説明

スライドファスナー

【課題】ファスナー自体の機能を有効に利用することができ、且つ、従来では用いられていなかった新しい分野にその用途を広げることが可能なスライドファスナーを提供する。
【解決手段】本発明に係るスライドファスナー(1,21,41,51,71) は、その構成部材の少なくとも一部に、円柱状の嵌着突起(4c,5c,11c,15c,44c,45c,54c,55c76c,77c)及び嵌着空間(4d,5d,13d,14d,55d) のうちの少なくとも一方が設けられ、前記嵌着突起(4c,5c,11c,15c,44c,45c,54c,55c76c,77c)及び前記嵌着空間(4d,5d,13d,14d,55d) は、同スライドファスナー(1,21,41,51,71) の他の構成部材及び同スライドファスナーとは異なる他物品のうちの少なくとも1つに形成された嵌着空間(5d)及び嵌着突起(5c)に対して着脱可能に形成されていることを特徴としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はスライドファスナーに関し、特に、従来では考えられていなかった新しい使い方をすることが可能なスライドファスナーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、スライドファスナーは、衣料品、日用雑貨品、産業用資材、自動車や列車、航空機等の各種シート類などの広い分野で採用されており、特に、衣料品、雑貨類、鞄類などの開口部を開閉する開閉具として多く使われている。
【0003】
このスライドファスナーは、基本的な構造として、左右のファスナーテープの対向するテープ側縁部に沿ってエレメント列が取着された左右一対のファスナーストリンガーと、ファスナーストリンガーのエレメント列に挿通したスライダーとを有しており、スライダーをファスナーストリンガーのエレメント列に沿って摺動させることによって、左右のファスナーエレメントを噛合・離脱させる。また、スライドファスナーの左右エレメント列の上下両端部には、スライダーがエレメント列から抜けることを防止するための止具が取り付けられていることが多い。
【0004】
ところで、幼児や児童の知能的発達を促す知育玩具の一つとして、相互に嵌め合わせて連結可能な連結ブロックがあり、この連結ブロックは、例えば手を動かして複数の連結ブロックを組み立てることによって様々な形状を作り出せることから、子供の想像力や思考力を養うととともに、脳の発達を促すと玩具として知られている。現在、このような玩具用の連結ブロックとしては、例えばレゴ社のレゴ(登録商標)やダイヤブロック(登録商標)などが実際に市販されている。
【0005】
一般に、このような連結ブロックは、サイズ・形状・色彩が異なる多数の連結ブロックを組み合わせることにより、建物や動物などの形状を作り出すことが可能であるが、更に、より多くの形状をより細かく表現できるように、近年でも様々な改良がなされている。例えば、特表2001−500412号公報(特許文献1)には、連結ブロック同士の連結方向の自由度を更に高めるための発明が開示されている。また、特表2003−508138号公報(特許文献2)には、サイズが異なる連結ブロックを互いに回転しないように連結させるための発明が開示されている。
【0006】
また、現在市販されている連結ブロックは、例えば車輪、歯車、滑車、ボールジョイントなどのパーツと組み合わせることが可能であり、これにより、自動車のような乗り物等のブロック集合体を組み立てることが可能となるだけでなく、その組み立てられたブロック集合体を動かして遊ぶことも可能となる。このため、連結ブロックを用いて表現可能な世界の大きさが広がって、子供の想像力や思考力を一段と高めることができるとともに、
子供に機械要素の基礎的な仕組みを理解させることにも繋がる。
【0007】
なお、このような知育玩具である連結ブロックについては、子供の想像力や思考力の更なる発達を促すために、例えば連結ブロック自体を更に改良することや、連結ブロックに組み合わせることが可能なパーツの種類を増やすことなどが望まれている。
【特許文献1】特表2001−500412号公報
【特許文献2】特表2003−508138号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来のスライドファスナーは、前述のように衣料品、雑貨類、鞄類などの開口部を開閉する開閉部材としての用途が多く、その市場もある特定の範囲に集中していた。このため、スライドファスナーの事業規模を更に広げるためには、開閉機能等のスライドファスナー独自の機能を利用でき、且つ、従来には用いられていなかった分野へ新たに進出していくことが求められており、また、模索されていた。
【0009】
本発明は上記従来の課題に鑑みてなされたものであって、その具体的な目的は、ファスナー自体の機能を有効に利用することができ、且つ、従来では用いられていなかった新しい分野にその用途を広げることが可能なスライドファスナーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明により提供されるスライドファスナーは、基本的な構成として、左右一対のファスナーテープの対向するテープ側縁部に取着した左右のエレメント列にスライダーが挿通され、同スライダーを前記エレメント列に沿って摺動させることにより前記エレメント列を噛合・分離させるスライドファスナーであって、前記スライドファスナーの構成部材の少なくとも一部に、円柱状の嵌着突起及び嵌着空間のうちの少なくとも一方が設けられ、前記嵌着突起及び前記嵌着空間は、同スライドファスナーの他の構成部材及び同スライドファスナーとは異なる他物品のうちの少なくとも1つに形成される嵌着空間及び嵌着突起に対して着脱可能に形成されてなることを最も主要な特徴とするものである。
【0011】
本発明に係るスライドファスナーにおいて、前記嵌着空間は、前記他の構成部材又は前記他物品に形成される嵌着突起と同一直径を有する円形状の孔部、又は、前記他の構成部材又は前記他物品に形成される嵌着突起の外周面を3箇所以上の線接触で支持可能な多角形状の孔部により構成されていることが好ましい。
【0012】
また、前記嵌着空間は、平面視にて、枠状の周壁部により形成された空間部、平面視にて、枠状の周壁部と同周壁部により囲まれた領域内の所定位置に配された円柱状若しくは円筒状の支持柱部との間に形成された空間部、又は、平面視にて、枠状の周壁部と同周壁部により囲まれた領域内の所定位置に配された中仕切壁部との間に形成された空間部により構成されていても良い。
【0013】
また本発明に係るスライドファスナーにおいて、前記嵌着突起は、その高さ方向に沿った中空空間を有する円筒状の突起を含み、前記中空空間は前記嵌着空間を構成していることが好ましい。
【0014】
また、本発明のスライドファスナーは、前記エレメント列を構成するファスナーエレメントに、前記嵌着突起及び前記嵌着空間のうちの少なくとも一方が形成されていることが好ましい。
【0015】
この場合、前記ファスナーエレメントは、前記ファスナーテープに取り付ける脚部と、同脚部から延設される直方体状の噛合部とを一体に有し、前記噛合部のテープ長手方向の一面に前記嵌着突起が形成され、同噛合部の前記嵌着突起が形成された面とは反対側のテープ長手方向の他面に前記嵌着空間が形成されていることが好ましい。
【0016】
また、前記ファスナーエレメントは、前記ファスナーテープに取り付ける胴部と、同胴部からテープ外方に延設される括れた頚部と、同頚部の先端に設けられる長円形状の噛合頭部とを有し、前記胴部のテープ表裏方向の少なくとも一面に、前記嵌着突起又は前記嵌着空間が形成されていても良い。
【0017】
更に、本発明のスライドファスナーは、前記スライダーに、前記嵌着突起及び前記嵌着空間のうちの少なくとも一方が形成されていることが好ましい。
更にまた、前記エレメント列の一端又は両端に、同エレメント列から前記スライダーが抜けることを防止する止具が配され、前記止具に、前記嵌着突起及び前記嵌着空間のうちの少なくとも一方が形成されていることが好ましい。
【0018】
また本発明において、前記ファスナーテープは、前記エレメント列を形成するファスナーエレメントを取り外し可能に取着するエレメント取着部を有し、前記ファスナーエレメントは、前記エレメント係着部に抜脱可能に係着する係着部を有していることが好ましい。
更に、前記ファスナーテープは、相互に連結可能な連結ブロックを取り外し可能に取着するブロック取着部を有していることが好ましい。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係るスライドファスナーは、その構成部材の少なくとも一部に、円柱状の嵌着突起及び嵌着空間のうちの少なくとも一方が設けられており、その嵌着突起及び嵌着空間は、同スライドファスナーの他の構成部材及び同スライドファスナーとは異なる他物品のうちの少なくとも1つに形成される嵌着空間及び嵌着突起に対して着脱可能に形成されている。
【0020】
これにより、本発明のスライドファスナーは、例えば従来ではスライドファスナーとは全く関係のない分野であった玩具用の連結ブロックに組み合わせることが可能なパーツの1つとして使用することや、また、スライダーの摺動による開閉機能等を活かしながら、装飾体等の他部材を容易に連結できる部材としても使用することが可能となる。
【0021】
このため、スライドファスナーの用途を従来では用いられていなかった新しい分野に広げることができ、スライドファスナーの事業規模の拡大を図ることが可能となる。特に、スライドファスナーを玩具用連結ブロックの組み合わせパーツの1つとして用いた場合には、連結ブロックを用いて表現できる世界を大きく広げることが可能となり、子供の想像力や思考力を一段と高めることに資する。
【0022】
なお、本発明において、例えば嵌着突起及び嵌着空間のうちの少なくとも一方が、スライドファスナーの構成部材の一部である左右エレメント列のうちの一方に形成されている場合、前述のスライドファスナーの他の構成部材とは、スライダーや上下止具に限定されず、左右エレメント列のうちの他方のエレメント列を含む。また、スライドファスナーとは異なる他物品としては、例えば嵌着突起と嵌着空間を有する一般的な連結ブロック(レゴ社のレゴ(登録商標)やダイヤブロック(登録商標)など)、及び、嵌着突起及び嵌着空間のうちの少なくとも一方が形成されたその他の装飾体や雑貨などが挙げられる。
【0023】
本発明のスライドファスナーにおいて、前記嵌着空間は、部材の表面に立設された円柱状(円筒状を含む)の嵌着突起を抜脱可能に嵌着する空間であり、例えば前記他の構成部材又は前記他物品に形成される嵌着突起と同一直径を有する円形状の孔部、又は、前記他の構成部材又は前記他物品に形成される嵌着突起の外周面を3箇所以上の線接触で支持可能な多角形状の孔部により構成されている。なお、ここで言う線接触とは、嵌着突起と嵌着空間(孔部)の周壁面とが、同嵌着突起の基端から先端にかけて、その高さ方向に沿って直線的に接触することを意味している。
【0024】
これにより、同嵌着空間は、スライドファスナーの他の構成部材やスライドファスナーとは異なる他物品に配される円柱状の嵌着突起を容易に且つ確実に抜脱可能に嵌着させることができ、また、その嵌着突起の嵌着状態も安定して維持することができる。更に、上述のように円形状又は多角形状の孔部からなる嵌着空間に、円柱状の1つの嵌着突起を嵌着した場合、スライダーの構成部材に連結した他の構成部材又は他物品を、その嵌着突起を回転軸にして相対的に回転させることが可能となる。
【0025】
なお、本発明において、他の構成部材又は他物品に形成される嵌着突起の外周面を3箇所以上の線接触で支持可能な孔部の代表的な形状としては、三角形や四角形が挙げられる。このような三角形や四角形状の嵌着空間に嵌着突起を嵌着させて、同嵌着突起の外周面を3箇所以上の線接触で支持することにより、嵌着突起を嵌着空間内にしっかりと嵌着させて、同嵌着空間内で嵌着突起が自由に動いてしまうことを防止できるとともに、嵌着突起と嵌着空間の周壁面とが面接触せずに、それらの間に働く摩擦力を適度に小さくすることができる。このため、嵌着空間に嵌着させた嵌着突起を軸にして、スライダーの構成部材に連結した他物品などを相対的に安定して、且つ円滑に回転させることができ、また、その回転を止めたときに、その回転停止状態を容易に維持することができる。
【0026】
或いは、前記嵌着空間は、平面視にて、枠状の周壁部により形成された空間部、平面視にて、枠状の周壁部と同周壁部により囲まれた領域内の所定位置に配された円柱状若しくは円筒状の支持柱部との間に形成された空間部、又は、平面視にて、枠状の周壁部と同周壁部により囲まれた領域内の所定位置に配された中仕切壁部との間に形成された空間部により構成されていても良い。これによっても、同嵌着空間は、他の構成部材や他物品に配される複数の円柱状の嵌着突起を容易に且つ確実に抜脱可能に嵌着させることができる。
【0027】
また本発明のスライドファスナーにおいて、構成部材の少なくとも一部に嵌着突起を備えている場合、同嵌着突起は、その高さ方向に沿った中空空間を有する円筒状の突起を含み、且つ、その中空空間は、他の構成部材や他物品に配される円柱状の嵌着突起を抜脱可能に嵌着させる嵌着空間を構成することも可能である。これにより、スライドファスナーに連結することが可能な連結ブロックやその他の装飾体等の連結相手部材の種類を増やすことができ、同スライドファスナーの用途を更に広げることができる。
【0028】
本発明のスライドファスナーでは、前記エレメント列を構成するファスナーエレメントに、前記嵌着突起及び前記嵌着空間のうちの少なくとも一方が形成されている。これにより、スライドファスナーのエレメント列に、例えば玩具用の連結ブロックや、嵌着空間及び/又は嵌着突起を有する部材(スライドファスナーを構成する部材を含む)等を容易に連結することが可能となる。
【0029】
この場合、例えば前記ファスナーエレメントが、ファスナーテープに取り付ける脚部と、同脚部から延設される直方体状の噛合部とを一体に有し、その噛合部のテープ長手方向の一面に嵌着突起が形成され、同噛合部の嵌着突起が形成された面とは反対側のテープ長手方向の他面に前記嵌着空間が形成されている。
【0030】
このように嵌着突起と嵌着空間とが各ファスナーエレメントにテープ長手方向に沿って形成されていれば、左右のエレメント列を噛合させるときに、左右のエレメント列のうちの一方のエレメント列に形成した嵌着突起を、その噛合相手部材となる他方のエレメント列に形成した嵌着空間に嵌着させるとともに、他方のエレメント列に形成した嵌着突起を、その噛合相手部材となる一方のエレメント列に形成した嵌着空間に嵌着させることにより、左右のエレメント列を安定して噛合させることができる。
【0031】
またこの場合、左右のエレメント列を噛合させた状態のときに、左右のファスナーストリンガーのうちの一方を、他方のファスナーストリンガーに対して、各ファスナーエレメントの嵌着突起を軸にして自由に折り曲げることができ、また、その折り曲げた状態を保持することができる。このため、本発明のスライドファスナーは、従来のスライドファスナーではできなかった動きを容易に行うことが可能となる。
【0032】
一方、例えば前記ファスナーエレメントが、ファスナーテープに取り付ける胴部と、同胴部からテープ外方に延設される括れた頚部と、同頚部の先端に設けられる長円形状の噛合頭部とを有し、その胴部のテープ表裏方向の少なくとも一面に、前記嵌着突起又は前記嵌着空間が形成されていても良い。
【0033】
このように嵌着突起又は嵌着空間が、各ファスナーエレメントの胴部のテープ表裏方向の面に形成されていれば、エレメント列の表裏面に、例えば玩具用の連結ブロックや、嵌着空間及び/又は嵌着突起を有する装飾体等の部材を容易に連結することが可能となる。
【0034】
また、本発明のスライドファスナーでは、そのスライダーに、前記嵌着突起及び前記嵌着空間のうちの少なくとも一方が形成されている。例えば、前記スライダーは、上翼板と下翼板とが案内柱により連結されて一体に形成されており、同スライダーの上翼板上面には嵌着突起又は嵌着空間が形成され、及び/又は、下翼板下面には嵌着突起又は嵌着空間が形成されている。これにより、同スライダーに、玩具用の連結ブロックや、嵌着空間及び/又は嵌着突起を有する装飾体等の部材を容易に連結することが可能となる。
【0035】
更に、本発明のスライドファスナーでは、前記エレメント列の一端又は両端に止具が配され、その止具に、前記嵌着突起及び前記嵌着空間のうちの少なくとも一方が形成されている。これにより、スライドファスナーの止具にも、玩具用の連結ブロックや、嵌着空間及び/又は嵌着突起を有する装飾体等の部材を容易に連結することが可能となる。
【0036】
また、本発明のスライドファスナーにおいて、前記ファスナーテープは、前記エレメント列を形成するファスナーエレメントを取り外し可能に取着するエレメント取着部を有し、前記ファスナーエレメントは、前記エレメント係着部に抜脱可能に係着する係着部を有している。これにより、ファスナーエレメントのファスナーテープへの取り付けやファスナーテープからの取り外しを容易に行うことが可能となり、スライドファスナーの用途等に応じて、ファスナーエレメントを容易に脱着させることが可能となる。
【0037】
更に、本発明のスライドファスナーにおいて、前記ファスナーテープは、相互に連結可能な連結ブロックを取り外し可能に取着するブロック取着部を有している。これにより、玩具として用いられるような連結ブロックのファスナーテープへの取り付けやファスナーテープからの取り外しを容易に行うことが可能となる。その結果、例えばスライドファスナーを玩具用連結ブロックに組み合わせるパーツの1つとして使用した場合に、ファスナーテープにも連結ブロックを連結することができるため、連結ブロックを用いてより様々な形状を作り出すことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、実施例を挙げて図面を参照しながら詳細に説明する。
【実施例1】
【0039】
図1は、本発明の実施例1に係るスライドファスナーの正面図であり、図2は、同スライドファスナーの斜視図である。図3は、同スライドファスナーのファスナーエレメントを斜め上方から見たときの斜視図であり、図4は、同ファスナーエレメントを斜め下方から見たときの斜視図である。
【0040】
また、図5は、同スライドファスナーのスライダーを斜め上方から見たときの斜視図であり、図6は、同スライダーを斜め下方から見たときの斜視図である。なお、以下の説明において、連結ブロックとは、本体部が略直方体状に形成されており、その一面には1つ又は複数の嵌着突起が形成され、同嵌着突起を有する反対側の面には嵌着空間を有しているものをいう。
【0041】
本実施例1のスライドファスナー1は、左右一対のファスナーテープ2と、左右のファスナーテープ2の対向するテープ側縁部に取着した左右のエレメント列3と、同エレメント列3に挿通したスライダー4とを備えている。
前記ファスナーテープ2は、その対向するテープ側端縁に芯紐部2aを有しており、このファスナーテープ2の芯紐部2aを含むエレメント取付部に沿って、複数のファスナーエレメント5が一定の間隔を開けて列設されてエレメント列3を形成している。なお、このファスナーテープ2の材質は特に限定されるものではなく、本実施例1では織成又は編成された繊維テープ状の基布がファスナーテープ2として使用される。
【0042】
前記ファスナーエレメント5は、ファスナーテープ2に合成樹脂を射出成形することにより同ファスナーテープ2に固着されている。このファスナーエレメント5の材質としては、例えばポリアセタール、ポリプロピレン、ポリブチレンテレフタレート、ナイロン等の熱可塑性樹脂を用いることができる。また、同ファスナーエレメント5は、図3及び図4に示したように、ファスナーテープ2に取り付けるための左右脚部5aと、同脚部5aと平行に延設された噛合部5bとを有している。これらの脚部5a及び噛合部5bは、一体的に形成されており、全体として略矩形状を呈している。
【0043】
各ファスナーエレメント5のテープ長手方向の一面(上面)には、基端から先端に亘って同一直径を有する円柱状の2つの嵌着突起5cがテープ幅方向に並ぶように形成されている。また、テープ長手方向の他面(下面)には、嵌着空間5dが噛合部5b側に形成されており、この嵌着空間5dは、テープ幅方向の長さとテープ表裏方向の長さとが等しい直方体状の孔部により構成されている。
【0044】
この場合、前記嵌着突起5cのサイズと前記嵌着空間5dのサイズは、左右のエレメント列3を噛合させたときに、円柱状嵌着突起5cの外周面を、噛合相手側の噛合空間の周壁面にて4箇所の線接触で支持することが可能なように設定されている。また、これらの嵌着突起5cと嵌着空間5dのサイズは、従来から用いられている一般的な連結ブロック(例えばレゴ(登録商標)ブロック又はダイヤブロック(登録商標)等)の一部と連結可能なサイズに設定されていることが好ましい。
【0045】
更に、ファスナーエレメント5の左右脚部5aの間には、ファスナーテープ2の芯紐部2aが挿通する挿通孔部5eが形成されている。この挿通孔部5eは、その中心軸の位置がファスナーエレメント5の脚部5a側に形成された嵌着突起5cの中心軸と重なるように、嵌着突起5c内に同軸上に配されている。
【0046】
なお、本実施例1のスライドファスナー1において、左右のエレメント列3の上端部及び/又は下端部には、同エレメント列3の形態を安定させるために、噛合部5bの一部が切除されたファスナーエレメント5’を取着することが可能である。
【0047】
前記スライダー4は、図5及び図6に示すように、上翼板4aと、下翼板4bと、上翼板4aの前端側中央部と下翼板4bの前端側中央部とを連結する案内柱4eと、上翼板4a及び下翼板4bの後端側の左右側端縁から同上下翼板4a,4bと直交する方向に形成された上下フランジ4fとを有している。
【0048】
また、本実施例1のスライダー4の上翼板上面には、基端から先端に亘って同一直径を有する円柱状の6つの嵌着突起4cが、所定の間隔をもって規則的に形成されている。更に、同スライダー4の下翼板下面には、図示しない他部材(連結ブロック等)に形成した嵌着突起を嵌着可能な嵌着空間4dが形成されている。
【0049】
この場合、上翼板4aに形成した嵌着突起4cの直径は、前記ファスナーエレメントに形成した嵌着突起5cの直径とは異なる大きさに設定されている。また、下翼板4bに形成した嵌着空間4dは、枠状の周壁部4gと同周壁部4gにより囲まれた領域内に形成された円筒状の支持柱部4hとの間に形成された空間部、及び、支持柱部4hの中空空間となる円形状孔部により構成されている。
【0050】
このような本実施例1のスライダー4における上翼板4aの上面側や下翼板4bの下面側には、例えば所定サイズの嵌着突起及び嵌着空間を有する連結ブロック等を連結することが可能である。このため、例えば図7及び図8に示したように、サイズの異なる2種類の連結ブロック6a,6bを用いることによって、本実施例1のスライダー4に、引手本体部7aとリング部7bとを有する引手7を取り付けることが可能となり、また、同引手7をスライダー4から取り外して、その他の引手に取り替えることも可能となる。
【0051】
以上のような本実施例1のスライドファスナー1は、各ファスナーエレメント5の上面に嵌着突起5cを有するとともに、下面に嵌着空間5dを有している。このため、エレメント列3に沿ってスライダー4を噛合方向に向けて摺動させることによって、各ファスナーエレメント5の嵌着突起5cを、同ファスナーエレメント5の上面側で噛合する相手方のファスナーエレメント5の嵌着空間5dに順次嵌着させて、左右のエレメント列3を安定して噛合させることができる。
【0052】
また、本実施例1のスライドファスナー1は、各ファスナーエレメント5に嵌着突起5cと嵌着空間5dとが形成されているため、例えば図9に示したように、エレメント列3の端部(図9では上端部)に配されたファスナーエレメント5に、嵌着突起及び嵌着空間を有する連結ブロック8a等を容易に連結させることができる。なお、この図9では、スライダー4の図示が省略されている。
【0053】
更に、本実施例1のスライドファスナー1では、左右のエレメント列3を全体に亘って噛合させた状態のときでも、エレメント列3の上端部や下端部に連結ブロックを自由に連結することができる。例えば図10に示したように、左右のエレメント列3を噛合させ、更にスライダー4をエレメント列3から抜脱させた場合、噛合状態にあるエレメント列3の上端部に噛合突起が配されているため、同エレメント列3の上端部に連結ブロック8bを容易に連結させることが可能となる。
【0054】
特に、図10に示したような嵌着空間を有する面に段差が設けられている連結ブロック8bをエレメント列3の上端部に連結させることによって、左右エレメント列3の噛合状態を安定して維持できる。またこの場合、同連結ブロック8bに、更に、単独の連結ブロックや、複数の連結ブロックを組み立てたブロック集合体9a等を自由に連結させることが可能である。
【0055】
また同様に、同スライドファスナー1のエレメント列の下端部には嵌着空間5cが形成されているため、同エレメント列3の下端部に、例えば図11に示したように、単独の連結ブロック8cや、花の形状に組み立てた連結ブロックの集合体9b等を自由に連結させることが可能である。
【0056】
更に、同スライドファスナー1のエレメント列3に挿通させたスライダー4は、その上翼板上面に嵌着突起4cを有するとともに、下翼板下面に嵌着空間4dを有している。このため、同スライダー4の上下翼板4a,4bにも、単独の連結ブロックや、図12に示したように動物の形状に組み立てた連結ブロックの集合体9c等を自由に連結させることが可能である。
【0057】
また、本実施例1のスライドファスナー1は、左右のエレメント列3が噛合状態にあるときに、各ファスナーエレメント5の噛合部5b側に形成した円柱状嵌着突起5cが、噛合相手方のファスナーエレメント5の嵌着空間5dに嵌着しており、且つ、噛合している左右のファスナーエレメント5の各嵌着突起5cがテープ長手方向に沿って一列に並んだ状態となる。
【0058】
このため、図13に示したように、噛合状態にある左右のファスナーストリンガー10のうちの一方を、他方のファスナーストリンガー10に対し、噛合相手方の嵌着空間5dに嵌着している各嵌着突起5cを軸にして自由に折り曲げることが可能となる。即ち、本実施例1のスライドファスナー1は、従来のスライドファスナー1ではできなかった動きを容易に行うことが可能となる。
【0059】
またこの場合、ファスナーエレメント5の嵌着突起5cは、嵌着空間5dを形成している孔部の周壁面に4箇所の線接触で支持されており、嵌着突起5cと嵌着空間5dの周壁面との間では適度な摩擦が生じている。このため、図13のように嵌着突起5cを軸にしてスライドファスナー1を折り曲げたときに、その折り曲げた形態を安定して維持することができる。
【0060】
以上のように、ファスナーエレメント5に嵌着突起5c及び嵌着空間5dをテープ長手方向に形成した本実施例1のスライドファスナー1は、スライダー4の摺動による開閉機能を備えるとともに、例えば玩具用の連結ブロック等に組み合わせることが可能なパーツとして、従来とは異なる新しい分野に使用することが可能となる。
【0061】
更に、本実施例1のスライドファスナー1は、前述の図13に示したように、嵌着している嵌着突起5cを軸にして自由に折り曲げることができ、更に、その折り曲げた形態を安定して維持することができる。このため、同スライドファスナー1は、玩具用連結ブロックのパーツ以外にも、例えばそのファスナーテープ2にパーティション等の仕切り部材を接続することにより、仕切り部材同士を連結し、且つ、その仕切り部材の位置関係を任意に変更することが可能な仕切り部材の連結具として使用することも可能である。
【0062】
なお、本実施例1のスライドファスナー1に用いられるスライダー4は、上述のような図5及び図6に示したスライダー4に限定されるものではなく、その他のスライダーも使用することができる。
例えば、その変形例の1つとして、図14に示したようなスライダー11を用いることができる。この図14に示したスライダー11は、上翼板11aの上面に突設された6つの嵌着突起11cを有しており、各嵌着突起11cは、その高さ方向に沿った中空空間を有する円筒状に形成されている。なお、同スライダー11は、各嵌着突起11cが円筒状に形成されていること以外については、前記実施例1のスライダーと同じ構成を有している。
【0063】
このようなスライダー11であれば、上翼板11aに形成した各嵌着突起11cの中空空間に、同嵌着突起11cよりも一回りサイズが小さい嵌着突起12を抜脱可能に嵌着することが可能となるため、より様々な種類の部材を容易に嵌着させて、玩具用の連結ブロックに組み合わせ可能なパーツとしての可能性を更に広げることができる。
【0064】
また、スライダーの別の変形例としては、下翼板下面に形成される嵌着空間の形態が前記実施例1のスライダー4とは異なる図15に示したスライダー13や図16に示したスライダー14を用いることができる。
例えば図15に示したスライダー13では、その下翼板13bの下面に枠状の周壁部13gが形成されているとともに、同周壁部13gにより囲まれた領域内には、2つの中仕切壁部13hがスライダー13の前後方向に沿って形成されている。これにより、枠状の周壁部13gと2つの中仕切壁部13hとにより空間部が形成され、同空間部により嵌着空間13dが構成されている。
【0065】
なお、このスライダー13では、その使用目的などに応じて、例えば前記中仕切壁部13hを排除して、枠状の周壁部13gにより囲まれた空間部のみによって嵌着空間を構成することも可能である。この場合、同嵌着空間を介して連結させる連結ブロック等には、複数の嵌着突起が枠状の周壁部13gの前後左右の各壁部にしっかりと当接するように配されていることが好ましい。
【0066】
一方、図16に示したスライダー14では、その下翼板14bの下面に、例えば連結ブロック等に配された1つの嵌着突起を抜脱可能に嵌着する円形状の孔部14iと、連結ブロック等に配された1つの嵌着突起の外周面を4箇所の線接触にて支持することが可能な四角形状の孔部14jが所定の間隔をもって形成されており、これらの孔部14i,14jによって、それぞれが1つの嵌着突起を嵌着することが可能な複数の嵌着空間14dが構成されている。
【0067】
なお、図15及び図16に示したスライダー13,14は、下翼板下面に形成される嵌着空間13d,14dの形態が異なること以外については、前記実施例1のスライダー4と同じ構成を有している。また、図16に示したスライダー14では、下翼板下面に円形状の孔部14iと四角形状の孔部14jの両方が形成されているが、例えば下翼板下面に複数の円形状の孔部14iのみを形成することや、複数の四角形状の孔部14jのみを形成することも可能である。またその他に、同嵌着空間14dは、このような円形状の孔部14iや四角形状の孔部14j以外にも、例えば嵌着突起の外周面を3箇所以上の線接触で嵌着することが可能な三角形状の孔部や五角形以上の多角形状の孔部によって構成されていても良い。
【0068】
これらの嵌着空間を有するスライダー13,14を用いることによっても、前記実施例1のスライダー4を用いたときと同様に、同スライダー13,14に引手を容易に取り付けることや、また、同スライダー13,14の上下翼板13a,13b,14a,14bに、単独の連結ブロックや任意の形状に組み立てた連結ブロックの集合体等を自由に連結させることが可能となる。
【0069】
また、スライダーの更に別の変形例としては、例えば図17に示したスライダー15を用いることができる。なお、図18には、同スライダーの上下中央部において切断したときの断面図を示している。
この図17に示したスライダー15は、左右方向に腕部15iが延設されて上面視又は下面視にて略十字架の形状を呈する上下翼板15a,15bと、上翼板15aの前端側中央部と下翼板15bの前端側中央部とを連結する案内柱15eと、上翼板15a及び下翼板15bの後端側の左右側端縁から同上下翼板15bと直交する方向に形成された上下フランジ15fと、上下翼板15bの左右腕部15iに形成された肉厚部15jとを有している。
【0070】
また、同スライダー15では、上下フランジ15fと左右腕部15iの肉厚部15jとが連続的に形成されているとともに、上翼板15aの左右腕部15iに形成された肉厚部15jと下翼板15bの左右腕部15iに形成された肉厚部15jとの間隔が、上下フランジ15f間の間隔と同じ寸法に設定されている。更に、左右の腕部15iを含む上翼板15aの上面には、8つの円柱状の嵌着突起15cが所定の間隔で形成されており、また、左右の腕部15iを含む下翼板15bの下面全体には、図示しない嵌着空間が形成されている。
【0071】
このような図17のスライダー15は、前記実施例1のスライダー4等と同様に、上下翼板15a,15bに、単独の連結ブロックや任意の形状に組み立てた連結ブロックの集合体等を自由に連結させることが可能である。更に、図17のスライダー15は、左右方向に延設された腕部15iが上下翼板15a,15bに設けられているため、例えば前述の図7及び図8を参照しながら説明したような引手7を連結ブロック6a,6b等を用いて取り付けなくても、上下翼板15bの左右腕部15iを人の指で挟み持つことによって、同スライダー15をエレメント列3に沿って容易に摺動させることができるといった効果が得られる。
【実施例2】
【0072】
次に、本発明の実施例2に係るスライドファスナーについて説明する。ここで、図19は、本実施例2に係るスライドファスナーの一方のファスナーストリンガーを示した斜視図であり、図20は、図19に示したXX−XX線断面図である。
本実施例2のスライドファスナー21は、左右のファスナーストリンガー22のファスナーテープ2に、嵌着突起及び嵌着空間を有する所定形状のテープ取着用連結ブロック26を取り付けたり、取り外したりすることが可能に形成されており、ファスナーエレメント5等のそれ以外の構成については前記実施例1のスライドファスナー1と基本的に同様である。
【0073】
このため、本実施例2のスライドファスナー21については、テープ取着用連結ブロック26をファスナーテープ2に取り外し可能に取着する手段についての説明を中心に行い、前記実施例1のスライドファスナー1と同様の構成を有する部品及び部材については同じ符号を用いて表すことによって、その説明を省略することとする。
【0074】
本実施例2のスライドファスナー21では、左右のファスナーテープ2の芯紐部2aが配されている側とは反対側の端縁部(外縁部)2bに、合成樹脂製の複数のブロック取着部23が射出成形により固着一体化されており、これらのブロック取着部23は、ファスナーテープ2のテープ長手方向に沿って所定の間隔をもって配されている。
【0075】
本実施例2において、各ブロック取着部23間の間隔は、ブロック取着部23のテープ長手方向の長さ、言い換えると、ブロック取着部23に取着可能なテープ取着用連結ブロック26の高さ寸法(嵌着突起26cの高さは除く)に設定されている。なお、このブロック取着部23の材質としては、例えばポリアセタール、ポリプロピレン、ポリブチレンテレフタレート、ナイロン等の熱可塑性樹脂を用いることができる。
【0076】
また、各ブロック取着部23は、ファスナーテープ2のテープ外縁部2b側の表裏面に固着された矩形状の第1固定部23aと、その第1固定部23aの上端部及び下端部からテープ外縁に向けて延設され、同テープ外縁で折り返す形でテープ表面側とテープ裏面側とが連結された第2固定部23bと、上下の第2固定部23b間にてテープ外縁を包み込むように形成され、円柱状の断面を有する円柱部23cとを有している。
【0077】
一方、このスライドファスナー21のブロック取着部23に取着可能なテープ取着用連結ブロック26は、略直方体状に形成されており、同テープ取着用連結ブロック26の上面には、6つの円柱状嵌着突起26cが形成され、下面には、他の連結ブロックに配された嵌着突起を嵌着可能な嵌着空間26dが形成されている。なお、テープ取着用連結ブロック26の嵌着空間26dは、連結ブロック26の下面視にて、テープ取着用連結ブロック26の前後左右の側面部に対応する枠状の周壁部26gと、同周壁部26gにより囲まれた領域内の所定位置に配され、円形状の断面を有する2本の支持柱部26hと、各支持柱部26h及び周壁部26g間に形成された中仕切壁部26iとの間に形成された空間部によって構成されている(図20を参照)。
【0078】
また、同テープ取着用連結ブロック26は、その左右側面部の一方から、同側面部に近い方の支持柱部にかけてスリット26jが形成されており、同スリット26jが形成されている側の支持柱部26h内には、前記ブロック取着部23の円柱部23cを把持することが可能な把持部26kが形成されている。この場合、前記スリット26jのスリット幅(テープ表裏方向の幅)は、ファスナーテープ2の肉厚を含んだ第1固定部23aや第2固定部23bのテープ表裏方向における寸法に設定されている。
【0079】
更に、連結ブロック26の支持柱部26h内に形成された把持部26kは、図20に示すように、断面が略C字状に形成されているとともに、同把持部26kの一部が支持柱部26hの連結ブロック中心側の内壁に連結されている。この略C字状の断面を有する把持部26kは、その先端部間に形成された開口から、ファスナーテープ2に形成したブロック取着部23の円柱部23cを挿入し、更に、同円柱部23cを把持部26kの内壁側空間内に導入することにより、その円柱部23cを把持するように形成されており、エレメント係着部46に抜脱可能に係着する係着部として機能する。
【0080】
なお、この把持部26kの上面と下面には、ブロック取着部23の第2固定部23bを受け入れるための図示しない段差部が形成されている。また、同連結ブロック26の前記スリット26jが設けられていない方の左右側面部には、その前後方向中央部に、凹溝部26mがブロック高さ方向(上下方向)に沿って形成されている。
【0081】
このようなブロック取着部23を有する本実施例2のスライドファスナー21は、前記実施例1のスライドファスナー21と同様の効果が得られる上に、図19に示したように、ブロック取着部23に、前記スリット26j及び前記把持部26kを有するテープ取着用連結ブロック26を取り外し可能に取着することができる。これにより、スライドファスナー21に対して連結ブロックを連結させるパターンを増やすことができる。
【0082】
具体的には、例えば図21に示したように、ファスナーテープ2の各ブロック取着部23にテープ取着用連結ブロック26を連結し、更に、これらの連結ブロック26に他の連結ブロック24を組み合わせて、様々な形状を表現することが可能となる。
【0083】
これにより、例えば図22に示したように、複数の連結ブロック24を組み合わせてスライドファスナー21付きのシャツの形状等を表したブロック集合体25を作ることができる。更に、スライダーを摺動させることによって、同ブロック集合体25を左右に分離させたり、再び連結させたりして動かして遊ぶことが可能となる。子供がこのようにしてブロック集合体を作ったり、そのブロック集合体を動かしたりすることにより、子供の想像力や思考力を高めるとともに、子供がスライドファスナー21の仕組みを容易に理解することができる。
【0084】
なお、本実施例2において、スライドファスナー21のファスナーテープ2にテープ取着用連結ブロックを取り外し可能に取着する手段は、前述のようなブロック取着部23とテープ取着用連結ブロック26によるものに限定されず、例えば図23、図25及び図26等に示したような手段も利用することが可能である。
【0085】
例えば図23に示したテープ取着用連結ブロック27を取着する手段では、左右のファスナーテープ2の芯紐部2aが配されている側とは反対側の外縁部2bに、前述の複数のブロック取着部23が所定の間隔をもって固着されている。
【0086】
一方、このスライドファスナー21のブロック取着部23に取着可能なテープ取着用連結ブロック27は、ブロック前後方向(テープ表裏方向)に厚さの薄い略直方体状に形成されており、同連結ブロック27の前面には、6つの円柱状嵌着突起27cが形成され、後面には、他の連結ブロックが有する嵌着突起を嵌着可能な嵌着空間が形成されている。
【0087】
なお、このテープ取着用連結ブロック27の嵌着空間は、図示は省略するものの、連結ブロックの後面視にて、枠状の周壁部と、同周壁部により囲まれた領域内の所定位置に配され、円形状の断面を有する2本の支持柱部と、各支持柱部及び周壁部間に形成された中仕切壁部との間に形成された空間部によって構成されている。
【0088】
また、同連結ブロック27は、その左右側面部の一方から、左右方向(テープ幅方向)に延設された延設部27aと、同延設部27aの先端に一体に形成された断面が略C字状の把持部27bとを有している。これにより、同連結ブロック27をスライドファスナー21のブロック取着部23に取り外し可能に容易に取着することができる。
【0089】
従って、例えば図24に示したように、ファスナーテープ2の各ブロック取着部23に、薄い略直方体状のテープ取着用連結ブロック27をファスナーテープ2と平行に連結し、更に、これらの連結ブロック27に、例えば複数の嵌着突起28cを有するプレート状連結ブロック28を連結することが可能となる。このため、スライドファスナー21に連結ブロックを連結させるパターンを更に増大させることができる。
【0090】
また、例えば図25に示したテープ取着用連結ブロック29を取着する手段では、左右のファスナーテープ2の外縁部2bに、合成樹脂製の複数の球状ブロック取着部23’が射出成形により固着一体化されており、これらの球状ブロック取着部23’は、ファスナーテープ2のテープ長手方向に沿って所定の間隔をもって配されている。
【0091】
一方、この球状ブロック取着部23’に取着可能なテープ取着用連結ブロック29は、ブロック前後方向(テープ表裏方向)に厚さの薄い略直方体状に形成されており、同連結ブロック29の前面には、6つの円柱状嵌着突起29cが形成され、後面には、他の連結ブロックが有する嵌着突起を嵌着可能な図示しない嵌着空間が形成されている。
【0092】
また、同連結ブロック29は、その左右側面部の一方から、左右方向(テープ幅方向)に延設された延設部29aと、同延設部29aの先端に一体に形成された円筒状の把持部29bとを有している。この円筒状の把持部29bには、ファスナーテープ2を挿入可能な切込みが形成されているとともに、同把持部29bの内周面は、球状ブロック取着部23’を安定して把持できるように湾曲面に形成されている。これにより、同連結ブロック29を球状ブロック取着部23’に取り外し可能に容易に取着することができる。
【0093】
更に、例えば図26に示したテープ取着用連結ブロック31,32を取着する手段では、左右のファスナーテープ2の外縁部2bに、例えばプレート状のテープ取着用連結ブロック31に配された嵌着突起31cの配列に対応して、複数の円形状の孔部30が嵌着空間として形成されており、これらの孔部30がテープ取着用連結ブロック31,32を取着するブロック取着部を構成している。
【0094】
この場合、ブロック取着部を構成する円形状孔部30に、プレート状のテープ取着用連結ブロック31に形成されている複数の嵌着突起31cを嵌入させ、更に、円形状孔部30に嵌入させた同連結ブロック31の嵌着突起31cに、他方のテープ取着用連結ブロック32を連結させることによって、これらのテープ取着用連結ブロック31,32をファスナーテープ2に取り外し可能に容易に取着することができる。
【0095】
更にこの場合、他方のテープ取着用連結ブロック32における連結空間が形成されている側の面には、ファスナーテープ2の厚さを吸収するための段差部32aが設けられていることが好ましい。これにより、ファスナーテープ2にテープ取着用連結ブロック31,32を安定して取着することができる。
【0096】
またその他に、このように左右のファスナーテープ2に複数の円形状孔部30が形成されてブロック取着部が構成されている場合には、同円形状孔部30にプレート状連結ブロック31の複数の嵌着突起31cを嵌入させた後、例えば図27に示したように、ファスナーテープ2に形成したブロック取着部(円形状孔部30)を被覆するような細長い形状を有する他方のテープ取着用連結ブロック33を用いて、テープ取着用連結ブロック31,33をファスナーテープ2に取り外し可能に取着することも可能である。
【0097】
更にこの場合も、細長い形状を有する他方のテープ取着用連結ブロック33における連結空間(孔部)33dが形成されている側の面には、ファスナーテープ2の厚さを吸収するための段差部33aが設けられていることが好ましい。
【実施例3】
【0098】
次に、本発明の実施例3に係るスライドファスナーについて説明する。ここで、図28は、本実施例3のスライドファスナーの正面図であり、図29は、同スライドファスナーの一部を拡大して示した斜視図である。また、図30は、同スライドファスナーのファスナーエレメントの着脱を説明する斜視図であり、図31は、同スライドファスナーの幾つかのファスナーエレメントを取り外した状態を示す正面図である。
【0099】
本実施例3のスライドファスナー41は、左右一対のファスナーテープ42と、左右のファスナーテープ42の対向するテープ側縁部に抜脱可能に取着した複数のファスナーエレメント45からなる左右のエレメント列43と、同エレメント列43に挿通したスライダー44とを備えている。
【0100】
前記ファスナーテープ42は、その対向するテープ側端縁に、図30に示すように、合成樹脂製の複数のエレメント取着部46が射出成形により固着一体化されており、これらのエレメント取着部46は、ファスナーテープ42のテープ長手方向に沿って所定の間隔をもって配されている。この場合、各エレメント取着部46間の間隔は、同エレメント取着部46に取着可能な連結ブロックの高さ寸法(嵌着突起の高さは除く)に設定されている。なお、このエレメント取着部46の材質としては、例えばポリアセタール、ポリプロピレン、ポリブチレンテレフタレート、ナイロン等の熱可塑性樹脂を用いることができる。
【0101】
また、各エレメント取着部46は、前記実施例2のブロック取着部23と同様に、ファスナーテープ42のテープ対向縁部側の表裏面に固着された矩形状の第1固定部46aと、その第1固定部46aの上端部及び下端部からテープ外縁に向けて延設され、同テープ外縁で折り返す形でテープ表面側とテープ裏面側とが連結された第2固定部46bと、上下の第2固定部46b間にてテープ外縁を包み込むように形成され、円柱状の断面を有する円柱部46cとを有している。
【0102】
左右のエレメント列43を形成する各ファスナーエレメント45は、ファスナーテープ42のエレメント取着部46に抜脱可能に係着するテープ取着用連結ブロックにより構成されている。このファスナーエレメント45となる連結ブロックは、前記実施例2のブロック取着部に係着するテープ取着用連結ブロック26と同様の連結ブロックである。
【0103】
即ち、同テープ取着用連結ブロックの上面には、6つの円柱状嵌着突起45cが形成され、下面には、他の連結ブロックに配された嵌着突起を嵌着可能な嵌着空間が形成されており、同嵌着空間は、図示しないものの、前記実施例2のテープ取着用連結ブロック26と同様に、枠状の周壁部と、2本の円筒状支持柱部と、中仕切壁部との間に形成された空間部によって構成されている。
【0104】
また、同ファスナーエレメント(連結ブロック)45は、その左右側面部の一方から、嵌着空間内に配された支持柱部にかけてスリット45jが形成されている。このファスナーエレメント45のスリット45jが形成されている側の支持柱部内には、前記エレメント取着部46の円柱部46cを把持することが可能な図示しない把持部が形成されており、同把持部は、エレメント係着部46に抜脱可能に係着する係着部として機能する。
【0105】
更に、同連結ブロックのスリット45jが設けられていない方の左右側面部には、凹溝部45mがブロック高さ方向(上下方向)に沿って形成されている。この凹溝部45mには、左右のファスナーエレメント45を噛合させたときに、噛合相手方のファスナーテープ42のテープ対向縁が嵌入されて保持される。
【0106】
前記スライダー44は、上翼板44aと、下翼板と、上翼板44aの前端側中央部と下翼板の前端側中央部とを連結する案内柱と、上翼板44a及び下翼板の後端側の左右側端縁から同上下翼板と直交する方向に形成された上下フランジとを有しており、同スライダー44内に形成されたエレメント案内路に左右のエレメント列43を導入して通過させることによって、左右のエレメント列43を噛合・分離させる。
【0107】
また、本実施例3のスライダー44の上翼板上面には、円柱状の6つの嵌着突起44cが、所定の間隔をもって規則的に形成されており、下翼板下面には、他部材(連結ブロック等)に形成した嵌着突起を嵌着可能な図示しない嵌着空間が形成されている。従って、前記実施例1のスライダー44と同様に、上翼板44aの上面側や下翼板の下面側に引手を容易に取り付けることや、同引手をスライダー44から取り外して、その他の引手に容易に取り替えることができる。
【0108】
そして、本実施例3のスライドファスナー41は、ファスナーテープ42の各エレメント取着部46にファスナーエレメント45となる前記テープ取着用連結ブロックが取着されている場合に、スライダー44を噛合方向へ摺動させることにより、各ファスナーエレメント45の上面に形成した6つの嵌着突起のうちの4つの嵌着突起45cを、同ファスナーエレメント45の上面側で噛合する相手側のファスナーエレメント45の嵌着空間に順次嵌着させて、左右のエレメント列43を安定して噛合させることができる。
【0109】
また本実施例3では、各ファスナーエレメント45がテープ取着用連結ブロックによって形成されているため、エレメント列43の端部に配された各ファスナーエレメント45に、他の連結ブロックや連結ブロックの集合体等を容易に連結させることができる。更に、スライダー44の上下翼板44aにも、嵌着突起44cや嵌着空間が形成されているため、連結ブロック等を自由に連結させることが可能である。
【0110】
更に本実施例3では、それぞれのファスナーエレメント45がファスナーテープ42のエレメント取着部46に抜脱可能に取着されている。このため、例えば図31に示したように、任意の位置のファスナーエレメント45を容易に取り外すことや、任意の位置のファスナーエレメント45を他のテープ取着用連結ブロックに付け替えることが可能となる。
【0111】
これにより、例えばエレメント列43の一部のファスナーエレメント(テープ取着用連結ブロック)45を、色の異なるその他のテープ取着用連結ブロックに付け替えて、エレメント列43の色彩を容易に変更することが可能となる。
【0112】
従って、例えば同スライドファスナー41を知育玩具用連結ブロックのパーツとして用いて他の連結ブロック等と連結する場合に、より多彩な模様を表現することが可能となる。なおこの場合、ファスナーテープ42から取り外したテープ取着用連結ブロックは、エレメント列43の端部に配されたファスナーエレメント45やその他の連結ブロックに連結可能な連結ブロックとして用いることができる。
【0113】
また、スライドファスナー41がエレメント列43の一部のファスナーエレメント45を取り外すことが可能に構成されていれば、同スライドファスナー41を、例えば図32に示したようなマットレスカバー49の開閉部分等に好適に使用することができる。
【0114】
ここで、本実施例3のスライドファスナー41の使用例の1つであるマットレスカバー49について具体的に説明する。この図32に示したマットレスカバー49は、図示しないヒーターが内部にセットされたマットレスを被覆するためのカバーであり、同マットレスカバー49には、マットレスのヒーターに電気を供給する電気コード48を挿通させるための挿通孔を設ける必要がある。
【0115】
従って、同マットレスカバー49の開閉部分に本実施例3のスライドファスナー41に使用した場合、スライダー44を摺動させることによってマットレスカバー49の開閉部分を自由に開閉できることは当然のこととして、スライドファスナー41の一部のファスナーエレメント45をファスナーテープ42から取り外すことによって、そのファスナーエレメント45を取り外した部分に、図32に示したような電気コード48の挿通孔49aを容易に形成することができる。更に、本実施例3のスライドファスナー41は、スライドファスナー41のエレメント列43上であれば、その挿通孔49aの位置を自由に変更できるといった利点も得られる。
【0116】
なお、本実施例3のスライドファスナー41は、スライダー44をエレメント列43に沿って噛合方向に摺動させることにより、前述のようにファスナーエレメント45の上面に形成した6つの嵌着突起45cのうちの4つの嵌着突45cを、相手側のファスナーエレメント45の嵌着空間に順次嵌着させて、左右のエレメント列43を噛合している。
【0117】
しかしながら、本実施例3のスライドファスナー41では、例えば左右のエレメント列43に挿通させるスライダー44のサイズを変えることによって、例えばファスナーエレメント45の上面に形成した6つの嵌着突起45cのうちの、スリット45jを形成した側とは反対の側に配した2つの嵌着突起45cのみを、相手側のファスナーエレメント45の嵌着空間に嵌着させて左右のエレメント列43を噛合させることも可能である。
【0118】
また、本実施例3では、上面に6つの嵌着突起45cを有するテープ取着用連結ブロックをファスナーテープ42に取着してエレメント列43が形成されているが、同テープ取着用連結ブロックに換えて、例えば、その上面に2つの嵌着突起を有するテープ取着用連結ブロックや、その上面に8つ以上の嵌着突起を有するテープ取着用連結ブロックをファスナーテープ42の各エレメント取着部46に取着してエレメント列43を形成することも可能である。
【0119】
更に、ファスナーエレメント45となる連結ブロックの下面に形成される嵌着空間の形態についても、左右のエレメント列43の噛合時に噛合相手となるファスナーエレメント(連結ブロック)45に形成された所定数の嵌着突起45cを嵌着させることができれば、特に限定されるものではない。
【0120】
また、本実施例3のスライドファスナー41は、ファスナーテープ42のテープ外縁部に例えば前記実施例2のスライドファスナー21と同様にブロック取着部23を設けて、テープ取着用連結ブロックを取り外し可能に容易に取着することも可能である。更に、本実施例3はスライダーの形態についても特に限定されず、前記実施例1にて図14、図15、図16、及び図17を参照しながら説明したような各種の形態を有するスライダーを使用することができる。
【実施例4】
【0121】
図33は、本発明の実施例4に係るスライドファスナーの正面図であり、図34は、同スライドファスナーの噛合状態にあるエレメント列の一部を拡大して示した斜視図である。
本実施例4のスライドファスナー51は、左右一対のファスナーテープ52と、左右のファスナーテープ52の対向するテープ側縁部に取着した左右のエレメント列53と、同エレメント列53に挿通したスライダー54とを備えている。
【0122】
前記ファスナーテープ52は、その対向するテープ側端縁に芯紐部52bを有しており、このファスナーテープ52の芯紐部52bを含むエレメント取付部に沿って、複数のファスナーエレメント55が一定の間隔をおいて列設されてエレメント列53を形成している。
【0123】
前記ファスナーエレメント55は、合成樹脂をファスナーテープ52に射出成形することにより同ファスナーテープ52に固着されている。このファスナーエレメント55の材質としては、ポリアセタール、ポリプロピレン、ポリブチレンテレフタレート、ナイロン等の熱可塑性樹脂を用いることができる。
【0124】
各ファスナーエレメント55は、ファスナーテープ52のエレメント取付部に取り付けるための胴部55aと、同胴部55aから平面視にて括れるようにテープ外方に延設される頚部55eと、同頚部55eの先端から平面視にて長円形状に延設される噛合頭部55bとを有している。また、各ファスナーエレメント55の胴部55aには、そのテープ表裏方向の一方の面(表面)に、基端から先端に亘って同一直径を有する円柱状の嵌着突起55cが突設されている。
【0125】
前記スライダー54は、基本的な構成は前記実施例1のスライダー54と同様であり、上翼板と、下翼板と、上翼板の前端側中央部と下翼板の前端側中央部とを連結する案内柱と、上翼板及び下翼板の後端側の左右側端縁から同上下翼板と直交する方向に形成された上下フランジとを有している。
【0126】
また、本実施例4のスライダー54の上翼板上面には、円柱状の6つの嵌着突起54cが、所定の間隔をもって規則的に形成されており、下翼板下面には、他部材に形成した嵌着突起を嵌着可能な嵌着空間が形成されている。従って、前記実施例1のスライダー4等と同様に、上翼板の上面側や下翼板の下面側に引手を容易に取り付けることや、同引手をスライダー54から取り外して、その他の引手に容易に取り替えることができる。
【0127】
このような構成を有する本実施例4のスライドファスナー51は、ファスナーエレメント55に嵌着突起55cが形成されていてもファスナーとしての開閉機能を維持できるとともに、例えば図35に示したように、各ファスナーエレメント55の胴部表面に形成した嵌着突起55cに、別の連結ブロック56を容易に連結させることができる。この場合、ファスナーエレメント55に連結させる連結ブロック56は、ファスナーエレメント55に形成した嵌着突起55cを嵌着可能な嵌着空間を有していれば良い。
【0128】
また、本実施例4のスライドファスナー51は、前述のような嵌着空間を有する連結ブロック56だけでなく、ファスナーエレメント55の嵌着突起55cを嵌着可能な嵌着空間を有する装飾材等のようなその他の部材も容易に連結することが可能である。
【0129】
例えば図36や図37に示したように、嵌着空間となる複数の円形状の孔部57aを底部に有するハート状のマークやシンボル、アルファベット等を模った装飾体57、或いは、複数の円形状の孔部58aを底部に有する人形や模型等の装飾体58などのような様々な装飾体を、本実施例4のスライドファスナー51の噛合状態にある左右のエレメント列53に容易に連結することができる。
【0130】
この場合、装飾体の底部に形成される円形状孔部57a,58aは、噛合状態にあるファスナーエレメント55の嵌着突起55cの配置に対応させて配されている。これにより、同スライドファスナー51を知育玩具として使用した場合や、鞄等の雑貨や衣料品等の開口部に使用した場合等に、その装飾性を高めることができる。
【0131】
更に、本実施例4のスライドファスナー51は、各ファスナーエレメント55に嵌着突起55cが形成されているため、嵌着空間となる複数の円形状孔部59aがその底面に2列になって規則的に形成された部材、例えば図38及び図39に示したような左右のエレメント列53の全体を被覆するカバー体59等も容易に連結することができる。
【0132】
従って、例えば同スライドファスナー51をカーペットのようなシート部材60同士を連結するための連結具として使用した場合、連結したシート部材60間に噛合状態のエレメント列53が露呈していると、そのシート部材60の外観を損ねる可能性があるものの、図39に示したように噛合状態にある左右のエレメント列53に前記カバー体59を連結することができれば、同エレメント列53をカバー体59で隠蔽することができ、シート部材60の外観が損なわれることを防止できる。
【0133】
また、本実施例4のスライドファスナー51の効果的な別の使用例としては、例えば図40に示したように、同スライドファスナー51を衣服61の胸ポケットの開口部61aに取着する場合が考えられる。このようにスライドファスナー51を胸ポケットの開口部61aに取着することにより、同開口部61aの開閉を容易に行うことができる。
【0134】
更に、例えばペン62や名札63等に、スライドファスナー51に形成した嵌着突起54c,55cを嵌着させることが可能な嵌着空間(円形状孔部)62aを設けておくことにより、これらのペン62や名札63等を、胸ポケットに取着したスライドファスナー51のファスナーエレメント55やスライダー54に簡易的に保持することが可能となる。このため、スライドファスナー51の機能を拡大させることができる。
【0135】
なお、本実施例4のスライドファスナー51は、各ファスナーエレメント55の胴部表面に1つの嵌着突起55cが突設されている。しかし本発明では、ファスナーエレメント55に嵌着突起55cを突設する代わりに、例えば図41に示したように、各ファスナーエレメント55の胴部表面に、装飾体等の相手部材(他部材)の嵌着突起を抜脱可能に嵌着する円形状孔部からなる嵌着空間55dを設けることも可能である。
【0136】
このような嵌着空間55dが形成されたファスナーエレメント55を有するスライドファスナー51であっても、ファスナーとしての開閉機能を維持できるとともに、ファスナーエレメント55に形成した嵌着空間55dに、嵌着突起を有する別の連結ブロックやその他の部材などを容易に連結させることが可能となる。
【0137】
更に、本実施例4のスライドファスナー51は、各ファスナーエレメント55の胴部表面のみに嵌着突起55cが形成されているが、本発明では、例えば各ファスナーエレメント55の胴部裏面のみに嵌着突起55c若しくは嵌着空間55dを形成することも可能であり、又は、各ファスナーエレメント55の胴部表面と胴部裏面の両面に、嵌着突起55cや嵌着空間55dを形成することも可能である。
【実施例5】
【0138】
図42は、本発明の実施例5に係るスライドファスナーの斜視図である。また、図43及び図44は、同スライドファスナーの上止に連結可能な部材について説明する説明図である。更に、図45及び図46は、同スライドファスナーの開離嵌挿具に連結可能な部材について説明する説明図である。
【0139】
本実施例5のスライドファスナー71は、左右一対のファスナーテープ52と、左右のファスナーテープ52の対向するテープ側縁部に取着した左右のエレメント列53と、同エレメント列53に挿通したスライダー54と、前記エレメント列53の上端に装着された上止76と、前記エレメント列53の下止として装着され、同エレメント列53の下端部を分離可能にする開離嵌挿具77とを備えている。
【0140】
なお、本実施例5のスライドファスナー71において、エレメント列53の上端部に上止76が装着され、下端部に開離嵌挿具77が装着されていること以外の構成、即ち、ファスナーテープ52、エレメント列53を形成する各ファスナーエレメント55、及びスライダー54の構成については、前記実施例4のスライドファスナー51と同様である。
【0141】
前記上止76は、左右のエレメント列53の上端部にそれぞれ装着されており、エレメント列53からスライダー54が抜けることを防止している。また、各上止76の表面には、2つの円柱状嵌着突起76cがテープ長手方向に並んで形成されている。これらの嵌着突起76cは、ファスナーエレメント55に形成した嵌着突起55cと同じサイズを有しており、また、ファスナーエレメント55のピッチと同じピッチで配されている。
【0142】
前記開離嵌挿具77は、蝶棒77a、箱棒77b及び箱体77eを有しており、蝶棒77aが箱体77eに対して抜き差し可能に構成されている。また、箱体77eの表面には、4つの円柱状嵌着突起77cが所定の間隔で規則的に形成されており、これらの嵌着突起77cも、ファスナーエレメント55に形成した嵌着突起55cと同じサイズを有している。
【0143】
このような本実施例5のスライドファスナー71は、前記実施例4のスライドファスナー71により得られる効果に加えて、上止76や開離嵌挿具77の箱体77eに連結ブロックやその他の装飾体等を脱着可能に連結することができる。
例えば、スライドファスナー71の各上止76には、図43に示したように、表面に花形のマークが模られ、且つ、裏面側に嵌着空間78d,79dを有する装飾体78,79等を容易に連結することができる。また、例えば図44に示したように、スライドファスナー71の上止76に、上止76と略同サイズの矩形状の連結ブロック80を連結することにより、同連結ブロック80を上止76の一部として用いることができ、スライダー54がエレメント列53から抜けてしまうことをより確実に防止することができる。
【0144】
また、開離嵌挿具77の箱体77eにも4つの嵌着突起77cが形成されているため、例えば図45に示したように、表面に星形のマークが模られ、且つ、裏面側に嵌着空間81dを有する装飾体81等を容易に連結することができる。
【0145】
更に、開離嵌挿具77の箱体77eに嵌着突起77cを形成したことにより、例えばスライダー54を、エレメント列53上の開離嵌挿具77側の端部に摺動させて停止させた場合に、図46に示したように、嵌着空間82dを有する他部材(例えば、連結ブロック82)をスライダー54と開離嵌挿具77とに跨って連結することが可能となる。
【0146】
これにより、スライダー54を、エレメント列53に沿って摺動しないようにその位置で固定することができるため、例えば本実施例5のスライドファスナー71を衣服等に取り付けた場合に、左右のエレメント列53が分離した状態であっても、スライダー54が一方のエレメント列53に沿って自由に摺動することを防ぎ、同スライダー54がぶらつくことを防止できる。更に、このようにスライダー54の位置を固定することにより、スライダー54が箱体77eに接触した状態を維持できるため、開離嵌挿具77の蝶棒77aの箱体77eへの抜き差しを安定して確実に行うことができる。
【0147】
以上のように、本実施例5のスライドファスナー71は、ファスナーエレメント55やスライダー54だけでなく、上止76や開離嵌挿具77にも様々な装飾体78,79,81やその他の連結ブロック80,82等を連結することができるため、その装飾性や機能性を高めることができる。また、同スライドファスナー71を玩具用連結ブロックに連結させるパーツとして用いることにより、連結ブロックを用いて表現できる世界を大きく広げることが可能となる。
【0148】
なお、本実施例5のスライドファスナー71は、エレメント列53を形成する各ファスナーエレメント55に円筒状の嵌着突起55cが形成されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、エレメント列を形成するファスナーエレメントとして、例えば図47に示したように嵌着突起が形成されていない一般的な合成樹脂製の単独ファスナーエレメント55’をファスナーテープ52に固着してスライドファスナー71’を構成することが可能であり、またその他に、コイル状若しくはジグザグ状の合成樹脂製の連続ファスナーエレメントや、噛合頭部に凸部と凹部とを有する金属製の単独ファスナーエレメントをファスナーテープ52に取着することも可能である。
【0149】
例えば図47に示したように、ファスナーエレメント55’に嵌着突起も嵌着空間も形成されていないスライドファスナー71であっても、同スライドファスナー71のスライダー54、上止76、及び開離嵌挿具77には円柱状の嵌着突起54c,76c,77cがそれぞれ形成されているため、これらの部材54,76,77に様々な装飾体やその他の連結ブロック等を容易に連結して、その装飾性や機能性を高めることができる。
【0150】
また、実施例5のスライドファスナー71や図47に示したスライドファスナー71’であれば、例えば図48に示したように鞄84の開口部84aにスライドファスナー71又はスライドファスナー71’を取着し、且つ、その鞄84のエレメント列上端側の位置に、嵌着空間83dを備えたブロック部材83を設けることによって、以下のような効果も得ることができる。
【0151】
即ち、この場合、スライドファスナー71のスライダー54を、鞄84の開口部84aを閉鎖するためにエレメント列53の上端位置まで摺動させた後、同スライダー54とブロック部材83とを嵌着突起54c及び嵌着空間83dを介して連結することによって、スライダー54の位置をエレメント列53の上端位置で保持でき、鞄84の開口部84aが不用意に開くことを防止できるといった効果が得られる。
【0152】
なお、前述した実施例1〜実施例5の各スライドファスナーは、何れも、前述のような連結ブロックと連結可能な知育玩具のパーツとして使用することができるだけでなく、従来のスライドファスナーと同様に、衣料品、雑貨類、鞄類などの開口部を開閉する開閉具としても当然に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0153】
【図1】本発明の実施例1に係るスライドファスナーの正面図である。
【図2】同スライドファスナーの斜視図である。
【図3】同スライドファスナーに用いられるファスナーエレメントを斜め上方から見たときの斜視図である。
【図4】同ファスナーエレメントを斜め下方から見たときの斜視図である。
【図5】同スライドファスナーに用いられるスライダーを斜め上方から見たときの斜視図である。
【図6】同スライダーを斜め下方から見たときの斜視図である。
【図7】同スライダーに連結ブロックを用いて引手を取着する場合について説明する説明図である。
【図8】同スライダーに引手が取着された状態を示す斜視図である。
【図9】同スライドファスナーのエレメント列上端部に連結ブロックが取着された状態を示す斜視図である。
【図10】同スライドファスナーのエレメント列上端部に連結ブロック及びブロック集合体が取着された状態を示す斜視図である。
【図11】同スライドファスナーのエレメント列下端部にブロック集合体が取着された状態を示す斜視図である。
【図12】同スライドファスナーのスライダーの上翼板上面にブロック集合体が取着された状態を示す斜視図である。
【図13】同スライドファスナーの一方のファスナーストリンガーを、他方のファスナーストリンガーに対して嵌着突起を軸にして相対的に折り曲げた状態を示す斜視図である。
【図14】スライダーの変形例を示す斜視図である。
【図15】スライダーの別の変形例を示す斜視図である。
【図16】スライダーの更に別の変形例を示す斜視図である。
【図17】スライダーの更に別の変形例を示す斜視図である。
【図18】同スライダーの断面図である。
【図19】本発明の実施例2に係るスライドファスナーの一方のファスナーストリンガーを示す斜視図である。
【図20】図19に示したXX−XX線断面図である。
【図21】同スライドファスナーのファスナーテープに連結ブロックを連結した状態を示す斜視図である。
【図22】同スライドファスナーの具体的な使用例を示す斜視図である。
【図23】(a)は、スライドファスナーの変形例を示す正面図であり、(b)は、同変形例の斜視図である。
【図24】同変形例のスライドファスナーに、プレート状の連結ブロックを連結した状態を示す斜視図である。
【図25】(a)は、スライドファスナーの別の変形例を示す正面図であり、(b)は、同変形例の斜視図である。
【図26】スライドファスナーの更に別の変形例を示す斜視図である。
【図27】スライドファスナーの更に別の変形例を示す斜視図である。
【図28】本発明の実施例3に係るスライドファスナーの正面図である。
【図29】同スライドファスナーの一部を拡大して示す斜視図である。
【図30】同スライドファスナーのファスナーエレメントの着脱を説明する斜視図である。
【図31】同スライドファスナーの幾つかのファスナーエレメントを取り外した状態を示す正面図である。
【図32】同スライドファスナーの使用例を示す斜視図である。
【図33】本発明の実施例4に係るスライドファスナーの正面図である。
【図34】同スライドファスナーの噛合状態にあるエレメント列の一部を拡大して示す斜視図である。
【図35】同スライドファスナーのエレメント列に連結ブロックを連結した状態を示す斜視図である。
【図36】同スライドファスナーのエレメント列に連結可能な装飾体について説明する説明図である。
【図37】同装飾体をエレメント列に連結した状態を示す断面図である。
【図38】同スライドファスナーのエレメント列に連結可能なカバー体について説明する説明図である。
【図39】同カバー体をエレメント列に連結した状態を示す断面図である。
【図40】同スライドファスナーの使用例を示す斜視図である。
【図41】スライドファスナーの変形例を示す斜視図である。
【図42】本発明の実施例5に係るスライドファスナーの斜視図である。
【図43】同スライドファスナーの上止に連結可能な装飾体について説明する説明図である。
【図44】同スライドファスナーの上止に連結可能な連結ブロックについて説明する説明図である。
【図45】同スライドファスナーの開離嵌挿具に連結可能な装飾体について説明する説明図である。
【図46】同スライドファスナーの開離嵌挿具に連結可能な部材について説明する説明図である。
【図47】スライドファスナーの変形例を示す斜視図である。
【図48】スライドファスナーの使用例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0154】
1 スライドファスナー
2 ファスナーテープ
2a 芯紐部
3 エレメント列
4 スライダー
4a 上翼板
4b 下翼板
4c 嵌着突起
4d 嵌着空間
4e 案内柱
4f フランジ
4g 周壁部
4h 支持柱部
5,5’ ファスナーエレメント
5a 脚部
5b 噛合部
5c 嵌着突起
5d 嵌着空間
5e 挿通孔部
6a,6b 連結ブロック
7 引手
7a 引手本体部
7b リング部
8a,8b,8c 連結ブロック
9a,9b,9c ブロック集合体
10 ファスナーストリンガー
11 スライダー
11a 上翼板
11c 嵌着突起
12 嵌着突起
13 スライダー
13a 上翼板
13b 下翼板
13d 嵌着空間
13g 周壁部
13h 中仕切壁部
14 スライダー
14a 上翼板
14b 下翼板
14d 嵌着空間
14i 円形状の孔部
14j 四角形状の孔部
15 スライダー
15a 上翼板
15b 下翼板
15c 嵌着突起
15e 案内柱
15f フランジ
15i 腕部
15j 肉厚部
21 スライドファスナー
22 ファスナーストリンガー
23,23’ ブロック取着部
23a 第1固定部
23b 第2固定部
23c 円柱部
24 連結ブロック
25 ブロック集合体
26 テープ取着用連結ブロック
26c 嵌着突起
26d 嵌着空間
26g 周壁部
26h 支持柱部
26i 中仕切壁部
26j スリット
26k 把持部
26m 凹溝部
27 テープ取着用連結ブロック
27a 延設部
27b 把持部
27c 嵌着突起
28 プレート状連結ブロック
28c 嵌着突起
29 テープ取着用連結ブロック
29a 延設部
29b 把持部
29c 嵌着突起
30 円形状孔部
31 テープ取着用連結ブロック
31c 嵌着突起
32 テープ取着用連結ブロック
32a 段差部
33 テープ取着用連結ブロック
41 スライドファスナー
42 ファスナーテープ
43 エレメント列
44 スライダー
44a 上翼板
44c 嵌着突起
45 ファスナーエレメント
45c 嵌着突起
45j スリット
45m 凹溝部
46 エレメント取着部
46a 第1固定部
46b 第2固定部
46c 円柱部
48 電気コード
49 マットレスカバー
49a 挿通孔
51 スライドファスナー
52 ファスナーテープ
52b 芯紐部
53 エレメント列
54 スライダー
54c 嵌着突起
55,55’ ファスナーエレメント
55a 胴部
55b 噛合頭部
55c 嵌着突起
55d 嵌着空間
55e 頚部
56 連結ブロック
57,58 装飾体
57a,58a 孔部
59 カバー体
59a 孔部
60 シート部材
61 衣服
61a 開口部
62 ペン
62a 嵌着空間(円形状孔部)
63 名札
71,71’ スライドファスナー
76 上止
76c 嵌着突起
77 開離嵌挿具
77a 蝶棒
77b 箱棒
77c 嵌着突起
77e 箱体
78,79 装飾体
78d,79d 嵌着空間
80 連結ブロック
81 装飾体
81d 嵌着空間
82 連結ブロック
82d 嵌着空間
83 ブロック部材
83d 嵌着空間
84 鞄
84a 開口部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右一対のファスナーテープ(2,42,52) の対向するテープ側縁部に取着した左右のエレメント列(3,43,53) にスライダー(4,11,13,14,15,44,54) が挿通され、同スライダー(4,11,13,14,15,44,54) を前記エレメント列(3,43,53) に沿って摺動させることにより前記エレメント列(3,43,53) を噛合・分離させるスライドファスナー(1,21,41,51,71) であって、
前記スライドファスナー(1,21,41,51,71) の構成部材の少なくとも一部に、円柱状の嵌着突起(4c,5c,11c,15c,44c,45c,54c,55c76c,77c)及び嵌着空間(4d,5d,13d,14d,55d) のうちの少なくとも一方が設けられ、
前記嵌着突起(4c,5c,11c,15c,44c,45c,54c,55c76c,77c)及び前記嵌着空間(4d,5d,13d,14d,55d) は、同スライドファスナー(1,21,41,51,71) の他の構成部材及び同スライドファスナーとは異なる他物品のうちの少なくとも1つに形成される嵌着空間(5d,26d,57a,58a,59a,62a,78d,79d,81d,82d)及び嵌着突起(5c)に対して着脱可能に形成されてなる、
ことを特徴とするスライドファスナー。
【請求項2】
前記嵌着空間(5d,14d,55d)は、
前記他の構成部材又は前記他物品に形成される嵌着突起と同一直径を有する円形状の孔部、又は、
前記他の構成部材又は前記他物品に形成される嵌着突起の外周面を3箇所以上の線接触で支持可能な多角形状の孔部、
により構成されてなる請求項1記載のスライドファスナー。
【請求項3】
前記嵌着空間(4d,13d)は、
平面視にて、枠状の周壁部により形成された空間部、
平面視にて、枠状の周壁部と同周壁部により囲まれた領域内の所定位置に配された円柱状若しくは円筒状の支持柱部との間に形成された空間部、又は、
平面視にて、枠状の周壁部と同周壁部により囲まれた領域内の所定位置に配された中仕切壁部との間に形成された空間部、
により構成されてなる請求項1記載のスライドファスナー。
【請求項4】
前記嵌着突起(4c,5c,11c,15c,44c,45c,54c,55c76c,77c)は、その高さ方向に沿った中空空間を有する円筒状の突起(11c) を含み、前記中空空間は前記嵌着空間を構成してなる請求項1〜3のいずれかに記載のスライドファスナー。
【請求項5】
前記エレメント列(3,43,53) を構成するファスナーエレメント(5,45,55) に、前記嵌着突起(5c,45c,55c)及び前記嵌着空間(4d,55d)のうちの少なくとも一方が形成されてなる請求項1〜4のいずれかに記載のスライドファスナー。
【請求項6】
前記ファスナーエレメント(5,45)は、前記ファスナーテープ(2,42)に取り付ける脚部と、同脚部(5a)から延設される直方体状の噛合部(5b)とを一体に有し、
前記噛合部(5b)のテープ長手方向の一面に前記嵌着突起(5c,45c)が形成され、同噛合部(5b)の前記嵌着突起(5c,45c)が形成された面とは反対側のテープ長手方向の他面に前記嵌着空間(5d)が形成されてなる、
請求項5記載のスライドファスナー。
【請求項7】
前記ファスナーエレメント(55)は、前記ファスナーテープ(52)に取り付ける胴部(55a) と、同胴部(55a) からテープ外方に延設される括れた頚部(55e) と、同頚部(55e) の先端に設けられる長円形状の噛合頭部(55b) とを有し、
前記胴部(55a) のテープ表裏方向の少なくとも一面に、前記嵌着突起(55c) 又は前記嵌着空間(55d) が形成されてなる、
請求項5記載のスライドファスナー。
【請求項8】
前記スライダー(4,11,13,14,15,44,54) に、前記嵌着突起(4c,11c,15c44c,54c) 及び前記嵌着空間(4d,13d,14d)のうちの少なくとも一方が形成されてなる請求項1〜7のいずれかに記載のスライドファスナー。
【請求項9】
前記エレメント列(53)の一端又は両端に、同エレメント列(53)から前記スライダー(54)が抜けることを防止する止具(76,77) が配され、
前記止具(76,77)に、前記嵌着突起(76c,77c) 及び前記嵌着空間のうちの少なくとも一方が形成されてなる、
請求項1〜8のいずれかに記載のスライドファスナー。
【請求項10】
前記ファスナーテープ(42)は、前記エレメント列(43)を形成するファスナーエレメント(45)を取り外し可能に取着するエレメント取着部(46)を有し、
前記ファスナーエレメント(45)は、前記エレメント係着部(46)に抜脱可能に係着する係着部を有してなる、
請求項1〜9のいずれかに記載のスライドファスナー。
【請求項11】
前記ファスナーテープ(2) は、相互に連結可能な連結ブロック(26)を取り外し可能に取着するブロック取着部(23)を有してなる請求項1〜10のいずれかに記載のスライドファスナー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【公開番号】特開2009−268615(P2009−268615A)
【公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−120231(P2008−120231)
【出願日】平成20年5月2日(2008.5.2)
【出願人】(000006828)YKK株式会社 (263)
【Fターム(参考)】