スイッチングハブ、ラインカード、及びフレーム中継方法
【課題】故障復旧時及びポートの手動切替え時にフレームのロスが発生しないスイッチングハブ、ラインカード、及びフレーム中継方法を提供する。
【解決手段】スイッチングハブ1は、受信ポート及び送信ポートからなるポートと、分散ID計算部300と、第1振り分けテーブル330と、第2振り分けテーブル335と、第1テーブル識別情報又は第2テーブル識別情報をフレームに付加する振り分けテーブル識別情報付加部と、フレームに第1テーブル識別情報が付加されているとき、第1振り分けテーブルを参照し、フレームに第2テーブルが付加されているとき、第2振り分けテーブルを参照し、第1振り分けテーブル又は第2振り分けテーブルから分散IDに対応づけて格納しているポートIDを取得する送信側振り分けテーブルアクセス部と、を備える。
【解決手段】スイッチングハブ1は、受信ポート及び送信ポートからなるポートと、分散ID計算部300と、第1振り分けテーブル330と、第2振り分けテーブル335と、第1テーブル識別情報又は第2テーブル識別情報をフレームに付加する振り分けテーブル識別情報付加部と、フレームに第1テーブル識別情報が付加されているとき、第1振り分けテーブルを参照し、フレームに第2テーブルが付加されているとき、第2振り分けテーブルを参照し、第1振り分けテーブル又は第2振り分けテーブルから分散IDに対応づけて格納しているポートIDを取得する送信側振り分けテーブルアクセス部と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スイッチングハブ、ラインカード、及びフレーム中継方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の物理ポートを論理的に束ねることにより1つの論理ポートとして取り扱うことができるネットワーク中継装置であって、パケットを入力するパケット入力部と、論理ポートに出力すべきパケットについて、パケットに含まれる宛先アドレス情報とパケットを用いるアプリケーションを特定するための識別情報とを抽出する抽出部と、論理ポートを構成する物理ポートのうち、パケットの出力に用いる物理ポートを宛先アドレス情報と識別情報とに応じて選択する物理ポート選択部と、選択された物理ポートを用いてパケットを宛先アドレスに出力するパケット出力部とを備えるネットワーク中継装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載のネットワーク中継装置によれば、より効率的なネットワークの中継処理ができ、また、通信の高速化に対応することもできる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−027758号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載されているようなネットワーク中継装置においては、送信ポートにパケットやフレームを適切に振り分けるための振り分けテーブルがラインカードごとに設けられている。そして、振り分けテーブルの登録内容を変更する過渡状態において同一フレームが複数のポートから送信されることを防止するために、振り分けテーブルの登録内容を一旦消去した後、各ラインカード間で同期して振り分けテーブルの登録内容を更新することが必要である。そのため、ポートに故障が発生し、当該ポートが復旧する場合、及び手動でポートを切り換える場合にフレームロスが発生する。
【0006】
したがって、本発明の目的は、故障復旧時及びポートの手動切替え時にフレームのロスが発生しないスイッチングハブ、ラインカード、及びフレーム中継方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記目的を達成するため、外部からフレームを受信する受信ポート及び外部にフレームを送信する送信ポートとからなる複数のポートと、複数のポートの受信ポートのいずれかが受信したフレームから分散IDを算出し、フレームに分散IDを付加する分散ID計算部と、分散IDに対応づけてフレームを外部に向けて送信する送信ポートを識別するポートIDを格納する第1振り分けテーブルと、第1振り分けテーブルとは異なる対応関係になるように分散IDに対応づけてポートIDを格納する第2振り分けテーブルと、第1振り分けテーブルを識別する第1テーブル識別情報、又は第2振り分けテーブルを識別する第2テーブル識別情報をフレームに付加する振り分けテーブル識別情報付加部と、フレームに第1テーブル識別情報が付加されているとき、第1振り分けテーブルを参照し、フレームに第2テーブルが付加されているとき、第2振り分けテーブルを参照し、第1振り分けテーブル又は第2振り分けテーブルがフレームに付加された分散IDに対応づけて格納しているポートIDを取得する送信側振り分けテーブルアクセス部とを備えるスイッチングハブが提供される。
【0008】
また、上記スイッチングハブは、複数のポートからLAG(Link Aggregation Group)が構成され、第1振り分けテーブル及び第2振り分けテーブルは、分散IDに対応づけてLAGを構成するポートのポートIDを格納することもできる。
【0009】
また、上記スイッチングハブは、送信側振り分けテーブルアクセス部は、フレームをフラッディング中継の場合に、第1振り分けテーブル又は第2振り分けテーブルを参照することもできる。
【0010】
また、上記スイッチングハブは、複数のラインカードを備え、各ラインカードは、外部からフレームを受信する受信ポート及び外部にフレームを送信する送信ポートとからなる複数のポートを備え、複数のラインカードが備える複数のポートの中から選択された複数のポートからLAGが構成されることもできる。
【0011】
また、上記スイッチングハブは、各ラインカードは、外部からフレームを受信する受信ユニットと、外部へフレームを送信する送信ユニットを備え、受信ユニットは、分散ID計算部と、振り分けテーブル識別情報付加部を備え、送信ユニットは、第1振り分けテーブルと、第2振り分けテーブルと、送信側振り分けテーブルアクセス部とを備えることもできる。
【0012】
また、上記スイッチングハブは、受信ユニットは、MAC(Media Access Control)アドレスと、ポートID又はLAGを識別するLAG IDとを登録内容として格納するFDB(Forwarding Database)と、FDBを宛先検索する機能を有するFDBアクセス回路と、LAG IDと、分散IDと、ポートIDとを対応づけて格納するLAG振り分けテーブルと、第LAG振り分けテーブルを参照し、FDBアクセス回路が検出したLAG IDと、フレームに付加された分散IDとに対応づけて格納しているポートIDを取得する受信側振り分けテーブルアクセス部とを備えることもできる。
【0013】
また、本発明は上記目的を達成するため、スイッチングハブが備えるラインカードであって、外部からフレームを受信する受信ポート及び外部にフレームを送信する送信ポートとからなる複数のポートと、複数のポートの受信ポートのいずれかが受信したフレームから分散IDを算出し、フレームに分散IDを付加する分散ID計算部と、分散IDに対応づけてフレームを外部に向けて送信する送信ポートを識別するポートIDを格納する第1振り分けテーブルと、第1振り分けテーブルとは異なる対応関係になるように分散IDに対応づけてポートIDを格納する第2振り分けテーブルと、第1振り分けテーブルを識別する第1テーブル識別情報、又は第2振り分けテーブルを識別する第2テーブル識別情報をフレームに付加する振り分けテーブル識別情報付加部と、フレームに第1テーブル識別情報が付加されているとき、第1振り分けテーブルを参照し、フレームに第2テーブルが付加されているとき、第2振り分けテーブルを参照し、第1振り分けテーブル又は第2振り分けテーブルがフレームに付加された分散IDに対応づけて格納しているポートIDを取得する送信側振り分けテーブルアクセス部とを有するラインカードが提供される。
【0014】
また、上記ラインカードは、LAGを構成するポートを備えることもできる。
【0015】
また、上記ラインカードは、送信側振り分けテーブルアクセス部は、フレームをフラッディング中継の場合に、第1振り分けテーブル又は第2振り分けテーブルを参照することもできる。
【0016】
また、上記ラインカードは、外部からフレームを受信する受信ユニットと、外部へフレームを送信する送信ユニットを備え、受信ユニットは、分散ID計算部と、振り分けテーブル識別情報付加部を備え、送信ユニットは、前記第1振り分けテーブルと、第2振り分けテーブルと、送信側振り分けテーブルアクセス部とを備えることもできる。
【0017】
また、上記ラインカードは、受信ユニットは、MACアドレスと、ポートID又はLAGを識別するLAG IDとを登録内容として格納するFDBと、FDBを宛先検索する機能を有するFDBアクセス回路と、LAG IDと、分散IDと、ポートIDとを対応づけて格納するLAG振り分けテーブルと、第LAG振り分けテーブルを参照し、FDBアクセス回路が検出したLAG IDと、フレームに付加された分散IDとに対応づけて格納しているポートIDを取得する受信側振り分けテーブルアクセス部とを備えることもできる。
【0018】
また、本発明は上記目的を達成するため、外部からフレームを受信する複数の受信ポートのいずれかが受信したフレームから分散IDを算出し、フレームに分散IDを付加する分散ID計算段階と、分散IDに対応づけてフレームを外部に向けて送信する送信ポートを識別するポートIDを格納する第1振り分けテーブルを識別する第1テーブル識別情報、又は第1振り分けテーブルとは異なる対応関係になるように分散IDに対応づけてポートIDを格納する第2振り分けテーブルを識別する第2テーブル識別情報をフレームに付加する振り分けテーブル識別情報付加段階と、フレームに第1テーブル識別情報が付加されているとき、第1振り分けテーブルを参照し、フレームに第2テーブルが付加されているとき、第2振り分けテーブルを参照し、第1振り分けテーブル又は第2振り分けテーブルがフレームに付加された分散IDに対応づけて格納しているポートIDを取得する送信側振り分けテーブルアクセス段階とを備えるフレーム中継方法が提供される。
【0019】
また、上記フレーム中継方法は、複数のポートからLAGが構成され、第1振り分けテーブル及び第2振り分けテーブルは、分散IDに対応づけてLAGを構成するポートのポートIDを格納することができる。
【0020】
また、上記フレーム中継方法は、送信側振り分けテーブルアクセス段階は、フレームをフラッディング中継の場合に、第1振り分けテーブル又は第2振り分けテーブルを参照することもできる。
【0021】
また、上記フレーム中継方法は、複数のラインカードを備え、各ラインカードは、外部からフレームを受信する受信ポート及び外部にフレームを送信する送信ポートとからなる複数のポートを備え、複数のラインカードが備える複数のポートの中から選択された複数のポートからLAGが構成されるスイッチングハブのフレーム中継方法であることもできる。
【発明の効果】
【0022】
本発明に係るスイッチングハブ、ラインカード、及びフレーム中継方法によれば、故障復旧時及びポートの手動切り替え時にフレームのロスが発生しないスイッチングハブ、ラインカード、及びフレーム中継方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施の形態に係るスイッチングハブの構成図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るスイッチングハブの機能構成ブロック図である。
【図3A】本実施の形態に係るラインカードが備える受信ユニットの機能構成ブロック図である。
【図3B】本実施の形態に係るラインカードの受信ユニットが有するLAG振り分けテーブルの通常時のデータ構成を示す図である。
【図3C】本実施の形態に係るラインカードの受信ユニットが有するLAG振り分けテーブルにおいて、ポートID「4/1」のポートが使用不可になり、書き換えられた場合のデータ構成を示す図である。
【図4】本実施の形態に係るラインカードが備える送信ユニットの機能構成ブロック図である。
【図5A】本実施の形態に係るスイッチングハブの動作の概要を示す図である。
【図5B】(a)は本実施の形態に係る第1振り分けテーブルのデータ構成を示す図であり、(b)は本実施の形態に係る第2振り分けテーブルのデータ構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
[実施の形態の概要]
外部からフレームを受信する受信ポート及び外部に前記フレームを送信する送信ポートからなる複数のポートを備えるスイッチングハブにおいて、前記複数のポートの受信ポートのいずれかが受信した前記フレームから分散IDを算出し、前記フレームに前記分散IDを付加する分散ID計算部と、前記分散IDに対応づけて前記フレームを外部に向けて送信する送信ポートを識別するポートIDを格納する第1振り分けテーブルと、前記第1振り分けテーブルとは異なる対応関係になるように前記分散IDに対応づけて前記ポートIDを格納する第2振り分けテーブルと、前記第1振り分けテーブルを識別する第1テーブル識別情報、又は前記第2振り分けテーブルを識別する第2テーブル識別情報を前記フレームに付加する振り分けテーブル識別情報付加部と、前記フレームに前記第1テーブル識別情報が付加されているとき、前記第1振り分けテーブルを参照し、前記フレームに前記第2テーブルが付加されているとき、前記第2振り分けテーブルを参照し、前記第1振り分けテーブル又は前記第2振り分けテーブルが前記フレームに付加された前記分散IDに対応づけて格納している前記ポートIDを取得する送信側振り分けテーブルアクセス部とを備えるスイッチングハブが提供される。
【0025】
[実施の形態]
図1は、本発明の実施の形態に係るスイッチングハブの構成の概要を示し、図2は、本発明の実施の形態に係るラインカードの機能構成の概要を示す。
【0026】
(スイッチングハブ1及びラインカード2の構成の概要)
本発明の実施の形態に係るスイッチングハブ1は、フレーム等の情報を中継するシャーシ型のスイッチングハブであり、複数のラインカード(例えば、ラインカード2、ラインカード2a、ラインカード2n)と、複数のラインカード間でフレーム等の情報を中継する通信経路としての中継経路3とを備える。各ラインカードはそれぞれ、中継経路3に接続するポート(例えば、ラインカード2においてはポート13及びポート14、ラインカード2aにおいてはポート13a及びポート14a、ラインカード2nにおいてはポート13b及びポート14b)と、伝送路(例えば、伝送路4、4n、5、5n、6、6n)に接続するポート(例えば、ラインカード2が有するポート10は伝送路4に接続し、同様にポート10n、11、11n、12、12nはそれぞれ伝送路4n、5、5n、6、6nに接続する)とを有する。
【0027】
本実施の形態において、各ラインカードがそれぞれ有する伝送路に接続するポートの中から選択された複数のポートから、Link Aggregation Group(LAG)を構成している。ここで、LAGは、IEEE Std 802.3−2005に規定されている技術であって、複数の物理回線を束ねて1つの論理回線にする技術である。本実施の形態において複数のラインカードはそれぞれ同一の構成及び機能を有するので、以下、ラインカード2について詳細に説明する。
【0028】
図2に示すように、ラインカード2は、外部からフレーム等の情報を受信する複数の受信ポート及び外部にフレームを送信する複数の送信ポートからなる複数のポート(例えば、ポート10、10a、10n)と、複数のポートにおける情報の送受信を制御するインターフェース部としてのI/F回路20と、受信したフレームをいずれのポートから送信するか決定する受信ユニット30と、受信ユニット30の決定に基づいてフレームを所定のポートから送信させる送信ユニット40とを備える。
【0029】
(I/F回路20)
I/F回路20は、複数の受信ポートであるポートのいずれかが受信したフレームを当該ポートから受け取り、受信ユニット30へ当該フレームを供給する。なお、I/F回路20は、受け取ったフレームに内部ヘッダを付加し、当該内部ヘッダにフレームを受信したポートのポートIDを格納した後、受信ユニット30へ内部ヘッダ付きのフレームを供給する。
【0030】
また、I/F回路20は、送信ユニット40から受け取ったフレームを、所定のポートから送信する。なお、I/F回路20は、受け取ったフレームに付加されている内部ヘッダの送信ポートビットマップに送信ポートとして設定されているポートへ、フレームを供給する。I/F回路20は、ポートへフレームを供給するさい、フレームに付加されている内部ヘッダを削除する。
【0031】
(受信ユニット30)
図3Aは、本実施の形態に係るラインカードが備える受信ユニットの機能構成の一例を示す。
【0032】
本実施の形態に係る受信ユニット30は、分散ID計算部300と、振り分けテーブル識別情報付加部305と、FDBアクセス回路310と、FDB315と、受信側振り分けテーブルアクセス部としてのLAG振り分けテーブルアクセス回路320と、LAG振り分けテーブル332とを有する。
【0033】
(分散ID計算部300)
分散ID計算部300は、複数の受信ポートであるポートのいずれかが受信したフレームから分散IDを算出すると共に、算出した分散IDを当該フレームに付加する。例えば、分散ID計算部300は、複数のポートのいずれかが受信したフレームをI/F回路20から受け取り、当該フレームに含まれるMAC(Media Access Control)アドレスを用いて分散IDを算出する。そして、分散ID計算部300は、算出した分散IDをフレームの内部ヘッダに付加する。分散ID計算部300は、分散IDが付加されたフレームを振り分けテーブル識別情報付加部305に供給する。
【0034】
(振り分けテーブル識別情報付加部305)
振り分けテーブル識別情報付加部305は、LAGを構成する複数のポートの通信状態に応じ、送信ユニット40が有する第1振り分けテーブル330と第2振り分けテーブル335とのいずれを用いるかを決定する。具体的に、振り分けテーブル識別情報付加部305は、LAGを構成する複数のポートのいずれにも障害が発生していない場合、又は現在用いている複数の送信ポートをそのまま継続して使用する場合、第1振り分けテーブル330を識別する第1テーブル識別情報を、分散ID計算部300から受け取ったフレームに付加する。
【0035】
また、振り分けテーブル識別情報付加部305は、LAGを構成する複数のポートのいずれかに障害が発生している場合、又は使用していた複数のポートのいずれか若しくはすべてを他の送信ポートに変更する場合、第2振り分けテーブル335を識別する第2テーブル識別情報を、分散ID計算部300から受け取ったフレームに付加する。
【0036】
振り分けテーブル識別情報付加部305は、例えば、フレームの内部ヘッダの1ビット分の領域を用いて、第1テーブル識別情報(例えば「0」)、又は第2テーブル識別情報(例えば「1」)をフレームの内部ヘッダに付加する。振り分けテーブル識別情報付加部305は、第1テーブル識別情報、又は第2テーブル識別情報が付加されたフレームをFDBアクセス回路310に供給する。なお、本実施の形態では、振り分けテーブル識別情報付加部305を分散ID計算部300の後段に配置しているが、これに限定されるものではない。例えば、LAG振り分けテーブルアクセス回路320の後段に、振り分けテーブル識別情報付加部305を配置してもよい。
【0037】
(FDBアクセス回路310及びFDB315)
フォワーディングデータベース(Forwarding Database:FDB)315は、フレームに含まれるMACアドレスと、フレームを受け取ったポートを一意に識別するポート識別子としてのポートID又はLAG IDとを登録内容として少なくとも格納する。
【0038】
FDBアクセス回路310は、振り分けテーブル識別情報付加部305から受け取ったフレームに含まれる送信元MACアドレス及び宛先MACアドレスを用いて、FDB315を検索する機能、及びFDB315の登録内容を変更する機能を有する。すなわち、FDBアクセス回路310は、送信元MACアドレス学習、及びフレームの宛先検索を実行する機能等を有する。
【0039】
例えば、FDBアクセス回路310は、振り分けテーブル識別情報付加部305から受け取った分散IDが付加されたフレームに含まれる宛先MACアドレスと、FDB315に格納されているMACアドレスとを比較する。そして、FDBアクセス回路310は、当該宛先MACアドレスと同一のMACアドレスがFDB315に格納されていないと判断した場合、当該フレームをフラッディング中継としてLAG振り分けテーブルアクセス回路320に供給する。FDBアクセス回路320は、当該フレームをフラッディング中継としてLAG振り分けテーブルアクセス回路320に供給する場合に、当該フレームの内部ヘッダに宛先としてフラッディングであることを識別する識別子を格納する。
【0040】
また、FDBアクセス回路310は、振り分けテーブル識別情報付加部305から受け取ったフレームに含まれる宛先MACアドレスと、FDB315に格納されているMACアドレスとを比較した結果、当該宛先MACアドレスと同一のMACアドレスがFDB315に格納されていると判断した場合であって、FDB315に当該MACアドレスに関連付けて格納されているポートIDを検出した場合、当該ポートIDを当該フレームの内部ヘッダに宛先として格納する。そして、FDBアクセス回路310は、内部ヘッダに宛先のポートIDを含むフレームをフォワーディング中継(ユニキャスト)としてLAG振り分けテーブルアクセス回路320に供給する。
【0041】
また、FDBアクセス回路310は、振り分けテーブル識別情報付加部305から受け取ったフレームに含まれる宛先MACアドレスと、FDB315に格納されているMACアドレスとを比較した結果、当該宛先MACアドレスと同一のMACアドレスがFDB315に格納されていると判断した場合であって、FDB315に当該MACアドレスに関連付けて格納されているLAG IDを検出した場合、当該LAG IDとともにフレームをLAG振り分けテーブルアクセス回路320に供給する。
【0042】
(LAG振り分けテーブル332)
LAG振り分けテーブル332は、LAG ID及び分散IDに対応づけてフレームを外部に向けて送信する送信ポートであるポートを識別するポートIDを格納する。なお、本実施の形態においては、スイッチングハブ1が備える複数のラインカードのそれぞれが、同一のLAG振り分けテーブル332を有する。本実施の形態では、LAG ID「1」のLAGが、ポートID「3/1」、「4/1」、「5/1」の3つのポートにより構成される例を示す。なお、「3/1」は、3番のラインカードの1番のポートを識別することを意味する。
【0043】
図3Bは、本実施の形態に係るラインカードの受信ユニットが有するLAG振り分けテーブルの、LAG ID「1」のLAGを構成するポートID「3/1」、「4/1」、「5/1」の3つのポート全てが使用可である通常時のデータ構成を示している。分散ID「0」〜「7」に対応づけて、ポートID「3/1」、「4/1」、「5/1」が格納されている。本実施の形態では、「0」〜「7」の8つの分散IDを有するので、最大8つのポートから1つのLAGを構成することができる。8つ以上のポートからLAGを構成する場合は、分散IDの数を増やせばよい。
【0044】
図3Cは、本実施の形態に係るラインカードの受信ユニットが有するLAG振り分けテーブルにおいて、ポートID「4/1」のポートが使用不可になり、書き換えられた場合のデータ構成を示す。分散ID「0」〜「7」に対応づけて、ポートID「3/1」、「5/1」が格納されている。
【0045】
例えば、図3Bに示すように、受信ユニット30が有するLAG振り分けテーブル332は、LAGを構成する複数のポートのいずれにも障害が発生していない場合、又は現在用いている複数の送信ポートをそのまま継続して使用する場合、すなわち、通常時に、ポートID「4/1」を格納している。ここで、ポートID「4/1」の使用ができなくなった場合、LAG振り分けテーブルアクセス回路320は、LAG振り分けテーブル332の格納内容を、例えば、図3Cのように書き換える。
【0046】
(LAG振り分けテーブルアクセス回路320)
LAG振り分けテーブルアクセス回路320は、FDBアクセス回路310からLAG IDとともにフレームを受け取った場合、当該LAG IDを用い、LAG振り分けテーブル332を参照する。そして、当該LAG IDと、フレームの内部ヘッダに付加されている分散IDと、に対応づけてLAG振り分けテーブル332に格納されているポートIDをフレームの内部ヘッダに宛先のポートとして格納する。LAG振り分けテーブルアクセス回路320は、宛先のポートIDを格納したフレームを、ポート13から、中継経路3へ供給する。
【0047】
また、LAG振り分けテーブルアクセス回路320は、FDBアクセス回路310から受け取ったフレームがフォワーディング中継としてのフレームである場合であって、内部ヘッダに宛先のポートIDが含まれている場合、そのまま、当該フレームを、ポート13から、中継経路3へ供給する。
【0048】
また、LAG振り分けテーブルアクセス回路320は、FDBアクセス回路310から受け取ったフレームがフラッディング中継としてのフレームである場合、そのまま、当該フレームを、ポート13から、中継経路3へ供給する。
【0049】
なお、ポートIDを内部ヘッダに格納しているフレームをフォワーディング中継する場合、フレームに付加されている分散IDは必須ではなく、FDBアクセス回路310又はLAG振り分けテーブルアクセス回路320は、フレームから分散IDを削除することもできる。
【0050】
(中継経路3)
中継経路3は、受信ユニット30からフレームを受け取り、宛先のポートを有するラインカードの送信ユニット40へ当該フレームを中継する。中継経路3は、受信ユニット30から受け取ったフレームの内部ヘッダに宛先としてポートIDが格納されている場合、当該ポートIDのポートを有するラインカードへフレームを中継する。中継経路3は、受信ユニット30から受け取ったフレームの内部ヘッダに宛先としてフラッディングの識別子が格納されている場合、フレームを受け取ったラインカードを除く全てのラインカードへフレームを中継する。
【0051】
(送信ユニット40)
図4は、本実施の形態に係るラインカードが備える送信ユニットの機能構成の一例を示す。
【0052】
本実施の形態に係る送信ユニット40は、送信側振り分けテーブルアクセス部としての送信側振り分けテーブルアクセス回路400と、送信ポートビットマップ設定部405と、第1振り分けテーブル330と、第2振り分けテーブル335とを有する。
【0053】
(第1振り分けテーブル330及び第2振り分けテーブル335)
第1振り分けテーブル330及び第2振り分けテーブル335は、分散IDに対応づけてフレームを外部に向けて送信する送信ポートであるポートを識別するポートIDを格納する。
【0054】
図5B(a)は、第1振り分けテーブル330のデータ構成を示す。第1振り分けテーブル330は、例えば、LAGを構成する複数のポートに障害が発生していない場合、又は現在用いている複数の送信ポートをそのまま継続して使用する場合に用いられる。図5B(a)では、LAG ID「1」のLAGを構成するポートID「3/1」、「4/1」、「5/1」の3つのポート全てが使用可である通常時のデータ構成を示し、分散ID「0」〜「7」に対応づけて、ポートID「3/1」、「4/1」、「5/1」が格納されている。
【0055】
図5B(b)は、第2振り分けテーブル335のデータ構成を示す。第2振り分けテーブル335は、例えば、LAGを構成する複数のポートのいずれかに障害が発生している場合、又は使用していた複数の送信ポートのいずれか若しくはすべてを他の送信ポートに変更する場合に用いられる。図5B(b)では、LAG ID「1」のLAGを構成するポートID「3/1」、「4/1」、「5/1」の3つのポートのうちポートID「4/1」のポートが使用不可である場合のデータ構成を示し、分散ID「0」〜「7」に対応づけて、ポートID「3/1」、「5/1」が格納されている。
【0056】
(送信側振り分けテーブルアクセス回路400)
送信側振り分けテーブルアクセス回路400は、フレームの内部ヘッダに宛先としてフラッディングであることを識別する識別子(又は、マルチキャストであることを示す識別子)が格納されている場合、当該フレームに第1テーブル識別情報が付加されているとき、第1振り分けテーブル330を参照し、当該フレームに第2テーブル識別情報が付加されているとき、第2振り分けテーブル335を参照する。
【0057】
例えば、送信側振り分けテーブルアクセス回路400は、フレームに付加されている分散IDを用いて、第1振り分けテーブル330又は第2振り分けテーブル335を参照する。そして、送信側振り分けテーブルアクセス回路400は、第1振り分けテーブル330又は第2振り分けテーブル335に当該分散IDに対応づけて格納されているポートIDを取得し、当該ポートIDとともにフレームを送信ポートビットマップ設定部405に供給する。第1振り分けテーブル330又は第2振り分けテーブル335から取得したポートIDは、フレームの内部ヘッダに、宛先としてフラッディングであることを識別する識別子とともに、格納してもよい。
【0058】
また、送信側振り分けテーブルアクセス回路400は、フレームの内部ヘッダに宛先としてポートIDが格納されている場合、第1振り分けテーブル330及び第2振り分けテーブル335を参照せずに、フレームを送信ポートビットマップ設定部405に供給する。
【0059】
(送信ポートビットマップ設定部405)
送信ポートビットマップ設定部405は、フレームの内部ヘッダに送信ビットマップを設定する。送信ビットマップは、例えば、ラインカードが有する伝送路に接続するポートの数分のビット数を有し、複数のビットの各ビットは、複数のポートの各ポートに対応づけられる。そして、送信ポートとなるポートに対応づけられたビットには、例えば、「1」が設定され、送信ポートとならないポートに対応づけられたビットには、「0」が設定される。
【0060】
送信ポートビットマップ設定部405は、送信側振り分けテーブルアクセス回路400から受け取ったフレームの内部ヘッダに宛先としてポートIDが格納されている場合、送信ビットマップを、当該ポートIDのポートに対応づけられたビットに「1」を設定し、他のビットに「0」を設定する。
【0061】
また、送信ポートビットマップ設定部405は、送信側振り分けテーブルアクセス回路400から受け取ったフレームの内部ヘッダに宛先としてフラッディングの識別子が格納されている場合、LAG ID「1」のLAGを構成しないポートに対応づけられたビットには「1」を設定し、LAG ID「1」のLAGを構成するポートのうち、送信側振り分けテーブルアクセス回路400において第1振り分けテーブル330又は第2振り分けテーブル335から取得したポートIDのポートに対応づけられたビットには「1」を設定し、その他のLAG ID「1」のLAGを構成するポートに対応づけられたビットには「0」を設定する。なお、LAG ID「1」のLAGを構成しないポートであって、他のLAG IDのLAGを構成するポートについては、当該他のLAG IDのLAGについて、上記と同様の動作にて、所定のポートIDのポートに対応づけられたビットには「1」を設定し、他のLAG ID「1」のLAGを構成する他のポートに対応づけられたビットには「0」を設定する。この場合、送信ユニット40は、当該他のLAG IDのLAGについて、分散IDに対応づけて当該他のLAG IDのLAGを構成するポートのポートIDを格納した第1振り分けテーブル330及び第2振り分けテーブル335を有する。
【0062】
送信ポートビットマップ設定部405は、送信ビットマップを設定したフレームをI/F回路20へ供給する。
【0063】
I/F回路20は、送信ポートビットマップ設定部405からフレームを受け取ると、送信ビットマップに「1」と設定されたビットに対応づけられたポートから、フレームを送信する。
【0064】
(スイッチングハブの動作)
図5Aは、本実施の形態に係るスイッチングハブの動作の概要を示し、図5B(a)は、本実施の形態に係る第1振り分けテーブルのデータ構成を示し、図5B(b)は、本実施の形態に係る第2振り分けテーブルのデータ構成を示す。
【0065】
図5Aに示すように、スイッチングハブ1は、ラインカード2、2a、2b、及び2cを備える。そして、ラインカード2のポート10は伝送路4に接続しており、ポート13は中継経路3に接続している。同様に、ラインカード2aのポート11は伝送路5に接続しており、ポート14は中継経路3に接続している。そして、ラインカード2bのポート17は伝送路7に接続しており、ポート15は中継経路3に接続している。更に、ラインカード2cのポート18は伝送路8に接続しており、ポート16は中継経路3に接続している。ここで、ポート10のポートIDを「1/1」、ポート11のポートIDを「3/1」、ポート17のポートIDを「4/1」、ポート18のポートIDを「5/1」とする。そして、ポート11と、ポート17と、ポート18とで一つのLAGが構成されている。
【0066】
図5B(a)に示すように、ポートに障害が発生していない場合、又は現在用いている複数の送信ポートをそのまま継続して使用する場合に用いられる第1振り分けテーブル330は、分散IDに対応づけてポートIDを格納する。例えば、ポートに障害が発生していない場合、第1振り分けテーブル330は、分散ID「0」、「3」、「6」に対応づけてポートID「3/1」を格納し、分散ID「1」、「4」、「7」に対応づけてポートID「4/1」を格納し、分散ID「2」、「5」に対応づけてポートID「5/1」を格納する。
【0067】
(フラッディング中継:ポートに障害が発生していない場合)
まず、フレームをフラッディングとして中継する場合について説明する。一例として、ポート10がフレームを受信した場合、ラインカード2が有する分散ID計算部300は、当該フレームに含まれるMACアドレスから分散IDを算出する。例えば、分散ID計算部300が算出した分散IDの値が「1」の場合、分散ID計算部300は、分散ID「1」をフレームに付加する。そして、ラインカード2が有する振り分けテーブル識別情報付加部305は、現在、ポートに障害が発生していないので、当該フレームに第1テーブル識別情報を付加する。
【0068】
第1テーブル識別情報が付加されたフレームを受け取ったラインカード2a乃至2cの送信側振り分けテーブルアクセス回路400はそれぞれ、第1振り分けテーブル330を参照する。図5B(a)に示す第1振り分けテーブル330の場合、分散ID「1」に対応するポートIDは「4/1」なので、ラインカード2bが有するポート17からフレームは送信される。
【0069】
(フラッディング中継:ポートに障害が発生した後の場合)
例えば、ポート17に障害が発生した場合、第2振り分けテーブル335は、分散ID「0」、「2」、「4」、「6」に対応づけてポートID「3/1」を格納し、分散ID「1」、「3」、「5」、「7」に対応づけてポートID「5/1」を格納する。すなわち、第2振り分けテーブル335は、障害が発生したポートに対応するポートIDを除くポートIDを格納する。
【0070】
そして、ポート10がフレームを受信した場合、ラインカード2が有する分散ID計算部300は、当該フレームに含まれるMACアドレスから分散IDを算出する。例えば、分散ID計算部300が算出した分散IDの値が「1」の場合、分散ID計算部300は、分散ID「1」をフレームに付加する。そして、ラインカード2が有する振り分けテーブル識別情報付加部305は、現在、ポートに障害が発生しているので、当該フレームに第2テーブル識別情報を付加する。
【0071】
第2テーブル識別情報が付加されたフレームを受け取ったラインカード2a乃至2cの送信側振り分けテーブルアクセス回路400はそれぞれ、第2振り分けテーブル335を参照する。図5B(b)に示す第1振り分けテーブル330の場合、分散ID「1」に対応するポートIDは「5/1」なので、ラインカード2cが有するポート18からフレームは送信される。
【0072】
そして、ポート17の障害が復旧した場合、ラインカード2が有する振り分けテーブル識別情報付加部305は、新たに受け取るフレームに第1テーブル識別情報を付加する。これにより、本実施の形態に係るスイッチングハブ1は、フレームを送信すべきポートを切り換える。
【0073】
(フォワーディング中継)
次に、フレームをフォワーディング中継する場合について説明する。一例として、ポート10がフレームを受信した場合、FDBアクセス回路310は、FDB315を参照し、受信したフレームに含まれるMACアドレスに対応づけてFDB315に格納されているポートID又はLAG IDを取得する。そして、FDBアクセス回路310は、取得したポートID又はLAG IDで識別されるポートを有するラインカード又はLAGにフレームを転送する。そして、フレームを受け取ったラインカードの送信側振り分けテーブルアクセス回路400は、受信ユニット30から受け取ったフレームを、当該フレームの内部ヘッダに格納されているポートID又はLAG IDで識別されるポート又はLAGから外部に送信させる。
【0074】
(実施の形態の効果)
本発明の実施の形態に係るスイッチングハブ1は、第1振り分けテーブル330及び第2振り分けテーブル335を予め有するラインカード2を備えているので、フレームを送信すべき送信ポートに故障等の障害が発生した後、若しくは現在用いている送信ポートを他の送信ポートに変更した後、当該送信ポートが復旧した場合、若しくは変更した他の送信ポートを変更前の送信ポートに戻す場合に、第1振り分けテーブル330から第2振り分けテーブル335へ、又は第2振り分けテーブル335から第1振り分けテーブル330へと用いるテーブルを切り換えるだけでフレームを送信すべき送信ポートを一斉に切り換えることができる。これにより、スイッチングハブ1は、送信ポートのいずれかに故障等の障害が発生した後、若しくは現在用いている送信ポートを他の送信ポートに変更した後、送信ポートの復旧時に、フレームのロスなくポートの切り替えをすることができる。
【0075】
また、本実施の形態に係るスイッチングハブ1は、送信すべきポートを一のポートから他のポートに手動で切り替える場合に、第1振り分けテーブル330から第2振り分けテーブル335へと用いるテーブルを切り換えることができるので、フレームをロスすることなくポートを切り換えることができる(すなわち、フレームロスなく縮退することができる)。これにより、スイッチングハブ1が備える複数のラインカードのうち、故障したラインカードを交換する場合においても、フレームをロスすることなくスムーズにラインカードの交換をすることができる。
【0076】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上記に記載した実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
【符号の説明】
【0077】
1 スイッチングハブ
2、2a、2b、2c、2n ラインカード
3 中継経路
4、4a、4n、5、5n、6、6n、7、8 伝送路
10、10a、10n、11、11n、12、12n ポート
13、13a、13b、14、14a、14b ポート
15、16、17、18 ポート
20 I/F回路
30 受信ユニット
40 送信ユニット
300 分散ID計算部
305 振り分けテーブル識別情報付加部
310 FDBアクセス回路
315 FDB
320 LAG振り分けテーブルアクセス回路
330 第1振り分けテーブル
332 LAG振り分けテーブル
335 第2振り分けテーブル
400 送信側振り分けテーブルアクセス回路
405 送信ポートビットマップ設定部
【技術分野】
【0001】
本発明は、スイッチングハブ、ラインカード、及びフレーム中継方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の物理ポートを論理的に束ねることにより1つの論理ポートとして取り扱うことができるネットワーク中継装置であって、パケットを入力するパケット入力部と、論理ポートに出力すべきパケットについて、パケットに含まれる宛先アドレス情報とパケットを用いるアプリケーションを特定するための識別情報とを抽出する抽出部と、論理ポートを構成する物理ポートのうち、パケットの出力に用いる物理ポートを宛先アドレス情報と識別情報とに応じて選択する物理ポート選択部と、選択された物理ポートを用いてパケットを宛先アドレスに出力するパケット出力部とを備えるネットワーク中継装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載のネットワーク中継装置によれば、より効率的なネットワークの中継処理ができ、また、通信の高速化に対応することもできる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−027758号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載されているようなネットワーク中継装置においては、送信ポートにパケットやフレームを適切に振り分けるための振り分けテーブルがラインカードごとに設けられている。そして、振り分けテーブルの登録内容を変更する過渡状態において同一フレームが複数のポートから送信されることを防止するために、振り分けテーブルの登録内容を一旦消去した後、各ラインカード間で同期して振り分けテーブルの登録内容を更新することが必要である。そのため、ポートに故障が発生し、当該ポートが復旧する場合、及び手動でポートを切り換える場合にフレームロスが発生する。
【0006】
したがって、本発明の目的は、故障復旧時及びポートの手動切替え時にフレームのロスが発生しないスイッチングハブ、ラインカード、及びフレーム中継方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記目的を達成するため、外部からフレームを受信する受信ポート及び外部にフレームを送信する送信ポートとからなる複数のポートと、複数のポートの受信ポートのいずれかが受信したフレームから分散IDを算出し、フレームに分散IDを付加する分散ID計算部と、分散IDに対応づけてフレームを外部に向けて送信する送信ポートを識別するポートIDを格納する第1振り分けテーブルと、第1振り分けテーブルとは異なる対応関係になるように分散IDに対応づけてポートIDを格納する第2振り分けテーブルと、第1振り分けテーブルを識別する第1テーブル識別情報、又は第2振り分けテーブルを識別する第2テーブル識別情報をフレームに付加する振り分けテーブル識別情報付加部と、フレームに第1テーブル識別情報が付加されているとき、第1振り分けテーブルを参照し、フレームに第2テーブルが付加されているとき、第2振り分けテーブルを参照し、第1振り分けテーブル又は第2振り分けテーブルがフレームに付加された分散IDに対応づけて格納しているポートIDを取得する送信側振り分けテーブルアクセス部とを備えるスイッチングハブが提供される。
【0008】
また、上記スイッチングハブは、複数のポートからLAG(Link Aggregation Group)が構成され、第1振り分けテーブル及び第2振り分けテーブルは、分散IDに対応づけてLAGを構成するポートのポートIDを格納することもできる。
【0009】
また、上記スイッチングハブは、送信側振り分けテーブルアクセス部は、フレームをフラッディング中継の場合に、第1振り分けテーブル又は第2振り分けテーブルを参照することもできる。
【0010】
また、上記スイッチングハブは、複数のラインカードを備え、各ラインカードは、外部からフレームを受信する受信ポート及び外部にフレームを送信する送信ポートとからなる複数のポートを備え、複数のラインカードが備える複数のポートの中から選択された複数のポートからLAGが構成されることもできる。
【0011】
また、上記スイッチングハブは、各ラインカードは、外部からフレームを受信する受信ユニットと、外部へフレームを送信する送信ユニットを備え、受信ユニットは、分散ID計算部と、振り分けテーブル識別情報付加部を備え、送信ユニットは、第1振り分けテーブルと、第2振り分けテーブルと、送信側振り分けテーブルアクセス部とを備えることもできる。
【0012】
また、上記スイッチングハブは、受信ユニットは、MAC(Media Access Control)アドレスと、ポートID又はLAGを識別するLAG IDとを登録内容として格納するFDB(Forwarding Database)と、FDBを宛先検索する機能を有するFDBアクセス回路と、LAG IDと、分散IDと、ポートIDとを対応づけて格納するLAG振り分けテーブルと、第LAG振り分けテーブルを参照し、FDBアクセス回路が検出したLAG IDと、フレームに付加された分散IDとに対応づけて格納しているポートIDを取得する受信側振り分けテーブルアクセス部とを備えることもできる。
【0013】
また、本発明は上記目的を達成するため、スイッチングハブが備えるラインカードであって、外部からフレームを受信する受信ポート及び外部にフレームを送信する送信ポートとからなる複数のポートと、複数のポートの受信ポートのいずれかが受信したフレームから分散IDを算出し、フレームに分散IDを付加する分散ID計算部と、分散IDに対応づけてフレームを外部に向けて送信する送信ポートを識別するポートIDを格納する第1振り分けテーブルと、第1振り分けテーブルとは異なる対応関係になるように分散IDに対応づけてポートIDを格納する第2振り分けテーブルと、第1振り分けテーブルを識別する第1テーブル識別情報、又は第2振り分けテーブルを識別する第2テーブル識別情報をフレームに付加する振り分けテーブル識別情報付加部と、フレームに第1テーブル識別情報が付加されているとき、第1振り分けテーブルを参照し、フレームに第2テーブルが付加されているとき、第2振り分けテーブルを参照し、第1振り分けテーブル又は第2振り分けテーブルがフレームに付加された分散IDに対応づけて格納しているポートIDを取得する送信側振り分けテーブルアクセス部とを有するラインカードが提供される。
【0014】
また、上記ラインカードは、LAGを構成するポートを備えることもできる。
【0015】
また、上記ラインカードは、送信側振り分けテーブルアクセス部は、フレームをフラッディング中継の場合に、第1振り分けテーブル又は第2振り分けテーブルを参照することもできる。
【0016】
また、上記ラインカードは、外部からフレームを受信する受信ユニットと、外部へフレームを送信する送信ユニットを備え、受信ユニットは、分散ID計算部と、振り分けテーブル識別情報付加部を備え、送信ユニットは、前記第1振り分けテーブルと、第2振り分けテーブルと、送信側振り分けテーブルアクセス部とを備えることもできる。
【0017】
また、上記ラインカードは、受信ユニットは、MACアドレスと、ポートID又はLAGを識別するLAG IDとを登録内容として格納するFDBと、FDBを宛先検索する機能を有するFDBアクセス回路と、LAG IDと、分散IDと、ポートIDとを対応づけて格納するLAG振り分けテーブルと、第LAG振り分けテーブルを参照し、FDBアクセス回路が検出したLAG IDと、フレームに付加された分散IDとに対応づけて格納しているポートIDを取得する受信側振り分けテーブルアクセス部とを備えることもできる。
【0018】
また、本発明は上記目的を達成するため、外部からフレームを受信する複数の受信ポートのいずれかが受信したフレームから分散IDを算出し、フレームに分散IDを付加する分散ID計算段階と、分散IDに対応づけてフレームを外部に向けて送信する送信ポートを識別するポートIDを格納する第1振り分けテーブルを識別する第1テーブル識別情報、又は第1振り分けテーブルとは異なる対応関係になるように分散IDに対応づけてポートIDを格納する第2振り分けテーブルを識別する第2テーブル識別情報をフレームに付加する振り分けテーブル識別情報付加段階と、フレームに第1テーブル識別情報が付加されているとき、第1振り分けテーブルを参照し、フレームに第2テーブルが付加されているとき、第2振り分けテーブルを参照し、第1振り分けテーブル又は第2振り分けテーブルがフレームに付加された分散IDに対応づけて格納しているポートIDを取得する送信側振り分けテーブルアクセス段階とを備えるフレーム中継方法が提供される。
【0019】
また、上記フレーム中継方法は、複数のポートからLAGが構成され、第1振り分けテーブル及び第2振り分けテーブルは、分散IDに対応づけてLAGを構成するポートのポートIDを格納することができる。
【0020】
また、上記フレーム中継方法は、送信側振り分けテーブルアクセス段階は、フレームをフラッディング中継の場合に、第1振り分けテーブル又は第2振り分けテーブルを参照することもできる。
【0021】
また、上記フレーム中継方法は、複数のラインカードを備え、各ラインカードは、外部からフレームを受信する受信ポート及び外部にフレームを送信する送信ポートとからなる複数のポートを備え、複数のラインカードが備える複数のポートの中から選択された複数のポートからLAGが構成されるスイッチングハブのフレーム中継方法であることもできる。
【発明の効果】
【0022】
本発明に係るスイッチングハブ、ラインカード、及びフレーム中継方法によれば、故障復旧時及びポートの手動切り替え時にフレームのロスが発生しないスイッチングハブ、ラインカード、及びフレーム中継方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施の形態に係るスイッチングハブの構成図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るスイッチングハブの機能構成ブロック図である。
【図3A】本実施の形態に係るラインカードが備える受信ユニットの機能構成ブロック図である。
【図3B】本実施の形態に係るラインカードの受信ユニットが有するLAG振り分けテーブルの通常時のデータ構成を示す図である。
【図3C】本実施の形態に係るラインカードの受信ユニットが有するLAG振り分けテーブルにおいて、ポートID「4/1」のポートが使用不可になり、書き換えられた場合のデータ構成を示す図である。
【図4】本実施の形態に係るラインカードが備える送信ユニットの機能構成ブロック図である。
【図5A】本実施の形態に係るスイッチングハブの動作の概要を示す図である。
【図5B】(a)は本実施の形態に係る第1振り分けテーブルのデータ構成を示す図であり、(b)は本実施の形態に係る第2振り分けテーブルのデータ構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
[実施の形態の概要]
外部からフレームを受信する受信ポート及び外部に前記フレームを送信する送信ポートからなる複数のポートを備えるスイッチングハブにおいて、前記複数のポートの受信ポートのいずれかが受信した前記フレームから分散IDを算出し、前記フレームに前記分散IDを付加する分散ID計算部と、前記分散IDに対応づけて前記フレームを外部に向けて送信する送信ポートを識別するポートIDを格納する第1振り分けテーブルと、前記第1振り分けテーブルとは異なる対応関係になるように前記分散IDに対応づけて前記ポートIDを格納する第2振り分けテーブルと、前記第1振り分けテーブルを識別する第1テーブル識別情報、又は前記第2振り分けテーブルを識別する第2テーブル識別情報を前記フレームに付加する振り分けテーブル識別情報付加部と、前記フレームに前記第1テーブル識別情報が付加されているとき、前記第1振り分けテーブルを参照し、前記フレームに前記第2テーブルが付加されているとき、前記第2振り分けテーブルを参照し、前記第1振り分けテーブル又は前記第2振り分けテーブルが前記フレームに付加された前記分散IDに対応づけて格納している前記ポートIDを取得する送信側振り分けテーブルアクセス部とを備えるスイッチングハブが提供される。
【0025】
[実施の形態]
図1は、本発明の実施の形態に係るスイッチングハブの構成の概要を示し、図2は、本発明の実施の形態に係るラインカードの機能構成の概要を示す。
【0026】
(スイッチングハブ1及びラインカード2の構成の概要)
本発明の実施の形態に係るスイッチングハブ1は、フレーム等の情報を中継するシャーシ型のスイッチングハブであり、複数のラインカード(例えば、ラインカード2、ラインカード2a、ラインカード2n)と、複数のラインカード間でフレーム等の情報を中継する通信経路としての中継経路3とを備える。各ラインカードはそれぞれ、中継経路3に接続するポート(例えば、ラインカード2においてはポート13及びポート14、ラインカード2aにおいてはポート13a及びポート14a、ラインカード2nにおいてはポート13b及びポート14b)と、伝送路(例えば、伝送路4、4n、5、5n、6、6n)に接続するポート(例えば、ラインカード2が有するポート10は伝送路4に接続し、同様にポート10n、11、11n、12、12nはそれぞれ伝送路4n、5、5n、6、6nに接続する)とを有する。
【0027】
本実施の形態において、各ラインカードがそれぞれ有する伝送路に接続するポートの中から選択された複数のポートから、Link Aggregation Group(LAG)を構成している。ここで、LAGは、IEEE Std 802.3−2005に規定されている技術であって、複数の物理回線を束ねて1つの論理回線にする技術である。本実施の形態において複数のラインカードはそれぞれ同一の構成及び機能を有するので、以下、ラインカード2について詳細に説明する。
【0028】
図2に示すように、ラインカード2は、外部からフレーム等の情報を受信する複数の受信ポート及び外部にフレームを送信する複数の送信ポートからなる複数のポート(例えば、ポート10、10a、10n)と、複数のポートにおける情報の送受信を制御するインターフェース部としてのI/F回路20と、受信したフレームをいずれのポートから送信するか決定する受信ユニット30と、受信ユニット30の決定に基づいてフレームを所定のポートから送信させる送信ユニット40とを備える。
【0029】
(I/F回路20)
I/F回路20は、複数の受信ポートであるポートのいずれかが受信したフレームを当該ポートから受け取り、受信ユニット30へ当該フレームを供給する。なお、I/F回路20は、受け取ったフレームに内部ヘッダを付加し、当該内部ヘッダにフレームを受信したポートのポートIDを格納した後、受信ユニット30へ内部ヘッダ付きのフレームを供給する。
【0030】
また、I/F回路20は、送信ユニット40から受け取ったフレームを、所定のポートから送信する。なお、I/F回路20は、受け取ったフレームに付加されている内部ヘッダの送信ポートビットマップに送信ポートとして設定されているポートへ、フレームを供給する。I/F回路20は、ポートへフレームを供給するさい、フレームに付加されている内部ヘッダを削除する。
【0031】
(受信ユニット30)
図3Aは、本実施の形態に係るラインカードが備える受信ユニットの機能構成の一例を示す。
【0032】
本実施の形態に係る受信ユニット30は、分散ID計算部300と、振り分けテーブル識別情報付加部305と、FDBアクセス回路310と、FDB315と、受信側振り分けテーブルアクセス部としてのLAG振り分けテーブルアクセス回路320と、LAG振り分けテーブル332とを有する。
【0033】
(分散ID計算部300)
分散ID計算部300は、複数の受信ポートであるポートのいずれかが受信したフレームから分散IDを算出すると共に、算出した分散IDを当該フレームに付加する。例えば、分散ID計算部300は、複数のポートのいずれかが受信したフレームをI/F回路20から受け取り、当該フレームに含まれるMAC(Media Access Control)アドレスを用いて分散IDを算出する。そして、分散ID計算部300は、算出した分散IDをフレームの内部ヘッダに付加する。分散ID計算部300は、分散IDが付加されたフレームを振り分けテーブル識別情報付加部305に供給する。
【0034】
(振り分けテーブル識別情報付加部305)
振り分けテーブル識別情報付加部305は、LAGを構成する複数のポートの通信状態に応じ、送信ユニット40が有する第1振り分けテーブル330と第2振り分けテーブル335とのいずれを用いるかを決定する。具体的に、振り分けテーブル識別情報付加部305は、LAGを構成する複数のポートのいずれにも障害が発生していない場合、又は現在用いている複数の送信ポートをそのまま継続して使用する場合、第1振り分けテーブル330を識別する第1テーブル識別情報を、分散ID計算部300から受け取ったフレームに付加する。
【0035】
また、振り分けテーブル識別情報付加部305は、LAGを構成する複数のポートのいずれかに障害が発生している場合、又は使用していた複数のポートのいずれか若しくはすべてを他の送信ポートに変更する場合、第2振り分けテーブル335を識別する第2テーブル識別情報を、分散ID計算部300から受け取ったフレームに付加する。
【0036】
振り分けテーブル識別情報付加部305は、例えば、フレームの内部ヘッダの1ビット分の領域を用いて、第1テーブル識別情報(例えば「0」)、又は第2テーブル識別情報(例えば「1」)をフレームの内部ヘッダに付加する。振り分けテーブル識別情報付加部305は、第1テーブル識別情報、又は第2テーブル識別情報が付加されたフレームをFDBアクセス回路310に供給する。なお、本実施の形態では、振り分けテーブル識別情報付加部305を分散ID計算部300の後段に配置しているが、これに限定されるものではない。例えば、LAG振り分けテーブルアクセス回路320の後段に、振り分けテーブル識別情報付加部305を配置してもよい。
【0037】
(FDBアクセス回路310及びFDB315)
フォワーディングデータベース(Forwarding Database:FDB)315は、フレームに含まれるMACアドレスと、フレームを受け取ったポートを一意に識別するポート識別子としてのポートID又はLAG IDとを登録内容として少なくとも格納する。
【0038】
FDBアクセス回路310は、振り分けテーブル識別情報付加部305から受け取ったフレームに含まれる送信元MACアドレス及び宛先MACアドレスを用いて、FDB315を検索する機能、及びFDB315の登録内容を変更する機能を有する。すなわち、FDBアクセス回路310は、送信元MACアドレス学習、及びフレームの宛先検索を実行する機能等を有する。
【0039】
例えば、FDBアクセス回路310は、振り分けテーブル識別情報付加部305から受け取った分散IDが付加されたフレームに含まれる宛先MACアドレスと、FDB315に格納されているMACアドレスとを比較する。そして、FDBアクセス回路310は、当該宛先MACアドレスと同一のMACアドレスがFDB315に格納されていないと判断した場合、当該フレームをフラッディング中継としてLAG振り分けテーブルアクセス回路320に供給する。FDBアクセス回路320は、当該フレームをフラッディング中継としてLAG振り分けテーブルアクセス回路320に供給する場合に、当該フレームの内部ヘッダに宛先としてフラッディングであることを識別する識別子を格納する。
【0040】
また、FDBアクセス回路310は、振り分けテーブル識別情報付加部305から受け取ったフレームに含まれる宛先MACアドレスと、FDB315に格納されているMACアドレスとを比較した結果、当該宛先MACアドレスと同一のMACアドレスがFDB315に格納されていると判断した場合であって、FDB315に当該MACアドレスに関連付けて格納されているポートIDを検出した場合、当該ポートIDを当該フレームの内部ヘッダに宛先として格納する。そして、FDBアクセス回路310は、内部ヘッダに宛先のポートIDを含むフレームをフォワーディング中継(ユニキャスト)としてLAG振り分けテーブルアクセス回路320に供給する。
【0041】
また、FDBアクセス回路310は、振り分けテーブル識別情報付加部305から受け取ったフレームに含まれる宛先MACアドレスと、FDB315に格納されているMACアドレスとを比較した結果、当該宛先MACアドレスと同一のMACアドレスがFDB315に格納されていると判断した場合であって、FDB315に当該MACアドレスに関連付けて格納されているLAG IDを検出した場合、当該LAG IDとともにフレームをLAG振り分けテーブルアクセス回路320に供給する。
【0042】
(LAG振り分けテーブル332)
LAG振り分けテーブル332は、LAG ID及び分散IDに対応づけてフレームを外部に向けて送信する送信ポートであるポートを識別するポートIDを格納する。なお、本実施の形態においては、スイッチングハブ1が備える複数のラインカードのそれぞれが、同一のLAG振り分けテーブル332を有する。本実施の形態では、LAG ID「1」のLAGが、ポートID「3/1」、「4/1」、「5/1」の3つのポートにより構成される例を示す。なお、「3/1」は、3番のラインカードの1番のポートを識別することを意味する。
【0043】
図3Bは、本実施の形態に係るラインカードの受信ユニットが有するLAG振り分けテーブルの、LAG ID「1」のLAGを構成するポートID「3/1」、「4/1」、「5/1」の3つのポート全てが使用可である通常時のデータ構成を示している。分散ID「0」〜「7」に対応づけて、ポートID「3/1」、「4/1」、「5/1」が格納されている。本実施の形態では、「0」〜「7」の8つの分散IDを有するので、最大8つのポートから1つのLAGを構成することができる。8つ以上のポートからLAGを構成する場合は、分散IDの数を増やせばよい。
【0044】
図3Cは、本実施の形態に係るラインカードの受信ユニットが有するLAG振り分けテーブルにおいて、ポートID「4/1」のポートが使用不可になり、書き換えられた場合のデータ構成を示す。分散ID「0」〜「7」に対応づけて、ポートID「3/1」、「5/1」が格納されている。
【0045】
例えば、図3Bに示すように、受信ユニット30が有するLAG振り分けテーブル332は、LAGを構成する複数のポートのいずれにも障害が発生していない場合、又は現在用いている複数の送信ポートをそのまま継続して使用する場合、すなわち、通常時に、ポートID「4/1」を格納している。ここで、ポートID「4/1」の使用ができなくなった場合、LAG振り分けテーブルアクセス回路320は、LAG振り分けテーブル332の格納内容を、例えば、図3Cのように書き換える。
【0046】
(LAG振り分けテーブルアクセス回路320)
LAG振り分けテーブルアクセス回路320は、FDBアクセス回路310からLAG IDとともにフレームを受け取った場合、当該LAG IDを用い、LAG振り分けテーブル332を参照する。そして、当該LAG IDと、フレームの内部ヘッダに付加されている分散IDと、に対応づけてLAG振り分けテーブル332に格納されているポートIDをフレームの内部ヘッダに宛先のポートとして格納する。LAG振り分けテーブルアクセス回路320は、宛先のポートIDを格納したフレームを、ポート13から、中継経路3へ供給する。
【0047】
また、LAG振り分けテーブルアクセス回路320は、FDBアクセス回路310から受け取ったフレームがフォワーディング中継としてのフレームである場合であって、内部ヘッダに宛先のポートIDが含まれている場合、そのまま、当該フレームを、ポート13から、中継経路3へ供給する。
【0048】
また、LAG振り分けテーブルアクセス回路320は、FDBアクセス回路310から受け取ったフレームがフラッディング中継としてのフレームである場合、そのまま、当該フレームを、ポート13から、中継経路3へ供給する。
【0049】
なお、ポートIDを内部ヘッダに格納しているフレームをフォワーディング中継する場合、フレームに付加されている分散IDは必須ではなく、FDBアクセス回路310又はLAG振り分けテーブルアクセス回路320は、フレームから分散IDを削除することもできる。
【0050】
(中継経路3)
中継経路3は、受信ユニット30からフレームを受け取り、宛先のポートを有するラインカードの送信ユニット40へ当該フレームを中継する。中継経路3は、受信ユニット30から受け取ったフレームの内部ヘッダに宛先としてポートIDが格納されている場合、当該ポートIDのポートを有するラインカードへフレームを中継する。中継経路3は、受信ユニット30から受け取ったフレームの内部ヘッダに宛先としてフラッディングの識別子が格納されている場合、フレームを受け取ったラインカードを除く全てのラインカードへフレームを中継する。
【0051】
(送信ユニット40)
図4は、本実施の形態に係るラインカードが備える送信ユニットの機能構成の一例を示す。
【0052】
本実施の形態に係る送信ユニット40は、送信側振り分けテーブルアクセス部としての送信側振り分けテーブルアクセス回路400と、送信ポートビットマップ設定部405と、第1振り分けテーブル330と、第2振り分けテーブル335とを有する。
【0053】
(第1振り分けテーブル330及び第2振り分けテーブル335)
第1振り分けテーブル330及び第2振り分けテーブル335は、分散IDに対応づけてフレームを外部に向けて送信する送信ポートであるポートを識別するポートIDを格納する。
【0054】
図5B(a)は、第1振り分けテーブル330のデータ構成を示す。第1振り分けテーブル330は、例えば、LAGを構成する複数のポートに障害が発生していない場合、又は現在用いている複数の送信ポートをそのまま継続して使用する場合に用いられる。図5B(a)では、LAG ID「1」のLAGを構成するポートID「3/1」、「4/1」、「5/1」の3つのポート全てが使用可である通常時のデータ構成を示し、分散ID「0」〜「7」に対応づけて、ポートID「3/1」、「4/1」、「5/1」が格納されている。
【0055】
図5B(b)は、第2振り分けテーブル335のデータ構成を示す。第2振り分けテーブル335は、例えば、LAGを構成する複数のポートのいずれかに障害が発生している場合、又は使用していた複数の送信ポートのいずれか若しくはすべてを他の送信ポートに変更する場合に用いられる。図5B(b)では、LAG ID「1」のLAGを構成するポートID「3/1」、「4/1」、「5/1」の3つのポートのうちポートID「4/1」のポートが使用不可である場合のデータ構成を示し、分散ID「0」〜「7」に対応づけて、ポートID「3/1」、「5/1」が格納されている。
【0056】
(送信側振り分けテーブルアクセス回路400)
送信側振り分けテーブルアクセス回路400は、フレームの内部ヘッダに宛先としてフラッディングであることを識別する識別子(又は、マルチキャストであることを示す識別子)が格納されている場合、当該フレームに第1テーブル識別情報が付加されているとき、第1振り分けテーブル330を参照し、当該フレームに第2テーブル識別情報が付加されているとき、第2振り分けテーブル335を参照する。
【0057】
例えば、送信側振り分けテーブルアクセス回路400は、フレームに付加されている分散IDを用いて、第1振り分けテーブル330又は第2振り分けテーブル335を参照する。そして、送信側振り分けテーブルアクセス回路400は、第1振り分けテーブル330又は第2振り分けテーブル335に当該分散IDに対応づけて格納されているポートIDを取得し、当該ポートIDとともにフレームを送信ポートビットマップ設定部405に供給する。第1振り分けテーブル330又は第2振り分けテーブル335から取得したポートIDは、フレームの内部ヘッダに、宛先としてフラッディングであることを識別する識別子とともに、格納してもよい。
【0058】
また、送信側振り分けテーブルアクセス回路400は、フレームの内部ヘッダに宛先としてポートIDが格納されている場合、第1振り分けテーブル330及び第2振り分けテーブル335を参照せずに、フレームを送信ポートビットマップ設定部405に供給する。
【0059】
(送信ポートビットマップ設定部405)
送信ポートビットマップ設定部405は、フレームの内部ヘッダに送信ビットマップを設定する。送信ビットマップは、例えば、ラインカードが有する伝送路に接続するポートの数分のビット数を有し、複数のビットの各ビットは、複数のポートの各ポートに対応づけられる。そして、送信ポートとなるポートに対応づけられたビットには、例えば、「1」が設定され、送信ポートとならないポートに対応づけられたビットには、「0」が設定される。
【0060】
送信ポートビットマップ設定部405は、送信側振り分けテーブルアクセス回路400から受け取ったフレームの内部ヘッダに宛先としてポートIDが格納されている場合、送信ビットマップを、当該ポートIDのポートに対応づけられたビットに「1」を設定し、他のビットに「0」を設定する。
【0061】
また、送信ポートビットマップ設定部405は、送信側振り分けテーブルアクセス回路400から受け取ったフレームの内部ヘッダに宛先としてフラッディングの識別子が格納されている場合、LAG ID「1」のLAGを構成しないポートに対応づけられたビットには「1」を設定し、LAG ID「1」のLAGを構成するポートのうち、送信側振り分けテーブルアクセス回路400において第1振り分けテーブル330又は第2振り分けテーブル335から取得したポートIDのポートに対応づけられたビットには「1」を設定し、その他のLAG ID「1」のLAGを構成するポートに対応づけられたビットには「0」を設定する。なお、LAG ID「1」のLAGを構成しないポートであって、他のLAG IDのLAGを構成するポートについては、当該他のLAG IDのLAGについて、上記と同様の動作にて、所定のポートIDのポートに対応づけられたビットには「1」を設定し、他のLAG ID「1」のLAGを構成する他のポートに対応づけられたビットには「0」を設定する。この場合、送信ユニット40は、当該他のLAG IDのLAGについて、分散IDに対応づけて当該他のLAG IDのLAGを構成するポートのポートIDを格納した第1振り分けテーブル330及び第2振り分けテーブル335を有する。
【0062】
送信ポートビットマップ設定部405は、送信ビットマップを設定したフレームをI/F回路20へ供給する。
【0063】
I/F回路20は、送信ポートビットマップ設定部405からフレームを受け取ると、送信ビットマップに「1」と設定されたビットに対応づけられたポートから、フレームを送信する。
【0064】
(スイッチングハブの動作)
図5Aは、本実施の形態に係るスイッチングハブの動作の概要を示し、図5B(a)は、本実施の形態に係る第1振り分けテーブルのデータ構成を示し、図5B(b)は、本実施の形態に係る第2振り分けテーブルのデータ構成を示す。
【0065】
図5Aに示すように、スイッチングハブ1は、ラインカード2、2a、2b、及び2cを備える。そして、ラインカード2のポート10は伝送路4に接続しており、ポート13は中継経路3に接続している。同様に、ラインカード2aのポート11は伝送路5に接続しており、ポート14は中継経路3に接続している。そして、ラインカード2bのポート17は伝送路7に接続しており、ポート15は中継経路3に接続している。更に、ラインカード2cのポート18は伝送路8に接続しており、ポート16は中継経路3に接続している。ここで、ポート10のポートIDを「1/1」、ポート11のポートIDを「3/1」、ポート17のポートIDを「4/1」、ポート18のポートIDを「5/1」とする。そして、ポート11と、ポート17と、ポート18とで一つのLAGが構成されている。
【0066】
図5B(a)に示すように、ポートに障害が発生していない場合、又は現在用いている複数の送信ポートをそのまま継続して使用する場合に用いられる第1振り分けテーブル330は、分散IDに対応づけてポートIDを格納する。例えば、ポートに障害が発生していない場合、第1振り分けテーブル330は、分散ID「0」、「3」、「6」に対応づけてポートID「3/1」を格納し、分散ID「1」、「4」、「7」に対応づけてポートID「4/1」を格納し、分散ID「2」、「5」に対応づけてポートID「5/1」を格納する。
【0067】
(フラッディング中継:ポートに障害が発生していない場合)
まず、フレームをフラッディングとして中継する場合について説明する。一例として、ポート10がフレームを受信した場合、ラインカード2が有する分散ID計算部300は、当該フレームに含まれるMACアドレスから分散IDを算出する。例えば、分散ID計算部300が算出した分散IDの値が「1」の場合、分散ID計算部300は、分散ID「1」をフレームに付加する。そして、ラインカード2が有する振り分けテーブル識別情報付加部305は、現在、ポートに障害が発生していないので、当該フレームに第1テーブル識別情報を付加する。
【0068】
第1テーブル識別情報が付加されたフレームを受け取ったラインカード2a乃至2cの送信側振り分けテーブルアクセス回路400はそれぞれ、第1振り分けテーブル330を参照する。図5B(a)に示す第1振り分けテーブル330の場合、分散ID「1」に対応するポートIDは「4/1」なので、ラインカード2bが有するポート17からフレームは送信される。
【0069】
(フラッディング中継:ポートに障害が発生した後の場合)
例えば、ポート17に障害が発生した場合、第2振り分けテーブル335は、分散ID「0」、「2」、「4」、「6」に対応づけてポートID「3/1」を格納し、分散ID「1」、「3」、「5」、「7」に対応づけてポートID「5/1」を格納する。すなわち、第2振り分けテーブル335は、障害が発生したポートに対応するポートIDを除くポートIDを格納する。
【0070】
そして、ポート10がフレームを受信した場合、ラインカード2が有する分散ID計算部300は、当該フレームに含まれるMACアドレスから分散IDを算出する。例えば、分散ID計算部300が算出した分散IDの値が「1」の場合、分散ID計算部300は、分散ID「1」をフレームに付加する。そして、ラインカード2が有する振り分けテーブル識別情報付加部305は、現在、ポートに障害が発生しているので、当該フレームに第2テーブル識別情報を付加する。
【0071】
第2テーブル識別情報が付加されたフレームを受け取ったラインカード2a乃至2cの送信側振り分けテーブルアクセス回路400はそれぞれ、第2振り分けテーブル335を参照する。図5B(b)に示す第1振り分けテーブル330の場合、分散ID「1」に対応するポートIDは「5/1」なので、ラインカード2cが有するポート18からフレームは送信される。
【0072】
そして、ポート17の障害が復旧した場合、ラインカード2が有する振り分けテーブル識別情報付加部305は、新たに受け取るフレームに第1テーブル識別情報を付加する。これにより、本実施の形態に係るスイッチングハブ1は、フレームを送信すべきポートを切り換える。
【0073】
(フォワーディング中継)
次に、フレームをフォワーディング中継する場合について説明する。一例として、ポート10がフレームを受信した場合、FDBアクセス回路310は、FDB315を参照し、受信したフレームに含まれるMACアドレスに対応づけてFDB315に格納されているポートID又はLAG IDを取得する。そして、FDBアクセス回路310は、取得したポートID又はLAG IDで識別されるポートを有するラインカード又はLAGにフレームを転送する。そして、フレームを受け取ったラインカードの送信側振り分けテーブルアクセス回路400は、受信ユニット30から受け取ったフレームを、当該フレームの内部ヘッダに格納されているポートID又はLAG IDで識別されるポート又はLAGから外部に送信させる。
【0074】
(実施の形態の効果)
本発明の実施の形態に係るスイッチングハブ1は、第1振り分けテーブル330及び第2振り分けテーブル335を予め有するラインカード2を備えているので、フレームを送信すべき送信ポートに故障等の障害が発生した後、若しくは現在用いている送信ポートを他の送信ポートに変更した後、当該送信ポートが復旧した場合、若しくは変更した他の送信ポートを変更前の送信ポートに戻す場合に、第1振り分けテーブル330から第2振り分けテーブル335へ、又は第2振り分けテーブル335から第1振り分けテーブル330へと用いるテーブルを切り換えるだけでフレームを送信すべき送信ポートを一斉に切り換えることができる。これにより、スイッチングハブ1は、送信ポートのいずれかに故障等の障害が発生した後、若しくは現在用いている送信ポートを他の送信ポートに変更した後、送信ポートの復旧時に、フレームのロスなくポートの切り替えをすることができる。
【0075】
また、本実施の形態に係るスイッチングハブ1は、送信すべきポートを一のポートから他のポートに手動で切り替える場合に、第1振り分けテーブル330から第2振り分けテーブル335へと用いるテーブルを切り換えることができるので、フレームをロスすることなくポートを切り換えることができる(すなわち、フレームロスなく縮退することができる)。これにより、スイッチングハブ1が備える複数のラインカードのうち、故障したラインカードを交換する場合においても、フレームをロスすることなくスムーズにラインカードの交換をすることができる。
【0076】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上記に記載した実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
【符号の説明】
【0077】
1 スイッチングハブ
2、2a、2b、2c、2n ラインカード
3 中継経路
4、4a、4n、5、5n、6、6n、7、8 伝送路
10、10a、10n、11、11n、12、12n ポート
13、13a、13b、14、14a、14b ポート
15、16、17、18 ポート
20 I/F回路
30 受信ユニット
40 送信ユニット
300 分散ID計算部
305 振り分けテーブル識別情報付加部
310 FDBアクセス回路
315 FDB
320 LAG振り分けテーブルアクセス回路
330 第1振り分けテーブル
332 LAG振り分けテーブル
335 第2振り分けテーブル
400 送信側振り分けテーブルアクセス回路
405 送信ポートビットマップ設定部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部からフレームを受信する受信ポート及び外部に前記フレームを送信する送信ポートとからなる複数のポートと、
前記複数のポートの受信ポートのいずれかが受信した前記フレームから分散IDを算出し、前記フレームに前記分散IDを付加する分散ID計算部と、
前記分散IDに対応づけて前記フレームを外部に向けて送信する送信ポートを識別するポートIDを格納する第1振り分けテーブルと、
前記第1振り分けテーブルとは異なる対応関係になるように前記分散IDに対応づけて前記ポートIDを格納する第2振り分けテーブルと、
前記第1振り分けテーブルを識別する第1テーブル識別情報、又は前記第2振り分けテーブルを識別する第2テーブル識別情報を前記フレームに付加する振り分けテーブル識別情報付加部と、
前記フレームに前記第1テーブル識別情報が付加されているとき、前記第1振り分けテーブルを参照し、前記フレームに前記第2テーブルが付加されているとき、前記第2振り分けテーブルを参照し、前記第1振り分けテーブル又は前記第2振り分けテーブルが前記フレームに付加された前記分散IDに対応づけて格納している前記ポートIDを取得する送信側振り分けテーブルアクセス部と
を備えるスイッチングハブ。
【請求項2】
前記複数のポートからLAG(Link Aggregation Group)が構成され、
前記第1振り分けテーブル及び前記第2振り分けテーブルは、前記分散IDに対応づけて前記LAGを構成するポートのポートIDを格納する
請求項1記載のスイッチングハブ。
【請求項3】
前記送信側振り分けテーブルアクセス部は、前記フレームをフラッディング中継の場合に、前記第1振り分けテーブル又は前記第2振り分けテーブルを参照する
請求項2記載のスイッチングハブ。
【請求項4】
複数のラインカードを備え、
各ラインカードは、外部からフレームを受信する受信ポート及び外部に前記フレームを送信する送信ポートとからなる複数のポートを備え、
前記複数のラインカードが備える複数のポートの中から選択された前記複数のポートから前記LAGが構成される
請求項3記載のスイッチングハブ。
【請求項5】
各ラインカードは、外部から前記フレームを受信する受信ユニットと、外部へ前記フレームを送信する送信ユニットを備え、
前記受信ユニットは、前記分散ID計算部と、前記振り分けテーブル識別情報付加部を備え、
前記送信ユニットは、前記第1振り分けテーブルと、前記第2振り分けテーブルと、前記送信側振り分けテーブルアクセス部とを備える
請求項4記載のスイッチングハブ。
【請求項6】
前記受信ユニットは、
MAC(Media Access Control)アドレスと、前記ポートID又は前記LAGを識別するLAG IDとを登録内容として格納するFDB(Forwarding Database)と、
前記FDBを宛先検索する機能を有するFDBアクセス回路と、
前記LAG IDと、前記分散IDと、前記ポートIDとを対応づけて格納するLAG振り分けテーブルと、
前記第LAG振り分けテーブルを参照し、前記FDBアクセス回路が検出したLAG IDと、前記フレームに付加された分散IDとに対応づけて格納している前記ポートIDを取得する受信側振り分けテーブルアクセス部とを備える
請求項5記載のスイッチングハブ。
【請求項7】
スイッチングハブが備えるラインカードであって、
外部からフレームを受信する受信ポート及び外部に前記フレームを送信する送信ポートとからなる複数のポートと、
前記複数のポートの受信ポートのいずれかが受信した前記フレームから分散IDを算出し、前記フレームに前記分散IDを付加する分散ID計算部と、
前記分散IDに対応づけて前記フレームを外部に向けて送信する送信ポートを識別するポートIDを格納する第1振り分けテーブルと、
前記第1振り分けテーブルとは異なる対応関係になるように前記分散IDに対応づけて前記ポートIDを格納する第2振り分けテーブルと、
前記第1振り分けテーブルを識別する第1テーブル識別情報、又は前記第2振り分けテーブルを識別する第2テーブル識別情報を前記フレームに付加する振り分けテーブル識別情報付加部と、
前記フレームに前記第1テーブル識別情報が付加されているとき、前記第1振り分けテーブルを参照し、前記フレームに前記第2テーブルが付加されているとき、前記第2振り分けテーブルを参照し、前記第1振り分けテーブル又は前記第2振り分けテーブルが前記フレームに付加された前記分散IDに対応づけて格納している前記ポートIDを取得する送信側振り分けテーブルアクセス部と
を有するラインカード。
【請求項8】
LAG(Link Aggregation Group)を構成するポートを備える
請求項7のラインカード。
【請求項9】
前記送信側振り分けテーブルアクセス部は、前記フレームをフラッディング中継の場合に、前記第1振り分けテーブル又は前記第2振り分けテーブルを参照する
請求項8記載のラインカード。
【請求項10】
外部から前記フレームを受信する受信ユニットと、外部へ前記フレームを送信する送信ユニットを備え、
前記受信ユニットは、前記分散ID計算部と、前記振り分けテーブル識別情報付加部を備え、
前記送信ユニットは、前記前記第1振り分けテーブルと、前記第2振り分けテーブルと、前記送信側振り分けテーブルアクセス部とを備える
請求項9記載のラインカード。
【請求項11】
前記受信ユニットは、
MAC(Media Access Control)アドレスと、前記ポートID又は前記LAGを識別するLAG IDとを登録内容として格納するFDB(Forwarding Database)と、
前記FDBを宛先検索する機能を有するFDBアクセス回路と、
前記LAG IDと、前記分散IDと、前記ポートIDとを対応づけて格納するLAG振り分けテーブルと、
前記第LAG振り分けテーブルを参照し、前記FDBアクセス回路が検出したLAG IDと、前記フレームに付加された分散IDとに対応づけて格納している前記ポートIDを取得する受信側振り分けテーブルアクセス部とを備える
請求項10記載のラインカード。
【請求項12】
外部からフレームを受信する複数の受信ポートのいずれかが受信した前記フレームから分散IDを算出し、前記フレームに前記分散IDを付加する分散ID計算段階と、
前記分散IDに対応づけて前記フレームを外部に向けて送信する送信ポートを識別するポートIDを格納する第1振り分けテーブルを識別する第1テーブル識別情報、又は前記第1振り分けテーブルとは異なる対応関係になるように前記分散IDに対応づけて前記ポートIDを格納する前記第2振り分けテーブルを識別する第2テーブル識別情報を前記フレームに付加する振り分けテーブル識別情報付加段階と、
前記フレームに前記第1テーブル識別情報が付加されているとき、前記第1振り分けテーブルを参照し、前記フレームに前記第2テーブルが付加されているとき、前記第2振り分けテーブルを参照し、前記第1振り分けテーブル又は前記第2振り分けテーブルが前記フレームに付加された前記分散IDに対応づけて格納している前記ポートIDを取得する送信側振り分けテーブルアクセス段階と
を備えるフレーム中継方法。
【請求項13】
前記複数のポートからLAG(Link Aggregation Group)が構成され、
前記第1振り分けテーブル及び前記第2振り分けテーブルは、前記分散IDに対応づけて前記LAGを構成するポートのポートIDを格納する
請求項12記載のフレーム中継方法。
【請求項14】
前記送信側振り分けテーブルアクセス段階は、前記フレームをフラッディング中継の場合に、前記第1振り分けテーブル又は前記第2振り分けテーブルを参照する
請求項13記載のフレーム中継方法。
【請求項15】
複数のラインカードを備え、各ラインカードは、外部からフレームを受信する受信ポート及び外部に前記フレームを送信する送信ポートとからなる複数のポートを備え、前記複数のラインカードが備える複数のポートの中から選択された前記複数のポートから前記LAGが構成されるスイッチングハブのフレーム中継方法である
請求項14のフレーム中継方法。
【請求項1】
外部からフレームを受信する受信ポート及び外部に前記フレームを送信する送信ポートとからなる複数のポートと、
前記複数のポートの受信ポートのいずれかが受信した前記フレームから分散IDを算出し、前記フレームに前記分散IDを付加する分散ID計算部と、
前記分散IDに対応づけて前記フレームを外部に向けて送信する送信ポートを識別するポートIDを格納する第1振り分けテーブルと、
前記第1振り分けテーブルとは異なる対応関係になるように前記分散IDに対応づけて前記ポートIDを格納する第2振り分けテーブルと、
前記第1振り分けテーブルを識別する第1テーブル識別情報、又は前記第2振り分けテーブルを識別する第2テーブル識別情報を前記フレームに付加する振り分けテーブル識別情報付加部と、
前記フレームに前記第1テーブル識別情報が付加されているとき、前記第1振り分けテーブルを参照し、前記フレームに前記第2テーブルが付加されているとき、前記第2振り分けテーブルを参照し、前記第1振り分けテーブル又は前記第2振り分けテーブルが前記フレームに付加された前記分散IDに対応づけて格納している前記ポートIDを取得する送信側振り分けテーブルアクセス部と
を備えるスイッチングハブ。
【請求項2】
前記複数のポートからLAG(Link Aggregation Group)が構成され、
前記第1振り分けテーブル及び前記第2振り分けテーブルは、前記分散IDに対応づけて前記LAGを構成するポートのポートIDを格納する
請求項1記載のスイッチングハブ。
【請求項3】
前記送信側振り分けテーブルアクセス部は、前記フレームをフラッディング中継の場合に、前記第1振り分けテーブル又は前記第2振り分けテーブルを参照する
請求項2記載のスイッチングハブ。
【請求項4】
複数のラインカードを備え、
各ラインカードは、外部からフレームを受信する受信ポート及び外部に前記フレームを送信する送信ポートとからなる複数のポートを備え、
前記複数のラインカードが備える複数のポートの中から選択された前記複数のポートから前記LAGが構成される
請求項3記載のスイッチングハブ。
【請求項5】
各ラインカードは、外部から前記フレームを受信する受信ユニットと、外部へ前記フレームを送信する送信ユニットを備え、
前記受信ユニットは、前記分散ID計算部と、前記振り分けテーブル識別情報付加部を備え、
前記送信ユニットは、前記第1振り分けテーブルと、前記第2振り分けテーブルと、前記送信側振り分けテーブルアクセス部とを備える
請求項4記載のスイッチングハブ。
【請求項6】
前記受信ユニットは、
MAC(Media Access Control)アドレスと、前記ポートID又は前記LAGを識別するLAG IDとを登録内容として格納するFDB(Forwarding Database)と、
前記FDBを宛先検索する機能を有するFDBアクセス回路と、
前記LAG IDと、前記分散IDと、前記ポートIDとを対応づけて格納するLAG振り分けテーブルと、
前記第LAG振り分けテーブルを参照し、前記FDBアクセス回路が検出したLAG IDと、前記フレームに付加された分散IDとに対応づけて格納している前記ポートIDを取得する受信側振り分けテーブルアクセス部とを備える
請求項5記載のスイッチングハブ。
【請求項7】
スイッチングハブが備えるラインカードであって、
外部からフレームを受信する受信ポート及び外部に前記フレームを送信する送信ポートとからなる複数のポートと、
前記複数のポートの受信ポートのいずれかが受信した前記フレームから分散IDを算出し、前記フレームに前記分散IDを付加する分散ID計算部と、
前記分散IDに対応づけて前記フレームを外部に向けて送信する送信ポートを識別するポートIDを格納する第1振り分けテーブルと、
前記第1振り分けテーブルとは異なる対応関係になるように前記分散IDに対応づけて前記ポートIDを格納する第2振り分けテーブルと、
前記第1振り分けテーブルを識別する第1テーブル識別情報、又は前記第2振り分けテーブルを識別する第2テーブル識別情報を前記フレームに付加する振り分けテーブル識別情報付加部と、
前記フレームに前記第1テーブル識別情報が付加されているとき、前記第1振り分けテーブルを参照し、前記フレームに前記第2テーブルが付加されているとき、前記第2振り分けテーブルを参照し、前記第1振り分けテーブル又は前記第2振り分けテーブルが前記フレームに付加された前記分散IDに対応づけて格納している前記ポートIDを取得する送信側振り分けテーブルアクセス部と
を有するラインカード。
【請求項8】
LAG(Link Aggregation Group)を構成するポートを備える
請求項7のラインカード。
【請求項9】
前記送信側振り分けテーブルアクセス部は、前記フレームをフラッディング中継の場合に、前記第1振り分けテーブル又は前記第2振り分けテーブルを参照する
請求項8記載のラインカード。
【請求項10】
外部から前記フレームを受信する受信ユニットと、外部へ前記フレームを送信する送信ユニットを備え、
前記受信ユニットは、前記分散ID計算部と、前記振り分けテーブル識別情報付加部を備え、
前記送信ユニットは、前記前記第1振り分けテーブルと、前記第2振り分けテーブルと、前記送信側振り分けテーブルアクセス部とを備える
請求項9記載のラインカード。
【請求項11】
前記受信ユニットは、
MAC(Media Access Control)アドレスと、前記ポートID又は前記LAGを識別するLAG IDとを登録内容として格納するFDB(Forwarding Database)と、
前記FDBを宛先検索する機能を有するFDBアクセス回路と、
前記LAG IDと、前記分散IDと、前記ポートIDとを対応づけて格納するLAG振り分けテーブルと、
前記第LAG振り分けテーブルを参照し、前記FDBアクセス回路が検出したLAG IDと、前記フレームに付加された分散IDとに対応づけて格納している前記ポートIDを取得する受信側振り分けテーブルアクセス部とを備える
請求項10記載のラインカード。
【請求項12】
外部からフレームを受信する複数の受信ポートのいずれかが受信した前記フレームから分散IDを算出し、前記フレームに前記分散IDを付加する分散ID計算段階と、
前記分散IDに対応づけて前記フレームを外部に向けて送信する送信ポートを識別するポートIDを格納する第1振り分けテーブルを識別する第1テーブル識別情報、又は前記第1振り分けテーブルとは異なる対応関係になるように前記分散IDに対応づけて前記ポートIDを格納する前記第2振り分けテーブルを識別する第2テーブル識別情報を前記フレームに付加する振り分けテーブル識別情報付加段階と、
前記フレームに前記第1テーブル識別情報が付加されているとき、前記第1振り分けテーブルを参照し、前記フレームに前記第2テーブルが付加されているとき、前記第2振り分けテーブルを参照し、前記第1振り分けテーブル又は前記第2振り分けテーブルが前記フレームに付加された前記分散IDに対応づけて格納している前記ポートIDを取得する送信側振り分けテーブルアクセス段階と
を備えるフレーム中継方法。
【請求項13】
前記複数のポートからLAG(Link Aggregation Group)が構成され、
前記第1振り分けテーブル及び前記第2振り分けテーブルは、前記分散IDに対応づけて前記LAGを構成するポートのポートIDを格納する
請求項12記載のフレーム中継方法。
【請求項14】
前記送信側振り分けテーブルアクセス段階は、前記フレームをフラッディング中継の場合に、前記第1振り分けテーブル又は前記第2振り分けテーブルを参照する
請求項13記載のフレーム中継方法。
【請求項15】
複数のラインカードを備え、各ラインカードは、外部からフレームを受信する受信ポート及び外部に前記フレームを送信する送信ポートとからなる複数のポートを備え、前記複数のラインカードが備える複数のポートの中から選択された前記複数のポートから前記LAGが構成されるスイッチングハブのフレーム中継方法である
請求項14のフレーム中継方法。
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【公開番号】特開2011−130155(P2011−130155A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−286319(P2009−286319)
【出願日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【出願人】(000005120)日立電線株式会社 (3,358)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【出願人】(000005120)日立電線株式会社 (3,358)
【Fターム(参考)】
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