説明

コードレス電飾什器

【課題】 蓄電池を電源としても長時間発光することができるため、使用時に電源コードが不要なコードレス電飾什器を提供すること。
【解決手段】 冷陰極放電ランプ11と、蓄電池5と、蓄電池5を電源として冷陰極放電ランプ11を駆動する駆動回路6と、冷陰極放電ランプ11を覆う透明又は半透明のカバー12とを組み立てて成る。カバー12をトルソー型としても良い。蓄電池5及び駆動回路6を支持するベース17と、冷陰極放電ランプ11及びカバー12を支持する上部ベース13とが、長さ調節可能なシャフトで連結されることもある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品展示用として好適なコードレス電飾什器に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、特に客の注意を引きたい商品は、マネキンに着せたり、単独で支柱に掛けたりして、目立つように展示している。
ところが、このような展示方法は非常にありきたりであって、特別な注意を引きにくく、展示効果が上がりにくい。
そこで、従来、支柱に照明用光源及び被展示体を係止する係止部を設け、照明用光源により被展示体を照明して、引き立てることができる展示用スタンドが提案されている(特許文献1参照)。
また、内部に照明体を設置したマネキンボディも公知である(特許文献2参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平7−313312号公報
【特許文献2】実開平7−44526号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記従来のものは、照明体と外部電源とを接続する電源コードが設けられているので、雑然とした印象を与えて体裁が悪いばかりか、売場の床に配線する必要があって段差が発生しやすく、この段差や電源コードに歩行者が躓いたり、物を引っ掛ける心配がある。
本発明が解決しようとする課題は、消費電力が少なく、蓄電池を電源としても長時間発光し続けるため、使用時に電源コードが不要であると共に、床への配線も必要ないコードレス電飾什器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のコードレス電飾什器は、冷陰極放電ランプと、蓄電池と、該蓄電池を電源として前記冷陰極放電ランプを駆動する駆動回路と、前記冷陰極放電ランプを覆う透明又は半透明のカバーとを組み立てて成る。
前記カバーをトルソー型としても良い。
前記蓄電池及び駆動回路を支持するベースと、前記冷陰極放電ランプ及びカバーを支持する上部ベースとが、長さ調節可能なシャフトで連結されることがある。
【発明の効果】
【0006】
請求項1に係る発明によれば、消費電力が少ない冷陰極放電ランプを光源として用いることにより、蓄電池を電源としても長時間発光させることができ、この結果、使用時に電源コードが不要となって、体裁が良くなるばかりか、歩行者が躓いたり、物に引っかかることが無く、床に配線する必要も無いので、段差ができにくい。
請求項2に係る発明によれば、服飾品を人体の装着位置に相当する部分に取り付けて陳列すると、高い展示効果が得られる。
請求項3に係る発明によれば、設置空間の広さや高さに応じて、全体の高さを変更することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の実施例を、図面に基づいて詳細に説明する。
【実施例1】
【0008】
図1は、実施例1に係るコードレス電飾什器の分解斜視図、図2は、組み立てた状態の正面図、図3は、各部材の電気的接続関係を示す説明図である。
コードレス電飾什器は、図1に示すように、それぞれ冷陰極放電ランプ11を有する1対の発光ユニット8,9と、蓄電池5と、蓄電池5を電源として冷陰極放電ランプ11を駆動するインバータ等より成る駆動回路6と、発光ユニット8,9を覆うカバー12と、蓄電池5及び駆動回路6を支持するベース17と、発光ユニット8,9及びカバー12を支持する上部ベース13とを組み立てて成る。
【0009】
ベース17は中空箱形であり、その底板18は取り外し可能であって、底板18の上面に蓄電池5及び駆動回路6が取り付けられる。
また、底板18の上面縁部には、深放電防止保護回路3及び点灯・消灯スイッチ4が装着され、図3に示すように、点灯・消灯スイッチ4,蓄電池5及び駆動回路6がそれぞれ深放電防止保護回路3へそれぞれ電気的に接続されている。
そして、底板18をベース17の下面にビス19で固定すると、蓄電池5及び駆動回路6がベース17の内部に収納されると共に、深放電防止保護回路3及び点灯・消灯スイッチ4が外部に露出し、点灯・消灯スイッチ4を外部から操作でき、深放電防止保護回路3に充電器1のコネクタ2を着脱できるようになっている。
【0010】
なお、深放電防止保護回路3には、充電用コネクタ感電防止回路及び短絡防止回路が組み込まれている。
また、図1及び図2に示すように、ベース17の上面中心部には中空の下部シャフト16が立設され、底板18の下面四隅部にはそれぞれキャスタ20が装着されて、コードレス電飾什器を簡単に移動できるようになっている。
【0011】
上部ベース13は中空箱形であり、その上面に一対の発光ユニット8,9が平行に立設されている。
各発光ユニット8,9は、上下に対向したソケット25と、上下のソケット25を適宜間隔をあけて支持する支持シャフト26と、上下のソケット25間に支持シャフト26と平行に架設された透明アクリル製の保護パイプ10と、保護パイプ10に挿通されて上下のソケット25にはめ込まれた冷陰極放電ランプ11とを備える。
上部ベース13の下面中心部には、下部シャフト16の外径より僅かに大きい内径を有する上部シャフト15の上端が取り付けられている。
【0012】
上部シャフト15の下端部は下部シャフト16の上端部外周に摺動自在に嵌合され、上部シャフト15の下端寄りを貫通するネジ孔に外面から止めネジ14が螺合されている。
従って、上部シャフト15を下部シャフト16に対して摺動させて、止めネジ14をねじ込むことにより、上部シャフト15及び下部シャフト16から成るシャフトの長さを適宜調節して、その長さで固定することができる。
また、シャフト15,16に挿通された高耐圧シリコン被覆線7を介して、駆動回路6と発光ユニット8,9のソケット25とが接続されている(図3)。
【0013】
カバー12は、透明又は半透明の繊維補強プラスチックを素材とし、頭部及び両手足部の無い人体形状の所謂トルソ型に形成されている。
また、カバー12の両脚部の下面は開口しており、この開口を通してそれぞれ発光ユニット8,9をカバー12の内部に挿入し、カバー12の両脚下端面を上部ベース13の上面に載置する。
冷陰極放電ランプ11を点灯すると、透明又は半透明のカバー12を通して発光し、照明効果と共に高い装飾効果が得られる。
なお、冷陰極放電ランプ11は保護パイプ10に挿通されて保護されているので、カバー12を着脱する際に、冷陰極放電ランプ11にぶつかってこれを破損させることが無い。
【0014】
冷陰極放電ランプ11は消費電力が少ないので、コードレス電飾什器を使用しない時間、例えば休日、閉店時間、昼間等に、充電器1のコネクタ2を深放電防止保護回路3へ接続し、外部電源から蓄電池5に充電しておけば、夜間の営業中は冷陰極放電ランプ11の発光を継続することができる。
また、カバー12はトルソー型なので、下着等の服飾品を人体の装着位置に相当する部分へ取り付けると、高い陳列効果が得られ、内側からの光によっていっそう注意を引き付けることができる。
【実施例2】
【0015】
図4は、実施例2に係るコードレス電飾什器の分解斜視図、図5は、コードレス電飾什器の正面図である。
このコードレス電飾什器は、いわゆる行灯型であって、そのカバー12’は、薄厚の箱形に組み立てられたフレーム22と、フレーム22の前後面に取り外し可能に装着された透明又は半透明の透光板21とを有する。
フレーム22の前部裏面には、矩形枠27が上方へ突出するよう取り付けられ、フレーム22の下部の左右前後部には、支持脚28が設けられる。支持脚28の下端にそれぞれキャスタ20が装着されている。
透光板21は、透明アクリル等を素材とし、フレーム22の幅よりも狭く、矩形枠27の幅よりも広く形成され、矩形枠27の下端から上端を覆う高さを有する。
従って、フレーム22の両側部は、透光板21が配置されずに露出しており、この部分を利用して陳列品支持具等を吊り下げることができる。
【0016】
また、本実施例のコードレス電飾什器は、上部ベース13を備えておらず、ベース17の上面に発光ユニット23,24が立設され、さらにその上方に発光ユニット8,9が設けられる。
発光ユニット8,9,23,24は、実施例1の発光ユニット8,9と同様の構造を有する。
ベース17内には一対のインバータから成る駆動回路6が収納され、一方の駆動回路6が下段の発光ユニット23,24に接続され、他方の駆動回路6が上段の発光ユニット8,9に接続されている。
【0017】
そして、ベース17はフレーム22の下方において支持脚28の中央部に取り付けられ、ベース17の上面に起立した発光ユニット8,9,23,24は、カバー12’の内部に収納されている。
その他の構成及び使用方法は、実施例1とほぼ同様なので、同一部分同一符号を付して、詳細な説明を省略する。
なお、カバーの形状は、上記実施例1に限定されず、円柱型灯の他の形状とすることができ、発光ユニットの長さ、数、配置個所等は、カバーの大きさや形状に応じて適宜変更することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】実施例1を示すコードレス電飾什器の分解斜視図。
【図2】実施例1を示すコードレス電飾什器の正面図。
【図3】実施例1において各部材の電気的接続関係を示す説明図。
【図4】実施例2を示すコードレス電飾什器の分解斜視図。
【図5】実施例2を示すコードレス電飾什器の正面図。
【符号の説明】
【0019】
1 充電器
2 コネクタ
3 深放電防止保護回路
4 点灯・消灯スイッチ
5 蓄電池
6 駆動回路
7 高耐圧シリコン被覆線
8,9 発光ユニット
10 保護パイプ
11 冷陰極放電ランプ
12,12’ カバー
13 上部ベース
14 止めネジ
15 上部シャフト
16 下部シャフト
17 ベース
18 底板
19 ビス
20 キャスタ
21 透光板
22 フレーム
23,24 発光ユニット
25 ソケット
26 支持シャフト
27 矩形枠
28 支持脚

【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷陰極放電ランプと、蓄電池と、該蓄電池を電源として前記冷陰極放電ランプを駆動する駆動回路と、前記冷陰極放電ランプを覆う透明又は半透明のカバーとを組み立てて成るコードレス電飾什器。
【請求項2】
前記カバーがトルソー型である請求項1に記載のコードレス電飾什器。
【請求項3】
前記蓄電池及び駆動回路を支持するベースと、前記冷陰極放電ランプ及びカバーを支持する上部ベースとが、長さ調節可能なシャフトで連結されている請求項1又は2に記載のコードレス電飾什器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−81620(P2006−81620A)
【公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−267308(P2004−267308)
【出願日】平成16年9月14日(2004.9.14)
【出願人】(593104039)トリンプ・インターナショナル・ジャパン株式会社 (26)
【Fターム(参考)】