説明

スライドファスナー

【課題】エアバッグ膨出時などの強制開裂時において務歯の破断片が離間しにくく、外観も良好なスライドファスナーを提供する。
【解決手段】噛合頭部(70)から二股に分かれて延出する第1及び第2の脚部(72;73)を形成した務歯(12,113)を、ファスナーテープ(16,17)に縫着したスライドファスナー(110)において、第1脚部(72)の第1縫工部(74)における縫工線(84)から、噛合頭部(70)を経由して第2縫工部(75)における縫工線(85)に至る範囲の一ヶ所に、V字状の切欠き部を形成することにより、敢えて破断強度を弱めた脆弱部(80)を形成した。これにより、スライドファスナー(110)に対して過大な横引力が加わって、務歯(12)の脆弱部(80)において破断した場合であっても、務歯(12)の破断片はファスナーテープ(16,17)に保持され続ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の耐横引力を有するとともに、開裂横引力以上の横引力が加わった際には開裂するスライドファスナーに関し、特に、自動車が衝突した際にエアバッグを膨出させるエアバッグ膨出用開口部に用いることが可能なスライドファスナーに関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、自動車のシートバック側部やドア上方のルーフ室内部等に、自動車が衝突した際に乗員の頭部を保護するサイドエアバッグが搭載されている。このサイドエアバッグ装置は、自動車が衝突して大きな衝撃を受けた後に膨張用ガスを発生させるインフレータと、インフレータからガスが供給されて膨張展開するエアバッグとを有している。サイドエアバッグ装置が作動する前のエアバッグ収納状態では、エアバッグが所定の手順で折り畳まれて自動車用シートのシートバック側部等に収納されており、サイドエアバッグ装置自体はシートカバー等で覆われている。
【0003】
通常、自動車用シートの表面には、シートのクッション材を覆うためのファブリックや革などのシートカバーが被せられており、サイドエアバッグ装置が装着されているシートバック側部のシートカバーには、エアバッグを膨出させるための膨出用開口が形成されている。従来、この膨出用開口は、所定の力で引っ張ると切断する脆弱な縫合糸によって縫合されていた。
【0004】
このサイドエアバッグ装置は、自動車が衝突して大きな衝撃を受けたときにその衝撃を感知し、インフレータから高圧ガスを発生させてエアバッグ内に導入し、エアバッグを瞬時に膨張させる。エアバッグ膨出の際には、膨出用開口を縫合している縫合糸に過大な引っ張りの力が加わるので、この力により縫合糸が切断して、閉鎖されていた膨出用開口が開口して、そこからエアバッグが膨出する。このエアバッグは、乗員の側方側に展開して乗員の頭部、胸部、腰部などを緩衝支持する。これにより、衝突時に人体に加わる衝撃力を大幅に緩和して、乗員の安全を確保することができる。
【0005】
ところが、エアバッグの膨出用開口部を縫合糸により閉鎖する構造を採用すると、シートにエアバッグ装置を装着してからシートカバーを被せなければならず、製造工程が限定されてしまうという不具合を生じていた。最近の自動車用シートは、ヒーターや座面調整用のアクチュエータ等多彩な補機類が装着されているものが多く、製造工程における自由度が望まれている。また従来は、納車後にエアバッグ装置の点検が必要になった場合には、シートカバーを取り外さないとエアバッグ装置の点検を行うことができないなど、作業工程が煩雑であった。
【0006】
更に、縫合糸の破断強度は、その縫合状態によっても大きく変化する上に、自動車室内の温度上昇や経年劣化によっても大きく変化するという不具合を生じていた。縫合糸が切断しにくい場合には、緊急時にエアバッグが膨出しなくなるという重大な不具合が発生する。縫合糸の強度が低い場合には、乗員がシートに着座した際にシートカバーに働く引っ張りの力によって縫合糸が破断してしまい、膨出用開口部が開裂してシートクッションなどが露出してしまうというみっともない事態が発生する。
また、エアバッグ膨張展開時には、縫合糸を一本一本順次破断させてゆくことになるので、エアバッグの展開速度が低下するという不具合を生じていた。
【0007】
このように、種々の不具合を有する縫合糸を用いて膨出用開口部を閉鎖する構造に代えて、スライドファスナーを用いた膨出用開口部の閉鎖構造が注目されている。スライドファスナーは、シートカバーに縫着した後であってもスライダーを上下させることにより膨出用開口部の開閉が自在である。したがって、組立工程の自由度が増して複雑な構造のシートの組立を容易に行うことができるからである。また、エアバッグ装置の点検を行う際においても、スライドファスナーを開閉することによって容易に配線や取り付け部分の点検を行うことができる。
【0008】
また、務歯同士が噛合しているスライドファスナーの一部において務歯同士の噛合を外し、この状態で横引力を印加し続けると、スライダーを動かすことなく弱い力で順次務歯列の噛合を外してゆくことができる。したがって、一本一本の縫合糸を順次破断させてゆく状況とは異なり、開裂速度が速いので、エアバッグの膨張展開を素早く行って乗員を効果的に保護することができる。特に乗員の頭部と自動車のサイドガラスとの間隔は狭いので、衝突後短時間にサイドエアバッグを膨張展開させる必要がある。
【0009】
例えば、特許文献1(特開2006−15158号公報)には、エアバッグの膨出用開口に用いるために、開裂容易な構造を有する緊急開口手段付スライドファスナーが開示されている。
【0010】
特許文献1に記載されている緊急開口手段付スライドファスナーは、務歯を成形する際に同時にファスナーテープの務歯取付部に固着するインサート成形法を用いるものである。このスライドファスナーにおける務歯の形状は、ファスナーテープ側縁部の務歯取付部を跨ぐように固着する二つの脚部と、二つの脚部を繋ぐ胴体部と、左右一対の務歯同士を横引き方向に噛合させるため外端部に形成した噛合頭部と、当該噛合頭部と前記胴体部とを接続する括れた首部とを有している。また、前記噛合頭部の頂部には、噛合軸線に沿って溝が形成されている。更にこの溝に嵌合させるための肩部が、務歯の幅方向中央部において、胴体部と首部から張り出す形で形成されている。
【0011】
前記噛合頭部は、噛合された務歯列が横引き方向に開裂するのを防止するために、対向して配された他方のファスナーテープに固着されている二つの隣接する務歯の首部の間に嵌入させて使用する。務歯の首部と胴体部から張り出す形で形成れている肩部は、対向する噛合頭部に設けられた溝部と嵌合するので、左右のファスナーストリンガー同士が剪断方向にずれて噛合が外れることを防止している。
【0012】
更に、特許文献1に記載されているスライドファスナーでは、この務歯の肩部に対して嵌合する噛合頭部の裏面側を切除することにより、表裏非対称な鼻部形状とした務歯をスライドファスナーの中央部に2個配置してある。この部分は、スライドファスナーの裏面側からの突上力に対して開裂しやすい部分となり、エアバッグ膨出時におけるスライドファスナーにおける開裂起点となる。
【0013】
また、特許文献2(特開平10−155524号公報)には、2本の連結糸を同時成形することで縄梯子状に定間隔で務歯を配置したスライドファスナーが開示されている。この特許文献2に記載されているスライドファスナーは、この連結した務歯列をU字状に屈曲させてファスナーテープ側縁部の務歯取付部を挟み込んだ後に、務歯の脚部に縫工糸を跨がせてファスナーテープに縫着して、務歯の噛合頭部をファスナーテープ側縁部の務歯取付部から外方に向けて突出させている。
【特許文献1】特開2006−15158号公報
【特許文献2】特開平10−155524号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
特許文献1に記載されている緊急開口手段付スライドファスナーでは、エアバッグの膨張などにより裏側から力が加わった際に、噛合している務歯同士を外れやすくするために、スライドファスナーの中央部に開裂起点を形成してある。エアバッグ膨張時には、最初に表裏非対称な噛合頭部を有する開裂起点において噛合が外れ、以降エアバッグの膨出に伴って、スライドファスナーの端部に向けて順次噛合が外れるように構成されている。
【0015】
このように、エアバッグの膨出用開口の閉鎖用として種々の利点を備えたスライドファスナーではあるが、特許文献1に記載されている務歯の形状では、何らかの要因により過大な横引力が印加された際に、務歯の首部、又は脚部における薄肉部分において破断が発生し、務歯の噛合頭部がファスナーテープから離間する可能性がある。
【0016】
また、特許文献1に記載されているスライドファスナーは、表から務歯が直接見えるスライドファスナーであるために、自動車のシートカバーにおける膨出用開口部の閉鎖用として用いる場合には、スライドファスナーの表側に、別途フラップなどの覆いを付ける必要があった。スライドファスナーの表面に覆いを取り付けると、その場所にスライドファスナーが存在していることが一目瞭然であり、外観から生地の接合部が見えるという不具合を生ずる。
【0017】
特許文献2に記載されているスライドファスナーの務歯は、噛合頭部から二股に分かれて延出する二つの脚部を備えているが、双方の脚部の形状は噛合頭部をはさんで対称な形状に成形してあるので、エアバッグ膨出時において過大な横引力が印加された場合には、脚部の双方が一時に破断して、務歯の噛合頭部がファスナーテープから離間する可能性がある。また、特許文献1に記載されているスライドファスナーと同様に、表から務歯が直接見えるスライドファスナーであるために、自動車のシートカバーに用いると見栄えが悪いという不具合を生じていた。
【0018】
本発明は上記従来の課題に鑑みてなされたものであって、エアバッグ膨出時などの強制開裂時においても務歯の破断片が離間しにくいスライドファスナーを提供することを目的としている。更に、スライドファスナーの務歯が外観上見えないようなコンシール性を高めたスライドファスナーを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記目的を達成するために、本発明に係るスライドファスナーは、左右一対のファスナーテープの務歯取付部において、噛合頭部から二股に分かれて延出する第1及び第2脚部が形成された務歯の前記第1及び第2脚部を、縫工糸を用いてテープ長さ方向に沿って複数縫着することにより、縫工線が形成されるスライドファスナーであって、前記第1脚部における前記縫工線から前記噛合頭部を経由して前記第2脚部における縫工線に至る範囲の一ヶ所に、破断強度を弱めた脆弱部を有してなることを特徴としている。
【0020】
また、前記脆弱部を前記噛合頭部に形成することが好ましく、前記脆弱部を前記縫工線から前記噛合頭部に至る範囲の一ヶ所に形成することもできる。
【0021】
また、前記第1及び第2の脚部の端部において隣接する務歯同士を連結糸により連結しておくことが好ましい。また、前記複数の務歯は、前記第1及び第2の脚部の端部において反転連結部を介してそれぞれを連結した、コイル状又はジグザグ状の連続した務歯とすることもできる。
【発明の効果】
【0022】
本発明に係るスライドファスナーによれば、務歯の第1脚部における縫工線から噛合頭部を経由して、第2脚部における縫工線に至る範囲の一ヶ所に、破断強度を弱めた脆弱部を形成したので、何らかの影響により過大な横引力がスライドファスナーに加わって務歯が破断する場合であっても、破断強度が弱い脆弱部においてのみ破断が発生する。この脆弱部の両側はそれぞれ縫工糸によってファスナーテープと縫着されているので、破断した務歯の破断片が離間する不具合を低減することができる。
【0023】
また、第1及び第2の脚部において、隣接する複数の務歯同士を連結糸を用いて連結しておくことによって、過大な横引力がスライドファスナーに加わって務歯の一ヶ所と縫工糸との双方が破断した場合であっても、破断した務歯の破断片が離間する不具合を低減することができる。
【0024】
また、務歯列にコイル状又はジグザグ状の連続した務歯を用いることにより、過大な横引力がスライドファスナーに加わって、務歯の一ヶ所と縫工糸との双方が破断した場合であっても、破断した務歯の破断片が離間する不具合を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明に係る務歯とその務歯を用いたスライドファスナーの代表的な実施形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
図1は、本発明に係るスライドファスナーを自動車用シートのシートバック側部に適用した使用例を示す図である。
【0026】
例えば、本発明に係るスライドファスナーは、サイドエアバッグ装置92が内部に装着された自動車用シート91のシートカバー開口部に使用することができる。図1に示した自動車用シート91は、座部を形成するシートクッション93と、背もたれ部を形成するシートバック94とを有している。これらのシートクッション93やシートバック94の内部には、自動車用シート91の全体形状を形成するシートフレームや、乗員が自動車用シート91に着座した際の荷重を平均して受圧するシートスプリング、発泡性合成樹脂を所定形状に成形したクッション部材等を有している。同クッション部材の表面は、ファブリックや革などのシートカバー93a,94aにて被覆してある。
【0027】
シートバック94の側部には、自動車が衝突して大きな衝撃を受けたときに乗員の側方側に展開させることにより、乗員の頭部側方に加わる衝撃を大幅に緩和するサイドエアバッグ装置92が内蔵されている。このサイドエアバッグ装置92の膨出用開口は、前述のスライドファスナー1にて閉鎖されている。なお、自動車用シート91の内部には、サイドエアバッグ装置92の他、座面調節用のアクチュエータやその作動機構、座面において暖房を行うヒーター、その他補機類が装着されているものもある。
【0028】
このシートカバー94aは、サイドエアバッグ装置92その他の補機類を組付けた後に背もたれ部に被せ、スライドファスナー1のスライダーを摺動させることにより、スライドファスナー1を用いて閉鎖している。なお、スライドファスナー1として裏面側に務歯列を配置した隠しスライドファスナーを用いることによって、シートバック94側部の見栄えを良くすることができる。また、隠しスライドファスナーを用いない場合には、スライドファスナー1の表面にフラップを配置して、務歯列を外部から隠すようにすることもできる。
【0029】
自動車用シート91に乗員が着座すると、シートバック94の背もたれ中央部が乗員の荷重により凹むので、シートバック94側部を覆っているスライドファスナー1には横引き力が加わる。スライドファスナー1は、この通常使用時に加わる横引力に対して十分耐える能力が必要である。その一方、自動車が衝突した際には、スライドファスナー1を開裂させてエアバッグを膨出させなければならない。したがって、スライドファスナー1は、10N/cm程度の通常加わる横引力には十分耐え、エアバッグの膨張により150〜350N/cmの横引力が加わった場合には、20/1000秒以内に開裂してエアバッグを膨出させる必要がある。
【0030】
この要求を満たすために、例えば特許文献1に記載されているように、スライドファスナーにおいて噛合頭部の形状を表裏非対称に形成した開裂起点を設けることにより、エアバッグ膨張時には、先ずこの開裂起点において噛合が外れ、以降エアバッグの膨出に伴って、スライドファスナーの端部に向けて順次噛合が外れるように構成することで、この相反する要求を満足することができる。
【0031】
エアバッグ膨張時において、スライドファスナー1の一部にて噛合が外れると、その後エアバッグの膨出に伴って務歯列の噛合がスライドファスナーの端部に向けて順次外れてゆき、このスライドファスナー1の開裂部からエアバッグが膨出して、衝突時に人体に加わる衝撃力を大幅に緩和し、乗員の安全を確保することができる。しかるに、エアバッグ膨出時などの強制開裂時には、スライドファスナー1の噛合頭部に加わる強い横引力により、務歯の一部が破断する可能性がある。
【0032】
そこで本発明に係るスライドファスナー1では、噛合頭部から二股に分かれて延出する第1及び第2の脚部が形成された務歯を用いるとともに、第1脚部における第1縫工部の縫着線から噛合頭部を経由して第2脚部の第2縫工部の縫着線に至る範囲の一ヶ所に、破断強度を弱めた脆弱部を形成した。この務歯の構成について、図2を用いて説明する。
【実施例1】
【0033】
図2は、本発明に係るスライドファスナー1の外観図であり、務歯の形状を説明するために、スライドファスナー1の噛合軸線に対して直角な断面をとって示してある。図3は、図2に示したスライドファスナー1における左務歯列12aのみを拡大して説明する図である。
【0034】
図2及び図3に示すように、スライドファスナー1は、左ファスナーテープ16及び右ファスナーテープ17と、左ファスナーテープ16及び右ファスナーテープ17の対向する務歯取付部に沿って配した左務歯列12a及び右務歯列13aと、左務歯列12a及び右務歯列13aを挿通させながら上下に動かすことにより左務歯列12a及び右務歯列13a同士を噛合させたり離したりするスライダー50とを備えている。
【0035】
図2に示すスライドファスナー1の務歯取付部は、裏側に向けてU字状に反転した形状をしており、U字状に反転した左ファスナーテープ16及右ファスナーテープ17の務歯取付部には、左務歯列12a及び右務歯列13aが縫工糸15により縫着されている。なお、図2に示すスライドファスナー1はコンシール性を備えた隠しスライドファスナーであるが、本発明は隠しスライドファスナーのみに限定するものではなく、後段にて説明する図13や図15に示すスライドファスナーに適用することができる。また、図2に示すスライドファスナー1の左務歯列12a及び右務歯列13aは、射出成形により成形した務歯列であるが、本発明は射出成形により成形した務歯に限定するものではなく、ジグザグ状のモノフィラメントによる務歯列(後段にて説明する図14参照。)や、コイル状のモノフィラメントによる務歯列(後段にて説明する図15参照。)を用いることも可能である。
【0036】
図2に示すように、左務歯列12a及び右務歯列13aを構成する左務歯12及び右務歯13は、左右双方の務歯同士を噛合させるための噛合頭部70と、この噛合頭部70から表裏方向に二股に分かれて延出する第1脚部72及び第2脚部73とを有している。左務歯12における噛合頭部70の中央には、噛合頭部70の断面積を減少させた切欠き形状の脆弱部80を形成してある。この脆弱部80は、左務歯12及び右務歯13のいずれか一方の噛合頭部70のみに形成してもよいし、左務歯12及び右務歯13の双方の噛合頭部70に形成してもよい。また、図2に示す実施例では、噛合頭部70の外側からV字状に切欠いた脆弱部80を形成してあるが、噛合頭部70の内側から切欠きを形成することもできる。
【0037】
噛合頭部70から延出する第1脚部72の端部と噛合頭部70との間の部分における第2脚部73側の部分には、左ファスナーテープ16又は右ファスナーテープ17に対して縫着するための縫工糸15が跨ぐ縫工部74(凹条溝)が予め形成されている。更に、第2脚部73の端部と前記噛合頭部70との間の部分における外周側の部分にも、縫工糸15が跨ぐ縫工部75(凹条溝)が予め形成されている。なお、この縫工部74及び縫工部75は、第1脚部72及び第2脚部73に予め形成した凹条溝に限定されるものではない。例えば、合成樹脂製のモノフィラメントによる連続した務歯のように、縫工糸15によって縫着した後に、縫着により脚部が撓んで形成される縫工部も含まれる。
【0038】
図2に示すように、第1脚部72の縫工部74において縫工糸15が跨いでいる部分であって、左ファスナーテープ16に垂直な直線を縫工線84と定義する。また、第2脚部73の縫工部75において縫工糸15が跨いでいる部分であって、左ファスナーテープ16に垂直な直線を縫工線85と定義する。破断強度を弱めた脆弱部80は、第1脚部72における縫工線84から噛合頭部70を経由して、第2脚部73における縫工線85に至る範囲の一ヶ所に形成されている。
【0039】
また、第1脚部72及び第2脚部73の端部(基部)には、左務歯列12a及び右務歯列13aを形成するにあたって左務歯12及び右務歯13の間隔を均一に設定して連結する連結糸76を挿通してある。連結糸76は、左務歯列12a及び右務歯列13aを成形する際に、図4に示すようにインサート成形法により一体成形したものである。
【0040】
図4は、左務歯列12aを成形した直後の状態を示す平面図である。
図4に示すように、成形直後の左務歯列12aは、第1脚部72と、噛合頭部70と、第2脚部73とが一直線上に対称に形成された状態となっている。各左務歯12同士の間隔は、右務歯列13aと噛合させる際に必要となる所定の間隔が得られるように、第1脚部72及び第2脚部73の端部が連結糸76にて連結されている。なお、噛合頭部70の中央部には、噛合軸線に沿ってV字状に切り欠いた脆弱部80が形成されている。
【0041】
図5に、成形した左務歯列12aを左ファスナーテープ16に縫着した状態を示す。
図4に示した成形後の左務歯列12aを左ファスナーテープ16の務歯取付部に配置し、縫工糸15を第1脚部72の縫工部74に跨がせて縫着する。その後、図5に示す状態から第2脚部73を噛合頭部70の中央部分を中心に時計回りに回転させて、第1脚部72に下側から重ね合わせる。
【0042】
次に、縫工部75に縫工糸15を跨がせて、左ファスナーテープ16に縫着し、左務歯列12aの両端において末端処理を行う。最後に、左ファスナーテープ16の務歯取付部がU字状になるように反時計回りに反転させて、務歯取付部から左務歯列12aの噛合頭部70を外方に向けて突出させる。なお、右務歯列13aも同様に成形し、右ファスナーテープ17に縫着して、左右のファスナーストリンガーが完成する。
【0043】
図6は、スライダー50を引き上げて、左務歯12と右務歯13とを噛合させた状態を示す務歯列単体の平面図である。図7は、スライドファスナー1の噛合軸線に直角な断面図であり、図6のVII−VII矢視断面を示している。
図6にすように、左務歯12と右務歯13とを噛合させた状態では、左務歯12と右務歯13とにおける山高さHの噛合頭部70が、右務歯13と左務歯12とにおける首幅Dの脚部同士の隙間に入り込んでいる。
【0044】
次に、図7に示した左務歯12及び右務歯13を噛合させた状態において過大な横引力が印加され、左務歯12及び右務歯13が左右方向に開裂し、その際に左務歯12が脆弱部80において破断した状態を、図8に示す。
【0045】
図7に示したスライドファスナー1では、左務歯12及び右務歯13の噛合頭部70の山高さHと首幅Dと段差を少なめに設定してあるので、スライドファスナー1が開裂することにより、例えば130N/cm以上の横引力は加わらない。しかし、何らかの要因によりスライドファスナー1がねじれながら横引力が加わったり、スライドファスナー1の左右のファスナーストリンガーに突き上げ方向の力と横引力とが同時に加わったような場合には、噛合状態にある務歯が破断する可能性がある。
【0046】
本発明によれば、左務歯12の縫工部74における縫工線84から、噛合頭部70を経由して縫工部75における縫工線85に至る範囲の一ヶ所に、破断強度を弱めた脆弱部80を形成したので、務歯が横引力によって破断する際には、この脆弱部80において破断が発生する。脆弱部80において左務歯12が破断した場合であっても、第1脚部72側の破断片は、縫工部74において左ファスナーテープ16に縫着されているために、第1脚部72の破断片が左ファスナーテープ16から離間する不具合を低減することができる。
【0047】
また、図8に示す実施例では、第1脚部72の端部は連結糸76によって隣接する他の左務歯12と連結してあるので、強い横引力により縫工糸15が破断した場合であっても、第1脚部72が左ファスナーテープ16から離間する不具合を低減することができる。
【0048】
他方、第2脚部73側の破断片は、縫工部75において左ファスナーテープ16に縫着されているために、第2脚部73の破断片が左ファスナーテープ16から離間する不具合を低減することができる。同様に、第2脚部73の端部も、連結糸76によって隣接する他の左務歯12と連結してあるので、縫工糸15が破断した場合であっても第2脚部73が左ファスナーテープ16から離間する不具合を低減することができる。
【0049】
図2及び図7に示した実施例では、左務歯12の噛合頭部70のみに脆弱部80を形成し、右務歯13の噛合頭部70には脆弱部80を形成していない構成を示したが、図9に示すように、スライドファスナー110の左務歯12及び右務歯113における双方の噛合頭部70に脆弱部80を形成してもよい。スライドファスナー110に過大な横引力が加わり、左務歯12及び右務歯113の双方の脆弱部80にて破断が発生した場合であっても、左務歯12又は右務歯113の破断片は縫工糸15や連結糸76によって保持されているので、左ファスナーテープ16又は右ファスナーテープ17から離間する不具合を低減することができる。
【実施例2】
【0050】
次に、務歯に形成した脆弱部の他の実施例について、図10を用いて説明する。
図10は、務歯112をファスナーテープに縫着するための縫工糸が跨ぐ脚部の一ヶ所に、破断強度を弱めた務歯幅Cの脆弱部80を形成した実施例を示す図である。務歯幅Cの部分は、務歯112の第2脚部73における両側面に、ファスナーテープの表裏方向に向かって延びる略V字状の切欠きを形成して、務歯112における他の部分よりも務歯幅が狭くなるようにしてある。これにより、務歯112の第2脚部73における断面積が他の部分よりも減少するので、この務歯幅Cの部分における破断強度は、他の部分と比較よりも低くなっている。したがって、務歯112が横引力によって破断する際には、この脆弱部80において破断が発生することになる。
【0051】
務歯112に過大な横引力が加わって脆弱部80にて破断が発生した場合であっても、務歯112の破断片は縫工糸(図示せず。)や連結糸76によって保持されているために、務歯112の破断片がファスナーテープから離間する不具合を低減することができる。
【実施例3】
【0052】
次に、務歯に形成した脆弱部の他の実施例について、図11を用いて説明する。
図11は、務歯212における噛合頭部70から縫工部75の縫工線85に至る範囲の一ヶ所に、破断強度を弱めた脆弱部80を形成した実施例を示す図である。脆弱部80は、務歯212の脚部における縫工線84から噛合頭部70を経由して縫工線85に至る範囲において、最も断面積が少なくなるように、務歯212の外周部から内側に向けて掘り込むとともに、ファスナーテープの長手方向に延びる略V字状の切欠きを形成してある。これにより、務歯212が横引力によって破断する際には、この脆弱部80において破断が発生することになる。
【0053】
務歯212に過大な横引力が加わって脆弱部80にて務歯212が破断が発生した場合であっても、務歯212の破断片は縫工糸15や連結糸76によって保持されているために、ファスナーテープから離間する不具合を低減することができる。
【0054】
なお、図11に示す実施例では、噛合頭部70から縫工部75の縫工線85に至る範囲の一ヶ所に、破断強度を弱めた脆弱部80を形成した実施例を示してあるが、務歯212の縫工部74における縫工線84から噛合頭部70に至る範囲の一ヶ所に、破断強度を弱めた脆弱部80を形成しても、本発明の目的を達成することができる。
【実施例4】
【0055】
次に、務歯に形成した脆弱部の他の実施例について、図12を用いて説明する。
図12は、務歯312における噛合頭部70に開口82を形成し、この開口82の両側部に脆弱部80を形成した実施例を示す図である。脆弱部80の断面積は、務歯312の脚部における縫工線84から噛合頭部70を経由して縫工線85に至る範囲において、最も断面積が少なくなるように開口82の両側部に立設して形成してある。このため、務歯312が横引力によって破断する際には、この開口82の両側に立設した脆弱部80において破断が発生することになる。
【0056】
務歯312に過大な横引力が加わって脆弱部80にて務歯312が破断が発生した場合であっても、務歯312の破断片は縫工糸15や連結糸76によって保持されているために、ファスナーテープから離間する不具合を低減することができる。
【実施例5】
【0057】
次に、務歯に形成した脆弱部の他の実施例について、図13を用いて説明する。
上記の各実施例では、コンシール性に優れた隠しスライドファスナーの務歯の一ヶ所に脆弱部を形成した実施例を示したが、本発明は隠しスライドファスナーに限定するものではなく、ファスナーストリンガーの端縁がU字状に屈曲していない平面形状のスライドファスナーにも適用することができる。図13は、射出成形により成形した務歯512をU字状に屈曲させてファスナーテープ516の務歯取付部に縫着した状態を示す図であり、スライドファスナーの噛合軸線に対して直角な断面図である。
【0058】
図13に示すスライドファスナーは、射出成形により成形した務歯512をU字状に屈曲させてファスナーテープ516側縁部の務歯取付部を挟み込んだ後に、務歯512における第1脚部572の縫工部574と、第2脚部573の縫工部575とに縫工糸15を跨がせてファスナーテープ516に縫着してある。これにより、務歯512の噛合頭部70をファスナーテープ516の務歯取付部から外方に向けて突出させている。
【0059】
務歯512における噛合頭部70には、破断強度を弱めた脆弱部80を形成してある。脆弱部80の断面積は、務歯512の第1脚部572における縫工線86から噛合頭部70を経由して第2脚部573の縫工線86に至る範囲において、最も断面積が少なくなるように、噛合頭部70の外側からファスナーテープ516の端縁に向けて掘り込むとともに、ファスナーテープ516の長手方向に延びる略V字状の切欠きを形成してある。このため、務歯512が横引力によって破断する際には、この脆弱部80のV字状の底の部分において破断が発生することになる。務歯512に過大な横引力が加わって脆弱部80にて務歯512が破断が発生した場合であっても、務歯512の破断片は縫工糸15や連結糸76によって保持されているために、破断片がファスナーテープから離間する不具合を低減することができる。
【実施例6】
【0060】
次に、務歯に形成した脆弱部の他の実施例について、図14を用いて説明する。
上記の各実施例では、射出成形により成形した務歯の一部に脆弱部を形成したスライドファスナーの実施例を示したが、本発明はジグザグ状又はコイル状の連続した務歯(合成樹脂製のモノフィラメント)を用いたスライドファスナーにも適用することができる。図14は、一部に脆弱部80を形成したジグザグ状の務歯412単体の斜視図である。
【0061】
図14に示すように、ジグザグ状の務歯412の一側縁には噛合頭部470が形成されている。噛合頭部470の両端からは、第1脚部472及び第2脚部473が二股に分かれて延出している。ジグザグ状の務歯412をファスナーテープに縫着する際には、ジグザグ状の務歯412の連通する中央部に芯紐(図示せず。)を挿通し、第1脚部472の縫工部及び第2脚部473の縫工部に縫工糸(図示せず。)を跨がせて縫着する。なお、各務歯の第1脚部472及び第2脚部473は、反転連結部476を介して隣接する務歯の第1脚部472及び第2脚部473に接続されている。第1脚部472の縫工部及び第2脚部473の縫工部は、予め凹条の溝を形成したものではなく、縫着後に定義される部分である。また、その両縫工部を結ぶ直線であって、ファスナーテープに垂直な縫工線も、務歯412をファスナーテープに縫着した後に定義される線である。
【0062】
ジグザグ状の務歯412における第1脚部472の一部には、断面積を減少させることにり破断強度を弱めた脆弱部80を形成してある。この脆弱部80は、合成樹脂製のモノフィラメントによる務歯412の成形後に、カッターで略V字状にスライドファスナーの長手方向に切削することにより溝を形成したり、ヒーターや超音波を用いた溶融加工により形成した溝である。
【0063】
このように、ジグザグ状の務歯412の縫工部よりも噛合頭部470側の一部に、略V字状に切欠いた脆弱部80を形成することによって、務歯412に過大な横引力が加わって脆弱部80にて務歯412が破断が発生した場合であっても、務歯412の破断片は縫工糸や反転連結部476によって保持されているために、ファスナーテープから離間する不具合を低減することができる。
【実施例7】
【0064】
次に、務歯に形成した脆弱部の他の実施例について、図15を用いて説明する。
図15は、コイル状の務歯612をファスナーテープ616の務歯取付部に縫着した状態を示す図であり、スライドファスナーの噛合軸線に対して直角な断面図である。
【0065】
図15に示すように、コイル状の務歯612の一側縁には噛合頭部670が形成されている。噛合頭部670の両端からは、第1脚部672及び第2脚部673が二股に分かれて延出している。コイル状の務歯612をファスナーテープ616に縫着する際には、コイル状の務歯612の連通する中央部に芯紐14を挿通し、第1脚部672の縫工部674に縫工糸15を跨がせて縫着する。このとき、第1脚部672のファスナーテープ616側に第2脚部673の縫工部675を挟み込み、第1脚部672のみに縫工糸15を跨がせて、芯紐14を介して第2脚部673の縫工部675をファスナーテープ616に圧接させて、第1脚部672と第2脚部673とをファスナーテープ616に縫着している。なお、各務歯の第1脚部672及び第2脚部673は、反転連結部676を介して隣接する務歯の第2脚部673及び第1脚部672に接続されている。なお、その縫工部674及び縫工部675とを結ぶ直線であって、ファスナーテープ616に垂直な直線を、縫工線86と定義することにする。
【0066】
コイル状の務歯612における第1脚部672の縫工部674から、噛合頭部670を経由して第2脚部673の縫工部675に至る範囲(すなわち、縫工線86よりも噛合頭部670側。)の一ヶ所に、断面積を減少させることにより破断強度を弱めた脆弱部80を形成してある。この脆弱部80は、合成樹脂製のモノフィラメントによる務歯612の成形後に、カッターで略V字状にスライドファスナーの長手方向に切削することにより溝を形成したり、ヒーターや超音波を用いた溶融加工により形成した溝である。
【0067】
このように、コイル状の務歯612に脆弱部80を形成することによって、務歯612に過大な横引力が加わって脆弱部80にて務歯612が破断が発生した場合であっても、務歯612の破断片は縫工糸15や反転連結部676によって保持されているために、破断片がファスナーテープ616から離間する不具合を低減することができる。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明に係るスライドファスナーは、エアバッグの膨出用開口部に用いることができる他、膨張用ガスにより膨らむライフジャケットの膨出用開口部に適用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明に係るスライドファスナーを自動車用シートのシートバック側部に適用した使用例を示す図である。
【図2】本発明に係るスライドファスナーの外観図であり、スライドファスナーの噛合軸線に対して直角な断面をとって示した図である。
【図3】図2に示したスライドファスナーにおける左務歯列の拡大図である。
【図4】左務歯列の成形直後の状態を示す平面図である。
【図5】成形した左務歯列を左ファスナーテープに縫着する工程を示す図である。
【図6】スライダーを引き上げて、左務歯と右務歯とを噛合させた状態を示す務歯列単体の平面図である。
【図7】スライドファスナーの噛合軸線に直角な断面図であり、図6のVII−VII矢視断面図である。
【図8】左務歯及び右務歯が左右方向に開裂し、その際に左務歯が脆弱部において破断した状態を示す図である。
【図9】破断強度を弱めた脆弱部を、左務歯及び右務歯の双方の噛合頭部に形成した実施例を示す図である。
【図10】破断強度を弱めた脆弱部を、縫工部の一ヶ所に形成した実施例を示す図である。
【図11】破断強度を弱めた脆弱部を、噛合頭部から縫工部に至る範囲の一ヶ所に形成した実施例を示す図である。
【図12】破断強度を弱めた脆弱部を、噛合頭部の開口部の両側に形成した実施例を示す図である。
【図13】ファスナーテープ側端縁の務歯取付部に、本発明に係る脆弱部を形成した務歯をU字状に屈曲させて縫着した実施例を示す図である。
【図14】破断強度を弱めた脆弱部を、ジグザグ状の務歯の一部に形成した実施例を示す図である。
【図15】破断強度を弱めた脆弱部を、コイル状の務歯の一部に形成した実施例を示す図である。
【符号の説明】
【0070】
1,110 スライドファスナー
12,112 左務歯
12a 左務歯列
13,113 右務歯
13a 右務歯列
14 芯紐
15 縫工糸
16,616 左ファスナーテープ
17 右ファスナーテープ
50 スライダー
70,470,670 噛合頭部
72,472,672,572 第1脚部
73,473,673,573 第2脚部
74,75,574,575,674,675 縫工部
76 連結糸
80 脆弱部
82 開口
84、85、86 縫工線
212,312,412,512,612 務歯
476,676 反転連結部
516 ファスナーテープ
C 務歯幅
D 首幅
H 山高さ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右一対のファスナーテープ(16,516,616,17)の務歯取付部において、噛合頭部(70,470)から二股に分かれて延出する第1及び第2脚部(72,472,672;73,473,673)が形成された務歯(12,112,212,312,412,512,612,13,113)の前記第1及び第2脚部(72,472,672;73,473,673)を、縫工糸(15)を用いてテープ長さ方向に沿って複数縫着することにより、縫工線(84,85,86)が形成されるスライドファスナーであって、
前記第1脚部(72,472,672)における前記縫工線(84,86)から前記噛合頭部(70,470,670)を経由して、前記第2脚部(73,473,673)における前記縫工線(85,86)に至る範囲の一ヶ所に、破断強度を弱めた脆弱部(80)を有してなることを特徴とするスライドファスナー。
【請求項2】
前記脆弱部(80)は、前記噛合頭部(70,470,670)に形成されてなることを特徴とする請求項1に記載のスライドファスナー。
【請求項3】
前記脆弱部(80)は、前記縫工線(84,85,86)から前記噛合頭部(70,470,670)に至る範囲の一ヶ所に形成されてなることを特徴とする請求項1に記載のスライドファスナー。
【請求項4】
前記ファスナーテープ(16,17)の噛合側がU字状に内側に折り曲げられた屈曲端縁が形成され、当該屈曲端縁から前記務歯(12,112,212,312,13,113)の噛合頭部(70)が外方に向けて突出するように折り曲げられた務歯取付部に、前記務歯(12,112,212,312,13,113)が縫着されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のスライドファスナー。
【請求項5】
前記複数の隣接する務歯(12,112,212,312,512,13,113)を、前記第1及び第2の脚部(72;73)において連結する連結糸(76)を有してなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のスライドファスナー。
【請求項6】
前記複数の務歯(412,612)は、前記第1及び第2の脚部(472,672;473,673)の端部において反転連結部(476,676)を介してそれぞれが連結された、コイル状又はジグザグ状の連続した務歯(412,612)であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のスライドファスナー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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