シート処理装置およびシート処理方法
【課題】 処理シートに対し、点字と墨字との文字単位の対応関係を容易に識別させるように点字および墨字を表示した点字ラベルを作製することができるシート処理装置等を提供することを課題とする。
【解決手段】 処理シートTに対し、入力された同一の文字情報に基づいて、1個の点字マス200で表現される1マス点字Bsと、2個の点字マス200で表現される2マス点字Bwとが混在する複数の点字Bから成る点字列Lbを打刻すると共に、複数の墨字Pから成る墨字列Lpを印刷し、点字Bと墨字Pとの文字単位の対応関係を識別させる対応表示150を印刷する。
【解決手段】 処理シートTに対し、入力された同一の文字情報に基づいて、1個の点字マス200で表現される1マス点字Bsと、2個の点字マス200で表現される2マス点字Bwとが混在する複数の点字Bから成る点字列Lbを打刻すると共に、複数の墨字Pから成る墨字列Lpを印刷し、点字Bと墨字Pとの文字単位の対応関係を識別させる対応表示150を印刷する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、処理シートに対し、同一の文字情報に基づいて、点字および墨字を表示可能なシート処理装置およびシート処理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、テープ状のラベル(処理シート)対し、同一の文字情報に基づいて、刻字手段(点字打刻手段)により点字を打刻すると共に、プリンタ装置(印刷手段)により墨字の印刷を行う点字ラベルライタ(シート処理装置)が知られている。このような点字ラベルライタで作製されたラベルは、点字および墨字の両方が表示されているため、失明者は点字からそこに表された情報を認識することができ、晴眼者は墨字からそこに表された情報を認識することができる。
【0003】
ところで、一般に用いられている点字は、6個の打刻凸部のビットパターンで点字1マスが表現され、通常の仮名文字である墨字1文字は、1マスの点字(1マス点字)で表現されるが、濁音、拗音等の仮名文字である墨字1文字は、2マスの点字(2マス点字)で表現されるようになっている。そのため、特に、1マス点字と2マス点字とが混在する複数の点字とこれに対応する複数の墨字とが処理シートに表示されている場合、点字の知識のない者にとっては、点字と墨字との文字単位の対応関係が識別困難である。そこで、従来の点字ラベルライタでは、点字と墨字との対応関係を識別させるため、墨字を等間隔に印刷するのではなく、対応する点字の下方に添わせて印刷することが行われている(特許文献1参照。)。
【特許文献1】実用新案登録第3054580号公報(段落[0021]、第2図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の点字ラベルライタのように、墨字を対応する点字に添わせて印刷したとしても、点字の規則(特に2マス点字の存在)を知らない者にとっては、濁音等の墨字が点字2マスに対応していることが分からないため、点字と墨字との対応関係を正確に識別することはできず、却って、墨字が等間隔に印刷されていないことに不審を抱かせることにもなっていた。
【0005】
本発明は、処理シートに対し、点字と墨字との文字単位の対応関係を容易に識別させるように点字および墨字を表示した点字ラベルを作製することができるシート処理装置およびシート処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のシート処理装置は、処理シートに対し、入力された同一の文字情報に基づいて、点字打刻手段により、1個の点字マスで表現される1マス点字と、2個の点字マスで表現される2マス点字とが混在する複数の点字から成る点字列を打刻すると共に、印刷手段により、複数の墨字から成る墨字列を印刷するシート処理装置であって、印刷手段は、墨字列を印刷すると共に、点字と墨字との文字単位の対応関係を識別させる対応表示を印刷することを特徴とする。
【0007】
本発明のシート処理方法は、処理シートに対し、入力された同一の文字情報に基づいて、1個の点字マスで表現される1マス点字と、2個の点字マスで表現される2マス点字とが混在する複数の点字から成る点字列を打刻すると共に、複数の墨字から成る墨字列を印刷し、点字と墨字との文字単位の対応関係を識別させる対応表示を印刷することを特徴とする。
【0008】
これらの構成によれば、処理シートに対して、墨字を印刷すると共に対応表示を印刷することで、点字と墨字との文字単位の対応関係を容易に識別できる点字ラベルを作製することができる。このため、点字の知識に乏しい者に対しても、点字と墨字との文字単位の対応関係を容易に識別させることができる。したがって、ユーザは、点字ラベルに表示された点字が、印刷された墨字と同一の文字情報に基づいて打刻されているか否かを確認することができる。さらに、被貼着物に貼られた点字ラベルを見た者は、印刷された対応表示を手掛かりとして、点字の知識を身に付けることができる。すなわち、晴眼者に対し、点字の規則を啓蒙するラベルを作製することができる。
【0009】
上記のシート処理装置において、対応表示は、少なくとも2マス点字に対して付される点字装飾表示と、これに対応する墨字に対して付される墨字装飾表示とから成ることが好ましい。
【0010】
この構成によれば、2マス点字に対し点字装飾表示が付され、これに対応する濁音等の墨字に墨字装飾表示が付されることで、点字の知識のない者に対しても、2マスの点字により1文字の墨字が表現される場合があるという点字の規則を認識させることができ、さらに、その2マス点字がいずれの墨字に対応しているかを容易に識別させることができる。
【0011】
また、この場合、対応表示は、墨字列において1つ置きの墨字に付される墨字装飾表示と、点字列において当該墨字に対応する1つ置きの点字に付される点字装飾表示とから成ることが好ましい。
【0012】
この構成によれば、1マス点字と2マス点字とが混在する複数の点字から成る点字列であっても、文字単位の区切りを容易に識別させることができ、さらに、各点字がいずれの墨字に対応しているかを容易に識別させることができる。
【0013】
また、この場合、対応表示は、複数の点字を点字単位で区切る区切り線または複数の点字を点字単位で囲う囲い線から成ることが好ましい。
【0014】
この構成によれば、点字列における文字単位の区切りを容易に識別させることができると共に、墨字列に対し、入力された文字情報に基づく墨字以外のものを印刷することがないため、墨字の読みやすさを損なうことがない。
【0015】
これらの場合、印刷手段は、墨字列および対応表示を印刷すると共に、後続する点字の属性を規定する属性規定点字に対し、属性規定点字であることを識別させる属性表示を印刷することが好ましい。
【0016】
この構成によれば、点字の知識のない者に対しても、後続する点字の属性を規定する属性規定点字の存在を認識させることができる。
なお、属性規定点字には、例えば、後続する点字が数字であることを示す数字符、アルファベットであることを示す外字符、アルファベットが大文字であることを示す大文字符等がある。
【0017】
これらの場合、印刷手段は、墨字を、対応する点字に添わせて印刷することが好ましい。
【0018】
この構成によれば、互いに対応する点字と墨字とが近接して表示されることで、点字と墨字との文字単位の対応関係をより的確に識別させることができる。なお、この場合、ユーザは点字と墨字との文字単位の対応関係を識別することができるため、墨字が等間隔に印刷されていないことに不審を抱くこともないし、逆に、晴眼者が点字を理解することを啓蒙するためのラベルを作製することができる。
【0019】
この場合、印刷手段は、墨字列を、点字列に対し、複数の点字の並び方向に直交する上下方向のいずれかの位置に並列させて印刷することが好ましい。
【0020】
この構成によれば、墨字が点字と重なることなく印刷されるため、墨字の読みやすさを損なうことがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、添付の図面を参照して、本発明のシート処理装置を適用したラベル作製装置について説明する。このラベル作製装置は、点字テープに対し、入力された同一の文字情報に基づいて、複数の点字から成る点字列の打刻と、複数の墨字から成る墨字列の印刷とを行うと共に、点字と墨字との文字単位の対応関係を識別させる対応表示を印刷して、ラベルを作製するものである。そこで、まず、ラベル作製装置により点字テープに表示される点字について説明する。
【0022】
図1は、点字テープTに打刻された点字B(仮名文字「し」を表す6点点字)を説明する図である。同図に示すように、点字Bは、1マス200が2列3段(横2個×縦3個)の打刻ポイント201に打刻した打刻凸部202のビットパターンで表現される。すなわち、点字Bは、1マス200が2列3段の配置パターンで6個の打刻ポイント201a〜201fに分割されており、仮名文字「し」を表示するときは、6個の打刻ポイント201a〜201fのうち4個の打刻ポイント201a,201b,201e,201fが選択的に打刻されて4個の打刻凸部202a,202b,202e,202fが形成される。なお、打刻点(打刻凸部202)を実線の丸で表し、非打刻点を破線の丸で表す。
【0023】
ビットパターンを構成する6個の打刻凸部202のうち、縦3個の打刻凸部202のピッチ(縦ピッチPa)は例えば略2.4mmである。また、横2個の打刻凸部202のピッチ(列間ピッチPb)は例えば略2.1mmであって、隣接マスの打刻凸部202のピッチ(マス間ピッチPc)は例えば略3.3mmである。そして、互いに隣接する点字Bの間隔(点字ピッチPd)は、列間ピッチPbおよびマス間ピッチPcの和分に等しく、例えば略5.4mmである。
【0024】
図2に示すように、点字Bには、1個の点字マス200で1文字の墨字Pを表現する1マス点字Bsと、2個の点字マス200で1文字の墨字Pを表現する2マス点字Bwとが存在する。例えば、通常の仮名文字(あ、い、う、え、お、か、き、く、け、こ等)は、1マス点字Bsであるが(同図(a)参照)、濁音(が、ぎ、ぐ、げ、ご等)、半濁音(ぱ、ぴ、ぷ、ぺ、ぽ)、拗音(きゃ、きゅ、きょ等)等の仮名文字は2マス点字Bwである(同図(b)参照)。なお、拗音「きゃ」は、墨字では、大きい「き」と小さい「ゃ」とにより表されるが、1文字の墨字として考える。
【0025】
また、後続する点字Bの属性を規定する属性規定点字Bcも存在する。属性規定点字Bcには、例えば、後続する点字Bが数字(1、2、3、4、5等)を表すことを示す数字符Bcf、後続する点字Bがアルファベット(a、b、c、d、e等)を表すことを示す外字符Bce、後続する点字Bが大文字のアルファベット(A、B、C、D、E等)を表すことを示す大文字符Bcc等がある(同図(c)参照)。これらの属性規定点字Bcは、1マス点字Bsである。
なお、属性規定点字Bcは、例えば数字符Bcfの場合、原則として、数字に使用される点字B(あ、い、う、る、ら、え、れ、り、お、ろに対応する点字B)が続く限り、後続する点字Bのすべてに有効である。ただし、大文字符Bccについては、1個の場合は最初の1文字に限り有効であり、2個の場合に後続する点字Bのすべてに有効となる。また、大文字のアルファベットを表す場合には、外字符Bceおよび大文字符Bccを組み合わせて用いる。
【0026】
したがって、図3に示すように、通常の仮名文字である複数の墨字Pのみから成る墨字列Lpと、これに対応する複数の1マス点字Bsから成る点字列Lbとは、墨字Pと点字Bとが1対1に対応するが(同図(a)参照)、濁音等の仮名文字や数字を含む複数の墨字Pから成る墨字列Lpと、これに対応する1マス点字Bs(属性規定点字Bcを含む)および2マス点字Bwが混在する点字列Lbとは、墨字Pと点字Bとが1対1に対応しない。
【0027】
次に、本発明に係るラベル作製装置1について説明する。図4は、ラベル作製装置1の閉蓋状態の外観斜視図であり、図5は、ラベル作製装置1の開蓋状態の外観斜視図である。両図に示すように、ラベル作製装置1は、墨字印刷および点字打刻を行う装置本体2と、点字テープTおよびインクリボンRを収容し、装置本体2に装着されるテープカートリッジCとを備えている。
【0028】
装置本体2は、装置ケース3により外殻が形成され、装置ケース3は、握り部分4aが形成された前部ケース4と後部ケース5とが一体に形成されている。前部ケース4は、墨字印刷部102を有し、後部ケース5は、点字打刻部104を有している。そして、墨字印刷部102は、キーボード11(後述する)等から入力された文字情報に基づいて、装着されたテープカートリッジCから繰り出される点字テープTに対して墨字印刷を行い、点字打刻部104は、これと同一の文字情報に基づいて、ユーザにより手差し挿入された点字テープTに対して点字打刻を行う。
【0029】
前部ケース4の前部上面には、各種入力キーを備えたキーボード11が配置されると共に、後部上面には、開閉蓋12が取り付けられている。また、開閉蓋12には、長方形のディスプレイ13が形成されると共に、開閉蓋12の内側には、その左部にテープカートリッジCを装着するためのカートリッジ装着部14が窪入形成されており、テープカートリッジCは、蓋体開放ボタン15の押下により開閉蓋12が開放された状態でカートリッジ装着部14に着脱可能に装着される。また、開閉蓋12には、これを閉止した状態でテープカートリッジCの装着/非装着を視認するための覗き窓12aが形成されている。
【0030】
前部ケース4の右側部には、電源供給のための電源供給口16と、図外のパーソナルコンピュータ等の外部装置と接続するための接続口17(インタフェース)が形成されており、接続口17に外部装置を接続することで、外部装置によって生成された文字情報に基づいて、墨字印刷や点字打刻を行い得るようになっている。
【0031】
また、前部ケース4の左側部には、カートリッジ装着部14と外部とを連通する印刷テープ排出口18が形成され、この印刷テープ排出口18には、テープカートリッジCから繰り出された点字テープTを切断するための切断部103が臨んでいる。そして切断部103により点字テープTの後端部が切断されることで、印刷テープ排出口18から墨字印刷後の点字テープTが排出される。
【0032】
墨字印刷部102は、カートリッジ装着部14に配設され、発熱素子を有しヘッドカバー21aに覆われた印刷ヘッド21と、テープカートリッジCの点字テープTおよびインクリボンRを送るためのプラテン駆動軸22および巻取り駆動軸23と、カートリッジ装着部14の裏側に内蔵され、プラテン駆動軸22および巻取り駆動軸23を駆動する印刷送りモータ24(図7参照)やギヤ列等から構成されている。
なお、カートリッジ装着部14の隅部には、マイクロスイッチで構成されたテープ識別センサ25(図7参照)が設けられている。
【0033】
テープカートリッジCは、上下2分割のカートリッジケース30の内部に、一定の幅の点字テープTおよびこれと同一幅のインクリボンRをそれぞれロール状に巻回して収容している。カートリッジケース30には、上記のヘッドカバー21a、プラテン駆動軸22および巻取り駆動軸23に対応して、カートリッジケース30を上下に貫通する略方形の貫通開口31、プラテンローラ32およびリボン巻取りリール33がそれぞれ配設されている。また、リボン巻取りリール33に隣接して、リボン繰出しリール35が配設されている。そして、テープカートリッジCを上記のカートリッジ装着部14に装着すると、この貫通開口31に装置側から印刷ヘッド21が差し込まれると共に、プラテンローラ32およびリボン巻取りリール33にプラテン駆動軸22および巻取り駆動軸23がそれぞれ係合することで、印刷ヘッド21が点字テープTおよびインクリボンRを挟み込んでプラテンローラ32に当接し、墨字印刷が可能になる。
【0034】
そして、墨字印刷部102は、プラテンローラ32を駆動して点字テープTを送りながら、入力された文字情報に基づいて、印刷ヘッド21により墨字印刷を行う。墨字印刷後、点字テープTのみがテープカートリッジCのテープ送出口36から外部に排出され、インクリボンRは内部(リボン巻取りリール33)で巻き取られるようになっている。
【0035】
テープカートリッジCに収容されている点字テープTには、テープ幅の異なる複数種(12mm、18mm、24mm等)のものが用意されている。そして、図示しないが、カートリッジケース30の裏面には、小さな複数の孔が形成されており、上記のテープ識別センサ25によってこの複数の孔が識別され、点字テープTの種別を識別する。
なお、各テープ幅について、色の異なる複数種(白、赤、青、黄、透明等)の点字テープTが用意されている。
【0036】
点字テープTは、図示しないが、裏面に粘着剤層が設けられ、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂から成る記録シートと、この粘着剤層により記録シートに貼付され、ポリエチレン等の樹脂から成る剥離シートとから構成されている。剥離シートは、点字テープTを使用時まで取り扱いやすくすると共に、上記粘着剤層を埃等から保護するものであり、表面にシリコン処理がなされている。そのため、粘着剤層が剥離シートに及ぼす粘着力は、記録シートに及ぼす粘着力よりも極端に小さくなっている。もっとも、粘着剤層は、剥離シートに対し、墨字印刷時のテープ送り動作中、点字打刻時のテープ搬送中や点字テープTの保管中に、剥離シートが剥がれてしまわないだけの粘着力は有している。なお、記録シートの厚さは例えば略60μm、剥離シートの厚さは例えば略80μmであって、点字テープT全体の厚さは略140μmに構成されている。
【0037】
切断部103は、カートリッジ装着部14と印刷テープ排出口18との間に配設されており、フルカッタ41(図7参照)と、フルカッタ41に対してテープ送り方向下流側に設けられたハーフカッタ42(図7参照)とを備えている。図示しないが、フルカッタ41は、可動刃および固定刃を有するはさみ形式のカッタであり、モータ駆動(フルカッタモータ43、図7参照)により点字テープTの記録シートおよび剥離シートの両方を切断、すなわちフルカットする。また、ハーフカッタ42は、切断刃および切断刃を受ける刃受け部材を有するスライド形式のカッタであり、モータ駆動(ハーフカッタモータ44、図7参照)により点字テープTの剥離シートを残しつつ、記録シートを切断、すなわちハーフカットする。そして、このハーフカット部分を手掛かりとして、剥離シートを容易に剥がすことができる。
【0038】
キーボード11には、文字キー群、電源をON/OFFするための電源キーおよび各種動作モード等を指定するための機能キー群が配列されている。文字キー群は、墨字印刷および/または点字打刻を行うための文字情報を入力するためのものであり、JIS配列に基づいたフルキー構成となっている。また、機能キー群には、墨字印刷および/または点字打刻を実行させるための実行キー、点字打刻部104における点字テープTの送り開始を指示する送り開始キーのほか、テキスト入力時のデータ確定や改行、選択画面における各種モード等の選択指示のための選択キーが含まれる。また、これら以外にも、機能キー群には、一般のワードプロセッサ等と同様に、処理の取り消し等のための取り消しキー、カーソル移動用のカーソルキー等が含まれる。
【0039】
ディスプレイ13は、横方向(X方向)約12cm×縦方向(Y方向)約5cmの長方形の形状の内側に、192ドット×80ドットの表示画像データを表示可能であり、ユーザがキーボード11から文字情報を入力して、墨字印刷を行うための墨字データや、点字打刻を行うための点字データを作成・編集したり、各種モードを選択したりする際に用いられる。また、各種エラーやメッセージ(指示内容)を表示、ユーザに報知する。
【0040】
一方、後部ケース5には、その内部に点字打刻を行う点字打刻部104が組み込まれている。点字打刻部104は、後部ケース5の上面を左右に横切るようにして形成されたテープ走行路61と、後部ケース5の上面中央部に露出して位置し、テープ走行路61の右端部に設けた打刻テープ挿入口61aから手差し挿入された点字テープTを、テープ走行路61の左端部に設けた打刻テープ排出口61bに向けて送るテープ送り機構62と、テープ送り機構62の上流側(図示右側)近傍に配設され、テープ走行路61上を送られてくる点字テープTに対し、点字打刻を行う打刻ユニット63とを備えている。
【0041】
テープ送り機構62は、点字テープを送るための送りローラ65と、送りローラ65を回転させるための打刻送りモータ66(図7参照)とを有している。送りローラ65は、上下に配設した駆動ローラ(図示省略)および従動ローラ65aから成るグリップローラで構成され、従動ローラ65aは、点字Bの縦3個の打刻凸部202に対応して、テープ走行路61の幅方向(テープ幅方向)に3個の括れ部67が形成されており、点字テープTに形成された打刻凸部202を押し潰さないようになっている。
【0042】
図6に示すように、打刻ユニット63は、3個の打刻ピン81を有する打刻ヘッド71と、3個の打刻ピン81に対向する被打刻面72aに3個の打刻受け凹部91が形成された打刻受け部材72とを備え、テープ走行路61上から打刻ヘッド71および打刻受け部材72との間に導入された点字テープTに対し、裏側から打刻ピン81を選択的に駆動し、点字Bの打刻凸部202を形成する。なお、図中の矢印68は、上記のテープ送り機構62により点字テープTが送られる方向を示す。
【0043】
打刻ヘッド71は、テープ走行路の幅方向(テープ送り方向に直交する方向)に沿って、縦3個の打刻凸部202の縦ピッチPaに対応させて略2.4mm間隔で配列された3個の打刻ピン81と、各打刻ピン81の駆動源となる3個のソレノイド82と、3個の打刻ピン81と3個のソレノイド82とをそれぞれ接続する3本のアーム部材83と、3個の打刻ピン81を打刻受け部材72の被打刻面72aに対しそれぞれ垂直に保持すると共に各打刻ピン81の直線運動をガイドするガイド部材84とを有している。
なお、打刻ヘッド71は、テープ走行路61を送られていく点字テープTに対し、テープ送り方向に直交する上下方向の下端部に寄った位置に臨んでおり、点字テープTの下端部に点字打刻を行うようになっている。
【0044】
打刻ピン81は、ステンレス鋼等で構成されており、その頭部は半球形に形成されている。また、アーム部材83は、一端が打刻ピン81の尾部に半固定的に接続し、他端がソレノイド82のプランジャー85の先端部に回動可能に接続している。さらに、アーム部材83の中間部には、その中間部を回動自在に支持する支持具86が設けられている。そして、このソレノイド82のプランジャー85と上記の打刻ピン81とは平行に配設されている。したがって、ソレノイド82が励磁されプランジャー85が前進し、また、ソレノイド82が消磁さればね(図示省略)によりプランジャー85が後退すると、アーム部材83が支持具86を支点として回動し、打刻ピン81が点字テープTに対し垂直方向に直線運動(打刻)を行う。なお、ソレノイド82に対する印加電圧は、打刻凸部202の高さが適切な値(略0.4mm)となるように設定されている(例えば、18V)。
【0045】
また、各ソレノイド82の取付け位置と各支持具86の取付け位置とは、各アーム部材83の長手方向に所定の範囲で調節可能になっており、打刻ピン81の動作ストロークを調節することができる。したがって、使用する点字テープTの材質や厚さ等に応じて、この動作ストロークを調節することで、打刻凸部202の高さを調節することができる。
【0046】
打刻受け部材72は、打刻ピン81による点字テープTに対する打刻の受けとなるものであって、アルミニウム等で構成され、金型プレスにより作成されたものである。上記の3個の打刻ピン81と対向する被打刻面72aには、3個の打刻ピン81に対応する3個の打刻受け凹部91を有しており、各打刻受け凹部91は、打刻ピン81の頭部と略相補的な形状(半球形)に形成されている。なお、打刻受け部材72の背面には、3個の打刻受け凹部91に対応して3個の半球凸部92が形成されている。
【0047】
そして、上述したように、打刻送りモータ66を駆動源として点字テープTを送り、これに同期して制御部107からの点字データに対応してソレノイド82を駆動させると、打刻ヘッド71と打刻受け部材72との間に導入された点字テープTに対し、打刻ピン81により裏側から打刻して打刻凸部202を表面に形成する。
【0048】
次に、図7を参照し、ラベル作製装置1の制御構成について説明する。ラベル作製装置1は、キーボード11およびディスプレイ13を有し、ユーザによる文字情報の入力や各種情報の表示等のユーザインタフェースを司る操作部101と、テープカートリッジC、印刷ヘッド21および印刷送りモータ24を有し、点字テープTおよびインクリボンRを送りながら点字テープT上に入力された文字情報に基づく墨字データを印刷する墨字印刷部102と、フルカッタ41・ハーフカッタ42およびこれらをそれぞれ駆動するフルカッタモータ43・ハーフカッタモータ44を有し、印刷済みの点字テープTにフルカットおよびハーフカットを行う切断部103と、ソレノイド82、打刻ピン81および打刻送りモータ66を有し、点字テープTを搬送しながら点字テープTに文字情報に基づく点字データを点字打刻する点字打刻部104と、点字テープT(テープカートリッジC)の種別を検出するテープ識別センサ25等の各種センサを有し、各種検出を行う検出部105と、ディスプレイドライバ111、ヘッドドライバ112、印刷送りモータドライバ113、カッタモータドライバ114、打刻ドライバ115および打刻送りモータドライバ116を有し、各部を駆動する駆動部106と、各部と接続され、ラベル作製装置1全体を制御する制御部107と、により構成されている。
【0049】
制御部107は、CPU121、ROM122、RAM123および入出力制御装置124(IOC:Input Output Controller)を備え、互いに内部バス125により接続されている。ROM122は、墨字印刷処理や点字打刻処理等の各種処理をCPU121で制御するための制御プログラムを記憶する制御プログラムブロック131と、墨字印刷を行うための文字フォントデータや点字打刻を行うための点字フォントデータのほか、後述する対応表示150(図10および図11参照)を印刷するためのデータや点字データの打刻制御のための制御データ等を記憶する制御データブロック132とを有している。
【0050】
RAM123は、フラグ等として使用される各種ワークエリアブロック141のほか、生成された墨字印刷データを記憶する墨字印刷データブロック142と、生成された点字打刻データを記憶する点字打刻データブロック143と、ディスプレイ13に表示するための表示データを記憶する表示データブロック144と、設定された墨字印刷領域Rpおよび点字打刻領域Rbのレイアウトを記憶するレイアウトデータブロック145とを有し、制御処理のための作業領域として使用される。なお、RAM123は、電源が切断されても記憶したデータを保持しておくように常にバックアップされている。
【0051】
IOC124には、CPU121の機能を補うと共に各種周辺回路とのインタフェース信号を取り扱うための論理回路が、ゲートアレイやカスタムLSI等により構成されて組み込まれている。これにより、IOC124には、キーボード11からの入力データや制御データをそのままあるいは加工して内部バス125に取り込むと共に、CPU121と連動して、CPU121から内部バス125に出力されたデータや制御信号を、そのままあるいは加工して駆動部106に出力する。
【0052】
そして、CPU121は、上記の構成により、ROM122内の制御プログラムに従って、IOC124を介してラベル作製装置1内の各部から各種信号・データを入力する。また、入力した各種信号・データに基づいて、RAM123内の各種データを処理し、IOC124を介してラベル作製装置1内の各部に各種信号・データを出力することにより、墨字印刷処理や点字打刻処理の制御等を行う。
【0053】
例えば、入力された文字情報に基づいて印刷動作および打刻動作を行う場合は、CPU121は、キーボード11から文字情報が入力されると、これに基づいて墨字印刷データを生成して墨字印刷データブロック142に一時的に記憶すると共に、同じく文字情報に基づいて点字打刻データを生成して点字打刻データブロック143に一時的に記憶する。また、キーボード11から墨字印刷および点字打刻指示(実行キーの入力)を取得すると、印刷送りモータ24の駆動を開始すると共に、印刷ヘッド21を駆動することにより、墨字印刷データブロック142内の墨字データ(文字情報)に基づく墨字列Lpの印刷を行う。また、このとき、墨字列Lpと共に、対応表示150(予め制御データブロック132内に記憶されているデータに基づく)の印刷を行う。さらに、墨字印刷データに基づく所定長さのテープ送りを行い、ハーフカッタ42によりハーフカットを行うと共に、フルカッタ41によりテープ後端部を切断した後、印刷テープ排出口18から点字テープTを排出する。
【0054】
これに引き続き(リセット操作や電源オフ操作がない状態で)、ユーザによる手差し挿入により、短冊状に切断された点字テープTが打刻テープ挿入口61aに挿入され、送り開始キーが押下されると、上述したように、打刻ユニット63およびテープ送り機構62を駆動し、点字打刻データブロック143内の点字打刻データ(墨字データと同一の文字情報)に基づいて点字列Lbの打刻を行う。そして、打刻終了後、打刻送りモータ66の駆動により、点字打刻データに基づく所定長さのテープ送りを行うことで、打刻テープ排出口61bから点字テープTを排出する。
【0055】
このように、本実施形態のラベル作製装置1は、同一の文字情報に基づいて、墨字印刷および点字打刻の両方を行うものである。そのため、ユーザは、例えば上記のディスプレイ13を見ながら、キーボード11の選択キーにより、点字テープT上において、墨字印刷を行う墨字印刷領域Rpの位置と、点字印刷を行う点字打刻領域Rbの位置とを設定(レイアウト設定)することができる。さらに、点字Bに併せて、墨字Pの文字間隔を設定することができる。
【0056】
図8に示すように、点字テープT上における墨字印刷領域Rpおよび点字打刻領域Rbのレイアウトには、墨字印刷領域Rpが上段、点字打刻領域Rbが下段の第1レイアウト、墨字印刷領域Rpが下段、点字打刻領域Rbが上段の第2レイアウト、墨字印刷領域Rpが左側、点字打刻領域Rbが右側の第3レイアウト、墨字印刷領域Rpが右側、点字打刻領域Rbが左側の第4レイアウト、および墨字印刷領域Rpと点字打刻領域Rbとが同位置の第5レイアウトとがあり、テープ幅の検出結果が24mmの場合、これらの中からいずれか1つが選択される。第1レイアウトおよび第2レイアウトでは、点字列Lbおよび墨字列Lpが上下に並列し、第5レイアウトでは、点字列Lbおよび墨字列Lpが重合する。
なお、テープ幅の検出結果が18mmの場合も、第1レイアウトないし第5レイアウトのいずれかが選択されることとなるが、この場合は、テープ幅に合わせて墨字印刷領域Rpのテープ幅方向長さが短くなる。また、テープ幅の検出結果が12mmの場合は、墨字印刷領域Rpおよび点字打刻領域Rbを上下に割り付けてレイアウトすることができないため、第3レイアウトないし第5レイアウトのいずれかが選択されることとなる。
【0057】
なお、上述したように、本実施形態のラベル作製装置1は、送られていく点字テープTに対し、その下端部に点字打刻をするため、第2レイアウトに設定する場合は、点字テープTの上下を反転させて打刻テープ挿入口61aに手差し挿入する。もちろん、点字テープTに対して打刻ヘッド71をテープ送り方向に直交する方向に移動可能な構成とすることで、墨字印刷領域Rpおよび点字打刻領域Rbを上下に割り付け可能としてもよい。
【0058】
また、第1レイアウト、第2レイアウトおよび第5レイアウトのいずれかが選択された場合、すなわち、墨字列Lpと点字列Lbとが上下に割り付けられて、または同位置にて印刷される場合、ユーザは、墨字Pの文字間隔の設定を行う。
【0059】
図9に示すように、墨字Pの文字間隔の設定項目には、等間隔で墨字Pを印刷する等間隔モード(同図(a)参照)と、墨字Pを対応する点字Bに添わせて印刷する点字添記モード(同図(b)参照)とがあり、いずれか1つが選択される。点字添記モードが選択されると、上述したように、点字列Lbに1マス点字Bs(属性規定点字Bcを含む)と2マス点字Bwとが混在していることで、墨字Pが点字Bと1対1に対応していない場合であっても、互いに対応する点字Bと墨字Pとが添うように(近接して)表示される。すなわち、墨字Pが不均一な間隔で印刷され、2個の1マス点字Bsにそれぞれ対応する2文字の墨字Pの間隔は、点字ピッチPdに略等しくなり、1マス点字Bsおよび2マス点字Bwにそれぞれ対応する2文字の墨字Pの間隔は、点字ピッチPdの1.5倍の長さに略等しくなり、2個の2マス点字Bwにそれぞれ対応する2文字の墨字Pの間隔は、点字ピッチPdの2倍の長さに略等しくなる。
【0060】
さらに、本実施形態のラベル作製装置1は、入力された文字情報に基づいて墨字列Lpを印刷すると共に、点字Bと墨字Pとの文字単位の対応関係を識別させる対応表示150を印刷することができる。
【0061】
図10は、上記の第1レイアウトに設定されると共に、点字添記モードが選択された場合に、入力された文字情報「あずさ12ごう」に基づいて、墨字列Lpの印刷および点字列Lbの打刻を行うと共に、対応表示150を印刷して作製された点字テープT(ラベル)を示す図である。同図に示すように、対応表示150は、2マス点字Bw(ここでは、「ず」および「ご」に対応する点字B)に対して付される点字下線151と、これに対応する墨字P(ここでは、「ず」および「ご」)に対して付される墨字下線152とから成っている。これによれば、点字Bの知識に乏しい者に対しても、2マスの点字Bにより1文字の墨字Pが表現される場合があるという点字Bの規則を認識させることができ、しかも、点字下線151が付された2マス点字Bwが、墨字下線152が付された墨字P「ず」および「ご」に対応していることが一目瞭然であるため、点字Bと墨字Pとの文字単位の対応関係を容易に識別することができる。したがって、ユーザは、ラベルに打刻された点字Bの文字数(マス数)が、印刷された墨字Pの文字数と異なっている場合にも、印刷ミス(または打刻ミス)が生じたのではないかと不審に感ずることなく、それは、点字Bの規則によるものであって、同一の文字情報に基づいて、墨字印刷および点字打刻が正確に行われたことを確認できる。
【0062】
さらに、点字テープTには、対応表示150に加えて、数字符Bcfに対し、数字符Bcfが属性規定点字Bcであることを示す属性表示160が印刷されている。ここでは、属性表示160として、規定符波下線161を印刷している。これによれば、点字Bの知識のない者に対しても、後続する点字Bの属性を規定する属性規定点字Bcの存在を認識させることができる。もちろん、属性表示160は、規定符波下線161のほか、2重波下線162(図11(a)参照)、背景を塗りつぶす(図11(b)参照)等、他の形態であってもよい。さらに、属性規定点字Bcの種類に応じて、属性表示160を変えてもよい。
【0063】
さらに、第1レイアウトに設定すると共に、点字添記モードを選択することで、互いに対応する点字Bと墨字Pとを近接して表示させることができる。これによれば、互いに対応する点字Bと墨字Pとを離して表示させたときに比べて(例えば、第3、第4レイアウト)、点字Bと墨字Pとの文字単位の対応関係をより的確に識別させることができる。
なお、この点、第1レイアウトのほか、第2レイアウトまたは第5レイアウトに設定してもよいが、墨字Pの読みやすさを損なわないようにするため、墨字Pを点字Bを重ねることなく印刷すべく、第1レイアウトおよび第2レイアウトのいずれかに設定することが好ましい。
【0064】
次に、図11を参照し、墨字印刷部102によって印刷される対応表示150の他の例を説明する。すなわち、対応表示150は、上述した2マス点字Bwに付される点字下線151およびそれに対応する墨字Pに付される墨字下線152から成るもの(図10参照)に限らず、他の形態であってもよい。
【0065】
例えば、図11(a)は、対応表示150として、2マス点字Bwに付される2重点字下線153と、これに対応する墨字Pに付される2重点字下線154と、1マス点字Bsに付される(1重)点字下線151と、およびこれに対応する墨字Pに付される(1重)墨字下線152とを印刷したものである。この場合も、上記と同様に、2マスの点字Bにより1文字の墨字Pが表現される場合があるという点字Bの規則を認識させることができ、しかも、点字下線151が付された2マス点字Bwが、墨字下線152が付された墨字P「ず」および「ご」に対応していることが一目瞭然であるため、点字Bと墨字Pとの文字単位の対応関係を容易に識別することができる。
【0066】
また、同図(b)は、対応表示150として、墨字列Lpにおいて1つ置きの墨字P(ここでは、「あ」、「さ」、「2」および「う」)に付される墨字下線152と、点字列Lbにおいて当該墨字Pに対応する1つ置きの点字Bに付される点字下線151を印刷したものである。これによれば、1マス点字Bsと2マス点字Bwとが混在する複数の点字Bから成る点字列Lbであっても、文字単位の区切りを容易に識別させることができる。さらに、各点字Bがいずれの墨字Pに対応しているかを容易に識別させることができる。
【0067】
さらに、同図(c)に示すように、対応表示150として、複数の点字Bを点字単位で区切る区切り線153を印刷してもよく、また、同図(d)に示すように、対応表示150として、複数の点字Bを点字単位で囲う囲い線154を印刷してもよい。これらによれば、点字列Lbにおける文字単位の区切りを容易に識別させると共に、墨字列Lpに対し、入力された文字情報に基づく墨字P以外のものを印刷することがないため、墨字Pの読みやすさを損なうことがない。
なお、囲い線154を付す場合は、2マス点字Bwのみに付してもよい。また、同図(a)〜(d)に示した他の対応表示150を印刷する場合も、属性規定点字Bc(数字符Bcf)に属性表示160を印刷することが好ましい。
【0068】
以上のように、本実施形態のラベル作製装置1によれば、点字テープTに対し、点字Bと墨字Pとの文字単位の対応関係を容易に識別させるように点字Bおよび墨字Pを表示することで、晴眼者に点字Bの規則を啓蒙可能な点字ラベルを作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】点字テープに打刻された点字を説明する図である。
【図2】点字の規則を説明する図である。
【図3】点字と墨字との対応関係を説明する図である。
【図4】閉蓋状態のラベル作製装置の外観斜視図である。
【図5】開蓋状態のラベル作製装置の外観斜視図である。
【図6】(a)は打刻ユニットの平面図、(b)は打刻ユニットの断面図である。
【図7】ラベル作製装置の制御ブロック図である。
【図8】墨字印刷領域および点字打刻領域のレイアウトを説明する図である。
【図9】墨字の文字間隔の設定を説明する図である。
【図10】対応表示が印刷された点字テープの図である。
【図11】他の対応表示が印刷された点字テープの図である。
【符号の説明】
【0070】
1…ラベル作製装置 102…墨字印刷部 104…点字打刻部 150…対応表示 151…点字下線(1重) 152…墨字下線(1重) 153…点字下線(2重) 154…墨字下線(2重) 155…区切り線 156…囲い線 160…属性表示 B…点字 Bc…属性規定点字 Bs…1マス点字 Bw…2マス点字 Lb…点字列 Lp…墨字列 P…墨字 T…処理シート
【技術分野】
【0001】
本発明は、処理シートに対し、同一の文字情報に基づいて、点字および墨字を表示可能なシート処理装置およびシート処理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、テープ状のラベル(処理シート)対し、同一の文字情報に基づいて、刻字手段(点字打刻手段)により点字を打刻すると共に、プリンタ装置(印刷手段)により墨字の印刷を行う点字ラベルライタ(シート処理装置)が知られている。このような点字ラベルライタで作製されたラベルは、点字および墨字の両方が表示されているため、失明者は点字からそこに表された情報を認識することができ、晴眼者は墨字からそこに表された情報を認識することができる。
【0003】
ところで、一般に用いられている点字は、6個の打刻凸部のビットパターンで点字1マスが表現され、通常の仮名文字である墨字1文字は、1マスの点字(1マス点字)で表現されるが、濁音、拗音等の仮名文字である墨字1文字は、2マスの点字(2マス点字)で表現されるようになっている。そのため、特に、1マス点字と2マス点字とが混在する複数の点字とこれに対応する複数の墨字とが処理シートに表示されている場合、点字の知識のない者にとっては、点字と墨字との文字単位の対応関係が識別困難である。そこで、従来の点字ラベルライタでは、点字と墨字との対応関係を識別させるため、墨字を等間隔に印刷するのではなく、対応する点字の下方に添わせて印刷することが行われている(特許文献1参照。)。
【特許文献1】実用新案登録第3054580号公報(段落[0021]、第2図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の点字ラベルライタのように、墨字を対応する点字に添わせて印刷したとしても、点字の規則(特に2マス点字の存在)を知らない者にとっては、濁音等の墨字が点字2マスに対応していることが分からないため、点字と墨字との対応関係を正確に識別することはできず、却って、墨字が等間隔に印刷されていないことに不審を抱かせることにもなっていた。
【0005】
本発明は、処理シートに対し、点字と墨字との文字単位の対応関係を容易に識別させるように点字および墨字を表示した点字ラベルを作製することができるシート処理装置およびシート処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のシート処理装置は、処理シートに対し、入力された同一の文字情報に基づいて、点字打刻手段により、1個の点字マスで表現される1マス点字と、2個の点字マスで表現される2マス点字とが混在する複数の点字から成る点字列を打刻すると共に、印刷手段により、複数の墨字から成る墨字列を印刷するシート処理装置であって、印刷手段は、墨字列を印刷すると共に、点字と墨字との文字単位の対応関係を識別させる対応表示を印刷することを特徴とする。
【0007】
本発明のシート処理方法は、処理シートに対し、入力された同一の文字情報に基づいて、1個の点字マスで表現される1マス点字と、2個の点字マスで表現される2マス点字とが混在する複数の点字から成る点字列を打刻すると共に、複数の墨字から成る墨字列を印刷し、点字と墨字との文字単位の対応関係を識別させる対応表示を印刷することを特徴とする。
【0008】
これらの構成によれば、処理シートに対して、墨字を印刷すると共に対応表示を印刷することで、点字と墨字との文字単位の対応関係を容易に識別できる点字ラベルを作製することができる。このため、点字の知識に乏しい者に対しても、点字と墨字との文字単位の対応関係を容易に識別させることができる。したがって、ユーザは、点字ラベルに表示された点字が、印刷された墨字と同一の文字情報に基づいて打刻されているか否かを確認することができる。さらに、被貼着物に貼られた点字ラベルを見た者は、印刷された対応表示を手掛かりとして、点字の知識を身に付けることができる。すなわち、晴眼者に対し、点字の規則を啓蒙するラベルを作製することができる。
【0009】
上記のシート処理装置において、対応表示は、少なくとも2マス点字に対して付される点字装飾表示と、これに対応する墨字に対して付される墨字装飾表示とから成ることが好ましい。
【0010】
この構成によれば、2マス点字に対し点字装飾表示が付され、これに対応する濁音等の墨字に墨字装飾表示が付されることで、点字の知識のない者に対しても、2マスの点字により1文字の墨字が表現される場合があるという点字の規則を認識させることができ、さらに、その2マス点字がいずれの墨字に対応しているかを容易に識別させることができる。
【0011】
また、この場合、対応表示は、墨字列において1つ置きの墨字に付される墨字装飾表示と、点字列において当該墨字に対応する1つ置きの点字に付される点字装飾表示とから成ることが好ましい。
【0012】
この構成によれば、1マス点字と2マス点字とが混在する複数の点字から成る点字列であっても、文字単位の区切りを容易に識別させることができ、さらに、各点字がいずれの墨字に対応しているかを容易に識別させることができる。
【0013】
また、この場合、対応表示は、複数の点字を点字単位で区切る区切り線または複数の点字を点字単位で囲う囲い線から成ることが好ましい。
【0014】
この構成によれば、点字列における文字単位の区切りを容易に識別させることができると共に、墨字列に対し、入力された文字情報に基づく墨字以外のものを印刷することがないため、墨字の読みやすさを損なうことがない。
【0015】
これらの場合、印刷手段は、墨字列および対応表示を印刷すると共に、後続する点字の属性を規定する属性規定点字に対し、属性規定点字であることを識別させる属性表示を印刷することが好ましい。
【0016】
この構成によれば、点字の知識のない者に対しても、後続する点字の属性を規定する属性規定点字の存在を認識させることができる。
なお、属性規定点字には、例えば、後続する点字が数字であることを示す数字符、アルファベットであることを示す外字符、アルファベットが大文字であることを示す大文字符等がある。
【0017】
これらの場合、印刷手段は、墨字を、対応する点字に添わせて印刷することが好ましい。
【0018】
この構成によれば、互いに対応する点字と墨字とが近接して表示されることで、点字と墨字との文字単位の対応関係をより的確に識別させることができる。なお、この場合、ユーザは点字と墨字との文字単位の対応関係を識別することができるため、墨字が等間隔に印刷されていないことに不審を抱くこともないし、逆に、晴眼者が点字を理解することを啓蒙するためのラベルを作製することができる。
【0019】
この場合、印刷手段は、墨字列を、点字列に対し、複数の点字の並び方向に直交する上下方向のいずれかの位置に並列させて印刷することが好ましい。
【0020】
この構成によれば、墨字が点字と重なることなく印刷されるため、墨字の読みやすさを損なうことがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、添付の図面を参照して、本発明のシート処理装置を適用したラベル作製装置について説明する。このラベル作製装置は、点字テープに対し、入力された同一の文字情報に基づいて、複数の点字から成る点字列の打刻と、複数の墨字から成る墨字列の印刷とを行うと共に、点字と墨字との文字単位の対応関係を識別させる対応表示を印刷して、ラベルを作製するものである。そこで、まず、ラベル作製装置により点字テープに表示される点字について説明する。
【0022】
図1は、点字テープTに打刻された点字B(仮名文字「し」を表す6点点字)を説明する図である。同図に示すように、点字Bは、1マス200が2列3段(横2個×縦3個)の打刻ポイント201に打刻した打刻凸部202のビットパターンで表現される。すなわち、点字Bは、1マス200が2列3段の配置パターンで6個の打刻ポイント201a〜201fに分割されており、仮名文字「し」を表示するときは、6個の打刻ポイント201a〜201fのうち4個の打刻ポイント201a,201b,201e,201fが選択的に打刻されて4個の打刻凸部202a,202b,202e,202fが形成される。なお、打刻点(打刻凸部202)を実線の丸で表し、非打刻点を破線の丸で表す。
【0023】
ビットパターンを構成する6個の打刻凸部202のうち、縦3個の打刻凸部202のピッチ(縦ピッチPa)は例えば略2.4mmである。また、横2個の打刻凸部202のピッチ(列間ピッチPb)は例えば略2.1mmであって、隣接マスの打刻凸部202のピッチ(マス間ピッチPc)は例えば略3.3mmである。そして、互いに隣接する点字Bの間隔(点字ピッチPd)は、列間ピッチPbおよびマス間ピッチPcの和分に等しく、例えば略5.4mmである。
【0024】
図2に示すように、点字Bには、1個の点字マス200で1文字の墨字Pを表現する1マス点字Bsと、2個の点字マス200で1文字の墨字Pを表現する2マス点字Bwとが存在する。例えば、通常の仮名文字(あ、い、う、え、お、か、き、く、け、こ等)は、1マス点字Bsであるが(同図(a)参照)、濁音(が、ぎ、ぐ、げ、ご等)、半濁音(ぱ、ぴ、ぷ、ぺ、ぽ)、拗音(きゃ、きゅ、きょ等)等の仮名文字は2マス点字Bwである(同図(b)参照)。なお、拗音「きゃ」は、墨字では、大きい「き」と小さい「ゃ」とにより表されるが、1文字の墨字として考える。
【0025】
また、後続する点字Bの属性を規定する属性規定点字Bcも存在する。属性規定点字Bcには、例えば、後続する点字Bが数字(1、2、3、4、5等)を表すことを示す数字符Bcf、後続する点字Bがアルファベット(a、b、c、d、e等)を表すことを示す外字符Bce、後続する点字Bが大文字のアルファベット(A、B、C、D、E等)を表すことを示す大文字符Bcc等がある(同図(c)参照)。これらの属性規定点字Bcは、1マス点字Bsである。
なお、属性規定点字Bcは、例えば数字符Bcfの場合、原則として、数字に使用される点字B(あ、い、う、る、ら、え、れ、り、お、ろに対応する点字B)が続く限り、後続する点字Bのすべてに有効である。ただし、大文字符Bccについては、1個の場合は最初の1文字に限り有効であり、2個の場合に後続する点字Bのすべてに有効となる。また、大文字のアルファベットを表す場合には、外字符Bceおよび大文字符Bccを組み合わせて用いる。
【0026】
したがって、図3に示すように、通常の仮名文字である複数の墨字Pのみから成る墨字列Lpと、これに対応する複数の1マス点字Bsから成る点字列Lbとは、墨字Pと点字Bとが1対1に対応するが(同図(a)参照)、濁音等の仮名文字や数字を含む複数の墨字Pから成る墨字列Lpと、これに対応する1マス点字Bs(属性規定点字Bcを含む)および2マス点字Bwが混在する点字列Lbとは、墨字Pと点字Bとが1対1に対応しない。
【0027】
次に、本発明に係るラベル作製装置1について説明する。図4は、ラベル作製装置1の閉蓋状態の外観斜視図であり、図5は、ラベル作製装置1の開蓋状態の外観斜視図である。両図に示すように、ラベル作製装置1は、墨字印刷および点字打刻を行う装置本体2と、点字テープTおよびインクリボンRを収容し、装置本体2に装着されるテープカートリッジCとを備えている。
【0028】
装置本体2は、装置ケース3により外殻が形成され、装置ケース3は、握り部分4aが形成された前部ケース4と後部ケース5とが一体に形成されている。前部ケース4は、墨字印刷部102を有し、後部ケース5は、点字打刻部104を有している。そして、墨字印刷部102は、キーボード11(後述する)等から入力された文字情報に基づいて、装着されたテープカートリッジCから繰り出される点字テープTに対して墨字印刷を行い、点字打刻部104は、これと同一の文字情報に基づいて、ユーザにより手差し挿入された点字テープTに対して点字打刻を行う。
【0029】
前部ケース4の前部上面には、各種入力キーを備えたキーボード11が配置されると共に、後部上面には、開閉蓋12が取り付けられている。また、開閉蓋12には、長方形のディスプレイ13が形成されると共に、開閉蓋12の内側には、その左部にテープカートリッジCを装着するためのカートリッジ装着部14が窪入形成されており、テープカートリッジCは、蓋体開放ボタン15の押下により開閉蓋12が開放された状態でカートリッジ装着部14に着脱可能に装着される。また、開閉蓋12には、これを閉止した状態でテープカートリッジCの装着/非装着を視認するための覗き窓12aが形成されている。
【0030】
前部ケース4の右側部には、電源供給のための電源供給口16と、図外のパーソナルコンピュータ等の外部装置と接続するための接続口17(インタフェース)が形成されており、接続口17に外部装置を接続することで、外部装置によって生成された文字情報に基づいて、墨字印刷や点字打刻を行い得るようになっている。
【0031】
また、前部ケース4の左側部には、カートリッジ装着部14と外部とを連通する印刷テープ排出口18が形成され、この印刷テープ排出口18には、テープカートリッジCから繰り出された点字テープTを切断するための切断部103が臨んでいる。そして切断部103により点字テープTの後端部が切断されることで、印刷テープ排出口18から墨字印刷後の点字テープTが排出される。
【0032】
墨字印刷部102は、カートリッジ装着部14に配設され、発熱素子を有しヘッドカバー21aに覆われた印刷ヘッド21と、テープカートリッジCの点字テープTおよびインクリボンRを送るためのプラテン駆動軸22および巻取り駆動軸23と、カートリッジ装着部14の裏側に内蔵され、プラテン駆動軸22および巻取り駆動軸23を駆動する印刷送りモータ24(図7参照)やギヤ列等から構成されている。
なお、カートリッジ装着部14の隅部には、マイクロスイッチで構成されたテープ識別センサ25(図7参照)が設けられている。
【0033】
テープカートリッジCは、上下2分割のカートリッジケース30の内部に、一定の幅の点字テープTおよびこれと同一幅のインクリボンRをそれぞれロール状に巻回して収容している。カートリッジケース30には、上記のヘッドカバー21a、プラテン駆動軸22および巻取り駆動軸23に対応して、カートリッジケース30を上下に貫通する略方形の貫通開口31、プラテンローラ32およびリボン巻取りリール33がそれぞれ配設されている。また、リボン巻取りリール33に隣接して、リボン繰出しリール35が配設されている。そして、テープカートリッジCを上記のカートリッジ装着部14に装着すると、この貫通開口31に装置側から印刷ヘッド21が差し込まれると共に、プラテンローラ32およびリボン巻取りリール33にプラテン駆動軸22および巻取り駆動軸23がそれぞれ係合することで、印刷ヘッド21が点字テープTおよびインクリボンRを挟み込んでプラテンローラ32に当接し、墨字印刷が可能になる。
【0034】
そして、墨字印刷部102は、プラテンローラ32を駆動して点字テープTを送りながら、入力された文字情報に基づいて、印刷ヘッド21により墨字印刷を行う。墨字印刷後、点字テープTのみがテープカートリッジCのテープ送出口36から外部に排出され、インクリボンRは内部(リボン巻取りリール33)で巻き取られるようになっている。
【0035】
テープカートリッジCに収容されている点字テープTには、テープ幅の異なる複数種(12mm、18mm、24mm等)のものが用意されている。そして、図示しないが、カートリッジケース30の裏面には、小さな複数の孔が形成されており、上記のテープ識別センサ25によってこの複数の孔が識別され、点字テープTの種別を識別する。
なお、各テープ幅について、色の異なる複数種(白、赤、青、黄、透明等)の点字テープTが用意されている。
【0036】
点字テープTは、図示しないが、裏面に粘着剤層が設けられ、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂から成る記録シートと、この粘着剤層により記録シートに貼付され、ポリエチレン等の樹脂から成る剥離シートとから構成されている。剥離シートは、点字テープTを使用時まで取り扱いやすくすると共に、上記粘着剤層を埃等から保護するものであり、表面にシリコン処理がなされている。そのため、粘着剤層が剥離シートに及ぼす粘着力は、記録シートに及ぼす粘着力よりも極端に小さくなっている。もっとも、粘着剤層は、剥離シートに対し、墨字印刷時のテープ送り動作中、点字打刻時のテープ搬送中や点字テープTの保管中に、剥離シートが剥がれてしまわないだけの粘着力は有している。なお、記録シートの厚さは例えば略60μm、剥離シートの厚さは例えば略80μmであって、点字テープT全体の厚さは略140μmに構成されている。
【0037】
切断部103は、カートリッジ装着部14と印刷テープ排出口18との間に配設されており、フルカッタ41(図7参照)と、フルカッタ41に対してテープ送り方向下流側に設けられたハーフカッタ42(図7参照)とを備えている。図示しないが、フルカッタ41は、可動刃および固定刃を有するはさみ形式のカッタであり、モータ駆動(フルカッタモータ43、図7参照)により点字テープTの記録シートおよび剥離シートの両方を切断、すなわちフルカットする。また、ハーフカッタ42は、切断刃および切断刃を受ける刃受け部材を有するスライド形式のカッタであり、モータ駆動(ハーフカッタモータ44、図7参照)により点字テープTの剥離シートを残しつつ、記録シートを切断、すなわちハーフカットする。そして、このハーフカット部分を手掛かりとして、剥離シートを容易に剥がすことができる。
【0038】
キーボード11には、文字キー群、電源をON/OFFするための電源キーおよび各種動作モード等を指定するための機能キー群が配列されている。文字キー群は、墨字印刷および/または点字打刻を行うための文字情報を入力するためのものであり、JIS配列に基づいたフルキー構成となっている。また、機能キー群には、墨字印刷および/または点字打刻を実行させるための実行キー、点字打刻部104における点字テープTの送り開始を指示する送り開始キーのほか、テキスト入力時のデータ確定や改行、選択画面における各種モード等の選択指示のための選択キーが含まれる。また、これら以外にも、機能キー群には、一般のワードプロセッサ等と同様に、処理の取り消し等のための取り消しキー、カーソル移動用のカーソルキー等が含まれる。
【0039】
ディスプレイ13は、横方向(X方向)約12cm×縦方向(Y方向)約5cmの長方形の形状の内側に、192ドット×80ドットの表示画像データを表示可能であり、ユーザがキーボード11から文字情報を入力して、墨字印刷を行うための墨字データや、点字打刻を行うための点字データを作成・編集したり、各種モードを選択したりする際に用いられる。また、各種エラーやメッセージ(指示内容)を表示、ユーザに報知する。
【0040】
一方、後部ケース5には、その内部に点字打刻を行う点字打刻部104が組み込まれている。点字打刻部104は、後部ケース5の上面を左右に横切るようにして形成されたテープ走行路61と、後部ケース5の上面中央部に露出して位置し、テープ走行路61の右端部に設けた打刻テープ挿入口61aから手差し挿入された点字テープTを、テープ走行路61の左端部に設けた打刻テープ排出口61bに向けて送るテープ送り機構62と、テープ送り機構62の上流側(図示右側)近傍に配設され、テープ走行路61上を送られてくる点字テープTに対し、点字打刻を行う打刻ユニット63とを備えている。
【0041】
テープ送り機構62は、点字テープを送るための送りローラ65と、送りローラ65を回転させるための打刻送りモータ66(図7参照)とを有している。送りローラ65は、上下に配設した駆動ローラ(図示省略)および従動ローラ65aから成るグリップローラで構成され、従動ローラ65aは、点字Bの縦3個の打刻凸部202に対応して、テープ走行路61の幅方向(テープ幅方向)に3個の括れ部67が形成されており、点字テープTに形成された打刻凸部202を押し潰さないようになっている。
【0042】
図6に示すように、打刻ユニット63は、3個の打刻ピン81を有する打刻ヘッド71と、3個の打刻ピン81に対向する被打刻面72aに3個の打刻受け凹部91が形成された打刻受け部材72とを備え、テープ走行路61上から打刻ヘッド71および打刻受け部材72との間に導入された点字テープTに対し、裏側から打刻ピン81を選択的に駆動し、点字Bの打刻凸部202を形成する。なお、図中の矢印68は、上記のテープ送り機構62により点字テープTが送られる方向を示す。
【0043】
打刻ヘッド71は、テープ走行路の幅方向(テープ送り方向に直交する方向)に沿って、縦3個の打刻凸部202の縦ピッチPaに対応させて略2.4mm間隔で配列された3個の打刻ピン81と、各打刻ピン81の駆動源となる3個のソレノイド82と、3個の打刻ピン81と3個のソレノイド82とをそれぞれ接続する3本のアーム部材83と、3個の打刻ピン81を打刻受け部材72の被打刻面72aに対しそれぞれ垂直に保持すると共に各打刻ピン81の直線運動をガイドするガイド部材84とを有している。
なお、打刻ヘッド71は、テープ走行路61を送られていく点字テープTに対し、テープ送り方向に直交する上下方向の下端部に寄った位置に臨んでおり、点字テープTの下端部に点字打刻を行うようになっている。
【0044】
打刻ピン81は、ステンレス鋼等で構成されており、その頭部は半球形に形成されている。また、アーム部材83は、一端が打刻ピン81の尾部に半固定的に接続し、他端がソレノイド82のプランジャー85の先端部に回動可能に接続している。さらに、アーム部材83の中間部には、その中間部を回動自在に支持する支持具86が設けられている。そして、このソレノイド82のプランジャー85と上記の打刻ピン81とは平行に配設されている。したがって、ソレノイド82が励磁されプランジャー85が前進し、また、ソレノイド82が消磁さればね(図示省略)によりプランジャー85が後退すると、アーム部材83が支持具86を支点として回動し、打刻ピン81が点字テープTに対し垂直方向に直線運動(打刻)を行う。なお、ソレノイド82に対する印加電圧は、打刻凸部202の高さが適切な値(略0.4mm)となるように設定されている(例えば、18V)。
【0045】
また、各ソレノイド82の取付け位置と各支持具86の取付け位置とは、各アーム部材83の長手方向に所定の範囲で調節可能になっており、打刻ピン81の動作ストロークを調節することができる。したがって、使用する点字テープTの材質や厚さ等に応じて、この動作ストロークを調節することで、打刻凸部202の高さを調節することができる。
【0046】
打刻受け部材72は、打刻ピン81による点字テープTに対する打刻の受けとなるものであって、アルミニウム等で構成され、金型プレスにより作成されたものである。上記の3個の打刻ピン81と対向する被打刻面72aには、3個の打刻ピン81に対応する3個の打刻受け凹部91を有しており、各打刻受け凹部91は、打刻ピン81の頭部と略相補的な形状(半球形)に形成されている。なお、打刻受け部材72の背面には、3個の打刻受け凹部91に対応して3個の半球凸部92が形成されている。
【0047】
そして、上述したように、打刻送りモータ66を駆動源として点字テープTを送り、これに同期して制御部107からの点字データに対応してソレノイド82を駆動させると、打刻ヘッド71と打刻受け部材72との間に導入された点字テープTに対し、打刻ピン81により裏側から打刻して打刻凸部202を表面に形成する。
【0048】
次に、図7を参照し、ラベル作製装置1の制御構成について説明する。ラベル作製装置1は、キーボード11およびディスプレイ13を有し、ユーザによる文字情報の入力や各種情報の表示等のユーザインタフェースを司る操作部101と、テープカートリッジC、印刷ヘッド21および印刷送りモータ24を有し、点字テープTおよびインクリボンRを送りながら点字テープT上に入力された文字情報に基づく墨字データを印刷する墨字印刷部102と、フルカッタ41・ハーフカッタ42およびこれらをそれぞれ駆動するフルカッタモータ43・ハーフカッタモータ44を有し、印刷済みの点字テープTにフルカットおよびハーフカットを行う切断部103と、ソレノイド82、打刻ピン81および打刻送りモータ66を有し、点字テープTを搬送しながら点字テープTに文字情報に基づく点字データを点字打刻する点字打刻部104と、点字テープT(テープカートリッジC)の種別を検出するテープ識別センサ25等の各種センサを有し、各種検出を行う検出部105と、ディスプレイドライバ111、ヘッドドライバ112、印刷送りモータドライバ113、カッタモータドライバ114、打刻ドライバ115および打刻送りモータドライバ116を有し、各部を駆動する駆動部106と、各部と接続され、ラベル作製装置1全体を制御する制御部107と、により構成されている。
【0049】
制御部107は、CPU121、ROM122、RAM123および入出力制御装置124(IOC:Input Output Controller)を備え、互いに内部バス125により接続されている。ROM122は、墨字印刷処理や点字打刻処理等の各種処理をCPU121で制御するための制御プログラムを記憶する制御プログラムブロック131と、墨字印刷を行うための文字フォントデータや点字打刻を行うための点字フォントデータのほか、後述する対応表示150(図10および図11参照)を印刷するためのデータや点字データの打刻制御のための制御データ等を記憶する制御データブロック132とを有している。
【0050】
RAM123は、フラグ等として使用される各種ワークエリアブロック141のほか、生成された墨字印刷データを記憶する墨字印刷データブロック142と、生成された点字打刻データを記憶する点字打刻データブロック143と、ディスプレイ13に表示するための表示データを記憶する表示データブロック144と、設定された墨字印刷領域Rpおよび点字打刻領域Rbのレイアウトを記憶するレイアウトデータブロック145とを有し、制御処理のための作業領域として使用される。なお、RAM123は、電源が切断されても記憶したデータを保持しておくように常にバックアップされている。
【0051】
IOC124には、CPU121の機能を補うと共に各種周辺回路とのインタフェース信号を取り扱うための論理回路が、ゲートアレイやカスタムLSI等により構成されて組み込まれている。これにより、IOC124には、キーボード11からの入力データや制御データをそのままあるいは加工して内部バス125に取り込むと共に、CPU121と連動して、CPU121から内部バス125に出力されたデータや制御信号を、そのままあるいは加工して駆動部106に出力する。
【0052】
そして、CPU121は、上記の構成により、ROM122内の制御プログラムに従って、IOC124を介してラベル作製装置1内の各部から各種信号・データを入力する。また、入力した各種信号・データに基づいて、RAM123内の各種データを処理し、IOC124を介してラベル作製装置1内の各部に各種信号・データを出力することにより、墨字印刷処理や点字打刻処理の制御等を行う。
【0053】
例えば、入力された文字情報に基づいて印刷動作および打刻動作を行う場合は、CPU121は、キーボード11から文字情報が入力されると、これに基づいて墨字印刷データを生成して墨字印刷データブロック142に一時的に記憶すると共に、同じく文字情報に基づいて点字打刻データを生成して点字打刻データブロック143に一時的に記憶する。また、キーボード11から墨字印刷および点字打刻指示(実行キーの入力)を取得すると、印刷送りモータ24の駆動を開始すると共に、印刷ヘッド21を駆動することにより、墨字印刷データブロック142内の墨字データ(文字情報)に基づく墨字列Lpの印刷を行う。また、このとき、墨字列Lpと共に、対応表示150(予め制御データブロック132内に記憶されているデータに基づく)の印刷を行う。さらに、墨字印刷データに基づく所定長さのテープ送りを行い、ハーフカッタ42によりハーフカットを行うと共に、フルカッタ41によりテープ後端部を切断した後、印刷テープ排出口18から点字テープTを排出する。
【0054】
これに引き続き(リセット操作や電源オフ操作がない状態で)、ユーザによる手差し挿入により、短冊状に切断された点字テープTが打刻テープ挿入口61aに挿入され、送り開始キーが押下されると、上述したように、打刻ユニット63およびテープ送り機構62を駆動し、点字打刻データブロック143内の点字打刻データ(墨字データと同一の文字情報)に基づいて点字列Lbの打刻を行う。そして、打刻終了後、打刻送りモータ66の駆動により、点字打刻データに基づく所定長さのテープ送りを行うことで、打刻テープ排出口61bから点字テープTを排出する。
【0055】
このように、本実施形態のラベル作製装置1は、同一の文字情報に基づいて、墨字印刷および点字打刻の両方を行うものである。そのため、ユーザは、例えば上記のディスプレイ13を見ながら、キーボード11の選択キーにより、点字テープT上において、墨字印刷を行う墨字印刷領域Rpの位置と、点字印刷を行う点字打刻領域Rbの位置とを設定(レイアウト設定)することができる。さらに、点字Bに併せて、墨字Pの文字間隔を設定することができる。
【0056】
図8に示すように、点字テープT上における墨字印刷領域Rpおよび点字打刻領域Rbのレイアウトには、墨字印刷領域Rpが上段、点字打刻領域Rbが下段の第1レイアウト、墨字印刷領域Rpが下段、点字打刻領域Rbが上段の第2レイアウト、墨字印刷領域Rpが左側、点字打刻領域Rbが右側の第3レイアウト、墨字印刷領域Rpが右側、点字打刻領域Rbが左側の第4レイアウト、および墨字印刷領域Rpと点字打刻領域Rbとが同位置の第5レイアウトとがあり、テープ幅の検出結果が24mmの場合、これらの中からいずれか1つが選択される。第1レイアウトおよび第2レイアウトでは、点字列Lbおよび墨字列Lpが上下に並列し、第5レイアウトでは、点字列Lbおよび墨字列Lpが重合する。
なお、テープ幅の検出結果が18mmの場合も、第1レイアウトないし第5レイアウトのいずれかが選択されることとなるが、この場合は、テープ幅に合わせて墨字印刷領域Rpのテープ幅方向長さが短くなる。また、テープ幅の検出結果が12mmの場合は、墨字印刷領域Rpおよび点字打刻領域Rbを上下に割り付けてレイアウトすることができないため、第3レイアウトないし第5レイアウトのいずれかが選択されることとなる。
【0057】
なお、上述したように、本実施形態のラベル作製装置1は、送られていく点字テープTに対し、その下端部に点字打刻をするため、第2レイアウトに設定する場合は、点字テープTの上下を反転させて打刻テープ挿入口61aに手差し挿入する。もちろん、点字テープTに対して打刻ヘッド71をテープ送り方向に直交する方向に移動可能な構成とすることで、墨字印刷領域Rpおよび点字打刻領域Rbを上下に割り付け可能としてもよい。
【0058】
また、第1レイアウト、第2レイアウトおよび第5レイアウトのいずれかが選択された場合、すなわち、墨字列Lpと点字列Lbとが上下に割り付けられて、または同位置にて印刷される場合、ユーザは、墨字Pの文字間隔の設定を行う。
【0059】
図9に示すように、墨字Pの文字間隔の設定項目には、等間隔で墨字Pを印刷する等間隔モード(同図(a)参照)と、墨字Pを対応する点字Bに添わせて印刷する点字添記モード(同図(b)参照)とがあり、いずれか1つが選択される。点字添記モードが選択されると、上述したように、点字列Lbに1マス点字Bs(属性規定点字Bcを含む)と2マス点字Bwとが混在していることで、墨字Pが点字Bと1対1に対応していない場合であっても、互いに対応する点字Bと墨字Pとが添うように(近接して)表示される。すなわち、墨字Pが不均一な間隔で印刷され、2個の1マス点字Bsにそれぞれ対応する2文字の墨字Pの間隔は、点字ピッチPdに略等しくなり、1マス点字Bsおよび2マス点字Bwにそれぞれ対応する2文字の墨字Pの間隔は、点字ピッチPdの1.5倍の長さに略等しくなり、2個の2マス点字Bwにそれぞれ対応する2文字の墨字Pの間隔は、点字ピッチPdの2倍の長さに略等しくなる。
【0060】
さらに、本実施形態のラベル作製装置1は、入力された文字情報に基づいて墨字列Lpを印刷すると共に、点字Bと墨字Pとの文字単位の対応関係を識別させる対応表示150を印刷することができる。
【0061】
図10は、上記の第1レイアウトに設定されると共に、点字添記モードが選択された場合に、入力された文字情報「あずさ12ごう」に基づいて、墨字列Lpの印刷および点字列Lbの打刻を行うと共に、対応表示150を印刷して作製された点字テープT(ラベル)を示す図である。同図に示すように、対応表示150は、2マス点字Bw(ここでは、「ず」および「ご」に対応する点字B)に対して付される点字下線151と、これに対応する墨字P(ここでは、「ず」および「ご」)に対して付される墨字下線152とから成っている。これによれば、点字Bの知識に乏しい者に対しても、2マスの点字Bにより1文字の墨字Pが表現される場合があるという点字Bの規則を認識させることができ、しかも、点字下線151が付された2マス点字Bwが、墨字下線152が付された墨字P「ず」および「ご」に対応していることが一目瞭然であるため、点字Bと墨字Pとの文字単位の対応関係を容易に識別することができる。したがって、ユーザは、ラベルに打刻された点字Bの文字数(マス数)が、印刷された墨字Pの文字数と異なっている場合にも、印刷ミス(または打刻ミス)が生じたのではないかと不審に感ずることなく、それは、点字Bの規則によるものであって、同一の文字情報に基づいて、墨字印刷および点字打刻が正確に行われたことを確認できる。
【0062】
さらに、点字テープTには、対応表示150に加えて、数字符Bcfに対し、数字符Bcfが属性規定点字Bcであることを示す属性表示160が印刷されている。ここでは、属性表示160として、規定符波下線161を印刷している。これによれば、点字Bの知識のない者に対しても、後続する点字Bの属性を規定する属性規定点字Bcの存在を認識させることができる。もちろん、属性表示160は、規定符波下線161のほか、2重波下線162(図11(a)参照)、背景を塗りつぶす(図11(b)参照)等、他の形態であってもよい。さらに、属性規定点字Bcの種類に応じて、属性表示160を変えてもよい。
【0063】
さらに、第1レイアウトに設定すると共に、点字添記モードを選択することで、互いに対応する点字Bと墨字Pとを近接して表示させることができる。これによれば、互いに対応する点字Bと墨字Pとを離して表示させたときに比べて(例えば、第3、第4レイアウト)、点字Bと墨字Pとの文字単位の対応関係をより的確に識別させることができる。
なお、この点、第1レイアウトのほか、第2レイアウトまたは第5レイアウトに設定してもよいが、墨字Pの読みやすさを損なわないようにするため、墨字Pを点字Bを重ねることなく印刷すべく、第1レイアウトおよび第2レイアウトのいずれかに設定することが好ましい。
【0064】
次に、図11を参照し、墨字印刷部102によって印刷される対応表示150の他の例を説明する。すなわち、対応表示150は、上述した2マス点字Bwに付される点字下線151およびそれに対応する墨字Pに付される墨字下線152から成るもの(図10参照)に限らず、他の形態であってもよい。
【0065】
例えば、図11(a)は、対応表示150として、2マス点字Bwに付される2重点字下線153と、これに対応する墨字Pに付される2重点字下線154と、1マス点字Bsに付される(1重)点字下線151と、およびこれに対応する墨字Pに付される(1重)墨字下線152とを印刷したものである。この場合も、上記と同様に、2マスの点字Bにより1文字の墨字Pが表現される場合があるという点字Bの規則を認識させることができ、しかも、点字下線151が付された2マス点字Bwが、墨字下線152が付された墨字P「ず」および「ご」に対応していることが一目瞭然であるため、点字Bと墨字Pとの文字単位の対応関係を容易に識別することができる。
【0066】
また、同図(b)は、対応表示150として、墨字列Lpにおいて1つ置きの墨字P(ここでは、「あ」、「さ」、「2」および「う」)に付される墨字下線152と、点字列Lbにおいて当該墨字Pに対応する1つ置きの点字Bに付される点字下線151を印刷したものである。これによれば、1マス点字Bsと2マス点字Bwとが混在する複数の点字Bから成る点字列Lbであっても、文字単位の区切りを容易に識別させることができる。さらに、各点字Bがいずれの墨字Pに対応しているかを容易に識別させることができる。
【0067】
さらに、同図(c)に示すように、対応表示150として、複数の点字Bを点字単位で区切る区切り線153を印刷してもよく、また、同図(d)に示すように、対応表示150として、複数の点字Bを点字単位で囲う囲い線154を印刷してもよい。これらによれば、点字列Lbにおける文字単位の区切りを容易に識別させると共に、墨字列Lpに対し、入力された文字情報に基づく墨字P以外のものを印刷することがないため、墨字Pの読みやすさを損なうことがない。
なお、囲い線154を付す場合は、2マス点字Bwのみに付してもよい。また、同図(a)〜(d)に示した他の対応表示150を印刷する場合も、属性規定点字Bc(数字符Bcf)に属性表示160を印刷することが好ましい。
【0068】
以上のように、本実施形態のラベル作製装置1によれば、点字テープTに対し、点字Bと墨字Pとの文字単位の対応関係を容易に識別させるように点字Bおよび墨字Pを表示することで、晴眼者に点字Bの規則を啓蒙可能な点字ラベルを作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】点字テープに打刻された点字を説明する図である。
【図2】点字の規則を説明する図である。
【図3】点字と墨字との対応関係を説明する図である。
【図4】閉蓋状態のラベル作製装置の外観斜視図である。
【図5】開蓋状態のラベル作製装置の外観斜視図である。
【図6】(a)は打刻ユニットの平面図、(b)は打刻ユニットの断面図である。
【図7】ラベル作製装置の制御ブロック図である。
【図8】墨字印刷領域および点字打刻領域のレイアウトを説明する図である。
【図9】墨字の文字間隔の設定を説明する図である。
【図10】対応表示が印刷された点字テープの図である。
【図11】他の対応表示が印刷された点字テープの図である。
【符号の説明】
【0070】
1…ラベル作製装置 102…墨字印刷部 104…点字打刻部 150…対応表示 151…点字下線(1重) 152…墨字下線(1重) 153…点字下線(2重) 154…墨字下線(2重) 155…区切り線 156…囲い線 160…属性表示 B…点字 Bc…属性規定点字 Bs…1マス点字 Bw…2マス点字 Lb…点字列 Lp…墨字列 P…墨字 T…処理シート
【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理シートに対し、入力された同一の文字情報に基づいて、
点字打刻手段により、1個の点字マスで表現される1マス点字と、2個の点字マスで表現される2マス点字とが混在する複数の点字から成る点字列を打刻すると共に、
印刷手段により、複数の墨字から成る墨字列を印刷するシート処理装置であって、
前記印刷手段は、前記墨字列を印刷すると共に、前記点字と前記墨字との文字単位の対応関係を識別させる対応表示を印刷することを特徴とするシート処理装置。
【請求項2】
前記対応表示は、少なくとも前記2マス点字に対して付される点字装飾表示と、これに対応する前記墨字に対して付される墨字装飾表示とから成ることを特徴とする請求項1に記載のシート処理装置。
【請求項3】
前記対応表示は、前記墨字列において1つ置きの前記墨字に付される墨字装飾表示と、前記点字列において当該墨字に対応する1つ置きの前記点字に付される点字装飾表示とから成ることを特徴とする請求項1に記載のシート処理装置。
【請求項4】
前記対応表示は、前記複数の点字を点字単位で区切る区切り線から成ることを特徴とする請求項1に記載のシート処理装置。
【請求項5】
前記対応表示は、前記複数の点字を点字単位で囲う囲い線から成ることを特徴とする請求項1に記載のシート処理装置。
【請求項6】
前記印刷手段は、前記墨字列および前記対応表示を印刷すると共に、後続する前記点字の属性を規定する属性規定点字に対し、属性規定点字であることを識別させる属性表示を印刷することを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のシート処理装置。
【請求項7】
前記印刷手段は、前記墨字を、対応する前記点字に添わせて印刷することを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載のシート処理装置。
【請求項8】
前記印刷手段は、前記墨字列を、前記点字列に対し、前記複数の点字の並び方向に直交する上下方向のいずれかの位置に並列させて印刷することを特徴とする請求項7に記載のシート処理装置。
【請求項9】
処理シートに対し、入力された同一の文字情報に基づいて、
1個の点字マスで表現される1マス点字と、2個の点字マスで表現される2マス点字とが混在する複数の点字から成る点字列を打刻すると共に、
複数の墨字から成る墨字列を印刷し、
前記点字と前記墨字との文字単位の対応関係を識別させる対応表示を印刷することを特徴とするシート処理方法。
【請求項1】
処理シートに対し、入力された同一の文字情報に基づいて、
点字打刻手段により、1個の点字マスで表現される1マス点字と、2個の点字マスで表現される2マス点字とが混在する複数の点字から成る点字列を打刻すると共に、
印刷手段により、複数の墨字から成る墨字列を印刷するシート処理装置であって、
前記印刷手段は、前記墨字列を印刷すると共に、前記点字と前記墨字との文字単位の対応関係を識別させる対応表示を印刷することを特徴とするシート処理装置。
【請求項2】
前記対応表示は、少なくとも前記2マス点字に対して付される点字装飾表示と、これに対応する前記墨字に対して付される墨字装飾表示とから成ることを特徴とする請求項1に記載のシート処理装置。
【請求項3】
前記対応表示は、前記墨字列において1つ置きの前記墨字に付される墨字装飾表示と、前記点字列において当該墨字に対応する1つ置きの前記点字に付される点字装飾表示とから成ることを特徴とする請求項1に記載のシート処理装置。
【請求項4】
前記対応表示は、前記複数の点字を点字単位で区切る区切り線から成ることを特徴とする請求項1に記載のシート処理装置。
【請求項5】
前記対応表示は、前記複数の点字を点字単位で囲う囲い線から成ることを特徴とする請求項1に記載のシート処理装置。
【請求項6】
前記印刷手段は、前記墨字列および前記対応表示を印刷すると共に、後続する前記点字の属性を規定する属性規定点字に対し、属性規定点字であることを識別させる属性表示を印刷することを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のシート処理装置。
【請求項7】
前記印刷手段は、前記墨字を、対応する前記点字に添わせて印刷することを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載のシート処理装置。
【請求項8】
前記印刷手段は、前記墨字列を、前記点字列に対し、前記複数の点字の並び方向に直交する上下方向のいずれかの位置に並列させて印刷することを特徴とする請求項7に記載のシート処理装置。
【請求項9】
処理シートに対し、入力された同一の文字情報に基づいて、
1個の点字マスで表現される1マス点字と、2個の点字マスで表現される2マス点字とが混在する複数の点字から成る点字列を打刻すると共に、
複数の墨字から成る墨字列を印刷し、
前記点字と前記墨字との文字単位の対応関係を識別させる対応表示を印刷することを特徴とするシート処理方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−27100(P2006−27100A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−209873(P2004−209873)
【出願日】平成16年7月16日(2004.7.16)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年7月16日(2004.7.16)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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