説明

シール剤供給装置

【課題】導管を流通する流体の流速が変動する場合であっても、導管へ濃度を一定に保ってシール剤を供給して導管の継手部位を良好にシールすることができるシール剤供給装置を提供する。
【解決手段】導管10を流通する流体Gの流量を計測する流量計11の積算流量表示部12から流量関連情報を読み取る流量関連情報読取手段26と、当該流量関連情報から前記流量計11を通過する前記流体の流量を導出する流体流量導出手段31と、前記導管10の継手部位16をシールするシール剤Cを前記流量計11の下流側に供給するシール剤供給手段20と、導出された前記流体Gの流量に基づいて前記シール剤供給手段20の供給量を調整して前記導管10を流通する前記シール剤Cの流量を設定するシール剤流量設定手段32とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導管にシール剤を供給するシール剤供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
都市ガス等を流通する導管の継手部をシールするシール部材は、時間と共に劣化するため、定期的にシール剤やシール補修剤等を供給する必要がある。そして、この導管の継手部にシール剤を供給する方法として、導管に都市ガス等が流通する活管状態で、導管に所定濃度のシール剤を供給して、導管の内壁をシールする方法等がある(特許文献1を参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2006−342337号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような活管状態では、近隣で都市ガス等が使用され始めた場合や、導管の上流側でガバナ制御等が行われる場合に、導管を流通する都市ガス等の流量が変動することがある。この場合、上述した特許文献1のように、導管へ所定の濃度でシール剤を供給していると、都市ガス等の流量の変動に伴って、導管を流通するシール剤の濃度が変動するため、シール剤の効果が一定でなくなり、導管の継手部を適切にシールすることが出来ないという問題があった。
さらに、シール剤の供給に当たって、その濃度を一定に保とうとした場合、導管内を流れる流体の流量を知ることが必要となり、例えば、流量検知は、ガスメータ等の流量に関連する情報が表示される機器から読み取るのが好ましいが、これまで、このような技術は確立されていなかった。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、比較的簡易な構成で流量関連情報を取得して、導管を流通する流体の流速が変動する場合であっても、導管へ濃度を一定に保ってシール剤を供給して導管を良好にシールすることができるシール剤供給装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための本発明に係るシール剤供給装置の特徴構成は、導管を流通する流体の流量を計測する流量計の積算流量表示部から流量関連情報を読み取る流量関連情報読取手段と、当該流量関連情報から前記流量計を通過する前記流体の流量を導出する流体流量導出手段と、前記導管をシールするシール剤を前記流量計の下流側に供給するシール剤供給手段と、導出された前記流体の流量に基づいて前記シール剤供給手段の供給量を調整して前記導管を流通する前記シール剤の流量を設定するシール剤流量設定手段とを備えた点にある。
【0007】
本願にあっては、流量は、シール剤の濃度を適切な許容範囲に納めることができる時間あたりの流量を意味し、所謂、瞬時流量を採用することが好ましい。ここで、瞬時流量とは、都市ガスG又はシール剤Cが所定の時間に流量計を流通する流量を所定の時間で除算して導出される平均流量である。この所定の時間とは、0.5秒乃至5.0秒程度の時間である。
上記特徴構成によれば、流体流量導出手段が、流量関連情報読取手段が導出した流量関連情報から流体の流量を導出し、シール剤流量設定手段が、導出された流体の流量に基づいて、シール剤供給手段を制御して、導管へのシール剤の供給量を調整して、導管を流通するシール剤の流量を設定する。これにより、流体の流量が変動した場合であっても、流体の流量の変動に追従する様にシール剤の流量を設定することができ、導管を流通するシール剤の濃度を略一定に保つことができる。
また、シール剤供給手段が、流量計の下流側でシール剤を供給することで、導出された流体の流量の変動に追従する様にシール剤の流量を計算し設定するための時間を稼ぐことができるため、流体の流量に対してシール剤の流量をより一層良好に追従させることができる。
以上より、導管を流通する流体の流量が変動する場合であっても、比較的簡易な構成で流量関連情報を取得して、導管へ供給されるシール剤の濃度を略一定に保って導管を良好に密閉可能なシール剤供給装置を実現できる。
さらに、本願にあっては、流量関連情報読取手段が流量計の積算流量表示部から流量を検知するため、例えば、既存の設備であるガスメータ等の積算流量表示部の表示の変化状態を利用して、シール剤の供給に使用する流量情報を簡易に得ることができ、システムが簡単に構築できる。
【0008】
本発明に係るシール剤供給装置の更なる特徴構成は、前記流量計の前記積算流量表示部が、複数の文字車から成り、
前記流量関連情報読取手段が、前記文字車の回転速度を読み取り、
前記流体流量導出手段が、前記流量関連情報読取手段が読み取った前記文字車の回転速度から前記流体の流量を導出する点にある。
【0009】
上記特徴構成によれば、流量関連情報読取手段が、複数の文字車から成る文字車の回転速度を流量関連情報として読み取り、流体流量導出手段が、当該文字車の回転速度から流体の流量を導出することができる。これにより、例えば、現状でガス使用施設に設置されるガスメータの積算流量表示部に備えられる文字車の状態に基づいて、当該流量計を流通する流体の流量を導出することができる。このため、現状のガスメータをそのまま利用しながら、導管に供給するシール剤の濃度を略一定に保って、導管を良好にシールすることができる。
【0010】
本発明に係るシール剤供給装置の更なる特徴構成は、前記流量計がガス使用施設に供給されるガス量を計測するガスメータであり、
前記積算流量表示部が、前記ガスメータを通過した積算ガス流量を前記ガスメータの前面に表示するガス積算流量表示部であり、
前記流量関連情報読取手段が、前記ガス積算流量表示部に設けられる目盛の最小桁にある目盛り線の動きを読み取る構成で、
前記流体流量導出手段が、読み取られる流量関連情報からガスの流量を導出する点にある。
【0011】
本願発明に係るシール剤供給装置は、上述した更なる特徴構成に記載のように、流量計を、ガス使用施設に供給される都市ガス等の流量を計測するガスメータとすると共に、積算流量表示部を、前記ガスメータを通過した積算ガス流量を前記ガスメータの前面に表示するガス積算流量表示部として、好適に構成することができる。そして、流量関連情報読取手段を、ガス積算流量表示部に設けられる目盛りの最小桁にある目盛り線の動きを読み取るように構成することで、導管を流通する都市ガス等の流量関連情報の詳細な変動を読み取ることができる。このため、都市ガス等の流量を導出する流体流量導出手段が、当該流量関連情報読取手段が読み取った流量関連情報に基づいて、都市ガス等の流量を、単位時間当たりに導管を流通する都市ガス等の流量に近い値として導出することができる。
【0012】
本発明に係るシール剤供給装置の更なる特徴構成は、前記シール剤供給手段は、前記シール剤の供給量を調整する制御弁を有し、
前記シール剤流量設定手段が、前記流体の流量が変動する毎に、前記流体の流量と前記シール剤の流量との比を一定に保つように、前記制御弁の開度を調整して前記シール剤の流量を設定する点にある。
【0013】
上記特徴構成によれば、シール剤の供給量は、シール剤供給手段がシール剤の供給量を調整する制御弁を有すると共に、シール剤流量設定手段が当該制御弁の開度を調整する、という比較的簡易な制御により好適に調整できる。これにより、シール剤流量設定手段は、流体の流量が変動する毎に、制御弁の開度を逐次調整し、流体の流量とシール剤の流量との比を一定に保つことができる。
【0014】
本発明に係るシール剤供給装置の更なる特徴構成は、前記シール剤流量設定手段が、前記流体の流量の変動割合に応じて、前記制御弁の開度を調整して前記シール剤の流量の変動割合を設定する点にある。
【0015】
上記特徴構成によれば、シール剤流量設定手段は、流体の流量の変動割合に応じて、制御弁の開度の割合を調整してシール剤の流量の変動割合を設定するので、流体の流量とシール剤の流量との比が一定となるように、流体の流量に追従してシール剤の流量を設定することができる。
【0016】
本発明に係るシール剤供給装置の更なる特徴構成は、前記流量関連情報読取手段が、カラーセンサ又はCCDセンサを備えて成る点にある。
【0017】
上記特徴構成によれば、流量関連情報読取手段として、カラーセンサ又はCCDセンサを備えて構成することができ、これにより、積算流量表示部の流量表示の変動をリアルタイムに読み取り、読み取った値を流量関連情報として、流体流量導出手段に送ることができる。これにより、流体流量導出手段により導出される都市ガス等の流量を、単位時間当たりに導管を流通する都市ガス等の流量に近い値として導出することができる。特に、カラーセンサ又はCCDセンサは、複数の画像を連続して取得し、それらを比較するように構成できるので、文字車の目盛り線の微細な動きを読み取り可能にすることができる。これにより、単に文字車の目盛り線をカウントする光センサ等を用いる場合に比べて、流体の流量を微小な時間間隔において導出できる。
【0018】
本発明に係るシール剤供給装置の更なる特徴構成は、前記シール剤供給手段が、前記導管に設けられた前記流量計の下流側に設けられた検圧孔から前記シール剤を供給する点にある。
【0019】
上記特徴構成によれば、シール剤供給手段が、予めガス供給設備に設けられた検圧孔からシール剤を供給可能なように構成することで、導管にシール剤供給用の孔を別途設けることなく、比較的簡単にシール剤を導管へ供給できる。
また、検圧孔は、流量計の下流側に設けられているため、流量計で計測した流体の流量に基づいて、シール剤の流量を導出して所定量のシール剤を供給するまでの時間を稼ぐことができ、より一層、導管を流通するシール剤の濃度を一定に保つことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
図1に示すように、本発明のシール剤供給装置100は、都市ガスGを流通する導管10と、当該導管10を流通する都市ガスGの流量等を測定するガスメータ11(流量計の一例)とが設けられたガス供給設備において、導管10の継手部位16等を内部からシールするためのシール剤Cを供給するものである。シール剤供給装置100は、上記ガスメータ11の前面に設けられたガス積算流量表示部12から都市ガスGの流量関連情報を読み取るカラーセンサ26(流量関連情報読取手段の一例)と、導管10にシール剤Cを供給するシール剤供給手段20と、流量関連情報を基に各種の演算処理を実行すると共にシール剤供給手段20によるシール剤の供給量を制御する後述の制御装置30とから構成されている。
【0021】
ここで、瞬時流量とは、都市ガスG又はシール剤Cが所定の時間に流量計を流通する流量を所定の時間で除算して導出される平均流量である。ここで所定の時間とは、0.5秒乃至5.0秒程度の時間である。
【0022】
上記ガスメータ11の前面に設けられたガス積算流量表示部12は、図2に示すように、ガスメータ11を流通する都市ガスGの流量の変動に伴って回転速度が変化する、複数の文字車13a乃至13gから構成されている。最小桁を示す文字車13gには、目盛り線14が文字車13gの回転方向(図2の上下方向)に沿って等間隔に設けられている。
【0023】
カラーセンサ26は、連続的に画像を取得可能な画像取得部(図示せず)を有し、当該画像取得部が、上記積算流量表示部12の最小桁を示す文字車13gの目盛り線14と対向するように配置される。カラーセンサ26は、文字車13gの目盛り線14の画像を、所定の時間間隔で連続的に取り込み、ガスメータ11を流通する都市ガスGの流量関連情報として、後述する制御装置30に送るように機能する。
【0024】
シール剤供給手段20は、具体的には、導管10に接続され導管10から都市ガスGが流入する配管21aと、当該配管21aから流入した都市ガスGを下流側に圧送する防爆型ブースター22と、圧送された都市ガスGを内部に貯留したシール剤Cに流通させる形態でシール剤Cを下流側に送り出すシール剤供給部23と、当該シール剤供給部23から送り出された当該シール剤Cの流量を調整する制御弁24と、制御弁24の下流側で当該部位の流量(都市ガスGとシール剤Cとの混合流量)を測定する流量計25と、導管10と上記配管21aとの接続部位よりも下流側で導管10と接続する配管21bとから構成されており、後述する制御装置30の指示に基づいて、導管10にシール剤Cを供給するよう機能する。
【0025】
配管21a及び配管21bと導管10との接続位置は、上記ガスメータ11の下流側としている。尚、上記ガス供給整備において、通常、ガスメータ11が設けられている位置の下流側には、導管10の圧力を検出する検圧孔15が設けられている。そこで、上記配管21a及び配管21bは、当該検圧孔15に接続しシール剤Cを供給可能に構成することが、より好ましい。これにより、特に、配管21a及び配管21bと導管10とを連通接続するための孔を別途設ける必要がなくなり、より簡便にシール剤Cを供給できる。
【0026】
制御装置30は、上記カラーセンサ26が取り込んだ連続画像である流量関連情報からガスメータ11を流通する都市ガスGの瞬時流量を導出する流体瞬時流量導出手段31(流体流量導出手段の一例)として機能する。また、制御装置30は、シール剤濃度の目標値毎に、都市ガスGの瞬時流量に対応するシール剤Cの瞬時流量を記憶する記憶部33として機能する。また、制御装置30は、都市ガスGの瞬時流量に基づき、上記シール剤供給手段20を制御し、導管10を流通するシール剤Cの瞬時流量を設定するシール剤瞬時流量設定手段32(シール剤流量設定手段の一例)として機能する。
【0027】
流体瞬時流量導出手段31は、カラーセンサ26が取り込んだ連続的な画像である流量関連情報を逐次取得する。当該画像から、所定の時間における文字車13gの目盛り線14の移動量を導出する。当該移動量に基づいて、所定の時間毎に都市ガスGの瞬時流量を導出する。導出された都市ガスGの瞬時流量は、逐次、シール剤瞬時流量設定手段32に送られる。
【0028】
記憶部33は、シール剤濃度の目標値毎に、都市ガスGの瞬時流量に対応するシール剤Cの瞬時流量に関する情報を保持する複数のデータテーブルを有している。さらに、各データテーブルは、シール剤Cの瞬時流量に対応するシール剤Cの流量を制御する制御弁24の開度に関する情報をも保持している。
【0029】
シール剤瞬時流量設定手段32は、記憶部33が保持するデータテーブルと、流体瞬時流量導出手段31が導出した都市ガスGの瞬時流量とに基づいて、導管10を流通するシール剤Cの瞬時流量を設定するように機能する。具体的には、シール剤瞬時流量設定手段32は、設定されたシール剤濃度の目標値に関連するデータテーブルを参照し、流体瞬時流量導出手段31が導出した瞬時流量に対応するシール剤Cの瞬時流量に関する情報を取得する。さらに、上記データテーブルから、当該シール剤Cの瞬時流量に対応する制御弁24の開度に関する情報を取得する。次に、シール剤瞬時流量設定手段32は、取得した制御弁24の開度に関する情報に基づいて、制御弁24の開度を調整し、導管10に供給するシール剤Cの供給量を制御する。
これにより、シール剤瞬時流量設定手段32は、導管10を流通する都市ガスGの瞬時流量が変動する毎に当該変動割合に応じて、制御弁24の開度を調整してシール剤Cの瞬時流量の変動割合を設定する機能を発揮する。この結果、都市ガスGの瞬時流量が変動する場合であっても、当該都市ガスGの瞬時流量の変動に追従する形態で、シール剤Cの瞬時流量を設定して、導管10を流通するシール剤Cの濃度を一定に保つことができる。
【実施例1】
【0030】
本発明のシール剤供給装置100を用いて行った実施例を示す。本実施例では、図1に示したものと同様の試作機を作成し、導管10に都市ガスGを流通させた活管状態のまま、当該都市ガスGの流量を変化させた場合に、都市ガスGの流量の変動に基づいて、検圧孔15から導管10に供給するシール剤Cの流量を変化させ、導管10に流通するシール剤Cの濃度の変化を測定した。
導管10の内部の圧力は、2.5kPaとし、ガス管の温度を16℃に設定した。条件として、表1のように、ガスメータ11のガス積算流量表示部12の読取結果から計算される都市ガスGの流量が、(1)60m3/hrの場合、(2)50m3/hrの場合、(3)15m3/hrの場合、の3つの状態に変動する条件において、導管10へシール剤Cの供給を行った。
上記(1)乃至(3)の場合において、カラーセンサ26が、ガスメータ11のガス積算流量表示部12の表示を読み取り、読み取った都市ガスGの流量に基づいて、制御装置30が、制御弁24の開度を調整し、シール剤Cの流量を、流量計25の流量値が(1)の場合、12m3/hrとなり、(2)の場合、10m3/hrとなり、(3)の場合、3m3/hrとなるように制御した。
この結果、都市ガスGの流量を(1)乃至(3)の様に変動させた場合であっても、検圧孔15の下流側において、都市ガスGの流量に対するシール剤Cの濃度を20%に維持することができた。
【0031】
【表1】

【0032】
〔別実施形態〕
以下に、本発明のシール剤供給装置100の別実施形態を示す。
(1)上記実施形態において、ガスメータ11の積算流量表示部12は、複数の文字車13a乃至13gから成る構成としたが、別に液晶表示部等によりデジタル表示される様な積算流量表示部12であっても良い。ただし、本願にあっては、目盛り線に相当する表示部を有することが必要となる。
【0033】
(2)上述した実施形態では、カラーセンサ26から成る流量関連値読取手段は、積算流量表示部12の複数の文字車13a乃至13gのうち、最小桁を示す文字車13gに設けられた目盛り線14の移動速度を読み取るように構成したが、シール剤の濃度変動範囲を許容でき、さらに、文字車の回転を本願で使用する瞬時流量の検知が行えるとの条件の下、別に最小桁の文字車13g以外の文字車13a乃至13fの回転速度を読み取るようにしてもよい。
【0034】
(3)上記実施形態において、流量関連値読取手段は、カラーセンサ26として説明したが、文字車13gに設けられた目盛り線14の画像を連続的に取得できる画像取得装置であればどのようなものでも用いることができ、例えば、CCDセンサ等も好適に適用できる。
【0035】
(4)
上記実施形態において、流量関連情報読取手段は、カラーセンサ26により構成したが、別に、発光ダイオード及びフォトディテクター等から成る光センサを用いてもよい。当該光センサは、例えば、フォトディテクターが、発光ダイオードが発した光のうち、文字車13gの目盛り線14で反射された光をカウントするように構成できる。これにより、光センサは、上記カウント数に基づいて、都市ガスGの瞬時流量を導出する機能を発揮する。
【0036】
(5)
上記実施形態において、シール剤Cの流量を計測する流量計25が、配管21bに設けた構成を示したが、別に配管21a又は、防爆型ブースター22とシール剤供給部23との間に流量計25を設けるように構成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本願発明のシール剤供給装置は、導管を流通する流体の流速が変動する場合であっても、比較的簡易な構成で流量関連情報を取得して、導管へ濃度を一定に保ってシール剤を供給して導管を良好にシールすることができるシール剤供給装置として有効に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明に係るシール剤供給装置の概略構成図
【図2】本発明の流量計の積算流量表示部とその最小桁を表す文字車の拡大図
【符号の説明】
【0039】
10:導管
11:ガスメータ
12:積算流量表示部
13a〜13g:文字車
14:目盛り線
15:検圧孔
20:シール剤供給手段
21a、21b:配管
22:防爆型ブースター
23:シール剤供給部
24:制御弁
25:流量計
26:カラーセンサ
30:制御装置
31:流体瞬時流量導出手段(流体流量導出手段の一例)
32:シール剤瞬時流量設定手段(シール剤流量設定手段の一例)
33:記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導管を流通する流体の流量を計測する流量計の積算流量表示部から流量関連情報を読み取る流量関連情報読取手段と、当該流量関連情報から前記流量計を通過する前記流体の流量を導出する流体流量導出手段と、シール剤を前記流量計の下流側に供給するシール剤供給手段と、前記流体流量導出手段により導出された前記流体の流量に基づいて前記シール剤供給手段の供給量を調整して前記導管を流通する前記シール剤の流量を設定するシール剤流量設定手段とを備えたシール剤供給装置。
【請求項2】
前記流量計の前記積算流量表示部が、複数の文字車から成り、
前記流量関連情報読取手段が、前記文字車の回転速度を読み取り、
前記流体流量導出手段が、前記流量関連情報読取手段が読み取った前記文字車の回転速度から前記流体の流量を導出する請求項1に記載のシール剤供給装置。
【請求項3】
前記流量計がガス使用施設に供給されるガス量を計測するガスメータであり、
前記積算流量表示部が、前記ガスメータを通過した積算ガス流量を前記ガスメータの前面に表示するガス積算流量表示部であり、
前記流量関連情報読取手段が、前記ガス積算流量表示部に設けられる目盛の最小桁にある目盛り線の動きを読み取る構成で、
前記流体流量導出手段が、読み取られる流量関連情報からガスの流量を導出する請求項1又は2に記載のシール材供給装置。
【請求項4】
前記シール剤供給手段は、前記シール剤の供給量を調整する制御弁を有し、
前記流体の流量が変動する毎に、前記流体の流量と前記シール剤の流量との比を一定に保つように、前記制御弁の開度を調整して前記シール剤の流量を設定する請求項1乃至3の何れか一項に記載のシール剤供給装置。
【請求項5】
前記シール剤流量設定手段が、前記流体の流量が変動する毎に、当該流量の変動割合に応じて、前記制御弁の開度を調整して前記シール剤の流量の変動割合を設定する請求項4に記載のシール剤供給装置。
【請求項6】
前記流量関連情報読取手段が、カラーセンサ又はCCDセンサを備えて成る請求項1乃至5の何れか一項に記載のシール剤供給装置。
【請求項7】
前記シール剤供給手段が、前記導管に設けられた前記流量計の下流側に設けられた検圧孔から前記シール剤を供給する請求項1乃至6に記載のシール剤供給装置。

【図1】
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【図2】
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