説明

サッシの構成枠の躯体に対する取付け位置調整装置

【目的】 調整ナットの操作によりサッシ構成枠の位置調整を自在に行える装置を提供する。
【構成】 第一部片16と第二部片18とから成るL字形金具で第一ブラケット15を構成する。第一ブラケット15の第一部片16に屋内外方向に長い長孔17を設け、この長孔17を通じて第一調整ボルト20を躯体1に設けた第二ブラケット8に貫通させ、該第二ブラケット8より突出する第一調整ボルト20の先端に第一調整ナット21を螺合する。また、第一ブラケット15の前記第二部片18に屋内外方向にして貫通孔19を設け、この貫通孔19に、頭部22aを単窓サッシの構成枠に設けた屋内側面開口の係止溝23に係止した第二調整ボルト22を貫通させ、該第二調整ボルト22に前記第二部片18に係止する第二調整ナット25を螺合する。

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、サッシの下枠等の構成枠の躯体に対する取付け位置調整装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ビルなどのコンクリート製の躯体にサッシを取付けるには、サッシにアンカーを取付け、該アンカーをコンクリートに埋入するようにしており、躯体に対してサッシを定位置に配するには特別な調整装置に基いて行われていない。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
サッシに備えたガラスパネルの映像面すなわち、外面は、屋外の風景が映し出される際、その映像状態によって建屋全体の外観的見栄えを左右するものであるが、従来例は前記の通りであるので、映像が良好な状態になるようサッシの構成枠を屋内外方向に移動調整(微調整)するにはその作業が煩雑である。
【0004】
本考案は、調整ナットの操作によりサッシ構成枠の位置調整を自在に行える装置を提供することを目的として案出したものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
概していえば、第一部片と第二部片とから成るL字形金具で第一ブラケットを構成し、この第一ブラケットの第一部片に屋内外方向に長い長孔を設け、該長孔を通じて第一調整ボルトを躯体に設けた第二ブラケットに貫通させ、該第二ブラケットより突出する前記第一調整ボルトの先端に第一調整ナットを螺合すると共に、第一ブラケットの前記第二部片には屋内外方向にして貫通孔を形成し、この貫通孔に、頭部を単窓サッシの構成枠に設けた屋内側面開口の係止溝に係止した第二調整ボルトを貫通させ、該第二調整ボルトに前記第二部片に係止する第二調整ナットを螺合して構成したものである。
【0006】
【実施例】
図面は、本考案に係るサッシの構成枠の躯体に対する取付け位置調整装置の一実施例を示し、図1は下枠側の縦断面図、図2は下枠側の横断面図、図3は上枠側の縦断面図、図4は各部の配置関係を示す正面図である。
【0007】
実施例は躯体1に設けた開口部2に、サッシAを係合して取付けるようにしたもので、サッシAは、上枠3、下枠4、左右の竪枠5,5および方立6並びにガラスパネル7を互いに組付けて構成し、竪枠5部を躯体1に固定する前に、上枠3および下枠4を躯体1との関係で取付け位置の調整を行い、ガラスパネル7の映像面を正位置に配するようにしたものである。
【0008】
図中、8は縦長長孔12を設けた第一部片9と縦長長孔11を設けた第二部片10とで構成した第二ブラケットで、第二ブラケット8は躯体1に頭部13aを係止した第三調整ボルト13を第二部片10の縦長長孔11に貫通させ、第二部片10の屋内側面より突出するボルト先端に第三調整ナット14を螺合して躯体1に取付けてある。
【0009】
この第二ブラケット8の第一部片9には、L字形金具で成る第一ブラケット15の第一部片16を接続し、該第一ブラケット15を介してサッシAの下枠4を前記第二ブラケット8に取付けてある。
【0010】
第一ブラケット15は、屋内外方向に長い長孔17を設けた第一部片16と、屋内外一対の分岐部片18a,18bを備え、これら分岐部片18a,18bに屋内外方向に貫通孔19を設けた第二部片18とで構成し、長孔17を通じて第一調整ボルト20を第二ブラケット8の前記第一部片9に設けた縦長長孔12に貫通させ、該第一部片9より突出するボルト先端に第一調整ナット21を螺合して第二ブラケット8と接続してあり、この第一ブラケット15の第二部片18には、頭部22aを下枠4に設けた屋内側面開口の係止溝23に係止した第二調整ボルト22を貫通孔19を通じて貫通させ、該第二部片18に備えた内外一対の分岐部片18a,18b間に存する係合溝24に係合した第二調整ナット25に前記第二調整ボルト22の中間部を螺合してある。
【0011】
サッシAの上枠3側は、上側第二ブラケット26と上側第一ブラケット27を介して躯体1に取付けてあり、上側第二ブラケット26は縦長長孔28を設けた第一部片29と同じく縦長長孔30を設けた第二部片31とで構成し、躯体1に頭部32aを係止した上側第三調整ボルト32を第二部片31の縦長長孔30に貫通させ、第二部片31の屋内側面に突出するボルト先端に上側第三調整ナット33を螺合して躯体1に取付けてある。
【0012】
この上側第二ブラケット26の第一部片29には、上側第一ブラケット27の第一部片34を接続し、上側ブラケット27を介してサッシAの上枠3を前記上側第二ブラケット26に取付けてある。
【0013】
上側第一ブラケット27は、屋内外方向に長い長孔35を設けた第一部片34と、縦長長孔37を設けた第二部片38とで構成し、長孔35を通じて上側第一調整ボルト39を上側第二ブラケット26の前記第一部片29に設けた縦長長孔28に貫通させ、該第一部片29より突出するボルト先端に上側第一調整ナットを螺合して上側第一ブラケット27と接続してあり、この上側第一ブラケット27の第二部片38には、頭部40aを上枠3に設けた屋内側面開口の係止溝41に組付けたボルトホルダー42に係止した締付けボルト40を、縦長長孔37を通じて貫通させ、該第二部片38より突出するボルト先端に締付けナット43を螺合してある。
【0014】
なお、ボルトホルダー42は、係止溝41よりわずかに突出して上枠3と上側第一ブラケット27との間に隙間aが形成されるようになっている。
【0015】
しかして、上側第二ブラケット26を位置調整して上側第三調整ボルト32と上側第三調整ナット33で躯体1に締付け、同じく、第二ブラケット8も位置調整して第三調整ボルト13と第三調整ナット14で躯体1に締付ける。そして、上側第二ブラケット26には上側第一ブラケット27を位置調整して上側第一調整ボルト39とナットで、又、第二ブラケット8には第一ブラケット15を第一調整ボルト20と第一調整ナット21でそれぞれ締付け、サッシ枠A側に頭部40aにおいて組付けた締付けボルト40と締付けナット43で上側第一ブラケット27に上枠3を締付け、頭部22aをサッシA側に係止した第二調整ボルト22と第二調整ナット25で第一ブラケット15に下枠3を組付け、組付け後、第二調整ナット25を適宜回動させてガラスパネル7の映像面の角度調整を行うのである。
【0016】
なお、図中45は座金、46はシール材である。
【0017】
【考案の効果】
本考案は前記の通りの構成であるから、第一調整ボルトと第一調整ナットによって構成枠の位置を粗調整し、第二調整ナットを回動することによって当該位置の微調整を図れるから実用的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】下枠側の縦断面図。
【図2】下枠側の横断面図。
【図3】上枠側の縦断面図。
【図4】各部の配置関係を示す正面図。
【符号の説明】
1 躯体
8 第二ブラケット
15 第一ブラケット
16 第一部片
17 長孔
18 第二部片
19 貫通孔
20 第一調整ボルト
21 第一調整ナット
22 第二調整ボルト
23 係止溝
25 第二調整ナット

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 第一部片と第二部片とから成るL字形金具で第一ブラケットを構成し、この第一ブラケットの第一部片に屋内外方向に長い長孔を設け、該長孔を通じて第一調整ボルトを躯体に設けた第二ブラケットに貫通させ、該第二ブラケットより突出する前記第一調整ボルトの先端に第一調整ナットを螺合すると共に、第一ブラケットの前記第二部片には屋内外方向にして貫通孔を形成し、この貫通孔に、頭部を単窓サッシの構成枠に設けた屋内側面開口の係止溝に係止した第二調整ボルトを貫通させ、該第二調整ボルトに前記第二部片に係止する第二調整ナットを螺合した、サッシの構成枠の躯体に対する取付け位置調整装置。
【請求項2】 第二ブラケットを第一部片と第二部片とで構成し、該第二ブラケットの第一部片に第一調整ボルトを貫通させると共に、第二部片に縦長長孔を設け、この縦長長孔に、躯体に頭部を係止した第三調整ボルトを貫通させ、第二部片の屋内側面より突出する第三調整ボルトの先端に第三調整ナットを螺合した、請求項1記載のサッシの構成枠の躯体に対する取付け位置調整装置。
【請求項3】 上枠側をブラケットを介して躯体にボルト止めする一方、下枠に設けた係止溝に第二調整ボルトの頭部を係止した、請求項1又は請求項2記載のサッシの構成枠の躯体に対する取付け位置調整装置。
【請求項4】 第一ブラケットの第二部片に、屋内外一対の分岐部片を備え、該分岐部片間に介在する係合溝に第二調整ナットを係合した、請求項1ないし3のいずれか1項記載のサッシ構成枠の躯体に対する取付け位置調整装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【登録番号】第3011557号
【登録日】平成7年(1995)3月22日
【発行日】平成7年(1995)5月30日
【考案の名称】サッシの構成枠の躯体に対する取付け位置調整装置
【国際特許分類】
【評価書の請求】未請求
【出願番号】実願平6−14561
【出願日】平成6年(1994)11月25日
【出願人】(000005005)不二サッシ株式会社 (118)