説明

シャッタ

【課題】弾性部材が内部空間に入ることを抑制すると共にシャッタ扉の開閉保持を確実に行えるシャッタを提供する。
【解決手段】シャッタ1はシャッタ扉2を開閉する際にシャッタ扉2の重量を受け留める制動機構部6を設ける。制動機構部6は一端をシャッタ扉2に取り付け他端を移動可能にレール62に取り付けた伸縮自在の弾性部材61を備える。弾性部材61は、シャッタ扉2を閉じるときにはシャッタ扉2の閉移動途中に弾性部材61の他端が弾性部材61の引っ張り弾性力によりレール62の一方移動限まで移動した閉動作制動姿勢となり、シャッタ扉2を開くときにはシャッタ扉2の開移動途中に弾性部材61の他端が弾性部材61の引っ張り弾性力によりレール62の他方移動限まで移動した開動作制動姿勢となるように移動可能とされている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャッタ扉を開閉する際の衝撃を緩和する機構を備えたシャッタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、シャッタ扉を閉めるときの衝撃を緩和するシャッタとして、特許文献1に開示のものがある。図9に示すように、このシャッタ100は、シャッタ扉102を閉めるときにシャッタ扉102の重量を受け留める制動機構部106を設ける。この制動機構部106は、逆U字状に形成する一対のガイドレール103の前部のそれぞれにスライド自在に外嵌されてシャッタ扉102の閉移動途中からシャッタ扉102と当接する当り受部材162と、一端をガイドレール103に設けた凹溝内に固定させ他端を当り受部材162と接続させた伸縮自在の弾性部材161とを有する。これによると、シャッタ扉102を閉じるとき、シャッタ扉102の前端部が当り受部材162と当接すると弾性部材161が引っ張られ、この弾性部材161の引っ張り弾性力によってシャッタ扉102の重量が受け留められてシャッタ扉102の閉動作速度が十分に減速されるので、大きな衝撃を与えることなくシャッタ扉102を静かに閉めることができるとする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−3769号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のシャッタ100では、シャッタ扉102を閉めるときのみならず、シャッタ扉102を開けるときにも衝撃緩和させるには、ガイドレール103の前部側の弾性部材161とは別に、ガイドレール103の後部にも同様の弾性部材161を設ける必要がある。そうすると、シャッタ扉102を閉めるときと開けるときのそれぞれに対応してガイドレール103の前部と後部のそれぞれに弾性部材161や当り受部材162を設けることとなり、部品点数が多くなってシャッタ100の構成が複雑になり、また、コストも高くなってしまう。また、前面側に当り受け部材162等が配置されると美観が良くなく家具などへの採用が難しかった。
【0005】
そこで、同じ弾性部材161によりシャッタ扉102を閉じるときも開くときもシャッタ扉102の移動を制動させるように、例えば、弾性部材161の一端をシャッタ扉102に固定し、他端をシャッタ扉102を取り付けた筐体に固定させることが考えられる(図10(a)(b)参照)。しかしながら、弾性部材161の取り付け位置によって、シャッタ扉102を閉じるに従って弾性部材161がこのシャッタ100の内部空間107に深く入り込んで内部の配置物を引っ掛ける等の不具合を生じさせたり(図10(a)参照)、弾性部材161の弾性力が強く効きすぎてシャッタ扉102の開放時にシャッタ扉102が閉まる側に移動して完全に開放保持できない等の不具合を生じさせる(図10(b)参照)。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、同じ弾性部材によりシャッタ扉の開閉時の衝撃を緩和する機構を設けるにあたり、弾性部材が内部空間に入ることを抑制すると共にシャッタ扉の開閉保持を確実に行えるシャッタを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るシャッタは、
折れ曲げ可能なシャッタ扉を一対のガイドレール間に走行自在に取り付け、上記シャッタ扉を閉じたときには該シャッタ扉の前部が下方に垂下されると共に、上記シャッタ扉を開いたときには該シャッタ扉の後部が下方に垂下されるように構成されたシャッタであって、
上記シャッタ扉を開閉する際に該シャッタ扉の重量を受け留める制動機構部を設け、
上記制動機構部は、伸縮自在の弾性部材を備え、
上記弾性部材は、一端を上記シャッタ扉に取り付けると共に他端を移動可能にレールに取り付け、上記シャッタ扉を閉じるときにはシャッタ扉の閉移動の途中に上記弾性部材の他端が該弾性部材の引っ張り弾性力により上記レールの一方移動限まで移動した閉動作制動姿勢となり、上記シャッタ扉を開くときもシャッタ扉の開移動の途中に上記弾性部材の他端が該弾性部材の引っ張り弾性力により上記レールの他方移動限まで移動した開動作制動姿勢となるように移動可能に構成されている。
【0008】
上記構成によれば、シャッタ扉を閉めて行くと、弾性部材が上記閉動作制動姿勢となり、該弾性部材の引っ張り弾性力によってシャッタ扉の閉動作速度が十分に減速され、大きな衝撃を与えることなくシャッタ扉を静かに閉めることができる。一方、シャッタ扉を開けて行くと、上記弾性部材が上記開動作制動姿勢となり、該弾性部材の引っ張り弾性力によってシャッタ扉の開動作速度が十分に減速され、シャッタ扉を開けるときも大きな衝撃を与えることなくシャッタ扉を静かに開けることができる。
【0009】
そして、上記弾性部材は、シャッタ扉を閉じるときの閉動作制動姿勢と開くときの開動作制動姿勢の各姿勢に変更するときにはシャッタに囲われた内部空間に深く入らないように弾性部材の他端が移動可能となっている。従って、シャッタ扉を開閉する際に弾性部材が上記各姿勢に変更するときに弾性部材がシャッタに囲われた内部空間に深く入ることがない。よって、シャッタ扉を開閉する際にシャッタに囲われた内部空間の配置物に弾性部材が引っ掛かることがなく上記内部空間を広く確保することができる。
【0010】
また、弾性部材は、他端が移動してシャッタ扉を閉じるときの閉動作制動姿勢と開くときの開動作制動姿勢となることにより、シャッタ扉の開閉時に弾性部材の引っ張り弾性力が強く効きすぎることもなくシャッタ扉の開閉保持を確実に行える。
【0011】
上記一対のガイドレールが逆U字状に形成されて、該ガイドレールを走行するシャッタ扉は、閉移動の途中から閉鎖位置までシャッタ扉後端部が横移動し、開移動の途中から開放位置までシャッタ扉後端部が縦移動するように構成され、
上記レールは、上記一対のガイドレールの後部の外周位置近傍にそれぞれ上下方向に延設されて一対設けられており、
上記弾性部材は、2個有し、
各弾性部材は、一端がシャッタ扉後端部の外側面に取り付けられ、他端が上記各レールのそれぞれに取り付けられて、上記閉動作制動姿勢として横向き姿勢となり、上記開動作制動姿勢として縦向き姿勢となるように移動可能に構成されているのが望ましい。
【0012】
これによれば、シャッタ扉を閉じて行くとき、シャッタ扉後端部の上方移動に伴ってレールの下方限(他方移動限)に位置していた弾性部材の他端が上方へ引っ張られてレールの上方へ移動する。続いて、シャッタ扉後端部の横移動に伴って弾性部材の他端がさらに上方へ引っ張られてレールの上方限(一方移動限)まで移動する。そして、シャッタ扉が閉鎖位置に達するまでシャッタ扉後端部が横移動する間は、弾性部材が横向き姿勢となって引っ張られる。従って、シャッタ扉を閉じる間に弾性部材がシャッタに囲われた内部空間に深く入り込むことが防止される。
【0013】
一方、シャッタ扉を開いて行くとき、シャッタ扉後端部が横移動から下方移動(縦移動)となり、この下方移動に伴ってレールの上方限に位置していた弾性部材の他端が下方へ引っ張られてレールの下方へ移動する。続いて、シャッタ扉後端部の下方移動に伴って弾性部材の他端がさらに下方へ引っ張られてレールの下方限まで移動する。そして、シャッタ扉が開放位置に達するまでシャッタ扉後端部が下方移動する間は、弾性部材が縦向き姿勢となって引っ張られる。従って、シャッタ扉を開く間も弾性部材がシャッタに囲われた内部空間に深く入り込むことが防止される。
【0014】
このように、シャッタ扉を開閉する際に弾性部材が上記各姿勢に変更するときに弾性部材の他端が移動することにより、弾性部材がシャッタに囲われた内部空間に深く入ることがない。よって、シャッタ扉を開閉する際にシャッタに囲われた内部空間の配置物に弾性部材が引っ掛かることがなく上記内部空間を広く確保することができる。
【0015】
また、弾性部材は、他端が移動してシャッタ扉を閉じるときの横向き姿勢と開くときの縦向き姿勢となることにより、シャッタ扉の開閉時に弾性部材の引っ張り弾性力が強く効きすぎることもなくシャッタ扉の開閉保持を確実に行える。
【0016】
上記弾性部材の他端が、移動限を設定可能なストッパを有した上記レールに対して低摩擦で移動可能に設けたスライド部材に取り付けられている場合は、シャッタ扉を開閉するときに弾性部材の他端が円滑に移動して円滑に上記各姿勢となる。
【0017】
上記弾性部材の一端が、上記シャッタ扉に対して揺動可能となるようにヒンジ部材を介して取り付けられている場合は、シャッタ扉を開閉するときに弾性部材の一端が円滑に揺動して円滑に上記各姿勢となる。
【発明の効果】
【0018】
以上のように、本発明に係るシャッタによれば、同じ弾性部材によってシャッタ扉を閉めるときも開けるときもシャッタ扉の移動速度を減速させて開閉時の衝撃を緩和できる。従って、シャッタ扉を静かに開閉することができ、大きな衝撃音を発生させることもなく、且つ各部に大きな衝撃を与えることがないためシャッタの耐久性を向上できる。
【0019】
加えて、シャッタ扉を開閉する際に弾性部材がシャッタに囲われた内部空間に深く入ることがないので、内部空間の配置物に弾性部材が引っ掛かることがなく上記内部空間を広く確保することができる。さらに、弾性部材は、他端が移動してシャッタ扉を閉じるときの閉動作制動姿勢と開くときの開動作制動姿勢となることにより、シャッタ扉の開閉時に弾性部材の引っ張り弾性力が強く効きすぎることもなくシャッタ扉の開閉保持を確実に行える。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】実施の形態によるシャッタの外観を示す斜視図である。
【図2】シャッタ扉を閉じた状態を示す図であり、同図(a)は、側方から見た断面図であり、同図(b)は、後方から見た断面図である。
【図3】シャッタ扉を開いた状態を示す図であり、同図(a)は、側方から見た断面図であり、同図(b)は、後方から見た断面図である。
【図4】一対のガイドレール間にシャッタ扉が嵌め込まれた状態を示す断面図である。
【図5】ヒンジによる各スラットの連結部分を示す断面図である。
【図6】ヒンジに対する案内ローラの取り付け状態を示す断面図である。
【図7】弾性部材の他端をレールに設けたスライド部材に取り付けた部分を示す斜視図である。
【図8】弾性部材の一端をシャッタ扉後端部に設けたヒンジ部材に取り付けた部分を示す平面図である。
【図9】従来のシャッタにおいてシャッタ扉を閉めるときの制動機構を設けたものを示す側面図である。
【図10】シャッタ扉の開閉時の制動を同じ弾性部材で実現しようとした場合の問題を説明するための図であり、同図(a)は、弾性部材が内部空間に深く入り込んだ様子を示す側面図であり、同図(b)は、弾性部材が強く効きすぎる様子を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1〜図3に示すように、実施の形態によるシャッタ1は、前面が開口する筐体10に一対のガイドレール3を設け、この一対のガイドレール3間に折曲可能なシャッタ扉2を走行自在に取り付け、このシャッタ扉2により筐体10の前面開口部が開閉されるようにしたものである。図4を参照して、一対のガイドレール3は、筐体10の左右の側壁11の内側面において対向位置にそれぞれ形成された断面コ字状の凹溝により構成される。各ガイドレール3は、逆U字状に形成されており、シャッタ扉2は、閉移動の途中から閉鎖位置までシャッタ扉後端部20が横移動し(図2(a)参照)、開移動の途中から開放位置までシャッタ扉後端部20が縦移動するように構成される(図3(a)参照)。
【0022】
図5を参照して、シャッタ扉は、複数の長方形平板状のスラット4の長辺相互をヒンジ5によって連結することで各スラット4が折曲自在となっている。具体的には、ヒンジ5の両側の側溝51内にはスラット4の回動支点となる断面円弧状の凸部52が形成され、また、スラット4には長辺に沿って凸部52に回動自在に係合する凹部41が形成されている。そして、スラット4をヒンジ5の側溝51内に差し込んで凹部41と凸部52とを係合させることにより、スラット4は、凹部41と凸部52との係合部を回動支点として所定角度折曲できるようになっている。また、各ヒンジ5には挿通孔53が形成されており、図6に示すように、ヒンジ5の長手方向両端部の挿通孔53に案内ローラ21が回動可能に取り付けられている。そして、筐体10に形成された一対のガイドレール3に案内ローラ21が転動可能に配設される(図4参照)。
【0023】
ところで、このシャッタ1には、シャッタ扉2を開閉する際にシャッタ扉2の重量を受け留める制動機構部6が設けられている(図2、図3を参照。)。制動機構部6は、一端をシャッタ扉2に取り付けると共に、他端を移動可能にレール62に取り付けた伸縮自在の弾性部材(引っ張りバネ)61を備える。レール62は、一対のガイドレール3の後部の外周位置近傍にそれぞれ上下方向に延設されて一対設けられている。この一対のレール62は、筐体10の左右の側壁11に取り付けられている。なお、レール62は、後述のスライド部材63が走行自在に取り付けられる凹溝を有している。弾性部材61は、2個有し、各弾性部材61は、一端が両方ともシャッタ扉後端部20の外側面の略中央に取り付けられ、他端がそれぞれ各レール62に取り付けられている。具体的には、各弾性部材61の一端は、シャッタ扉2に設けたヒンジ部材65に取り付けられて揺動可能となっており(図8参照)、また、各弾性部材61の他端は、各レール62に沿って上下移動するようにレール62に設けたスライド部材63に取り付けられている(図7参照)。スライド部材63にはレール62に低摩擦で移動するように転動体64が取り付けられており、例えば、静摩擦係数を0.05以下とし、望ましくは0.01以下とする。
なお、図7を参照して、レール62の下側にはスライド部材63の移動限を設定するストッパ66が設けられており、これにより各弾性部材61の弾性力の効き、移動姿勢などを適宜に調整することができる。このストッパ66は、レール62の下側にだけ設けるが上側にも設けるようにしてもよい。
【0024】
以上の構成より、このシャッタ1は、シャッタ扉2を閉じて行くとき、図2を参照して、シャッタ扉後端部20の上方移動に伴ってレール62の下方限位置に配置されていた弾性部材61の他端が上方へ引っ張られてレール62の上方へ移動する。続いて、シャッタ扉後端部20の横移動に伴って弾性部材61の他端がさらに上方へ引っ張られてレール62の上方限まで移動する。そして、シャッタ扉2が閉鎖位置に達するまでシャッタ扉後端部20が横移動する間は、弾性部材61が横向き姿勢(閉動作制動姿勢)となって引っ張られる。従って、シャッタ扉2を閉じる間に弾性部材61がシャッタ1で囲われた内部空間7に深く入り込むことが防止される。そして、この弾性部材61の引っ張り弾性力によってシャッタ扉2を閉じるときにシャッタ扉2の重量が受け留められる。
【0025】
一方、シャッタ扉2を開いて行くとき、図3を参照して、シャッタ扉後端部20が横移動から縦移動に移って下方移動するに伴ってレール62の上方限位置に配置されていた弾性部材61の他端が下方へ引っ張られてレール62の下方へ移動する。続いて、シャッタ扉後端部20の下方移動に伴って弾性部材61の他端がさらに下方へ引っ張られてレール62の下方限まで移動する。そして、シャッタ扉2が開放位置に達するまでシャッタ扉後端部20が下方移動する間は、弾性部材61が縦向き姿勢(開動作制動姿勢)となって引っ張られる。従って、シャッタ扉2を開く間も弾性部材61がシャッタ1で囲われた内部空間7に深く入り込むことが防止される。そして、この弾性部材61の引っ張り弾性力によってシャッタ扉2を開くときにシャッタ扉2の重量が受け留められる。
【0026】
また、各弾性部材61の他端が各レール62に対して低摩擦で移動可能に設けたスライド部材63に取り付けられているので、シャッタ扉2を開閉するときに各弾性部材61の他端が円滑に移動して円滑に上記各姿勢となる。また、各弾性部材61の一端がシャッタ扉2に対して揺動可能となるようにヒンジ部材65を介して取り付けられているので、シャッタ扉2を開閉するときに各弾性部材61の一端が円滑に揺動して円滑に上記各姿勢となる。
【0027】
このように、シャッタ扉2を開閉する際にシャッタ扉2の開閉に応じて各弾性部材61が上記各姿勢に変更するときに各弾性部材61の他端が上下移動することにより、各弾性部材61がシャッタ1で囲われた内部空間7に深く入ることがない。よって、シャッタ扉2を開閉する際に内部空間7の配置物に弾性部材61が引っ掛かることがなく上記内部空間7を広く確保することができる。また、各弾性部材61は、他端が移動してシャッタ扉2を閉じるときの横向き姿勢(閉動作制動姿勢)と開くときの縦向き姿勢(開動作制動姿勢)となることにより、シャッタ扉2の開閉時に各弾性部材61の引っ張り弾性力が強く効きすぎることもなくシャッタ扉2の開閉保持を確実に行える。
【0028】
また、本実施形態に係るシャッタ1によれば、共通の弾性部材61によってシャッタ扉2の開閉時におけるシャッタ扉2の重量が受け留められるので、部品点数を増やさずにシャッタ扉2を閉めるときも開けるときもシャッタ扉2の移動速度を減速させて開閉時の衝撃を緩和できる。従って、シャッタ扉2を静かに開閉することができ、大きな衝撃音を発生させることもなく、且つ各部に大きな衝撃を与えることがないためシャッタ1の耐久性を向上できる。また、共通の弾性部材61によってシャッタ扉2の開閉時の衝撃を緩和できるので、シャッタ1の構造が複雑になることもなく、また、コストを低く抑えることができる。さらに、制動機構部6は、後部側に配置することで筐体10の外観から見えないので美観が良く、よってこのシャッタ1を家具などにも適用し易い。
【0029】
なお、上記実施形態では、各弾性部材61の一端をともにシャッタ扉後端部20の略中央位置に取り付けるが、それぞれの配置側寄りに取り付けるようにしてもよい。この場合、各弾性部材61を短く構成することができる。
また、上記実施形態では、弾性部材61を2個設けたが、1個であってもよい。
また、上記実施形態では、図示した弾性部材61は引っ張りバネであるが、これに限らず、ゴム紐、シリンダー機構等の各種の弾性部材が適用可能である。
さらに、本発明に係るシャッタは、上記実施形態で図示したものに限らず、適宜に変更することができる。
【符号の説明】
【0030】
1 シャッタ
2 シャッタ扉
3 ガイドレール
4 スラット
5 ヒンジ
6 制動機構部
7 内部空間
10 筐体
11 側壁
20 シャッタ扉後端部
21 案内ローラ
41 凹部
51 側溝
52 凸部
53 挿通孔
61 弾性部材
62 レール
63 スライド部材
64 転動体
65 ヒンジ部材
66 ストッパ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
折れ曲げ可能なシャッタ扉を一対のガイドレール間に走行自在に取り付け、上記シャッタ扉を閉じたときには該シャッタ扉の前部が下方に垂下されると共に、上記シャッタ扉を開いたときには該シャッタ扉の後部が下方に垂下されるように構成されたシャッタであって、
上記シャッタ扉を開閉する際に該シャッタ扉の重量を受け留める制動機構部を設け、
上記制動機構部は、伸縮自在の弾性部材を備え、
上記弾性部材は、一端を上記シャッタ扉に取り付けると共に他端を移動可能にレールに取り付け、上記シャッタ扉を閉じるときにはシャッタ扉の閉移動の途中に上記弾性部材の他端が該弾性部材の引っ張り弾性力により上記レールの一方移動限まで移動した閉動作制動姿勢となり、上記シャッタ扉を開くときにはシャッタ扉の開移動の途中に上記弾性部材の他端が該弾性部材の引っ張り弾性力により上記レールの他方移動限まで移動した開動作制動姿勢となるように移動可能に構成されているシャッタ。
【請求項2】
請求項1に記載のシャッタにおいて、
上記一対のガイドレールが逆U字状に形成されて、該ガイドレールを走行するシャッタ扉は、閉移動の途中から閉鎖位置までシャッタ扉後端部が横移動し、開移動の途中から開放位置までシャッタ扉後端部が縦移動するように構成され、
上記レールは、上記一対のガイドレールの後部の外周位置近傍にそれぞれ上下方向に延設されて一対設けられており、
上記弾性部材は、2個有し、
各弾性部材は、一端がシャッタ扉後端部の外側面に取り付けられ、他端が上記各レールのそれぞれに取り付けられ、上記閉動作制動姿勢として横向き姿勢となり、上記開動作制動姿勢として縦向き姿勢となるように移動可能に構成されているシャッタ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のシャッタにおいて、
上記弾性部材の他端は、移動限を設定可能なストッパを有した上記レールに対して低摩擦で移動可能に設けたスライド部材に取り付けられているシャッタ。
【請求項4】
請求項1又は2に記載のシャッタにおいて、
上記弾性部材の一端は、上記シャッタ扉に対して揺動可能となるようにヒンジ部材を介して取り付けられているシャッタ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2011−84903(P2011−84903A)
【公開日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−237325(P2009−237325)
【出願日】平成21年10月14日(2009.10.14)
【出願人】(000100838)アイセル株式会社 (62)