説明

シート巻取り装置

【課題】 巻芯の供給や巻取った製品(シートロール)の排出が容易な接触式のシート巻取り装置において、シート先端部を自動的に巻芯の近傍に搬送し、幅広い物性のシートに対して巻皺や折れ目を発生させることなく自動的に巻取りを開始可能で、継続して適正な巻取りを可能ならしめるなシート巻取り装置を提供する。
【解決手段】 並列する2個の巻取りロール8,9の上に巻芯5を載せて回転させ、巻芯5に対して巻取りロール8,9間の下方から前記シートSを供給し、シートSの供給上流側でシートSの進行にブレーキ力を与えるとともに、巻芯5または外径が増大したシートロール21の外周に、上方から接して押圧力を付与する駆動された2個の並列する押圧ロール10,11とを備えたシート巻取り装置により、シート先端部の巻芯への自動的な巻付け並びに継続する巻皺や折れ目のないシートの巻取りを実現する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接触式のシート巻取り装置において、巻取りロール上の巻芯(クロスロール)に織布、編地、合成樹脂等のシートを巻取る際に、シートに巻皺や折れ目を発生させることなく円滑にシートを供給して巻芯の外周に巻取ることのできるシート巻取り装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来からシート巻取りに際し、巻芯交換時のシートの切断及び新たな巻芯に対するシート先端の巻付けに関する技術として、特開平06−135604、特開平06−123042があり、また、シートの巻付け開始時に一方の巻取りロール(回転ローラー)を巻芯(空ロール)から離間させてシート先端部の巻付けを容易化させる技術として特開平06−116839があった。しかし、これら技術は幅広い物性を有する各種のシート先端部の自動的な巻付けには充分対応できず、また巻取り工程が進行してシートロールの径が大きくなった状態での巻取り堅さを充分に制御する機能を有していなかった。また、切断後の新たなシート先端部を空気ジェットで補助して巻付けを開始する構造のため、機能が不安定でシート先端部の巻芯への幅方向及び進行方向にばらつきが発生し、これらの課題を前提として前記特許文献の技術でシートの弛みを解消させる必要があった。(特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)
【0003】
また、巻き皺の発生を防止する技術として、巻取りボビンの回転数及びシートの張力を制御する技術として特開平06−101138等があるが、構成が複雑でシートの物性に対応して回転速度と張力の制御でシートの巻堅さを適正に制御することに困難性があった。また、特開2003−221760に類する、やや早めに回転する押圧ロールをシートロールに押付けて、巻皺等の発生を防止する接触式巻取り装置が、永年実用ラインで利用されて来た。しかし、前記公用の装置においては、幅広い材質のシートに対して巻皺や折れ目を発生させないで安定してシートを巻取る機能に関して改善を要する点があり、また、新たな巻芯に対するシート先端部の自動的な巻付け機能を備えていない課題があった。(特許文献4、特許文献5参照)
【0004】
前記の如く、巻芯の構造が簡単で巻芯の交換が容易な接触式のシート巻取り装置において、従来、幅広い材質のシートを対象として巻付けの全工程を通して、巻皺や折れ目を発生させない機能を備え、また、新しい巻芯へのシート先端部の確実な巻付けを自動的に実施できる簡易で使い勝手の良い技術がなかった。
【特許文献1】特開平06−135604
【特許文献2】特開平06−123042
【特許文献3】特開平06−116839
【特許文献4】特開平06−101138
【特許文献5】特開2003−221760
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明はこのような問題点に鑑みて提案されたものであって、接触式のシート巻取り装置において、新規の原反ロールあるいは巻戻し途上で装置により切断したシートの先端部を自動的に新規の巻芯の近傍に搬送して、各種材質のシートに対して巻皺や折れ目を発生させることなく巻芯の外周に確実に巻取りを開始し、継続して適正な巻取りを可能ならしめるシート巻取り装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
即ち、請求項1に記載の発明は、少なくとも一方が駆動された並列する2個の巻取りロールの上に、巻芯を載せて回転することによりシートの巻取りを行う接触式のシート巻取り装置であって、前記巻芯に対して2個の前記巻取りロール間の下方から前記シートを供給するシート供給手段と、前記巻取りロールへのシート供給上流側で前記シートの進行にブレーキ力を与えるシートブレーキ手段と、前記巻芯の外周に対して、又は前記巻芯の外周にシートを巻取って順次外径が増大するシートロールの外周に対して、上方から接触して押圧力を付与する駆動された2個の並列する押圧ロールとを備えたことを特徴とするシート巻取り装置に係る。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1において、前記巻芯又は前記シートロールの外周に対する前記押圧ロールの押圧力を制御する押圧力制御手段を備えたことを特徴とするシート巻取り装置に係る。
【0008】
請求項3の発明は、請求項1及び2において、2個の前記巻取りロール及び2個の前記押圧ロールの回転速度を個別に制御するロール回転制御手段を備えたことを特徴とするシート巻取りに係る。
【0009】
請求項4の発明は、請求項1乃至3において、前記シートブレーキ手段のシート供給上流側にシート切断手段を備えたことを特徴とするシート巻取り装置に係る。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に記載の発明によれば、少なくとも一方が駆動された並列する2個の巻取りロールに巻芯を載せ、上方から接触する2個の駆動された押圧ロールで押圧力を付与しながら巻取るため、柔らかく変形しやすい材質のシートに対しても、前記巻芯あるいは前記シートロールの巻取りロール上の位置、及び摩擦による駆動力が安定して良好な巻取りを実現できる。
【0011】
また、シート巻取り時にシートが2個の前記巻取りロール間の下方から供給されるため、前記シートロールはシート供給上流側のブレーキ力により引張られて2個の巻取りロールに押え付けられて、前記シートロールの位置が安定するとともに巻取りロールへの押圧力及び摩擦による駆動力がさらに安定して作用する。このため、巻芯の中心を駆動する巻取り装置と比較して巻芯の外周速度の安定化が困難な接触式のシート巻取り装置において、一方の巻取りロールの側方上面から巻芯にシートを供給して前記シートロールが横方向に引張られる従来のシート供給手段に較べて、前記シートロールの外周速度及びシートの張力が安定して、シートロールの巻取り品質が向上する効果がある。
【0012】
また、前記シートロールの外径増大に従って、2個の駆動された押圧ロールは前記シートロールに接触しながら直径方向に移動するため、前記シートロールは直径が増大しても押圧ロールと巻取りロールとの間に拘束されて安定して回転駆動力が伝達され、シートは巻取りの全工程を通して安定した張力で適正な巻取りを実施できる。また、摩擦駆動力に起因にするシートへの張力に加えて、前記シートロールには4周から押さえる力が作用するため、従来技術に較べて低い張力で巻取りが可能となるとともに、前記シートロールの巻取り堅さが安定して巻皺や折れ目を発生させることのない確実なシート巻取りが可能となる効果がある。
【0013】
また、請求項2に記載の発明によれば、前記巻芯又はシートロールに対する前記押圧ロールの押圧力を制御する押圧力制御手段を備えたことにより、シート素材の性質等に応じて前記シートロールの直径の増大に伴って巻取り時の前記シートロールへの押付け力を順次変化させることが可能となり、従来のシートロールの回転数やシートの張力のみを制御する装置に較べて、各種のシート素材の物性への対応性が向上し、幅広い材質のシートに対して巻皺や折れ目を発生させることなく確実なシート巻取りが可能となる。
【0014】
また、請求項3に記載の発明によれば、2個の前記巻取りロール及び2個の前記押圧ロールの回転速度を個別に制御するロール回転制御手段を備えたことにより、シートが供給された巻取りロールから順次シートの供給下流側で接触するロールの外周速度を速く進行させて前記シートロールを巻締める方向で巻取ることができる。なお、対象とするシートの材質に従って、必要に応じて各ロールの外周速度をシートロールの外径増大に対応させて巻取り品質の向上を図ることができる。このため、従来技術に較べて幅広い材質のシートに巻皺や折れ目を発生させることのないシート巻取りが可能となる。また、ロール回転制御手段により、シート素材の物性に応じた各ロールの回転速度条件を短時間に設定することが可能となり、巻取り作業開始前の準備時間が短縮できる効果がある。
【0015】
請求項4に記載の発明によれば、前記シートブレーキ手段のシート供給上流側に設置された前記シート切断手段を備えたことにより、原反ロールから供給される巻取り途上のシートを自動的に切断し、巻取り済みのシートロールを排出して新たな巻芯を供給した後、前記のシート巻取り部へのシート先端部の自動的な供給、及び巻芯へのシート先端部の自動的な巻付けが可能となり、人手を要せずに短時間で新たなシート巻取りが開始できる。このため、シート巻取り工程の装置稼働率向上と省人化が実現できるとともに、作業者の安全を向上させることができる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、添付の図面に従ってこの発明を詳細に説明する。図1は本発明をシートの巻戻し作業に利用した実施例における装置全体を示す平面図、図2は図1のX−X断面図、図3は図1のシート巻取り部の詳細を示す断面図、図4は図3においてシートロールの直径が増大した状態を示す断面図である。
【0017】
図1及び図2に示す如く、シートSを巻いた状態の原反ロール4は、本発明の関連周辺設備としてのシート巻出し部1を構成する巻出しロール15上に載せられている。原反ロール4は駆動されて回転する巻出しロール15により接触回転し、シートSは原反ロール4から巻出されてシート搬送手段2の領域を搬送され、シート巻取り部3において小巻用の巻芯5に巻き取られる。図2の断面図に示す如く、シート搬送手段2は受板7と複数の搬送ロール16から構成され、原反ロール4から巻き出されたシートSは、矢印方向に回転する上下の搬送ロール16に挟まれて受板7上を速度V0の方向に搬送されてシート巻取り部3に供給される。なお、シート切断手段としてのシートカッター6はシート搬送手段2の途中に配設されている。
【0018】
図3の断面図により巻芯5に対するシートの巻取り工程を説明すると、新しく供給された巻芯5は駆動された並列する2個の巻取りロール8,9の上に載せられて回転している。また、巻芯5の上方には図示省略のモータに駆動されて回転する押圧ロ−ル10,11が巻芯5に接触して押圧しており、押圧ロ−ル10,11は揺動軸20に軸支された揺動レバー17に取付けられている。原反ロール4から巻き出されたシートSはシート搬送手段2により搬送されて、シートブレーキ手段としてのブレーキガイド12,13の間に供給されて進行し、シートSの先端部は巻取りロール8と巻芯5の間に供給され、押圧ロ−ル10、11及び巻取りロール9に順次誘導されて巻芯5に巻付けられる。
【0019】
ここで、図1に示す如く巻取りロール8、押圧ロール10は、それぞれの軸に固定された巻取りロール円盤8a、押圧ロ−ル円盤10aで構成されており、相互の外周が相手側に進入可能となっている。このため、図3においてシートSの先端部が巻芯5と巻取りロール8の間に供給されて押圧ロ−ル10に接近したとき、押圧ロ−ル10の外周は図示の如く巻取りロール8の外周を超えて巻取りロール8に接近してシートSの先端部を誘導し、シートの先端部を巻芯5に接触させる。この後、押圧ロ−ル10の外周速度が巻取りロール8より高速であるため、シートSの先端部は、押圧ロ−ル10と巻芯5の間で引張り勝手に搬送され、さらに高速の押圧ロール11を経由して巻取りロール9に誘導される。そして、巻取りロール9と巻取りロール8の間をブレーキガイド13の上端部に誘導されて、巻取りロール8と巻芯5の間に到達して、シートSの先端部を巻芯5に巻付ける。
【0020】
この後、同様の巻付け工程を繰り返して、シート巻取り部3はシートSを順次巻芯5の回りに巻付ける。また、シートSが巻芯5に巻付けられた後は、シートブレーキ手段としてのブレーキガイド13がシートSに抵抗を付与し、巻芯5に対してシートSは張力を有する状態で巻芯5に緩みなく巻付けられる。なお、このときシートSが巻取りロール8と巻取りロール9の間から、上方の巻芯5あるいはシートロール21に対してブレーキをかけながら供給されるため、巻芯5あるいはシートロール21は巻取りロール8、9に安定して押付けられる。この結果、巻芯5あるいはシートロール21の位置が安定するとともに、巻取りロールへの押圧力及び摩擦によるシートロール21への駆動力が安定して作用する。このため、一方の巻取りロールの側方上面から巻芯にシートを供給して前記シートロールが横方向に引張られる従来のシート供給手段に較べて、シートロール21の回転及びシートSの巻付け張力が均一化されて緩みや皺のない巻取りが実現される。
【0021】
シート先端部を巻付けた以後、図4に示す如く、シートSは巻芯5に巻取られて巻芯5はシートロール21として順次直径を増大させる。この間、押圧ロ−ル10、11の少なくとも一方がシートロール21に接触しながら、揺動レバー17は流体シリンダ18の作用により揺動軸20を中心として揺動しながらシートロール21の回転中心から後退する。そして、シートロール21に所定長さのシートSを巻取った時点で、巻取りロール8,9と押圧ロ−ル10、11、は回転を停止し、また、シート巻出し部1、供給搬送手段2はシートSの供給を停止した状態で、シートSはシートカッター6で切断される。この後、流体シリンダ18を作動させて揺動レバー17を揺動レバー17aに示す位置に移動して、押圧ロール10,11は押圧ロール10a,11aに示す如くシートロール21から離れて巻取り工程を完了する。以後、シートロール21は巻取りロール8,9上から取り出されて、新しい巻芯5を供給して次のシート巻戻し工程を開始する。
【0022】
前記説明において、巻取りロール8,9及び押圧ロ−ル10、11の適正な外周速度の相互の比率は、シートSの材質、厚さ、硬度等の影響を受ける。巻取りロール8,9の外周速度を速度V8、V9、また押圧ロ−ル10、11の外周速度を速度V10、V11としたとき、実施例においては、速度V8の100に対して速度V9を103に設定することにより、巻取りロール9の外周速度を巻取りロール8より早くして、シートSを巻取りロール8の外周に対して巻取り勝手にしている。引続いて、速度V10、V11はそれぞれ105、110とすることにより、押圧ロ−ル10、11の外周速度を順次早く設定してシートSを引張り勝手に巻芯5あるいはシートロール21に巻付けるように、各ロールの外周速度を設定して円滑な巻取りを実現している。
【0023】
前記の如く各ロールの速度設定を行った場合、シートSの進行する速度V0はシートSと各ロールとの摩擦係数やシートSの剛性等物性の影響を受けて、速度V0は速度V8よりやや速い速度となっている。このとき、シートSの搬送される速度V0は、各ロール外周速度と多少の速度差を生じるが、各ロールの表面の材質や疎度が適正に選定されているため、シートSの品質に特段の悪影響を生ずることはない。なお、摩擦係数の高いシートの巻戻し作業においては、速度V9及び速度V10、V11の速度V8に対する増速の比率は例示した比率より小さくして、良好な巻取りが実施できる傾向がある。なお、前記の各ロールの外周速度はシートSの厚さや剛性他の影響をあわせて受けるため、通常は正規の巻戻し作業に先立って、あらかじめ対象とするシートに対して巻戻しテストを実施して、適正な各ロール外周速度を求めて生産運転時の速度設定を行う。
【0024】
前記の説明において、巻取りロール8、9及び押圧ロ−ル10、11の外周速度は、指定する比率に設定して巻取り工程中に変動制御させなかった。しかし、特に柔らくデリケートな巻取りを要求されるシートSに対しては、巻取りロール8の速度を基準にして巻取りロール9及び押圧ロ−ル10、11の回転数をシートの巻取り工程の進行とともに、順次変速制御してシートロール21内側のシートの皺や折れ目の発生を防止することができる。この際、巻取りロール9及び押圧ロール10、11のロール回転制御手段は、公知のシートロール21の外径計測手段と各ロールの駆動用サーボモータ等を利用して、シートロール21の外径増大に対応して予め設定しておいた回転数データに従って、各ロールの回転数を変速制御する。
【0025】
図4に示す如く、シートSの巻取りが進行してシートロール21の直径が大きくなった状況では、流体シリンダ18の働きにより揺動レバー17に支持された押圧ロ−ル10、11が後退しながらシートロール21の外周を押圧し、シートロール21を緩みなく適正な堅さで巻取る。なお、シートロール21の巻取り開始時から巻取り終了時の間、シートSの物性に対応して流体シリンダ18に供給する流体の圧力を公知の手段で制御して、押圧ロ−ル10、11のシートロール21への押圧力を望ましい圧力に変動制御することができる。この押圧力制御手段は、通常、シートSが柔らかくシートロール21の直径増大により外周部で変形しやすい場合に必要に応じて適用する。
【0026】
なお、巻戻した製品としてのシートロール21の最終直径が小さい場合やシートSの物性によっては、シートSのシート先端部を巻芯5に巻付け開始するときに限られた巻数、例えばシートSを巻芯5に2,3周巻付ける間のみ、押圧ロ−ル10、11を巻芯5に接触及び押圧させる状態とし、それ以降の巻取り工程では流体シリンダ18により揺動レバー17を後退させて、押圧ロ−ル10、11のシートロール21への接触をなくしてシートSの巻取りを実施することもできる。
【0027】
図4に示すシートカッター6は、公用されているカッターをシート巻取り部3の上流のシート搬送手段2の途中に配設したものである。シートSの進行を一時停止させてシートSを切断した後、再度シートSを進行させて新規に巻取りを開始するとき、シート搬送手段2の途中に配設しているため、簡易な構成で新しく搬送されるシートSの先端を円滑に進行させて、巻取り部3に供給して新しい巻芯5へのシートSの自動的な巻取りを行うことができる。本発明のシートカッター6の構成によれば、前記の特開平06−135604、特開平06−123042の如きシートSのシート先端部のエアー吹付けによる取扱いや、巻取り駆動部を逆転させる等の複雑な操作が要求されず、効率的にまた安定して新しい巻芯に対する巻取り工程をスタートすることができる。
【0028】
前記に説明の如く、本発明により広範囲な物性のシートの巻取りに際して、巻芯交換時のシートの切断及び新たな巻芯に対するシート先端の巻付け工程を安定して自動化することが可能となる。また、巻取り工程が進行してシートロールの径が大きくなる過程でのシートSの巻皺や折れ目の発生を防止しながら、シートロールの巻取り堅さを適正に保ってシートの巻取りを実施することができる。このため、シートの巻取り工程において良好な品質のシートロールを製造できるとともに、巻戻し工程で必要であった人手を不要として大幅な省力化を実現することができる。
【0029】
なお、前記実施例においては、原反ロール4から巻芯5に小分けして巻戻す場合に関して説明したが、本発明は特に原反ロールからの巻戻しに限定されるものではなく、上流側に設置された織機等から連続的にシートが供給される場合に対しても、巻芯交換時に上流側に公知のダンサーロール等を設置して、本発明に係るシート巻取り装置を利用することができる。また、本発明において押圧ロールの個数は2個としたが、特に大きな巻芯に対して巻付け開始時のシート先端の誘導機能を高めるために、押圧ロールの個数を3個以上とすることは容易に可能である。また、本発明は実施例に限定されるものではなく、本発明の主旨の範囲で各種の応用が実施できることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】シートの巻戻しに利用した実施例における装置全体を示す平面図
【図2】図1のX−X断面図
【図3】図2のシート巻取り部の詳細を示す断面図
【図4】図3においてシートロールの直径が増大した状態を示す断面図
【符号の説明】
【0031】
1 シート巻出し部
2 シート搬送手段
3 シート巻取り部
4 原反ロール
5 巻芯
6 シートカッター
7 受板
8 巻取りロール
8a 巻取りロール円盤
9 巻取りロール
10 押圧ロ−ル
10a 押圧ロ−ル
11 押圧ロ−ル
11a 押圧ロ−ル
12 ブレーキガイド
13 ブレーキガイド
15 巻出しロール
16 搬送ロール
17 揺動レバー
18 流体シリンダ
19 支点
20 揺動軸
21 シートロール
S シート
V0 速度
V8 速度
V9 速度
V10 速度
V11 速度


【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一方が駆動された並列する2個の巻取りロールの上に巻芯を載せて回転することによりシートの巻取りを行う接触式のシート巻取り装置であって、
前記巻芯に対して2個の前記巻取りロール間の下方から前記シートを供給するシート供給手段と、
前記巻取りロールへのシート供給上流側で前記シートの進行にブレーキ力を与えるシートブレーキ手段と、
前記巻芯の外周に対して、又は前記巻芯の外周にシートを巻取って順次外径が増大するシートロールの外周に対して、上方から接触して押圧力を付与する駆動された2個の並列する押圧ロールとを
備えたことを特徴とするシート巻取り装置
【請求項2】
請求項1において、前記巻芯又は前記シートロールの外周に対する前記押圧ロールの押圧力を制御する押圧力制御手段を備えたことを特徴とするシート巻取り装置
【請求項3】
請求項1及び2において、2個の前記巻取りロール及び2個の前記押圧ロールの回転速度を個別に制御するロール回転制御手段を備えたことを特徴とするシート巻取り装置
【請求項4】
請求項1乃至3において、前記シートブレーキ手段のシート供給上流側に設置されるシート切断手段を備えたことを特徴とするシート巻取り装置


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−16099(P2006−16099A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−192961(P2004−192961)
【出願日】平成16年6月30日(2004.6.30)
【出願人】(301065869)三友機器株式会社 (6)
【Fターム(参考)】