スプリンクラー消火配管
【課題】 天井ボードの点検口などを利用して分水ヘッダや巻出し管を天井裏空間に搬入することができるようにして、スプリンクラー消火配管を、熱融着を行うことなく施工することができるようにする。
【解決手段】 分水ヘッダ2の分岐口21を金属製の雌型ねじ込み口部26によって形成する。巻出し管3は、金属管31の始端部に金属製の雄型ねじ込み口部32を有し、金属管31の終端部に雌型ねじ込み口部33を有する。巻出し管3を形成している金属管31が、アルミニウム管71の内外面に樹脂ライニング層72,73を備える。巻出し管3の始端部の雄型ねじ込み口部32が、回転自在なねじ付き筒部35を有する。分水ヘッダ2を、複数の多口継手22を利用して組み立てる。
【解決手段】 分水ヘッダ2の分岐口21を金属製の雌型ねじ込み口部26によって形成する。巻出し管3は、金属管31の始端部に金属製の雄型ねじ込み口部32を有し、金属管31の終端部に雌型ねじ込み口部33を有する。巻出し管3を形成している金属管31が、アルミニウム管71の内外面に樹脂ライニング層72,73を備える。巻出し管3の始端部の雄型ねじ込み口部32が、回転自在なねじ付き筒部35を有する。分水ヘッダ2を、複数の多口継手22を利用して組み立てる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スプリンクラー消火配管、特に、既設建物などの中規模施設の天井裏空間への施工を容易にするための対策が講じられたスプリンクラー消火配管に関する。
【背景技術】
【0002】
図13はスプリンクラー消火配管の従来例を説明的に示した平面図である。同図のスプリンクラー消火配管は、主に大型マンションや大型店舗などの新築時に設置するのに適している。このスプリンクラー消火配管は、建物の天井裏空間に設置されている主配管1と、この主配管1に接続されている分水ヘッダ2と、この分水ヘッダ2の複数の分岐口21に接続された巻出し管3と、この巻出し管3の先端部に装備されたスプリンクラーヘッド4とを備えている。そして、上記主配管1は金属製の給水管によって構成されている。
【0003】
図14は従来例によるスプリンクラー消火配管の分水ヘッダの分岐口21と巻出し管3との接続部構造を示し、図15は同スプリンクラー消火配管の巻出し管3とスプリンクラーヘッド4との接続部構造を示している。
【0004】
図14に示した分水ヘッダの分岐口21はポリエチレン製の短い樹脂管によって形成されている。そして、分岐口21を形成している樹脂管と可撓性を有するポリエチレン樹脂チューブでなる巻出し管3の始端部とが、ポリエチレン製のソケット型熱融着継手5に差し込まれて熱融着されている。51は熱融着継手5に備わっている発熱線を示している。また、図15に示したように、スプリンクラーヘッド4は、ヘッド接続継手6に備わっている金属製の雌型ねじ込み口部61にねじ込み接続されているのに対し、ポリエチレン樹脂チューブでなる巻出し管3の終端部が、上記ヘッド接続継手6に備わっているポリエチレン製の雌型口部62に差し込まれて、その雌型口部62に熱融着されている。63は雌型口部62に備わっている発熱線を示している。
【0005】
図13〜図15を参照して説明したように、従来例によるスプリンクラー消火配管では、分水ヘッダ2や巻出し管3が樹脂製であり、分水ヘッダ2の分岐口21と巻出し管3の始端部とが樹脂製の熱融着継手5を用いて熱融着で接続されている。しかも、スプリンクラーヘッド4が装着されたヘッド接続継手6と巻出し管3の終端部とが、ヘッド接続継手6のポリエチレン製の雌型口部62に熱融着で接続されている。
【0006】
ところで、建物にスプリンクラー消火配管を施工するに当たって、上記した熱融着継手5やヘッド接続継手6の雌型口部62の発熱線51,63に電圧を印加して接続箇所を溶融させるという作業を天井部分の施工現場で実施することには、熱融着のための設備面や作業スペースなどの諸事情を勘案すると多大な困難が伴う。
【0007】
そこで、一般的には、熱融着作業を工場で行うことによって、分水ヘッダ2と巻出し管3とスプリンクラーヘッド4とをあらかじめ工場で組み立てておき、そのように組み立てられたもの(以下「消火配管セット」という)を施工現場へ運び込んだ後、分水ヘッダ2を主配管1に接続したり、分水ヘッダ2から延び出たそれぞれの巻出し管3…を所定の方向に引き回してスプリンクラーヘッド4をその設置箇所に取り付けるということが行われていた。そして、この施工方法を採用すると、施工作業が簡単になり、施工ミスも少なくなるとされている。
【0008】
先行例でも、図14及び図15を参照して説明した熱融着構造を採用したスプリンクラー消火配管についての記述がある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特許第3101912号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
図13〜図15を参照して説明した従来例によるスプリンクラー消火配管では、始端部と終端部とが分水ヘッダ2の分岐口21とスプリンクラーヘッド4とにそれぞれ接続されている複数本の巻出し管3…の長さが長くなっている。特に、大型マンションや大型店舗などに設置されるスプリンクラー消火配管では、その巻出し管3の長さが長いため、施工現場に搬入するときには、複数本の巻出し管3…をループ状に巻回して束ねた状態で搬入するということが行われる。
【0011】
しかしながら、巻出し管3をループ状に巻回して束ねたとしても、束ねられた巻出し管3の直径は、巻出し管3の特性上、1m程度あるいはそれ以上になることが避けられないので、施工現場へは大形の消火配管セットを搬入せざるを得ない。そのため、そのような大形の消火配管セットを、既設の天井ボードに形成されている点検口などを利用して天井裏空間に運び込むことは不可能であるので、上記した消火配管セットを施工現場に搬入して施工するという施工方法は、施工現場で熱融着作業を行う必要がなくなるものの、大型マンションや大型店舗などの新築時、言い換えると、天井ボードが未設の段階の建物においてのみ採用し得る工法であって、既設の建物の天井ボードの点検口などを利用してスプリンクラー消火配管を施工することに適した工法であるとはいえない。また巻回して束ねられた巻出し管3には巻き癖が残ることが多いので、そのことが、スプリンクラーヘッド4をその設置箇所に配備することを困難にすることがあるという不都合もある。
【0012】
そこで、本願発明者は、分水ヘッダを従来例の樹脂製から金属製に置き換え、そのような金属製の分水ヘッダの分岐口に、巻出し管の始端部をねじ込み接続することができ、かつ、その巻出し管の終端部にスプリンクラーヘッドをねじ込み接続することができるようにすると、分水ヘッダや巻出し管を、既設の建物の天井ボードの点検口などを利用して天井裏空間の施工現場に搬入した後、天井裏部分にスプリンクラー消火配管を施工することができるようになって、施工現場で熱融着作業を行う必要がなくなる、ということを見出し、本発明を完成するに至った。
【0013】
したがって、本発明は、既設の建物の天井ボードの点検口などを利用して分水ヘッダや巻出し管を天井裏空間などの施工現場に搬入することができるようにし、もって、スプリンクラー消火配管を、熱融着を行うことなく施工することに適するスプリンクラー消火配管を提供することを目的としている。
【0014】
また、本発明は、既存の多口継手を組み合わせて分水ヘッダを組み立てることができるようにして、天井ボードの点検口などを利用して天井裏空間などの施工現場に分水ヘッダを搬入しやすくし、もって、天井ボードの点検口などを利用してスプリンクラー消火配管を施工することに適するスプリンクラー消火配管を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明に係るスプリンクラー消火配管は、主配管としての金属製の給水管に接続される分水ヘッダと、この分水ヘッダの分岐口に始端部が接続される巻出し管と、この巻出し管の終端部に装備されるスプリンクラーヘッドと、からなる。そして、上記分水ヘッダの分岐口が金属製の雌型ねじ込み口部によって形成され、上記巻出し管は、折曲げ加工が可能で自己保形性を有する金属管の始端部に、分水ヘッダの上記雌型ねじ込み口部に接続可能な金属製の雄型ねじ込み口部が具備され、かつ、上記金属管の終端部に、上記スプリンクラーヘッドの金属製の雄型ねじ込み口部を接続可能な金属製の雌型ねじ込み口部が具備されている。
【0016】
この構成を備えたスプリンクラー消火配管は、天井ボードが未設の建物の新築時にスプリンクラー消火配管を施工するのに用い得ることは勿論、既設の建物の天井ボードの点検口などを利用して狭い天井裏空間の施工現場に、分水ヘッダやスプリンクラーヘッドが装着された巻出し管を、個別に、容易に搬入することが可能である。また、施工現場に搬入した分水ヘッダを主配管に接続したり、分水ヘッダの分岐口を形成している金属製の雌型ねじ込み口部に巻出し管の始端部(巻出し管を形成している金属管の始端部)の雄型ねじ込み口部をねじ込み接続したり、巻出し管の金属管を、その曲り特性や自己保形性を利用して作業者が人力で折り曲げてスプリンクラーヘッドをその設置箇所に配置する、といった作業を容易に行うことが可能になる。したがって、既設の建物の天井ボードの点検口などを利用してスプリンクラー消火配管を施工することに特に適するスプリンクラー消火配管を提供することが可能になる。
【0017】
本発明では、巻出し管を形成している上記金属管が、アルミニウム管の内外面に樹脂ライニング層を備えていることが望ましい。ここで、金属管の内面側の樹脂ライニング層は架橋ポリエチレン層であることが望ましく、また、外面側の樹脂ライニング層は架橋又は非架橋のポリエチレン層であることが望ましい。金属管がこの構成を有していると、巻出し管の軽量化を促進しやすく、耐薬品性を向上させやすく、アルミニウム管の曲り性や自己保形性がライニング層によって阻害されにくいという利点がある。
【0018】
本発明では、巻出し管の始端部に具備されている雄型ねじ込み口部が、上記金属管の始端部に固着された筒状コアと、この筒状コアに回転自在に取り付けられて分水ヘッダの上記雌型ねじ込み口部にねじ込み接続可能なねじ付き筒部と、を有することが望ましい。この構成であると、筒状コアに対するねじ付き筒部の回転特性が、当該雄型ねじ込み口部を分水ヘッダの分岐口を形成している雌型ねじ込み口部に無理なく接続することに役立つので、接続箇所に残留応力を生じさせることなく両者を接続することが可能になる。また、スプリンクラーヘッドの設置箇所の微調整を上記ねじ付き筒部の回転特性を利用して行えるようになるという利点もある。
【0019】
本発明において、上記分水ヘッダは、上記主配管に接続される胴体部の複数箇所に分岐口を形成している上記雌型ねじ込み口部を備えていると共に、上記胴体部が、複数の多口継手を軸線方向に接続することにより形作られる筒体によって形成され、かつ、それぞれの上記多口継手の余剰の接続口が、分岐口としての上記雌型ねじ込み口部を形成している、という構成を採用することが可能である。分水ヘッダにこの構成を採用すると、多口継手として十字型継手(クロス)やT字形継手(チーズ)を利用したり、さらには、タコ足配管用の多口継手(1つの入口と放射状に並んだ複数の分岐口とを有する多口継手)を利用したりすることが可能になる。そのため、個々の多口継手を天井ボードの点検口を利用して天井裏空間に搬入した後、天井裏空間の施工現場でそれらの多口継手を接続する、という手順で分水ヘッダを組み立てることができるようになるという利便性が生じる。
【0020】
上記のように分水ヘッダを複数の多口継手によって組み立てられる構成を採用する場合には、上記筒体を形成している複数の多口継手同士が、両端に雄ねじを有する中間継手を介して接続され、かつ、その筒体の端部に位置する終端多口継手に装着された盲蓋によって当該筒体の内部通路が閉塞されているものであってもよい。
【発明の効果】
【0021】
以上のように、本発明によると、天井ボードが未設の建物の新築時は勿論、天井ボードを装備している既設の建物であっても、その天井ボードの点検口などを利用して天井裏空間の施工現場に分水ヘッダや巻出し管を個別に搬入し、搬入後に施工現場で、それらを組み立てたり、スプリンクラーヘッドを設置箇所に配備したりする、という手順を採用してスプリンクラー消火配管を設置することが可能である。そのため、狭い天井裏空間の施工現場で熱融着を行う必要がなくなり、雄型ねじ込み口部と雌型ねじ込み口部との相互のねじ込み作業を行うだけでスプリンクラー消火配管を施工することができるという利便性が生じる。このようなスプリンクラー消火配管は、たとえば老人介護施設などのスプリンクラー消火配管が未設の既設建物に、事後的にスプリンクラー消火配管を設置するという場合に、建物の大規模な改築や修繕を伴うことなくスプリンクラー消火配管を安価に設置することが可能になるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施形態に係るスプリンクラー消火配管を説明的に示した概略平面図である。
【図2】分水ヘッダの平面図である。
【図3】分水ヘッダに用いられる中間継手や盲蓋を示した一部破断平面図である。
【図4】巻出し管を一部省略して示した側面図である。
【図5】巻出し管の始端部の構成を示した一部破断側面図である。
【図6】巻出し管の終端部の構成を示した一部破断側面図である。
【図7】巻出し管の主要部材である金属管の正面図である。
【図8】本発明の他の実施形態に係るスプリンクラー消火配管を説明的に示した概略平面図である。
【図9】他の実施形態に係る巻出し管を一部省略して示した側面図である。
【図10】他の実施形態に係る巻出し管の始端部の構成を示した一部破断側面図である。
【図11】他の実施形態に係る巻出し管の終端部の構成を示した一部破断側面図である。
【図12】分水ヘッダの変形例を示した平面図である。
【図13】従来例によるスプリンクラー消火配管を説明的に示した平面図である。
【図14】従来例によるスプリンクラー消火配管の分水ヘッダの分岐口と巻出し管との接続部構造の水平断面図である。
【図15】従来例によるスプリンクラー消火配管の巻出し管とスプリンクラーヘッドとの接続部構造の垂直断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は本発明の実施形態に係るスプリンクラー消火配管を説明的に示した概略平面図、図2は分水ヘッダの平面図、図3は分水ヘッダに用いられる継手や盲蓋を示した一部破断平面図である。
【0024】
図1に例示したスプリンクラー消火配管は、主配管1としての金属製の給水管に接続される分水ヘッダ2と、この分水ヘッダ2の分岐口21に始端部が接続された巻出し管3と、この巻出し管3の終端部に装備されたスプリンクラーヘッド4とを備えている。
【0025】
分水ヘッダ2は、図2に示されている複数個の多口継手22と、図3に示されている接続用の中間継手23と、盲蓋24と、を組み合わせることによって組み立てられている。図1に示した多口継手22にはT字形継手(チーズ)が利用されていて、内部通路によって形成されるまっすぐな主通路を形成している一対の雌ねじ付き口部25,25と、上記主通路に直角に交差する分岐通路を形成している1つの雌ねじ付き口部とを有し、分岐通路を形成している雌ねじ付き口部が雌型ねじ込み口部26を形成している。また、図3に示された中間継手23は、一端側及び他端側にそれぞれ雄ねじ付き口部27,27を有し、図3に示された盲蓋24は雄ねじ付き口部28を有している。そして、図2のように複数の多口継手22…の雌ねじ付き口部25同士が図3の中間継手23…を介して軸線方向に接続されている。また、軸線方向に接続された複数の多口継手22…によって形作られている筒体の端部に位置している終端多口継手22に図3の盲蓋24が装着されている。なお、相隣接する多口継手22,22の主通路同士の接続は、一方側の及び他方側の多口継手22,22のそれぞれの雌ねじ付き口部25,25を、中間継手23の片側及び他側の雄ねじ付き口部27,27に各別にねじ込み接続することによって行われる。また、盲蓋24は、その雄ねじ付き口部28を終端多口継手22の雌ねじ付き口部25にねじ込み接続することによって行われる。
【0026】
複数の多口継手22…を中間継手23と盲蓋24とを用いて図2のように組み立てることによって形成された分水ヘッダ2は、複数の多口継手22を軸線方向に接続することによって形作られた上記筒体でなる胴体部210と、多口継手22の分岐側の雌型ねじ込み口部26により形成されて上記胴体部210の軸線方向複数箇所に具備された分岐口21とを有している。そして、胴体部210の一端に位置している多口継手22の雌ねじ付き口部25が、図1に示した金属製の主配管1に接続される雌型ねじ込み口部29としての機能を有している。
【0027】
図4は巻出し管3を一部省略して示した側面図である。同図のように、巻出し管3は、金属管31と、この金属管31の始端部に設けられた雄型ねじ込み口部32と、金属管31の終端部に設けられた雌型ねじ込み口部33とを備えている。
【0028】
図5は巻出し管3の始端部の構成を示した一部破断側面図、図6は巻出し管3の終端部の構成を示した一部破断側面図である。同図のように、巻出し管3の始端部に具備されている雄型ねじ込み口部32は、金属管31の始端部に挿入されて固着された筒状コア34と、この筒状コア34に回転自在に取り付けられたねじ付き筒部35とを有している。そして、金属管31と筒状コア34との固着箇所では、筒状コア34の片側の端部が挿入されている金属管31の一端部を締め環36によって締め付けるという構成が採用されている。また、筒状コア34へのねじ付き筒部35の取付け箇所では、筒状コア34の他側の端部にねじ付き筒部35が摺動回転自在に嵌合されていると共に、両者の間に抜止めリング37や水密性を保持するための止水リング38などが介在されている。これに対し、図6のように、巻出し管3の終端部に具備されている雌型ねじ込み口部33と金属管31との固着箇所では、雌型ねじ込み口部33の端部が挿入されている金属管31の他端部を締め環39によって締め付けるという構成が採用されている。
【0029】
図7は巻出し管の主要部材である金属管の正面図である。同図のように、金属管31は、肉薄のアルミニウム管71の内面と外面とに樹脂ライニング層72,73を備えてなる。内面ライニング層72はアルミニウム管71よりも肉厚の架橋ポリエチレン樹脂によって形成されているのに対し、外面ライニング層73はアルミニウム管71と同等程度の肉厚を有する架橋ポリエチレン樹脂又は非架橋ポリエチレン樹脂によって形成されている。この構成を備えた3層複合構造の金属管31は、アルミニウム管71の曲り性や自己保形性が内外の樹脂ライニング層72,73によって阻害されるということがないので、作業者が人力で金属管31を所望の形状に湾曲させたり折り曲げたりすることが可能であるだけでなく、軽量であり、しかも、ライニング層72,73の特性によって耐薬品性を備えている。
【0030】
施工現場では、図1のように、主配管1としての金属製の給水管に分水ヘッダ2の端部がねじ込み接続される。主配管1と分水ヘッダ2との接続において、図例のように主配管1がフランジ継手を備えているときには、分水ヘッダ2の始端部に位置している多口継手22の雌型ねじ込み口部29に中間フランジ継手12をねじ込み接続し、そのフランジ継手を相手方である主配管1側のフランジ継手に接続することが行われる。また、巻出し管3は、その始端部の雄型ねじ込み口部32が、分水ヘッダ2の分岐口21を形成している雌ねじ付き口部26にねじ込み接続され、巻出し管3の終端部の雌型ねじ込み口部33には、スプリンクラーヘッド4の金属製の雄型ねじ込み口部(不図示)がねじ込み接続される。したがって、巻出し管3を分水ヘッダ2の分岐口21に接続したり、巻出し管にスプリンクラーヘッド4を装備させたりするときには、それらをねじ込み接続する作業を行うだけで済み、従来例で説明した熱融着作業を行う必要がなくなる。したがって、工場で熱融着作業を行ってスプリンクラー消火配管を組み立てた後に、組み立てられた消火配管セットを施工現場へ運び込む必要はない。
【0031】
さらに、施工現場では、作業者が人力によって巻出し管3の金属管31を所望の形状に湾曲させたり折り曲げたりしてスプリンクラーヘッド4を設置箇所に配置したり、スプリンクラーヘッド4の設置位置を微調整したりすることが行われる。このときのスプリンクラーヘッド4の配置や設置位置の微調整に際しては、巻出し管3の始端部の雄型ねじ込み口部32に備わっている回転機能が役立つ。すなわち、雄型ねじ込み口部32の回転機能を利用して巻出し管3を回転させてスプリンクラーヘッド4の向きを微調整したり、折れ曲がった巻出し管3を回転させてスプリンクラーヘッド4の配置位置を変更したりすることが容易に可能になる。
【0032】
上記した実施形態のスプリンクラー消火配管において、巻出し管3は工場で組み立てられる。工場での組み立てを採用すると、種々の長さの巻出し管3を容易に組み立てることができるので、施工現場で必要になることがあらかじめ判明している長さの巻出し管3だけでなく、施工現場側で生じることが想定される寸法誤差やスプリンクラーヘッド4の増設などにも対応できる種々の長さの巻出し管3をあらかじめ余分に組み立てておくことも可能である。そのため、仮に、施工現場に搬入した巻出し管3だけでは施工が困難な事情が生じたようなときには、余分に組み立てておいた巻出し管3を即座に施工現場に搬入してその困難に対応することが可能になるという利便性がある。また、分水ヘッダ2についても、多口継手22の連結数を変更するだけで分岐口21の数を変更することができるため、必要に応じて分岐口21の数を増減させることが容易に可能になるという利便性がある。これらの利便性は、巻出し管3を分水ヘッダ2とは分離して、巻出し管3と分水ヘッダ2とを個別に施工現場に搬入することができるようにしてあることによって得られるものである。
【0033】
さらに、この実施形態では、分水ヘッダ2を主配管1にねじ込み接続するという構成、分水ヘッダ2が複数の多口継手22を連結することによって組み立てられるという構成、巻出し管3を分水ヘッダ2の分岐口21にねじ込み接続するという構成、などを採用しているので、老人介護施設などのスプリンクラー消火配管が未設の既設建物に、事後的にスプリンクラー消火配管を設置するという場合でも、天井ボードの点検口を利用して天井裏空間の施工現場に分水ヘッダ2を個々の多口継手22に分解して搬入したり、巻出し管3を単独で天井裏空間の施工現場に搬入したりすることが容易に可能であるので、施工場所が天井ボード未設の新設建物に限定されないという卓越した利点がある。
【0034】
以上説明した実施形態は、分水ヘッダ2や巻出し管3を天井裏空間の天井ボード上に這わせて、スプリンクラーヘッド4を下向きに設置するような事例である。そのため、巻出し管3の終端部の雌型ねじ込み口部33にエルボ型継手が使用されている。
【0035】
しかしながら、スプリンクラー消火配管には、天井裏空間の上部に設置した分水ヘッダから巻出し管を下向きに下ろしてスプリンクラーヘッドを設置するという工法が採用されることもある。この事例を図8〜図11を参照して説明する。
【0036】
図8は本発明の他の実施形態に係るスプリンクラー消火配管を説明的に示した概略平面図、図9は巻出し管3を一部省略して示した側面図、図10は巻出し管3の始端部の構成を示した一部破断側面図、図11は巻出し管3の終端部の構成を示した一部破断側面図である。
【0037】
図8に例示したスプリンクラー消火配管は、主配管1としての金属製の給水管に接続される分水ヘッダ2と、この分水ヘッダ2の分岐口21に始端部が接続される巻出し管3と、この巻出し管3の終端部に装備されたスプリンクラーヘッド4とを備えている。分水ヘッダ2は、図2及び図3を参照して説明したものと同様の構成を有していて、多口継手22と、接続用の中間継手23と、盲蓋24と、を組み合わせることによって組み立てられている。したがって、この分水ヘッダ2には、胴体部210と胴体部210の軸線方向複数箇所に形成された分岐口21とが備わっている。
【0038】
図9に示したように、巻出し管3は、金属管31と、この金属管31の始端部に設けられた雄型ねじ込み口部32と、金属管31の終端部に設けられたストレートタイプの雌型ねじ込み口部33とを備えている。図10のように、巻出し管3の始端部に具備されている雄型ねじ込み口部32は、金属管31の始端部に挿入されて固着された筒状コア34と、この筒状コア34に回転自在に取り付けられたねじ付き筒部35とを有している。金属管31と筒状コア34との固着箇所では、筒状コア34の片側の端部が挿入されている金属管31の一端部を締め環36によって締め付けるという構成が採用されている。また、筒状コア34へのねじ付き筒部35の取付け箇所では、筒状コア34の他側の端部にねじ付き筒部35が摺動回転自在に嵌合されていると共に、両者の間に抜止めリング37や水密性を保持するための止水リング38などが介在されている。これに対し、図11のように、巻出し管3の終端部に具備されている雌型ねじ込み口部33と金属管31との固着箇所では、雌型ねじ込み口部33の端部が挿入されている金属管31の他端部を締め環39によって締め付けるという構成が採用されている。巻出し管3の主要部材である金属管31は、図7を参照して説明したものと同様の3層複合構造を備えている。
【0039】
この実施形態のスプリンクラー消化配管において、下向きに垂下した巻出し管3に下向きにスプリンクラーヘッド4が装着されている点を除く他の構成は、図1のスプリンクラー消火配管の場合と同様である。
【0040】
すなわち、主配管1と分水ヘッダ2との接続、巻出し管3と分水ヘッダ2の分岐口21との接続、巻出し管3とスプリンクラーヘッド4との接続は、図1のスプリンクラー消火配管のそれらと同様にして行われる。したがって、図8のスプリンクラー消火配管の組み立てには、従来例のように熱融着作業を行う必要はない。また、工場で熱融着作業を行ってスプリンクラー消火配管を組み立てた後に、組み立てられた消火配管セットを施工現場へ運び込む必要もない。
【0041】
さらに、施工現場での巻出し管3の形状変更や、その形状変更を伴うスプリンクラーヘッド4の配置、スプリンクラーヘッド4の設置位置の微調整、などについても、図1のスプリンクラー消火配管のそれらと同様にして行われる。
【0042】
そのほか、施工現場に搬入した巻出し管3だけでは施工が困難な事情が生じたようなときに、たとえば、施工現場に搬入した巻出し管3中の一本が必要とする長さより短かったときに、必要とする長さを有する一本の巻出し管3を即座に施工現場に搬入してその困難に対応することが可能になるという利便性や、分水ヘッダ2の分岐口21の数を増減させるときの利便性についても、図1のスプリンクラー消火配管のそれらと同様にして行われる。
【0043】
さらに、老人介護施設などのスプリンクラー消火配管が未設の既設建物に、事後的にスプリンクラー消火配管を設置するという場合の利点についても図1のスプリンクラー消火配管の場合と同様である。
【0044】
以上説明した2つの実施形態では、分水ヘッダ2に、チーズでなる多口継手22を連結して構成したものを説明したけれども、分水ヘッダ2の構成はこれに限定されない。たとえば、胴体部に放射状に延び出た複数の分岐口を具備させ、その分岐口を雌型ねじ込み口部によって形成したものであってもよい。また、図12に例示したものであってもよい。 図12は分水ヘッダの変形例を示した平面図である。同図の分水ヘッダ2は、十字型継手22Aを連結することによって形成されている。そして、胴体部210が、十字型継手22Aを軸線方向に接続することにより形作られる筒体によって形成され、それぞれの十字型継手22Aの余剰の接続口が、分岐口21としての雌型ねじ込み口部を形成している。
【0045】
なお、本発明の内容の理解を助けるため、図1〜図15では、同一又は相応する要素に同一符号を付してある。
【符号の説明】
【0046】
1 主配管(給水管)
2 分水ヘッダ
3 巻出し管
4 スプリンクラーヘッド
21 分水ヘッダの分岐口
22,22A 多口継手
23 中間継手
24 盲蓋
26 分岐口を形成している雌型ねじ込み口部
31 金属管
32 金属管の始端部の雄型ねじ込み口部
33 金属管の終端部の雌型ねじ込み口部
34 筒状コア
35 ねじ付き筒部
71 アルミニウム管
72,73 樹脂ライニング層
210 胴体部
【技術分野】
【0001】
本発明は、スプリンクラー消火配管、特に、既設建物などの中規模施設の天井裏空間への施工を容易にするための対策が講じられたスプリンクラー消火配管に関する。
【背景技術】
【0002】
図13はスプリンクラー消火配管の従来例を説明的に示した平面図である。同図のスプリンクラー消火配管は、主に大型マンションや大型店舗などの新築時に設置するのに適している。このスプリンクラー消火配管は、建物の天井裏空間に設置されている主配管1と、この主配管1に接続されている分水ヘッダ2と、この分水ヘッダ2の複数の分岐口21に接続された巻出し管3と、この巻出し管3の先端部に装備されたスプリンクラーヘッド4とを備えている。そして、上記主配管1は金属製の給水管によって構成されている。
【0003】
図14は従来例によるスプリンクラー消火配管の分水ヘッダの分岐口21と巻出し管3との接続部構造を示し、図15は同スプリンクラー消火配管の巻出し管3とスプリンクラーヘッド4との接続部構造を示している。
【0004】
図14に示した分水ヘッダの分岐口21はポリエチレン製の短い樹脂管によって形成されている。そして、分岐口21を形成している樹脂管と可撓性を有するポリエチレン樹脂チューブでなる巻出し管3の始端部とが、ポリエチレン製のソケット型熱融着継手5に差し込まれて熱融着されている。51は熱融着継手5に備わっている発熱線を示している。また、図15に示したように、スプリンクラーヘッド4は、ヘッド接続継手6に備わっている金属製の雌型ねじ込み口部61にねじ込み接続されているのに対し、ポリエチレン樹脂チューブでなる巻出し管3の終端部が、上記ヘッド接続継手6に備わっているポリエチレン製の雌型口部62に差し込まれて、その雌型口部62に熱融着されている。63は雌型口部62に備わっている発熱線を示している。
【0005】
図13〜図15を参照して説明したように、従来例によるスプリンクラー消火配管では、分水ヘッダ2や巻出し管3が樹脂製であり、分水ヘッダ2の分岐口21と巻出し管3の始端部とが樹脂製の熱融着継手5を用いて熱融着で接続されている。しかも、スプリンクラーヘッド4が装着されたヘッド接続継手6と巻出し管3の終端部とが、ヘッド接続継手6のポリエチレン製の雌型口部62に熱融着で接続されている。
【0006】
ところで、建物にスプリンクラー消火配管を施工するに当たって、上記した熱融着継手5やヘッド接続継手6の雌型口部62の発熱線51,63に電圧を印加して接続箇所を溶融させるという作業を天井部分の施工現場で実施することには、熱融着のための設備面や作業スペースなどの諸事情を勘案すると多大な困難が伴う。
【0007】
そこで、一般的には、熱融着作業を工場で行うことによって、分水ヘッダ2と巻出し管3とスプリンクラーヘッド4とをあらかじめ工場で組み立てておき、そのように組み立てられたもの(以下「消火配管セット」という)を施工現場へ運び込んだ後、分水ヘッダ2を主配管1に接続したり、分水ヘッダ2から延び出たそれぞれの巻出し管3…を所定の方向に引き回してスプリンクラーヘッド4をその設置箇所に取り付けるということが行われていた。そして、この施工方法を採用すると、施工作業が簡単になり、施工ミスも少なくなるとされている。
【0008】
先行例でも、図14及び図15を参照して説明した熱融着構造を採用したスプリンクラー消火配管についての記述がある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特許第3101912号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
図13〜図15を参照して説明した従来例によるスプリンクラー消火配管では、始端部と終端部とが分水ヘッダ2の分岐口21とスプリンクラーヘッド4とにそれぞれ接続されている複数本の巻出し管3…の長さが長くなっている。特に、大型マンションや大型店舗などに設置されるスプリンクラー消火配管では、その巻出し管3の長さが長いため、施工現場に搬入するときには、複数本の巻出し管3…をループ状に巻回して束ねた状態で搬入するということが行われる。
【0011】
しかしながら、巻出し管3をループ状に巻回して束ねたとしても、束ねられた巻出し管3の直径は、巻出し管3の特性上、1m程度あるいはそれ以上になることが避けられないので、施工現場へは大形の消火配管セットを搬入せざるを得ない。そのため、そのような大形の消火配管セットを、既設の天井ボードに形成されている点検口などを利用して天井裏空間に運び込むことは不可能であるので、上記した消火配管セットを施工現場に搬入して施工するという施工方法は、施工現場で熱融着作業を行う必要がなくなるものの、大型マンションや大型店舗などの新築時、言い換えると、天井ボードが未設の段階の建物においてのみ採用し得る工法であって、既設の建物の天井ボードの点検口などを利用してスプリンクラー消火配管を施工することに適した工法であるとはいえない。また巻回して束ねられた巻出し管3には巻き癖が残ることが多いので、そのことが、スプリンクラーヘッド4をその設置箇所に配備することを困難にすることがあるという不都合もある。
【0012】
そこで、本願発明者は、分水ヘッダを従来例の樹脂製から金属製に置き換え、そのような金属製の分水ヘッダの分岐口に、巻出し管の始端部をねじ込み接続することができ、かつ、その巻出し管の終端部にスプリンクラーヘッドをねじ込み接続することができるようにすると、分水ヘッダや巻出し管を、既設の建物の天井ボードの点検口などを利用して天井裏空間の施工現場に搬入した後、天井裏部分にスプリンクラー消火配管を施工することができるようになって、施工現場で熱融着作業を行う必要がなくなる、ということを見出し、本発明を完成するに至った。
【0013】
したがって、本発明は、既設の建物の天井ボードの点検口などを利用して分水ヘッダや巻出し管を天井裏空間などの施工現場に搬入することができるようにし、もって、スプリンクラー消火配管を、熱融着を行うことなく施工することに適するスプリンクラー消火配管を提供することを目的としている。
【0014】
また、本発明は、既存の多口継手を組み合わせて分水ヘッダを組み立てることができるようにして、天井ボードの点検口などを利用して天井裏空間などの施工現場に分水ヘッダを搬入しやすくし、もって、天井ボードの点検口などを利用してスプリンクラー消火配管を施工することに適するスプリンクラー消火配管を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明に係るスプリンクラー消火配管は、主配管としての金属製の給水管に接続される分水ヘッダと、この分水ヘッダの分岐口に始端部が接続される巻出し管と、この巻出し管の終端部に装備されるスプリンクラーヘッドと、からなる。そして、上記分水ヘッダの分岐口が金属製の雌型ねじ込み口部によって形成され、上記巻出し管は、折曲げ加工が可能で自己保形性を有する金属管の始端部に、分水ヘッダの上記雌型ねじ込み口部に接続可能な金属製の雄型ねじ込み口部が具備され、かつ、上記金属管の終端部に、上記スプリンクラーヘッドの金属製の雄型ねじ込み口部を接続可能な金属製の雌型ねじ込み口部が具備されている。
【0016】
この構成を備えたスプリンクラー消火配管は、天井ボードが未設の建物の新築時にスプリンクラー消火配管を施工するのに用い得ることは勿論、既設の建物の天井ボードの点検口などを利用して狭い天井裏空間の施工現場に、分水ヘッダやスプリンクラーヘッドが装着された巻出し管を、個別に、容易に搬入することが可能である。また、施工現場に搬入した分水ヘッダを主配管に接続したり、分水ヘッダの分岐口を形成している金属製の雌型ねじ込み口部に巻出し管の始端部(巻出し管を形成している金属管の始端部)の雄型ねじ込み口部をねじ込み接続したり、巻出し管の金属管を、その曲り特性や自己保形性を利用して作業者が人力で折り曲げてスプリンクラーヘッドをその設置箇所に配置する、といった作業を容易に行うことが可能になる。したがって、既設の建物の天井ボードの点検口などを利用してスプリンクラー消火配管を施工することに特に適するスプリンクラー消火配管を提供することが可能になる。
【0017】
本発明では、巻出し管を形成している上記金属管が、アルミニウム管の内外面に樹脂ライニング層を備えていることが望ましい。ここで、金属管の内面側の樹脂ライニング層は架橋ポリエチレン層であることが望ましく、また、外面側の樹脂ライニング層は架橋又は非架橋のポリエチレン層であることが望ましい。金属管がこの構成を有していると、巻出し管の軽量化を促進しやすく、耐薬品性を向上させやすく、アルミニウム管の曲り性や自己保形性がライニング層によって阻害されにくいという利点がある。
【0018】
本発明では、巻出し管の始端部に具備されている雄型ねじ込み口部が、上記金属管の始端部に固着された筒状コアと、この筒状コアに回転自在に取り付けられて分水ヘッダの上記雌型ねじ込み口部にねじ込み接続可能なねじ付き筒部と、を有することが望ましい。この構成であると、筒状コアに対するねじ付き筒部の回転特性が、当該雄型ねじ込み口部を分水ヘッダの分岐口を形成している雌型ねじ込み口部に無理なく接続することに役立つので、接続箇所に残留応力を生じさせることなく両者を接続することが可能になる。また、スプリンクラーヘッドの設置箇所の微調整を上記ねじ付き筒部の回転特性を利用して行えるようになるという利点もある。
【0019】
本発明において、上記分水ヘッダは、上記主配管に接続される胴体部の複数箇所に分岐口を形成している上記雌型ねじ込み口部を備えていると共に、上記胴体部が、複数の多口継手を軸線方向に接続することにより形作られる筒体によって形成され、かつ、それぞれの上記多口継手の余剰の接続口が、分岐口としての上記雌型ねじ込み口部を形成している、という構成を採用することが可能である。分水ヘッダにこの構成を採用すると、多口継手として十字型継手(クロス)やT字形継手(チーズ)を利用したり、さらには、タコ足配管用の多口継手(1つの入口と放射状に並んだ複数の分岐口とを有する多口継手)を利用したりすることが可能になる。そのため、個々の多口継手を天井ボードの点検口を利用して天井裏空間に搬入した後、天井裏空間の施工現場でそれらの多口継手を接続する、という手順で分水ヘッダを組み立てることができるようになるという利便性が生じる。
【0020】
上記のように分水ヘッダを複数の多口継手によって組み立てられる構成を採用する場合には、上記筒体を形成している複数の多口継手同士が、両端に雄ねじを有する中間継手を介して接続され、かつ、その筒体の端部に位置する終端多口継手に装着された盲蓋によって当該筒体の内部通路が閉塞されているものであってもよい。
【発明の効果】
【0021】
以上のように、本発明によると、天井ボードが未設の建物の新築時は勿論、天井ボードを装備している既設の建物であっても、その天井ボードの点検口などを利用して天井裏空間の施工現場に分水ヘッダや巻出し管を個別に搬入し、搬入後に施工現場で、それらを組み立てたり、スプリンクラーヘッドを設置箇所に配備したりする、という手順を採用してスプリンクラー消火配管を設置することが可能である。そのため、狭い天井裏空間の施工現場で熱融着を行う必要がなくなり、雄型ねじ込み口部と雌型ねじ込み口部との相互のねじ込み作業を行うだけでスプリンクラー消火配管を施工することができるという利便性が生じる。このようなスプリンクラー消火配管は、たとえば老人介護施設などのスプリンクラー消火配管が未設の既設建物に、事後的にスプリンクラー消火配管を設置するという場合に、建物の大規模な改築や修繕を伴うことなくスプリンクラー消火配管を安価に設置することが可能になるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施形態に係るスプリンクラー消火配管を説明的に示した概略平面図である。
【図2】分水ヘッダの平面図である。
【図3】分水ヘッダに用いられる中間継手や盲蓋を示した一部破断平面図である。
【図4】巻出し管を一部省略して示した側面図である。
【図5】巻出し管の始端部の構成を示した一部破断側面図である。
【図6】巻出し管の終端部の構成を示した一部破断側面図である。
【図7】巻出し管の主要部材である金属管の正面図である。
【図8】本発明の他の実施形態に係るスプリンクラー消火配管を説明的に示した概略平面図である。
【図9】他の実施形態に係る巻出し管を一部省略して示した側面図である。
【図10】他の実施形態に係る巻出し管の始端部の構成を示した一部破断側面図である。
【図11】他の実施形態に係る巻出し管の終端部の構成を示した一部破断側面図である。
【図12】分水ヘッダの変形例を示した平面図である。
【図13】従来例によるスプリンクラー消火配管を説明的に示した平面図である。
【図14】従来例によるスプリンクラー消火配管の分水ヘッダの分岐口と巻出し管との接続部構造の水平断面図である。
【図15】従来例によるスプリンクラー消火配管の巻出し管とスプリンクラーヘッドとの接続部構造の垂直断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は本発明の実施形態に係るスプリンクラー消火配管を説明的に示した概略平面図、図2は分水ヘッダの平面図、図3は分水ヘッダに用いられる継手や盲蓋を示した一部破断平面図である。
【0024】
図1に例示したスプリンクラー消火配管は、主配管1としての金属製の給水管に接続される分水ヘッダ2と、この分水ヘッダ2の分岐口21に始端部が接続された巻出し管3と、この巻出し管3の終端部に装備されたスプリンクラーヘッド4とを備えている。
【0025】
分水ヘッダ2は、図2に示されている複数個の多口継手22と、図3に示されている接続用の中間継手23と、盲蓋24と、を組み合わせることによって組み立てられている。図1に示した多口継手22にはT字形継手(チーズ)が利用されていて、内部通路によって形成されるまっすぐな主通路を形成している一対の雌ねじ付き口部25,25と、上記主通路に直角に交差する分岐通路を形成している1つの雌ねじ付き口部とを有し、分岐通路を形成している雌ねじ付き口部が雌型ねじ込み口部26を形成している。また、図3に示された中間継手23は、一端側及び他端側にそれぞれ雄ねじ付き口部27,27を有し、図3に示された盲蓋24は雄ねじ付き口部28を有している。そして、図2のように複数の多口継手22…の雌ねじ付き口部25同士が図3の中間継手23…を介して軸線方向に接続されている。また、軸線方向に接続された複数の多口継手22…によって形作られている筒体の端部に位置している終端多口継手22に図3の盲蓋24が装着されている。なお、相隣接する多口継手22,22の主通路同士の接続は、一方側の及び他方側の多口継手22,22のそれぞれの雌ねじ付き口部25,25を、中間継手23の片側及び他側の雄ねじ付き口部27,27に各別にねじ込み接続することによって行われる。また、盲蓋24は、その雄ねじ付き口部28を終端多口継手22の雌ねじ付き口部25にねじ込み接続することによって行われる。
【0026】
複数の多口継手22…を中間継手23と盲蓋24とを用いて図2のように組み立てることによって形成された分水ヘッダ2は、複数の多口継手22を軸線方向に接続することによって形作られた上記筒体でなる胴体部210と、多口継手22の分岐側の雌型ねじ込み口部26により形成されて上記胴体部210の軸線方向複数箇所に具備された分岐口21とを有している。そして、胴体部210の一端に位置している多口継手22の雌ねじ付き口部25が、図1に示した金属製の主配管1に接続される雌型ねじ込み口部29としての機能を有している。
【0027】
図4は巻出し管3を一部省略して示した側面図である。同図のように、巻出し管3は、金属管31と、この金属管31の始端部に設けられた雄型ねじ込み口部32と、金属管31の終端部に設けられた雌型ねじ込み口部33とを備えている。
【0028】
図5は巻出し管3の始端部の構成を示した一部破断側面図、図6は巻出し管3の終端部の構成を示した一部破断側面図である。同図のように、巻出し管3の始端部に具備されている雄型ねじ込み口部32は、金属管31の始端部に挿入されて固着された筒状コア34と、この筒状コア34に回転自在に取り付けられたねじ付き筒部35とを有している。そして、金属管31と筒状コア34との固着箇所では、筒状コア34の片側の端部が挿入されている金属管31の一端部を締め環36によって締め付けるという構成が採用されている。また、筒状コア34へのねじ付き筒部35の取付け箇所では、筒状コア34の他側の端部にねじ付き筒部35が摺動回転自在に嵌合されていると共に、両者の間に抜止めリング37や水密性を保持するための止水リング38などが介在されている。これに対し、図6のように、巻出し管3の終端部に具備されている雌型ねじ込み口部33と金属管31との固着箇所では、雌型ねじ込み口部33の端部が挿入されている金属管31の他端部を締め環39によって締め付けるという構成が採用されている。
【0029】
図7は巻出し管の主要部材である金属管の正面図である。同図のように、金属管31は、肉薄のアルミニウム管71の内面と外面とに樹脂ライニング層72,73を備えてなる。内面ライニング層72はアルミニウム管71よりも肉厚の架橋ポリエチレン樹脂によって形成されているのに対し、外面ライニング層73はアルミニウム管71と同等程度の肉厚を有する架橋ポリエチレン樹脂又は非架橋ポリエチレン樹脂によって形成されている。この構成を備えた3層複合構造の金属管31は、アルミニウム管71の曲り性や自己保形性が内外の樹脂ライニング層72,73によって阻害されるということがないので、作業者が人力で金属管31を所望の形状に湾曲させたり折り曲げたりすることが可能であるだけでなく、軽量であり、しかも、ライニング層72,73の特性によって耐薬品性を備えている。
【0030】
施工現場では、図1のように、主配管1としての金属製の給水管に分水ヘッダ2の端部がねじ込み接続される。主配管1と分水ヘッダ2との接続において、図例のように主配管1がフランジ継手を備えているときには、分水ヘッダ2の始端部に位置している多口継手22の雌型ねじ込み口部29に中間フランジ継手12をねじ込み接続し、そのフランジ継手を相手方である主配管1側のフランジ継手に接続することが行われる。また、巻出し管3は、その始端部の雄型ねじ込み口部32が、分水ヘッダ2の分岐口21を形成している雌ねじ付き口部26にねじ込み接続され、巻出し管3の終端部の雌型ねじ込み口部33には、スプリンクラーヘッド4の金属製の雄型ねじ込み口部(不図示)がねじ込み接続される。したがって、巻出し管3を分水ヘッダ2の分岐口21に接続したり、巻出し管にスプリンクラーヘッド4を装備させたりするときには、それらをねじ込み接続する作業を行うだけで済み、従来例で説明した熱融着作業を行う必要がなくなる。したがって、工場で熱融着作業を行ってスプリンクラー消火配管を組み立てた後に、組み立てられた消火配管セットを施工現場へ運び込む必要はない。
【0031】
さらに、施工現場では、作業者が人力によって巻出し管3の金属管31を所望の形状に湾曲させたり折り曲げたりしてスプリンクラーヘッド4を設置箇所に配置したり、スプリンクラーヘッド4の設置位置を微調整したりすることが行われる。このときのスプリンクラーヘッド4の配置や設置位置の微調整に際しては、巻出し管3の始端部の雄型ねじ込み口部32に備わっている回転機能が役立つ。すなわち、雄型ねじ込み口部32の回転機能を利用して巻出し管3を回転させてスプリンクラーヘッド4の向きを微調整したり、折れ曲がった巻出し管3を回転させてスプリンクラーヘッド4の配置位置を変更したりすることが容易に可能になる。
【0032】
上記した実施形態のスプリンクラー消火配管において、巻出し管3は工場で組み立てられる。工場での組み立てを採用すると、種々の長さの巻出し管3を容易に組み立てることができるので、施工現場で必要になることがあらかじめ判明している長さの巻出し管3だけでなく、施工現場側で生じることが想定される寸法誤差やスプリンクラーヘッド4の増設などにも対応できる種々の長さの巻出し管3をあらかじめ余分に組み立てておくことも可能である。そのため、仮に、施工現場に搬入した巻出し管3だけでは施工が困難な事情が生じたようなときには、余分に組み立てておいた巻出し管3を即座に施工現場に搬入してその困難に対応することが可能になるという利便性がある。また、分水ヘッダ2についても、多口継手22の連結数を変更するだけで分岐口21の数を変更することができるため、必要に応じて分岐口21の数を増減させることが容易に可能になるという利便性がある。これらの利便性は、巻出し管3を分水ヘッダ2とは分離して、巻出し管3と分水ヘッダ2とを個別に施工現場に搬入することができるようにしてあることによって得られるものである。
【0033】
さらに、この実施形態では、分水ヘッダ2を主配管1にねじ込み接続するという構成、分水ヘッダ2が複数の多口継手22を連結することによって組み立てられるという構成、巻出し管3を分水ヘッダ2の分岐口21にねじ込み接続するという構成、などを採用しているので、老人介護施設などのスプリンクラー消火配管が未設の既設建物に、事後的にスプリンクラー消火配管を設置するという場合でも、天井ボードの点検口を利用して天井裏空間の施工現場に分水ヘッダ2を個々の多口継手22に分解して搬入したり、巻出し管3を単独で天井裏空間の施工現場に搬入したりすることが容易に可能であるので、施工場所が天井ボード未設の新設建物に限定されないという卓越した利点がある。
【0034】
以上説明した実施形態は、分水ヘッダ2や巻出し管3を天井裏空間の天井ボード上に這わせて、スプリンクラーヘッド4を下向きに設置するような事例である。そのため、巻出し管3の終端部の雌型ねじ込み口部33にエルボ型継手が使用されている。
【0035】
しかしながら、スプリンクラー消火配管には、天井裏空間の上部に設置した分水ヘッダから巻出し管を下向きに下ろしてスプリンクラーヘッドを設置するという工法が採用されることもある。この事例を図8〜図11を参照して説明する。
【0036】
図8は本発明の他の実施形態に係るスプリンクラー消火配管を説明的に示した概略平面図、図9は巻出し管3を一部省略して示した側面図、図10は巻出し管3の始端部の構成を示した一部破断側面図、図11は巻出し管3の終端部の構成を示した一部破断側面図である。
【0037】
図8に例示したスプリンクラー消火配管は、主配管1としての金属製の給水管に接続される分水ヘッダ2と、この分水ヘッダ2の分岐口21に始端部が接続される巻出し管3と、この巻出し管3の終端部に装備されたスプリンクラーヘッド4とを備えている。分水ヘッダ2は、図2及び図3を参照して説明したものと同様の構成を有していて、多口継手22と、接続用の中間継手23と、盲蓋24と、を組み合わせることによって組み立てられている。したがって、この分水ヘッダ2には、胴体部210と胴体部210の軸線方向複数箇所に形成された分岐口21とが備わっている。
【0038】
図9に示したように、巻出し管3は、金属管31と、この金属管31の始端部に設けられた雄型ねじ込み口部32と、金属管31の終端部に設けられたストレートタイプの雌型ねじ込み口部33とを備えている。図10のように、巻出し管3の始端部に具備されている雄型ねじ込み口部32は、金属管31の始端部に挿入されて固着された筒状コア34と、この筒状コア34に回転自在に取り付けられたねじ付き筒部35とを有している。金属管31と筒状コア34との固着箇所では、筒状コア34の片側の端部が挿入されている金属管31の一端部を締め環36によって締め付けるという構成が採用されている。また、筒状コア34へのねじ付き筒部35の取付け箇所では、筒状コア34の他側の端部にねじ付き筒部35が摺動回転自在に嵌合されていると共に、両者の間に抜止めリング37や水密性を保持するための止水リング38などが介在されている。これに対し、図11のように、巻出し管3の終端部に具備されている雌型ねじ込み口部33と金属管31との固着箇所では、雌型ねじ込み口部33の端部が挿入されている金属管31の他端部を締め環39によって締め付けるという構成が採用されている。巻出し管3の主要部材である金属管31は、図7を参照して説明したものと同様の3層複合構造を備えている。
【0039】
この実施形態のスプリンクラー消化配管において、下向きに垂下した巻出し管3に下向きにスプリンクラーヘッド4が装着されている点を除く他の構成は、図1のスプリンクラー消火配管の場合と同様である。
【0040】
すなわち、主配管1と分水ヘッダ2との接続、巻出し管3と分水ヘッダ2の分岐口21との接続、巻出し管3とスプリンクラーヘッド4との接続は、図1のスプリンクラー消火配管のそれらと同様にして行われる。したがって、図8のスプリンクラー消火配管の組み立てには、従来例のように熱融着作業を行う必要はない。また、工場で熱融着作業を行ってスプリンクラー消火配管を組み立てた後に、組み立てられた消火配管セットを施工現場へ運び込む必要もない。
【0041】
さらに、施工現場での巻出し管3の形状変更や、その形状変更を伴うスプリンクラーヘッド4の配置、スプリンクラーヘッド4の設置位置の微調整、などについても、図1のスプリンクラー消火配管のそれらと同様にして行われる。
【0042】
そのほか、施工現場に搬入した巻出し管3だけでは施工が困難な事情が生じたようなときに、たとえば、施工現場に搬入した巻出し管3中の一本が必要とする長さより短かったときに、必要とする長さを有する一本の巻出し管3を即座に施工現場に搬入してその困難に対応することが可能になるという利便性や、分水ヘッダ2の分岐口21の数を増減させるときの利便性についても、図1のスプリンクラー消火配管のそれらと同様にして行われる。
【0043】
さらに、老人介護施設などのスプリンクラー消火配管が未設の既設建物に、事後的にスプリンクラー消火配管を設置するという場合の利点についても図1のスプリンクラー消火配管の場合と同様である。
【0044】
以上説明した2つの実施形態では、分水ヘッダ2に、チーズでなる多口継手22を連結して構成したものを説明したけれども、分水ヘッダ2の構成はこれに限定されない。たとえば、胴体部に放射状に延び出た複数の分岐口を具備させ、その分岐口を雌型ねじ込み口部によって形成したものであってもよい。また、図12に例示したものであってもよい。 図12は分水ヘッダの変形例を示した平面図である。同図の分水ヘッダ2は、十字型継手22Aを連結することによって形成されている。そして、胴体部210が、十字型継手22Aを軸線方向に接続することにより形作られる筒体によって形成され、それぞれの十字型継手22Aの余剰の接続口が、分岐口21としての雌型ねじ込み口部を形成している。
【0045】
なお、本発明の内容の理解を助けるため、図1〜図15では、同一又は相応する要素に同一符号を付してある。
【符号の説明】
【0046】
1 主配管(給水管)
2 分水ヘッダ
3 巻出し管
4 スプリンクラーヘッド
21 分水ヘッダの分岐口
22,22A 多口継手
23 中間継手
24 盲蓋
26 分岐口を形成している雌型ねじ込み口部
31 金属管
32 金属管の始端部の雄型ねじ込み口部
33 金属管の終端部の雌型ねじ込み口部
34 筒状コア
35 ねじ付き筒部
71 アルミニウム管
72,73 樹脂ライニング層
210 胴体部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
主配管としての金属製の給水管に接続される分水ヘッダと、この分水ヘッダの分岐口に始端部が接続される巻出し管と、この巻出し管の終端部に装備されるスプリンクラーヘッドと、からなるスプリンクラー消火配管であって、
上記分水ヘッダの分岐口が金属製の雌型ねじ込み口部によって形成され、
上記巻出し管は、折曲げ加工が可能で自己保形性を有する金属管の始端部に、分水ヘッダの上記雌型ねじ込み口部に接続可能な金属製の雄型ねじ込み口部が具備され、かつ、上記金属管の終端部に、上記スプリンクラーヘッドの金属製の雄型ねじ込み口部を接続可能な金属製の雌型ねじ込み口部が具備されていることを特徴とするスプリンクラー消火配管。
【請求項2】
巻出し管を形成している上記金属管が、アルミニウム管の内外面に樹脂ライニング層を備えてなる請求項1に記載したスプリンクラー消火配管。
【請求項3】
巻出し管の始端部に具備されている雄型ねじ込み口部が、上記金属管の始端部に固着された筒状コアと、この筒状コアに回転自在に取り付けられて分水ヘッダの上記雌型ねじ込み口部にねじ込み接続可能なねじ付き筒部と、を有する請求項1又は請求項2に記載したスプリンクラー消火配管。
【請求項4】
上記分水ヘッダは、上記主配管に接続される胴体部の複数箇所に分岐口を形成している上記雌型ねじ込み口部を備えていると共に、上記胴体部が、複数の多口継手を軸線方向に接続することにより形作られる筒体によって形成され、かつ、それぞれの上記多口継手の余剰の接続口が、分岐口としての上記雌型ねじ込み口部を形成している請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載したスプリンクラー消火配管。
【請求項5】
上記筒体を形成している複数の多口継手同士が、両端に雄ねじを有する中間継手を介して接続され、かつ、その筒体の端部に位置する終端多口継手に装着された盲蓋によって当該筒体の内部通路が閉塞されている請求項4に記載したスプリンクラー消火配管。
【請求項1】
主配管としての金属製の給水管に接続される分水ヘッダと、この分水ヘッダの分岐口に始端部が接続される巻出し管と、この巻出し管の終端部に装備されるスプリンクラーヘッドと、からなるスプリンクラー消火配管であって、
上記分水ヘッダの分岐口が金属製の雌型ねじ込み口部によって形成され、
上記巻出し管は、折曲げ加工が可能で自己保形性を有する金属管の始端部に、分水ヘッダの上記雌型ねじ込み口部に接続可能な金属製の雄型ねじ込み口部が具備され、かつ、上記金属管の終端部に、上記スプリンクラーヘッドの金属製の雄型ねじ込み口部を接続可能な金属製の雌型ねじ込み口部が具備されていることを特徴とするスプリンクラー消火配管。
【請求項2】
巻出し管を形成している上記金属管が、アルミニウム管の内外面に樹脂ライニング層を備えてなる請求項1に記載したスプリンクラー消火配管。
【請求項3】
巻出し管の始端部に具備されている雄型ねじ込み口部が、上記金属管の始端部に固着された筒状コアと、この筒状コアに回転自在に取り付けられて分水ヘッダの上記雌型ねじ込み口部にねじ込み接続可能なねじ付き筒部と、を有する請求項1又は請求項2に記載したスプリンクラー消火配管。
【請求項4】
上記分水ヘッダは、上記主配管に接続される胴体部の複数箇所に分岐口を形成している上記雌型ねじ込み口部を備えていると共に、上記胴体部が、複数の多口継手を軸線方向に接続することにより形作られる筒体によって形成され、かつ、それぞれの上記多口継手の余剰の接続口が、分岐口としての上記雌型ねじ込み口部を形成している請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載したスプリンクラー消火配管。
【請求項5】
上記筒体を形成している複数の多口継手同士が、両端に雄ねじを有する中間継手を介して接続され、かつ、その筒体の端部に位置する終端多口継手に装着された盲蓋によって当該筒体の内部通路が閉塞されている請求項4に記載したスプリンクラー消火配管。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2012−143511(P2012−143511A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−6258(P2011−6258)
【出願日】平成23年1月14日(2011.1.14)
【出願人】(594203841)タイフレックス株式会社 (9)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月14日(2011.1.14)
【出願人】(594203841)タイフレックス株式会社 (9)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]