説明

シート折り装置および画像形成装置

【課題】用紙折り処理おける生産性を確保しつつ、用紙または用紙束の折り部全体の折り目品質を向上させる。
【解決手段】折り対象のシートまたはシート束を順次受け入れて、このシートまたはシート束を、第5折りローラ205、第6折りローラ206により折り加工を行うシート折り装置であって、第5折りローラ205、第6折りローラ206のシート搬送方向の下流側に位置し、第5折りローラ205、第6折りローラ206によって折り目が付けられた前記シートまたはシート束を一時的にスタックし、このスタックしたの前記折り目上をシートの搬送方向と交差する方向に当該折り目に沿って移動し、この折り目を再加圧する用紙増し折り部600を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置あるいは、画像形成装置などに併設され当該装置から排出された画像形成後の用紙を受け入れて、中折り、Z折り、三つ折りなどの所定の紙折りを行うシート折り装置および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真方式を用いたレーザープリンタやカラー複写機などの画像形成装置においては、一般に、つぎのようなプロセスに基づいて画像を形成する。まず、パーソナルコンピュータや、スキャナなどの画像入力装置から入力された画像データをレーザー等により露光して感光体ドラム等の像坦持体に対して静電潜像を形成する。続いて、現像装置によりトナーを現像した後に用紙に転写し、その後、加熱ローラ方式の定着装置にてトナーを用紙に溶融させて画像を定着させ、この用紙を排出する。このような画像形成装置に対して、ステイプラやパンチ穴あけ、ソート(丁合い)、製本、折りなどの用紙後処理を実行させる装置を接続させて作業の自動化を図ったシステムも提供されている。
【0003】
画像形成後の用紙束を製本する製本機能を備えた用紙後処理装置において、折り処理は、折りローラと称される一対、または、複数対の折りローラによって折るようにしているものが多い。その際、折り目を付けるために、折りプレートと称される板状部材を被記録体の記録用紙束の綴じ位置に当て、前記折りローラのニップに押し込み、このニップで折り目を付けている。特に、用紙折り後における折り目をさらに強化する下記の技術が知られている。
【0004】
一対の折りローラによって用紙を折るシート折り装置として、折りローラで折り目を付けた後に折りローラ対を逆回転させて複数回往復することで折り部を加圧することにより、折り目を強化することが開示されている(たとえば、特許文献1参照)。
【0005】
また、複数対の折りローラで用紙を折る装置として、たとえば、第1折りローラ、および第2折りローラを設け、第1折りローラで折り目を付けた後に、第2折りローラで、さらに、折り部を加圧し、折り目を強化することが開示されている(たとえば、特許文献2参照)。
【0006】
さらに、他の方式として、お互いに圧接して回動する対ローラ間に、シート状の用紙を折り曲げ部より挿通し、両側から押圧して用紙を折り曲げる装置において、対ローラの用紙排出側に、用紙の排出方向に対し略垂直方向に移動して排出された用紙の折り曲げ部を再度押圧するための増し折りローラを設け、増し折りローラは用紙の搬送方向に対して直交する方向に螺子によって移動することで折りの強化を図るようにした技術が知られている(たとえば、特許文献3参照)。この方式は、用紙束の搬送方向と交差する向きに折り増しローラによって加圧力をかけているので、用紙束の折り目の折り曲げ部の1箇所に集中的に荷重をかけることができて、かつ、折り増しローラの移動によって用紙束の折り目の折り曲げ部全体に、その効果を及ぼすことができるので、用紙束に折り目を付けることが容易となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平09−183568号公報
【特許文献2】特開2001−19269号公報
【特許文献3】特開2005−162345号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記に示されるような、特許文献1の装置にあっては、一対の折ローラで用紙折り部を複数回往復させるため、つぎの用紙を受け入れるまでに時間を要し、折り処理における生産性が低下するという問題点があった。
【0009】
また、特許文献2の装置にあっては、第1折りローラで折り目を付けた後に、第2折りローラで、さらに、折り部を加圧し、折り目を強化するようにしても、記録用紙束の搬送方向に直交する方向と平行に折りローラの軸が配置されているので、記録用紙束の折り部が折りローラのニップ部に加圧される時間は少なく、さらに、記録用紙束の折り部全体を折りローラで加圧するために加圧力が分散して、記録用紙束に所望の折り目を付けることが難しいという問題点があった。
【0010】
また、特許文献3の装置にあっては、用紙束の折り目の折り曲げ部全体に、その効果を及ぼすことができるので、用紙束に折り目を付けることが容易であるものの、増し折りローラは用紙の搬送方向に対して直交する方向に移動するため、用紙束を増し折り部で一度止めて増し折りする必要があり、また増し折りローラの移動に時間を要し、折り処理における生産性が低下するという問題点があった。
【0011】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、用紙折り処理における生産性を確保しつつ、用紙または用紙束の折り部全体の折り目品質を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、折り対象のシートまたはシート束を順次受け入れて、このシートまたはシート束を、第1の折り手段により折り加工を行うシート折り装置であって、前記第1の折り手段のシート搬送方向の下流側に位置し、前記第1の折り手段によって折り目が付けられた前記シートまたはシート束を一時的にスタックし、このスタックした前記シートまたはシート束の前記折り目上をシートの搬送方向と交差する方向に当該折り目に沿って移動し、この折り目を再加圧する再加圧手段を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、折り目が付けられた前記シートまたはシート束を複数枚重ね合わせる手段を備え、シートまたはシート束を複数枚重ねて再加圧することにより、増し折りによる用紙の停止時間を重ねた枚数分削減することで生産性を確保しつつ、折り部全体の折り目品質を向上させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、この実施の形態にかかるシート折り装置を連結したシステム構成を示す説明図である。
【図2】図2は、図1におけるシート折り装置の構成を示す説明図である。
【図3】図3は、図1におけるフィニッシャーの構成を示す説明図である。
【図4】図4は、図1におけるシート折り装置の制御系の構成を示すブロック図である。
【図5−1】図5−1は、Z折り動作の流れ(A)〜(C)を示す説明図である。
【図5−2】図5−2は、Z折り動作の流れ(D)〜(F)を示す説明図である。
【図6−1】図6−1は、二つ折り動作の流れ(A)〜(C)を示す説明図である。
【図6−2】図6−2は、二つ折り動作の流れ(D)、(E)を示す説明図である。
【図7−1】図7−1は、外三つ、内三つ折り動作の流れ(A)〜(C)を示す説明図である。
【図7−2】図7−2は、外三つ、内三つ折り動作の流れ(D)〜(F)を示す説明図である。
【図8−1】図8−1は、この実施の形態にかかる用紙増し折り部の構成およびその動作(A)〜(C)を示す説明図である。
【図8−2】図8−2は、この実施の形態にかかる用紙増し折り部の構成およびその動作(D)〜(F)を示す説明図である。
【図9】図9は、用紙増し折り部の他の構成例を示す説明図である。
【図10】図10は、図9における増し折りローラの移動部分の構成を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかるシート折り装置および画像形成装置の一実施の形態を詳細に説明する。なお、本発明はこの実施の形態に限定されるものではない。
【0016】
(実施の形態)
図1は、この実施の形態にかかるシート折り装置を連結したシステム構成を示す説明図である。本システムは図示するように、大きくは、複写機などの画像形成装置100と、シート折り装置200(図2参照と、用紙に対しステイプルなどの後処理を行うシート後処理装置(以下、フィニッシャー300と記述する。図3参照)と、を備えている。これらの各装置の構成については以下に詳述する。
【0017】
図2は、図1におけるシート折り装置200の構成を示す説明図である。図2において、符号101は用紙折りを行わないときの用紙搬送経路となる水平搬送路、符号102は第1ストッパ搬送路、符号103は第1中継搬送路、符号104は第2ストッパ搬送路、符号105は第2中継搬送路、符号106は第3ストッパ搬送路、符号107はスタッカー排紙搬送路である。
【0018】
また、符号111は入口搬送ローラ、符号112は排紙搬送ローラ、符号113はスタッカー排紙搬送ローラ、符号201は第1折りローラ、符号202は第2折りローラ、符号203は第3折りローラ、符号204は第4折りローラ、符号205は第5折りローラ、符号206は第6折りローラ、符号301は第1ストッパ、符号302は第2ストッパ、符号303は第3ストッパ、符号400は入口切替爪、符号401は第1撓み補助部材、符号402は第2撓み補助部材、符号403は第3撓み補助部材、符号500はスタッカー部、符号501a,bは昇降トレイ、符号600は後述する用紙増し折り部である。この図2の動作については後述する。
【0019】
図3は、図1におけるフィニッシャー300の構成を示す説明図である。このフィニッシャー300は、ユーザーにより操作パネル(不図示)を介して入力されるプルーフモード、ステイプルモード、シフトモードといった後処理モードを行うものである。
【0020】
図3に示すように、フィニッシャー300は用紙の積載手段として昇降可能なトレイ12を有していると共に、位置が固定されて移動しないプルーフトレイ14を装置上部に有している。トレイ12は図示しない駆動手段により上下方向に移動制御される。また、トレイ12の高さを検知可能なセンサによりトレイ12の高さを検知し、トレイ12上面に積載された用紙の高さが一定になるように制御される。画像形成装置100と用紙受け渡し部位の近傍には入口センサ36と入口ローラ対2aが設けられており、入口ローラ対2aにより取り込まれた用紙は、後処理モードに応じてそれぞれの搬送経路に搬送される。
【0021】
プルーフモードを選択した場合は、入口ローラ対2aによって画像形成装置50から受け渡された用紙を搬送ローラ2bに搬送し、図示しないソレノイドのオン/オフ制御により、位置を切り替え可能な分岐爪8aにより搬送ローラ5aを経由し、排紙ローラ5bによりプルーフトレイ14に排出される。
【0022】
ステイプルモードを選択した場合には、入ロローラ対2aにて受け渡された用紙を搬送ローラ2bにて搬送し図示しないソレノイドのオン/オフ制御により、位置を切り替え可能な分岐爪8bにより搬送ローラ4a,4b,4cを経由し、排紙ローラ6によりステイプルトレイ7に積載される。このとき、図示しない叩きローラにて用紙搬送方向への整合が行なわれ、ジョガーフェンス62により用紙の横幅方向(搬送方向に直交する方向)の整合が行なわれる。所定の枚数が整合されたところでステイプラ19により綴じ処理が施され、放出爪10aにより持ち上げられた用紙束は排紙ローラ3によりトレイ12に放出され、積載される。
【0023】
また、シフトモードを選択した場合には入口ローラ対2aから搬送ローラ2b,2cを経由して排紙ローラ3によりトレイ12に排出され、積載される。この実施の形態は、前記トレイ12を用紙搬送方向と直交する方向に往復動させて用紙の仕分けを行う。
【0024】
図4は、図1におけるシート折り装置200の制御系の構成を示すブロック図である。この図4において、符号210はマイクロコンピュータシステムにより本シート折り装置200全体を制御する制御部、符号211は折りローラ、符号212は折りローラ駆動部、符号213は用紙端検知センサ、符号214はストッパ、符号215はストッパ駆動部、符号216は撓み補助部材、符号217は撓み補助部材駆動部である。なお、これらは図2の第3ストッパ搬送路106、第5折りローラ205、第6折りローラ206、第3ストッパ303、第3撓み補助部材403を含む用紙折り部の構成に相当する。
【0025】
また、図4において、符号600は用紙増し折り部、符号601は切替爪、符号630はソレノイド、符号605はストッパ、符号631はソレノイド、符号606は増し折り部センサ、符号611は再加圧ローラ、符号632は再加圧ローラ駆動部である。
【0026】
また、図4において、符号110は画像形成装置100全体の制御およびこの画像形成装置100に接続されている周辺機器との制御信号によるやりとりを行うシステムコントローラ、符号111は画像形成装置100および各用紙処理モードの入力操作、各種表示を行うオペレーションパネル、符号112はたとえば電子写真方式に基づいて最終的に用紙へ画像を形成する作像エンジン、符号113は用紙を収容し、給紙する給紙部である。
【0027】
つぎに、前述した図2および図3に示すように構成されたシート折り装置200の動作について説明する。このように構成されたシート折り装置200において、Z折り、二つ折り、外三つ折り、内三つ折りの各折り動作が可能となる。このシート折り装置200の動作について、Z折り、二つ折り、内三つ折りを例にとり用紙の流れを、各折り動作別に説明する。
【0028】
<Z折り>
図5−1,2はZ折り動作の流れを示す説明図である。なお、この図5−1,2における各部の符号については図2と同様であり、省略している。画像形成装置100より受け入れた用紙は、入口切替爪400によって第1ストッパ搬送路102に案内される。第1ストッパ搬送路102内の第1ストッパ301に用紙先端を突き当てて撓ませ、第1折りローラ201と第2折りローラ202によって形成される第1ニップで1回目の折りを行う。1回目の折りの撓み形成時には、第1撓み補助部材401を動作させ、用紙を折りローラ側に均一に撓ませる。
【0029】
1回目の折り完了後、第1中継搬送路103から第2ストッパ搬送路104へ搬送され、第2ストッパ搬送路104内の第2ストッパ302に用紙先端を突き当てて撓ませ、第3折りローラ203と第4折りローラ204によって形成される第2ニップで2回目の折りを行い、第2中継搬送路105にてZ折り完了となる。2回目の折りの撓み形成時にも、1回目と同様に第2撓み補助部材402を動作させる。折り完了後、第3ストッパ搬送路106を通り、排紙搬送ローラ112によって下流機へ搬送される。Z折りモードでは、第3ストッパ303は使用しないため、第3ストッパ搬送路106から退避した位置にある。
【0030】
<二つ折り>
図6−1,2は、二つ折り動作の流れを示す説明図である。なお、この図6−1,2における各部の符号については図2と同様であり、省略している。画像形成装置100より受け入れた用紙は、入口切替爪400と第1撓み補助部材401によって、第1ストッパ搬送路102へは進入せずに、第1折りローラ201と第2折りローラ202によって形成される第1ニップを通過し、第1中継搬送路103を通って第2ストッパ搬送路104へ案内される。
【0031】
第2ストッパ搬送路104内の第2ストッパ302に用紙先端を突き当てて撓ませ、第3折りローラ203と第4折りローラ204によって形成される第2ニップで1回目の折りを行い、第2中継搬送路105にて二つ折り完了となる。1回目の折りの撓み形成時には、第2撓み補助部材402を動作させ、用紙を折りローラ側に均一に撓ませる。折り完了後、第3ストッパ搬送路106を通り、排紙搬送ローラ112によって下流機へ搬送される。二つ折りモードでは、第3ストッパ303は使用しないため、第3ストッパ搬送路106から退避した位置にある。
【0032】
<外三つ、内三つ>
図7−1,図7−2は、外三つ、内三つ折り動作の流れを示す説明図である。なお、この図7−1,2における各部の符号については図2と同様であり、省略している。画像形成装置100より受け入れた用紙は、入口切替爪400と第1撓み補助部材401によって、第1ストッパ搬送路102へは進入せずに、第1折りローラ201と第2折りローラ202によって形成される第1ニップを通過し、第1中継搬送路103を通って第2ストッパ搬送路104へ案内される。
【0033】
第2ストッパ搬送路104内の第2ストッパ302に用紙先端を突き当てて撓ませ、第3折りローラ203と第4折りローラ204によって形成される第2ニップで1回目の折りを行い、第2中継搬送路105にて1回目の折り完了となる。1回目の折り完了後、第3ストッパ搬送路106へ搬送され、第3ストッパ搬送路106内の第3ストッパ303に用紙先端を突き当てて撓ませ、第5折りローラ205と第6折りローラ206によって形成される第3ニップで2回目の折りを行い、スタッカー排紙搬送路107にて内三つ折り、外三つ折り完了となる。
【0034】
図8−1、図8−2は、この実施の形態にかかる用紙増し折り部の構成およびその動作を示す説明図である。この図8−1、図8−2では、図2、図4の用紙増し折り部600の具体的な要部構成を示している。また、これらの図において(A)〜(F)で折り紙に対する用紙増し折り部の動作の流れについて示している。以下、この(A)〜(F)に示す流れに沿って説明する。
【0035】
折り加工された用紙は、第5折りローラ205および第6折りローラ206により搬送され、さらに切替爪601によって多段に設けられた搬送経路に各方向へ案内され各搬送経路へと搬送される。二つに分岐された第1、第2の搬送経路602a、bにはそれぞれ搬送ローラ603、604が設けられている。第1の搬送経路602aにはストッパ605が設けられ、ソレノイド631(図4参照)によって第1の搬送路602aに突出した位置と退避した位置とに移動される。第2の搬送経路602bには増し折り部センサ606が設けられており、用紙の先端位置を検出する。分岐された搬送路602a、bは下流で再び合流している。
【0036】
合流した搬送経路607には搬送ローラ608、609が設けられ、その下流に再加圧ローラ611が設けられている。折り加工された用紙1枚目は切替爪601によって第1の搬送経路602aに案内され、ストッパ605によって一時搬送を止める。このとき搬送ローラ603も停止する。
【0037】
折り加工された用紙2枚目は、切替爪601によって第2の搬送経路602bに案内される。増し折り部センサ606で用紙先端が検知されると、第1の搬送経路602a内のストッパ605が1枚目と2枚目の折り紙を搬送路合流位置で重なり合うタイミングで退避する。合流位置で重ね合わされた折り紙は搬送経路607に搬送され、重ね合わされたまま用紙増し折り部600に搬送される。
【0038】
用紙増し折り部600には搬送ローラ608が備わっており、その下流には用紙の搬送方向に交わる方向(交差方向)に移動して用紙の折り目を再加圧して増し折りする再加圧ローラ611が備わっている。搬送ローラ608で用紙の搬送方向先端の折り目が再加圧ローラ611で再加圧できる位置に到達すると、搬送ローラ608は停止し、再加圧ローラ611が手前から奥に加圧しながら移動する。この動作により折り目の全体に均一に再加圧を強化して綺麗な折り目を形成する。
【0039】
さらに搬送方向後端にも折り目がある場合には、再加圧ローラ611はいったん折り紙から退き、搬送ローラ608で用紙の搬送方向後端の折り目が増し折りローラ611で再加圧できる位置へと搬送し、停止する。再加圧ローラ611は再び用紙を加圧し、奥から手前に移動しながら折り目の全体に均一に再加圧を強化して綺麗な折り目を形成する。その後、再加圧ローラ611は折り紙から退き、増し折りが完了となる。増し折りが完了した折り紙は搬送ローラ609にて搬送され、スタッカー排紙搬送ローラ113によってスタッカー部500へ収納される。
【0040】
図9は、用紙増し折り部の他の構成例を示す説明図である。用紙増し折り部600の入口にはセンサ615が備わっており、また、搬送ローラ614が備わっている。その搬送ローラ614を挟むようにして用紙の搬送方向に交わる方向(交差方向)に移動して用紙の折り目を再加圧して増し折りする増し折りローラ612、613が設けられている。
【0041】
増し折りローラ612、613は折紙の折り目位置に合わせて搬送方向に移動可能となるよう構成されている。折り紙は、用紙サイズ、折り種類によって折り目位置が異なるため、折り装置は画像形成装置から発信される用紙サイズおよび折り種類を受け取ると折り紙の先端からの折り目位置を算出するよう制御されており、各増し折りローラ612、613を折り目位置に移動させる。
【0042】
折り紙が用紙増し折り部600の入口に搬送されるとセンサ615で折り紙先端を検知し、搬送ローラ614によって増し折り可能位置まで搬送され、搬送ローラ614は停止し、折り紙が停止する。折り紙が停止した後、増し折りローラ612、613は複数箇所の折り目を一度に折り目の搬送方向に交わる方向(交差方向)に移動して用紙に加圧し、折り目の全体に均一に再加圧を強化して綺麗な折り目を形成し、増し折りローラ612、613は折り紙から退避し、増し折りが完了となる。
【0043】
図10は、図9における増し折りローラの移動部分の構成を示す説明図である。増し折りローラ612、613はステー616に一体となるように固定されて、ステー616にはラック617、618が備わっており、モータ619の回転によって動作する。また、増し折りローラ612、613の加圧力は、折り種類、折り紙束枚数の重ねて折る枚数、折り紙重ね合わせ枚数によって可変できる構成となっており、ステー616は偏心カム620によって加圧動作するようになっている。この偏心カム620はモータ622からベルト621を介して回転することで動作する。
【0044】
以上、説明した実施の形態によれば、折りローラ対の下流側にあって、折り目が付けられた前記シートまたはシート束を複数枚重ね合わせる第2の折り手段としての再加圧ローラ611を含む用紙増し折り部600を備え、シートまたはシート束を複数枚重ねて再加圧することにより、増し折りを行うための用紙の停止時間および再加圧ローラ動作時間を重ねた枚数分削減することで生産性を確保し、かつ折り品質を向上させることが可能になる。
【0045】
また、上記再加圧ローラ611は、シートまたはシート束を複数枚重ね合わせた後に再加圧することで再加圧に費やす時間を削減するため生産性に優れ、用紙または用紙束の折り部全体を均一に再加圧することが可能になる。
【0046】
また、上記再加圧ローラ611は、シートの折り目毎に動作することで用紙の折り目を確実に再加圧し、用紙または用紙束の折り部全体を均一に再加圧することが可能である。
【0047】
また、上記再加圧ローラ611を複数備えていることで複数の折り目を一度に再加圧するため生産性に優れ、用紙または用紙束の折り部全体を均一に再加圧することが可能になる。
【0048】
また、上記再加圧ローラ611は、シートの折り目位置に合わせて搬送方向に移動可能であることで、生産性に優れ、用紙または用紙束の折り部全体を均一に再加圧することが可能になる。
【0049】
また、上記再加圧ローラ611の加圧力は、シートの折り種類、シート束枚数、シート重ね枚数によって可変することで、用紙または用紙束の折り部全体を均一に再加圧することが可能になる。
【符号の説明】
【0050】
205 第5折りローラ
206 第6折りローラ
600 用紙増し折り部
601 切替爪
602a 第1の搬送経路
602b 第2の搬送経路
603、604、608、609 搬送ローラ
605 ストッパ
606 増し折り部センサ
611 再加圧ローラ
612、613 増し折りローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
折り対象のシートまたはシート束を順次受け入れて、このシートまたはシート束を、第1の折り手段により折り加工を行うシート折り装置であって、
前記第1の折り手段のシート搬送方向の下流側に位置し、前記第1の折り手段によって折り目が付けられた前記シートまたはシート束を一時的にスタックし、このスタックした前記シートまたはシート束の前記折り目上をシートの搬送方向と交差する方向に当該折り目に沿って移動し、この折り目を再加圧する再加圧手段を備えることを特徴とするシート折り装置。
【請求項2】
前記再加圧手段は、前記シートまたはシート束を複数枚重ね合わせた後に再加圧することを特徴とする請求項1に記載のシート折り装置。
【請求項3】
前記再加圧折り手段は、前記シートの折り目毎に動作することを特徴とする請求項1または2に記載のシート折り装置。
【請求項4】
前記再加圧手段を複数備えていることを特徴とする請求項1または2に記載のシート折り装置。
【請求項5】
前記再加圧手段は、前記シートの折り目位置に合わせて搬送方向に移動可能であることを特徴とする請求項1、2または4に記載のシート折り装置。
【請求項6】
前記再加圧手段の加圧力は、前記シートの折り種類、前記シート束の枚数、前記シートの重ね枚数によって可変されることを特徴とする請求項1または2に記載のシート折り装置。
【請求項7】
前記再加圧手段は、前記シートの折り目面に対して当接および離間することを特徴とする請求項1〜6の何れか一つに記載のシート折り装置。
【請求項8】
請求項1〜7の何れか一つに記載のシート折り装置を備えることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5−1】
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【図5−2】
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【図6−1】
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【図6−2】
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【図7−1】
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【図7−2】
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【図8−1】
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【図8−2】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−171727(P2012−171727A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−33731(P2011−33731)
【出願日】平成23年2月18日(2011.2.18)
【出願人】(000006932)リコーエレメックス株式会社 (708)
【Fターム(参考)】