説明

ショーケース

【課題】アップテーブルの下面に直管形の蛍光灯を列設して平形ケースの庫内を照明するショーケースで、蛍光灯相互間の継ぎ目間隔に起因する照明ムラを防ぎ、庫内を均等な明るさに照明できるように蛍光灯の配列を改良する。
【解決手段】商品を陳列する上面開放形ケース本体の上方にアップテーブル7を配備し、庫内照明灯としてアップテーブルの下面にその長手方向に沿って直管形の蛍光灯9を横並びに列設したショーケースにおいて、蛍光灯9を前後列に分けて千鳥状に配列するものとし、具体的にはアップテーブルに対して各列の両端に並ぶ蛍光灯の管端を略同じ位置に揃え上で、前列,後列では長さの異なる直管形蛍光灯(32W,20W)を横並びして蛍光灯の相互間に残る継ぎ目間隔てに、別な列の蛍光灯が対峙して並ぶように配列する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アップテーブル付きの平形ショーケースを対象に、庫内の照明手段として前記アップテーブルの下面に直管形の蛍光灯を列設したショーケースに関する。
【背景技術】
【0002】
商品を陳列する上面開放形ケース本体の上方にアップテーブルを装備した上で、このアップテーブルの下面に蛍光灯を列設して庫内に陳列した商品を上方から照明するようにした平形ショーケースが知られており(例えば、特許文献1参照)、その従来例の構成を図2,図3に示す。
まず、図2において、1は庫内上面を開放したケース本体、2はケース本体の内箱、3は庫内底部に配したデッキパン、4はケース本体1と内箱2との間に画成した冷気循環路、5は冷却器(冷凍機のエバポレータ)、6はファン、7はケース本体1の上方に配したアップテーブル、8はアップテーブルの支柱、9がアップテーブルの下面に列設した庫内照明用の蛍光灯である。
ここで、アップテーブル7はケース本体1の間口サイズに相応した天蓋テーブルで、その周面がシェード7aで覆われており、その内側には図3で示すようにテーブルの長手方向に沿って直管形の蛍光灯9が列設されている。なお、図示例のショーケースは6尺ケース(間口幅:1830mm)であり、アップテーブル7の下面には、4本の直管形蛍光灯(定格ランプ電力:32W,長さ:830mm)を2本ずつ前後列に分けて横並びに配列し、各本ごとに蛍光灯の口金ピンをテーブル側に設けたソケット10に差し込んで指示している。なお、周知のように直管形蛍光灯は、定格ランプ電力(20W,32W,40Wなど)の種別ごとに規格で長さサイズが規定されている。
【0003】
ところで、図3のように同じ長さの蛍光灯(32W)9を前後列に分けて横並びするよう列設した配置では、左右に並ぶ蛍光灯9と蛍光灯9との間に残る継ぎ目間隔dが空白スペース(非配光域)となる。このために、蛍光灯9を点灯したショーケースの使用状態では、前記の継ぎ目間隔dに対応する部分が陰となって照明ムラが生じ、これにより庫内では商品の陳列位置によっては周囲比べて暗くなる(照度の低下)。また、アップテーブル7の前面シェードを広告面として使用する場合でも、継ぎ目間隔dの前面が暗くなって広告効果が損なわれる問題がある。なお、このような照明ムラは、例えば20Wの蛍光灯を3本ずつ前後列に分けて列設した場合でも同様に生じる。
そこで、前記した照明ムラを防ぐ対策として、横並びに列設した蛍光灯9と蛍光灯9との間に残る継ぎ目間隔dの背後に反射板を設置し、ここに蛍光灯の照明光を導光して照明ムラを防ぐようにした構成が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平10−274472号公報(図7)
【特許文献2】特開平7−151454号公報(図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前記した蛍光灯の照明ムラ防止策として、特許文献2に開示されている反射板方式は、アップテーブルに組み付ける庫内照明具の部品点数,組立工数が増してコスト高となるほか、その取り付け位置が,角度ずれたりすると期待した照明ムラの防止効果が得られない。
本発明は上記の点に鑑みなされたものあり、その目的は前記した反射板などの補助部品を追加装備することなしに、市販品の蛍光灯の中から選択した長さの異なる蛍光灯を組合せてアップテーブルに列設することにより、照明ムラなしに庫内を均等な明るさに照明できるようにして商品展示性の向上が図れるように改良したショーケースを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明によれば、商品を陳列する上面開放形ケース本体の上方にアップテーブルを配備し、庫内照明灯として前記アップテーブルの下面にその長手方向に沿って直管形の蛍光灯を横並びに列設したショーケースにおいて、
蛍光灯を前後複数列に振り分けて千鳥状に配列するものとし(請求項1)、具体的には次記のような態様で列設する。
(1)同じ列内で横並びする蛍光灯の相互間に残る継ぎ目間隔に、別な列に横並びする蛍光灯が対峙するように各列に並ぶ蛍光灯の配列を設定する(請求項2)。
(2)アップテーブルに対し、各列の両端に並ぶ蛍光灯の管端を略同じ位置に揃え上で、列別に長さの異なる直管形蛍光灯を横並びして千鳥状に配列する(請求項3)。
【発明の効果】
【0006】
上記の構成によれば、前後の複数列に分けて配列した蛍光灯の間では、横並びする蛍光灯と蛍光灯との間に残る継ぎ目間隔に、別な列に並ぶ蛍光灯が前後に対峙して並ぶようになる。したがって、庫内,およびアップテーブルの正面シェードには蛍光灯の相互間に残る継ぎ目間隔に起因する照明ムラが生じなくなり、これにより庫内に陳列した商品を一様な明るさに照明できて商品の展示効果が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の実施の形態を図1(a),(b)示す実施例に基づいて説明する。なお、図1(a)は図2に示したアップテーブルの拡大側面図、図1(b)は図3に対応する蛍光灯の配列図であり、図2,図3に対応する部材には同じ符号をしている。
すなわち、平形ショーケース(間口幅:6尺=1830mm)に装備したアップテーブル7の下面に前後2列に分けて横並びに列設した蛍光灯9について、図示実施例では、各列の両端に並ぶ蛍光灯の管端が略同じ位置に並ぶように揃えた上で、前列には定格ランプ電力32Wの直管形蛍光灯(長さ:830mm)を2本、後列には定格ランプ電力20Wの直管形蛍光灯(長さ:580mm)を3本並べ、この配列で前列の蛍光灯(32Wと)と後列の蛍光灯(20W)が千鳥状に並ぶように列設している。
この千鳥状配列によれば、図示から判るように前列に並ぶ蛍光灯(32W)の相互間に残る継ぎ目間隔dには後列に並ぶ蛍光灯(20W)が対峙して重なり、逆に後列に並ぶ蛍光灯(20W)の相互間に残る継ぎ目間隔dには前列に並ぶ蛍光灯(32W)が対峙して重なるようになる。
【0008】
したがって、図3の配列で左右に並ぶ蛍光灯9の間に残る継ぎ目間隔dがそのまま光源の空白スペースとなることがなくなり、これにより、照明ムラ無しに平形ケースの庫内を一様な明るさで照明することができて商品展示効果が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施例によるショーケースの庫内照明灯の配列を表す図で、(a)はアップテーブルの側面図、(b)はアップテーブルの下面に列設した蛍光灯の配置図
【図2】本発明の実施対象となるアップテーブル付き平形ショーケース全体の構成断面図
【図3】図2のアップテーブルに列設した蛍光灯の従来における配置図
【符号の説明】
【0010】
1 平形ショーケースのケース本体
7 アップテーブル
9 直管形蛍光灯(庫内照明灯)
10 ソケット
d 隣接する蛍光灯間の継ぎ目間隔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品を陳列する上面開放形ケース本体の上方にアップテーブルを配備し、庫内照明灯として前記アップテーブルの下面にその長手方向に沿って直管形の蛍光灯を横並びに列設したショーケースにおいて、
蛍光灯を前後複数列に振り分けて千鳥状に配列したことを特徴とするショーケース。
【請求項2】
請求項1に記載のショーケースにおいて、同じ列内で横並びする蛍光灯相互間の継ぎ目間隔に、別な列に横並びする蛍光灯が対峙するように各列の蛍光灯を配列したことを特徴とするショーケース。
【請求項3】
請求項2に記載のショーケースにおいて、アップテーブルに対し、各列の両端に並ぶ蛍光灯の管端を略同じ位置に揃え上で、列別に長さの異なる直管形蛍光灯を横並びして千鳥状に配列したことを特徴とするショーケース。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−64425(P2008−64425A)
【公開日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−245666(P2006−245666)
【出願日】平成18年9月11日(2006.9.11)
【出願人】(000237710)富士電機リテイルシステムズ株式会社 (1,851)
【Fターム(参考)】