説明

シャッター位置検出装置

【課題】シャッターカーテンに対し3つの位置制御(全開位置制御、採光位置制御、全閉位置制御)をなし得るとともに、取扱操作が簡単であり、簡素な構造ですみ、コスト面でも優れたシャッター位置検出装置を提供する。
【解決手段】開閉可能な採光用窓33aをもち、シャッターカーテン3の下端が上方全開領域h1に到達した時点で開き移動を停止するようにモータを停止制御する上限スイッチS1と、下端が着地した時点で採光用窓33aが開いた採光状態で下方着地領域h1に自動的に停止、位置するようにモータを停止制御する下限スイッチS2と、採光用窓33aを閉じた非採光状態の全閉位置で上限スイッチS1をON作動させてモータを停止制御する位置センサー3eと、よりなることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、採光方式のシャッターカーテンを備えたシャッターに用いることができるシャッター位置検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】(1)特開平10ー169337号公報には、ローラーブラインド等の自動停止装置が開示されている。
【0003】この自動停止装置は、モーター駆動に連動する巻取り管(軸)によるローラーブラインドの巻上げ時あるいは巻出し時に変化するトルクの変化をリミットスイッチの作動に反映し、上限停止位置あるいは下限停止位置にローラーブラインドを自動的に停止させる構造である。
(2)また、通常、採光機能を備えた採光方式のシャッターカーテンにおける採光及び非採光とのいずれかの位置を手動用スイッチを操作しつつシャッターカーテンの移動量を調節しながら適当に選ぶ必要がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】(1)特開平10ー169337号公報に開示されたローラーブラインド等の自動停止装置の場合には、上限停止位置あるいは下限停止位置にローラーブラインドを自動的に停止させ得るものの、ローラーブラインドの巻上げ時あるいは巻出し時に変化するトルクの変化をリミットスイッチの作動に反映させる方式ものである。
【0005】しかしながら、前記方式の自動停止装置を用いる場合、一般的にシャッター装置には、種々の仕様サイズが有り、またシャッターカーテンの開閉に伴う停止位置を現地での施行時に現場合わせにより設定する必要が有ることなどや、さらにまた正転及び逆転方向の2位置しか設定できず、採光方式(スリットタイプ)のシャッターにおけるシャッターカーテンの全開位置制御、採光位置制御、全閉位置制御の3位置の設定をすることは困難であった。
【0006】すなわち、採光方式のシャッターカーテンを備えたシャッターを用いる場合、現地施行時にシャッターカーテンの全開位置制御、採光位置制御、全閉位置制御の3つの位置関係を設定する必要があり、さらにこれらの設定は時間がかかり、所定の工数を必要とする。このため、なお、改善の余地がある。
(2)前記、従来の採光方式のシャッターカーテンは、シャッターカーテンの閉じ状態を保持した位置において、採光用窓の開閉操作の調節は、作業者が感を頼りに操作部を手動操作し駆動モータの回転量、回転停止タイミングなどを決定しなければならなかった。
【0007】本発明は、採光方式のシャッターカーテンにおいて、既設の下限スイッチと上限スイッチとの2つあるいは、挟み込み検知スイッチの3つを利用して、シャッターカーテンに対し3つの位置制御(全開位置制御、採光位置制御、全閉位置制御)をなし得るとともに、従来の場合のように、前記3位置の信号の区別を設定する必要から開放され、かつ取扱操作が簡単であり、簡素な構造ですみ、コスト面でも優れたシャッター位置検出装置を提供することを目的とする。
【0008】
【発明の解決手段】(1)第1発明のシャッター位置検出装置は、モータから付与された付勢力により上方全開領域と下方着地領域との間をガイドレールに案内されて上下往復移動するとともに、開閉可能な採光用窓をもつシャッターカーテンと、該シャッターカーテンの下端が上方全開領域に到達した時点でON作動し該シャッターカーテンの開き移動を停止するように該モータを停止制御する上限スイッチと、該シャッターカーテンの下端が着地した時点でON作動し該シャッターカーテンの閉じ移動を該採光用窓が開いた採光状態で下方着地領域に自動的に停止、位置するように該モータを停止制御する下限スイッチと、該シャッターカーテンが該採光用窓を閉じた非採光状態の全閉位置で該上限スイッチをON作動させて該モータを停止制御する位置センサーと、よりなることを特徴とする。
(2)第2発明のシャッター位置検出装置は、モータから付与された付勢力により上方全開領域と下方着地領域との間をガイドレールに案内されて上下往復移動するとともに、開閉可能な採光用窓をもつシャッターカーテンと、該シャッターカーテンの下端が上方全開領域に到達した時点でON作動し該シャッターカーテンの開き移動を停止するように該モータを停止制御する上限スイッチと、該シャッターカーテンの下端が着地した時点でON作動し該シャッターカーテンの閉じ移動を該採光用窓が開いた採光状態で下方着地領域に自動的に停止、位置するように該モータを停止制御する下限スイッチと、該シャッターカーテンの閉じ移動時における挟み込みを検出し、機械的に作動する挟み込み検出作動部材及び該挟み込み検出作動部材の作動時に該モータに逆転駆動あるいは駆動停止を指令する制御部に挟み込み信号を出力する挟み込み検知スイッチと、該シャッターカーテンが該採光用窓を閉じた非採光状態の全閉位置で該挟み込み検知スイッチをON作動させて該モータを停止制御する位置センサーと、よりなることを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】前記構成の第1発明のシャッター位置検出装置は、既設の下限スイッチと上限スイッチとの2つを利用して、シャッターカーテンを採光位置、全閉非採光位置、全開位置の3つの位置に自動的に位置させることを可能としたものである。
【0010】すなわち、(1)採光位置は、シャッターカーテンの閉じ移動時にその下端が着地し下限スイッチをON作動させ、シャッターカーテンが採光用窓を開いた採光状態の下方着地領域でモータを停止制御することによって得られる。
(2)全閉非採光位置は、シャッターカーテンの閉じ移動時にその下端が着地し下限スイッチをON作動させた状態でさらに、シャッターカーテンが採光用窓を閉じ非採光状態となる全閉位置で位置センサーによって上限スイッチをON作動させてモータを停止制御することによって得られる。
(3)全開位置は、シャッターカーテンの開き移動時にその下端が上方全開領域に到達し上限スイッチをON作動させ、モータを停止制御することによって得られる。
【0011】前記シャッターカーテンは、上下に伸縮する伸縮移動部を備え、伸縮移動部の伸長時に採光用窓が開いた採光状態となり、伸縮移動部の収縮時に採光用窓が閉じた非採光状態である構成とすることができる。
【0012】前記センサー部は、シャッターカーテンに設けられるとともに、採光用窓が閉じた非採光状態のとき、伸縮移動部の収縮移動に連動し、上限スイッチを押圧しON作動させる押圧部材である構成とすることができる。
【0013】前記構成の第2発明のシャッター位置検出装置は、既設の下限スイッチ及び上限スイッチと、挟み込み検知スイッチとの3つを利用して、シャッターカーテンを採光位置、全閉非採光位置、全開位置の3つの位置に自動的に位置させることを可能としたものである。
【0014】すなわち、(1)採光位置は、シャッターカーテンの閉じ移動時にその下端が着地し下限スイッチをON作動させ、シャッターカーテンが採光用窓を開いた採光状態の下方着地領域でモータを停止制御することによって得られる。
(2)全閉非採光位置は、シャッターカーテンの閉じ移動時にその下端が着地し下限スイッチをON作動させた状態でさらに、シャッターカーテンが採光用窓を閉じ非採光状態となる全閉位置で位置センサーによって挟み込み検知スイッチをON作動させてモータを停止制御することによって得られる。
(3)全開位置は、シャッターカーテンの開き移動時にその下端が上方全開領域に到達し上限スイッチをON作動させ、モータを停止制御することによって得られる。
【0015】前記シャッターカーテンは、上下に伸縮する伸縮移動部を備え、伸縮移動部の伸長時に採光用窓が開いた採光状態となり、伸縮移動部の収縮時に採光用窓が閉じた非採光状態である構成とすることができる。
【0016】前記センサー部は、シャッターカーテンに形成されるとともに、シャッターカーテンの伸縮移動部の収縮移動に連動し、挟み込み検出作動部材を介して挟み込み検知をON作動するリンク部である構成とすることができる。
【0017】また、前記センサー部としては、その他、シャッターカーテンの位置を機械的接触し検出するセンサー(リミットスイッチ)や、あるいは物理的に検出するセンサー(光センサー、赤外線センサーなど)によって所定の位置にまで移動できるように設定することもできる。
【0018】第1発明及び第2発明のシャッター位置検出装置の場合には、モータの駆動開始を指示する人為的操作するとしては、採光スイッチの他、公知の操作の手動操作スイッチ〔開き作動開始(全開)スイッチ、閉じ作動開始(全閉)スイッチ、移動途中停止スイッチ(停止)〕などを用いることができる。
【0019】
【実施例】第1発明のシャッター位置検出装置の実施例1を図1、図2、図3に示し、第2発明のシャッター位置検出装置を図4に基づき、以下に説明する。
【0020】(実施例1)図1に示す実施例1のシャッター位置検出装置1Aは、モータ(図示せず、以下同じ)から付与された付勢力により上方全開領域h1と下方着地領域h2との中間領域hをガイドレール2に案内されて往復移動(矢印Y1で示す閉じ移動及び矢印Y2で示す開き移動参照)するとともに、開閉可能な採光用窓33aをもつ複数個のスラット3aを備えたシャッターカーテン3と、上限スイッチS1及び下限スイッチS2と、シャッターカーテン3の閉じ移動(復移動)時に下限スイッチS2をON作動する第1押圧部材3dと、シャッターカーテン3の閉じ移動時に、第1押圧部材3dにより下限スイッチS2がON作動されたとき、上限スイッチS1をON作動する第2押圧部材3eと、シャッターカーテン3の開き移動(往移動)時に上限スイッチS1をON作動する第3押圧部材3gと、シャッターカーテン3の開き移動時に他部材に当接して前記開き移動を制限するストッパー部材3fと、よりなる。
【0021】上限スイッチS1は、レバーS10を備え、シャッターカーテン3の閉じ移動に伴う第2押圧部3eが上方側から接近、当接しレバーS10を押圧することによってON作動しモータを停止制御するとともに、シャッターカーテン3の開き移動に伴う第3押圧部3gが下方側から接近、当接しレバーS10を押圧することによってON作動しモータを停止制御する、いわゆる2方向から押圧に対応する機能をもつ。
【0022】下限スイッチS2は、レバーS20を備え、シャッターカーテン3の閉じ移動に伴う第1押圧部3dが上方側から接近、当接しレバーS20を押圧することによってON作動しモータを停止制御する。
【0023】シャッターカーテン3は、複数個のスラット3aと、最下方のスラット3aに連結された上方座板3bと、下端30cが着地するとともに揺動可能に上方座板3bに連結された下方座板3cと、よりなる。
【0024】各スラット3aは、横長で中空の中央部30aと、中央部30aの上端側に形成された断面倒立させた略J状の上端側係止部31aと、上端側係止部31aの垂直壁部32aに形成された横長の採光用窓33aと、上端側係止部31aと中央部30aの間に形成された略水平な当接壁部34aと、中央部30aの下端側に形成され、他のスラット3aの上端側係止部31aを上下移動可能に収容する断面倒立させた略U状の収容部35aと、収容部35aの開口の一部を覆うようにして形成された下端側係止部36aと、収容部35aを形成する垂直壁であり、他のスラット3aの上端側係止部31aの垂直壁部32aに沿って上下移動し、採光用窓33aを開閉する採光用窓開閉部37aと、よりなる。
【0025】なお、前記各スラット3a同士は、互いに上下位置に配置され、上方側のスラット3aの収容部35aに、下方側のスラット3aの上端側係止部31aが懸垂された状態で収容され、前記収容部35aと前記上端側係止部31aとが収容部35aの移動代L分、相対移動可能で上下に伸縮することができる。
【0026】また、自重による伸長時には採光用窓開閉部37aが採光用窓33aを開き、下部座板3cの下端30c(シャッターカーテン3の下端)が着地した時点よりさらに前記移動代L分、相対移動する収縮時には採光用窓開閉部37aが採光用窓33aを閉じる構成である。
【0027】上部座板3bには、以下の各部材が装着されている。
【0028】すなわち、上部座板3bは、その下方に揺動可能に装着された下部座板3cと、ガイドレール2の案内溝2aに対向する側部で水平方向に往復摺動可能に保持されたガイドピース4aと、下部座板3cの揺動(回動)に連動するとともにガイドピース4aにそれぞれ連設されたリンク部(挟み込み検出作動部材)4bと、リンク部4bを保護する埃避けカバーを兼用するとともに、シャッターカーテン3の閉じ移動(下移動)時に下限スイッチS2を押圧する第1押圧部材3dと、シャッターカーテン3の開き移動(上移動)を制限するストッパー部材3fと、ストッパー部材3fに連設されシャッターカーテン3の開き移動時に上限スイッチS1を押圧する第3押圧部材3gとを備える。
【0029】第1押圧部材3dは、シャッターカーテン3の閉じ移動時に、下部座板3cの下端30cが着地する下方着地領域h2で下限スイッチS2のレバーS20を押圧してON作動しモータを停止制御する。
【0030】第2押圧部3eは、シャッターカーテン3の閉じ移動時に、下部座板3cの下端30cが着地し下方着地領域h2位置で、各スラット3aが自重により移動代L分、伸長して採光用窓開閉部37aが採光用窓33aを開いた採光状態から、採光用窓開閉部37aを移動代e1分、収縮移動させるようにモータの制御がなされ、採光用窓33aを全て閉じると同時に、上限スイッチS1を押圧しON作動させ、かつ既に下方着地領域h2位置での第1押圧部材3dによる下限スイッチS1を押圧しON作動させた2状態によってモータの作動を停止制御し得る。
【0031】第3押圧部3gは、ストッパー部材3fに形成されており、下部座板3cの下端30cが上方全開領域h1位置に移動した時点で、上限スイッチS1のレバーS10を押圧し、ON作動しモータを停止制御する。
【0032】ストッパー部材3fは、シャッターカーテン3の開き移動時に下部座板3cの下端30cが上方全開領域h1に到達時に図略の他部材(枠部材など)に当接しシャッターカーテン3の開き移動を制限する。
【0033】なお、前記リンク部4bは、ガイドレール2の案内溝2aに突出した突条2b(援用して示す実施例2の図4参照)により水平方向に揺動可能に軸支された感知板(挟み込み検出作動部材)4cと、感知板4cがリンク部4bに付勢された位置で、シャッターカーテン3の閉じ移動を停止あるいは開き移動するようにモータを駆動制御するようにON作動する挟み込み検出スイッチ(図示せず、以下同じ)や、前記下部座板3cなどとともに挟み込み防止機構を構成する。
【0034】前記のように構成された実施例1のシャッター位置検出装置1Aは、以下のように目的に応じて用いられる。すなわち、(1)開き位置(下部座板3cの下端30cが上方全開領域h1に位置する状態)にあるシャッターカーテン3に対し、閉じ作動スイッチを操作することによって、モータを閉じ駆動制御させる。
【0035】すると、シャッターカーテン3は、閉じ移動し、下部座板3cの下端30cが下方着地領域h2に到達した時、上部座板3bの側部に連結されている第1押圧部3dが下限スイッチS2を押圧しON作動させるが、モータは停止制御されず、さらに、各スラット3aの前記移動代e1分、収縮移動させる。
【0036】これにより採光用窓開閉部37aが採光用窓33aを閉じ、この時点でシャッターカーテン3に形成されている第2押圧部3eが上限スイッチS1のレバーS10を押圧しON作動させるため、予め前記第1押圧部3dによる下限スイッチS2のレバーS20を押圧しON作動との2系統によってモータを停止制御する。
【0037】従って、シャッターカーテン3は、上方全開領域h1から下方着地領域h2に移動させるとともに、採光用窓開閉部37aが採光用窓33aを閉じた全閉状態にダイレクトに移行でき、かつ保持できる。
【0038】なお、このシャッターカーテン3の閉じ移動は、下部座板3cの下端30cを上方全開領域h1と下方着地領域h2との間に位置させた状態から下方着地領域h2に閉じ移動する場合も同じである。
(2)開き位置にあるシャッターカーテン3に対し、採光スイッチを操作することによって、モータを閉じ駆動制御させる。
【0039】すると、シャッターカーテン3は、閉じ移動し、下部座板3cの下端30cが下方着地領域h2に到達した時、上部座板3bの側部に連結されている第1押圧部3dが下限スイッチS2のレバーS20を押圧してON作動し、モータを停止制御させる。この場合、各スラット3aは、前記移動代e1分、自重で伸長して採光用窓開閉部37aが採光用窓33aを開いた状態にある。
【0040】従って、シャッターカーテン3は、下方着地領域h2に位置するとともに、途中領域hを閉じた状態で、しかも、採光用窓開閉部37aにより採光用窓33aを開いた状態に保持できる。
(3)閉じ位置で採光状態にあるシャッターカーテン3に対し、閉じ作動スイッチを操作することによって、モータを閉じ駆動制御させる。
【0041】すると、各スラット3aが移動代e1分、収縮移動し、採光用窓開閉部37aが採光用窓33aを閉じ、この時点でスラット3aに形成されている第2押圧部3eが上限スイッチS1のレバーS10を押圧しON作動させる。
【0042】このとき、既に第1押圧部3dによる下限スイッチS2のレバーS20を押圧しON作動させているため、2系統によってモータを停止制御する。
【0043】従って、シャッターカーテン3は、下部座板3cの下端30cが下方着地領域h2に位置し、かつ途中領域hを閉じた状態で、採光用窓開閉部37cが採光用窓33cを閉じた全閉状態に保持できる。
(4)閉じ位置で非採光状態にあるシャッターカーテン3に対し、採光スイッチを操作することによって、モータを開き駆動制御させる。
【0044】すると、シャッターカーテン3は、各スラット3aの前記移動代e1分、伸長移動し、採光用窓開閉部37aが採光用窓33aを開き、再び下限スイッチS2がOFFになるところまで上げて再び反転して下げ、下限スイッチS2がONになったらモータを停止制御する。
【0045】従って、シャッターカーテン3は、閉位置で非採光状態から採光状態に移行する。
(5)閉じ位置で非採光状態にあるシャッターカーテン3に対し、開き作動スイッチを操作することによって、モータを開き駆動制御させる。
【0046】すると、シャッターカーテン3は、開き移動し、下部座板3cの下端30cが上方全開領域h1位置に移動した時点で、ストッパー部材3fに形成されている第3押圧部3gが上限スイッチS1のレバーS10を押圧し、ON作動しモータを停止制御する。
【0047】従って、シャッターカーテン3は、上方全開領域h1に位置した状態に保持される。
【0048】実施例1のシャッター位置検出装置1Aによると、既設の上限スイッチS1と下限スイッチS2との2つを利用する構成であり、かつ利用の仕方によって、必要とするシャッターカーテン3の開閉位置及び採光用窓33aの開閉状態が得られる。
【0049】すなわち、実施例1のシャッター位置検出装置1Aの場合には、以下に示す3つの状態が自動的に得られる。
(1)シャッターカーテン3の開き移動時に、その上移動に伴う第3押圧部材3gによって、上限スイッチS1のレバーS10を押圧しON作動させモータを停止制御した場合には、シャッターカーテン3を上方全開領域h1に自動的に位置させることができる。
(2)シャッターカーテン3の閉じ移動時に、その閉じ移動に伴う第1押圧部材3dによって、下限スイッチS2のレバーS20を押圧しON作動させモータを停止制御した場合には、シャッターカーテン3が各スラット3aを自重により移動代分、伸長させた状態で中間領域hを閉じ、かつ採光用窓33aを開いた採光状態で下方着地領域h2に自動的に位置させることができる。
(3)下限スイッチS2をON作動させた状態で、シャッターカーテン3が各スラット3aを移動代分、収縮させることに伴う第2押圧部材3eによって、上限スイッチS1のレバーS10を押圧しON作動させモータを停止制御した場合には、採光用窓33aを閉じた非採光状態でシャッターカーテン3を全閉とした下方着地領域h2に自動的に位置させることができる。
【0050】従って、実施例1のシャッター位置検出装置1Aによると、既設の上限スイッチS1と下限スイッチS1との2つを利用することによって、シャッターカーテン3に対し3つの位置制御(全開位置制御、採光位置制御、全閉位置制御)をなし得るため、従来の採光方式のシャッターカーテンを備えた装置の場合のように、前記3位置の信号の区別を設定する必要から開放され、施工作業時間を大幅に短縮することができる。
【0051】さらに、また少ない部品によって、採光用窓33aを開いた採光状態と、採光用窓33aを閉じた非採光状態との2態様を自動的に選択できる機能を得ることができ、取扱操作が簡単であり、簡素な構造ですむためコスト面でも優れる。る。
【0052】(実施例2)実施例2のシャッター位置検出装置1Bを図4及び援用して示す図1〜図3に基づいて説明する。
【0053】シャッター位置検出装置1Bは、実施例1のシャッター位置検出装置1A(図1〜図3参照)の採光用窓33aを閉じた非採光状態でシャッターカーテン3を全閉とした下方着地領域h2に自動的に位置させるために用いられた、上限スイッチS1及び上限スイッチS1をON作動するための第2押圧部3eの代わりに、感知板4c及び感知板4cの揺動時にON作動する挟み込み検知スイッチ(図示せず。以下同じ)と、スラット3aに形成したリンク部6を用いたこと以外は同じ構成である。従って、実施例1のシャッター位置検出装置1Aと同じ構成には同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0054】リンク部4bは、下部座板3cのガイドピース4aに形成された案内長孔b1に移動可能に保持された可動支軸b2を中心として揺動する第1アーム40bと、上部座板3cに保持された支軸b3を中心として揺動する第2アーム41bとよりなる。
【0055】第1アーム40bは、一端d1が可動支軸b2に軸支され、他端d2が第2アーム41bの一端d3と他端d4との間に軸支されている。第2アーム41bは、一端d3が支軸b3に軸支され、他端d4が後記する感知板4cに係合して押圧し、かつ感知板4cをばね(図示せず、以下同じ)の付勢力に抗する方向に揺動する係合部として機能する。
【0056】感知板4cは、ガイドレール2の上端側で図略の位置に取付けられた挟み込み時作動用の挟み込み検知スイッチをON作動及びOFF作動できるように、スイッチS3に当接及び離脱できる位置に対向するとともに、スイッチS3のOFF作動状態を保持できる揺動位置に、常時、ばねで付勢、保持されている。
【0057】なお、前記ばねの付勢力に抗して感知板4cを挟み込み検知スイッチのON作動位置に揺動した場合には、モータが制御部によりコントロールされシャッターカーテン3の閉じ移動を停止したり、あるいはシャッターカーテン3を開き移動に転換する。
【0058】さらに、感知板4cは、図4に示すように、シャッターカーテン3の下部座板3cの下端30cが下方着地領域h2に到達した時、第2アーム41bが揺動し、その他端d4が突出しても感知板4cを押圧することを回避できる間隔eが設定(感知板4cの下端側長さが短く設定)されている。
【0059】リンク部6は、第1アーム7と第2アーム8とよりなる。第1アーム7は、その一端70がガイドレール2の案内溝2aに対向するスラット3aの側部に装着された板状部材5に保持された支軸71に軸支され、他端73が支軸71を中心として揺動するように装着されている。なお、第1アーム7には、一端70と他端73との間に、感知板4cの当接部40cから離れる方向(矢印R2参照)の第2アーム8の揺動を制限する係止部72が形成されている。
【0060】第2アーム8は、一端80が前記板状部材5に保持された支軸81に軸支され、他端84が感知板4cの当接部40cに接近する方向(矢印R1参照)に揺動して当接部40cに係合して押圧し、かつ感知板4cをばねの付勢力に抗する方向に揺動する係合部として機能する。
【0061】一端80と他端84との間には、前記第1アーム7の他端73を保持した状態で移動可能な可動支軸83が配設されている。第2アーム8の他端84側には、第1アーム7の係止部72に係合する突起82が形成されている。
【0062】このように構成された実施例2のシャッター位置検出装置1Bによると、実施例1のシャッター位置検出装置1Aと同じように、シャッターカーテン3の開き移動時に、上方全開領域h1(図1参照、以下同じ)に自動的に位置させることと、シャッターカーテン3の閉じ移動時に、採光用窓33aを開いた採光状態で下方着地領域h2(図1参照、以下同じ)に自動的に位置させることができる。
【0063】ここで、シャッターカーテン3を全閉位置(採光用窓33aを閉じた非採光状態で下部座板3cの下端30cが下方着地領域h2到達した位置)に自動的に位置させる場合には、採光用窓33aが全て閉じた時点でスラット3aの側部のリンク部6が作動を開始する。
【0064】例えば、シャッターカーテン3における下部座板3cの下端30cが上方全開領域h1に位置する状態で、閉じ作動スイッチを操作しモータを閉じ駆動制御させる。
【0065】すると、シャッターカーテン3は、閉じ移動し、下部座板3cの下端30cが下方着地領域h2に到達した時、上部座板3bの側部に連結されている第1押圧部3dが下限スイッチS2を押圧しON作動させるが、モータは停止制御されず、さらに、援用して示す図1R>1〜図3のように、各スラット3aが移動代e1分、収縮移動し、採光用窓開閉部37aが採光用窓33aを閉じ、最上部の採光用窓33aが閉じると同時に各スラット3aの収縮移動に連動してリンク部6が作動する。
【0066】すなわちリンク部6は、最上部のスラット3aの収縮に伴い、第1アーム7と第2アーム8とが感知板4cの当接部40cに対向、接近する方向に揺動(図4の矢印R1参照)し、かつ第2アーム8の他端84が感知板4cの当接部40cに係合して押圧し、かつ感知板4cをばね(図示せず)の付勢力に抗する方向に揺動する。
【0067】この感知板4cの揺動によって、挟み込み検知スイッチがON作動しモータを停止制御する。このとき、既に第1押圧部3dによる下限スイッチS2のレバーS20を押圧しON作動させているため、2系統によってモータを停止制御する。
【0068】従って、シャッターカーテン3は、下部座板3cの下端30cが下方着地領域h2に位置し、かつ途中領域hを閉じた状態で、採光用窓開閉部37cが採光用窓33cを閉じた全閉状態に自動的に保持できる。
【0069】なお、閉じ位置で非採光状態にあるシャッターカーテン3に対し、採光スイッチを操作することによって、モータを開き駆動制御させる。
【0070】すると、シャッターカーテン3は、各スラット3aの前記移動代e1分、伸長移動し、採光用窓開閉部37aが採光用窓33aを開き、かつ各スラット3aの伸長移動に連動するリンク部6が各スラット3aの前記収縮移動時とは逆に作動し、かつ第2アーム8の他端84が感知板4cの当接部40cから離脱する方向(図4の矢印R2参照)に揺動する。さらに下限スイッチS2が切れるまで開き動作し、その後、反転させ下限スイッチS2をON作動しモータを停止制御させる。
【0071】このため、従って、シャッターカーテン3は、下部座板3cの下端30cが下方着地領域h2に位置し、元の採光用窓開閉部37cが採光用窓33cを開いた採光状態に自動的に保持できる。
【0072】このように、実施例2のシャッター位置検出装置1Bの場合には、シャッターカーテン3に対し、上限スイッチS1をON作動させ自動的に上方全開領域h1に位置させた状態と、下限スイッチS2をON作動させ採光用窓33aを開いた採光状態で自動的に下方着地領域h2に位置させた状態と、下限スイッチS2及び挟み込み検知スイッチをON作動させ採光用窓33aを閉じた非採光状態で自動的に下方着地領域h2に位置させた状態との3位置に設定することができる。
【0073】従って、実施例2のシャッター位置検出装置1Bによると、既設の上限スイッチS1及び下限スイッチS1と、挟み込み検知スイッチの3つを利用することによって、シャッターカーテン3に対し3つの位置制御(全開位置制御、採光位置制御、全閉位置制御)をなし得るため、従来の採光方式のシャッターカーテンを備えた装置の場合のように、前記3位置の信号の区別を設定する必要から開放され、施工作業時間を大幅に短縮することができる。
【0074】さらに、また少ない部品によって、採光用窓33aを開いた採光状態と、採光用窓33aを閉じた非採光状態との2態様を自動的に選択できる機能を得ることができ、取扱操作が簡単であり、簡素な構造ですむためコスト面でも優れる。る。
【0075】
【発明の効果】(1)第1発明のシャッター位置検出装置によれば、既設の上限スイッチと下限スイッチとの2つを利用することによって、シャッターカーテンに対し3つの位置制御(全開位置制御、採光位置制御、全閉位置制御)をなし得るため、従来の採光方式のシャッターカーテンを備えた装置の場合のように、前記3位置の信号の区別を設定する必要から開放され、施工作業時間を大幅に短縮することができる。
【0076】さらに、また少ない部品によって、採光用窓を開いた採光状態と、採光用窓を閉じた非採光状態との2態様を自動的に選択できる機能を得ることができ、取扱操作が簡単であり、簡素な構造ですむためコスト面でも優れる。
(2)第2発明のシャッター位置検出装置によれば、既設の上限スイッチ及び下限スイッチと、挟み込み検知スイッチの3つを利用することによって、シャッターカーテンに対し3つの位置制御(全開位置制御、採光位置制御、全閉位置制御)をなし得るため、従来の採光方式のシャッターカーテンを備えた装置の場合のように、前記3位置の信号の区別を設定する必要から開放され、施工作業時間を大幅に短縮することができる。
【0077】さらに、また少ない部品によって、採光用窓を開いた採光状態と、採光用窓を閉じた非採光状態との2態様を自動的に選択できる機能を得ることができ、取扱操作が簡単であり、簡素な構造ですむためコスト面でも優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1発明のシャッター位置検出装置の実施例1の要部を裏側から視認した斜視図。
【図2】実施例1の要部における採光用窓(一部)が開いた採光状態を表側から視認した拡大斜視図。
【図3】実施例1の要部における採光用窓(一部)が閉じた非採光状態を表側から視認した拡大斜視図。
【図4】第2発明のシャッター位置検出装置の実施例2の要部を表側から視認した斜視図。
【符号の説明】
1A、1B…シャッター位置検出装置 2…ガイドレール
3…シャッターカーテン 3a…スラット 33a…採光用窓
37a…採光用窓開閉部 3b…上部座板 3c…下部座板
30c…下端
3d…第1押圧部 3e…第2押圧部 3g…第3押圧部
3f…ストッパー部材 S1…上限スイッチ
L…移動代 S2…下限スイッチ
h1…上方全開領域 h2…下方着地領域
4c…感知板 6…リンク部 7…第1アーム
8…第2アーム

【特許請求の範囲】
【請求項1】モータから付与された付勢力により上方全開領域と下方着地領域との間をガイドレールに案内されて上下往復移動するとともに、開閉可能な採光用窓をもつシャッターカーテンと、該シャッターカーテンの下端が上方全開領域に到達した時点でON作動し該シャッターカーテンの開き移動を停止するように該モータを停止制御する上限スイッチと、該シャッターカーテンの下端が着地した時点でON作動し該シャッターカーテンの閉じ移動を該採光用窓が開いた採光状態で下方着地領域に自動的に停止、位置するように該モータを停止制御する下限スイッチと、該シャッターカーテンが該採光用窓を閉じた非採光状態の全閉位置で該上限スイッチをON作動させて該モータを停止制御する位置センサーと、よりなることを特徴とするシャッター位置検出装置。
【請求項2】前記シャッターカーテンは、上下に伸縮する伸縮移動部を備え、該伸縮移動部の伸長時に前記採光用窓が開いた採光状態となり、該伸縮移動部の収縮時に該採光用窓が閉じた非採光状態である前記請求項1記載のシャッター位置検出装置。
【請求項3】前記センサー部は、前記シャッターカーテンに設けられるとともに、前記採光用窓が閉じた非採光状態のとき、前記伸縮移動部の収縮移動に連動し、前記上限スイッチを押圧しON作動させる押圧部材である前記請求項2記載のシャッター位置検出装置。
【請求項4】モータから付与された付勢力により上方全開領域と下方着地領域との間をガイドレールに案内されて上下往復移動するとともに、開閉可能な採光用窓をもつシャッターカーテンと、該シャッターカーテンの下端が上方全開領域に到達した時点でON作動し該シャッターカーテンの開き移動を停止するように該モータを停止制御する上限スイッチと、該シャッターカーテンの下端が着地した時点でON作動し該シャッターカーテンの閉じ移動を該採光用窓が開いた採光状態で下方着地領域に自動的に停止、位置するように該モータを停止制御する下限スイッチと、該シャッターカーテンの閉じ移動時における挟み込みを検出し、機械的に作動する挟み込み検出作動部材及び該挟み込み検出作動部材の作動時に該モータに逆転駆動あるいは駆動停止を指令する制御部に挟み込み信号を出力する挟み込み検知スイッチと、該シャッターカーテンが該採光用窓を閉じた非採光状態の全閉位置で該挟み込み検知スイッチをON作動させて該モータを停止制御する位置センサーと、よりなることを特徴とするシャッター位置検出装置。
【請求項5】前記シャッターカーテンは、上下に伸縮する伸縮移動部を備え、該伸縮移動部の伸長時に前記採光用窓が開いた採光状態となり、該伸縮移動部の収縮時に該採光用窓が閉じた非採光状態である前記請求項4記載のシャッター位置検出装置。
【請求項6】前記センサー部は、前記シャッターカーテンに形成されるとともに、該シャッターカーテンの前記伸縮移動部の収縮移動に連動し、前記挟み込み検出作動部材を介して挟み込み検知をON作動するリンク部である前記請求項5記載のシャッター位置検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2002−285769(P2002−285769A)
【公開日】平成14年10月3日(2002.10.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2001−84873(P2001−84873)
【出願日】平成13年3月23日(2001.3.23)
【出願人】(000000011)アイシン精機株式会社 (5,421)
【Fターム(参考)】