向の一方の側方に前記誘電体シートよりも突出させて一方の電極として引き出し、他方の導電体箔の巻回側部を巻回方向の他方の側方に前記誘電体シートよりも突出させて他方の電極として引き出したコンデンサ素子を有するコンデンサ装置であって、
前記二枚の導電体箔のうち、少なくとも一方の導電体箔を巻回方向に対して分断し、その分断端部間に、コンデンサ素子を内部で複数の容量単位に分割する絶縁体シートを介在させて前記導電体箔と共に巻回し、その絶縁体シートの巻回側部を巻回方向の一方の側方で前記導電体箔の巻回側部間に介在させたことを特徴とするコンデンサ装置。
【請求項2】
前記絶縁体シートは、前記一方の導電体箔の分断端部を離隔配置し、その分断端部間に絶縁体シートの全部を前記一方の導電体箔と並置した請求項1に記載のコンデンサ装置。
【請求項3】
前記一方の導電体箔と同一分断位置で前記他方の導電体箔を巻回方向に対して分断し、その分断端部間の導電体箔を除去した請求項2に記載のコンデンサ装置。
【請求項4】
前記コンデンサ素子をケース内に収容して絶縁媒体に浸漬した請求項1〜3のいずれか一項に記載のコンデンサ装置。
【請求項1】
二枚の導電体箔を一対の電極として前記導電体箔の間を誘電体シートにより絶縁した状態で所定のターン数巻回し、前記二枚の導電体箔のうち、一方の導電体箔の巻回側部を巻回方向の一方の側方に前記誘電体シートよりも突出させて一方の電極として引き出し、他方の導電体箔の巻回側部を巻回方向の他方の側方に前記誘電体シートよりも突出させて他方の電極として引き出したコンデンサ素子を有するコンデンサ装置であって、
前記二枚の導電体箔のうち、少なくとも一方の導電体箔を巻回方向に対して分断し、その分断端部間に、コンデンサ素子を内部で複数の容量単位に分割する絶縁体シートを介在させて前記導電体箔と共に巻回し、その絶縁体シートの巻回側部を巻回方向の一方の側方で前記導電体箔の巻回側部間に介在させたことを特徴とするコンデンサ装置。
【請求項2】
前記絶縁体シートは、前記一方の導電体箔の分断端部を離隔配置し、その分断端部間に絶縁体シートの全部を前記一方の導電体箔と並置した請求項1に記載のコンデンサ装置。
【請求項3】
前記一方の導電体箔と同一分断位置で前記他方の導電体箔を巻回方向に対して分断し、その分断端部間の導電体箔を除去した請求項2に記載のコンデンサ装置。
【請求項4】
前記コンデンサ素子をケース内に収容して絶縁媒体に浸漬した請求項1〜3のいずれか一項に記載のコンデンサ装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−192783(P2011−192783A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−57373(P2010−57373)
【出願日】平成22年3月15日(2010.3.15)
【出願人】(000003942)日新電機株式会社 (328)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月15日(2010.3.15)
【出願人】(000003942)日新電機株式会社 (328)
【Fターム(参考)】
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