説明

ゴミ収容袋

【課題】合成樹脂被膜のような可撓性材料で造られたゴミ袋本体でありながら、悪臭や水分の放出を防止できるようにしたこと、自己責任でゴミを出す事に責任をもたせられることでありながら、個人のプライバシイを保たせることができるゴミ収容袋を提供すること。
【解決手段】
上端部が開放され合成樹脂被膜のような可撓性材料で造られ、内部がゴミの収容部となっているゴミ袋本体であって、該ゴミ袋本体の底部から一定間隔で上方に設けた一条乃至数条の水平な隔壁と、この隔壁中その最下段と上記ゴミ袋本体の底部との間に形成させた汚水の溜室と、上記隔壁に間欠的に設けられ、この隔壁の横方向にあって上下端が上記ゴミ袋本体内部と溜室とに開放された複数の汚水の流通路とからなっていること。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般家庭の生ゴミなどを収容する袋の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
一般家庭の生ゴミなどはその回収作業が、社会的な大問題となっており、現在ではその回収作業をスムーズに行って貰うために、かかる生ゴミを家庭等で収容袋に入れ、所定の場所,所定の日時にこれを回収してもらう制度が一般的である。
【0003】
しかしこの種の回収制度では、家庭内にかかるゴミ収容袋を数日間保管することから、生ゴミの水分などにより腐敗が促進され悪臭が室内に充満し、また所定の場所まで搬送する際および所定の場所の回収作業を待つ間に破れ水分が滲み出し、辺りを汚すなどの山積する問題があった。
【0004】
而して従来このような目的で、なされた発明乃至考案としては、ゴミが収容されたゴミ袋本体の隅を容易に切れるようにした構成の考案(特許文献1)や、ゴミ袋本体の底部を三角状としたものや、かつ水抜き孔を設けたもの(特許文献2,3,4,5)がある。
【0005】
しかし、これらはいずれも生ゴミから発生する水分や、ペットボトルの飲み残しなどの水分を早く放出する目的でなされたものであり、これではゴミ回収に至るまでの家庭での保管時や、ゴミ回収場所への搬送時やゴミ回収場所への設置時に、かかる汚水が流出し周囲を汚し悪臭を発する。
【0006】
【特許文献1】実開平6−18303号明細書
【特許文献2】実開平6−82003号明細書
【特許文献3】特開平9−02604号明細書
【特許文献4】特開平9−315507号明細書
【特許文献5】実用登録3048482号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
而して本発明の主な目的は、上端部が開放され合成樹脂被膜のような可撓性材料で造られたゴミ袋本体でありながら、悪臭や水分の放出を防止できるようにしたこと、自己責任でゴミを出す事に責任をもたせられることでありながら、個人のプライバシイを擁護できるゴミ収容袋を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
而して本発明ゴミ収容袋の特徴とするところは、上端部が開放され合成樹脂被膜のような可撓性材料で造られ、内部がゴミの収容部となっているゴミ袋本体であって、該ゴミ袋本体の底部から一定間隔で上方に設けた一条乃至数条の水平な隔壁と、この隔壁中その最下段と上記ゴミ袋本体の底部との間に形成させた汚水の溜室と、上記隔壁に間欠的に設けられ、この隔壁の横方向にあって上下端が上記ゴミ袋本体内部と溜室とに開放された複数の汚水の流通路とからなっていることである。
【0009】
他に本発明ゴミ収容袋の特徴とするところは、上記隔壁が二条以上の場合、各条の流通路は上下の関係に於いて、隣接する隔壁との間で千鳥状となしたことである。
他に本発明ゴミ収容袋の特徴とするところは、上記ゴミ袋本体の上端両側から上方に突出させた一対の握り手と、該握り手の上端部に設けた一対のマジックテープのような主連着部材と、上記両握り手のそれぞれの根元の間に設けた一対の副連着部材とからなることである。
【0010】
他に本発明ゴミ収容袋の特徴とするところは、上記ゴミ袋本体に設けられ利用者の名前が記載されたカード挿入あるいは名前が記載できるようにしたことである。
【0011】
他に本発明ゴミ収容袋の特徴とするところは、上記ゴミ袋本体に広告文などが掲示できるサークルを設けたことである。
【0012】
他に本発明ゴミ収容袋の特徴とするところは、上記ゴミ袋本体の比較的上部に網目部あるいは、多数穿った穴部を設けたことである。
【0013】
他に本発明ゴミ収容袋の特徴とするところは、上記ゴミ袋本体の比較的下方に施した、黒など比較的濃色の色彩部分を有することことである。
【0014】
他に本発明ゴミ収容袋の特徴とするところは、上記ゴミ袋本体底部と、ゴミ袋本体の内側面間に架橋させて補強帯を設けたことことである。
【発明の効果】
【0015】
本発明のゴミ袋本体は、これが満杯になった時、一方の握り手をゴミ袋本体の上面の中央方向に引き、次いで一方の握り手を同様ゴミ袋本体の上面の中央方向に引き、両握り手の主連着部材を重ねあわせることで、簡単にゴミ袋本体に所謂「蓋」をなした状態とすることができるから、悪臭の放出や、汚水の洩れを未然に防止できたのである。
【0016】
また、上記両握り手のそれぞれの根元の間にも、一対の副連着部材を設けることで上記同様ゴミ袋本体が満杯になった後、上記に加えさらにこの副連着部材を重ねあわせることで、ゴミ袋本体の「蓋」がさらに簡単確実に作られたのである。
【0017】
加えてゴミ袋本体にポケット体を設け、このポケット体には利用者の名前が記載されたカードか自分の名前を記載できるようにしたから、自分が分別作業など確実にゴミ処理行政に協力した責任を明示できるのである。
【0018】
さらにかかるゴミ袋本体の所望位置に文字,図形などが描けるペースを設け、このゴミ袋本体を例えば無料で提供してくれるスポンサの広告が掲示されたり、あるいは「この袋には燃えるゴミのみ入れて下さい」などの、注意書きが記載できるようになったことである。
【0019】
またかかるゴミ袋本体の所望位置に、網目あるいは小さな穴が多数穿た部分を設けることで、通気を良くし生ゴミ等の腐敗の促進を阻止させ、万一子供がこのゴミ袋本体を被って遊んだ場合などでも、窒息などの不祥事を招く虞を未然に防止できたのである。
【0020】
しかし一方このことはゴミ袋本体内の臭気を外部に放出する虞れがあるが、本発明を実施するに当たってはゴミ袋本体の素材そのもの或いはかかるゴミ袋本体内に、防臭効果剤を配合するなどでこれに対処するとよい。
【0021】
また上記ゴミ袋本体の一部に比較的濃色の色彩を施した部分を設けたことで、整理用品などプライバシイに関連する廃棄物の保護に配慮する工夫がなされているのである。
【0022】
さらに、上記ゴミ袋本体の底部には汚水の溜室を設けたから、腐敗促進の原因となる水分を1室に集め、その洩れによる汚れを未然に防止できたのである。
【0023】
またこの場合、本発明のゴミ袋本体には1条乃至数条の隔壁があって、これには間欠的にその上下端が開放された汚水の流通路設けたから、上記溜室にある水分をゴミ袋本体に逆流させず封じ込むことが出来るようにしたものである。
【0024】
なお上記ゴミ袋本体の底部と、ゴミ袋本体の内側面間に架橋させて補強帯を設けるとゴミ袋本体全体の崩れを防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
(1)は、上端部が開放され合成樹脂被膜のような可撓性材料で造られ、内部がゴミの収容部となっているゴミ袋本体であって、(2)(2’)はその上端両側から上方に突出させた公知の一対の握り手であり、この実施例では上記それぞれの握り手(2)(2’)の上端、即ち山部に一対のマジックテープのような主連着部材(3)(3’)が設けられている。
【0026】
この主連結部材(3)(3’)は、図2のようにゴミ袋本体(1)が満杯になった時、一方の握り手(2)をゴミ袋本体(1)の上面の中央方向に引き、次いで一方の握り手(2’)を同様ゴミ袋本体(1)の上面の中央方向に引き、両握り手(2)(2’)の主連着部材(3)(3’)を重ねあわせることで、簡単にゴミ袋本体(1)には所謂「蓋」がなされた状態になるのである。
【0027】
また図の実施例では、上記両握り手(2)(2’)のそれぞれの根元の間にも、一対の副連着部材(4)(4’)を設けた。而して上記同様ゴミ袋本体(1)が満杯になった後さらにこの副連着部材(4)(4’)重ねあわせることで、ゴミ袋本体(1)の「蓋」がさらに簡単確実になされるようになったのである。
【0028】
また、図1でみたれるようにゴミ袋本体(1)の正面は縦長の長方形で、(5)はその中心線の上方に設けたポケット体である。しかしてこのポケット体(5)には、かかるゴミ袋本体(1)の利用者の名前が記載されたカード(6)を、挿入できるようにしたものであるが、勿論かかる部分に自分の名前をマジックペンで記載できるようにしてもよい。
【0029】
同図1でゴミ袋本体(1)の中央部に描かれた点線の第1のサークル(7)は、詳細な図示をしてないが、かかるゴミ袋本体(1)を例えば無料で提供してくれるスポンサの広告が掲示されたり、あるいは「この袋には燃えるゴミのみ入れて下さい」などの注意書きが記載出来たりするスペースとなっている。
【0030】
さらに図1で、かかる広告の第2サークル(7)内に(勿論かかる広告のサークル内に設ける必要はないが)描かれた一点鎖線の第2のサークル(8)内は、網目あるいは小さな穴が多数穿たれた部分となっており、ゴミ袋本体(1)と外気とが連通するようになっている。
【0031】
而してこの配慮は万一かかるゴミ袋本体(1)を子供が被り、この為窒息などの不祥事を招く虞を未然に防止する配慮である。しかし一方このことはゴミ袋本体(1)内の臭気を外部に放出する虞れがあるが、本発明を実施するに当たってはゴミ袋本体(1)の素材そのものに、防臭効果剤を配合するなどでこれに対処している。
【0032】
またゴミ袋本体(1)の下方に示した一点鎖線の第3のサークル(9)は、図示していないが黒など比較的濃色の色彩が、ゴミ袋本体(1)の周囲に施された部分である。即ち家庭からでるゴミの中には、整理用品などプライバシイに関連する廃棄物があり、かかる構成はその保護の為に工夫されたもので、利用者はかかるプライバシイに関するもの予めこの第3のサークル(9)の位置に投棄するようにする。
【0033】
また、このゴミ袋本体(1)の底部(10)から一定間隔の上方に、一条乃至数条の水平な隔壁(11A)(11B)...があり、この隔壁中その最下段と上記底部(10)の間は、汚水の溜室(12)となっている。
【0034】
而してそれぞれの隔壁(11A)(11B)...は、間欠的にその上下端が開放された汚水の流通路(13)が設けられている。ここで重要な事は、隔壁(11A)(11B)...が一条の場合は間欠的に流通路(13)を設ければよいが、二条以上の場合、夫々の流通路(13)は上下の関係に於いて千鳥状とすることが肝要である。
【0035】
即ち、ゴミ袋本体(1)内には一般家庭で破棄される生ゴミから出る水分や、ペットボトルなどの飲み残しの水分が多く含まれていて、これがゴミの収容場所,あるいは容器(ゴミ箱)内で洩出し、これがゴミの収容場所,あるいは容器を汚すばかりか、悪臭を放す要因となっていた。
【0036】
そこで本発明の実施例ではかかる、水分をゴミ袋本体(1)の所定の場所に封じ込むことが出来るようにしたもので、ゴミ袋本体(1)で内で発生した水分は、図1で実線矢印で示したように上記隔壁(11A)の汚水の流通路(13)に入り、隔壁(11B)にあたって蛇行し、隔壁(11B)の流通路(13)に入る千鳥状の流れる作用をおこなって後、汚水の溜室(12)に落下して溜まることになる。而してこの実施例では、数条の水平な隔壁(11A)(11B)の流通路(13)を千鳥状としたことで、溜室(12)に溜まった汚水はゴミ袋本体(1)方向に逆流しない、所謂チャッキ(逆止弁)効果をもたせることができたのである。
【0037】
なお、図で(14)は上記ゴミ袋本体(1)の底部(10)と、ゴミ袋本体(1)の内側面間に架橋させた補強帯で、かかる補強帯(14)や上記隔壁(11A)(11B)は高周波ウエルデング装置などで容易に形成できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】ゴミ袋本体全体の正面説明図
【図2】ゴミが収容された状態のゴミ袋本体斜視図
【図3】図1の A-A 線断面説明図
【図4】B-B図1の B-B 線断面説明図
【符号の説明】
【0039】
1 ゴミ袋本体
2 握り手
2’ 握り手
3 主連着部材
3’ 主連着部材
4 副連着部材
4’ 副連着部材
5 ポケット体
6 カード
7 第1サークル
8 第2サークル
9 第3サークル
10 底部
11A 隔壁
11B 隔壁
12 溜室
13 流通路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上端部が開放され合成樹脂被膜のような可撓性材料で造られ、内部がゴミの収容部となっているゴミ袋本体であって、該ゴミ袋本体の底部から一定間隔で上方に設けた一条乃至数条の水平な隔壁と、この隔壁中その最下段と上記ゴミ袋本体の底部との間に形成させた汚水の溜室と、上記隔壁に間欠的に設けられ、この隔壁の横方向にあって上下端が上記ゴミ袋本体内部と溜室とに開放された複数の汚水の流通路とからなっていることを特徴とするゴミ収容袋 。
【請求項2】
上記請求項1にあって隔壁が二条以上の場合、各条の流通路は上下の関係に於いて隣接する隔壁との間で千鳥状となしたことを特徴とするゴミ収容袋 。
【請求項3】
上記請求項1および2にあって、上記ゴミ袋本体の上端両側から上方に突出させた一対の握り手と、該握り手の上端部に設けた一対のマジックテープのような主連着部材と、上記両握り手のそれぞれの根元の間に設けた一対の副連着部材とからなることを特徴とするゴミ収容袋。
【請求項4】
上記請求項1および3にあって、上記ゴミ袋本体に設けられ利用者の名前が記載されたカードを挿入、あるいは名前が記載できるようにしたことを特徴とするゴミ収容袋。
【請求項5】
上記請求項1および4にあって、上記ゴミ袋本体に広告文などが掲示できるサークルを設けたことを特徴とするゴミ収容袋。
【請求項6】
上記請求項1および5にあって、上記ゴミ袋本体の比較的上部に網目部あるいは、多数穿った穴部を設けたことを特徴とするゴミ収容袋。
【請求項7】
上記請求項1および6にあって、上記ゴミ袋本体の比較的下方に施した、黒など比較的濃色の色彩部分を有することを特徴とするゴミ収容袋。
【請求項8】
上記請求項1および7にあって、上記ゴミ袋本体底部と、ゴミ袋本体の内側面間に架橋させて補強帯を設けたことを特徴とするゴミ収容袋。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−1741(P2007−1741A)
【公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−185320(P2005−185320)
【出願日】平成17年6月24日(2005.6.24)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.マジックテープ
【出願人】(305030881)
【出願人】(505240765)
【Fターム(参考)】