説明

シガレットライタ

【課題】挿入されるプラグとソケットボディ側のソケット爪の干渉や外部からの力によるソケット爪の変形を抑制するシガレットライタを提供する。
【解決手段】シガレットライタ10のライタ受容部100において、ソケット爪112のアッシュガード側においてソケット爪112と所定の間隙を有して設けられ、ソケットインシュレータ150の一部を突出させて形成したソケット爪112と電気的に絶縁された爪受け部151を有する構成とする。これにより、ソケット爪112が内周方向に変形することを制限することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シガレットライタに関する。
【背景技術】
【0002】
シガレットライタは、その基本構成としては従来長く使用されてきており、例えば、発熱体、ノブ、アッシュガード等から構成されるライタプラグと、挿入されたライタプラグを保持するソケットボディと発熱体に通電すると共にライタプラグを保持するバイメタル等から構成されて自動車のインストルメントパネル等に設けられるライタ受容部とから構成されている(特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1のシガレットライタによれば、つぎのようなライタ操作が可能である。すなわち、ライタプラグをソケットボディにスライドして装着すると、ライタプラグ側の凹部がソケットボディ側のソケット爪に係止される。さらに、ノブを押し込むと、ライタプラグはバネ付勢力に抗して奥部へスライドして、バイメタルに保持される。バイメタルに保持された状態では、プラス端子からバイメタルを介して発熱体に通電路が形成される。発熱体に通電されると温度が上昇してバイメタルが外方に変形し、所定の温度に達するとバイメタルに保持されていたライタプラグが解放されてライタ本体がバネ付勢力により操作者側に突出移動する。操作者は、ライタ受容部から前方に突出したノブを引っ張ることにより、ライタプラグをライタ受容部から取り出して、ライタプラグの発熱体により煙草に火を付けることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−36995号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来の構成によると、適合しないライタプラグやライタプラグの代わりに例えば外径の大きなアクセサリ用品プラグが挿入される場合に、それらのプラグとソケットボディ側のソケット爪が干渉する場合がある。また、そのような干渉や外部からの力によりソケット爪が変形する場合があるという問題があった。
【0006】
従って、本発明の目的は、挿入されるプラグとソケットボディ側のソケット爪の干渉や外部からの力によるソケット爪の変形を抑制するシガレットライタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[1]本発明は、上記目的を達成するため、円筒形状のアッシュガードを有するプラグボディの一端にノブが設けられ、他端に発熱体部が設けられたライタプラグと、挿入された前記ライタプラグを前記アッシュガードとスライド可能な状態で嵌合し前記ライタプラグが挿入される方向と反対の方向に向って片持ちばりの形状で形成されているソケット爪で前記アッシュガードに形成された凹部に係合して前記ライタプラグを係止するソケットボディと、プラス電極から前記発熱体部に供給される電流の供給状態に応じて前記発熱体部の温度が変化して前記ライタプラグを保持または開放するバイメタルと、前記ソケット爪の前記アッシュガード側において前記ソケット爪と所定の間隙を有して設けられ前記ソケット爪と電気的に絶縁された爪受け部と、を備えたライタ受容部と、を有することを特徴とするシガレットライタを提供する。
【0008】
[2]前記爪受け部は、前記バイメタルと前記ソケットボディを電気的に絶縁するインシュレータの一部であることを特徴とする上記[1]に記載のシガレットライタであってもよい。
【0009】
[3]また、前記アッシュガードの先端領域に、前記円筒形状の内側に向って形成された掬い部を有することを特徴とする上記[1]に記載のシガレットライタであってもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、挿入されるプラグとソケットボディ側のソケット爪の干渉や外部からの力によるソケット爪の変形を抑制するシガレットライタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1(a)は、(b)図のA−Aで示す本発明の実施の形態に係るシガレットライタのA−A縦断面図であり、図1(b)は、図1(a)の右側面図である。
【図2】図2(a)は、(b)図のB−Bで示す本発明の実施の形態に係るシガレットライタのB−B縦断面図であり、図2(b)は、図2(a)の右側面図である。尚、図2(a)は、図1(a)と直交する断面を示している。
【図3】図3は、図1におけるCから見たソケットボディの平面図である。
【図4】図4は、図1におけるD部拡大図である。
【図5】図5(a)は、シガライタプラグのA−A縦断面図であり、図5(b)は、その右側面図である。
【図6】図6は、図2(a)におけるライタプラグを押込んだ状態を示す、図2(a)相当の縦断面図である。 なお、断面図において、断面の奥にある線は、図示しない場合がある。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(本発明の実施の形態)
本発明の実施の形態に係るシガレットライタ10は、ライタ受容部100と、ライタプラグ200を有して概略構成されている。
【0013】
ライタ受容部100は、挿入されたライタプラグ200をアッシュガード240とスライド可能な状態で嵌合し、ライタプラグ200が挿入される方向と反対の方向に向って片持ちばりの形状で形成されているソケット爪112でアッシュガード240に形成された凹部に係合してライタプラグ200を係止するソケットボディ110と、プラス電極142から発熱体部としてのヒータエレメント250に供給される電流の供給状態に応じてヒータエレメント250の温度が変化してライタプラグ200を保持または開放するバイメタル130と、ソケット爪112のアッシュガード側においてソケット爪112と所定の間隙を有して設けられソケット爪112と電気的に絶縁された爪受け部151と、を備えて構成されている。
【0014】
ライタプラグ200は、円筒形状のアッシュガード240を有するプラグボディ220の一端にノブ210が設けられ、他端に発熱体部としてのヒータエレメント250が設けられて構成されている。
【0015】
図1、2に示すように、車両の運転席前方に設けられたインストルメントパネル400には円形の取付穴401が形成されており、取付穴401にソケットボディ110が嵌合されている。このソケットボディ110は、図示しない取付けリングに形成された爪部等によりインストルメントパネル400に係止され、ライタ受容部100が取付け固定されている。
【0016】
(ライタ受容部100)
ライタ受容部100は、ソケットボディ110、コネクタハウジング120、バイメタル130、ボルト140、ソケットインシュレータ150、取付部材160、ナット170、プラス端子180、マイナス端子185等から概略構成され、また、上記説明したように、ソケットインシュレータ150の一部が突出して形成された爪受け部151が形成されている。この爪受け部151は、ソケットインシュレータ150の一部であるからソケット爪112と電気的に絶縁され、ソケット爪112の内周側への変形を制限するため、図1に示すように、所定の間隙を有して形成されている。所定の間隙は、ソケット爪112の内周側への変形許容量により決めることができる。所定の間隙はゼロであってもよい。
【0017】
図3は、図1(a)で示すC方向から見たソケットボディの平面図である。ソケットボディ110は、図1、2にその縦断面形状を示すように、有底の円筒形状であり、例えば、絞り用鋼板SPCDを用いて絞り加工およびプレス加工により形成される。後述するライタプラグ200が挿入される側にはフランジ部110aを有する開口部110bが形成され、反対の有底側にはボルト140が挿入されるボルト穴110gが形成された底部110cが形成されている。
【0018】
図3に示すように、円筒面110hには、ソケット爪112が形成されている。このソケット爪112は、絞り加工後に、プレス加工によりソケット爪112の周囲部110dを抜き加工し、図1に示すように、後述するアッシュガード240の係合凹部240bに係止可能なようにアッシュガード240側に突出して湾曲する係止部110fがプレス加工により形成されている。このソケット爪112は、ソケットボディ110の円筒面110hに複数箇所、円周方向に形成されて配置される。なお、その他、バイメタル130との干渉を防止するための切欠部110eがバイメタル130の位置に対応して複数箇所プレス加工により形成されている。
【0019】
ソケット爪112は、図3に示すように、ソケットボディ110の底部110c側から開口部110b側の方向に片持ちばりの形状で形成されている。すなわち、ライタプラグ200が挿入される方向と反対の方向に向って片持ちばりの形状で形成されている。ここで、ソケット爪112の片持ちばりの根元部112aでの幅W1は、その先端部112bの幅W2よりも大きく設定されている。すなわち、ライタプラグ200が挿入される方向に向ってその幅が漸次大きく設定されているので、荷重を主に受けるはり部やその周辺に作用する荷重によって片持ちばりに作用する曲げ応力をその長さ方向において略等しくすることができる。これにより、曲げに対してその長さ方向において曲げ応力が略均等なソケット爪112が可能となる。なお、ソケット爪112は、全長L1において幅が均一のストレートばりであってもよい。
【0020】
上記示したソケットボディ110は、図1、2に示すように、ボルト140とナット170により、ソケットインシュレータ150、ソケットボディ110の底部110c、取付部材160が共締めにより一体的に固定されている。
【0021】
ボルト140は、導電性の材料で形成され、プラス電極端子として機能する。このボルト140の頭部はプラス電極142であって、車両用電源ソケットとして使用する場合は、アクセサリ用品プラグのプラス端子320が接触することによりプラス電圧を供給する。図1、2に示すように、ボルト140にはバイメタル130がカシメ加工により固定され、このボルト140を介してバイメタル130にプラス電圧が印加される構成とされている。
【0022】
ソケットインシュレータ150は、ボルト140とソケットボディ110の間を絶縁する。すなわち、プラス電圧が印加されるボルト140とマイナス側のソケットボディ110との間を絶縁する。図1において、ソケットインシュレータ150の一部は、ソケット爪112の先端方向に向って突出して形成されている。すなわち、図1に示すように、ソケット爪112の内側に位置するよう形成され、図3に示すソケット爪112の全長L1の半分以上の部分を内側から支持可能としている。これにより、ソケット爪112が内周方向に変形することを制限することができ、また、ソケットインシュレータ150の一部であるから電気的に絶縁状態でソケット爪112を内側から支持することができる。
【0023】
取付部材160は、共締めによりソケットボディ110に一体的に固定されると共に、取付部材160に形成された係止用爪部161によりコネクタハウジング120を係止して固定する。これにより、ソケットボディ110とコネクタハウジング120が一体化したライタ受容部100を構成できる。
【0024】
ボルト140の先端部には所定の形状に湾曲して形成された感熱動作部材としてのバイメタル130がカシメにより固定されている。ここで、バイメタル130は、図2に示すように、バイメタル130が後述するヒータケース252を係止する形状、例えば、ヒータケース252側に向ってR形状等の凸状の係合部132が形成され、後述する発熱体部との係合領域を構成する。この係合部132を両端部に備え、図2に示すような全体としてコ字形状に形成されて、ボルト140にカシメ加工により固定されている。
【0025】
バイメタル130は、鉄とニッケルの合金に、マンガン、クロム、銅などを添加して2種類の熱膨張率の異なる金属板を作り、冷間圧延で貼り合わせたもので、温度の変化によって曲がり方が変化し、本実施の形態では、温度上昇に伴い外方に変形するようになっている。バイメタル130は、ボルト140のプラス電極142からプラス電圧が印加されると共に、ヒータケース252、ヒータエレメント250、ヒータリベット254、プラグボディ220、スライドリング230、アッシュガード240を介してソケットボディ110へ電気的に接続される。一方、ソケットボディ110はマイナス端子185に接続されているので、ヒータエレメント250がバイメタル130に保持されている状態では、ヒータエレメント250に電源が供給されることになる。
【0026】
コネクタハウジング120は、樹脂で形成され、その内部にプラス端子180、マイナス端子185が取り付けられている。プラス端子180は、ボルト140に電気的に接続され、一方、マイナス端子185は電気的にソケットボディ110に接続されている。尚、例えば、マイナス端子185とソケットボディ110の間に所定の温度上昇で断線する温度ヒューズを接続する構成としてもよい。
【0027】
(ライタプラグ200)
一方、ライタプラグ200は、ノブ210、プラグボディ220、スライドリング230、アッシュガード240、ヒータエレメント250等により構成されている。スライドリング230とアッシュガード240は、一体的にソケットボディ110に挿入されて嵌合し、ノブ210、プラグボディ220、ヒータエレメント250等は、スプリング222に抗してさらに奥に押し込むことにより着火動作を行なう構成とされている。
【0028】
プラグボディ220は、鍔つきの有底の円筒形状であり、開口部側の鍔部220aはプラグボディ220に当て付けられ、円筒部220bが取付ボス部210bに嵌合して、カシメ部220cをノブ210側へカシメることによりノブ210に一体的に固定される。円筒部220bは、スライドリング230の内環部230aとスライド可能に嵌合している。また、ノブ210の外周部210aとスライドリング230の外環部230bは、スライド可能に嵌合している。したがって、ノブ210及びプラグボディ220は、一体としてスライドリング230に対してスライド可能とされている。また、プラグボディ220の底部220dには、リベット取付け穴220eが形成されている。
【0029】
図1、2に示すように、ノブ210及びプラグボディ220とスライドリング230の間にはノブ210とスライドリング230が離間する方向に所定の付勢力を付与する状態でスプリング222が装着され、スライドリング230からの反力をノブ210及びプラグボディ220に作用させている。ここで、スプリング222は、小径部222aから漸次外径が増大して大径部222bに至るテーパ形状のコイルバネである。
【0030】
スライドリング230の外周部には、アッシュガード240が外嵌されている。アッシュガード240は、鍔部240aが形成された円筒状の部材であって、外周部にはソケット爪112が係止される凹部である係合凹部240bが1周に亘って形成されている。アッシュガード240とスライドリング230は一体としてソケットボディ110の内周部をスライドでき、鍔部240aがソケットボディ110のフランジ部110aに当接するまでライタプラグ200を押し込むことができる。また、この状態から、さらにノブ210、プラグボディ220、及びヒータエレメント250等を着火動作として押し込むことができる。
【0031】
図4は、図1におけるD部拡大図である。アッシュガード240は円筒形状をしており、その先端領域の径が小さくされており、内周側へ絞られた形状とされている。その先端領域には、ソケット爪112の係合凸部112cと係合する係合凹部240bが形成され、さらに内周側へ絞られた掬い部240cが形成されている。掬い部240cは、ライタプラグ200をソケットボディ110に挿入して、アッシュガード240の鍔部240aがソケットボディ110のフランジ部110aに当接するまでライタプラグ200を押し込む際、この掬い部240cが図4に示すソケット爪112の先端に形成された湾曲部112dを掬い上げるようにして、アッシュガード240がソケット爪112の内側に入り込み、ソケット爪112の係合凸部112cとアッシュガード240の係合凹部240bが係合して係止される。ここで、アッシュガード240の先端領域は内周側へ絞られた形状とされているので、掬い部240cは内周側へ大きくすることができ、これによりライタプラグ200をソケットボディ110に挿入しやすくできる。
【0032】
プラグボディ220の底部220dのリベット取付け穴220eには、ヒータリベット254が立設され、プラグインシュレータ256を挟んでヒータケース252が固定されている。
【0033】
ヒータリベット254の先端部には発熱体部としてのヒータエレメント250等が取付けられている。ヒータエレメント250の外周部にはそれを覆うようにヒータケース252が取り付けられている。ヒータケース252の外周部は、着火動作のためにノブ210が奥に押し込まれたときにバイメタル130の凸状の係合部132が保持できるように突出形状とされている。また、ヒータエレメント250の一端はヒータケース252に電気的に接続されてプラス電圧が印加され、他端はヒータリベット254に電気的に接続されて、それぞれ金属で形成されたプラグボディ220、スライドリング230、アッシュガード240を介してソケットボディ110へ接続されてマイナス側へ電気的に接続される。
【0034】
図5(a)は、シガライタプラグのA−A縦断面図であり、図5(b)は、その右側面図である。前述のように、アッシュガード240の先端領域は内周側へ絞られた形状とされているので、アッシュガード240とヒータケース252の隙間が小さくできる。したがって、図5(b)に示すように、まとまった感じがしてプラグの発熱部のイメージを改良することができる。
【0035】
(シガレットライタの使用動作)
ライタプラグ200をソケットボディ110に挿入すると、アッシュガード240の鍔部240aがソケットボディ110のフランジ部110aに当接するまでライタプラグ200を押し込むことができる。この状態では、図1に示すように、ソケットボディ110のソケット爪112がアッシュガード240の係合凹部240bと係合し、ライタプラグ200がライタ受容部100から容易には脱落しないようになっている。
【0036】
図6は、図2(a)におけるライタプラグ200を押込んだ図である。この押し込んだ状態では、図6に示すように、バイメタル130の凸状の係合部132がヒータケース252の外縁に係合してスプリング222の付勢力に抗してバイメタル130がヒータケース252を保持する。この状態では、コネクタハウジング120のプラス端子180からボルト140、バイメタル130を介してヒータエレメント250の一端にプラス電圧が印加される。一方、ヒータエレメント250の他端は、ヒータリベット254、プラグボディ220、スライドリング230、アッシュガード240、ソケットボディ110を介してマイナス端子185へ電気的に接続される。
【0037】
ヒータエレメント250に通電されると温度が上昇してバイメタル130が外方に変形し、所定の温度に達するとバイメタル130に保持されていたヒータケース252の係合が解除されてプラグボディ220等はスプリング222のバネ付勢力により操作者側に突出移動する。
【0038】
操作者は、ライタ受容部100から前方に突出したノブ210を引っ張ることにより、ライタプラグ200をライタ受容部100から取り出して、ライタプラグ200の発熱したヒータエレメント250により煙草に火を付けることができる。
【0039】
(本発明の実施の形態の効果)
本発明の実施の形態によれば、次のような効果を有する。
(1)本発明の実施の形態に係るシガレットライタ10は、ソケットインシュレータ150の一部が突出して形成された爪受け部151が形成されている。この爪受け部151は、ソケット爪112の内周側への変形を制限するため、図1に示すように、所定の間隙を有して形成されている。爪受け部151はソケット爪112の内側に位置するよう形成されているので、ソケット爪112を内側から支持可能としている。これにより、ソケット爪112が内周方向に変形することを制限することができる。したがって、挿入されるプラグとソケットボディ側のソケット爪の干渉や外部からの力によるソケット爪の変形を抑制するシガレットライタを提供することができる。
(2)また、図3に示すソケット爪112の全長L1の半分以上の部分を内側から支持する構成とすればより効果的にソケット爪112が内周方向に変形することを制限することができる。これにより、ソケット爪112が内周方向に変形した状態によってアッシュガード240の挿入が阻害されることを防止することができる。
(3)ソケット爪112の内側への変形を制限する爪受け部151を有する構成としているので、内側方向への製造時の位置精度が緩和される。すなわち、ソケット爪112の部品精度を下げることができるので、ASSY特性の向上に繋がると共に、コスト低減にも効果を有する。
(4)アッシュガード240は円筒形状をしており、その先端領域の径が小さくされており、内周側へ絞られた形状とされている。これにより、掬い部240cは内周側へ大きくすることができ、これによりライタプラグ200をソケットボディ110に挿入しやすくできる効果を有する。
(5)また、アッシュガード240の先端領域は内周側へ絞られた形状とされているので、アッシュガード240とヒータケース252の隙間が小さくできる。したがって、図5(b)に示すように、まとまった感じがしてプラグの発熱部のイメージを改良することができる。
【0040】
以上、シガレットライタを上記の実施の形態に基づいて説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。例えば、爪受け部151はソケットインシュレータ150の一部が突出して形成されたものとしたが、ソケット爪と絶縁された別部材により設けられるものであってもよい。
【符号の説明】
【0041】
10…シガレットライタ
100…ライタ受容部、110…ソケットボディ、110a…フランジ部、110b…開口部、110c…底部、110d…周囲部、110e…切欠部、110f…係止部、110g…ボルト穴、110h…円筒面、112…ソケット爪、112a…根元部、112b…先端部、112c…係合凸部、112d…湾曲部、120…コネクタハウジング、130…バイメタル、132…係合部、140…ボルト、142…プラス電極、150…ソケットインシュレータ、151…爪受け部、160…取付部材、161…係止用爪部、170…ナット、180…プラス端子、185…マイナス端子
200…ライタプラグ、210…ノブ、210a…外周部、210b…取付ボス部、220…プラグボディ、220a…鍔部、220b…円筒部、220c…カシメ部、220d…底部、220e…リベット取付け穴、222…スプリング、222a…小径部、222b…大径部、230…スライドリング、230a…内環部、230b…外環部、240…アッシュガード、240a…鍔部、240b…係合凹部、240c…掬い部、250…ヒータエレメント、252…ヒータケース、254…ヒータリベット、256…プラグインシュレータ
400…インストルメントパネル、401…取付穴


【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒形状のアッシュガードを有するプラグボディの一端にノブが設けられ、他端に発熱体部が設けられたライタプラグと、
挿入された前記ライタプラグを前記アッシュガードとスライド可能な状態で嵌合し前記ライタプラグが挿入される方向と反対の方向に向って片持ちばりの形状で形成されているソケット爪で前記アッシュガードに形成された凹部に係合して前記ライタプラグを係止するソケットボディと、プラス電極から前記発熱体部に供給される電流の供給状態に応じて前記発熱体部の温度が変化して前記ライタプラグを保持または開放するバイメタルと、前記ソケット爪の前記アッシュガード側において前記ソケット爪と所定の間隙を有して設けられ前記ソケット爪と電気的に絶縁された爪受け部と、を備えたライタ受容部と、
を有することを特徴とするシガレットライタ。
【請求項2】
前記爪受け部は、前記バイメタルと前記ソケットボディを電気的に絶縁するインシュレータの一部であることを特徴とする請求項1に記載のシガレットライタ。
【請求項3】
前記アッシュガードの先端領域に、前記円筒形状の内側に向って形成された掬い部を有することを特徴とする請求項1に記載のシガレットライタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−83408(P2013−83408A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−224644(P2011−224644)
【出願日】平成23年10月12日(2011.10.12)
【出願人】(000003551)株式会社東海理化電機製作所 (3,198)
【Fターム(参考)】