説明

ステータスモニタシステム用PSK信号の光伝送ルート切替え方法と光ノード装置

【課題】光ノード装置における上り光送信器の異常を自動的に判別して、正常動作中の上り光送信器に自動的に切替え可能とする。
【解決手段】ヘッドエンドシステムAのセンターモデムから出力されるステータスモニタシステム用のFSK信号を光ノード装置B1〜Bnのステータスモニタユニットで受信し、ステータスモニタユニットから出力されるステータスモニタシステム用のPSK信号を、光ノード装置の前記二以上の上り光送信器のいずれか一つの上り光送信器のPSK信号伝送ルートで前記センターモデムに伝送するようにしたステータスモニタシステム用PSK信号の光伝送方法において、PSK信号を送る上り光送信器の動作を監視・判別し、その上り光送信器が異常動作と判別されると、光ノード装置の正常動作している上り光送信器に自動的に切替え、切替えた上り光送信器からの光伝送ルートでPSK信号を前記センターモデムに伝送するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はCATVシステムにおけるステータスモニタシステム用PSK信号の光伝送ルート切替え方法と、その方法を実施可能な光ノード装置に関する。
【背景技術】
【0002】
CATVシステムの一つに、図4のように、センターのヘッドエンドシステムAと光ノード装置Bの間の伝送路に、長距離伝送に適した光ファイバーケーブルを使用し、光ノード装置Bと端末間の伝送路に増幅・分配の簡便性をもつ同軸ケーブルを使用して、光・胴軸ハイブリッドシステムとしたHFC方式(Hybrid Fiber Coaxial方式)がある。この種のCATVシステムは通信の品質や速度向上のため、加入者数が数千世帯の大規模なセルを数百世帯単位の小規模なセルに分割している。近年、光ノード装置の1セルをさらに小セル化するシステムが主流になってきている。この小セル化システムを光ノード装置一台で実現するには、集合する上り回線を光ノード装置において入/出力端子ごとに分割し、分割された入/出力端子ごとに専用の上り光送信器を設け、それら上り光送信器でセンターのヘッドエンドシステムに送信する機能が必要となる。この場合、屋外の光ケーブルの余剰心線を利用して冗長システム化するか、WDM(Wavelength Division Multiplexing:波長分割多重)方式にするか様々であるが、一般的な例として、上り二分割の場合は図5の構成で、上り四分割の場合は図6の構成で実現している。
【0003】
図5に示す上り二分割の場合は、光ノード装置Bの入/出力端子IO1と入/出力端子IO2の上り回線を一組にして上り光送信器T1に、入/出力端子IO3と入/出力端子IO4の上り回線を一組にして上り光送信器T2に接続し、上り光送信器T1からヘッドエンドシステムAの上り光受信器R1に、上り光送信器T2からヘッドエンドシステムAの上り光受信器R2に光信号を伝送できるようにしてある。
【0004】
図6に示す上り四分割の場合は、光ノード装置Bの入/出力端子IO1〜IO4の上り回線の夫々を上り光送信器T1〜T4の夫々に接続し、上り光送信器T1〜T4の出力端を光ノード装置Bの波長多重フィルター(WDM)に接続し、その波長多重フィルター(WDM)からヘッドエンドシステムAの波長多重フィルター(WDM)に送出できるようにしてある。
【0005】
図5、図6のいずれの場合も、ヘッドエンドシステムAのセンターモデム(親機)Cから出力されるFSK信号(Frequency shift keying信号:周波数偏移変調信号)を、下り信号と共に下り光送信器DT1、DT2から光ノード装置Bの下り光受信器DR1、DR2に送信し、それら下り光受信器DR1、DR2からステータスモニタユニット(子機)Dに送信し、ステータスモニタユニットDから出力されるPSK信号(Phase shift keying信号:位相偏移変調信号)をいずれか一つの上り光送信器T1からヘッドエンドシステムAに送信している。
【0006】
図5、図6のように、上り回線を分割すると、上り光送信器の実装数が増えるが、PSK信号を二以上の上り光送信器から伝送すると、PSK信号がセンターのヘッドエンドシステムAで衝突してPSK信号の判別が困難になる。この衝突を回避するため、図5、図6ではPSK信号を伝送する光送信器を一つにしている。
【0007】
図5、図6において、PSK信号を送信している上り光送信器の異常監視・判別・制御はステータスモニタユニットDを利用して行う。しかし、異常が検知・判別されても、ステータスモニタユニットDからのPSK信号は、上り光送信器T1の伝送ルートでしかヘッドエンドシステムAに送信することができない。
【0008】
光ファイバーケーブルと同軸ケーブルを使用した光・胴軸ハイブリッド方式のCATVシステムとして特許文献1、2があるが、特許文献1は光ファイバ心数を増加させずに冗長構成を可能としたものであり、小セル化に関するものではない。特許文献2は既存のHFC方式のCATVシステムを有効活用しながら高速なデータ伝送を適宜タイミングで経済的に導入できるようにしたものであり、小セル化に関するものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2005−94310
【特許文献2】特開2003−9112
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
小セル化するために図5、図6のように上り回線を分割し、PSK信号を伝送する光送信器を一つにすると、その上り送信器T1に異常(故障)が発生するとステータスモニタシステムによる通信が遮断してしまう。この場合、異常箇所を判別するためには、光ノード装置Bが設置されている現場に出向いて異常を確認しなければならないため復旧までに時間がかかる。
【0011】
本発明の課題は、端末が小セル化されたCATVシステムにおいて、光ノード装置における上り光送信器の異常を自動的に判別して、ステータスモニタシステム用PSK信号の光伝送ルートを正常動作中の上り光送信器に自動的に切替え可能とし、異常と判別された上り光送信器を自動的に確認できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明のステータスモニタシステム用PSK信号の光伝送ルート切替え方法は、二以上のセルから一台の光ノード装置に集合する二以上の上り回線が二以上に分割され、分割回線ごとに上り光送信器が設けられ、それら上り光送信器により分割回線ごとの上り光信号がヘッドエンドシステムに伝送され、ヘッドエンドシステムのセンターモデムから出力されるステータスモニタシステム用のFSK信号を光ノード装置のステータスモニタユニットで受信し、ステータスモニタユニットから出力されるステータスモニタシステム用のPSK信号を、光ノード装置の前記二以上の上り光送信器のいずれか一つの上り光送信器のPSK信号伝送ルートで前記センターモデムに伝送するようにしたステータスモニタシステム用PSK信号の光伝送方法において、PSK信号を送る上り光送信器の動作を監視・判別し、その上り光送信器が異常動作と判別されると、光ノード装置の正常動作している他の上り光送信器に自動的に切替え、切替えた上り光送信器からの光伝送ルートで前記PSK信号を前記センターモデムに伝送するようにした方法である。
【0013】
本発明のステータスモニタシステム用PSK信号の光伝送ルート切替え方法は、前記切替え方法において、PSK信号を送信している上り光送信器の動作の監視・判別を、光ノード装置に設けた監視・判別装置又は光ノード装置のステータスモニタユニットで行うことができる。
【0014】
本発明のステータスモニタシステム用PSK信号の光伝送ルート切替え方法は、前記切替え方法において、光ノード装置における二以上の上り光送信器のうちいずれか一つの上り光送信器のPSK送信ルートからの出力(PSK信号)と、PSK信号を送信しない他の上り光送信器のPSK送信ルートからの出力(PSK信号なし)とを混合してセンターモデムに送信することにより、切替え後の上り光送信器から送信されるPSK信号がセンターモデムに自動的に出力されるようにすることができる。
【0015】
本発明のステータスモニタシステム用PSK信号の光伝送ルート切替え方法は、前記切替え方法において、一つのヘッドエンドシステムに二以上の光ノード装置が接続され、夫々の光ノード装置の二以上に分割された分割回線ごとに上り光送信器が設けられ、夫々の光ノード装置の二以上の上り光送信器のうちいずれか一つの上り光送信器のPSK送信ルートからの出力(PSK信号)と、PSK信号を送信しない他の上り光送信器のPSK送信ルートからの出力(PSK信号なし)を混合してセンターモデムに送信することにより、いずれかの光ノード装置においてPSK信号を送信する上り光送信器が切替えられると、切替え後の上り光送信器から送信されるPSK信号がセンターモデムに自動的に出力されるようにすることもできる。
【0016】
本発明の光ノード装置は、ヘッドエンドシステムのセンターモデムから出力されるステータスモニタシステム用のFSK信号を受信する下り光受信器と、ステータスモニタシステム用のPSK信号を出力するステータスモニタユニットと、光ノード装置の上り回線に入力される上り光信号をセンターモデムに送信する上り光送信器を備え、上り光送信器は二以上のセルから光ノード装置に集合する上り回線を二以上に分割した分割回線ごとに設けられ、それら上り光送信器には上り信号伝送ルートとPSK信号伝送ルートを備え、上り光送信器の上り信号伝送ルートにより分割回線ごとの上り光信号がヘッドエンドシステムに伝送され、前記二以上の上り光送信器のいずれか一つの上り光送信器の光伝送ルートを使用してPSK信号をヘッドエンドシステムに送信するようにした光ノード装置において、光ノード装置に、PSK信号を伝送中の上り光送信器の動作を監視してその上り光送信器の正常/異常動作を判別可能な監視・判別装置と、PSK信号を伝送する上り光送信器からの光伝送ルートを正常動作中の上り光送信器とそれに接続された光伝送ルートに切替え可能なPSK伝送ルート切替えスイッチと、前記監視・判別装置により異常と判別されると前記切替えスイッチを自動的に切替え操作可能な切替え制御部を備えたものである。この切替え制御部は光ノード装置に新規に設けることもできるが、前記ステータスモニタユニットを使用することもできる。
【0017】
本発明の光ノード装置は、前記光ノード装置において、光ノード装置における二以上の上り光送信器のうちいずれか一つの上り光送信器のPSK信号伝送ルートからの出力(PSK信号)と、PSK信号を送信しない他の上り光送信器のPSK信号伝送ルートからの出力(PSK信号なし)とを混合してセンターモデムに送信する混合器をヘッドエンドシステムに設けて、上り光送信器を切替えることにより新たな上り光送信器から送信されるPSK信号が混合器を介してセンターモデムに自動的に出力されるようにすることができる。
【0018】
本発明の光ノード装置は、前記光ノード装置において、ヘッドエンドシステムに二以上の光ノード装置が接続されている場合に、夫々の光ノード装置の二以上の分割回線ごとに上り光送信器が設けられ、夫々の光ノード装置における二以上の上り光送信器のうちいずれか一つの上り光送信器のPSK信号伝送ルートからの出力(PSK信号)と、他の上り光送信器のPSK信号伝送ルートからの出力(PSK信号なし)とを混合してセンターモデムに送信する混合器をヘッドエンドシステムに設けて、いずれかの光ノード装置においてPSK信号を送信する上り光送信器が切替えられると、切替え後の上り光送信器から送信されるPSK信号が混合器を介してセンターモデムに自動的に出力されるようにすることもできる。
【発明の効果】
【0019】
本発明のステータスモニタシステム用PSK信号の伝送ルート切替え方法は次のような効果がある。
1.PSK信号を伝送している上り光送信器が故障しても、正常動作中の上り光送信器に自動的に切替わるので、ステータスモニタシステムの通信が遮断することがない。
2.光ノード装置の二以上の上り光送信器の光ノード装置における二以上の上り光送信器のうちいずれか一つの上り光送信器のPSK信号伝送ルートからの出力(PSK信号)と、PSK信号を送信しない他の上り光送信器のPSK信号伝送ルートからの出力(PSK信号なし)とを混合してセンターモデムに入力するので、異常動作した上り光送信器から正常動作している上り光送信器に自動的に切替えると、PSK信号が、切替えられた上り光送信器のPSK信号伝送ルートを通じてセンターモデムに自動的に伝送されるのでPSK信号が遮断することがない。また、光ノード装置のPSK信号伝送ルートを確認することができるので、故障した上り光送信器を自動的に特定できるので復旧作業を迅速に行うことができる。
3.二以上の光ノード装置の夫々における二以上の上り送信器のうちいずれか一つの上り光送信器のPSK信号伝送ルートからの出力(PSK信号)と、PSK信号を送信しない他の上り光送信器のPSK信号伝送ルートからの出力(PSK信号なし)とを混合してセンターモデムに入力するので、CATVシステムが小セル化されて、一つのヘッドエンドシステムに二以上の光ノード装置が接続されても異常発生ルートを自動的に特定でき、復旧作業を迅速に行うことができる。
【0020】
本発明の光ノード装置は次のような効果がある。
1.光ノード装置がPSK信号伝送中の上り送信器の正常動作/異常動作を判別可能な監視・判別部と、監視・判別部により異常と判別されるとPSK信号を伝送する上り光送信器及びそれに接続された光伝送ルートを、正常動作中の上り光送信器及び光伝送ルートに自動的に切り替え可能なPSK伝送ルート切替えスイッチを設けたので、PSK信号を伝送している上り光送信器の故障時に自動的に切替えることができ、ステータスモニタシステムの通信が遮断することがなく、また、異常箇所の特定が容易になる。
2.PSK信号を伝送中の上り光送信器に異常が発生すると、光ノード装置のステータスモニタユニットによりPSK信号伝送ルート切替えスイッチを制御して、正常動作中の上り光送信器及び光伝送ルートに自動的に切替えできるので、PSK信号を伝送している上り光送信器が故障してもステータスモニタシステムの通信が遮断することがない。また、異常箇所の特定が容易にできる。
3.二以上の光ノード装置の夫々における二以上の上り送信器からの出力をヘッドエンドシステムの混合器で混合してセンターモデムに入力できるので、CATVシステムが小セル化されて、一つのヘッドエンドシステムに二以上の光ノード装置が接続されても、二以上の光ノード装置のどのPSK信号伝送ルートに異常発生したかを自動的に特定でき、復旧作業を迅速に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明のステータスモニタシステム用PSK信号の光伝送ルート切替え装置の一例を示す説明図。
【図2】図1に示す光ノード装置であって、PSK信号伝送ルート判別/制御部を備え場合の一例を示す説明図。
【図3】図1に示す光ノード装置であって、PSK信号伝送ルートの判別/制御をスタータスモニタユニットで行う場合の一例を示す説明図。
【図4】従来のCATVシステムの光伝送ルート構成の一例を示す説明図。
【図5】従来のCATVシステムの光伝送ルート構成の一例であって、二分割小セル化の場合の説明図。
【図6】従来のCATVシステムの光伝送ルート構成の一例であって、四分割小セル化の場合の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
(実施形態)
本発明のステータスモニタシステム用PSK信号の光伝送ルート切替え方法と光ノード装置の一実施形態を以下に説明する。図1に示すものは一つのヘッドエンドシステムAに二以上の光ノード装置Bが接続されたものである。光ノード装置Bは一又は二以上(n個)とすることができる。図2は光ノード装置Bの一例であり、上り回線の分割数が二つの場合(入/出力端子IO1とIO2を一組、IO3とIO4を一組にして分割した二分配の場合)である。
【0023】
(光ノード装置1)
図1の光ノード装置B1、・・・、Bnは、図2のように、入/出力端子IO1とIO2からの信号を一組にして伝送する上り光送信器1a、入/出力端子IO3とIO4からの信号を一組にして伝送する上り光送信器1b、ステータスモニタユニット(子機)D、PSK信号伝送ルート切替えスイッチ2、PSK信号伝送ルート判別/制御部3、センターモデムC(図1)から伝送される下り信号及びFSK信号を受信する下り光受信器4a、4b、RFスイッチ(RFSW)5を備えている。上り光送信器1a、1bの夫々はPSK信号伝送ルート6a、6bと上り信号伝送回線7a、7bを備えている。
【0024】
図2のステータスモニタユニットDは既存のステータスモニタユニットと同様の機能を備えており、センターモデムC(図1)から伝送されるFSK信号を受信して処理し、PSK信号を出力することができる。図2のPSK信号伝送ルート切替えスイッチ2は上り光送信器1a、1bを選択して切替えるものであり、そのスイッチ2には電子的に切替え可能なスイッチング素子(高周波スイッチ)や機械的に切替え可能な高周波リレーなどが使用される。図2のPSK信号伝送ルート判別/制御部3は、PSK信号伝送中の上り光送信器1aの動作が正常であるか異常であるかを判別し、異常であると判別するとPSK信号伝送ルート切替えスイッチ2を切替え制御して、PSK信号伝送ルートを異常動作の上り光送信器1aのPSK信号伝送ルート(実線で示すPSK信号伝送ルート6a)から正常動作の上り光送信器1bのPSK信号伝送ルート(仮想線で示すPSK信号伝送ルート6b)に切替えるものである。図2のPSK信号伝送ルート判別/制御部3にはCPUを使用することができる。PSK信号伝送ルート判別/制御部3は判別部と制御部に分けることもできる。
【0025】
(ヘッドエンドシステム)
図1のヘッドエンドシステムAはステータスモニタシステムのセンターモデムC、分配器10、光ノード装置B1用下り光送信器11a、11b、光ノード装置Bn用下り光送信器12a、12b、光ノード装置B1用上り光受信器13a、13b、光ノード装置Bn用上り光受信器14a、14b、混合器15を備えている。
【0026】
図1の分配器10はセンターモデム(親機)CからのFSK信号を前記下り光送信器11a、11b、12a、12bに分配するものである。
【0027】
前記混合器15は光ノード装置B1における上り光送信器1a(図1)のPSK信号伝送ルートから送信されてヘッドエンドシステムAの光ノード装置B1用上り光受信器13aで受信した出力(PSK信号あり)と、上り光送信器1b(図1)のPSK信号伝送ルートから送信されてヘッドエンドシステムAの光ノード装置B1用上り光受信器13bで受信した出力(PSK信号なし)を混合すると共に、光ノード装置Bnにおける上り光送信器のPSK信号伝送ルートから送信されてヘッドエンドシステムAの光ノード装置Bn用上り光受信器14aで受信した出力(PSK信号あり)と、上り光送信器のPSK信号伝送ルートから送信されてヘッドエンドシステムAの光ノード装置Bn用上り光受信器14bで受信した出力(PSK信号なし)を混合して、センターモデムCに送信するものである。
【0028】
センターモデム(親機)CはFSK信号を出力でき、混合器15からの信号が、光ノード装置B1、Bnにおけるどの上り光送信器から送信されたものであるかを判別することができる。
【0029】
(光ノード装置2)
図3の光ノード装置は、PSK信号を伝送中の上り光送信器の異常判別と、そのPSK信号伝送ルート切替えスイッチ2の切替え制御を、ステータスモニタユニットDで行うようにしたものである。このため図3では上り光送信器1a、1bから出力される状態監視信号をステータスモニタユニットDに出力し、その監視信号に基づいて夫々の上り光送信器1a、1bの動作状態を監視して異常動作と正常動作を判別し、異常と判別されると、PSK信号伝送ルート切替えスイッチ2を切替え操作して、正常動作中の上り光送信器のPSK信号伝送ルートでPSK信号を伝送できるようにしてある。
【符号の説明】
【0030】
1a、1b 上り光送信器
2 PSK信号伝送ルート切替えスイッチ
3 PSK信号伝送ルート判別/制御部
4a、4b 下り光受信器
5 RFスイッチ(RFSW)
6a、6b PSK信号伝送ルート
7a、7b 上り信号伝送回線
10 分配器
11a、11b 光ノード装置B1用下り光送信器
12a、12b 光ノード装置Bn用下り光送信器
13a、13b 光ノード装置B1用上り光受信器
14a、14b 光ノード装置Bn用上り光受信器
15 混合器
A ヘッドエンドシステム
B1、・・・、Bn 光ノード装置
C センターモデム(親機)
D ステータスモニタユニット(子機)
DR1、DR2 下り光受信器
DT1、DT2 下り光送信器
IO1、IO2、IO3、IO4 入/出力端子
R1〜R4 上り光受信器
T1〜T4 上り光受信器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
二以上のセルから一台の光ノード装置に集合する二以上の上り回線が二以上に分割され、分割回線ごとに上り光送信器が設けられ、それら上り光送信器により分割回線ごとの上り光信号がヘッドエンドシステムに伝送され、ヘッドエンドシステムのセンターモデムから出力されるステータスモニタシステム用のFSK信号を光ノード装置のステータスモニタユニットで受信し、ステータスモニタユニットから出力されるステータスモニタシステム用のPSK信号を、光ノード装置の前記二以上の上り光送信器のいずれか一つの上り光送信器のPSK信号伝送ルートで前記センターモデムに伝送するようにしたステータスモニタシステム用PSK信号の光伝送方法において、PSK信号を送る上り光送信器の動作を監視・判別し、その上り光送信器が異常動作と判別されると、光ノード装置の正常動作している他の上り光送信器に自動的に切替え、切替えた上り光送信器からの光伝送ルートで前記PSK信号を前記センターモデムに伝送するようにしたことを特徴とするステータスモニタシステム用PSK信号の光伝送ルート切替え方法。
【請求項2】
請求項1記載のステータスモニタシステム用PSK信号の光伝送ルート切替え方法において、PSK信号を送信している上り光送信器の動作の監視・判別を、光ノード装置に設けた監視・判別装置又は光ノード装置のステータスモニタユニットで行うことができるようにしたことを特徴とするステータスモニタシステム用PSK信号の光伝送ルート切替え方法。
【請求項3】
請求項1記載のステータスモニタシステム用PSK信号の光伝送ルート切替え方法において、光ノード装置における二以上の上り光送信器のうちいずれか一つの上り光送信器のPSK送信ルートからの出力(PSK信号)と、PSK信号を送信しない他の上り光送信器のPSK送信ルートからの出力(PSK信号なし)とを混合してセンターモデムに送信することにより、切替え後の上り光送信器から送信されるPSK信号がセンターモデムに自動的に出力されるようにすることができるようにしたことを特徴とするステータスモニタシステム用PSK信号の光伝送ルート切替え方法。
【請求項4】
請求項1記載のステータスモニタシステム用PSK信号の光伝送ルート切替え方法において、一つのヘッドエンドシステムに二以上の光ノード装置が接続され、夫々の光ノード装置の二以上に分割された分割回線ごとに上り光送信器が設けられ、夫々の光ノード装置の二以上の上り光送信器のうちいずれか一つの上り光送信器のPSK送信ルートからの出力(PSK信号)と、PSK信号を送信しない他の上り光送信器のPSK送信ルートからの出力(PSK信号なし)を混合してセンターモデムに送信することにより、いずれかの光ノード装置においてPSK信号を送信する上り光送信器が切替えられると、切替え後の上り光送信器から送信されるPSK信号がセンターモデムに自動的に出力されるようにしたことを特徴とするステータスモニタシステム用PSK信号の光伝送ルート切替え方法。
【請求項5】
ヘッドエンドシステムのセンターモデムから出力されるステータスモニタシステム用のFSK信号を受信する下り光受信器と、ステータスモニタシステム用のPSK信号を出力するステータスモニタユニットと、光ノード装置の上り回線に入力される上り光信号をセンターモデムに送信する上り光送信器を備え、上り光送信器は二以上のセルから光ノード装置に集合する上り回線を二以上に分割した分割回線ごとに設けられ、それら上り光送信器には上り信号伝送ルートとPSK信号伝送ルートを備え、上り光送信器の上り信号伝送ルートにより分割回線ごとの上り光信号がヘッドエンドシステムに伝送され、前記二以上の上り光送信器のいずれか一つの上り光送信器の光伝送ルートを使用してPSK信号をヘッドエンドシステムに送信するようにした光ノード装置において、光ノード装置に、PSK信号を伝送中の上り光送信器の動作を監視してその上り光送信器の正常/異常動作を判別可能な監視・判別装置と、PSK信号を伝送する上り光送信器からの光伝送ルートを正常動作中の上り光送信器とそれに接続された光伝送ルートに切替え可能なPSK伝送ルート切替えスイッチと、前記監視・判別装置により異常と判別されると前記切替えスイッチを自動的に切替え操作可能な切替え制御部を備えたことを特徴する光ノード装置。
【請求項6】
請求項5記載の光ノード装置において、光ノード装置における二以上の上り光送信器のうちいずれか一つの上り光送信器のPSK信号伝送ルートからの出力(PSK信号)と、PSK信号を送信しない他の上り光送信器のPSK信号伝送ルートからの出力(PSK信号なし)とを混合してセンターモデムに送信する混合器をヘッドエンドシステムに設けて、上り光送信器を切替えることにより新たな上り光送信器から送信されるPSK信号が混合器を介してセンターモデムに自動的に出力されるようにしたことを特徴する光ノード装置。
【請求項7】
請求項5記載の光ノード装置において、ヘッドエンドシステムに二以上の光ノード装置が接続されている場合に、夫々の光ノード装置の二以上の分割回線ごとに上り光送信器が設けられ、夫々の光ノード装置における二以上の上り光送信器のうちいずれか一つの上り光送信器のPSK信号伝送ルートからの出力(PSK信号)と、他の上り光送信器のPSK信号伝送ルートからの出力(PSK信号なし)とを混合してセンターモデムに送信する混合器をヘッドエンドシステムに設けて、いずれかの光ノード装置においてPSK信号を送信する上り光送信器が切替えられると、切替え後の上り光送信器から送信されるPSK信号が混合器を介してセンターモデムに自動的に出力されるようにしたことを特徴する光ノード装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2012−138755(P2012−138755A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−289727(P2010−289727)
【出願日】平成22年12月27日(2010.12.27)
【特許番号】特許第4975862号(P4975862)
【特許公報発行日】平成24年7月11日(2012.7.11)
【出願人】(000114226)ミハル通信株式会社 (38)
【出願人】(000005290)古河電気工業株式会社 (4,457)
【Fターム(参考)】